JP2004007420A - 圧電振動片、圧電振動子および圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片、圧電振動子および圧電デバイス Download PDF

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田中 雅子
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Abstract

【課題】広い温度範囲にわたって安定した周波数が得られるようにする。
【解決手段】圧電振動片は、水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸としたときに、Z軸の回りに時計方向にX軸を−5.0度以上且つ−1.0度以下、又は、+1.0度よりも大きく且つ15.9度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有するとともに、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.6度以上であって、35.1度以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する水晶板、又は、Z軸の回りに時計方向にX軸を−15.9度以上であって−5.0度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有するとともに、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.2度以上であって、35.3度以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する水晶板からなる。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電効果を利用した振動片に係り、特に、いわゆる新しいカット水晶板を用いた圧電振動片、圧電振動子および圧電デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の各種機器における電子化、通信システムの発達に伴って圧電発振器をはじめとする圧電デバイスが多用されている。特に、圧電材料としての水晶は、高い周波数が得られるとともに、安定した周波数特性を有するところから圧電デバイスに広く採用されている。そして、ATカット水晶板(以下、単にATカット板と称する)は、広範囲な温度領域において安定した周波数特性を有する圧電振動子が得られるところから、古くから圧電デバイスに用いられている。このATカット板は、一片がX軸に平行であって、XZ面をX軸回りに35.25度時計方向(X軸の−X方向から+X方向を見た場合を基準)に回転させたカット角θで切り出したものである。
【0003】
このATカット板から形成した圧電振動子(水晶振動子)の周波数温度特性を図11に示す。図11は、横軸が温度(単位:℃)であって、縦軸が温度25℃のときの周波数を基準にした周波数偏差(単位:ppm)を示している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3218537号公報
【非特許文献1】
P.C.Y.Lee、Y.K.Yong著,「Frequency−temperaturebehaviorofthicknessvibrationsofdoublyrotatedquartzplatesaffectedbyplatedimensionsandorientations」,Vol.60,No.7,(米国),JournalofAppliedPhysics,1986年10月1日,p.2340
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来から広く使用されているATカット板は、図11に示したように、周波数温度特性を示す25℃のときの周波数に対する周波数偏差が、100℃近辺において急激に大きくなる。このため、例えば−25℃から+120℃までの温度範囲を取ると、周波数偏差の変動幅が30ppm以内に入るようなカット角が存在しない。このため、自動車用部品のような広い温度範囲において使用される機器にATカット板からなる水晶振動子を搭載した場合、高精度な制御が困難となる。このため、広い温度範囲、特に−25℃から+120℃までの間において、周波数偏差が±15ppm以内となるような、安定した周波数を発振する水晶振動子が求められている。
【0006】
そして、従来は、上記したように−25℃から+120℃の範囲における周波数偏差の変動幅が30ppmより大きいため、自動車用部品などとして使用する場合、温度補償回路を設けることにより、周波数をより安定させた発振器を得ていた。しかし、温度補償回路を設けると、部品点数や工数の増加を伴い、コストが増大する。
