JP2003532384A - 非デンドロアスピンのビヒクルとしてのデンドロアスピンの用途 - Google Patents

非デンドロアスピンのビヒクルとしてのデンドロアスピンの用途

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Abstract

(57)【要約】 1つ又はそれ以上の非野生型デンドロアスピンドメインに対する骨格としてのデンドロアスピンの用途に関し、当該デンドロアスピン骨格は、天然のRGDモチーフを除去したりこれを(i)インテグリン結合活性のないアミノ酸配列、又は(ii)アスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)を含有するRGD以外のインテグリン結合アミノ酸配列により置き換えたりして修飾されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (本発明の分野) 本発明は、修飾デンドロアスピン骨格からなる分子に関し、特には非デンドロ
アスピンドメインに対するビヒクルとしての修飾デンドロアスピンの用途に関す
る。
【0002】 (本発明の背景) 血液凝固の役割は、止血栓(血栓)の強化と安定化のために不溶性のフィブリ
ンマトリックスを提供することである。架橋結合したフィブリン血栓の形成は、
血漿蛋白まで含む一連の生化学的相互作用に起因する。 心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、深部静脈血症、及び末梢動脈塞栓症といった急
性の管疾患は、血栓により血管の一部又は全部のいずれかが閉塞することにより
引き起こされる。
【0003】 血管内での血栓の形成は、血栓症と称され、血小板凝集に依存するものである
。血管損傷(例えば外科的方法において起こり得る)との関連においては、血小
板と損傷した血管内皮表面、及び他の血小板との相互作用が、血塊又は血栓成長
過程における主要因子である。 血小板凝集は、フィブリノーゲンと他の血清蛋白の血小板形質膜上の糖蛋白レ
セプターIIb/IIIa複合体への結合に依存する。糖蛋白GPIIb/IIIaは、イン
テグリンとして周知の細胞接着レセプターの大ファミリーの一要素であり、イン
テグリンの多くは、Arg-Gly-Asp(RSD)トリペプチド認識配列を認識するこ
とが知られている。
【0004】 インテグリンは、細胞の相互の接着又は細胞外マトリックス基質への接着を仲
介する細胞表面レセプターのファミリーである(1-5)。それらは、ヘテロ二量
化して20のレセプターを生成する(6)16α及び8βサブユニットの中から
選ばれる非共有結合性α及びβ膜貫通サブユニットから構成される。インテグリ
ンのうち、血小板膜αIIbβ3インテグリンが最も特徴的である(3、5)。細胞
活性化により、αIIbβ3インテグリンは、数種の糖蛋白と、主としてフィブリノ
ーゲン(9)、フィブロネクチン(10)、フォンウィルブランド因子(11)
、ビトロネクチン(12)、及びトロンボスポンジン(13)に存在するArg-Gl
y-Asp(RSD)トリペプチド配列(6−8)を通じて結合する。これら糖蛋白
のリガンドとそのインテグリンレセプターとの間の相互作用の特質は、当該レセ
プター(14)とリガンド(15)との双方で起こる構造変化を伴なう複雑なも
のと知られている。
【0005】 当該相互作用の実際的な効果は、アテローム性動脈硬化症より引き起こされる
動脈の限局性狭窄の処置を考慮することにより説明可能である。これは、通常バ
ルーン血管形成術により外科的に処置可能な状態である。この方法は浸潤性であ
り、時に動脈壁に組織障害がおこり、血栓を形成することになり得る。動脈壁中
のフィブロネクチンのような細胞外蛋白は、動脈血に暴露されるようになる。血
小板がインテグリンレセプターを介してフィブロネクチンのRGDモチーフに結
合することで、血小板凝集が引き起こされ、凝血反応カスケードが開始される。
