JP2004018890A - 金属微粒子の製造方法及びソルダーペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カルボン酸基を有する化合物からなる粒子合一防止剤を含有する分散媒中で加熱下にはんだを溶融して攪拌機等により分散させ、冷却してその分散させた溶融はんだ粒子を凝固させる工程を有するはんだ微粉末の製造方法で得られるその凝固した金属粒子等を除いた残液を上記分散媒の代わりに繰り返し使用して金属微粉末を繰り返し製造する金属微粒子の製造方法及びそのはんだ微粉末を用いたソルダーペースト組成物。
【選択図】 図3
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばはんだ微粉末等の金属微粒子の製造方法及びそのはんだ微粉末を用いたソルダーベーストに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の配線基板の多機能化、軽薄短小化に伴い表面実装技術が急速に発展し、電子部品の表面実装等の高密度実装を行うには、ファインパターンのメタルマスク印刷を行うことができるのみならず、はんだ付け性の良好なソルダーペーストや、その他のはんだ材料あるいははんだ接合方法が求められている。
ソルダーペーストについては、ファインパターンのメタルマスク印刷ができるように、はんだ粒子の形状は非球形より球形が好ましく、また、はんだには、配線基板上に直接LSIチップをはんだ付することができるような微細化された配線部にも適合する最近の要求に応えられるように、微粒子化する等のことが求められようになっている。
【0003】
現在、はんだ粉末を球状の粒子として得るには、溶融はんだを雰囲気中に噴霧することにより雰囲気中で粒子化するアトマイズ法が一般的な製造方法であり、回転ディスクの遠心力を利用するタイプの遠心アトマイズ法が主流である。
遠心アトマイズ法は、溶融はんだを回転ディスク上に注ぎながら遠心力により薄い膜とし、この膜をディスクの周縁部より放出することにより液滴とし、これを雰囲気中で冷却して固化することにより微粒子化する方法である。この方法では、ディスクの回転数を高くすることにより、得られるはんだ粉末の平均粒径を小さくすることができるが、回転ディスクを駆動するモータの回転数にも限界があり、工業的にははんだ粉末の平均粒径を10μm以下にして、かつ粒子形状を球形に保つことは困難である。このため、現在、平均粒径10μm以下のはんだ粉を得るには、複数回の分級をしており、その収率は極めて低い。
【0004】
また、噴霧する方法ではないが、はんだの塊を高沸点の分散媒の中ではんだの融点以上の温度で加熱して溶融し、攪拌することにより溶融はんだを液滴化し、その後に冷却して固化し、微粒子化する、いわゆる油中アトマイズ法が提案されている。
この油中アトマイズ法は、加熱した油状液体の分散媒中ではんだを溶融し、これを攪拌して液滴の微粒子を形成し、これを冷却固化させるので、ほぼ球状のはんだ微粒子を得ることができ、サテライト粒子や異形粒子の発生がほとんどないだけではなく、平均粒径10μm以下のはんだ微粒子も攪拌回転数を高くすることによって比較的容易に得られるという利点もある。また、はんだの微粒子化を油状液体の分散媒中で行なう、いわゆる湿式であるので、上述した遠心アトマイズ法等の雰囲気中で処理を行なう、いわゆる乾式法では、その装置への付着や、はんだの酸化やはんだ粉末の流動性の悪化、発塵等、粉体の粒径が小さくなったときに特有の問題が発生するのに比べて、このような問題が少なく、製造操作上の取扱いの面でも利点がある。
【0005】
本発明者らはこの油中アトマイズ法で使用される分散媒中に溶融金属粒子の合一を防止する粒子合一防止剤を含ませることで、微粒化中あるいは微粒化後の溶融はんだの液滴の合一を防止でき、より効率的にはんだ微粒子を製造できる方法を提案した。粒子合一防止剤としては、溶融はんだ表面に吸着するロジン又はその誘導体やその他各種カルボン酸類又はその金属塩などが有効で、特に錫を90質量%含むはんだ合金においては、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンやステアリン酸等の直鎖脂肪酸の錫塩が有効であることが判明している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにアクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンやステアリン酸等の直鎖脂肪酸の錫塩が粒子合一防止剤として効果の高いことは判明しているが、これらの錫塩を調製するには多くの工程を必要とし、また、これらの錫塩の溶解性は一般に悪く、分散媒のベースとなる有機媒体(以下、「分散媒基油」という。)に溶解させるのは容易ではない。