【0007】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、広い温度範囲において安定した周波数が得られるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、水晶のカット角について種々研究し、実験を行なったところ、広い温度範囲において比較的安定した周波数が得られるカット角を見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたもので、本発明に係る圧電振動片は、水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、Z軸の回りに時計方向にX軸を−5.0度以上且つ−1.0度未満、又は+1.0度よりも大きく(φ=1.0度は含まない。)且つ15.9度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有し、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.6度以上且つ35.1度以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する水晶板からなることを特徴としている。
【0009】
このようになっている本発明は、−25℃〜+120℃の温度範囲において、周波数温度特性における周波数偏差の変動幅を30ppm以内に収めることができ、広い温度範囲において安定した周波数を得ることができる。
【0010】
なお、この発明において「軸の回りに時計方向」とは、その軸のマイナス側からプラス側を見たときを基準にしている。従って、例えば「Z軸の回りに時計方向に」とは、「−Z方向から+Z方向に見て時計方向に」ということである。
【0011】
ところで、圧電振動片の周波数温度特性は、ブランクの形状、例えばブランクのX辺比(ブランクのX’軸方向の長さ寸法をブランクの厚さで割った値)によっても変化する。そこで、発明者らは、広い温度範囲において安定した周波数が得られるブランクのX辺比とカット角との関係を調べた。そして、上記の圧電振動片において、厚さに対する前記X’軸方向の長さが15倍以上且つ22倍未満であって、Z軸回りの回転角度の数値をφ、X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
【0012】
【数4】
Figure 2004007420
【0013】
であることを特徴としている。これにより、−25℃〜+120℃の広い温度範囲において、X辺比が15以上22未満の圧電振動片の周波数を安定させることができる。
【0014】
また、上記の圧電振動片において、水晶板は、厚さに対する前記X’軸方向の長さが15倍未満であって、Z軸回りの回転角度の数値をφ、X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
【0015】
【数5】
Figure 2004007420
【0016】
であることを特徴としている。これにより、−25℃〜+120℃の広い温度範囲において、X辺比が15より小さい小型の圧電振動片の周波数を安定させることができる。
【0017】
また、本発明に係る圧電振動片は、水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記Z軸の回りに時計方向に前記X軸を−15.9度以上且つ−5.0度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有し、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.2度以上且つ35.3度以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する水晶板からなることを特徴とする。
【0018】
このようになっている本発明は、−25℃〜+120℃の温度範囲において、周波数温度特性における周波数偏差の変動幅を30ppm以内に収めることができ、広い温度範囲において安定した周波数を得ることができる。
【0019】
別の実施例では、水晶版は、厚さに対する前記X’軸方向の長さが80倍未満であって、前記Z軸回りの回転角度の数値をφ、前記X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
【0020】
【数6】
Figure 2004007420
【0021】
であることを特徴としている。これにより、−25℃〜+120℃の広い温度範囲において、X辺比が10以上の圧電振動片の周波数を安定させることができる。
【0022】
そして、本発明に係る圧電振動子は、上記のいずれかの圧電振動片からなることを特徴としている。これにより、−25℃〜+120℃の広い温度範囲において、周波数の安定した圧電振動子が得られる。
【0023】
また、本発明に係る圧電デバイスは、上記の圧電振動子を備えていることを特徴とする。これにより、自動車用部品などのように、使用される温度範囲が広い場合であっても、温度補償回路を必要とすることなく周波数を安定させることができ、部品点数や工数の増加を避けることができ、コストの低減が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係る圧電振動片および圧電振動子並びに圧電デバイスの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】