損傷部位での血小板凝集を特異的に阻害し、当該部位での凝結もまた阻害する薬
剤が必要とされている。当該薬剤は、非毒性で、全身出血の危険性のような望ま
しくない副作用がないものでなければならない。
【0006】 アスピリン、ジピリダモール、及びフィロピジンといった血栓形成を防止する
様々な薬剤が今や利用可能である。これらの製品は、一般的には血小板の活性化
及び凝集を阻害したり、あるいは血液凝固過程を遅延させるが、持続性出血を引
き起こすという潜在的な副作用を有している。更には、新しい血小板の形成ある
いは供給だけでもって当該製品の作用効果が覆されてしまう可能性がある。
【0007】 従って、特定の細胞接着を目的としたアンタゴニストの開発は、血栓症及びア
テローム性動脈硬化症の処置において臨床上非常に有意義なものであろう。多く
のインテグリン−リガンド相互作用に共通した主要な細胞接着メカニズムは、R
GD、KGD、LDV、KQAGDVを含む抑制性合成ペプチド類似物を用いて
同定したアスパラギン酸(D)含有配列又はモチーフの認識を伴なうものである。
しかしながら、これらのペプチドは、有効性及び特異性が低いという点で限界が
ある。このことについては、ディスインテグリンと称する蛇毒由来のRGD含有
小蛋白ファミリーの発見により大きな進展を遂げた。 Scarboroughら(17)は、GPIIb−IIIa特異的インテグリンアンタゴニス
ト活性を示す蛇毒(barbourin)と称するSistrurus M. Barubouriの毒液から単
離した自然界に存在するKGD含有蛇蛋白を報告している。
【0008】 最近、種々の蛇毒から多くの蛋白が、血小板凝集及びインテグリン依存細胞接
着の強力な阻害剤として同定されてきている。ディスインテグリンファミリーに
属するこれらの蛋白の大半は、高度な配列相同性を共有しており、小さく(4−
8kDa)て、システインリッチであり、そしてRGD(16)又はKGD(1
7)配列を含有する。ディスインテグリンファミリーに加えて、同様の阻害強度
で、高度にジスルフィド結合し、そして小さいサイズの非ディスインテグリンR
GD蛋白が幾つか、ヘビのElapidaeファミリーの毒液(18、19)とヒルのホ
モジネート(20)との双方から単離されている。これらの蛋白は全て、単純な
直鎖状RGDペプチド−蛋白骨格内に保持されたRGDモチーフの最適構造の要
因となる特徴−に比べておよそ1000倍強力な糖蛋白リガンドとインテグリン
レセプターとの相互作用の阻害剤である。キストリン(21−23)、フラボリ
ジン(24)、エキスタチン(25−28)、アルボラブリン(29)、デコル
シン(30)、及びデンドロアスピン(31、32)を含む数種の阻害剤のNM
R構造が報告され、現段階で解明されている共通の構造的特徴は溶媒暴露型ルー
プの末端にRGDモチーフが位置しているということのみであり、これが阻害作
用に対して最も重要な特徴である。
【0009】 かくして、デンドロアスピンは短い神経毒ファミリーの自然変異種であるが、
接着性トリペプチドArg-Gly-Asp(RSD)を含有し、インテグリンを介した細
胞接着性相互作用の強力なアンタゴニストとして機能する。デンドロアスピンは
、もともとは血小板凝集及びインテグリンを介した血小板接着の強力な阻害剤と
してコブラ科 Dendroaspis Jamesonii(Jameson's mamba)の毒液から単離され
た。デンドロアスピンの活性は、溶媒暴露ループ内に含有されるRGDモチーフ
に起因する。国際特許出願WO98/42834は、他の事項に加えて、デンドロアスピ
ン骨格に基づいた二又は多機能性分子について記述しており、インテグリン結合
機能に加えて第2の機能が、デンドロアスピン骨格に他の蛋白ドメインを加える
ことにより達成されている。この国際特許WO98/42834及びその全体の内容を出
典明示により本明細書の一部とする。
【0010】 国際特許WO98/42834に示されるように、デンドロアスピン分子は59のアミ
ノ酸残基を有し、3つのループを含んでなる。ループIは4〜16番目、ループ
