JP2004016843A - 液体分離方法およびその装置 - Google Patents

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Koichi Ezaki
江崎 浩一
Hidenori Shibata
柴田 英則
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Abstract

【課題】液との比重差が小さくかつ微小の微小物質を含む処理液から、微小物質を安定して効率よく分離する。
【解決手段】微小物質を含む処理液を、ケーシング1内に設置した円筒状の多孔性エレメント2にケーシング1の下部に設けた導入口3から円筒のほぼ接線方向に所定の流速で導入することによって該処理液に旋回流を生ぜしめ、その際に発生する遠心力によって前記処理液を多孔性エレメント2にある角度で衝突させ、処理液の一部が多孔性エレメント2を通過もしくは透過することによって、微小物質を多孔性エレメントで捕捉し分離する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中に液体との比重差が小さくかつ微小物質を含む処理液から、該微小物質を分離して精製する固液分離方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体を含む液体から固体を分離する方法としては、濾過方式や遠心方式が知られている。濾過方式は処理液の混合液をフィルターに通してフィルターによって固体を捕捉する方法であり、遠心方式は液体サイクロンのように固液の混合液を旋回させて遠心力を与えることによって、液体と固体との比重差によって液体中の固体を分離する方法である。
【0003】
一般に、遠心方式では液体と固体との比重差が小さいときには固体を能率よく分離することが困難とされており、従来型の液体サイクロンで液体と固体との比重差が小さい混合液から固体を分離しようとしても、比重差が小さいために分離率90%以上に分離することは困難とされている。
このように比重差が小さい微小の固体を含む混合液から固体を効率よく取り除いて分離するときには、もっぱらフィルターを用いた濾過方式によって分離するのが一般である。
【0004】
液体との比重差が小さくかつ微小の固体を含んでいる混合液から、固体を遠心方式で分離する方法が、例えば特開2001−121037に開示されている。特開2001−121037の方法は、略円筒状の本体に下方に向けて縮径したテーパ多孔板を設けて旋回室を形成し、この旋回室の上方から固液の混合液を導入して旋回流を生ぜしめ、その遠心力の作用で固体をテーパ多孔板から外側に排出させて分離するものであり、前記テーパ多孔板にはパンチングメタル等のように多数の細孔が形成されており、高比重の固体は遠心作用でこの細孔からテーパ多孔板の外側に弾き飛ばされて分離される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液体中に比重差が小さい微小の固体を含む混合液から、固体を濾過方式で分離する場合、従来の濾過方式は、固液の混合液を糸巻きカートリッジフィルター、フィルタープレス等の濾布、高分子やセラミックス等の濾過膜などのフィルターに対し直角に流入して、フィルターを透過させる際に混合液中の固体をフィルターで捕捉して分離している。
【0006】
そのため、固体によるフィルターの目詰まりが生じ、固体の濃度数が10ppm以上あるような混合液を濾過する場合、糸巻きカートリッジフィルターではその取り替えを、またフィルタープレス等の濾布や高分子またはセラミックス等の濾過膜ではその逆洗を頻繁に行わなければならない。さらに、濾過方式では前記の目詰まりのために経時的に濾過圧力が上昇し、安定した処理ができないばかりでなく、処理流量が低下することが避けられないという問題があった。
【0007】
また、特開2001−121037の方法では、固体はテーパ多孔板の細孔から外側に排出されるのみで、テーパ多孔板による固体の捕捉は一切されない。つまり、この方法の基本は液体サイクロンと同じで、旋回流による遠心力のみで固体を分離しているので、混合液から固体を分離できるのは、液体と固体の比重差が小さいながらも一定以上ある場合で、液体と固体の比重差がほとんどないか、比重差があっても非常に小さいときには、固体をほとんど分離することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、液体との比重差が小さい、微小の固体が混合もしくは浮遊している固液から、固液に旋回流を与えて多孔性エレメントに衝突させて捕捉することにより、固体を安定的に効率よく分離する方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、前記した濾過方式と遠心方式の欠点について鋭意検討した結果、両方式の欠点を解消し得ることを見出し完成されたもので、以下の固液分離方法およびその装置を提供する。
