JP2004027141A - 光学接着剤組成物および光学装置 - Google Patents

光学接着剤組成物および光学装置 Download PDF

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Masahiro Hori
堀 雅宏
Hiroko Yomo
四方 寛子
Koichiro Nakamura
中村 浩一郎
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Abstract

【課題】耐湿度性および耐熱性にすぐれ、硬化における泡の発生を減じ、泡などによる白濁などの欠点を生じない、光部品の組立、接合に適用できる接着剤を提供する。
【解決手段】RSiX4−n (Rは、エポキシ結合を有する有機基、Xは加水分解可能な基または原子、nは1または2)で表されるエポキシシラン、またはその加水分解重縮合物(A)15〜60質量%、グリシドキシプロピル基または3,4−エポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ化合物 40〜85質量%、光開始剤 (A)+(B)の合計100質量%に対して0.1〜10質量%を含有する光部品接合用接着剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤組成物およびそれを用いて光学的に透明な接着層で光部品を接着してなる光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信システムに用いられる光部品や光学素子の組立に用いられる接合技術には、高い信頼性が必要とされている。これまで光部品の組立については、半田付け、レーザ溶接、アクリルやエポキシ樹脂などの有機接着剤が用いられてきた。(i)特開平6−073358号公報、特開平6−073359号公報には、屈折率整合精密接着剤について、また(ii)Journal of Non−CrystallineSolids 80巻、557頁〜563頁、1986年および(iii)Intl. Congr. On Glass 429頁〜436頁、1986年には、ゾルゲル法による有機無機接着剤について記載されている。(iv)特許登録番号1829914(特開昭62−297369号)には、アルコキシドと金属塩からなるゾルゲル接着剤を用いた光学素子について、また(v)特許登録番号2786996(特開平7−5307号)には、珪酸塩とアルコキシドからなる接着剤を用いたプリズムについて開示されている。(vi)米国特許4991493には有機無機複合接着剤について開示されている。
【0003】
また、(vii)特開平11−343474号公報にはエポキシ樹脂とオルガノアルコキシシランとアルミニウムキレート化合物を配合した接着剤組成物について開示されている。そして(viii)特開平9−243870号公報にはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、光酸発生剤およびカップリング剤としてのエポキシシランを含む光硬化性樹脂組成材料を用いて光部品を封止することが記載されている。さらに(ix)特開2000−109780号公報には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、光カチオン開始剤およびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含む光部品用紫外線硬化型接着剤組成物が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような光部品用の接合技術や接着剤については、次のような問題点が挙げられていた。半田付け、レーザ溶接などの方法については、固定位置精度が不十分であったり、レーザ光源や高度な技術が必要であった。またエポキシ接着剤やアクリル接着剤(i)については、250℃以上の耐熱性(半田耐熱)や耐湿度性に劣っていた。アルコキシドや金属塩を用いる接着剤(ii〜vii)については、加水分解反応で生じるアルコールや脱水反応で生成する水が加熱硬化の最中にガス化するため、レンズなどの光部品の接合で泡が残ったり、白濁したり、十分な接着が得られないという課題があった。またエポキシ樹脂を用いる接着剤(viii、ix)では、接着層の耐熱性が十分ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記のような不具合点を改善し、耐湿度性および耐熱性に優れ、硬化における泡の発生が少なく、泡などによる白濁などの欠点を生じない、光部品の組立、接合に適用できる接着剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、本発明の接着剤組成物により接着した光学的に透明な光部品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)下記化学式1で表されるエポキシシラン、またはその加水分解重縮合物
【化2】
SiX4−n   ・・・(1)
ここでRは、エポキシ結合を有する有機基またはエポキシ結合を有しない有機基であり、Xは加水分解可能な基または原子でありそしてnは1または2である、ただし、Rは、nが1のときエポキシ結合を有する有機基であり、nが2のときには少なくとも1つのRはエポキシ結合を有する有機基であるものとする、
(B)グリシドキシプロピル基および3,4−エポキシシクロヘキシル基の少なくともいずれか一方を有するエポキシ化合物および
(C)イオン化合物からなる光開始剤
を含有してなり、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分は、(A)成分および(B)成分の合計100質量%に対して、それぞれ15〜60質量%、40〜85質量%および0.1ないし10質量%であることを特徴とする、光部品を接合するための接着剤組成物である。
