JP2004009530A - 記録装置および記録装置のカバー開閉制御方法 - Google Patents

記録装置および記録装置のカバー開閉制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部を保護する開閉可能なカバーを備えた記録装置において、エラーが発生した場合のメンテナンスを安全性を確保しつつ迅速かつ容易に行えるようにする。
【解決手段】動作中には閉鎖状態となるカバーを、エラーまたはユーザからの指示によって開ける必要が生じたことを検出したときに、そのエラーまたはユーザからの指示の種類を判定し(S10、S20、S30)、判定結果に対応したリカバリ処理を行うのに適切な位置にキャリッジを移動させ(S11、S21)、キャリッジの移動が終了した後に、カバーの閉鎖状態を解除し(S12、S22)、カバーを開けて対応したリカバリ処理を行えるようにする。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置および記録装置のカバー開閉制御方法に関し、特に、開閉可能に設けられており開けられたときに装置の内部が露出されるカバーを備えた記録装置および該記録装置のカバー開閉制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行う記録装置として良く知られたものにプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
一方、プリンタなどの記録装置を取り巻く環境としては、パーソナルコンピュータ等電子機器やこれら電子機器への情報入力装置であるデジタルカメラ、スキャナなどの高性能化、低価格化が著しく、一般的な家庭まで広く普及しつつあり、これに伴なってプリンタを使用する使用者の年齢層も子供からお年寄りまで広範囲にわたりつつある。
【0005】
このような状況にあって記録装置の誤操作などを防止するため、通常記録ヘッドは記録動作を行っていないときには使用者が操作不可能な場所に位置しており、例えば交換作業などをスイッチ等で支持すると交換可能な場所に移動するものが実用化されている。
【0006】
また記録装置の操作性を向上させるため、記録装置で発生する各種エラー状態を検出して使用者に通知し、メンテナンスを要請する事が一般的に行われている。記録装置におけるエラー状態としてはさまざまな状態があるが、例えばインクジェット方式の場合にはインクタンクのインクがなくなってしまった状態や、カラー記録用の記録ヘッドとモノクロ記録用の記録ヘッドとを交換して記録を行なう場合のヘッド交換要請や、記録ヘッドが記録に適さなくなった状態や用紙の搬送不良による紙ジャム等がある。
【0007】
このうち特に、インクがなくなってしまった場合や種類の異なるヘッドへ交換する場合など、記録ヘッドまたはインクタンクの交換が必要な場合、記録ヘッドの交換をスイッチ等により指示すると、記録ヘッドを搭載したキャリッジを交換可能な位置まで移動するように構成されたものがある。
【0008】
また、記録ヘッドやインクタンクの交換作業を容易にするため、記録装置の内部を保護する開閉可能なカバーの開閉状態を検出するスイッチを設けて、カバーが開けられた場合には使用者が記録ヘッドを交換するものと想定して、無条件に記録ヘッドを装着したキャリッジを交換可能な位置まで移動するように構成されたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような記録装置の内、例えば記録ヘッドまたはインクタンクの交換をスイッチ等により指示する構成においては、使用者がその度にスイッチを操作しなければならず、交換操作に手間がかかるという問題が生じる。
【0010】
一方、記録装置のカバーが開けられた場合に、キャリッジを記録ヘッドの交換が可能な位置まで無条件に移動させる構成においては、用紙の搬送不良が発生した状態でカバーを開けてしまうと、記録ヘッドが移動して用紙と交錯し、用紙や記録ヘッドにダメージを与え、その後の記録が正常に行なえなくなってしまう場合も発生するという問題がある。
【0011】
また、上述のように記録装置の使用者の年齢層が広範囲にわたることを考慮すると、使用者がこのような機器の取り扱いに慣れていない場合があることや、家庭などで幼児が誤って操作する可能性があることを考えると、カバーが開けられた状態でキャリッジが移動するのは安全性の面で問題がある。
【0012】
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、記録装置の内部を保護する開閉可能なカバーを備えており、安全性を確保しつつエラーが発生した場合のメンテナンスが迅速かつ容易に行える記録装置を提供する事を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1の記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーと、
前記記録装置の動作中に前記カバーを閉鎖状態で保持する閉鎖手段と、
前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御手段と、
前記移動制御手段による前記キャリッジの移動が終了した後に、前記閉鎖手段を解除する閉鎖解除手段とを備えている。
【0014】
すなわち、動作中には閉鎖状態となるカバーを、エラーまたはユーザからの指示によって開ける必要が生じたことを検出したときに、そのエラーまたはユーザからの指示の種類を判定し、判定結果に対応したリカバリ処理を行うのに適切な位置にキャリッジを移動させた後に、カバーの閉鎖状態を解除して開けられるようにする。
【0015】
