JP2014004590A - はんだ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れているはんだ組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のはんだ組成物は、ピングリッドアレイパッケージ用のはんだ組成物であって、鉛フリーはんだ粉末と、フラックスとからなり、前記鉛フリーはんだ粉末は、スズ89質量%以上91質量%以下と、アンチモン9質量%以上11質量%以下とを含有し、前記フラックスの含有量は、はんだ組成物100質量%に対して、7.5質量%以上10.5質量%以下であることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ピングリッドアレイパッケージ用のはんだ組成物に関する。
ピングリッドアレイパッケージ(以下、PGAパッケージともいう)の製造工程においては、ソルダーペースト(はんだ組成物)が用いられている。近年、環境汚染の問題から鉛に対する規制が強化され、ソルダーペーストに用いるはんだ粉末についても、Sn/Pb系はんだ粉末から鉛フリーはんだ粉末へと切り替わりつつある。鉛フリーはんだは、Sn/Pb系はんだに比べて、高い融点を有するため、パッケージ部品を実装する際のリフロー温度を高温(例えば、230℃程度)とすることが必要となる。そのため、パッケージ部品を実装するためのリフロー工程により、導電性接続ピンが傾いたり、倒れたりして、基材に対する導電性接続ピンの垂直性(ピン立て性)が低下する可能性がある。
そこで、鉛フリーはんだ粉末において、融点の異なる2種のはんだ粉末を含有するソルダーペーストが提案されている(特許文献1)。
特開2011−167753号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のソルダーペーストを用いれば、ピン立て性が向上するものの、リフロー温度の更なる上昇やPGAパッケージ基板の信頼性の観点から、ピン立て性の更なる向上が求められている。
そこで、本発明は、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れているはんだ組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなはんだ組成物を提供するものである。
すなわち、本発明のはんだ組成物は、ピングリッドアレイパッケージ用のはんだ組成物であって、鉛フリーはんだ粉末と、フラックスとからなり、前記鉛フリーはんだ粉末は、スズ89質量%以上91質量%以下と、アンチモン9質量%以上11質量%以下とを含有し、前記フラックスの含有量は、はんだ組成物100質量%に対して、7.5質量%以上10.5質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が、30μm以上55μm以下であることが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、前記フラックスは、温度20℃にて液状であるジカルボン酸ポリ酸無水物を含有し、前記ジカルボン酸ポリ酸無水物の含有量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明によれば、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れているはんだ組成物が得られる理由は、必ずしも定かでは無いが、本発明者らは以下のように推察する。
まず、本発明に用いる鉛フリーはんだ粉末は、スズ89質量%以上91質量%以下と、アンチモン9質量%以上11質量%以下とを含有するものである。このように、鉛フリーはんだ粉末の組成を極めて限定的な範囲内とすることで、ピン立て性の向上を図ることができる。
また、本発明のはんだ組成物では、フラックスの含有量が、はんだ組成物100質量%に対して、7.5質量%以上10.5質量%以下である。これに対し、一般的なはんだ組成物では、はんだ組成物100質量%に対して12質量%程度である。すなわち、本発明におけるフラックスの含有量は、一般的なはんだ組成物と比較して、フラックスの含有量が極めて少ない。そして、このような組成とすることで、リフロー工程の際のピンへのぬれ上がりが少なくなるものと本発明者らは推察する。なお、フラックスの含有量が少ない場合には、はんだ組成物の印刷性の低下が懸念される。しかし、上記範囲内であれば、フラックスの組成や鉛フリーはんだ粉末の粒子径などを調整することにより、はんだ組成物の印刷性を維持できる。
以上のようにして、本発明では、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れているはんだ組成物が得られるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れているはんだ組成物を提供できる。
本発明のはんだ組成物を用いてピングリッドアレイパッケージを製造する方法の一例を示す説明図である。(A)〜(E)は、それぞれ各製造工程の状態を示す断面図である。 はんだのぬれ上がり試験における試料を示す断面図である。 はんだのぬれ上がり試験におけるリフロー時の時間と温度との関係を示すグラフである。
まず、本発明のはんだ組成物について説明する。すなわち、本発明のはんだ組成物は、ピングリッドアレイパッケージ(以下、PGAパッケージともいう)用のはんだ組成物であって、以下説明する鉛フリーはんだ粉末およびフラックスを含有するものである。
なお、本明細書における「鉛フリーはんだ粉末」とは、鉛を添加しないはんだ粉末のことをいう。ただし、はんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
