JP2004018867A - 塗装前処理装置及び塗装前処理方法 - Google Patents

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宮本 誠司
Hiroyuki Kishi
岸 博之
Osamu Tanaka
田中 修
Hideaki Yaegashi
八重樫 英明
Masahiro Obika
小比賀 正弘
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Abstract

【課題】鉄とアルミの複合ボディに対しても、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理装置を提供する。
【解決手段】重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、自動車ボディBが浸漬される処理槽101と、処理槽の後段に設けられ純水で洗浄するリンス槽120と、リンス槽120の後段に設けられ、自動車ボディBにアルミニウム用化成処理液を吹き付けるアルミニウム化成処理ゾーン300と、アルミニウム化成処理ゾーン300の後段に設けられ、洗浄液が満たされ自動車ボディBが浸漬されるリンス槽201とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、塗装前処理装置および塗装前処理方法に関し、たとえば鉄とアルミニウムとの複合ボディが流れる塗装前処理ラインに用いて好ましい塗装前処理装置及び塗装前処理方法に関する。
【0002】
【背景技術】
重量軽減、剛性向上あるいはリサイクル性向上などの観点から、自動車ボディにもフード、トランクリッド、ドアインナ等々、アルミニウム部品の採用が検討されている。
【0003】
こうした鉄とアルミニウムとの複合ボディに対する前処理液として、たとえば特表2001−515959号公報には、第一のステップにて鉄部品にだけ化成処理を施し、第二のステップにてアルミニウム部品に化成処理を施すことが提案されている。
【0004】
この前処理方法で使用される化成処理液には、アルミニウムのエッチングと溶出したアルミを沈殿又はマスクするために、遊離又は複合結合したフッ化物イオンが添加されているが、必要以上にアルミ面に化成被膜が発生しないように、すなわち多量のスラッジが一度に蓄積しないように、遊離フッ化物濃度が8/T(g/L,Tは処理温度℃)未満に制限されている。
【0005】
ところが、上述した特表2001−515959号公報記載の前処理方法では、化成処理液にフッ化物イオンが含まれるため、槽内にアルミのスラッジが蓄積され、これを除去及び廃棄する必要がある。また、上述したように遊離フッ化物濃度を所定値以下に管理しないとアルミ面に必要以上の化成被膜が形成されるので、フッ化物濃度の制御管理及び補充液の制御管理の作業又はシステムが必要になる。
【0006】
さらに、鋼板の化成処理工程の後にアルミの化成処理工程が設けられるので、前処理工程の全長が長くなり、スペース、処理時間及び設備費の点で不利である。
【0007】
【発明の開示】
本発明は、鉄とアルミニウムの複合ボディに対しても、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理装置及び塗装前処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第1リンス手段と、前記第1リンス手段の後段に設けられ、被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記処理槽に戻す第1の循環系と、前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第1の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手段と、前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、を備えた塗装前処理装置が提供される(請求項1参照)。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第1リンス手段と、前記第1リンス手段の後段に設けられ、前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、前記処理槽に脱脂兼化成処理液を補給する処理液補給槽と、前記処理槽及び前記第1リンス手段の液を減圧蒸留法を用いて極性有機溶剤、水及び残余の汚泥に分離するとともに、分離した極性有機溶剤を前記処理液補給槽へ供給し、分離した水を前記処理液補給槽及び前記第1リンス手段へ供給する減圧蒸留手段と、を備えた塗装前処理装置が提供される(請求項22参照)。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、外板部の少なくとも一部にアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を有する、鉄とアルミニウムとの複合自動車ボディを、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液に浸漬させて処理する第1のステップと、前記自動車ボディを洗浄液にて洗浄する第2のステップと、前記自動車ボディをアルミニウム用化成処理液にて処理する第3のステップと、前記自動車ボディを洗浄液にて洗浄する第4のステップと、を有する塗装前処理方法が提供される(請求項43参照)。
【0011】
本発明の塗装前処理装置及び塗装前処理方法では、処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液にて被塗物のうちの鉄部品の脱脂処理と化成処理を行うとともに、アルミニウム部品の脱脂処理を行う。処理槽に満たされた本発明に係る脱脂兼化成処理液は、アルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽内にアルミニウムのスラッジが蓄積することがない。
【0012】
本発明の処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液では、被塗物のうちのアルミニウム部品については脱脂処理が行われるだけで化成被膜は形成されないので、次段の第1リンス手段にて被塗物全体を洗浄する。これにより、被塗物に付着して持ち出された脱脂兼化成処理液、塵埃、化成スラッジおよび油分が次段のアルミニウム化成処理手段前で除去されるので、脱脂兼化成処理液による化成被膜の品質向上に加えて、異物の持ち込みによるアルミニウム化成処理液の不浄化を防止することができ、その結果、アルミニウム化成処理液の再生負荷が減少し再生率が向上する。
【0013】
第1リンス手段による洗浄を終えたら、次段のアルミニウム化成処理手段にてアルミニウム用化成処理液を吹き付けたり浸漬させたりする。特に、アルミニウム部品が被塗物の外板部にある場合は、スプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができる。また、アルミニウム部品が被塗物の内板部にある場合でも、浸漬処理を施すことにより、またスプレー装置による吹き付け方法を考慮することによっても充分な化成被膜を形成することができる。
【0014】
アルミニウム用化成処理液による処理を終えたら、次段の第2リンス手段にて被塗物全体を洗浄する。これにより、電着塗装などの下地としての塗装前処理が終了する。なお、電着塗装工程に送る前に被塗物を乾燥炉に搬送してもよい。
【0015】
本発明によれば、脱脂兼化成処理液にアルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽にアルミのスラッジが蓄積するのを防止することができる。これにより、アルミニウムのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミニウムのスラッジそのものが生じないので、従来の前処理方法に比べてフッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0016】
さらに、脱脂兼化成処理槽の後段にアルミニウム部品の化成処理工程を設けているが、特にスプレー処理によって化成被膜を形成する場合には、浸漬処理に比べて工程スペースや設備費用が大幅に低減できる。工程スペースが低減されることにより、処理時間が短時間になり、自動車ボディの生産性が向上する。
【0017】
これに加えて、本発明の第1の観点による塗装前処理装置では、処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第1の循環系によって吸引され処理槽へ戻されるので、処理液のクローズド化が達成でき、材料費の低減によるコストダウンを図ることができる。
【0018】
(2)上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物がアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を含まない場合には当該被塗物に洗浄液を吹き付けるとともに、前記被塗物がアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を少なくとも含む場合には前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するリンス−アルミニウム化成処理手段と、前記リンス−アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、を備えた塗装前処理装置が提供される(請求項2参照)。
【0019】
本発明の塗装前処理装置では、処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液にて被塗物のうちの鉄部品の脱脂処理と化成処理を行うとともに、アルミニウム部品の脱脂処理を行う。処理槽に満たされた本発明に係る脱脂兼化成処理液は、アルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽内にアルミニウムのスラッジが蓄積することがない。
【0020】
本発明の処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液では、被塗物のうちのアルミニウム部品については脱脂処理が行われるだけで化成被膜は形成されないが、次段のリンス−アルミニウム化成処理手段では、鉄製被塗物とアルミ製被塗物とによって処理を切り替える。
【0021】
すなわち、鉄製被塗物の場合は洗浄液にて洗浄するとともに、洗浄済みの洗浄液を洗浄液回収槽に回収する。これにより、被塗物に付着して持ち出された脱脂兼化成処理液、塵埃、化成スラッジおよび油分が洗浄液回収槽へ除去されるので、脱脂兼化成処理液による化成被膜の品質向上に加えて、アルミニウム化成処理液回収槽へ異物が持ち込まれることが防止できアルミニウム化成処理液の不浄化を防止することができる。その結果、アルミニウム化成処理液の回収負荷が減少し回収率が向上する。これに対して、アルミ製被塗物の場合はアルミニウム化成処理液で処理するとともに、洗浄済みの処理液をアルミニウム化成処理液回収槽へ回収する。これにより、アルミニウム化成処理液の回収負荷が減少し回収率が向上する。特に、アルミニウム部品が被塗物の外板部にある場合は、スプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができる。また、アルミニウム部品が被塗物の内板部にある場合でも、浸漬処理を施すことにより、またスプレー装置による吹き付け方法を考慮することによっても充分な化成被膜を形成することができる。
