JP2004023953A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを構成したパルス幅変調方式の電力変換装置において、出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置1と、キャリヤ周期内で出力するP状態、0状態およびN状態の出力順序を記憶する相パルス記憶装置3と、電圧指令発生装置が発生した指令からP状態、0状態およびN状態の時間を演算するパルス時間演算装置2と、相パルス記憶装置とパルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置4とを備えたものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの可変速制御を行うインバータ・サーボドライブや系統連係する電力変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、図9に示すような電圧出力型の3相の中性点クランプ式電力変換装置は、4つ直列接続されたスイッチ素子のSW1とSW2がオンすると相出力端子が直流電源の正極Pに接続される状態(P状態)となり、SW2とSW3がオンすると相出力端子がクランプ素子(ダイオード)を介して直流電源の中性点出力端子0に接続される状態(0状態)となり、SW3とSW4がオンすると相出力端子は直流電源の負極Nに接続される状態(N状態)となる。
3相の各相の状態をU、V、Wの順にPONのように表記した場合に、図9に示す電力変換装置が出力できるベクトルの図を図10に示す。図10には27個のベクトルと、24個の領域A〜Fを示している。
このように4つのスイッチ素子のオン・オフ制御によって相出力端子に電圧を出力できるとともに、3相化することで3相モータ等の負荷を駆動することができる。
このような中性点クランプ式電力変換装置で、P状態、0状態、N状態を出力する場合、SW1とSW3の組合わせとSW2とSW4の組合わせではオンとオフが逆転する。又、スイッチ素子はオンからオフ、又はオフからオンに変化する際に若干の遅れを持つので、P、0、Nの状態が切り替わる際に、オン・オフが切り替わる2つのスイッチ素子が同時にオン状態になる僅かな期間が生じ短絡電流が流れる恐れがある。これを防ぐためにスイッチ駆動信号のオン時間又はオフ時間を操作し、切り替わるスイッチ素子が同時にオフ状態になる一定の期間(デットタイム)を設けて駆動されるのが一般的である。
図11に、デットタイムとしてターンオン時間を遅らせる方法を取った場合の指令に一致した出力電圧バルス波形と、指令出力電圧パルスに応じた各スイッチ素子のオン・オフ信号波形およびデットタイムの影響を受けた実際の出力電圧波形の一例を示す。デットタイムによる電圧の誤差は出力電流極性に依存し、図11ではインバータブリッジから負荷に向けて電流が流れているものとして、キャリヤ周期の波形を示している。この場合はデットタイムの影響によって出力電圧が不足することが分かる。
【0003】
中性点クランプ式電力変換装置のPWMパルス発生方法としては、特開平2−101969号公報に開示の「三点インバータの作動方法」のように、電圧指令と搬送波(キャリヤ信号)とを比較してPWMパルスを発生する方法や、特開平5−292754号公報に開示の「3レベル3相インバータ装置」、特開平6−261551号公報に開示されている「単相NPCインバータ装置」のように、あらかじめ電圧指令ベクトルの位置や大きさ毎のPWMパターンを記憶して置き電圧指令と出力電圧が一致するようにPWMパルスを発生する、図10に示すような空間ベクトル的な考え方を導入した方法がある。空間ベクトルの方法では、先ず、出力すべき指令電圧ベクトルとして長さ|V1|と角度θが与えられ、指令電圧ベクトルの先端に近接する少なくとも3つのベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出力時間はPWM周期の平均で指令電圧ベクトルと一致するように演算される。
図12と図13に、3相中性点クランプ式電力変換装置が、キャリヤ周期T内に出力する電圧ベクトルと、PWMパルスの例を示す。図12が電圧ベクトルの例で、図13がPWMパルスの例であり、3相出力となっている。
また、P、0、N、等はベクトル記号、Op、bp、On、ap、等は対応して名付けられたベクトル名称である
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、空間ベクトルの概念を使ったPWM発生方式で、特開平5−292754号、特開平6−261551号のような方法だと、図10のようなベクトル図の領域毎に電圧ベクトルと順序を記憶しなければならず、3相の中性点クランプ式電力変換装置では図10のように領域がA1〜F4まで24領域もあって、3相化された電圧ベクトルの順序を記憶する記憶領域が多量に必要になるという問題があった。
