JP2004019605A - 流体輸送システム及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータとハウジングの相対移動面に、流体に圧送作用を与える粘性ポンプの輸送溝を形成し、高速回転に対応できる軸受で支持されたロータを高速回転させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調器、冷蔵庫、エアコン、酸素浄化器、燃焼装置などの幅広い分野に用いられ、このポンプを内蔵する流体輸送システム及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、様々な分野でオイルフリーのドライポンプのニーズが急増している。ドライポンプとは、ポンプの気体流路に油や液体を使用しないで、かつ吐出口を大気に接続したままで排気できる真空ポンプと定義される。ドライポンプは、1980年代の後半に日本で最初に開発され、半導体産業を中心に急速に普及している新しいタイプの機械式真空ポンプである。
【0003】
半導体の製造プロセスにおける真空ポンプに対する要望は、プロセスの高集積化、微細化に対応するため、近年ますます高度になってきており、その主な内容は、1)高い真空到達圧が得られること、2)クリーンであること、3)メンテナンスが容易なこと、4)小型・コンパクトであることなどである。この要請に応えるため、従来から用いられていた油回転ポンプに代わり、より清浄な真空を得ることを目的として、粗引き用のドライ真空ポンプが広く用いられるようになっている。数多くの型式のポンプが開発・実用化されており、容積移送式では、スクリュー式、クロー式、スクロール式、多段ルーツ形等、運動量輸送式ではターボ型がある。
【0004】
第16図は、従来の容積式真空ポンプ(粗引きポンプ)の一種であるねじ溝式(スクリュー式の一種)のドライ真空ポンプを示すものである。
【0005】
同図において、101はハウジング、102は第1回転軸、103は第2回転軸、104と105はそれぞれ回転軸102、103に締結された筒型ロータである。それぞれのロータ104と105の外周部には、ねじ溝106と107が形成されていて、ねじ溝の凹部と相手側のねじ溝の凸部と噛み合わせることにより、両者の間で密閉空間を作り出している。ロータ104と105が回転すると、その回転に伴い、前記密閉空間が吸入側から吐出側へ移動して吸入作用と吐出作用を行なうのである。
【0006】
さて、同図のねじ溝式の真空ポンプでは、2個のロータ104,105の同期回転はタイミングギヤ110a,110bの働きによっている。すなわち、モータ108の回転は、駆動ギヤ109aから中間ギヤ109bに伝達され、両ロータ104,105の軸に設けられて互いに噛み合っているタイミングギヤの一方110bに伝達される。両ロータ104,105の回転角の位相は、これら2個のタイミングギヤ110a,110bの噛み合いにより調節されている。また113a,b及び114a,bは、第1回転軸102、第2回転軸103を支持するころがり軸受である。
【0007】
また、115は駆動ギヤ109bの端部に組み込まれたオイルポンプ、116はポンプ最下部のオイルパン、117はオイル、118は吸入室、119はメカニカルシール、120は流体移送室である。
【0008】
第17図は、従来の運動量輸送式真空ポンプの一種であるターボ型ドライ真空ポンプを示すものである。
【0009】
同図において、200は回転側であるロータ、201は固定側であるステータ、202は前記ロータと前記ステータの間に形成された円周流要素と呼ばれる下流側ポンプ、203は遠心要素と呼ばれる上流側ポンプ、204は前記ロータと前記ステータを収納する上部ケーシングである。205はロータに締結された回転軸、206a,206bは玉軸受、207は高周波モータのロータ、208はステータ、209は吸入口、210は吐出口、211はオイルク―ラ、212は下部ケーシング、213は中間部ケーシング、214は前記中間部ケーシングと回転軸205の間に設けられたシール部である。
【0010】
上記ドライポンプは、大気に接続された吐出口側には、粘性流中で高い圧縮比の得られる円周流要素ポンプの翼車を配置し、吸入口側には、分子流中で分子ドラックポンプとして働く遠心要素ポンプを配置している。容積型真空ポンプの一種であるダイヤフラム型ドライ真空ポンプが流体をクリーンな状態で吸引・輸送する手段として広く用いられている。ダイヤフラム型ポンプは、モータ、軸受等の駆動部と完全に切り離した密閉空間内で流体の吸入・圧縮・吐出ができるために、比較的小排気量の流体を輸送する手段として用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、前述した半導体プロセス以外にも、例えば食品、医薬品、農業、健康機器等の分野でクリーンな真空搬送を必要とするニーズが高まっている。例えば、高分子の気体分離膜(酸素富化膜)を用いて空気中の酸素を濃縮する技術が広く行われるようになり、前述した食品、医薬品、農業、健康機器以外にも、医療用、居室内の空気調整用、或いは燃焼用やバイオ関連の工業用に利用されている。
【0012】
すでに知られている酸素富化装置としては、第18図にシステムの一例を示すように、大気中から酸素を選択的に分離する酸素富化モジュール301と、このモジュール内を減圧し、酸素富化空気を得るための真空ポンプ302と、モジュール内に空気を供給する送風手段303と、酸素富化空気中から水蒸気および水分を取り除く除湿手段304を備えている。
【0013】
酸素富化モジュール301は、例えば、ポリジメチルシロキサンを主体とした複合材料の酸素富化膜を備えており、窒素よりも酸素の透過速度が速く、水蒸気の透過速度はさらに速い性質を持っている。真空ポンプ(減圧ポンプ)302は酸素富化モジュール301内部を減圧し、膜の内外に圧力差を設け、酸素富化空気を得るために用いられる。送風ファン303は空気の流れをつくり、酸素富化モジュール301に空気を供給し、また除湿手段304の周囲の水蒸気を取り除く作用をする。また、除湿手段304は真空ポンプの吐出側に設けられ、内部に酸素富化空気の流路を有し、送風手段によって作られた空気の流れの中に配置される構成となっている。
【0014】
なお、酸素富化モジュールは、分離膜の両面に圧力差をつけることにより、膜表面に溶解した大気側の酸素が膜内を拡散移動し、減圧側の膜表面から離脱するという原理を利用して酸素富化空気を得ることのできる公知の材料である。例えば、減圧度−560mmHg(−74.5KPa)の条件下では、N2:79%,O2:21%の通常の空気は、酸素富化モジュールを透過することにより、N2:68%,O2:32%の酸素富化空気になる。大流量が容易に得られ、酸素濃度が安定しており、軽量で、消費動力が低いなどの特徴を有している。