【0022】
リンス−アルミニウム化成処理手段による処理を終えたら、次段の第2リンス手段にて被塗物全体を洗浄する。これにより、電着塗装などの下地としての塗装前処理が終了する。なお、電着塗装工程に送る前に被塗物を乾燥炉に搬送してもよい。
【0023】
本発明によれば、脱脂兼化成処理液にアルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽にアルミのスラッジが蓄積するのを防止することができる。これにより、アルミニウムのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミニウムのスラッジそのものが生じないので、従来の前処理方法に比べてフッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0024】
さらに、脱脂兼化成処理槽の後段にアルミニウム部品の化成処理工程を設けているが、特にスプレー処理によって化成被膜を形成するので、浸漬処理に比べて工程スペースや設備費用が大幅に低減できる。工程スペースが低減されることにより、処理時間が短時間になり、自動車ボディの生産性が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の塗装前処理装置の第1実施形態を示すシステム図であり、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0026】
特に本例の塗装ラインに流れる自動車ボディBは、フード、トランクリッド、ドアなどの外板部にアルミニウム製部品が採用され、他の部品は鋼板からなる、鉄とアルミニウムの複合ボディであるが、本発明の塗装前処理装置は、全ての被塗物がこうした鉄−アルミ複合ボディに限定される必要はなく、鉄−アルミ複合ボディと鋼板製ボディとの混合ラインであってもよい。また、同じ鉄−アルミニウムの複合ボディでもアルミニウム部品の採用部位が異なる車種が混合して流れてもよい。
【0027】
同図に示すように、自動車ボディBは、ハンガHに搭載された状態で塗装搬送コンベアCによって搬送される。本実施形態では、塗装搬送ラインCに沿って3つのディッピング槽101,120,201が設けられ、図に矢印で示す搬送方向の上流側が脱脂処理及び化成処理を行うための処理槽101(以下、脱脂化成処理槽101ともいう。)、その下流が脱脂兼化成処理を終えたボディBを洗浄するリンス槽120であり、最下流がアルミ化成処理後のボディBを洗浄するためのリンス槽201である。処理槽101には脱脂兼化成処理液が満たされ、リンス槽120,201には純水が満たされている。
【0028】
本例で用いられる脱脂兼化成処理液は、脱脂処理、表面調整および化成処理といった3種類の処理を同一工程で行うことができる処理液である。こうした脱脂兼化成処理液としては、例えば、極性有機溶剤と、水と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンとを少なくとも含む処理液を用いることができる。この処理液を用いることにより、脱脂工程、表面調整工程及び化成工程をまとめて1つの工程で同時に行うことができ、大幅な処理工程の短縮、処理設備の簡略化、省スペース化、生産性の向上、薬剤コストの低減、薬剤管理の簡略化を図ることができる。
【0029】
本例の脱脂兼化成処理液をさらに詳細に説明すると、極性有機溶剤及び水の混合溶媒の重量比率は、2.8:7.2〜3.8:6.2、好ましくは3.0:7.0〜3.8:6.2、より好ましくは3.3:6.7〜3.8:6.2、より好ましくは3.3:6.7〜3.5:6.5、最も好ましくは3.5:6.5である。
【0030】
本例の極性有機溶剤としては、(−CH−CH−O−)(ただし、n=1〜4)で示されるエチレングリコールその他の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステル、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールその他の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールその他の低級アルキレングリコール、低級アルコール又はこれらのエステルを例示することができる。
【0031】
エチレングリコール系の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステルとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル等を例示することができる。
【0032】
また、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールの低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステルとしては、例えば、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びポリプロピレングリコールモノエチルエーテル等を例示することができる。
【0033】
また、低級アルコールとしては、炭素数1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4のアルコールを例示することができる。具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、第3ブチルアルコール、メトキシジメチルペンタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール、及び2−エトキシメタノール等のグリコールエーテル等を例示することができる。
【0034】
エステル類としては、例えば、乳酸エチル、酢酸メトキシブチル及び乳酸ブチル等を例示することができる。
【0035】
上述の極性有機溶媒のうち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種類以上のグリコール系化合物、又はこれらのグリコール系化合物と低級アルコールとの混合溶媒を採用することが最も好ましい。
【0036】
そして、これらグリコール系化合物におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。また低級アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコールであることが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルコール、最も好ましくは炭素数1〜4のアルコールである。
【0037】
本例の脱脂兼化成処理液は、上記極性有機溶剤及び水の混合溶媒に、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含む。
【0038】
リン酸イオンは、混合溶媒100重量部に対して0.2〜0.5重量部含まれることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このリン酸イオンの供給源は特に限定されることはなく、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、五酸化リン等を例示することができる。また、脱脂兼化成処理液に含まれる金属イオン(ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン)に対するアニオンとして供給することも可能である。
【0039】
亜鉛イオンは、リン酸イオンとともにリン酸亜鉛化成皮膜を形成する機能を有する。亜鉛イオンは、混合溶媒100重量部に対して0.5〜0.7重量部含まれることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。この亜鉛イオンの供給源は、例えば酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛等の無機酸塩等を例示することができる。
【0040】
ニッケルイオンは、未塗装の被塗物の耐食性を向上させる機能を有する。ニッケルイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.09〜0.23重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このニッケルイオンの供給源は、例えば、硝酸ニッケル、リン酸ニッケルといった無機酸塩等を例示することができる。
【0041】
マンガンイオンは、金属亜鉛を含む被塗物の湿潤塗装密着性を向上させる機能を有する。マンガンイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.03〜0.16重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このマンガンイオンの供給源は硝酸マンガン、リン酸マンガン等の無機酸塩等を例示することができる。
【0042】
硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンは、混合溶媒100重量部に対して3.5〜10.8重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。
【0043】
ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.8〜3.3重量部含まれることが好ましい。ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンは、脱脂兼化成処理液の水と相俟って被塗物の表面に形成されるリン酸亜鉛被膜の結晶を緻密にする機能を有する。このナトリウムイオン供給源としては硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウムを例示することができる。さらに、硝酸ナトリウムの一部又は全部を亜硝酸ナトリウムで置換することもできる。亜硝酸イオンの働きにより酸のエッチング力がさらに高められ、化成反応の促進が期待できる。
【0044】
また、ナトリウムイオンは、1価のアルカリ金属として共通するリチウムイオンに置換することもできる。具体的には、ナトリウムイオンとリチウムイオンの全体量のうち50%〜98%、好ましくは60%〜90%、さらに好ましくは70%〜80%をリチウムイオンに置換する。脱脂兼化成処理液にリチウムイオンを含ませることにより、リン酸亜鉛皮膜の結晶が更に緻密になり、塗装密着性が更に向上する。リチウムイオンの供給源は硝酸リチウム、リン酸リチウム、亜硝酸リチウム等の無機酸塩を例示することができる。
【0045】
ちなみに、脱脂兼化成処理液は、温度が40℃〜60℃の条件で、3分〜10分間処理することが好ましい。
【0046】
以上の配合を有する脱脂兼化成処理液を用いることで、脱脂兼化成処理液中に多量の油が混入しても、また脱脂兼化成処理液の攪拌状態が不良であっても、耐食性、塗膜密着性に優れたリン酸亜鉛化成皮膜を形成することができる。
【0047】