【0007】
また本発明は、少なくとも2個の光学的に透明な光部品およびこれらの光部品を、上記接着剤組成物を硬化させてなる光学的に透明な接着層からなる光学装置であって、互いに隣接する2個の前記光部品の屈折率をそれぞれnおよびn (ただしn≧n )としたとき、その隣接する光部品の間の前記接着層が下記数式1
【数3】
√(n・n)−((√(n・n)−n)/3)−0.05≦n≦√(n・n)+((n−√(n・n))/3)+0.05 ・・(1)
で表される屈折率nを有する光学装置である。
【0008】
本発明に用いられる接着剤組成物は、成分(A)、成分(B)、および成分(C)からなる。成分(A)は被接着体の表面と接着剤の結合を強くする成分であり、そして耐湿度性の向上にも寄与する。成分(A)として用いられる化合物は、上記化学式1で表すように、nが1の場合には、エポキシ結合を有する有機基を1個と加水分解可能な基または原子を3個有するシラン化合物、その加水分解物、または重縮合物である。nが2の場合には、エポキシ結合を有する有機基を1個または2個と、加水分解可能な基または原子を2個と、エポキシ結合を有する有機基が1個のときにはエポキシ結合を有しない有機基例えばアルキル基、アリール基またはアルケニル基を1個を有するシラン化合物、その加水分解物、または重縮合物が用いられる。上記化学式1のnが1であるエポキシシラン、またはその加水分解重縮合物が、優れた耐熱性および優れた耐湿度性が得られるので好ましく用いられる。エポキシ結合を有する有機基としては、3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基などを挙げることができる。3,4−エポキシシクロヘキシル基およびグリシドキシプロピル基は入手が容易なので好ましく用いられる。加水分解可能な基としては、例えばアルコキシル基を挙げることができる。これらの中で炭素数が1〜4個のアルコキシル基が好ましく用いられる。加水分解可能な原子としては、ハロゲン原子を挙げることができる。これらの中で塩素原子が好ましく用いられる。上記化学式1で表されるシラン化合物として、例えば2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランのような2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ジ(3−グルシドキシプロピル)ジエトキシシラン、ジ(3−グルシドキシプロピル)ジメトキシシランおよびこれらの加水分解、重縮合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0009】
成分(A)は前記化学式1で表されるシラン化合物であってもよく、またその加水分解・重縮合物であってもよい。加水分解・重縮合物を使用する場合はその反応の際に副生するアルコールおよび水を留出させながら反応を進行させて、接着剤組成物中に水およびアルコールが実質的に含有しないようにすることが好ましい。成分(A)が前記化学式1で表されるシラン化合物である場合、その量が多すぎると、接着剤組成物の粘度が小さくなり過ぎて塗布性が悪くなる。一方その量が少なすぎると、その耐湿度性を改善する効果が十分に得られない。成分(A)が前記化学式1で表されるシラン化合物の加水分解・重縮合物の場合、その量が多すぎると、組成物の粘度が大きくなりすぎたり、加水分解によって副生するアルコールや水の量が相対的に大きくなって、硬化物がポーラスになったり、白濁を生じるので好ましくない。一方その量が少なすぎると、その耐湿度性を改善する効果が十分に得られない。したがって、成分(A)の含有量は、成分(A)+成分(B)の合計100質量%に対して、15質量%〜60質量%であり、15質量%〜45質量%であることが好ましく、15質量%〜30質量%がより好ましい。
【0010】
成分(B)であるグリシドキシプロピル基および3,4−エポキシシクロヘキシル基の少なくともいずれか一方を有するエポキシ化合物は接着層の基本骨格を形成する成分であり、その分子量、従ってその化学構造を制御することにより、成分(B)の粘度を200〜500mPa・sとする。これにより接着剤組成物の粘度を塗布が容易な20〜500mPa・sにすることができる。。成分(B)としては、3,4−エポキシシクロヘキシル基を有するものとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6メチルシクロヘキシル3,4エポキシ−6メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド等が挙げられる。またグリシドキシプロピル基を有するものとして、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。成分(B)として、好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレートが用いられる。成分(B)が多すぎると、耐熱性、耐湿度性が低下し、少なすぎると他成分の相溶性が低下する。成分(B)の含有量は成分(A)+成分(B)の合計100質量%に対して、40質量%〜85質量%であり、55質量%〜85質量%が好ましく、70〜85質量%がより好ましい。
【0011】
成分(C)であるイオン化合物からなる光開始剤は、成分(A)および成分(B)のエポキシ結合を重合させるための光硬化触媒である。成分(C)としてカチオン光開始剤が好ましく用いられる。カチオン光開始剤としては、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニル−[m−(2−ヒドロキシテトラデシクロ)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が例示できる。光開始剤の量は、成分(A)+成分(B)の合計100質量%に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
