JP2004016357A - 手術用観察システム - Google Patents
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Abstract
【課題】術部表面の顕微鏡観察画像と、この術部の内部の超音波診断像とをともに立体的に重像表示可能で、低コストの手術用観察システムを提供する。
【解決手段】術部表面を立体観察する第1の観察手段1と、術部表面に対する内部の断層画像情報を得る第2の観察手段9と、第1および第2の観察手段1,9による術部の観察部位間の相対位置情報を検出する位置検出手段60と、この検出手段60から得た相対位置情報および第1の観察手段1の光学情報に基づいて第2の観察手段9から得た画像情報に画像処理を行い、第1の観察手段1の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段70と、この画像処理手段70で処理した画像情報を表示する画像表示手段54とを備え、第1の観察手段1による立体観察像に、画像表示手段54に表示される画像を表示可能とした。
【選択図】 図3
【解決手段】術部表面を立体観察する第1の観察手段1と、術部表面に対する内部の断層画像情報を得る第2の観察手段9と、第1および第2の観察手段1,9による術部の観察部位間の相対位置情報を検出する位置検出手段60と、この検出手段60から得た相対位置情報および第1の観察手段1の光学情報に基づいて第2の観察手段9から得た画像情報に画像処理を行い、第1の観察手段1の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段70と、この画像処理手段70で処理した画像情報を表示する画像表示手段54とを備え、第1の観察手段1による立体観察像に、画像表示手段54に表示される画像を表示可能とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば脳神経外科等の顕微鏡下での微細な手術に適した手術用観察システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、手術方法や手術機器などの発達に伴い、いわゆるマイクロサージェリーと呼ばれる微細な手術が頻繁に行われるようになってきた。マイクロサージェリーには、例えば脳神経外科に見るように、術部を拡大観察するための観察光学系を有する鏡体を備えた手術用顕微鏡が用いられる。一般に、手術用顕微鏡は、術部を拡大観察するための顕微鏡からなる鏡体と、この鏡体を所望の位置・角度に移動するためのアームを有する架台とで構成されている。
【0003】
また、術前のMRIやCT画像と相関を取り、顕微鏡手術時に比較するいわゆるナビゲーション装置が普及してきている。このため、顕微鏡観察下で直接観察することのできない患部の位置を予め確認してから手術を進めることができるようになった。さらに、顕微鏡観察像とMRIやCT画像とを同時観察することも可能となっている。
【0004】
例えば、特開2000−139949号公報には、上述したマイクロサージェリーのための手術用顕微鏡が開示されている。この手術用顕微鏡は、手術機器の位置検出に関するマニピュレータなど、脳神経外科等の顕微鏡下での微細な手術の一般的な技術を説明している。
【0005】
また、特開2001−104335号公報には、手術用観察システムが開示されている。この手術用観察システムでは、光学観察像と超音波診断像とを同時に重像することが可能である。また、光学観察像の一部にのみ重像するので、診断画像と術部との相関を取ることが容易となっている。また、超音波診断画像は超音波プローブの移動に伴って変化し、術者が観察したい部位を即座に観察することができるものである。
【0006】
また、特開2002−000619号公報には、手術用顕微鏡が開示されている。この手術用顕微鏡では、超音波診断画像は、顕微鏡の内部に表示される。また、顕微鏡観察視野内で光学観察像と超音波診断像とを異なる画面に重像している。また、この超音波診断像は、3方向から観察した画面を表示するとともに、これら3方向から観察した画面から患部近傍の3D表示を可能としている。
【0007】
また、特開2002−034980号公報には、超音波観測システムが開示されている。この超音波観測システムは、ラジアル方向および前方方向の超音波診断像を得ることができるものである。すなわち、超音波診断像を得る超音波プローブのホルダを取り替えることによって、2方向の超音波診断像を得ることができる。このため、超音波プローブの内部構造を簡素化することができ、超音波プローブの外径を大径化することを要しない。このため、狭い観察対象部位に対しても3次元超音波像を得ることができる。
【0008】
さらに、特開平9−19441号公報には、手術を支援する画像表示装置が開示されている。この画像表示装置は、左右一対のTVカメラを用いて電子画像に左右で視差を持たせた画像を表示し、立体的な観察を可能としたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、脳神経外科手術では開頭により脳変位(ブレインシフト)が発生する。このため、術前のMRIやCT画像情報から得られる患部の位置に対して、実際の患部の位置にずれが生じる。したがって、ブレインシフトを考慮したリアルタイム観測可能な患部認識装置が望まれている。
【0010】
また、術中に再びMRIやCT画像情報を取得することも行われている。しかし、円滑な術中診断を行うには手術室にMRI装置やCT装置などの3次元超音波観測装置を設置しなければならないなど、これらの機材を設置可能な広い手術室が要求されてしまう。
【0011】
また、顕微鏡観察下の手術においては、術者と術部との間に顕微鏡が存在するため、3次元超音波観測装置を用いると顕微鏡と術部との間がさらに煩雑になってしまう。このため、手術の進行を妨げる要因となっていた。さらに、3次元超音波観測装置は高価であるため、術者および患者に対して大きな費用の負担をもたらしていた。
【0012】
一方では、画像情報としての内部画像は視認しやすい3次元画像であることが望ましい。しかし、これまでは3次元超音波観測装置や特開2002−034980号公報で開示された技術では、顕微鏡画像を立体観察可能な鏡体と、表示が平面的な超音波診断像表示画面とを見る必要があった。すなわち、顕微鏡画像は立体的に観察されるが、超音波診断画像は平面的であるため、術者の頭の中で立体画像として構築し直す必要があった。
【0013】
また、特開2002−000619号公報で開示された技術では、顕微鏡観察視野内に他に小画面を設けて、この小画面に超音波診断画像を表示している。このため、実際の患部の位置を把握するには術者の頭の中で立体的に重像(想像)しなければならなかった。
【0014】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、術部表面の顕微鏡観察画像と、この術部の内部の超音波診断像とをともに立体的に重像表示可能で、低コストの手術用観察システムを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の手術用観察システムは、左右に1対の光軸を備え、術部表面を立体観察する第1の観察手段と、この術部表面に対する内部の2次元断層画像情報を所定の方向に沿って順次取得する第2の観察手段と、前記第1の観察手段による術部表面の観察部位と第2の観察手段による術部内部の観察部位との間の相対位置情報を検出する位置検出手段と、この検出手段から得た相対位置情報および前記第1の観察手段の光学情報に基づいて前記第2の観察手段から得た画像情報に画像処理を行い、前記第1の観察手段の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段と、この画像処理手段で処理した立体画像を表示し、かつ、この表示情報を前記第1の観察手段の光軸上に重ねる画像表示手段とを備え、前記第1の観察手段による左右の光軸から得た術部表面の立体観察像に、前記画像表示手段に表示される立体画像を表示可能としたことを特徴とするものである。
【0016】
また、前記画像処理手段は、前記第2の観察手段で取得する立体観察像を前記第1の観察手段と同一の観察方向から観察した状態に作成することが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について図1ないし図9を用いて説明する。
【0019】
(構成)
図1に示すように、この実施の形態にかかる手術用観察システム(手術用顕微鏡システム)には、第1の観察手段として実体顕微鏡を有する手術用顕微鏡1が設けられている。さらに、この手術用顕微鏡1には、第2の観察手段として超音波システム9が接続されている。
【0020】
第1の観察手段としての手術用顕微鏡1には、架台2と、この架台2の上部に配設されたバランスアーム3と、このバランスアーム3に支持された鏡体4とが設けられている。
【0021】
ここで、バランスアーム3には、複数の回動アーム(可動アーム)と6軸の回動軸(可動軸)5a〜5fとが設けられている。各回動軸5a〜5fには、バランスアーム3の各回動アームの回動位置を固定するロック状態と、このロック状態を解除するロック解除状態とに切替え可能な電磁鎖錠(図示せず)が設けられている。そして、鏡体4は、電磁鎖錠のロック/ロック解除の切替え動作にともない、バランスアーム3の各回動アームの各回動軸5a〜5fを中心として空間的に移動自在に支持されている。
【0022】
また、図1に示すように、鏡体4には後述する第1の対物レンズ18(図2参照)の光軸中心位置を規定するセンサーアーム6が装着されている。このセンサーアーム6は、例えば時分割発光式の複数個の赤外線LEDが取り付けられている。このセンサーアーム6の赤外線は、後述するナビゲーション装置15に接続され、鏡体4の第1の対物レンズ18の光軸中心Xcと関連している。
【0023】
さらに、鏡体4には、この鏡体4の位置操作用のグリップ7が設けられている。このグリップ7には焦点調整用、変倍操作用およびアーム操作用の各操作スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0024】
そして、架台2には、鏡体制御部11およびアーム制御部12が内蔵されている。上述したグリップ7の各操作スイッチは、それぞれ鏡体制御部11およびアーム制御部12に接続されている。さらに、これらの鏡体制御部11およびアーム制御部12には、グリップ7の各操作スイッチと同様に焦点調整用および変倍操作用の各スイッチを有するフットスイッチ13が接続されている。
【0025】
さらに、鏡体制御部11およびアーム制御部12は、インターフェースユニット14を介してナビゲーション装置15に接続されている。ナビゲーション装置15には、上述したセンサーアーム6からの赤外線を検出するディジタイザ17が接続されている。このディジタイザ17によりデジタル情報化された位置情報がナビゲーション装置15に入力されると、患者頭部に設定(規定)される図示しない基準指標との相関を取って位置情報を算出するようになっている。また、このナビゲーション装置15には、ナビゲーション用モニタ16が設けられている。
【0026】
次に、図2に示すように、鏡体4には左右で1対の観察光学系が設けられている。これらの観察光学系には、左右の光軸で共有する第1の対物レンズ18が配設されている。さらに、鏡体4の内部の対物レンズ18の光軸上には、左右で1対のズーム光学系19a,19bが配設されている。そして、このズーム光学系19a,19bの光軸上には、光軸に対して所定の角度、例えばこの実施の形態では45°傾けられ、光軸を直角に屈折させるビームスプリッタ20a,20bが後述する光軸中心Xc対して対称に配設されている。さらに、光軸上には結像レンズ21a,21bと、接眼レンズ22a,22bとが順次配設されている。なお、ズーム光学系19a,19bは、それぞれ光軸上に並設された複数の可動レンズ系(図示せず)からなる。
【0027】
また、上述した光軸に直交し、光軸中心Xcに対して対称に傾けられたビームスプリッタ20a,20bの外方、すなわち鏡体4の外方に向けた位置には、第2の対物レンズ23a,23bが配設されている。さらに、これらの対物レンズ23a,23bの光軸上には、画像表示手段54として、それぞれ液晶表示装置(以下、LCDと称する)24a,24bが設けられている。これらのLCD24a,24bから発する光束は、それぞれ第2の対物レンズ23a,23bを介してそれぞれ上述のビームスプリッタ20a,20bに入射される。
【0028】
ここで、ビームスプリッタ20a,20bの特性により、上述したズーム光学系19a,19bから入射されたそれぞれの光束は結像レンズ21a,21bに向かって透過する。一方、第2の対物レンズ23a,23bから入射された光束は結像レンズ21a,21bに対して直角に反射する向き、すなわち、結像レンズ21a,21bの方向に向けて屈折する。なお、LCD24a,24bは、左右の観察光学系のそれぞれの光軸中心にLCD24a,24bの表示中心が一致するように設けられている。したがって、この観察光学系は、左右対称となっている。また、ビームスプリッタ20a,20bの光透過特性を設定し、左右の光軸同士が互いに干渉しないようになっていることが好ましい。