これによれば、エラーまたはユーザからの指示によりカバーを開ける必要が生じた場合、ユーザがカバーを開けることが可能となる前に、キャリッジがリカバリ処理を行うのに適切な位置への移動を既に終了しているので、ユーザは安全な状態でエラーが発生した場合のメンテナンスを迅速かつ容易に行うことができる。
【0016】
また、上記目的を達成する本発明の第2の記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーと、
前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御手段とを備えており、
前記移動制御手段は、前記カバーが開けられるのに要する時間よりも短い時間で前記キャリッジを移動させる。
【0017】
すなわち、動作中には閉鎖状態となるカバーを、エラーまたはユーザからの指示によって開ける必要が生じたことを検出したときに、そのエラーまたはユーザからの指示の種類を判定し、カバーが開けられるのに要する時間よりも短い時間で、判定結果に対応したリカバリ処理を行うのに適切な位置にキャリッジを移動させる。
【0018】
これによれば、エラーまたはユーザからの指示によりカバーを開ける必要が生じた場合、ユーザがカバーを開けて実際のリカバリ処理を行うことが可能となる前に、キャリッジがリカバリ処理を行うのに適切な位置への移動を既に終了しているので、ユーザは安全な状態でエラーが発生した場合のメンテナンスを迅速かつ容易に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の記録装置について、インクジェット記録方式を用いた実施形態を例に挙げ詳細に説明する。
【0020】
本発明の記録装置の第1の実施形態は、プリンタカバーの開閉に関して、プリンタカバーの開閉を検出する開閉検出手段と、カバーを閉鎖した状態に保持するための閉鎖手段とを備えている。
【0021】
始めに、この第1の実施形態の記録装置の構成について、図1から図5および図10を参照して説明する。
【0022】
本実施形態の記録装置は大別すると、用紙などの記録媒体Sを記録装置内部へ自動的に給送する自動給送部1と、自動給送部から1枚ずつ送出される用紙Sを所望の記録位置に導き、用紙Sを排出部3に導く搬送部2と、搬送部2に搬送された用紙Sに所望の記録を行なう記録部4と、開閉可能に設けられ開けられたときに記録装置の内部を露出させるプリンタカバー505を備え、記録部4の上部に配置され不図示のホストコンピュータ等の電子機器から送信される記録情報や記録装置内部に設けられた各種のセンサ等の検出結果に基づいて記録装置を制御すると共に、記録装置の各種設定や指示等を入力可能な制御部5と、記録ヘッドによるインクの吐出を記録に適した状態に維持または回復するための吐出回復処理部602を備えると共に、吐出回復処理によって記録ヘッドから排出されるインクを受容する排インクタンク609などを備えた下部ケース部6とから構成されている。
【0023】
自動給送部1は、伸縮自在な2枚の受け板からなる用紙受け101と摺動軸102Aとに一端が支持され、他端が圧接バネ103のバネ力により給送ローラ104に向けて当接される圧板102等で構成され、不図示の歯車列や駆動切り替え手段を介して搬送ローラ201により連動される給送ローラ104の回動により、用紙受け101上にセットされている用紙束105から一枚ずつ記録媒体である用紙を搬送部2に向けて(矢印Aにて示した)給紙する。
【0024】
自動給送部1には、用紙Sの幅方向側端部をガイドするガイド部材106,107が幅方向に一対に設けられ、一方のガイド部材107は矢印Bで示した方向に不図示のスライド機構によって移動可能であり、他方のガイド部材106は記録装置に対する用紙Sの記録位置を決めると共に一対のガイド部材により用紙搬送の際の斜行を防止している。
【0025】
搬送部2には、自動給送部1の給送ローラ104により送出される用紙Sを記録ヘッド401のインク吐出のためのノズルに対向した位置に導くべく、搬送モータ207により不図示のギヤ列を介して駆動される搬送ローラ201、ピンチローラ202、搬送ローラ201に連動し排出ローラ203に駆動力を伝達する伝達ギヤ204、不図示のコイルバネを介して支持される拍車205及びプラテン部206等で構成されている。プラテン部206は、搬送ローラ201及びピンチローラ202によって搬送された用紙Sの先端部を、排紙ローラ203及び拍車205へ案内するようになっている。
【0026】
排出部3は、排出される用紙Sの長さに応じて伸縮可能な様に2枚のトレイ301,302で構成されている。303はトレイ301の先端に設けられたストッパであり、排出される用紙Sの落下等を防ぐように構成されている。
【0027】
記録部4は、図3に示したような記録情報に応じてインクを吐出するノズル部410を有し、後述の制御部5と電気的に接続するためのコンタクト部401aと、インクタンク405との接合部401bとを備えた記録ヘッド401(本実施形態の場合はカラー記録が可能な様にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのインクをそれぞれ吐出するノズル部410を有する。)と、記録ヘッド401と、記録ヘッド401の接合部401bを介して上記各色の記録材であるインクを記録ヘッド401へ供給するインクタンク405とを着脱自在に搭載すると共に、図4に示した矢印方向に開閉可能に設けられ、記録ヘッド401を固定的に装着するためのヘッドカバー412を備えたキャリッジ402と、キャリッジ402をタイミングベルト406により図2の紙面とは垂直な方向(図1における矢印B方向と同じ方向)に案内する案内軸403,404と、キャリッジ402の位置や走査速度を検出するため長尺状のフィルムに所定の間隔で光の透過部と遮蔽部とを交互に配列したパターンを備えたエンコーダスケール407と、キャリッジ402に設けられエンコーダスケール407のパターンを検出するセンサ部408、キャリッジ402を移動走査させるキャリッジモータ(本実施形態の場合DCモータを使用している。)409等から構成されている。
