JP2004010386A - 火薬組成物、この火薬組成物を用いる*** - Google Patents
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Abstract
【課題】爆薬からの低エネルギー燃焼で着火すると共に、燃焼残渣を生成させて***の密閉性を確保する火薬組成物と、前記火薬組成物を用いて爆薬からの低エネルギー燃焼で起爆する***を提供する。
【解決手段】爆薬6および火薬組成物7a,7bを収容する有底筒状の金属管体1と、この金属管体と嵌合し前記火薬組成物へ伝火させる伝火チューブ体15とを有する***であって、前記伝火チューブ体に隣接して配設する前記火薬組成物は、火薬組成物の燃焼エネルギーを前記爆薬へ着火させ、該爆薬の爆轟エネルギーを金属管体内で所定圧力に保持すると共に前記伝火チューブ体側への逆走を防ぐ燃焼残渣を生成する火薬組成物。前記火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とを有する***であって、前記***の内部に前記火薬組成物を収容する薬筒ケース4を備えると共に、この薬筒ケース内に前記火薬組成物を圧填することを特徴とする***。
【選択図】 図1
【解決手段】爆薬6および火薬組成物7a,7bを収容する有底筒状の金属管体1と、この金属管体と嵌合し前記火薬組成物へ伝火させる伝火チューブ体15とを有する***であって、前記伝火チューブ体に隣接して配設する前記火薬組成物は、火薬組成物の燃焼エネルギーを前記爆薬へ着火させ、該爆薬の爆轟エネルギーを金属管体内で所定圧力に保持すると共に前記伝火チューブ体側への逆走を防ぐ燃焼残渣を生成する火薬組成物。前記火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とを有する***であって、前記***の内部に前記火薬組成物を収容する薬筒ケース4を備えると共に、この薬筒ケース内に前記火薬組成物を圧填することを特徴とする***。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、爆薬(例えば、ペンスリット等)に着火させると共に燃焼残渣を生成させる火薬組成物と、この火薬組成物及び伝火チューブ体を有する***に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、着火薬としては、金属粉と酸化剤、その他の添加物を混ぜた組成物が多種使用されている。酸化剤はその組成の中に酸素を持っており、その酸素を金属粉に与えることにより燃焼が起こる。
つまり酸化剤は酸素供給剤、金属粉は燃料として使用されている。この組成物の中に酸化剤と金属粉の反応を助ける触媒や、反応で発生する熱量を増加するような添加剤等を加えることもある。
代表的な物としてはボロン着火薬(ボロンを金属粉とし、クロム酸塩を酸化剤としたもの)、ジルコニウム着火薬(ジルコニウムを金属粉とし、酸化鉄を酸化剤としたもの)などがある。
また金属粉と酸化剤を混ぜた火薬として延期薬がある。
また、マンガンとクロム酸塩を混ぜたマンガン系延期薬(マンガンが金属粉、クロム酸塩が酸化剤)、タングステン、クロム酸塩および過塩素酸塩を混ぜたタングステン系延期薬(タングステンが金属粉、クロム酸塩、過塩素酸塩が酸化剤)、ニッケルージルコニウム延期薬(ニッケルージルコニウム合金が金属粉、クロム酸塩および過塩素酸塩が酸化剤としたもの)、鉛丹延期薬(シリコンが金属粉、酸化鉛が酸化剤)、酸化ビスマス延期薬(シリコンが金属粉とし、酸化ビスマスが酸化剤とするもの)などがある。
【0003】
一般に着火薬は、粉体の状態で一瞬で燃焼してしまうが、この粉体をプレスで圧力をかけ圧縮したものは10〜20ms程度の燃焼速度を持つ。
このように圧填した着火薬は、薬長にもよるが、燃焼が終了するまでにはミリ秒単位の時間を必要とするので、50〜1000ms程度の、比較的短い延期時間を必要とする際に延期薬として使うことができる。
そこで、民生、軍需の多くの分野で、着火薬、延期薬としては各種火工品に使かわれている。
【0004】
また、この各種火工品には、電気信号を発火に変換する点火玉と、爆薬を爆発させる起爆薬、多量のガスを発生する推進薬や発射薬等が入っているものがあり、前記延期薬或いは着火薬は、点火玉と起爆薬、推進薬、爆薬等の間に設けることにより、点火玉の発火から、推進薬や発射薬の燃焼までに火力を増加したり(着火薬)、一定の時間遅れを確保(延期薬)として機能している。
延期薬を使う場合は、点火玉の火を延期薬に伝火し、延期薬の火で起爆薬を起爆している。(例えば、延期***、段発***に使用)また、起爆薬を使う場合には、起爆薬の爆発により爆薬を起爆している。(例えば、瞬発***に使用)
【0005】
しかしながら、これら電気***は、雷、漏洩電流等に対する防御が完全ではなく、特に、前記起爆薬はちょっとした衝撃、摩擦などで爆発し、その取り扱いは極めて慎重に行わなければならなかった。
そこで、電気的障害での爆発等の虞をなくすために、電気を使って点火玉を爆発させ***を起爆する方式からプラスチックチューブの内面に爆薬を薄くコーティングしたノネルチューブ(NONELはニトロ・ノーベル社の登録商標。以下、本文中での登録商標表記は省略するが、これに準ずる)による起爆システムが登場してきた(同類にショックチューブシステムがある)。
このノネルチューブ(ノネルチューブシステム)は、その一側に爆薬を起爆するための***が取り付けられている(ノネル***)。
また、ノネル***の***部には起爆薬が装填されており、この起爆薬には、アジ化鉛、DDNP(ジアゾジニトロフェノール)等が用いられている。
【0006】
このノネル***の***部と爆薬との設置場所から、安全な遠方(例えば50m)までノネルチューブを敷設して、安全な地点でノネルチューブの他側から威力の小さな***(例えば6号***)或いは電気スパーク等により点火する。
威力の小さな***や電気スパークは、ノネルチューブ内に塗布された薄層(HMXとアルミニウムの混合爆薬)の爆薬を爆発させ爆轟エネルギーとなって伝達していくが、爆薬量が少ないのでチューブを破壊する威力がなくチューブ外部に対しては何ら損傷を与えない。
そして、ノネルチューブの爆轟エネルギーは、ノネル***の***部に伝達し、***部内の起爆薬等により、爆薬を起爆させたり、推進薬に着火したりと当初の目的を果たす。
【0007】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、起爆薬を有する***は、貯蔵時の火災や取り扱い中の静電気での爆発など、電気的障害を起こす虞があり、起爆薬の含まない***の必要性がでてきた。
また、環境上からほとんど鉛を含まない火薬組成物(着火薬)の必要性がでてきた。
【0008】
そこで、特開平6−219879号公報には、起爆薬を使用しないで、着火薬或いは延期薬に用いる酸化剤としての酸化ビスマスおよび燃料としてのケイ素を含む非鉛系の火工用遅延弾薬が開示されている。
しかし前記弾薬をノネル***に用いると、ノネルチューブ内を伝わってくる爆発では着火しないので、着火薬(本発明でいう火薬組成物に相当)の着火性能を向上するためにジルコニウムなどの金属粉を多量に添加したり、組成物内に少量の酸化鉛を混ぜたりしてノネルチューブ内の爆発から着火できるような細工をする必要性が出てくる。
このとき、添加剤を多量に添加すると燃焼ガスが多く発生したり、酸化鉛を使用すると鉛を含むので使用上の規制がある等の問題が発生する。
【0009】
そこで、起爆薬を使わない***を起爆するには、爆薬を燃焼させ、爆薬の燃焼を爆発に変化させる必要がある。
一般に、爆薬は燃焼を始め、燃焼圧力が高くなってくると爆発に至る。
この現象を、***の中で行わせると起爆薬のない***ができる。
そこで、この***の中で圧力をためるには圧力を外に逃がさない工夫が必要である。
特にノネルチューブは中が空洞で、空洞の表面(内周面)に爆薬が塗布してあるのでノネルチューブより先の***の内部で密閉を確保する必要がある。また、ノネルチューブの内周面に塗布されている爆薬はAl/HMXから成り、爆薬の量が極めて少ないので、爆轟伝播中も、衝撃がチューブの外へ漏れることがなく安全と云われている。
【0010】
本発明は、これらの問題点を解決するもので、ノネルチューブ内の爆薬の低エネルギー燃焼で着火すると共に、燃焼残渣による***の密閉を確保する火薬組成物を提供するものである。
尚、燃焼残渣を多くする火薬組成物は、燃焼時に多くの燃焼ガスを発生しない火薬組成物が好ましい。このことは、後述するように、***部内からノネルチューブ方向へ燃焼圧力が漏れないように、火薬組成物を配設するが、多くの燃焼ガスを発生すると、火薬組成物が燃えて消失したり、燃焼残差に空隙を有してしまい、爆薬の燃焼圧力を密閉することができなくなる。
また、本発明の他の目的は、ノネルチューブ内の低エネルギー燃焼だけで火薬組成物(着火薬)から爆薬へ伝火する非鉛系の火薬組成物を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、起爆薬を用いないで伝火チューブからの低エネルギー燃焼で起爆する***を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一側端が開口すると共に他側端が閉塞し内部に爆薬および火薬組成物を収容する有底筒状の金属管体と、前記金属管体の一側開口部と嵌合し前記火薬組成物へ伝火させる伝火チューブ体とで構成される***であって、前記伝火チューブ体からの爆轟エネルギーによる前記火薬組成物への伝火とこの火薬組成物からの燃焼エネルギーによる爆薬への伝火において、前記火薬組成物は、火薬組成物の燃焼エネルギーを前記爆薬へ着火させ、該爆薬の爆轟エネルギーを金属管体内で所定圧力に保持すると共に前記伝火チューブ体側への逆走を防ぐ燃焼残渣を生成する火薬組成物である。
