JP2004017542A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の高変質領域におけるフラッシング動作を、効率的に行うことのできる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射用のノズル開口2を有し、ノズル開口2およびその付近において生じる変質液体を除去する回復動作が少なくともノズル開口2からの液体噴射によるフラッシング動作によって行われる液体噴射ヘッド36を備えた液体噴射装置であって、ノズル開口2が封止された状態で放置された累積時間と液体噴射が実行された累積時間との相関により設定される液体の変質度合いが高い高変質領域FL4において、最初のフラッシング動作は所定の液体噴射量で実行され、2回目以降のフラッシング動作は最初のフラッシング動作における液体噴射量よりも少ない液体噴射量で実行されるように構成した。これにより、2回目以降のフラッシング動作が時間短縮されて、効率化が図られる。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生室で加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧力発生室で加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置は、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置に採用されている記録ヘッドをあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置の記録ヘッドに例をとって、図6,図7にしたがって説明する。
【0003】
この記録ヘッドは、ノズル開口2を有する流路ユニット1と、この流路ユニット1が貼着されるヘッドケース9とから構成されている。
【0004】
上記流路ユニット1は、ノズル形成面3Aにノズル開口2が列設されたノズルプレート3と、各ノズル開口2に連通する圧力発生室4が列設された流路基板5と、各圧力発生室4の下部開口を塞ぐ振動板6とが積層されて構成されている。流路基板5には、各圧力発生室4とインク流路7を介して連通し、各圧力発生室4に導入されるインクを貯留するインク貯留室8が形成されている。なお、記録ヘッド全体は符号Hで示されている。
【0005】
上記記録ヘッドHの基部材をなすヘッドケース9は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が射出成形されてなり、上下に貫通する収容空間10に圧力発生素子11が収容されるようになっている。圧力発生素子11は、後端側がヘッドケース9に取り付けられた固定基板12に固着されるとともに、先端面が振動板6下面の島部6Aに固着されている。
【0006】
上記各圧力発生室4,圧力発生素子11,ノズル開口2は、図6における紙面に垂直な方向に多数配列されている。すなわち、この例では2列のノズル列が形成され、各ノズル列を1単位として同種のインクを吐出するようになっている。
【0007】
上記圧力発生素子11の各々には、入力用の導通線13が接続され、各導通線13はヘッド基板14の通孔14Aに挿通されてからヘッド基板14上のプリント配線15に接続されている。このプリント配線15が集約されてコネクター16を介してフレキシブルフラットケーブル17に接続されている。このフレキシブルフラットケーブル17は図示していない駆動回路に接続され、この駆動回路からの駆動信号が圧力発生素子11に入力されると、圧力発生素子11が長手方向に伸縮させられ、圧力発生室4内の圧力を変動させることにより、圧力発生室4内のインクをノズル開口2からインク滴として吐出させる。
【0008】
一方、上記ヘッドケース9のインク貯留室8に対応する部分には、ポリフェニレンサルファイドフィルム(以下「PPSフィルム」という)製の振動板6を介して吐出時のインク貯留室8内の圧力変動を逃がすダンパ用凹部18が形成されている。このダンパ用凹部18は、外部と連通しない独立空間として存在させると、ダンパ用凹部18内の空気がPPSフィルム製の振動板6を透過してインク内に溶出し、ダンパ用凹部18内の気圧が下がって振動板6の張力が高くなって十分なダンパ効果を得られなくなりやすい。そこで、上記ダンパ用凹部18の底面からヘッドケース9の反対側面に向かって貫通してダンパ用凹部18を大気に連通させる外部連通路19を穿設することにより、上述したようなダンパ用凹部18内の圧力低下を防止している。
【0009】
ところで、上記ダンパ用凹部18の開口面積が大きいために、この開口面積部分を覆う振動板6の面積も大きなものとなり、とくに、インクジェット式記録装置の使用を休止している間に、インク中の水分が水蒸気になってこの広い面積部の振動板6を透過してダンパ用凹部18内に流入する。そして、この水蒸気はその圧力上昇に伴い外部連通路19を経て大気に放出される。このような現象により、インク中の水分量が低下してインク粘度が上昇し、上記装置の使用再開時に適正なインク滴の吐出に支障が発生するので、外部連通路19の流路抵抗を高くして水分の過剰蒸発に対応している。
【0010】
カラー印刷を行う装置では、上記インクとしては、黒色だけでなく、イエロー(黄色),マゼンタ(赤紫),シアン(青緑)等、複数種類のカラーインクが用いられ、各色ごとに決まったノズル開口2が設けられている。
【0011】
