JP2004020836A - 光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コア領域2の周囲にクラッド層3を備えた光ファイバにおいて、上記クラッド層3内に気泡5の集合体領域を形成したものである。これによって、従来のフォトニッククリスタル光ファイバのように、融着残留応力によるコア領域2への異方応力の集中がなくなるため、優れたPMD特性を発揮し、内部クラッド層3の繊細な屈折率分布制御を容易に達成できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野において用いられる光ファイバのうち、さらなる大容量な通信を可能とする光ファイバ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大容量,高速な通信を可能とする光ファイバは、光通信ネットワークを構築する上で欠くことができないものであるが、近年及び将来の光通信ネットワークにおける光信号の高速化、情報の増大化に伴ってさらなる大容量の光ファイバが要求されており、現在、この要求を満たす新たな光ファイバとして、いわゆるフォトニッククリスタル光ファイバと称される光ファイバが注目されている。
【0003】
このフォトニッククリスタルファイバとは、コアを覆うクラッドとして、ファイバの長手方向に一様な二次元周期構造を持つフォトニック結晶(PC:Photonic Crystal)を用いた光ファイバであり、クラッドに相当する領域にフォトニックバンドギャップ(PBG:Photonic Band Gap)を設け、ブラッグ反射によって光波をコア内に閉じ込めるものである。
【0004】
これまでに提案されているフォトニッククリスタル光ファイバは、例えば、ホーリーファイバ(HF:Holey Fiber)のように、クラッドにファイバの長手方向に途切れることなく連続する空孔を設けてその領域の実効屈折率を下げる方法で実現している。尚、このホーリーファイバはクラッド中の空孔のデザインよって超広帯域単一モード伝送領域、大きな実効コア断面積、高屈折率差(High−△)、大きな構造分散など通常の光ファイバでは達成できない特性を実現可能である。
【0005】
このようなフォトニッククリスタル光ファイバは、例えば図3に示すように、外径約500μmの細径石英棒aと、内径約300μm程度の細径石英管bを長さそれぞれ300mm前後に切断し、その細径石英棒aの周囲を数百本の細径石英管b,b…で囲むように束ね、その束cを内径10〜15mm、外径25mm程度の石英ジャケット管d内に挿入して、プリフォームeを形成した後、このプリフォームeを通常の光ファイバ線引工程によってこれら細径石英棒a及び細径石英管b,b…の束cと石英ジャケット管dを融着一体化させながら、所定のファイバ径である100〜150μmに線引きして得られるようになっている。
【0006】
そして、このようなフォトニッククリスタル光ファイバにあっては、図3に示すように、上記細径石英棒aからなる軸心部分が光を伝播させるコア領域となると共に、その周囲の細径石英管b,b…からなる部分が多数の空孔を有する内部クラッド層となり、さらにその周囲の石英ジャケット管5からなる中実の部分が外部クラッド層となり、コア領域を伝播する光波の殆どを内部クラッド層で反射させてコア領域内に閉じ込めることで効率的に光波を伝播させるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにして得られる従来のフォトニッククリスタル光ファイバにあっては、細径石英棒aと細径石英管b,b…とを融着一体化させるときに石英管b径の差による融着残留応力がガラス内に残り、コア領域に異方応力を与え、PMD(偏波モード分散)特性等を悪化させ、内部クラッド層の繊細な屈折率分布制御が困難であるといった問題点がある。
【0008】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、融着残留応力によるコア領域への異方応力の集中がなく、優れたPMD特性を有する新規な光ファイバ及びその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、請求項1に示すように、コア領域の周囲にクラッド層を備えた光ファイバにおいて、上記クラッド層内に気泡の集合体領域を形成したものである。具体的には、請求項2に示すように、上記気泡の集合体領域を、コア領域と同心円の層状に形成し、請求項3に示すように、上記クラッド層を、内部クラッドと、内部クラッドの周囲に設けられた外部クラッドとで構成し、その内部クラッドに上記気泡の集合体領域を形成している。
【0010】
これによって従来のファイバのように、融着残留応力によるコア領域への異方応力の集中がなくなるため、優れたPMD特性を発揮し、内部クラッド層の繊細な屈折率分布制御を容易に達成できる。
【0011】
また、請求項4に示すように、上記気泡を、直径4μm以下に形成にすれば、上記の作用効果を顕著に発揮することができる。
【0012】
さらに、請求項5に示すように、上記気泡の分布密度を径方向に変化させて、上記気泡の集合体領域の等価屈折率に径方向の分布を持たせたり、請求項6に示すように、上記気泡の直径を径方向に変化させて、上記気泡の集合体領域の等価屈折率に径方向の分布を持たせれば、構造分散を制御し、大きな正分散ファイバ、及び負分散・負分散スロープを持つファイバーが得られる。
