JP2004027221A - ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗材としての柔軟性や施工性を維持しつつ、引張り強度を向上したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用する施工方法を提供すること。
【解決手段】JIS−A−6909で規定する防水形複層塗材E,もしくは防水形複層塗材RE、または、JIS−A−6021で規定する立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材である防水形複層仕上塗材に、平均のカット長6.0mm〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを2.0〜4.0重量%の配合率で配合する。このように配合してなる組成物を吹き付け施工した後、塗料用シンナーを付着させたローラで吹き付け面を軽く押さえる繊維押さえを行う。
【解決手段】JIS−A−6909で規定する防水形複層塗材E,もしくは防水形複層塗材RE、または、JIS−A−6021で規定する立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材である防水形複層仕上塗材に、平均のカット長6.0mm〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを2.0〜4.0重量%の配合率で配合する。このように配合してなる組成物を吹き付け施工した後、塗料用シンナーを付着させたローラで吹き付け面を軽く押さえる繊維押さえを行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用仕上塗材の主材に関し、材質に科学的変化をきたさず、かつ、下地基材からのアルカリの影響を受けず、特に吹き付け塗装に支障をきたさないガラス繊維チョップドストランドを含有し、適度の伸張性と引張り強度とを有する新規なガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントや合成樹脂などの結合剤、顔料、骨材などを主原料とし、主として建築物の内外壁又は天井を、吹付け、ローラ塗り、こて塗りなどによって立体的な造形模様に仕上げる、いわゆる建築用仕上塗材の各種要件は、JIS−A−6909に、また、鉄筋コンクリート造建築物の屋根の防水工事に用いる屋根用塗膜防水材の各種要件は、同じくJIS−A−6021に規定されている。
【0003】
そして、従来、建築用仕上塗材の中で、防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)、或いは立ち上がり用アクリルゴム系の屋根用塗膜防水材では、その伸張率と引張り強さとのバランスは、結合材として使用する合成樹脂の配合割合や架橋、反応技術の組み合わせに依存していた。
【0004】
しかし、このような伸張率と引張り強さとのバランスの取り方では、下地にひび割れが生じたり、目地部が動いたりした場合、ひび割れや目地動きに伴う力が、直接、これらの塗材や防水材の対応する部分に集中するため、対応部分が著しく伸張して肉薄になったり、極端な場合には、引き裂かれたりして、防水材として機能を奏さない恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、従来の建築用仕上塗材、特に、防水形複層仕上塗材が備えていたこのような課題を解決し、下地にひび割れや目地動きなどの力が加わっても、この力を負荷が加わった部分のみ集中させるのではなく、周辺部に分散させることができる新たなガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、従来の防水形複層仕上塗材が備えていた柔軟性を確保した状態で引張り強度を改善したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0007】
更にまた、本発明の他の目的は、吹き付け塗装やローラー塗装などの施工性に影響を与えないガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0008】
更にまた、本発明の他の目的は、上記したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を使用した新規な吹き付け施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成するため、試験実験を重ねた結果、ガラス繊維を防水形複層仕上塗材の主材に配合した新規なガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を開発した。
【0010】
すなわち、本発明は、防水形複層仕上塗材の主材にガラス繊維を配合した建築用ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物であって、ガラス繊維はチョップドストランドであり、平均のカット長が6.0mm〜8.0mmのものを2.0〜4.0重量%配合して成るガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法を提供するものである。