上記のような記録ヘッドHでは、印刷データがなくなって記録ヘッドH自体が休止状態におかれた場合に、ノズル開口2付近のインクが乾燥して目詰まりが生じてしまう。このため、印刷動作を行わない間は記録ヘッドHをキャップで封止することが行われるが、封止されたまま長期間放置されると、ノズル開口2近傍のインクの溶媒がすこしづつ揮散して粘度が上昇し、すぐには印刷できなかったり、印刷品質が低下する等のトラブルが発生しやすくなる。さらに、印刷動作により連続的にインク滴を吐出しているノズル開口2は、新しいインクが順次供給されて目詰まりはほとんど生じないが、上端や下端等に位置しインク滴を吐出する機会が極めて少ないノズル開口2では、印刷中にノズル開口2付近のインクが乾燥して増粘し、目詰まりを生じやすい。
【0012】
このような問題に対処するため、印刷開始前の予備操作の1つとして、記録装置に電源が投入された時点や、最初に印刷信号が入力された時点で、印刷とは無関係に各ノズル開口2から強制的にインク滴を吐出させることにより、ノズル開口2の目詰まりを解消し、インク滴吐出能力を回復させる「フラッシング動作」や「クリーニング動作」が行なわれている。
【0013】
上記「フラッシング動作」は、上記圧力発生素子11に印刷データと無関係の駆動信号を印加することにより、ノズル開口2周辺の増粘したインクをあらかじめ吐出させて除去するものである。また、「クリーニング動作」は、上記「フラッシング動作」だけでは完全にノズル開口2の目詰まりが回復されない場合に行われるもので、各ノズル開口2に吸引ポンプで負圧を与えることにより、圧力発生室4内等の増粘したインクをあらかじめ強制的に吸引するものである。
【0014】
ここで、ノズル開口2周辺でインクが増粘する程度やノズル開口2の目詰まりは、記録ヘッドHがキャップで封止された状態で放置されていた時間(キャッピング放置時間)やキャップで封止されるまでの総印刷時間が長くなるほど状態が悪化する。したがって、上記「フラッシング動作」と「クリーニング動作」のいずれを実行するかは、例えば、図7に示すように、キャッピング放置時間と総印刷時間との兼ね合い(相関)によって決定され、キャッピング放置時間あるいは総印刷時間が短い間は、図のFL1〜FL4のフラッシング領域においてフラッシング動作が実行され、キャッピング放置時間あるいは印刷時間が長くなると、図のクリーニング領域においてクリーニング動作を実行させるようになっている。
【0015】
図7に示すように、キャッピング放置時間と総印刷時間との兼ね合い(相関)によって決定されたフラッシング領域は、ノズル開口2やその付近のインクの増粘の程度によって、この事例では、図のFL1〜FL4の4領域に層別されている。上記領域FL1は、ノズル開口2やその付近のインクの増粘の度合いが最も軽度であるため、フラッシング時のインクのショット回数が黒色インク(BK)では100ショット,カラーインク(COL)では50ショットと少ないショット回数でノズル開口2の回復動作がなされている。
【0016】
つぎに、キャッピング放置時間あるいは印刷時間が上記領域FL1よりも若干長くなると、ノズル開口2やその付近のインクの増粘の度合いが領域FL1よりも進行しているので、回復動作の領域はFL2へ移行し、BKでは1000ショット,COLでは500ショットと領域FL1よりも多いショット回数でノズル開口2の回復動作がなされている。
【0017】
上記のような回復動作領域が順次段階的に上昇して、インク粘度の度合いが最も高い領域FL4に達すると、BKでは5000ショット,COLでは3000ショットのショット回数でノズル開口2の回復動作がなされている。
【0018】
そして、上記の各回復動作は、記録ヘッドHに与えられる1動作指令信号によるインク吐出の開始から完了までを動作単位とした動作ジョブの開始前に行われるようになっている。例えば、3頁からなる手紙を印字するための1動作指令信号によるインク吐出の開始から完了までが1動作ジョブであり、この動作ジョブの開始前に上記各回復動作領域の内のいずれかに該当する回復動作が実行される。また、上記手紙のつぎに、例えば、5行位の短い文章を印字する1動作指令信号が別の動作ジョブのためのものとして記録ヘッドHに与えられると、その文章の印字が開始される前に上記各回復動作領域の内のいずれかに該当する回復動作が実行される。
【0019】
上記フラッシング動作である領域FL1〜FL4を越えてクリーニング領域に達すると、上記動作ジョブの開始前にクリーニング動作が実行され、著しく粘度が高まっているインクがノズル開口2から半ば強制的に吸い出されて、正常なインク滴の吐出が可能な状態になる。そして、このようなクリーニング動作が実行されると、ノズル開口2やその付近は完全に回復されたいわゆる初期化に近い状態になるので、キャッピング放置時間あるいは印刷時間がリセットされて、ゼロ点復帰がなされ、上記両時間が最初から計時されるようになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記キャッピング放置時間あるいは印刷時間が長くなって、領域FL4に達すると、領域FL4からクリーニング動作の領域へ移行するまでは、上記動作ジョブごとに回復動作のショットが実行される。すなわち、上記事例のように最初の3頁にわたる手紙の印字開始前には、所定のBK5000ショット,COL3000ショットにより、最も高粘度化したインクが除去されて正常な印字品質が確保されるのである。ところが、上記手紙の印字後、あまり時間をおかずに上記事例の5行位の短い文章を印字するときにも、領域FL4の範囲内であれば、印字開始前に同様のショット回数を費やして回復動作が実行される。