【0015】
酸素富化装置の用途として、例えば、医療用、健康用、救急用の酸素吸入器がある。酸素ガスを得る方法としては、深冷分離により分離された酸素ガスを携帯容器に充填させるのが一般的であるが、酸素富化モジュールの特徴を活かしたローコストで、回数制限が無く、手軽で容易に酸素を充填することができる携帯用酸素吸入装置が要望されている。
【0016】
また、この酸素富化膜の原理を利用して、密閉空間内の大気から酸素O2を抜き取り、前記密閉空間を逆に窒素リッチにすることができる。
【0017】
この窒素富化装置としては、食品の酸化を防止する食品保存用の用途がある。例えば野菜、魚、肉等の食品の鮮度を長期間保つために、冷蔵庫内に窒素リッチの空間を造りたいなどの要請が強い。
【0018】
その他の用途として、産業廃棄物を酸素富化高温燃焼で処理するダイオキシン対策、燃料を削減して燃焼させるCO2削減燃焼、或いは、酸素富化ルームの創出を目的とした空気浄化器、エアコンなどの用途開発がなされている。
【0019】
さて、酸素或いは窒素リッチな空気を創生することを目的として、上述したシステムを構築する場合、システムの重要な基幹ユニットである真空ポンプ(或いは加圧ポンプ)に要求される共通課題は、例えば次のようであった。
【0020】
▲1▼排気量はQ=0.5〜6L/min程度で、動作点における真空圧は、例えばP=−600mmHg〜−400mmHg(−80KPa〜−53KPa)が得られること
▲2▼構造はできるだけシンプル・コンパクトであること
▲3▼低振動・静粛であること
▲4▼長寿命であること
さらに医療、健康用の酸素富化装置、或いは食品保存用の窒素富化装置の場合、真空ポンプには、上記▲1▼〜▲4▼に加えて、
▲5▼完全オイルフリーであること
が要求される。すなわち、ポンプの排気空間と連絡するいかなる部分でも、機械油の使用は敬遠される。空調器、エアコン等に適用する場合も、医療、健康用、食品用程ではないが、真空ポンプに要求されるクリーン度のレベルはほぼこれに準ずると考えてよい。
【0021】
上記▲1▼〜▲4▼、或いは上記▲1▼〜▲5▼を同時に満足させる真空ポンプは、現段階では見出せない。もし実現すれば、酸素富化装置を飛躍的に普及させる起爆剤になると予想される。
【0022】
さて、半導体産業を中心に普及しているドライ真空ポンプの駆動原理と基本構造を踏襲して、上述した酸素富化装置の真空ポンプとして置換えることを想定した場合、容易には解決できない次の課題があった。そのひとつは排気量と到達真空圧の関係である。
【0023】
容積式ポンプの場合、排気量と効率或いは排気量と到達真空圧の関係は線形ではない。排気量が小さくなる程、効率と到達真空圧は極度に低下していく。その理由は、ポンプを構成する部材の加工・組立精度は、ポンプ本体と構成部品が小型化しても、比例的に向上させることは出来ないからである。前述した容積型真空ポンプであるねじ溝式のドライ真空ポンプの場合を例にとれば、2つのロータ104,105間のギャップ或いは前記ロータとハウジング101間のギャップを通過する気体の内部リークの総量が輸送閉空間に占める比率は、排気量が小さくなる程、極度に増大する。内部リークの影響を極力減らすために、ロータ回転の高速化を図った場合、機械的な摺動摩擦を伴うメカニカルシール部119の発熱の増大とシール寿命の低下、トルクアップ、タイミングギヤ部110a,110bの振動などが新たな問題点となる。
【0024】
すなわち、通常500L/min以上の排気量を有する半導体用真空ポンプの基本構造を踏襲して、排気量が1/100程度で、排気量相応に寸法・重量をスケールダウンし、低い消費動力を維持して、P=−600mmHg〜−400mmHg(−80KPa〜−53KPa)が得られるクリーンポンプに置換えることは欠して容易ではない。
【0025】
もうひとつの課題は、ポンプのオイルフリー化である。前述した容積型真空ポンプであるねじ溝式のドライ真空ポンプの場合、第16図において、2つのねじ溝ロータ104,105が噛み合う部分、或いはロータとハウジング101の間は、通常数十ミクロンのギャップが保てるように構成されている。タイミングギヤ110a,110bによって、2つのロータの相対的な位相関係が保たれているために、流体輸送空間での機械的な摺動部分はなく、クリーンな排気ができる。しかし、前記1対のタイミングギヤと軸受には油潤滑が必要である。この潤滑のためのオイル117は、ポンプ最下部のオイルパン116から前記オイルポンプにより吸い込まれ、オイルフィルターを経由して、前記軸受と前記ギヤに供給される。前記オイルがねじ溝ロータを収納する流体移送室120に流出しないように、また逆に、流体移送室120内で輸送される反応性ガスが前記軸受、オイル収納空間に侵入しないようにメカニカルシール119が設けられている。2ロータタイプの他のポンプ形式、例えば、ルーツ式、バンケル式、クロー式等も潤滑を必要とする部分の基本構造はおおむね同様である。
【0026】
前述した運動量輸送式真空ポンプであるターボ型ドライ真空ポンプ(第17図)の場合、通常数万rpmで回転駆動される。この型式のポンプの場合、容積型で用いるタイミングギヤは必要ないが、玉軸受部への油潤滑はやはり必須である。またこの油潤滑が必要な部分と、流体のクリーンな輸送空間を遮断するためのシール手段もやはり必要である。
【0027】
すなわち、オイルフリーと呼ばれている半導体プロセス用のドライポンプは、流体の輸送空間がオイルリッチな空間と機械的なシール手段によって遮断されているだけであり、ポンプ駆動部には潤滑のためのオイルが必須条件である点は従来ポンプと変わりはないのである。
【0028】
上記構造から成るポンプをスケールダウンして小型化し、健康・医療機器・食品用のクリーンポンプ、例えば、人に酸素を補給するための酸素吸入器、水槽に酸素をバブリングし酸素水を作る酸素浄水機、冷蔵庫の室内を窒素富化させて食品の酸化を防止する食品保存用の用途等に適用することの是非を考えてみる。流体の輸送空間が物理的に完全クリーン化を保てたとしても、機械油で満たされたオイルリッチな空間がメカニカルシールを介在して近傍に存在するという事実は、感覚的には受け入れ難い面がある。
【0029】
すなわち、通常500L/min以上の排気量を有する半導体用真空ポンプの基本構造を踏襲して、排気量が1/100程度のマイクロ流量で、食品、医薬品、医療、健康機器用等のクリーンポンプに置換えることは極めて困難である。
