JP2004020880A - 抜去用部材付き光コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光コネクタ10に設けられている可動ハウジング11に連結した抜去用部材2によって、前記可動ハウジング11を実質的に延長することができ、抜去用部材2の引っ張り操作によって、光コネクタアダプタ20から光コネクタ10を簡単に抜き去ることができる抜去用部材付き光コネクタ1を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動ハウジングの引っ張り操作によってハウジングに対する係合を解除しつつハウジングから抜き去ることができる、いわゆるスライドロック構造を有する光コネクタの抜き去り作業を簡単に行える抜去用部材付き光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
光コネクタアダプタ等のハウジングに挿入、接続される光コネクタ(光コネクタプラグ)として、ハウジングに対する係合維持、係合解除を可動ハウジングのスライド移動によって簡単に切り替えることができる、いわゆるスライドロック構造のプッシュオン形締結構造を適用したものが知られており、代表的なものに、例えば、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector)、JIS C 5982に制定されるMPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push−On)、JIS C 5983に制定されるMU形光コネクタ(Miniature−unit Coupling optical fiber con−nector)などがある。
このような光コネクタのスライドロック構造としては、光コネクタを光コネクタアダプタ等のハウジングに挿入することによって、ハウジング内部の係合爪が光コネクタに係合するとともに、光コネクタの外側にスライド移動可能に設けられている可動ハウジング(「つまみ」、「カップリング」などと称されることもある)によってハウジングとの係合状態が解除されないようにロックされ、前記可動ハウジングの引っ張り操作によって、ハウジングに対する係合を解除しつつハウジングから簡単に抜き去ることができる構造が広く採用されている。可動ハウジングの引っ張り操作は、従来、作業者が手指で可動ハウジングを直接、引っ張ることが一般的である。
【0003】
やや詳しくは、前述のようなスライドロック構造が適用された光コネクタ(光コネクタプラグ)は、光コネクタアダプタ等のハウジングに対して押し込むだけでハウジング内部に係合されるが、さらに、光コネクタに組み込まれたスプリングの付勢力等によって可動ハウジングが光コネクタの先端側(ハウジングへの挿入先端側)に移動されることで、この可動ハウジングが、ハウジング(詳細には係合爪)と光コネクタとの間の係合解除を規制(ロック)するようになる。この状態では、光コネクタを引っ張っても(可動ハウジング以外の箇所の引っ張り)ハウジングと光コネクタとの間の係合が解除されないため、ハウジングに対する光コネクタの不用意な離脱、接続解除が確実に防止され、ハウジングに対する光コネクタの接続状態が安定に維持される。
また、ハウジングに接続されている光コネクタをハウジングから抜き去るには、可動ハウジングを引っ張り操作することで、ハウジングに対する係合を解除しつつ抜き去ることができる。可動ハウジングの引っ張り操作すると、まず、ハウジングに対する光コネクタの係合が維持されたまま、可動ハウジングのみが移動する(光コネクタの後端部側への移動)。そして、可動ハウジングがハウジングの係合爪を押圧して光コネクタに対する係合を解除したり、可動ハウジングがハウジングの係合爪の光コネクタに対する係合をロックしない位置に到達したところで光コネクタがハウジングとの係合とを解除しつつ離脱方向へ移動を開始するため、結局、可動ハウジングの引っ張り操作の継続によってハウジングから光コネクタを抜き去ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、光コネクタが複数実装される光機器等では、光コネクタの実装密度の高密度化の要求があるが、しかしながら、前述のような光コネクタを高密度実装した場合、隣り合う光コネクタ間に作業者の手指が入れにくくなったり、手指を入れることが不可能になるため、ハウジングに対する光コネクタの接続解除作業が難しくなるといった問題があった。また、このことが、光コネクタの実装密度の向上の妨げになるケースも生じていた。