JP2003533622A - 減圧装置を有するポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 容器から外部環境へ流体をポンプ送給するために好適な減圧装置を有するポンプであって、内部スペースを画定するジャケット１、ジャケット１の内部スペース内に収納されるポンピング室１７、伸長位置と収縮位置との間でジャケット１の内部スペース内を移動するためのピストン３、および、ピストン３が収縮位置に在る際にポンピング室１７を外部環境に通じる導管３５と連通させる状態にする減圧装置により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、内部スペースを画定するジャケット、ジャケットの内部スペース内
に収納されるポンピング室及びジャケットの内部スペース内で伸長位置と収縮位
置との間を移動するピストンとを含み、容器から外部環境へ流体を揚水するのに
好適な、減圧装置を有するポンプに関する。

【０００２】 （従来の技術） このタイプのポンプについて多くの変更例が知られている。ピストンの動きは
ポンピング室の容積を変化させる。ポンピング室の容積を減少すると、その中に
含まれる流体への圧力が増加する。流体が液体である場合には、その圧力は非常
に早く高い値に増加し、液体が排出される吐出弁が開く。ポンピング室の容積が
増加する場合には、低い圧力が発生して、吐出弁を閉じかつ容器からの液体が進
入する吸入弁を開く。 それにも拘わらず、収納される流体がガス例えば空気である場合には、ガスは
容易に圧縮されまたそれによって生ずる圧力は吐出弁を開くには通常不十分であ
るために、そのポンプは一般的に作動しないのが一般的である。従って、その空
気は排出されない。ポンピング室の容積が増加される場合には、圧力低下が起こ
らず、しかも寧ろ加圧されている内部ガスが膨張して初期圧力にほぼ等しい最終
圧力になり、それによって吸入弁も吐出弁も開かない。従って、ポンプには、こ
のガスを排出させるパージシステムが必要になる。

【０００３】 このタイプのポンプは、通常ポンピング室内に含まれるガスを流体容器の方に
排出させるパージシステムを有している。このパージシステムは、通常、ポンピ
ング室が最小の容積となったとき、即ち減圧室内に含まれている空気の圧力が最
高のレベルに達しないときに、ポンピング室を容器の内部に連通する状態にする
減圧装置である。

【０００４】 しかしながら、このような解決法は、例えば、乾燥、酸化及び／又は環境汚染
問題を避けるために、少なくともその使用時に至るまでは、空気と接触してはな
らないような製品を送給しようとする場合においては、望ましくない。排出され
た液体の容積を空気で置き換えることなく、例えば、容器自身の変形又はプラン
ジャーの移動によって容器の内部容積を減少させる容器は知られている。

【０００５】 （発明の概要） 本発明の目的は、このような容器のうちの一つに接続され、そして、使用時ま
では液体と外気との全ての接触を回避する減圧装置を有するポンプを得るにある
。この目的は、前記ピストンが前記収縮位置にあるときにポンピング室を前記外
部環境に通じる導管に連通する状態に位置させる減圧装置を具える上述のタイプ
の減圧装置を有するポンプによって達成される。

【０００６】 この方法においては、空気は、減圧室から液体と接触しない場所（ポンプ外の
環境）へ効果的に排出される。一般的に、この排出は、なんらかの導管、特に外
部環境と直接連通する導管を通じて実施される。

【０００７】 それにも拘わらず、やはり、好ましい解決法は、ポンプが連通通路を画定する
中空ステムを有するピストンを設け、また導管を前記連通通路と連通させるとき
得られる。ピストンが収縮位置にあってポンピング室がこの導管と連通する状態
になるとき、ポンピング室はある程度加圧されるため、所定量の液体が導管から
排出されることに留意されたい。従って、導管が連通通路と連通する状態に配置
されるとき、望ましくない場所から製品が排出される可能性が回避され、一方で
、この場合連通通路を経て導管が依然として外部と連通し、その結果、空気が自
由に排出される。

