JP2004011209A - ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造、および鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄筋コンクリート建造物において、地震の際に柱や梁のコンクリートの破損を軽減する。
【解決手段】基礎1(基部)と柱2(構成材)のねじ鉄筋21,22が筒10により連結される。この筒10は、柱2の下端部に配置されている。基礎1側のねじ鉄筋21は、柱2の材端位置Eから上方に延びており、筒10の螺合部11に螺合されており、筒10のスリーブ部12に囲われた部位が降伏予定領域Yとなる。この降伏予定領域Yで降伏が生じた場合、筒10のスリーブ部12により柱2のコンクリート2aへの影響を軽減でき、その破損を軽減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】基礎1(基部)と柱2(構成材)のねじ鉄筋21,22が筒10により連結される。この筒10は、柱2の下端部に配置されている。基礎1側のねじ鉄筋21は、柱2の材端位置Eから上方に延びており、筒10の螺合部11に螺合されており、筒10のスリーブ部12に囲われた部位が降伏予定領域Yとなる。この降伏予定領域Yで降伏が生じた場合、筒10のスリーブ部12により柱2のコンクリート2aへの影響を軽減でき、その破損を軽減できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造および鉄筋コンクリート建造物における柱や梁等の構成材の材端固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート建造物では、柱や梁等の構成材の主筋部が基礎や仕口部等の基部のアンカー筋部に連結された状態で、コンクリートが打設されることにより、構成材が基部に固定されている。主筋部とアンカー筋部は1本の連続した鉄筋により構成される場合もあるし、2本の鉄筋により構成され継手により連結される場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
大きな地震の際に、上記建造物が水平方向に揺れると、柱や梁の材端近傍には曲げモーメントが働く。この曲げモーメントにより、構成材の鉄筋は材端位置に最も近い領域で大きな引張り荷重を受けて降伏が開始される。この鉄筋の降伏すなわち伸びは、構成材のコンクリートの損傷をもたらす。また、その後、構成材が圧縮荷重を受けると、一旦伸びた鉄筋に圧縮荷重が付与されるが、この際、損傷したコンクリートにおいて鉄筋の外側にかぶっている部位(かぶりコンクリート)の剥落等の損傷が生じるため、場合によっては構成材の材端位置近傍部位において鉄筋が外側にはみ出すのを阻止できず、その座屈をもたらす。このようにして、構成材の破損が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様をなすねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部に、一直線上に配置された2本のねじ鉄筋の対向する端部が螺合することにより、これらねじ鉄筋が連結され、一方のねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを要旨とする。
この構成によれば、筒の螺合部により2本のねじ鉄筋が強固に連結される。また、筒のスリーブ部により、一方のねじ鉄筋の降伏予定領域が包囲されているので、この降伏予定領域が大きな地震の際に降伏してもその周囲のコンクリートの破損を軽減することができる。
【0005】
本発明の他の態様をなすねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部にねじ鉄筋の中間部が螺合され、このねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを要旨とする。
この発明によれば、連続したねじ鉄筋に適用した場合でも、筒のスリーブ部により上記発明と同等の作用効果が得られる。また、ねじ鉄筋の中間部に筒の螺合部が螺合するため、ねじ鉄筋の降伏領域が広がるのを確実に阻止することができる。
【0006】
好ましくは、上記スリーブ部の内接円の径が、ねじ鉄筋の外接円の径以上であり、両者の間には充填材が充填されている。この充填材により、ねじ鉄筋の降伏予定領域で降伏が開始する地震のレベルを調整することができる。
好ましくは、上記スリーブ部において上記螺合部の近傍には、上記充填材を注入するための注入口が形成されている。この注入口を介して充填材を円滑に注入することができる。
好ましくは、上記筒の外周には凹凸が形成されている。これにより、この構成によれば、筒の外周の凹凸によりその周囲のコンクリートとの付着性を高めることができ、降伏予定領域での降伏を確実に行わせることができる。