本発明に用いる鉛フリーはんだ粉末は、スズ89質量%以上91質量%以下と、アンチモン9質量%以上11質量%以下とを含有するものである。アンチモンの含有量が9質量%未満の場合や、11質量%を超える場合には、ピン立て性が不十分となる。また、ピン立て性の観点から、アンチモンの含有量は、鉛フリーはんだ粉末100質量%に対して9.5質量%以上10.5質量%であることがより好ましく、10質量%であることが特に好ましい。
なお、前記鉛フリーはんだ粉末には、不可避的不純物としてアンチモン(Sb)およびスズ(Sn)以外の他の成分が存在することは許容される。この場合、他の成分の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径は、20μm以上60μm以下であることが好ましく、30μm以上55μm以下であることがより好ましく、34μm以上52μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径が前記下限未満では、ピン立て性が低下する傾向があるとともに、活性力不足によって微細なボイドが発生しやすくなる傾向にある。他方、平均粒子径が前記上限を超えると、印刷性が低下する傾向があるとともに、粒子同士の間隔が大きすぎることによって突発的に大きなボイドが発生しやすくなる傾向にある。
なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。このような粒子径測定装置としては、例えば、レーザー回折粒子アナライザーCoulter LS130(BECMAN COULTER社製)を使用できる。
本発明に用いるフラックスは、例えば、ロジン系樹脂と、チクソ剤と、活性剤と、溶剤とを含有するものである。
このようなフラックスの含有量は、はんだ組成物100質量%に対して、7.5質量%以上10.5質量%以下であることが必要である。フラックスの含有量が7.5質量%未満では、はんだ組成物にボソツキが発生し、印刷性が不十分となり、他方、10.5質量%を超えると、はんだ組成物のピンへのぬれ上がりを十分に抑制できず、ピン立て性が不十分となる。また、印刷性およびピン立て性を高いレベルで両立させるという観点から、フラックスの含有量は、はんだ組成物100質量%に対して、8質量%以上10質量%以下であることが好ましく、8質量%以上9.5質量%以下であることがより好ましく、8.5質量%以上9.5質量%以下であることが特に好ましい。
本発明に用いるロジン系樹脂としては、ロジンおよびロジン誘導体が挙げられる。ロジン誘導体としては、変性ロジン、重合ロジン、水添ロジンなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂の中でも、活性作用の観点から、水添ロジンが好ましい。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ロジン系樹脂の含有量は、はんだ付け性の観点から、前記フラックス100質量%に対して、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いるチクソ剤としては、例えば、硬化ヒマシ油、水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類が挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このチクソ剤の種類や量を調整することにより、はんだ組成物の印刷性を確保することができる。
前記チクソ剤の含有量は、はんだ組成物を印刷に適した粘度に調整する観点から、前記フラックス100質量%に対して、3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる活性剤としては、有機アミンのハロゲン化水素塩および有機酸が挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。有機アミンのハロゲン化水素塩としては、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミン臭化水素酸塩、モノエタノールアミン臭化水素酸塩などが挙げられる。有機酸としては、アジピン酸、セバチン酸などが挙げられる。
前記活性剤の含有量は、残さによる腐食を抑制し、絶縁抵抗を損なわない観点、更にははんだ付け性、はんだボールを生じさせないようにする観点から、前記フラックス100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
なお、前記活性剤としては、印刷性の観点から、温度20℃にて液状であるジカルボン酸ポリ酸無水物を用いることが好ましい。このようなジカルボン酸ポリ酸無水物を用いることにより、はんだ組成物中の鉛フリーはんだ粉末が過剰な場合でも、はんだ組成物の流動性を改善することができ、印刷性を向上させることができる。このようなジカルボン酸ポリ酸無水物は、下記一般式(1)で表されるものである。
前記一般式(1)において、Rは、飽和または不飽和の2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよいが、融点をより低くするという観点から、不飽和であることが好ましい。また、炭化水素基中の炭素の数は、特に限定されないが、4〜24であり、好ましくは16〜22である。また、nは、繰り返し単位の数を示し、例えば、2〜30である。
このようなジカルボン酸ポリ酸無水物としては、例えば、8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸無水物が挙げられる。