【0011】
本発明に用いられるガラス繊維チョップドストランドは、強度に優れ、耐水性をする平均の単繊維径13.5μmのガラス繊維の繊維束を短い長さに切断したのものである。ガラス繊維は、普通ガラスあるいは耐アルカリガラスに分類されるが、防水形複層仕上塗材の主材の材質に化学的変化を及ぼさず、かつ、下地基材からのアルカリの影響によって浸食されないものが選ばれる。
【0012】
更に、用途や目的によってストランド構成に種類がある。GRC(ガラス繊維補強セメント板)などのように補強を目的とする平均400フィラメントのハードタイプ、セメント製品などの亀裂防止を目的として少量添加する平均200フィラメントのセミハードタイプ、抄造法製品などに用いるモノフィラメントのソフトタイプがあるが、いずれのガラス繊維も使用することができる。
【0013】
本発明に使用するガラス繊維チョップドストランドの平均カット長は6.0mm〜8.0mmとする。
平均のカット長が6.0mmより短いと、繊維長が短いため絡み合うことによって生じる引張り強さの増大を期待できない。また、平均のカット長が8.0mmより長いと、リシンガン吹付機を用いた吹付け作業において、吐出が安定でなかったり、或いは多孔質ローラーによるローラー塗付作業において、ローラーが転がらないで滑る等の問題が生じるため適当でない。
【0014】
本発明は、かかるガラス繊維チョップドストランドを、2.0〜4.0重量%の配合率で、防水形複層仕上塗材の主材に混入する。
混入する割合が4.0重量%より多いと、塗装後の仕上がり面にガラス繊維チョップドストランドの塊りが生じ表面の一部が盛り上がるなどする場合があり好ましくない。
【0015】
本発明に使用する防水形複層仕上塗材の主材として、JIS−A−6909で規定する防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)、もしくは防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)、また、屋根用塗膜防水材として、JIS−A−6021に規定する立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材を適用できる。
【0016】
かかる塗材に、ガラス繊維チョップドストランドを上記配合率で添加した後、例えば、回転数1,200rpmの撹拌機により1分から30分撹拌し、繊維束を解束(繊維を解す)状態にする。
【0017】
繊維束が解束状態となった塗材を、一般の建築用仕上塗材で実施されている吹き付け塗装、ローラー塗装などの手段を用いて下塗りを終了した下地基材の表面に施工する。吹き付け塗装は、砂壁状仕上塗材の吹き付け用器具である通称リシンガンや凹凸状仕上塗材の吹き付け用器具である通称タイルガンを用いて行うことができる。また、ローラー塗装は、ゆず肌状仕上塗材で用いられている多孔質ローラーを用いることができる。
【0018】
吹き付け塗装による施工では、吹き付け用器具による吹き付け工程の直後、吹き付面を、塗装用シンナーで濡らしながらローラーで均一に軽く押さえる。この繊維押さえ施工により、吹き付け面に生じた繊維の凸部をほぼ均一にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
ガラス繊維チョップドストランドであって、平均の単繊維径13.5μm、ストランド構成400フィラメント、カット長6.0±2.0mm〜8.0±2.0mmを0.5〜4.0%配合した防水形複層仕上塗材の主材について、ガラス繊維チョップドストランドのカット長さ、配含率、撹拌分散による収束繊維の解束状態が、施工性(吹き付け、ローラー塗り)、仕上がり、塗膜の引張り強さと柔軟性にどのように影響するかを、以下の実施例、比較例によって具体的効果を説明する。なお、以下の説明における%はそれぞれ重量%を表している。また、カット長「6.0±2.0mm」、カット長「8.0±2.0mm」、カット長「13.0±2.0mm」は、それぞれ平均のカット長が「6.0mm」、「8.0mm」、「13.0mm」を意味する。
【0020】
実験結果1
防水形複層仕上塗材の主材として、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を以下の配合率に調製した。
(1)主材
反応性特殊アクリルエマルション 49.0%
体質顔料 40.0%
粘性調整材 3.0%
少量添加剤* 6.0%
二酸化チタン 2.0%
*少量添加剤:分散剤、消泡剤、安定剤、防腐剤、成膜助剤
(2)硬化剤
橋架型特殊エポキシ樹脂 70.0%
反応性希釈剤 30.0%
(3)調合割合
主材:硬化剤=100:1.5
【0021】
上記塗材約800グラムに対してガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2.0mmのものをそれぞれ配合率1〜8%配合したものと、カット長8.0±2.0mmのものをそれぞれ配合率1〜6%配合したものとを調製し、カット長と配合率が作業性に及ぼす影響を調べた。その結果を表1に示す。
【0022】