【0030】
容積型真空ポンプであるダイヤフラム型ドライ真空ポンプは、モータ、軸受等の駆動部と完全に切り離したクリーンな密閉空間内で、流体の吸入・排気ができるために、上述した課題を解消できる唯一のポンプ形式であった。また比較的小流量の真空排気を得意とする。しかし、次のような欠点があった。
【0031】
▲1▼振動・騒音が大きい。
【0032】
▲2▼ポンプ効率が悪いためにポンプ本体が大型化する。
【0033】
▲3▼ダイヤフラム膜の繰り返し応力による疲労により、寿命が短い。
【0034】
▲4▼低い到達真空圧は得られない。
【0035】
上記▲1▼の騒音は間欠駆動による吐出エアーの脈動音が支配的である。上記▲2▼の効率の悪さは、吸入・吐出行程のいずれかにおけるピストンの動力が回生作用として働かないという容積式真空ポンプの駆動原理に起因する。上記▲3▼は、例えば昼夜を問わず長年の間、連続稼動せねばならない民生用冷蔵庫などへの適用を想定したとき、致命的な欠点となる。
【0036】
要約すれば、ダイヤフラム型ポンプ同様の完全オイルフリーによるクリーン排気ができて、かつダイヤフラム型の上記欠点を解消できるポンプは現段階では存在しない。新たなポンプの出現が嘱望されているのである。
【0037】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、粘性ポンプを動圧エアー軸受で支持することにより、非接触で完全オイルフリーの流体輸送システム及びその方法を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる流体輸送システムは、ハウジング内に収納されたロータと、このロータの回転を支持する軸受と、前記ロータと前記ハウジングにより形成される流体移送室と、前記ハウジングに形成され前記流体移送室と連絡する流体の吸入口及び吐出口と、前記ロータを回転駆動するモータと、前記ロータと前記ハウジングの相対移動面に形成された流体にポンプ作用を与えるための輸送溝で構成されるポンプを内蔵する流体輸送システムで構成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を次の2ケースに分けて説明する。
【0040】
[1]完全オイルフリーポンプの場合。
【0041】
[2]上記完全オイルフリーに準ずるが、軸受潤滑のために若干量のオイル使用は許容される場合。
【0042】
まず上記[1]について、第1図及び第2図を用いて説明する。
【0043】
第1図及び第2図は本発明の第1の実施形態である粘性ポンプを示す正面断面図で、第1図は軸受部を除くポンプ本体の断面図、第2図は粘性ポンプの溝が形成された回転スリーブ(ロータ)を除くポンプ本体の断面図である。
【0044】
第1図において、1は固定軸、2は回転スリーブ(ロータ)、3a,3bは固定軸1と回転スリーブの相対移動面に形成された動圧エアー軸受の上部溝、及び下部溝である。また、4は回転スリーブ2と一体化した上部蓋、5は固定軸1の上端部と上部蓋4の間に設けられたピボット軸受部、6は回転スリーブ2を収納するハウジング、7はハウジング6に形成された吸入口、8aは上部吐出口、8bは下部吐出口、9は下部ベース台、10は固定軸1と下部ベース台9を固定するボルト、11はモータロータ、12はモータステータである。
【0045】
第2図において、13a,13bは回転スリーブ2の外表面とハウジング6内面の相対移動面の上部及び下部に形成された流体輸送溝である。
【0046】
第3図はピボット軸受部5の拡大図であり、このピボット軸受部5は、回転スリーブ2側に設けられた球面部15と、固定軸1側に設けられた球面支持部16から構成される。17は球面支持部1の中心部近傍に形成されたオリフィスである。静止状態では、回転スリーブ2は固定軸1の上端部に配置されたピボット軸受部5によって、その軸方向位置が保たれている。回転を開始すると回転スリーブ2のラジアル方向は、固定軸1の外表面と、回転スリーブ2の内面に形成された動圧エアー軸受によるくさび効果によって、非接触状態を保ったままで、すみやかにその位置が規制される。
【0047】
また、回転スリーブ2のスラスト方向については、実施例では次の方法により位置規制を行った。前述したように、回転スリーブの相対移動面に形成された1対の動圧エアー軸受の溝は、上下非対称でかつ上部方向にポンピング作用を与える溝が長めに形成されているために、固定軸1上端部の圧力上昇によって、回転スリーブ2を軸方向に浮上させる。発生した高圧エアーはオリフィス17から軸受外部に流出する。回転スリーブ2の浮上は、オリフィス開口部と球面支持部16間の流体抵抗を低下させるために、固定軸1上端部の圧力を逆に低下させるフィードバック作用となる。
【0048】
このフィードバック作用をもたらす原理により、回転時、回転スリーブ2は一定の軸方向浮上位置を保つことになる。なお、上述した動圧エアー軸受による位置規制手段は、ラジアル、スラスト共公知のものである。
【0049】
本実施形態では、非接触の粘性ポンプを、同様に非接触の動圧型のエアー軸受を用いて支持しているために、完全オイルフリーを実現することができた。動圧エアー軸受は、粘度の低いエアーを潤滑流体として用いるために、通常数万回転のレベルまで高速回転させないと必要な負荷能力が得られない。そのため、レザービームプリンタのポリゴンミラー、ジャイロスコープ等に用途が限定されていた。
【0050】
本実施形態では、「マイクロ流量の粘性ポンプ×動圧エアー軸受」の組み合わせがもたらす下記の点に着目した。すなわち、
(1)数十μmの浅い溝が対称に形成されたねじ溝ポンプは、他形式のポンプと比較した場合、ラジアル方向、軸方向共変動荷重が小さい。そのため、大
きな負荷能力が得られない動圧エアー軸受の弱点が前面に出ない。
(2)高速回転下で有効な負荷能力がだせる動圧エアー軸受と、同様に高速回転下で実用レベルの圧力・流量特性が得られる粘性ポンプの特徴が一致する。
(3)いずれも非接触回転である。
【0051】
上記(1)〜(2)が互いの弱点を補うと共に、両者の持つ長所(3)を活かし、完全オイルフリー、シンプル構造、低振動、低騒音などの特徴を有するマイクロポンプを実現するのである。
【0052】
非接触かつ潤滑のためのオイルを用いないで回転体を支持する手段として、動圧型気体軸受以外には、静圧気体軸受、能動制御型磁気軸受がある。静圧気体軸受の場合は、外部に高圧エアーの圧力源を必要とし、エアー源が常備された工場内での使用はできるが、民生用商品の場合は適用が困難である。能動制御型磁気軸受の場合は、ラジアル、スラストの電磁石とセンサー、及び通常5軸制御を行なうためのコントローラを必要とするため、装置全体が大型化、複雑化するなどの欠点を有する。
