JP2004002758A - 顔料分散用樹脂及びこれを含む水性顔料分散体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー、(B)ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマー、(C)(C−1)1分子中に3級アルキル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー、及び/又は(C−2)1分子中に3級アルキル基と2級の水酸基をそれぞれ1個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー、及び(D)その他のエチレン性不飽和モノマーの共重合体であることを特徴とする顔料分散用樹脂。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料に好適な顔料分散用樹脂、及び特に自動車塗装用水性上塗り塗料に好適に使用される、該顔料分散用樹脂を含有する水性顔料分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで自動車塗装用上塗塗料としては、水酸基、カルボキシル基などの官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂の如き基体樹脂(ベースポリマー)成分に、アミノ樹脂、ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの硬化剤を併用した溶剤型のものが幅広く使用されていた。
【0003】
近年、地球環境保護の観点から、揮発性有機物含有量(VOC)が低い塗料が要求されている。自動車塗装用塗料分野においては、特に、着色ベースコート用塗料が排出VOCが多いため、水性化が強く求められており、今後は溶剤型ベースコートから水性ベースコートへの切り換えが進んでいくものと考えられる。
【0004】
着色ベースコート塗料の水性化に伴う問題点としては、例えば、(1)水性塗料中に配合される顔料分散用樹脂が、水性塗料中のバインダ成分と相溶しないこと;(2)顔料分散用樹脂や分散剤が顔料を均一に分散せず、顔料が凝集(フロキュレーションまたはアグロメレーション)を起こすこと;(3)水性塗料中の顔料分散用樹脂や分散剤が焼付けによって硬化せず塗膜性能の劣化を招くこと、などが挙げられる。
【0005】
着色ベースコート塗料に使用される顔料は一般に表面が疎水性で水に濡れにくく、また、従来、溶剤型の着色塗料に用いられている顔料分散用樹脂は水に対する溶解性が低く水性媒体中での分散安定性に劣っている。したがって、水系塗料における顔料分散用樹脂の設計にあたっては、顔料の濡れ性と顔料分散用樹脂の水性媒体中での分散安定性を両立させることが重要である。
【0006】
顔料の濡れ性に関しては、顔料分散用樹脂が低粘度、低分子量であることが有利であり、分散安定化については、顔料表面での立体反発層の形成性や顔料分散用樹脂の連続相(水性媒体)への溶解性が良いことが有利であるといわれている。また、顔料表面の疎水部と顔料分散用樹脂の疎水部との相互作用による、顔料表面への顔料分散用樹脂の濡れ(顔料分散用樹脂がアルキル基など水系で弱い凝集を生じる基を有するものが有効)や顔料への吸着に関しては、顔料の濡れ性と顔料分散用樹脂の分散安定性の両方が関与しているものと考えられる。
【0007】
これまで上記の観点から水性塗料用あるいは水性インキ用の顔料分散用樹脂や助剤の開発が行われてきた。例えば、特許文献1には、顔料分散用樹脂として、(メタ)アクリル酸などの酸性官能基含有重合性不飽和単量体を単量体成分の一部として含有する単量体混合物が重合されてなる酸性官能基を有する直鎖型アニオン性重合体を用いることが提案されているが、該重合体は水性媒体への高い溶解性を有するため、顔料分散体の分散安定化という点で不十分であるとともに、それを用いて形成される分散体は著しく粘度が高く、取り扱いが困難となるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、顔料分散用樹脂として、カルボキシル基含有マクロモノマーを共重合して得られるグラフト共重合体が開示されている。該グラフト共重合体は、重合体の幹部分が疎水性であり且つ枝部分が親水性であることから、顔料の分散安定化に優れているが、該グラフト共重合体を用いて形成される顔料分散体は粘度が高く、今後、コスト面やVOC削減の観点からますます高顔料濃度の顔料分散体が必要とされることから、上記グラフト共重合体も決して満足のいくものではない。
【0009】
さらに、特許文献5、特許文献6及び特許文献7には、ポリオキシアルキレン鎖をもつノニオン系の界面活性剤を顔料分散剤として使用することが開示されているが、該界面活性剤は水系顔料分散体の中で安定に存在することはできるが、顔料への吸着性が不十分であり、特にレットダウン安定性が悪く、塗膜の仕上り外観に劣る傾向にある。
【0010】
また、現在、自動車塗装用上塗塗料においては、高度の耐久性、耐酸性、耐洗車擦り傷性、耐チッピング性などの塗膜性能はもちろんのこと、これまで以上に鮮映性、透明性、発色性などの塗膜の仕上り外観が要求されている。
【0011】
本発明者らは、これらの要求に応えるべく、先に、イオン性官能基を含有する重合性不飽和モノマー及びポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマーを共重合成分とする共重合体である顔料分散用樹脂を提案した(特許文献8、特許文献9等)。これらの顔料分散用樹脂を用いることによって、高顔料濃度においても、低粘度で、発色性に優れ、しかも塗膜の仕上がり外観に優れた水性顔料分散体を得ることができる。しかしながら、酸化チタンなどの無機顔料を分散する場合、上記顔料分散用樹脂を用いても、得られる塗膜の仕上がり性や耐候性などに不具合が生じることがある。
【0012】
【特許文献1】特開昭50−154328号公報
【0013】
【特許文献2】特開平1−182304号公報
【0014】
【特許文献3】特開平7−316240号公報
【0015】
【特許文献4】特表平10−502097号公報
【0016】
【特許文献5】特開平9−255728号公報
【0017】
【特許文献6】特開平9−267034号公報
【0018】
【特許文献7】特公平8−19201号公報
【0019】
【特許文献8】WO02/31010パンフレット
【0020】
【特許文献9】特開2003−12744
