【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、前後方向に傾動可能とされた車両用シートのヘッドレスト装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
車両用シートにおいては、対象車両の使用目的等に応じて種々の使用態様が想定され、その一つとして、例えば所謂「バンタイプ車両」に採用されるシートのように、人間の着座性能を重視した使用形態と、貨物の搭載性能を重視した使用形態とを必要に応じて選択し得るようにしたものがある。即ち、図５（イ）に示すシート使用形態は、回動支点ピン４２と固定ピン４３によって車両床面４４側に固定されたシートクッション４０の後端部にヒンジピン４１によってシートバック３２を取り付けるとともに、該シートバック３２の上端にヘッドレスト３０が起立状態で配置された通常の使用形態、即ち、着座性能重視の使用形態である。
【０００３】
一方、貨物の搭載性能を重視したシート使用形態は、同図（ロ）に実線図示するように、先ず、同図（イ）に示す状態から、上記ヘッドレスト３０を前傾させるとともに、上記シートバック３２を上記ヒンジピン４１を中心として前傾させて上記シートクッション４０上に積み重ねる。かかるシート姿勢においては、上記シートバック３２の上側（背面側）も貨物載置部位として利用することができ、しかも上記ヘッドレスト３０が前傾しているので、例えばヘッドレスト３０が起立状態のまま姿勢保持されているような場合に比して、該ヘッドレスト３０の前方への突出量が少ない分だけシート全体をより一層前方へスライドさせてシート後方側のスペースの拡大を図ることもでき、これら両者の相乗作用によって高い貨物搭載性能が得られる。
【０００４】
この貨物搭載性能をさらに高めるものとして、同図（ロ）に鎖線図示するように、シートバック３２をシートクッション４０上に折り畳んだまま、これを一体的に上記回動支点ピン４２を中心として後方へ１８０°近く回転させ、これを車両床面４４側に設けたシート収納凹部４５内に上記シートクッション４０の裏面を上方に向けた状態で収納するような使用形態も提案されている。この場合にも、上記ヘッドレスト３０がシートバック３２の前面側に前傾されていることでシート全体を上記シート収納凹部３５内にコンパクトに収納できるものである。
【０００５】
このように、シートバック３２の上端に取り付けられるヘッドレスト３０は、これを通常の位置（図５（イ）に示す位置であり、以下、これを「標準位置」という）と、非通常時の位置（図５（ロ）に示す位置であり、以下、これを「前傾位置」という）の間で傾動可能とすることで、シート全体の使用上の利便性の向上に寄与し得るものである。
【０００６】
ところで、このように上記ヘッドレスト１を「標準位置」と「前傾位置」の間で位置変更可能とするヘッドレスト装置としては、従来より種々構造のものが提案されているが、その一つが図３及図４に示す構造である。即ち、この従来のヘッドレスト装置は、図３及び図４に示すように、上記シートバック３２側に取り付けられた左右一対のポール３５，３５の先端部３５ｂ，３５ｂと、ヘッドレスト３０の本体部３１の下部に内蔵配置したスイング機構３７，３７とを、連結軸３８によって回動自在に連結して構成されている。尚、上記ポール３５は、その脚部３５ａをシートバックフレーム３３に取り付けられた左右一対のポールアンカー３４，３４にそれぞれ嵌挿支持させている。
【０００７】
そして、この場合、上記ヘッドレスト３０が上記「標準位置」と「前傾位置」の間で傾動する場合において該ヘッドレスト３０と上記ポール３５との干渉を回避すべく、上記ヘッドレスト３０の本体部３１の下面３１ｂから前面３１ａの下部にかけての部位に、上記ポール３５の進入を許容し得る幅寸法をもつスリット３６を形成するのが通例である。
【０００８】