【0007】
上記ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端を基部に固定する構造において、構成材の材端隣接領域に配置されている。この構成によれば、構成材と基部との境で地震の際に生じる大きな曲げモーメントに対応して、ねじ鉄筋の降伏予定領域で伸縮がなされ、地震エネルギーの良好な吸収を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、ねじ鉄筋の連結に用いられる鋳鉄等の金属製の筒10を示す。この筒10は、螺合部11と、これに隣接し同軸をなして延びるスリーブ部12とを備えている。螺合部11は内周に雌ねじ11aを有しており、その中央部が厚肉部11bとなり、この厚肉部11bにモルタル注入口11cが形成されている。スリーブ部12は内周面が円滑な円筒形状をなし、その内径は螺合部11の雌ねじ11aの谷径より大きくなっている。スリーブ部12の外周面には、環状の凸部12aおよび軸方向に延びる凸部(付着用の凹凸)が形成されている。また、スリーブ部12の周壁において螺合部11の近傍にはモルタル注入口12cが形成されている。
【0009】
上記筒10により、図2に示すようにしてねじ鉄筋21,22が連結されるようになっている。これらねじ鉄筋21,22は雄ねじを構成するねじ節21a,22aを有しており、一直線に配された状態で、その対向端部が螺合部11に螺合される。この連結状態において、モルタル注入口11cからモルタルを注入することにより、螺合部11の内周とねじ鉄筋21,22の外周との間の隙間にモルタルを充填し、これにより連結強度をさらに高めている。
【0010】
上記筒10によるねじ鉄筋21,22の連結状態において、一方のねじ鉄筋21の、スリーブ部12により囲われた部位が、降伏予定領域Yとなっている。スリーブ12の内径(内接円の径)はねじ鉄筋21の外接円の径より大きいので、両者の間には隙間が形成されている。この隙間に注入口12cからモルタル15(充填材)が充填されている。なお、この注入口12cは螺合部11の近傍に形成されており、モルタル15の注入に際してスリーブ部12の内部空間に空気が閉じ込められることがないから、円滑にモルタル15の注入を行うことができる。
【0011】
上記のように筒10で連結されたねじ鉄筋21,22は、図3(A)に示すように、鉄筋コンクリート建造物において、柱2(構成材)の基礎1(または基礎梁、総称して基部)への固定構造に用いられる。基礎1のアンカー筋としてのねじ鉄筋21は、下端部が曲げられて定着部21xとなっており、上方に向かって垂直に延びている。柱2の鉄筋籠は垂直に延びる主筋として多数のねじ鉄筋22を有している。
【0012】
図2,図3(A)に示すように、上記ねじ鉄筋21,22を前述した筒10で連結した後、コンクリート1aを打設して基礎1を構築し、コンクリート2aを打設して柱2を構築する。このようにして、基礎1と柱2が構築され、柱1が基礎2に固定される。この固定構造において、柱1は基礎2の曲げ剛性より小さい。柱1の下端すなわち材端位置Eで、曲げ剛性が急変する。
【0013】
基礎1のねじ鉄筋21は、この材端位置Eを超えて上方に延びている。柱2のねじ鉄筋22は材端位置Eに達しない。上記筒10の螺合部11およびスリーブ部12の大部分は、柱2の下端部(材端隣接領域)に配置されている。筒10は、材端位置Eから下方へと突出しており、この突出した領域Tは、基礎1のコンクリート1aに埋め込まれている。この突出量は、材端位置Eより上方の長さより短いが、建築基準法で定められた最大規模の地震動の際に生じる降伏予定領域Yの伸び量(最大伸び量)より長くなっている。
【0014】
上記ねじ鉄筋21において筒10より下方の部位はコンクリート1aに埋め込まれており、ねじ鉄筋22において筒10より上方の部位は、コンクリート2aに埋め込まれている。ねじ鉄筋21,22は、ねじ節21aを有しているので、コンクリート1a,2aに対する十分な付着強度を確保している。また、筒10は、径方向,外方向に突出する厚肉部11bを有するとともに、凸部12aを有しているので、コンクリート2aに対する十分な付着強度を確保している。
【0015】
上記柱2の固定構造において、鉄筋コンクリート造の建造物が大地震によって横揺れした時には、柱2に大きな曲げモーメントが付与される。図3(B)に示すように、柱1が右側に傾くように曲げモーメントが働いた場合には、左側の鉄筋21,22に引張荷重が付与される。特に鉄筋21の材端隣接領域に位置する降伏予定領域Yには大きな引張荷重が付与される。これにより、降伏予定領域Yで降伏が生じる。しかし、この降伏予定領域Yが筒10のスリーブ部12内にあるので、降伏予定領域Yでの降伏は、その周囲のコンクリート2aに影響を与えず、コンクリート2aのひび割れを回避ないしは軽減できる。
【0016】
