JP2003535842A - シクロヘキサノンオキシムの製造法 - Google Patents
シクロヘキサノンオキシムの製造法Info
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Abstract
Description
ゾーンからシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンへ、そしてもとのヒドロキシル
アンモニウム合成ゾーンへ循環されるところのシクロヘキサノンオキシムの製造
法であって、該ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンにおいて水素によるナイト
レートの接触還元によってヒドロキシルアンモニウムが形成され、該シクロヘキ
サノンオキシム合成ゾーンにおいてヒドロキシルアンモニウムがシクロヘキサノ
ンと反応されてシクロヘキサノンオキシムが形成され、ここで、シクロヘキサノ
ンおよび有機溶媒がシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され、有機溶媒
およびシクロヘキサノンオキシムを含む有機媒体がシクロヘキサノンオキシム合
成ゾーンから抜き出されるところの方法に関する。
これらの酸から誘導される緩衝する塩を含む、緩衝化した水性反応媒体が、硝酸
イオンが分子状水素によって接触還元されてヒドロキシルアンモニウムにされる
ところのヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンと、ケトン、例えばシクロヘキサ
ノンがオキシムに転化されるところのオキシム化ゾーンとの間で連続的に再循環
されるところの方法において製造され得る。水性反応媒体は、ヒドロキシルアン
モニウム合成ゾーンに移る前に、硝酸の添加によって、またはその場合に硝酸が
インシチュー(in situ)形成されるところの水性反応媒体中での3価窒素を含
む気体の吸収によって、必要とされる硝酸イオンで豊富にされ得る。ヒドロキシ
ルアンモニウム合成ゾーンにおいてヒドロキシルアンモニウムで豊富にされた後
、水性反応媒体は次いで、オキシム合成ゾーンに移され、そこで、ヒドロキシル
アンモニウムがケトン、例えばシクロヘキサノンと反応されて、対応するオキシ
ムを形成する。オキシムは次いで、ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンに再循
環されるところの水性反応媒体から分離され得る。
る。
NO3の供給
体物質上のパラジウムおよび/または白金であり、担体物質には、1〜25重量
%のパラジウムおよび/または白金が担持されている。触媒の活性は、再循環流
中の有機汚染物質(例えばケトンおよびオキシム)の存在によって悪影響を受け
る。
の技術が開発されている。米国特許第3,940,442号は、シクロヘキサノ
ンオキシム合成ゾーンからヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンへ再循環されて
いる水性反応媒体を50℃〜106℃の範囲の高められた温度に加熱することに
よって、触媒を害することが防止されることを記載している。英国特許第1,2
83,894号および米国特許第3,997,607号は、それぞれ、亜硝酸お
よび3価窒素を含む気体の存在下で水性反応媒体を加熱処理することが、触媒を
害することの程度を低下させることを記載している。
キシルアンモニウム)/(単位時間当たりにシクロヘキサノンオキシム合成ゾー
ンに供給されるシクロヘキサノン)の低下されたモル比が、シクロへキサノンオ
キシム合成ゾーンからヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンへ再循環される水性
反応媒体中の有機汚染物質の濃度の低下をもたらすことが今見出された。
ニウム合成ゾーンからシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンへ、そしてもとのヒ
ドロキシルアンモニウム合成ゾーンへ循環されるところのシクロヘキサノンオキ
シムの製造法であって、該ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンにおいて水素に
よるナイトレートの接触還元によってヒドロキシルアンモニウムが形成され、該
シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンにおいてヒドロキシルアンモニウムがシク
ロヘキサノンと反応されてシクロヘキサノンオキシムが形成され、ここで、シク
ロヘキサノンおよび有機溶媒がシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され
、有機溶媒およびシクロヘキサノンオキシムを含む有機媒体がシクロヘキサノン
オキシム合成ゾーンから抜き出されるところの方法において、比fh/fc<1.
