JP2004000645A - 医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステムを提供する。
【解決手段】患者の体腔内に挿入される医療用カプセル装置1は照明装置12による照明光で照明された部位を観察装置11を構成するCCD等の撮像素子で撮像し、光電変換された信号を処理回路25に送り、映像信号に変換処理した後、発信回路24に送り、搬送波で変調してアンテナ26から電波で患者の体外の体外システム30側に送信する構成とすることにより、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、体腔内に留置して観察機能を働かすことができるようにしている。
【選択図】 図3
【解決手段】患者の体腔内に挿入される医療用カプセル装置1は照明装置12による照明光で照明された部位を観察装置11を構成するCCD等の撮像素子で撮像し、光電変換された信号を処理回路25に送り、映像信号に変換処理した後、発信回路24に送り、搬送波で変調してアンテナ26から電波で患者の体外の体外システム30側に送信する構成とすることにより、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、体腔内に留置して観察機能を働かすことができるようにしている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内に留置され、生体内の情報の検出、医療処置等を行うめの医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
体内に留置される医療用カプセル或いはカプセル装置の従来例としては、特開平6−63030号公報があり、体内に留置されるカプセルに内蔵された各種機能手段に電源を供給する内蔵バッテリを有し、内蔵バッテリは、カプセルに着脱可能な体内から体外に延びる導線を通して、体外にある外部電源から電源の補給を行うものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−63030号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この特開平6−63030号公報の従来例では、カプセルに内蔵されたバッテリに電力を補給する際に、導線が経口的もしくは経皮的に患者の体内に挿入されるため、患者に不自由を強いたり、患者の苦痛が大きかった。
【0005】
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
を具備したことにより、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図2は電磁発電機を示し、図3は医療用カプセル装置の電気系のブロック構成を示し、図4は医療用カプセルシステムの構成を示す。
【0008】
図1に示すように生体内に留置される医療用カプセル装置1は、気密構造で透明な球体状の外殻カプセル2と、この外殻カプセル2に同心状に内蔵される同じく球体状の内部カプセル3の二重のカプセル構造となっている。内部カプセル3は、内部カプセル支持部材として、例えば半円形状の梁4によって、内部カプセル3の中心Oを通る軸上で支えられるようにしている。
【0009】
この内部カプセル3は、該内部カプセル3の中心Oを通る1つの回転軸5を中心に回動することができるように梁4で支持されている。つまり、内部カプセル3は回転軸5上に位置する半球状の梁4に取り付けたピン6と、このピン6と反対側で回転軸5上に位置するように内部カプセル3に内蔵されている電磁モータ7から内部カプセル3の外側に突出し、梁4に取り付けられたモータ回転軸8とによって、梁4により回転可能に支持されている。この回転軸5は半球状の梁4の中心を通るようにも設定されている。
【0010】
上記内部カプセル3の中心Oを通り回転軸5と直交する軸上となる梁4の位置(図1では上部或いは頂部)には電磁モータ9が固定されており、この電磁モータ9のモータ回転軸10は、内部カプセル3表面の法線方向を向いている。そして、この電磁モータ9のモータ回転軸10は、内部カプセル3の中心Oと外殻カプセル2の中心が一致する位置で外殻カプセル2に固定されている。
【0011】
この構成により、内側の内部カプセル3は、外側の外殻カプセル2内で、その中心Oが一致する状態で、直交する二つの電磁モータ7、電磁モータ9を回転駆動することによって自由に姿勢を変えることができる。
【0012】
内部カプセル3内には、観察を行う機能を備えた観察装置11、照明を行う機能を備えた照明装置12、内部カプセル3を回転駆動することにより、その姿勢を変える電磁モータ7、発電手段として電磁的に発電を行う電磁発電機13、これら観察装置11等の動作制御等を行う電子回路が形成された回路基板14、電磁発電機13で発電された電気エネルギを蓄積する蓄電手段としての蓄電池15がそれぞれ設けられている。これらの内蔵物は、内部カプセル3の内面にそれぞれとりつけられており、内部カプセル3全体の重心が内部カプセル3の中心(以下に説明する重り17がない場合)にくるように配置されている。
【0013】
この電磁発電機13は、その回転軸16が回転することによって電力を発生するものであり、この電磁発電機13は、そのステータ側が回転軸16が回転軸5上となるように内部カプセル3内に固定されている。また、この回転自在の回転部材としての回転軸16には、(その重心の位置を偏心させる偏心体として)例えば円板形状で金属製で質量を有する重り17が回転軸16に対して偏心した状態で取り付けられている。
【0014】
この重り17は例えばステンレススチール等のように比重が大きい金属、つまり小さい体積でその質量を大きくできる質量体である。この他に医療用カプセル装置1のサイズに応じて,プラスチック製、或いはセラミックス製等の質量体でも重り17を形成することもできる。
【0015】
図2は、電磁発電機13の構成を示している。図2(A)は電磁発電機13のの回転軸16に重り17を偏心させてとりつけている状態を斜視図で示し、図2(B)は電磁発電機13の内部構成を示している。電磁発電機13の内部は、ステータ側となる永久磁石18がN極、S極が交互に回転軸16を向く方向に、円周上に例えば4つ固定されている。
【0016】
ステータ側に対し、回転自在の回転軸16には、電磁コイル19が、例えば4つ均等にとりつけられている。永久磁石18がつくる磁界の中を回転軸16と共に電磁コイル19が回転することによって、電磁コイルに誘導起電力が生じ、電磁発電機13が起電力を発生することになる。
【0017】
そして、重り17を取り付けない状態では、この回転軸16の延長線(つまり回転軸5)上に回転部材の重心が位置し、回転軸16に偏心して取付けられた重り17により、その重心位置が重り17の重心位置側に移動し、回転軸16から移動した位置に応じて重力による回転力が回転部材(具体的には回転軸16及び電磁コイル19)に作用し、各電磁コイル19が永久磁石18による磁束を横切ることにより電磁コイル19には交流の起電力が発生するようにしている。
【0018】
観察装置11と照明装置12は、並設して内部カプセル3内面にとりつけられており、その部分の内部カプセル壁は光が透過できるよう透明になっている。観察装置11と照明装置12は、内部カプセル3の回転軸5から最も遠い内部カプセル3内面にとりつけられている。この位置にとりつけることにより、電磁モータ7、9の回転によって全球面の任意の方向(但し、電磁モータ9に対向した状態での視野方向を除く)の観察ができるようにしている。
【0019】
図3は本医療用カプセル装置1の各機能部品の接続状態を示している。医療用カプセル装置1が動くことにより、電磁発電機13の回転軸16にとりつけられた重り17が回転軸16を回転させ、電磁発電機13が交流電力を生成する。発生した交流電力は、回路基板14上に設けられた整流回路20に入力され、整流されて直流にされた後、充電可能な二次電池としての蓄電池15に入力され、蓄電される。
【0020】
この蓄電池15に蓄えられた直流電力は回路基板14上の電源回路21に入力され、電圧が変換される等して観察装置11、照明装置12、電磁モータ7、電磁モータ9及び回路基板14上の各回路の駆動用に使用される。
【0021】
回路基板14上の制御回路22は、観察装置11、照明装置12、電磁モータ7、電磁モータ9、整流回路20、受信回路23、発信回路24、処理回路25及び電源回路21の制御を行う。照明装置12は、生体内の患部等の観察のため、その部位を照らす。このため、内部にランプ或いはLED等の発光素子或いは発光手段を有する。
【0022】
観察装置11はその部位の映像を捉え、その情報を処理回路25に送る。具体的には、観察装置11は、結像する対物光学系とその結像位置に配置されたCCD等の撮像素子を有し、撮像素子で光電変換された映像情報としての撮像信号を処理回路25に送る。
【0023】
この処理回路25はその映像情報を変換して、映像信号にして制御回路22を経て発信回路24に送り、発信回路24はその映像信号を高周波の搬送波信号で変調等してアンテナ26から、電波として発信する。そして患者の体外にある体外システム30側に伝送できるようにしている。
【0024】
また、制御回路22は蓄電池15の端子電圧を検出するなどして、その蓄電された容量、或いは充電率等を監視する。そして、その容量、充電率に対応する信号を発信回路24を経てアンテナ26から電波として発射する。
【0025】
また、アンテナ26は受信回路23と接続され、図4に示す体外システム30側から送信される搬送波の周波数を選択する同調回路と、変調された信号成分を取り出すための検波回路或いは復調回路とを有し、復調された信号を制御回路22に出力する。制御回路22は受信回路23から入力される信号を監視し、その信号に対応した動作を行うように医療用カプセル装置1の各部の動作を制御する。
【0026】
図4は医療用カプセル装置1と体外システム30とからなる医療用カプセルシステム29を示す。患者27の生体内にある医療用カプセル装置1全体は体外システム30によって制御される。
【0027】
この体外システム30は、医療用カプセル装置1を制御する機能を備えたパソコン本体31と、このパソコン本体31に接続され、コマンド、データ等の入力を行うキーボード32と、パソコン本体31に接続され、画像等を表示する表示手段としてのモニタ33と、パソコン本体31に接続され、医療用カプセル装置1を制御する制御信号の発信及び医療用カプセル装置1からの信号を受信するアンテナ34とを有する。
【0028】
この医療用カプセル装置1を制御する制御信号は、キーボード32からのキー入力或いはパソコン本体31内のハードディスク等に格納された制御プログラムに基づいて生成され、パソコン本体31内の発信回路を経て所定の周波数の搬送波で変調され、アンテナ34から発信される。
【0029】
そして、医療用カプセル装置1の回路基板14上のアンテナ26によって受信され、受信回路23の同調回路によりその搬送波が選択的に抽出され、検波等されて制御信号が復調され、制御回路22に入力される。制御回路22は、その入力された信号を制御回路22内のROM等に記録されたコマンド等の情報を参照することにより、制御信号に対応するコマンドの解釈を行い、医療用カプセル装置1の各構成回路等を制御する。
【0030】
体外システム30は、医療用カプセル装置1の観察装置11からの映像信号、蓄電池15の充電率等の情報を受け取り、モニタ33上に表示し、操作者に伝える。蓄電池15の容量が不足している場合は、患者に適度な運動をさせ、電磁発電機13を稼動させ、蓄電池15を充電させる。
【0031】
本実施の形態の医療用カプセル装置1による動作を以下に説明する。図3に示すように、患者27の例えば胃35内部を長時間にわたり観察する必要がある場合には、患者が容易に飲み込み可能な大きさの球形状の医療用カプセル装置1を患者27に飲み込んで貰い、胃35内に留置された状態にする。
【0032】
胃35内の観察が終了した後は医療用カプセル装置1は、胃35や腸などの蠕動運動によって、十二指腸、小腸、大腸を経由し、肛門から取り出される。この間、医療用カプセル装置1は消化管全体の内部を観察することが可能である。
【0033】
図3に示す胃35内部に留置された状態になるまでに、医療用カプセル装置1は食道内を移動する際等に電磁発電機13の回転軸16に偏心して取り付けた重り17が揺動等して交流電力を発生し、整流回路20を経て蓄電池15を充電することになる。
【0034】
長時間体内に留置する場合にはその留置を行う前に、医療用カプセル装置1を回転させる等してその蓄電池15の充電率がほぼ100パーセント付近に設定しておくとさらに良い場合がある。
【0035】