一方、近年、収納式のシートにおいては、収納形態のコンパクト化を図る等の観点から、ヘッドレスト３０を薄型化する傾向にあるが、該ヘッドレスト３０が薄型化すると、それに伴って上記スリット３６の上記本体部３１の前面３１ａ側への露出分が大きくなる。即ち、ヘッドレスト３０が厚型であると上記スリット３６の大部分を上記本体部３１の下面３１ｂ側に形成でき、その分だけ前面３１ａ側への形成分が小さくなるが、上記ヘッドレスト３０が薄型化された場合にはこれが薄くなった分だけ上記スリット３６の上記本体部３１の下面３１ｂ側における形成幅が小さくなり、結果的に、その分だけ上記スリット３６の上記前面３１ａ側への形成量が大きくなるものである。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように上記ヘッドレスト３０の本体部３１の前面３１ａの下部から下面３１ｂにかけてスリット３６が形成されたものにあっては、上記本体部３１の表面上に露出した上記スリット３６によって上記ヘッドレスト３０の意匠性が損なわれ、延いてはヘッドレスト装置の商品価値の低下を招来することとなり好ましくない。特に、ヘッドレスト３０の薄型化が進む状況下にあっては、上記スリット３６の存在による上記ヘッドレスト３０の意匠性の低下という問題はより一層顕著となるものである。
【００１０】
かかる事情から、ヘッドレスト３０の意匠性を損ねることなく（逆に意匠性を高めつつ）その傾倒作動を可能とするヘッドレスト装置の開発が待たれるところであるが、これに応え得る有効な技術は未だ提案されていないというのが実情である。また、ヘッドレスト３０は、シートバック３２の上端側にあって、当該シートよりも後方側のシートに着座した乗員に対してはその前方視界の妨げとなり、逆、当該シートよりも前方のシートに着座した乗員に対しては後方視界の妨げとなり得るものであるため、ヘッドレスト３０の設計に際してはかかる「視界の確保」という観点からの配慮も必要となる。
【００１１】
そこで本発明では、意匠性に優れるとともに、視界確保にも有益な車両用シートのヘッドレスト装置を提供することを目的としてなされたものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【００１３】
即ち、この発明では、シートバック２の上端部２ａに上方へ延出状態で取り付けられるポール４の先端部４ｂにヘッドレスト１を前後方向に傾動可能に取り付けてなる車両用シートのヘッドレスト装置において、上記ヘッドレスト１は、これをその下面１ａ側の幅方向略中央部位に該下面１ａ側から上面１ｂ側に凹入する凹部１１を形成し該凹部１１の左右両側部位をそれぞれ延設部１２，１２とするとともに、該各延設部１２，１２内にそれぞれスイング機構１５を内蔵する一方、上記ポール４は、これを上記シートバック２の上端部２ａから上方へ延出する先端部４ｂを上記シートバック２の幅方向に延出するように略Ｌ字形に屈曲させ、該先端部４ｂを上記ヘッドレスト１側の上記スイング機構１５に上記凹部１１側から支持させたことを特徴としている。
【００１４】
【発明の効果】
本願発明の車両用シートのヘッドレスト装置によれば、次のような効果が得られる。
【００１５】
即ち、この発明の車両用シートのヘッドレスト装置によれば、上記ヘッドレスト１の傾動時には、上記ポール４の先端部４ｂが上記ヘッドレスト１側の上記凹部１１内を移動することで、該ヘッドレスト１とポール４との干渉が確実に防止され、該ヘッドレスト１のスムーズな傾動操作が実現される。この場合、上記凹部１１は、従来のヘッドレスト装置におけるスリットと同様の機能（即ち、上記ポール４とヘッドレスト１との干渉回避機能）を為すものであるが、従来のスリットはこれを看るものにヘッドレストの表面の凹凸部として認識され、その意匠性の低下に結び付くものであるが、この発明における上記凹部１１は、これを含めたヘッドレスト１全体が一つの形状として認識され、これを看るものに対して何ら違和感を与えず、逆に意匠的な特徴部分として認識され、該ヘッドレスト１全体としての意匠性の向上に結びつき、延いてはヘッドレスト装置の商品価値の向上に寄与するものである。
【００１６】
さらに、上記凹部１１は、上記ヘッドレスト１とこれに近接する上記シートバック２との間において一つの開口として存在することから、該凹部１１を通して前方あるいは後方を視認することができ、その結果、上記凹部１１の存在によってシート装置を備えた車両におけるシート部分における前方視界あるいは後方視界の向上が期待でき、延いては車両の走行安全性の向上にも寄与し得る。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【００１８】