【0053】
さて本実施形態では、回転スリーブ2とハウジング6の相対移動面に、流動方向が軸方向で異なる粘性ポンプの輸送溝13a,13b(第2図)を形成した。上部の輸送溝13a、下部の輸送溝13bは概略対称に形成されており、ハウジング6に形成された吸入口7の開口部は、両溝13a,13bの中間部に位置している。またハウジング6に形成された上部吐出口8aの開口部は回転スリーブ2の上端部に、また下部吐出口8bの開口部は回転スリーブ2の下端部(モータ側)の位置に形成されている。
【0054】
本実施形態では、輸送溝13a、輸送溝13bの形状と溝深さ、及び、前記両溝が形成された相対移動面の隙間を等しく形成したために、両吐出口8a,8b近傍は等しい吐出圧力が得られた。したがって、回転スリーブ2の上下端に加わる吐出圧力によるスラスト荷重はキャンセルされる。
【0055】
その結果、固定軸1と回転スリーブ2のスラスト支持部分には、極めて軽少のスラスト荷重しか加わらないため、ピボット軸受部5における前述した原理によるスラスト支持が容易となる。その結果、粘性ポンプを動圧軸受で支持する本回転装置は、完全非接触による超高速回転が可能となるのである。
【0056】
上部溝13a、下部溝13bのそれぞれの形状と溝深さに若干の相違がある場合、或いは前述したピボット軸受部5から流出する高圧エアーの影響を受ける場合でも、上部吐出口8aと下部吐出口8bの下流側を連結すれば、回転スリーブ2の上下端の圧力は等しくなる。
【0057】
ここで粘性ポンプのラジアル溝が一方向のみに形成された場合を想定してみる。ねじ溝ポンプの半径をR=15mmとして、吸入側と吐出側で圧力差ΔP=0.5kg/cm2(0.05MPa)が発生したとすると、スラスト荷重はf=3.5kgf(34.6N)になる。
【0058】
上記スラスト荷重fを、粘度の低いエアーの動圧効果だけで支持するのは通常困難である。オイル潤滑、グリース潤滑によるすべり軸受を用いれば、支持できるスラスト荷重は増加できるが、本実施例が対象とする食品、医薬品、医療、健康機器などの分野で用いるポンプには適用が困難となる。
【0059】
吸入口7と吐出口8a,8bを形成する位置関係の工夫も重要であった。
【0060】
吸入口と吐出口の位置を本実施形態とは逆にすることは、粘性ポンプの機能だけを考えるならば可能である。しかし、動圧エアー軸受と粘性ポンプを組み合わせた本実施形態の構造では、粘性ポンプの吸入側を動圧エアー軸受の境界部にすると、この境界部が負圧(大気圧以下)になるために、動圧エアー軸受の性能を低下させてしまう。負圧のレベルによっては、軸受として機能しなくなる。本実施形態では、モータが配置される粘性ポンプの吐出側(下部吐出口8b近傍)の空間は、動圧エアー軸受の潤滑部と繋がっている。
【0061】
なお、吐出側は大気に連絡しており、その圧力は概略大気圧に等しいため、動圧軸受の性能にはなんら支障をきたさない。すなわち、非接触の粘性ポンプと、同様に非接触の動圧エアー軸受の組み合わせを可能にする上述した工夫が、ダイヤフラム式に替わる完全オイルフリーポンプを実現できるのである。
【0062】
さらに上記実施形態では、ポンプが輸送する気体と軸受の潤滑に用いる気体は同一の気体を用いている。すなわち、第1図、第2図において、粘性ポンプの輸送溝13a,13bが形成されるポンプ室と、動圧エアー軸受の上部溝3a、下部溝3bが形成される空間は流体の経路として繋がっている。この点は、上記実施形態のポンプを例えば、酸素富化装置用の減圧ポンプとして用いた場合、酸素濃度を一定に維持する上で極めて有利となる。なぜならば、もし動圧エアー軸受の潤滑部に外部からエアーを供給した場合は、せっかくの酸素リッジなエアーを希薄化してしまうからである。
【0063】
以下、本実施形態の粘性ポンプを構成する各種パラメータが、粘性ポンプの圧力差ΔPに対する流量Qの特性(以下「PQ特性」と称す)にどのような影響を与えるかについて考察する。
【0064】
第4図〜第6図は、表1の条件下で求めた粘性ポンプのPQ特性の解析結果を示すものである。ここで圧力差とは、吐出側圧力Pd(大気圧)と吸入側圧力Psとの差:ΔP=Pd−Psを示す。
【0065】
第4図は、ねじ溝ポンプのラジアル隙間ΔRが、PQ特性に与える影響を示すものである。図中の一点鎖線は、真空ポンプの負荷抵抗(例えば、吸気側で酸素富化膜を通過するときの空気抵抗)を示し、この負荷抵抗曲線とPQ特性の交点がポンプの動作点になる。例えば、ラジアル隙間:ΔR=10μmに設定したとき、圧力差ΔP=600mmHg(0.79kg/cm2)の条件下で、流量Q=0.5L/min(8.3cc/sec)が得られる。
【0066】
圧力差がΔP→0、すなわち真空ポンプを無負荷にしていくと、ラジアル隙間ΔRの大きさに無関係に流量は一定値に、すなわちポンプの最大流量値QMAX(ΔP→0のときのQの値)に収束する。ポンプに負荷が加わったときは、ポンプの真空到達圧ΔPMAX(Q=0のときのΔPの値)が大きい程、大きな流量が得られる。ラジアル隙間ΔRが大きくなると、ポンプの真空到達圧ΔPMAXは低下していく。実施例の検討結果では、本ポンプを各種用途に対して適用可能にするためには、ラジアル隙間をΔR<15μmに設定すればよかった。
【0067】
第5図は、ねじ溝ポンプの回転数Nが、PQ特性に与える影響を示すものである。回転数とポンプの最大流量値QMAX、真空到達圧ΔPMAXは共に比例関係にある。本実施形態の場合、ポンプの回転数はN≧20000rpmにすれば、各種用途に対して適用可能となった。
【0068】
第6図は、ねじ溝ポンプの輸送溝hgの深さが、PQ特性に与える影響を示すものである。溝深さをhg=0近傍から除々に増大していくと、流量最大値QMA X、真空到達圧ΔPMAXは共に増大していく。しかし、ある溝深さの値を超えると、QMAXが増加する以上に真空到達圧ΔPMAXが大幅に低下していく。本実施形態の検討結果では、溝深さhg≦150μmに設定すれば、本ポンプは各種用途に適用できた。
【0069】
【表1】
【0070】
表1の条件下で構成した本発明の実施形態と、従来ダイヤフラム式ポンプの寸法、重量などの比較を表2に示す。比較したダイヤフラム式ポンプは、本発明の実施形態と概略同等の排気流量と圧力が得られるものである。
【0071】
【表2】
【0072】