そして、胃35内部を観察する必要がある場合には、例えばキーボード32から観察開始のコマンドに対応するキー入力を行い、アンテナ34を経て電波で放射し、医療用カプセル装置1側に送る。医療用カプセル装置1では制御回路22は受信回路23を経て入力される信号を監視し、動作開始の信号を検出すると、照明装置12、観察装置11、処理回路25,発信回路24等を動作状態、つまりこれらに駆動電力を供給する状態にする。
【0036】
照明装置12は観察装置11の視野方向に照明光を出射し、照明された部分の視野範囲の像が観察装置12の撮像素子に結像され、光電変換された後、処理回路25で映像信号に変換され、発信回路24で変調され、アンテナ26から電波で放射される。
【0037】
この電波は体外システム30のアンテナ34で受信され、パソコン本体31内の受信回路で復調され、パソコン本体31内のA/Dコンバータでデジタル信号に変換され、メモリに格納されると共に、所定の速度で読み出されモニタ33に撮像素子で撮像された画像がカラー表示される。操作者或いは術者はこの画像を観察することにより、患者27の胃35内部を観察することができる。
なお、この画像は図示しない画像記録装置に記録することもできるようにしている。
【0038】
また、観察方向を変える場合にはキーボード32の電磁モータ7或いは9の動作に対応付けられたキー等を操作することにより,電磁モータ7或いは9を回転させることができ、外殻カプセル2に対して内部カプセル3を回転させて、その回転により観察及び照明方向を変えて、つまり姿勢を変えて操作者の望む任意の方向への照明及び観察が可能になる。
【0039】
患部等の注目する部位を観察できる状態に保持するには,静止のコマンドに対応するキー入力を行うことにより、2つの電磁モータ7、9のモータ回転軸8、10は図示しないブレーキ機構で回転しない状態に設定される。このブレーキ機構として、電磁モータ7、9が電磁発電機13と同様の構造である場合には、それらの電磁コイルの両端を短絡する状態に設定して,その電磁制動により静止状態を保持させるものでも良い。
【0040】
対象部位の観察を行った後、観察を行わない場合には観察終了に対応するキー入力を行うことにより、その信号が医療用カプセル装置1側に送られ、制御回路22はこのコマンドを判断すると、観察動作の停止に対応する制御を行う。
【0041】
具体的には、照明装置12、観察装置11、処理回路25,発信回路24に電源回路21から駆動電力が供給されない状態にする。この場合、受信回路23及び制御回路22は動作状態を維持する。また、電磁モータ7及び9の少なくとも電磁モータ7は回転可能な状態に設定され(ブレーキ解除)、重り17により電磁発電機13で発生した交流電力は整流回路20を経て蓄電池15を充電する状態を維持する。
【0042】
従って、次に使用するまでの間(時間)に蓄電池15は充電されるので、導線等を介して電力の補給を行うことが殆ど必要としない。このため、このような補給の際に患者に不自由或いは苦痛を強いることを解消でき、長時間生体内に留置して使用できる。
【0043】
本実施の形態は以下の効果を有する。
医療用カプセル装置1が障害物に当たり、姿勢を変えられない場合でも、内部カプセル3が自由に向きを変えられるため、効率よく観察ができる。
【0044】
また、医療用カプセル装置1が二重構造になっているため、観察のための距離が確保されており、観察対象部位が観察装置11に近すぎて焦点が合わなかったり、赤玉になったりすることがなく、快適な観察ができる。
【0045】
さらに、電磁発電機13を内蔵していることで、導線等により外部から電力の補給を行うことをしないでも、長時間留置して生体内部の観察等に使用でき、従って特に電力の補給の際に患者に与える苦痛も少なくすみ、患者の行動範囲を制限しない。
【0046】
(第1の実施の形態の変形例)
なお、第1の実施の形態における電磁モータ7、9は静電モータや超音波モータでも良い。
また、電磁発電機13の構成は、永久磁石と電磁コイルからなるものならば特に限定されない。
【0047】
電磁発電機13は、回転エネルギを電気エネルギに変換するものであれば、他の発電機でも良い。
外殻カプセル2は、内部カプセル3が自由に姿勢を変えられる形状であれば、特に球体である必要はない。
【0048】
内部カプセル3は、内部カプセル3が外殻カプセル2内で自由に姿勢を変えられる形状であれば、特に球体である必要はない。
観察装置11、照明装置12に加えて、処置を行う処置手段として例えばレーザ光により治療を行うレーザ治療装置或いはレーザ照射装置を設けても良い。
【0049】
また、蓄電を行う蓄電手段は蓄電池15に限定されるものでなく、ニッケル・カドニュウム電池、ニッケル・水素電池等の二次電池でも良いし、コンデンサ等でも良い。
【0050】
(第2の実施の形態)
図5ないし図7は本発明の第2の実施の形態に係り、図5は第2の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図5は図5の右側から電磁発電機をみた様子を示し、図7はこの実施の形態が管腔臓器内で移動しやすいことを示す説明図である。
【0051】
図5に示す第2の実施の形態の医療用カプセル装置41は円筒形状の外殻カプセル42と、この外殻カプセル42の内側に回転自在に配置された円筒形状の内部カプセル43を有する。
外殻カプセル42及び内部カプセル43は、円筒の一端がそれぞれ半球形状にされ、かつ開口する他端に半球形状のキャップ44、45が取り付けられてそれぞれの開口を閉塞している。
【0052】
内部カプセル43内には、その半球形状の閉塞部側に電磁発電機46が配置され、その回転軸47は半球形状の閉塞部内壁に一部を埋め込むようにして固定されている。この場合、回転軸47は内部カプセル43の円筒の中心軸48に沿って閉塞部に固定されている。
【0053】
また、この電磁発電機46には、固定された回転軸47に対して相対的に回転自在となる回転部材となる発電機本体に重り49が偏心して取り付けられている。図6は電磁発電機46に偏心して重り49が取り付けられている様子を示している。重り49が取り付けてない状態では、発電機本体の重心は回転軸47上にあり、回転力が作用しないが、偏心体としての重り49を取り付けることにより、重心位置が回転軸47上から偏心し、回転力が作用する構造にしている。
また、内部カプセル43内には観察装置51、照明装置52、蓄電池53、回路基板54が取り付けられている。この回路基板54にはアンテナ55が取り付けられている。
【0054】
また、キャップ45の内側には電磁モータ56が取り付けられ、そのモータ回転軸57は内部カプセル43の中心軸48に沿ってこのキャップ45の外部に突出し、このキャップ45の外側に対向する外殻カプセル42に接着剤等で固定されている。この場合、モータ回転軸57は外殻カプセル42の円筒の中心軸に沿った半球状の一端に固定されている。
【0055】
また、内部カプセル43における中心軸48を通る他端側の半球部分の外表面には凹部が形成され、この半球部分を覆うように配置された外殻カプセル42の開口端部に取り付けられたキャップ44の中心位置に内側に突出するように接着剤等で固定された支持軸59が前記凹部に嵌合するように挿入され、この支持軸59で回転自在に内部カプセル43は支持されている。
【0056】
つまり、外殻カプセル42に対して内部カプセル43は同軸状に配置され、この配置で支持する一端は支持軸59で回転自在に支持し、他方の軸は電磁モータ56のモータ回転軸57となっている。
【0057】
このように本実施の形態では、内部カプセル43の回転自在の中心軸48は、円筒の軸と一致し、内部カプセル43駆動用の電磁モータ56は一つであり、外殻カプセル42と内部カプセル43は、片側がこの電磁モータ56によって直接接続されており、もう一方は回転自由な支持軸59で接続されている。
【0058】
また、電磁発電機46は,この電磁発電機46の回転軸47の一端が内部カプセル43に固定されている。よって、電磁発電機46本体(図2の永久磁石18側)は内部カプセル43に対して回転自在になっている。
【0059】
この電磁発電機46の回転軸47に固定された電磁コイルに導通する配線は、回転軸47の他端から取り出せるようになっており、電磁発電機46本体の回転を妨げない。電磁発電機46本体には、回転軸47に対して電磁発電機46本体の重心が偏心するように、偏った位置に重り49が固着してあり、この重り49により回転軸47の周りで永久磁石側が回転或いは回転振動することにより交流電力を発生するようにしている。
【0060】
第1の実施の形態と同様に観察装置51、照明装置52は並設して、内部カプセル43の円筒面内に設けられており、円筒面法線方向の外側が観察できる向きに配置してある。本実施の形態における回路基板54を含む電気系の構成は図3において、1つの電磁モータ7にした場合と同様の構成である。
【0061】
次に本実施の形態の作用を説明する。
医療用カプセル装置41が生体内で動くことにより、重心が偏心している電磁発電機46がその回転軸47を中心に回転する。電磁発電機46の回転軸47に対して回転することで電力を発生し、回路基板54内の整流回路を経由して蓄電池53に蓄えられる。電力を蓄えた蓄電池53が医療用カプセル装置41の駆動源となる。
【0062】
内部カプセル43は電磁モータ56を駆動することにより、外殻カプセル42内で回転し、観察の向きを任意に変えることができる。医療用カプセル装置41の形状が円筒形であるために、図7のように管腔臓器60内での進入に適しており、管腔内の内壁一周を観察したいときに有利である。
【0063】
本実施の形態は以下の効果を有する。
電磁発電機46本体に偏心用の重り49を固定しているため、場所をとらず、医療用カプセル装置41を小型化できる。従って、患者に与える苦痛を軽減することができる。
【0064】
また、医療用カプセル装置41が円筒形であるため、管腔臓器60内での進入等の移動がしやすく、患者に与える苦痛を軽減できると共に,進行方向を軸にして内部カプセル43の向きを自由に変えられるため、管腔臓器60の内壁一周の観察に適している。つまり、観察性を向上できる。
その他は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0065】
(第3の実施の形態)
図8及び図9は本発明の第3の実施の形態に係り、図8は第3の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図9は駆動装置の構成を示す。
図8に示すように医療用カプセル装置61は気密で透明で球状の外殻カプセル62と、外殻カプセル62に内蔵される同じく球状の内部カプセル63からなる。
【0066】
内部カプセル63の外表面には、正四面体の頂点に位置するところに4つの球体64が回動自在に埋設されている。各球体64は内部カプセル63に埋設された状態で、外殻カプセル62の内表面に接する。四つの球体64のうち少なくとも一つには、電磁モータを2つ内蔵した駆動装置65がとりつけられている。
【0067】
図9に示すようにこの駆動装置65に内蔵された2つの電磁モータ66と電磁モータ67は、一方の電磁モータ66のモータ回転軸68と、電磁モータ67のモータ回転軸69が一平面内で直交するように配置されている。そしてモータ回転軸68、モータ回転軸69には、球体64と接する部分にはそれぞれ円筒形状の弾性体70a,70bが取り付けてある。内部カプセル63の内部には、第1の実施の形態と同様に照明装置、観察装置、電磁発電機、蓄電池、回路基板が配置されている。
【0068】
次に本実施の形態の作用を説明する。
駆動装置65に内蔵されている電磁モータ66、電磁モータ67が回転駆動すると、駆動装置65内の球体64を任意に回動させることが可能である。この球体64が回動することによって、内部カプセル63内に回動自在に埋設されている球体64全てがタイヤとなり、内部カプセル63が外殻カプセル62に対して自由に姿勢を変えることが可能になる。外殻カプセル62と内部カプセル63の間には、観察装置と照明装置の妨げとなるものが無いので死角の無い観察が可能である。
【0069】
本実施の形態は以下の効果を有する。
死角のない観察が可能なため、観察性能が向上する。その他は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0070】
(第4の実施の形態)
図10は本発明の第4の実施の形態の医療用カプセル装置71を示す。この医療用カプセル装置71は気密で透明で球状の外殻カプセル72に内蔵される同じく気密で球状の内部カプセル73からなる。
【0071】