【0013】
一方、本発明は、請求項7に示すように、コア領域の周囲にクラッド層を形成する光ファイバの製造方法において、コア領域となるコアガラス母材の周囲にガラススート層を形成し、ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスを含むガス雰囲気中で上記ガラススート層を加熱してガラス化し、不活性ガスの気泡を有するガラス層を形成するものである。
【0014】
これによって、上述した本発明の光ファイバを得ることができる。
【0015】
具体的には、請求項8に示すように、上記ガス雰囲気を、ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスのみで形成したり、請求項9に示すように、上記ガス雰囲気を、ヘリウムガスとガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスとの混合ガスで形成すれば、上記作用効果を顕著に発揮することができる。また、請求項10に示すように、上記ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスとしては、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る光ファイバ1の実施の一形態を示したものである。
【0018】
図示するように、この光ファイバ1は、軸心部に位置するコア領域2の周囲に、内部クラッド層3を有すると共に、その内部クラッド層3の周囲に外径が125μm程度の外部クラッド層4を一体的に備えたものである。
【0019】
内部クラッド層3には、直径が4μm以下の独立した気泡5が多数密に集合した領域が形成されており、上記コア領域2の周囲を囲繞するように層状に存在している。
【0020】
そして、このような構造をした本発明の光ファイバ1にあっては、従来のフォトニッククリスタル光ファイバのように細径石英棒aと細径石英管b,b…とを融着一体化させてなるものとは異なり、細径石英管bの融着残留応力によるコア領域への異方応力の集中がなくなるため、優れたPMD特性が発揮され、内部クラッド層3の繊細な屈折率分布制御を容易に達成できる。
【0021】
すなわち、この光ファイバ1は、プリフォームの製造工程中の内部クラッド層3の焼結工程において、焼結ガス(雰囲気ガス)に拡散係数の小さい不活性ガス、例えば窒素ガスやアルゴンガスを使用して焼結させたガラス層内に焼結ガスを残留させ、コア領域の周囲に気泡質層を形成した後、このプリフォームを外径125μm程度まで線引きすることで得られるようになっている。このため、従来のような融着残留応力が発生することはなく、コア領域への異方応力の集中といった事態を招くことがない。尚、この気泡5は、プリフォームの製造工程中においては略球形状であるが、その後の線引きにより、その長手方向に延びた長孔状になる。また、コア領域2と内部クラッド層3との等価比屈折率差を1%とすることにより、分散値の絶対値が大きいファイバを得ることができる。
【0022】
ここで、コア領域2の直径は特に限定しないが、シングルモード伝送を行うには2〜10μmの大きさに設定される。また、内部クラッド層3の層厚は、得ようとする光ファイバの屈折率プロファイル、分散特性などに応じて、その最適厚さが変化するが、概ね5〜30μmの範囲で設定される。さらに、気泡5の直径は、内部クラッド層3の層厚以下であることが絶対条件であるが、内部クラッド層3内に気泡密度の分布を形成することも考慮すると、4μm以下、好ましくは1〜3μmとすることが望ましい。尚、本発明に係る光ファイバ1は、これらの寸法条件に何ら限定されるものではない。
【0023】
図3は、本発明の他の実施の形態を示したものであり、内部クラッド層3を構成する気泡5の密度をその径方向に変化させて屈折率差分布を制御したものである。すなわち、内部クラッド層3をコア領域2を中心として同心円上に3層の領域に分け、内部クラッド層3側の領域に気泡5を高密度に存在させ(高密度領域)、その外側の領域を低密度にし(低密度領域)、さらにその外側の領域をそれよりも高密度(中密度領域)にしたものである。これによって、図示するように内部クラッド層3内に多段階の、等価比屈折率差Δnを生じさせることができ、構造分散を制御し、大きな正分散ファイバ、及び負分散・負分散スロープを持つファイバーが得られる。また、上記内部クラッド層内の気泡の分布密度を径方向に変化させたり、内部クラッド層3を構成する気泡5の外径を径方向に変化させても、同様に等価屈折率に分布をもたせることが可能となる。
【0024】
ここで、気泡の外径は、次の二つの方法で制御することができる。
一つは、コア母材の周囲に堆積する石英ガラススート層の嵩密度を変化させる方法である。加熱(焼結)によりスートをガラス化する際、スートの嵩密度が高いほどガスが逃げる隙間が小さいため、大きな気泡が残存する割合が高くなり、スートの嵩密度が低いほど小さな気泡が残存する割合が高くなる。
【0025】
他方は、焼結する際の炉内ガス雰囲気中のヘリウムガスと不活性ガスの割合を変える方法である。ヘリウムガスの割合が高いほど気泡は小さくなり易く、ヘリウムガスの割合が低いほど気泡は大きくなり易い。
