JP2004003022A - プラズマ処理容器内部材 - Google Patents

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Yoshio Harada
原田 良夫
Junichi Takeuchi
竹内 純一
Tatsuya Hamaguchi
濱口 竜哉
Masayuki Nagayama
長山 将之
Yasushi Mihashi
三橋 康至
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Abstract

【課題】耐プラズマエロージョン性に優れるプラズマ処理容器内部材と、その有利な製造方法とを提案する。
【解決手段】金属基材の表面が、Y溶射皮膜の単相か、必要に応じて、アンダーコートとして形成された金属皮膜と、そのアンダーコート上に中間層として形成された AlもしくはAl+Yの皮膜とのいずれかと、そしてその中間層の上にトップコートとして形成されたY溶射皮膜とからなる多層状複合層によって被覆されている部材。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐プラズマエロージョン性に優れるプラズマ処理容器内部材に関するものである。
とくに本発明は、ハロゲン元素を含む処理ガスのプラズマ雰囲気における、プラズマ処理で使用される、例えば、デポシールド、バッフルプレート、フォーカスリング、インシュレータリング、シールドリング、ベローズカバー、電極などに適用できる技術についての提案である。
なお、本発明はまた、単に半導体製造装置の分野のみに限られるものではなく、例えば、液晶デバイスなどのプラズマ処理容器内部品に対しても適用が可能である。以下、主に半導体製造装置の例で説明する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体および液晶デバイスなどの製造プロセスでは、処理容器内でBFやNFのようなふっ化物、BClや SnClなどの塩化物、HBr の如き臭化物をはじめとする処理ガスを使用するため、処理容器内部材が著しく腐食損耗するという問題があった。
【0003】
例えば、半導体製造装置のプラズマ処理容器内に使われている材料としては、AlおよびAl合金などの金属材料、その表面に被覆したAlの陽極酸化膜、あるいはボロンカーバイドなどの溶射皮膜、 Alや Siなどの焼結体皮膜、さらにはふっ素樹脂やエポキシ樹脂などの高分子皮膜が知られている。これらの材料は、腐食性の強いハロゲンイオンに接すると、化学的損傷を受けたり、SiO、Siなどの微粒子、およびプラズマによって励起されたイオンによってエロージョン損傷を受けることが知られている。
【0004】
とくに、ハロゲン化合物を用いるプロセスでは、反応のより一層の活性化を図るため、しばしばプラズマが用いられる。しかし、このようなプラズマ使用環境下では、ハロゲン化合物は解離して非常に腐食性の強い原子状のF、Cl、Br、Iなどを発生すると同時に、その環境中にSiOや Si、Si、Wなどの微粉末状固形物が存在すると、プラズマ処理容器内に用いられている部材が化学的腐食とともに、微粒子によるエロージョン損傷の両方の作用を強く受けることになる。
しかも、プラズマが励起された環境は、Arガスのように腐食性のない気体でもイオン化し、これが固体面に強く衝突する現象 (イオンボンバードメント) が発生するので、上記容器内に配設されている各種部材はより一層強い損傷を受けることも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した半導体製造装置のように、化学的腐食やエロージョン損傷の激しい分野で用いられる下記の従来部材については、次のような問題点があった。
(1) AlおよびAl合金を陽極酸化して耐食性を有するAl膜 (アルマイト)を生成させた材料については、ハロゲンガスを含む雰囲気中でプラズマエロージョンを受けると寿命が短いという問題がある。また、Alを含む皮膜なので、 AlFのパーティクルが発生し、製造する半導体の製品不良を招く。