1.微小物質を含む処理液を、ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントの内側で旋回させて旋回流を生ぜしめ、その際に発生する遠心力によって前記処理液を多孔性エレメントに衝突させて、微小物質を多孔性エレメントで捕捉し分離することを特徴とする固液分離方法。
2.前記微小物質が処理液の液体より高比重でかつ両者の比重差が小さい上記1の固液分離方法。
3.ケーシングに設置した円筒状の多孔性エレメント内に導入した処理液に旋回流を生ぜしめて、処理液を前記多孔性エレメントの内面に沿って旋回させながら下降または上昇させて多孔性エレメントの内面に衝突させることにより処理液中の微小物質を捕捉し、更に該処理液をケーシングから取り出して多孔性エレメントに戻し循環させることにより処理液を精製する上記1または2の固液分離方法。
4.ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントの内面に、処理液を円筒のほぼ接線方向から所定の流速で導入することにより旋回流を生ぜしめる上記1〜3のいずれか一つの固液分離方法。
5.前記処理液に処理すべき原液を少量づつ補充することにより、精製された処理液をオーバーフローさせて取り出す上記1〜4のいずれか一つの固液分離方法。
6.処理液の循環を停止し、多孔性エレメントに捕捉されている微小物質をケーシング内において多孔性エレメントを洗浄または逆洗して剥し取りケーシングから抜き取る上記1〜5のいずれか一つの固液分離方法。
7.ケーシングと該ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントとを有し、前記ケーシングは処理液を多孔性エレメントに導入するための導入口と処理液を取り出すための排出管を具備し、該排出管と導入口とは循環ポンプを介在して循環系を形成しており、前記導入口は処理液を該循環ポンプにより多孔性エレメントの内側に所定の流速でほぼ接線方向から導入して旋回流を生ぜしめることができるようにケーシングの上部または下部に設けられており、前記循環系において処理液を前記旋回流によって発生する遠心力の作用で多孔性エレメントの内面に衝突させることにより、処理液中の微小物質を多孔性エレメントで捕捉して分離するように構成したことを特徴とする固液分離装置。
8.前記ケーシングと多孔性エレメントとの間に間隙を設ける上記7の処理液分離装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、前記したように微小物質を含む処理液を、ケーシングに設置した円筒状の多孔性エレメントの内面に沿って旋回させて旋回流を生ぜしめ、その際に発生する遠心力によって前記処理液を多孔性エレメントに衝突させて、微小物質を多孔性エレメントで捕捉し分離する。
【0011】
本発明において前記微小物質は、液体に浮遊するような微小粒子の固体で、微小物質を含む処理液はかかる固体が少なくとも混合している液体である。ここで、微小物質は一種類であっても、異なる複数の種類のものが混在していてもよい。処理液からかかる微小物質を効率よく分離するには、微小物質と液体との比重差が小さく、微小物質の比重が液体の比重より大きいことが好ましい。微小物質と液体の比重関係がこのようになっていると、処理液を円筒状の多孔性エレメント内で旋回させて旋回流を生ぜしめたとき、高比重の微小物質が遠心力の作用で効率的に多孔性エレメントに衝突し、多孔性エレメントで捕捉しやすいからである。しかし、微小物質と液体との比重差が同一あるいは比重差がほとんどなくても、本発明はかかる微小物質を分離できる。
【0012】
また、微小物質の粒径としては、0.1〜10μm程度の範囲のものが好ましい。効率的に捕捉できる微小物質の大きさは、多孔性エレメントの種類や形態などによってかなりの範囲のものが可能であるが、粒径が0.1μmより小さくなると、多孔性エレメントによる微小物質の捕捉が困難となり分離率が低下する。逆に粒径が10μmより大きい微小物質は、ほとんどの場合に液体との比重差があるので、従来の液体サイクロンの方が効率よく分離でき経済的である。
【0013】