収束した繊維を解束(繊維を解す)する方法は、直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に、前記塗材を入れ、これに対応した各割合のガラス繊維チョップドストランドを添加しながら電動撹拌機で撹絆した。この時、収束繊維と解束繊維が適度に混ざった状態のものとして10分間撹拌した。なお、羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmである。
【0023】
また、作業性は、一般の建築用仕上塗材で実施されている吹き付け塗装、およびローラー塗装で評価した。吹き付け塗装では、通称リシンガンと通称タイルガンを用いて吐出の安定状態によって、また、ローラー塗装では、多孔質ローラーによりローラーの転がり状態によって評価した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、リシンガン吹き付け作業が良好なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmの場合は配合率6%以下、繊維のカット長8.0±2.0mmの場合は配合率2%以下である。また、タイルガン吹き付け作業が良好なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmで配合率8%、繊維のカット長8.0±2.0mmで配合率6%のものでも良好であった。また、多孔質ローラーで均一な作業が可能なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmを配合率1%だけが選ばれた。
【0026】
実験結果2
防水形複層仕上塗材の主材として、実施例1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)約800グラムにガラス繊維チョップドストランドのカット長13.0±2.0mmをそれぞれ配合率1〜6%配合したものを調製し、カット長さと配合率が作業性に及ぼす影響を調査した。その調査結果を表2に示す。
なお、収束した繊維を解束する方法、作業性の評価は、実施例1と同様に行った。
【0027】
【表2】
【0028】
表2から、リシンガン吹き付け作業、多孔質ローラー作業が良好なものはなく、タイルガン吹き付け作業で配合率4%以下が良好であった。
【0029】
実験結果3
ガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2mm、およびカット長8.0±2.0mmを用いて、配合率を2%間隔に8%までに調製し、配合率と解束時間が防水形複層仕上塗材の主材の作業性や仕上がりに及ぼす影響を調査した。その結果を表3および表4に示す。なお、防水形複層仕上塗材の主材として、実験結果1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を用いた。
【0030】
解束方法は、実験1と同様な直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を約800g入れ、これに対応した各割合の収束したガラス繊維チョップドストランドを添加しながら収束繊維が分散した程度(ほとんど解れていない)のものとして1分間撹絆、収束繊維のほとんどが解れた状態のものとして30分間撹拌した。なお、このときの羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmとした。
【0031】
作業性は、実験結果1と同様な方法で、吹き付け塗装は、通称リシンガンと通称タイルガンを用いて吐出の安定状態で評価した。また仕上がりは、ガラス繊維チョップドストランドの塊がなく、表面の一部が盛り上がったりしない緻密で連続性があるものを良好として評価した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
表3から、繊維のカット長6.0±2mmの場合、リシンガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく6%以下であり、またタイルガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく配合率8%までであった。しかし、仕上がり状態では、解束時間に関係なく配合率4%以下が良好であった。
【0035】
表4から、繊維のカット長8.0±2.0mmの場合、リシンガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく6%以下であり、タイルガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく配合率8%までであった。しかし、仕上がり状態では、解束時間が1分間撹拌のもので配合率4%以下が良好であったのに対して、30分間撹拌のものでは配合率4%で不良の結果を得た。
【0036】
実施例1、比較例2及び実施例2の作業性、仕上がり結果から、ローラー塗装では、作業性の面でガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2mmの配合率1%以内となるが、吹き付け塗装では仕上りの面からカット長6.0±2mm、およびカット長8.0±2.0mmの配合率4%以内が選ばれる。
ただし、カット長8.0±2.0mmの配合率4%では、解束時間が30分間で収束繊維のほとんどが解れた状態のものは、繊維が絡み合った塊部分が発生し仕上りに悪影響を及ぼす。
【0037】