【0021】
これは、あらかじめ準備されている回復動作シーケンスが、領域FL4の範囲内に該当していることを動作因子にして、動作ジョブごとのフラッシングショットが実行されるようになっているためである。このため、一旦領域FL4に入ると、そこを抜けてクリーニング領域に入るまでは、ジョブごとに毎回ショット数の多いFL4のフラッシング動作が繰り返されることとなり、結果として、印字時間が長くかかることとなる。さらに、このようなFL4のフラッシング動作が毎回実行されると、吐出インクが無駄になり、不経済であるとともに、廃インクを溜めておくスペースも大きなものが必要となって、装置小型化の障害になっていた。
【0022】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、液体の高変質領域におけるフラッシング動作を、効率的に行うことのできる液体噴射装置の提供をその目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を有するとともに、上記ノズル開口およびその付近において生じる変質液体を除去する回復動作が少なくとも上記ノズル開口からの液体噴射によるフラッシング動作によって行われる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、上記ノズル開口が封止された状態で放置された累積時間と液体噴射が実行された累積時間との相関により設定される液体の変質度合いが高い高変質領域において、最初のフラッシング動作は所定の液体噴射量で実行され、2回目以降のフラッシング動作は上記最初のフラッシング動作における液体噴射量よりも少ない液体噴射量で実行されるように構成したことを要旨とする。
【0024】
すなわち、本発明の液体噴射装置は、上記高変質領域において、最初のフラッシング動作は所定の液体噴射量で実行され、2回目以降のフラッシング動作は上記最初のフラッシング動作における液体噴射量よりも少ない液体噴射量で実行されるように構成している。このため、最初のフラッシング動作において高変質化した液体が所定の液体噴射量の噴射によって除去されることとなり、回復されたノズル開口からの正常な液体の噴射に備えることができる。また、高変質領域において、2回目以降のフラッシング動作が実行されるときには、それに費やされる液体噴射量が最初のフラッシング動作の液体噴射量よりも少ない液体噴射量とされているので、2回目以降のフラッシング動作時間を短縮して、液体噴射装置の動作時間の短縮化を図ることができる。さらに、2回目以降のフラッシング動作を必要最小限に制御することにより、フラッシング動作に消費される新鮮な液体の量を可及的に減少させ、経済的な液体噴射装置がえられる。
【0025】
本発明の液体噴射装置において、上記回復動作は、液体噴射ヘッドに与えられる1動作指令信号による液体噴射の開始から完了までを動作単位とした動作ジョブの開始前に実行される場合には、上記動作ジョブ、例えば、ある1つの対象物に対する液体噴射の開始前に回復動作が実行されるので、上記対象物に対する本来の液体噴射のときには、上記ノズル開口およびその付近の高変質液体が完全に除去されており、正常な液体噴射がえられる。
【0026】
本発明の液体噴射装置において、上記高変質領域は、液体噴射装置が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して設定されている場合には、温度や湿度の環境条件にも適合させて上記高変質領域が設定されることから、高変質領域の設定が、他の各種条件と上記環境条件とが総合した状況下で設定されることとなり、周辺のあらゆる条件に適合した最適の高変質領域の設定が実現し、液体の変質状況に最も相応しいフラッシング動作を行うことが可能となる。
【0027】
本発明の液体噴射装置において、上記フラッシング動作における液体噴射量は、液体噴射装置が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して変更される場合には、例えば、冬季や寒冷地における液体噴射量を夏季や温暖地における液体噴射量よりも増量するように変更することにより、上記環境条件にも適合させたフラッシング動作の液体噴射量が確保できて、良好なノズル開口の回復動作がえられる。
【0028】
本発明の液体噴射装置において、上記最初のフラッシング動作は、装置の電源投入後に初回に行われるものである場合には、印字動作の前に必ず遂行される電源投入後に最初のフラッシング動作が実行されることから、最初に確保されるべき液体噴射量によるフラッシング動作が確実に実行されて、ノズル開口およびその付近の回復が確実に達成される。そして、装置の電源が入り続けた状態での2回目以降の動作ジョブは、1回目の動作ジョブからそれ程時間が経っていないことが多いことから1回目よりも少ない液体噴射量でも確実に回復できるのである。
【0029】
本発明の液体噴射装置において、上記高変質領域における最初のフラッシング動作での液体噴射量は、上記高変質領域以外の領域におけるフラッシング動作での液体噴射量よりも多くなるように設定されている場合には、当該領域での動作ジョブ毎の回復動作に要する時間と廃液量が他の領域でのそれよりも大であるため、2回目以降の液体噴射量を少なくする効果が顕著に現われる。そして、変質度合いの程度に適合させた液体噴射量でフラッシング動作が実行されるので、特に、最も変質度合いの高い液体の除去にとって増量された噴射液体で回復動作が実行され、より適確なノズル開口およびその付近の回復がなされる。
