JP2003536069A - 食品用ｘ線検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 食品容器（２２）の非破壊垂直方向検査を行うための装置は、垂直軸線方向に末広がりの放射線ビームを放射するエミッター（２４）、及びこのエミッター（２４）から来入し、検査されるべき容器（２２）を通過した放射線を検出するための一対の検出器（２６）を含む。二つの放射線検出器（２８、３０）は直線状検出器であり、エミッター（２４）が放射した放射線（３２、３２’）を二つの異なる方向に従って受け取るように間隔が隔てられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明はＸ線検査装置に関する。 更に詳細には、本発明は、食品容器の非破壊検査を行うための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

食品容器のＸ線非破壊検査は、検査されるべき容器が水平コンベアベルトに載
って内側を通過する定置の検査装置によって行われることが周知である。検査装
置は、適当な検出器に連結されたＸ線エミッター、及び関連した制御回路を含む
。

【０００３】 食品容器の検査は、あり得る汚染が容器内に存在することを検出することを目
的とする。確かに、加工工程中及び瓶詰工程中、容器内の液体よりも比重が高い
異物の粒子や破片が万一存在した場合にこれを容器内で見つけることができる。

【０００４】 多くの場合、食品産業用ガラス容器のＸ線非破壊検査が、検査されるべき前記
容器の列の側方に配置された個々の装置によって行われている。このような装置
は、実質的に、エミッター及び検出器を備えており、検査されるべき前記容器の
列がこれらの間を通過する。

【０００５】 更に、前記個々の装置は、収容された食品の９０％乃至９５％を検査する結果
となることが知られている。前記制限は、容器の凹所や傾斜した壁によって形成
される影領域のためである。

【０００６】 多くの場合、前記結果は十分であるとは考えられない。実際、検査の有効性が
９５％しかないと、様々な問題が生じる。こうした問題点をなくそうとする幾つ
かの試みがなされてきたが、しかしながら、これらの試みは比較的複雑であり、
費用がかかり、満足のいくものではない。

【０００７】 このような試みのうち、同じ出願人の名でイタリア国特許第１，２８５，００
８号で提案された解決策には言及する価値がある。この特許には、食品産業用の
ガラス容器及び／又は缶用の側方検査装置が開示されている。この装置は、互い
に対して９０°で配置されており且つ容器変位ラインに対して４５°で配置され
た二つのモジュール式のユニットを含む定置構造を含む。一方のユニットには半
パノラマエミッター及び検出器が設けられているのに対し、他方のユニットには
第１のユニットに設けられているのと同じ検出器だけが設けられている。

【０００８】 このような解決策により、例えば容器底部の湾曲による幾つかの影領域をなく
すことができる。しかし、汚染物が付着し易い領域である容器底部を直接検査す
ることはできない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】

従って、本発明の目的は、ガラス製又は金属製の液体製品の容器の底部の検査
を完全に且つ直接的に迅速に且つ確実に行うことができる検査装置を提供するこ
とによって上述の問題点をなくすことである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

以上の及び他の目的は、ガラス製のジャーやポット等の食品容器をＸ線非破壊
検査するための、特許請求の範囲に記載した本発明によって製造された装置によ
って達成される。

【００１１】 本発明に従って製造した容器検査装置は、互いに近接して垂直方向に配置され
た放射線エミッター及び少なくとも二つの放射線検出器を使用する。これらは、
エミッターから来入する放射線を二つの僅かに異なる方向に従って同時に検出す
る。かくして、一つの方向に関して影領域内にとどまる可能性があるゾーンは、
一般的には、他方の検出器によって検査できる。

【００１２】 次に、本発明を、本発明の好ましいが非限定的な実施例に関し、添付図面を参
照して説明する。

【００１３】

【発明の実施の形態】

図１は、例えばコンベアベルト（図示せず）に載って周知の検査装置を通過す
る容器２の概略平面図である。検査装置は、容器２の上方に配置された放射線エ
ミッター１２、及びコンベアベルトの下に配置された直線状放射線検出器４を含
む。エミッター１２が放射した放射線ビームは容器２及びその内容物を通過し、
検出器４に到達し、使用された放射線に対するビームが通過した材料の透明性と
関連した画像を、周知の電子プロセス手段により、発生する。

【００１４】 更に、同じ図１に示すように、検査装置内での容器２の変位中、汚染物が付着
していることがある容器底部全体は適切に検査されない。詳細には、ハッチング
を施した領域１０ａ、１０ｂは検査されないままである。

【００１５】 これは、主として、ネック６と外壁８との間の容器部分において、通過するガ
ラス層が、壁の傾斜のために厚いために起こる。 エミッター１２によって放射される放射線ビームが末広がりのビームであり、
容器に貫入して底部領域全体を照射する場合でも、直線状検出器４は、その検出
面を通る垂直方向平面内の放射線しか検出できず、かくして、横の影を付けたゾ
ーン１０ａ、１０ｂがカバーされずに残される。