本発明における多孔性エレメントとしては、処理液の一部を透過してその際に処理液中の微小物質を捕捉できる多孔性のものであれば、広く使用できる。特に材質や形状は限定されないが、材質としては、ポリポロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリル、ガラス繊維などの表面積の大きい多孔質繊維構造、合成樹脂製の硬質もしくは軟質の発泡体およびその他のフィルター材料が好ましく用いられる。なかでも、ポリポロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンは、処理液に対する耐食性、耐薬品性にも優れており好ましい。
【0014】
前記多孔質繊維構造の代表的なものとしては、繊維が均一に分散している不織布を挙げることができるが、マット状物、綿状物なども使用でき、外形を保持するのが難しいものについては、多孔性部材で外側を包覆してもよい。
なお、多孔性エレメントの表面積としては、1〜500m/g程度の範囲のものが好ましい。また、表面積の増大を図るために、多孔質繊維構造に用いる繊維は0.1〜10μm程度の細いものが好ましい。
【0015】
また、多孔性エレメントの形体は円筒、略円筒または円錐筒などの円筒状をなしており、ケーシング内に垂直に設置される。この場合、多孔性エレメントが構造的に堅固であれば、多孔性エレメントをそのままケーシングに設置することも可能であるが、通常は多孔性エレメントの内外面の片面または両面を後述するように例えば多孔板や網状体などの支持部材で保持して用いる。支持部材を用いると、多孔性エレメントのケーシングへの出し入れが容易となり、かつ多孔性エレメントをケーシングに安定して設置できる。また、多孔性エレメントは通常連続している単一部材で形成されるが、必ずしも単一部材でなくても、縦方向または横方向に分割したものを円筒状にしてもよい。
【0016】
本発明において、多孔性エレメントの外径や高さ寸法および厚さなどは、固液分離装置の設計仕様に合わせて適宜決められる。特に厚さは、一般に大型の多孔性エレメントになるほど厚くなる傾向を持っているが、多孔性エレメントの材質や多孔質構造などによっても変わる。通常に使用される厚さとしては0.1〜2cm程度のものが好ましい。厚さが0.1cmより薄くなると、微小物質の捕捉能力が低下し分離効率が悪くなる。逆に厚すぎると処理液の透過量が減少するために、厚さの割合ほど微小物質の捕捉能力が大きくならない上に、付着した微小物質の洗浄処理に長時間が必要となり好ましくない。
なお、ケーシングは多孔性エレメントを収容できる大きさと強度があれば、材質や形状はそれほど問題とならないが、内面形状は多孔性エレメントと同じ円筒状が好ましい。
【0017】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の固液分離装置の一例を示す一部切断側面図である。図中1は円筒状のケーシング、2は該ケーシング1の内部に設置した円筒状の多孔性エレメントであり、該多孔性エレメント2は図2に示すように内側と外側から支持部材5で挟持し、この支持部材5によってケーシング1に保持されている。この場合、ケーシング1と多孔性エレメント2との間には、本例のように処理液を循環させる際の流路あるいは多孔性エレメント2を透過した処理液の流路のために間隙を設けている。この間隙としては、処理液の循環流路が必要でないときでも、処理液の多孔性エレメント2の透過をしやすくするために約2mm以上が好ましい。
【0018】
前記ケーシング1の下部には、処理液の導入口3が設けられていて、該導入口3から精製すべき処理液を多孔性エレメント内に導入するようになっている。多孔性エレメント内に導入された処理液は、旋回流が与えられて多孔性エレメント2の内部を旋回しながら上昇し、多孔性エレメント2の上部をオーバーフローした後、多孔性エレメント2とケーシング1との間隙を通って流下し、ケーシング1の下部に設けた排出管4から取り出される。該排出管4は導入口3に循環配管で連通しており、循環系を形成している。排出管4から取り出した処理液は、前記循環配管の途中に設けた循環ポンプ7によって強制的に循環され、導入口3から一定の流速で多孔性エレメント2に再導入される。排出管4と導入口3との間に循環系を形成する場合、排出管4と導入口3とは、本例のように直接循環配管で連通するほか、後述する図4のように排出管4と導入口3との間に例えば処理液タンク11を介在させてもよい。
【0019】
前記導入口3は、図2に示すように多孔性エレメント2の接線方向もしくはほぼ接線方向に設けられている。これにより、該導入口3から処理液を多孔性エレメント2内に一定流速で流入すると、処理液は旋回流16を生じて多孔性エレメント2内を旋回しながら上昇し、この旋回中の処理液には前記旋回流16によって遠心力が発生する。この遠心力は、処理液の流速によって変わるため、流速の早い多孔性エレメント2の内面に近づくほど増大し、多孔性エレメント2の上方に行くほど流速が減少するので小さくなる。そして、該遠心力は処理液を多孔性エレメント2に対し直角方向に流動させるように作用するが、処理液には前記遠心力のほかに流力が働いているために、旋回中の処理液はこれら遠心力と流力の合力に相当する角度で多孔性エレメント2の内面に対しぶつかる。なお、旋回流16の方向は、左右どちらの回転方向でもよい。