外殻カプセル72と内部カプセル73の間は、内部カプセル73全体の密度と同じ密度の透明な液体74で満たされている。内部カプセル73の内部には、第1の実施の形態と同様に観察装置75、照明装置76、電磁発電機、蓄電池、回路基板が配置されている。さらに、内部カプセル73全体の重心を観察装置75の観察向きと逆側に位置させるための重り77が内部カプセル73内に設けられている。
【0072】
次に本実施の形態の作用を説明する。
内部カプセル73は、外殻カプセル72の中で、内部カプセル73と同じ密度の液体74の中で浮いている。内部カプセル73の重心は、観察方向と逆向きなので、内部カプセル73は外殻カプセル72の姿勢によらず常に重力向上向きを観察することができる。また、内部カプセル73の姿勢を制御するために電力を要しないので効率的である。
【0073】
本実施の形態は以下の効果を有する。
内部カプセル73の姿勢を制御するために電力を要しないので効率的であり、上方向など所定の方向に対する観察性能を向上できる。また、この場合、所定方向の観察に対する姿勢変更に電力を要しないため、効率的である。
その他は第1の実施の形態とほぼ同じ効果を有する。
【0074】
(第4の実施の形態の変形例)
観察装置75、照明装置76の代わりに超音波による観察像を得る超音波診断装置を設ける。この場合、外殻カプセル72、内部カプセル73は超音波を伝播し易い材質でつくられる必要があり、また、中の液体74も超音波を伝播し易い液体である必要がある。
【0075】
内部カプセル73の重心の位置を観察方向に偏らせることで、常に下向きの観察ができるようにすることも可能である。
【0076】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態の形態の医療用カプセル装置1′を示す。この医療用カプセル装置1′は,例えば図1の医療用カプセル装置1において、電磁モータ7を除去し、モータ回転軸8の代わりに回転自在に支持するピン8′が用いられている。
【0077】
図1における電磁発電機13の発電機能と電磁モータ7の(内部カプセル3を回転駆動して)姿勢(具体例では観察及び照明の方向)を変更する姿勢変更機能を兼ねる発電手段13′(具体的な構成は図1の電磁発電機13と同じ)にはその回転軸16′が内部カプセル3の内壁に固定され、この回転軸16′に対して永久磁石側(発電機本体と記す)が回転自在に支持され、この発電機本体には回転軸16′に対して発電機本体の重心の位置が偏心するように重り17′が固着されている。この発電手段13′は回転軸16′側からリード線が延出され、回路基板14′に接続されている(図示略)。
【0078】
また、図1と同様に電磁モータ9は梁4に固着され、そのモータ回転軸10は外殻カプセル2に固着されている。この電磁モータ9は梁4及びピン8′内部を通したリード線により回路基板14′に接続されている。
【0079】
本実施の形態では発電手段13′は内部カプセル3の姿勢を変更したり、観察方向を固定する場合以外には発電機として作用するように回路基板14′の制御回路22で制御される。具体的には、電磁コイルは整流回路20に接続され、発生した電力は整流回路20に入力されて整流されて蓄電池15に供給される。
【0080】
また、姿勢を変更する場合には,電磁コイルには電源回路21の出力端から出力される駆動電力が制御回路22を介して供給される。また、観察方向を維持する場合には制御回路22により、電磁コイルの両端が短絡されて、電磁制動によりその状態を維持するように設定される。
【0081】
電磁モータ9に対しては第1の実施の形態と同様である。その他の構成及び動作は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、姿勢を変更する駆動手段と発電する発電手段を兼用しているので、より小型化及び軽量化できる。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0082】
なお、図11における電磁モータ9側も発電手段と姿勢を変更する回転駆動手段とを兼用する構成にしても良い。このようにすると、さらに発電機能を向上できる。
【0083】
なお、上述の実施の形態では発電手段はロータ側或いはステータ側を回転自在の回転部材とし、その回転部材にはその重心位置を回転部材の中心軸から偏心させる偏心体としての重りを取り付けて回転部材に回転力が作用する構造にしているが、回転部材自体の重心位置をその回転自在となる軸上から偏心する構造にした場合には特に偏心体を設けなくても,その機能を有することになる。
【0084】
なお、例えば図4の体外システム30から放射される電波を図3の受信回路23の同調回路及びダイオードにより検波し、コンデンサで平滑化して直流電力を生成し、その電圧をDC−DCコンバータで昇圧して蓄電池15を充電するようにして電気エネルギの発生手段を形成するようにしても良い。
【0085】
また、患者が充電用の発信装置を持ち、必要に応じて発信装置を動作させて,充電できるようにしても良い。この場合、患者自身も蓄電池15の充電状態をモニタできる装置を持ち、充電が必要な場合に発信装置を動作させるようにしても良い。また、充電が必要な場合には発信装置を自動的に動作させるようにしても良い。
【0086】
(第6の実施の形態)
図12ないし図14は本発明の第6の実施の形態に係り、図12は第6の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図13は医療用カプセル装置の内部構造を示し、図14は図13を分解した状態で示す。
【0087】
図12に示すように本発明の第1の実施の形態の医療用カプセル装置81は、ほぼ円筒形状のカプセル本体を形成する筒体82の先端部分に例えば、胃・腸などの消化管内部のpH値の測定を行うpHセンサ部83を設けると共に、この筒体82の表面には力を受けての変形の際に電気を起こすPVDF,PZT等の圧電性高分子材料をフィルム状にして形成された複数の圧電性起電力発生素子84を設けて、電力供給手段を形成している。
【0088】
図13に示すようにこの医療用カプセル装置81は先端部を半球形状にした筒体82のその先端側中にはpHセンサ部83、このpHセンサ部83の後方側に隣接して配置され、遠隔計測機能を形成したテレメータ回路基板85、このテレメータ回路基板85の後方側に隣接して配置され、圧電性起電力発生素子84で生じる電力を蓄積する蓄電手段としてのコンデンサ86が設けられている。
【0089】
また、この筒体82の後端の開口はキャップ87で蓋をすることによりその開口は密封され、外部から水が内部に入ることを防止する液密構造にしている。pHセンサ部83は、pH感応電極88、比較電極89が設けられ、エポキシ等の合成樹脂材料からなるセンサ本体90の中に封入固定されている。
【0090】
さらに、電極88,89はともに従来用いられてきたガラス電極、アンチモン電極に対して強度、耐ノイズ性、測定精度の面で優れているイリジウムをベースとした金属酸化物薄膜より成る針状電極である。また、センサ本体90の内部には一対のKCL(塩化カリウム)溶液の収納部91a,91bが形成されている。そして、比較電極89の先端は一方のKC1溶液の収納部91a内に挿入されている。
【0091】
他方のKCL溶液の収納部91b内には例えばセラミック材料によって形成された棒状の液連絡部92が配設されている。この液連絡部92の一端はセンサ本体90の先端面から外部側に少し突出された状態、他端はKCL溶液の収納部91a内に挿入された状態で装着されている。
【0092】
この液連絡部92とセンサ本体90との接触部は液密状にシールされており、KCL溶液の収納部91a,91bの内部にはKCL溶液が外部側に漏出しないように保持されている。
また、pH感応電極88、液連絡部92は、センサ本体90の先端面から外部側に少し突出された状態で設置されている。
【0093】
また、テレメータ回路基板85は筒体82の筒内に配設されている。この場合、テレメータ回路基板85は例えば2枚の回路基板(第1の回路基板85aおよび第2の回路基板85b)が設けられている。これらの2枚の回路基板85a,85b間には絶縁材料より成るスペーサ93が介設されている。なお、2枚の回路基板85a,85b間は図示しないリード線を介して電気的に接続されている。
【0094】
さらに、pHセンサ部83とテレメータ回路基板85とは、図示しない信号線により接続されている。まず、pHセンサ部83の各電極88,89に接続された信号線がテレメータ回路基板85の第1の回路基板85aに接続され、そこから接続されている第2の回路基板85bには信号に変換された計測情報を体外に伝送するためのアンテナ(図示せず)が内蔵されている。
【0095】
また、pHセンサ部83とは反対側の端部には、コンデンサ86が設けられており、センサ本体82の外周面に設けられている圧電性起電力発生素子84とテレメータ回路基板85と配線されている。
【0096】
図14に示すように、pHセンサ部83、テレメータ回路基板85等を筒体82の中に入れてしまい、テレメータ回路基板5と圧電線起電力発生素子84からの配線を接続し、後端部をキャップ87で密封できるようにしている。
【0097】
次に本実施の形態の動作を説明する。
医療用カプセル装置81の使用時には、あらかじめ患者に飲み込ませて、経口的に胃内に取り込ませ、留置させる。この時、医療用カプセル装置81は、ぜん動運動により表面の圧電性起電力発生素子84が圧力を受けたり、医療用カプセル装置81自身が回転したりすることで管壁に当たり圧電性起電力発生素子84に圧力がかかる。また、胃内に留置後も胃壁に医療用カプセル装置81が当たることで圧電性起電力発生素子84は力を受けることになる。
【0098】
すると、圧電性起電力発生素子84により起こされた起電力がコンデンサ86に蓄積されていき、そこに蓄積された電力を使ってテレメータ回路基板85は電気的に駆動され、pHセンサ部83は動作する。医療用カプセル装置81が壁面等に当たり圧力を受けるたびに起電力を発生し、コンデンサ86に蓄積されていく。
【0099】
そして、例えば胃・腸などの消化管内部のpH値を測定するときには、pHセンサ部83の表面に突出しているpH感応電極88と液連絡部92とが消化管内の分泌液と接触し、消化管内の分泌液は液連絡部92のセラミック材質に形成されている無数の微細孔を介して一方のKCL溶液収納部91bを経て、他方のKCL溶液収納部91aの内部のKCL溶液中に導入される。
【0100】
そしてこのKCL溶液中でイオン交換が行われて、その分泌のpH値に応じた電圧がpH感応電極88と比較電極89との間に設けられ、この電圧値がテレメータ回路基板85へ入力されpH値が算出され、さらにテレメータ回路基板85の表面等に設けたアンテナを通して体外へ伝送される。体外の受信装置等でこの搬送波を受信することで消化管内のpH値を測定することができる。
【0101】
本実施の形態は以下の効果を有する。
医療用カプセル装置81が動いている間、常に電力を蓄積しており、電池切れによる計測の中断を解消ないしは少なくでき、長時間継続した計測を行うことが可能である。
【0102】
なお、本実施の形態では,生体内の情報を検出する情報検出手段としてpHを計測するPhセンサ部83を設けたが、患部等の温度を計測する温度センサを設けるようにしても良い。また、患部の組織を切除するための鉗子等、開閉して患部組織を除去する処置手段を設けるようにしても良い。
【0103】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態の医療用カプセル装置95を示す。図15に示すように、複数の圧電性起電力発生素子96を医療用カプセル装置95の筒体82の後端に取り付けられる例えばキャップ87部分に設けた構成とした。この場合、各圧電性起電力発生素子96はキャップ87の後方側に突出するように取り付けられ、突出する部分が変形し易いようにしている。
その他の構成は第6の実施の形態と同じである。
【0104】
本実施の形態は各圧電性起電力発生素子96が第1の実施の形態の場合よりも変形し易いこと以外は同じ動作となる。
【0105】
本実施の形態は以下の効果を有する。
圧電性起電力発生素子84を変形しやすいように配置しているため、起電力が起こしやすく、その起電力を蓄積しやすい。
【0106】
(第8の実施の形態)
第6の実施の形態に示すような圧電性高分子材料からなる圧電性起電力発生素子84を用いて電力を起こしてその電力を照明・視覚・処置機能等各機能の動作のための電力供給手段に用いる構成とする。
【0107】
圧電性高分子材料からなる圧電性起電力発生素子84の動作は第6の実施の形態と同じとなる。照明・視覚・処置機能の動作は第1の実施の形態等とほぼ同じとなる。
本実施の形態は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0108】