00(fhは単位時間当たりにシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され
るヒドロキシルアンモニウムのモル量(モル/単位時間)を表し、fcは単位時
間当たりにシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給されるシクロヘキサノン
のモル量(モル/単位時間)を表す)であることを特徴とする方法を提供する。
本発明はまた、(i)ヒドロキシルアンモニウム、ホスフェートおよびナイトレ
ートを含む水性反応媒体、(ii)シクロヘキサノン、および(iii)有機溶媒が
シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され、該ゾーンでヒドロキシルアン
モニウムがシクロヘキサノンと反応されてシクロヘキサノンオキシムが形成され
、有機溶媒およびシクロヘキサノンオキシムを含む有機媒体がシクロヘキサノン
オキシム合成ゾーンから抜き出されるところのシクロヘキサノンオキシムの製造
法において、比fh/fc<1.00であることを特徴とする方法をも提供する。
ウム合成ゾーンに入る、触媒を害する有機汚染物質、特に残留シクロヘキサノン
および/またはシクロヘキサノンオキシムの量を減少させることができる。本発
明によれば、比fh/fc<1.00であることが、ヒドロキシルアンモニウム合
成ゾーンに入る有機汚染物質の量の増加を回避しまたは軽減するので、例えばよ
り小さい装置を使用することにより、有機汚染物質の除去のための工程を省くこ
と、またはそのような工程が行なわれる程度を低下させることが可能である。ま
た、本発明によれば、比fh/fc<1.00であることが、ヒドロキシルアンモ
ニウム合成ゾーンに入る有機汚染物質の量の増加を回避しまたは軽減するので、
シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体中のシクロヘキサノンオキ
シム濃度を増加させることもできる。
アンモニウム合成ゾーンで得られたヒドロキシルアンモニウムを含む水性反応媒
体が、シクロヘキサノンおよびトルエンと共にシクロヘキサノンオキシム合成ゾ
ーンに循環されるところのシクロヘキサノンオキシムの製造法を記載している。
その公知方法では、比fh/fcが1.00に等しい。その比を低下させると、シ
クロヘキサノンオキシム合成ゾーンからヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンへ
再循環されるところの水性反応媒体中の有機汚染物質の濃度の低下を生じること
は開示されていない。
99であり、より好ましくは比fh/fc<0.98であり、特に0.97より小
さい。これらの低下された比は、シクロヘキサノンオキシム合成を出る水性反応
媒体中の有機汚染物質の濃度の更なる低下を生じる。比fh/fcの特定の下限は
ない。比fh/fcは一般に、0.5より高く、好ましくは0.7より高く、より
好ましくは0.8より高い。
ロヘキサノンと反応されてシクロヘキサノンオキシムを形成する。好ましくは、
水性反応媒体と、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む流れとを、向流で接触
させる。これは、シクロヘキサノンオキシムを水性反応媒体から分離する非常に
有効な方法である。適する方法は、例えば英国特許第1,138,750号に記
載されている。公知の型の向流反応器、例えば充填物を満たしたパルスカラムま
たは回転ディスク反応器が使用され得る。また、撹拌器を備えた多数(例えば3
〜6)の直列に連結した反応器(これらの反応器の各々には、液体−液体分離器
をも備えられている)を含む系を使用することもできる。好ましくは、有機溶媒
は、20℃で0.1重量%未満の水溶解度を有する。好ましくは、有機溶媒が、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよび
それらの混合物から成る群から選択される。最も好ましくは、有機溶媒がトルエ
ンである。好ましくは、シクロヘキサノンが有機溶媒に溶解される。
キシムの濃度の特定の下限はない。一般に、シクロヘキサノンオキシム合成ゾー
ンを出る有機媒体中のシクロヘキサノンオキシム濃度は、5重量%より高い。シ
クロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体中の高められたシクロヘキサ
ノンオキシム濃度は、例えば蒸留プロセスにおける、シクロヘキサノンオキシム