(2) 部材表面に、PVD法やCVD法によって、Sc、Y、La、Ce、Yb、Eu、Dyなどの周期律表第3a族元素の酸化物、炭化物、窒化物、ふっ化物などの緻密な皮膜を形成したり、Yの単結晶を適用する技術がある (特開平10−4083号公報) 。しかし、この技術は、成膜速度が遅く生産性に劣るほか、複数の皮膜部材を同時に形成 (複合皮膜) できないという欠点がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ハロゲンガスが含まれるような環境による化学的腐食による損傷ならびにプラズマエロージョンによる損傷に対する抵抗力の大きいプラズマ処理容器等に供される表面処理部材を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来技術が抱えている上述した問題ならびに欠点を、以下に要約して述べる解決手段の採用によって克服したものである。すなわち、本発明の構成を整理すると、次の通りである。
【0008】
(1) 金属基材の表面に、溶射法によって気孔率0.2 〜10%、厚さ50〜2000 μmのY溶射皮膜のみからなる層を形成した被覆部材であること。
【0009】
(2) 環境の腐食性が強い場合、例えば、ハロゲン化合物を含む雰囲気中におけるプラズマ発生条件下の場合には、金属基材の表面に、アンダーコートとして、好ましくは溶射法により、Y溶射皮膜との密着性に優れた、Niおよびその合金、Wおよびその合金、Moおよびその合金、Tiおよびその合金の中から選ばれる1種以上の金属・合金の皮膜を、50〜500 μmの厚さに被覆し、そしてそのアンダーコートの上に、Y溶射皮膜を50〜2000μm厚さに加工して複合層を形成した被覆部材であること。
【0010】
(3) 金属基材の表面に、金属皮膜 (好ましくは溶射皮膜) をアンダーコートとして施工した後、そのアンダーコートの上に、中間層として Alの皮膜 (好ましくは溶射皮膜) を形成し、さらにその中間層の上に、トップコートとして溶射によってY溶射皮膜を形成してなる多層状複合層を形成した被覆部材であること。
【0011】
(4) 金属基材の表面に、金属皮膜 (好ましくは溶射皮膜) をアンダーコートとして施工した後、そのアンダーコートの上に、中間層として AlとYの混合物の皮膜 (好ましくは溶射皮膜) を形成し、さらにその中間層の上に、トップコートとして溶射法によってY溶射皮膜を形成した多層状複合層を形成した被覆部材であること。
【0012】
(5) 金属基材の表面に、直接またはアンダーコートや中間層を施工した上に形成するY溶射皮膜は、純度95%以上のY粉末を使用し、この粉末を大気中でプラズマ溶射するか、実質的に酸素を含まないArガスの減圧雰囲気下でプラズマ溶射するか、あるいは高速フレーム溶射法や爆発溶射法などから選ばれた溶射方法を適用して得られる溶射皮膜を被覆した部材であること。
なかでも、Arガスの減圧プラズマ溶射による方法が、耐食性の改善にも有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明者らの研究によると、従来技術が抱えている上述した課題について鋭意研究した結果、プラズマ処理容器内部材の損傷は、ハロゲンガスによる化学的腐食による損傷と、プラズマエロージョンによる損傷とが考えられる。特に、この部材がプラズマによって励起されたハロゲンを含む雰囲気中で使用される場合、耐プラズマエロージョン性を起因とする損傷を防ぐことこそが重要であり、そうすれば化学的腐食防止に対しても有効に作用するとの知見を得た。そこで、本発明では主として、耐プラズマエロージョン性に対して有効な皮膜の形成について研究した。その結果として、上掲の本発明にかかる部材を開発した。
【0014】
すなわち、その課題解決の手段として採用した本発明は、金属基材表面に、溶射法によって、Yからなる溶射皮膜を形成することを基本とする。そして、こうした部材が使用される環境の腐食性が強い場合には、前記Y溶射皮膜の下に、耐ハロゲンガス腐食性の強い特性を示す金属のアンダーコートを設けるとか、AlやYの中間層を設けて複合化させる方法である。以下、かかる本発明にかかる部材の構成について詳しく説明する。