【0020】
処理液に所望の遠心力を与えることができる流速は、導入口3からの流出速度によって実質的に決まると考えて差し支えない。導入口3からの流出速度としては、0.1m/s以上が好ましく、1m/s以上であれば一層好ましい。流出速度が0.1m/s未満では、処理液や微小物質に作用する遠心力が不充分となるために、微小物質の捕捉が悪くなり分離率が低下する。前記流出速度の上限は、特に限定されないが、あまり流速が大きいと一旦捕捉された微小物質が液流によって剥されたり、安定運転ができなくなる恐れがある。
【0021】
多孔性エレメント2の内面近傍の処理液は、前記衝突によって多孔性エレメント2の表面に接触した後、多孔性エレメント2の内部に浸入して流通し、その一部は多孔性エレメント2を透過して外側に流出する。多孔性エレメント2の内部を流通あるいは透過する際に、処理液に浮遊している微小物質は多孔性エレメント2に捕捉される。また、微小物質は多孔性エレメント2にぶつかることによっても捕捉され、多孔性エレメント2の内部、表層および裏層に積層される。この捕捉や積層によって、多孔性エレメント2の単位面積当たり微小物質の分離処理能力は、通常の濾過に比べて大幅に増加する。更に、処理液が多孔性エレメント2を透過する場合でも、極一部の処理液しか透過せず、また処理液はいつでも自由に旋回して流動できるため、処理液の圧力上昇は実質生じない。それにより、従来の濾過方式のように圧力上昇に基づく処理能力の変動もほとんどなく、安定した運転を行なうことができる。
【0022】
なお、図1において、処理すべき処理液すなわち原液は供給管8からケーシング1に供給し、精製された処理液は取出管9からオーバーフローにより取り出す。したがって、原液を多孔性エレメント2の処理能力に合わせて少量づつ連続的あるいは断続的に供給すると、この供給量に見合う量の精製液を取出管9から取り出すことができるので、連続運転が極めて容易に可能となる。しかし、ケーシング1への原液の供給と精製液の取り出しは、一回の精製ごとすなわちバッチごとに行なってもよい。
【0023】
微小物質の捕捉により処理能力が低下した多孔性エレメント2は、ケーシング1から取り出し、多孔性エレメント2の表層、内部、裏層に積層した微小物質を例えば洗浄して取り除き再生使用するか、新規多孔性エレメントと取り替える。その時期は経験的に一定時間ごとに行なうこともできるが、精製液中の微小物質の濃度を定期的に測定することによって多孔性エレメント2の処理能力低下を検知し、濃度が設定値を超えたら行なう。
【0024】
図3は、本発明の他の実施形態を示す。図3において、図1と同じ部材に対しては、便宜的に同一の参照符号を用いており、以下も同じである。本例では、円筒状の多孔性エレメント2をケーシング1の円筒内面に比較的近づけて設けている。また導入口3をケーシング1の上部に設けるとともに、排出管4を多孔性エレメント2の中央に設けて、前記導入口3から多孔性エレメント2の内部に導入した処理液を旋回させながら下降させ、下降した処理液は前記排出管4の下端から上方に排出されるようになっている。微小物質は処理液が旋回しながら下降する際に、多孔性エレメント2によって同様にして捕捉される。
【0025】
本発明において、導入口3はこのようにケーシング1の下部または上部の何れに設けてもよく、これにより処理液を多孔性エレメント2の下方または上方から導入することができる。また、排出管4の設置位置や設置の仕方も適宜変えられる。
【0026】
図3において、多孔性エレメント2に捕捉された微小物質は、導入口3からの処理液の導入を停止し、多孔性エレメント2に振動や揺動を与えて多孔性エレメント2から剥がした後、弁10を開いて残存するケーシング内の液と共に外部に抜き取る。
【0027】
図4は、図3の固液分離装置を用いた場合の処理フローである。精製すべき処理原液は、工程6から処理液タンク11に所定量送液され、循環ポンプ7にて処理液タンク11内の処理液と一緒になってケーシング1に導入される。このとき弁12および弁13は開の状態にし、弁10、弁14および弁15は閉にしている。導入された処理液は、ケーシング1において多孔性エレメント(図示省略)によって微小物質を捕捉して分離した後、排出管4から前記処理液タンク11に戻され、ケーシング1に循環される。この循環液量は、処理液が多孔性エレメント2に導入されたとき強い旋回流を生じて、処理液に充分な遠心力を与えるために、前記処理液タンク11に工程6から供給される処理原液量の数百倍から数千倍が好ましい。