【0026】
なお、気泡が大きいほど気泡の密度は高くなり、気泡が小さいほど気泡の密度は低くなる傾向にある。よって、石英ガラススート層の嵩密度と、焼結する際の炉内ガス雰囲気中のヘリウムガスと不活性ガスとの割合を調整することにより、気泡の直径及び気泡の密度の双方を制御することができる。
【0027】
また、気泡の大きさ及び形成位置を制御して、気泡の間隔を、伝搬させる信号光の波長の二分の一に調整すれば、本発明の光ファイバにおいても、フオトニックバンドギャップ構造を実現できる。
【0028】
なお、上述した実施の形態においては、コア領域を石英ガラスで構成した場合ついて説明を行ったが、これに限定するものではなく、純粋石英ガラス、屈折率を高めるための周知の不純物(例えばGe、Tiなど)を添加した石英ガラス、又はEr等の希土類元素を添加した石英ガラスのいずれも適用可能である。
【0029】
また、コア領域は中空であってもよく、この場合、上記したコア母材である細径石英捧aに代えて、中空の石英管を用いて製造を行えばよい。なお、この石英管にも、純粋石英ガラス、屈折率を高めるための周知の不純物(例えばGe、Tiなど)を添加した石英ガラス、又はEr等の希土類元素を添加した石英ガラスのいずれも適用可能である。
【0030】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。なお、試験1は内部クラッド層に高密度気泡領域1層からなる気泡集合体領域を設けたもの、試験2は内部クラッド層に高密度気泡領域、低密度気泡領域、及び中密度気泡領域の3層からなる気泡集合体領域を設けたものである。
【0031】
<試験1>
まず、コア領域となる透明ガラス母材をVAD法により作製し、外径25mmに延伸した。
【0032】
そのコアガラス母材の外周に、CVD法により高密度気泡領域となるスート層を堆積し、外径60mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が100%窒素ガス雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理した。得られたガラス母材は、外径が45mmで、外周部の独立気泡集合体領域には窒素ガスの気泡が多数残留しているため、半透明状態であった。なお、高密度気泡領域の気泡密度は約0.5であった。
【0033】
ここで、窒素ガスは透明ガラス化のための加熱処理工程で通常用いるヘリウムガスに比べて拡散係数が格段に小さく、スートがガラス化する際にそのガラス中に残留し易いことから、炉内を100%窒素ガス雰囲気とすることにより、高密度に窒素ガスの気泡を含んだガラス母材を得ることができる。
【0034】
次に、得られた高密度気泡領域を有する内部クラッド層付ガラス母材を外径25mmに延伸し、CVD法により外部クラッド層となるスート層を堆積し、外径120mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が100%ヘリウムガス雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理し、外径が60mmで、外周部の外部クラッド層が透明なガラス母材を得た。
【0035】
次に、そのガラス母材を通常の線引き方法により外径125μmの光ファイバに線引きした。得られた光フアイバは、コア径が7μm、内部クラッド層の層厚が10μmであり、気泡の外径は1〜3μmであった。
【0036】
<試験2>
まず、コア領域となる透明ガラス母材をVAD法により作製し、外径25mmに延伸した。
【0037】
そのコアガラス母材の外周に、CVD法により高密度気泡領域となるスート層を堆積し、外径60mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が100%窒素ガス雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理した。ここで、窒素100%雰囲気ガスを用いる理由は、試験1で述べた通りである。このようにして得られたガラス母材は、外径が45mmで、外周部の高密度気泡領域には窒素の気泡が多数残留しているため、半透明状態であった。なお、この高密度気泡領域の気泡密度は約0.5であった。
【0038】
次に、ガラス母材を外径25mmに延伸し、CVD法により低密度気泡領域となるスート層を堆積し、外径60mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が窒素ガス20%、ヘリウムガス80%の雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理した。ここで、窒素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを雰囲気ガスに用いる理由は、ヘリウムガスを混合することで、100%窒素ガス雰囲気に比べ、加熱処理後のガラスの透明度が高くなるから、換言すれば気泡密度が小さいガラス母材が得られるからである。このようにして得られたガラス母材は、外径が45mmで、その外周部の低密度気泡領域には窒素の気泡が僅かに残留しているため、高密度気泡領域に比べれば透明ではあるが、完全に透明ではない状態であった。なお、低密度気泡領域の気泡密度は約0.3であった。