実験結果4
ガラス繊維には、用途や目的によって繊維の収束の強さに種類がある。そこで、これまでに選ばれた中からカット長6.0±2.0mm、配含率4%以下、解束時間30分の条件で、ハードタイプあるいはソフトタイプを配合した防水形複層仕上塗材の主材を調製し、ガラス繊維の固さによる塗膜の引張り強さと伸び率を調査した。その結果を表5に示す。
また、2%配合のものについては解束時間の1分、10分も実施した。なお、防水形複層仕上塗材の主材として、実施例1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を用いた。
【0038】
解束方法は、実施例1と同様な直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に防水形複層仕上塗材の主材を約800g入れ、これに対応した各割合の収束したガラス繊維チョップドストランドを添加しながら電動撹拌機で解束する。このときの羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmとした。なお、塗膜の引張り強さと伸び率試験方法は、JlS−A−6909「建築用仕上塗材」「6.31、伸び試験」、に準じて20℃の条件で行った。
【0039】
【表5】
【0040】
表5から、ガラス繊維を配合しないものに比べて配合率1%では約1.1倍、配合率2%では1.2〜1.4倍、配合率4%では約2.2倍の塗膜の引張り強さが得られた。また、JlS−A−6909「建築用仕上塗材」「6.31、伸び試験」の品質基準である伸び率120%以上に合格したものは、ハードタイプで配含率2%以下、ソフトタイプで配含率4%以下であった。なお、ガラス繊維を配合しない防水形複層仕上塗材の主材の伸び率が大きいものを用いることによってハードタイプで配合率4%でも伸び率120%以上にすることが期待できる。
【0041】
実験結果5
実験結果1で使用した同一塗材約18kgに、平均のカット長6.0〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを2.0%の配合率で配合したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を調製した。この組成物に清水を約0.5リットル混入した平吹き用塗材を、リシンガンを用いて下塗りを終了した下地基材に1.3〜1.5kg/m2の割合で吹き付け施工を行った。
【0042】
この平吹き施工の直後、塗料用シンナーで濡らしながら硬質プラスッチクローラーで吹き付け面を軽く均一に押さえる繊維押さえ施工を行った。この施工により、吹き付け面に生じた繊維の凸部をほぼ均一な状態にすることができた。
【0043】
次いで、新たに調製した上記組成物約18kgに清水を約0.2リットル混入した模様塗り塗材を、タイルガンを用いて1.0〜1.2kg/m2の割合で吹き付け施工を行った後、通常の上塗り施工を行った。繊維押さえ工程を介在させてあるので、吹き付け施工であっても、施工面に繊維の毛羽が突出することなく、均質な施工面となっていた。
【0044】
なお、防水形複層仕上塗材の主材として、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)以外にも、防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)で、例えば以下の配合率で調製したのものを使用できる。
アクリルゴム系エマルション 44.0%
二酸化チタン 2.0%
石灰質体質顔料 50.0%
少量添加剤* 4.0%
*少量添加剤:分散剤、増粘剤、消泡剤、安定剤、成膜助剤、防腐剤
【0045】
また、立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材では、例えば以下の配合率で調製したものを使用できる。
アクリルゴム系エマルション 58.0%
二酸化チタン 2.0%
石灰質体質顔料 36.0%
少量添加剤* 4.0%
*少量添加剤:分散剤、増粘剤、消泡剤、安定剤、成膜助剤、防腐剤
【0046】
なお、本発明に係るガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法は、施工後に生じたひび割れや亀裂部分等の欠損部の補修にも適用できる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、下地にひび割れや亀裂等を生じる力が加わっても、その力を建築用仕上塗材の防水形複層仕上塗材の主材に配合されているガラス繊維で吸収することができるため、防水性複層仕上塗材の引張り強さを著しく改善できる。
【0048】
また、ガラス繊維として、平均のカット長6.0mm〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを添加するようにしたので、塗材の引張り強度を維持しつつ、吹き付け塗装の作業性を確保することができる。
【0049】
さらに、ガラス繊維チョップドストランドを0.5〜4.0重量%の配合率で塗材に配合するようにしたので、塗材としての柔軟性を維持しながら塗膜強度の向上を図ることができる。
【0050】
さらに、本発明の組成物に用いる基材に、JISで規定されている建築用仕上塗材の防水形複層仕上塗材の主材をそのまま適用できるので、その調製が簡単であり適応性に優れている。