【0013】
伝火チューブを有する***としては、代表的なのがノネルチューブシステムのノネル***がある。
爆薬は、起爆薬を含まない、ペンスリット(PETN)等の爆薬であり、また、添装薬(例えばP−4爆薬)を併用することもできる。
また、所定圧力とは、***内の爆薬の燃焼圧力が増大し爆轟に遷移し添装薬に伝爆するまでの圧力をいう。
火薬組成物は、起爆薬(一般例:アジ化鉛、トリシネート、DDNP)を含まない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、非鉛系の成分で占めている請求項1記載の火薬組成物である。
請求項3に記載の発明は、酸化ビスマス及び珪素化合物を成分に含む請求項1又は請求項2に記載の火薬組成物である。
酸化ビスマスとしては、好ましくは三酸化ビスマスである。
珪素化合物としては、例えば、珪化カルシウム、珪素鉄、珪化マグネシウム、珪化マンガン等が上げられる。その中で、好ましくは、珪化カルシウムである。
燃料成分である珪素化合物の量を増すことで多量の燃焼残渣を生成すると共にその残渣の固着度合を増す。
【0015】
請求項4に記載の発明は、金属粉の成分を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
金属粉としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ボロン、ジルコニウム等が挙げられる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、珪素化合物を30〜60重量%含む請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
請求項6に記載の発明は、添加剤として過塩素酸塩を含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
【0017】
過塩素酸塩としては、例えば、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム等が上げられる。その中で好ましくは、過塩素酸カリウムである。
過塩素酸塩の割合は、多量に使用すると燃焼により過塩素酸塩から発生するガス量も多くなり、その結果、前記ガスで火薬組成物の燃焼残差を多孔質(スポンジ状)にしてしまい密閉性が損なわれる虞があるので10%を越えない方が良い。
請求項7に記載の発明は、過塩素酸塩を2〜5重量%含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、前記***の内部に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に前記火薬組成物を圧填する
***である。
【0019】
本発明における火薬組成物の圧填は、例えば、1000kgf/cm2〜3000kgf/cm2程の圧力をかける。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、前記***内に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に伝火チューブ体からの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物と、この火薬組成物の燃焼エネルギーで着火する火薬組成物とを配設する***である。
【0021】
伝火チューブ体からの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物は、酸化ビスマスと珪素化合物の混合物の他に、例えば、一般的に用いられる、ボロン系、ジルコニウム系、マンガン系およびタングステン系等の着火薬を用いることもできる。
【0022】
請求項10記載の発明は、前記薬筒ケースが、一側と他側で内径が異なる請求項8または請求項9に記載の***である。
薬筒ケースの形状は、金属管体側を一側の内径とし、伝火チューブ体側を他側の内径とした場合、他側の内径は、一側の内径より小さくする。
請求項11記載の発明は、前記伝火チューブ体が、円筒状の金属管と、この金属管に挿入される円筒状のシリコンチューブと、このシリコンチューブに挿入され内周に爆薬を塗布した伝火チューブとを備える請求項8または請求項9に記載の***である。
【0023】
(作用)
本発明における金属管体と伝火チューブ体とで構成される***は、伝火チューブからの伝火(爆轟エネルギー)により***内部の火薬組成物が着火すると共に爆薬が爆轟し、この爆轟で爆発物を起爆させたり、推進薬に着火させたりする。
伝火チューブから伝達される爆轟エネルギーは、火薬組成物に着火し、火薬組成物の燃焼エネルギーで爆薬に伝火するが、このとき、火薬組成物は爆薬の爆轟エネルギーの圧力を伝火チューブ側へ逃がさないように***内部を密閉する燃焼残渣を生成する。
また、燃焼残渣を生成する火薬組成物は、装薬する際、***内において高い圧力(例えば1000kgf/cm2〜3000kgf/cm2)を掛けて圧填すると燃焼残渣の密度が高くなる。
【0024】
また、火薬組成物の燃焼残渣の密閉性をさらに良くするために、薬筒ケース内を大小2室の内径に形成する。
これは、伝火チューブ側が小さな径の空洞部(小径部)とし、爆薬側が大きな径の空洞部(大径部)とすることで、伝火チューブからの爆轟エネルギーが小径部に配置される火薬組成物から大径部に配置される火薬組成物へ着火し燃焼する。 この火薬組成物の燃焼エネルギーによって爆薬に伝火するが、このとき、大径部に配置された火薬組成物は多くの燃焼残渣を生成し塊となる。
この燃焼残渣(塊)は、薬筒ケースの、伝火チューブ側の径が小さいので、大径部と小径部との境で塞ぎ、***の密閉性が確保できる。
【0025】
また、***部内に収納される爆薬は、火薬組成物に当接している側から閉塞部側(添装薬側)に向かって爆薬密度が高くなるように例えば3層に圧填している。これは、火薬組成物の燃焼エネルギーを伝火し易くすることと、爆薬の燃焼圧力を加速的に増加し爆轟に変化させるためである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の火薬組成物の実施形態について詳細に説明する。
本発明の実施例で使用する火薬組成物は、容器内に、バインダであるバイトンを小さく砕いて入れアセトンで溶かし、この溶液中に三酸化二ビスマスを秤量して入れ混合し、この三酸化二ビスマスの溶液中に珪化カルシウムを秤量して入れ混合する。次に前記混合液に過塩素酸カリウムを秤量して入れ混合し、混合が終了したら溶剤を風乾により乾燥させて粉状体を製造する。
尚、アルミ粉を加える場合は、過塩素酸カリウムの混合後に加えさらに混合する。
また、前記粉状体の火薬組成物は、プレス圧力をかけて目的のケース内に圧填することができるもので、その際、固着強度を増すためバインダを加えることもできる。
【0027】
【実施例】
次に具体的な実施例を挙げて説明する。
以下、実施例1〜実施例10の火薬組成物は、前述の火薬組成物の実施形態に基づいて製造したが、バインダ(バイトンA)を外割で1重量%使用した。
【0028】
また、図4に示すように、上記粉状体の火薬組成物30を秤量する共に平板上32で山盛り(一塊り)にし、ライターの炎31で着火して、着火性、燃焼残渣33の有無および固着性を確認した。
尚、着火性は燃焼の有無を、燃焼残渣性は一塊りに成り残っているか否かを、固着性は指で押圧し潰れるか否かを観察した。
また、以下、%の記載は、重量%である。
【0029】
実施例1
三酸化二ビスマス20%、珪化カルシウム78%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例2
三酸化二ビスマス28%、珪化カルシウム70%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例3
三酸化二ビスマス38%、珪化カルシウム60%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例4
三酸化二ビスマス40%および珪化カルシウム60%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
【0030】
実施例5
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム55%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
実施例6
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム54%および過塩素酸カリウム3%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
【0031】
実施例7
三酸化二ビスマス38%、珪化カルシウム58%、アルミ粉2%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
実施例8
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム51%および過塩素酸カリウム5%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
【0032】
実施例9