そのため、これらの錫塩は粒子合一防止剤として使用するとその効果が高いにもかかわらず、油中アトマイズ法により製造されるはんだ粉の製造コストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、粒子合一防止剤としてのアクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンやステアリン酸等の直鎖脂肪酸の錫塩の調製と、その錫塩の分散媒基油への溶解の工程を簡略化することができる金属微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、球状の微粒子の金属粒子を工業的に効率良く製造できる金属微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、製造コストを低減できる金属微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、配線基板の微細なはんだ付け部にも適用できる金属微粒子を製造できる金属微粒子の製造方法、そのはんだ微粒子を含有するソルダーペースト組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、油中アトマイズ法において、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンやステアリン酸等の直鎖脂肪酸を含む分散媒ではんだを微粒化する際にこれらによるカルボン酸の錫塩が分散媒中に生成し、これが粒子合一防止剤となり、これを含有する分散媒中ではんだを溶融して分散させ、微粒化し、さらに冷却し、固化させてはんだの微粒子を得た後の残液を分散媒に再使用し、その再使用を繰り返すと、上記のカルボン酸塩の濃度が増加し、溶融はんだ粒子の合一を防止する高い粒子合一防止効果を示すことを見いだし、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、(1)、分散媒に低融点金属を混合することと、加熱と、該分散媒に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記分散媒中に低融点金属を溶融させて溶融金属粒子を分散させることにより溶融金属粒子分散物を得る溶融金属粒子分散工程と、該溶融金属粒子分散物を冷却することにより該溶融金属粒子を凝固させて固体粒子化する固体粒子化工程を有する金属微粒子の製造方法であって、上記分散媒として、液体の有機媒体である分散媒基油中にカルボキシル基を有する化合物からなりかつ少なくとも該溶融金属粒子間の合一を防止する粒子合一防止剤を含有させて得られるカルボン酸含有分散媒に上記低融点金属を融点以上の溶融した状態で分散させてカルボン酸の金属塩を生成させた後不溶物を除いて得られるカルボン酸塩含有分散媒を使用する金属微粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、(2)、分散媒に低融点金属を混合することと、加熱と、該分散媒に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記分散媒中に低融点金属を溶融させて溶融金属粒子を分散させることにより溶融金属粒子分散物を得る溶融金属粒子分散工程と、該溶融金属粒子分散物を冷却することにより該溶融金属粒子を凝固させて固体粒子化する固体粒子化工程を有し、上記分散媒は液体の有機媒体である分散媒基油中に少なくとも該溶融金属粒子間の合一を防止するカルボキシル基を有する化合物からなる粒子合一防止剤を添加して得られるカルボン酸含有分散媒であり、該カルボン酸含有分散媒を使用して上記溶融金属粒子分散工程及び固体粒子化工程を行ない、上記固体粒子を微粒子化することにより第1回目の金属微粒子を製造し、次いで該金属微粒子を除く処理をした後の残液を含有させた分散媒を上記分散媒に使用し、該分散媒に上記粒子合一防止剤を添加又は添加しないで上記各工程を繰り返して第2回目の金属微粒子を製造し、さらにこの第2回目の金属微粒子の製造において上記残液と同様にして得られた残液を同様に上記分散媒に使用して上記各工程を繰り返して第3回目の金属微粒子を製造し、以下同様のことを繰り返して金属微粒子を繰り返し製造する金属微粒子の製造方法であって、少なくとも第2回目までの金属微粒子を製造する金属微粒子の製造方法、(3)、粒子合一防止剤がロジン及び/又はその誘導体である上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(4)、粒子合一防止剤が直鎖脂肪酸である上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(5)、粒子合一防止剤がステアリン酸である上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(6)、粒子合一防止剤が12−ヒドロキシステアリン酸である上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(7)、粒子合一防止剤がリシノール酸である上記(1)の金属微粒子の製造方法、(8)、低融点金属が錫を少なくとも90質量%含有するはんだ合金である上記(1)ないし(7)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(9)、上記(1)ないし(8)のいずかの金属微粒子の製造方法により製造されたはんだ微粉末を用いたソルダーペースト組成物を提供するものである。