からの有機溶媒の分離が、より少ないエネルギーを使用して行われ得るという利
点を有する。好ましくは、オキシム合成ゾーンを出る有機媒体中のシクロヘキサ
ノンオキシム濃度は、25重量%より高く、より好ましくは30重量%より高く
、特に35重量%より高く、さらには38重量%より高い。シクロヘキサノンオ
キシムの高められた濃度は、例えば、オキシム合成ゾーンに入るシクロヘキサノ
ンの流速に対するオキシム合成ゾーンに入る溶媒の流速を減少させることによっ
て達成され得る。一般に、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体
中のシクロヘキサノンオキシム濃度は、95重量%より低く、好ましくは80重
量%より低く、より好ましくは60重量%より低い。有機媒体中のシクロヘキサ
ノンオキシム濃度は全て、シクロヘキサノンオキシムと有機溶媒との合計重量に
対して示される。
ロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオキシムの合計含量が、0.2重量%(2
000ppm)より下、好ましくは0.1重量%より下、より好ましくは0.0
5重量%より下、特に0.02重量%より下、さらには0.01重量%より下、
最も好ましくは0.005重量%より下である(水性反応媒体の重量に対する)
。
ロヘキサノンオキシム濃度の増加が、ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンを出
る水性反応媒体中の有機汚染物質の濃度の増加を生じ得ることを見出した。本発
明に従う方法は、この効果が軽減されまたは回避されるという利点を有する。
大気圧より下、または高められた圧力、好ましくは0.05〜0.5MPa、よ
り好ましくは0.1〜0.2MPa、最も好ましくは0.1〜0.15MPaで
運転され得る。好ましくは、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反
応媒体が、1〜6、より好ましくは1.5〜4のpHを有する。
ンモニウム濃度の特定の下限はない。一般に、シクロヘキサノンオキシム合成ゾ
ーンに入る水性反応媒体中のヒドロキシルアンモニウム濃度は、0.7モル/リ
ットルより高い。ヒドロキシルアンモニウムの高められた濃度が有利である。な
ぜならば、そのとき、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンでのヒドロキシルア
ンモニウムの転化が高められ得るからである。さらに、単位時間あたりに製造さ
れるシクロヘキサノンオキシムの量が、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに
入る水性反応媒体中のヒドロキシルアンモニウム濃度を高めることにより増加さ
れ得る。好ましくは、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体
中のヒドロキシルアンモニウム濃度は、0.8モル/リットルより高く、より好
ましくは1.0モル/リットルより高く、特に1.2モル/リットルより高く、
さらには1.4モル/リットルより高く、最も好ましくは1.6モル/リットル
より高い。シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中の高めら
れたヒドロキシルアンモニウム濃度は例えば、ヒドロキシルアンモニウム合成ゾ
ーン中の滞在時間を増加させることにより、および/またはヒドロキシルアンモ
ニウム合成ゾーンに入る水性反応媒体中のナイトレート濃度を増加させることに
より達成され得る。シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中
のヒドロキシルアンモニウム濃度の特定の上限はない。一般に、シクロヘキサノ
ンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中のヒドロキシルアンモニウム濃度は
2.5モル/リットルより下である。
ヒドロキシルアンモニウム濃度の増加が、 シクロヘキサノンオキシム合成ゾー
ンを出る水性反応媒体中の有機汚染物質の濃度の増加を生じ得ることを見出した
。本発明に従う方法は、この効果が軽減されまたは回避されるという利点を有す
る。
成ゾーンに入る水性反応媒体中のホスフェート濃度は、2.0モル/リットルよ
り高く、好ましくは2.5モル/リットルより高く、より好ましくは3.0モル
/リットルより高く、特に3.3モル/リットルより高く、さらには3.5モル