水晶の結晶軸(電気軸、機械軸、光学軸)のうち、2軸に対して回転させたカット角によって切り出した水晶板(基板)を用いると、周波数偏差の変曲点が高温側にシフトすることは理論的に証明されている(例えば、特許文献1参照)。そして、−25℃〜+120℃の温度範囲において周波数が安定したカット角も存在することになる。
【0026】
しかし、周波数温度特性曲線は、ブランクの形状によっても容易に変化する。このため、単にカット角を決定しただけでは、周波数の安定したカット角の領域を特定することができない。例えば、図11に周波数温度特性を示したATカット板からなる水晶振動子は、カット角が同じ場合であっても、ブランクのX辺比(ブランクのX’方向の長さをブランクの厚さで割った値)が大きくなるのに従って、同図の矢印A、Bに示したように、温度の3次関数として表される周波数温度特性曲線が、温度の1次についての係数が大きくなる方向に変化する。このことは、2軸について回転した座標軸を持つ水晶板についても、同様の傾向を示すことが一般に知られている(例えば、非特許文献1参照)。したがって、ブランクのX辺比を考慮したカット角を設定する必要がある。
【0027】
また、ブランク上に形成する電極の厚みにも温度特性は影響され、電極を厚くすることによってブランクのX辺比を短くしたと同様に1次係数が小さくなる。ここでも、カット角と同様、電極膜厚をも考慮する必要がある。
【0028】
図1は、本発明に係る圧電振動片である水晶振動片を得るための水晶のカット角を説明する図である。図1において、水晶結晶10の直交する3軸、すなわち電気軸をX軸、これに直交した機械軸をY軸、X軸とY軸とに直交した光学軸をZ軸とする。本発明に係る水晶振動片を得るための水晶板(水晶基板)12のカット角は、まず、Z軸の回りにX軸を時計方向にφだけ回転させたX’軸を設定し、このX’軸に平行な辺を有する。さらに、水晶板12は、X’軸の回りに、Z軸を時計方向にθだけ回転させたZ’軸に平行な辺を有している。
【0029】
発明者らは、水晶結晶10のX軸とZ軸とのそれぞれの回りに回転させたいわゆるダブルローテーションのカット角について種々検討した結果、−25℃〜+120°の温度範囲において比較的安定した周波数が得られるカット角を見出した。
【0030】
図2は、X辺比(図1に示した水晶板12から得たブランクのX’方向の長さ寸法を板厚で割った値(以下同じ))が10.0、Z辺比(図1に示した水晶板12から得たブランクのZ’方向の長さ寸法を板厚で割った値(以下同じ))が6.2の矩形平板状であって、主振動周波数が10MHzの水晶振動子を用いたカット角の周波数温度特性を測定したもので、Z軸をX’軸の回りに時計方向に34.7度(θ=34.7°)回転させて設定したしたときの、φの依存性を調べたものである。なお、電極のプレートバック量は、2.5%であった。
【0031】
図2は、横軸が温度(単位:℃)であり、縦軸が温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差(単位:ppm)である。図2に示されているように、φ=8.3°の場合、温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差の変動幅が、−25℃〜+120℃の温度範囲において、周波数偏差の変動幅が30ppm以内の振動子が得られる。したがって、自動車用部品などのように広い温度範囲において使用される機器に、温度補償回路を設けることなく対応することができる圧電デバイスが得られる。
【0032】
ただし、φ=16°以上の時には中心温度(図11の点Cに示されるように周波数温度特性曲線において低温側の変曲点と高温側の変曲点の中間に当たる点)が60℃以上となるため低温領域において周波数の低下が著しくなり周波数偏差の変動幅が30ppm以内に入ることができない。同様にφが−1度以上+1度以下の場合には中心温度がATカットと同様に25℃にあるため高温領域において周波数の上昇が著しい。従ってφの適用範囲は−5.0度以上、−1度未満、又は+1度よりも大きく(+1度は含まない。)、+15.9度以下が望ましい。したがって、カット角φは、
【0033】
【数7】
Figure 2004007420
【0034】
又は
【0035】
【数8】
Figure 2004007420
【0036】
が望ましい。なお、発明者らの研究によると、φの値を8.3度から3度より大きくずれない値に設定することで、−25℃〜+120℃の温度範囲における周波数偏差の変動幅が30ppm以内の振動子が確実に得られることがわかった。
【0037】
ところで、前記したように、水晶振動子の周波数温度特性は、ブランクの形状、特にX辺比によって変化する。そこで、発明者らは、上記のX辺比10.0、Z辺比6.2、主振動周波数10MHzの水晶振動子と、X辺比が20、Z辺比が13であり、主振動周波数が16MHzの水晶振動子とについて、温度範囲が−25℃〜+120℃における周波数温度特性の最適カット角の比較を行なった。その結果を図3に示す。