【0009】
本発明において、「低融点金属」とは、低融点純金属及び低融点合金の少なくとも1種が挙げられ、低融点純金属のみ、低融点合金のみ、両者を併用する場合がある。低融点金属としてははんだはよく知られており、各種はんだが使用でき、無鉛はんだも使用できるが、「錫を90質量%含むはんだ合金」が好ましく、その残部になる元素してはAg、Cu、Bi、Zn、In、Ga、Sb、Pb、Au、Pd、Ge、Ni、Cr、Al、Pなどが挙げられる。代表的なものとしては、Sn96.5Ag3.5、Sn96.5Ag3.0Cu0.5、Sn99.3Cu0.5、Sn94.5Ag2.5Bi2.5Cu0.5などが挙げられる。
【0010】
本発明において、「分散媒」は、▲1▼新たに製造する分散媒、▲2▼金属微粒子の製造の途中で調製する分散媒、▲3▼金属微粒子の製造後の残液を含有させた分散媒があるが、▲1▼、▲2▼の場合には、「分散媒基油」中に「粒子合一防止剤」を含有させて得られる分散媒である。
「分散媒基油」は、低融点金属の融点(液相線温度)以上の沸点(融点より小さくない沸点)あるいは分解温度の使用可能上限温度を有し、その溶融粒子を分散することができる有機化合物を挙げることができる。具体的には、例えばシリコンオイル、石油精製によって作られる鉱油、エンジンオイルや、スピンドル油、マシン油、シリンダ油、ギヤ油等の工業用潤滑油、あるいは化学合成によって作られる合成潤滑油(その化学成分としては、炭化水素系としてポリブテン等のポリオレフィン、アルキルベンゼン等のアルキル芳香族、非炭化水素系としてはポリグリコール、ポリフェニルエーテルや、アルキルジフェニルエーテル等のフェニルエーテル等のポリエーテル、また、ジエステル、ポリオールエステル、コンプレックスポリオールエステル、天然油脂(トリグリセライド)等のエステルや、リン酸エステル等のリン化合物、さらには前記化合物のフッ素化ポリエーテル等が挙げられる。)が挙げられる。また、椰子油、パーム油、オリープ油、ひまわり油、ひまし油、大豆油、あまに油、菜種油、桐油、綿実油等の植物油や、鯨油、牛脂等が挙げられ、流動パラフィン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ウンデカン等の高級炭化水素化合物、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類(ポリアルキレングリコールということもでき、上記のトリオール型、ジオール型のほかに、モノオール型(ニッサン・ユニルーブMBシリーズ(非水溶性タイプ)(MB−7、MB−11、MB−22等)(商品名)、ニッサン・ユニルーブ50MBシリーズ(水溶性タイプ)(商品名)も挙げられる)、これらグリコール類の誘導体、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート等のフォスフェート類、オクチルフェノール、トリクロルフェノール、ノニルフェノール等の置換フェノール類、トリクロロアニリンや、ジフェニル系、トリフェニル系等の有機熱媒体、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール等が挙げられる。引火性の低いものが火災の危険性が少ない点で好ましい。
【0011】
上記の「分散媒基油」は、その使用可能上限温度より高くなく、低融点金属の溶融温度より高い温度で使用されること、その加熱は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、例えばその使用可能温度は120〜470℃の範囲で選択することができるが、通常は使用可能温度を上記有機物の分解温度以下にする。また、上記「粒子合一防止剤」を0.5〜10%(質量%、以下同様)溶解させることができるものが好ましい。
【0012】
本発明において、「粒子合一防止剤」は、溶融金属粒子(液滴ともいう)相互間の融合による合一を防止するが、液滴の固化した金属粒子同士の凝集あるいは固着や、液滴とその固化した固体金属粒子同士の間の合一、凝集あるいは固着を防止することがあってもよい。
本発明においては、上記▲1▼、▲2▼の場合に使用される「粒子合一防止剤」としては、カルボキシル基を有するロジン、その誘導体あるいは直鎖脂肪酸などの各種カルボン酸が挙げられる。これらの物質は、金属粒子、特に溶融金属粒子の表面に吸着及び/又は反応し易い化合物である。具体的には、以下のものが挙げられる。
【0013】
(i) ロジン及び/又はその誘導体(ロジン類)
(a)ロジンの例:トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン、
(b)ロジン誘導体の例:水添ロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、、アク
