JP2004021313A - 経費管理システム - Google Patents

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JP2004021313A JP2002171587A JP2002171587A JP2004021313A JP 2004021313 A JP2004021313 A JP 2004021313A JP 2002171587 A JP2002171587 A JP 2002171587A JP 2002171587 A JP2002171587 A JP 2002171587A JP 2004021313 A JP2004021313 A JP 2004021313A
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Masaya Murakami
村上 賢哉
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Abstract

【課題】
口座情報を活用することにより、顧客は家計等の収支を改善し、また、金融機関は口座開設数の増大を実現するような経費管理システムを提供する。
【解決手段】
サービス提供者30は、金融機関20が有する口座履歴データを取得してデータ解析を行う。そして、家計等の収支の改善に関する情報をネットワーク40を介して顧客10へ通知する。顧客10は、家計等の収支の改善に関する情報を端末のブラウザ等に表示させ、収支改善をもたらす各種の改善を行い、実際の収支改善の一助とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行口座の入出金を監視し、異常な支出を検出・防止する経費管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、家計から支出される各種料金のうち、金融機関に開設された口座を通じて口座振替(自動引き落とし)される料金は少なくない。このような料金は、例えば、公共料金(電気料金,都市ガス料金,電話料金,公営水道料金)や、その他私的契約による料金(プロバイダ契約料金,LPガス料金,賃貸アパート・マンション家賃,ローン)などがある。
【0003】
これらのように口座振替により自動的に引き落とされる公共料金・私的契約による料金(以下単に料金という)は、手元の財布から直接支出されないため、とりわけ注意を払わない場合が多い。このような事情のため、料金が増減したとしても気づきにくい傾向にあった。
【0004】
特に、使用量に従って従量的に料金が増大する電気料金,都市ガス料金,電話料金,公営水道料金,LPガス料金等は気づかないうちに料金が増大し、これら料金により家計の収支が悪化していることも多い。
それでも、電気・電話・水道・LPガス等は自ら使用し、また、領収書が通知されること等もあって、使用を抑制することで家計の収支の改善を図ることも可能である。
【0005】
しかしながら、特殊な原因、例えば、家宅・建物に敷設された水道管に亀裂が入って漏水し、水道料金が異常に高くなったような場合には、自らの使用を伴わないため料金増加を知見しがたい。まして、漏水量が多くないため水道料金が微増したような場合は殆ど気が付くことはない。
このような事情のため、発見が遅れて不要な支出が増大し、家計を圧迫するという問題点があった。
【0006】
また、口座の収支を通常の注意を払って定期的にチェックしていたとしても、口座の入金・出金時期(月単位・隔月単位・四半期単位等)は、それぞれ項目毎に異なることに起因して、口座残高は増減しつつ推移するため、同じ月内であってもチェックする日時で残高が大きく異なり、実際には口座残高の挙動がどのような意味を持つのかが判りづらいという問題点もあった。
【0007】
そこで、これら料金が金融機関の口座振り替えで支払われることに着目し、口座の入出金情報を解析して家計収支を改善するという手法が考えられる。
銀行口座の口座情報の処理に係る先行技術として、例えば、特開2000−132614号(発明の名称:「自動取引システム」)として出願公開された発明がある。
この自動取引システムでは、銀行口座の入金・出金を家計簿情報として表示することが可能である。しかしながら、家計簿情報を開示するのみに留まり、口座の入出金履歴情報を積極的に活用して家計収支を改善するというものではなかった。
【0008】
また、過去の電気料金の解析により家計収支の改善を図るという先行技術(上田,家庭でのパソコンの電気代は月4000円もするのか,データマイニング事例集,pp87−92,共立出版,1998年))も開示されている。
この先行技術では、表計算プログラムを活用して電気代を予測するというものである。
しかしながら、金融機関の口座の入出金情報を活用するというものではなく、預金通帳等の履歴を表計算ソフトに入力しつつ検討するというものであり、顧客にとって手間が掛かるという問題点があった。