三酸化二ビスマス67%、珪化カルシウム30%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣は生じたが固着性に乏しかった。
実施例10
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム49%および過塩素酸カリウム7%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火したが、燃焼残渣は少なかった。
【0033】
上記実施例1〜10の結果より、実施例1〜10は、粉状で表面積が大きいこともあって全て着火した。
また、実施例1〜4においては、燃焼残渣性および固着性が優れていた。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.5〜4.0倍と多いためである。
【0034】
また、実施例5、6および8は、燃焼残渣は生成したが固着性に乏しかった。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.2倍程度の多さのためである。
また、実施例7は、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.5倍と多いが、補助剤の過塩素酸カリウムと共にアルミニウム粉を入れたので燃焼ガスが多く発生した。そのため固着性が乏しかった。
【0035】
また、実施例9は、燃焼残渣が少なく固着性に乏しかった。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより0.4倍と少ないためである。
また、実施例10は、燃焼残渣が残らなかった。これは、過塩素酸カリウムを7%入れことで、多くの燃焼ガスが発生したためである。
【0036】
(実験例)
本実験例では、実施例1〜実施例10の粉状体の火薬組成物を高圧プレス圧填し、ノネルチューブからの爆轟エネルギーの火薬組成物への着火性を実験例1により確認した。(図5)
【0037】
また、実施例1〜実施例10粉状体の火薬組成物を2系列(第一火薬組成物と第二火薬組成物)に高圧プレス圧填して、ノネルチューブからの爆轟エネルギーの第一火薬組成物への伝火、第一火薬組成物から第二火薬組成物への伝火および燃焼残渣の生成を実験例2により確認した。(図6)
【0038】
実験例1
実験例1に使用した火薬組成物着火性確認用装置を図5に示す。
装置40は、火薬組成物43を収納する填薬容器41と、ノネルチューブ48を取り付けた蓋組立体42とで構成される。
填薬容器41の一端には、填薬容器41の内径より小さな穴44が開いている。
この小さな穴は、填薬の際には治具により塞がれていおり、填薬後には外す。
蓋45と填薬容器41には螺旋(ネジ部)46が加工してあり、蓋45にノネルチューブ48を取り付けた後に、螺旋46で結合する。
ノネルチューブ48は、蓋44に設けられた穴47から中に挿通してあり、ノネルチューブ48と蓋45は、ノネルチューブの回りを気密を保つための密閉用樹脂49を流し込んで硬化させることにより固定している。
また、火薬組成物43と密閉用樹脂49との間には空間部50が形成されている。
【0039】
この装置40においては、6号***でノネルチューブ48を点火し、ノネルチューブ内を伝播してきた炎(爆轟エネルギー)が、ノネルチューブ先端部から填薬容器41の内部に吹き出す。そして、ノネルチューブ48から填薬容器内の火薬組成物43の表面までには空間部50を形成しているので、吹き出した爆轟エネルギーは、前記填薬容器41の空間部50に充満して、火薬組成物43の表面を加熱し燃焼させる。
【0040】
まず、装置40の装填容器41に、実施例1〜10の火薬組成物を、各火薬組成物毎に圧填する。
次に、ノネルチューブを6号***80で点火させ、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで各火薬組成物を着火させた。
【0041】
その結果、実施例5〜10は常温で燃焼した。また、実施例5〜6および実施例8〜10はマイナス40°の環境下(容器を低温度装置でマイナス40°にした)においても、ノネルチューブからの低エネルギー燃焼で着火した。実施例7は、珪化カリウムの一部をアルミニウムと置き換えたためか、マイナス40°環境下では不着火であった。
【0042】
実施例1〜4は常温で不着火となった。この実施例1〜3の不着火の原因は、燃料である珪化カルシウムが酸化剤である三酸化二ビスマスに対して多量であると考えられ、また、実施例4の不着火の原因は、燃焼補助剤(過塩素酸塩等)を添加していないためと考えられる。
【0043】
珪化カルシウムが反応して二酸化珪素と酸化カルシウムが生成し、三酸化二ビスマスが還元されてビスマスになるという前提において、化学当量は、質量比で珪化カルシウム:三酸化二ビスマスで1:8である。
しかし、本発明の火薬組成物としては、珪化カルシウムが酸化二ビスマスより多い方が好ましく(1.6:1)、より好ましくのは1.3:1で燃焼残差が多く生成し密閉性が良くなる。
【0044】
上記実施例1〜10と実験例1との結果より、酸化剤、燃料および燃料補助剤の成分配合を適宜選択することで、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで、低温環境から常温環境で着火すると共に燃焼残渣を多く生成する火薬組成物(着火薬)が可能となることが分かった。
【0045】
実験例2
実験例2に使用した第一,第二火薬組成物の着火及び残渣生成確認用装置を図6に示す。
装置60は、装填容器61の内部に圧填収容される火薬組成物を2系列(第一火薬組成物63aと第二火薬組成物63b)に填薬している。
その他の構成は図5の装置40と同じなので、装置60の詳細説明は省略する。
【0046】
この装置60においては、ノネルチューブ68を6号***80で点火し、ノネルチューブの点火により伝播してきた炎(爆轟エネルギー)が、ノネルチューブから填薬容器61内に吹き出し、ノネルチューブ68から填薬容器内の第一火薬組成物63aの表面までには空間部70を形成しているので、吹き出した爆轟エネルギーは、前記填薬容器61の空間部70に充満して、第一火薬組成物63aの表面を加熱し燃焼させる。
そして、前記第一火薬組成物63aの燃焼エネルギーにより第二火薬組成物63bが燃焼し燃焼残渣を生成する。
【0047】
まず、実施例6の火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)として用い、実施例3の火薬組成物を第二火薬組成物として用いて、空間部側から穴64へ向かって第二火薬組成物63bと第一火薬組成物63aを、それぞれ圧填し装薬容器61に配設した。
次に、ノネルチューブ68を6号***80で点火させ、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで火薬組成物(第一火薬組成物)を着火させた。
その結果、ノネルチューブの点火により伝火してきた爆轟エネルギーで第一火薬組成物が燃焼し、この燃焼エネルギーにより第二火薬組成物が燃焼して、第二火薬組成物による燃焼残渣が多く(十分)生成された。
【0048】
上記実施例1〜10と実験例2との結果より、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)に配設し、この第一火薬組成物に隣接して、第一火薬組成物で着火すると共に燃焼残渣を生成する第二火薬組成物を配設することで、密閉性を確保できる火薬組成物が可能となることが分かった。
【0049】
総合考察
実施例1〜実施例10における粉状火薬組成物の燃焼残渣の生成は、酸化剤と燃料との配合比、燃料補助剤の添加量などでが適宜選択されることでより良い効果を生ずる。
【0050】
また、粉状体の火薬組成物はライター火で着火するが、本実験例1における所定のプレス圧力での圧填では不着火する火薬組成物が示された。しかしながら、前記プレス圧填の圧力を変えることで不着火の火薬組成物でも着火する可能性は残る。
このことは、粉体の火薬は、粉の表面が回りの環境にさらされている面積(表面積)が大きいので着火しやすいが、粉に圧力をかけて押しつぶすと、粉と粉の間にある空間が少なくなり、圧力を高くするほど空間が少なくなり、それに連れて火薬の着火性が悪くなってくる。
しかし、火薬の着火性(特性)は、火薬毎に千差万別であり、さらに、収容する容器の強度等により圧填力が変わる(決まる)ので、適宜圧填率を選択する必要がある。
【0051】
また、実験例2における火薬組成物を2系列に構成することで、ノネルチューブからの爆轟エネルギーを受け着火し燃焼残渣を多く固く生成することが示されたように、実施例1〜実施例10の火薬組成物を適宜選択することができる。
【0052】
また、圧填における着火性の乏しさは、燃焼助剤として過塩素酸塩を混合することで解決でき、ノネルチューブからの着火性を高めることができる。
過塩素酸塩としては、例えば、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムなどが挙げられる。その中でも、過塩素酸カリウムが好ましい。
また、燃焼残渣は、圧填率が高くなるほど密度が高くなり、生成が確実に多く成ることも分かった。
【0053】
次に、本発明の伝火チューブ体を有する***の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、伝火チューブ体(以下、ノネルチューブ体と呼ぶ)を有する***(以下ノネル***と呼ぶ)を示し、図2は***部の薬筒ケースを示し、図3はノネル***の組立概要図を示す。
【0054】