リル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン
トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンは、アビエチン酸類(アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸)を主成分とし、ピマール酸、パラストリン酸、イソピマール酸、その他の樹脂酸を構成成分に有し、これらの成分比が異なるものである。
上記(a)、(b)の少なくとも1つの類の各類少なくとも1種が用いられるが、金属粒子、特に溶融金属粒子の表面に親和性(吸着性及び/又は反応性)があるものが好ましい。これらの中で特に、一塩基酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等)変性ロジン、グリコール酸変性ロジン及び二塩基酸(マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等)変性ロジンが好ましい。
【0014】
(ii) 脂肪酸等のカルボキシル基を有する有機酸
ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(例えば12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等)、芳香族カルボン酸、アミノカルボン酸、高級脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸等)等の炭素数が少なくとも8(8以上)の脂肪酸( 特には直鎖脂肪酸) 、アクリル酸、ポリアクリル酸など
これらの(i) 〜(ii)は各類に属するものだけの場合のみならず、複数の類に属する複数のものでもよい。
【0015】
「分散媒基油」と「粒子合一防止剤」からなる分散媒には、酸化防止剤を添加し、その加熱時の酸化を防止することが好ましく、不活性ガス雰囲気下であっても微量含まれることがある酸素による酸化を防止することができる。酸化防止剤としては、例えば油脂、ゴムあるいは合成樹脂等に使用されているものが使用でき、例えばフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。そのほかに、酸化抑制効果を有するイミダゾール類を併用してもよく、単独で用いてもよい。これらの化合物の具体例は特開平9−49007号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0016】
上記▲2▼の場合、すなわち「分散媒基油」と「粒子合一防止剤」との混合物からなる分散媒を調製する工程を一連の金属微粒子を製造する工程中に設ける場合には、その金属微粒子を製造するときの上記の各使用材料は、上記の分散媒100gに対して、上記の低融点金属を0.1〜100g、好ましくは1〜50g、特に好ましくは2〜20g混合し、上記の粒子合一防止剤は、分散媒基油100gに対して、0.01〜10g、好ましくは0.05〜5gの割合で用いる。低融点金属の割合がこれより少ないと、製造効率が低くなり、これより多いと、微粒化中の液滴の衝突確率が増大し、その合一が発生し易くなる。粒子合一防止剤が上記値より少ないと、微粒化中あるいは微粒化後の分散媒中に分散された液滴の合一を防止する効果が低くなる。粒子合一防止剤が上記値より多くても、その効果は飽和し増加し難くなる。
【0017】
上記各使用材料を混合して得られた被処理液は、分散処理がなされ、液滴の微粒化がなされるが、本発明は、その微粒化中あるいは微粒化後において、液滴の合一を防止するものである。その微粒化のための分散エネルギーを付与する手段としては、例えば回転子と固定子からなるジェネレーターを有する攪拌分散装置、超音波装置、高圧ホモジナイザー、特開平9−75698号公報、特開平10−161667号公報、特開平11−347388号公報に記載の高速攪拌機が挙げられる。また、ノズルなどの細孔から溶融金属を分散媒中に吐出してもよい。
回転子と固定子からなるジェネレーターを有する攪拌分散装置としては、例えば図1、2に示すものが挙げられる。図1、2に示すように、凹状体(深い皿状体)の周壁に放射状に先端側に開放する切り溝4,4・・を有する固定子1に対して回転子2(軸の両側の2枚翼)を高速回転させ、上記の分散媒基油に粒子合一防止剤及び低融点金属を溶融させて混合した混合液である被処理液を吸い込ませ、固定子1と回転子2との間で働く高剪断作用によりその被処理液中の低融点金属の溶融体を分断して粒子化し、その溶融金属粒子の分散液を切り溝4,4・・から排出させるものである。5は回転軸である。