【0015】
(1) 基材について、上記溶射皮膜の施工対象となる金属基材としては、ステンレス鋼を含む各種の鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金、タングステンおよびタングステン合金、チタンおよびチタン合金、モリブデンおよびモリブデン合金などが好適である。
なお、銅および銅合金は、プラズマエロージョンやハロゲン化合物による腐食作用によって放出され、環境汚染の原因となるので好ましくない。従って、もし装置の構成上、銅および銅合金の使用が必要な場合は、電気めっき、化学めっき、蒸着などの手段でCr、Niなどで被覆しておく必要がある。
【0016】
(2) 皮膜構成について、上記金属基材表面への皮膜の形成は、金属基材をブラスト処理した後、Yを直接に溶射して成膜するか、または、金属基材表面にまずアンダーコート層として、耐ハロゲンガス腐食性の強い金属材料からなる皮膜を、PVD処理、CVD処理もしくは溶射処理して形成し、そのアンダーコートの上にY粉末をトップコートとして溶射して複合層とすることが好ましい。この場合において、前記金属アンダーコート (溶射皮膜等) は、膜厚は50〜500 μmの範囲内とする。アンダーコート層が50μmより薄いとアンダーコートとしての作用効果が弱く、一方、500 μmを超える厚さでは効果が飽和するので肥厚化の意味がなく、得策でないからである。かかるアンダーコート用金属材料としては、ニッケルおよびニッケル合金、タングステンおよびタングステン合金、モリブデンおよびモリブデン合金、チタンおよびチタン合金などが好適である。
【0017】
一方、トップコートとなるY溶射皮膜は、金属基材表面に直接施工したものであれ、また、前記アンダーコートの上に溶射して複合層にしたものであれ、さらには中間層として Alや Al+Y皮膜を設けたものであれ、いずれの場合でも50〜2000 μmの厚さに施工することが好ましい。その理由は、50 μmより薄い層ではプラズマエロージョンによる損傷の防止に対して効果が乏しく、一方、2000 μmより厚くしても効果が飽和して経済的でないからである。
【0018】
なお、トップコートのY溶射皮膜の気孔率は、0.2〜10%の範囲がよい。0.2%以下の皮膜は溶射法では製造が困難であり、また、10%以上の気孔率の皮膜では耐食性、耐プラズマエロージョン性に劣るからである。
【0019】
(3) 部材最表面層のY溶射皮膜について本発明の最も特徴とする構成は、金属基材の最表層を、ハロゲンガスを含む雰囲気中で耐プラズマエロージョン性を示す材料としてYを採用し、これを溶射層として被覆形成するところにある。即ち、発明者らの研究によると、Yは、比重が4.84、融点が2410℃で、酸素との化学的結合力が強いため、ハロゲンガスを含む雰囲気中でプラズマエロージョン作用をうけても、安定した状態を維持することがわかった。ただし、このY純度は95%以上のものを用いることが必要であり、Fe、Mg、Cr、Al、Ni、Siなどの不純物が酸化物として含まれていると、耐エロージョン性が低下するので好ましくない。98%以上の純度のものがより好ましい。
なお、このY溶射皮膜の直下に形成させる中間層中の Alは、化学的に安定であるうえ、大気プラズマ溶射や減圧プラズマ溶射環境下においても変化が少なく、Yの耐プラズマエロージョン性を補償する作用を担うものである。
【0020】
(4) 被覆方法
a.溶射皮膜の形成
本発明においては、少なくとも最表層トップコートのY皮膜を溶射皮膜とする。そして、好ましくはこのトップコート溶射皮膜下には、この皮膜をさらに強化する意味で、全体の皮膜構成を次のような多層構造にすることが好ましい。
即ち、金属基材の表面に、金属溶射皮膜のアンダーコートを施工し、その上にAl溶射皮膜もしくは傾斜配合にかかる AlとYとの混合物溶射皮膜を中間層として施工し、さらに、その上にトップコートとして、Y溶射皮膜を形成するものである。