また、電圧出力型のPWM電力変換装置では、直流電源が短絡しないように直列に接続されたスイッチ素子が同時にオンしないデットタイムを必ず設けてスイッチ素子をオン・オフ駆動している。そのために実際に出力される相電圧は、その相の負荷電流極性とデットタイムの影響によって電圧指令との誤差が生じてしまう。この問題を解決するために電圧出力型のPWM電力変換装置では、負荷電流極性と設定しているデットタイム時間から、誤差を見積もり、誤差を打ち消すように電圧指令またはPWMパルス幅に補正を行っているが、2レベル電力変換装置のPWM発生方法や、特開平2−101969号のような中性点クランプ式の搬送波と比較方式のPWMパルス発生方式では、PWMパルスの時間幅を直接補正する方が簡単に実現できる利点がある。図14はそうした、PWMパルス幅に補正を行い、電圧誤差を解消する場合の例を示している。図14の例では立上がりのパルスのタイミングのみに補正を行っているが、誤差を立上がりと立下がりのタイミングへ半分づつ補正する方法もある。
しかし、特開平5−292754号のように3相空間ベクトル型のPWM発生の方法では、直接PWMパルスを補正しようとしても、補正されない電圧指令によって、出力すべき電圧ベクトルと順序、出力時間が決まるので、補正後の電圧ベクトルと順序は、補正前の電圧ベクトルと順序から変更できない。
従って、図10の斜線で示すような空間ベクトルの領域境界付近において、補正後の出力電圧が隣の領域に移動すべき状況でも、領域が移動出来ず補正が十分出来ないという問題があった。
そこで、本発明は、3相化された領域毎の電圧ベクトルと順序ではなく、相毎にP、0、N状態と順序を記憶するのみで、記憶領域を大幅に減少させ、PWMパルスの時間幅を直接補正してデットタイムの影響を補正することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを構成したパルス幅変調方式の電力変換装置において、出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の出力順序を記憶する相パルス記憶装置と、前記電圧指令発生装置が発生した指令から前記P状態、前記0状態および前記N状態の時間を演算するパルス時間演算装置と、前記相パルス記憶装置と前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に前記第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを複数持つ多相のパルス幅変調方式の電力変換装置において、各相が出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の順序を記憶する相毎の相パルス記憶装置と、前記電圧指令発生装置が発生した指令から相毎の前記順序の切り替わりのタイミング時間を演算するパルス時間演算装置と、各相の前記相パルス記憶装置と前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に該当する相の第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを複数持つ多相のパルス幅変調方式の電力変換装置において、各相が出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の出力順序を記憶する相パルス記憶装置と、前記電圧指令発生装置が発生した指令から相毎の前記順序の切り替わりのタイミング時間を演算するパルス時間演算装置と、前記相パルス記憶装置と相毎の前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に前記第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、相パルス記憶装置が記憶する状態の出力順序として、P状態とN状態が隣り合わないような順序とすることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、相電流指令または相出力電流の極性によって、該当相の前記パルス時間演算装置を補正し、デッドタイムによる電圧歪を補正するデッドタイム補正装置を備えたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換装置において、相パルス記憶装置が記憶する状態の出力順序として、P状態とN状態が隣合わないような順序とすることを特徴としている。
このような電力変換装置では、従来技術のように、領域毎に電圧ベクトルと順序を記憶するのではなく、相毎にP、0、N状態と順序を記憶するのみなので、記憶領域を大幅に減少させることができる。
また、出力すべき電圧ベクトルを予め決定しないので、PWMパルスの時間幅を直接補正することができ、三角波比較方式の導入により、電力変換装置の制御が簡単になり安価で高性能な電力変換装置を実現できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
図6は図1に示すスイッチ駆動信号発生装置の動作例を示す図である。
図1は、電力変換装置の1相分の制御ブロック図を示したもので、電圧指令発生装置1は電力変換装置が出力すべき電圧指令を発生し、パルス時間演算装置2へ電圧指令Vref*を送る。