第7図は本発明の第2の実施形態である粘性ポンプを示す正面断面図であり、流体にポンプ作用を与えるための輸送溝と、動圧エアー軸受を構成する上で必要な動圧溝をロータ(回転スリーブ)とハウジング間の同一相対移動面に形成した場合を示す。
【0073】
第7図において、51は固定軸、52は回転スリーブ(ロータ)、53a,53bは固定軸51と回転スリーブ52の相対移動面に形成された動圧エアー軸受の溝である。54は回転スリーブ52と一体化した上部蓋、55は固定軸51の上端部と上部蓋54の間に設けられたピボット軸受部、56は回転スリーブ52を収納するハウジング、57は固定軸51を貫通して形成された吸入通路(鎖線で示す)、58は固定軸51の下端部に形成された前記吸入通路の開口部である吸入口、59はハウジング56に形成された吐出口、60は下部ベース台、61は固定軸51と下部ベース台60間を固定するための前記固定軸のねじ部、62はモータロータ、63はモータステータである。64a,64bは固定軸51と回転スリーブ52の相対移動面に形成された流体の輸送溝である。65a,65bはポンプ部と軸受部の上部境界部及び下部境界部である。
【0074】
固定軸51と回転スリーブ52の相対移動面に形成された輸送溝のポンピング作用によって、固定軸51に形成された吸入通路57を経て、ポンプ外部から流体が吸引される。前記1対の輸送溝64a,64bの溝形状は対称で、かつポンピング作用の方向が異なる。そのため、吸引された流体は、吸入通路57の開口部で上下均等に2分されて、それぞれ境界部65a,65bを経て、動圧エアー軸受の溝53a、53bに流入する。
【0075】
更に、軸受の隙間を通過した流体は、一方は上部蓋54に形成された開口部66から、もう一方はモータのロータ62とステータ63間を経て、吐出室67に流入する。本実施形態では、ポンプ部と軸受部の境界部65a,65bの隙間はΔRB=0.3〜0.5mmであり、吐出流体の圧力脈動を平滑化するために、他の部分(ポンプ部、軸受部)の隙間と比べて十分に大きく形成した。
【0076】
動圧エアー軸受に剛性を与えるくさび圧力は、境界部の絶対圧力値には無関係である。そのため、ポンプの吐出側に動圧エアー軸受が配置されていても、軸受性能に支障をきたすことはない。また本実施形態では、固定軸51と回転スリーブ52の同一の相対移動面を利用して、ポンプ部と軸受部を形成しているために、部材の加工精度が得やすく、構成が一層シンプルとなる。
【0077】
第8図は本発明の第3の実施例である粘性ポンプを示す正面断面図であり、流体にポンプ作用を与えるための輸送溝をスラスト面に形成した場合を示す。第8図において、550は固定軸、551は回転スリーブ(ロータ)であり、部材552a,552b,552cより構成される。553a,553bは固定軸550と回転スリーブ551の相対移動面に形成された動圧エアー軸受の溝である。554は回転スリーブ551と一体化した上部蓋、555は固定軸550の上端部と上部蓋554の間に設けられたピボット軸受部、556a,556b,556cは回転スリーブ551を収納するハウジング、557はハウジング556bを貫通して形成された吸入通路、558は前記吸入通路の開口部である吸入口、559a、559bは上部及び下部吐出口、560は下部ベース台、561は固定軸550と下部ベース台560間を固定するための前記固定軸のねじ部、562はモータロータ、563はモータステータである。
【0078】
564及び565は回転スリーブ551に装着された上部及び下部スラスト円盤である。上部スラスト円盤564とハウジング556a及び上部スラスト円盤564ハウジング556bの相対移動面に、第9図に示すような流体の輸送溝が形成されている。下部スラスト円盤565とハウジング556b及び下部スラスト円盤565ハウジング556cの相対移動面にも同様に、流体の輸送溝が形成されている。
【0079】
第9図は下部スラスト円盤565を上方向から見た矢視図であり、566は溝部(グルーブ)、567は峰部(リッジ)である。
【0080】
第10図は本発明の第4の実施形態である粘性ポンプを示す正面断面図であり、高速回転するロータを支持するために、動圧エアー軸受ではなく、外部の圧力源を利用した静圧エアー軸受を用いた場合を示す。本実施例でも、機械油を一切用いない完全オイルフリーポンプが実現できる。
【0081】
第10図において、851は固定軸、852は回転スリーブ(ロータ)、853a,853bは固定軸851と回転スリーブ852の上部相対移動面に形成された上部静圧エアー軸受854を構成するための円周溝である。
【0082】
同様に下部静圧エアー軸受855構成するために、円周溝856a,856bが、前記固定軸と前記回転スリーブが下部相対移動面に形成されている。857は回転スリーブ852と一体化した上部蓋、858は固定軸851の上端部と上部蓋857の間に設けられたピボット軸受部、859は回転スリーブ852を収納するハウジング、860はハウジング859に形成された吸入口、861a及び861bはハウジング859に形成された吐出口、862は下部ベース台、863は固定軸851と下部ベース台862の締結部、864はモータロータ、865はモータステータである。
【0083】
回転スリーブ852の外表面とハウジング859内面の相対移動面に、第1の実施形態である第2図の13a,13bのごとく、流体の輸送溝866a,866bが形成されている(図示せず)。867は固定軸851を貫通して形成された、静圧エアー軸受の供給源側エアー通路(鎖線で示す)である。このエアー通路から、固定軸851の半径方向に形成されたオリフィス(図示せず)を経て、各円周溝853a,853b,856a,856bに高圧エアーが供給されている。
【0084】
なお、本実施形態を酸素富化装置に適用する場合、静圧エアー軸受部に酸素リッジな気体を供給すれば、酸素濃度を低下しなくても済む。868は上下の前記静圧エアー軸受の中間部869の圧力を一定に保つための逃がし通路である。
【0085】
本実施形態のスラスト支持方法は、動圧溝のポンピング圧力を用いる代わりに、静圧エアー軸受の供給源圧力を利用しており、ピボット軸受部858における浮上原理は前述した実施例と同様である。
【0086】
第11図は本発明の第5の実施形態である粘性ポンプを示す正面断面図であり、第1及び第2の実施形態の完全オイルフリーに準ずるが、軸受潤滑のために若干量のオイル使用は許容される場合の一例(上記[2])である。高速回転するロータを支持するために、動圧エアー軸受ではなく、動圧オイル軸受を用いている。本発明のポンプに用いる軸受は一般の玉軸受でもよいが、動圧型流体軸受(気体軸受、オイル軸受を含む)を用いることにより、一層の高速化が図れる。本実施例のポンプは、酸素富化膜モジュールと組み合わせることにより、例えば、空調器、エアコン、高効率燃焼器などへの適用できる。