/リットルより高く、最も好ましくは3.7モル/リットルより高い。本発明者
らは、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中のホスフェー
ト濃度の増加は、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る水性反応媒体中の
有機汚染物質の濃度の低下を生じるので有利であることを見出した。好ましくは
、ホスフェート濃度は、結晶が生じないように選択され、それは特に、温度およ
び水性反応媒体中の他の成分の濃度に依存する。一般に、シクロヘキサノンオキ
シム合成ゾーンに入る水性反応媒体中のホスフェート濃度は、8モル/リットル
より低く、好ましくは5モル/リットルより低く、より好ましくは4.5モル/
リットルより低い。本明細書で使用されるとき、ホスフェート濃度は、それらが
存在する形状にかかわらず、全てのホスフェートの合計濃度を示し、モル/1リ
ットルの水性反応媒体で表される。好ましくは、ホスフェートは、PO4 3-、H
PO4 2-、H2PO4 -、H3PO4、またはPO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -の塩、
および/またはそれらの組み合わせとして存在する。
とシクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む流れとを向流で接触させることにより
ヒドロキシルアンモニウムがシクロヘキサノンと反応されてシクロヘキサノンオ
キシムを形成するところの反応ゾーン、および水性反応媒体および有機溶媒を好
ましくは向流で接触させるところの抽出ゾーンを含み、ここでシクロヘキサノン
オキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体が反応ゾーンに供給され、反応ゾーンを
出る水性反応媒体が抽出ゾーンに供給される。この実施態様は、有機残渣、特に
シクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオキシムが、反応ゾーンを出る水性反
応媒体から分離されるという利点を有する。好ましくは、シクロヘキサノンが、
反応ゾーンと抽出ゾーンとの間でオキシム合成ゾーンに供給される。好ましくは
、抽出ゾーンを出る有機溶媒が反応ゾーンに供給される。好ましくは、シクロヘ
キサノンが、抽出ゾーンに入る有機溶媒中でシクロヘキサノンオキシム合成ゾー
ンに供給される。公知の型の抽出器、例えば抽出カラム、または撹拌器を備えた
、所望により直列に連結した1以上の反応器(これらの反応器の各々には、液体
−液体分離器をも備えられている)が使用され得る。好ましくは、充填物が満た
されたパルスカラムが使用される。反応ゾーンおよび抽出ゾーンは好ましくは、
40〜150℃の範囲の温度および大気圧、大気圧より下、または高められた圧
力、好ましくは0.05〜0.5MPa、より好ましくは0.1〜0.2MPa
、最も好ましくは0.1〜0.15MPaで運転される。公知の型の抽出器、例
えば抽出カラム、好ましくは充填物を満たしたパルスカラム、または撹拌器を備
えた、所望により直列に連結した1以上の反応器(これらの反応器の各々には、
液体−液体分離器をも備えられている)が使用され得る。好ましくは、有機溶媒
が20℃で0.1重量%未満の水溶解度を有する。好ましくは、有機溶媒が、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよびそ
れらの混合物から成る群から選択される。最も好ましくは、有機溶媒がトルエン
である。反応ゾーンおよび抽出ゾーンの運転条件は、必ずしも同じではない。好
ましくは、反応ゾーンおよび抽出ゾーンで同じ溶媒が使用される。好ましくは、
抽出ゾーンを出る水性反応媒体中のシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオ
キシムの合計含量が、0.2重量%(2000ppm)より下、より好ましくは
0.05重量%より下、特に0.02重量%より下、さらには0.01重量%よ
り下、最も好ましくは0.005重量%より下である(水性反応媒体の重量に対
する)。
オキシム合成ゾーンを出るまたは抽出ゾーンを出る水性反応媒体がストリッピン
グに付される。米国特許第3,940,442号に記載されているストリッピン
グ法が例えば使用され得る。好ましくは、ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーン
に入る水性反応媒体中のシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオキシムの合
計含量が、0.02重量%(200ppm)以下、より好ましくは0.005重
量%以下、特に0.002重量%以下、さらには0.001重量%以下、最も好
ましくは0.0002重量%以下である(水性反応媒体の重量に対する)。
、例えばヒドロキシルアンモニウムの合成において副生物として生成される、ア
ンモニウム(NH4 +)を含み得る。好ましくは、シクロヘキサノンオキシム合成
ゾーンに入る水性反応媒体において、c(NH4 +)/c(ホスフェート)比が0
.1〜3、より好ましくは0.2〜2、最も好ましくは0.5〜1.5である。
ここでc(NH4 +)はNH4 +濃度(モル/リットル)を表し、c(ホスフェート
)はホスフェート濃度(モル/リットル)を表す。
レート(NO3 -)を含む。好ましくは、シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに
入る水性反応媒体において、c(NO3 -)/c(ホスフェート)比が0.05〜
1、より好ましくは0.1〜0.5である。ここでc(NO3 -)はNO3 -濃度(
モル/リットル)を表し、c(ホスフェート)はホスフェート濃度(モル/リッ
トル)を表す。
ることによってヒドロキシルアンモニウムが形成される。ヒドロキシルアンモニ
ウム合成ゾーンは、20〜100℃、好ましくは30〜90℃、より好ましくは
40〜65℃の範囲の温度、および大気圧、大気圧より下、または高められた圧
力、好ましくは0.1〜5MPa、より好ましくは0.3〜3MPa、特に0.
5〜2MPa(水素分圧)で運転され得る。好ましくは、ヒドロキシルアンモニ
ウム合成ゾーンのpHが0.5〜6、より好ましくは1〜4である。このゾーン
で使用される触媒は一般に、担体および触媒の合計重量に対して、1〜25重量
%、好ましくは5〜15重量%の貴金属の範囲で存在する。好ましくは、触媒が
、パラジウム含有触媒、例えば、担体(例えば炭素またはアルミナ担体)上に存
在するパラジウムまたはパラジウム−白金触媒である。一般に、触媒は、ヒドロ
キシルアンモニウム反応器容器中の全液体重量に対して0.2〜5重量%の量で
、 ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーン中に存在する。
ゾーンBおよび抽出ゾーンCを含むシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンが使用
される。触媒を含むゾーンAにライン1を介して水素が供給される。未反応水素
は、ライン2を介して、他の気体と共に排出される。水性反応媒体、特にホスフ
ェートを含む水性反応媒体が、ライン15を通ってゾーンAに供給され、ヒドロ
キシルアンモニウム合成ゾーンでヒドロキシルアンモニウム(および副生物とし
てのアンモニウムも)が豊富にされた後、ライン3を介して、反応ゾーンBに送
られる。転化されるべきシクロヘキサノンは、有機溶媒中で、ライン4を介して
反応ゾーンBへ供給される。シクロヘキサノンは、ライン7を介して有機溶媒中
に導入される。比fh/fcは1.00未満である。製造され、有機溶媒中に溶解
されたシクロヘキサノンオキシムの最大部分が、ライン5を介して系から除去さ
れる。
られる。反応ゾーンBを出た後、水性反応媒体中のヒドロキシルアンモニウム含
量は、反応によって減少され、少量のシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノン
オキシム汚染物質を含む。有機溶媒は、ライン9を通って抽出ゾーンCに入る。
抽出ゾーンC内で、さらにシクロヘキサノンオキシムが水性反応媒体から除去さ
れ、ライン8を通って有機溶媒中でゾーンCの外に運ばれる。抽出ゾーンCでは
、水性反応媒体中の残留有機汚染物質(シクロヘキサノン+シクロヘキサノンオ
キシム)が減少される。
反応媒体を分離運転、ストリッピングカラムDに送る。このカラムでは、シクロ
ヘキサノンオキシムがシクロヘキサノンに加水分解され、こうして生成したシク
ロヘキサノンが、すでに存在するシクロヘキサノンと共に、ライン11を通って
、他の有機物質および水と共に(例えば、共沸混合物として)排出される。系に
おいて再循環される水性反応媒体は次いで、ライン12を通ってゾーンEに入る
。ゾーンEでは、硝酸が製造される。好ましくは、ライン13を通って供給され