【0029】
そして、第1の対物レンズ18には、光軸方向に移動可能な移動機構(図示せず)を備えている。この移動機構には、図3に示すように、フォーカスモータ25が連結されている。このため、このモータ25の回転によって対物レンズ18が光軸方向に移動可能となっている。また、フォーカスモータ25は、対物レンズ18の位置を認識可能なフォーカスポテンショメータ26に連結されている。
【0030】
また、同様に、ズーム光学系19a,19bの図示しない可動レンズ系には、移動機構(図示せず)を介してズームモータ27が接続されている。さらに、このズームモータ27には、可動レンズ系のレンズ位置を認識可能なズームポテンショメータ28が配設されている。なお、上述したフォーカスモータ25、フォーカスポテンショメータ26、ズームモータ27およびズームポテンショメータ28は、それぞれ上述の鏡体制御部11に接続されている。
【0031】
なお、ズーム光学系19a,19bとビームスプリッタ20a,20bとの間、もしくは、ズーム光学系19a,19bと第1の対物レンズ18との間には、シャッター(図示せず)が設けられている。
【0032】
この手術用顕微鏡1で図2に示す術部表面(例えばこの実施の形態では脳表面)36をリアルタイム観察したものを図4の(A)に示す。なお、この図4の(A)ないし(C)中の左図は左眼用の観察画像Olを示し、右図は右眼用の観察画像Orを示す。これら2つの観察画像Ol,Orは、互いに視差が考慮されているので、立体観察可能となっている。なお、図4の(A)では、後述するLCD24a,24bは非表示状態となっている。また、図4の(B)では、上述したシャッターが閉じた状態となっている。さらに、図4の(C)では、LCD24a,24bが表示状態、かつ、シャッターが開いた状態となっている。
【0033】
次に、この実施の形態における第2の観察手段としての超音波システム9は、以下のように構成されている。
【0034】
図3に示すように、超音波システム9には、前方スキャン方式の超音波プローブ(以下、USプローブと称する)8が設けられている。このUSプローブ8の先端には、超音波を送受信するスキャンセンサ35が配設されている。また、USプローブ8には、スキャンセンサ35の基準位置に対する相対的移動位置を認識(規定)可能な超音波プローブ用センサーアーム(以下、US用センサーアームと称する)29が所定の位置に固定されている。US用センサーアーム29は、上述したセンサーアーム6と同様に、例えば時分割発光式の複数個の赤外線LEDが取り付けられている。なお、このUS用センサーアーム29の赤外線LEDの時分割パターンは、上述したセンサーアーム6とは異なっている。このUS用センサーアーム29は、ナビゲーション装置15に接続されている。このUS用センサーアーム29からの赤外線は、第1の観察手段のセンサーアーム6と同様に、上述したディジタイザ17もしくは他のディジタイザ(図示せず)で検出するようになっている。ここでは、ディジタイザ17は、第1の観察手段のセンサーアーム6と、第2の観察手段のUS用センサーアーム29との位置をそれぞれ分けて検出することができるようになっている。
【0035】
そして、スキャンセンサ35は、超音波観測装置30に接続されている。また、超音波観測装置30は、モニタ10に接続されている。したがって、図5の(A)に示すように、術部表面36にスキャンセンサ35が密着した状態で術部表面36からその内部に向かって超音波が発生(送信)される。スキャンセンサ35によって、反射超音波が所定の時間間隔および/もしくは所定の移動間隔で検出(受信)される。そして、例えば図5の(B)に示すような2次元断層画像情報の集合が超音波観測装置30に伝達されてモニタ10上に表示されるようになっている。なお、スキャンセンサ35から送信した超音波は、患部37で反射して図示しないセンサで受信されるようになっていても構わない。
【0036】
ところで、図3に示すように、ナビゲーション装置15、ディジタイザ17、センサーアーム6およびUS用センサーアーム29により、基準位置に対する相対位置を検出する位置検出手段60を構成している。
【0037】
また、超音波観測装置30は、画像処理部31に接続されている。この画像処理部31は画像メモリ32、画像座標演算部33およびLCDドライバ34a,34bにそれぞれ接続されている。また、画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15に接続されている。なお、画像処理部31に画像メモリ32と画像座標演算部33とが接続されて画像処理手段70となっている。
【0038】
さらに、上述したLCDドライバ34a,34bは、LCD24a,24bにそれぞれ接続されている。したがって、超音波観測装置30により得られる画像情報(超音波診断像)は画像処理部31を介してLCDドライバ34a,34bに送信される。さらにLCD24a,24bに転送されて表示可能となっている。なお、LCD24a,24b上の表示は、表示/非表示を選択することが可能となっている。
【0039】
また、図6は、手術用顕微鏡(第1の観察手段)1とUSプローブ(第2の観察手段)8とを用いてそれぞれ術部表面と術部内部の患部37の観察対象部Tとの概略的な立体観察状態を示すものである。図6に示すように、鏡体4の内部側の左右の光軸間隔はWとなっている。また、鏡体4の外側、すなわち第1の対物レンズ18から外側は、対物レンズ18により左右の光軸が屈折される。そして、右光軸はXrで、左光軸はXlで表され、これら右光軸Xr,左光軸Xlの中心に光軸中心Xcを有する。また、光軸中心Xcと術部表面36との交点(焦点)はPで、対物レンズ18と術部表面36との間のフォーカス距離はDcである。このとき、対物レンズ18に対して最適にフォーカス距離Dcが合わせられる。また、光軸中心Xcに対して、左右の光軸Xr,Xlは、それぞれ対称的にθ/2だけ傾けられた状態となる。そして、右光軸Xrは術部表面36の焦点Pに向かう方向ベクトルvrが規定される。同様に、左光軸Xlは術部表面36の焦点Pに向かう方向ベクトルvlが規定される。すなわち、これら方向ベクトルvr,vlは、ともにフォーカス距離Dcが変化するのに追従して変化する。なお、術部表面36の観察位置からの光が第1の対物レンズ18を介して鏡体4の内部に導かれるようになっている。鏡体4内部に導かれた光軸は、それぞれほぼ平行となっている。
【0040】
一方、術部表面36に対して内部の患部37の観察対象部Tに対し、上述の方向ベクトルvr,vlに直交する水平面Mr,Mlが焦点Pを通るように規定される。方向ベクトルvr,vlから水平面Mr,Mlに投影される仮想的な3次元観察像Tr,Tlを超音波システム9から得ることが可能となっている。また、光軸中心Xcを延長し、3次元生成画像Tとの交点をPtとする。また、焦点Pと交点Ptとの距離をDtとすると、図4の(B)に示す左右観察像Ol,Orにおける観察中心Pr,Plと、交点Ptとの間のずれは、
Dt・sin(θ/2)
で表される。このようなずれは、鏡体4の図4の(A)に示す左側および右側の観察像Ol,Orの視差に対応している。
【0041】
また、上述したように、術部表面36と患部37とは、ともに観察方向のベクトルがvr,vlで同一方向に規定されるので、同一方向から観察した画像を得ることが可能である。すなわち、左右で観察像Tr,Tlが異なり、超音波診断像と術部表面36の実観察画像とがともに立体的に観察されるようになっている。
【0042】
また、この他、例えばCT画像やMRI画像なども同時に、もしくは選択的に図1および図6に示す手術用顕微鏡1に重像可能、もしくは他のモニタに表示可能であることが好適である。図7に示すように片目分しか図示しないが、開頭したときの画像を表示することが可能である。図7中、上段の小画面80aは手術用顕微鏡1のリアルタイム画像Oにナビゲーション画像を表示したものである。ここで、ナビゲーション画像は、例えばCT画像に基づいて作成した3方向の断層画像、例えば、Sagital、Coronal、Axialの各断層画像と、これらを基に作成される3次元構築3D画像とが表示される。この図7中の観察像O中の符号Tは、USプローブ8で検出した患部37を示すものである。このようにすると、先に検出した仮想的な患部37の立体画像とリアルタイムに観察する患部37(T)の画像とを容易に比較可能である。このとき、術前のCT装置やMRI装置による診断画像に基づいて患部を同様に重畳表示することは可能である。しかし、USプローブ8による患部37の画像表示は、術中の患部37の位置変化(ブレインシフト)を含むので、リアルタイムでの正確な患部37の全体像を把握することができることになる。なお、符号LはUSプローブ8自体が映ったものである。また、図7中の下段の小画面80bは、超音波断層画像p0,…,pnの一例である。もちろん、両目分、このような画像が表示可能である。
【0043】
(作用)
次に、この実施の形態の手術用観察システムの作用について説明する。
【0044】
図1に示すグリップ7の図示しないスイッチを操作して回動軸5a〜5fの電磁鎖錠をロック解除状態とし、鏡体4の位置を術者の所望の位置に配置する。そして、フットスイッチ13に所定の操作を行い、図3に示すフォーカスモータ25を駆動し、対物レンズ18を光軸方向の所望の方向に移動する。フォーカスモータ25を駆動して移動した対物レンズ18の位置をフォーカスポテンショメータ26で検出する。そして、鏡体制御部11でフォーカス距離情報に変換する。このフォーカス距離情報をインターフェースユニット14に転送し、ナビゲーション装置15と通信するための信号に変換してナビゲーション装置15に出力する。
【0045】
続いて、フットスイッチ13を操作し、ズームモータ27を駆動し、ズーム光学系19a,19bの図示しない可動レンズ系を光軸方向の所望の方向に移動する。そして、図4の(A)ないし(C)のような観察画像Ol,Orを術者の所望の倍率に変更する。これらの可動レンズ系の移動をズームポテンショメータ28で検出する。そして、鏡体制御部11でズーム倍率情報に変換する。このズーム倍率情報をインターフェースユニット14に転送し、フォーカス距離情報と同様にナビゲーション装置15と通信するための信号に変換してナビゲーション装置15に出力する。
【0046】
このようにして観察倍率および焦点距離を術者の所望の位置に合わせる。そして、センサーアーム6からの赤外線をディジタイザ17で読み取り、手術用顕微鏡1を観察したときの術部表面36上に基準位置(基準指標)を規定する。
【0047】
次に、図5の(A)に示すように、USプローブ8のスキャンセンサ35から超音波を発生させながら術部表面36をなぞって、超音波の反射をセンサ35で所定の時間間隔および/もしくは所定の移動間隔ごとに受信する。一方、US用センサーアーム29からの赤外線をディジタイザ17で読み取り、基準位置に対するUSプローブ8を用いた画像検出位置情報を得る。また、図5の(B)に示すように、USプローブ8で受信した情報を順次超音波観測装置30で画像化して2次元画像(断層画像)p0,p1,…,pnを得る。そして、超音波観測装置30からモニタ10に画像を送信して2次元画像を表示する。
【0048】
以下、画像処理工程について説明する。
【0049】
まず、図8に示すように、USプローブ8のスキャンセンサ35を用いて患部37の2次元超音波画像情報を得る。そして、この画像情報を超音波観測装置30に送信する。さらに、超音波観測装置30で取得した基準2次元画像情報p0を画像処理部31に転送する(S1)。
【0050】
一方、画像情報p0を画像処理部31から画像座標演算部33に転送する。そして、画像座標演算部33とナビゲーション装置15との間で情報を交換する。すなわち、画像座標演算部33は、2次元画像p0を取得したときの基準指標に対するセンサーアーム6およびUS用センサーアーム29の空間座標をナビゲーション装置15から取得する。ここで、センサーアーム6の位置座標は、鏡体4の所定の位置に固定され、光軸中心を規定している。このため、基準指標に対する鏡体4の空間座標をディジタイザ17を介してナビゲーション装置15で取得する。同様に、US用センサーアーム29は、USプローブ8の所定の位置に取り付けられているため、基準指標に対するスキャンセンサ35の空間座標をディジタイザ17を介してナビゲーション装置15で取得する(S2)。
【0051】
画像処理部31は、画像座標演算部33から2次元画像情報p0の空間座標を取得し、画像化する。そして、2次元画像p0とUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S3)。
