JP2004008976A - 容器清浄装置、及び、容器清浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転盤16と、回転盤16に支持され同体に回転する保持器55と、保持器55に倒立状態で保持される容器46の内部に空気を吐出する吐出器31と、容器46の内部に吐出される空気を容器46の外部に吸引する吸引器38と、回転盤16の回転軸心線の方向に吐出器31と保持器55とを相対的に昇降させる昇降器28とから構成されている。倒立状態の容器の内面に付着している付着物質は、吐出空気の流れに取り込まれ、吐出された空気の全部はブロアーにより吸引され、付着物質の再付着が抑止される。倒立する容器の中で希薄化された空気に対して付着物質は浮力を持たず重力的に速やかに落下して希薄空気とともに吸引されて容器の外側に排出される。吐出空気の吐出点が降下し又は上昇し、容器の内面に向かう空気流の角度は連続的に変化して、内面付着粒子をその内面から剥がす効果が顕著である。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器清浄装置、及び、容器清浄方法に関し、特に、回転盤に転置されて周回する皮膜形成後のPETボトルの内面に付着する炭素粉を除去する容器清浄装置、及び、容器清浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PETボトルは、多様な液体を封入する容器として、日常生活で欠かすことができない容器である。PETボトルのPETは、空気遮断性が乏しい。酸化を防止するために、PETボトルの内周面には、空気遮断性皮膜が形成される。皮膜を形成するための成膜装置(例示:DLC(diamond−like coating)装置)には、真空チャンバーが用いられている。成膜原料のガス分子は、その真空チャンバーの中で、高周波電源又はイオン化電源に接続された電極によりイオン化され又はプラズマ化され、ペットボトルの内周面に蒸着され、皮膜に形成される。
【0003】
使い捨てにされ又は再利用されるPETボトルの大量生産のために、多数のチャンバーが用いられる。成膜装置として、同一円周上で回転する多数のチャンバーを有し、一周する間に真空度が段階的に高められて最高真空度段階で成膜が実行される装置(未公開)の開発が進められている。多数のPETボトルに対して段階的に真空度を高めるために、複数の真空装置が用いられる。1つのPETボトルの内部は、複数の真空装置の吸引側に選択的に切り替えられて真空引きされる。このような真空引きのために、ロタリー式真空分配器(未公開)が開発されつつある。このような開発中の真空分配器では、同一円周上で真空度が互いに異なる複数の領域が出現する。高真空度側の真空度が低真空度側の真空度に影響される恐れがある。このような真空引きは、PETボトルの内面成膜に限られず、多様な基板に多様な原子成分層を形成する成膜装置にも適用され得る。
【0004】
一連の処理工程を含むプロセスには、洗浄工程又は清掃工程が組み込まれている。成膜工程に次ぐ清掃工程では、容器の内面に付着している炭素粉のような除去対象物質が除去される。洗浄のために洗浄水が用いられる容器洗浄ノズルは、特開平9−276747号で知られている。そのような洗浄水に代えられて、噴流空気が用いられる開発中の清浄装置では、噴流空気により除去対象物質をより確実に除去するために、容器の内部に対してノズルが昇降し、そのノズルから空気が容器の内部に吹き込まれる。
【0005】
このような清浄化装置では、噴流空気により容器の内面に付着している除去対象物質が効果的に剥がされるが、克服されることが望まれる問題点が残存している。噴流生成サイクルの時間帯には、噴流がダイナミックに変化する動的期間と、空気が静流化して滞留する静的期間とがある。動的期間で剥がされた除去対象物質は、特に、前工程の成膜工程でプラズマ化される際に帯電化した除去対象物質は、静的期間で再び容器内面に付着する再付着化現象が見られる。
【0006】