このように、上記2件の従来技術の存在にも拘わらず、口座の入出金に関する履歴情報を活用して家計収支を改善するというものは存在しなかった。
【0009】
また、家計収支の改善に関する他の方策として、各種の減免政策・割引特典などが存在する。例えば、水道料金では、集合住宅向けの割引制度等、経費節約に役立つ制度(情報)がある。しかし、官公庁や水道事業者が積極的に通知しないため顧客が気づかないことは往々にしてあることである。このように家計収支を改善する制度を活用する機会を得られないため、家計収支を改善できないという問題点もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、口座情報を活用することにより、顧客は家計等の収支を改善し、また、金融機関は口座開設数の増大を実現するような経費管理サービスを提供し、顧客及び金融機関の双方に有益な経費管理システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の経費管理システムによれば、
サービス提供者側のサービス提供システム、金融機関側の顧客口座管理システムおよび顧客側の端末がそれぞれネットワークを介して接続され、顧客に対して経費管理サービスを提供する経費管理システムであって、
サービス提供システムは、
顧客口座管理システムから顧客の口座の過去の入金・出金に係る口座履歴データを取得する口座履歴データ取得手段と、
過去の経費増減の要因に係る変動要因データを取得する変動要因データ取得手段と、
口座履歴データおよび変動要因データに基づいて、適正な経費を推定する適正経費推定モデルを作成する適正経費推定モデル作成手段と、
顧客口座管理システムから顧客の口座の至近の入金・出金に係る至近口座履歴データ、および、至近の経費増減の要因に係る至近変動要因データを取得する至近データ取得手段と、
適正経費推定モデルにより至近の適正な経費を推定する推定手段と、
至近口座履歴データから実際の経費を算出する経費算出手段と、
推定した適正な経費と実際の経費とを比較して異常を検出する検出手段と、
異常を顧客の端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2記載の経費管理システムによれば、
サービス提供者側のサービス提供システムと金融機関側の顧客口座管理システムとは直接接続され、また、サービス提供者側のサービス提供システムと顧客側の端末とはネットワークを介して接続され、顧客に対して経費管理サービスを提供する経費管理システムであって、
サービス提供システムは、
顧客口座管理システムから顧客の口座の過去の入金・出金に係る口座履歴データを取得する口座履歴データ取得手段と、
過去の経費増減の要因に係る変動要因データを取得する変動要因データ取得手段と、
口座履歴データおよび変動要因データに基づいて、適正な経費を推定する適正経費推定モデルを作成する適正経費推定モデル作成手段と、
顧客口座管理システムから顧客の口座の至近の入金・出金に係る至近口座履歴データ、および、至近の経費増減の要因に係る至近変動要因データを取得する至近データ取得手段と、
適正経費推定モデルにより至近の適正な経費を推定する推定手段と、
至近口座履歴データから実際の経費を算出する経費算出手段と、
推定した適正な経費と実際の経費とを比較して異常を検出する検出手段と、
異常を顧客の端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3記載の経費管理システムによれば、
請求項1または請求項2記載の経費管理システムにおいて、
サービス提供者は、異常が報告された顧客による経費の節約額を見積もり、その一定割合を徴収することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の根幹となるビジネスモデルについて説明する。
本ビジネスモデルは、経費管理サービスの提供である。
この経費管理サービスを提供するサービス提供者(以下、単にサービス提供者という)は、顧客と金融機関とを仲介する。
サービス提供者は、金融機関に銀行口座を開設している顧客の家計等の収支の管理を、金融機関の顧客口座管理システムから口座履歴データを取得して行う。
【0015】
金融機関が経費管理サービスの提供を受ける利点は、このようなサービスを利用したい顧客が新たに口座開設して口座数が増加する点、口座振替が増加して振替手数料の増加が見込める点などにある。
顧客が経費管理サービスの提供を受ける利点は、家計等の収支を改善できる点にある。
このような経費管理サービスを提供するサービス提供者の利点は、金融機関からサービス提供料を受けられる点、収支が改善した場合にその改善額の一定割合を顧客から徴収して利益を受けられる点にある。
【0016】