【0052】
画像処理部31は、画像メモリ32に記録されている全ての2次元画像p0,p1,…,pnの各画像のエッジを検出する画像処理を行い、対象物体Tの輪郭を抽出する。抽出した対象物体Tの輪郭を2次元画像p0,p1,…,pnの順に各画像の空間座標に基づいて並べ、2次元画像を連続させて3次元画像情報を得る(S4)。
【0053】
続いて、画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15から鏡体制御部11に基づいて鏡体4のフォーカス距離情報およびズーム倍率情報を取得する(S5)。
【0054】
次に、画像座標演算部33は、図6に示す予め記録されている鏡体4における左右の光軸間隔Wと、フォーカス距離Dcとから顕微鏡の焦点位置Pにおける左右の光軸(右光軸Xrから左光軸Xl)の内向角θを算出する(S6)。
【0055】
図9に示すように、図6に示す焦点Pを回転中心とし、光軸中心Xcより左右それぞれθ/2の角度における方向ベクトルvr,vlを画像座標演算部33で算出する。この算出情報を第1の観察手段に基づく演算結果として画像処理部31に出力する。また、ズーム倍率情報を画像処理部31に出力する(S7)。
【0056】
画像処理部31では、対象物体Tの3次元画像と焦点位置Pにおける方向ベクトルvr,vlの方向から、それぞれ対象物体Tを観察したときの水平面Mr,Ml上に対象物体Tの画像を投影する。また、ズーム倍率情報に基づいて方向ベクトルvr,vlを繰り返し算出し、水平面Mr,Mlの焦点位置Pを中心に対象物体Tの画像を拡大・縮小する。そして、所望の大きさで止める(S8)。
【0057】
画像処理部31は、水平面Mr上に投影した画像Trを画像処理部31によってLCDドライバ34aに、水平面Ml上に投影した画像TlをLCDドライバ34bにそれぞれ出力する(S9)。
【0058】
LCDドライバ34aは、LCD24aに水平面Mr上に投影した画像Trを表示する。また、LCDドライバ34bは、LCD24bに水平面Ml上に投影した画像Tlを表示する(S10)。
【0059】
したがって、鏡体4内のLCD24a,24bに表示された画像Tr,Tlの光束は、このLCD24a,24bから第2の対物レンズ23a,23bを介してビームスプリッタ20a,20bに入射する。そして、これらのビームスプリッタ20a,20bでそれぞれの光束の光軸が接眼レンズ22a,22bの方向に屈折する。そして、結像レンズ21a,21bを通して第1の対物レンズ18を通して入射された術部表面36の立体観察像とともに、接眼レンズ22a,22bを通して観察可能となる。このとき、画像Tr,Tlの左右の光軸は視差を有するので、左右で観察像が異なり、立体的に観察可能となっている。すなわち、術部表面36の立体観察像と、USプローブ8の診断像Tr,Tlとは、ともに同一方向から同一の視差を有する立体観察像となっている。
【0060】
なお、この観察画像の表示は、LCD24a,24bの表示位置を変えることによって、適宜変えられることが好ましい。すなわち、LCD24a,24bはビームスプリッタ20a,20bに入射する画像の位置を変えられるようになっている。そして、表面観察像に対して作成された患部37の3次元画像の位置を変化させることが可能となっている。
【0061】
また、図4の(A)ないし(C)に示すように、上述したシャッターの開閉、もしくはLCD24a,24bの表示/非表示の切替えを行うことによって、表面観察像とLCD24a,24bの表示画像(観察像)を選択的に表示可能となっている。すなわち、手術用観察システムは、図4の(B)および(C)中の観察像Tr,Tlと術部表面36とを同時もしくは選択的に観察可能となっている。
【0062】
ここで、上述した作用を簡単に説明すると、まず、超音波プローブ8で術部表面36をなぞって2次元診断画像を蓄積し、3次元画像を構成する。次に、超音波プローブ8および手術用顕微鏡1の鏡体4は、3次元位置検出装置(ナビゲーション装置)15で空間座標を検出する(基準位置を規定する)。また、鏡体4の焦点距離Dcおよび観察倍率をナビゲーション装置15に通知する。画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15から鏡体4の焦点距離Dcおよび観察倍率を取得する。そして、方向ベクトルvr,vlを算出し、超音波システム9から3次元画像を取得する。さらに、画像座標演算部33では鏡体4の位置、焦点距離Dc、観察倍率および3次元画像の空間座標から鏡体4の左右の視差に対応した2次元画像を算出する。そして、画像処理部31で左右の観察視野Ol,Orにそれぞれ重像して表示する。すなわち、顕微鏡1による実観察画像と、USプローブ8による超音波診断像とがともに立体的に観察可能となっている。
【0063】
また、この実施の形態では、水平面Mr,Mlに投影した仮想画像Tr,Tlは、対象となる患部37の全体をスキャンしなくても、一部がスキャンされている状態であれば、順次画像処理を行うとともに表示することができる。このため、手術用顕微鏡1の観察下でどの方向に患部37が存在しているかを大まかに見つけることができる。
【0064】
さらに詳細な画像情報が必要なときには、所望の部分を重点的にスキャンすることによって、画像情報を蓄積し、より詳細な仮想画像を構築することができる。
【0065】
(効果)
また、超音波観測装置30を用いて得た2次元画像を画像処理して3次元画像を構築して内部像としている。手術用顕微鏡1の観察視野に3次元画像として重像して表示するので、顕微鏡観察下で目的患部37を正確に示すことができる。
【0066】
また、顕微鏡1による術部表面36の観察像とUSプローブ8の診断像とがともに同一方向から同一視差を持って観察される。このため、術者が頭の中で3次元画像と顕微鏡観察像を重像したり、ブレインシフトを気にしながら手術を行う必要がない。すなわち、術者は作業に集中することができるとともに、術者の負担を軽減し、手術時間を短縮することができる。したがって、患者の負担も軽減することができる。
【0067】
なお、この実施の形態では、画像座標演算部33を設けたが、画像座標演算部33の代わりに例えばソフトウエア処理によっても行うことが可能である。したがって、この実施の形態で説明した手術用顕微鏡1、ナビゲーション装置15および超音波観測装置30を既に有するユーザーであれば、ソフトウエアによって、上述した作用を実現することができる。したがって、高価な投資を必要としないで済む。
【0068】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を図10ないし図13を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であって、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0069】
(構成)
図10に示すように、鏡体4’の対物レンズ18’の光軸中心には、第2の観察手段としてUSプローブ41を光軸方向に貫通可能な穴が設けられている。
【0070】
図10および図11に示すように、このUSプローブ41は、鏡体4’の外部側の一端にラジアル方式のスキャンセンサ35’を備えている。そして、USプローブ41は、鏡体4’の内部側の他端にギア(ラック)42が設けられている。このギア42は連結部としてギア歯車(ピニオン)43に噛合わせられている。このギア歯車43は、鏡体4’の所定の位置に固定された図示しないモータに連結されている。このモータは、プローブ用モータ制御部44に接続されている。このため、USプローブ41はモータの回転方向制御によって、光軸方向に沿って前後に移動可能となっている。また、図12に示すギア歯車43は、位置検出手段としてエンコーダ48を備えている。このエンコーダ48は、プローブ用モータ制御部44に接続されている。
【0071】
さらに、プローブ用モータ制御部44は、画像座標演算部33に接続されている。画像座標演算部33は、鏡体制御部11に接続されている。
【0072】
(作用)
次に、この実施の形態の手術用観察システムの作用について説明する。
【0073】
まず、図10に示すように、術部に対してUSプローブ41をその開口部から挿入する。このとき、患部37は、USプローブ41の軸方向に対して側方にあることが好ましい。また、基準位置は、第1の観察手段の焦点位置(術部表面)Pにあることが好ましい。
【0074】
図13に示すように、この状態から、図示しない信号を入力してモータ制御部44を制御しながらモータを回転させてギア歯車43を回転させる。そして、USプローブ41を光軸中心方向に沿って駆動する(S21)。
【0075】
そして、図12に示すように、USプローブ41で、USプローブ41に対してラジアル方向の2次元断層画像情報p0,…,pnを取得する(S22)。
【0076】
続いて、2次元画像情報p0を取得した時の鏡体4’に対するUSプローブ41の相対位置をエンコーダ48によってギア歯車43の回転量を検出し、プローブ用モータ制御部44で数値化して取得し、画像座標演算部33に出力する(S23)。
【0077】
そして、2次元画像p0と、USプローブ41の空間座標とを互いに関連付けて相対座標画像を画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ41の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S24)。
【0078】
この工程以降は第1の実施の形態で説明した図8におけるフローチャート中の符号S4で示す工程以降と同様なので、説明を省略する。
【0079】
ここで、上述した作用を簡単に説明する。まず、第1の観察手段に設けられた超音波プローブ41を術部に挿入し、図12に示すように、挿入方向の2次元診断画像p0,…,pnを蓄積する。超音波プローブ41の位置はギア歯車43の回転によりエンコーダ(位置検出手段)48によって検出する。これ以降の作用は、第1の実施の形態にかかる作用と同様である。
【0080】
(効果)
このように、第2の実施の形態では、USプローブ41の位置検出手段が手術用顕微鏡1の鏡体4’に設けられているため、場所をとらず、かつ簡単な位置検出装置で済むので、システムを安価に構成することができる。
【0081】
また、術者はUSプローブ41をもつ煩わしさがない。さらに、USプローブ41が対物レンズ18’の中心から術部に挿入されるので、術者は確実にUSプローブ41の先端を観察することができる。すなわち、USプローブ41の先端の術部を観察することができる。また、術者の手と干渉し難いというメリットがあり、術者は作業に集中できるので術者の疲労を軽減させることができる。
【0082】
なお、この実施の形態においては、第2の観察手段が第1の観察手段の対物レンズ18’を貫通して設けられている。例えば、鏡体4’の側面に第2の観察手段を連結して設け、第1の観察手段により第2の観察手段が常に観察可能に設けられていても良い。
【0083】
また、この実施の形態では、第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置に基づいて相対的な位置について説明した。例えば、他の手段として、第1の実施の形態に説明したように、患者の頭部(術部表面36)に設けられた基準指標を用いて、第1の観察手段と第2の観察手段との術部に対する相対的な位置を検出するようにしても良い。基準指標として、例えば、ギア42とギア歯車43との位置関係から導くことが好ましい。
【0084】
この場合、画像メモリ32には、図12に示す断層画像p0,…,pnと、断層画像p0,…,pnを取得した時の術部に対する相対位置とを関連付けて記録する。画像処理部31は術部に対する相対位置に基づいて3次元画像を構築する。また、手術用顕微鏡1の術部に対する相対位置を検出することにより、結果として第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を算出することができる。
【0085】
このようにすると、第2の観察手段によって断層画像p0,…,pnを取得した後に、第1の観察手段を術部に対して観察位置を変更しても顕微鏡1の観察視野に重像されている画像が実際の術部とずれないというメリットがある。
【0086】
[第3の実施の形態]
続いて、第3の実施の形態について図14ないし図16を用いて説明する。この実施の形態は、第1および第2の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0087】
(構成)
図14に示すように、鏡体4”の対物レンズ18を挟んで光軸中心を中心に対称となる位置に、光学式位置検出手段としてのCCDカメラ50a,50bが設けられている。さらに、これらのCCDカメラ50a,50bは鏡体4”による観察物体方向が撮像可能に、それぞれCCDカメラ50a,50bの撮像光軸が鏡体4”の観察軸方向に所定の角度をもって設けられている。