【0028】
ここでキャリッジ402の位置は、図10に示すように、キャリッジ402の走査軌道上に設けられキャリッジに備えられた透過型のフォトセンサ等で構成されるホームセンサによって検出される図中破線で示した検出部材411の位置を基準とし、キャリッジ402の走査にともなって前記エンコーダスケール407に形成されたパターンとエンコーダセンサ部408によって随時検出される構成となっている。
【0029】
制御部5は、記録装置を制御するCPU等の後述する制御手段を有すると共に記録に関する各種設定や指示を行なう事のできる操作部から構成され、インナカバー501により覆われると共にインナカバー501内にはコントロール基板502、操作スイッチ等を備えたパネル基板503が収容されインナカバー501の上面に露出させた操作パネル部504、及び不図示の軸を中心に図1に於ける矢印C方向に開閉可能に設けられたプリンタカバー505等を有している。
【0030】
ここでプリンタカバー505は、開けられた場合に記録装置の記録部4などの内部を露出する構成になっており、更には後述する下部ケース部6と係止される係止部505aが設けられている。
【0031】
下部ケース部6には、収納固定される電源部601、図5に示した吐出回復処理部602によって行われる、記録ヘッド401からのインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作により排出されるインクを収容する排インクタンク609が備えられている。
【0032】
吐出回復処理部602は、記録装置内部の側端部に記録ヘッド401と対向して設けられ、図5に示した様に記録ヘッド401のノズル部410と当接して覆うと共に離脱が可能に設けられキャップ603、キャップ603とチューブ604により接続され、記録ヘッド401からノズル部410を介してインクを吸引するポンプ605、ポンプ605を動作させるレバー606、ポンプ605によって吸引されたインクを排インクタンク609へ排出するための排出チューブ607、記録ヘッド401のノズル部410表面に付着したインクや紙粉などを除去するブレード608等により構成されている。
【0033】
本実施形態の場合には、この吐出回復処理部602による回復動作は、使用者による指示に基づいて行われるように構成されると共に、一定の時間間隔毎等の所定のタイミングで自動的にも回復動作が行われる構成となっている。また記録ヘッド401のノズル部410は、キャリッジ402が図10の破線で示した右側端部のホーム位置に移動したときに、吐出回復処理部602のキャップ603によってキャッピングされる。
【0034】
次に記録装置の制御構成について図6のブロック図を参照して説明する。
【0035】
506は記録装置全体の制御を行うCPUであり制御上の時間管理を行うタイマー507を備えている。508はCPU506の制御プログラム等を収めたROMであり、509はCPU506の制御実行時のワークエリヤや、エンコーダスケール407とセンサ部408によるキャリッジ402の位置や走査速度等の情報を蓄えるRAMである。510は記録装置の電源がOFFされても情報の保持が可能なEEPROMである。
【0036】
511は記録ヘッドを所望される記録情報等に応じてインクを吐出する吐出ヒータを駆動する吐出ヒータドライバであり、記録ヘッド401に設けられたコンタクト部401aを介して電気的に接続されている。512はキャリッジ402をタイミングベルト406を介して走査させるキャリッジモータ409を駆動するキャリッジモータドライバであり、513は搬送ローラ201や給送ローラ104を駆動させる搬送モータ207を駆動制御する搬送モータドライバである。
【0037】
給紙センサ514は自動給送部1から給送される用紙Sを検出するとともに、排紙センサ515とともに用紙Sの搬送部2内での有無を検出するためのセンサであり、本実施形態では給紙センサ514は自動供給部1の給送ローラ104の下流側で搬送ローラ201の上流側に設けられ、排紙センサ515は排紙ローラ203の下流側に設けられている。
【0038】
516はプリンタカバー505の開閉状態を検出する開閉検出手段としてのカバーセンサーであって、本実施形態の場合には透過型の光学式センサを用いている。517はプリンタカバー505の閉鎖手段を構成し、プリンタカバー505を下部ケース部6に対して係止させて閉鎖状態で保持するとするとともに、下部ケース部6との係止を解除しプリンタカバー505を開放状態に展開可能とするためのソレノイドである。
【0039】
また、518は記録装置とホストコンピュータ等の電子機器とを接続するインターフェイス部であり該インターフェイス部を介して記録装置はホストコンピュータ等と電気的に接続され情報の交換が可能に構成されている。
【0040】
次に、本実施形態のプリンタカバーの閉鎖手段の動作について、プリンタカバー505と下部ケース6を部分的に断面で示した図7及び図8を参照して説明する。
【0041】
閉鎖手段は、下部ケースの内面側に設けられたソレノイド517と、ソレノイド517への通電により下部ケースからプリンタカバー505に対して突出及び退避が可能に設けられた突片517aより構成されている。
【0042】
図7はソレノイドが通電されていない場合を示しており、プリンタカバー505の係止部505aの中に突片517aが突出した状態となり、この状態ではプリンタカバー505は下部ケース6に係止され開かない状態となっている。