このようなジカルボン酸ポリ酸無水物を用いる場合、その含有量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。前記溶剤としては、沸点170℃以上の水溶性溶剤を用いることが好ましい。
前記溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2−エチルヘキシルジグリコール、オクタンジオール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記溶剤の含有量は、はんだ組成物を印刷に適した粘度に調整するという観点から、前記フラックス100質量%に対して、30質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いるフラックスは、必要に応じて、前記の成分以外に、揺変剤、消泡剤、酸化防止剤、防錆剤、界面活性剤、熱硬化剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の含有量としては、前記フラックス100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましい。
次に、前記本発明のはんだ組成物を用いてPGAパッケージ用基板およびPGAパッケージを製造する方法について、図1を参照しながら説明する。
まず、図1(A)に示すように、片面に端子2が形成された基材1を準備する。基材1としては、特に限定されないが、セラミック系基材、樹脂系基材などが使用できる。また、基材1は、一層の基材であってよく、多層の基材であってもよい。
次いで、図1(B)に示すように、基材1の端子2が形成された面とは反対側の面に、実装用はんだ組成物3を塗布する。塗布方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷法、ディスペンス塗布法などを採用できる。
実装用はんだ組成物3としては、後述するPGA用はんだ組成物4中のはんだ粉末よりも低い融点を有するはんだ粉末が含まれる限り、特に限定されないが、環境負荷軽減の観点から、鉛フリーはんだ粉末を含むはんだ組成物が好ましい。鉛フリーはんだ粉末としては、例えば、Sn/Cu系、Sn/Bi系、Sn/In系、Sn/Zn系、Sn/Ag/Cu系、Sn/Cu/Bi系などが挙げられる。コストの観点からは、実装用はんだ組成物3として、Sn/Cu系鉛フリーはんだ粉末を含むはんだ組成物を使用することが好ましい。
次いで、図1(C)に示すように、端子2上にPGA用はんだ組成物4を塗布する。このPGA用はんだ組成物4としては、上述した本発明のはんだ組成物を用いる。塗布方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷法、ディスペンス塗布法などを採用できる。
次いで、導電性接続ピン5をPGA用はんだ組成物4に当接させた状態でリフローすることで、図1(D)に示すように、端子2と導電性接続ピン5とが、PGA用はんだ組成物4中のSn/Sb系鉛フリーはんだからなる導電性接続部6により接合される。同時に、実装用はんだ組成物3中のはんだ(好ましくはSn/Cu系鉛フリーはんだ)によりはんだバンプ7が形成される。この際のリフロー温度は、265℃以上280℃以下であることが好ましい。以上の工程により、図1(D)に示すPGAパッケージ用基板10が得られる。
その後、図1(E)に示すように、上記で得られたPGAパッケージ用基板10のはんだバンプ7上に、IC、LSIなどのパッケージ部品8を載置し、リフローすることで、PGAパッケージ20が得られる。この際のリフロー温度は、実装用はんだ組成物3として、鉛フリーはんだ粉末を含有するはんだ組成物を用いた場合、通常は230℃以上となる。このように高温下でパッケージ部品8を実装するためのリフロー工程を行っても、PGA用はんだ組成物4として、上述した本発明のはんだ組成物を用いることによって、ピン立て性の良好なPGAパッケージ20が得られる。
次に、本発明を実施例、比較例および参考例などによりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
ロジン系樹脂A:完全水添ロジン、商品名「フォーラルAX」、Eastman Chemical社製
ロジン系樹脂B:水添酸変性ロジン、商品名「KE−604」、荒川化学工業社製
溶剤:ヘキシルジグリコール(DEH)、日本乳化剤社製
チクソ剤:硬化ヒマシ油、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、KFトレーディング社製
活性剤A:ジカルボン酸ポリ酸無水物、20℃にて液状、商品名「IPU−22AH」、岡村製油社製
活性剤B:ジカルボン酸ポリ酸無水物、20℃にて固体、融点:75〜85℃、商品名「SL−12AH」、岡村製油社製、
活性剤C:ジカルボン酸ポリ酸無水物、20℃にて固体、融点:85〜105℃、商品名「SL−20AH」、岡村製油社製
鉛フリーはんだ粉末A:平均粒子径が42μmで、融点が243℃(固相線:243℃、液相線:263℃)で、組成が90Sn/10Sbのもの
鉛フリーはんだ粉末B:平均粒子径が34μmで、融点が243℃で、組成が90Sn/10Sbのもの
鉛フリーはんだ粉末C:平均粒子径が52μmで、融点が243℃で、組成が90Sn/10Sbのもの
鉛フリーはんだ粉末D:平均粒子径が26μmで、融点が243℃で、組成が90Sn/10Sbのもの
鉛フリーはんだ粉末E:平均粒子径が62μmで、融点が243℃で、組成が90Sn/10Sbのもの
[実施例1]
ロジン系樹脂A25質量%、ロジン系樹脂B25質量%、溶剤40質量%、チクソ剤5質量%、および活性剤A5質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合し、フラックスを調製した。