図１及び図２には、本願発明にかかる車両用シートのヘッドレスト装置を示している。このヘッドレスト装置は、ヘッドレスト１とこれを支持する左右一対のポール４，４とを備えて構成され、上記一対のポール４，４の脚部４ａを、上記シートバック２内のシートバックフレーム２１に取り付けられた左右一対のポールアンカー２２，２２にそれぞれ嵌挿支持されることで上記シートバック２側に着脱自在に取り付けられる。そして、上記ヘッドレスト１は、次述するように、上記ポール４の先端部４ｂを中心としてシート前後方向に傾動可能とされ、図２に実線図示する「標準位置」と鎖線図示する「前傾位置」とに選択的に位置決めされる。
【００１９】
上記ヘッドレスト１は、例えば樹脂一体発泡成形によって得られるものであって、「コ」字形の屈曲形態をもつヘッドレストフレーム１３をその内部に埋設したパッド材８の外表面をトリム材９によって被包して構成される。そして、このヘッドレスト１は、図１に示すように、その下面１ａの幅方向略中央部分をその上面１ｂ側に向けて略矩形状に凹入させてこれを凹部１１とするとともに、該凹部１１の左右両側部位をそれぞれ延設部１２，１２とした形態を有している。
【００２０】
上記ヘッドレスト１の上記各延設部１２，１２の内部には、上記ヘッドレストフレーム１３の端部に取り付けた支持材１４がそれぞれ配置されるとともに、該支持材１４には、次述のスイング機構１５が上記ポール４の先端部４ｂを介して取り付けられている。
【００２１】
即ち、上記ポール４は、上記シートバック２側の上記ポールアンカー２２に嵌挿支持される脚部４ａと、該脚部４ａの上端側においてこれと連続して略９０°に屈曲して直状に延出する先端部４ｂとからなる略Ｌ字形部材で構成される。そして、上記一対のポール４，４は、それぞれその先端部４ｂを上記ヘッドレスト１の上記凹部１１の内側から、上記左右一対の上記延設部１２，１２に対して、これに略直交する方向に進入させてその先端側を上記支持材１４に貫通させ且つこれをナット２０によって締結することで、上記ヘッドレスト１側に組つけられている。この場合、上記ポール４の先端部４ｂと上記支持材１４の間には次述のスイング機構１５が介在され、このスイング機構１５の機能によって上記ヘッドレスト１は上記ポール４の先端部４ｂを回動中心としてシート前後方向に傾動自在で且つ上記「標準位置」又は上記「前傾位置」において所定の規制力をもって位置決めされる。
【００２２】
上記スイング機構１５は、上記ポール４の先端部４ｂ側に固定されたカム１６と、該カム１６と上記支持材１４との間にウェーブワッシャ１７を介在させた状態で取り付けられるとともにその上部には上記カム１６と係合して上記「標準位置」及び「前傾位置」において所定の節度感を付与する板バネ１９を備えたコントロール材１８とで構成される。
【００２３】
尚、上述のように、上記ヘッドレスト１は、樹脂一体発泡成形によって製作されるものであるため、その製作に際しては、予め、上記ヘッドレストフレーム１３の上記各支持材１４，１４側に上記スイング機構１５とともに上記各ポール４，４の先端部４ｂを組み付けてこれらを一体化するとともに、これを上記トリム材９内に収容する。そして、これら一体物を成形型内にセットし、しかる後、上記トリム材９内に発泡樹脂材を射出し且つこれを発泡充填させて上記パッド材８を形成することで得られるものである。
【００２４】
このようにして得られたヘッドレスト１においては、その各延設部１２，１２にそれぞれ上記ポール４，４が取り付けられており、該ポール４，４と一体的に取り扱われる。そして、上記各ポール４，４の脚部４ａを上記シートバック２側の上記各ポールアンカー２２，２２に嵌挿支持させることで上記ヘッドレスト１は上記各ポール４，４を介して上記シートバック２側に取り付けられることとなり、さらに上記各ポール４，４の先端部４ｂを回動中心としてシート前後方向に傾動可能とされるものである。
【００２５】