【0043】
図8はソレノイド517が通電された場合を示しており、突片517aが吸引されて退避し、プリンタカバー505の係止状態が解除されて開けることができる状態となる。
【0044】
以下、本実施形態の記録装置において、記録装置に係るエラーが検出された場合のキャリッジ402とカバーの閉鎖手段であるソレノイド517の動作について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0045】
なお、ここでは記録装置に係るエラー状態として、用紙等の記録媒体の搬送不良、記録ヘッド401又はインクタンク405の交換の要請、記録ヘッド401によるインクの吐出不良時の吐出回復処理動作の指示を例にあげて説明する。
【0046】
ここで用紙等の搬送不良とは、給紙センサ514及び排紙センサ515に基づいて検出される状態であって、例えば、自動給送部1の給送ローラ104の給送量が給送ローラ104より搬送部2の搬送ローラ201までに相当する量を超えた状態であるにもかかわらず、給紙センサ514によって給送されるべき用紙が検出されない場合や、記録終了後に搬送ローラ201によって記録装置の外へ排出されるべき量に相当する量を超えて搬送ローラ201を駆動させたにもかかわらず、排紙センサ515によって用紙が検出されない場合等である。
【0047】
記録ヘッド401やインクタンク405の交換要請とは、記録装置の使用者が記録ヘッドに不具合等があると判断して新品の記録ヘッドに交換する場合や、インクタンクに収容されるインクがなくなった場合等に記録装置の使用者が記録ヘッド401やインクタンク405の交換を指示した場合等に発生する。
【0048】
また記録ヘッド401の吐出回復動作の指示は、記録ヘッドによるインクの吐出状態に不具合等が発生し記録結果がかすれる等の状態となり、使用者が操作パネル504や記録装置に接続されるコンピュータ等の電子機器などから吐出回復動作を指示した場合や、記録装置が自動的に行なうべき所定のタイミングとなった場合に発生する。
【0049】
ここで記録ヘッド又はインクタンクの交換や記録ヘッドの回復動作は、記録装置内に用紙がない場合に実施されるようになっている。
【0050】
始めにこれらのエラー状態が制御部5のCPU506によって検出されると、エラー状態の種類の判定すなわち、検出されたエラー状態が用紙の搬送不良なのか(ステップS10)記録ヘッド又はインクタンクの交換なのか(ステップS20)回復動作の指示なのか(ステップS30)が判定される。
【0051】
ステップS10でエラー状態が用紙の搬送不良であると判定された場合には、まずキャリジ402を図10の破線で示した右側端部(ホーム位置)に退避する(ステップS11)。この時キャリッジ402は、記録動作の場合の走査速度より低速で駆動され本実施形態の場合200mm/s以下の走査速度で駆動されている。またキャリッジ402が右側端に位置したときには記録装置内部が露出された状態であるが、キャリッジ402は下部ケース6に覆われた状態となる。
【0052】
次にCPU506は用紙の搬送不良の対処を可能にするため、図8に示したようにカバー閉鎖手段であるソレノイド517を通電状態にして、ソレノイドの突片517aをプリンタカバー505の係止部505aより退避する(S12)。この動作によりプリンタカバー505の係止状態が解除され、記録装置内部の露出が可能になり、例えば記録装置内でつまった用紙が取り除かれる等の搬送不良の対処が行われるまで待機する(ステップS13)。
【0053】
次にプリンタカバー505が閉められた事が確認されると(ステップS14)、プリンタカバー505を下部ケース6に再び係止するため、図7に示したようにソレノイド517への通電をoffし、突片517aをプリンタカバー505の係止部505a中に突出させる(S15)。その後自動給送部1の給送ローラ104を駆動させ記録動作のリカバリーを実施し(S16)、用紙の搬送不良が検出された場合の処理を終了する。
【0054】
ステップS20でエラー状態が記録ヘッド又はインクタンクの交換が要請されたと判定された場合には、始めに記録ヘッド402やインクタンク504を交換可能な交換位置まで移動する(ステップS21)。ここで交換位置とは、図10に実線で示したように、プリンタカバー505が開けられて記録装置内部が露出された場合に、記録ヘッド402やインクタンク405の交換が可能な下部ケース6と操作パネル504とに覆われない位置である。
【0055】
キャリッジ402の交換位置への移動の後、CPU506は図8に示したように、ソレノイド517を通電状態にしてソレノイドの突片517aを退避させ、プリンタカバー505の係止状態を解除する(ステップS22)。
【0056】
そして記録ヘッド401又はインクタンク405の交換が終了したのを確認し(ステップS23)、交換作業のため開けられたプリンタカバー505が閉められた事を確認する(ステップS24)。
【0057】
プリンタカバー505が閉められた事を確認した後、図7に示したようにソレノイド517への通電をoffして、プリンタカバー505を再び下部ケース6に対して係止状態にする(ステップS25)。次にキャリッジ402へホーム位置へ移動させ(ステップS26)、吐出回復処理部602により記録ヘッド401からインクを吸引するなどの吐出回復動作を行い(ステップS27)、交換後のインクの吐出状態を正常にして処理を終了する。
【0058】
ステップS30でエラー状態が吐出回復動作の指示であると判定された場合には、始めにキャリッジ402の現在の位置がホーム位置であるかどうか判定し(ステップS31)、ホーム位置でない場合にはホーム位置に移動させる(ステップS32)。その後吐出回復処理部602により記録ヘッド402の吐出回復処理を実施し(ステップS33)、キャリッジ402を再度ホーム位置へ戻し(ステップS34)、この場合の処理を終了する。