本実施形態に係るノネルチューブ体を有する***(ノネル***20)は、一側が開口し他側が閉塞する有底筒状のアルミ管体1、このアルミ管体内の底部2に装填される添装薬5、この添装薬に隣接し爆薬6を装填収納する爆薬筒3およびこの爆薬筒と隣接し火薬組成物7(第一火薬組成物7a、第二火薬組成物7b)を装填収納する薬筒ケース4を有する***部8と、一側および他側が開口する筒状の銅管体9、この銅管体内に挿入される中空のシリコンチューブ10および内面に爆薬14が塗布されシリコンチューブ内に挿入されるノネルチューブ11を有するノネルチューブ体15とで構成されている。
【0055】
***部内は、アルミ管体1の底部2に添装薬5を装填し、爆薬6を装填収納する両端開口のステンレス製の爆薬筒3を添装薬5に当接し、第一火薬組成物7aと第二火薬組成物7bを装填収納する両端開口のステンレス製の薬筒ケース4を爆薬筒3に当接している。
添装薬5は、ペンスリットとバインダーとを混合するP−4爆薬を用いている。
【0056】
爆薬筒3は、ステンレス製の筒状管体で、一側と他側が開口し内部に爆薬6を装填できる空洞部16が形成されている。そして、この内部に装填される爆薬6は、ペンスリット(PETN)を用いている。
また、爆薬筒3にペンスリットを装填する際、3回に分けて、爆薬密度が0.9〜1.5g/ccの3層となるように圧填している。これは、爆薬密度の小さい爆薬層を火薬組成物側にして、該火薬組成物7からの燃焼エネルギーを受け易く(伝火し易く)、さらに、爆薬密度を順次大きくしてなる爆薬層にしているため、加速的に爆薬の燃焼圧力が増加して爆轟に変化するものである。
【0057】
薬筒ケースは4、両端が開口しているステンレス製の筒状管体であり、その内部は大きな内径の空洞部(大径部22)と小さな内径の空洞部(小径部21)が形成されている。
そして、大径部22には第二火薬組成物、小径部21には第一火薬組成物がそれぞれ圧填されている。
この薬筒ケース4は、アルミ管体に圧入できる外径23に作製されている。
これにより、薬筒ケース4とアルミ管体1との隙間をなくすことが可能となる。ノネルチューブ体15は、図1に示すように、ノネルチューブ11の一端にセロハンテープ12を巻き付けており、このノネルチューブ11をシリコンチューブ10に差し込み、ノネルチューブの入ったシリコンチューブを銅管体9に挿入する構成としている。
【0058】
そして、上記ノネルチューブ体15をアルミ管体1の一側開口部へ挿入し、アルミ管体の外周から、少なくとも2カ所以上のカシメ部13a、13bを、カシメることでノネル***20の構成としている。
また、ノネルチューブ11に巻き付けたセロハンテープ12は、ノネルチューブとシリコンチューブ間の摩擦抵抗を大きくするので、アルミ管体1と銅管体9とのカシメで、ノネルチューブとシリコンチューブ間の固着強度を増すことができる。
また、シリコンチューブは、経年変化がほとんど無く、高温(60°)〜低温(−50°)の環境下にも耐えることができる。
また、***部8とノネルチューブ体とをカシメ部13a、13bでカシメた後に、銅管体9とノネルチューブ体と、銅管体の外周から数カ所にわたりカシメる。
【0059】
ノネルチューブ内面に塗布してある爆薬(Al/HMX)の量は、20mg/mと極めて少ないのでノネルチューブ内での爆発の威力も小さく、プラスチックでできているノネルチューブを破壊する威力を持たない。そのため、ノネルチューブ内を伝わってくる爆轟エネルギーを起爆薬を介さないで爆薬に伝火し起爆に変換させるには、ノネルチューブと爆薬の間に、ノネルチューブの爆発を直接着火し伝火させる火薬組成物(着火薬)を設ける必要がある。
【0060】
本実施形態では、図1に示すように、火薬組成物7として、薬筒ケース内の小径部21に第一火薬組成物7a、大径部22に第二火薬組成物7bを配設している。
これは、ノネルチューブからの爆轟エネルギーを確実に着火燃焼し次の火薬等成分へ伝火する必要があるので、ノネルチューブ体側の火薬組成物を着火しやすい第一火薬組成物7a(着火薬)を用いている。
そして、火薬組成物7の燃焼エネルギーを爆薬へ伝火させると共に爆薬が爆轟に遷移するため、***内を密閉性を良くし内圧を増大させる必要があるので、燃焼残渣(塊)を多く生成する第二火薬組成物7bを用いている。
尚、第一火薬組成物と第二火薬組成物は、上記要件を満たせば、両火薬組成物が同一成分でも異なる成分でも良い。
【0061】
これにより、ノネルチューブの爆轟エネルギーが第一火薬組成物に着火し、第一火薬組成物により第二火薬組成物が燃焼して、爆薬、添装薬に伝火する。その際、第二火薬組成物の燃焼残差が薬筒ケース内の大径部に留まり***内を密閉し、***内の燃焼圧力が加速的に高まり爆轟する。この爆轟で、目的の爆発物や推進薬に伝火する。
【0062】
火薬組成物は、一例を上げれば、酸化剤として酸化ビスマスおよび燃料として珪素化合物を用いることができる。これらの成分は化学的に安定であり、ガスがあまり発生することなく燃焼し、多くの燃焼残渣を生成する。
珪素化合物および酸化ビスマス(好ましくは三酸化二ビスマス)の相対量は、広範囲に変えることができる。
珪素化合物(燃料)が化学量論比に近い場合は燃焼残差が少なく、本発明の目的である起爆薬を使用しない***には不適である。
また、燃料と酸化剤の比率が化学量論比からかけ離れ、珪素化合物が多くなると残差が多くなり、本発明の目的に合致してくるが、ノネルチューブからの爆轟エネルギーでは着火しにくくなってくる。
【0063】
上記のように着火しにくい場合は、珪素化合物が少ない火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)として使用し、珪素化合物の多い(燃焼残渣を多く生成する)火薬組成物を第二火薬組成物として使用することで、ノネルチューブから第一火薬組成部物、第二火薬組成物へと燃焼させることができる。
【0064】
また、例えば、第一火薬組成物にボロン−クロム酸バリウム系の火薬組成物(着火薬)を使用し、燃焼残渣を多く生成する酸化ビスマス−珪化カルシウム−過塩素酸カリウム系の火薬組成物を第二火薬組成物に使用することもできる。
【0065】
次に本実施形態におけるノネル***の作用を説明する。
図7に示すように、6号***の点火によりノネルチューブ内の爆薬が爆轟エネルギーとしてノネルチューブ内を***部へ向かって伝播していく。
この爆轟エネルギーがノネルチューブの先端部から***内の、薬筒ケース小径部に圧填される第一火薬組成物へ着火し、第一火薬組成物が燃焼して大径部に圧填される第二火薬組成物へ着火して第二火薬組成物が燃焼する。
この燃焼エネルギーが、爆薬であり密度が積層されるペンスリット(PETEN)へ伝火する。その際、第二火薬組成物は、燃焼残差を生成し塊となって薬筒ケースの大径部内に残る。
【0066】
これにより、***内は密閉され、大径部と小径部の穴径の違いで出来る段差が火薬組成物の残渣を押さえる役目をするので、ペンスリットの発生するガス圧力で第二火薬組成物の残渣が後ろに動くことはない。そして、前記爆轟するペンスリット(PETEN)は高圧ガスを発生し添装薬も爆轟し、目的の爆発物或いは推進薬に伝火する。
【0067】
尚、添装薬は、ペンスリットの爆轟を受けて爆轟するが、爆薬筒の爆轟威力が爆薬筒中の反応のバラツキ(第二火薬組成物の密閉性の相違等で、爆薬筒の中で燃焼が爆轟に変化する位置が異なる)により変化するので、一定の威力に補正する役目を持つ。
【0068】
また、薬筒ケースは、PETNが発生する圧力が爆轟を起こすまで壊れないで耐えるような材質(本実施形態ではステンレスを用いた)と寸法が確保されている。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、爆薬からの低エネルギー燃焼で着火すると共に、燃焼残渣を生成
させて***の密閉性を確保する火薬組成物である。
【0070】
また、前記火薬組成物を用いて、爆薬からの低エネルギー燃焼で起爆する***である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)の断面図である。
【図2】図1の***部における薬筒ケースの断面図である。
【図3】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)の組立概要図である。
【図4】本発明の火薬組成物を粉状体でライター着火し燃焼残渣の生成を調査した方法を示す図である。
【図5】実験例1における火薬組成物着火性確認用装置の概要断面図である
【図6】実験例2における第一,第二火薬組成物の着火及び残渣生成確認用装置の概要断面図である。
【図7】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)と伝火チューブを点火する6号***の全体概要図である。
【符号の説明】
1 アルミ管体
3 爆薬筒
4 薬筒ケース
5 添装薬
6 爆薬
7a 第一火薬組成物
7b 第二火薬組成物
8 ***部
9 銅管体
10 シリコンチューブ
11 ノネルチューブ
12 セロハンテープ
13a,13b カシメ部
15 ノネルチューブ体
20 ノネル***
21 小径部
22 大径部
40 火薬組成物着火性確認用装置
60 第一,第二火薬組成物の着火及ぶ残渣生成確認用装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、爆薬(例えば、ペンスリット等)に着火させると共に燃焼残渣を生成させる火薬組成物と、この火薬組成物及び伝火チューブ体を有する***に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、着火薬としては、金属粉と酸化剤、その他の添加物を混ぜた組成物が多種使用されている。酸化剤はその組成の中に酸素を持っており、その酸素を金属粉に与えることにより燃焼が起こる。