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態も本発明に属する。
【0109】
[付記]
1.各種機能手段を備えた医療用カプセル装置において、
回転自在に支持された回転部材を有し、その回転部材が回転することによって電気エネルギを発生する発電手段と、
前記回転部材に偏心した状態で固着された偏心体と、
前記発電手段からの電力を蓄え、前記各種機能手段に電力を供給する蓄電手段と、
を設けたことを特徴とする医療用カプセル装置。
【0110】
(付記1の効果)
発電手段を内蔵していることで、長時間留置でき、患者に与える苦痛も少なくすみ、患者の行動範囲を制限しない。
【0111】
2.前記発電手段が電磁発電機である付記1記載の医療用カプセル装置。
3.前記偏心体が金属製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
4.前記偏心体がプラスチック製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
5.前記偏心体がセラミックス製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
【0112】
6.前記機能手段が観察手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
7.前記機能手段が処置手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
8.前記機能手段が情報検出手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
9.前記観察手段が光学的観察手段である付記6記載の医療用カプセル装置。
【0113】
10.前記観察手段が超音波観察手段である付記6記載の医療用カプセル装置。
11.前記処置手段がレーザ照射装置である付記7記載の医療用カプセル装置。
12.前記処置手段が開閉する鉗子である付記7記載の医療用カプセル装置。
13.前記処置情報検出手段がpHセンサである付記8記載の医療用カプセル装置。
【0114】
14.前記情報検出手段が温度センサである付記8記載の医療用カプセル装置。15.各種機能手段を備えた医療用カプセル装置において、
前記機能手段を内蔵する内部カプセルと、
前記内部カプセルを収納する外部カプセルと、
前記内部カプセルと前記外部カプセルの間に設けられた回動手段と、
前記回動手段を駆動するための回動駆動手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0115】
(付記15の作用)
カプセルが二重構造になっていることで、外部カプセルが障害物等によって動きを抑制されても、内部カプセルは自在に姿勢を変えられるという作用を持つ。(付記15の効果)
医療用カプセル装置が障害物に当たり、姿勢を変えられない場合でも、内部カプセルが自由に向きを変えられるため、効率よく観察ができる。
また、医療用カプセル装置が二重構造になっているため、観察のための距離が確保されており、観察対象が観察装置に近すぎて焦点が合わなかったり、赤玉になったりすることがなく、快適な観察ができる。
【0116】
16.前記外部カプセルが球体である付記15記載の医療用カプセル装置。
17.前記外部カプセルが円筒形状である付記15記載の医療用カプセル装置。
18.前記外部カプセルが立方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
19.前記外部カプセルが直方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0117】
20.前記外部カプセルが光学的に透明である付記15記載の医療用カプセル装置。
21.前記外部カプセルが超音波伝導物質でできている付記15記載の医療用カプセル装置。
22.前記内部カプセルが球体である付記15記載の医療用カプセル装置。
23.前記内部カプセルが円筒形状である付記15記載の医療用カプセル装置。
24.前記内部カプセルが立方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0118】
25.前記内部カプセルが直方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
26.前記内部カプセルが光学的に透明である付記15記載の医療用カプセル装置。
27.前記内部カプセルが超音波伝導物質でできている付記15記載の医療用カプセル装置。
28.前記回動駆動手段が電磁モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
【0119】
29.前記回動駆動手段が静電モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
30.前記回動駆動手段が超音波モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
31.前記機能手段が観察手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
32.前記機能手段が処置手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0120】
33.前記機能手段が情報検出手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
34.前記観察手段が光学的観察手段である付記31記載の医療用カプセル装置
。
35.前記観察手段が超音波観察手段である付記31記載の医療用カプセル装置。
36.前記処置手段がレーザ照射装置である付記32記載の医療用カプセル装置。
37.前記情報検出手段が温度センサである付記33記載の医療用カプセル装置。
【0121】
(付記15〜37の背景)
従来技術としては、体内にあるカプセルが、観察や医療装置を行う際に、カプセル本体から流体を噴出させてカプセルの姿勢変えるというアイディア等が知られている。
カプセル本体から流体を噴出し、カプセルの姿勢を変えるものでは、カプセルの周囲に障害物がある場合などは、思い通りに姿勢の変更が出来なかった。
【0122】
(付記15〜37の目的)
その目的は、カプセルの姿勢が任意に変えることで、より確実な観察、処置等ができる医療用カプセル装置を提供することである。
この目的を達成するために、付記15〜37の構成にした。
【0123】
38.カプセル本体と、
このカプセル本体に設けられた生体の情報を検出する生体情報検出手段と、
前記カプセル本体表面に設けられた圧電性変換素子と、
この圧電性変換素子からの電力を蓄積する電力蓄積部と、
この電力で駆動され前記生体情報検出手段で検出された情報を体外へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする医療用カプセル装置。
【0124】
39.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、pH値センサである。
40.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、画像情報検出手段である。
41.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、生体組織を取る組織採取手段と、その組織を調べる組織判別手段とからなる。
【0125】
42.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子は、フィルム状である。
43.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子は、PVDF,PZT,ピエゾゴム等からなる。
44.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子を外表面に複数個設けた。
45.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子を外表面の周上概等間隔に設けた。
46.付記38項からなる医療用カプセル装置において、電力蓄積部はコンデンサからなる。
【0126】
(付記38〜46の背景)
生体内に留置して、生体内の観察や医療処置等を行う医療用カプセルに関する。
近年、pH等の生体情報をセンサで検出し、検出された生体情報を生体情報信号として体外へ送信する医療用カプセル或いは医療用カプセル装置が知られている。この種記載の医療用カプセルは、生体情報を検出するセンサの他にセンサから出力された生体情報信号を変調して体外に送信する送信回路や、この送信回路を駆動する電源部としてのバッテリを備えている。
【0127】
ところで、このような医療用カプセルでは、カプセル内にバッテリが内蔵されているため、カプセルを小型化しようとした場合に限界がある。そこで、カプセルの小型化を容易とするために、pH検出用の電極としてゲルマニウム半導体電極とマンガン電極を用い、これら両電極間に生じた電圧を駆動用電力として利用する医療用カプセルが特公昭49−15425号公報に開示されている。
【0128】
(解決しようとする課題)
しかしながら、上記のような医療用カプセルでは、水銀電池等のバッテリが不要となるが、電極間に生ずる電圧が生体内のpH値によって増減するため、送信回路の動作が不安定になるという問題があった。
【0129】
(付記38〜46の目的)
その目的はセンサで検出した生体情報を体外へ送信する送信回路を安定に長時間継続して駆動することができ、かつカプセルの小型化を図ることができる医療用カプセル装置を提供しようとするものである。
この目的を達成するために、付記38〜46の構成にした。
【0130】
(付記38〜46の効果)
胃・腸などの消化管の検査・観察等を行うカプセルにおいて、長時間継続して使用することができ、カプセルを取り出して電池を交換するという作業を必要とせず、効率的である。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
を具備しているので、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図2】電磁発電機の構成を示す図。
【図3】医療用カプセル装置の電気系のブロック構成を示す図。
【図4】医療用カプセルシステムの構成及び使用例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図6】電磁発電機及び偏心して取り付けられた重りを示す図。
【図7】管腔臓器内での移動が容易等であることの説明図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図9】駆動装置の内部構成を示す図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図11】本発明の第5の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図12】本発明の第6の実施の形態の医療用カプセル装置を示す斜視図。
【図13】医療用カプセル装置の内部構造を示す断面図。
【図14】医療用カプセル装置の内部構造を分解して示す断面図。
【図15】本発明の第7の実施の形態の医療用カプセル装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1…医療用カプセル装置
2…外殻カプセル
3…内部カプセル
4…梁
5…回転軸
6…ピン
7,9…電磁モータ
8,10…モータ回転軸
11…観察装置
12…照明装置
13…電磁発電機
14…回路基板
15…蓄電池
16…回転軸
17…重り
18…永久磁石
19…電磁コイル
20…整流回路
21…電源回路
22…制御回路
23…受信回路
24…発信回路
25…処理回路
26…アンテナ
30…体外システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内に留置され、生体内の情報の検出、医療処置等を行うめの医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
体内に留置される医療用カプセル或いはカプセル装置の従来例としては、特開平6−63030号公報があり、体内に留置されるカプセルに内蔵された各種機能手段に電源を供給する内蔵バッテリを有し、内蔵バッテリは、カプセルに着脱可能な体内から体外に延びる導線を通して、体外にある外部電源から電源の補給を行うものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−63030号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この特開平6−63030号公報の従来例では、カプセルに内蔵されたバッテリに電力を補給する際に、導線が経口的もしくは経皮的に患者の体内に挿入されるため、患者に不自由を強いたり、患者の苦痛が大きかった。