続いてこのようなビジネスモデルを実現するためになされた、本発明の請求項1に係る第1実施形態の経費管理システムについて図を参照しつつ説明する。図1は本実施形態の経費管理システムのシステム図、図2は金融機関・サービス提供者のシステムを説明する説明図である。
図1で示す本実施形態の経費管理システムは、顧客10、金融機関20、サービス提供者30の三者がネットワーク40を介して結ばれている。
【0017】
顧客10は、集合住宅11、戸建て住宅12、施設13等に住所・居所を有する自然人・法人である。
集合住宅11は、例えば独身寮・マンション・アパートなどである。
戸建て住宅12は、一世帯住宅・二世帯住宅など一棟の家宅である。
施設13は、会社・工場・店舗・学校・倉庫・大型量販店などである。
【0018】
金融機関20は、例えば普通銀行・郵便局・信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合などである。
サービス提供者30は、この経費管理サービスを提供するための事業運営を行う事業者であり、顧客10・金融機関20と契約を結んで経費管理サービスを提供する。
【0019】
顧客10は、各種端末によりネットワーク40と接続される。
各種端末とは、パーソナルコンピュータまたは携帯端末である。
パーソナルコンピュータは、例えば、ラップトップパソコン・デスクトップパソコン・ノートパソコンなどである。
携帯端末は、例えば、文字データまたは画像データの送受信機能を有する携帯電話、PDA(Personal Digital Assisitant)などの携帯情報端末などである。
【0020】
金融機関20では、図2(a)で示すように、銀行口座管理用コンピュータ20a、データベース20bを備えている。
銀行口座管理用コンピュータ20aはネットワーク40に接続され、データを送信・受信できるように構成されている。
データベース20bは、具体的には、銀行口座管理用コンピュータ20aが内蔵する大容量ハードディスクに構築された顧客口座管理データベースである。
【0021】
なお、銀行口座管理用コンピュータ20aをメインサーバとし、また、データベース20bをデータベースサーバとして、例えば、LAN(Local Area Network)のようにネットワーク上で運用されるクライアントサーバシステムとしても良い。これらシステム構成は、適宜設計選択される。
このような銀行口座管理用コンピュータ20aとデータベース20bとにより顧客口座管理システムを構成し、顧客10が口座名義人となっている口座の入金・出金に係る口座履歴データをデータベース20bに蓄積し、管理するようになされている。
【0022】
サービス提供者30は、図2(b)で示すように、サービス提供用コンピュータ30a、データベース30bを備えている。
サービス提供用コンピュータ30aはネットワーク40に接続され、データを送信・受信できるように構成されている。これらサービス提供用コンピュータ30aとデータベース30bとによりサービス提供システムを構成し、このサービス提供システムは、サービス提供者30の事業所・施設内に配置され、経費管理に係る各種のサービスを提供する。
【0023】
ネットワーク40は、公衆回線・専用回線などの電気通信回線や交換機などの設備を一括して含むものとする。
この電気通信回線は、パケット交換網、ISDN(Integrated Services Digital Network)、またはアナログ網などを含むインターネット網であり、パケット交換網ならば伝送装置(図示せず)としてはDSU(Digital Service Unit)を、ISDNならば伝送装置としてはDSUやTA(Terminal Adapter)を、アナログ網ならば伝送装置としてはモデムも接続される。また、プロトコル変換のためにゲートウェイ装置なども必要となる場合もある。
【0024】
また、CATV・xDSL・FTTH等の光ファイバ等の大容量通信線を介在させたり、LANや無線LAN等を介在させても良い。
さらに、電気通信回線以外のネットワークとして、電力信号に電気通信信号を重畳させることで電力線を電気通信回線に組み込む技術が開発されているが、この場合には電力信号と電気通信信号との結合・分離・変調・復調を行う装置を介在させることで、ネットワークとして併用することができる。
これら何れのネットワーク40としても本発明の実施は可能である。
【0025】
続いて、本実施形態の経費管理システムによるサービス提供について説明をする。
まず、サービス提供者30は、経費管理サービス提供を受けることを希望する金融機関20と契約する。
続いて、サービス提供者30及び金融機関20は、顧客に対して経費管理サービスについて広報し、サービスの提供を希望する顧客10と経費管理サービスの提供について契約する。この場合、契約は、通常の書面による契約、ネットワークを介した契約、電話・FAXによる契約がある。