このような皮膜構成が好ましい理由は、金属溶射皮膜に比較して耐食性、耐プラズマエロージョン性に優れる Alを中間層として形成することで、溶射皮膜を多層構造化し、皮膜の貫通気孔を少なくして耐食性、耐エロージョン性を向上させることができるからである。しかも、中間層としての Alは、アンダーコートおよびトップコートの両方とも良好な密着性を発揮する。この意味において、中間層は、 AlとYとの混合物の層とすることがより好ましく、この場合、アンダーコート側の Al濃度を高くする一方、トップコート側ではY濃度が高くなるような傾斜配合にかかる混合層とすることが好ましい。このような中間層の形成は、溶射法を採用すると容易に施工することができるので、中間層が溶射皮膜として形成されることは好ましい実施形態といえる。なお、中間層の厚さは、トップコートのY溶射皮膜と同一の範囲が好適である。
【0021】
本発明において、金属やAl、Yの溶射皮膜を形成するには、大気プラズマ溶射法または、実質的に酸素を含まない雰囲気中でのプラズマ溶射法が好適であるが、高速フレーム溶射や爆発溶射法による施工も可能である。
【0022】
b.CVD法およびPVD法によるアンダーコート, 中間層の形成
CVD法では、所要の金属ハロゲン化合物の蒸気を、水素などによって還元析出させ、その後酸素または酸素化合物によって酸化させるが、大気中で加熱することによって、酸化物皮膜に変化させて成膜する。
一方、PVD法では、焼結体または粉末を原料とし、これに電子ビームを照射して揮散させ、これを金属基材の表面に析出させることによって成膜する。
一般に、CVD法、PVD法による皮膜の形成は、薄膜 (例えば50 μm前後)の施工に適している。
【0023】
(5) 本発明にかかる部材の使用環境について
本発明にかかる部材表面に被覆したY溶射皮膜は、ハロゲン化合物を含む雰囲気下において発生するプラズマ環境下で使用する場合に特に有用である。
【0024】
もちろん、ハロゲン元素またはハロゲン化合物を含まないN, Hなどの雰囲気下におけるプラズマエロージョン作用に対しても本発明は有効であり、この場合はとくにハロゲンを含む雰囲気に比較して、エロージョン損傷が緩やかであるので、本発明にかかる皮膜被覆部材は長期間にわたって安定した性能を発揮する。
【0025】
【実施例】
実施例1
この実施例では、アルミニウム製試験片 (寸法:幅50 mm×長50 mm×厚5 mm)の片面をブラスト処理によって粗面化した後、Y溶射材料を用いて、大気プラズマ溶射法と、Arガスで雰囲気圧力を50〜200 hPa に制御した減圧プラズマ溶射法によって、それぞれ膜厚300 μmのY溶射皮膜を形成した。
また、アルミニウム製試験片の片面に、大気プラズマ溶射法によって、Ni−20%Al合金のアンダーコートを、膜厚100 μm厚に施工したあと、前記Yをトップコートとして300 μm厚に被覆したものを作製した。
その後、これらの試験片表面に形成されているY溶射皮膜の気孔率、密着強さ、および熱衝撃試験(500℃に維持されている電気炉中で20分加熱した後、炉外にて空冷の操作を1サイクルとして10サイクル繰り返す試験) を行った。なお、比較例として、 Alの溶射皮膜についても同じ条件、同じ工程で施工したものを供試した。
【0026】
表1は、このときの試験結果をまとめたものである。本発明に適合する皮膜は、試験片の表面にY皮膜を直接被覆したもの (No.1、3)をはじめ、アンダーコートを施した上にY皮膜を形成したもの (No.2、4) を含む全ての皮膜が良好な密着性と耐熱衝撃性を示し、 Al皮膜に比較しても全く遜色がない。とくに、減圧プラズマ溶射法で形成されたY皮膜は、大気溶射法の皮膜に比較して気孔率が少ないので、良好な耐食性も期待できる。
【0027】
【表1】
Figure 2004003022
【0028】
実施例2
この実施例では、50 mm×100  mm×5 mm厚のアルミニウム製基材を用いて、表2に示すような表面処理を施した後、それぞれの基材から寸法20 mm×20 mm×5mmの試験片を切り出し、さらに表面処理面が10 mm×10 mmの範囲が露出するように他の部分をマスクし、下記条件にて20時間照射して、プラズマエロージョンによる損傷量を減肉厚さとして求めた。
(1) ガス雰囲気と流量条件
CF, Ar, Oの混合ガスを下記条件の雰囲気とした。