【0088】
そして、図15に示すように、CCDカメラ50a,50bは、ナビゲーション装置15に接続されて位置検出手段60を構成している。
【0089】
なお、第1の実施の形態で鏡体4に取り付けられていたセンサーアーム6はここでは取り付けられていない。
【0090】
(作用)
次に、この実施の形態にかかる手術用観察システムの作用について説明する。
【0091】
図16に示すように、USプローブ8を用いて術部表面をなぞって第1の実施の形態と同様に2次元画像p0を超音波観測装置30で順次取得する。そして、2次元画像p0を超音波観測装置30から画像処理部31に転送する(S31)。
【0092】
画像座標演算部33は、2次元画像p0を取得した時の鏡体4”に対するUS用センサーアーム29、つまりUSプローブ8の相対空間座標をCCDカメラ50a、50bによって撮像する。そして、ナビゲーション装置15で相対空間座標を演算する。ナビゲーション装置15は演算結果を画像座標演算部33に出力する。すなわち、2次元画像を取得したときの鏡体4”に対するUSプローブ8の相対空間座標を取得する(S32)。
【0093】
さらに、画像座標演算部33から2次元画像の空間座標を取得し、2次元画像p0とUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S33)。
【0094】
この工程以降は第1の実施の形態で説明した図8におけるフローチャート中の符号S4で示す工程以降と同様なので、説明を省略する。
【0095】
ここで、上述した作用を簡単に説明する。まず、3次元位置検出装置の光学式位置検出手段によって、基準位置を第1の観察手段で規定する。これ以降の作用は、第1の実施の形態にかかる作用と同様である。
【0096】
(効果)
このように、第3の実施の形態では、CCDカメラ50が鏡体4”に取り付けられているため、手術用顕微鏡1のためにディジタイザ17を設置するスペースを設ける必要がない。したがって、狭い手術室でも使用することができる。
【0097】
また、CCDカメラ50とUSプローブ用センサ8との間に障害物がないので、USプローブ8の相対位置を確実に検出することが可能となり、術者は手術に集中することができる。
【0098】
第3の実施の形態においても、術部に基準指標を用いて、光学式位置検出手段により術部に対する第2の観察手段の相対位置を算出することで第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
以上説明したように、これらの実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
【0100】
MRIやCTを設置する必要がないので、高価な投資を不要とすることができる。また、術中の画像取得のために患者を移動させる必要もなく、術中画像を顕微鏡視野と重像して表示することができる。このため、術者はブレインシフトを気にする必要がなく、手術に集中することができる。また、手術時間を短縮することができ、術者の疲労を軽減することができる。そして、患者の負担を軽減することができる。
【0101】
また、手術用顕微鏡1の画像と、超音波診断像とがともに3次元に表示されるので、重像しても観察しやすく、認識しやすくすることができる。
【0102】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0103】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0104】
[付記]
(付記項1) 術部を立体観察する第1の観察手段と、
術部の断層画像を生成する第2の観察手段と、
前記第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置を検出する位置検出手段と、
第2の観察手段による画像を位置検出手段および第1の観察手段に基き画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段による生成画像を、前記第1の観察手段の左右観察像にそれぞれ独立した画像を表示する画像表示手段と
を有することを特徴とする手術用観察システム。
【0105】
(付記項2) 付記項1における前記位置検出手段では、前記第1の観察手段は第2の観察手段との連結部を有し、この連結部で第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出することを特徴とする付記項1に記載の手術用観察システム。
【0106】
(付記項3) 付記項1における前記位置検出手段では、前記第1の観察手段に設けられた光学式位置検出手段により、この第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出することを特徴とする付記項1に記載の手術用観察システム。
【0107】
(付記項4) 付記項1〜3のいずれか1における第1の観察手段は、左右それぞれの観察光路を有する光学式顕微鏡であることを特徴とする手術用観察システム。
【0108】
(付記項5) 付記項1〜3のいずれか1における第2の観察手段は、2次元画像を撮像する超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0109】
(付記項6) 付記項1もしくは付記項3における第2の観察手段は、前方スキャン方式の超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0110】
(付記項7) 付記項2における第2の観察手段は、ラジアルスキャン方式の超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0111】
(付記項8) 付記項2における第2の観察手段は、第1の観察手段の対物レンズ中心を介して術部に挿入されることを特徴とする手術用観察システム。
【0112】
(付記項9) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、断層画像と、前記断層画像を取得した時の第1の観察手段との相対位置を関連付けて記録する画像メモリを備えることを特徴とする手術用観察システム。
【0113】
(付記項10) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、第2の観察手段による2次元画像と、第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置に基づき、3次元画像を構築することを特徴とする手術用観察システム。
【0114】
(付記項11) 付記項1〜3のいずれか1における画像演算手段は、第1の観察手段における光学情報に基づき、焦点位置における3次元生成画像から実体顕微鏡の左右像を演算することを特徴とする手術用観察システム。
【0115】
(付記項12) 付記項8における光学情報は少なくとも、フォーカス距離情報、ズーム倍率情報および左右光軸間隔の情報を含むことを特徴とする手術用観察システム。
【0116】
(付記項13) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、第2の観察手段による断層画像をエッジ検出によって演算し、対象物体の輪郭抽出を行うことを特徴とする手術用観察システム。
【0117】
(付記項14) 付記項1もしくは付記項3における位置検出手段は、術部に対する第1の観察手段との相対位置と、術部に対する第2の観察手段による相対位置を算出することを特徴とする手術用観察システム。
【0118】
(付記項15) 付記項14における画像処理手段は、断層画像のデータと、前記断層画像のデータを取得した時の術部に対する相対位置を関連付けて記録する画像メモリを備えることを特徴とする手術用観察システム。
【0119】
(付記項16) 付記項15における画像処理手段は、第2の観察手段による2次元画像と、術部と第2の観察手段との相対位置に基づき、3次元画像を構築することを特徴とする手術用観察システム。
【0120】
(付記項17) 左右に1対の光軸を備え、術部表面を立体観察する第1の観察手段と、
この術部表面に対する内部の2次元断層画像情報を所定の方向に沿って順次取得する第2の観察手段と、
前記第1の観察手段による術部表面の観察部位と第2の観察手段による術部内部の観察部位との間の相対位置情報を検出する位置検出手段と、
この検出手段から得た相対位置情報および前記第1の観察手段の光学情報に基づいて前記第2の観察手段から得た画像情報に画像処理を行い、前記第1の観察手段の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段と、
この画像処理手段で処理した立体画像を表示し、かつ、この表示情報を前記第1の観察手段の光軸上に重ねる画像表示手段と
を備え、前記第1の観察手段による左右の光軸から得た術部表面の立体観察像に、前記画像表示手段に表示される立体画像を表示可能としたことを特徴とする手術用観察システム。
【0121】
(付記項18) 前記画像処理手段は、前記第2の観察手段で取得する立体観察像を前記第1の観察手段と同一の観察方向から観察した状態に作成することを特徴とする付記項17に記載の手術用観察システム。
【0122】
(付記項19) 前記位置検出手段は、前記第1および第2の観察手段の間に連結部を備え、前記第1の観察手段に対する第2の観察手段の移動に伴って、第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出可能としたことを特徴とする付記項17もしくは付記項18に記載の手術用観察システム。
【0123】
(付記項20) 前記位置検出手段は、前記第1の観察手段に光学式位置検出手段を備え、この光学式位置検出手段により前記第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出可能としたことを特徴とする付記項17もしくは付記項18に記載の手術用観察システム。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、術部表面の顕微鏡観察画像と、この術部の内部の超音波診断像とをともに立体的に重像表示可能で、低コストの手術用観察システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる手術用観察システム全体の概略図。
【図2】図1に示す手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図3】図1に示す手術用観察システム全体のブロック図。
【図4】手術用顕微鏡の観察画面を示し、(A)は術部表面の概略的な観察画像、(B)は術部表面の内部にある仮想的な患部の観察画像、(C)は(A)および(B)を重像した状態の観察画像。
【図5】(A)は術部表面を超音波プローブでなぞる状態を示す説明図、(B)は超音波プローブで術部表面をなぞったときの空間座標に対応する2次元画像の集合を示す概略図。
【図6】図1に示す手術用顕微鏡を用いて術部および術部内部を観察するときの状態を示す概略図。
【図7】図4に示す観察像の変形例。
【図8】図3に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【図9】図8のフローチャートの後部に接続するフローチャート。
【図10】第2の実施の形態にかかる手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図11】第2の実施の形態にかかる手術用観察システム全体のブロック図。
【図12】超音波プローブで術部表面をなぞったときの空間座標に対応する2次元画像の集合を示す概略図。
【図13】図11に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【図14】第3の実施の形態にかかる手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図15】第2の実施の形態にかかる手術用観察システム全体のブロック図。
【図16】図15に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡(第1の観察手段)、4…鏡体、6…センサーアーム、8…超音波プローブ、9…超音波システム(第2の観察手段)、11…鏡体制御部、15…ナビゲーション装置、17…ディジタイザ、18…第1の対物レンズ、22a.22b…接眼レンズ、24a.24b…液晶表示装置(LCD)、29…超音波プローブ用センサーアーム、30…超音波観測装置、31…画像処理部、32…画像メモリ、33…画像座標演算部、34a,34b…LCDドライバ、35…スキャンセンサ、36…術部表面、37…患部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば脳神経外科等の顕微鏡下での微細な手術に適した手術用観察システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、手術方法や手術機器などの発達に伴い、いわゆるマイクロサージェリーと呼ばれる微細な手術が頻繁に行われるようになってきた。マイクロサージェリーには、例えば脳神経外科に見るように、術部を拡大観察するための観察光学系を有する鏡体を備えた手術用顕微鏡が用いられる。一般に、手術用顕微鏡は、術部を拡大観察するための顕微鏡からなる鏡体と、この鏡体を所望の位置・角度に移動するためのアームを有する架台とで構成されている。