IIは23〜36番目、そしてループIIIは40〜50番目のアミノ酸残基からな
り;野生型デンドロアスピンにおいてRGDモチーフを包含するのはループIII
である。RGDドメインは、43〜45番目の残基で形成されている。
【0011】 (発明の概要) 以下に示す略語が、本明細書において使用される:疎水性アミノ酸 A=Ala=アラニン V=Val=バリン I=Ile=イソロイシン L=Leu=ロイシン M=Met=メチオニン F=Phe=フェニルアラニン P=Pro=プロリン W=Trp=トリプトファン極性(非電荷)アミノ酸 N=Asn=アスパラギン C=Cys=システイン Q=Gln=グルタミン G=Gly=グリシン S=Ser=セリン T=Thr=スレオニン Y=Tyr=チロシン正電荷アミノ酸 R=Arg=アルギニン H=His=ヒスチジン K=Lys=リジン負電荷アミノ酸 D=Asp=アスパラギン酸 E=Glu=グルタミン酸
【0012】 本発明は、修飾デンドロアスピン骨格からなる生成物に関する。デンドロアス
ピン骨格は、非デンドロアスピン部分のための安定なビヒクルを形成し、且つ修
飾骨格がRGD配列を保持しているか否かに関わらず、言い換えればインテグリ
ン結合活性を保持しているか否かに関わらず本目的に有益であることが見出ださ
れるに至った。RGDモチーフが他のインテグリン結合モチーフに置き換えられ
ているが他の機能性配列は付け加えられていないデンドロアスピン骨格からなる
分子は、RGDモチーフが除去されたりこれが非インテグリン結合モチーフで置
き換えられたりしたデンドロアスピン骨格からなるポリペプチドと同様に、例え
ばレセプター相互作用の研究にとって有益な化学的手段である。
【0013】 (本発明の詳細な説明) 本発明は、好ましくは1つ又はそれ以上の非野生型デンドロアスピンドメイン
に対するビヒクルとしてのデンドロアスピン骨格の用途に関し、当該デンドロア
スピン骨格は、野生型デンドロアスピンと比較して、天然のRGDモチーフを除
去したりこれを(i)インテグリン結合活性のないアミノ酸配列又は(ii)アス
パラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)を含有するRGD以外のインテグリン
結合アミノ酸配列、例えばKGDにより置き換えたりして修飾されている。この
デンドロアスピン骨格は、以下でより詳細に示されるように更に修飾されてもよ
い。
【0014】 更に本発明は、1つの態様において、RGDモチーフが除去されたり置換アミ
ノ酸配列で置き換えられたデンドロアスピン骨格からなる生成物を提供する。生
成物の一群においては、当該置換アミノ酸配列は、インテグリン結合活性のない
アミノ酸配列である。生成物の別の群においては、当該置換アミノ酸配列はイン
テグリン結合アミノ酸配列であり、G又は疎水性アミノ酸に隣接するD又はEを
含有するRGD以外のトリペプチド配列からなる。 本明細書の詳細な説明及び請求項を通じて、「からなる(comprise)」及び「c
omprising」及び「comprises」といったこの単語の派生語は、「含むがこれに限
定されるものではない」ことを意味し、その他の要素や、完全体や、添加や、工
程を排除することを意図するものではない。
【0015】 本発明は、デンドロアスピン骨格からなり、1つのドメインにアスパラギン酸
(D)又はグルタミン酸(E)を含有し(そして前段落に定義するようなもので
あるのが好ましい)RGD以外のインテグリン結合アミノ酸配列とハイブリッド
のポリペプチドと、別のドメイン上に第2の機能を与える非デンドロアスピン種
を有する生成物又はハイブリッドポリペプチドを包含する。非デンドロアスピン
アミノ酸配列は、骨格のループ中、あるいはループの外側に全体的に又は部分的
に構成されてもよい。該ポリペプチドは、デンドロアスピン骨格の非ループ領域
の残基が、非デンドロアスピンアミノ酸配列により、例えば非デンドロアスピン
アミノ酸配列をデンドロアスピン骨格の末端配列へ直接又はリンカーを通じてラ