【0039】
次に、得られたガラス母材を外径25mmに延伸し、CVD法により中密度気泡領域となるスート層を堆積し、外径60mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が窒素ガス50%、ヘリウムガス50%の雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理した。このようにして得られたガラス母材は、外径が45mmで、外周部の中密度気泡領域の透明度は、高密度気泡領域と低密度気泡領域の中間の透明度を持った状態であった。なお、低密度気泡領域の気泡密度は約0.4であった。
【0040】
次に、得られた高密度気泡領域、低密度気泡領域、及び中密度気泡領域からなる内部クラッド層付ガラス母材を外径25mmに延伸し、CVD法により外部クラッド層となるスート層を堆積し、外径120mmの外付母材を得た。この母材を、炉内が100%ヘリウムガス雰囲気中の電気炉にて、温度1600℃で加熱処理を行い、外径が60mmで、外周部の外部クラッド層が透明なガラス母材を得た。
【0041】
次に、そのガラス母材を通常の線引き方法により外径125μmの光ファイバに線引きした。得られた光ファイバは、コア径が4μm、内部クラッド層の層厚が12μm(高密度気泡領域4μm、低密度気泡領域5μm、中密度気泡領域3μm)であり、各領域の気泡の外径は1〜2μmであった。
【0042】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、コア領域の周囲に気泡の集合体を有するクラッド層を設けたため、従来のフォトニッククリスタル光ファイバのように、融着残留応力によるコア領域への異方応力の集中がなくなり、優れたPMD特性を発揮することができる。この結果、低PMD特性を有し、大きな実効コア断面積,高屈折率差,大きな異常分散(正分散),負分散・負分散スロープファイバ等、通常の光ファイバでは達成できない特性を発揮することが可能となる等といった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバの実施の一形態を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に係る光ファイバの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図3】従来のフォトニッククリスタル光ファイバを得るためのプリフォームの構造を示した拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 コア領域
3 内部クラッド層
4 外部クラッド層
5 気泡
Claims (10)
- コア領域の周囲にクラッド層を備えた光ファイバにおいて、上記クラッド層内に気泡の集合体領域を形成したことを特徴とする光ファイバ。
- 上記気泡の集合体領域を、コア領域と同心円の層状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
- 上記クラッド層が、内部クラッドと、内部クラッドの周囲に設けられた外部クラッドとからなり、その内部クラッドに上記気泡の集合体領域を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ。
- 上記気泡を、直径4μm以下に形成したことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光ファイバ。
- 上記気泡の分布密度を径方向に変化させて、上記気泡の集合体領域の等価屈折率に径方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の光ファイバ。
- 上記気泡の直径を径方向に変化させて、上記気泡の集合体領域の等価屈折率に径方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の光ファイバ。
- コア領域の周囲にクラッド層を形成する光ファイバの製造方法において、コア領域となるコアガラス母材の周囲にガラススート層を形成し、ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスを含むガス雰囲気中で上記ガラススート層を加熱してガラス化し、不活性ガスの気泡を有するガラス層を形成することを特徴とする光ファイバの製造方法。
- 上記ガス雰囲気を、ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスのみで形成したことを特徴とする請求項7に記載の光ファイバの製造方法。
- 上記ガス雰囲気を、ヘリウムガスとガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスとの混合ガスで形成したことを特徴とする請求項7に記載の光ファイバの製造方法。
- 上記ガラス中での拡散係数がヘリウムよりも小さい不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスであることを特徴とする請求項7から9いずれかに記載の光ファイバの製造方法。
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