【0005】
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる医療用カプセル装置及び医療用カプセルシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
を具備したことにより、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図2は電磁発電機を示し、図3は医療用カプセル装置の電気系のブロック構成を示し、図4は医療用カプセルシステムの構成を示す。
【0008】
図1に示すように生体内に留置される医療用カプセル装置1は、気密構造で透明な球体状の外殻カプセル2と、この外殻カプセル2に同心状に内蔵される同じく球体状の内部カプセル3の二重のカプセル構造となっている。内部カプセル3は、内部カプセル支持部材として、例えば半円形状の梁4によって、内部カプセル3の中心Oを通る軸上で支えられるようにしている。
【0009】
この内部カプセル3は、該内部カプセル3の中心Oを通る1つの回転軸5を中心に回動することができるように梁4で支持されている。つまり、内部カプセル3は回転軸5上に位置する半球状の梁4に取り付けたピン6と、このピン6と反対側で回転軸5上に位置するように内部カプセル3に内蔵されている電磁モータ7から内部カプセル3の外側に突出し、梁4に取り付けられたモータ回転軸8とによって、梁4により回転可能に支持されている。この回転軸5は半球状の梁4の中心を通るようにも設定されている。
【0010】
上記内部カプセル3の中心Oを通り回転軸5と直交する軸上となる梁4の位置(図1では上部或いは頂部)には電磁モータ9が固定されており、この電磁モータ9のモータ回転軸10は、内部カプセル3表面の法線方向を向いている。そして、この電磁モータ9のモータ回転軸10は、内部カプセル3の中心Oと外殻カプセル2の中心が一致する位置で外殻カプセル2に固定されている。
【0011】
この構成により、内側の内部カプセル3は、外側の外殻カプセル2内で、その中心Oが一致する状態で、直交する二つの電磁モータ7、電磁モータ9を回転駆動することによって自由に姿勢を変えることができる。
【0012】
内部カプセル3内には、観察を行う機能を備えた観察装置11、照明を行う機能を備えた照明装置12、内部カプセル3を回転駆動することにより、その姿勢を変える電磁モータ7、発電手段として電磁的に発電を行う電磁発電機13、これら観察装置11等の動作制御等を行う電子回路が形成された回路基板14、電磁発電機13で発電された電気エネルギを蓄積する蓄電手段としての蓄電池15がそれぞれ設けられている。これらの内蔵物は、内部カプセル3の内面にそれぞれとりつけられており、内部カプセル3全体の重心が内部カプセル3の中心(以下に説明する重り17がない場合)にくるように配置されている。
【0013】
この電磁発電機13は、その回転軸16が回転することによって電力を発生するものであり、この電磁発電機13は、そのステータ側が回転軸16が回転軸5上となるように内部カプセル3内に固定されている。また、この回転自在の回転部材としての回転軸16には、(その重心の位置を偏心させる偏心体として)例えば円板形状で金属製で質量を有する重り17が回転軸16に対して偏心した状態で取り付けられている。
【0014】
この重り17は例えばステンレススチール等のように比重が大きい金属、つまり小さい体積でその質量を大きくできる質量体である。この他に医療用カプセル装置1のサイズに応じて,プラスチック製、或いはセラミックス製等の質量体でも重り17を形成することもできる。
【0015】
図2は、電磁発電機13の構成を示している。図2(A)は電磁発電機13のの回転軸16に重り17を偏心させてとりつけている状態を斜視図で示し、図2(B)は電磁発電機13の内部構成を示している。電磁発電機13の内部は、ステータ側となる永久磁石18がN極、S極が交互に回転軸16を向く方向に、円周上に例えば4つ固定されている。
【0016】
ステータ側に対し、回転自在の回転軸16には、電磁コイル19が、例えば4つ均等にとりつけられている。永久磁石18がつくる磁界の中を回転軸16と共に電磁コイル19が回転することによって、電磁コイルに誘導起電力が生じ、電磁発電機13が起電力を発生することになる。
【0017】
そして、重り17を取り付けない状態では、この回転軸16の延長線(つまり回転軸5)上に回転部材の重心が位置し、回転軸16に偏心して取付けられた重り17により、その重心位置が重り17の重心位置側に移動し、回転軸16から移動した位置に応じて重力による回転力が回転部材(具体的には回転軸16及び電磁コイル19)に作用し、各電磁コイル19が永久磁石18による磁束を横切ることにより電磁コイル19には交流の起電力が発生するようにしている。
【0018】
観察装置11と照明装置12は、並設して内部カプセル3内面にとりつけられており、その部分の内部カプセル壁は光が透過できるよう透明になっている。観察装置11と照明装置12は、内部カプセル3の回転軸5から最も遠い内部カプセル3内面にとりつけられている。この位置にとりつけることにより、電磁モータ7、9の回転によって全球面の任意の方向(但し、電磁モータ9に対向した状態での視野方向を除く)の観察ができるようにしている。
【0019】
図3は本医療用カプセル装置1の各機能部品の接続状態を示している。医療用カプセル装置1が動くことにより、電磁発電機13の回転軸16にとりつけられた重り17が回転軸16を回転させ、電磁発電機13が交流電力を生成する。発生した交流電力は、回路基板14上に設けられた整流回路20に入力され、整流されて直流にされた後、充電可能な二次電池としての蓄電池15に入力され、蓄電される。
【0020】
この蓄電池15に蓄えられた直流電力は回路基板14上の電源回路21に入力され、電圧が変換される等して観察装置11、照明装置12、電磁モータ7、電磁モータ9及び回路基板14上の各回路の駆動用に使用される。
【0021】
回路基板14上の制御回路22は、観察装置11、照明装置12、電磁モータ7、電磁モータ9、整流回路20、受信回路23、発信回路24、処理回路25及び電源回路21の制御を行う。照明装置12は、生体内の患部等の観察のため、その部位を照らす。このため、内部にランプ或いはLED等の発光素子或いは発光手段を有する。
【0022】
観察装置11はその部位の映像を捉え、その情報を処理回路25に送る。具体的には、観察装置11は、結像する対物光学系とその結像位置に配置されたCCD等の撮像素子を有し、撮像素子で光電変換された映像情報としての撮像信号を処理回路25に送る。
【0023】
この処理回路25はその映像情報を変換して、映像信号にして制御回路22を経て発信回路24に送り、発信回路24はその映像信号を高周波の搬送波信号で変調等してアンテナ26から、電波として発信する。そして患者の体外にある体外システム30側に伝送できるようにしている。
【0024】
また、制御回路22は蓄電池15の端子電圧を検出するなどして、その蓄電された容量、或いは充電率等を監視する。そして、その容量、充電率に対応する信号を発信回路24を経てアンテナ26から電波として発射する。
【0025】
また、アンテナ26は受信回路23と接続され、図4に示す体外システム30側から送信される搬送波の周波数を選択する同調回路と、変調された信号成分を取り出すための検波回路或いは復調回路とを有し、復調された信号を制御回路22に出力する。制御回路22は受信回路23から入力される信号を監視し、その信号に対応した動作を行うように医療用カプセル装置1の各部の動作を制御する。
【0026】
図4は医療用カプセル装置1と体外システム30とからなる医療用カプセルシステム29を示す。患者27の生体内にある医療用カプセル装置1全体は体外システム30によって制御される。
【0027】
この体外システム30は、医療用カプセル装置1を制御する機能を備えたパソコン本体31と、このパソコン本体31に接続され、コマンド、データ等の入力を行うキーボード32と、パソコン本体31に接続され、画像等を表示する表示手段としてのモニタ33と、パソコン本体31に接続され、医療用カプセル装置1を制御する制御信号の発信及び医療用カプセル装置1からの信号を受信するアンテナ34とを有する。
【0028】
この医療用カプセル装置1を制御する制御信号は、キーボード32からのキー入力或いはパソコン本体31内のハードディスク等に格納された制御プログラムに基づいて生成され、パソコン本体31内の発信回路を経て所定の周波数の搬送波で変調され、アンテナ34から発信される。
【0029】
そして、医療用カプセル装置1の回路基板14上のアンテナ26によって受信され、受信回路23の同調回路によりその搬送波が選択的に抽出され、検波等されて制御信号が復調され、制御回路22に入力される。制御回路22は、その入力された信号を制御回路22内のROM等に記録されたコマンド等の情報を参照することにより、制御信号に対応するコマンドの解釈を行い、医療用カプセル装置1の各構成回路等を制御する。
【0030】
体外システム30は、医療用カプセル装置1の観察装置11からの映像信号、蓄電池15の充電率等の情報を受け取り、モニタ33上に表示し、操作者に伝える。蓄電池15の容量が不足している場合は、患者に適度な運動をさせ、電磁発電機13を稼動させ、蓄電池15を充電させる。
【0031】
本実施の形態の医療用カプセル装置1による動作を以下に説明する。図3に示すように、患者27の例えば胃35内部を長時間にわたり観察する必要がある場合には、患者が容易に飲み込み可能な大きさの球形状の医療用カプセル装置1を患者27に飲み込んで貰い、胃35内に留置された状態にする。
【0032】
胃35内の観察が終了した後は医療用カプセル装置1は、胃35や腸などの蠕動運動によって、十二指腸、小腸、大腸を経由し、肛門から取り出される。この間、医療用カプセル装置1は消化管全体の内部を観察することが可能である。
【0033】
図3に示す胃35内部に留置された状態になるまでに、医療用カプセル装置1は食道内を移動する際等に電磁発電機13の回転軸16に偏心して取り付けた重り17が揺動等して交流電力を発生し、整流回路20を経て蓄電池15を充電することになる。
【0034】
長時間体内に留置する場合にはその留置を行う前に、医療用カプセル装置1を回転させる等してその蓄電池15の充電率がほぼ100パーセント付近に設定しておくとさらに良い場合がある。
【0035】
そして、胃35内部を観察する必要がある場合には、例えばキーボード32から観察開始のコマンドに対応するキー入力を行い、アンテナ34を経て電波で放射し、医療用カプセル装置1側に送る。医療用カプセル装置1では制御回路22は受信回路23を経て入力される信号を監視し、動作開始の信号を検出すると、照明装置12、観察装置11、処理回路25,発信回路24等を動作状態、つまりこれらに駆動電力を供給する状態にする。
【0036】
照明装置12は観察装置11の視野方向に照明光を出射し、照明された部分の視野範囲の像が観察装置12の撮像素子に結像され、光電変換された後、処理回路25で映像信号に変換され、発信回路24で変調され、アンテナ26から電波で放射される。
【0037】
この電波は体外システム30のアンテナ34で受信され、パソコン本体31内の受信回路で復調され、パソコン本体31内のA/Dコンバータでデジタル信号に変換され、メモリに格納されると共に、所定の速度で読み出されモニタ33に撮像素子で撮像された画像がカラー表示される。操作者或いは術者はこの画像を観察することにより、患者27の胃35内部を観察することができる。
なお、この画像は図示しない画像記録装置に記録することもできるようにしている。
【0038】
また、観察方向を変える場合にはキーボード32の電磁モータ7或いは9の動作に対応付けられたキー等を操作することにより,電磁モータ7或いは9を回転させることができ、外殻カプセル2に対して内部カプセル3を回転させて、その回転により観察及び照明方向を変えて、つまり姿勢を変えて操作者の望む任意の方向への照明及び観察が可能になる。
【0039】
患部等の注目する部位を観察できる状態に保持するには,静止のコマンドに対応するキー入力を行うことにより、2つの電磁モータ7、9のモータ回転軸8、10は図示しないブレーキ機構で回転しない状態に設定される。このブレーキ機構として、電磁モータ7、9が電磁発電機13と同様の構造である場合には、それらの電磁コイルの両端を短絡する状態に設定して,その電磁制動により静止状態を保持させるものでも良い。