図1に戻り、処理槽101内の脱脂兼化成処理液は、配管105及びポンプ106によって吸引され、処理液補給タンク109を介して、配管111およびポンプ110によって処理槽101へ戻される。この配管105の途中に、塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104が設けられ、これら塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104を通過することで、鉄粉などの塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された極性有機溶剤と水とを含む処理液は、処理液補給タンク109に一時的に貯留される。そして、この処理液補給タンク109に、新規な脱脂兼化成処理液が収容された処理液タンク107からポンプ108によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整され、この調整された脱脂兼化成処理液が、既述した配管111およびポンプ110によって脱脂化成処理槽101に戻される。なお、脱脂化成処理槽101内の処理液が、脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101と循環する循環系が、請求項1記載の第1の循環系に相当する。
【0048】
塵埃除去装置102は、処理槽101内の処理液に含まれた鉄粉等のゴミブツを除去するもので、除去されたゴミブツは廃棄され、ゴミブツが除去された処理液は次の化成スラッジ除去装置103に送られる。本例の塵埃除去装置102として用いることのできる具体的装置として、セットリングタンク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータを挙げることができる。
【0049】
塵埃除去装置102の一例としてのセットリングタンク102Aは、図6に示すように、タンク102A1内に流路102A2を蛇行させる仕切り板102A3が設けられたものであり、入口102A4から入った処理液は、仕切板102A3によりタンク内部を蛇行し、出口102A5に至ることになる。このとき、処理液の上昇流速を鉄粉等のゴミブツの沈降速度よりも抑えることで、タンク102A1の底面に鉄粉等のゴミブツを堆積させ、処理液のクリーン化を図ることができる。なお、セットリングタンク102Aは簡易な装置として廉価であり、処理液中に浮遊する軽いゴミ以外の比較的重いゴミに対して効果的である。
【0050】
塵埃除去装置102の他例としての遠心式セパレータ102Bは、図7に示すように、入口から入った処理液と鉄粉等のゴミブツを、接線方向に設けられたスリット状の特殊回転機構102B2を通過させることにより加速させ、液体より重い固形物(ゴミブツ)を遠心力により内壁に沿って下部のコレクションチャンバー102B3に分離し、固形分出口102B4から排出する一方で、処理液を内側管102B5から上昇せしめて処理液出口102B6から排出する。これにより、処理液のクリーン化を図る装置である。
【0051】
塵埃除去装置102の他例としてのマグネット式セパレータ102Cは、図8に示すように、磁石が内蔵されたドラム102C1を図の矢印方向に回転させながら、入口102C2から処理液を導入し、この処理液がドラム102C1に接する流路102C3を通過する際に、鉄分のような磁性のあるゴミブツを除去する装置である。ドラム102C1に磁力によって付着したゴミブツはスクレーパ102C4により掻き取られる一方で、ゴミブツが除去された処理液は出口102C5から排出される。
【0052】
これらセットリングタンク102A、遠心式セパレータ102B、マグネット式セパレータ102Cは、単独でも複合でも用いることができ、特に、セットリングタンク102Aとマグネット式セパレータ102Cとを組み合わせた塵埃除去装置102は、ゴミブツの除去率が高く、最も好ましい。
【0053】
ただし、本例に係る塵埃除去装置102は、上述した3形態にのみ限定される趣旨ではなく、その他の形態のものも含まれる。また、本例の塵埃除去装置102は配管105に設けたが、処理槽101そのものの内部又は外部に設けることもできる。
【0054】
化成スラッジ除去装置103は、上述した塵埃除去装置102を通過した処理液に含まれる化成スラッジを除去するもので、除去された化成スラッジは廃棄され、化成スラッジが除去された処理液は、次の油分除去装置104へ送られる。この化成スラッジ除去装置103としては、処理槽101中の処理液のスラッジ濃度が、150ppm以内に抑制され、処理液を汚染することのないようなフィルターであれば、特に限定されず用いることができる。
【0055】
油分除去装置104は、上述した化成スラッジ除去装置103を通過した処理液に含まれる油分を除去するもので、除去された油分は廃棄され、油分が除去された処理液は、処理液補給タンク109へ送られる。本例にて用いることができる油分除去装置104としては、加温式油分除去装置、コアレッサー式油分除去装置、限外濾過式油分除去装置を挙げることができる。
【0056】
このうちの加温式油分除去装置は、ノニオン系界面活性剤が脱脂成分として含有されている水溶液に適用して好ましいもので、これを特定温度以上に加熱すると、それ自身が水に不溶化し、非イオン性界面活性剤からなる油相と水相との2相に油水分離するといった、ノニオン系界面活性剤の特徴を利用した油分除去装置である。
【0057】
また、コアレッサー式油分除去装置は、水溶液中に数μmの大きさで分散している油滴をフィルターを通過させることにより水−油のエマルションを破壊することで、油滴を拡大成長させ、浮上回収することが可能な油分除去装置である。
【0058】
限外濾過式油分除去装置は、限外濾過、即ち、0.01〜0.001μm程度のメッシュからなるフィルターを用い、0.5〜5×10−5Pa程度の低圧力にて加圧もしくは吸引濾過することで、コロイド粒子を溶媒から分離する濾過方法を用いた油分除去装置である。
【0059】
これらの加温式油分除去装置、コアレッサー式油分除去装置、限外濾過式油分除去装置は、要求される油水分離度合いにより選択し、単独でも複合でも用いることができる。
【0060】
図1に示すように、油分除去装置104の下流側の配管105には処理液補給槽109が設けられ、また油分除去装置104の下流側の配管114には水−極性有機溶剤分離装置112およびイオン除去装置113が設けられている。
【0061】
処理液補給槽109は、塵埃除去装置102、化成スラッジ除去装置103および油分除去装置104を通過してゴミブツ、化成スラッジおよび油分が除去された脱脂化成処理液の一部が一時的に貯留されるもので、これ以外にも、後述する水−極性有機溶剤分離装置112によって水分が除去された極性有機溶剤と、イオン除去装置113によってイオン成分が除去された水が供給される。そして、新規な脱脂兼化成処理液が収容された処理液タンク107からポンプ108によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整されて、脱脂化成処理槽101に戻される。
【0062】
水−極性有機溶剤分離装置112は、油分除去装置104を通過した処理液の一部から水成分と極性有機溶剤成分とを分離するもので、分離された水成分は配管114を介してイオン除去装置113へ供給され、分離された極性有機溶剤成分は配管115を介して処理液補給槽109へ供給される。
【0063】
本例にて使用される脱脂兼化成処理液に含まれる極性有機溶媒としては、上述したようにアルコール、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテル系であり、本例の水−極性有機溶剤分離装置112としては、これらの極性有機溶媒と水とを効率よく、且つ安価で分離できる方法を用いることが望ましい。こうした分離方法としては、パーベーパレーションと呼ばれる分離方法を挙げることができる。これは、図9に示すように選択透過性を有する分離膜1121(非多孔膜:1nm以下の孔を有する膜)の一方側(供給側)1122に、分離すべき極性有機溶媒と水との混合液をそのまま供給し、分離膜1121の他方側(透過側)1123を真空又は減圧状態にする。そして、供給側1122と透過側1123の圧力差を駆動力として、高圧側(供給側)1122から低圧側(透過側)1123に混合液を移動させる際、物質種類毎に拡散速度が著しく異なる選択透過性を有する分離膜1121を介在させることで、極性有機溶媒と水を分離させる。
【0064】
上述した分離膜1121としては、「支持膜上にマイレン酸で架橋したPVA膜をのせた複合膜(特開昭59−109204号公報)」、「K塩で処理した、カルボキシメチルセルロース80%とポリアクリレート20%の混合膜(J.Memb.Sci.,32,207(1987)」、「PNA支持膜上に架橋したPVA膜上載せた複合膜(J.Memb.Sci.,36,463(1988)」、「キトサン誘導体の中空糸膜(日化年会(1989))」、「アルギン酸コバルト膜(特開昭61−404号公報)」、「キトサン硫酸塩膜(国際膜学会(1987))」、「PNA基膜表面を加水分解したポリアクリル酸とアイオネン型ポリカチオンとのポリイオンコンプレックス複合膜(特開平1−224003号公報)」などが挙げられる。
【0065】
イオン除去装置113は、水−極性有機溶剤分離装置112から配管114を介して供給された水成分からイオン成分を除去するもので、除去されたイオン成分は廃棄され、残りの水は配管116を介して処理液補給槽109へ供給されるとともに配管114を介してリンス槽120へ供給される。
【0066】
本例で用いられるイオン除去装置113は、特殊なものではなく、図10に示すように、脱脂兼化成処理液中に含まれるカチオン成分、例えば亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオンを除去できるキレート樹脂型陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔1131と、脱脂兼化成処理液中に含まれるアニオン成分、例えばリン酸根、硝酸根等を除去できるスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔1132を備え、更に水の純水度を高めるために通常使用されている純水製造装置であるH型の強酸性陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔1133と、脱炭酸塔1134と、OH型のスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔1135とからなるイオン除去装置を備えた純水製造装置である。
【0067】
本例の塗装前処理装置は、以下の5つの循環系を備えている。図1に示すように、まず第1の循環系は、脱脂化成処理槽101内の処理液が、脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101と循環する循環系である。
【0068】
第2の循環系は、脱脂化成処理槽101内の処理液が、脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→水−極性有機溶剤分離装置112→イオン除去装置113→リンス槽120と循環する循環系である。
【0069】
第3の循環系は、リンス槽120内の液を配管121及びポンプ122によって塵埃除去装置102に導き、以後、当該塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104と循環する循環系である。
【0070】
また、これに加えて以下の循環系が構成されている。
第4の循環系としては、上述した第1の循環系、すなわち脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101の閉回路に、水−極性有機溶剤分離装置112を付加し、この水−極性有機溶剤分離装置112によって分離された極性有機溶剤を処理液補給槽109へ供給する循環系である。
【0071】