【0026】
なお、金融機関に口座を既に開設している顧客は、サービス提供の追加を契約することとなり、また、金融機関に口座を新規開設する顧客は、経費管理サービスの提供の是非について選択することとなる。
このような契約時に、顧客10はパスワードを決定してサービス提供者30に通知し、サービス提供者30はID番号を顧客に付与する。顧客10はパスワード・顧客IDを取得する。
【0027】
続いて、サービス提供者30は、毎月の解析に利用する適正経費推定モデルを予め作成することとなる。続いて、この適正経費推定モデルの作成について処理フローを参照しつつ説明する。
【0028】
図3は経費管理サービスのうち適正経費推定モデル作成を説明するフローチャートである。
ステップS1は口座履歴データ取得ステップである。顧客口座管理システムから顧客の口座の過去の入金・出金に係る口座履歴データを取得する。
【0029】
具体的には、サービス提供用コンピュータ30aは、ネットワーク40を介して銀行口座管理用コンピュータ20aにアクセスし、ある顧客10の口座からの出金履歴、および、口座への入金履歴に関する口座履歴データを取得するように指令する。銀行口座管理用コンピュータ20aは、データベース20bにアクセスして該当する口座履歴データを読み出し、サービス提供用コンピュータ30aへこの口座履歴データを送信する(図1の▲1▼)。サービス提供用コンピュータ30aは、例えば、過去数年分の口座履歴データを取得してデータベース30bに蓄積する。
【0030】
この口座履歴データは、入出金の日付、摘要、金額、振替先の口座番号等である。
摘要のうち出金項目は、公共料金・共益費・保険料・会費・手数料・学費等多種にわたる。これらの引き落とし日や期間は一定でないが、振替先の口座番号等により例えば電力会社への振り込みであることが判別でき、必要な出金項目を容易に把握することができる。
また、摘要のうち入金項目は、例えば、給与・配当などである。
【0031】
ステップS2は、変動要因データ取得ステップである。過去の経費増減の要因に係る変動要因データを取得する。
この変動要因データは、具体的には家族構成データ・漏水履歴データ・停電履歴データ・使用機器データ・気象データ・社会状況データである。
これらデータは取得経路により二種類に分けられる。
【0032】
まず、第一の経路として顧客10から取得されるデータがある。
契約時に顧客は、家族データ・漏水履歴データ・停電履歴データ・使用機器データを提供する。
家族データは、口座開設者である顧客の家族構成やその家族各人の生活スタイルに関するデータである。この家族データを利用すると、例えば、家族の人数が多ければ電気料等が上昇するというように、妥当な金額の予測を判別することができる。なお、法人の場合には従業員データとなる。
【0033】
漏水履歴データは、過去に漏水があるような老朽化した水道管は再度漏水を起こす恐れがあり優先的に監視することとなる。
停電履歴データからは、電気使用量が過大な傾向にあることが判明する。
使用機器データは、例えば、暖房機器がガスストーブ・石油ストーブの場合とエアコンディショナー・オイルヒータの場合とでは電気料金が相異するというように、使用機器により経費の大小に影響を及ぼすためである。
サービス提供者30はこれらデータを予め顧客10から取得しておき、サービス提供用コンピュータ30aを操作してデータベース30bに蓄積する。
【0034】
さらに、第二の経路として情報提供会社等から取得するデータがある。気象データ・社会状況データである。
気象データは、気温・湿度等の増減が電気料金・水道料金等の増減に影響するため、変動要因である。
社会状況データは、原油価格や為替レートの変動が電気料金・ガス料金等に影響するため、変動要因である。
サービス提供者30はこのようなデータを情報提供会社等から予め取得しておき、サービス提供用コンピュータ30aを操作してデータベース30bに蓄積する。
【0035】
このようにデータベース30bには過去の口座履歴データ(金融機関20から取得)、家族構成データ・漏水履歴データ・停電履歴データ・使用機器データ(顧客10から取得)、気象データ・社会状況データ(情報提供会社等から取得)の蓄積が完了している。
【0036】
ステップS3は、口座履歴データ及び変動要因データに基づいて、適正な経費を推定する適正経費推定モデルを作成するステップである。
図4は、適正経費推定モデルの説明図である。
適正経費推定モデルは、多数の入力値と多数の出力値を用い、入力値と出力値がどのような関係を有しているかを推定するモデルであり、例えば、統計モデル・多変量解析モデル・ニューロモデル・ファジールールモデルなどである。
図4で示すように、入力値は、口座履歴・家族構成・気象・社会状況や、漏水履歴・停電履歴等の使用機器に関するデータであり、また、出力値は、経費(水道代・電気代・重油代・電話代、等)である。