【0040】
対象部位の観察を行った後、観察を行わない場合には観察終了に対応するキー入力を行うことにより、その信号が医療用カプセル装置1側に送られ、制御回路22はこのコマンドを判断すると、観察動作の停止に対応する制御を行う。
【0041】
具体的には、照明装置12、観察装置11、処理回路25,発信回路24に電源回路21から駆動電力が供給されない状態にする。この場合、受信回路23及び制御回路22は動作状態を維持する。また、電磁モータ7及び9の少なくとも電磁モータ7は回転可能な状態に設定され(ブレーキ解除)、重り17により電磁発電機13で発生した交流電力は整流回路20を経て蓄電池15を充電する状態を維持する。
【0042】
従って、次に使用するまでの間(時間)に蓄電池15は充電されるので、導線等を介して電力の補給を行うことが殆ど必要としない。このため、このような補給の際に患者に不自由或いは苦痛を強いることを解消でき、長時間生体内に留置して使用できる。
【0043】
本実施の形態は以下の効果を有する。
医療用カプセル装置1が障害物に当たり、姿勢を変えられない場合でも、内部カプセル3が自由に向きを変えられるため、効率よく観察ができる。
【0044】
また、医療用カプセル装置1が二重構造になっているため、観察のための距離が確保されており、観察対象部位が観察装置11に近すぎて焦点が合わなかったり、赤玉になったりすることがなく、快適な観察ができる。
【0045】
さらに、電磁発電機13を内蔵していることで、導線等により外部から電力の補給を行うことをしないでも、長時間留置して生体内部の観察等に使用でき、従って特に電力の補給の際に患者に与える苦痛も少なくすみ、患者の行動範囲を制限しない。
【0046】
(第1の実施の形態の変形例)
なお、第1の実施の形態における電磁モータ7、9は静電モータや超音波モータでも良い。
また、電磁発電機13の構成は、永久磁石と電磁コイルからなるものならば特に限定されない。
【0047】
電磁発電機13は、回転エネルギを電気エネルギに変換するものであれば、他の発電機でも良い。
外殻カプセル2は、内部カプセル3が自由に姿勢を変えられる形状であれば、特に球体である必要はない。
【0048】
内部カプセル3は、内部カプセル3が外殻カプセル2内で自由に姿勢を変えられる形状であれば、特に球体である必要はない。
観察装置11、照明装置12に加えて、処置を行う処置手段として例えばレーザ光により治療を行うレーザ治療装置或いはレーザ照射装置を設けても良い。
【0049】
また、蓄電を行う蓄電手段は蓄電池15に限定されるものでなく、ニッケル・カドニュウム電池、ニッケル・水素電池等の二次電池でも良いし、コンデンサ等でも良い。
【0050】
(第2の実施の形態)
図5ないし図7は本発明の第2の実施の形態に係り、図5は第2の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図5は図5の右側から電磁発電機をみた様子を示し、図7はこの実施の形態が管腔臓器内で移動しやすいことを示す説明図である。
【0051】
図5に示す第2の実施の形態の医療用カプセル装置41は円筒形状の外殻カプセル42と、この外殻カプセル42の内側に回転自在に配置された円筒形状の内部カプセル43を有する。
外殻カプセル42及び内部カプセル43は、円筒の一端がそれぞれ半球形状にされ、かつ開口する他端に半球形状のキャップ44、45が取り付けられてそれぞれの開口を閉塞している。
【0052】
内部カプセル43内には、その半球形状の閉塞部側に電磁発電機46が配置され、その回転軸47は半球形状の閉塞部内壁に一部を埋め込むようにして固定されている。この場合、回転軸47は内部カプセル43の円筒の中心軸48に沿って閉塞部に固定されている。
【0053】
また、この電磁発電機46には、固定された回転軸47に対して相対的に回転自在となる回転部材となる発電機本体に重り49が偏心して取り付けられている。図6は電磁発電機46に偏心して重り49が取り付けられている様子を示している。重り49が取り付けてない状態では、発電機本体の重心は回転軸47上にあり、回転力が作用しないが、偏心体としての重り49を取り付けることにより、重心位置が回転軸47上から偏心し、回転力が作用する構造にしている。
また、内部カプセル43内には観察装置51、照明装置52、蓄電池53、回路基板54が取り付けられている。この回路基板54にはアンテナ55が取り付けられている。
【0054】
また、キャップ45の内側には電磁モータ56が取り付けられ、そのモータ回転軸57は内部カプセル43の中心軸48に沿ってこのキャップ45の外部に突出し、このキャップ45の外側に対向する外殻カプセル42に接着剤等で固定されている。この場合、モータ回転軸57は外殻カプセル42の円筒の中心軸に沿った半球状の一端に固定されている。
【0055】
また、内部カプセル43における中心軸48を通る他端側の半球部分の外表面には凹部が形成され、この半球部分を覆うように配置された外殻カプセル42の開口端部に取り付けられたキャップ44の中心位置に内側に突出するように接着剤等で固定された支持軸59が前記凹部に嵌合するように挿入され、この支持軸59で回転自在に内部カプセル43は支持されている。
【0056】
つまり、外殻カプセル42に対して内部カプセル43は同軸状に配置され、この配置で支持する一端は支持軸59で回転自在に支持し、他方の軸は電磁モータ56のモータ回転軸57となっている。
【0057】
このように本実施の形態では、内部カプセル43の回転自在の中心軸48は、円筒の軸と一致し、内部カプセル43駆動用の電磁モータ56は一つであり、外殻カプセル42と内部カプセル43は、片側がこの電磁モータ56によって直接接続されており、もう一方は回転自由な支持軸59で接続されている。
【0058】
また、電磁発電機46は,この電磁発電機46の回転軸47の一端が内部カプセル43に固定されている。よって、電磁発電機46本体(図2の永久磁石18側)は内部カプセル43に対して回転自在になっている。
【0059】
この電磁発電機46の回転軸47に固定された電磁コイルに導通する配線は、回転軸47の他端から取り出せるようになっており、電磁発電機46本体の回転を妨げない。電磁発電機46本体には、回転軸47に対して電磁発電機46本体の重心が偏心するように、偏った位置に重り49が固着してあり、この重り49により回転軸47の周りで永久磁石側が回転或いは回転振動することにより交流電力を発生するようにしている。
【0060】
第1の実施の形態と同様に観察装置51、照明装置52は並設して、内部カプセル43の円筒面内に設けられており、円筒面法線方向の外側が観察できる向きに配置してある。本実施の形態における回路基板54を含む電気系の構成は図3において、1つの電磁モータ7にした場合と同様の構成である。
【0061】
次に本実施の形態の作用を説明する。
医療用カプセル装置41が生体内で動くことにより、重心が偏心している電磁発電機46がその回転軸47を中心に回転する。電磁発電機46の回転軸47に対して回転することで電力を発生し、回路基板54内の整流回路を経由して蓄電池53に蓄えられる。電力を蓄えた蓄電池53が医療用カプセル装置41の駆動源となる。
【0062】
内部カプセル43は電磁モータ56を駆動することにより、外殻カプセル42内で回転し、観察の向きを任意に変えることができる。医療用カプセル装置41の形状が円筒形であるために、図7のように管腔臓器60内での進入に適しており、管腔内の内壁一周を観察したいときに有利である。
【0063】
本実施の形態は以下の効果を有する。
電磁発電機46本体に偏心用の重り49を固定しているため、場所をとらず、医療用カプセル装置41を小型化できる。従って、患者に与える苦痛を軽減することができる。
【0064】
また、医療用カプセル装置41が円筒形であるため、管腔臓器60内での進入等の移動がしやすく、患者に与える苦痛を軽減できると共に,進行方向を軸にして内部カプセル43の向きを自由に変えられるため、管腔臓器60の内壁一周の観察に適している。つまり、観察性を向上できる。
その他は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0065】
(第3の実施の形態)
図8及び図9は本発明の第3の実施の形態に係り、図8は第3の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図9は駆動装置の構成を示す。
図8に示すように医療用カプセル装置61は気密で透明で球状の外殻カプセル62と、外殻カプセル62に内蔵される同じく球状の内部カプセル63からなる。
【0066】
内部カプセル63の外表面には、正四面体の頂点に位置するところに4つの球体64が回動自在に埋設されている。各球体64は内部カプセル63に埋設された状態で、外殻カプセル62の内表面に接する。四つの球体64のうち少なくとも一つには、電磁モータを2つ内蔵した駆動装置65がとりつけられている。
【0067】
図9に示すようにこの駆動装置65に内蔵された2つの電磁モータ66と電磁モータ67は、一方の電磁モータ66のモータ回転軸68と、電磁モータ67のモータ回転軸69が一平面内で直交するように配置されている。そしてモータ回転軸68、モータ回転軸69には、球体64と接する部分にはそれぞれ円筒形状の弾性体70a,70bが取り付けてある。内部カプセル63の内部には、第1の実施の形態と同様に照明装置、観察装置、電磁発電機、蓄電池、回路基板が配置されている。
【0068】
次に本実施の形態の作用を説明する。
駆動装置65に内蔵されている電磁モータ66、電磁モータ67が回転駆動すると、駆動装置65内の球体64を任意に回動させることが可能である。この球体64が回動することによって、内部カプセル63内に回動自在に埋設されている球体64全てがタイヤとなり、内部カプセル63が外殻カプセル62に対して自由に姿勢を変えることが可能になる。外殻カプセル62と内部カプセル63の間には、観察装置と照明装置の妨げとなるものが無いので死角の無い観察が可能である。
【0069】
本実施の形態は以下の効果を有する。
死角のない観察が可能なため、観察性能が向上する。その他は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0070】
(第4の実施の形態)
図10は本発明の第4の実施の形態の医療用カプセル装置71を示す。この医療用カプセル装置71は気密で透明で球状の外殻カプセル72に内蔵される同じく気密で球状の内部カプセル73からなる。
【0071】
外殻カプセル72と内部カプセル73の間は、内部カプセル73全体の密度と同じ密度の透明な液体74で満たされている。内部カプセル73の内部には、第1の実施の形態と同様に観察装置75、照明装置76、電磁発電機、蓄電池、回路基板が配置されている。さらに、内部カプセル73全体の重心を観察装置75の観察向きと逆側に位置させるための重り77が内部カプセル73内に設けられている。
【0072】
次に本実施の形態の作用を説明する。
内部カプセル73は、外殻カプセル72の中で、内部カプセル73と同じ密度の液体74の中で浮いている。内部カプセル73の重心は、観察方向と逆向きなので、内部カプセル73は外殻カプセル72の姿勢によらず常に重力向上向きを観察することができる。また、内部カプセル73の姿勢を制御するために電力を要しないので効率的である。
【0073】
本実施の形態は以下の効果を有する。
内部カプセル73の姿勢を制御するために電力を要しないので効率的であり、上方向など所定の方向に対する観察性能を向上できる。また、この場合、所定方向の観察に対する姿勢変更に電力を要しないため、効率的である。
その他は第1の実施の形態とほぼ同じ効果を有する。
【0074】
(第4の実施の形態の変形例)
観察装置75、照明装置76の代わりに超音波による観察像を得る超音波診断装置を設ける。この場合、外殻カプセル72、内部カプセル73は超音波を伝播し易い材質でつくられる必要があり、また、中の液体74も超音波を伝播し易い液体である必要がある。
【0075】
内部カプセル73の重心の位置を観察方向に偏らせることで、常に下向きの観察ができるようにすることも可能である。
【0076】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態の形態の医療用カプセル装置1′を示す。この医療用カプセル装置1′は,例えば図1の医療用カプセル装置1において、電磁モータ7を除去し、モータ回転軸8の代わりに回転自在に支持するピン8′が用いられている。
【0077】