柱2が右から左への傾きに移行する過程では、左側の鉄筋21の材端隣接領域Yに圧縮荷重が付与される(押し込み力が働く)。この圧縮荷重により、伸びていた降伏予定領域Yが圧縮変形され、元の長さに戻る。このように、建造物の横揺れに伴い、ねじ鉄筋21の降伏予定領域Yでは、引張荷重と圧縮荷重を受け持ちながら塑性変形を繰り返すことできる。その結果、地震エネルギーを吸収することができ、建造物の耐震性を向上できる。また、鉄筋10の降伏予定領域Yの大部分は、筒10のスリーブ部12およびモルタル15に守られているため圧縮荷重を受けても座屈を防止される。
【0017】
図3(B)に戻って説明するが、上記鉄筋21の降伏予定領域Yが伸びた時に、筒10が基礎1のコンクリート1aから一部抜き出る。この抜き出し量は、上記降伏予定領域Yの伸び量とほぼ等しい。この状態では、筒10の下端部とコンクリート1a(詳しくは筒10の下端部が収容されていた穴1xの周縁)との当たりにより、水平剪断荷重を受け持つため、降伏予定領域Yへ付与される剪断荷重を小さくすることができる。したがって、降伏予定領域Yは引張,圧縮の交番荷重を良好に受け持つことができ、地震エネルギーを良好に吸収できる。なお、上記筒10の材端位置Eから基礎1への突出量が最大規模の地震動の際に生じる降伏予定領域Yの伸び量(最大伸び量)より長くなっているので、筒10の完全抜け出しを確実に防止でき、上記作用を確保することができる。
【0018】
筒10のスリーブ部12にはモルタル15が充填されており、ねじ鉄筋21の降伏予定領域Yのねじ節21aがモルタル15に付着されており、モルタル15が細長い筒10のスリーブ部12により拘束されているため、地震の揺れが大きくない場合には、ねじ鉄筋21がモルタル15による抵抗力で筒12のスリーブ部12からの抜け出しを阻止され、ひいては上記降伏予定領域Yの降伏が阻止される。この場合には、現状の構造を維持する。大きい地震の際には、モルタル15の抵抗の上限を超える荷重を受けてモルタル15にひび割れが生じ、モルタル15は抵抗を失う。その結果、前述したように降伏予定領域Yが伸縮して地震のエネルギーを吸収する。
【0019】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これら実施形態において先行する実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。図4,図5を参照しながら本発明の第2実施形態を説明する。この実施形態は、本発明を柱・梁接合部に適用したものである。詳述すると、図4に示すように、左右2本の梁6(構成材)が、柱5(基部)と交差して接合されている。柱5,梁6のコンクリートをそれぞれ符号5a,6aで示す。
【0020】
左右の梁6には主筋として水平をなすねじ鉄筋26が通っている。柱5にはアンカー筋として水平をなすねじ鉄筋25が通っている。左右の梁5の材端位置Eの近傍において、ねじ鉄筋25,26が筒10により連結されている。筒10の材端位置Eに対する位置関係および筒10に対するねじ鉄筋25,26の位置関係は、第1実施形態と同様であるので、同符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0021】
上記梁6の材端位置Eの近傍には、ねじ鉄筋25,26と直交する方向(紙面と直交する方向)に延びる開口50が形成されている。この開口50は、上下の鉄筋に挟まれるようにして配置されている。この開口50には、冷暖房配管や排気管等の設備配管が通されるようになっている。
【0022】
上記構成をなす第2実施形態では、地震の際に梁6は曲げモーメントを受ける。例えば柱5が図5に示すように右に傾くと、上側のねじ鉄筋25の左側の降伏予定領域Yと、下側のねじ鉄筋25の右側の降伏予定領域Yが大きな引張り荷重を受けて伸びる。
【0023】
上記とは逆に、柱5が左に傾くと、上記の伸びた降伏予定領域Yが圧縮荷重を受けて元の長さに戻り、上側のねじ鉄筋25の右側の降伏予定領域Yと、下側のねじ鉄筋25の左側の降伏予定領域Yが大きな引張り荷重を受けて伸びる。このようにして、降伏予定領域Yが引張り,圧縮の交番荷重を受け持ちながら、伸びと圧縮の変形を繰り返す。筒10の役割は第1実施形態の筒10と同様であるので、説明を省略する。
【0024】
本実施形態では、上述したように梁6の材端近傍領域のコンクリート6aが損傷をほとんど受けないので、開口50を形成でき、この開口50に設備配管を通すことができる。
【0025】
図6に示す第3実施形態では、基礎1と柱2の鉄筋として連続したねじ鉄筋20が用いられる。このねじ鉄筋20において、基礎1のコンクリート1aに埋め込まれた部分がアンカー筋部21’となり、柱2のコンクリート2aに埋め込まれた部分が主筋部22’となる。筒10の配置位置は第1実施形態と同じであるが、この筒10は鉄筋を連結する作用を持たず、その螺合部11がねじ鉄筋20の中間部に螺合されている。この実施形態でも、ねじ鉄筋20において筒10のスリーブ部12に囲われた部位が降伏予定領域Yとなる。上記筒10の螺合部11での螺合により、地震の際にねじ鉄筋20の降伏は、降伏予定領域Yに制限され、螺合部11より上方への降伏領域の広がりを禁じられる。