【0030】
本発明の液体噴射装置において、上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記インクの変質に対して上述のようなフラッシング動作が適用されて、正常なインク滴の吐出とともに良質な印字品質がえられる。また、廃インクを溜めておくスペースが小さくてすみ、装置の小型化に有利である。
【0031】
本発明の液体噴射装置において、上記印字用インクがノズル開口およびその付近で増粘した状態で変質液体となる場合には、フラッシング動作を必要とするインクの高粘度化領域において、インクジェット式記録装置の記録ヘッドにおけるノズル開口およびその付近の高粘度化したインクが、上記最初のフラッシング動作で除去されて、正常なインク滴の吐出に備えることができる。そして、2回目以降のフラッシング動作のインク噴射量は最初のフラッシング動作のインク噴射量よりも少なく設定してあるから、2つ目の印字文書等の印字開始前に実行されるフラッシング動作は短時間で、吐出インク量も少なくて経済的である。したがって、上記ノズル開口が封止された状態で放置された累積時間と、インク噴射が実行された累積時間との相関で設定されるインクの増粘度合いが高い高粘度化領域において、合理的な回復動作がえられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0033】
本発明の液体噴射装置は、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、本液体噴射装置をインクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【0034】
図1は、本発明が適用されるインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。また、図2は、図6に基づいて説明した記録ヘッドHと同様の記録ヘッド36を示す断面図であり、図6と同様の機能を果たす部材には、図2に同じ符号が記載してある。
【0035】
上記インクジェット式記録装置は、上部に6個のインクカートリッジ37が搭載され、下面に記録ヘッド36が取り付けられたキャリッジ31と、上記記録ヘッド36を封止等するキャッピング装置38とを備えている。上記インクカートリッジ37は、インクの色によって、シアン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),ライトマゼンタ(LM),イエロー(Y),ブラック(BK)の6種類のものが搭載されている。
【0036】
上記キャリッジ31は、タイミングベルト32を介してステッピングモータ33に接続され、ガイドバー34に案内されて記録用紙35の紙幅方向に往復移動するようになっている。また、上記キャリッジ31には、記録用紙35と対向する面(この例では下面)に、記録ヘッド36が取り付けられている。そして、この記録ヘッド36に各インクカートリッジ37からインクが供給され、キャリッジ31を移動させながら記録用紙35上面にインク滴を吐出させて記録用紙35に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。
【0037】
上記キャッピング装置38は、キャリッジ31の移動範囲内の非印刷領域に設けられ、印刷休止中に記録ヘッド36のノズル開口2を封止することによりノズル開口2の乾燥をできるだけ防ぐようになっている。また、このキャッピング装置38は、フラッシング動作によって記録ヘッド36から吐出されたインク滴を受ける容器としても作用する。さらに、上記キャッピング装置38は、吸引ポンプ39に接続され、クリーニング動作時には記録ヘッド36のノズル開口2に負圧を与えてノズル開口2からインクを吸引するようになっている。
【0038】
図2は、上記記録ヘッド36の一例を示す図である。この記録ヘッド36は、図6に基づいて説明した記録ヘッドHと同様のものであり、図6と同様の機能を果たす部材には、図2に同じ符号が記載してある。なお、同図には、キャッピング装置38や吸引ポンプ39が2点鎖線で図示してある。
【0039】
図3は、インクジェット式記録装置のシステム構成を示すブロック図である。図において、45はホスト(図示せず)からの印刷データを受信する受信バッファであり、46は上記印刷データをビットマップデータに変換するビットマップ生成手段、47は上記ビットマップデータを一時格納する印刷バッファである。
【0040】
49はヘッド駆動手段であり、上記印刷バッファ47からの印刷信号に対応して、圧力発生素子11に駆動電圧を印加して記録ヘッド36からインク滴を吐出させる印刷動作を実行する。また、フラッシングのタイミングが到来した時点で、圧力発生素子11に印刷信号とは無関係の駆動電圧を印加し、記録ヘッド36の各ノズル開口2からインク滴を吐出させるフラッシング動作を実行する。
【0041】
50はポンプ駆動手段であり、吸引ポンプ39によりキャッピング装置38に封止された状態の記録ヘッド36に負圧を与え、全ノズル開口2からインクを強制的に吸引するクリーニング動作を実行する。
【0042】
48はキャリッジ制御手段であり、印刷時にステッピングモータ33によりキャリッジ31を移動させて記録ヘッド36を走査させるとともに、フラッシング動作時や印刷終了時に、キャッピング装置38と記録ヘッド36が対向する位置にキャリッジ31を移動させるように制御する。