イゲーションすることにより増大されているものであってもよい。当該リンカー
は、ペプチド構造であっても非ペプチド構造であってもよく;非デンドロアスピ
ン種は、デンドロアスピンにおいては見られない部分であり、典型的にはデンド
ロアスピンにおいては見られないアミノ酸配列である。
【0016】 好ましい生成物において、トリペプチド配列は以下の式からなる: B−J−Z 式中、(I)J−ZはGD又はGBであり、Bは、R、K、Q、A、H、N、A
、V、I、L、M、F、P、又はWであるが、J−ZがGDであるときはRでは
ない; (II)B−JはDG又はEGであり、Zは任意のアミノ酸である;又は (III)JはD又はEで、B及びZはA、V、I、L、M、F、P、又はWの中
からそれぞれ独立して選ばれる。好ましくはJ−ZはGDであり、J−ZがGD
又はGEである生成物において、BはR、K、Q、A、H、又はNであり、更に
好ましくはR、K、Q、又はA(但しJ−ZがGDのときはRではない)である
【0017】 生成物(I)の好ましい類は、B−J−ZがC末端部でM、W、N、又はVに
結合している生成物である。好ましくはM、W、N、又はV残基の後が野生型デ
ンドロアスピンの47位にあるP、あるいはPが置換されたA残基である。 生成物(I)の別の好ましい類は、インテグリン結合アミノ酸配列の前が野生
型デンドロアスピンの47位にあるP、あるいはPが置換されたA残基である生
成物である。 好ましい生成物(I)の中でも、J−ZがGDであり、BがA、V、I、M、
F、P、W、より好ましくはL又はVである生成物が特に好ましい。この種の最
も好ましいものは、BがLで、Bの前がMである生成物である。
【0018】 好ましい生成物(II)は、B−JがDG及び/又はZがE、R、又はPである
生成物を含み、特にはZの後が野生型デンドロアスピンの47位にあるP、ある
いは野生型の47位のPの前に挿入されたAである生成物である。 生成物(III)の好ましい類は、JがDであり、特にはB−J−ZがLDVで
ある生成物からなる。好ましくは、B−J−Zの前にI残基がある。
【0019】 RGDモチーフが、非インテグリン結合配列によって置き換えられるならば、
その置換配列は、原則としてデンドロアスピン様配置を維持できる任意の配列で
あってもよく、例えば本明細書で以降に詳細に示されるような非デンドロアスピ
ンドメインであってもよい。勿論、本発明の修飾デンドロアスピンは野生型のデ
ンドロアスピンと幾分異なる配置であることは大いにあるが、通常、3つのルー
プ構造を有する。ループIIIがポケット結合配列にとって好ましく;当該配列は
、トロンビン結合配列(GPRPはトロンビン結合配列である)及びコラーゲン
αβ−結合配列DGEを含むことから、RGD置換はレセプターポケット又
は別のポケットと関連しているのが好ましい。
【0020】 除去されたり置き換えられたRGDモチーフ有するのに加えて、本発明で示さ
れる生成物又はポリペプチドは、通常少なくとも1つの非野生型デンドロアスピ
ンドメインを本来のRGD部位とは別の部位に含む。その少なくとも1つの非野
生型デンドロアスピンドメインは、通常ポリペプチド上に機能性を与える全体的
に又は部分的に非デンドロアスピン配列を少なくとも1つ含む。
【0021】 一群の生成物は、インテグリン結合活性を有し、生成物の分子がインビボで投
与されると、血小板に分子が結合し、それにより損傷部位での血小板の凝集を阻
害する。これらの生成物において、RGDモチーフは、別の血小板結合配列、特
にはKGDにより置き換えられている。インテグリン結合ドメインを含有するの
に加えて、この類の生成物は、好ましくは別の非野生型デンドロアスピンドメイ
ンを含有し、これは場合によって第2の、更なる機能性、例えば抗血栓活性、細
胞遊走及び/又は増殖の抑制、又はシグナル伝達の制御を提供する。かくして本
発明に示すこの類の分子は、二又は多機能的に作用し、好ましくは血液凝固、特
には損傷部位での血栓形成と動脈/静脈壁の肥厚に対して二又は多機能的に作用