再付着化現象が生じずにより確実に除去対象物質を容器の内面から除去することができる技術の確立が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、再付着化現象が生じず、より確実に除去対象物質を容器の内面から除去する技術を確立することができる容器清浄装置、及び、容器清浄方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】
本発明による容器清浄装置は、回転盤(16)と、回転盤(16)に支持されて回転盤(16)と同体に回転する保持器(55)と、保持器(55)に倒立状態で保持される容器(46)の内部に空気を吐出する吐出器(31)と、容器(46)の内部に吐出される空気を容器(46)の外部に吸引する吸引器(38)と、回転盤(16)の回転軸心線の方向に吐出器(31)と保持器(55)とを相対的に昇降させる昇降器(28)とから構成されている。
【0010】
倒立状態の容器の内面に付着している付着物質は、吐出空気の流れに取り込まれ、吐出された空気の全部はブロアーで積極的に吸引され、付着物質の再付着が抑止される。倒立する容器の中で重力方向に吸引する空気に対して付着物質は浮力を持たず速やかに落下して空気とともに吸引されて容器の外側に排出される。吐出空気の吐出点が降下し又は上昇し、容器の内面に向かう空気流の角度は連続的に変化して、内面付着粒子をその内面から剥がす効果が顕著である。
【0011】
容器はそれの内面が炭素コーティングされている。容器内面に付着する炭素粉は、空気とともに吸引される。吐出が終了した直後では吸引が続行されていて、容器の内部は積極的に吸引される。吐出弁が閉じられた後に吸引弁を閉じる時間的制御が積極的に明確に行われることは重要である。
【0012】
昇降器は、回転盤に支持される昇降案内レール(27)と、昇降案内レール(27)に昇降自在に支持される昇降台(28)とから形成されている。保持器(55)は、昇降台(28)に支持されている。昇降案内レールの案内面は、カム面として形成され得る。
【0013】
吐出器は、昇降本体(31)と、昇降本体(31)に結合し容器(46)の下方側に開く口を封じる密封栓(33)とから形成されている。昇降本体(31)の上方部位はノズルを形成し、空気を容器(46)の外部に吸引する吸引口(38)が密封栓(33)に形成されている。密封状態で吐出と吸引とが行われ、空気置換効率が高い。
【0014】
昇降本体(31)は筒状に形成され、その上方部位は複数の空気吐出口を有して、ノズルを形成している。空気吐出口は、昇降本体の軸心線(L)の方向に向く第1噴出口(53)と、軸心線(L)に対して斜めに向く複数の第2噴出口(52)と、軸心線(L)に対して直交する方向に向く複数の第3噴出口(51)とから形成されている。複数の第2噴出口(52)は軸心線(L)のまわりで同一円周上に配置され、複数の第3噴出口(51)は軸心線(L)のまわりで同一円周上に配置されている。軸心線(L)は第1噴出口(53)を通っている。第1噴出口(53)は、昇降本体の頂面で開口していることが好ましい。このような噴出口群は、空気を放射状に噴射する。空気は、容器の内面の全体に可変角度で照射され、粉塵剥がし効果が更に顕著である。
【0015】
従って、ノズルの下降特に昇降と空気噴出は同時的であることが重要である。
【0016】
保持器は電極であることが除電のために好ましい。
【0017】
本発明による容器清浄方法は、既述の容器清浄装置を用いて容器の内面を浄化する容器浄化方法であり、吐出器(31)の吐出口(51、52、又は、53)を容器の口に挿入する挿入ステップと、吐出口(51、52、又は、53)を容器の口に挿入した後に容器の中で上昇させる上昇ステップと、吐出口(51、52、又は、53)を容器の中で降下させる降下ステップと、容器の中に噴出される空気を容器の外側に吸引する吸引ステップとから構成されている。降下ステップは、吐出口(51、52、又は、53)から容器の中に空気を噴出するステップを備えている。
【0018】