パルス時間演算装置2は電圧指令と搬送波の周期から出力すべきP状態、0状態、N状態の時間幅を、通常の方式でそれぞれ演算し、更に、パルス記憶装置3のパルス列の情報からパルスの切り替わりタイミング信号を発生し、スイッチ駆動信号発生装置4へ送る。
スイッチ駆動信号発生装置4は、パルス時間演算装置2によって演算されたパルス切り替わりのタイミング信号と、パルス記憶装置3に記憶されたパルス列の順序と、搬送波発生器5から出力されたキャリヤ信号の周期から、キャリヤ周期毎にPWMパルスのスイッチ駆動信号SW1〜4を出力する。
スイッチ駆動信号にはデットタイムを設けなければならないが、デットタイム時間6を図のようにスイッチ駆動信号発生装置4で設けてもよいし、図示していない他の装置を経由して設けてもよい。
また、パルス記憶装置3が記憶するパルスは、従来技術のように3相化されたものではなく、相毎の、順にP、0、N、…、のようなP、0、N状態と順序を記憶するようにして、所定数のパターンを保持している。
なお、スイッチ駆動信号発生装置4で各スイッチのオン・オフ信号へ変換することも可能であり、パルス記憶装置3には各スイッチのオン・オフの順序を直接記憶して置くこともできる。
【0007】
つぎに動作について説明する。
例えば、今、電圧指令Vref*により、キャリヤ周期中に図13に示すようなPWMパルス(1相分の)、P、0、N、N、0、Pを出力する場合を考えると、スイッチ駆動信号発生装置4は、搬送波発生装置5を三角波のキャリヤ信号(周期T)を発生させる装置のように構成し、一方、パルス時間演算装置2においてはP状態、0状態、N状態の時間幅を、それぞれ演算して、パルス切替えタイミング信号1、及びタイミング信号2を作成し、図6のように、三角波のキャリヤ信号(周期T)と、パルス時間演算装置2の演算結果から作成したパルス切替えタイミング信号1、及び、タイミング信号2を比較して、その状態変化P、0、N、N、0、Pが、パルス記憶装置3の順序を記憶するアドレス、「00、01、10、10、01、00」に一致するように定義して、一致したら、パルス出力は、状態のアドレスに該当するパルスをパルス記憶装置3より読込んで出力する。
また、出力するパルスの数が増加した場合は、パルス切替え信号を増やし、取り得るアドレス状態を増加することによって実現できる。
【0008】
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
図2は、電力変換装置の3相分の制御ブロック図であり、電圧指令発生装置101は3相の電力変換装置が出力すべき電圧指令を3相の瞬時電圧か、または電圧ベクトルとして発生し、パルス時間演算装置102へ電圧指令Vref*を送る。
パルス時間演算装置102は通常の方式で電圧指令Vref*と搬送波の周期から出力すべきP状態、0状態、N状態の時間幅をそれぞれ演算し、更に、U、V、W相毎に設けられたパルス記憶装置103、104、105に、各相毎にパルス列を記憶するように構成し、これら記憶するパルス列の情報から、パルスの切り替わりのタイミング信号を各相毎に発生して、スイッチ駆動信号発生装置106へ送る。スイッチ駆動信号発生装置106は、パルス時間演算装置102によって演算されたパルス切り替わりタイミング信号と、パルス記憶装置103〜105に記憶された各パルス列の順序と、キャリヤ発生装置107から出力されたキャリヤ信号の周期から、キャリヤ周期毎に該当相のPWMパルスのスイッチ駆動信号を出力する。
そのスイッチ駆動信号には、デットタイムを設けなければならないが、デットタイムはデットタイム時間108をスイッチ駆動信号発生器106で設けてもよいし、他の図示していない装置を経由して設けてもよい。
又、各相のパルス記憶装置103〜105が記憶するパルスは、順にP、0、N、…、のようなP、0、N状態を記憶し、スイッチ駆動信号発生装置106で各スイッチのオン・オフ信号に変換することもでき、各相のパルス記憶装置に各スイッチのオン・オフの順序を直接記録しておくこともできる。
【0009】
つぎに動作について説明する。
例えば、各相がキャリヤ周期中において、図13のように、P、0、N、N、0、P(1相分の)のパルスを出力するものとすれば、キャリヤ発生装置107を三角波のキャリヤ信号を発生させる装置のように構成して、スイッチ駆動信号発生装置106内で各相毎に、図6のように、パルス時間演算装置102の演算結果からパルス切替え信号1、及び2を作り、三角波キャリヤ信号とパルス切替え信号1、2を比較して、その状態変化がパルス記憶装置103〜105に順序を格納するアドレス「00、01、10、10、01、00」と一致するように定義し、一致したらパルス出力は、状態のアドレスに該当するパルスを記憶装置より読込んで出力するように構成すればよい。
又、出力するパルスの数が多くなったら、パルス切替え信号を増やし、取り得るアドレス状態を増加して実現できる。
【0010】
次に、本発明の第3の実施の形態について図を参照して説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
図7は図3に示すスイッチ駆動信号発生装置の動作説明図である。
図8は図3に示すスイッチ駆動信号発生装置の発生パターンの例を示す図である。