このように構成されたこの実施形態の車両用シートのヘッドレスト装置においては、上記ヘッドレスト１の傾動動作時には、上記ポール４の先端部４ｂが上記ヘッドレスト１側の上記凹部１１内を移動することで、該ヘッドレスト１とポール４との干渉が確実に防止され、この結果、上記ヘッドレスト１のスムーズな傾動操作が実現され、その操作性が向上することになる。
【００２６】
また、この場合、上記ヘッドレスト１を看るものにとって、上記凹部１１はこれを含めたヘッドレスト１全体が一つの形状として認識され、何ら違和感を与えることがなく、逆にこの部分の形状がこのヘッドレスト１における意匠的な特徴部分として認識され、その結果、上記ヘッドレスト１全体としての意匠性が向上し、延いてはヘッドレスト装置そのものの商品価値の向上が期待できるものである。
【００２７】
さらに、上記凹部１１は、上記ヘッドレスト１とこれに近接する上記シートバック２の上端部２ａとの間において一つの開口として存在することから、該凹部１１は、例えば、当該シートの後方側に位置する乗員にとっては前方視界の拡大という点において、また当該シートの前方側に位置する乗員にとっては後方視界の拡大という点において、それぞれ有用なものとなり、延いては車両の走行安全性の向上にも寄与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明に係るヘッドレスト装置を示す正面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。
【図３】従来のヘッドレスト装置を示す正面図である。
【図４】従来のヘッドレスト装置の分解斜視図である。
【図５】ヘッドレストを備えたシートの姿勢変更形態の説明図である。
【符号の説明】
１はヘッドレスト、２はシートバック、３はシートクッション、４はポール、８はパッド材、９はトリム材、１０は本体部、１１は凹部、１２は延設部、１３はヘッドレストフレーム、１４は支持材、１５はスイング機構、１６はカム、１７はウェーブワッシャ、１８はコントロール材、１９は板バネ、２０はナット、２１はシートバックフレーム、２２はポールアンカーである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a vehicle seat headrest device capable of tilting in a front-rear direction.
[0002]
[Prior art]
In the vehicle seat, various usage modes are assumed according to the usage purpose of the target vehicle and the like, and one of them is, for example, emphasizing the seating performance of a human, such as a seat used in a so-called “van type vehicle”. There is a configuration in which the use form that is used and the use form that emphasizes the cargo loading performance can be selected as needed. That is, in the seat usage form shown in FIG. 5A, the seat back 32 is attached to the rear end of the seat cushion 40 fixed to the vehicle floor surface 44 by the rotation fulcrum pin 42 and the fixing pin 43 by the hinge pin 41. This is a normal use mode in which the headrest 30 is arranged in an upright state at the upper end of the seat back 32, that is, a use mode in which the seating performance is emphasized.