【0059】
なお、検出されたエラー状態が回復動作の指示である場合、通常キャリッジがホーム位置に移動した後に回復動作が実行されるので、ステップS34ではキャリッジのホーム位置への移動は実際には行なわれない。
【0060】
本実施形態の記録装置においては、エラー状態の種類は上述した状態に限定されるものではなく、これ以外のエラー状態に対しても上記で説明したような処理を好適に適用できる。その場合、検出されたエラー状態に応じてキャリッジの移動が必要な場合にはキャリッジの移動が終了した後にプリンタカバーを開ける事が可能なようにすればよい。
【0061】
更に、上記のエラーに対する処理は、インクジェット方式の記録装置に限定されるものではなく、熱転写方式等の記録装置にも適用できる。
【0062】
本実施形態では、プリンタカバーの開閉状態を検出する検出手段とプリンタカバーを開閉可能にする閉鎖手段とを設けた構成とし、開閉検出手段の検出結果を監視しながら前記閉鎖手段の動作を制御したが、開閉検出手段を設けない構成として開閉検出手段に関する処理を省いてもよい。このように構成した場合には装置がより安価となる。
【0063】
また、エラー状態が検出された場合の処理として、操作パネル504に設けたLED等で通知したり、記録装置と電気的に接続されたコンピュータ等の電子機器を介して通知する処理を加えてもよい。
【0064】
更に、インクタンクの交換要請に関して、本実施形態では使用者が収容されているインクの量を判断して交換の指示を行なう構成としたが、インクの残量を検出するインク残量検出手段を設け、その検出結果に基づいてインクタンクの交換を指示、要請するように構成してもよい。
【0065】
以上説明した本発明の記録装置の第1の実施形態によれば、以下のような効果がある。
【0066】
検出されるエラー状態に応じてキャリッジの位置とプリンタカバーの閉鎖手段を制御するようにしたので、エラー状態となった場合に、プリンタカバーを開けた後にキャリッジを移動させる必要がなくなり、使用者の操作を簡単にして素早く対処することが可能になる。
【0067】
具体的には、記録ヘッドやインクタンクの交換を行なう場合には、プリンタカバーが開けられる前にキャリッジは所定の交換位置へ移動しているため、容易かつ迅速に交換作業ができる。
【0068】
また、用紙の搬送不良が検出された場合には、キャリッジのホーム位置への走査速度を通常の移動速度より遅く設定したので、用紙が詰まるなどしてキャリッジと交錯した場合においてもキャリッジの損傷を少なくすることができる。
【0069】
エラーに対処するためにキャリッジの移動が必要な場合、プリンタカバーが開けられる前にキャリッジの移動が完了しているため、機器の取り扱いに慣れていない使用者に対しても安全性が確保できる。
【0070】
記録動作中や待機中には記録装置のプリンタカバーを下部ケースに対して係止させた状態に保持するので、記録装置の内部への誤操作が防止でき、幼児などがいる家庭においても安全に使用できる。
【0071】
以下、本発明の記録装置の第2の実施形態について説明する。
【0072】
上記第1の実施形態では、開けたときに記録装置の内部を露出可能なプリンタカバーの開閉状態を検出する手段と、プリンタカバーを開閉するための閉鎖手段とを設け、検出されたエラー状態によって記録装置のキャリッジとカバーの閉鎖手段とを制御するよう構成したが、本実施形態では、プリンタカバーの開閉検出手段を設けず、閉鎖手段としてはダンパー機能を有するダンパギヤを設けた。他の構成については第1の実施形態と同様である。
【0073】
図11は、本実施形態の記録装置の外観を示す概略図である。プリンタカバー505は本実施形態では、図中実線で示したように手前側へ開くように構成され、この状態で記録装置内部が露出されるとともに、先の実施形態で説明したような用紙の搬送不良等による記録装置内部でつまった用紙の除去操作や、記録ヘッド401またはインクタンク405を交換する交換操作が行なえるように構成されている。
【0074】
図12は、プリンタカバー505の動作を説明する部分透視図である。本実施形態のプリンタカバー505には、プリンタカバー505の回動の際の中心となる回転軸505b、下部ケース6に固定的に設けられておりダンパー機能を有するダンパギヤ505d、およびダンパギヤ505dと噛み合う円弧状のラックギヤ505cが設けられている。
【0075】
ダンパギヤ505dは、オイルダンパ等を有し噛み合う相手材の重量等に応じて粘性的に回転するギヤであり、例えば図12に破線で示す様にプリンタカバーが開けられた場合に、ダンパギヤを用いない場合に比較して遅い速度で開く様に構成されている。
【0076】
本実施形態では、プリンタカバー505が図12の実線で示した閉じられている状態から破線で示した開いた状態、すなわち記録装置内部で詰った紙を除去する操作や記録ヘッド401またはインクタンク405の交換操作が行なえるように、記録装置の内部を露出させる状態に移行するまで約2秒の時間を要する構成となっている。
【0077】
次に、本実施形態の記録装置においてエラー状態が検出された場合の動作について図13のフローチャートを参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態と比べて、プリンタカバーの閉鎖手段であるソレノイドや開閉状態を検出する開閉検出手段がないので、これらに係る動作がない点で異なっている。
【0078】