つまり酸化剤は酸素供給剤、金属粉は燃料として使用されている。この組成物の中に酸化剤と金属粉の反応を助ける触媒や、反応で発生する熱量を増加するような添加剤等を加えることもある。
代表的な物としてはボロン着火薬(ボロンを金属粉とし、クロム酸塩を酸化剤としたもの)、ジルコニウム着火薬(ジルコニウムを金属粉とし、酸化鉄を酸化剤としたもの)などがある。
また金属粉と酸化剤を混ぜた火薬として延期薬がある。
また、マンガンとクロム酸塩を混ぜたマンガン系延期薬(マンガンが金属粉、クロム酸塩が酸化剤)、タングステン、クロム酸塩および過塩素酸塩を混ぜたタングステン系延期薬(タングステンが金属粉、クロム酸塩、過塩素酸塩が酸化剤)、ニッケルージルコニウム延期薬(ニッケルージルコニウム合金が金属粉、クロム酸塩および過塩素酸塩が酸化剤としたもの)、鉛丹延期薬(シリコンが金属粉、酸化鉛が酸化剤)、酸化ビスマス延期薬(シリコンが金属粉とし、酸化ビスマスが酸化剤とするもの)などがある。
【0003】
一般に着火薬は、粉体の状態で一瞬で燃焼してしまうが、この粉体をプレスで圧力をかけ圧縮したものは10〜20ms程度の燃焼速度を持つ。
このように圧填した着火薬は、薬長にもよるが、燃焼が終了するまでにはミリ秒単位の時間を必要とするので、50〜1000ms程度の、比較的短い延期時間を必要とする際に延期薬として使うことができる。
そこで、民生、軍需の多くの分野で、着火薬、延期薬としては各種火工品に使かわれている。
【0004】
また、この各種火工品には、電気信号を発火に変換する点火玉と、爆薬を爆発させる起爆薬、多量のガスを発生する推進薬や発射薬等が入っているものがあり、前記延期薬或いは着火薬は、点火玉と起爆薬、推進薬、爆薬等の間に設けることにより、点火玉の発火から、推進薬や発射薬の燃焼までに火力を増加したり(着火薬)、一定の時間遅れを確保(延期薬)として機能している。
延期薬を使う場合は、点火玉の火を延期薬に伝火し、延期薬の火で起爆薬を起爆している。(例えば、延期***、段発***に使用)また、起爆薬を使う場合には、起爆薬の爆発により爆薬を起爆している。(例えば、瞬発***に使用)
【0005】
しかしながら、これら電気***は、雷、漏洩電流等に対する防御が完全ではなく、特に、前記起爆薬はちょっとした衝撃、摩擦などで爆発し、その取り扱いは極めて慎重に行わなければならなかった。
そこで、電気的障害での爆発等の虞をなくすために、電気を使って点火玉を爆発させ***を起爆する方式からプラスチックチューブの内面に爆薬を薄くコーティングしたノネルチューブ(NONELはニトロ・ノーベル社の登録商標。以下、本文中での登録商標表記は省略するが、これに準ずる)による起爆システムが登場してきた(同類にショックチューブシステムがある)。
このノネルチューブ(ノネルチューブシステム)は、その一側に爆薬を起爆するための***が取り付けられている(ノネル***)。
また、ノネル***の***部には起爆薬が装填されており、この起爆薬には、アジ化鉛、DDNP(ジアゾジニトロフェノール)等が用いられている。
【0006】
このノネル***の***部と爆薬との設置場所から、安全な遠方(例えば50m)までノネルチューブを敷設して、安全な地点でノネルチューブの他側から威力の小さな***(例えば6号***)或いは電気スパーク等により点火する。
威力の小さな***や電気スパークは、ノネルチューブ内に塗布された薄層(HMXとアルミニウムの混合爆薬)の爆薬を爆発させ爆轟エネルギーとなって伝達していくが、爆薬量が少ないのでチューブを破壊する威力がなくチューブ外部に対しては何ら損傷を与えない。
そして、ノネルチューブの爆轟エネルギーは、ノネル***の***部に伝達し、***部内の起爆薬等により、爆薬を起爆させたり、推進薬に着火したりと当初の目的を果たす。
【0007】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、起爆薬を有する***は、貯蔵時の火災や取り扱い中の静電気での爆発など、電気的障害を起こす虞があり、起爆薬の含まない***の必要性がでてきた。
また、環境上からほとんど鉛を含まない火薬組成物(着火薬)の必要性がでてきた。
【0008】
そこで、特開平6−219879号公報には、起爆薬を使用しないで、着火薬或いは延期薬に用いる酸化剤としての酸化ビスマスおよび燃料としてのケイ素を含む非鉛系の火工用遅延弾薬が開示されている。
しかし前記弾薬をノネル***に用いると、ノネルチューブ内を伝わってくる爆発では着火しないので、着火薬(本発明でいう火薬組成物に相当)の着火性能を向上するためにジルコニウムなどの金属粉を多量に添加したり、組成物内に少量の酸化鉛を混ぜたりしてノネルチューブ内の爆発から着火できるような細工をする必要性が出てくる。
このとき、添加剤を多量に添加すると燃焼ガスが多く発生したり、酸化鉛を使用すると鉛を含むので使用上の規制がある等の問題が発生する。
【0009】
そこで、起爆薬を使わない***を起爆するには、爆薬を燃焼させ、爆薬の燃焼を爆発に変化させる必要がある。
一般に、爆薬は燃焼を始め、燃焼圧力が高くなってくると爆発に至る。
この現象を、***の中で行わせると起爆薬のない***ができる。
そこで、この***の中で圧力をためるには圧力を外に逃がさない工夫が必要である。
特にノネルチューブは中が空洞で、空洞の表面(内周面)に爆薬が塗布してあるのでノネルチューブより先の***の内部で密閉を確保する必要がある。また、ノネルチューブの内周面に塗布されている爆薬はAl/HMXから成り、爆薬の量が極めて少ないので、爆轟伝播中も、衝撃がチューブの外へ漏れることがなく安全と云われている。
【0010】
本発明は、これらの問題点を解決するもので、ノネルチューブ内の爆薬の低エネルギー燃焼で着火すると共に、燃焼残渣による***の密閉を確保する火薬組成物を提供するものである。
尚、燃焼残渣を多くする火薬組成物は、燃焼時に多くの燃焼ガスを発生しない火薬組成物が好ましい。このことは、後述するように、***部内からノネルチューブ方向へ燃焼圧力が漏れないように、火薬組成物を配設するが、多くの燃焼ガスを発生すると、火薬組成物が燃えて消失したり、燃焼残差に空隙を有してしまい、爆薬の燃焼圧力を密閉することができなくなる。
また、本発明の他の目的は、ノネルチューブ内の低エネルギー燃焼だけで火薬組成物(着火薬)から爆薬へ伝火する非鉛系の火薬組成物を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、起爆薬を用いないで伝火チューブからの低エネルギー燃焼で起爆する***を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一側端が開口すると共に他側端が閉塞し内部に爆薬および火薬組成物を収容する有底筒状の金属管体と、前記金属管体の一側開口部と嵌合し前記火薬組成物へ伝火させる伝火チューブ体とで構成される***であって、前記伝火チューブ体からの爆轟エネルギーによる前記火薬組成物への伝火とこの火薬組成物からの燃焼エネルギーによる爆薬への伝火において、前記火薬組成物は、火薬組成物の燃焼エネルギーを前記爆薬へ着火させ、該爆薬の爆轟エネルギーを金属管体内で所定圧力に保持すると共に前記伝火チューブ体側への逆走を防ぐ燃焼残渣を生成する火薬組成物である。
【0013】
伝火チューブを有する***としては、代表的なのがノネルチューブシステムのノネル***がある。
爆薬は、起爆薬を含まない、ペンスリット(PETN)等の爆薬であり、また、添装薬(例えばP−4爆薬)を併用することもできる。
また、所定圧力とは、***内の爆薬の燃焼圧力が増大し爆轟に遷移し添装薬に伝爆するまでの圧力をいう。
火薬組成物は、起爆薬(一般例:アジ化鉛、トリシネート、DDNP)を含まない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、非鉛系の成分で占めている請求項1記載の火薬組成物である。
請求項3に記載の発明は、酸化ビスマス及び珪素化合物を成分に含む請求項1又は請求項2に記載の火薬組成物である。
酸化ビスマスとしては、好ましくは三酸化ビスマスである。
珪素化合物としては、例えば、珪化カルシウム、珪素鉄、珪化マグネシウム、珪化マンガン等が上げられる。その中で、好ましくは、珪化カルシウムである。
燃料成分である珪素化合物の量を増すことで多量の燃焼残渣を生成すると共にその残渣の固着度合を増す。
【0015】
請求項4に記載の発明は、金属粉の成分を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
金属粉としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ボロン、ジルコニウム等が挙げられる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、珪素化合物を30〜60重量%含む請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
請求項6に記載の発明は、添加剤として過塩素酸塩を含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
【0017】
過塩素酸塩としては、例えば、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム等が上げられる。その中で好ましくは、過塩素酸カリウムである。