第5の循環系としては、上述した第2の循環系、すなわち脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→水−極性有機溶剤分離装置112→イオン除去装置113→リンス槽120の閉回路に、処理液補給槽109を付加し、イオン除去装置113によってイオンが除去された純水の一部を処理液補給槽109へ供給する循環系である。
【0072】
第6の循環系としては、上述した第3の循環系、すなわちリンス槽120及び脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101の閉回路に、水−極性有機溶剤分離装置112を付加し、この水−極性有機溶剤分離装置112によって分離された極性有機溶剤を処理液補給槽109へ供給する循環系である。
【0073】
第7の循環系としては、上述した第6の循環系、すなわちリンス槽120及び脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→水−極性有機溶剤分離装置112→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101の閉回路に、イオン除去装置113を付加し、水−極性有機溶剤分離装置112によって分離された水分からイオンを除去し、イオンが除去された水をリンス槽120へ供給する循環系である。
【0074】
また、第8の循環系としては、上述した第6の循環系、すなわちリンス槽120及び脱脂化成処理槽101→塵埃除去装置102→化成スラッジ除去装置103→油分除去装置104→水−極性有機溶剤分離装置112→処理液補給槽109→脱脂化成処理槽101の閉回路に、イオン除去装置113を付加し、水−極性有機溶剤分離装置112によって分離された水分からイオンを除去し、イオンが除去された水を処理液補給槽109へ供給する循環系である。
【0075】
このように、本実施形態の前処理装置は、大きく分類すると第1乃至第3の3つの循環系、さらに細かく分類すると8つの循環系を有するので、脱脂化成処理槽101の処理液組成を安定させ、連続処理においても品質ばらつきがなく良好な化成処理皮膜の生成を可能にする。
【0076】
また、第3の循環系を有することで、リンス槽120の洗浄水の電気伝導度を20μS/cm以下の範囲に保ち、油分、処理液、鉄等のゴミブツが処理物の表面に付着することが防止でき、しかも次工程への持ち出しを極力減らすことができる。
【0077】
図1に戻り、同図に示す処理槽101とリンス槽201との間には、自動車ボディBにアルミニウム用化成処理液を吹き付けるためのアルミ化成処理ゾーン300が設けられている。このアルミ化成処理ゾーン300は、吹き付けたアルミニウム用化成処理液が前段のリンス槽120及び後段のリンス槽201に極力流入しないように、ブースの床面がその中央で最下面となるように傾斜している。
【0078】
また、このアルミ化成処理ゾーン300を通過する自動車ボディBにアルミニウム用化成処理液を吹き付けるためのノズル304が配管302に取り付けられており、アルミニウム用化成処理液が収容されたアルミニウム化成処理液補給タンク301からポンプ303によって当該化成処理液が供給される。図1に示す例では、自動車ボディBに対して、アルミニウム部品であるフード、トランクリッド及びドアにアルミニウム化成処理液を吹き付ける複数のノズル304が、ブースの天井面と側面とのそれぞれに設けられている。
【0079】
また、ブースの床面で集約されたアルミニウム用化成処理液は、回収槽307に回収され、配管308及びポンプ309によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に戻される。なお、回収槽307に接続された配管308には、回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれる塵埃を除去するための塵埃除去装置310、アルミニウムおよび鉄(前段の処理槽101の処理にて生じたもの)の化成スラッジを除去するための化成スラッジ除去装置311及び油分を除去するための油分除去装置312が設けられている。これら塵埃除去装置310、化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312は、それぞれ上述した塵埃除去装置102、化成スラッジ除去装置103および油分除去装置104で例示した具体例を用いることができる。
【0080】
本例で用いられるアルミニウム用化成処理液としては、特に限定されることはなく、たとえばヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートなどを例示することができる。こうした新規なアルミニウム化成処理液は、アルミニウム化成処理液タンク305に収容され、ポンプ306によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に供給され、これによりノズル304から自動車ボディBに吹き付けられるアルミニウム化成処理液が調整される。
【0081】
ちなみに、アルミニウム用化成処理液は、pHが2.5〜10、温度が20℃〜70℃の条件で、20秒〜100秒間処理することが好ましい。
【0082】
アルミ化成処理ゾーン300の後段にはリンス槽201が設けられ、処理槽101およびアルミ化成処理ゾーン300にて化成皮膜が形成された自動車ボディBを純水にて洗浄する。本例では自動車ボディBをリンス槽201に浸漬させることにより自動車ボディBの外板および内板を洗浄するが、ディッピング処理以外のスプレー処理によっても実現することができる。
【0083】
なお、リンス槽201内の純水には自動車ボディBに付着した塵埃や化成スラッジ、油分が混入することから、配管202およびポンプ203にて吸引し、前段のアルミ化成処理ゾーン300の塵埃除去装置310に供給することで、これら塵埃、化成スラッジおよび油分を除去したのち、アルミニウム化成処理液の純水として再利用する。このとき、配管202およびポンプ203で吸引したリンス槽201内の洗浄液をアルミ化成処理ゾーン307の回収槽307に供給しても良い。また、図示は省略したが、新規な純水は別途設けられた純水供給装置からリンス槽201内に供給される。
【0084】
次に作用を説明する。
車体工程で溶接組立を終了したホワイトボディBは、塗装ハンガHに搭載された状態でオーバーヘッドコンベアCにより搬送され、最初に処理槽101に浸漬される。この処理槽101に浸漬されることにより、脱脂兼化成処理液の洗浄及び脱脂効果によって自動車ボディBに付着した鉄粉などのゴミブツや油分が処理槽101内に除去される。さらに、油分が除去された自動車ボディBのうち鋼板製部品については脱脂兼化成処理液と鉄との反応が生じ、ここにリン酸亜鉛の化成被膜が形成される。
【0085】
ただし、自動車ボディBのうちアルミニウム製部品については除塵及び脱脂が行われるだけで、脱脂兼化成処理液とは反応せず、化成被膜は形成されない。すなわち、本例の脱脂兼化成処理液にはアルミニウムをエッチングするフッ化物が含まれていないので、処理槽101にはアルミニウムの化成スラッジは蓄積されず、既述した従来の特表2001−515959号公報に開示された前処理方法に比べて、アルミのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミのスラッジそのものが生じないので、当該従来の前処理方法に比べて、フッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0086】
なお、処理槽101内の脱脂兼化成処理液はポンプ106によって配管105に吸引され、塵埃除去装置102を通過することにより処理液に含まれた鉄粉などのゴミブツが除去され、化成スラッジ除去装置103を通過することにより処理液に含まれた鉄の化成スラッジが除去され、さらに油分除去装置104を通過することにより処理液に含まれたプレス油などの油分が除去される。
【0087】
こうして塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された脱脂兼化成処理液は、処理液補給タンク109に送られ、ここでフレッシュな脱脂兼化成処理液が処理液タンク107からポンプ108によって補給され、適切に調整されたのち配管111およびポンプ110によって処理槽101に戻される。このように処理槽101の脱脂兼化成処理液は配管105,111によって閉回路とされているので、材料費の低減によるコストダウンと、廃水処理工程の負担軽減とを図ることができる。また、脱脂兼化成処理液を用いることで前処理条件の管理工数を削減することができる。さらに、この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削減することができ、洗浄液の使用量が減少することにより廃水処理工程の負担が軽減される。
【0088】
処理槽101を通過した自動車ボディBは、リンス槽120に浸漬されることにより純水にて洗浄される。これにより、ボディBに付着して持ち出された脱脂兼化成処理液、塵埃、化成スラッジおよび油分が次段のアルミ化成処理ゾーン300前で除去されるので、脱脂兼化成処理液による化成被膜の品質向上に加えて、異物の持ち込みによるアルミニウム化成処理液の不浄化を防止することができ、その結果、アルミニウム化成処理液の再生負荷が減少し再生率が向上する。
【0089】
リンス槽120を通過した自動車ボディBは、アルミ化成処理ゾーン300に送られ、ノズル304からアルミニウム用化成処理液が吹き付けられる。アルミニウム用化成処理液補給タンク301内の処理液はポンプ303によって吸引され、配管302を介してノズル304から自動車ボディBの主としてアルミニウム製部品に吹き付けられる。また、自動車ボディBに吹き付けられたアルミニウム用化成処理液は、ブースの床面で集約されて回収槽307に回収され、ここからポンプ309によって吸引される。そして、塵埃除去装置310,化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312を通過することによりアルミニウム処理液に含まれた塵埃、アルミニウムや鉄の化成スラッジ、油分が除去されたのち、配管308を介してアルミニウム化成処理液補給タンク301に戻される。
【0090】
このアルミ化成処理ゾーン300の処理によって、フード、トランクリッド及びドアなど外板部品として採用されたアルミニウム製部品の化成被膜処理を行うことができる。特に、これらアルミニウム製部品が自動車ボディBの外板部品に使用されていると、本例のようなスプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができ、その結果、アルミニウムの化成処理工程の長さを最小限に留めることができる。
【0091】
最後に、アルミ化成処理ゾーン300を通過した自動車ボディBは、リンス槽201に浸漬され、自動車ボディBに付着した処理液を洗浄する。こののち、自動車ボディを乾燥炉に搬送して乾燥させ、下地塗装である電着塗装工程に送る。このとき、リンス槽201内の洗浄液は配管202およびポンプ203によって配管308の塵埃除去装置310の上流に導かれ、塵埃除去装置310,化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312を通過したのち、アルミニウム化成処理液補給槽301に供給される。これにより、リンス槽201内の純水を有効活用することができる。
【0092】
第2実施形態
図2は、本発明の塗装前処理装置の第2実施形態を示すシステム図であり、第1実施形態と同様に、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0093】