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、光コネクタを高密度実装しても、ハウジングに対する光コネクタの抜き去り作業性を確保できる抜去用部材付き光コネクタの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、光コネクタアダプタ等のハウジングに挿入することで前記ハウジングと係合するコネクタ本体と、このコネクタ本体にスライド移動可能に設けられた可動ハウジングとを有し、前記ハウジングに対する接続状態で可動ハウジングの引っ張り操作を行うことで、ハウジングとの係合を解除しつつハウジングから抜き去ることができる光コネクタにおいて、引っ張り操作によって前記可動ハウジングを移動させる抜去用部材が前記可動ハウジングに連結されていることを特徴とする抜去用部材付き光コネクタを提供する。
また、本発明では、前記抜去用部材が、両端が前記可動ハウジングの対向する両側に連結されて、前記可動ハウジングからU字状に延出されている細長形状の部材であり、前記光コネクタの前記ハウジングへの挿入前側に対する後側に延出させた状態で引っ張り操作できるようになっている構成や、前記抜去用部材が、前記可動ハウジングを延長するようにして、前記光コネクタの前記ハウジングへの挿入前側に対する後側に延出されている構成も採用可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る抜去用部材付き光コネクタ1を示す斜視図、図2は抜去用部材付き光コネクタ1を示す分解斜視図、図3はハウジング20(光コネクタアダプタ)から抜去用部材付き光コネクタ1を抜き去った状態を示す斜視図である。
【0008】
抜去用部材付き光コネクタ1は、光コネクタ10と、この光コネクタ10に連結した抜去用部材2とを有する構成になっている。
なお、この実施の形態において、光コネクタ10はMPO形光コネクタの光コネクタプラグ、ハウジング20はMPO形光コネクタの光コネクタアダプタであるが、本発明に係る光コネクタやハウジングはこれに限定されず、例えばSC形光コネクタやMU形光コネクタのものなど、各種採用可能である。但し、採用可能な光コネクタとしては、スライドロック機構を構成する可動ハウジングなど、引っ張り操作によってハウジング20と光コネクタ10との係合解除を可能とする可動ハウジングを有するものである。
また、図1〜図3において符号12はコネクタ付き光ファイバである。このコネクタ付き光ファイバ12は、光コネクタ10によって光ファイバ13先端がコネクタ接続可能に成端されている。
ハウジングとしては、光コネクタアダプタに限定されず、光コネクタレセプタクルや、その他、光コネクタ10の挿入接続、抜き去りが可能な各種構成のものを採用可能である。
なお、この実施の形態では、ハウジング20を、以下、光コネクタアダプタと称して説明する場合がある。
【0009】
図1〜図3において、抜去用部材2は、合成樹脂製の条体であり、より具体的には、帯状に形成されている。そして、この抜去用部材2は、該抜去用部材2の長手方向両端に設けられている連結部3と、光コネクタ10の可動ハウジング11(カップリング)の対向する両側に設けられている連結部14とを連結することで、U字状に湾曲させた状態で可動ハウジング11に取り付けられる。なお、抜去用部材2は、外力によって意図的に変形させない限り、U字状の形状を維持できる程度の硬さを有している。
光コネクタ10の可動ハウジング11に設けられている連結部14は具体的には可動ハウジング11側面に突出する係合突起(以下、連結部14を係合突起14と称する場合がある)であり、抜去用部材2の長手方向両端の連結部3は具体的には前記係合突起14が挿入される挿入穴4と、この挿入穴4から移動された係合突起14が嵌合される嵌合穴5とが形成された部分である。挿入穴4と嵌合穴5とは連通されており、係合突起14の移動が可能になっている。連結部3、14同士を連結するには、まず、挿入穴4に係合突起14を挿入し、次いで、この係合突起14を嵌合穴5に移動して嵌合させれば良い。逆に、嵌合穴5に嵌合されている係合突起14を挿入穴4に移動して連結部3から抜き出すと、連結部3、14間の連結を解除でき、抜去用部材2を光コネクタ10から離脱できる。
【0010】
この抜去用部材付き光コネクタ1は、組み立てた状態(抜去用部材2を取り付けた状態)で光コネクタアダプタ20に接続される。このとき、抜去用部材2は、光コネクタ10の光コネクタアダプタ20への挿入前側とは逆の後側へ突出する向きとしておく。特に、図1に示すように、抜去用部材2を、光コネクタ10の後側へ、可動ハウジング11を延長するような向きで突出させておくことで、その位置が判りやすくなるため、例えば光配線盤等のように、多数の光コネクタ10が高密度実装される光機器においては、抜き去り作業を行う目的の光コネクタ10や抜去用部材2を探し出す手間が軽減されるとともに、抜去用部材2の引っ張り操作による可動ハウジング11のスライド移動(引っ張り操作)させる際に、光コネクタ10の周囲の部材(別の光コネクタや光ファイバなど)との干渉を極力回避して作業性を向上できるといった利点がある。