過塩素酸塩の割合は、多量に使用すると燃焼により過塩素酸塩から発生するガス量も多くなり、その結果、前記ガスで火薬組成物の燃焼残差を多孔質(スポンジ状)にしてしまい密閉性が損なわれる虞があるので10%を越えない方が良い。
請求項7に記載の発明は、過塩素酸塩を2〜5重量%含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の火薬組成物である。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、前記***の内部に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に前記火薬組成物を圧填する
***である。
【0019】
本発明における火薬組成物の圧填は、例えば、1000kgf/cm2〜3000kgf/cm2程の圧力をかける。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、前記***内に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に伝火チューブ体からの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物と、この火薬組成物の燃焼エネルギーで着火する火薬組成物とを配設する***である。
【0021】
伝火チューブ体からの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物は、酸化ビスマスと珪素化合物の混合物の他に、例えば、一般的に用いられる、ボロン系、ジルコニウム系、マンガン系およびタングステン系等の着火薬を用いることもできる。
【0022】
請求項10記載の発明は、前記薬筒ケースが、一側と他側で内径が異なる請求項8または請求項9に記載の***である。
薬筒ケースの形状は、金属管体側を一側の内径とし、伝火チューブ体側を他側の内径とした場合、他側の内径は、一側の内径より小さくする。
請求項11記載の発明は、前記伝火チューブ体が、円筒状の金属管と、この金属管に挿入される円筒状のシリコンチューブと、このシリコンチューブに挿入され内周に爆薬を塗布した伝火チューブとを備える請求項8または請求項9に記載の***である。
【0023】
(作用)
本発明における金属管体と伝火チューブ体とで構成される***は、伝火チューブからの伝火(爆轟エネルギー)により***内部の火薬組成物が着火すると共に爆薬が爆轟し、この爆轟で爆発物を起爆させたり、推進薬に着火させたりする。
伝火チューブから伝達される爆轟エネルギーは、火薬組成物に着火し、火薬組成物の燃焼エネルギーで爆薬に伝火するが、このとき、火薬組成物は爆薬の爆轟エネルギーの圧力を伝火チューブ側へ逃がさないように***内部を密閉する燃焼残渣を生成する。
また、燃焼残渣を生成する火薬組成物は、装薬する際、***内において高い圧力(例えば1000kgf/cm2〜3000kgf/cm2)を掛けて圧填すると燃焼残渣の密度が高くなる。
【0024】
また、火薬組成物の燃焼残渣の密閉性をさらに良くするために、薬筒ケース内を大小2室の内径に形成する。
これは、伝火チューブ側が小さな径の空洞部(小径部)とし、爆薬側が大きな径の空洞部(大径部)とすることで、伝火チューブからの爆轟エネルギーが小径部に配置される火薬組成物から大径部に配置される火薬組成物へ着火し燃焼する。 この火薬組成物の燃焼エネルギーによって爆薬に伝火するが、このとき、大径部に配置された火薬組成物は多くの燃焼残渣を生成し塊となる。
この燃焼残渣(塊)は、薬筒ケースの、伝火チューブ側の径が小さいので、大径部と小径部との境で塞ぎ、***の密閉性が確保できる。
【0025】
また、***部内に収納される爆薬は、火薬組成物に当接している側から閉塞部側(添装薬側)に向かって爆薬密度が高くなるように例えば3層に圧填している。これは、火薬組成物の燃焼エネルギーを伝火し易くすることと、爆薬の燃焼圧力を加速的に増加し爆轟に変化させるためである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の火薬組成物の実施形態について詳細に説明する。
本発明の実施例で使用する火薬組成物は、容器内に、バインダであるバイトンを小さく砕いて入れアセトンで溶かし、この溶液中に三酸化二ビスマスを秤量して入れ混合し、この三酸化二ビスマスの溶液中に珪化カルシウムを秤量して入れ混合する。次に前記混合液に過塩素酸カリウムを秤量して入れ混合し、混合が終了したら溶剤を風乾により乾燥させて粉状体を製造する。
尚、アルミ粉を加える場合は、過塩素酸カリウムの混合後に加えさらに混合する。
また、前記粉状体の火薬組成物は、プレス圧力をかけて目的のケース内に圧填することができるもので、その際、固着強度を増すためバインダを加えることもできる。
【0027】
【実施例】
次に具体的な実施例を挙げて説明する。
以下、実施例1〜実施例10の火薬組成物は、前述の火薬組成物の実施形態に基づいて製造したが、バインダ(バイトンA)を外割で1重量%使用した。
【0028】
また、図4に示すように、上記粉状体の火薬組成物30を秤量する共に平板上32で山盛り(一塊り)にし、ライターの炎31で着火して、着火性、燃焼残渣33の有無および固着性を確認した。
尚、着火性は燃焼の有無を、燃焼残渣性は一塊りに成り残っているか否かを、固着性は指で押圧し潰れるか否かを観察した。
また、以下、%の記載は、重量%である。
【0029】
実施例1
三酸化二ビスマス20%、珪化カルシウム78%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例2
三酸化二ビスマス28%、珪化カルシウム70%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例3
三酸化二ビスマス38%、珪化カルシウム60%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
実施例4
三酸化二ビスマス40%および珪化カルシウム60%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が多く生じ、固着性が有った。
【0030】
実施例5
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム55%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
実施例6
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム54%および過塩素酸カリウム3%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
【0031】
実施例7
三酸化二ビスマス38%、珪化カルシウム58%、アルミ粉2%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
実施例8
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム51%および過塩素酸カリウム5%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣が生じたが固着性に乏しかった。
【0032】
実施例9
三酸化二ビスマス67%、珪化カルシウム30%および過塩素酸カリウム2%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火し、燃焼残渣は生じたが固着性に乏しかった。
実施例10
三酸化二ビスマス43%、珪化カルシウム49%および過塩素酸カリウム7%を混合し火薬組成物を得た。
この火薬組成物は、ライターで着火したが、燃焼残渣は少なかった。
【0033】
上記実施例1〜10の結果より、実施例1〜10は、粉状で表面積が大きいこともあって全て着火した。
また、実施例1〜4においては、燃焼残渣性および固着性が優れていた。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.5〜4.0倍と多いためである。
【0034】
また、実施例5、6および8は、燃焼残渣は生成したが固着性に乏しかった。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.2倍程度の多さのためである。
また、実施例7は、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより1.5倍と多いが、補助剤の過塩素酸カリウムと共にアルミニウム粉を入れたので燃焼ガスが多く発生した。そのため固着性が乏しかった。
【0035】
また、実施例9は、燃焼残渣が少なく固着性に乏しかった。これは、燃料としての珪化カルシウムの量が、酸化剤としての酸化ビスマスより0.4倍と少ないためである。
また、実施例10は、燃焼残渣が残らなかった。これは、過塩素酸カリウムを7%入れことで、多くの燃焼ガスが発生したためである。
【0036】
(実験例)
本実験例では、実施例1〜実施例10の粉状体の火薬組成物を高圧プレス圧填し、ノネルチューブからの爆轟エネルギーの火薬組成物への着火性を実験例1により確認した。(図5)
【0037】
また、実施例1〜実施例10粉状体の火薬組成物を2系列(第一火薬組成物と第二火薬組成物)に高圧プレス圧填して、ノネルチューブからの爆轟エネルギーの第一火薬組成物への伝火、第一火薬組成物から第二火薬組成物への伝火および燃焼残渣の生成を実験例2により確認した。(図6)