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高顔料濃度においても、濡れ性と分散安定性に優れ、低粘度で且つ発色性に優れ、塗膜の仕上り外観が良好な水性顔料分散体を得ることができる顔料分散用樹脂を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、酸化チタンなどの無機顔料の分散に特に好適であり、しかも、低粘度で且つ発色性に優れた水性顔料分散体を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、硬化性に優れ、発色性、光沢などの塗膜の仕上り外観に優れた塗膜を形成可能な水性塗料を提供することである。
【0024】
本発明のその他の目的及び特徴は以下の記述から明らかとなるであろう。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、今回、スルホン酸基を有するモノマー、ポリオキシエチレン鎖などを有する非イオン性の親水性モノマー、特定の分岐鎖を有するモノマー及びその他のエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合開始剤の存在下に共重合することにより得られる共重合体が水性塗料における顔料分散用樹脂として極めて適していることを見出し本発明を完成するに至った。
【0026】
かくして、本発明は、
(A)スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー、
(B)ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマー、
(C)(C−1)1分子中に3級アルキル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー及び/又は(C−2)1分子中に3級アルキル基と2級水酸基をそれぞれ1個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー、及び
(D)その他のエチレン性不飽和モノマー
の共重合体であることを特徴とする顔料分散用樹脂を提供するものである。
【0027】
本発明はまた、上記の顔料分散用樹脂、顔料、水性媒体、及び必要に応じて塩基性中和剤及び/又は分散助剤を含有する水性顔料分散体を提供するものである。
【0028】
本発明はさらに、上記の水性顔料分散体を含有する水性塗料組成物を提供するものである。
【0029】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0030】
【発明の実施の形態】
顔料分散用樹脂
本発明により提供される顔料分散用樹脂は、以下に述べるスルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー(A)、ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマー(B)、特定の分岐鎖を有するモノマー(C)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(D)の共重合体である。
【0031】
スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー(A)
モノマー(A)は、顔料分散用樹脂にイオン性官能基としてのスルホン酸基を導入するためのモノマー成分であり、具体的には、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド−アルカンスルホン酸;2−スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種のみ又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中、特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好適である。これらのモノマー(A)により樹脂中に導入されるスルホン酸基は、特に、無機顔料の顔料分散に効果的に作用する。
【0032】
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味するものである。
【0033】
ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマー(B)
モノマー(B)は、形成される共重合体に親水性を付与するモノマー成分であり、1分子中に、ポリオキシアルキレン鎖と重合性不飽和基を有するモノマーである。上記ポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック鎖などを挙げることができる。
【0034】
ポリオキシアルキレン鎖は、200〜3,000、好ましくは300〜2,500の範囲内の分子量を有するのが好適である。
【0035】
モノマー(B)の代表例としては、例えば、下記式(1)
CH2=C(R3)COO(CnH2nO)m−R4 (1)
式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは4〜60、好ましくは6〜50の整数であり、
nは2又は3、好ましくは2であり、ここでm個のオキシアルキレン単位(CnH2nO)は同じであっても又は互いに異なっていてもよい、
で示される化合物を挙げることができる。
【0036】
そのようなモノマー(B)の具体例としては、例えば、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中、特に、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが好適である。
【0037】
特定の分岐鎖を有するモノマー(C)
モノマー(C)は、本発明の共重合体にtert−ブチル基のような3級アルキル基を導入するためのモノマー成分であり、本発明では、1分子中に3級アルキル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー(C−1)及び/又は1分子中に3級アルキル基と2級水酸基をそれぞれ1個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー(C−2)を使用する。
【0038】
モノマー(C−1)の具体例としては、下記式(2)
【0039】
【化3】
【0040】
式中、Xは水素又はメチル基である、
で示されるモノマー等が挙げられ、また、モノマー(C−2)の具体例としては、下記式(3)
【0041】