【0043】
51は放置タイマであり、キャリッジ制御手段48からの信号等により、記録ヘッド36がキャッピング装置38に封止されたことを検知して起動され、記録ヘッド36がキャッピング装置38に封止された状態で放置されたキャッピング放置時間を計測する。この放置タイマ51は、上記ノズル開口2が封止された状態で放置された累積時間(以下この累積時間を「放置時間」という)を計測するものであり、上記クリーニング動作が実行された時点でリセットされる。
【0044】
また、52は印刷タイマであり、ヘッド駆動手段49ならびにキャリッジ制御手段48からの信号等により印刷開始を検知して起動され、記録ヘッド36がキャッピング装置38から開放されてから再びキャッピング装置38に封止されるまでの間の印刷時間を計測する。この印刷タイマ52は、インク滴の吐出が実行された累積時間(以下この累積時間を「総印刷時間」という)を計測するものであり、上記クリーニング動作が実行された時点でリセットされる。
【0045】
53はモード選択手段であり、上記放置タイマ51および印刷タイマ52から出力された放置時間ならびに総印刷時間の信号を受け、放置時間と総印刷時間との相関から、後述する各種の条件でフラッシング動作を実行するフラッシングモードやクリーニング動作を実行するクリーニングモードを選択し、選択したモードの信号を出力する。
【0046】
54はフラッシング制御手段であり、モード選択手段53からの信号を受け、ヘッド駆動手段49により圧力発生素子11に駆動電圧を印加して圧力発生素子11を繰り返し膨張・収縮させ振動させる。そして、各種の条件でノズル開口2からインク滴を吐出させるフラッシング動作を制御する。また、55はクリーニング制御手段であり、モード選択手段53からの信号を受け、ポンプ駆動手段50によるクリーニング動作を制御する。
【0047】
図4は、上記インクジェット式記録装置における放置時間と総印刷時間との相関で設定される各モードのモード選択条件の一例を示す説明図である。この例では、放置時間と総印刷時間との相関により、FL1〜FL4の4段階のフラッシングモード(フラッシング領域)と、このフラッシングモードを超えた領域のクリーニング領域とが設定されている。
【0048】
この例では、総印刷時間(Hr)の基準値が1,2,3時間の3段階に設定され、放置時間(Hr)の基準値が12,24,36,48,60,72時間の6段階に設定されている。そして、図4のハッチングで示された領域が、クリーニングモードが選択されるクリーニング領域に設定されている。上記クリーニングモードよりも短時間側がフラッシング動作が実行されるフラッシング領域に設定されている。
【0049】
上記フラッシング領域におけるモードFL1は、総印刷時間が1時間未満で放置時間が72時間未満である。モードFL2は、総印刷時間が1時間以上2時間未満で放置時間が48時間未満である。モードFL3は、総印刷時間が2時間以上3時間未満で放置時間が36時間未満である。また、モードFL4は、総印刷時間が1時間以上2時間未満で放置時間が48時間以上72時間未満である。
【0050】
上記各モードFL1〜FL4は、各種インクの増粘速度や使用量等の要素に加えて、インクジェット式記録装置が配置される箇所の温度や湿度等の環境条件をも加味して設定することができる。例えば、インク中の水分が蒸発しやすい高温環境においては、放置時間や総印刷時間が比較的短時間の内に高粘度化領域となるようにモードFL4が広くなるように設定される。このように、特に高粘度化領域であるモードFL4の領域についてはインクの変質の度合いが著しいので、上記のような環境条件を加味した設定が有効であるが、FL4に限るものでなく、FL1〜FL3やクリーニング領域の設定においても環境条件を加味した領域の設定をすることができる。
【0051】
上記各モードFL1〜FL4におけるフラッシング動作時のインク噴射量は継続的インク流で設定しても良いが、ここではインク流をパルス的に流動させた瞬間的な噴射によって高粘度化したインクを除去するものなので、噴射回数すなわちショット回数でインク噴射量が設定されている。
【0052】
ここで、モードFL1〜FL3におけるフラッシング条件を例示すると、次のように設定されている。
Figure 2004017542
【0053】
そして、本発明では、上記FL4モードにおけるショット回数を、電源が投入されてから最初に実行される印刷ジョブの際に行われるFL4(初回モード)と、2回目以降に実行される印刷ジョブの際に行われるFL4(2回目以降モード)とでフラッシング動作がつぎのように設定されている。
Figure 2004017542
【0054】
また、上記各モードFL1〜FL4におけるフラッシング動作時のインク噴射量(ショット回数)も、温度や湿度等の環境条件を加味して設定することができる。例えば、冬季や寒冷地におけるインク噴射量を夏季や温暖地におけるインク噴射量よりも増量させておくことにより、上記環境条件にも適合させたフラッシング動作のインク噴射量を確保することができる。また、インク中の水分が蒸発しやすい高温環境においては、フラッシング動作時のインク噴射量を増量させておき、高粘度化インクの除去をより完全なものとすることができる。特に高粘度化領域であるモードFL4(初回モード)についてはインクの変質の度合いが著しいので、上記のような環境条件を加味した設定が有効であるが、FL4に限るものではなく、FL1〜FL3やクリーニング領域における設定でも環境条件を加味することができる。
【0055】