【0003】
また、術前のMRIやCT画像と相関を取り、顕微鏡手術時に比較するいわゆるナビゲーション装置が普及してきている。このため、顕微鏡観察下で直接観察することのできない患部の位置を予め確認してから手術を進めることができるようになった。さらに、顕微鏡観察像とMRIやCT画像とを同時観察することも可能となっている。
【0004】
例えば、特開2000−139949号公報には、上述したマイクロサージェリーのための手術用顕微鏡が開示されている。この手術用顕微鏡は、手術機器の位置検出に関するマニピュレータなど、脳神経外科等の顕微鏡下での微細な手術の一般的な技術を説明している。
【0005】
また、特開2001−104335号公報には、手術用観察システムが開示されている。この手術用観察システムでは、光学観察像と超音波診断像とを同時に重像することが可能である。また、光学観察像の一部にのみ重像するので、診断画像と術部との相関を取ることが容易となっている。また、超音波診断画像は超音波プローブの移動に伴って変化し、術者が観察したい部位を即座に観察することができるものである。
【0006】
また、特開2002−000619号公報には、手術用顕微鏡が開示されている。この手術用顕微鏡では、超音波診断画像は、顕微鏡の内部に表示される。また、顕微鏡観察視野内で光学観察像と超音波診断像とを異なる画面に重像している。また、この超音波診断像は、3方向から観察した画面を表示するとともに、これら3方向から観察した画面から患部近傍の3D表示を可能としている。
【0007】
また、特開2002−034980号公報には、超音波観測システムが開示されている。この超音波観測システムは、ラジアル方向および前方方向の超音波診断像を得ることができるものである。すなわち、超音波診断像を得る超音波プローブのホルダを取り替えることによって、2方向の超音波診断像を得ることができる。このため、超音波プローブの内部構造を簡素化することができ、超音波プローブの外径を大径化することを要しない。このため、狭い観察対象部位に対しても3次元超音波像を得ることができる。
【0008】
さらに、特開平9−19441号公報には、手術を支援する画像表示装置が開示されている。この画像表示装置は、左右一対のTVカメラを用いて電子画像に左右で視差を持たせた画像を表示し、立体的な観察を可能としたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、脳神経外科手術では開頭により脳変位(ブレインシフト)が発生する。このため、術前のMRIやCT画像情報から得られる患部の位置に対して、実際の患部の位置にずれが生じる。したがって、ブレインシフトを考慮したリアルタイム観測可能な患部認識装置が望まれている。
【0010】
また、術中に再びMRIやCT画像情報を取得することも行われている。しかし、円滑な術中診断を行うには手術室にMRI装置やCT装置などの3次元超音波観測装置を設置しなければならないなど、これらの機材を設置可能な広い手術室が要求されてしまう。
【0011】
また、顕微鏡観察下の手術においては、術者と術部との間に顕微鏡が存在するため、3次元超音波観測装置を用いると顕微鏡と術部との間がさらに煩雑になってしまう。このため、手術の進行を妨げる要因となっていた。さらに、3次元超音波観測装置は高価であるため、術者および患者に対して大きな費用の負担をもたらしていた。
【0012】
一方では、画像情報としての内部画像は視認しやすい3次元画像であることが望ましい。しかし、これまでは3次元超音波観測装置や特開2002−034980号公報で開示された技術では、顕微鏡画像を立体観察可能な鏡体と、表示が平面的な超音波診断像表示画面とを見る必要があった。すなわち、顕微鏡画像は立体的に観察されるが、超音波診断画像は平面的であるため、術者の頭の中で立体画像として構築し直す必要があった。
【0013】
また、特開2002−000619号公報で開示された技術では、顕微鏡観察視野内に他に小画面を設けて、この小画面に超音波診断画像を表示している。このため、実際の患部の位置を把握するには術者の頭の中で立体的に重像(想像)しなければならなかった。
【0014】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、術部表面の顕微鏡観察画像と、この術部の内部の超音波診断像とをともに立体的に重像表示可能で、低コストの手術用観察システムを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の手術用観察システムは、左右に1対の光軸を備え、術部表面を立体観察する第1の観察手段と、この術部表面に対する内部の2次元断層画像情報を所定の方向に沿って順次取得する第2の観察手段と、前記第1の観察手段による術部表面の観察部位と第2の観察手段による術部内部の観察部位との間の相対位置情報を検出する位置検出手段と、この検出手段から得た相対位置情報および前記第1の観察手段の光学情報に基づいて前記第2の観察手段から得た画像情報に画像処理を行い、前記第1の観察手段の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段と、この画像処理手段で処理した立体画像を表示し、かつ、この表示情報を前記第1の観察手段の光軸上に重ねる画像表示手段とを備え、前記第1の観察手段による左右の光軸から得た術部表面の立体観察像に、前記画像表示手段に表示される立体画像を表示可能としたことを特徴とするものである。
【0016】
また、前記画像処理手段は、前記第2の観察手段で取得する立体観察像を前記第1の観察手段と同一の観察方向から観察した状態に作成することが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について図1ないし図9を用いて説明する。
【0019】
(構成)
図1に示すように、この実施の形態にかかる手術用観察システム(手術用顕微鏡システム)には、第1の観察手段として実体顕微鏡を有する手術用顕微鏡1が設けられている。さらに、この手術用顕微鏡1には、第2の観察手段として超音波システム9が接続されている。
【0020】
第1の観察手段としての手術用顕微鏡1には、架台2と、この架台2の上部に配設されたバランスアーム3と、このバランスアーム3に支持された鏡体4とが設けられている。
【0021】
ここで、バランスアーム3には、複数の回動アーム(可動アーム)と6軸の回動軸(可動軸)5a〜5fとが設けられている。各回動軸5a〜5fには、バランスアーム3の各回動アームの回動位置を固定するロック状態と、このロック状態を解除するロック解除状態とに切替え可能な電磁鎖錠(図示せず)が設けられている。そして、鏡体4は、電磁鎖錠のロック/ロック解除の切替え動作にともない、バランスアーム3の各回動アームの各回動軸5a〜5fを中心として空間的に移動自在に支持されている。
【0022】
また、図1に示すように、鏡体4には後述する第1の対物レンズ18(図2参照)の光軸中心位置を規定するセンサーアーム6が装着されている。このセンサーアーム6は、例えば時分割発光式の複数個の赤外線LEDが取り付けられている。このセンサーアーム6の赤外線は、後述するナビゲーション装置15に接続され、鏡体4の第1の対物レンズ18の光軸中心Xcと関連している。
【0023】
さらに、鏡体4には、この鏡体4の位置操作用のグリップ7が設けられている。このグリップ7には焦点調整用、変倍操作用およびアーム操作用の各操作スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0024】
そして、架台2には、鏡体制御部11およびアーム制御部12が内蔵されている。上述したグリップ7の各操作スイッチは、それぞれ鏡体制御部11およびアーム制御部12に接続されている。さらに、これらの鏡体制御部11およびアーム制御部12には、グリップ7の各操作スイッチと同様に焦点調整用および変倍操作用の各スイッチを有するフットスイッチ13が接続されている。
【0025】
さらに、鏡体制御部11およびアーム制御部12は、インターフェースユニット14を介してナビゲーション装置15に接続されている。ナビゲーション装置15には、上述したセンサーアーム6からの赤外線を検出するディジタイザ17が接続されている。このディジタイザ17によりデジタル情報化された位置情報がナビゲーション装置15に入力されると、患者頭部に設定(規定)される図示しない基準指標との相関を取って位置情報を算出するようになっている。また、このナビゲーション装置15には、ナビゲーション用モニタ16が設けられている。
【0026】
次に、図2に示すように、鏡体4には左右で1対の観察光学系が設けられている。これらの観察光学系には、左右の光軸で共有する第1の対物レンズ18が配設されている。さらに、鏡体4の内部の対物レンズ18の光軸上には、左右で1対のズーム光学系19a,19bが配設されている。そして、このズーム光学系19a,19bの光軸上には、光軸に対して所定の角度、例えばこの実施の形態では45°傾けられ、光軸を直角に屈折させるビームスプリッタ20a,20bが後述する光軸中心Xc対して対称に配設されている。さらに、光軸上には結像レンズ21a,21bと、接眼レンズ22a,22bとが順次配設されている。なお、ズーム光学系19a,19bは、それぞれ光軸上に並設された複数の可動レンズ系(図示せず)からなる。
【0027】
また、上述した光軸に直交し、光軸中心Xcに対して対称に傾けられたビームスプリッタ20a,20bの外方、すなわち鏡体4の外方に向けた位置には、第2の対物レンズ23a,23bが配設されている。さらに、これらの対物レンズ23a,23bの光軸上には、画像表示手段54として、それぞれ液晶表示装置(以下、LCDと称する)24a,24bが設けられている。これらのLCD24a,24bから発する光束は、それぞれ第2の対物レンズ23a,23bを介してそれぞれ上述のビームスプリッタ20a,20bに入射される。
【0028】
ここで、ビームスプリッタ20a,20bの特性により、上述したズーム光学系19a,19bから入射されたそれぞれの光束は結像レンズ21a,21bに向かって透過する。一方、第2の対物レンズ23a,23bから入射された光束は結像レンズ21a,21bに対して直角に反射する向き、すなわち、結像レンズ21a,21bの方向に向けて屈折する。なお、LCD24a,24bは、左右の観察光学系のそれぞれの光軸中心にLCD24a,24bの表示中心が一致するように設けられている。したがって、この観察光学系は、左右対称となっている。また、ビームスプリッタ20a,20bの光透過特性を設定し、左右の光軸同士が互いに干渉しないようになっていることが好ましい。
【0029】
そして、第1の対物レンズ18には、光軸方向に移動可能な移動機構(図示せず)を備えている。この移動機構には、図3に示すように、フォーカスモータ25が連結されている。このため、このモータ25の回転によって対物レンズ18が光軸方向に移動可能となっている。また、フォーカスモータ25は、対物レンズ18の位置を認識可能なフォーカスポテンショメータ26に連結されている。
【0030】
また、同様に、ズーム光学系19a,19bの図示しない可動レンズ系には、移動機構(図示せず)を介してズームモータ27が接続されている。さらに、このズームモータ27には、可動レンズ系のレンズ位置を認識可能なズームポテンショメータ28が配設されている。なお、上述したフォーカスモータ25、フォーカスポテンショメータ26、ズームモータ27およびズームポテンショメータ28は、それぞれ上述の鏡体制御部11に接続されている。
【0031】
なお、ズーム光学系19a,19bとビームスプリッタ20a,20bとの間、もしくは、ズーム光学系19a,19bと第1の対物レンズ18との間には、シャッター(図示せず)が設けられている。
【0032】
この手術用顕微鏡1で図2に示す術部表面(例えばこの実施の形態では脳表面)36をリアルタイム観察したものを図4の(A)に示す。なお、この図4の(A)ないし(C)中の左図は左眼用の観察画像Olを示し、右図は右眼用の観察画像Orを示す。これら2つの観察画像Ol,Orは、互いに視差が考慮されているので、立体観察可能となっている。なお、図4の(A)では、後述するLCD24a,24bは非表示状態となっている。また、図4の(B)では、上述したシャッターが閉じた状態となっている。さらに、図4の(C)では、LCD24a,24bが表示状態、かつ、シャッターが開いた状態となっている。