CF/Ar/O= 100/1000/10 (1分間当たりの流量cm
(2) プラズマ照射出力
高周波電力 : 1300 W
圧力    : 133.3 Pa
【0029】
その試験結果を表2に示した。この表2に示す結果から明らかなように、比較例の現行技術による陽極酸化皮膜 (No.8) をはじめ、BC 溶射皮膜 (No.10)は、いずれもプラズマエロージョンによる損傷量が大きく、実用的でないことがうかがえる。ただ、比較例においても Al溶射皮膜 (No.9) は比較的良好な耐プラズマエロージョン性を示した。
これに対し、本発明で用いられるY溶射皮膜は、極めて優れた耐プラズマエロージョン性を発揮し、ハロゲン化合物を含む雰囲気下においても良好な性能を維持することが認められた。
【0030】
【表2】
Figure 2004003022
【0031】
実施例3
この実施例では、幅50mm×長さ100 mm×厚5mmのアルミニウム製基材上に、アンダーコートとして80%Ni−20%Alを80μm、中間層として Al、または Al 50vol%/Y3  50vol%の混合物を 100μm、その上にYを 200 μm厚に、それぞれ大気プラズマ溶射法によって成膜した後、実施例2の条件でプラズマエロージョン試験を実施した。
その結果、本発明例は、最表層部 (トップコート) にY溶射皮膜を形成している限り、中間層として Al、 Al/Y混合物層を配設しても、耐プラズマエロージョン性には影響を受けず、20時間の照射で 6.1〜7.5 μmの消失が認められたに過ぎず、多層構造皮膜でも十分な性能を発揮することが認められた。
【0032】
実施例4
この実施例では、現行のアルミニウム製基材を陽極酸化 (アルマイト処理) した試験片と、該基材上にアンダーコートとして80%Ni−20%Alの合金皮膜を 100μm厚に被覆し、その上にトップコートとしてY皮膜を 250 μm、それぞれプラズマ溶射法によって形成した試験片を用いて、下記条件でプラズマエッチングを行い、エッチングによって削られて飛散するパーティクル粒子の数は同じチャンバー内に静置した直径8インチのシリコンウエハーの表面に付着する粒子数によって比較した。なお、付着する粒子数は表面検査装置によって調査し、概ね粒径 0.2 μm以上の粒子を対象にして行った。
(1) ガス雰囲気と流量条件
CHF、O、Arをそれぞれ下記のような混合比で流通した。
CHF/O/Ar=80/100 /160 ( 1分間当たりの流量cm
(2) プラズマ照射出力
高周波電力 : 1300 W
圧力    : 4 Pa
温度    : 60 ℃
【0033】
この実験の結果、陽極酸化 (アルマイト膜) した試験片では、プラズマ照射17.5時間後、一般的なチャンバー内のパーティクル管理値の30個を超え25時間後では 150個以上となった。このパーティクルの組成は、Al, F からなるものであった。
これに対し、本発明に適合するY溶射皮膜では、70時間照射後になって、やっと管理限界値を超える程度にとどまり、優れた耐プラズマエロージョン性を示した。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、金属基材の上に、Y溶射皮膜を直接形成するか、金属質のアンダーコートを施工した上もしくはそのアンダーコートの上にAlやAl+Yを施工した上に、Y溶射皮膜を形成した部材では、ハロゲン化合物を含むガス雰囲気下におけるプラズマエロージョン作用を受ける環境下で使用した場合に、優れた抵抗性を示す。このため、長時間にわたってプラズマエッチング作業を続けても、チャンバー内はパーティクルによる汚染が少なく、高品質製品を効率よく生産することが可能となる。また、チャンバー内のパーティクルによる汚染速度が遅くなるため、清浄化作業の間隔が長くなり、生産性の向上が期待でき、プラズマ処理容器内部材として極めて有効である。

Claims (1)

  1. 金属基材の表面がY溶射皮膜によって被覆されていることを特徴とする、プラズマ処理容器内部材。
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