【化4】
【0042】
式中、Xは水素又はメチル基であり、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基を表し、ただしR1とR2の合計炭素数は7である、
で示されるモノマー等が挙げられる。
【0043】
以上に述べたモノマー(C−1)及び(C−2)はそれぞれ単独で使用することができ又は両者を併用してもよい。
【0044】
その他のエチレン性不飽和モノマー(D)
その他のエチレン性不飽和モノマー(D)は、以上に述べたモノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)と共重合可能なモノマーで、これらのモノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)以外の重合性不飽和モノマーであって、顔料分散用樹脂に望まれる特性に応じて適宜選択して使用される。
【0045】
そのようなモノマー(D)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等のC1〜C24の直鎖状又は環状アルキル(メタ)アクリレートモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマー(典型的にはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー);メタクリル酸、アクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド;3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−ブチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンなどのオキセタン環含有(メタ)アクリレート;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収性重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの紫外線安定性重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができる。これらの重合性不飽和モノマーは1種のみ又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0046】
本発明に従う顔料分散用樹脂は、例えば、着色水性ベースコート用塗料の作成に用いられる場合、硬化剤成分、例えばアミノ樹脂やブロック化されてもよいポリイソシアネート化合物と反応し、架橋塗膜中にとりこまれることが塗膜性能上望ましく、そのため、上記モノマー(D)は、その成分の少なくとも一部として水酸基含有重合性不飽和モノマーを含有することが望ましい。
【0047】
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーの具体例としては、上記の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物等を挙げることができる。なかでも、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート[前記モノマー(B)以外のもの]、及び多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物が反応性などの点から好適である。例示した上記化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。水酸基含有重合性不飽和モノマーは、一般に、得られる共重合体の水酸基価が15〜75mgKOH/g、好ましくは25〜70mgKOH/g、さらに好ましくは35〜60mgKOH/gの範囲内となるような量で使用することが望ましい。
【0048】
また、本発明の顔料分散用樹脂は主として水系に用いることを目的としており、該樹脂の水分散性を確保するため、親水性の前記(B)モノマーに加えて、さらに必要に応じて、上記のその他のエチレン性不飽和モノマー(D)の少なくとも一部としてカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを用いることができる。
【0049】
本発明の顔料分散用樹脂は、以上に述べたスルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー(A)、非イオン性重合性不飽和モノマー(B)、特定の分岐鎖を有するモノマー(C)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(D)を共重合することによって得られる。共重合に際してのこれらのモノマー(A)、(B)、(C)及び(D)の使用割合は厳密に制限されるものではなく、形成される共重合体に望まれる物性等に応じて変えることができるが、一般には、モノマー(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を基準にして下記の範囲内とすることができる。
【0050】
モノマー(A):0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜4重量%、
モノマー(B):5〜50重量%、好ましくは7.5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、
モノマー(C):1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%、
モノマー(D):10〜93.9重量%、好ましくは28〜89重量%、さらに好ましくは46〜84重量%。
【0051】
上記モノマー(A)、(B)、(C)及び(D)の共重合は、それ自体既知の方法、例えば、有機溶剤中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法などの方法により行なうことができるが、なかでも溶液重合法が好適である。溶液重合法による共重合法としては、例えば、前記モノマー(A)、(B)、(C)及び(D)とラジカル重合開始剤の混合物を、有機溶媒に溶解もしくは分散せしめ、通常、約80℃〜約200℃程度の温度で、1〜10時間程度撹拌しながら加熱して重合させる方法を挙げることができる。
【0052】