なお、第2実施形態の柱・梁接合部でも、ねじ鉄筋25,26の代わりに連続したねじ鉄筋を用いることができる。
【0026】
本発明は上記実施形態に拘わらず、種々の形態を採用可能である。上記第1〜第4実施形態において、筒10の端は、材端位置Eと一致していてもよい。
また、ねじ鉄筋は、筒の基部側の端から所定長さにわたって基部のコンクリートとアンボンド状態にし(基部内の他の領域に比べて基部のコンクリートとの付着強度を低くし)、この領域をも降伏予定領域としてもよい。この領域が筒内の降伏予定領域と連続するため、降伏予定領域を長くすることができる。
【0027】
筒10のスリーブ部12の内周面に凹凸を設けることにより、降伏予定領域Yと筒10とのモルタル15を介した連結を高め、これによりねじ鉄筋が降伏する際の地震のレベルを上記実施形態より上げてもよい。
これとは逆に、上記実施形態より低いレベルの地震で、降伏予定領域でのねじ鉄筋の降伏が始まるようにしてもよい。この場合、ねじ鉄筋の降伏予定領域の外周にテープを巻いたり粘度や樹脂を付着する等して、モルタルとアンボンド状態にしたり、筒のスリーブ部の内周面にグリースを塗って筒によるモルタルへの拘束度を弱めたりする。また、モルタルの充填を省いてもよい。モルタルを省く場合、筒のスリーブ部の内径とねじ鉄筋の外接円の径をほぼ等しくしたり、両者の差を小さくすることにより、コンクリート打設時にコンクリートがスリーブ内に侵入しないようにする。
筒を基部側に配置して、基部側のねじ鉄筋に降伏予定領域を設定してもよい。
【0028】
構成材としての柱を基部としての基礎梁に固定する構造に、本発明を適用してもよい。また、柱・梁接合部は、建造物のコーナー部に位置する柱に梁を固定する構造であってもよい。
構成材は壁であってもよい。壁の場合、地震の際に回転モーメントが付与されると、一方の隅部を基点に他方の隅部が浮き上がり、その量が柱に比べて大きいが、筒を長くして降伏予定領域を長く設定することにより、十分な伸び量を確保することができる。
本発明は鉄骨鉄筋コンクリート建造物にも適用される。また、プレキャスト構造にも適用できる。さらに、プレストレストコンクリートを用いることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、螺合部とスリーブ部を有する筒を用いることにより、ねじ鉄筋の降伏予定領域の周りのコンクリートの破損を著しく軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態をなす降伏予定領域包囲構造の主要構成要素となる筒の縦断面図である。
【図2】同筒と、この筒により連結される2本のねじ鉄筋を示す縦断面図である。
【図3】同包囲構造が適用される柱固定構造の縦断面図であり、(A)は通常時の状態、(B)は地震時の状態を示す。
【図4】本発明の第2実施形態をなす柱・梁接合部を示す縦断面図である。
【図5】第2実施形態の柱・梁接合部の地震時の状態を示す縦断面図である。
【図6】第3実施形態をなす柱固定構造の縦断面図である。
【符号の説明】
E 材端位置
Y 降伏予定領域
1 基礎(基部)
2 柱(構成材)
5 柱(基部)
6 梁(構成材)
1a,2a,5a,6a コンクリート
10 筒
11 螺合部
12 スリーブ部
12a 凸部(凹凸)
15 モルタル(充填材)
21,22,25,26 ねじ鉄筋
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造および鉄筋コンクリート建造物における柱や梁等の構成材の材端固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート建造物では、柱や梁等の構成材の主筋部が基礎や仕口部等の基部のアンカー筋部に連結された状態で、コンクリートが打設されることにより、構成材が基部に固定されている。主筋部とアンカー筋部は1本の連続した鉄筋により構成される場合もあるし、2本の鉄筋により構成され継手により連結される場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