図1の高剪断装置は、図3に示すように、処理槽6の内側底部に底面から離間して配置され、その回転軸5(図3では見えない)が上端蓋板7に気密に貫通している筒体に挿入されてこれにモータ8(回転数コントローラ8aにより回転数を制御することができる)による回転力が伝達されるようになっている。密閉可能に着脱自在に設けられた上記蓋板7に導入孔と排出孔(矢印)が設けられて処理槽6の内部は不活性ガスが常時流通可能で不活性ガス雰囲気下に保つことができる。処理槽6の底部及び両側面部がその外側に設けたヒータ10、10、10により加熱されることにより、この高剪断装置を埋没させるように入れられた上記の分散媒基油及び粒子合一防止剤の溶液aに低融点金属bを含有させた混合液は適切な処理温度まで加熱され、必要に応じて回転子2が低速回転されながら、低融点金属bが溶融され、ついで高速回転されることにより上記被処理液が得られる。この際、熱電対11によりこの被処理液の温度を検知して温度コントローラ12により上記ヒータの発生熱量を制御し、この被処理液の温度を適切に制御することができる。処理槽6と上記ヒータ10、10、10の間には銅パイプが処理槽6を囲むように配置され、冷却水を流すことにより、攪拌中の被処理液の所定値以上の温度上昇を防止することができたり、その攪拌終了後の常温への冷却を行なうことができる。なお、邪魔板9は旋回流の発生により液面中央部が低下したときに気体を巻き込むことを防止する。13は上記ヒータを埋め込んだ耐熱材を内装した処理槽受容支持体である。
【0018】
このようにして、粒子合一防止剤を含有する分散媒に溶融金属粒子を分散させて得られる処理液は、その溶融金属の凝固点以下に冷却されてその溶融金属粒子が固化され固体金属粒子とされるが、その冷却方法としては、図1の装置のように水冷したり、装置の容器中で放冷してもよいが、その処理液をプールして攪拌しながらその全体に冷却用媒体を投入して急冷してもよく、冷却用媒体にその処理液を連続的に注入してもよい。この冷却用媒体は上記の粒子分散用媒体であってもよく、その他のものであってもよく、揮発性のものでもよい。
この後、重力沈降、遠心沈降、濾過等により固体金属粒子と分散媒を分離し、そこから固体金属粒子以外を除くために、その得られた泥状物を溶剤で洗浄し、乾燥して金属粉末とすることができる。
得られる固体金属粒子の形状及び粒径は、加熱された粒子分散用媒体中に分散された溶融金属粒子の形状及び粒径によって定まり、その溶融金属粒子はほぼ真球に形成されるので、その固体粒子もほぼ真球になる。他方、その固体粒子を微粒子にするには、その溶融金属粒子を微粒子にすればよく、そのためには上述したように各分散装置の回転数や振動数を高くする等のことと、分散用エネルギーを付与する時間、被処理液の加熱温度、処理時間等の分散装置の操作条件や、低融点金属、粒子分散用媒体及び粒子合一防止剤のそれぞれの種類や使用割合などにより定まるが、平均粒径で2〜30μmにすることができる。
また、上記の分離された分散媒は、粒子合一防止剤を構成する化合物のカルボキシル基が低融点金属の金属塩(カルボン酸塩)、例えばカルボン酸錫塩を形成し、これも粒子合一防止剤となることができるもであり、これを含有するが、このカルボン酸塩含有分散媒を分散媒として予め製造しておき、当初からこれを使用できるようにしてもよい。これは上記▲1▼の分散媒に当たる。そのためには、カルボン酸塩を生成し易いように、低融点金属の組成やその生成条件を独特に考えることもできるが、上記の分離された分散媒、すなわち残液について不溶分等を取り除いたものを上記▲1▼の分散媒としてもよい。この残液は上記▲3▼の分散媒に当たり、これを用い繰り返し金属微粒子を製造するようにしてもよい。▲1▼、▲3▼の場合には上記分散媒基油、粒子合一防止剤その他の材料を添加して使用してもよい。
【0019】
上記の金属微粉末の製造方法により得られた金属微粉末は、例えばはんだ微粉末は、ソルダーペースト中85〜92%(フラックス:8〜15%)用いられるが、球形の微粉末であるので、はんだ付ランドのピッチの狭くなってきている最近のプリント回路基板に対するリフローはんだ付用として好ましい。
そのフラックスにはロジン系樹脂が用いられるが、ロジン系樹脂とはロジン及びその変性ロジン等の誘導体が挙げられ、これらは併用することもできるが、具体的には例えばガムロジン、ウッドロジン、重合ロジン、フェノール変性ロジンやこれらの誘導体が挙げられる。ロジン系樹脂の含有量は、ソルダーペースト組成物のはんだ粉末を除いた他の成分である、いわゆるフラックス中、30〜70%とすることができる。これより少ないと、はんだ付ランドの銅面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れ易くする、いわゆるはんだ付性を低下させ、はんだボールが生じ易くなり、これより多くなると残さ量が多くなる。
【0020】
また、フラックスに含有させる活性剤としては、有機アミンのハロゲン化水素塩及び有機酸が挙げられ、具体的にはジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミン臭化水素酸塩、モノエタノールアミン臭化水素酸塩、アジピン酸、セバシン酸、等が挙げられ、これらは残さによる腐食性を抑制し、絶縁抵抗を損なわない点から、さらにははんだ付性、はんだボールを生じないようにする点からフラックス中0.1〜3%が好ましい。