共重合時に使用し得る有機溶媒としては、例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。これらの有機溶剤は1種のみ又は2種以上を組合せて使用することができる。重合反応時において、上記有機溶剤は、モノマー成分の合計量100重量部に対して、通常、400重量部以下となる範囲で使用される。
【0053】
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合開始剤;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン2,2’−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、重合性モノマーの合計量100重量部あたり、0.1〜15重量部、特に0.3〜10重量部の範囲内であることが望ましい。
【0054】
上記重合反応において、モノマー成分や重合開始剤の添加方法は特に制約されるものではないが、重合開始剤は重合初期に一括仕込みするよりも重合初期から重合後期にわたって数回に分けて分割滴下することが、重合反応における温度制御、ゲル化物のような不良な架橋物の生成の抑制、などの点から好適である。
【0055】
このようにして得られる共重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、水分散安定性、顔料分散性、粘度、VOC、樹脂の色数(着色度)などの面から、通常、重量平均分子量で500〜100,000、特に1,000〜70,000、さらに特に3,000〜50,000の範囲内にあることが好ましい。
【0056】
また、該共重合体は、一般に、15〜75mgKOH/g、好ましくは25〜70mgKOH/g、さらに好ましくは35〜60mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好ましく、さらに一般に、3〜100mgKOH/g、好ましくは5〜70mgKOH/g、さらに好ましくは10〜40mgKOH/gの範囲内の酸価を有することができる。
【0057】
以上に述べた如くして製造される共重合体からなる本発明の顔料分散用樹脂は、水性顔料分散体の作製に用いられるので、顔料への濡れ性と分散安定化を両立できるものであることが必要である。本発明の顔料分散用樹脂を構成するモノマー(A)成分は、顔料分散用樹脂の顔料への吸着を向上させることができ、特に酸化チタンなどの無機顔料への濡れ性の向上と樹脂の分散安定性の向上の両面で有利に働くことができる。また、本発明の顔料分散用樹脂を構成するモノマー(B)成分は、顔料分散用樹脂の連続相(水性媒体)への溶解性の向上に寄与し、特に顔料分散用樹脂の分散安定性の向上に有利に働くことができる。さらに、本発明の顔料分散用樹脂を構成するモノマー(C)成分は、顔料分散用樹脂を用いて得られる水性塗料による塗膜の光沢やつやなどの仕上り外観を著しく向上させるのに役立つ。
【0058】
したがって、本発明の顔料分散用樹脂は、顔料、水性媒体などと共に水性顔料分散体を調製するのに極めて有用である。
【0059】
水性顔料分散体
本発明の水性顔料分散体は、以上に述べた顔料分散用樹脂に、顔料、水性媒体、及び必要に応じて、その他の顔料分散樹脂、分散助剤、塩基性中和剤、その他の添加剤などを配合することにより調製することができる。
【0060】
上記顔料としては、例えば、アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉、ステンレス粉、クロム粉、雲母状酸化鉄、酸価チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉、光輝性グラファイト等の光輝性顔料;ピンクEB、アゾ系やキナクリドン系等の有機赤系顔料、シアニンブルー、シアニングリーンなどの有機青系顔料、ベンゾイミダゾロン系、イソインドリン系及びキノフタロン系等の有機黄色系顔料;酸化チタン、チタンイエロー、ベンガラ、カーボンブラック、黄鉛、酸化鉄、及び各種焼成顔料等の無機着色顔料等が挙げられる。また、体質顔料を含んでもよい。これらの顔料は、それ自体既知の表面処理、例えば酸・塩基処理、カップリング剤処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などが施されたものであってもよい。これらのうち、特に酸化チタンなどの無機顔料が好適である。
【0061】
これらの顔料の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、顔料分散用樹脂100重量部あたり、10〜3,000重量部、特に15〜2,000重量部、さらに特に15〜1,500重量部の範囲内にあることが、顔料分散性、分散安定性、得られる顔料分散体の着色力の面などから好ましい。
【0062】
水性媒体としては、水、または水に水溶性有機溶媒などの有機溶媒を溶解してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。ここで用いる有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノールなどの水溶性有機溶媒;キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ペンタンなどの難溶性又は不溶性有機溶剤などが挙げられる。該有機溶剤は1種のみ又は2種以上混合して使用できる。有機溶剤としては水溶性有機溶媒を主体とするものが好適である。また、水と有機溶媒との混合割合は特に制限はないが、有機溶媒の含有量は混合溶液の50重量%以下、特に35重量%以下が望ましい。水性媒体の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、顔料分散用樹脂100重量部あたり、50〜5,000重量部、特に100〜3,000重量部、さらに特に100〜2,000重量部の範囲内にあることが顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率などの面から好ましい。
【0063】
必要に応じて用いられる他の顔料分散用樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーと、その他の重合性不飽和モノマーとをラジカル重合開始剤の存在下に共重合して得られるアクリル樹脂などを挙げることができる。該アクリル樹脂としては、重量平均分子量が約2,000〜150,000、特に5,000〜100,000、酸価が5〜150mgKOH/g、特に15〜100mgKOH/g、水酸基価が10〜160mgKOH/g、特に30〜120mgKOH/gの範囲内にあるものが好ましい。