【0051】
請求項2に係る発明は、吹き付け塗装に伴って生じる吹き付け面の繊維の毛羽立ちによる凸部の不揃いを補修し、ほぼ均一な高さに調整することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用仕上塗材の主材に関し、材質に科学的変化をきたさず、かつ、下地基材からのアルカリの影響を受けず、特に吹き付け塗装に支障をきたさないガラス繊維チョップドストランドを含有し、適度の伸張性と引張り強度とを有する新規なガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントや合成樹脂などの結合剤、顔料、骨材などを主原料とし、主として建築物の内外壁又は天井を、吹付け、ローラ塗り、こて塗りなどによって立体的な造形模様に仕上げる、いわゆる建築用仕上塗材の各種要件は、JIS−A−6909に、また、鉄筋コンクリート造建築物の屋根の防水工事に用いる屋根用塗膜防水材の各種要件は、同じくJIS−A−6021に規定されている。
【0003】
そして、従来、建築用仕上塗材の中で、防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)、或いは立ち上がり用アクリルゴム系の屋根用塗膜防水材では、その伸張率と引張り強さとのバランスは、結合材として使用する合成樹脂の配合割合や架橋、反応技術の組み合わせに依存していた。
【0004】
しかし、このような伸張率と引張り強さとのバランスの取り方では、下地にひび割れが生じたり、目地部が動いたりした場合、ひび割れや目地動きに伴う力が、直接、これらの塗材や防水材の対応する部分に集中するため、対応部分が著しく伸張して肉薄になったり、極端な場合には、引き裂かれたりして、防水材として機能を奏さない恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、従来の建築用仕上塗材、特に、防水形複層仕上塗材が備えていたこのような課題を解決し、下地にひび割れや目地動きなどの力が加わっても、この力を負荷が加わった部分のみ集中させるのではなく、周辺部に分散させることができる新たなガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、従来の防水形複層仕上塗材が備えていた柔軟性を確保した状態で引張り強度を改善したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0007】
更にまた、本発明の他の目的は、吹き付け塗装やローラー塗装などの施工性に影響を与えないガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を提供することにある。
【0008】
更にまた、本発明の他の目的は、上記したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を使用した新規な吹き付け施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成するため、試験実験を重ねた結果、ガラス繊維を防水形複層仕上塗材の主材に配合した新規なガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を開発した。
【0010】
すなわち、本発明は、防水形複層仕上塗材の主材にガラス繊維を配合した建築用ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物であって、ガラス繊維はチョップドストランドであり、平均のカット長が6.0mm〜8.0mmのものを2.0〜4.0重量%配合して成るガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法を提供するものである。
【0011】
本発明に用いられるガラス繊維チョップドストランドは、強度に優れ、耐水性をする平均の単繊維径13.5μmのガラス繊維の繊維束を短い長さに切断したのものである。ガラス繊維は、普通ガラスあるいは耐アルカリガラスに分類されるが、防水形複層仕上塗材の主材の材質に化学的変化を及ぼさず、かつ、下地基材からのアルカリの影響によって浸食されないものが選ばれる。
【0012】
更に、用途や目的によってストランド構成に種類がある。GRC(ガラス繊維補強セメント板)などのように補強を目的とする平均400フィラメントのハードタイプ、セメント製品などの亀裂防止を目的として少量添加する平均200フィラメントのセミハードタイプ、抄造法製品などに用いるモノフィラメントのソフトタイプがあるが、いずれのガラス繊維も使用することができる。
【0013】
本発明に使用するガラス繊維チョップドストランドの平均カット長は6.0mm〜8.0mmとする。
平均のカット長が6.0mmより短いと、繊維長が短いため絡み合うことによって生じる引張り強さの増大を期待できない。また、平均のカット長が8.0mmより長いと、リシンガン吹付機を用いた吹付け作業において、吐出が安定でなかったり、或いは多孔質ローラーによるローラー塗付作業において、ローラーが転がらないで滑る等の問題が生じるため適当でない。
【0014】