【0038】
図3は、横軸が温度(単位:℃)であり、縦軸が温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差(単位:ppm)である。図3の実線に示されているように、X辺比が10.0である小型の振動子の場合、最適の周波数温度特性を示すカット角がφ=8.3°、θ=34.7°であった。これに対して、同図の破線に示したX辺比が20である大きな振動子の場合、カット角がφ=6.1°、θ=34.7°のときに、最適な周波数温度特性が得られた。
【0039】
このように、X辺比の相違によって最適な周波数温度特性が得られるカット角が異なっていることが明らかとなり、−25°〜+120℃の温度範囲において、周波数偏差の変動幅が30ppm以内となるカット角の範囲がX辺比によって大きく異なる可能性がある。
【0040】
さらに、図4に同じカット角(θ=35°、φ=4.5°)で同じ形状をもつブランクに、電極膜厚(プレートバック量)を1%から4%まで変えて形成したときの周波数温度特性の比較を示す。この図4は、横軸が温度(単位:℃)、縦軸が温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差(単位:ppm)であり、実線で示した曲線が電極膜厚1%、破線で示した曲線が電極膜厚4%の場合を示している。図から明らかなように、電極膜厚を変えた条件でも、最適領域がずれることがわかった。
そこで、上記した2つの水晶振動子について、周波数偏差の変動幅が30ppm以内となる良好な周波数温度特性が得られるカット角の範囲を調べた。
【0041】
図5は、X辺比20、Z辺比13、プレートバック量2.5%、主振動周波数16MHzの振動子について、良好な周波数温度特性が得られるカット角を●印で示した。これらの実験データは実線で示す関数曲線上に存在することがわかった。横軸がX’軸の回りに時計方向に回転させた角度θ(単位:度)であり、縦軸がZ軸の回りに時計方向に回転させた角度φ(単位:度)である。しかし、X辺比が変わったり、電極膜厚が変わったりすると最適領域が変化することは前にも説明した通りであるので、さらにX辺比を15〜22まで変化させ、プレートバック量も1〜6%まで変化させて最適領域を探索した。その結果、条件を変えることによって△印で示す点に最適値が存在することがわかった。すなわち、実線を挟む破線の領域内に最適値が存在するということになる。
【0042】
したがって、X辺比が15以上22未満の場合、良好な周波数温度特性が得られるθの数値に対するφは、
【0043】
【数9】
Figure 2004007420
【0044】
となる。
【0045】
この領域中では、角度のばらつきに対する良好な周波数温度特性が得られる領域の広さを見ると、特にθ=35.1°以下の領域においては、θの値が多少ばらついても、φの値が一定であれば、良好な周波数温度特性を有する水晶振動子を得ることができることがわかる。したがって、量産性を考慮した場合、θ≦35.1°であることが望ましい。しかし、前記したように振動子の示す温度特性はX辺比と電極膜厚に大きく影響される。前記実施例以外のX辺比が22以上の場合、或いは電極膜厚が薄い場合、即ちプレートバック量が1%以下の場合、或いは、その双方の条件を満足する場合では図5又は、後述の図6に示された領域を外れるものも存在する。従って、広範囲の製造条件に対して安定な周波数温度特性を得るためには、φが−5.0度以上且つ−1.0度未満、又は+1.0度よりも大きく(1.0度は含まない。)且つ15.9度以下であり、θが34.6度以上、35.1度以下である必要がある。但し、φが±1度以下の条件では、ATカット振動子とほぼ同様の周波数温度特性しか示さないため除く。
【0046】
図6は、X辺比10.0、Z辺比6.2、プレートバック量2.5%、主振動周波数10MHzの水晶振動子について、−25℃〜+120°の温度範囲において周波数偏差の変動幅が30ppm以内となるカット角を求めたものである。●印で示した。これらの実験データは実線で示す関数曲線上に存在することがわかった。前節で示したのと同様にX辺比を5〜15まで変化させ、プレートバック量も0.5〜4%まで変化させて最適値を探索した結果、図6中△印で示す点に最適値が存在することがわかった。即ち、実線を挟む破線の領域内に最適値が存在するということになる。
【0047】
したがって、X辺比15未満の水晶振動子の場合、良好な周波数温度特性を持つθとφとの関係を求めると、
【0048】
【数10】
Figure 2004007420
【0049】
となる。ただし、θの値は、前記と同様に35.1度以下が望ましい。この望ましいカット角の範囲は、X辺比が15より小さい水晶振動子について適用することができる。
【0050】
図7は、X辺比10の水晶振動子のθ=34.5°における周波数温度特性を示したものである。図7は、横軸が温度(単位:℃)、縦軸が温度25℃のときの周波数に対する周波数偏差(単位:ppm)である。そして、図中実線で示した曲線がφ=12°のときの周波数温度特性であり、破線がφ=13°のときの周波数温度特性である。
【0051】