大きな地震の際に、上記建造物が水平方向に揺れると、柱や梁の材端近傍には曲げモーメントが働く。この曲げモーメントにより、構成材の鉄筋は材端位置に最も近い領域で大きな引張り荷重を受けて降伏が開始される。この鉄筋の降伏すなわち伸びは、構成材のコンクリートの損傷をもたらす。また、その後、構成材が圧縮荷重を受けると、一旦伸びた鉄筋に圧縮荷重が付与されるが、この際、損傷したコンクリートにおいて鉄筋の外側にかぶっている部位(かぶりコンクリート)の剥落等の損傷が生じるため、場合によっては構成材の材端位置近傍部位において鉄筋が外側にはみ出すのを阻止できず、その座屈をもたらす。このようにして、構成材の破損が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様をなすねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部に、一直線上に配置された2本のねじ鉄筋の対向する端部が螺合することにより、これらねじ鉄筋が連結され、一方のねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを要旨とする。
この構成によれば、筒の螺合部により2本のねじ鉄筋が強固に連結される。また、筒のスリーブ部により、一方のねじ鉄筋の降伏予定領域が包囲されているので、この降伏予定領域が大きな地震の際に降伏してもその周囲のコンクリートの破損を軽減することができる。
【0005】
本発明の他の態様をなすねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部にねじ鉄筋の中間部が螺合され、このねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを要旨とする。
この発明によれば、連続したねじ鉄筋に適用した場合でも、筒のスリーブ部により上記発明と同等の作用効果が得られる。また、ねじ鉄筋の中間部に筒の螺合部が螺合するため、ねじ鉄筋の降伏領域が広がるのを確実に阻止することができる。
【0006】
好ましくは、上記スリーブ部の内接円の径が、ねじ鉄筋の外接円の径以上であり、両者の間には充填材が充填されている。この充填材により、ねじ鉄筋の降伏予定領域で降伏が開始する地震のレベルを調整することができる。
好ましくは、上記スリーブ部において上記螺合部の近傍には、上記充填材を注入するための注入口が形成されている。この注入口を介して充填材を円滑に注入することができる。
好ましくは、上記筒の外周には凹凸が形成されている。これにより、この構成によれば、筒の外周の凹凸によりその周囲のコンクリートとの付着性を高めることができ、降伏予定領域での降伏を確実に行わせることができる。
【0007】
上記ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造は、鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端を基部に固定する構造において、構成材の材端隣接領域に配置されている。この構成によれば、構成材と基部との境で地震の際に生じる大きな曲げモーメントに対応して、ねじ鉄筋の降伏予定領域で伸縮がなされ、地震エネルギーの良好な吸収を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、ねじ鉄筋の連結に用いられる鋳鉄等の金属製の筒10を示す。この筒10は、螺合部11と、これに隣接し同軸をなして延びるスリーブ部12とを備えている。螺合部11は内周に雌ねじ11aを有しており、その中央部が厚肉部11bとなり、この厚肉部11bにモルタル注入口11cが形成されている。スリーブ部12は内周面が円滑な円筒形状をなし、その内径は螺合部11の雌ねじ11aの谷径より大きくなっている。スリーブ部12の外周面には、環状の凸部12aおよび軸方向に延びる凸部(付着用の凹凸)が形成されている。また、スリーブ部12の周壁において螺合部11の近傍にはモルタル注入口12cが形成されている。
【0009】
上記筒10により、図2に示すようにしてねじ鉄筋21,22が連結されるようになっている。これらねじ鉄筋21,22は雄ねじを構成するねじ節21a,22aを有しており、一直線に配された状態で、その対向端部が螺合部11に螺合される。この連結状態において、モルタル注入口11cからモルタルを注入することにより、螺合部11の内周とねじ鉄筋21,22の外周との間の隙間にモルタルを充填し、これにより連結強度をさらに高めている。
【0010】
上記筒10によるねじ鉄筋21,22の連結状態において、一方のねじ鉄筋21の、スリーブ部12により囲われた部位が、降伏予定領域Yとなっている。スリーブ12の内径(内接円の径)はねじ鉄筋21の外接円の径より大きいので、両者の間には隙間が形成されている。この隙間に注入口12cからモルタル15(充填材)が充填されている。なお、この注入口12cは螺合部11の近傍に形成されており、モルタル15の注入に際してスリーブ部12の内部空間に空気が閉じ込められることがないから、円滑にモルタル15の注入を行うことができる。
【0011】
上記のように筒10で連結されたねじ鉄筋21,22は、図3(A)に示すように、鉄筋コンクリート建造物において、柱2(構成材)の基礎1(または基礎梁、総称して基部)への固定構造に用いられる。基礎1のアンカー筋としてのねじ鉄筋21は、下端部が曲げられて定着部21xとなっており、上方に向かって垂直に延びている。柱2の鉄筋籠は垂直に延びる主筋として多数のねじ鉄筋22を有している。