【0064】
本発明の顔料分散用樹脂(I)と他の顔料分散用樹脂(II)の使用割合(固形分)は、通常、樹脂(I)100重量部あたり、樹脂(II)5〜300重量部、特に20〜150重量部の範囲内が適当である。
【0065】
塩基性中和剤は、顔料分散用樹脂がカルボキシル基を有する場合、これを中和し、顔料分散用樹脂を水溶化ないしは水分散化するために使用されるものであって、その具体例としては、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパノール、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール、アミノメチルプロパノールなどのアミン類を挙げることができる。これらの塩基性中和剤の配合量は、顔料分散用樹脂を水溶化ないしは水分散化するのに必要な量以上であり、通常、顔料分散用樹脂中のカルボキシル基の中和当量が0.3〜1.5、特に0.4〜1.3となるような割合であることが好適である。
【0066】
必要に応じて用いられる分散助剤としては、例えば、BYK−Chemie社のDisperbyk184やDisperbyk190などを挙げることができ、また、その他の添加剤としては、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤などを挙げることができる。これらの配合量は、顔料の分散性やペーストの安定性、レットダウン安定性や塗膜性能を考慮すると、いずれも顔料分散用樹脂100重量部に対して50部以下であることが望ましい。
【0067】
水性顔料分散体は、以上に述べた各成分を、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、LMZミル、DCPパールミルなどの分散機を用いて均一に混合、分散させることにより調製することができる。
【0068】
水性塗料組成物
上記の如くして調製される水性顔料分散体は、塗料用バインダ樹脂、及び必要に応じて、水性媒体、ポリマー微粒子、硬化触媒、塩基性中和剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、塗面調整剤、酸化防止剤、流動性調整剤、シランカップリング剤等の添加剤等を配合し、水性媒体中に安定に分散せしめることによって水性塗料組成物とすることができる。
【0069】
上記塗料用バインダ樹脂としては、水溶性ないしは水分散性塗料の分野で通常使用できる基体樹脂と硬化剤の組合せが包含され、基体樹脂としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有共重合体樹脂、カルボキシル基含有高酸価樹脂などが挙げられ、硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物などを挙げることができ、これらは1種のみ又は2種以上組合せて使用することができる。
【0070】
上記水酸基含有アクリル樹脂としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーと、その他の重合性不飽和モノマーとをラジカル重合開始剤の存在下に共重合して得られる、重量平均分子量が約2,000〜100,000程度、特に5,000〜50,000の範囲内にあるものが好ましい。
【0071】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸成分との縮合反応によって得られる、重量平均分子量が約1,000〜100,000、特に1,500〜70,000の範囲内にあるものが好ましい。
【0072】
硬化剤として用いられる上記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂が一般的で、なかでもメチロール化メラミン樹脂やメチロール化メラミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化してなるメラミン樹脂が好適であり、特に水溶性ないしは水分散性を有するものが適しているが水不溶性のものも使用できる。
【0073】
上記メラミン樹脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE−60、ユーバン225(以上、いずれも三井化学社製、商品名)、スーパーベッカミンG840、スーパーベッカミンG821(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;スミマールM−100、スミマールM−40S、スミマールM−55(以上、いずれも住友化学社製、商品名)、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370(以上、いずれも三井サイテック社製、商品名)、ニカラックMS17、ニカラックMS15(以上、いずれも三和ケミカル社製、商品名)、レジミン741(モンサント社製、商品名)等のメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル235、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130(以上、いずれも三井サイテック社製、商品名)、スマミールM66B(住友化学社製、商品名)等のメチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂;サイメルXV805(三井サイテック社製、商品名)、ニカラックMS95(三和ケミカル社製、商品名)等のメチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
【0074】
硬化剤として使用できる前記ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物は、フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びイソシアネート基がブロック化されたポリイソシアネート化合物の両者を包含する。
【0075】
フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることができる。
【0076】
フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の市販品としては、例えば、バーノックD−750、バーノック−800、バーノックDN−950、バーノックDN−970、バーノックDN−15−455(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製)、デスモジュールL、デスモジュールN、デスモジュールHL、デスモジュールN3390(以上、いずれも住友バイエルウレタン社製、商品名)、タケネートD−102、タケネート−202、タケネート−110、タケネート−123N(以上、いずれも武田薬品工業社製、商品名)、コロネートEH、コロネートL、コロネートHL、コロネート203(以上、いずれも日本ポリウレタン工業社製、商品名)、デュラネート24A−90CX(旭化成工業社製、商品名)等が挙げられる。
【0077】
イソシアネート基がブロックされたポリイソシアネート化合物としては、上記したフリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル又はメルカプタン等の公知のブロック剤でブロックしたものが挙げられる。これらの代表的な市販品の例としては、バーノックD−550(大日本インキ化学工業社製、商品名)、タケネートB−815−N(武田薬品工業社製、商品名)、アディトールVXL−80(ドイツ国、ヘキスト社製、商品名)、コロネート2507(日本ポリウレタン工業社製、商品名)、デスモデュールN3500(住友バイエルウレタン社製、商品名)等が挙げられる。
【0078】
前記必要に応じて使用される水性溶媒としては、前記顔料分散体を製造する際に必要に応じて使用される水性媒体として説明したものの中から適宜選んで用いることができる。
【0079】
前記ポリマー微粒子は、本発明の塗料組成物中で溶解せず微粒子として分散するポリマーであり、通常、平均粒子径が0.01〜1μm、特に0.05〜0.8μmの範囲内のものが好適である。該ポリマー微粒子は、粒子内部が架橋されていても又はされていなくてもよいが、内部架橋されたものが望ましい。該ポリマー微粒子としては、塗料分野において、塗料の流動性調整剤としてそれ自体既知のものを使用できる。
【0080】
前記硬化触媒としては、硬化剤としてブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物を用いる場合には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属触媒;トリエチルアミン、ジエタノールアミン等などのアミン類などを好適に使用することができ、硬化剤としてメラミン樹脂などのアミノ樹脂を用いる場合には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸化合物やこれらのスルホン酸化合物のアミン中和物などを好適に使用することができる。
【0081】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリシレート系、蓚酸アニリド系などの化合物を挙げることができ、前記紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物などを挙げることができる。
【0082】
本発明の水性塗料組成物は、着色顔料、メタリック顔料、干渉色顔料などの各種顔料を配合した着色塗料組成物(メタリック塗料、干渉色塗料も包含する)として使用することができ、なかでも自動車塗装用上塗り塗料(着色ベースコート)として好適に使用することができる。
【0083】
本発明の塗料組成物は、常法により各種の被塗物に塗装することができ、通常、約80〜約180℃の温度で、10〜60分間程度焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。短時間焼付けする場合には、例えば、素材到達最高温度が約180℃〜約250℃となる条件で約20秒〜60秒間焼付けることによっても硬化塗膜を形成することができる。
【0084】
本発明の塗料組成物を塗装することができる被塗物は、特に限定されるものではなく、例えば、鋼板、アルミニウム、錫などの金属基材;モルタル、セメント、プラスチックス、ガラスなどのその他基材;これらの基材に表面処理及び/又は塗膜形成を施したものなどを挙げることができるが、なかでも、金属基材、特に鋼板を基材としたものや、プラスチックスを基材としたものを好適に使用することができる。
【0085】
上記鋼板としては、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、鉛−錫合金メッキ鋼板(ターンシート);鉄−亜鉛、アルミニウム−亜鉛、ニッケル−亜鉛などの亜鉛合金メッキ鋼板などを挙げることができる。また、表面処理を施した鋼板としては、上記鋼板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理などの化成処理を施した鋼板を挙げることができる。
【0086】
また、塗膜形成を施した被塗物としては、基材に必要に応じて表面処理を施し、その上にプライマー塗膜を形成したもの、該プライマー塗膜の上に中塗り塗膜を形成したものなどを挙げることができる。
【0087】
本発明の塗料組成物を自動車塗装用上塗り塗料として使用する場合、被塗物の代表例としては、化成処理した鋼板にプライマ−を電着塗装し、必要に応じて中塗り塗料を塗装したもの、各種プラスチック基材(必要に応じて、表面処理、プライマ−塗装、中塗り塗装等を行ったもの)、これらのものが組み合わさった複合部材等が挙げられる。
【0088】
上記電着塗装のための塗料としては、アニオン型及びカチオン型のいずれでもよいが、防食性の良好なカチオン型が望ましい。カチオン電着塗料としてはそれ自体既知のものを用いることができ、例えば、樹脂成分として水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂とブロックポリイソシアネート化合物などの硬化剤を含むものなどを好適に使用することができる。
【0089】
本発明の水性塗料組成物は、被塗物上への1コート1ベーク用の着色塗膜形成用組成物、被塗物上への2コート1ベーク(2C1B)、2コート2ベーク(2C2B)、3コート1ベーク(3C1B)、3コート2ベーク(3C2B)又は3コート3ベーク(3C3B)方式などにおける上塗着色ベース塗料組成物などとして好適に使用することができる。
【0090】