降下中の空気噴射の効果は既述の通りである。上昇ステップにより容器の口をシールする(密封する)ことの重要性は、既述の通りである。上昇ステップが吐出口から容器の中に空気を噴出するステップを有することは重要である。上昇ステップの回数と降下ステップの回数はともに複数であることは、除去率の上昇のために有効である。空気を噴出するステップが容器の軸心線に対して斜めに空気を噴出するステップを有することは、更に重要である。空気を噴出するステップが容器の軸心線に対して直交する方向に空気を噴出するステップを有することは更に効果的である。
【0019】
容器はそれの内面に炭素がコーティングされた後の容器であることが、本発明による容器清浄方法の実施の形態として特に重要である。空気吸引が空気噴出の後まで続行されることは、顕著に重要である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による容器清浄装置の実施の形態は、成膜装置と清浄化装置とが一連の搬送系とともに配置されて設けられている。その成膜装置1とその清浄化装置2とは、一連の搬送系3の一部を構成している。搬送系3は、供給側コンベア4と、排出側コンベア5と、成膜装置1と清浄化装置2との間に介設される転送回転スター盤6とから構成されている。成膜装置1と清浄化装置2と転送回転スター盤6と搬送系3の一部分は、透明室7の中に収容され、透明室7の床に支持されている。
【0021】
供給側コンベア4の上には、成形された多数の容器(例示:PETボトル)の連続流が形成されている。その連続流は、一定間隔に規定されて同時的に移送される多数の容器により形成されている。成膜装置1は、図2に示されるように、回転円盤8を構成している。回転円盤8は、それの外周領域に等角度間隔で配列される多数のチャンバー9と、多数のチャンバー9の内部を異なる真空度で段階的に真空化する真空分配器(図示されず)とを含んでいる。
【0022】
その真空分配器は、互いに真空引き能力が異なる複数の真空装置11に接続されている。1つのチャンバーは、回転円盤8と同体に概ね一周する間に段階的にその真空度を高められる。最高真空度に維持される時間的区間(回転角度区間)で、そのチャンバーの中に導入される材料ガスは、プラズマ化され又はイオン化されて、そのチャンバー9の中に閉じ込められている容器の内面に膜(例示:酸素非透過膜)として蒸着される。
【0023】
このように成膜処理を受けた容器は、回転円盤8から転送回転スター盤6に移載され、転送回転スター盤6から更に清浄化装置2に転送される。転送回転スター盤6は、図3に示されるように、導入側転送スター盤12と導出側転送スター盤13とから構成されている。容器は、導入側転送スター盤12の上で半周して回転円盤8に移載され、回転円盤8の上で概ね一周して導出側転送スター盤13に移載される。容器は、このような周回の途中で、複数回の清浄化処理が行われる。
【0024】
図4は、本発明による容器清浄装置の実施の形態の詳細を示している。浄化装置2は、回転基盤15と動作回転盤16とを構成している。回転基盤15は、透明室7の床14に軸受(図示されず)を介して回転自在に支持されている。サーボモータ17は、床14に支持されて配置されている。回転基盤15は、減速機18を介してサーボモータ17の出力軸に結合している。動作回転盤16は、回転基盤15に同軸に結合している。
【0025】
導入側転送スター盤12の外周部分として形成される一方側容器保持部位18に保持されている容器は、動作回転盤16の外周部位に形成されている他方側容器保持部位19に自然に渡される。一方側容器保持部位18にはサイクロイド面(疑似歯車面)が形成されている。一方側容器保持部位18のピッチ円と、他方側容器保持部位19のピッチ円とはオフセットに形成され、一方側容器保持部位18の容器は他方側保持部位19に自動的に円滑に移し換えられる。
【0026】