その後、得られたフラックス8質量%、および鉛フリーはんだ粉末A92質量%を容器に投入し、混練機にて2時間混合することではんだ組成物を得た。なお、得られたはんだ組成物の25℃における粘度を、粘度計(マルコム社製、「PCU−205」)にて測定したところ、150〜250Pa・sの範囲内であった。
[実施例2〜3および比較例1〜2]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。なお、得られたはんだ組成物の25℃における粘度は、それぞれ、150〜250Pa・sの範囲内であった。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(はんだのぬれ上がり試験、印刷性、ボイド)を以下のような方法で行った。得られた結果を表2に示す。なお、得られたはんだ組成物における、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径、フラックスの含有量、および、ジカルボン酸ポリ酸無水物の有無を表2に示す。
(1)はんだのぬれ上がり試験
図2に示すように、基材1と端子2とを有するガラスエポキシ基板(ランド径φ2.5mm、Ni/Auめっき処理)上に、メタルマスク(開口径φ2.5mm、マスク厚0.2mm)を用いて、はんだ組成物4を印刷する。その後、はんだ組成物4の上に、図2に示すように、ペレットP(ペレット径φ1.7mm、厚み0.5mm、Ni母材、フラッシュAuめっき処理)を載せて試料を得る。この試料に対し、下記のリフロー条件により、リフロー工程を施す。
(リフロー条件)
時間と温度との関係:図3参照
プリヒート温度:190℃
ピーク温度:270℃
酸素濃度:100ppm以下
その後、マイクロスコープ(キーエンス社製、「VHX−900」)による観察および測定を行い、下式に定めるペレットはんだぬれ面積率を算出する。そして、下式に定めるペレットはんだぬれ面積率が8.3%以下の場合には「○」と判定し、8.3%を超える場合には「×」と判定した。
ペレットはんだぬれ面積率[%]=SW/ST×100
ST:リフロー実装後ペレット上面の全面積
SW:リフロー実装後ペレット上面のはんだぬれた部分の面積
なお、本試験はピン実装を模擬した試験であり、この試験での結果とピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性との間には相関関係がある。
(2)印刷性
基板上に、メタルマスク(開口径φ1.0mm、開口数100、マスク厚0.12mm)を用いて、はんだ組成物を印刷する。そして、はんだ組成物の転写の可否、および、ばらつきの具合を確認する。
○:転写が可能で、ばらつきが小さい。
△:転写が可能で、ばらつきが中程度である。
×:転写ができず、ばらつきが大きい。
(3)ボイド
はんだのぬれ上がり試験後の基板を試料とし、X線透過装置(島津製作所社製、「SMX−160E」)による観察および測定を行い、下式に定めるボイド面積率を算出する。そして、下式に定めるボイド面積率が3%以下の場合は「○」と判定し、3%を超える場合は「×」と判定した。
ボイド面積率[%]=SP/SV×100
SP:X線透過画像によるペレット全体面積
SV:X線透過画像によるペレット中のボイド部分面積
表2に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1〜3)には、はんだのぬれ上がりが十分に少ないことや、印刷性やボイドの観点からも優れていることが確認された。したがって、本発明のはんだ組成物は、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れていることが確認された。
一方で、フラックスの含有量が7質量%の場合(比較例1)は、印刷性が不十分なために、はんだ組成物として使用できないことが確認された。また、フラックスの含有量が11質量%の場合(比較例2)は、はんだのぬれ上がりが大きく、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が不十分であることが確認された。
[実施例4〜8および比較例3〜4]
表3に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。なお、得られたはんだ組成物の25℃における粘度は、それぞれ、150〜250Pa・sの範囲内であった。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(はんだのぬれ上がり試験、印刷性、ボイド)を前記のような方法で行った。得られた結果を表4に示す。なお、得られたはんだ組成物における、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径、フラックスの含有量、ジカルボン酸ポリ酸無水物の有無、および、ジカルボン酸ポリ酸無水物の20℃での状態を表4に示す。
表4に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例4〜8)には、はんだのぬれ上がりが十分に少ないことや、印刷性やボイドの観点からも問題がないことが確認された。したがって、本発明のはんだ組成物は、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が優れていることが確認された。
なお、表2の実施例1の結果と、表4の実施例4、7および8の結果とを比較すると、実施例1の場合は印刷性がより優れることが分かった。このことから、実施例1のように、活性剤として20℃にて液状のジカルボン酸ポリ酸無水物を含有することで、はんだ組成物中のフラックスの含有量が少ない場合での印刷性を向上できることが確認された。