本実施形態では、上述した第1実施形態の塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103,油分除去装置104,水−極性有機溶剤分離装置112及びイオン除去装置113に代えて、減圧蒸留装置130が設けられている。
【0094】
脱脂化成処理槽101内の処理液及びリンス槽120内の液は、ポンプ106及びポンプ122によりそれぞれ吸引されて、減圧蒸留装置130に供給され、ここで極性有機溶剤と水とその他の物質とが分離される。減圧蒸留装置130で分離された極性有機溶剤は、配管131を介して処理液補給槽109へ供給されるとともに、同じく減圧蒸留装置130で分離された水の一部は配管131を介して処理液補給槽109へ供給され、残りの水は配管132を介してリンス槽120へ供給される。
【0095】
減圧蒸留装置130で分離された極性有機溶剤及び水以外の物質とは、鉄粉などのゴミブツ、化成スラッジ及び油分であり、これらの汚泥は減圧蒸留装置130から廃棄される。
【0096】
図11に減圧蒸留装置130の概念図を示す。減圧蒸留とは、たとえば数十〜10−2Torr程度の低圧にし、沸点を下げて蒸留する方法である。本例では、処理液から極性有機溶剤及び水を別々に分離したいので、同図に示すように2機の減圧蒸留装置1301,1302を設けている。何れも同じ構造であり、処理液が供給される装置本体1303を有し、この装置本体1303内は真空ポンプ1304によって減圧される。また、装置本体1303内を所定の温度まで昇温するための加熱器1305が設けられており、これにより装置本体1303内に導入された処理液が減圧状態下で加熱され、その加熱温度を目的とする物質の沸点に設定することで、その目的物質のみが蒸発して蒸発管1306に導かれ、冷却器1307によって液化する。
【0097】
上述したように、本例では、処理液から極性有機溶剤及び水を別々に分離したいので、同図に示す初段の減圧蒸留装置1301にて極性有機溶剤のみを分離し、これを図2に示す処理液補給槽109へ供給する。また、次段の減圧蒸留装置1302では、前段の減圧蒸留装置1301で残った処理液から水分のみを分離し、これを図2に示す処理液補給槽109とリンス槽120に供給する。そして、減圧蒸留装置1302に残ったゴミブツ、化成スラッジ及び油分などの汚泥はここで廃棄する。
【0098】
なお、減圧状態では沸点が低くなるので加熱器1305に供給する熱エネルギーは常圧蒸留に比べて少なくなる。特に、加熱器1305のエネルギーとして、塗装乾燥炉からの廃熱を用いることが望ましい。
【0099】
本実施形態の前処理装置によれば、減圧蒸留装置130のみによって、処理槽101とリンス槽120の液を回収再生することができ、第1実施形態に比べてシステム全体を簡素化、低コスト化することができる。
【0100】
第3実施形態
図3は、本発明の塗装前処理装置の第3実施形態を示すシステム図であり、第1実施形態と同様に、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0101】
本実施形態では、上述した第1実施形態のリンス槽120によるディッピング処理に代えて、スプレー装置による洗浄処理を行うこととしている。
【0102】
すなわち、処理槽101の次段にはリンスゾーン140が設けられ、吹き付けた純水が前段の処理槽101及び後段のアルミ化成処理ゾーン300に極力流入しないように、ブースの床面がその中央で最下面となるように傾斜している。
【0103】
また、このリンスゾーン140を通過する自動車ボディBに純水を吹き付けるためのノズル141が配管114に取り付けられており、この純水はイオン除去装置113で得られたものが用いられる。図3に示す例では、自動車ボディBの全体に対して純水を吹き付ける複数のノズル141が、ブースの天井面と側面とのそれぞれに設けられている。
【0104】
また、ブースの床面で集約された洗浄済みの純水は、洗浄液回収槽142に回収され、配管143及びポンプ144によって第1の循環系の最上流である塵埃除去装置102に戻される。
【0105】
第4実施形態
図4は、本発明の塗装前処理装置の第4実施形態を示すシステム図であり、第1実施形態と同様に、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0106】
本実施形態では、上述した第2実施形態のリンス槽120によるディッピング処理に代えて、スプレー装置による洗浄処理を行うこととしている。
【0107】
すなわち、処理槽101の次段にはリンスゾーン140が設けられ、吹き付けた純水が前段の処理槽101及び後段のアルミ化成処理ゾーン300に極力流入しないように、ブースの床面がその中央で最下面となるように傾斜している。
【0108】
また、このリンスゾーン140を通過する自動車ボディBに純水を吹き付けるためのノズル141が配管132に取り付けられており、この純水は減圧蒸留装置130で得られたものが用いられる。図3に示す例では、自動車ボディBの全体に対して純水を吹き付ける複数のノズル141が、ブースの天井面と側面とのそれぞれに設けられている。
【0109】
また、ブースの床面で集約された洗浄済みの純水は、洗浄液回収槽142に回収され、配管143及びポンプ144によって減圧蒸留装置130に戻される。
【0110】
第5実施形態
図5は、本発明の塗装前処理装置の第5実施形態を示すシステム図であり、第1乃至4実施形態と同様に、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0111】
本実施形態では、上述した第1乃至4実施形態のリンス槽120又はリンスゾーン140によるリンス処理をアルミニウム化成処理ゾーン300で行うこととしている。
【0112】
同図に示すように、自動車ボディBは、ハンガHに搭載された状態で塗装搬送コンベアCによって搬送される。本実施形態では、塗装搬送ラインCに沿って2つのディッピング槽101,201が設けられ、図に矢印で示す搬送方向の上流側が脱脂処理及び化成処理を行うための処理槽101(以下、脱脂化成処理槽101ともいう。)であり、下流側が処理後のボディBを洗浄するためのリンス槽201である。処理槽101には上述した第1乃至4実施形態と同じ脱脂兼化成処理液が満たされ、リンス槽201には純水が満たされている。
【0113】
処理槽101内の脱脂兼化成処理液は、配管105及びポンプ106によって吸引され、処理液補給タンク109を介して、配管111およびポンプ110によって処理槽101へ戻される。この配管105の途中に、上述した第1乃至4実施形態と同じ塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104が設けられ、これら塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104を通過することで、鉄粉などの塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された極性有機溶剤と水とを含む処理液は、処理液補給タンク109に一時的に貯留される。そして、この処理液補給タンク109に、新規な脱脂兼化成処理液が収容された処理液タンク107からポンプ108によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整され、この調整された脱脂兼化成処理液が、既述した配管111およびポンプ110によって脱脂化成処理槽101に戻される。
【0114】
図5に示す処理槽101とリンス槽201との間には、自動車ボディBに純水とアルミニウム用化成処理液とを選択的に吹き付けるためのリンス−アルミ化成処理ゾーン400が設けられている。このリンス−アルミ化成処理ゾーン400は、吹き付けた純水およびアルミニウム用化成処理液が前段の処理槽101及び後段のリンス槽201に極力流入しないように、ブースの床面がその中央で最下面となるように傾斜している。
【0115】
また、このリンス−アルミ化成処理ゾーン400を通過する自動車ボディBに純水又はアルミニウム用化成処理液を吹き付けるためのノズル401が配管402に取り付けられており、純水が収容された洗浄液補給タンク403およびアルミニウム用化成処理液が収容されたアルミニウム化成処理液補給タンク405からポンプ404,406によって当該純水又は化成処理液が供給される。ここで、洗浄液補給タンク403からの純水と、アルミニウム化成処理液補給タンク405からのアルミニウム化成処理液のノズル401への供給を切り替えるために配管402の途中に三方弁407が設けられており、ポンプ404,406とともにこの三方弁の動作も後述する制御装置502からの指令信号により実行される。
【0116】
また、ブースの床面で集約された洗浄済みの純水又は処理済みのアルミニウム用化成処理液は、配管408,409,410を介して分別して洗浄液回収槽412,アルミニウム化成処理液回収槽418にそれぞれ回収される。このために、配管408には回収先を切り替えるための三方弁411が設けられている。この三方弁411の動作も後述する制御装置502からの指令信号により実行される。
【0117】
配管408,409を介して洗浄液回収槽412に回収された洗浄済みの純水は、配管414及びポンプ413によって洗浄液補給タンク403に戻される。なお、洗浄液回収槽412に接続された配管414には、回収された洗浄済みの純水に含まれた塵埃を除去するための塵埃除去装置415、アルミニウムおよび鉄(前段の処理槽101の処理にて生じたもの)の化成スラッジを除去するための化成スラッジ除去装置416及び油分を除去するための油分除去装置417が設けられている。
【0118】
一方、配管408,410を介してアルミニウム化成処理液回収槽418に回収された処理済みのアルミニウム用化成処理液は、配管420及びポンプ419によってアルミニウム化成処理液補給タンク405に戻される。なお、アルミニウム化成処理液回収槽418に接続された配管420には、回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれる塵埃を除去するための塵埃除去装置421、アルミニウムおよび鉄(前段の処理槽101の処理にて生じたもの)の化成スラッジを除去するための化成スラッジ除去装置422及び油分を除去するための油分除去装置423が設けられている。
【0119】
これら塵埃除去装置415,421、化成スラッジ除去装置416,422および油分除去装置417,423は、それぞれ上述した塵埃除去装置102、化成スラッジ除去装置103および油分除去装置104で例示した具体例を用いることができる。
【0120】
本例で用いられるアルミニウム用化成処理液としては、特に限定されることはなく、たとえばヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートなどを例示することができる。こうした新規なアルミニウム化成処理液は、アルミニウム化成処理液タンク424に収容され、ポンプ425によってアルミニウム化成処理液補給タンク405に供給され、これによりノズル401から自動車ボディBに吹き付けられるアルミニウム化成処理液が調整される。
【0121】
ちなみに、アルミニウム用化成処理液は、pHが2.5〜10、温度が20℃〜70℃の条件で、20秒〜100秒間処理することが好ましい。
【0122】
アルミ化成処理ゾーン300の後段にはリンス槽201が設けられ、処理槽101およびアルミ化成処理ゾーン300にて化成皮膜が形成された自動車ボディBを純水にて洗浄する。本例では自動車ボディBをリンス槽201に浸漬させることにより自動車ボディBの外板および内板を洗浄するが、ディッピング処理以外のスプレー処理によっても実現することができる。