【0021】
また、チキソ剤を使用してもよく、その使用により、ソルダペーストをその印刷性に適した粘度に調整することができるように、例えば、水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類をフラックス中3〜15%含有させることが好ましい。
また、溶剤としては、通常のソルダペーストに用いられているものが挙げられ、例えば、ヘキシルカルビトール(沸点:260℃)、ブチルカルビトール(沸点:230℃)等が挙げられ、フラックス中30〜50%含有されることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
詳細は以下の実施例によって説明するが、粒子合一防止剤を含有するはんだの融点以上に加熱された分散媒中で溶融はんだ液滴を分散させ、ついで微粒化した液滴を冷却して凝固させるはんだ微粒子の製造方法、あるいはさらに分離を行なってはんだ微粉末を得るはんだ微粉末の製造方法であって、その製造後の残液を上記分散媒に使用してはんだ微粒子を製造し、さらに同様にして得られた残液を上記分散媒に使用してはんだ微粒子を製造することを繰り返し行ない、後に行うものほど、粒子合一防止作用を高め、安定してはんだ微粒子あるいははんだ微粉末が得られる製造方法を例示することができる。
微粒化の装置としては、例えば固定子と回転子とからなる図1の固定子と回転子を装備する高速攪拌機を使用し、はんだの種類によって、最初に使用する上記分散媒を構成する粒子合一防止剤と分散媒基油の種類を選択することにより、最適なはんだ微粒子あるいははんだ微粉末を製造することができる。その際、上記の分散媒100gに対して、はんだを0.1〜100g、好ましくは1〜50g、特に好ましくは2〜20g混合し、上記の粒子合一防止剤は、分散媒基油100gに対して、0.01〜10g、好ましくは0.05〜5gの割合で用いる。加熱温度は「はんだの融点+10℃程度」が好ましい。はんだの微粒子を凝固させて除いた後の残液については、好ましくは浮遊粒子を除去し、その90%以上を分散媒として再使用し、その再使用を少なくとも2回は繰り返す。
得られるはんだ粉末はほぼ真球の微粉末(平均粒径15μm以下、例えば8〜13μm)である。これを用いてソルダーペーストを製造することができ、得られるソルダーペーストは配線基板の微細なはんだ付部にも適用できる。
【0023】
【実施例】
実施例1
Sn96.5Ag3.5(はんだ合金)の塊90g、精製ヒマシ油(分散媒基油)882g及びマレイン酸変ロジン(ハリマックAS−5(ハリマ化成社製))(粒子合一防止剤)18g(分散媒基油と粒子合一防止剤の合計に対して2%)の混合物を1リットルのセパラブルフラスコに入れ、攪拌機(エスエムテー社製、HG−92型、)をセットした後、密閉した。このセパラブルフラスコには窒素ガスを流し、フラスコ内を不活性雰囲気とした。
このような状態のセパラブルフラスコをマントルヒータにより230℃まで加熱するが、加熱のはじめの頃には、粒子合一防止剤を分散媒基油に溶解させるため、攪拌機を低速で回転させた。その溶解が行われ、上記混合物の温度が230℃で安定したところで攪拌機を10,000rpm(毎分の回転数)の速度で回転させて高速攪拌を10分間行なった。
その後攪拌及び加熱を停止し、セパラブルフラスコとマントルヒータの間に配置した水冷パイプに冷却水を流し、内容物を冷却した。その冷却を20分行なった後、セパラブルフラスコを開放し、上澄み液を除き、底部に溜まった沈降物を取り出した。その沈降物を酢酸エチルに浸漬し、溶解物を酢酸エチルとともに除く、デカンテーションを繰り返した後、酢酸エチルを真空乾燥で除き、はんだ微粉末を得た。
【0024】
得られたはんだ微粉末は電子走査顕微鏡(SEM)で観察した。また、その平均粒径及び粒度分布をレーザー回折法により測定した。粒度分布から分布のシャープさを示すε(ε=(D90−D10)/D50(D90、D10、D50は、順に粒子がその直径を小さい方から数えられた場合に90%、10%、50%になったときの粒子の直径を表す。εは小さいほど粒度分布が狭い、シャープであることを示す。)を求めた。また、得られたはんだ微粉末の収率も求めた。
【0025】
また、上記上澄み液(上記の処理した後の液を冷却して沈降物を除去した残液)について、これに浮遊する微粒子を遠心分離(日立工機製CR22F、R12ロータを使用し、10,000rpm(遠心加速度7,600〜10,000G)で5分間処理)により除去し、得られた清澄液を回収分散媒としてその回収率(得られた量の当初の量に対する割合)を求めた。さらに回収分散媒の酸価(試料1gを中和するのに必要な水酸化カリウム量(mgKOH/g))を求めた。得られた回収分散媒(精製ヒマシ油及びハリマックAS−5の混合液の使用後の回収した清澄液)に、その損失分(はんだ粉に付着、容器に付着した分など)に新鮮な分散媒〔(精製ヒマシ油)+2%ハリマックAS−5〕(損失分に対する2%分がハリマックAS−5、その損失分の残部は精製ヒマシ油、以下同様)を補充し、これらの混合液を分散媒とした以外は上記と同様にして、再度はんだ微粉末を製造した。