始めに記録装置に係るエラー状態が検出されると第1の実施形態の場合と同様に、エラー状態の種類を、用紙の搬送不良、記録ヘッドまたはインクタンクの交換要請、および回復動作の指示の3種類に分けて、ステップS40、ステップS50、およびステップS60で判定する。
【0079】
ステップS40でエラー状態が給紙センサ514や排紙センサ515に基づいて検出された用紙などの搬送不良であると判定された場合、始めに記録装置に接続されているコンピュータ等の電子機器や操作パネル504に設けられた不図示のLEDなどによりエラーを通知する(ステップS41)。次にキャリッジを第1の実施形態と同様に通常の走査速度よりも遅い速度で、図10に示したホーム位置へ移動させ退避させる(ステップS42)。
【0080】
その後、搬送不良の原因となった用紙が除去されたかどうかを、給紙センサ514と排紙センサ515とに基づいて検出し(ステップS43)、用紙が除去された事を確認した後、再び記録装置の自動給送部1より用紙の給送を行なう等のリカバリー処理を実施する(ステップS44)。
【0081】
ここで、本実施形態の場合エラーを通知してからキャリッジのホーム位置までの移動が完了するまでに要する時間は約1秒であり、プリンタカバー505を開けて記録装置内部を露出させるのに通常要する時間よりも短い時間でキャリッジの移動が完了する。従って、第1の実施形態と同様に、使用者がプリンタカバーを開けたときには、キャリッジは邪魔にならない位置に待避しているので、安全かつ迅速に用紙の除去を行うことができる。
【0082】
ステップS50でエラー状態が記録ヘッド401やインクタンク405等の交換要請であると判定された場合、例えば「インクタンクを交換して下さい」等のエラーの通知を記録装置に接続されているコンピュータ等の電子機器や操作パネル504に設けられた不図示のLEDなどにより行ない(ステップS51)、キャリッジを図10に示したような交換位置へ移動させる(ステップS52)。
【0083】
この場合のキャリッジ402の移動速度も例えば200mm/s以下の通常の走査速度より遅い速度である。その後、記録ヘッドやインクタンクの交換が完了するまで待機し(ステップS53)、交換の完了が確認されたらキャリッジを再び遅い速度でホーム位置へ移動させ(ステップS54)、記録ヘッドやインクタンクの交換後の回復動作を吐出回復処理部602により行なう(ステップS54)。
【0084】
この場合も、記録ヘッドやインクタンクの交換が必要であると通知されてからキャリッジが交換位置へ移動するまでに要する時間は約1秒であり、プリンタカバー505を開けて記録装置内部を露出するのに要する時間よりも短い時間でキャリッジの移動が完了する。
【0085】
ステップS60でエラー状態が記録ヘッド401の回復動作の指示であると判定された場合、上記ステップS41およびS51と同様に、記録装置に接続されているコンピュータ等の電子機器や操作パネル504に設けられた不図示のLEDなどにより「回復動作を実施します。」等のエラー通知を行ない(ステップS61)、回復動作を行う位置であるホーム位置にキャリッジがあるかどうか確認する(ステップS62)。
【0086】
ここでキャリッジ402の現在位置がホーム位置でない場合には、上記ステップS42およびS52と同様に200mm/s以下の速度でホーム位置まで移動させ(ステップS63)、回復動作を実行する(ステップS64)。その後、再びキャリッジをホーム位置まで移動させ(ステップS65)、処理を終了する。
【0087】
なお、検出されたエラー状態が回復動作の指示である場合、通常キャリッジがホーム位置に移動した後に回復動作が実行されるので、ステップS65ではキャリッジのホーム位置への移動は実際には行なわれない。
【0088】
この場合も、先の場合と同様に、エラー状態が通知されてから回復動作が開始されるまでに要する時間が約1秒となるように構成されている。
【0089】
本実施形態に、上記の構成に加えてプリンタカバーの開閉状態を検出する開閉検出手段を設けることもでき、その場合には記録装置の記録動作中や待機中にプリンタカバーが開けられたことを検出した際には、エラー状態として処理するようにしてもよい。このようにすると、例えば、記録中にプリンタカバーが開けられた場合には記録動作を一旦中断して、キャリッジを遅い速度で移動させてホーム位置まで退避させ、その後プリンタカバーが閉じられるまで待機し、閉じられた事が確認された後に記録動作を再開する様に構成する事も考えられる。
【0090】
以上説明した本発明の記録装置の第2の実施形態によれば、以下のような効果がある。
【0091】
検出されるエラー状態に応じてキャリッジの位置をその後の作業が行われる位置に移動させるようにしたので、エラー状態となった場合に、プリンタカバーを開けた後にキャリッジを移動させる必要がなくなり、使用者の操作を簡単にして素早く対処することが可能になる。
【0092】
具体的には、記録ヘッドやインクタンクの交換を行なう場合には、プリンタカバーを開けている間にキャリッジは所定の交換位置へ移動しているため、容易かつ迅速に交換作業ができる。
【0093】
また、用紙の搬送不良が検出された場合には、キャリッジのホーム位置への走査速度を通常の移動速度より遅く設定したので、用紙が詰まるなどしてキャリッジと交錯した場合においてもキャリッジの損傷を少なくすることができる。
【0094】
エラーに対処するためにキャリッジの移動が必要な場合、プリンタカバーを開けている間にキャリッジの移動が完了しているため、機器の取り扱いに慣れていない使用者に対しても安全性が確保できる。
【0095】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0096】
また、上述の実施形態においては、インクタンクは記録ヘッドと着脱可能な構成としたが、これらは一体的に形成されて同時に交換可能なインクカートリッジを構成しても良い。