[0003]
On the other hand, in the seat usage mode emphasizing the cargo loading performance, the headrest 30 is first tilted forward from the state shown in FIG. 32 are stacked on the seat cushion 40 by tilting forward about the hinge pin 41. In such a seating posture, the upper side (back side) of the seat back 32 can also be used as a cargo loading portion, and since the headrest 30 is inclined forward, for example, the headrest 30 is held in an upright state. As compared with the case where the headrest 30 is projected forward, the entire seat can be further slid further forward by an amount corresponding to the small amount of forward projection of the headrest 30, so that the space behind the seat can be enlarged. High cargo loading performance is obtained by synergy.
[0004]
In order to further enhance the cargo loading performance, as shown by a dashed line in FIG. There is also proposed a usage mode in which the seat cushion 40 is rotated by about 180 ° and stored in a seat storage recess 45 provided on the vehicle floor surface 44 with the back surface of the seat cushion 40 facing upward. Also in this case, since the headrest 30 is tilted forward to the front side of the seat back 32, the entire seat can be compactly stored in the seat storage recess 35.
[0005]
As described above, the headrest 30 attached to the upper end of the seat back 32 has a normal position (a position shown in FIG. 5A, hereinafter referred to as a “standard position”) and an unusual position. (The position shown in FIG. 5B, which will be hereinafter referred to as a “forward tilt position”) can contribute to the improvement of convenience in use of the entire seat. .
[0006]
By the way, as a headrest device capable of changing the position of the headrest 1 between the "standard position" and the "forward tilt position", various structures have conventionally been proposed, one of which is shown in FIG. 4 and the structure shown in FIG. That is, as shown in FIGS. 3 and 4, the conventional headrest device includes a pair of left and right poles 35, 35 b attached to the seat back 32 side, and a front end portion 35 b, 35 b of the main body 31 of the headrest 30. Swing mechanisms 37, 37, which are built in at the lower part, are rotatably connected by a connecting shaft 38. The pole 35 has its legs 35 a fitted and supported by a pair of left and right pole anchors 34, 34 attached to the seat back frame 33.
[0007]
In this case, in order to avoid interference between the headrest 30 and the pawl 35 when the headrest 30 is tilted between the “standard position” and the “forward tilt position”, the main body 31 of the headrest 30 is In general, a slit 36 having a width dimension that allows the pole 35 to enter is formed in a portion from the lower surface 31b to the lower portion of the front surface 31a.
[0008]
On the other hand, in recent years, in a retractable seat, the headrest 30 has tended to be thin from the viewpoint of, for example, downsizing the storage form. The amount of exposure of the main body 31 to the front surface 31a side increases. That is, if the headrest 30 is thick, most of the slits 36 can be formed on the lower surface 31b side of the main body portion 31 and the amount formed on the front surface 31a side is reduced by that much, but the headrest 30 is made thinner. In this case, the width of the slit 36 formed on the lower surface 31b side of the main body portion 31 is reduced by an amount corresponding to the reduction of the thickness, and as a result, the amount of the slit 36 formed on the front surface 31a side is reduced by that amount. It will be bigger.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case where the slit 36 is formed from the lower part of the front surface 31a of the main body 31 of the headrest 30 to the lower surface 31b, the headrest 30 is exposed by the slit 36 exposed on the surface of the main body 31. The design of the headrest device is impaired and the commercial value of the headrest device is reduced, which is not preferable. In particular, in a situation where the thickness of the headrest 30 is reduced, the problem that the design of the headrest 30 is deteriorated due to the presence of the slits 36 becomes even more remarkable.
[0010]
Under such circumstances, the development of a headrest device that enables the tilting operation without impairing the design of the headrest 30 (while enhancing the design) has been awaited. However, effective techniques that can respond to this are still proposed. The fact is that it has not been done. Further, the headrest 30 is located at the upper end side of the seat back 32 and hinders the front view of the occupant sitting on the seat behind the seat, and conversely, sits on the seat ahead of the seat. Therefore, consideration must be given to the headrest 30 when designing the headrest 30 from the viewpoint of "securing the field of view".
[0011]
In view of the above, an object of the present invention is to provide a headrest device for a vehicle seat which is excellent in designability and is useful for securing a visibility.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following configuration as specific means for solving such a problem.