本発明の塗料組成物を自動車の上塗着色塗料として使用する場合、例えば、電着塗膜などのプライマ塗膜上に、又はプライマ塗膜上に塗装された未硬化もしくは硬化された中塗塗膜上に、例えば、静電霧化塗装(ベル型等)、エアスプレー塗装等の手段により、乾燥膜厚が通常、約10〜約60μmとなるように塗装し、数分間室温に放置するか、約50〜約80℃の範囲で数分間強制乾燥するか、約120〜約180℃程度の温度で通常、約10〜約60分間焼付けることによって上塗着色塗膜を形成することができる。また、上記のように塗装された未硬化又は硬化された上塗着色塗膜上に、上塗クリヤ塗料を例えば静電霧化塗装(ベル型等)、エアスプレー塗装等の手段により、乾燥膜厚が通常、約20〜約100μmとなるように塗装し硬化させることによって上塗り複層塗膜を形成することもできる。
【0091】
上記上塗着色塗膜上に塗装される上塗クリヤ塗料としては、架橋性官能基(例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基など)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの少なくとも1種の基体樹脂と、この基体樹脂を架橋硬化させるためのアルキルエーテル化したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロック化されてもよいポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、カルボキシル基含有化合物などの少なくとも1種の架橋剤とからなる上塗クリヤ塗料が好適であり、基体樹脂と架橋剤との配合比率は、両者の合計に基づいて、通常、基体樹脂成分が50〜90重量%、架橋剤成分が10〜50重量%であることが望ましい。これらの上塗りクリヤ塗料組成物の形態としては、特に制限されるものではなく、有機溶剤型、非水分散液型、水溶液型、水分散液(スラリー)型、ハイソリッド型、粉体型など任意の形態のものを使用することができる。
【0092】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、特に断らない限り「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0093】
顔料分散用樹脂の製造
実施例1
撹拌機、温度計及び還流冷却管を備えた通常のアクリル樹脂反応槽に、エチレングリコールモノブチルエーテル38部及びイソブチルアルコール12部を仕込み、加熱撹拌して95℃に保持した。この中に、メチルメタクリレート46部、n−ブチルアクリレート15部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、「NFバイソマーS20W」(第一工業製薬(株)製、商品名、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートの50%水希釈品、分子量約2080)40部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1.5部、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製、商品名、モノマー(C−1)に該当)7.5部、アゾビスイソブチロニトリル1部及びイソブチルアルコール5部からなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃で30分間熟成し、次に、エチレングリコールモノブチルエーテル20部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部からなる追加触媒混合液を1時間かけて滴下した。ついで95℃で1時間熟成したのち冷却し、固形分50%の顔料分散用樹脂(A−1)溶液を得た。
【0094】
実施例2〜5及び比較例1、2
上記実施例1において、後記表1に示す配合とする以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の顔料分散用樹脂溶液(A−2)〜(A−5)ならびに比較用の顔料分散用樹脂溶液(AC−1)及び(AC−2)を得た。これらの顔料分散用樹脂溶液の固形分及び顔料分散用樹脂の樹脂酸価を下記表1に示す。なお、下記表1における(注1)は、下記の意味を有する。また、表1において「NFバイソマーS20W」の量は固形分量で示す。
(注1)「アクリットM−201」:大成化工社製、商品名、モノマー(C−2)に該当する。
【0095】
【表1】
【0096】
水性顔料分散体の作製
実施例6〜10及び比較例3、4
上記実施例1〜5及び比較例1、2で得た各顔料分散用樹脂溶液及び顔料と、さらに脱イオン水及び湿潤分散剤を用い、下記表2に示す組成配合にて、ディゾルバーにて30分間分散して各水性顔料分散体(B−1)〜(B−5)ならびに(BC−1)及び(BC−2)を得た。なお、下記表2における(注2)〜(注4)は、それぞれ下記の意味を有する。
(注2)JR903:テイカ(株)社製、商品名、無機系チタン白顔料
(注3)SN−122NSK:サンノプコ社製、商品名、消泡剤
(注4)BYK−180:ビックケミー・ジャパン社製、商品名、湿潤分散剤
【0097】
【表2】
【0098】
塗料用基体樹脂の合成
合成例1
攪拌機、温度計、精留塔、窒素導入管、還流冷却器などを備えた反応槽に、イソフタル
酸317.8部、ヘキサヒドロフタル酸196.5部、アジピン酸372.6部、ネオペンチルグリコール268部、1,6−ヘキサンジオール217.8部、トリメチロールプロパン263.5部を仕込み、窒素ガス導入下で加熱攪拌して、160℃に達してから3時間かけて235℃まで昇温した。その後、同温度で1.5時間保持し、精留塔を還流冷却器に切り換え、トルエン100部を導入し還流下にて反応を続けた。同温度で6時間反応させた後、減圧下トルエンを除去し、170℃まで冷却して無水トリメリット酸122.5部を添加した。そのまま170℃で30分間保持した後、ブチルセロソルブ322部を添加してその後80℃まで冷却した。次いでN,N−ジメチルアミノエタノール4部を加え、そのまま80℃で30分間保持した後、50℃まで冷却し脱イオン水2200部を加えて30分間攪拌し、固形分濃度45%のポリエステル樹脂溶液(P−1)を得た。
【0099】
水性塗料組成物の製造
実施例11
実施例6で得た水性顔料分散体(B−1)131.8部、合成例1で得たポリエステル樹脂溶液(P−1)153.5部、「MS−25」(三和ケミカル(株)製、商品名、メチル・n−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂溶液)37.5部及び「WS−314」(共栄社製、商品名、表面調整剤)0.83部を加え、さらにジメチルエタノールアミン0.8部及び脱イオン水88部を加えて、固形分約44%、粘度35〜40秒(フォードカップ#4/20℃)、pH約8.5の着色水性塗料組成物を得た。