本発明は、かかるガラス繊維チョップドストランドを、2.0〜4.0重量%の配合率で、防水形複層仕上塗材の主材に混入する。
混入する割合が4.0重量%より多いと、塗装後の仕上がり面にガラス繊維チョップドストランドの塊りが生じ表面の一部が盛り上がるなどする場合があり好ましくない。
【0015】
本発明に使用する防水形複層仕上塗材の主材として、JIS−A−6909で規定する防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)、もしくは防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)、また、屋根用塗膜防水材として、JIS−A−6021に規定する立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材を適用できる。
【0016】
かかる塗材に、ガラス繊維チョップドストランドを上記配合率で添加した後、例えば、回転数1,200rpmの撹拌機により1分から30分撹拌し、繊維束を解束(繊維を解す)状態にする。
【0017】
繊維束が解束状態となった塗材を、一般の建築用仕上塗材で実施されている吹き付け塗装、ローラー塗装などの手段を用いて下塗りを終了した下地基材の表面に施工する。吹き付け塗装は、砂壁状仕上塗材の吹き付け用器具である通称リシンガンや凹凸状仕上塗材の吹き付け用器具である通称タイルガンを用いて行うことができる。また、ローラー塗装は、ゆず肌状仕上塗材で用いられている多孔質ローラーを用いることができる。
【0018】
吹き付け塗装による施工では、吹き付け用器具による吹き付け工程の直後、吹き付面を、塗装用シンナーで濡らしながらローラーで均一に軽く押さえる。この繊維押さえ施工により、吹き付け面に生じた繊維の凸部をほぼ均一にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
ガラス繊維チョップドストランドであって、平均の単繊維径13.5μm、ストランド構成400フィラメント、カット長6.0±2.0mm〜8.0±2.0mmを0.5〜4.0%配合した防水形複層仕上塗材の主材について、ガラス繊維チョップドストランドのカット長さ、配含率、撹拌分散による収束繊維の解束状態が、施工性(吹き付け、ローラー塗り)、仕上がり、塗膜の引張り強さと柔軟性にどのように影響するかを、以下の実施例、比較例によって具体的効果を説明する。なお、以下の説明における%はそれぞれ重量%を表している。また、カット長「6.0±2.0mm」、カット長「8.0±2.0mm」、カット長「13.0±2.0mm」は、それぞれ平均のカット長が「6.0mm」、「8.0mm」、「13.0mm」を意味する。
【0020】
実験結果1
防水形複層仕上塗材の主材として、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を以下の配合率に調製した。
(1)主材
反応性特殊アクリルエマルション 49.0%
体質顔料 40.0%
粘性調整材 3.0%
少量添加剤* 6.0%
二酸化チタン 2.0%
*少量添加剤:分散剤、消泡剤、安定剤、防腐剤、成膜助剤
(2)硬化剤
橋架型特殊エポキシ樹脂 70.0%
反応性希釈剤 30.0%
(3)調合割合
主材:硬化剤=100:1.5
【0021】
上記塗材約800グラムに対してガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2.0mmのものをそれぞれ配合率1〜8%配合したものと、カット長8.0±2.0mmのものをそれぞれ配合率1〜6%配合したものとを調製し、カット長と配合率が作業性に及ぼす影響を調べた。その結果を表1に示す。
【0022】
収束した繊維を解束(繊維を解す)する方法は、直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に、前記塗材を入れ、これに対応した各割合のガラス繊維チョップドストランドを添加しながら電動撹拌機で撹絆した。この時、収束繊維と解束繊維が適度に混ざった状態のものとして10分間撹拌した。なお、羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmである。
【0023】
また、作業性は、一般の建築用仕上塗材で実施されている吹き付け塗装、およびローラー塗装で評価した。吹き付け塗装では、通称リシンガンと通称タイルガンを用いて吐出の安定状態によって、また、ローラー塗装では、多孔質ローラーによりローラーの転がり状態によって評価した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、リシンガン吹き付け作業が良好なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmの場合は配合率6%以下、繊維のカット長8.0±2.0mmの場合は配合率2%以下である。また、タイルガン吹き付け作業が良好なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmで配合率8%、繊維のカット長8.0±2.0mmで配合率6%のものでも良好であった。また、多孔質ローラーで均一な作業が可能なものは、繊維のカット長6.0±2.0mmを配合率1%だけが選ばれた。
【0026】