図に示されているように、X辺比10の条件においてはθ=34.5°で、すべてのφにおいて、−25℃〜+120℃の温度範囲にわたって良好な周波数温度特性を得ることができなかった。これは、変曲点が高くなりすぎたためであると考えられる。したがって、θの領域は、34.5度を下限とした。ただし、θ=34.5°を含まない。すなわち、θの範囲は、
【0052】
【数11】
Figure 2004007420
【0053】
とすることが望ましい。
【0054】
以上に説明したようにφ=−5°〜15.9°までの領域で、温度特性の良好な圧電振動子片を得ることができた。発明者らは、同様にφを−5度以下に回転した領域にも温度特性良好の領域があるものと考え実験を行った。図8は、X辺比25.0、Z辺比16.5、主振動周波数が21MHzの水晶振動子を用いたカット角の周波数温度特性を測定したもので、Z軸を中心としてマイナス方向に(−Z方向から+Z方向を見た場合を基準として反時計方向に)10度回転してできた面をX’軸の回りに時計方向に34.0度から35.5度(θ=34.0°〜35.5°)まで回転させて設定したときの、温度特性のθ依存性を調べたものである。なお、電極のプレートバック量は、2.0%であった。
【0055】
図8は、横軸が温度(単位:℃)であり、縦軸が温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差(単位:ppm)である。図8に示されているように、φ=−10°でθ=34.9°の場合、温度25℃のときの周波数を基準とした周波数偏差の変動幅が、−25℃〜+120℃の温度範囲において、周波数偏差の変動幅が30ppm以内の振動子が得られる。したがって、自動車用部品などのように広い温度範囲において使用される機器に、温度補償回路を設けることなく対応することができる圧電デバイスが得られる。発明者らの研究によると、図8に示した水晶振動子の周波数温度特性は、θの値が34.9度から0.3度以上ずれると、図8に一点鎖線で示したφ=−10°、θ=34.6°のように温度一次係数が大きくなりすぎるか、または同図の破線に示したφ=−10°、θ=35.2°のように2次曲線に近い特性になるかで、満足する特性が得られないことがわかった。
【0056】
図9は、X辺比25.0、Z辺比16.5、プレートバック量2.0%、主振動周波数20MHzの水晶振動子について、−25℃〜+120°の温度範囲において周波数偏差の変動幅が30ppm以内となるカット角を●印で示した。これらの実験データは実線で示す関数曲線上に存在することがわかった。前節で示したのと同様にX辺比を10〜80まで変化させ、最適値を探索した結果、図9中△印で示す点にも最適値が存在することがわかった。即ち、実線を挟む破線の領域内に最適値が存在するということになる。
【0057】
したがって、X辺比10〜80の水晶振動子の場合、良好な周波数温度特性を持つθとφとの関係を求めると、
【0058】
【数12】
Figure 2004007420
【0059】
となる条件が望ましい。
【0060】
この領域中では、角度のばらつきに対する良好な周波数温度特性が得られる領域の広さを見ると、φ=−16°以下の時には中心温度が60℃以上となるため低温領域において周波数の低下が著しくなる。従ってφの下限は、−16°が望ましい。ただし、φ=−16°を含まない。したがって、φの範囲は、
【0061】
【数13】
Figure 2004007420
【0062】
とすることが望ましい。
【0063】
また、θの領域についてはθ=35.4°で領域内の全てのφに付いて良好な温度特性を満足できなかった。これは、注目する温度領域内で2次特性を示したためである。一方、θ=34.1°では、領域内の全てのφにおいて−25℃〜+120℃の温度範囲にわたって良好な周波数温度特性を得ることができなかった。これは1次係数が高くなりすぎるためであった。したがって、θの領域は、
【0064】
【数14】
Figure 2004007420
【0065】
とすることが望ましい。
【0066】
上記のようにいわゆるダブルローテーションさせて得たカット角によって切り出された水晶板12からなる圧電振動片(水晶振動片)は、パッケージ内に封入することにより、圧電振動子として使用することができる。図10は、圧電振動子の説明図である。そして、同図(1)は同図(2)のB−B線における平面断面図であり、同図(2)はA−A線における側面断面図である。
【0067】
図10において、圧電振動子20は、パッケージ22がセラミック材料等により形成してある。そして、パッケージ22は、圧電振動片24を収納するキャビティ26を形成している。また、パッケージ22は、キャビティ26の底面に電極30および配線パターン(図示せず)を形成して、パッケージ22の裏面に形成した外部端子(図示せず)との導通を可能とする。そして、圧電振動片24を片持ち状態でキャビティ26内に実装される。具体的には、電極30の上に導電性接着剤32を塗布し、その上に圧電振動片24の接続電極34を配置して固定する。これにより、パッケージ22の底面の外部端子から、圧電振動片24の励振電極36に通電可能となる。なお、パッケージ22の上部には蓋部材38を装着して、パッケージ22の内部を窒素雰囲気等に保持する。