図1における電磁発電機13の発電機能と電磁モータ7の(内部カプセル3を回転駆動して)姿勢(具体例では観察及び照明の方向)を変更する姿勢変更機能を兼ねる発電手段13′(具体的な構成は図1の電磁発電機13と同じ)にはその回転軸16′が内部カプセル3の内壁に固定され、この回転軸16′に対して永久磁石側(発電機本体と記す)が回転自在に支持され、この発電機本体には回転軸16′に対して発電機本体の重心の位置が偏心するように重り17′が固着されている。この発電手段13′は回転軸16′側からリード線が延出され、回路基板14′に接続されている(図示略)。
【0078】
また、図1と同様に電磁モータ9は梁4に固着され、そのモータ回転軸10は外殻カプセル2に固着されている。この電磁モータ9は梁4及びピン8′内部を通したリード線により回路基板14′に接続されている。
【0079】
本実施の形態では発電手段13′は内部カプセル3の姿勢を変更したり、観察方向を固定する場合以外には発電機として作用するように回路基板14′の制御回路22で制御される。具体的には、電磁コイルは整流回路20に接続され、発生した電力は整流回路20に入力されて整流されて蓄電池15に供給される。
【0080】
また、姿勢を変更する場合には,電磁コイルには電源回路21の出力端から出力される駆動電力が制御回路22を介して供給される。また、観察方向を維持する場合には制御回路22により、電磁コイルの両端が短絡されて、電磁制動によりその状態を維持するように設定される。
【0081】
電磁モータ9に対しては第1の実施の形態と同様である。その他の構成及び動作は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、姿勢を変更する駆動手段と発電する発電手段を兼用しているので、より小型化及び軽量化できる。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0082】
なお、図11における電磁モータ9側も発電手段と姿勢を変更する回転駆動手段とを兼用する構成にしても良い。このようにすると、さらに発電機能を向上できる。
【0083】
なお、上述の実施の形態では発電手段はロータ側或いはステータ側を回転自在の回転部材とし、その回転部材にはその重心位置を回転部材の中心軸から偏心させる偏心体としての重りを取り付けて回転部材に回転力が作用する構造にしているが、回転部材自体の重心位置をその回転自在となる軸上から偏心する構造にした場合には特に偏心体を設けなくても,その機能を有することになる。
【0084】
なお、例えば図4の体外システム30から放射される電波を図3の受信回路23の同調回路及びダイオードにより検波し、コンデンサで平滑化して直流電力を生成し、その電圧をDC−DCコンバータで昇圧して蓄電池15を充電するようにして電気エネルギの発生手段を形成するようにしても良い。
【0085】
また、患者が充電用の発信装置を持ち、必要に応じて発信装置を動作させて,充電できるようにしても良い。この場合、患者自身も蓄電池15の充電状態をモニタできる装置を持ち、充電が必要な場合に発信装置を動作させるようにしても良い。また、充電が必要な場合には発信装置を自動的に動作させるようにしても良い。
【0086】
(第6の実施の形態)
図12ないし図14は本発明の第6の実施の形態に係り、図12は第6の実施の形態の医療用カプセル装置を示し、図13は医療用カプセル装置の内部構造を示し、図14は図13を分解した状態で示す。
【0087】
図12に示すように本発明の第1の実施の形態の医療用カプセル装置81は、ほぼ円筒形状のカプセル本体を形成する筒体82の先端部分に例えば、胃・腸などの消化管内部のpH値の測定を行うpHセンサ部83を設けると共に、この筒体82の表面には力を受けての変形の際に電気を起こすPVDF,PZT等の圧電性高分子材料をフィルム状にして形成された複数の圧電性起電力発生素子84を設けて、電力供給手段を形成している。
【0088】
図13に示すようにこの医療用カプセル装置81は先端部を半球形状にした筒体82のその先端側中にはpHセンサ部83、このpHセンサ部83の後方側に隣接して配置され、遠隔計測機能を形成したテレメータ回路基板85、このテレメータ回路基板85の後方側に隣接して配置され、圧電性起電力発生素子84で生じる電力を蓄積する蓄電手段としてのコンデンサ86が設けられている。
【0089】
また、この筒体82の後端の開口はキャップ87で蓋をすることによりその開口は密封され、外部から水が内部に入ることを防止する液密構造にしている。pHセンサ部83は、pH感応電極88、比較電極89が設けられ、エポキシ等の合成樹脂材料からなるセンサ本体90の中に封入固定されている。
【0090】
さらに、電極88,89はともに従来用いられてきたガラス電極、アンチモン電極に対して強度、耐ノイズ性、測定精度の面で優れているイリジウムをベースとした金属酸化物薄膜より成る針状電極である。また、センサ本体90の内部には一対のKCL(塩化カリウム)溶液の収納部91a,91bが形成されている。そして、比較電極89の先端は一方のKC1溶液の収納部91a内に挿入されている。
【0091】
他方のKCL溶液の収納部91b内には例えばセラミック材料によって形成された棒状の液連絡部92が配設されている。この液連絡部92の一端はセンサ本体90の先端面から外部側に少し突出された状態、他端はKCL溶液の収納部91a内に挿入された状態で装着されている。
【0092】
この液連絡部92とセンサ本体90との接触部は液密状にシールされており、KCL溶液の収納部91a,91bの内部にはKCL溶液が外部側に漏出しないように保持されている。
また、pH感応電極88、液連絡部92は、センサ本体90の先端面から外部側に少し突出された状態で設置されている。
【0093】
また、テレメータ回路基板85は筒体82の筒内に配設されている。この場合、テレメータ回路基板85は例えば2枚の回路基板(第1の回路基板85aおよび第2の回路基板85b)が設けられている。これらの2枚の回路基板85a,85b間には絶縁材料より成るスペーサ93が介設されている。なお、2枚の回路基板85a,85b間は図示しないリード線を介して電気的に接続されている。
【0094】
さらに、pHセンサ部83とテレメータ回路基板85とは、図示しない信号線により接続されている。まず、pHセンサ部83の各電極88,89に接続された信号線がテレメータ回路基板85の第1の回路基板85aに接続され、そこから接続されている第2の回路基板85bには信号に変換された計測情報を体外に伝送するためのアンテナ(図示せず)が内蔵されている。
【0095】
また、pHセンサ部83とは反対側の端部には、コンデンサ86が設けられており、センサ本体82の外周面に設けられている圧電性起電力発生素子84とテレメータ回路基板85と配線されている。
【0096】
図14に示すように、pHセンサ部83、テレメータ回路基板85等を筒体82の中に入れてしまい、テレメータ回路基板5と圧電線起電力発生素子84からの配線を接続し、後端部をキャップ87で密封できるようにしている。
【0097】
次に本実施の形態の動作を説明する。
医療用カプセル装置81の使用時には、あらかじめ患者に飲み込ませて、経口的に胃内に取り込ませ、留置させる。この時、医療用カプセル装置81は、ぜん動運動により表面の圧電性起電力発生素子84が圧力を受けたり、医療用カプセル装置81自身が回転したりすることで管壁に当たり圧電性起電力発生素子84に圧力がかかる。また、胃内に留置後も胃壁に医療用カプセル装置81が当たることで圧電性起電力発生素子84は力を受けることになる。
【0098】
すると、圧電性起電力発生素子84により起こされた起電力がコンデンサ86に蓄積されていき、そこに蓄積された電力を使ってテレメータ回路基板85は電気的に駆動され、pHセンサ部83は動作する。医療用カプセル装置81が壁面等に当たり圧力を受けるたびに起電力を発生し、コンデンサ86に蓄積されていく。
【0099】
そして、例えば胃・腸などの消化管内部のpH値を測定するときには、pHセンサ部83の表面に突出しているpH感応電極88と液連絡部92とが消化管内の分泌液と接触し、消化管内の分泌液は液連絡部92のセラミック材質に形成されている無数の微細孔を介して一方のKCL溶液収納部91bを経て、他方のKCL溶液収納部91aの内部のKCL溶液中に導入される。
【0100】
そしてこのKCL溶液中でイオン交換が行われて、その分泌のpH値に応じた電圧がpH感応電極88と比較電極89との間に設けられ、この電圧値がテレメータ回路基板85へ入力されpH値が算出され、さらにテレメータ回路基板85の表面等に設けたアンテナを通して体外へ伝送される。体外の受信装置等でこの搬送波を受信することで消化管内のpH値を測定することができる。
【0101】
本実施の形態は以下の効果を有する。
医療用カプセル装置81が動いている間、常に電力を蓄積しており、電池切れによる計測の中断を解消ないしは少なくでき、長時間継続した計測を行うことが可能である。
【0102】
なお、本実施の形態では,生体内の情報を検出する情報検出手段としてpHを計測するPhセンサ部83を設けたが、患部等の温度を計測する温度センサを設けるようにしても良い。また、患部の組織を切除するための鉗子等、開閉して患部組織を除去する処置手段を設けるようにしても良い。
【0103】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態の医療用カプセル装置95を示す。図15に示すように、複数の圧電性起電力発生素子96を医療用カプセル装置95の筒体82の後端に取り付けられる例えばキャップ87部分に設けた構成とした。この場合、各圧電性起電力発生素子96はキャップ87の後方側に突出するように取り付けられ、突出する部分が変形し易いようにしている。
その他の構成は第6の実施の形態と同じである。
【0104】
本実施の形態は各圧電性起電力発生素子96が第1の実施の形態の場合よりも変形し易いこと以外は同じ動作となる。
【0105】
本実施の形態は以下の効果を有する。
圧電性起電力発生素子84を変形しやすいように配置しているため、起電力が起こしやすく、その起電力を蓄積しやすい。
【0106】
(第8の実施の形態)
第6の実施の形態に示すような圧電性高分子材料からなる圧電性起電力発生素子84を用いて電力を起こしてその電力を照明・視覚・処置機能等各機能の動作のための電力供給手段に用いる構成とする。
【0107】
圧電性高分子材料からなる圧電性起電力発生素子84の動作は第6の実施の形態と同じとなる。照明・視覚・処置機能の動作は第1の実施の形態等とほぼ同じとなる。
本実施の形態は第1の実施の形態に同じ効果を有する。
【0108】
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態も本発明に属する。
【0109】
[付記]
1.各種機能手段を備えた医療用カプセル装置において、
回転自在に支持された回転部材を有し、その回転部材が回転することによって電気エネルギを発生する発電手段と、
前記回転部材に偏心した状態で固着された偏心体と、
前記発電手段からの電力を蓄え、前記各種機能手段に電力を供給する蓄電手段と、
を設けたことを特徴とする医療用カプセル装置。
【0110】
(付記1の効果)
発電手段を内蔵していることで、長時間留置でき、患者に与える苦痛も少なくすみ、患者の行動範囲を制限しない。
【0111】
2.前記発電手段が電磁発電機である付記1記載の医療用カプセル装置。
3.前記偏心体が金属製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
4.前記偏心体がプラスチック製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
5.前記偏心体がセラミックス製の質量体である付記1記載の医療用カプセル装置。
【0112】
6.前記機能手段が観察手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
7.前記機能手段が処置手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
8.前記機能手段が情報検出手段である付記1記載の医療用カプセル装置。
9.前記観察手段が光学的観察手段である付記6記載の医療用カプセル装置。
【0113】
10.前記観察手段が超音波観察手段である付記6記載の医療用カプセル装置。
11.前記処置手段がレーザ照射装置である付記7記載の医療用カプセル装置。
12.前記処置手段が開閉する鉗子である付記7記載の医療用カプセル装置。
13.前記処置情報検出手段がpHセンサである付記8記載の医療用カプセル装置。
【0114】