得られたはんだ粉末は上記の第1回目の製造で得られたはんだ微粉末の場合と同様に評価、測定を行ない、また、得られた上澄み液についても上記と同様の処理を行い、上記と同様の評価、測定を行った。以下同様の操作を8回繰り返し、合計で10回、はんだ微粉末を製造したことになる。
表1に各回数で製造したはんだ微粉末について、平均粒径、ε、収率、回収分散媒の酸価を示す。
なお、表1中、「分散媒使用回数」は、その1回目は新鮮な分散媒を使用し、2回目以降は残液を繰り返し使用したその繰り返し数を最初の繰り返しを2とし、以下これに繰り返し数を加えて表示した。
【0026】
この表の結果から、「分散媒使用回数」が1回、2回のときは、εの値が0.8と大きく、粒子合一防止の作用が若干弱いが、3回を越えると、εの値は0.65に落ちつき、粒子合一防止の作用が高くなり、安定することがわかる。
なお、SEMによる観察の結果は、いずれの回数のものも、得られたはんだ微粉末は粒子が真球状であった。また、「分散媒使用回数」が5回目以降では、使用後の分散媒を遠心分離した際、はんだの微粉以外に乳白色の沈殿が認められた。これは粒子合一防止剤を構成する化合物のカルボキシル基と錫との塩(カルボン酸塩)の濃度が高まり、飽和に達し、溶解し切れないものが析出したものと推測される。
なお、この析出物を分散媒基油に単独又は他の新鮮な粒子合一防止剤とともに混合し、上記▲1▼の分散媒とすることができる。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例2
実施例1において、はんだの種類をSn96.5Ag3.0Cu0.5にしたこと以外は同様にしてはんだ微粉末を製造し、実施例1と同様に測定した結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
実施例1の結果と同様に「分散媒使用回数」が1回、2回のときは、εの値が約0.7とやや大きく、粒子合一防止剤の作用が若干弱いが、3回を越えるとεの値は約0.65に落ち着き、粒子合一防止の作用が高くなり、安定することがわかる。
SEMによる観察の結果も実施例1の場合と同様に、はんだ微粉末の粒子は真球状であった。また、実施例1の場合と同様に、「分散媒使用回数」が5回目以降の使用後の分散媒を遠心分離した際、はんだの微粉以外に乳白色の沈殿が認められた。
【0031】
実施例3
実施例2において、粒子合一防止剤としてマルキードNo.33(マレイン酸変性ロジン、荒川化学工業社製)を用いたこと以外は同様にしてはんだ微粉末を製造し、実施例1と同様に測定した結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
表3の結果及びSEM観察の結果から、「分散媒使用回数」が1回、2回のときははんだが完全に微粒化されておらず、粒径0.5mm弱のはんだ粒子が多く認められ、3回のときは、ほぼ微粒化されているが、SEM観察の結果、粒径50μmのはんだ粒子が多く認められた。4回目以降では粗大な粒子は粒度分布のシャープな真球状のはんだ微粉末が得られるようになった。また、「分散媒使用回数」が5回目以降の使用後の分散媒を遠心分離した際、はんだの微粉以外に乳白色の沈殿が認められた。
【0034】
実施例4
以下の組成のソルダペーストを調製した。
水添ロジン(ロジン系樹脂) 55.0g
アジピン酸(活性剤) 2.0g
水添ヒマシ油(チキソ剤) 6.0g
ヘキシルカルビトール(溶剤) 37.0g
(以上、フラックス 100g)
上記フラックス 11.0g
はんだ粉末(実施例1で製造のもの) 89.0g
(Sn/Pb=63/37)
(以上、ソルダーペースト 100g)
上記フラックスとはんだ粉末を攪拌混合することによりソルダーペーストを得た。このソルダーペーストをマルコム粘度計で測定したところ230Pa・s(測定温度25℃)であった。
【0035】
このソルダーペーストを用いて、▲1▼印刷性試験(0.15mm厚さのメタルマスクを用いたスクリーン印刷による印刷面にかすれやにじみが目視されるが否かを検査する試験)、▲2▼粘着性試験(ソルダーペーストの粘着力を調べるもので、JIS Z 3284による試験)、▲3▼加熱時のだれ性試験(加熱時の塗布膜の所定位置からのはみ出しを調べるもので、JIS Z 3284による試験)及び▲4▼絶縁性試験(はんだと分離したフラックス膜の抵抗値を測定するもので、JIS Z 3284による試験)を評価するとともに、さらに、▲5▼はんだ付状態試験(リフローはんだ付け装置において、プリヒート温度を150℃、120秒の場合と、200℃、120秒の場合とのそれぞれにおいて、本加熱を240℃、30秒行った場合のはんだ付け状態を、溶融後固化したはんだに未溶融物が見られないものを5、多く見られるものを1とし、3以上を実用性があるとする5段階法により評価する試験)を行った結果いずれも実用上問題ないと判断された。