一方で、フラックスの含有量が7質量%の場合(比較例3)は、印刷性が不十分なために、はんだ組成物として使用できないことが確認された。また、フラックスの含有量が11質量%の場合(比較例4)は、はんだのぬれ上がりが大きく、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が不十分であることが確認された。
[実施例9〜12]
表5に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。なお、得られたはんだ組成物の25℃における粘度は、それぞれ、150〜250Pa・sの範囲内であった。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(はんだのぬれ上がり試験、印刷性、ボイド)を以下のような方法で行った。得られた結果を表6に示す。なお、得られたはんだ組成物における、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径、フラックスの含有量、および、ジカルボン酸ポリ酸無水物の有無を表6に示す。
表6に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例9〜12)には、はんだのぬれ上がりが十分に少ないことや、印刷性の観点からも問題がないことが確認された。
なお、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が、26μmの場合(実施例11)や、62μmの場合(実施例12)には、ピン立て性および印刷性の点では問題がないものの、ボイド面積率が高く、より高い信頼性が求められる場合には好ましくないことが分かった。このことから、ボイドの発生も十分に抑制するためには、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径を例えば30μm以上55μm以下の範囲内とすることが好ましいことが確認された。
[実施例13〜14、比較例5〜6および参考例1]
表7に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。なお、得られたはんだ組成物の25℃における粘度は、それぞれ、150〜250Pa・sの範囲内であった。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(はんだのぬれ上がり試験、印刷性、ボイド)を以下のような方法で行った。得られた結果を表8に示す。なお、得られたはんだ組成物における、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径、フラックスの含有量、および、ジカルボン酸ポリ酸無水物の有無を表8に示す。
表8に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例13〜14)には、はんだのぬれ上がりが十分に少ないことや、印刷性の観点からも問題がないことが確認された。
一方で、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が26μmで、フラックスの含有量が7質量%の場合(比較例5)は、印刷性が不十分なために、はんだ組成物として使用できないことが確認された。また、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が26μmで、フラックスの含有量が10質量%または11質量%の場合(参考例1、比較例6)は、はんだのぬれ上がりが大きく、ピングリッドアレイパッケージにおけるピン立て性が不十分であることが確認された。このことから、フラックスの含有量は10質量%未満であることがより好ましいことが確認された。
なお、実施例13と、実施例14とを比較すると、実施例14の場合は印刷性がより優れることが分かった。このことから、実施例14のように、フラックスの含有量は9質量%以上であることがより好ましいことが確認された。
本発明は、ピングリッドアレイパッケージ用のはんだ組成物として有用である。
1…基材
2…端子
3…実装用はんだ組成物
4…PGA用はんだ組成物
5…導電性接続ピン
6…導電性接続部
7…はんだバンプ
8…パッケージ部品
10…PGAパッケージ用基板
20…PGAパッケージ
P…ペレット

Claims (3)

  1. ピングリッドアレイパッケージ用のはんだ組成物であって、
    鉛フリーはんだ粉末と、フラックスとからなり、
    前記鉛フリーはんだ粉末は、スズ89質量%以上91質量%以下と、アンチモン9質量%以上11質量%以下とを含有し、
    前記フラックスの含有量は、はんだ組成物100質量%に対して、7.5質量%以上10.5質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が、30μm以上55μm以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物において、
    前記フラックスは、温度20℃にて液状であるジカルボン酸ポリ酸無水物を含有し、
    前記ジカルボン酸ポリ酸無水物の含有量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
JP2012139565A 2012-06-21 2012-06-21 はんだ組成物 Active JP5635561B2 (ja)

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