【0033】
次に、この実施の形態における第2の観察手段としての超音波システム9は、以下のように構成されている。
【0034】
図3に示すように、超音波システム9には、前方スキャン方式の超音波プローブ(以下、USプローブと称する)8が設けられている。このUSプローブ8の先端には、超音波を送受信するスキャンセンサ35が配設されている。また、USプローブ8には、スキャンセンサ35の基準位置に対する相対的移動位置を認識(規定)可能な超音波プローブ用センサーアーム(以下、US用センサーアームと称する)29が所定の位置に固定されている。US用センサーアーム29は、上述したセンサーアーム6と同様に、例えば時分割発光式の複数個の赤外線LEDが取り付けられている。なお、このUS用センサーアーム29の赤外線LEDの時分割パターンは、上述したセンサーアーム6とは異なっている。このUS用センサーアーム29は、ナビゲーション装置15に接続されている。このUS用センサーアーム29からの赤外線は、第1の観察手段のセンサーアーム6と同様に、上述したディジタイザ17もしくは他のディジタイザ(図示せず)で検出するようになっている。ここでは、ディジタイザ17は、第1の観察手段のセンサーアーム6と、第2の観察手段のUS用センサーアーム29との位置をそれぞれ分けて検出することができるようになっている。
【0035】
そして、スキャンセンサ35は、超音波観測装置30に接続されている。また、超音波観測装置30は、モニタ10に接続されている。したがって、図5の(A)に示すように、術部表面36にスキャンセンサ35が密着した状態で術部表面36からその内部に向かって超音波が発生(送信)される。スキャンセンサ35によって、反射超音波が所定の時間間隔および/もしくは所定の移動間隔で検出(受信)される。そして、例えば図5の(B)に示すような2次元断層画像情報の集合が超音波観測装置30に伝達されてモニタ10上に表示されるようになっている。なお、スキャンセンサ35から送信した超音波は、患部37で反射して図示しないセンサで受信されるようになっていても構わない。
【0036】
ところで、図3に示すように、ナビゲーション装置15、ディジタイザ17、センサーアーム6およびUS用センサーアーム29により、基準位置に対する相対位置を検出する位置検出手段60を構成している。
【0037】
また、超音波観測装置30は、画像処理部31に接続されている。この画像処理部31は画像メモリ32、画像座標演算部33およびLCDドライバ34a,34bにそれぞれ接続されている。また、画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15に接続されている。なお、画像処理部31に画像メモリ32と画像座標演算部33とが接続されて画像処理手段70となっている。
【0038】
さらに、上述したLCDドライバ34a,34bは、LCD24a,24bにそれぞれ接続されている。したがって、超音波観測装置30により得られる画像情報(超音波診断像)は画像処理部31を介してLCDドライバ34a,34bに送信される。さらにLCD24a,24bに転送されて表示可能となっている。なお、LCD24a,24b上の表示は、表示/非表示を選択することが可能となっている。
【0039】
また、図6は、手術用顕微鏡(第1の観察手段)1とUSプローブ(第2の観察手段)8とを用いてそれぞれ術部表面と術部内部の患部37の観察対象部Tとの概略的な立体観察状態を示すものである。図6に示すように、鏡体4の内部側の左右の光軸間隔はWとなっている。また、鏡体4の外側、すなわち第1の対物レンズ18から外側は、対物レンズ18により左右の光軸が屈折される。そして、右光軸はXrで、左光軸はXlで表され、これら右光軸Xr,左光軸Xlの中心に光軸中心Xcを有する。また、光軸中心Xcと術部表面36との交点(焦点)はPで、対物レンズ18と術部表面36との間のフォーカス距離はDcである。このとき、対物レンズ18に対して最適にフォーカス距離Dcが合わせられる。また、光軸中心Xcに対して、左右の光軸Xr,Xlは、それぞれ対称的にθ/2だけ傾けられた状態となる。そして、右光軸Xrは術部表面36の焦点Pに向かう方向ベクトルvrが規定される。同様に、左光軸Xlは術部表面36の焦点Pに向かう方向ベクトルvlが規定される。すなわち、これら方向ベクトルvr,vlは、ともにフォーカス距離Dcが変化するのに追従して変化する。なお、術部表面36の観察位置からの光が第1の対物レンズ18を介して鏡体4の内部に導かれるようになっている。鏡体4内部に導かれた光軸は、それぞれほぼ平行となっている。
【0040】
一方、術部表面36に対して内部の患部37の観察対象部Tに対し、上述の方向ベクトルvr,vlに直交する水平面Mr,Mlが焦点Pを通るように規定される。方向ベクトルvr,vlから水平面Mr,Mlに投影される仮想的な3次元観察像Tr,Tlを超音波システム9から得ることが可能となっている。また、光軸中心Xcを延長し、3次元生成画像Tとの交点をPtとする。また、焦点Pと交点Ptとの距離をDtとすると、図4の(B)に示す左右観察像Ol,Orにおける観察中心Pr,Plと、交点Ptとの間のずれは、
Dt・sin(θ/2)
で表される。このようなずれは、鏡体4の図4の(A)に示す左側および右側の観察像Ol,Orの視差に対応している。
【0041】
また、上述したように、術部表面36と患部37とは、ともに観察方向のベクトルがvr,vlで同一方向に規定されるので、同一方向から観察した画像を得ることが可能である。すなわち、左右で観察像Tr,Tlが異なり、超音波診断像と術部表面36の実観察画像とがともに立体的に観察されるようになっている。
【0042】
また、この他、例えばCT画像やMRI画像なども同時に、もしくは選択的に図1および図6に示す手術用顕微鏡1に重像可能、もしくは他のモニタに表示可能であることが好適である。図7に示すように片目分しか図示しないが、開頭したときの画像を表示することが可能である。図7中、上段の小画面80aは手術用顕微鏡1のリアルタイム画像Oにナビゲーション画像を表示したものである。ここで、ナビゲーション画像は、例えばCT画像に基づいて作成した3方向の断層画像、例えば、Sagital、Coronal、Axialの各断層画像と、これらを基に作成される3次元構築3D画像とが表示される。この図7中の観察像O中の符号Tは、USプローブ8で検出した患部37を示すものである。このようにすると、先に検出した仮想的な患部37の立体画像とリアルタイムに観察する患部37(T)の画像とを容易に比較可能である。このとき、術前のCT装置やMRI装置による診断画像に基づいて患部を同様に重畳表示することは可能である。しかし、USプローブ8による患部37の画像表示は、術中の患部37の位置変化(ブレインシフト)を含むので、リアルタイムでの正確な患部37の全体像を把握することができることになる。なお、符号LはUSプローブ8自体が映ったものである。また、図7中の下段の小画面80bは、超音波断層画像p0,…,pnの一例である。もちろん、両目分、このような画像が表示可能である。
【0043】
(作用)
次に、この実施の形態の手術用観察システムの作用について説明する。
【0044】
図1に示すグリップ7の図示しないスイッチを操作して回動軸5a〜5fの電磁鎖錠をロック解除状態とし、鏡体4の位置を術者の所望の位置に配置する。そして、フットスイッチ13に所定の操作を行い、図3に示すフォーカスモータ25を駆動し、対物レンズ18を光軸方向の所望の方向に移動する。フォーカスモータ25を駆動して移動した対物レンズ18の位置をフォーカスポテンショメータ26で検出する。そして、鏡体制御部11でフォーカス距離情報に変換する。このフォーカス距離情報をインターフェースユニット14に転送し、ナビゲーション装置15と通信するための信号に変換してナビゲーション装置15に出力する。
【0045】
続いて、フットスイッチ13を操作し、ズームモータ27を駆動し、ズーム光学系19a,19bの図示しない可動レンズ系を光軸方向の所望の方向に移動する。そして、図4の(A)ないし(C)のような観察画像Ol,Orを術者の所望の倍率に変更する。これらの可動レンズ系の移動をズームポテンショメータ28で検出する。そして、鏡体制御部11でズーム倍率情報に変換する。このズーム倍率情報をインターフェースユニット14に転送し、フォーカス距離情報と同様にナビゲーション装置15と通信するための信号に変換してナビゲーション装置15に出力する。
【0046】
このようにして観察倍率および焦点距離を術者の所望の位置に合わせる。そして、センサーアーム6からの赤外線をディジタイザ17で読み取り、手術用顕微鏡1を観察したときの術部表面36上に基準位置(基準指標)を規定する。
【0047】
次に、図5の(A)に示すように、USプローブ8のスキャンセンサ35から超音波を発生させながら術部表面36をなぞって、超音波の反射をセンサ35で所定の時間間隔および/もしくは所定の移動間隔ごとに受信する。一方、US用センサーアーム29からの赤外線をディジタイザ17で読み取り、基準位置に対するUSプローブ8を用いた画像検出位置情報を得る。また、図5の(B)に示すように、USプローブ8で受信した情報を順次超音波観測装置30で画像化して2次元画像(断層画像)p0,p1,…,pnを得る。そして、超音波観測装置30からモニタ10に画像を送信して2次元画像を表示する。
【0048】
以下、画像処理工程について説明する。
【0049】
まず、図8に示すように、USプローブ8のスキャンセンサ35を用いて患部37の2次元超音波画像情報を得る。そして、この画像情報を超音波観測装置30に送信する。さらに、超音波観測装置30で取得した基準2次元画像情報p0を画像処理部31に転送する(S1)。
【0050】
一方、画像情報p0を画像処理部31から画像座標演算部33に転送する。そして、画像座標演算部33とナビゲーション装置15との間で情報を交換する。すなわち、画像座標演算部33は、2次元画像p0を取得したときの基準指標に対するセンサーアーム6およびUS用センサーアーム29の空間座標をナビゲーション装置15から取得する。ここで、センサーアーム6の位置座標は、鏡体4の所定の位置に固定され、光軸中心を規定している。このため、基準指標に対する鏡体4の空間座標をディジタイザ17を介してナビゲーション装置15で取得する。同様に、US用センサーアーム29は、USプローブ8の所定の位置に取り付けられているため、基準指標に対するスキャンセンサ35の空間座標をディジタイザ17を介してナビゲーション装置15で取得する(S2)。
【0051】
画像処理部31は、画像座標演算部33から2次元画像情報p0の空間座標を取得し、画像化する。そして、2次元画像p0とUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S3)。
【0052】
画像処理部31は、画像メモリ32に記録されている全ての2次元画像p0,p1,…,pnの各画像のエッジを検出する画像処理を行い、対象物体Tの輪郭を抽出する。抽出した対象物体Tの輪郭を2次元画像p0,p1,…,pnの順に各画像の空間座標に基づいて並べ、2次元画像を連続させて3次元画像情報を得る(S4)。
【0053】
続いて、画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15から鏡体制御部11に基づいて鏡体4のフォーカス距離情報およびズーム倍率情報を取得する(S5)。
【0054】
次に、画像座標演算部33は、図6に示す予め記録されている鏡体4における左右の光軸間隔Wと、フォーカス距離Dcとから顕微鏡の焦点位置Pにおける左右の光軸(右光軸Xrから左光軸Xl)の内向角θを算出する(S6)。
【0055】
図9に示すように、図6に示す焦点Pを回転中心とし、光軸中心Xcより左右それぞれθ/2の角度における方向ベクトルvr,vlを画像座標演算部33で算出する。この算出情報を第1の観察手段に基づく演算結果として画像処理部31に出力する。また、ズーム倍率情報を画像処理部31に出力する(S7)。
【0056】
画像処理部31では、対象物体Tの3次元画像と焦点位置Pにおける方向ベクトルvr,vlの方向から、それぞれ対象物体Tを観察したときの水平面Mr,Ml上に対象物体Tの画像を投影する。また、ズーム倍率情報に基づいて方向ベクトルvr,vlを繰り返し算出し、水平面Mr,Mlの焦点位置Pを中心に対象物体Tの画像を拡大・縮小する。そして、所望の大きさで止める(S8)。
【0057】
画像処理部31は、水平面Mr上に投影した画像Trを画像処理部31によってLCDドライバ34aに、水平面Ml上に投影した画像TlをLCDドライバ34bにそれぞれ出力する(S9)。