なお、他の実施例で得られたはんだ粉末を使用しても上記とほぼ同様の結果が得られる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、粒子合一防止剤としてのアクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンやステアリン酸等の直鎖脂肪酸の錫塩の調製と、その錫塩の分散媒基油への溶解の工程を簡略化することができ、また、低融点金属の溶融物の微粒化中あるいは微粒化後の液滴の合一をより効果的に防止することができ、効率よく、球状の低融点金属微粉末を製造することができ、これらによりはんだ微粉末等の低融点金属の微粉末を低コストで製造することができる。さらにこのようにして得られたはんだ微粉末は配線基板の微細なはんだ付け部にも適用できるソルダーペーストの原料として使用することができる。
そして、このソルダーペーストを用いてファインパターンのメタルマスク印刷を行なうことができ、これにより電子部品の表面実装等の高密度実装を行うことができ、電子機器の配線基板の多機能化、軽薄短小化に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いるジェネレータの正面及び底面の説明図である。
【図2】その正面の縦断面の説明図である。
【図3】そのジェネレータを用いた装置の断面の概略説明図である。
【符号の説明】
1 固定子
2 回転子
4 切り溝
5 回転軸
Claims (9)
- 分散媒に低融点金属を混合することと、加熱と、該分散媒に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記分散媒中に低融点金属を溶融させて溶融金属粒子を分散させることにより溶融金属粒子分散物を得る溶融金属粒子分散工程と、該溶融金属粒子分散物を冷却することにより該溶融金属粒子を凝固させて固体粒子化する固体粒子化工程を有する金属微粒子の製造方法であって、上記分散媒として、液体の有機媒体である分散媒基油中にカルボキシル基を有する化合物からなりかつ少なくとも該溶融金属粒子間の合一を防止する粒子合一防止剤を含有させて得られるカルボン酸含有分散媒に上記低融点金属を融点以上の溶融した状態で分散させてカルボン酸の金属塩を生成させた後不溶物を除いて得られるカルボン酸塩含有分散媒を使用する金属微粒子の製造方法。
- 分散媒に低融点金属を混合することと、加熱と、該分散媒に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記分散媒中に低融点金属を溶融させて溶融金属粒子を分散させることにより溶融金属粒子分散物を得る溶融金属粒子分散工程と、該溶融金属粒子分散物を冷却することにより該溶融金属粒子を凝固させて固体粒子化する固体粒子化工程を有し、上記分散媒は液体の有機媒体である分散媒基油中に少なくとも該溶融金属粒子間の合一を防止するカルボキシル基を有する化合物からなる粒子合一防止剤を添加して得られるカルボン酸含有分散媒であり、該カルボン酸含有分散媒を使用して上記溶融金属粒子分散工程及び固体粒子化工程を行ない、上記固体粒子を微粒子化することにより第1回目の金属微粒子を製造し、次いで該金属微粒子を除く処理をした後の残液を含有させた分散媒を上記分散媒に使用し、該分散媒に上記粒子合一防止剤を添加又は添加しないで上記各工程を繰り返して第2回目の金属微粒子を製造し、さらにこの第2回目の金属微粒子の製造において上記残液と同様にして得られた残液を同様に上記分散媒に使用して上記各工程を繰り返して第3回目の金属微粒子を製造し、以下同様のことを繰り返して金属微粒子を繰り返し製造する金属微粒子の製造方法であって、少なくとも第2回目までの金属微粒子を製造する金属微粒子の製造方法。
- 粒子合一防止剤がロジン及び/又はその誘導体である請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子合一防止剤が直鎖脂肪酸である請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子合一防止剤がステアリン酸である請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子合一防止剤が12−ヒドロキシステアリン酸である請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子合一防止剤がリシノール酸である請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 低融点金属が錫を少なくとも90質量%含有するはんだ合金である請求項1ないし7のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずかに記載の金属微粒子の製造方法により製造されたはんだ微粉末を用いたソルダーペースト組成物。
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-
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