【0123】
なお、リンス槽201内の純水には自動車ボディBに付着した塵埃や化成スラッジ、油分が混入することから、配管202およびポンプ203にて吸引し、前段のリンス−アルミ化成処理ゾーン400の洗浄液回収槽412(又は塵埃除去装置415)に供給することで、これら塵埃、化成スラッジおよび油分を除去したのち、洗浄用の純水として再利用する。また、図示は省略したが、新規な純水は別途設けられた純水供給装置からリンス槽201内に供給される。
【0124】
本例では、ポンプ404,406の作動および停止並びに三方弁407,411の操作は、車種検出装置501により検出された車種仕様に基づいて、制御装置502からの指令信号より実行される。車種検出装置501は、たとえば処理槽101への入槽前の工程に設けられ、自動車ボディB毎に記憶され、搭載された仕様記憶媒体から車種に関する仕様を読み出す。ここでは、その自動車ボディBが、鉄製自動車ボディか、アルミ製自動車ボディ又は複合自動車ボディかを少なくとも検出し、これを制御装置502へ送出する。ここでの制御の詳細は後述する。
【0125】
次に作用を説明する。
車体工程で溶接組立を終了したホワイトボディBは、塗装ハンガHに搭載された状態でオーバーヘッドコンベアCにより搬送され、最初に処理槽101に浸漬される。この処理槽101に浸漬されることにより、脱脂兼化成処理液の洗浄及び脱脂効果によって自動車ボディBに付着した鉄粉などのゴミブツや油分が処理槽101内に除去される。さらに、油分が除去された自動車ボディBのうち鋼板製部品については脱脂兼化成処理液と鉄との反応が生じ、ここにリン酸亜鉛の化成被膜が形成される。
【0126】
ただし、自動車ボディBのうちアルミニウム製部品については除塵及び脱脂が行われるだけで、脱脂兼化成処理液とは反応せず、化成被膜は形成されない。すなわち、本例の脱脂兼化成処理液にはアルミニウムをエッチングするフッ化物が含まれていないので、処理槽101にはアルミニウムの化成スラッジは蓄積されず、既述した従来の特表2001−515959号公報に開示された前処理方法に比べて、アルミのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミのスラッジそのものが生じないので、当該従来の前処理方法に比べて、フッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0127】
なお、処理槽101内の脱脂兼化成処理液はポンプ106によって配管105に吸引され、塵埃除去装置102を通過することにより処理液に含まれた鉄粉などのゴミブツが除去され、化成スラッジ除去装置103を通過することにより処理液に含まれた鉄の化成スラッジが除去され、さらに油分除去装置104を通過することにより処理液に含まれたプレス油などの油分が除去される。
【0128】
こうして塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された脱脂兼化成処理液は、処理液補給タンク109に送られ、ここでフレッシュな脱脂兼化成処理液が処理液タンク107からポンプ108によって補給され、適切に調整されたのち配管111およびポンプ110によって処理槽101に戻される。このように処理槽101の脱脂兼化成処理液は配管105,111によって閉回路とされているので、材料費の低減によるコストダウンと、廃水処理工程の負担軽減とを図ることができる。また、脱脂兼化成処理液を用いることで前処理条件の管理工数を削減することができる。さらに、この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削減することができ、洗浄液の使用量が減少することにより廃水処理工程の負担が軽減される。
【0129】
処理槽101を通過した自動車ボディBは、リンス−アルミ化成処理ゾーン400に送られ、ノズル401から純水又はアルミニウム用化成処理液の何れか一方が吹き付けられる。すなわち、車種検出装置501にて検出されたボディBの材質仕様が鉄製自動車ボディである場合はアルミニウム用化成処理は不要であることから、リンス−アルミ化成処理ゾーン400をリンスゾーンとして使用する。このため、制御装置502からポンプ404に作動指令を送出するとともにポンプ406に停止指令を送出する。また、三方弁407を洗浄液補給タンク403側に切り替えるとともに、三方弁411を洗浄液回収槽412側に切り替える。
【0130】
これにより、洗浄液補給タンク403内の純水はポンプ404によって吸引され、配管402を介してノズル401から鉄製自動車ボディBの全体に吹き付けられる。また、自動車ボディBに吹き付けられた純水は、ブースの床面で集約され、配管408,409を介して洗浄液回収槽412に回収され、ここからポンプ413によって吸引される。そして、塵埃除去装置415,化成スラッジ除去装置416および油分除去装置417を通過することにより純水に含まれた塵埃、アルミニウムや鉄の化成スラッジ、油分が除去されたのち、洗浄液補給タンク403に戻される。
【0131】
一方、車種検出装置501にて検出されたボディBの材質仕様がアルミ製又はアルミ合金製自動車ボディである場合は、リンス−アルミ化成処理ゾーン400をアルミ化成処理ゾーンとして使用する。このため、制御装置502からポンプ404に停止指令を送出するとともにポンプ406に作動指令を送出する。また、三方弁407をアルミニウム用化成処理液補給タンク405側に切り替えるとともに、三方弁411をアルミニウム化成処理液回収槽418側に切り替える。
【0132】
これにより、アルミニウム用化成処理液補給タンク405内の処理液はポンプ406によって吸引され、配管402を介してノズル401から自動車ボディBの全体(又は主としてアルミニウム製部品)に吹き付けられる。また、自動車ボディBに吹き付けられたアルミニウム用化成処理液は、ブースの床面で集約されてアルミニウム化成処理液回収槽418に回収され、ここからポンプ419によって吸引される。そして、塵埃除去装置421,化成スラッジ除去装置422および油分除去装置423を通過することによりアルミニウム処理液に含まれた塵埃、アルミニウムや鉄の化成スラッジ、油分が除去されたのち、配管420を介してアルミニウム化成処理液補給タンク405に戻される。
【0133】
このリンス−アルミ化成処理ゾーン400の処理によって、ボディBが鉄製自動車ボディであるときは純水洗浄を行うことで、前段の処理により形成されたリン酸亜鉛皮膜の品質向上を図ることができるとともに、次段のリンス槽201への処理液の持ち込みを抑制することができる。また、ボディBがアルミ製自動車ボディ又は複合自動車ボディである場合は、フード、トランクリッド及びドアなど外板部品として採用されたアルミニウム製部品の化成被膜処理を行うことができる。特に、これらアルミニウム製部品が自動車ボディBの外板部品に使用されていると、本例のようなスプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができ、その結果、アルミニウムの化成処理工程の長さを最小限に留めることができる。さらに、純水洗浄を行う場合とアルミの化成処理を行う場合とで回収槽412,418を分別するので、回収されたアルミニウム用化成処理液の再生負荷が軽減され再生率が高まることとなる。
【0134】
最後に、アルミ化成処理ゾーン300を通過した自動車ボディBは、リンス槽201に浸漬され、自動車ボディBに付着した処理液を洗浄する。こののち、自動車ボディを乾燥炉に搬送して乾燥させ、下地塗装である電着塗装工程に送る。このとき、リンス槽201内の洗浄液は配管202およびポンプ203によって洗浄液回収槽412に導かれ、塵埃除去装置415,化成スラッジ除去装置416および油分除去装置417を通過したのち、洗浄液補給槽403に供給される。これにより、リンス槽201内の純水を有効活用することができる。
【0135】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0136】
上述した実施形態の自動車ボディBは、ドア、トランクリッド及びドアなどの部品がアルミニウム製部品であったが、アルミニウム合金であってもよい。
【0137】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例は、上述した実施形態で用いた脱脂兼化成処理液の効果を確認するためのものである。
【0138】
実施例
実施例の脱脂兼化成処理液は、極性有機溶剤としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGMEE)、ナトリウムイオンの供給源となるナトリウム化合物としての硝酸ナトリウム、リチウムの供給源となるリチウム化合物としての硝酸リチウム、リン酸イオンの供給源としてのオルトリン酸、亜鉛イオンの供給源となる亜鉛化合物としての硝酸亜鉛、ニッケルイオンの供給源となるニッケル化合物としての硝酸ニッケル、マンガンイオンの供給源となるマンガン化合物としての硝酸マンガンを用い、表1に示す配合により調整した。
【0139】
また、実施例のアルミニウム用化成処理液として、ヘキサフルオロジルコネート(ヘンケル社製Deoxylyte54C)を用いた。
【0140】
テストピースとして、冷延鋼板(CRS)、電気亜鉛メッキ鋼板(ZE)及びアルミニウム6111(AL)の3種類を用意し、アセトンで脱脂した後に、3種類の防錆油(コスモ石油社製ラクトクリーンK、出光興産製出光NR3、日本石油製ノンラストPN−1)の等量混合油を0.5g/m2 塗布し、試験用の油面を有するテストピースを作成した。このテストピースを上述した脱脂兼化成処理液及びアルミニウム用化成処理液を用いて表面処理し、得られたリン酸亜鉛被膜の性状及び性能、すなわち皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性及び二次塗装密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0141】
なお、脱脂兼化成処理液による処理はテストピースを処理液にディッピングすることにより行い、その処理時間は300秒とし、処理液の液温は40℃とした。また、アルミニウム用化成処理液による処理はテストピースに処理液をスプレーすることにより行い、スプレー時間を20秒、30秒及び100秒とした。アルミニウム用化成処理液のpHは4.0、液温は40℃とした。
【0142】
評価結果は、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性を、◎極めて良好、○良好、△少々劣る、×不良の4つに区分して行った。
【0143】
皮膜重量は、処理後のテストピースをドライヤーで乾燥させた後に計測した。ここでは皮膜重量として1mあたりの重さ(g)に換算し、リン酸亜鉛化成処理膜が塗装下地として優れた防錆製及び塗装性を有するためには皮膜重量が2〜3.5g/m程度の均一且つ緻密な結晶皮膜が求められるので、皮膜重量が2〜2.5g/mであれば◎(極めて良好)、2.6〜3.5g/mであれば○(良好)、1.5〜1.9g/mであれば△(少々劣る)、1.5g/m未満であれば×(不良)と評価した。
【0144】
結晶皮膜の緻密度合いは、処理後のテストピースの中央部から試料をサンプリングし、走査型電子顕微鏡(SEM)でリン酸亜鉛結晶皮膜の形状、大きさを観察した。
【0145】
本実施例においては、緻密度合を示す結晶サイズが5μm以下であればA(極めて良好)、5μm超〜10μm以下であればB(良好)、10μm超〜20μm以下であればC(少々劣る)、20μmより大きければD(不良)という基準に基づき評価した。
【0146】