床14の上面側に、固定円盤21が固定され床14に支持されている。固定円盤21には、軸受22が固定されている。回転基盤15の回転軸筒23は、軸受22に回転自在に軸受けされている。動作回転盤16の外周部位に、上下反転倒立器24が支持されて配置されている。多数の上下反転倒立器24は、動作回転盤16の外周領域で等角度間隔で同一円周上に配列されている。1つの上下反転倒立器24は、図5に示されるように、鉛直面上の1円周上で概ね半周しながら動作回転盤16の回転軸心線上の1点を中心とし1水平面上にある円に接する接線を回転軸心線として自転する1つの反転把持器25を有している。容器は、約半周の公転と180度の自転により、動作回転盤16の上で半径方向内側に一定距離を進む間に、その上下(天地)が反転する。
【0027】
動作回転盤16と同体に、ノズル昇降機構26が配置されている。1つのノズル昇降機構26は、1つの反転把持器25に位置対応して配置されている。ノズル昇降機構26は、図6(図5の背面図)に示されるように、昇降案内レール27を形成している。昇降台28は、リニアベアリングを介して昇降案内レール27に対して昇降自在に、且つ、速度制御自在に支持されている。昇降台28に、空気給排管29が固定されて支持されている。
【0028】
図6は、完全に倒立した容器を示している。その容器を把持する反転把持器は、その1点が図に示される半円軌道上で自転しながら往復円運動する。このように倒立した容器の中に空気を吹き込むノズル31が、空気給排管29の中に配置されている。空気給排管29は、外筒32とノズル31とから構成されている。ノズル31の高さ方向の中間部位には、密閉栓33が同軸的に固着されている。密閉栓33は、容器の口を閉じることができる。昇降台28の最上昇位置で、密閉栓33は容器の口を塞ぐことができる。昇降台28の最降下位置で、ノズル31の頂点は容器の口の開口面より十分に下方に降下することができる。ノズル昇降機構は、カム機構に代替され得る。
【0029】
図7は、空気給排機構34を示している。空気給排機構34は、空気供給制御電磁弁35と、空気排出制御電磁弁36とから構成されている。空気供給制御電磁弁35の空気供給口は、図6に示されるように、ノズル31の下方部位に配置されている空気導入口37に接続されている。外筒32の内部は、図7に示されるように、空気吸込み口38を介して空気排出制御電磁弁36に接続されている。多数の空気給排管29は、それぞれに対応する空気給排機構34を介して、図4に示されるように、共通空気供給管39と共通空気吸引管41に接続されている。
【0030】
空気供給制御電磁弁35と共通空気供給管39の間は、動作回転盤16に同体に回転する共通の中心軸管42(図4参照)と中心軸管42から放射方向に多数に分岐する分岐管43(図6参照)を介して接続されている。空気排出制御電磁弁36と共通空気吸引管41の間は、動作回転盤16に同体に回転する共通の中心軸管44(図4参照)と軸管44から放射方向に多数に分岐する分岐管45(図6参照)を介して接続されている。
【0031】
図9は、倒立状態のPETボトル46とノズル31との位置取り関係を示している。ノズル31は、PETボトル46の軸心線Lに対して対称に位置づけられている。ノズル31の上端部位は、図9に示されるように、軸心線Lを中心線とする円筒面47と、軸心線Lに対して傾斜する円錐面48と、軸心線Lに直交する平面49とを有している。
【0032】
ノズル31には、軸心線Lに対して直交し噴出方向が放射状に向く複数の放射方向噴出口51と、軸心線Lに対して射交し噴出方向が斜めに向く複数の斜め方向噴出口52と、噴出方向が中心軸心線方向に向く単一の軸心線方向噴出口53とが形成されている。放射方向噴出口51の開口面は円筒面47に一致し、斜め方向噴出口52の開口面は円錐面48に一致し、軸心線方向噴出口53の開口面は平面49に一致している。
【0033】
図10は、2体1対の容器に対して清浄化処理を行う場合の昇降制御を示す展開図である。横軸は動作回転盤16の回転角度を示している。動作回転盤16は、等回転角速度で回転していて、横軸は回転的前進距離に一致している。2つの容器に対して同時的に、空気の給排が行われる。昇降台28は、第1回転位置Iにある容器に対して最高位置にある。この位置では、空気供給制御電磁弁35は既に開いている。この位置のノズル31から噴射される空気は、図8に示されるように、PETボトル46の底部(上方部位)の円筒内周面62と底面63と凹面64とに吹き付けられる。