【0058】
LCDドライバ34aは、LCD24aに水平面Mr上に投影した画像Trを表示する。また、LCDドライバ34bは、LCD24bに水平面Ml上に投影した画像Tlを表示する(S10)。
【0059】
したがって、鏡体4内のLCD24a,24bに表示された画像Tr,Tlの光束は、このLCD24a,24bから第2の対物レンズ23a,23bを介してビームスプリッタ20a,20bに入射する。そして、これらのビームスプリッタ20a,20bでそれぞれの光束の光軸が接眼レンズ22a,22bの方向に屈折する。そして、結像レンズ21a,21bを通して第1の対物レンズ18を通して入射された術部表面36の立体観察像とともに、接眼レンズ22a,22bを通して観察可能となる。このとき、画像Tr,Tlの左右の光軸は視差を有するので、左右で観察像が異なり、立体的に観察可能となっている。すなわち、術部表面36の立体観察像と、USプローブ8の診断像Tr,Tlとは、ともに同一方向から同一の視差を有する立体観察像となっている。
【0060】
なお、この観察画像の表示は、LCD24a,24bの表示位置を変えることによって、適宜変えられることが好ましい。すなわち、LCD24a,24bはビームスプリッタ20a,20bに入射する画像の位置を変えられるようになっている。そして、表面観察像に対して作成された患部37の3次元画像の位置を変化させることが可能となっている。
【0061】
また、図4の(A)ないし(C)に示すように、上述したシャッターの開閉、もしくはLCD24a,24bの表示/非表示の切替えを行うことによって、表面観察像とLCD24a,24bの表示画像(観察像)を選択的に表示可能となっている。すなわち、手術用観察システムは、図4の(B)および(C)中の観察像Tr,Tlと術部表面36とを同時もしくは選択的に観察可能となっている。
【0062】
ここで、上述した作用を簡単に説明すると、まず、超音波プローブ8で術部表面36をなぞって2次元診断画像を蓄積し、3次元画像を構成する。次に、超音波プローブ8および手術用顕微鏡1の鏡体4は、3次元位置検出装置(ナビゲーション装置)15で空間座標を検出する(基準位置を規定する)。また、鏡体4の焦点距離Dcおよび観察倍率をナビゲーション装置15に通知する。画像座標演算部33は、ナビゲーション装置15から鏡体4の焦点距離Dcおよび観察倍率を取得する。そして、方向ベクトルvr,vlを算出し、超音波システム9から3次元画像を取得する。さらに、画像座標演算部33では鏡体4の位置、焦点距離Dc、観察倍率および3次元画像の空間座標から鏡体4の左右の視差に対応した2次元画像を算出する。そして、画像処理部31で左右の観察視野Ol,Orにそれぞれ重像して表示する。すなわち、顕微鏡1による実観察画像と、USプローブ8による超音波診断像とがともに立体的に観察可能となっている。
【0063】
また、この実施の形態では、水平面Mr,Mlに投影した仮想画像Tr,Tlは、対象となる患部37の全体をスキャンしなくても、一部がスキャンされている状態であれば、順次画像処理を行うとともに表示することができる。このため、手術用顕微鏡1の観察下でどの方向に患部37が存在しているかを大まかに見つけることができる。
【0064】
さらに詳細な画像情報が必要なときには、所望の部分を重点的にスキャンすることによって、画像情報を蓄積し、より詳細な仮想画像を構築することができる。
【0065】
(効果)
また、超音波観測装置30を用いて得た2次元画像を画像処理して3次元画像を構築して内部像としている。手術用顕微鏡1の観察視野に3次元画像として重像して表示するので、顕微鏡観察下で目的患部37を正確に示すことができる。
【0066】
また、顕微鏡1による術部表面36の観察像とUSプローブ8の診断像とがともに同一方向から同一視差を持って観察される。このため、術者が頭の中で3次元画像と顕微鏡観察像を重像したり、ブレインシフトを気にしながら手術を行う必要がない。すなわち、術者は作業に集中することができるとともに、術者の負担を軽減し、手術時間を短縮することができる。したがって、患者の負担も軽減することができる。
【0067】
なお、この実施の形態では、画像座標演算部33を設けたが、画像座標演算部33の代わりに例えばソフトウエア処理によっても行うことが可能である。したがって、この実施の形態で説明した手術用顕微鏡1、ナビゲーション装置15および超音波観測装置30を既に有するユーザーであれば、ソフトウエアによって、上述した作用を実現することができる。したがって、高価な投資を必要としないで済む。
【0068】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を図10ないし図13を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であって、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0069】
(構成)
図10に示すように、鏡体4’の対物レンズ18’の光軸中心には、第2の観察手段としてUSプローブ41を光軸方向に貫通可能な穴が設けられている。
【0070】
図10および図11に示すように、このUSプローブ41は、鏡体4’の外部側の一端にラジアル方式のスキャンセンサ35’を備えている。そして、USプローブ41は、鏡体4’の内部側の他端にギア(ラック)42が設けられている。このギア42は連結部としてギア歯車(ピニオン)43に噛合わせられている。このギア歯車43は、鏡体4’の所定の位置に固定された図示しないモータに連結されている。このモータは、プローブ用モータ制御部44に接続されている。このため、USプローブ41はモータの回転方向制御によって、光軸方向に沿って前後に移動可能となっている。また、図12に示すギア歯車43は、位置検出手段としてエンコーダ48を備えている。このエンコーダ48は、プローブ用モータ制御部44に接続されている。
【0071】
さらに、プローブ用モータ制御部44は、画像座標演算部33に接続されている。画像座標演算部33は、鏡体制御部11に接続されている。
【0072】
(作用)
次に、この実施の形態の手術用観察システムの作用について説明する。
【0073】
まず、図10に示すように、術部に対してUSプローブ41をその開口部から挿入する。このとき、患部37は、USプローブ41の軸方向に対して側方にあることが好ましい。また、基準位置は、第1の観察手段の焦点位置(術部表面)Pにあることが好ましい。
【0074】
図13に示すように、この状態から、図示しない信号を入力してモータ制御部44を制御しながらモータを回転させてギア歯車43を回転させる。そして、USプローブ41を光軸中心方向に沿って駆動する(S21)。
【0075】
そして、図12に示すように、USプローブ41で、USプローブ41に対してラジアル方向の2次元断層画像情報p0,…,pnを取得する(S22)。
【0076】
続いて、2次元画像情報p0を取得した時の鏡体4’に対するUSプローブ41の相対位置をエンコーダ48によってギア歯車43の回転量を検出し、プローブ用モータ制御部44で数値化して取得し、画像座標演算部33に出力する(S23)。
【0077】
そして、2次元画像p0と、USプローブ41の空間座標とを互いに関連付けて相対座標画像を画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ41の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S24)。
【0078】
この工程以降は第1の実施の形態で説明した図8におけるフローチャート中の符号S4で示す工程以降と同様なので、説明を省略する。
【0079】
ここで、上述した作用を簡単に説明する。まず、第1の観察手段に設けられた超音波プローブ41を術部に挿入し、図12に示すように、挿入方向の2次元診断画像p0,…,pnを蓄積する。超音波プローブ41の位置はギア歯車43の回転によりエンコーダ(位置検出手段)48によって検出する。これ以降の作用は、第1の実施の形態にかかる作用と同様である。
【0080】
(効果)
このように、第2の実施の形態では、USプローブ41の位置検出手段が手術用顕微鏡1の鏡体4’に設けられているため、場所をとらず、かつ簡単な位置検出装置で済むので、システムを安価に構成することができる。
【0081】
また、術者はUSプローブ41をもつ煩わしさがない。さらに、USプローブ41が対物レンズ18’の中心から術部に挿入されるので、術者は確実にUSプローブ41の先端を観察することができる。すなわち、USプローブ41の先端の術部を観察することができる。また、術者の手と干渉し難いというメリットがあり、術者は作業に集中できるので術者の疲労を軽減させることができる。
【0082】
なお、この実施の形態においては、第2の観察手段が第1の観察手段の対物レンズ18’を貫通して設けられている。例えば、鏡体4’の側面に第2の観察手段を連結して設け、第1の観察手段により第2の観察手段が常に観察可能に設けられていても良い。
【0083】
また、この実施の形態では、第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置に基づいて相対的な位置について説明した。例えば、他の手段として、第1の実施の形態に説明したように、患者の頭部(術部表面36)に設けられた基準指標を用いて、第1の観察手段と第2の観察手段との術部に対する相対的な位置を検出するようにしても良い。基準指標として、例えば、ギア42とギア歯車43との位置関係から導くことが好ましい。
【0084】
この場合、画像メモリ32には、図12に示す断層画像p0,…,pnと、断層画像p0,…,pnを取得した時の術部に対する相対位置とを関連付けて記録する。画像処理部31は術部に対する相対位置に基づいて3次元画像を構築する。また、手術用顕微鏡1の術部に対する相対位置を検出することにより、結果として第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を算出することができる。
【0085】
このようにすると、第2の観察手段によって断層画像p0,…,pnを取得した後に、第1の観察手段を術部に対して観察位置を変更しても顕微鏡1の観察視野に重像されている画像が実際の術部とずれないというメリットがある。
【0086】
[第3の実施の形態]
続いて、第3の実施の形態について図14ないし図16を用いて説明する。この実施の形態は、第1および第2の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0087】
(構成)
図14に示すように、鏡体4”の対物レンズ18を挟んで光軸中心を中心に対称となる位置に、光学式位置検出手段としてのCCDカメラ50a,50bが設けられている。さらに、これらのCCDカメラ50a,50bは鏡体4”による観察物体方向が撮像可能に、それぞれCCDカメラ50a,50bの撮像光軸が鏡体4”の観察軸方向に所定の角度をもって設けられている。
【0088】
そして、図15に示すように、CCDカメラ50a,50bは、ナビゲーション装置15に接続されて位置検出手段60を構成している。
【0089】
なお、第1の実施の形態で鏡体4に取り付けられていたセンサーアーム6はここでは取り付けられていない。
【0090】
(作用)
次に、この実施の形態にかかる手術用観察システムの作用について説明する。
【0091】
図16に示すように、USプローブ8を用いて術部表面をなぞって第1の実施の形態と同様に2次元画像p0を超音波観測装置30で順次取得する。そして、2次元画像p0を超音波観測装置30から画像処理部31に転送する(S31)。
【0092】
画像座標演算部33は、2次元画像p0を取得した時の鏡体4”に対するUS用センサーアーム29、つまりUSプローブ8の相対空間座標をCCDカメラ50a、50bによって撮像する。そして、ナビゲーション装置15で相対空間座標を演算する。ナビゲーション装置15は演算結果を画像座標演算部33に出力する。すなわち、2次元画像を取得したときの鏡体4”に対するUSプローブ8の相対空間座標を取得する(S32)。
【0093】
さらに、画像座標演算部33から2次元画像の空間座標を取得し、2次元画像p0とUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する。同様に、全ての2次元画像p1,…,pnも画像化する。そして、2次元画像p1,…,pnとUSプローブ8の空間座標とを互いに関連付けて画像メモリ32に記録する(S33)。
【0094】
この工程以降は第1の実施の形態で説明した図8におけるフローチャート中の符号S4で示す工程以降と同様なので、説明を省略する。
【0095】
ここで、上述した作用を簡単に説明する。まず、3次元位置検出装置の光学式位置検出手段によって、基準位置を第1の観察手段で規定する。これ以降の作用は、第1の実施の形態にかかる作用と同様である。