【0028】
前記の循環系において精製された処理液は、処理液タンク11からオーバーフロー17によって取り出される。そして、取り出された処理液は、例えば工程6に戻して再使用を図る。なお、オーバーフロー17から取り出される液量は、工程6から供給される処理原液量と実質同じである。
【0029】
処理液タンク11からのオーバーフロー液をサンプリングして微小物質の濃度を測定し、該濃度が設定値を超えていれば、循環ポンプ7を停止し、弁12と弁13を閉、弁14と弁15を開にして、弁15側から空気または/および洗浄液を送り込み、逆洗によりあるいはケーシング1内の多孔性エレメントを揺らせて多孔性エレメントに捕捉されている微小物質を洗浄または剥がす。剥がされた微小物質分は、ケーシング1内の液と共に弁10を開にして排出する。
【0030】
ケーシング1内の液の排出が終了したら、弁10、弁14、弁15を閉にし、循環ポンプ7を起動して処理液の循環を開始する。この場合、循環の開始直後はケーシング1にたまっている空気を抜くため、弁14をしばらく開にしてガス抜きを行なうのが好ましい。また、再運転した直後は剥された微小物質分の一部が系内に残存しているため、処理液タンク11には処理原液を補給せず、微小物質分の濃度が設定値以下になる一定時間のあいだ処理液を循環させて精製し、処理液が精製されたところで処理原液を補給する。
【0031】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の目的が達成できる範囲で適宜変更できる。多孔性エレメントに導入された処理液に旋回流を生ぜしめる手段は、例示した導入口を円筒状の多孔性エレメントの接線方向に設け、該導入口から処理液を所定の強さで流出させる方法が、構造的にもまた操作の面からも好適しているが、例えば旋回羽根をモーターで回転させて旋回させてもよい。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
組成がAl3+:16g/L、HSO:190g/L、微小物質:45mg/Lのアルマイト電解エッチング液を、図4の処理フローにより処理した。ケーシングの内径52mmの円筒内に多孔性エレメント(円筒状で高さ100mm、外径50mm、厚さ約3.5mmのポリプロピレン製不織布)を装填し、多孔性エレメントの内側に処理液を円筒のほぼ接線方向から空塔速度約10cm/sで導入し循環させた。処理液タンクには750mL/hの流量で、前記硫酸酸洗液を供給した。多孔性エレメントの単位面積当たりの処理流量は、約0.06m/h/mである。12時間運転して約9Lの精製処理液を得た。この液の微小物質の濃度を測定した結果、3.8mg/Lで充分清澄な処理液を得ることができた。多孔性エレメントはまだ充分に処理に使用できるが、洗浄し再生操作を行った。
【0033】
ケーシング内に処理液を残し、多孔性エレメントの中央部の排出管より圧縮空気を送り込み、約5分間エアバブリングした後に内部の液をケーシングの下部から抜き取った。抜き取った液量は約250mLで、これを0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、乾燥して採取した微小物質の重量を測定した。濾さい量は340mgであった。この濾さいをSEM−EDXで観察したところ、95%がSiのピークで、残りはニッケル、アルミニウム等の重金属類であった。
【0034】
(実施例2)
組成がCu2+:5.2g/L、HSO:162g/L、微小物質:32mg/Lのリン青銅硫酸酸洗液を、実施例1と同じ装置を用い同じ操作条件で処理した。処理した液の微小物質の濃度を測定した結果、3.8mg/Lで充分に清澄な処理液を得ることができた。その後、多孔性エレメントの洗浄・再生操作を実施例1と同じ再生操作で行ない、再生終了後にケーシングから洗浄液を抜き出した。
【0035】
抜き取った液量は約250mLで、これを0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、乾燥して採取した微小物質の重量を測定した。濾さい量は260mgであった。この濾さいをSEM−EDXで観察したところ、95%がSnのピークで、Pのピークが5%程度あったが、Cuのピークはほとんど見られなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、微小物質を含む処理液を旋回流によって多孔性エレメントに沿って旋回させながら流動させ、その際に発生する遠心力の作用で多孔性エレメントに衝突させ、一部の混合液が多孔性エレメントを通過もしくは透過するとき、微小物質を捕捉して分離するので、微小物質と液体との比重差が小さいかまたはほとんどなくても、また微小物質が微小であっても分離することができる。