【００１６】 本発明に従って製造された、食品及び他の製品用の容器用の検査装置を図２、
図３、及び図４を参照して開示する。 詳細には、図２及び図３は、一群の容器２２、例えば食品が入ったガラスポッ
トを示す。これらの容器は、本発明に従って製造された垂直方向に配置された検
査装置内でコンベアベルト２０によって搬送される。

【００１７】 検査装置は、末広がりの放射線ビーム３２、例えばＸ線ビームを放射する放射
線エミッター２４、及びエミッター２４が放射した放射線を検出するようになっ
た手段２６を含む。エミッターの位置は垂直方向で、例えば小型のポットに適し
た下位置と壜や高さのある容器に適した上位置との間で調節自在である。

【００１８】 実際には、装置の最適の作動について、図４を参照して以下に詳細に開示する
ように、エミッター２４は、容器２２のネックの僅かに上方に配置される。 放射線検出手段２６は二つの別個の直線状検出器２８、３０を含む。これらの
検出器は、僅かに間隔が隔てられており、放射線エミッター２４を通る垂線に関
して対称に配置されている。検出器２８、３０は、図４に詳細に示すように、エ
ミッター２４が放射した放射線を二つの異なる方向３２、３２’に従って受け取
る。

【００１９】 実際、図４は、ポットのネック３４の上方に概略に示すエミッター２４と検出
器２８及び３０との間に配置されたポット２２の検査工程を概略に示す。図の参
照符号Ａは、ネック３４と外壁４０との間のポット傾斜部分３６の幅を示す。こ
の図面は、検出器２８、３０が適当に離間されている場合、底隅部を含むポット
底部全体を検査できるということを明瞭に示す。

【００２０】 検出器間の最小間隔Ｂは、容器即ちポット２２のネック３４と外壁４０との間
の直径の差Ａの少なくとも二倍でなければならない。確かに、この方法では、エ
ミッター２４が放射した放射線３２’は、傾斜部分３６を通過しないで容器２２
に貫入し、底部周囲を障害なしに通過でき、次いで検出器３０に達する。同様に
、ポット２２の底部３８の他端は、他方の検出器２８によって適正に検査される
。

【００２１】 更に、検査装置を様々な形状及び大きさの容器に適合させるため、センサ２８
及び３０の間の間隔は可変になっており、勿論、常にエミッター２４の放射線が
画成する円錐形内にある。実際には、底部が広幅の容器を検査するためには、検
出器２８と３０との間の間隔が大きいのが適しているが、円筒形容器の場合には
、検出器を互いに近づけて配置できる。

【００２２】 かくして、本発明の装置により、食品容器の検査工程を改善でき、安全性及び
信頼性が確実に向上する。更に、装置が小型であるため、従来の垂直方向検査装
置の周知の種類の単一の検出器を用いる装置の代わりに、本装置を使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来技術の検査装置内の容器の概略平面図である。

【図２】 本発明に従って製造した検査装置の概略側面図である。

【図３】 図２に示す検査装置の平面図である。

【図４】 本発明に従って製造した検査装置での検査工程中の容器の概略側面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2G001 AA01 BA11 CA01 DA06 DA08 GA06 GA13 HA13 JA06 JA09 JA13 KA03 LA02 LA05 LA06 MA10 PA01 PA11

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品容器（２２）の非破壊垂直方向検査を行うための装置で
   あって、垂直軸線方向に放射線ビームを放射するようになったエミッター（２４
   ）及び前記放射線を検出するための手段（２６）を含み、前記容器（２２）は、
   検査のため、前記エミッター（２４）と前記放射線検出手段（２６）との間を通
   過する、装置において、前記放射線検出手段（２６）は二つの直線状放射線検出
   器（２８、３０）を含み、これらの検出器は、互いにほぼ平行に配置されており
   、前記エミッター（２４）が放射した放射線（３２、３２’）を異なる方向に従
   って受け取るように間隔が隔てられていることを特徴とする、装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、前記エミッター（２４）と
   前記二つの放射線検出器（２８、３０）との間の間隔は、検査されるべき容器（
   ２２）の種類及び形状に合わせて変化させることができる、装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の装置において、前記二つの放射線検
   出器（２８、３０）間の間隔は、検査されるべき容器（２２）の種類及び形状に
   合わせて変化させることができる、装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の装置において、前記二つの放射線検出器（
   ２８、３０）間の間隔（Ｂ）は、前記容器（２２）のネック（３４）と同じ容器
   の外壁（４０）との間の直径の差（Ａ）の少なくとも二倍に等しい、装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４のうちのいずれか一項に記載の装置において
   、前記直線状放射線検出器（２８、３０）の長さは、検査されるべき容器（２２
   ）の底部の直径と等しいか或いはそれ以上である、装置。