【0096】
(効果)
このように、第3の実施の形態では、CCDカメラ50が鏡体4”に取り付けられているため、手術用顕微鏡1のためにディジタイザ17を設置するスペースを設ける必要がない。したがって、狭い手術室でも使用することができる。
【0097】
また、CCDカメラ50とUSプローブ用センサ8との間に障害物がないので、USプローブ8の相対位置を確実に検出することが可能となり、術者は手術に集中することができる。
【0098】
第3の実施の形態においても、術部に基準指標を用いて、光学式位置検出手段により術部に対する第2の観察手段の相対位置を算出することで第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
以上説明したように、これらの実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
【0100】
MRIやCTを設置する必要がないので、高価な投資を不要とすることができる。また、術中の画像取得のために患者を移動させる必要もなく、術中画像を顕微鏡視野と重像して表示することができる。このため、術者はブレインシフトを気にする必要がなく、手術に集中することができる。また、手術時間を短縮することができ、術者の疲労を軽減することができる。そして、患者の負担を軽減することができる。
【0101】
また、手術用顕微鏡1の画像と、超音波診断像とがともに3次元に表示されるので、重像しても観察しやすく、認識しやすくすることができる。
【0102】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0103】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0104】
[付記]
(付記項1) 術部を立体観察する第1の観察手段と、
術部の断層画像を生成する第2の観察手段と、
前記第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置を検出する位置検出手段と、
第2の観察手段による画像を位置検出手段および第1の観察手段に基き画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段による生成画像を、前記第1の観察手段の左右観察像にそれぞれ独立した画像を表示する画像表示手段と
を有することを特徴とする手術用観察システム。
【0105】
(付記項2) 付記項1における前記位置検出手段では、前記第1の観察手段は第2の観察手段との連結部を有し、この連結部で第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出することを特徴とする付記項1に記載の手術用観察システム。
【0106】
(付記項3) 付記項1における前記位置検出手段では、前記第1の観察手段に設けられた光学式位置検出手段により、この第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出することを特徴とする付記項1に記載の手術用観察システム。
【0107】
(付記項4) 付記項1〜3のいずれか1における第1の観察手段は、左右それぞれの観察光路を有する光学式顕微鏡であることを特徴とする手術用観察システム。
【0108】
(付記項5) 付記項1〜3のいずれか1における第2の観察手段は、2次元画像を撮像する超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0109】
(付記項6) 付記項1もしくは付記項3における第2の観察手段は、前方スキャン方式の超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0110】
(付記項7) 付記項2における第2の観察手段は、ラジアルスキャン方式の超音波プローブであることを特徴とする手術用観察システム。
【0111】
(付記項8) 付記項2における第2の観察手段は、第1の観察手段の対物レンズ中心を介して術部に挿入されることを特徴とする手術用観察システム。
【0112】
(付記項9) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、断層画像と、前記断層画像を取得した時の第1の観察手段との相対位置を関連付けて記録する画像メモリを備えることを特徴とする手術用観察システム。
【0113】
(付記項10) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、第2の観察手段による2次元画像と、第1の観察手段と第2の観察手段との相対位置に基づき、3次元画像を構築することを特徴とする手術用観察システム。
【0114】
(付記項11) 付記項1〜3のいずれか1における画像演算手段は、第1の観察手段における光学情報に基づき、焦点位置における3次元生成画像から実体顕微鏡の左右像を演算することを特徴とする手術用観察システム。
【0115】
(付記項12) 付記項8における光学情報は少なくとも、フォーカス距離情報、ズーム倍率情報および左右光軸間隔の情報を含むことを特徴とする手術用観察システム。
【0116】
(付記項13) 付記項1〜3のいずれか1における画像処理手段は、第2の観察手段による断層画像をエッジ検出によって演算し、対象物体の輪郭抽出を行うことを特徴とする手術用観察システム。
【0117】
(付記項14) 付記項1もしくは付記項3における位置検出手段は、術部に対する第1の観察手段との相対位置と、術部に対する第2の観察手段による相対位置を算出することを特徴とする手術用観察システム。
【0118】
(付記項15) 付記項14における画像処理手段は、断層画像のデータと、前記断層画像のデータを取得した時の術部に対する相対位置を関連付けて記録する画像メモリを備えることを特徴とする手術用観察システム。
【0119】
(付記項16) 付記項15における画像処理手段は、第2の観察手段による2次元画像と、術部と第2の観察手段との相対位置に基づき、3次元画像を構築することを特徴とする手術用観察システム。
【0120】
(付記項17) 左右に1対の光軸を備え、術部表面を立体観察する第1の観察手段と、
この術部表面に対する内部の2次元断層画像情報を所定の方向に沿って順次取得する第2の観察手段と、
前記第1の観察手段による術部表面の観察部位と第2の観察手段による術部内部の観察部位との間の相対位置情報を検出する位置検出手段と、
この検出手段から得た相対位置情報および前記第1の観察手段の光学情報に基づいて前記第2の観察手段から得た画像情報に画像処理を行い、前記第1の観察手段の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段と、
この画像処理手段で処理した立体画像を表示し、かつ、この表示情報を前記第1の観察手段の光軸上に重ねる画像表示手段と
を備え、前記第1の観察手段による左右の光軸から得た術部表面の立体観察像に、前記画像表示手段に表示される立体画像を表示可能としたことを特徴とする手術用観察システム。
【0121】
(付記項18) 前記画像処理手段は、前記第2の観察手段で取得する立体観察像を前記第1の観察手段と同一の観察方向から観察した状態に作成することを特徴とする付記項17に記載の手術用観察システム。
【0122】
(付記項19) 前記位置検出手段は、前記第1および第2の観察手段の間に連結部を備え、前記第1の観察手段に対する第2の観察手段の移動に伴って、第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出可能としたことを特徴とする付記項17もしくは付記項18に記載の手術用観察システム。
【0123】
(付記項20) 前記位置検出手段は、前記第1の観察手段に光学式位置検出手段を備え、この光学式位置検出手段により前記第1の観察手段に対する第2の観察手段の相対位置を検出可能としたことを特徴とする付記項17もしくは付記項18に記載の手術用観察システム。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、術部表面の顕微鏡観察画像と、この術部の内部の超音波診断像とをともに立体的に重像表示可能で、低コストの手術用観察システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる手術用観察システム全体の概略図。
【図2】図1に示す手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図3】図1に示す手術用観察システム全体のブロック図。
【図4】手術用顕微鏡の観察画面を示し、(A)は術部表面の概略的な観察画像、(B)は術部表面の内部にある仮想的な患部の観察画像、(C)は(A)および(B)を重像した状態の観察画像。
【図5】(A)は術部表面を超音波プローブでなぞる状態を示す説明図、(B)は超音波プローブで術部表面をなぞったときの空間座標に対応する2次元画像の集合を示す概略図。
【図6】図1に示す手術用顕微鏡を用いて術部および術部内部を観察するときの状態を示す概略図。
【図7】図4に示す観察像の変形例。
【図8】図3に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【図9】図8のフローチャートの後部に接続するフローチャート。
【図10】第2の実施の形態にかかる手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図11】第2の実施の形態にかかる手術用観察システム全体のブロック図。
【図12】超音波プローブで術部表面をなぞったときの空間座標に対応する2次元画像の集合を示す概略図。
【図13】図11に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【図14】第3の実施の形態にかかる手術用顕微鏡の鏡体内部と術部表面との関係を示す構成図。
【図15】第2の実施の形態にかかる手術用観察システム全体のブロック図。
【図16】図15に示す手術用観察システムの動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡(第1の観察手段)、4…鏡体、6…センサーアーム、8…超音波プローブ、9…超音波システム(第2の観察手段)、11…鏡体制御部、15…ナビゲーション装置、17…ディジタイザ、18…第1の対物レンズ、22a.22b…接眼レンズ、24a.24b…液晶表示装置(LCD)、29…超音波プローブ用センサーアーム、30…超音波観測装置、31…画像処理部、32…画像メモリ、33…画像座標演算部、34a,34b…LCDドライバ、35…スキャンセンサ、36…術部表面、37…患部
Claims (2)
- 左右に1対の光軸を備え、術部表面を立体観察する第1の観察手段と、
この術部表面に対する内部の2次元断層画像情報を所定の方向に沿って順次取得する第2の観察手段と、
前記第1の観察手段による術部表面の観察部位と第2の観察手段による術部内部の観察部位との間の相対位置情報を検出する位置検出手段と、
この検出手段から得た相対位置情報および前記第1の観察手段の光学情報に基づいて前記第2の観察手段から得た画像情報に画像処理を行い、前記第1の観察手段の左右の光軸に対応する立体画像を作成する画像処理手段と、
この画像処理手段で処理した立体画像を表示し、かつ、この表示情報を前記第1の観察手段の光軸上に重ねる画像表示手段と
を備え、前記第1の観察手段による左右の光軸から得た術部表面の立体観察像に、前記画像表示手段に表示される立体画像を表示可能としたことを特徴とする手術用観察システム。 - 前記画像処理手段は、前記第2の観察手段で取得する立体観察像を前記第1の観察手段と同一の観察方向から観察した状態に作成することを特徴とする請求項1に記載の手術用観察システム。
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Cited By (3)
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JP2017035436A (ja) * | 2015-08-11 | 2017-02-16 | 三鷹光器株式会社 | 手術用立体観察装置 |
CN110446473A (zh) * | 2017-03-29 | 2019-11-12 | 索尼奥林巴斯医疗解决方案公司 | 医疗观察设备和控制方法 |
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2002
- 2002-06-13 JP JP2002173159A patent/JP2004016357A/ja not_active Withdrawn
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