【０００８】 ピストンが収縮位置にあるときは、導管はポンピング室と連通するだけにすべ
きである。このことは、ピストンに配設され、ポンピング室と導管との間に挿入
される下唇部を減圧装置に設けることによって都合よく達成される。この下唇部
は、ピストンが収縮位置にあるときに、ポンピング室内に配設された一個又はそ
れ以上の肩部によって弾性的に変形し、これによりポンピング室と導管との間の
連通が確立される。

【０００９】 ピストンは、通常、ほぼ円筒形の外側面を画定する少なくとも１個の部分を設
ける。ピストンは、やはりほぼ円筒形の内側面を画定しかつピストンの外側面に
対向する少なくとも１個の部分を設けたジャケットの内部を摺動する。ピストン
とジャケットとの間には、両側面間及びピストンがジャケットに対しての緊密な
シールを生ずるよう設けた２個の唇部間に中間スペースを画定することができる
若干のクリアランスを設ける。

【００１０】 導管をこの中間スペースに連通させると、本発明の好ましい実施例が得られる
。最後に、ポンピング室と外部環境との間のシールを改善する第２上唇部をピス
トンに設けると、更に有利な本発明の実施例が得られる。

【００１１】 発明の他の利点及び特徴は、以下の説明から理解されるであろう。ただし、以
下は本質を限定することなく、添付する図面につき本発明の好ましい実施例を説
明するものである。

【００１２】 図１及び２に示されるポンプは、ジャケット１、ピストン３、プレスキャップ
５、吸入弁７及び吐出弁９を有している。

【００１３】 ピストン３には、ジャケット１の内部に収納されるほぼ円筒形状の円筒部分と
吐出弁９からプレスキャップ５内に収納される噴霧部材１５まで延在する連通通
路を画定する中空ステム１１とを設ける。液体は、この噴霧部材１５を通じて外
部環境へ排出される。

【００１４】 ピストン３とジャケット１との間にはポンピング室１７が形成されてる。ポン
ピング室１７の大きさは、ポンピング室が最大の容積となる伸長位置とポンピン
グ室１７が最小の容積となる収縮位置との間をピストンが移動するにつれて変化
する。

【００１５】 ピストン３の円筒部分には、上唇部１９と下唇部２１とを設ける。これらの唇
部は、ジャケット１の内側面２３とピストン３の外側面２５との間を緊密にシー
ルする。

【００１６】 これら二つの側面は互いに対面し、中間スペース２７を画定するようにそれら
の間にはある程度のクリアランスが存在する。

【００１７】 この組立体は、支持体２９によって、図示されない容器に取り付けられる。

【００１８】 ばね３１は、使用者がピストン３を収縮位置に押し付けた後に、ピストン３を
伸長位置に自己復帰させる。

【００１９】 図１は、オリフィス３３によって中間スペース２７が容器の内部と連通する状
態にあるジャケット１を示している。図１のポンプにおいては、ポンピング室１
７内に空気（又は他のガス）が存在する場合に、ピストンが収縮位置に下降する
につれてピストンがポンピング室内に含まれる空気を圧縮するが、生じた高圧は
、吐出弁９を開くには不十分である。それにも拘わらず、ピストン３がその収縮
位置に到達した際には、下唇部２１が肩部３９によって変形し、それによってポ
ンピング室１７は、中間スペース２７と連通する状態となり、またその結果、オ
リフィス３３を通じて容器の内部と連通する状態となる。このようにして、ポン
ピング室１７内の圧縮空気は、容器内部に排出され、またピストンが伸長位置に
上方移動する間に、下唇部２１は密封を再確立し、吸入弁を開きそしてポンピン
グ室１７内に液体をポンプ送給するに必要な真空がポンピング室内に生ずる。ポ
ンピング室１７が液体を受容したとき、ピストン３が下降されると、急激に高圧
が発生して、排出弁９を開き、これにより液体が排出される。ピストンが収縮位
置に到達した際には、ポンプ送給されるべき全ての液体が連通通路１３を通って
殆ど排出されてしまっており、また、下唇部２１が変形されたときに、知覚でき
る量の液体が中間スペース２７へ排出されることはない。いずれにせよ、中間ス
ペース２７内に残留する液体はオリフィス３３を通じて退出し容器へ戻る。