【0012】
本発明において、接着剤組成物中の前記エポキシシラン、前記エポキシ化合物の含有量を、前記接着層の屈折率の値が前記少なくとも2個の光学的に透明な光部品の屈折率の値に近似するように調節されるが、具体的には、互いに隣接する2個の前記光部品の屈折率をそれぞれnおよびn (ただしn≧n )とすれば、その隣接する光部品の間の前記接着層が前記数式1で表される屈折率nを有することが好ましい。更に好ましくは、この接着層が下記数式2で表される屈折率nを有することが好ましい。
【数4】
√(n・n)−((√(n・n)−n)/10)−0.01≦n≦√(n・n)+((n−√(n・n))/10)+0.01 ・・(2)
【0013】
例えば、1.46の屈折率(n)を有する光ファイバと1.59の屈折率(n)を有するマイクロレンズを接合する場合、上記数式1では、1.452≦n≦1.596となり、上記数式2では1.507≦n≦1.540となる。このように屈折率を整合することにより、光伝搬損失の少ない光学装置が得られる。また光ファイバ、レンズ、フィルタ、光導波路、回折格子、光アクティブ素子の接合についても、同様に屈折率を整合することにより、光伝搬損失の少ない光学装置が提供される。
【0014】
次に光部品について説明する。本発明で使用される光部品としては、例えば光ファイバ、レンズ、フィルタ、光導波路、回折格子、光アクティブ素子を挙げることができる。光ファイバとしては、例えばシングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバが挙げられる。レンズとしては、例えば屈折率分布レンズ、球面レンズ、非球面レンズ、平凸レンズなどが挙げられる。また光フィルタとしては、例えば誘電体多層膜からなる狭帯域フィルタ、バンドパスフィルタ、偏光フィルタなどが挙げられる。光導波路としては、例えばシングルモード光導波路、マルチモード光導波路などが挙げられる。これらの光導波路に、周期的に屈折率を変調させたブラッグ回折格子を有していても良い。これらの光部品を構成する材料については、ガラス材料、プラスチック材料、有機無機複合材料が挙げられる。
【0015】
上記光部品を構成する材料として1.5×10−5/℃以下の線膨張率を有することが好ましい。材料の線膨張率が1.5×10−5/℃を超えると、例えばポリプロピレン(9〜15×10−5/℃)のような高い熱膨張係数を有するプラスチックス製光部品の場合、接着剤付与後の加熱過程において光部品と接着層との界面で剥離したり、接着層に亀裂を生じるからである。通常の無機ガラスは1.5×10−5/℃以下の線膨張率を有する。また光部品の少なくとも接着すべき表面は酸化物であることが好ましい。もしこの被接着表面が酸化物でない場合、接着層の成形過程において付着強度が下がり、場合によっては被接着表面と接着層が界面で剥離を生じるからである。好ましい光部品の材質の例として、珪酸塩系ガラス、ホウ酸系ガラス、リン酸系ガラス等の酸化物ガラス、石英、セラミックス、エポキシ樹脂、ガラス繊維強化ポリスチレンなどを挙げることができる。これらの中で酸化物ガラスおよび石英が、1.40〜1.55の屈折率、高透明性および低膨張係数を有しているので好ましく用いられる。金属はそのままでは本発明の接着層が接合しないが、予め金属の表面を酸化剤で処理しておけば被接着部品として使用することができる。
【0016】
これらの光部品を組み立てる場合、第1の光部品と第2の光部品の間に、光学的に透明な本発明の接着剤組成物を塗布して充填または展開したのち、硬化させて所定の強度を有する結合部を形成することができる。接着剤の硬化については、成分(C)である光開始剤の量を増やすことにより、数分で光硬化する接着剤組成物が得られる。また必要に応じて、加熱処理することにより、いわゆる「アウトガス」と呼ばれる、光部品の使用中に接着層から気体が放出されることにより光学部品を傷つけるおそれがあること等を低減させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[実施例]
[原料の作製]
(接着組成物1)
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを1g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレートを4g、光カチオン開始剤トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを0.1g加えて攪拌して接着組成物1を得た。
【0018】
(接着組成物2)
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを1.5g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレートを3.5g、光カチオン開始剤トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを0.1g加えて攪拌して接着組成物2を得た。
【0019】
(接着組成物3)
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを2g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレートを3g、光カチオン開始剤トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを0.1g加えて攪拌して接着組成物3を得た。
【0020】
(接着組成物4)