【0038】
実験例1
実験例1に使用した火薬組成物着火性確認用装置を図5に示す。
装置40は、火薬組成物43を収納する填薬容器41と、ノネルチューブ48を取り付けた蓋組立体42とで構成される。
填薬容器41の一端には、填薬容器41の内径より小さな穴44が開いている。
この小さな穴は、填薬の際には治具により塞がれていおり、填薬後には外す。
蓋45と填薬容器41には螺旋(ネジ部)46が加工してあり、蓋45にノネルチューブ48を取り付けた後に、螺旋46で結合する。
ノネルチューブ48は、蓋44に設けられた穴47から中に挿通してあり、ノネルチューブ48と蓋45は、ノネルチューブの回りを気密を保つための密閉用樹脂49を流し込んで硬化させることにより固定している。
また、火薬組成物43と密閉用樹脂49との間には空間部50が形成されている。
【0039】
この装置40においては、6号***でノネルチューブ48を点火し、ノネルチューブ内を伝播してきた炎(爆轟エネルギー)が、ノネルチューブ先端部から填薬容器41の内部に吹き出す。そして、ノネルチューブ48から填薬容器内の火薬組成物43の表面までには空間部50を形成しているので、吹き出した爆轟エネルギーは、前記填薬容器41の空間部50に充満して、火薬組成物43の表面を加熱し燃焼させる。
【0040】
まず、装置40の装填容器41に、実施例1〜10の火薬組成物を、各火薬組成物毎に圧填する。
次に、ノネルチューブを6号***80で点火させ、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで各火薬組成物を着火させた。
【0041】
その結果、実施例5〜10は常温で燃焼した。また、実施例5〜6および実施例8〜10はマイナス40°の環境下(容器を低温度装置でマイナス40°にした)においても、ノネルチューブからの低エネルギー燃焼で着火した。実施例7は、珪化カリウムの一部をアルミニウムと置き換えたためか、マイナス40°環境下では不着火であった。
【0042】
実施例1〜4は常温で不着火となった。この実施例1〜3の不着火の原因は、燃料である珪化カルシウムが酸化剤である三酸化二ビスマスに対して多量であると考えられ、また、実施例4の不着火の原因は、燃焼補助剤(過塩素酸塩等)を添加していないためと考えられる。
【0043】
珪化カルシウムが反応して二酸化珪素と酸化カルシウムが生成し、三酸化二ビスマスが還元されてビスマスになるという前提において、化学当量は、質量比で珪化カルシウム:三酸化二ビスマスで1:8である。
しかし、本発明の火薬組成物としては、珪化カルシウムが酸化二ビスマスより多い方が好ましく(1.6:1)、より好ましくのは1.3:1で燃焼残差が多く生成し密閉性が良くなる。
【0044】
上記実施例1〜10と実験例1との結果より、酸化剤、燃料および燃料補助剤の成分配合を適宜選択することで、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで、低温環境から常温環境で着火すると共に燃焼残渣を多く生成する火薬組成物(着火薬)が可能となることが分かった。
【0045】
実験例2
実験例2に使用した第一,第二火薬組成物の着火及び残渣生成確認用装置を図6に示す。
装置60は、装填容器61の内部に圧填収容される火薬組成物を2系列(第一火薬組成物63aと第二火薬組成物63b)に填薬している。
その他の構成は図5の装置40と同じなので、装置60の詳細説明は省略する。
【0046】
この装置60においては、ノネルチューブ68を6号***80で点火し、ノネルチューブの点火により伝播してきた炎(爆轟エネルギー)が、ノネルチューブから填薬容器61内に吹き出し、ノネルチューブ68から填薬容器内の第一火薬組成物63aの表面までには空間部70を形成しているので、吹き出した爆轟エネルギーは、前記填薬容器61の空間部70に充満して、第一火薬組成物63aの表面を加熱し燃焼させる。
そして、前記第一火薬組成物63aの燃焼エネルギーにより第二火薬組成物63bが燃焼し燃焼残渣を生成する。
【0047】
まず、実施例6の火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)として用い、実施例3の火薬組成物を第二火薬組成物として用いて、空間部側から穴64へ向かって第二火薬組成物63bと第一火薬組成物63aを、それぞれ圧填し装薬容器61に配設した。
次に、ノネルチューブ68を6号***80で点火させ、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで火薬組成物(第一火薬組成物)を着火させた。
その結果、ノネルチューブの点火により伝火してきた爆轟エネルギーで第一火薬組成物が燃焼し、この燃焼エネルギーにより第二火薬組成物が燃焼して、第二火薬組成物による燃焼残渣が多く(十分)生成された。
【0048】
上記実施例1〜10と実験例2との結果より、ノネルチューブからの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)に配設し、この第一火薬組成物に隣接して、第一火薬組成物で着火すると共に燃焼残渣を生成する第二火薬組成物を配設することで、密閉性を確保できる火薬組成物が可能となることが分かった。
【0049】
総合考察
実施例1〜実施例10における粉状火薬組成物の燃焼残渣の生成は、酸化剤と燃料との配合比、燃料補助剤の添加量などでが適宜選択されることでより良い効果を生ずる。
【0050】
また、粉状体の火薬組成物はライター火で着火するが、本実験例1における所定のプレス圧力での圧填では不着火する火薬組成物が示された。しかしながら、前記プレス圧填の圧力を変えることで不着火の火薬組成物でも着火する可能性は残る。
このことは、粉体の火薬は、粉の表面が回りの環境にさらされている面積(表面積)が大きいので着火しやすいが、粉に圧力をかけて押しつぶすと、粉と粉の間にある空間が少なくなり、圧力を高くするほど空間が少なくなり、それに連れて火薬の着火性が悪くなってくる。
しかし、火薬の着火性(特性)は、火薬毎に千差万別であり、さらに、収容する容器の強度等により圧填力が変わる(決まる)ので、適宜圧填率を選択する必要がある。
【0051】
また、実験例2における火薬組成物を2系列に構成することで、ノネルチューブからの爆轟エネルギーを受け着火し燃焼残渣を多く固く生成することが示されたように、実施例1〜実施例10の火薬組成物を適宜選択することができる。
【0052】
また、圧填における着火性の乏しさは、燃焼助剤として過塩素酸塩を混合することで解決でき、ノネルチューブからの着火性を高めることができる。
過塩素酸塩としては、例えば、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムなどが挙げられる。その中でも、過塩素酸カリウムが好ましい。
また、燃焼残渣は、圧填率が高くなるほど密度が高くなり、生成が確実に多く成ることも分かった。
【0053】
次に、本発明の伝火チューブ体を有する***の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、伝火チューブ体(以下、ノネルチューブ体と呼ぶ)を有する***(以下ノネル***と呼ぶ)を示し、図2は***部の薬筒ケースを示し、図3はノネル***の組立概要図を示す。
【0054】
本実施形態に係るノネルチューブ体を有する***(ノネル***20)は、一側が開口し他側が閉塞する有底筒状のアルミ管体1、このアルミ管体内の底部2に装填される添装薬5、この添装薬に隣接し爆薬6を装填収納する爆薬筒3およびこの爆薬筒と隣接し火薬組成物7(第一火薬組成物7a、第二火薬組成物7b)を装填収納する薬筒ケース4を有する***部8と、一側および他側が開口する筒状の銅管体9、この銅管体内に挿入される中空のシリコンチューブ10および内面に爆薬14が塗布されシリコンチューブ内に挿入されるノネルチューブ11を有するノネルチューブ体15とで構成されている。
【0055】
***部内は、アルミ管体1の底部2に添装薬5を装填し、爆薬6を装填収納する両端開口のステンレス製の爆薬筒3を添装薬5に当接し、第一火薬組成物7aと第二火薬組成物7bを装填収納する両端開口のステンレス製の薬筒ケース4を爆薬筒3に当接している。
添装薬5は、ペンスリットとバインダーとを混合するP−4爆薬を用いている。
【0056】
爆薬筒3は、ステンレス製の筒状管体で、一側と他側が開口し内部に爆薬6を装填できる空洞部16が形成されている。そして、この内部に装填される爆薬6は、ペンスリット(PETN)を用いている。
また、爆薬筒3にペンスリットを装填する際、3回に分けて、爆薬密度が0.9〜1.5g/ccの3層となるように圧填している。これは、爆薬密度の小さい爆薬層を火薬組成物側にして、該火薬組成物7からの燃焼エネルギーを受け易く(伝火し易く)、さらに、爆薬密度を順次大きくしてなる爆薬層にしているため、加速的に爆薬の燃焼圧力が増加して爆轟に変化するものである。
【0057】
薬筒ケースは4、両端が開口しているステンレス製の筒状管体であり、その内部は大きな内径の空洞部(大径部22)と小さな内径の空洞部(小径部21)が形成されている。
そして、大径部22には第二火薬組成物、小径部21には第一火薬組成物がそれぞれ圧填されている。
この薬筒ケース4は、アルミ管体に圧入できる外径23に作製されている。
これにより、薬筒ケース4とアルミ管体1との隙間をなくすことが可能となる。ノネルチューブ体15は、図1に示すように、ノネルチューブ11の一端にセロハンテープ12を巻き付けており、このノネルチューブ11をシリコンチューブ10に差し込み、ノネルチューブの入ったシリコンチューブを銅管体9に挿入する構成としている。