14.前記情報検出手段が温度センサである付記8記載の医療用カプセル装置。15.各種機能手段を備えた医療用カプセル装置において、
前記機能手段を内蔵する内部カプセルと、
前記内部カプセルを収納する外部カプセルと、
前記内部カプセルと前記外部カプセルの間に設けられた回動手段と、
前記回動手段を駆動するための回動駆動手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0115】
(付記15の作用)
カプセルが二重構造になっていることで、外部カプセルが障害物等によって動きを抑制されても、内部カプセルは自在に姿勢を変えられるという作用を持つ。(付記15の効果)
医療用カプセル装置が障害物に当たり、姿勢を変えられない場合でも、内部カプセルが自由に向きを変えられるため、効率よく観察ができる。
また、医療用カプセル装置が二重構造になっているため、観察のための距離が確保されており、観察対象が観察装置に近すぎて焦点が合わなかったり、赤玉になったりすることがなく、快適な観察ができる。
【0116】
16.前記外部カプセルが球体である付記15記載の医療用カプセル装置。
17.前記外部カプセルが円筒形状である付記15記載の医療用カプセル装置。
18.前記外部カプセルが立方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
19.前記外部カプセルが直方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0117】
20.前記外部カプセルが光学的に透明である付記15記載の医療用カプセル装置。
21.前記外部カプセルが超音波伝導物質でできている付記15記載の医療用カプセル装置。
22.前記内部カプセルが球体である付記15記載の医療用カプセル装置。
23.前記内部カプセルが円筒形状である付記15記載の医療用カプセル装置。
24.前記内部カプセルが立方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0118】
25.前記内部カプセルが直方体である付記15記載の医療用カプセル装置。
26.前記内部カプセルが光学的に透明である付記15記載の医療用カプセル装置。
27.前記内部カプセルが超音波伝導物質でできている付記15記載の医療用カプセル装置。
28.前記回動駆動手段が電磁モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
【0119】
29.前記回動駆動手段が静電モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
30.前記回動駆動手段が超音波モータである付記15記載の医療用カプセル装置。
31.前記機能手段が観察手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
32.前記機能手段が処置手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
【0120】
33.前記機能手段が情報検出手段である付記15記載の医療用カプセル装置。
34.前記観察手段が光学的観察手段である付記31記載の医療用カプセル装置
。
35.前記観察手段が超音波観察手段である付記31記載の医療用カプセル装置。
36.前記処置手段がレーザ照射装置である付記32記載の医療用カプセル装置。
37.前記情報検出手段が温度センサである付記33記載の医療用カプセル装置。
【0121】
(付記15〜37の背景)
従来技術としては、体内にあるカプセルが、観察や医療装置を行う際に、カプセル本体から流体を噴出させてカプセルの姿勢変えるというアイディア等が知られている。
カプセル本体から流体を噴出し、カプセルの姿勢を変えるものでは、カプセルの周囲に障害物がある場合などは、思い通りに姿勢の変更が出来なかった。
【0122】
(付記15〜37の目的)
その目的は、カプセルの姿勢が任意に変えることで、より確実な観察、処置等ができる医療用カプセル装置を提供することである。
この目的を達成するために、付記15〜37の構成にした。
【0123】
38.カプセル本体と、
このカプセル本体に設けられた生体の情報を検出する生体情報検出手段と、
前記カプセル本体表面に設けられた圧電性変換素子と、
この圧電性変換素子からの電力を蓄積する電力蓄積部と、
この電力で駆動され前記生体情報検出手段で検出された情報を体外へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする医療用カプセル装置。
【0124】
39.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、pH値センサである。
40.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、画像情報検出手段である。
41.付記38項からなる医療用カプセル装置において、生体情報検出手段は、生体組織を取る組織採取手段と、その組織を調べる組織判別手段とからなる。
【0125】
42.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子は、フィルム状である。
43.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子は、PVDF,PZT,ピエゾゴム等からなる。
44.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子を外表面に複数個設けた。
45.付記38項からなる医療用カプセル装置において、前記圧電性変換素子を外表面の周上概等間隔に設けた。
46.付記38項からなる医療用カプセル装置において、電力蓄積部はコンデンサからなる。
【0126】
(付記38〜46の背景)
生体内に留置して、生体内の観察や医療処置等を行う医療用カプセルに関する。
近年、pH等の生体情報をセンサで検出し、検出された生体情報を生体情報信号として体外へ送信する医療用カプセル或いは医療用カプセル装置が知られている。この種記載の医療用カプセルは、生体情報を検出するセンサの他にセンサから出力された生体情報信号を変調して体外に送信する送信回路や、この送信回路を駆動する電源部としてのバッテリを備えている。
【0127】
ところで、このような医療用カプセルでは、カプセル内にバッテリが内蔵されているため、カプセルを小型化しようとした場合に限界がある。そこで、カプセルの小型化を容易とするために、pH検出用の電極としてゲルマニウム半導体電極とマンガン電極を用い、これら両電極間に生じた電圧を駆動用電力として利用する医療用カプセルが特公昭49−15425号公報に開示されている。
【0128】
(解決しようとする課題)
しかしながら、上記のような医療用カプセルでは、水銀電池等のバッテリが不要となるが、電極間に生ずる電圧が生体内のpH値によって増減するため、送信回路の動作が不安定になるという問題があった。
【0129】
(付記38〜46の目的)
その目的はセンサで検出した生体情報を体外へ送信する送信回路を安定に長時間継続して駆動することができ、かつカプセルの小型化を図ることができる医療用カプセル装置を提供しようとするものである。
この目的を達成するために、付記38〜46の構成にした。
【0130】
(付記38〜46の効果)
胃・腸などの消化管の検査・観察等を行うカプセルにおいて、長時間継続して使用することができ、カプセルを取り出して電池を交換するという作業を必要とせず、効率的である。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
を具備しているので、患者に不自由を強いたり、苦痛を強いることなく、生体内に留置して観察機能等を働かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図2】電磁発電機の構成を示す図。
【図3】医療用カプセル装置の電気系のブロック構成を示す図。
【図4】医療用カプセルシステムの構成及び使用例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図6】電磁発電機及び偏心して取り付けられた重りを示す図。
【図7】管腔臓器内での移動が容易等であることの説明図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図9】駆動装置の内部構成を示す図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図11】本発明の第5の実施の形態の医療用カプセル装置を示す断面図。
【図12】本発明の第6の実施の形態の医療用カプセル装置を示す斜視図。
【図13】医療用カプセル装置の内部構造を示す断面図。
【図14】医療用カプセル装置の内部構造を分解して示す断面図。
【図15】本発明の第7の実施の形態の医療用カプセル装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1…医療用カプセル装置
2…外殻カプセル
3…内部カプセル
4…梁
5…回転軸
6…ピン
7,9…電磁モータ
8,10…モータ回転軸
11…観察装置
12…照明装置
13…電磁発電機
14…回路基板
15…蓄電池
16…回転軸
17…重り
18…永久磁石
19…電磁コイル
20…整流回路
21…電源回路
22…制御回路
23…受信回路
24…発信回路
25…処理回路
26…アンテナ
30…体外システム
Claims (7)
- 生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
を具備したことを特徴とする医療用カプセル装置。 - 前記アンテナに接続され、体外にある体外システム側から送信される搬送波の周波数を選択する前記カプセルに内蔵された同調回路と、
前記体外システム側から送信された搬送波から変調された信号成分を取り出すための前記カプセルに内蔵された復調回路と、
前記復調回路によって復調されて入力される信号を監視し、その信号に対応した動作を行うように各構成回路の動作を制御する前記カプセルに内蔵された制御回路と、
を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の医療用カプセル装置。 - 前記カプセルに内蔵された充電可能な蓄電池と、
前記蓄電池に蓄えられた直流電力を、前記観察装置、照明装置、処理回路、発信回路等の各構成回路の駆動用に使用する前記カプセルに内蔵された電源回路と、
を更に具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の医療用カプセル装置。 - 前記制御回路は、前記復調回路によって復調されて入力される信号を監視して動作開始の信号を検出することで、前記観察装置、照明装置、処理回路、発信回路等の各構成回路の駆動電力を供給する状態にすることを特徴とする請求項2または3に記載の医療用カプセル装置。
- 生体内に留置されるカプセルと、
照明光を出射する前記カプセルに内蔵された照明装置と、
前記照明光によって照明された部分の視野範囲の像を撮像して光電変換した映像情報としての撮像信号を送る撮像素子を有する前記カプセルに内蔵された観察装置と、
前記撮像素子から送られた前記映像情報としての撮像信号を映像信号に変換する前記カプセルに内蔵された処理回路と、
前記処理回路から送られた前記映像信号を搬送波信号で変調する前記カプセルに内蔵された発信回路と、
前記発信回路で変調した前記映像信号を電波として発信する前記カプセルに内蔵されたアンテナと、
前記カプセルに内蔵された前記アンテナによって発信された電波を受信するアンテナを有する体外にある体外システムと、
前記体外システムの前記アンテナで受信した前記電波から信号を復調する前記体外システムが有する受信回路と、
前記受信回路によって復調した前記信号をデジタル信号に変換する前記体外システムが有するA/Dコンバータと、
デジタル信号に変換された前記信号を格納する前記体外システムが有するメモリと、
を具備したことを特徴とする医療用カプセルシステム。 - 前記体外システムは、前記カプセルに内蔵された前記観察装置、照明装置、処理回路、発信回路等の各構成回路を制御する制御信号を、前記体外システムの発信回路を経て所定の周波数の搬送波で変調し、前記体外システムの前記アンテナから発信することを特徴とする請求項5に記載の医療用カプセルシステム。
- 前記カプセルに内蔵された制御回路は、前記観察装置、照明装置、処理回路、発信回路等の各構成回路に駆動電力を供給する状態にすることを特徴とする請求項5又は6に記載の医療用カプセルシステム。
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