【0012】
図2,図3(A)に示すように、上記ねじ鉄筋21,22を前述した筒10で連結した後、コンクリート1aを打設して基礎1を構築し、コンクリート2aを打設して柱2を構築する。このようにして、基礎1と柱2が構築され、柱1が基礎2に固定される。この固定構造において、柱1は基礎2の曲げ剛性より小さい。柱1の下端すなわち材端位置Eで、曲げ剛性が急変する。
【0013】
基礎1のねじ鉄筋21は、この材端位置Eを超えて上方に延びている。柱2のねじ鉄筋22は材端位置Eに達しない。上記筒10の螺合部11およびスリーブ部12の大部分は、柱2の下端部(材端隣接領域)に配置されている。筒10は、材端位置Eから下方へと突出しており、この突出した領域Tは、基礎1のコンクリート1aに埋め込まれている。この突出量は、材端位置Eより上方の長さより短いが、建築基準法で定められた最大規模の地震動の際に生じる降伏予定領域Yの伸び量(最大伸び量)より長くなっている。
【0014】
上記ねじ鉄筋21において筒10より下方の部位はコンクリート1aに埋め込まれており、ねじ鉄筋22において筒10より上方の部位は、コンクリート2aに埋め込まれている。ねじ鉄筋21,22は、ねじ節21aを有しているので、コンクリート1a,2aに対する十分な付着強度を確保している。また、筒10は、径方向,外方向に突出する厚肉部11bを有するとともに、凸部12aを有しているので、コンクリート2aに対する十分な付着強度を確保している。
【0015】
上記柱2の固定構造において、鉄筋コンクリート造の建造物が大地震によって横揺れした時には、柱2に大きな曲げモーメントが付与される。図3(B)に示すように、柱1が右側に傾くように曲げモーメントが働いた場合には、左側の鉄筋21,22に引張荷重が付与される。特に鉄筋21の材端隣接領域に位置する降伏予定領域Yには大きな引張荷重が付与される。これにより、降伏予定領域Yで降伏が生じる。しかし、この降伏予定領域Yが筒10のスリーブ部12内にあるので、降伏予定領域Yでの降伏は、その周囲のコンクリート2aに影響を与えず、コンクリート2aのひび割れを回避ないしは軽減できる。
【0016】
柱2が右から左への傾きに移行する過程では、左側の鉄筋21の材端隣接領域Yに圧縮荷重が付与される(押し込み力が働く)。この圧縮荷重により、伸びていた降伏予定領域Yが圧縮変形され、元の長さに戻る。このように、建造物の横揺れに伴い、ねじ鉄筋21の降伏予定領域Yでは、引張荷重と圧縮荷重を受け持ちながら塑性変形を繰り返すことできる。その結果、地震エネルギーを吸収することができ、建造物の耐震性を向上できる。また、鉄筋10の降伏予定領域Yの大部分は、筒10のスリーブ部12およびモルタル15に守られているため圧縮荷重を受けても座屈を防止される。
【0017】
図3(B)に戻って説明するが、上記鉄筋21の降伏予定領域Yが伸びた時に、筒10が基礎1のコンクリート1aから一部抜き出る。この抜き出し量は、上記降伏予定領域Yの伸び量とほぼ等しい。この状態では、筒10の下端部とコンクリート1a(詳しくは筒10の下端部が収容されていた穴1xの周縁)との当たりにより、水平剪断荷重を受け持つため、降伏予定領域Yへ付与される剪断荷重を小さくすることができる。したがって、降伏予定領域Yは引張,圧縮の交番荷重を良好に受け持つことができ、地震エネルギーを良好に吸収できる。なお、上記筒10の材端位置Eから基礎1への突出量が最大規模の地震動の際に生じる降伏予定領域Yの伸び量(最大伸び量)より長くなっているので、筒10の完全抜け出しを確実に防止でき、上記作用を確保することができる。
【0018】
筒10のスリーブ部12にはモルタル15が充填されており、ねじ鉄筋21の降伏予定領域Yのねじ節21aがモルタル15に付着されており、モルタル15が細長い筒10のスリーブ部12により拘束されているため、地震の揺れが大きくない場合には、ねじ鉄筋21がモルタル15による抵抗力で筒12のスリーブ部12からの抜け出しを阻止され、ひいては上記降伏予定領域Yの降伏が阻止される。この場合には、現状の構造を維持する。大きい地震の際には、モルタル15の抵抗の上限を超える荷重を受けてモルタル15にひび割れが生じ、モルタル15は抵抗を失う。その結果、前述したように降伏予定領域Yが伸縮して地震のエネルギーを吸収する。
【0019】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これら実施形態において先行する実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。図4,図5を参照しながら本発明の第2実施形態を説明する。この実施形態は、本発明を柱・梁接合部に適用したものである。詳述すると、図4に示すように、左右2本の梁6(構成材)が、柱5(基部)と交差して接合されている。柱5,梁6のコンクリートをそれぞれ符号5a,6aで示す。