つぎに、上記インクジェット式記録装置の動作の一例を図5に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、図において「S」は、ステップを意味する。
【0056】
まず、ホストから1ジョブ分の印刷信号が入力され、この印刷ジョブの開始時に、放置タイマ51により放置時間を検知するとともに、印刷タイマ52により総印刷時間を検知する(S1およびS2)。ついで、モード選択手段53により、放置時間と総印刷時間との相関により(図4参照)、モードFL1の領域にあるか否かを判定し(S3)、このモード内にあればFL1モードを選択し(S4)、上記モードFL1のフラッシング動作を実行したのち(S5)、印刷を実行する(S20)。上記ステップS3において、モードFL1の領域内にないと判定されたら、そのつぎのFL2の領域にあるか否かの判定に移行する(S6)。
【0057】
上記ステップS6において、FL2のモード内にあればFL2モードを選択し(S7)、上記モードFL2のフラッシング動作を実行したのち(S8)、印刷を実行する(S20)。上記ステップS6において、モードFL2の領域内にないと判定されたら、そのつぎのFL3の領域にあるか否かの判定に移行する(S9)。
【0058】
上記ステップS9において、FL3のモード内にあればFL3モードを選択し(S10)、上記モードFL3のフラッシング動作を実行したのち(S11)、印刷を実行する(S20)。上記ステップS9においてモードFL3の領域内にないと判定されたら、そのつぎのFL4の領域にあるか否かの判定に移行する(S12)。
【0059】
上記ステップS12において、FL4のモード内にあれば、今度は、ジョブ回数が電源投入後に初回のジョブであるか否かが判定される(S13)。ここで初回であるとの判定であればFL4初回モードが選択され(S14)、上記モードFL4の初回フラッシング動作を実行したのち(S15)、印刷を実行する(S20)。この初回モードFL4は、電源投入後に実行される最初のジョブであり、前回使用されてからかなりの時間が経っている可能性が高い。このため、ノズル開口2およびその付近のインクの粘度が著しく高くなっているので、初回のフラッシング動作は上記の例示ショット回数のように、黒色インク(BK)5000ショット,カラーインク(COL)3000ショットにおよぶ規定のショット回数が実行される。
【0060】
また、ステップS13において、ジョブ回数が初回ではないとの判定であればFL4の2回目以降のモードが選択され(S16)、上記モードFL4の2回目以降のフラッシング動作を実行したのち(S17)、印刷を実行する(S20)。この2回目以降のモードFL4は、電源が入ったままの状態で前回のジョブに引き続いて行われるものであり、すでにFL4初回モードのフラッシングが一度行われている。このため、ノズル開口2およびその付近のインクの粘度が、初回のフラッシング動作によりある程度回復しているので、初回の黒色インク(BK)5000ショット,カラーインク(COL)3000ショットを大幅に下回る、例えば、黒色インク(BK)1000ショット,カラーインク(COL)500ショットのフラッシング動作が実行される。
【0061】
装置の電源が入った状態での使用が継続しており、ジョブ開始ごとのフラッシングモードがFL4領域であり続けるあいだは、この領域でのフラッシング動作はFL4(2回目以降モード)のフラッシング動作が実行され続ける。
【0062】
上記ステップS12において、モードFL4の領域内にないと判定がなされたら、そのつぎのクリーニングモードが選択されて(S18)、クリーニング動作が実行され(S19)、それに引き続いて印刷が実行される(S20)。このステップS19のクリーニング動作が実行されることにより、放置タイマ51と印刷タイマ52はリセットされ、放置時間と総印刷時間は原点復帰し、次回はFL1領域のフラッシングモードが行われる。
【0063】
一方、フラッシングモードがFL4領域の状態で電源がオフにされた場合は、放置時間と総印刷時間は累積された状態が維持され、次回の電源投入時の最初のジョブではFL4初回モードのフラッシング動作が実行される。
【0064】
上記の実施の形態によれば、最初のフラッシング動作において高粘度化したインク液が所定のショット回数による噴射によって除去されることとなり、回復されたノズル開口2からの正常なインク吐出に備えることができる。また、高粘度化領域であるモードFL4において、2回目以降のフラッシング動作が実行されるときには、それに費やされるインク流量が最初のフラッシング動作のインク流量よりも少ないインク流量とされているので、2回目以降のフラッシング動作時間を短縮して、インクジェット式記録装置の記録ヘッド36の動作時間の短縮化を図ることができる。さらに、2回目以降のフラッシング動作を必要最小限に制御することにより、フラッシング動作に消費される新鮮なインクの量を可及的に減少させ、経済的なインクジェット式記録装置がえられる。
【0065】
上記回復動作は、記録ヘッド36に与えられる1動作指令信号によるインク滴吐出の開始から完了までを動作単位とした動作ジョブの開始前に実行されるように構成したものであるから、上記動作ジョブ、例えば、ある1つの印字対象文書等に対する印字動作の開始前に回復動作が実行されるので、上記文書等に対する本来の印字動作のときには、上記ノズル開口2およびその付近の高粘度化インクが完全に除去されており、正常なインク滴の吐出がえられ、印字品質を良好な状態に維持できる。
【0066】