実験結果2
防水形複層仕上塗材の主材として、実施例1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)約800グラムにガラス繊維チョップドストランドのカット長13.0±2.0mmをそれぞれ配合率1〜6%配合したものを調製し、カット長さと配合率が作業性に及ぼす影響を調査した。その調査結果を表2に示す。
なお、収束した繊維を解束する方法、作業性の評価は、実施例1と同様に行った。
【0027】
【表2】
【0028】
表2から、リシンガン吹き付け作業、多孔質ローラー作業が良好なものはなく、タイルガン吹き付け作業で配合率4%以下が良好であった。
【0029】
実験結果3
ガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2mm、およびカット長8.0±2.0mmを用いて、配合率を2%間隔に8%までに調製し、配合率と解束時間が防水形複層仕上塗材の主材の作業性や仕上がりに及ぼす影響を調査した。その結果を表3および表4に示す。なお、防水形複層仕上塗材の主材として、実験結果1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を用いた。
【0030】
解束方法は、実験1と同様な直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を約800g入れ、これに対応した各割合の収束したガラス繊維チョップドストランドを添加しながら収束繊維が分散した程度(ほとんど解れていない)のものとして1分間撹絆、収束繊維のほとんどが解れた状態のものとして30分間撹拌した。なお、このときの羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmとした。
【0031】
作業性は、実験結果1と同様な方法で、吹き付け塗装は、通称リシンガンと通称タイルガンを用いて吐出の安定状態で評価した。また仕上がりは、ガラス繊維チョップドストランドの塊がなく、表面の一部が盛り上がったりしない緻密で連続性があるものを良好として評価した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
表3から、繊維のカット長6.0±2mmの場合、リシンガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく6%以下であり、またタイルガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく配合率8%までであった。しかし、仕上がり状態では、解束時間に関係なく配合率4%以下が良好であった。
【0035】
表4から、繊維のカット長8.0±2.0mmの場合、リシンガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく6%以下であり、タイルガン吹き付け作業が良好なものは解束時間に関係なく配合率8%までであった。しかし、仕上がり状態では、解束時間が1分間撹拌のもので配合率4%以下が良好であったのに対して、30分間撹拌のものでは配合率4%で不良の結果を得た。
【0036】
実施例1、比較例2及び実施例2の作業性、仕上がり結果から、ローラー塗装では、作業性の面でガラス繊維チョップドストランドのカット長6.0±2mmの配合率1%以内となるが、吹き付け塗装では仕上りの面からカット長6.0±2mm、およびカット長8.0±2.0mmの配合率4%以内が選ばれる。
ただし、カット長8.0±2.0mmの配合率4%では、解束時間が30分間で収束繊維のほとんどが解れた状態のものは、繊維が絡み合った塊部分が発生し仕上りに悪影響を及ぼす。
【0037】
実験結果4
ガラス繊維には、用途や目的によって繊維の収束の強さに種類がある。そこで、これまでに選ばれた中からカット長6.0±2.0mm、配含率4%以下、解束時間30分の条件で、ハードタイプあるいはソフトタイプを配合した防水形複層仕上塗材の主材を調製し、ガラス繊維の固さによる塗膜の引張り強さと伸び率を調査した。その結果を表5に示す。
また、2%配合のものについては解束時間の1分、10分も実施した。なお、防水形複層仕上塗材の主材として、実施例1と同一の配合率で配合した防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)を用いた。
【0038】
解束方法は、実施例1と同様な直径約13cm、高さ16cmの円筒形のステンレス容器に防水形複層仕上塗材の主材を約800g入れ、これに対応した各割合の収束したガラス繊維チョップドストランドを添加しながら電動撹拌機で解束する。このときの羽根の直径は7cm、回転数は1,200rpmとした。なお、塗膜の引張り強さと伸び率試験方法は、JlS−A−6909「建築用仕上塗材」「6.31、伸び試験」、に準じて20℃の条件で行った。
【0039】
【表5】
【0040】
表5から、ガラス繊維を配合しないものに比べて配合率1%では約1.1倍、配合率2%では1.2〜1.4倍、配合率4%では約2.2倍の塗膜の引張り強さが得られた。また、JlS−A−6909「建築用仕上塗材」「6.31、伸び試験」の品質基準である伸び率120%以上に合格したものは、ハードタイプで配含率2%以下、ソフトタイプで配含率4%以下であった。なお、ガラス繊維を配合しない防水形複層仕上塗材の主材の伸び率が大きいものを用いることによってハードタイプで配合率4%でも伸び率120%以上にすることが期待できる。