【0087】
第11図において、501は回転軸、502は回転スリーブ(ロータ)、503は回転軸501を収納する固定スリーブ、504a,504bは回転軸501と固定スリーブ503の相対移動面に形成された動圧オイル軸受の溝である。505は回転スリーブ502を収納するハウジング、506は固定スリーブ503と一体化した下部ベース台、507は回転軸501の下端部と下部ベース台506の相対移動面に形成されたピボット軸受部である。なお、回転スリーブ502の外表面とハウジング505内面の相対移動面に、第1の実施形態である第2図の13a,13bのごとく、流体の輸送溝508a,508bが形成されている。但し、回転方向が第1実施例と異なるために、輸送溝の角度は180度異なる(図示せず)。
【0088】
509は輸送溝508a,508bの中間に位置する個所でハウジング505に形成された吸入口である。510a,510bは回転スリーブ502の上下端に位置する個所で、ハウジング505に形成された上部及び下部吐出口である。509はモータロータ、510はモータステータである。
【0089】
本実施形態では、回転軸501外表面と固定スリーブ503内面間の隙間部511に、潤滑用のオイルを封じこめている。512は固定スリーブ503の外表面と回転スリーブ505内面の間の空隙部である。513は固定スリーブ503の上端開口部、514は下部吐出口510bと繋がる吐出空間である。上端開口部513と吐出空間514の間に設けられた長い空隙部512が、オイルのリークを防止する効果を持つ。
【0090】
この空隙部512を利用して、固定スリーブ503と回転スリーブ502の相対移動面に、流体を軸受側に軽く圧送するビスコシールを形成すれば、オイルのリーク防止の効果は一層完全にできる。
【0091】
さて、上述した実施形態のポンプ構造は、粘性ポンプの溝が形成された回転スリーブの内側に位置する個所に軸受を設けているため、回転スリーブ(ロータ)に加わるラジアル荷重とモーメント、例えば、不平衡質量によるアンバランス荷重、粘性ポンプ部の圧力変動等による変動荷重などに対して、十分な剛性を持つことができる。
【0092】
第12図のモデル図を用いて説明すると、800は軸、801は上部軸受、802は下部軸受、803は回転スリーブ、804は回転スリーブ803とその対向面のハウジング805の相対移動面に形成された流体の輸送溝(図示せず)である。
【0093】
ここで、上部軸受801の中間部のz方向高さをZB1、下部軸受802の中間部のz方向高さをZB2とする。また、輸送溝804の上端部のz方向高さをZP1、下端部のz方向高さをZP2とすると、輸送溝804が形成される区間は、ZP2≦z≦ZP1である。
【0094】
本発明を具現化する開発課程において、軸受、回転スリーブの配置方法を各種変えて評価した結果、回転体を支持する上下軸受の間、すなわちZB2≦z≦ZB1の区間と、上記輸送溝の形成区間ZP2≦z≦ZP1が重なる部分を持つ構成にすれば、変動荷重に対して十分な剛性で回転スリーブを支持でき、かつ高い振れ精度で高速回転させることができた。
【0095】
さて、第1〜5の実施形態のねじ溝ポンプが必要な排気性能(圧力に対する流量特性)を得るために設定する隙間は、例えば第4図に一例を示すように、ΔR=5〜15μmと極めて狭い。大気から空気を吸引する際に、この大気中に上記ΔR以上の外径を持つダストが存在すれば、流体の輸送経路である上記隙間に侵入し、ロック、焼きつき等のトラブルとなる。この点は、他形式ポンプと比べた場合の粘性ポンプの弱点である。前記吸入口と繋がるポンプの上流側に、所定粒径以上の微粒子のポンプ内部への侵入を防止するダストフィルターを配置すれば、上記トラブルは解消できる。
【0096】
さて、高分子の気体分離膜(酸素富化膜)を用いて空気中の酸素を濃縮する流体輸送システムの減圧ポンプとして本発明を適用する場合、酸素富化膜が上記ダストフィルターとしての機能を兼備えているという点に注目する。
【0097】
例えば、平膜タイプの酸素富化モジュールの場合、連通発泡体としての非多孔室支持膜のフィルター機能は0.1μmである。つまり、ダストに弱いという粘性ポンプの元来の弱みは、本発明の流体輸送装置では実用上の問題とならない。すなわち、「気体分離膜(酸素富化膜)×本発明の粘性ポンプ」の組み合せがもたらす相乗効果が、以下示す従来粘性ポンプの弱点、すなわち、
▲1▼大きな排気量は不得手
▲2▼ダストに弱い
などを前面に出さず、低振動、低騒音、長寿命、オイルフリー、構成がシンプル等の特徴を持つシステムを実現させるのである。
【0098】
以上説明した実施の形態は、いずれも2つの輸送溝が近接する共通部分から流体を吸引し、流体を分技してそれぞれの輸送溝を経て吐出させる構造であった。この方法により、実施例では軸受部の境界部が常に大気圧に保たれるため、例えばエアー軸受を用いたとき軸受性能が低下しない。
【0099】
しかし、要求される真空圧がそれ程低くなくても良い場合は、この逆の構成でも可能である。すなわち、2つの輸送溝が最も離れた部分に吸入口を個別に形成し、輸送溝が近接する共通部分に吐出口を形成する。第1の実施形態である第1図を用いて説明すると、8a,8bを吸入口とし、7を吐出口とする。この場合、軸受部の境界部とモータロータ11、モータステータ12が収納される空間は負圧となる。エアー軸受の負荷能力は低下するが、逆に大気中を高速回転することにより発生する粘性損失(消費動力)は低下できる。2つ或いは複数の輸送溝を対称に形成し、かつ上記複数の吸入口を同様に外部で連結すれば、ロータ(回転スリーブ2)の上下端の圧力は等しくなり、圧力差によるスラスト荷重は発生しない。
【0100】
なお、第2の実施形態を除く他の実施形態ではロータの外周側に輸送溝を形成し、内周側に動圧軸受の溝を形成したが、この逆の構成でもよい。すなわち、ロータの外周側に動圧溝を形成し、内周側に輸送溝を形成するのである。
【0101】
或いは第2の実施形態をさらに発展させ、輸送溝と動圧溝を共有化する構成でもよい。すなわち、輸送溝は流体を軸方向に輸送する作用をすると同時に、ロータの回転を安定して支持する動圧軸受としての機能を兼ねるのである。この場合、例えば、非対称な1対の溝を上下に配置し、ロータの下端部から上方に向かって流体が流動する構成でもよい。
【0102】