る空気を、ライン14を通って供給されるアンモニアおよび水性反応媒体からの
水と反応させることによって、ゾーンEでまたはその後に、硝酸が製造される。
硝酸を製造する代わりに、硝酸を水性反応媒体に直接供給することも可能である
。従って、ゾーンEにおいて無機媒体中でナイトレートレベルが高められる。ゾ
ーンEでは、アンモニウムイオン、例えば、ヒドロキシルアンモニウムの合成に
おいて副生物として生成されるアンモニウムイオンが、酸化窒素を含む気体によ
って転化され得る。しかし、アンモニウムイオンの除去のための他の方法も使用
され得る。次いで、水性反応媒体は、ライン15を介してヒドロキシルアンモニ
ウム合成ゾーンAに戻ることによりサイクルを完了する。上記プロセスは連続し
て行われる。
はない。
%のPd)を含み、52℃の温度で1MPaの圧力(水素分圧)で運転される)
において、単位時間当たりに下記の組成を有する水性反応媒体が製造された。 1.28モルのNH3OH・H2PO4 1.33モルのNH4H2PO4 0.70モルのH3PO4 1.86モルのNH4NO3 39.6モルのH2O そして、これを(ライン3を介して)反応ゾーンB(パルス充填カラム、55℃
で運転)に供給した。単位時間当たり1.32モルのシクロヘキサノンがゾーン
Bに(ライン7を介して)供給され、その結果、0.97の比fh/fcが得られ
た。単位時間当たり1.25モルのシクロヘキサノンオキシム(141.3g)
が生成された。単位時間当たり251gのトルエンが抽出ゾーンCに供給され、
ライン5を介してゾーンBを出る有機媒体中のシクロヘキサノンオキシム濃度(
トルエン+シクロヘキサノンオキシムの合計重量に対する)は36重量%であっ
た。ゾーンBを出る水性反応媒体が抽出ゾーンC(パルス充填カラム、70℃で
運転)に供給された。 抽出ゾーンCを出る水性反応媒体中の得られた有機残渣
濃度(シクロヘキサノン+シクロヘキサノンオキシム)は6ppm(0.000
6重量%)であった。
サノンがゾーンBに供給された。すなわち、比fh/fcが0.97の代わりに1
.03であった。トルエンの流速を、有機媒体中のシクロヘキサノンオキシム濃
度(トルエン+シクロヘキサノンオキシムの合計重量に対する)が36重量%の
ままであるように調整した。抽出ゾーンCを出る水性媒体中の得られた有機残渣
濃度(シクロヘキサノン+シクロヘキサノンオキシム)は21ppm(0.00
21重量%)であった。実施例1および比較例Aを比較すると、本発明に従って
比fh/fcを1.00より下に低下させると、有機残渣濃度(シクロヘキサノン
+シクロヘキサノンオキシム)が低下することが分かる。
たトルエン中に溶解されたシクロヘキサノンオキシム濃度が42重量%(シクロ
ヘキサノン+シクロヘキサノンオキシムの合計重量に対する)であるように低下
させた。ゾーンCを出る水性媒体中の得られる有機残渣濃度(シクロヘキサノン
+シクロヘキサノンオキシム)は356ppm(0.0356重量%)であった
。
ノンをゾーンBに供給した。その結果、1.03の代わりに0.97の比fh/
fcが得られた。抽出ゾーンCを出る水性媒体中の得られた有機残渣濃度(シク
ロヘキサノン+シクロヘキサノンオキシム)は96ppm(0.0096重量%
)であった。実施例2および比較例Bを比較すると、本発明に従って比fh/fc を1.00より下に低下させると、有機残渣濃度(シクロヘキサノン+シクロヘ
キサノンオキシム)が低下することが分かる。
るように、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の改変が行われ得
る。したがって、本発明の解釈は、特許請求の範囲による限定を除いて、限定さ
れるべきではない。
Claims (13)
- 【請求項1】 ホスフェート含有水性反応媒体がヒドロキシルアンモニウム合
成ゾーンからシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンへ、そしてもとのヒドロキシ
ルアンモニウム合成ゾーンへ循環されるところのシクロヘキサノンオキシムの製
造法であって、該ヒドロキシルアンモニウム合成ゾーンにおいて水素によるナイ
トレートの接触還元によってヒドロキシルアンモニウムが形成され、該シクロヘ
キサノンオキシム合成ゾーンにおいてヒドロキシルアンモニウムがシクロヘキサ
ノンと反応されてシクロヘキサノンオキシムが形成され、ここで、シクロヘキサ
ノンおよび有機溶媒がシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され、有機溶