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.5g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート(「エピコート171」,ジャパンエポキシレジン株式会社製、粘度:200〜500mPa・s)を4.5g、光カチオン開始剤トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを0.1g加えて攪拌して接着組成物4を得た。
【0021】
(接着組成物5)
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.1g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート(粘度:200〜500mPa・s)を4.6g、光カチオン開始剤を0.1g加えて攪拌して接着組成物5を得た。
【0022】
[実施例1〜3]
前記接着剤組成物1〜3を第1のスライドガラス板(25mm×50mm×1.2mm)上に10mg滴下し、直ちに同寸法の第2のスライドガラスをその上に重ねて、2枚のスライドガラス板の間に接着剤組成物を25mm×25mmの広さに延ばした状態で挟み込み、200℃のホットプレート上で15分加熱して、接着層の外観を観察して気泡の発生の有無および白濁の有無を調査した。また容積が3mlのガラス製サンプル瓶に1gの接着剤組成物を入れ、200℃で30分間加熱処理して、加熱処理前後の体積を測定し、100×(加熱前体積−加熱後体積)/(加熱前体積)で表される体積収縮率(%)を評価した。
直径2mmで長さが1mmの石英ガラス棒2個の一方端面同士を接着剤組成物1〜3を用いて150℃で30分の硬化条件で接着して、接着強度試験のための試料とした。
【0023】
この試料について耐湿試験と耐熱試験を行った後に接着強度を測定した。耐湿試験は85℃、相対湿度85%の恒温槽中に試料を500時間保持した。そして耐湿度試験前および後において、接着した石英ガラス棒の両側端部をつかんで10Nの荷重および1Nの荷重の引っ張り試験を行って、接着した石英ガラス棒の接着面が剥がれるかどうかを評価した。また、耐熱試験は350℃1分間の処理を行い、同様の接着強度テストを行い、評価した。前記接着剤組成物1〜3を使用した試料をそれぞれ実施例1〜3とした。
【0024】
上記試験の結果、実施例1〜3では、いづれについても熱処理中に泡の発生が認められず、体積の収縮は2%未満であった。また耐湿試験前、耐湿試験の後および耐熱試験の後の接着強度については、実施例1〜3のいずれも、10N以上の接着強度を示した。表1の接着強度の欄には、接着強度が10N以上の場合に「○」印を、接着強度が10N未満で1N以上の場合に「△」印を、そして接着強度が1N未満の場合に「×」印をそれぞれ付している。
【0025】
[比較例1〜2]
接着剤組成物4〜5について、実施例1〜3と同様にして、接着層外観の観察、体積収縮率の評価および耐湿試験前後の接着強度を測定した。接着剤組成物4〜5を使用した試料をそれぞれ比較例1〜2とした。比較例1〜2では、いずれについても熱処理中に泡の発生が認められず、体積収縮は3%未満であった。また比較例1は、耐湿試験前、耐湿試験の後および耐熱試験の後の接着強度については、表1に示すように、耐湿試験前後ではいずれも10N未満の接着強度であり、耐熱試験後の接着強度は、1N未満であった。一方、比較例2は、耐湿度試験後、耐熱試験後ともに接着強度が、1N未満であった。
【0026】
【表1】
Figure 2004027141
【0027】
[実施例4〜6]
(光ファイバ)
長さが約50cmのガラス製シングルモード光ファイバ(クラッド直径120μm、コアの直径:10μm、コアの屈折率:1.46、クラッドの屈折率:1.44)を光部品として用意した。
【0028】
(レンズ)
ガラス製マイクロレンズ(日本板硝子株式会社製「セルフォックマイクロレンズSMC18」、直径:1.8mm、長さ:4.43mm(0.23ピッチ、中心部の屈折率:1.590、分布係数g=0.326、1ピッチ(=2π/g)=19.27mm)を光部品として用意した。
【0029】
上記の光ファイバ(コア)およびレンズ(中心部)の屈折率の値ならびに前記接着剤組成物1〜3の硬化後の屈折率の値を表2および表3にまとめて示す。
【0030】
【表2】
────────────────
光部品        屈折率
────────────────
光ファイバ(コア) 1.46
レンズ(中心部)  1.59
────────────────
【0031】
【表3】
─────────────────
接着剤硬化物     屈折率
─────────────────
接着剤組成物1   1.517
接着剤組成物2   1.515
接着剤組成物3   1.513
─────────────────
【0032】
[光部品の接合]
(レンズ−光ファイバの接合、コリメータモジュールの作製)
前記光ファイバの一端を、長さ4mm、外径1.8mm、内径130μmの円筒状ガラス製フェルールに挿入し、その隙間を前記接着剤組成物1〜3で埋めて、150℃で30分間加熱して接着剤組成物を硬化させ、光ファイバとフェルールを固定した。このファイバ付きフェルールと前記ガラス製マイクロレンズ(SMC18)を光学ベンチ上で調芯して、光ファイバの他端から1550nmのレーザ光を入射させて光ファイバのフェルール側端を通過させ、約250μmのエアーギャップを介して、前記レンズに結合し、損失値が最低になるように、レンズの配置を調節して第1のコリメータ系を構成した。第1のコリメータ系のレンズの反対側にレンズを向かい合わせるようにして、第1のコリメータ系と同じ仕様の第2のコリメータ系を配置した。第1のコリメータ系のレンズとフェルールの間に、前記接着剤組成物1〜3、ただし光ファイバとフェルールの接着に用いたと同じ接着剤組成物、を塗布し、損失値が最低になるように再調芯して、室温で2時間もしくは、110℃の熱風をドライヤーで約20分間吹き当て加熱硬化し、コリメータモジュールを作製した。レンズとフェルールを接着せずに空隙を設けた状態の初期の光出力値と接着剤による接合、硬化後の光出力値を測定し、表4に示した。接着剤組成物1〜3を使用して得られたコリメータモジュールをその接着剤組成物の番号に応じて、それぞれ実施例4〜6とする。表4から、レンズとフェルールの間を接着剤組成物1〜3を用いて接合することにより得られた各コリメータモジュール(実施例4〜6)の光損失は非常に小さいことがわかる。