【0037】
データベース30bに格納された項目別の入出金額に基づき、収支単位期間(例えば月)単位の収支を計算する。そして、収支の妥当性、実質的な残高の推移状況(入出金のタイミングと周期の違いによる変動を吸収した大きな変化の傾向)等を分析し、判断する。
この適正経費推定モデルは一定区間にわたる経費の適正範囲をも出力する。
【0038】
このような適正経費推定モデルの一例について図を参照しつつ説明する。図5,図6は、重油代の適正経費の推定を説明する説明図である。
過去3年間(1999年〜2001年)の履歴としてある集合住宅での重油代が図5で示すように推移したものとする。すると2002年にはこの推移を踏襲することが予想される。そこで適正範囲として図6で示すような範囲を適正経費の範囲と推定する。この範囲は、集合住宅11の住人の数及び気温データ等の特性要因データも考慮されてモデル化されている。
【0039】
適正範囲は、図6中の一点鎖線で決定される範囲であり、適正範囲の上限は、各年のプロットの最上部から所定距離上側にある位置で上限としている。
下限は、各年のプロットの最下部から所定距離下側にある位置で下限としている。
この図6で示す適正範囲は一具体例であって、例えば、過去の重油代より少し上昇しただけでも適正経費から外れるような上限が設定されている一方で、過去の重油代より大幅に下降しても適正範囲に入る(重油代が節約されている場合には家計収支は改善されているため適正範囲となる)ように下限が設定される。
【0040】
また、適正範囲の他の例として、過去のデータから統計的に算出される「信頼区間」で、バラツキの標準偏差の何倍かの値を上限値・下限値として定めるようにしてもよい。
さらにまた、適正範囲の他の例として、例えば、プロセス制御のアラーム処理などで用いる「不感帯」という考え方、つまり、図6で示した重油代の挙動から決定され、これ以下に誤差を収めることができないという上下の限界をそれぞれ上限値・下限値としてもよい。
さらにまた、適正範囲の他の例として、統計的手法に不感帯の考え方を組み合わせて上限値・下限値を決定しても良い。
これらの適正経費推定モデルでは、ある月においてどの程度の経費が適正であるかを推定することができる。
【0041】
このようにステップS1〜ステップS3により適正経費推定モデルが算出された。
なお、この口座履歴データ・変動要因データの取得は、毎月行われ、適正経費推定モデルも最新のデータにより更新されていく。
【0042】
続いて、サービス提供開始後、所定日にある月における口座の解析を行う。
ここに所定日とは、例えばその月の月末・その月の翌月1日などに行うことで実現される。解析を何時行うかは実状に応じて適宜選択される。
この解析について説明する。図7は経費管理サービスのうち解析を説明するフローチャートである。
【0043】
まず、ステップS11の当月データ取得ステップを実行する。顧客口座管理システムから顧客の当月の口座の入金・出金に係る当月口座履歴データ、および、当月の経費増減の要因に係る当月変動要因データを取得する。
ここに、本実施形態では説明を具体化するため、2002年8月までの口座履歴データを用いて適正経費推定モデルが作成されているものとし、9月の口座履歴データを当月口座履歴データといい、また、9月の変動要因データを当月変動要因データとする。
なお、月単位に限らず週単位・隔週単位で行うことも可能であるが、これらは、解析を行う日から至近な過去を表すものであれば良い。本実施形態では月単位で処理するものとして説明する。
【0044】
続いて、ステップS12の推定ステップを実行する。適正経費推定モデルにより当月の適正な経費を推定する。
例えば、図6で示す適正経費推定モデルの9月であれば、信頼区間の9月分の上限値・下限値を容易に算出することができる。
【0045】
続いて、ステップS13の経費算出ステップを実行する。当月口座履歴データから実際の経費を算出する。これは、振込先・支払日等から容易に判別することができる。
続いて、ステップS14の検出ステップを実行する。推定した適正な経費と実際の経費とを比較して異常を検出する。例えば、図8で示すように2002年9月の重油代が適正範囲の上限値を超えてしまったような場合、異常が検出されることとなる。
また、適正範囲を超えていなくても、近い将来に超えることが予測できればそれを検出する。
【0046】
続いて、ステップS15の送信ステップを実行する。異常を顧客10の端末に送信する。例えば、顧客10がパーソナルコンピュータを有しているような場合には、顧客10がID番号とパスワードを入力してログインし、サービス提供者30のサービス提供用コンピュータ30aへアクセスする。そして、サービス提供用コンピュータ30aは、例えば、コンピュータのブラウザで閲覧可能なHTMLデータ(送信先の端末が携帯電話なら、例えば、携帯電話用の言語であるCompact HTML (コンパクトHTML) データ)を送信する(図1の▲2▼▲3▼参照)。この顧客10はブラウザを操作して、図9で示すようなブラウザ画面を表示させる(プル型情報送信)。