【0041】
実験結果5
実験結果1で使用した同一塗材約18kgに、平均のカット長6.0〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを2.0%の配合率で配合したガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を調製した。この組成物に清水を約0.5リットル混入した平吹き用塗材を、リシンガンを用いて下塗りを終了した下地基材に1.3〜1.5kg/m2の割合で吹き付け施工を行った。
【0042】
この平吹き施工の直後、塗料用シンナーで濡らしながら硬質プラスッチクローラーで吹き付け面を軽く均一に押さえる繊維押さえ施工を行った。この施工により、吹き付け面に生じた繊維の凸部をほぼ均一な状態にすることができた。
【0043】
次いで、新たに調製した上記組成物約18kgに清水を約0.2リットル混入した模様塗り塗材を、タイルガンを用いて1.0〜1.2kg/m2の割合で吹き付け施工を行った後、通常の上塗り施工を行った。繊維押さえ工程を介在させてあるので、吹き付け施工であっても、施工面に繊維の毛羽が突出することなく、均質な施工面となっていた。
【0044】
なお、防水形複層仕上塗材の主材として、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)以外にも、防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)で、例えば以下の配合率で調製したのものを使用できる。
アクリルゴム系エマルション 44.0%
二酸化チタン 2.0%
石灰質体質顔料 50.0%
少量添加剤* 4.0%
*少量添加剤:分散剤、増粘剤、消泡剤、安定剤、成膜助剤、防腐剤
【0045】
また、立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材では、例えば以下の配合率で調製したものを使用できる。
アクリルゴム系エマルション 58.0%
二酸化チタン 2.0%
石灰質体質顔料 36.0%
少量添加剤* 4.0%
*少量添加剤:分散剤、増粘剤、消泡剤、安定剤、成膜助剤、防腐剤
【0046】
なお、本発明に係るガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物及びそれを使用した施工方法は、施工後に生じたひび割れや亀裂部分等の欠損部の補修にも適用できる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、下地にひび割れや亀裂等を生じる力が加わっても、その力を建築用仕上塗材の防水形複層仕上塗材の主材に配合されているガラス繊維で吸収することができるため、防水性複層仕上塗材の引張り強さを著しく改善できる。
【0048】
また、ガラス繊維として、平均のカット長6.0mm〜8.0mmのガラス繊維チョップドストランドを添加するようにしたので、塗材の引張り強度を維持しつつ、吹き付け塗装の作業性を確保することができる。
【0049】
さらに、ガラス繊維チョップドストランドを0.5〜4.0重量%の配合率で塗材に配合するようにしたので、塗材としての柔軟性を維持しながら塗膜強度の向上を図ることができる。
【0050】
さらに、本発明の組成物に用いる基材に、JISで規定されている建築用仕上塗材の防水形複層仕上塗材の主材をそのまま適用できるので、その調製が簡単であり適応性に優れている。
【0051】
請求項2に係る発明は、吹き付け塗装に伴って生じる吹き付け面の繊維の毛羽立ちによる凸部の不揃いを補修し、ほぼ均一な高さに調整することができる。
Claims (2)
- 建築用仕上塗材の防水形複層仕上塗材の主材と、前記防水形複層仕上塗材の主材に配合されるガラス繊維とからなるガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物であって、
前記ガラス繊維は、前記防水形複層仕上塗材に配合可能なチョップドストランドであり、平均のカット長が6.0mm〜8.0mmであり、配合率が全体の2.0〜4.0重量%であり、
前記防水形複層仕上塗材の主材が、JIS−A−6909で規定する防水形複層塗材E,もしくは防水形複層塗材RE、または、JIS−A−6021で規定する立ち上がり用アクリルゴム系屋根用塗膜防水材であることを特徴とする建築用ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物。 - 請求項1に記載の建築用ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を、下塗りを終了した下地基材に吹き付けた後、ローラーを塗料用シンナーで濡らしながら吹き付け面を軽く押さえることを特徴とする建築用ガラス繊維強化防水形仕上塗材組成物を使用した施工方法。
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-
2003
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