【0034】
このように吹き付けられる空気は、直ちに、空気排出制御電磁弁36を介して吸引され大気中又は空気循環路中に排気される。容器の中で立体的に立体的広角度範囲に(円錐体状に)噴出する空気は、容器の中の内面に付着している除去対象物質(例示:炭素粉粒子)を均一にその内面から剥がし取る。そのように剥がされる除去対象粒子は、直ちに吸引されて系外に排出され、又は、循環路中に介設されているフィルタに吸着される。
【0035】
ノズル31は、連続的に等速度で第2位置IIまで降下する。第2位置IIで、ノズル31の先端部位である噴出口52,53,54は容器の口から下方側に抜け出している。第2位置IIで、空気供給制御電磁弁35と空気排出制御電磁弁36は同時的に又は同期的に閉じられる。ノズル31は、更に、第3位置IIIまで降下する。第1位置と第3位置の間は、1回目の清浄工程の半周期に対応している。ノズル31は、動作回転盤16と同体に回転しながら上昇し、ノズル31が第2位置IIと同じ高さ位置に上昇した時に、空気供給制御電磁弁35と空気排出制御電磁弁36は再び開く。ノズル31は空気を噴出しながら、第1位置に対応する位置まで上昇する。このような周期の清浄化工程が、複数周期で繰り返される。
【0036】
純粋ガスが不純物混合ガスに均等に混合し、このように均等に混合したガスを連続的に排出する場合、純粋ガスが不純物ガスとともに排出されるが、原理的には不純物の全ては永久に排出されず、95%除去率に到達する時間は非常に長くなる。ノズルの噴出口は第2位置IIでは容器の内部空間の上方部位に存在し、排出は容器の内部空間の下方部位に存在し、不純物含有空気が純粋空気に置換される置換率が高い。このような置換が、1周期の浄化工程で行われる。
【0037】
図11は、そのような高置換率の置換の回数と除去率の関係を示している。横軸は、体積比を示している。
体積比=V2/V1
V2:吹き込み量(質量又は規定気圧換算容積)
V1:容器の容積
ここで吹き込み量は、1周期に供給される空気量である。体積比は、周期の数に比例的に対応しているので、横軸は清浄工程の回数に対応している。回数のある程度以下の増大に対応して除去率は、回数が少ない区間では急激に非線形に増大するが、回数のある程度以上の増大に対応して除去率は、回数が多い区間ではほとんど増大せず緩やかに100%に漸近する。既述の高除去率の工程の複数回は、横軸の値に概ね対応している。試作機では、98%の除去率を得るための周期の回数は5回である。本発明による容器清浄装置では、1回の工程で、容器に供給される空気はその全てが排出されるので、図11に示される理想的な除去率を達成することができる。
【0038】
倒立状態のPETボトル46は、図6に示されるように、動作回転盤16に支持されて動作回転盤16と同体に回転する容器保持器55に保持される。容器保持器55は、電極を兼ねている。PETボトル46の内面に付着している帯電炭素粉は、容器保持器55から除電用電圧を受けてPETボトル46の内面から剥がされ、既述の空気噴流により除去される。
【0039】
【発明の効果】
本発明による容器清浄装置、及び、容器清浄方法は、再付着化現象が生じずにより確実に除去対象物質を容器の内面から除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による容器清浄装置の実施の形態を示す斜軸投影図である。
【図2】図2は、図1の一部を示す斜軸投影図である。
【図3】図3は、成膜装置を示す平面図である。
【図4】図4は、成膜装置を示す正面断面図である。
【図5】図5は、図4の一部を示す正面断面図である。
【図6】図6は、図4の一部を詳細に示す背面断面図である。
【図7】図7は、図で6の一部を示す平面図である。