【0033】
【表4】
──────────────────────────
実施例
番号  接着剤  空隙時の出力  接着硬化後の出力
──────────────────────────
4    1   11.7dB・m   11.3dB・m
5    2   11.7dB・m   11.2dB・m
6    3   11.7dB・m   11.4dB・m
──────────────────────────
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、接着硬化過程における泡発生および収縮を防止しながら、接着強度に優れ、光透過損失が少なく、耐湿度性、耐熱性に優れた接着剤組成物、およびこれにより光学部品を接合された光学装置が得られる。

Claims (11)

  1. (A)下記化学式1で表されるエポキシシラン、またはその加水分解重縮合物
    Figure 2004027141
    ここでRは、エポキシ結合を有する有機基またはエポキシ結合を有しない有機基であり、Xは加水分解可能な基または原子でありそしてnは1または2である、ただし、Rは、nが1のときエポキシ結合を有する有機基であり、nが2のときには少なくとも1つのRはエポキシ結合を有する有機基であるものとする、
    (B)グリシドキシプロピル基および3,4−エポキシシクロヘキシル基の少なくともいずれか一方を有するエポキシ化合物および
    (C)イオン化合物からなる光開始剤
    を含有してなり、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分は、(A)成分および(B)成分の合計100質量%に対して、それぞれ15〜60質量%、40〜85質量%および0.1ないし10質量%であることを特徴とする、光部品を接合するための接着剤組成物。
  2. 前記(A)成分、(B)成分および(C)成分は、(A)成分および(B)成分の合計100質量%に対して、それぞれ15〜45質量%、55〜85質量%および0.1ないし10質量%である請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記(A)成分、(B)成分および(C)成分は、(A)成分および(B)成分の合計100質量%に対して、それぞれ15〜30質量%、70〜85質量%および0.1ないし5質量%である請求項1記載の接着剤組成物。
  4. 前記(A)成分が式(1)においてn=1であるエポキシシランである請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記(A)成分が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランである請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記(B)成分が、3,4−エポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  7. 前記(B)成分が3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. 前記成分(C)がカチオン型光開始剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  9. 少なくとも2個の光学的に透明な光部品およびこれらの光部品を、請求項1〜8のいずれか1項記載の接着剤組成物を硬化させてなる光学的に透明な接着層からなる光学装置であって、互いに隣接する2個の前記光部品の屈折率をそれぞれnおよびn (ただしn≧n )としたとき、その隣接する光部品の間の前記接着層が下記数式1
    Figure 2004027141
    で表される屈折率nを有する光学装置。
  10. 少なくとも2個の光学的に透明な光部品およびこれらの光部品を、請求項1〜8のいずれか1項記載の接着剤組成物を硬化させてなる光学的に透明な接着層からなる光学装置であって、互いに隣接する2個の前記光部品の屈折率をそれぞれnおよびn (ただしn≧n )としたとき、その隣接する光部品の間の前記接着層が下記数式2
    Figure 2004027141
    で表される屈折率nを有する光学装置。
  11. 前記各光部品は、光ファイバ、レンズ、フィルタ、光導波路、回折格子または光アクティブ素子である請求項7または8に記載の光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008522016A (ja) * 2004-12-01 2008-06-26 コーニング インコーポレイテッド 低アウトガス性の光または電子ビーム硬化性ゴム状ポリマーを含む装置
JP2010204361A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Canon Inc 電子写真用弾性ローラの製造

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