一次塗装密着性は、処理後のテストピースに塗装を施して評価した。具体的には、処理後のテストピースに、電着塗料(神東ハーバーツ・オートモーティブ・システムズ(株)社製サクセード#80V)を、200Vの電圧をかけて3分間通電させたのち、170℃で20分間焼き付け、15〜20μmの電着膜厚を形成した。こうして得られた電着塗膜が形成されたテストピースを用いてJIS・K5400の碁盤目試験に従い、テストピースの塗装面を、NTカッタ−で1mm間隔で100個の升目に刻み、セロハン製テープ(ニチバン製、幅18mm)を貼り付け、2分経過後、セロハン製テープを剥離させた後に100個の升目のうち何個分の塗装膜が残存しているか、升目の個数で評価した。残存塗装膜の升数が100個であれば◎(極めて良好)、95〜99個であれば○(良好)、85〜94個であれば△(少々劣る)、84個以下であれば×(不良)と評価した。
【0147】
二次塗装密着性は、上述した一次塗装密着性試験と同様の電着塗膜を形成し、これを温水浸漬することで塗膜の密着性を意図的に劣化させた後の塗膜の密着性を評価するものである。温水浸漬は、電着塗膜が形成されたテストピースを、40℃±1℃の温水に1000時間浸漬する。なお、密着性の評価は、一次塗装密着性と同様にJIS・K5400の碁盤目試験に従って行った。
【0148】
【表1】
Figure 2004018867
【0149】
比較例
実施例における脱脂兼化成処理液の極性有機溶剤と水との重量比率を1:9とした以外は実施例と同じ条件で脱脂兼化成処理液及びアルミニウム化成処理液を作製し、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0150】
【表2】
Figure 2004018867
【0151】
考察
表1及び表2の結果からも明らかなように、比較例の塗装前処理方法では、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性の何れにおいても少々劣る〜不良であったのに対し、実施例の塗装前処理方法を採用することで、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性の何れについても極めて良好〜少々劣るとなり、品質的にも問題がないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装前処理装置の第1実施形態を示すシステム図である。
【図2】本発明の塗装前処理装置の第2実施形態を示すシステム図である。
【図3】本発明の塗装前処理装置の第3実施形態を示すシステム図である。
【図4】本発明の塗装前処理装置の第4実施形態を示すシステム図である。
【図5】本発明の塗装前処理装置の第5実施形態を示すシステム図である。
【図6】本発明に係る塵埃除去装置の実施形態を示す斜視図および断面図である。
【図7】本発明に係る塵埃除去装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る塵埃除去装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係る水−極性有機溶剤分離装置の実施形態を示す概念図である。
【図10】本発明に係るイオン除去装置の実施形態を示す概念図である。
【図11】本発明に係る減圧蒸留装置の実施形態を示す概念図である。
【符号の説明】
101…処理槽
120…リンス槽(第1リンス手段)
201…リンス槽(第2リンス手段)
300…アルミニウム化成処理ゾーン(アルミニウム化成処理手段)
301…アルミニウム用化成処理液補給タンク
302…配管
303…ポンプ
304…ノズル
307…回収槽
308…配管
309…ポンプ

Claims (53)

  1. 重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第1リンス手段と、
    前記第1リンス手段の後段に設けられ、前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、
    前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、
    前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記処理槽に戻す第1の循環系と、
    前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、
    前記第1の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、
    前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手段と、
    前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、を備えた塗装前処理装置。
  2. 重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、
    前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物がアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を含まない場合には当該被塗物に洗浄液を吹き付けるとともに、前記被塗物がアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を少なくとも含む場合には前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するリンス−アルミニウム化成処理手段と、
    前記リンス−アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、を備えた塗装前処理装置。
  3. 前記被塗物の構成部品の材質を識別可能な車両仕様を検出する車種検出手段と、
    前記車種検出手段で検出された被塗物の材質仕様に応じて前記リンス−アルミニウム化成処理手段における処理を制御する制御手段と、を備えた請求項2記載の塗装前処理装置。
  4. 前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用された洗浄液を回収する洗浄液回収槽と、
    前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用されたアルミニウム化成処理液を回収するアルミニウム化成処理液回収槽と、
    前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用される洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、
    前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用されるアルミニウム化成処理液を貯留するアルミニウム化成処理液タンクと、
    前記洗浄液回収槽により回収された洗浄液を吸引して前記洗浄液タンクへ供給する第1配管系と、
    前記アルミニウム化成処理液回収槽により回収されたアルミニウム化成処理液を前記アルミニウム化成処理液タンクへ供給する第2配管系と、
    前記被塗物に洗浄液又はアルミニウム化成処理液を吹き付けるスプレー装置と、
    前記洗浄液タンクの洗浄液又は前記アルミニウム化成処理液タンクのアルミニウム化成処理液の何れか一方を吸引して前記スプレー装置へ供給する第3配管系と、を備えた請求項2記載の塗装前処理装置。
  5. 前記第1配管系に設けられ、前記洗浄液回収槽の洗浄液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、
    前記第1配管系に設けられ、前記洗浄液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、
    前記第1配管系に設けられ、前記洗浄液に含まれる油分を除去する油分除去手段と、をさらに備えた請求項4記載の塗装前処理装置。
  6. 前記被塗物の構成部品の材質を識別可能な車両仕様を検出する車種検出手段と、
    前記車種検出手段で検出された被塗物の材質仕様に応じて前記リンス−アルミニウム化成処理手段における処理を制御する制御手段と、をさらに備え、
    前記第3配管系は、前記洗浄液タンクの洗浄液を吸引する第1ポンプと、前記アルミニウム化成処理液タンクのアルミニウム化成処理液を吸引する第2ポンプと、前記スプレー装置への供給経路を切り替える第1切替弁とを含み、
    前記制御手段は、前記車種検出手段で検出された被塗物の材質仕様に応じて前記第1ポンプ、第2ポンプおよび第1切替弁に操作信号を送出する請求項4記載の塗装前処理装置。
  7. 前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用された洗浄液を洗浄液回収槽へ導くとともに、前記リンス−アルミニウム化成処理手段で使用されたアルミニウム化成処理液をアルミニウム化成処理液回収槽へ導く第4配管系と、
    前記第4配管系に設けられ前記使用された洗浄液とアルミニウム化成処理液の経路を切り替える第2切替弁とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記車種検出手段で検出された被塗物の材質仕様に応じて前記第2切替弁に操作信号を送出する請求項6記載の塗装前処理装置。
  8. 前記第2リンス手段の洗浄液を前記洗浄液回収槽および/または前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第5配管系をさらに備えた請求項5記載の塗装前処理装置。
  9. 前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記処理槽に戻す第1の循環系と、
    前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、
    前記第1の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、
    前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手段と、
    前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、をさらに備えた請求項2乃至8の何れかに記載の塗装前処理装置。
  10. 前記塵埃除去手段及び前記油分除去手段が、前記第1の循環系に設けられている請求項1又は9記載の塗装前処理装置。
  11. 前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液の水成分と極性有機溶剤とを分離し、極性有機溶剤成分を前記処理液補給槽へ供給する水−極性有機溶剤分離手段をさらに備えた請求項10記載の塗装前処理装置。
  12. 前記水−極性有機溶剤分離手段により分離された水成分を前記第1リンス手段に供給する第2の循環系をさらに備えた請求項11記載の塗装前処理装置。
  13. 前記第2の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段により分離された水成分からイオン成分を除去し、残余の水を前記第1リンス手段に供給するイオン除去手段をさらに備えた請求項12記載の塗装前処理装置。
  14. 前記イオン除去手段により得られた水の少なくとも一部を前記処理液補給槽に供給する請求項13記載の塗装前処理装置。