図3は、図2に示した3相分の制御ブロック図で、パルス記憶装置を1個にまとめた例であり、各相の出力するパルス列の順序が同じである場合や、パルス記憶装置に冗長なパルスを記憶させ、パルス切替え信号の操作で、記憶しているパルスを選択し出力をコントロールする場合には、図3のようにパルス記憶装置103を1個だけにまとめることができるという場合を示したものである。
なお、図3において、図2と同じ構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0011】
つぎに動作について説明する。
出力パルスが図6に示すようなパルスの場合は、P、0、Nの順序を記憶したパルス記憶装置103を1個持ち、パルス切替え信号を各相毎に分けて、各相のパルスを読込み発生させて、スイッチ信号USW1〜4、VSW1〜4、WSW1〜4として出力すればよい。
ここでは図8に示すように、パルスの出力はP0Nの順だけではなく、P0N0P0N…、など、各種の1相分のパルス列の例を図8(a)〜(d)に示すように、自由に選ぶことができるが、NからPにスイッチ状態が変化するような場合には、出力端子電圧が直流電源の負極から正極へと大きく変動するので、スイッチ素子に係るサージ電圧が高くなりスイッチ素子が破壊する恐れがあるので、PからN、又は、NからPへ状態が変化する場合には必ず0状態を経由するように順序を指定し、過大な電圧がスイッチ素子に掛からないように留意する。
次に、パルス記憶装置103に冗長なパルスを記憶して、パルス切替え信号の操作で選択・出力する例を、図7に示す。図7はパルス記憶装置103に、0、P、0、N、0、P、0、N、0、のパルスを順に記憶した例である。
このようなパルスをパルス記憶装置103に記憶すれば、0パルスの各発生時間To1、To2、To3、To4、To5とPパルスの各発生時間Tp1、Tp2、Nパルスの発生時間Tn1、Tn2を調節して自由に組合わせパルスを発生することができる。
例えば、To1=To3=To4=To5=0、Tp2=0、Tn2=0として、To1にキャリヤ周期中のOパルスの発生時間の半分、Tp1にキャリヤ周期中のPパルスの発生時間の半分、Tn1にキャリヤ周期中のNパルスの発生時間の半分を入れると、図6と同じパルスを発生できる。このように予め多くのパターンを記憶して置き、各相毎に各パルスの出力時間を調整すれば、図13に示す例のような3相のPWMパルスも出力できる。
なお、図7の場合は、パルスの発生時間To1、Tp1〜Tn2、To5はそれぞれ等しく、それにパルス切替えタイミング信号1〜8も対応している。又、パルス記憶装置103の各アドレスは「0×0〜0×8〜」のように10進数で示されている。
【0012】
次に、本発明の第4の実施の形態について図を参照して説明する。
図4は本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
図5は図4に示す電力変換装置のパルス記憶装置を1つにまとめた場合のブロック図である。
図4に示す本実施の形態は、図2に示す第2の実施の形態のパルス時間演算装置102にデットタイム補正量109と、電流極性検出装置110を付け加えた構成として、デットタイムによる電圧誤差を相毎に補正できるようにパルス時間演算装置102を変更したものである。
なお、図4において、その他の図2と同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
同様に、図5は図3に示すパルス時間演算装置102にデットタイム補正量109と、電流極性検出装置110を付け加えた構成として、デットタイムによる電圧誤差を相毎に補正できるようにパルス時間演算装置102を変更したものであるが、回路構成としては、図5は図4の3個のパルス記憶装置103〜105を、1個のパルス記憶装置103にまとめた構成でもあるので、ここでは図4と図5の構成を併せて第4の実施の形態として説明する。
【0013】
以上の図4、図5の構成によって、デットタイムによる電圧誤差を、相毎に図14のように補正することができる。この電圧誤差の補正のデットタイム補正量109は、パルス時間演算装置102の出力信号を補正してもよいし、パルス切替え信号(図6、7参照)を直接補正してもよい。
また、負荷電流極性検出110は、実際に流れている負荷電流極性(回生時は逆)でもよいし、電流指令を持つ制御系であれば相電流指令の極性でもよい。
このように処理することによって、電圧指令が図10のベクトル図の斜線部分付近にあっても、補正後の出力電圧は隣接する領域へ移動できるので、デットタイムの影響を十分補正することが可能になる。
【0014】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、相毎にP、0、N状態と順序を記憶するのみなのでパルス列を記憶する記憶領域を大幅に減少させることができる。
また、PWMパルスの時間幅を直接補正してデットタイムの影響を補正することができるので、電力変換装置の制御が簡単になり安価で高性能な電力変換装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る電力変換装置のブロック図である。