【0011】
なお、抜去用部材2は、合成樹脂製に限定されず、例えば、金属のような硬質の部材にしたり、天然又は合成の繊維からなる糸やテープなどの形状保持できない程度に高い柔軟性を有するものなども採用可能である。但し、合成樹脂等の柔軟な素材で形成された抜去用部材2であれば、光ファイバ13と接触しても光ファイバ13を傷める心配が無い利点がある。
【0012】
光コネクタアダプタ20に接続されている抜去用部材付き光コネクタ1を光コネクタアダプタ20から抜き去る作業は、抜去用部材2の引っ張り操作のみによって簡単に行える。抜去用部材2を引っ張り操作すると、可動ハウジング11を光コネクタ10の後端側にスライド移動(光コネクタ10のコネクタ本体15に対する相対的なスライド移動)させることができ、さらに、引っ張り操作を継続することで、光コネクタアダプタ20に対する光コネクタ10(詳細にはコネクタ本体15)の係合を解除しつつ光コネクタアダプタ20から光コネクタ10を抜き去ることができる(図3参照)。
前記コネクタ本体15とは、光コネクタアダプタ等のハウジング20に挿入され、この挿入によって、ハウジング20の係合部が係合される部分を有する部材のことであり、ここでは、スリーブ状のいわゆるプラグフレームである。
【0013】
可動ハウジング11からU字状に延びる抜去用部材3であれば、U字の内側に手指を掛けるなどすることで、簡単に引っ張り操作することができる。また、可動ハウジング11の対向する両側をほぼ均等の力で引っ張ることも容易であり、光コネクタ10を斜めに引っ張って傷めたり、ハウジング20内に引っ掛かって抜けずらくなるといった不都合が生じにくく、抜き去り作業性を向上できるといった利点もある。
【0014】
なお、本発明としては、前記実施の形態に限定されず、例えば、抜去用部材の具体的形状、可動ハウジングに対する連結のための構造などは、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでも無い。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、抜去用部材によって、実質的に光コネクタの可動ハウジングを延長することができるため、光コネクタが高密度実装されている場所でも、抜去用部材を引っ張り操作することで、ハウジングからの光コネクタの抜き去り作業の作業性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抜去用部材付き光コネクタを示す斜視図である。
【図2】図1の抜去用部材付き光コネクタを示す分解斜視図である。
【図3】ハウジング(光コネクタアダプタ)から抜去用部材付き光コネクタを抜き去った状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…抜去用部材付き光コネクタ、2…抜去用部材、3…連結部、10…光コネクタ、11…可動ハウジング、14…連結部(係合突起)、15…コネクタ本体、20…ハウジング(光コネクタアダプタ)。
Claims (3)
- 光コネクタアダプタ等のハウジングに挿入することで前記ハウジングと係合するコネクタ本体と、このコネクタ本体にスライド移動可能に設けられた可動ハウジングとを有し、前記ハウジングに対する接続状態で可動ハウジングの引っ張り操作を行うことで、ハウジングとの係合を解除しつつハウジングから抜き去ることができる光コネクタにおいて、
引っ張り操作によって前記可動ハウジングを移動させる抜去用部材が前記可動ハウジングに連結されていることを特徴とする抜去用部材付き光コネクタ。 - 前記抜去用部材は、両端が前記可動ハウジングの対向する両側に連結されて、前記可動ハウジングからU字状に延出されている細長形状の部材であり、前記光コネクタの前記ハウジングへの挿入前側に対する後側に延出させた状態で引っ張り操作できるようになっていることを特徴とする請求項1記載の抜去用部材付き光コネクタ。
- 前記抜去用部材が、前記可動ハウジングを延長するようにして、前記光コネクタの前記ハウジングへの挿入前側に対する後側に延出されていることを特徴とする請求項1又は2記載の抜去用部材付き光コネクタ。
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