【0097】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0098】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急激な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0099】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0100】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0101】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0102】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0103】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0104】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0105】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0106】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0107】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0108】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0109】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0110】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0111】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0113】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図9あるいは図13に示した)フローチャートに対応するプログラムコードを格納することになる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の記録装置によれば、記録装置のカバーを開けてリカバリ処理を行う必要が生じたときに、カバーの閉鎖手段またはカバーの開放動作とリカバリ処理を行うのに適した位置へのキャリッジの移動とを関連させて制御することにより、ユーザは安全な状態でエラーが発生した場合のメンテナンスを迅速かつ容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の第1の実施形態の外観を示す概略斜視図である。
【図2】図1の記録装置の断面を示す概略断面図である。
【図3】図1の記録装置の記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図4】図1の記録装置のキャリッジの構成を示す斜視図である。
【図5】図1の記録装置の吐出回復処理部の構成を示す斜視図である。
【図6】図1の記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図7】図1の記録装置のプリンタカバーの動作を説明する第1の部分断面図である。
【図8】図1の記録装置のプリンタカバーの動作を説明する第2の部分断面図である。
【図9】図1の記録装置のエラー検出時の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図1の記録装置のキャリッジの位置を説明する部分透視図である。
【図11】本発明の記録装置の第2の実施形態の外観を示す概略斜視図である。
【図12】図11の記録装置のプリンタカバーの動作を説明する部分透視図である。
【図13】図11の記録装置のエラー検出時の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動給送部
2 搬送部
3 排出部
4 記録部
5 制御部
6 下部ケース部
101 用紙受け
102 圧板
103 バネ
104 分離ローラ
105 用紙束
106,107 ガイド部材
201 搬送ローラ
202 ピンチローラ
203 排出ローラ
204 伝達ローラ
205 拍車
206 プラテン部
207 搬送モータ
301,302 トレイ
303 ストッパ
401 記録ヘッド
402 キャリッジ
403,404 案内軸
405 インクタンク
406 タイミングベルト
407 エンコーダ
408 エンコーダセンサ
409 キャリッジモータ
410 ノズル
411 ホーム位置検出部材
501 インナーカバー
502 コントロール基板
503 パネル基板
504 操作パネル部
505 上ケース
506 MPU
507 タイマ
508 ROM
509 RAM
510 EEPROM
511 吐出ヒータドライバ
512 キャリッジモータドライバ
513 搬送モータドライバ
514 給紙センサ
515 排紙センサ
516 インターフェース部
517 ソレノイド
601 電源部
602 吐出回復処理部
603 キャップ
604 チューブ
605 ポンプ
606 レバー
607 排インクチューブ
608 ワイパー
609 排インクタンク

Claims (17)

  1. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