上記高粘度化領域(モードFL4)は、記録ヘッド36が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して設定されているので、高粘度化領域の設定が、他の各種条件と上記環境条件とが総合した状況下で設定されることとなり、周辺のあらゆる条件に適合した最適の高粘度化領域の設定が実現し、インクの高粘度化の変質状況に最も相応しいフラッシング動作を行うことが可能となる。
【0067】
上記フラッシング動作におけるインク流量は、記録ヘッド36が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して変更されるので、例えば、冬季や寒冷地におけるインク流量を夏季や温暖地におけるインク流量よりも増量するように変更することにより、上記環境条件にも適合させたフラッシング動作のインク流量が確保できて、良好なノズル開口およびその付近の回復動作がえられる。
【0068】
上記最初のフラッシング動作は、インクジェット式記録装置の電源投入後に初回に行われるものであるから、印字動作の前に必ず遂行される電源投入後に最初のフラッシング動作が実行され、最初に行われるべきフラッシング動作が確実に実行されて、ノズル開口2およびその付近の回復が確実に達成される。そして、インクジェット式記録装置の電源が入り続けた状態での2回目以降の動作ジョブは、1回目の動作ジョブからそれ程時間が経っていないことが多いことから1回目よりも少ないインク噴射量でも確実に回復できるのである。
【0069】
上記高粘度領域FL4における最初のフラッシング動作でのインク噴射量は、上記高粘度領域FL4以外の領域におけるフラッシング動作でのインク噴射量よりも多くなるように設定されていることにより、当該領域での動作ジョブ毎の回復動作に要する時間と廃インク量が他の領域でのそれよりも大であるため、2回目以降のインク噴射量を少なくする効果が顕著に現われる。そして、高粘度化の程度に適合させたインク噴射量でフラッシング動作が実行されるので、特に、最も高粘度化度合いの高いインクの除去にとって増量された噴射インクで回復動作が実行され、より適確なノズル開口2およびその付近の回復がなされる。
【0070】
上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記インクの変質に対して上述のようなフラッシング動作が適用されて、正常なインク滴の吐出とともに良質な印字品質がえられる。また、廃インクを溜めておくスペースが小さくてすみ、装置の小型化に有利である。
【0071】
上記印字用インクがノズル開口およびその付近で増粘した状態で変質インクとなる場合には、フラッシング動作を必要とするインクの高粘度化領域FL4において、インクジェット式記録装置の記録ヘッド36におけるノズル開口2およびその付近の高粘度化したインクが、上記最初のフラッシング動作で除去されて、正常なインク滴の吐出に備えることができる。そして、2回目以降のフラッシング動作のインク噴射量は最初のフラッシング動作のインク噴射量よりも少なく設定してあるから、2つ目の印字文書等の印字開始前に実行されるフラッシング動作は短時間で、吐出インク量も少なくて経済的である。したがって、上記ノズル開口2が封止された状態で放置された累積時間と、インク噴射が実行された累積時間との相関で設定されるインクの増粘度合いが高い高粘度化領域において、合理的な回復動作がえられる。
【0072】
上記実施の形態は、モードFL4についてのみ初回のフラッシング動作と2回目以降のフラッシング動作を行うようにしているが、例えば、モードFL3の放置時間24時間以上のモード領域を、上記のような初回および2回目以降のフラッシング動作の対象モードに加えることもできる。
【0073】
上記初回のフラッシング動作から2回目のフラッシング動作までの経過時間を計測し、この時間の長短に応じて2回目のフラッシング動作条件、例えば、インクのショット回数を増減させることもできる。上記経過時間に比例してノズル開口2およびその付近のインクの増粘度合いが変化するので、それに適合させた2回目のフラッシング動作が実行される。このような操作は、2回目のフラッシング動作と3回目のフラッシング動作の間隔時間を計測して、同様にフラッシング動作を制御することができる。
【0074】
上述の実施の形態は、インクジェット式記録装置に使用される記録ヘッドであるが、本発明による液体噴射ヘッドは、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,試料,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液体噴射装置によれば、上記高変質領域において、最初のフラッシング動作は所定の液体噴射量で実行され、2回目以降のフラッシング動作は上記最初のフラッシング動作における液体噴射量よりも少ない液体噴射量で実行されるように構成している。このため、最初のフラッシング動作において高変質化した液体が所定の液体噴射量の噴射によって除去されることとなり、回復されたノズル開口からの正常な液体の噴射に備えることができる。また、高変質領域において、2回目以降のフラッシング動作が実行されるときには、それに費やされる液体噴射量が最初のフラッシング動作の液体噴射量よりも少ない液体噴射量とされているので、2回目以降のフラッシング動作時間を短縮して、液体噴射装置の動作時間の短縮化を図ることができる。さらに、2回目以降のフラッシング動作を必要最小限に制御することにより、フラッシング動作に消費される新鮮な液体の量を可及的に減少させ、経済的な液体噴射装置がえられる。