また、プッシュ型情報送信として、顧客10の登録されたメールアドレスに異常を直ちに送信することも考えられる。
なお、上記データはHTMLデータ以外の各種のデータ形式(XML(eXtensible Markup Language)データ、XHTML(eXtensible HyperText Markup Language)データ、DHTML(Dynamic HyperText Markup Language)データ)を採用しても良い。これらデータ形式は実状に応じて適宜選択される。
【0047】
顧客10は、図9で示すようなブラウザ画面を確認し、原因を追及することができる。ブラウザ画面には原因の例を列挙する。例えば重油代ならば、燃焼部にススがたまったことによる不完全燃焼などが原因として例示される。顧客10は異常と想定される原因の候補についてアドバイスを受けることで、対応することが可能となる。
また、図示しないが異常でなくても節約できるところがあれば節約についてアドバイスする。アドバイスに従った場合に従わない場合とでのその後の残高の推移を予測し、利用者の判断材料とするようにしてもよい。
【0048】
なお、経費管理サービスでは、この他にも各種のサービスを提供する。
例えば、入出力モデルとして経費の未来の値を予測する予測モデルを作成し、予測値(図8の破線部分で示される2002年10月分)を求め、前記適正経費モデルで決定される適正範囲と比較して、今後の重油等の抑制を促すようにしても良い。
【0049】
さらにインターネット等を利用し、利用者別に利用できる節約プログラムを検索する。この節約プログラムとは、例えば、集合住宅における電気料金について1年分前納による割引、減免制度、集合住宅の特例という各種の電気料金割引制度である。そして、利用者側に負担やアクションがまったく必要なければサービス提供者側でこの節約プログラムを実施して実施したことを利用者に通知し、利用者側に負担やアクションが必要な場合には利用者側にそのような節約プログラムがあることを通知して実施することをアドバイスする。このようにして家計収支をさらに改善する。
【0050】
以上のサービスを提供することにより、顧客10が節約できた額を見積り、その一定割合をサービス料としてサービス提供者30が徴収する。節約分の見積もりについては統計解析、多変量解析、実験計画法、ニューラルネット等により過去のある時点から本サービスを利用しなかった場合の残高推移を算出(推定)し、これと実績とを比較して節約分を算出(推定)するが、利用者が納得できるものであることを前提とする。
【0051】
以上説明した、本実施形態のような経費管理サービスによれば、定期的に収支の分析、判断、予測、アドバイス、情報提供、節約プログラムの実行、節約額計算、提示を行って無駄な生活経費を削減でき利用者は満足を得られると同時にサービス提供者は利用料を得ることができるという効果を有する。
【0052】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、顧客情報である口座履歴データをネットワーク40を介して送信することとなるが、顧客情報の機密保持という観点からは好ましくない。そこで第2実施形態ではネットワーク40を介さないで口座履歴データを伝送するというものである。以下、図を参照しつつ本実施形態について説明する。
図10は、本実施形態の経費管理システムのシステム図、図11は金融機関のシステムを説明する説明図である。
【0053】
本実施形態の経費管理システムでは、図10で示すように金融機関50が経費管理サービスを提供するというものであって、口座履歴データをネットワーク40上で伝送することを回避している。
例えば、図11で示すように、同一構内に銀行口座管理用コンピュータ50a、データベース50b、サービス提供用コンピュータ50c、データベース50dが配置されており、さらに、銀行口座管理用コンピュータ50aとサービス提供用コンピュータ50cとは口座履歴データを送信できるように接続されている。これは、LAN・イントラネット等で接続する形態や、大容量のコンピュータに一体に組み込む形態を採用することもできる。
【0054】
なお、これ以外のサービス提供内容については第1実施形態と同様であるためその説明を省略する。最終的には、図10で示すような▲1▼▲2▼の経路を経て異常が通知され、顧客10は、図9で示したようなブラウザ画面を検討して、家計収支の改善を図ることができる。