    開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーと、
    前記記録装置の動作中に前記カバーを閉鎖状態で保持する閉鎖手段と、
    前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御手段と、
    前記移動制御手段による前記キャリッジの移動が終了した後に、前記閉鎖手段を解除する閉鎖解除手段とを備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
    開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーと、
    前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御手段とを備えており、
    前記移動制御手段は、前記カバーが開けられるのに要する時間よりも短い時間で前記キャリッジを移動させることを特徴とする記録装置。
  3. 前記検出手段は、少なくとも前記記録媒体の搬送に関するエラーおよび前記記録ヘッドの交換に関するユーザからの指示を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記移動制御手段は、前記種類が前記記録媒体の搬送に関するエラーであると判定されたときに前記キャリッジをホーム位置へ移動させ、前記種類が前記記録ヘッドの交換に関するユーザからの指示であると判定されたときに前記キャリッジを前記記録ヘッドの交換が可能な位置へ移動させることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記カバーは、開けられる速度を減衰させるダンパ手段を有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記移動制御手段は、記録を行うときの走査速度よりも遅い速度で前記キャリッジを移動させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記カバーの開閉状態を検出する開閉検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記判定手段により判定された前記種類を通知する通知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行い、開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーを備えた記録装置のカバー開閉制御方法であって、
    前記記録装置の動作中に前記カバーを閉鎖状態で保持する閉鎖工程と、
    前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定工程と、
    前記判定工程で判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御工程と、
    前記移動制御工程における前記キャリッジの移動が終了した後に、前記カバーの閉鎖状態を解除する閉鎖解除工程とを備えたことを特徴とする記録装置のカバー開閉制御方法。
  12. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行い、開閉可能に設けられており、開けられたときに前記キャリッジの移動範囲が少なくとも部分的に露出されるカバーを備えた記録装置のカバー開閉制御方法であって、
    前記記録装置で発生したエラーまたはユーザからの指示により、前記カバーを開ける必要が生じたことを検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された前記エラーまたはユーザからの指示の種類を判定する判定工程と、
    前記判定工程で判定された前記種類に対応した位置に前記キャリッジを移動させる移動制御工程とを備えており、
    前記移動制御工程において、前記カバーが開けられるのに要する時間よりも短い時間で前記キャリッジを移動させることを特徴とする記録装置のカバー開閉制御方法。
  13. 前記検出工程は、少なくとも前記記録媒体の搬送に関するエラーおよび前記記録ヘッドの交換に関するユーザからの指示を検出することを特徴とする請求項11または12に記載の記録装置のカバー開閉制御方法。
  14. 前記移動制御工程は、前記種類が前記記録媒体の搬送に関するエラーであると判定されたときに前記キャリッジをホーム位置へ移動させ、前記種類が前記記録ヘッドの交換に関するユーザからの指示であると判定されたときに前記キャリッジを前記記録ヘッドの交換が可能な位置へ移動させることを特徴とする請求項13に記載の記録装置のカバー開閉制御方法。
  15. 前記移動制御工程において、記録を行うときの走査速度よりも遅い速度で前記キャリッジを移動させることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の記録装置のカバー開閉制御方法。
  16. 前記カバーの開閉状態を検出する開閉検出工程を更に備えることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の記録装置のカバー開閉制御方法。
  17. 前記判定工程で判定された前記種類をユーザに通知する通知工程を更に備えることを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の記録装置のカバー開閉制御方法。
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