第13図に本発明のポンプ及び流体輸送システムを適用した酸素富化装置の一例を示す。600は送風ファン、601は酸素富化膜モジュール、602は減圧ポンプ(真空ポンプ)、603は除湿手段、604は酸素富化空気の供給対象である。上記600〜604が本発明の適用対象とするポンプ及び流体輸送システムである。酸素富化空気の供給対象604としては、酸素水を手軽に作るための酸素浄水器、医療用、健康用、救急用の酸素吸入器、快適空間を作るルーム用或いはカー用エアコン、ジェットバス、高温燃焼器などである。酸素富化膜モジュール601は、減圧ポンプ602のダストフィルターとしての機能を兼ねており、0.1μm以上の外径の微粒子がねじ溝ポンプの排気流路に侵入することは無い。
【0103】
第14図に酸素富化膜モジュールの一例を示す。751は酸素富化膜、752は多孔質支持板、753は細管、754はドレイン管である。
【0104】
酸素富化膜751が2枚、所定厚みの空隙を保って、平行に離間されて配置されている。所定厚みの空隙を保つために、この2枚の酸素富化膜は、1枚の多孔質支持板752の両面にそれぞれ積層されている。この多孔質支持板752の端部には、細管753が接続されている。なお、細管753が接続されている箇所以外の多孔質支持板752の周囲は、気体が漏れ入らないようにシールされている。また、各細管753は、一本のドレイン管754に連絡されており、このドレイン管754は減圧ポンプに接続されている。
【0105】
第15図は、酸素富化膜の原理を利用して、食品の酸化を防止する窒素リッジ空間を冷蔵庫内につくるシステムに、本発明のポンプ及び流体輸送システムを適用した場合を示す。700は冷蔵庫の本体(窒素富化空間)、701は野菜、果物等を収納するチルド室、702はその他の冷蔵室、703は送風ファン、704は酸素富化膜モジュール、705は減圧ポンプ(真空ポンプ)、706はヒートシンク(放熱フィン)、707は除湿手段である。上記700〜707が本発明の適用対象とするポンプ及び流体輸送システムである。上記実施例では、密閉空間であるチルド室701から酸素O2を抜き取り、窒素リッジにすることにより、食品の長持ちが図れる。
【0106】
冷蔵庫は他の電気機器と比較したとき、特に静粛さと長寿命が要求される。本発明のポンプを上述のごとく適用した場合、
▲1▼粘性ポンプならではの低振動、低騒音の特徴が活かせる。
【0107】
▲2▼機械的な摺動部分、疲労部分が無く、寿命を制約する個所がない。
【0108】
▲3▼ポンプの排気量は、窒素富化の対象となる空間が小さいために、例えばQ=0.5〜1.0L/min程度と十分に小さくても良く、大きな排気量は不得手という粘性ポンプの弱点は問題にならない。
という点で、本発明を適用する効果は極めて大きい。
【0109】
さて、本発明を適用してポンプを構成する場合、どのようなタイプの軸受でも適用可能である。最も一般的な玉軸受でも、寿命、回転数の上限値、要求されるクリーン度のレベルにそれ程の制約が無い用途ならば適用することができる。その他、能動制御型、或いは非制御型の磁気軸受も適用可能である。この場合は、完全オイルフリーが実現できる。また、例えばピボット軸受部のみに、永久磁石式のスラスト支持構造を適用してもよい。
【0110】
粘性ポンプを構成する輸送溝は、本発明の実施例では方向の異なる一対の輸送溝を2セット形成したが、軸受のスラスト支持能力に十分な余裕があれば、一方向の溝だけでも良い。玉軸受でロータを支持する構造ならば、輸送溝を一方向だけ形成する構成は容易となる。この場合、流量は低下するが、ポンプの真空到達圧をアップさせることができる。輸送溝を2セット形成する場合でも、上下の溝は非対称でもよい。
【0111】
ロータに加わるスラスト荷重を低減するその他の方法として、動圧軸受のポンピング効果を利用して軸方向荷重をロータに与えて、輸送溝の圧力によるスラスト荷重を軽減させても良い。また、輸送溝および流体軸受の動圧溝は、回転側、固定側のいずれに形成しても良い。なお、本発明のポンプが輸送できる流体は空気に限定されず、いかなる種類のガスでもよい。或いは液体でもよい。
【0112】
輸送溝は本発明の実施形態では粘性溝を適用したが、適用対象が要求する圧力・流量特性によっては、例えば渦流ポンプの作用を利用した円周溝であってもよい。或いは、ターボ式の遠心ポンプでもよい。この輸送溝を、本発明の第3の実施形態に近い構造で、スラスト盤に設ける構成でもよい。或いは、粘性ポンプと遠心ポンプを組み合わせた構成でもよい。
【0113】
なお、本発明のポンプを用いて流体輸送システムを構成する場合、減圧ポンプ(真空ポンプ)ではなく、加圧ポンプとして用いてもよい。或いは、本発明のポンプを2セット用いて、一方を減圧ポンプとして、もう一方を加圧ポンプとして用いて、閉ループのサイクルを組むようなシステム構成でもよい。
【0114】
吐出流体の温度上昇が問題となる場合は、ポンプの吐出側にヒートシンク(放熱フィン)を設置すればよい。或いは、ポンプの本体に放熱フィンを設ける構成でもよい。本発明のポンプを実施形態で説明した酸素富化装置に適用する場合は、酸素富化モジュールに空気を供給するための送風ファンを利用して、上記放熱フィンを冷却する構成でもよい。
【0115】
酸素富化空気或いは窒素富化空気を得る手段としては、平膜タイプの酸素富化膜以外の例えば、中空糸膜方式、PSA方式などを用いて、本発明のポンプ及び流体輸送システムを構成してもよい。
【0116】
【発明の効果】
本発明を適用することにより、次の特徴を有する減圧或いは加圧ポンプが得られる。
【0117】
▲1▼小型・コンパクトである。
【0118】
▲2▼低振動・低騒音である。
【0119】
▲3▼長寿命である。
【0120】
▲4▼オイルフリーポンプが構成できる。
【0121】
また、例えば高分子の気体分離膜(酸素富化膜)を用いて空気中の酸素を濃縮するシステムの減圧ポンプとして本発明を適用すれば、上記▲1▼〜▲4▼はシステム全体の特徴となる。その効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による粘性ポンプの正面断面図
【図2】上記実施形態でポンプ部を除く正面断面図
【図3】上記実施形態のピボット軸受部の拡大図
【図4】上記実施形態の解析結果でポンプのPQ特性と隙間の関係を示す図
【図5】上記実施形態の解析結果でポンプのPQ特性と回転数の関係を示す図
【図6】上記実施形態の解析結果でポンプのPQ特性と溝深さの関係を示す図
【図7】本発明の第2の実施形態による粘性ポンプの正面断面図
【図8】本発明の第3の実施形態による粘性ポンプの正面断面図
【図9】上記第3の実施形態のスラスト円盤の矢視図
【図10】本発明の第4の実施形態による粘性ポンプの正面断面図