【0020】
左右の梁6には主筋として水平をなすねじ鉄筋26が通っている。柱5にはアンカー筋として水平をなすねじ鉄筋25が通っている。左右の梁5の材端位置Eの近傍において、ねじ鉄筋25,26が筒10により連結されている。筒10の材端位置Eに対する位置関係および筒10に対するねじ鉄筋25,26の位置関係は、第1実施形態と同様であるので、同符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0021】
上記梁6の材端位置Eの近傍には、ねじ鉄筋25,26と直交する方向(紙面と直交する方向)に延びる開口50が形成されている。この開口50は、上下の鉄筋に挟まれるようにして配置されている。この開口50には、冷暖房配管や排気管等の設備配管が通されるようになっている。
【0022】
上記構成をなす第2実施形態では、地震の際に梁6は曲げモーメントを受ける。例えば柱5が図5に示すように右に傾くと、上側のねじ鉄筋25の左側の降伏予定領域Yと、下側のねじ鉄筋25の右側の降伏予定領域Yが大きな引張り荷重を受けて伸びる。
【0023】
上記とは逆に、柱5が左に傾くと、上記の伸びた降伏予定領域Yが圧縮荷重を受けて元の長さに戻り、上側のねじ鉄筋25の右側の降伏予定領域Yと、下側のねじ鉄筋25の左側の降伏予定領域Yが大きな引張り荷重を受けて伸びる。このようにして、降伏予定領域Yが引張り,圧縮の交番荷重を受け持ちながら、伸びと圧縮の変形を繰り返す。筒10の役割は第1実施形態の筒10と同様であるので、説明を省略する。
【0024】
本実施形態では、上述したように梁6の材端近傍領域のコンクリート6aが損傷をほとんど受けないので、開口50を形成でき、この開口50に設備配管を通すことができる。
【0025】
図6に示す第3実施形態では、基礎1と柱2の鉄筋として連続したねじ鉄筋20が用いられる。このねじ鉄筋20において、基礎1のコンクリート1aに埋め込まれた部分がアンカー筋部21’となり、柱2のコンクリート2aに埋め込まれた部分が主筋部22’となる。筒10の配置位置は第1実施形態と同じであるが、この筒10は鉄筋を連結する作用を持たず、その螺合部11がねじ鉄筋20の中間部に螺合されている。この実施形態でも、ねじ鉄筋20において筒10のスリーブ部12に囲われた部位が降伏予定領域Yとなる。上記筒10の螺合部11での螺合により、地震の際にねじ鉄筋20の降伏は、降伏予定領域Yに制限され、螺合部11より上方への降伏領域の広がりを禁じられる。
なお、第2実施形態の柱・梁接合部でも、ねじ鉄筋25,26の代わりに連続したねじ鉄筋を用いることができる。
【0026】
本発明は上記実施形態に拘わらず、種々の形態を採用可能である。上記第1〜第4実施形態において、筒10の端は、材端位置Eと一致していてもよい。
また、ねじ鉄筋は、筒の基部側の端から所定長さにわたって基部のコンクリートとアンボンド状態にし(基部内の他の領域に比べて基部のコンクリートとの付着強度を低くし)、この領域をも降伏予定領域としてもよい。この領域が筒内の降伏予定領域と連続するため、降伏予定領域を長くすることができる。
【0027】
筒10のスリーブ部12の内周面に凹凸を設けることにより、降伏予定領域Yと筒10とのモルタル15を介した連結を高め、これによりねじ鉄筋が降伏する際の地震のレベルを上記実施形態より上げてもよい。
これとは逆に、上記実施形態より低いレベルの地震で、降伏予定領域でのねじ鉄筋の降伏が始まるようにしてもよい。この場合、ねじ鉄筋の降伏予定領域の外周にテープを巻いたり粘度や樹脂を付着する等して、モルタルとアンボンド状態にしたり、筒のスリーブ部の内周面にグリースを塗って筒によるモルタルへの拘束度を弱めたりする。また、モルタルの充填を省いてもよい。モルタルを省く場合、筒のスリーブ部の内径とねじ鉄筋の外接円の径をほぼ等しくしたり、両者の差を小さくすることにより、コンクリート打設時にコンクリートがスリーブ内に侵入しないようにする。
筒を基部側に配置して、基部側のねじ鉄筋に降伏予定領域を設定してもよい。
【0028】
構成材としての柱を基部としての基礎梁に固定する構造に、本発明を適用してもよい。また、柱・梁接合部は、建造物のコーナー部に位置する柱に梁を固定する構造であってもよい。
構成材は壁であってもよい。壁の場合、地震の際に回転モーメントが付与されると、一方の隅部を基点に他方の隅部が浮き上がり、その量が柱に比べて大きいが、筒を長くして降伏予定領域を長く設定することにより、十分な伸び量を確保することができる。
本発明は鉄骨鉄筋コンクリート建造物にも適用される。また、プレキャスト構造にも適用できる。さらに、プレストレストコンクリートを用いることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、螺合部とスリーブ部を有する筒を用いることにより、ねじ鉄筋の降伏予定領域の周りのコンクリートの破損を著しく軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態をなす降伏予定領域包囲構造の主要構成要素となる筒の縦断面図である。