【0100】
実施例12〜15及び比較例5、6
実施例11において、配合組成を表3に示すとおりとする以外は実施例11と同様に操作し、各着色水性塗料組成物を得た。
【0101】
これら各着色水性塗料組成物を用いて、下記試験塗板の作製方法に基づき各試験塗板を作製した。
【0102】
試験塗板の作製方法
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmの冷延ダル鋼板上に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を乾燥膜厚が約20μmとなるように電着塗装し焼付けた電着塗膜上に、自動車用ポリエステル樹脂系中塗り塗料を乾燥膜厚が約20μmとなるように塗装し焼付けた。この塗装板を#400のサンドペーパーで水研、水切り乾燥し、石油ベンジンで脱脂した。ついでこの脱脂板上に、脱イオン水で粘度約25秒(フォードカップ#4/20℃)に粘度調整した上記各着色水性塗料組成物を、エアスプレーを用い、乾燥膜厚が約35μmとなるように塗装し、室温で5分間放置後、電気熱風乾燥器にて140℃で30分間焼付けて各試験塗板を作製した。
【0103】
これらの試験塗板について下記試験方法に基づいて種々の試験を行った。その試験結果を表3に併せて示す。
【0104】
試験方法
(*1)光沢:「マイクロ−トリ−グロス光沢計」(JISZ8741)を用いて、各塗膜の60度鏡面反射率を測定した。
(*2)HAZE:「BYKマイクロヘイズメーター」(JISZ8741)を用いて、各塗膜のHAZE値を測定した。数値が小さいほど良好であることを示す。
(*3)塗膜外観:塗膜の仕上がり外観をツヤ感、肉持ち感から総合的に調査し次の基準で評価した(○:良好、△:不良、×:著しく不良)。
(*4)耐候性:各試験塗板を、「スーパーキセノンウエザーメーター」(スガ試験機社製、耐候試験機)を用いて、JISK56007−7に準じ促進耐候試験を行った。試験開始から1500時間経過後の60度光沢の保持率を調べた。数値が大きいほど耐候性が良好なことを示す。
【0105】
【表3】
【0106】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明の顔料分散用樹脂を使用することによって、高顔料濃度においても濡れ性と分散安定性に優れ、低粘度で且つ発色性に優れた水性顔料分散体を得ることができる。また、この水性顔料分散体を使用することによって、顔料の発色性、塗膜の仕上がり外観ならびに耐候性、その他の物理的性質等の塗膜性能に優れ、しかも、顔料の分散安定性が良好で高顔料濃度化が可能な塗料組成物を得ることができる。
Claims (16)
- (A)スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー、
(B)ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン性重合性不飽和モノマー、
(C)(C−1)1分子中に3級アルキル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー及び/又は(C−2)1分子中に3級アルキル基と2級水酸基をそれぞれ1個有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマー、及び
(D)その他のエチレン性不飽和モノマー
の共重合体であることを特徴とする顔料分散用樹脂。 - スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー(A)が(メタ)アクリルアミド−アルカンスルホン酸及びスルホアルキル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- スルホン酸基を含有する重合性不飽和モノマー(A)が2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- 非イオン性重合性不飽和モノマー(B)が式(1)
CH2=C(R3)COO(CnH2nO)m−R4 (1)
式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは4〜60の整数であり、nは2又は3であり、
ここでm個のオキシアルキレン単位(CnH2nO)は同じであっても又は互
いに異なっていてもよい、
で示される化合物である請求項1に記載の顔料分散用樹脂。 - 非イオン性重合性不飽和モノマー(B)がポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- その他のエチレン性不飽和モノマー(D)がその成分の少なくとも一部として水酸基含有重合性不飽和モノマーを含有する請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- その他のエチレン性不飽和モノマー(D)がその成分の少なくとも一部としてカルボキシ基含有重合性不飽和モノマーを含有する請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- 共重合体が、モノマー(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を基準にして、モノマー(A)0.1〜10重量%、モノマー(B)5〜50重量%、モノマー(C)1〜30重量%、及びモノマー(D)10〜93.9重量%を共重合することにより得られるものである請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- 共重合体が500〜100,000の範囲内の重量平均分子量を有する請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- 共重合体が15〜75mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する請求項1に記載の顔料分散用樹脂。
- 上記請求項1に記載の顔料分散用樹脂、顔料、水性媒体及び必要に応じて塩基性中和剤及び/又は分散助剤を含有する水性顔料分散体。
- 顔料が無機顔料である請求項13記載の水性顔料分散体。
- 請求項13に記載の水性顔料分散体を含有する水性塗料組成物。
- 請求項15に記載の水性塗料組成物を用いて塗装された物品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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