[0013]
That is, according to the present invention, in the headrest device for a vehicle seat in which the headrest 1 is attached to the front end portion 4b of the pole 4 which is attached to the upper end portion 2a of the seatback 2 so as to extend upward, in such a manner as to be tiltable in the front-rear direction. The headrest 1 is formed with a concave portion 11 which is recessed from the lower surface 1a side to the upper surface 1b side at a substantially central portion in the width direction on the lower surface 1a side, and the right and left sides of the concave portion 11 are extended portions 12, 12, respectively. At the same time, the swing mechanism 15 is incorporated in each of the extending portions 12, 12, while the pawl 4 is connected to the seat back 2 by the distal end 4 b extending upward from the upper end 2 a of the seat back 2. 2 is bent in a substantially L-shape so as to extend in the width direction, and the tip 4b is supported by the swing mechanism 15 on the headrest 1 side from the recess 11 side. It is characterized in.
[0014]
【The invention's effect】
According to the vehicle seat headrest device of the present invention, the following effects can be obtained.
[0015]
That is, according to the headrest device for a vehicle seat of the present invention, when the headrest 1 is tilted, the tip 4b of the pawl 4 moves in the recess 11 on the headrest 1 side. 4 is reliably prevented, and a smooth tilting operation of the headrest 1 is realized. In this case, the recess 11 performs the same function as the slit in the conventional headrest device (that is, the function of avoiding the interference between the pawl 4 and the headrest 1). The concave portion 11 in the present invention is recognized as an uneven portion on the surface of the headrest, which leads to a decrease in the design. However, the entirety of the headrest 1 including the concave portion 11 is recognized as one shape. The headrest 1 is recognized as a design characteristic part, and leads to an improvement in the design of the headrest 1 as a whole, thereby contributing to an improvement in the commercial value of the headrest device.
[0016]
Further, since the recess 11 exists as one opening between the headrest 1 and the seat back 2 adjacent thereto, the front or the rear can be visually recognized through the recess 11, and as a result, The presence of the recess 11 can be expected to improve the front field of view or the rear field of view of the seat portion of the vehicle provided with the seat device, and can also contribute to the improvement of the running safety of the vehicle.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described based on preferred embodiments.
[0018]
1 and 2 show a headrest device for a vehicle seat according to the present invention. This headrest device is provided with a headrest 1 and a pair of left and right poles 4 and 4 supporting the headrest 1. The leg portions 4 a of the pair of poles 4 and 4 are attached to a seatback frame 21 in the seatback 2. The pair of left and right pole anchors 22 are fitted and supported by the pair of left and right pole anchors 22 so that the pole anchors 22 are detachably attached to the seat back 2. The headrest 1 can be tilted in the seat front-rear direction around the tip 4b of the pawl 4 as described below. The "standard position" shown by a solid line in FIG. ".
[0019]
The headrest 1 is obtained by, for example, resin integral foam molding, and encloses an outer surface of a pad material 8 in which a headrest frame 13 having a “U” -shaped bent shape is embedded by a trim material 9. It is composed. As shown in FIG. 1, the headrest 1 has a substantially central portion in the width direction of the lower surface 1a recessed in a substantially rectangular shape toward the upper surface 1b to form a recess 11, and the recess 11 The left and right sides are formed as extending portions 12, 12.
[0020]
A support member 14 attached to an end of the headrest frame 13 is disposed inside each of the extending portions 12, 12 of the headrest 1, and the support member 14 has a swing mechanism 15 described below. Is attached via the tip 4 b of the pole 4.