このように形成した本実施形態によれば、口座履歴データがネットワーク上で伝送されることがなく、セキュリティを向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、口座情報を活用して顧客にとっては家計等の収支が改善され、また、金融機関にとっては口座開設数の増大・口座振替に係る手数料の増収・窓口業務の手間の減少等を実現する経費管理サービスを提供し、金融機関及び顧客の双方に有益な経費管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の経費管理システムのシステム図である。
【図2】金融機関・サービス提供者のシステムを説明する説明図である。
【図3】経費管理サービスのうち適正経費推定モデル作成を説明するフローチャートである。
【図4】適正経費推定モデルの説明図である。
【図5】重油代の適正経費の推定を説明する説明図である。
【図6】重油代の適正経費の推定を説明する説明図である。
【図7】経費管理サービスのうち解析を説明するフローチャートである。
【図8】異常検出を説明する説明図である。
【図9】異常通知を行うブラウザ画面を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の経費管理システムのシステム図である。
【図11】金融機関のシステムを説明する説明図である。
【符号の説明】
10      顧客
11     集合住宅
12     戸建て住宅
13     施設
20      金融機関
20a    銀行口座管理用コンピュータ
20b    データベース
30      サービス提供者
30a    サービス提供用コンピュータ
30b    データベース
40      ネットワーク
50      金融機関
50a    銀行口座管理用コンピュータ
50b    データベース
50c    サービス提供用コンピュータ
50d    データベース

Claims (3)

  1. サービス提供者側のサービス提供システム、金融機関側の顧客口座管理システムおよび顧客側の端末がそれぞれネットワークを介して接続され、顧客に対して経費管理サービスを提供する経費管理システムであって、
    サービス提供システムは、
    顧客口座管理システムから顧客の口座の過去の入金・出金に係る口座履歴データを取得する口座履歴データ取得手段と、
    過去の経費増減の要因に係る変動要因データを取得する変動要因データ取得手段と、
    口座履歴データおよび変動要因データに基づいて、適正な経費を推定する適正経費推定モデルを作成する適正経費推定モデル作成手段と、
    顧客口座管理システムから顧客の口座の至近の入金・出金に係る至近口座履歴データ、および、至近の経費増減の要因に係る至近変動要因データを取得する至近データ取得手段と、
    適正経費推定モデルにより至近の適正な経費を推定する推定手段と、
    至近口座履歴データから実際の経費を算出する経費算出手段と、
    推定した適正な経費と実際の経費とを比較して異常を検出する検出手段と、
    異常を顧客の端末に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする経費管理システム。
  2. サービス提供者側のサービス提供システムと金融機関側の顧客口座管理システムとは直接接続され、また、サービス提供者側のサービス提供システムと顧客側の端末とはネットワークを介して接続され、顧客に対して経費管理サービスを提供する経費管理システムであって、
    サービス提供システムは、
    顧客口座管理システムから顧客の口座の過去の入金・出金に係る口座履歴データを取得する口座履歴データ取得手段と、
    過去の経費増減の要因に係る変動要因データを取得する変動要因データ取得手段と、
    口座履歴データおよび変動要因データに基づいて、適正な経費を推定する適正経費推定モデルを作成する適正経費推定モデル作成手段と、
    顧客口座管理システムから顧客の口座の至近の入金・出金に係る至近口座履歴データ、および、至近の経費増減の要因に係る至近変動要因データを取得する至近データ取得手段と、
    適正経費推定モデルにより至近の適正な経費を推定する推定手段と、
    至近口座履歴データから実際の経費を算出する経費算出手段と、
    推定した適正な経費と実際の経費とを比較して異常を検出する検出手段と、
    異常を顧客の端末に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする経費管理システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の経費管理システムにおいて、
    サービス提供者は、異常が報告された顧客による経費の節約額を見積もり、その一定割合を徴収することを特徴とする経費管理システム。
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