【0037】
また、混合液を旋回させながら微小物質を捕捉するために、従来の濾過方式のような目詰まりの影響を実質的に受けない。その結果、継続運転しても圧損の増大が全くなく、処理能力の大幅な低下がないため、長時間安定かつ能率よく微小物質を分離できる。つまり、従来の遠心方式と濾過方式の欠点を悉く補完し、両方式の優れた効果が得られるものである。これにより、処理液を用いる例えば製造工程において、製品の品質安定化に貢献すると共に、生産性を向上させることができる。
【0038】
すなわち、例えばアルミサッシやコンデンサ用アルミ電解箔の電解エッチング液を、イオン交換膜電気透析法により硫酸回収する場合および硫酸バンドを副生する場合においては、電解液を中空糸濾過膜等で高度濾過する必要があるが、地下水や河川水を水源とする水を工程に用いると、シリカ成分が多い場合があり、前記中空糸濾過膜は微小な酸性シリカにより強固な目詰まりを起こす。そのため、頻繁に中空糸濾過膜をアルカリ洗浄による再生を行なうとともに、寿命も通常の1/4以下になるなどの問題があるが、本発明を中空糸濾過膜に代替させることにより、安定運転ができるとともに大幅な費用低減ができる。
また、本発明はリン青銅酸洗液に対しても適用でき、電解法銅電析による酸洗液の再生処理における前処理として実施すると、大幅な銅電析効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態の一部切断断面図。
【図2】図1のA−A部の断面図。
【図3】本発明の他の実施形態の断断面。
【図4】本発明の固液分離装置の一例における処理フロー図。
【符号の説明】
1:ケーシング
2:多孔性エレメント
3:導入口
4:排出管
5:支持部材
6:工程
7:循環ポンプ
8:供給管
9:取出管
10、12、13、14、15:弁
11:処理液タンク
16:旋回流

Claims (8)

  1. 微小物質を含む処理液を、ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントの内側で旋回させて旋回流を生ぜしめ、その際に発生する遠心力によって前記処理液を多孔性エレメントに衝突させて、微小物質を多孔性エレメントで捕捉し分離することを特徴とする固液分離方法。
  2. 前記微小物質が処理液の液体より高比重でかつ両者の比重差が小さい請求項1に記載の固液分離方法。
  3. 前記ケーシングの上部または下部から多孔性エレメントの内側に導入した液体に旋回流を生ぜしめて、処理液を前記多孔性エレメントの内面に沿って旋回させながら下降または上昇させて多孔性エレメントの内面に衝突させることにより液体中の微小物質を捕捉し、該処理液をケーシングから取り出して多孔性エレメントに戻し循環させることにより処理液を精製する請求項1または2に記載の固液分離方法。
  4. ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントの内面に、処理液を円筒のほぼ接線方向から所定の流速で導入することにより旋回流を生ぜしめる請求項1〜3のいずれか一つに記載の固液分離方法。
  5. 前記処理液に処理すべき原液を少量づつ補充することにより、精製された処理液をオーバーフローさせて取り出す請求項1〜4のいずれか一つに記載の固液分離方法。
  6. 処理液の循環を停止し、多孔性エレメントに捕捉されている微小物質をケーシング内において多孔性エレメントを洗浄または逆洗して剥し取りケーシングから抜き取る請求項1〜5のいずれか一つに記載の固液分離方法。
  7. ケーシングと該ケーシング内に設置した円筒状の多孔性エレメントとを有し、前記ケーシングは処理液を多孔性エレメントに導入するための導入口と処理液を取り出すための排出管を具備し、該排出管と導入口とは循環ポンプを介在して循環系を形成しており、前記導入口は処理液を該循環ポンプにより多孔性エレメントの内側に所定の流速でほぼ接線方向から導入して旋回流を生ぜしめることができるようにケーシングの上部または下部に設けられており、前記循環系において処理液を前記旋回流によって発生する遠心力の作用で多孔性エレメントの内面に衝突させることにより、処理液中の微小物質を多孔性エレメントで捕捉して分離するように構成したことを特徴とする固液分離装置。
  8. 前記ケーシングと多孔性エレメントとの間に間隙を設ける請求項7に記載の固液分離装置。
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