【0068】
また、本実施形態に係る圧電振動片は、集積回路素子と組み合わせて発振回路を形成することにより、圧電発振器として使用することができる。例えば、図10に示す圧電振動子20と図示しない集積回路素子とを、配線パターンを形成したモジュール基板上に実装することにより、圧電発振器モジュールを形成することができる。また、図10に示すパッケージ22の内部に、圧電振動片24とともに集積回路素子を封入することにより、圧電発振器パッケージを形成することができる。
【0069】
なお、本発明に係る圧電振動片は、平板状であってもよいし、コンベックス状、または圧電振動片の中央部が凹部となった逆メサ形であってもよい。
【0070】
以上に説明したように、いわゆるダブルローテーションのカット角を採用することにより、広い温度範囲において周波数を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカット角の説明図である。
【図2】X辺比が10の圧電振動子の周波数温度特性のカット角φの依存性を説明する図である。
【図3】X辺比の相違による最適カット角の違いを示す図である。
【図4】電極膜厚(プレートバック量)の違いによる周波数温度特性の違いを示す図である。
【図5】X辺比が15以上22未満の圧電振動子における良好な周波数温度特性が得られるカット角の範囲を示す図である。
【図6】X辺比が15未満の圧電振動子における良好な周波数温度特性が得られるカット角の範囲を示す図である。
【図7】X辺比が10の圧電振動子のθ=34.5°における周波数温度特性のφの依存性を説明する図である。
【図8】X辺比が25.0の圧電振動子のφ=−10°における周波数温度特性のθ依存性を説明する図である。
【図9】X辺比が10〜80未満の圧電振動子における良好な周波数温度特性が得られるカット角の範囲を示す図である。
【図10】実施の形態に係る圧電振動子の説明図であって、(1)は(2)のB−B線に沿った断面図、(2)は(1)のA−A線に沿った断面図である。
【図11】ATカット水晶板を用いた圧電振動子の周波数温度特性を示す図である。
【符号の説明】
10………水晶結晶
12………水晶板
20………圧電振動子
22………パッケージ
24………圧電振動片
30………電極
36………励振電極

Claims (7)

  1. 水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記Z軸の回りに時計方向に前記X軸を−5.0度以上且つ−1.0度未満、又は+1.0度よりも大きく(1.0度は含まない。)且つ15.9度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有し、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.6度以上且つ35.1度以下回転させたZ’軸に平行な辺を有する水晶板からなることを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片において、前記水晶板は、厚さに対する前記X’軸方向の長さが15倍以上且つ22倍未満であって、前記Z軸回りの回転角度の数値をφ、前記X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
    Figure 2004007420
    であることを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1に記載の圧電振動片において、前記水晶板は、厚さに対する前記X’軸方向の長さが15倍未満であって、前記Z軸回りの回転角度の数値をφ、前記X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
    Figure 2004007420
    であることを特徴とする圧電振動片。
  4. 水晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記Z軸の回りに時計方向に前記X軸を−15.9度以上且つ−5.0度以下回転させて設定したX’軸に平行な辺を有し、前記X’軸の回りに時計方向に前記Z軸を34.2度以上且つ35.3度以下回転させた前記Z’軸に平行な辺を有する水晶板からなることを特徴とする圧電振動片。
  5. 請求項4に記載の圧電振動片において、前記水晶版は、厚さに対する前記X’軸方向の長さが80倍未満であって、前記Z軸回りの回転角度の数値をφ、前記X’軸回りの回転角度の数値をθとしたときに、
    Figure 2004007420
    であることを特徴とする圧電振動片。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の圧電振動片からなることを特徴とする圧電振動子。
  7. 請求項6に記載の圧電振動子を備えていることを特徴とする圧電デバイス。
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