【図11】本発明の第5の実施形態による粘性ポンプの正面断面図
【図12】本発明のモデル図
【図13】本発明のポンプを組み込んだ酸素富化装置のシステムの一例を示す図
【図14】酸素富化膜モジュールの一例を示す図
【図15】本発明のポンプを組み込んだ窒素富化装置のシステムの一例を示す図
【図16】従来例のねじ溝式ドライポンプを示す図
【図17】従来例の遠心式ドライポンプを示す図
【図18】従来例の酸素富化装置のシステム構成を示す図
【符号の説明】
2 ロータ
6 ハウジング
3a,3b 軸受
7 吸入口
8a,8b 吐出口
13a,13b 輸送溝
Claims (28)
- ハウジング内に収納されたロータと、前記ロータの回転を支持する軸受と、前記ロータと前記ハウジングにより形成される流体移送室と、前記ハウジングに形成され前記流体移送室と連絡する流体の吸入口及び吐出口と、前記ロータを回転駆動するモータと、前記ロータと前記ハウジングの相対移動面に形成された流体にポンプ作用を与える輸送溝で構成されること
を特徴とする流体輸送システム。 - 前記輸送溝は粘性流体の動圧効果を利用した動圧溝であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 流体を輸送する流路が異なる2つの輸送溝が前記相対移動面に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。 - 前記2つの輸送溝が近接する共通部分から流体を吸引し、流体を分技してそれぞれの輸送溝を経て吐出させる構造であること
を特徴とする請求項3記載の流体輸送システム。 - 前記ロータの両軸端部の圧力が概略等しくなるように、前記2つの輸送溝が形成されていること
を特徴とする請求項3記載の流体輸送システム。 - 前記ロータと一体化したスラスト円盤と前記ハウジングの相対移動面に輸送溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記流体移送室の吐出側流路と前記軸受を収納する空間の開口部が連絡した構造であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記軸受は動圧流体軸受であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記動圧流体軸受は動圧気体軸受であることを特徴とする請求項8記載の流体輸送システム。
- 固定軸外表面とロータ内面の間の相対移動面に動圧流体軸受の動圧溝が形成されていることを特徴とする請求項8記載の流体輸送システム。
- 固定軸の開放側端部にロータのスラスト方向を支持するピボット軸受が配置されていることを特徴とする請求項10記載の流体輸送システム。
- 前記軸受は静圧気体軸受であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- ポンプが輸送する気体と軸受の潤滑に用いる気体は同一の気体であることを特徴とする請求項8または請求項12記載の流体輸送システム。
- 輸送溝が形成される空間と、軸受が収納される空間は流体経路として繋がっていることを特徴とする請求項8または請求項12記載の流体輸送システム。
- 前記軸受は軸受Aと軸受Bから構成されており、軸受Aの中間部のz方向位置をZB1、軸受Bの中間部のz方向位置ZB2とし、前記輸送溝端部の軸受A側のz方向位置をZP1、軸受B側のz方向位置をZP2とし、ZB2≦z≦ZB1の区間と、ZP2≦z≦ZP1の区間が重なる部分を持つ構成であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- ロータの回転数は2万回転以上であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記輸送溝が形成される前記ロータと前記ハウジングの相対移動面の隙間は15μm以下であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記輸送溝の溝深さは150μm以下であることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 空気通路内に配設された窒素よりも大きい速度で酸素を通過させる気体分離手段の減圧手段或いは加圧手段に前記ポンプが用いられていることを特徴とする請求項1記載の流体輸送システム。
- 前記気体分離手段は酸素富化膜であることを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 前記吸入口と繋がるポンプの上流側に、所定粒径以上の微粒子のポンプ内部への侵入を防止するダストフィルターを配置したことを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 前記ダストフィルターの機能と前記気体分離手段の機能を兼ねたことを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 気体分離手段の上流側の空間を窒素富化させる手段に前記ポンプが用いられていることを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 酸素富化膜モジュールと、この酸素富化膜モジュールを減圧するためにその下流側に配置されたポンプと、このポンプの下流側に配置された酸素富化空気の供給対象から構成されることを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 前記供給対象は、酸素浄水器、酸素吸入器、ルーム用或いはカー用エアコン、高温燃焼器、酸素効能応用機器のいずれかであることを特徴とする請求項24記載の流体輸送システム。
- 酸素富化膜モジュールと、この酸素富化膜モジュールを減圧するためにその下流側に配置されたポンプと、前記酸素富化膜モジュールの上流側に配置された窒素富化空間から構成されることを特徴とする請求項19記載の流体輸送システム。
- 前記窒素富化空間は冷蔵庫であることを特徴とする請求項26記載の流体輸送システム。
- 非接触の軸受で支持されたロータと、このロータを収納するハウジングの相対移動面に形成された輸送溝が回転することにより発生する吸引作用を利用して、流体の通路内に配設された窒素よりも大きい速度で酸素を通過させる気体分離手段を経て空気を吸引し、酸素富化空気或いは窒素富化空気を得ることを特徴とする流体輸送方法。
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