【0058】
そして、上記ノネルチューブ体15をアルミ管体1の一側開口部へ挿入し、アルミ管体の外周から、少なくとも2カ所以上のカシメ部13a、13bを、カシメることでノネル***20の構成としている。
また、ノネルチューブ11に巻き付けたセロハンテープ12は、ノネルチューブとシリコンチューブ間の摩擦抵抗を大きくするので、アルミ管体1と銅管体9とのカシメで、ノネルチューブとシリコンチューブ間の固着強度を増すことができる。
また、シリコンチューブは、経年変化がほとんど無く、高温(60°)〜低温(−50°)の環境下にも耐えることができる。
また、***部8とノネルチューブ体とをカシメ部13a、13bでカシメた後に、銅管体9とノネルチューブ体と、銅管体の外周から数カ所にわたりカシメる。
【0059】
ノネルチューブ内面に塗布してある爆薬(Al/HMX)の量は、20mg/mと極めて少ないのでノネルチューブ内での爆発の威力も小さく、プラスチックでできているノネルチューブを破壊する威力を持たない。そのため、ノネルチューブ内を伝わってくる爆轟エネルギーを起爆薬を介さないで爆薬に伝火し起爆に変換させるには、ノネルチューブと爆薬の間に、ノネルチューブの爆発を直接着火し伝火させる火薬組成物(着火薬)を設ける必要がある。
【0060】
本実施形態では、図1に示すように、火薬組成物7として、薬筒ケース内の小径部21に第一火薬組成物7a、大径部22に第二火薬組成物7bを配設している。
これは、ノネルチューブからの爆轟エネルギーを確実に着火燃焼し次の火薬等成分へ伝火する必要があるので、ノネルチューブ体側の火薬組成物を着火しやすい第一火薬組成物7a(着火薬)を用いている。
そして、火薬組成物7の燃焼エネルギーを爆薬へ伝火させると共に爆薬が爆轟に遷移するため、***内を密閉性を良くし内圧を増大させる必要があるので、燃焼残渣(塊)を多く生成する第二火薬組成物7bを用いている。
尚、第一火薬組成物と第二火薬組成物は、上記要件を満たせば、両火薬組成物が同一成分でも異なる成分でも良い。
【0061】
これにより、ノネルチューブの爆轟エネルギーが第一火薬組成物に着火し、第一火薬組成物により第二火薬組成物が燃焼して、爆薬、添装薬に伝火する。その際、第二火薬組成物の燃焼残差が薬筒ケース内の大径部に留まり***内を密閉し、***内の燃焼圧力が加速的に高まり爆轟する。この爆轟で、目的の爆発物や推進薬に伝火する。
【0062】
火薬組成物は、一例を上げれば、酸化剤として酸化ビスマスおよび燃料として珪素化合物を用いることができる。これらの成分は化学的に安定であり、ガスがあまり発生することなく燃焼し、多くの燃焼残渣を生成する。
珪素化合物および酸化ビスマス(好ましくは三酸化二ビスマス)の相対量は、広範囲に変えることができる。
珪素化合物(燃料)が化学量論比に近い場合は燃焼残差が少なく、本発明の目的である起爆薬を使用しない***には不適である。
また、燃料と酸化剤の比率が化学量論比からかけ離れ、珪素化合物が多くなると残差が多くなり、本発明の目的に合致してくるが、ノネルチューブからの爆轟エネルギーでは着火しにくくなってくる。
【0063】
上記のように着火しにくい場合は、珪素化合物が少ない火薬組成物を第一火薬組成物(着火薬)として使用し、珪素化合物の多い(燃焼残渣を多く生成する)火薬組成物を第二火薬組成物として使用することで、ノネルチューブから第一火薬組成部物、第二火薬組成物へと燃焼させることができる。
【0064】
また、例えば、第一火薬組成物にボロン−クロム酸バリウム系の火薬組成物(着火薬)を使用し、燃焼残渣を多く生成する酸化ビスマス−珪化カルシウム−過塩素酸カリウム系の火薬組成物を第二火薬組成物に使用することもできる。
【0065】
次に本実施形態におけるノネル***の作用を説明する。
図7に示すように、6号***の点火によりノネルチューブ内の爆薬が爆轟エネルギーとしてノネルチューブ内を***部へ向かって伝播していく。
この爆轟エネルギーがノネルチューブの先端部から***内の、薬筒ケース小径部に圧填される第一火薬組成物へ着火し、第一火薬組成物が燃焼して大径部に圧填される第二火薬組成物へ着火して第二火薬組成物が燃焼する。
この燃焼エネルギーが、爆薬であり密度が積層されるペンスリット(PETEN)へ伝火する。その際、第二火薬組成物は、燃焼残差を生成し塊となって薬筒ケースの大径部内に残る。
【0066】
これにより、***内は密閉され、大径部と小径部の穴径の違いで出来る段差が火薬組成物の残渣を押さえる役目をするので、ペンスリットの発生するガス圧力で第二火薬組成物の残渣が後ろに動くことはない。そして、前記爆轟するペンスリット(PETEN)は高圧ガスを発生し添装薬も爆轟し、目的の爆発物或いは推進薬に伝火する。
【0067】
尚、添装薬は、ペンスリットの爆轟を受けて爆轟するが、爆薬筒の爆轟威力が爆薬筒中の反応のバラツキ(第二火薬組成物の密閉性の相違等で、爆薬筒の中で燃焼が爆轟に変化する位置が異なる)により変化するので、一定の威力に補正する役目を持つ。
【0068】
また、薬筒ケースは、PETNが発生する圧力が爆轟を起こすまで壊れないで耐えるような材質(本実施形態ではステンレスを用いた)と寸法が確保されている。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、爆薬からの低エネルギー燃焼で着火すると共に、燃焼残渣を生成
させて***の密閉性を確保する火薬組成物である。
【0070】
また、前記火薬組成物を用いて、爆薬からの低エネルギー燃焼で起爆する***である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)の断面図である。
【図2】図1の***部における薬筒ケースの断面図である。
【図3】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)の組立概要図である。
【図4】本発明の火薬組成物を粉状体でライター着火し燃焼残渣の生成を調査した方法を示す図である。
【図5】実験例1における火薬組成物着火性確認用装置の概要断面図である
【図6】実験例2における第一,第二火薬組成物の着火及び残渣生成確認用装置の概要断面図である。
【図7】本発明の伝火チューブ体を有する***(ノネル***)と伝火チューブを点火する6号***の全体概要図である。
【符号の説明】
1 アルミ管体
3 爆薬筒
4 薬筒ケース
5 添装薬
6 爆薬
7a 第一火薬組成物
7b 第二火薬組成物
8 ***部
9 銅管体
10 シリコンチューブ
11 ノネルチューブ
12 セロハンテープ
13a,13b カシメ部
15 ノネルチューブ体
20 ノネル***
21 小径部
22 大径部
40 火薬組成物着火性確認用装置
60 第一,第二火薬組成物の着火及ぶ残渣生成確認用装置
Claims (11)
- 一側端が開口すると共に他側端が閉塞し内部に爆薬および火薬組成物を収容する有底筒状の金属管体と、
前記金属管体の一側開口部と嵌合し前記火薬組成物へ伝火させる伝火チューブ体とで構成される***であって、
前記伝火チューブ体からの爆轟エネルギーによる前記火薬組成物への伝火とこの火薬組成物からの燃焼エネルギーによる爆薬への伝火において、
前記火薬組成物は、火薬組成物の燃焼エネルギーを前記爆薬へ着火させ、該爆薬の爆轟エネルギーを金属管体内で所定圧力に保持すると共に前記伝火チューブ体側への逆走を防ぐ燃焼残渣を生成することを特徴とする火薬組成物。 - 前記火薬組成物は、非鉛系の成分で占めていることを特徴とする請求項1記載の火薬組成物。
- 前記火薬組成物は、酸化ビスマス及び珪素化合物を成分に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の火薬組成物。
- 前記火薬組成物は、金属粉の成分を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記火薬組成物は、珪素化合物を30〜60重量%含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記火薬組成物は、添加剤として過塩素酸塩を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記火薬組成物は、過塩素酸塩を2〜5重量%含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、
前記***の内部に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に前記火薬組成物を圧填することを特徴とする***。 - 請求項1に記載の火薬組成物と前記金属管体と前記伝火チューブ体とで構成される***であって、
前記***内に前記火薬組成物を収容する薬筒ケースを備え、前記薬筒ケース内に伝火チューブ体からの爆轟エネルギーで着火する火薬組成物と、この火薬組成物の燃焼エネルギーで着火する火薬組成物とを配設することを特徴とする***。 - 前記薬筒ケースは、一側と他側で内径が異なることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の***。
- 前記伝火チューブ体は、円筒状の金属管と、この金属管に挿入される円筒状のシリコンチューブと、このシリコンチューブに挿入され内周に爆薬を塗布した伝火チューブとを備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の***。
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