【図5】図4に示す電力変換装置のパルス記憶装置を1つにまとめた場合のブロック図である。
【図6】図1に示すスイッチ駆動信号発生装置の動作例を示した図である。
【図7】図3に示すスイッチ駆動信号発生装置の動作例を示した図である。
【図8】図3に示すスイッチ駆動信号発生装置の発生パターンの例を示す図である。
【図9】従来の3相中性点クランプ式電力変換装置の回路図である。
【図10】図9に示す電力変換装置の出力できる空間ベクトル図である。
【図11】図9に示す電力変換装置のデットタイムによって生ずる出力電圧誤差を説明する図である。
【図12】図9に示す電力変換装置の電圧ベクトルの1例を示す図である。
【図13】図9に示す電力変換装置のPWMパルスの1例を示す図である。
【図14】図9に示す電力変換装置のデットタイムによって生ずる出力電圧誤差を補正する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1、101 電圧指令発生装置
2、102 パルス時間演算装置
3、103〜105 パルス記憶装置
4、106 スイッチ駆動信号発生装置
5、107 搬送波発生装置
6、108 デットタイム時間
109 デットタイム補正量
110 電流極性検出装置
Claims (6)
- 中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを構成したパルス幅変調方式の電力変換装置において、
出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、
キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の出力順序を記憶する相パルス記憶装置と、
前記電圧指令発生装置が発生した指令から前記P状態、前記0状態および前記N状態の時間を演算するパルス時間演算装置と、
前記相パルス記憶装置と前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に前記第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを複数持つ多相のパルス幅変調方式の電力変換装置において、
各相が出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、
キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の順序を記憶する相毎の相パルス記憶装置と、
前記電圧指令発生装置が発生した指令から相毎の前記順序の切り替わりのタイミング時間を演算するパルス時間演算装置と、
各相の前記相パルス記憶装置と前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に該当する相の第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 中性点出力端子を有する直流電源の正極と負極との間に、第1、第2、第3および第4のスイッチ素子を直列接続し、前記第1と第2のスイッチ素子の接続点および第3と第4の接続点をそれぞれクランプ素子を介して前記中性点出力端子に接続し、前記第2と第3のスイッチ素子の接続点を出力端子とし、前記第1と第2のスイッチ素子がオンする状態をP状態、前記第2と第3のスイッチ素子がオンする状態を0状態、前記第3と第4のスイッチ素子がオンする状態をN状態として、前記中性点クランプ式インバータブリッジの取り得るスイッチ状態を前記P、0、N状態の3状態のみとした1相分の中性点クランプ式インバータブリッジを複数持つ多相のパルス幅変調方式の電力変換装置において、
各相が出力すべき電圧の指令を出力する電圧指令発生装置と、
キャリヤ周期内で出力する前記P状態、前記0状態および前記N状態の出力順序を記憶する相パルス記憶装置と、
前記電圧指令発生装置が発生した指令から相毎の前記順序の切り替わりのタイミング時間を演算するパルス時間演算装置と、
前記相パルス記憶装置と相毎の前記パルス時間演算装置に従ってキャリヤ周期内に前記第1から第4のスイッチ素子を駆動するスイッチ駆動信号発生装置とを備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2又は3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
相パルス記憶装置が記憶する状態の出力順序として、P状態とN状態が隣り合わないような順序とすることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
相電流指令または相出力電流の極性によって、該当相の前記パルス時間演算装置を補正し、デッドタイムによる電圧歪を補正するデッドタイム補正装置を備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、
相パルス記憶装置が記憶する状態の出力順序として、P状態とN状態が隣合わないような順序とすることを特徴とする電力変換装置。
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