  15. 前記第1リンス手段の洗浄済みの液を吸引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第3の循環系をさらに備えた請求項1記載の塗装前処理装置。
  16. 前記塵埃除去手段は、セットリングタンク、遠心式セパレータおよびマグネットセパレータを単独または複合してなる請求項1,5,9乃至15の何れかに記載の塗装前処理装置。
  17. 前記化成スラッジ除去手段は、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液のスラッジ濃度を150ppm以下に抑制可能な全量濾過フィルタを有する請求項1,5,9乃至16の何れかに記載の塗装前処理装置。
  18. 前記油分除去手段は、加温式油分除去装置、コアレッサー式油分除去装置および限外濾過式油分除去装置を単独または複合してなる請求項1,5,9乃至17の何れかに記載の塗装前処理装置。
  19. 前記水−極性有機溶剤分離手段は、パーベーパーレーション法により水成分と極性有機溶剤とを分離する請求項11乃至18の何れかに記載の塗装前処理装置。
  20. 前記イオン除去手段は、陽イオン交換樹脂aが充填された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂bが充填された陰イオン交換塔と、陽イオン交換樹脂cが充填されたイオン交換塔と、脱炭酸塔とを有する請求項13乃至19の何れかに記載の塗装前処理装置。
  21. 前記陽イオン交換樹脂aがキレート型陽イオン交換樹脂であり、前記陰イオン交換樹脂bがスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂であり、前記陽イオン交換樹脂cがスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂である請求項20記載の塗装前処理装置。
  22. 重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、
    前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第1リンス手段と、
    前記第1リンス手段の後段に設けられ、前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、
    前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄する第2リンス手段と、
    前記処理槽に脱脂兼化成処理液を補給する処理液補給槽と、
    前記処理槽及び前記第1リンス手段の液を減圧蒸留法を用いて極性有機溶剤、水及び残余の汚泥に分離するとともに、分離した極性有機溶剤を前記処理液補給槽へ供給し、分離した水を前記処理液補給槽及び前記第1リンス手段へ供給する減圧蒸留手段と、を備えた塗装前処理装置。
  23. 前記減圧蒸留手段の熱源として塗装乾燥炉の廃熱を用いる請求項22記載の塗装前処理装置。
  24. 前記第1リンス手段は、前記洗浄液が満たされ、前記被塗物を浸漬させるディッピング槽を含む請求項1記載の塗装前処理装置。
  25. 前記第1リンス手段は、前記被塗物に前記洗浄液を吹き付けるスプレー装置を含む請求項1記載の塗装前処理装置。
  26. 少なくとも一部の被塗物が、外板部の少なくとも一部にアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を有する自動車ボディである請求項1乃至25の何れかに記載の塗装前処理装置。
  27. 前記被塗物は、全ての部品が鉄製である鉄製自動車ボディと、全ての部品がアルミニウム又はアルミニウム合金製であるアルミ製自動車ボディと、少なくとも一部にアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を有する鉄とアルミニウム又はアルミニウム合金との複合自動車ボディと、を含む請求項26記載の塗装前処理装置。
  28. 前記アルミニウム化成処理手段は、調整されたアルミニウム用化成処理液を収容するアルミニウム用化成処理液補給タンクと、このアルミニウム用化成処理液補給タンク内のアルミニウム化成処理液を前記被塗物に吹き付けるスプレー装置と、を含む請求項1又は22の何れかに記載の塗装前処理装置。
  29. 前記アルミニウム化成処理手段は、前記被塗物に吹き付けられたアルミニウム用化成処理液を回収する回収槽と、この回収槽に回収されたアルミニウム用化成処理液を前記アルミニウム用化成処理液補給タンクへ戻す第6配管系と、を含む請求項28記載の塗装前処理装置。
  30. 前記第6配管系は、前記回収槽に回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれた塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記回収槽に回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれた化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記回収槽に回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれた油分を除去する油分除去手段と、を含む請求項29記載の塗装前処理装置。
  31. 前記第2リンス手段の洗浄液を前記回収槽および/または、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段および油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第7配管系をさらに有する請求項30記載の塗装前処理装置。
  32. 前記アルミニウム化成処理手段は、前記アルミニウム化成処理液が満たされ、前記被塗物が浸漬されるアルミニウム化成処理槽を含む請求項1又は22記載の塗装前処理装置。
  33. 前記極性有機溶剤が、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテルの少なくとも一つを含む請求項1乃至32の何れかに記載の塗装前処理装置。
  34. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.8〜3.3重量部のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンを含む請求項1乃至33の何れかに記載の塗装前処理装置。
  35. 前記ナトリウムイオンとリチウムイオンのモル比が、50:50〜2:98である請求項34記載の塗装前処理装置。
  36. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.2〜0.5重量部のリン酸イオンと、0.5〜0.7重量部の亜鉛イオンとを含む請求項1乃至35の何れかに記載の塗装前処理装置。
  37. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.09〜0.23重量部のニッケルイオンを含む請求項1乃至36の何れかに記載の塗装前処理装置。
  38. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.03〜0.16重量部のマンガンイオンを含む請求項1乃至37の何れかに記載の塗装前処理装置。
  39. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、3.5〜10.8重量部の硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを含む請求項1乃至38の何れかに記載の塗装前処理装置。
  40. 前記処理槽に満たされた処理液の温度が40℃〜60℃であって、前記被塗物の浸漬時間が3分〜10分である請求項1乃至39の何れかに記載の塗装前処理装置。
  41. 前記アルミニウム用化成処理液が、ヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートの少なくとも一つを含む請求項1乃至40の何れかに記載の塗装前処理装置。
  42. 前記被塗物に吹き付けられるアルミニウム用化成処理液のpHが2.5〜10、温度が20℃〜70℃、前記被塗物に吹き付けられる時間が20秒〜100秒である請求項1乃至41の何れかに記載の塗装前処理装置。
  43. 外板部の少なくとも一部にアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を有する、鉄とアルミニウムとの複合自動車ボディを、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液に浸漬させて処理する第1のステップと、
    前記自動車ボディを洗浄液にて洗浄する第2のステップと、
    前記自動車ボディをアルミニウム用化成処理液にて処理する第3のステップと、
    前記自動車ボディを洗浄液にて洗浄する第4のステップと、を有する塗装前処理方法。
  44. 前記極性有機溶剤が、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテルの少なくとも一つを含む請求項43記載の塗装前処理方法。
  45. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.8〜3.3重量部のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンを含む請求項43又は44記載の塗装前処理方法。
  46. 前記ナトリウムイオンとリチウムイオンのモル比が、50:50〜2:98である請求項45記載の塗装前処理方法。
  47. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.2〜0.5重量部のリン酸イオンと、0.5〜0.7重量部の亜鉛イオンとを含む請求項43乃至46の何れかに記載の塗装前処理方法。
  48. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.09〜0.23重量部のニッケルイオンを含む請求項43乃至47の何れかに記載の塗装前処理方法。
  49. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、0.03〜0.16重量部のマンガンイオンを含む請求項43乃至48の何れかに記載の塗装前処理方法。
  50. 前記極性有機溶剤及び水の混合溶媒100重量部に対して、3.5〜10.8重量部の硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを含む請求項43乃至49の何れかに記載の塗装前処理方法。
  51. 前記脱脂兼化成処理液の温度が40℃〜60℃であって、前記自動車ボディの浸漬時間が3分〜10分である請求項43乃至50の何れかに記載の塗装前処理方法。
  52. 前記アルミニウム用化成処理液が、ヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートの少なくとも一つを含む請求項43乃至51の何れかに記載の塗装前処理方法。
  53. 前記自動車ボディに吹き付けられるアルミニウム用化成処理液のpHが2.5〜10、温度が20℃〜70℃、前記自動車ボディに吹き付けられる時間が20秒〜100秒である請求項43乃至52の何れかに記載の塗装前処理方法。
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