【図2】同筒と、この筒により連結される2本のねじ鉄筋を示す縦断面図である。
【図3】同包囲構造が適用される柱固定構造の縦断面図であり、(A)は通常時の状態、(B)は地震時の状態を示す。
【図4】本発明の第2実施形態をなす柱・梁接合部を示す縦断面図である。
【図5】第2実施形態の柱・梁接合部の地震時の状態を示す縦断面図である。
【図6】第3実施形態をなす柱固定構造の縦断面図である。
【符号の説明】
E 材端位置
Y 降伏予定領域
1 基礎(基部)
2 柱(構成材)
5 柱(基部)
6 梁(構成材)
1a,2a,5a,6a コンクリート
10 筒
11 螺合部
12 スリーブ部
12a 凸部(凹凸)
15 モルタル(充填材)
21,22,25,26 ねじ鉄筋
Claims (6)
- 螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部に、一直線上に配置された2本のねじ鉄筋の対向する端部が螺合することにより、これらねじ鉄筋が連結され、一方のねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを特徴とするねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造。
- 螺合部とこの螺合部に連なるスリーブ部とを備えた筒を備え、この筒の螺合部にねじ鉄筋の中間部が螺合され、このねじ鉄筋において上記スリーブ部により囲われた部位が、地震の際に降伏する降伏予定領域になっていることを特徴とするねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造。
- 上記スリーブ部の内接円の径が、ねじ鉄筋の外接円の径以上であり、両者の間には充填材が充填されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造。
- 上記スリーブ部において上記螺合部の近傍には、上記充填材を注入するための注入口が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造。
- 上記筒の外周には凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造。
- 鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端を基部に固定する構造において、この構成材の材端隣接領域に請求項1〜5のいずれかに記載のねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造が配置されていることを特徴とする鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端固定構造。
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JP2002164138A JP2004011209A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | ねじ鉄筋の降伏予定領域包囲構造、および鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端固定構造 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104088375A (zh) * | 2014-06-19 | 2014-10-08 | 北京工业大学 | 一种屈曲约束钢筋构造 |
CN104088401A (zh) * | 2014-06-19 | 2014-10-08 | 北京工业大学 | 一种防屈曲钢筋构造 |
CN104878948A (zh) * | 2015-04-07 | 2015-09-02 | 淮海工学院 | 一种钢筋混凝土框架梁负弯矩区的加固方法及加固装置 |
CN104963453A (zh) * | 2015-06-11 | 2015-10-07 | 广东省建科建筑设计院 | 一种用于装配式混凝土强连接的钢筋机械连接套筒 |
CN105587075A (zh) * | 2016-02-29 | 2016-05-18 | 北京工业大学 | 钢筋混凝土构件塑性铰区纵向钢筋屈曲约束构造 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164138A patent/JP2004011209A/ja active Pending
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