媒およびシクロヘキサノンオキシムを含む有機媒体がシクロヘキサノンオキシム
合成ゾーンから抜き出されるところの方法において、比fh/fc<1.00(fh は単位時間当たりにシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給されるヒドロ
キシルアンモニウムのモル量を表し、fcは単位時間当たりにシクロヘキサノン
オキシム合成ゾーンに供給されるシクロヘキサノンのモル量を表す)であること
を特徴とする方法。 - 【請求項2】 (i)ヒドロキシルアンモニウム、ホスフェートおよびナイト
レートを含む水性反応媒体、(ii)シクロヘキサノン、および(iii)有機溶媒
がシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給され、該ゾーンでヒドロキシルア
ンモニウムがシクロヘキサノンと反応されてシクロヘキサノンオキシムが形成さ
れ、有機溶媒およびシクロヘキサノンオキシムを含む有機媒体がシクロヘキサノ
ンオキシム合成ゾーンから抜き出されるところのシクロヘキサノンオキシムの製
造法において、比fh/fc<1.00(fhは単位時間当たりにシクロヘキサノ
ンオキシム合成ゾーンに供給されるヒドロキシルアンモニウムのモル量を表し、
fcは単位時間当たりにシクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに供給されるシク
ロヘキサノンのモル量を表す)であることを特徴とする方法。 - 【請求項3】 比fh/fc<0.99であることを特徴とする、請求項1また
は2記載の方法。 - 【請求項4】 比fh/fc<0.98であることを特徴とする、請求項3記載
の方法。 - 【請求項5】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体中のシク
ロヘキサノンオキシム濃度が25重量%より高いことを特徴とする、請求項1〜
4のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体中のシク
ロヘキサノンオキシム濃度が30重量%より高いことを特徴とする、請求項5記
載の方法。 - 【請求項7】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る有機媒体中のシク
ロヘキサノンオキシム濃度が35重量%より高いことを特徴とする、請求項6記
載の方法。 - 【請求項8】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中の
ヒドロキシルアンモニウム濃度が0.7モル/リットルより高いことを特徴とす
る、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項9】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中の
ヒドロキシルアンモニウム濃度が1.0モル/リットルより高いことを特徴とす
る、請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 水性反応媒体と、シクロヘキサノンおよび有機溶媒を含む流
れとを、向流で接触させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載
の方法。 - 【請求項11】 有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロ
ペンタン、シクロヘキサンおよびそれらの混合物から成る群から選択されること
を特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項12】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンに入る水性反応媒体中
のホスフェート濃度が2.0モル/リットルより高いことを特徴とする、請求項
1〜11のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項13】 シクロヘキサノンオキシム合成ゾーンを出る水性反応媒体中
のシクロヘキサノンおよびシクロヘキサノンオキシムの合計含量が0.2重量%
より少ないことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
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