【0076】
上記液体噴射装置がインクジェット式記録装置に採用されていて、その印字用インクがノズル開口およびその付近で増粘した状態で変質液体となる場合には、フラッシング動作を必要とするインクの高粘度化領域において、インクジェット式記録装置の記録ヘッドにおけるノズル開口およびその付近の高粘度化したインクが、上記最初のフラッシング動作で除去されて、正常なインク滴の吐出に備えることができる。そして、2回目以降のフラッシング動作のインク噴射量は最初のフラッシング動作のインク噴射量よりも少なく設定してあるから、2つ目の印字文書等の印字開始前に実行されるフラッシング動作は短時間で、吐出インク量も少なくて経済的である。したがって、上記ノズル開口が封止された状態で放置された累積時間と、インク噴射が実行された累積時間との相関で設定されるインクの増粘度合いが高い高粘度化領域において、合理的な回復動作がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の一例を示す斜視図である。
【図2】インクジェット式記録装置の記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図3】本発明が適用されるインクジェット式記録装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】上記液体噴射装置におけるキャッピング放置時間と印刷時間とによるモード選択条件を示す説明図である。
【図5】上記液体噴射装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来例のインクジェット式記録装置の記録ヘッド示す断面図である。
【図7】従来のインクジェット式記録装置におけるキャッピング放置時間と印刷時間とによるモード選択条件を示す説明図である。
【符号の説明】
1    流路ユニット
2    ノズル開口
3    ノズルプレート
3A   ノズル形成面
4    圧力発生室
5    流路基板
6    振動板
6A   島部
7    インク流路
8    インク貯留室
9    ヘッドケース
10   収容空間
11   圧力発生素子
12   固定基板
13   導通線
14   ヘッド基板
14A  通孔
15   プリント配線
16   コネクター
17   フレキシブルフラットケーブル
18   ダンパ用凹部
19   外部連通路
31   キャリッジ
32   タイミングベルト
33   ステッピングモータ
34   ガイドバー
35   記録用紙
36   記録ヘッド
37   インクカートリッジ
38   キャッピング装置
39   吸引ポンプ
45   受信バッファ
46   ビットマップ生成手段
47   印刷バッファ
48   キャリッジ制御手段
49   ヘッド駆動手段
50   ポンプ駆動手段
51   放置タイマ
52   印刷タイマ
53   モード選択手段
54   フラッシング制御手段
55   クリーニング制御手段

Claims (8)

  1. 圧力発生室で加圧された液体を噴射するノズル開口を有するとともに、上記ノズル開口およびその付近において生じる変質液体を除去する回復動作が少なくとも上記ノズル開口からの液体噴射によるフラッシング動作によって行われる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、上記ノズル開口が封止された状態で放置された累積時間と液体噴射が実行された累積時間との相関により設定される液体の変質度合いが高い高変質領域において、最初のフラッシング動作は所定の液体噴射量で実行され、2回目以降のフラッシング動作は上記最初のフラッシング動作における液体噴射量よりも少ない液体噴射量で実行されるように構成したことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 上記回復動作は、液体噴射ヘッドに与えられる1動作指令信号による液体噴射の開始から完了までを動作単位とした動作ジョブの開始前に実行される請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 上記高変質領域は、液体噴射装置が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して設定されている請求項1または2記載の液体噴射装置。
  4. 上記フラッシング動作における液体噴射量は、液体噴射装置が配置された箇所における温度や湿度等の環境条件を加味して変更される請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 上記最初のフラッシング動作は、装置の電源投入後に初回に行われるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 上記高変質領域における最初のフラッシング動作での液体噴射量は、上記高変質領域以外の領域におけるフラッシング動作での液体噴射量よりも多くなるように設定されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 上記印字用インクがノズル開口およびその付近で増粘した状態で変質液体となる請求項7記載の液体噴射装置。
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