【図8】図8は、容器とノズルの位置関係を示す断面図である。
【図9】図9は、ノズルを示す断面図である。
【図10】図10は、ノズルと容器の相対的上下位置関係を示す正面展開図である。
【図11】図11は、除去率を示すグラフである。
【符号の説明】
16…回転盤
27…昇降案内レール
28…昇降器(昇降台)
31…昇降本体(吐出器)
33…密封栓
38…吸引口(吸引器)
46…容器
51…第3噴出口
52…第2噴出口
53…第1噴出口
55…保持器
L…軸心線
Claims (17)
- 回転盤と、
前記回転盤に支持されて前記回転盤と同体に回転する保持器と、
前記保持器に倒立状態で保持される容器の内部に空気を吐出する吐出器と、
前記容器の内部に吐出される空気を容器の外部に吸引する吸引器と、
前記回転盤の回転軸心線の方向に前記吐出器と前記保持器とを相対的に昇降させる昇降器
とを具える容器清浄装置。 - 前記容器はそれの内面が炭素コーティングされ、
前記容器内面に付着する炭素粉が希薄空気とともに吸引される
請求項1の容器清浄装置。 - 前記昇降器は、
前記回転盤に支持される昇降案内レールと、
前記昇降案内レールに昇降自在に支持される昇降台とを備え、
前記保持器は、前記昇降台に支持されている
請求項1又は2の容器清浄装置。 - 前記昇降案内レールの案内面はカム面である
請求項3の容器清浄装置。 - 前記吐出器は、
昇降本体と、
前記昇降本体に結合し前記容器の下方側に開く口を封じる密封栓とを備え、
前記昇降本体の上方部位はノズルを形成し、
前記空気を前記容器の外部に吸引する吸引口が前記密封栓に形成されている
請求項1の容器清浄装置。 - 前記昇降本体は筒状に形成され、前記上方部位は、複数の空気吐出口を有し、
前記空気吐出口は、
昇降本体の軸心線の方向に向く第1噴出口と、
前記軸心線に対して斜めに向く複数の第2噴出口と、
前記軸心線に対して直交する方向に向く複数の第3噴出口とを具え、
複数の前記第2噴出口は前記軸心線のまわりで同一円周上に配置され、
複数の前記第3噴出口は前記軸心線のまわりで同一円周上に配置され、
前記軸心線は前記第1噴出口を通っている
請求項5の容器清浄装置。 - 前記第1噴出口は、前記昇降本体の頂面で開口している
請求項6の容器清浄装置。 - 前記ノズルの下降と空気噴出は同時的である
請求項5又は6の容器清浄装置。 - 前記保持器は電極である
請求項1〜8から選択される1請求項の容器清浄装置。 - 請求項1に記載の容器清浄装置を用いて前記容器の内面を浄化する容器浄化方法であり、
前記吐出器の吐出口を前記容器の口に挿入する挿入ステップと、
前記吐出口を前記容器の口に挿入した後に前記容器の中で上昇させる上昇ステップと、
前記吐出口を前記容器の中で降下させる降下ステップと、
前記容器の中に噴出される空気を前記容器の外側に吸引する吸引ステップとを具え、
前記降下ステップは、前記吐出口から前記容器の中に空気を噴出するステップを備える
容器清浄方法。 - 前記上昇ステップは前記口を封じるステップを備える
請求項10の容器清浄方法。 - 前記上昇ステップは、前記吐出口から前記容器の中に空気を噴出するステップを備える
請求項10又は11の容器清浄方法。 - 前記上昇ステップの回数と前記降下ステップの回数はともに複数である
請求項10〜12から選択される1請求項の容器清浄方法。 - 空気を噴出する前記ステップは、
前記容器の軸心線に対して斜めに空気を噴出するステップを具える
請求項10〜13から選択される1請求項の容器清浄方法。 - 空気を噴出する前記ステップは、
前記容器の軸心線に対して直交する方向に空気を噴出するステップを更に具える
請求項14の容器清浄方法。 - 前記容器はそれの内面に炭素がコーティングされた後の容器である
請求項10〜15から選択される1請求項の容器清浄方法。 - 前記吸引ステップは前記噴出ステップの終了の後まで続行される
請求項10〜16から選択される1請求項の容器清浄方法。
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