[0021]
That is, the pole 4 has a leg 4a that is inserted and supported by the pole anchor 22 on the seatback 2 side, and is bent at approximately 90 ° at the upper end side of the leg 4a so as to be continuous and straight. And a substantially L-shaped member comprising a distal end portion 4b extending to the front end. The pair of pawls 4, 4 have their tip portions 4 b from the inside of the recess 11 of the headrest 1 to the pair of left and right extending portions 12, 12 in a direction substantially orthogonal to the pair. The headrest 1 is attached to the headrest 1 side by penetrating the support member 14 so as to penetrate the support member 14 and fastening the support member 14 with a nut 20. In this case, a swing mechanism 15 described below is interposed between the tip 4b of the pole 4 and the support member 14, and the headrest 1 rotates the tip 4b of the pole 4 by the function of the swing mechanism 15. It is tiltable in the front-rear direction of the seat as a center, and is positioned with a predetermined regulating force in the "standard position" or the "forward tilt position".
[0022]
The swing mechanism 15 is mounted on a cam 16 fixed to the tip 4b side of the pole 4 with a wave washer 17 interposed between the cam 16 and the support member 14, and has an upper part. The control member 18 includes a leaf spring 19 that engages with the cam 16 and gives a predetermined sense of moderation in the “standard position” and the “forward tilt position”.
[0023]
As described above, since the headrest 1 is manufactured by resin integral foam molding, when manufacturing the headrest 1, the swing mechanism 15 is attached to the headrest frame 13 on the support members 14 side in advance. At the same time, the tip portions 4b of the poles 4 and 4 are assembled to integrate them, and are accommodated in the trim material 9. The pad is formed by setting these integrated products in a molding die, and then injecting a foamed resin material into the trim material 9 and filling the foamed resin material with foam.
[0024]
In the headrest 1 thus obtained, the pawls 4 and 4 are attached to the respective extending portions 12 and 12, respectively, and are handled integrally with the pawls 4 and 4. Then, the leg portions 4a of the pawls 4, 4 are fitted and supported on the pawl anchors 22, 22, respectively, on the seat back 2 side, so that the headrest 1 is connected to the seat back 2 via the pawls 4, 4. Side, and can be tilted in the front-rear direction of the seat around the tip 4b of each of the pawls 4, 4.
[0025]
In the vehicle seat headrest device of this embodiment thus configured, when the headrest 1 tilts, the tip 4b of the pawl 4 moves in the recess 11 on the headrest 1 side. Interference between the headrest 1 and the pole 4 is reliably prevented, and as a result, a smooth tilting operation of the headrest 1 is realized, and the operability is improved.
[0026]
Further, in this case, for the person who looks at the headrest 1, the recess 11 is recognized as one shape including the headrest 1 as a whole, and does not give any uncomfortable feeling. As a result, the design of the headrest 1 as a whole is improved, and the commercial value of the headrest device itself can be expected to be improved.
[0027]
Furthermore, since the concave portion 11 exists as one opening between the headrest 1 and the upper end portion 2a of the seat back 2 adjacent thereto, the concave portion 11 is located, for example, on the rear side of the seat. For the occupant, the front view is expanded, and for the occupant located in front of the seat, the rear view is expanded, which is also useful for improving the running safety of the vehicle. It can contribute.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a headrest device according to the present invention.
FIG. 2 is a view taken in the direction of arrows II-II in FIG.
FIG. 3 is a front view showing a conventional headrest device.
FIG. 4 is an exploded perspective view of a conventional headrest device.
FIG. 5 is an explanatory diagram of a posture changing mode of a seat provided with a headrest.
[Explanation of symbols]
1 is a headrest, 2 is a seat back, 3 is a seat cushion, 4 is a pole, 8 is a pad material, 9 is a trim material, 10 is a main body, 11 is a concave portion, 12 is an extended portion, 13 is a headrest frame, and 14 is a headrest frame. Reference numeral 15 denotes a swing mechanism, 16 denotes a cam, 17 denotes a wave washer, 18 denotes a control member, 19 denotes a leaf spring, 20 denotes a nut, 21 denotes a seat back frame, and 22 denotes a pole anchor.