【００２０】 図２には、本発明の好適な実施例のポンプを示す。ピストン３には、中間スペ
ース２７と連通通路１３との間に延在する導管３５を設ける。この場合、ポンピ
ング室１７内で圧縮された空気は、中間スペース２７内に流れ、次に連通通路１
３へと流れ、更にそこから噴霧部材１５によって最終的に外部環境に達する。従
って空気は、ポンピング室１７から排出することができるが、容器内での液体と
空気との接触は回避される。この解決方法は、中間スペース２７内に溜まる可能
性のあるどんな少量の液体でも連通通路１３に排出することができ、ひとたび連
通通路１３に入れば、噴霧部材１５から、ポンプ送給された残留液体と一緒に排
出されるという他の長所を有している。

【００２１】 図２に示すように、更に、第２上唇部３７を設ける。実際、中間スペース２７
が連通通路１３と連通しているために、ポンプ送給される液体の吐出中に連通通
路１３に発生する高圧は中間スペース２７に伝達される。場合によっては、この
高圧は、上唇部１９が緊密シールを止めることなく耐えられる圧力以上に増大す
る。このような場合には、この第２上唇部３７を追加することが必要である。

【００２２】 本発明による減圧装置は、吸入及び吐出弁の形状や数、ピストンを操作する方
式（プッシュボタンによる、レバーによる等）、他の機能に影響するポンプ内の
付加的な固定又は可動部材の存在、ばねの形状や数などとは無関係であること明
らかであり、従って、上述の説明から当業者にとっては本発明が多数のタイプの
ポンプに適用できること明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来例のポンプの縦断面図である。

【図２】 発明によるポンプの縦断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ， ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，Ｋ Ｐ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，Ｓ Ｇ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3E084 AA04 AA12 BA02 FA09 JA01 LB02 LC01 LC06 LD22 LD26 3H071 AA00 BB01 CC42 CC44 DD03 DD22 3H075 AA00 BB03 BB21 CC06 CC18 CC36 DA04 DA06 DA20 DB12

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器から外部環境へ流体をポンプ送給するに適した減圧装置を有
   するポンプであって、内部スペースを画定するジャケット（１）と、前記ジャケ
   ット（１）の前記内部スペース内に収納されるポンピング室（１７）と、及び前
   記ジャケット（１）の前記内部スペース内で伸長位置と収縮位置との間を移動す
   るピストン（３）とを具えるポンプにおいて、前記ピストン（３）が前記収縮位
   置にあるとき、前記ポンピング室（１７）を前記外部環境に連通する導管（３５
   ）と連通する状態に位置させる減圧装置を設けたことを特徴とするポンプ。
2. 【請求項２】 前記ピストン（３）に連通通路（１３）を画定する中空ステム（
   １１）を設けた請求項１に記載のポンプにおいて、前記導管（３５）を前記連通
   通路（１３）に連通させたポンプ。
3. 【請求項３】 前記減圧装置には、前記ピストン（３）に配置した下唇部（２１
   ）を設け、この下唇部（２１）を前記ポンピング室（１７）と前記導管（３５）
   との間に挿入した請求項１又は２に記載のポンプ。
4. 【請求項４】 前記減圧装置には、ジャケト（１）内に配置した少なくとも一つ
   の肩部（３９）を設け、この肩部（３９）は、前記ピストン（３）が前記収縮位
   置にあるときに前記下唇部（２１）を弾性的に変形させ、前記ポンピング室（１
   ７）と前記導管（３５）との間の連通を確立するようにした請求項３に記載のポ
   ンプ。
5. 【請求項５】 前記ピストン（３）に外側面（２５）を設け、前記ジャケット（
   １）に内側面（２３）を設け、前記外側面（２５）と前記内側面（２３）との間
   に中間スペース（２７）を画定し、この前記中間スペース（２７）は前記外側面
   （２５）と、前記内側面（２３）と、前記下唇部（２１）と、上唇部（１９）と
   で限定されるものとし、また前記中間スペース（２７）を前記導管（３５）に連
   通させた請求項1乃至４のうちのいずれか一項に記載のポンプ。
6. 【請求項６】 前記ピストン（３）に第２上唇部（３７）を設けた請求項５に記
   載のポンプ。