する。本発明に示す生成物は、白血球の補充、免疫系の活性化、組織線維症、又
は腫瘍形成に対抗する活性を有してもよい。当業者は、セリンプロテアーゼのペ
プチド及び擬ペプチド阻害剤(例えば、エラスターゼ、カテプシンG、ウロキナ
ーゼ(uPAとも呼ばれる)、第II、IX、X、VII、及びXII因子、トロンビン、カ
リクレイン、組織プラスミノーゲン活性化因子、プラスミン)に精通しており、
この非野生型ドメインがこのような阻害剤からなるものであってもよい。 生成物は、少なくとも2つの非野生型デンドロアスピンドメインを含むもので
あってもよく、当該ドメインは場合によって同じ配列を有するものであってもよ
い。
【0022】 場合によって、本発明に示す分子は、デンドロアスピンの少なくとも1つのア
ミノ酸残基により分離された2つ又はそれ以上のアミノ酸配列部分からなる非野
生型デンドロアスピンドメインを含有するデンドロアスピン骨格を含む。その2
つ又はそれ以上の配列部分は、相互に、及び天然の非デンドロアスピンアミノ酸
配列中の直鎖のアミノ酸順序に関して転置されてもよい。言い換えると、(少な
くとも配列の一部分は修飾されてもよいけれども)各部分の実際の配列を必ずし
も改変することなく2つ又はそれ以上のアミノ酸配列部分の本来の順序を改変し
てもよい。
【0023】 本発明に示すほとんどの生成物は、野生型デンドロアスピンでは見られないド
メイン、すなわち非野生型デンドロアスピンドメインを含む。科学的な研究目的
で調製された分子の場合には、ドメインは、たいていは機能性を与えないけれど
も、非野生型ドメインは、通常分子に機能性を与える。非野生型デンドロアスピ
ンドメインにより与えられた機能性は本発明には重要でなく、原則として例えば
、デンドロアスピン骨格中へ挿入、あるいはそのN又はC末端のいずれかへのラ
イゲーションによりデンドロアスピン骨格中に導入可能なアミノ酸配列により与
えることができる機能のいずれであってもよい。例えば、そして特にはRGDモ
チーフが血小板結合活性を与えるD又はE含有モチーフにより置き換えられた場
合には、その生成物は血小板由来成長因子(PDGF)活性、糖蛋白IBα活性
、ヒルジン活性、トロンボモジュリン活性、血管上皮成長因子活性、トランスフ
ォーミング成長因子β活性、塩基性繊維芽細胞成長因子活性、アンギオテンシ
ンII活性、第VIII因子活性、組織因子経路阻害因子(TFPI)、フォンウィル
ブランド因子活性、ダニ抗凝固蛋白(TAP)因子活性、又は線虫抗凝固蛋白(
NAP)因子活性を与える配列からなる非野生型デンドロアスピンドメインを含
み得る。その非野生型デンドロアスピンドメインは、通常血小板成長因子(PD
GF)、糖蛋白IBα、ヒルジン、トロンボモジュリン、血管上皮成長因子、ト
ランスフォーミング成長因子β、塩基性繊維芽細胞成長因子、アンギオテンシ
ンII、第VIII因子、組織因子経路阻害因子(TFPI)、フォンウィルブランド
因子、TAP、又はNAP(例えばMAP5)に由来する配列、又は当該配列の
少なくとも一部分と相同する機能性配列からなる。当該機能性配列は、デンドロ
アスピンと約50%、好ましくは約65%、より好ましくは約75%、そして更
に好ましくは85%のアミノ酸配列相同性を有していてもよい。
【0024】 このようにして、本発明に示す分子は、例えば血小板凝集、及び血栓形成カス
ケードにおける別の成分(例えば、トロンビンであるセリンプロテアーゼ凝固酵
素)又は細胞内シグナルカスケードにおける別の成分(例えば成長因子)に対抗
して活性となるように多機能性とされてもよい。本発明に示す二又は多機能性生
成物は、インテグリン結合RGD置換体(X−Y−Z)に加えて前述のインテグ
リン結合活性を有する非野生型ドメインを包含するように設計されてもよく、そ
れにより増幅されたインテグリン活性を有するデンドロアスピンベースの分子が
提供される。本発明は、勿論インテグリン結合機能をもたないデンドロアスピン
ベースの分子、及び抗凝固機能のない分子を含む。
【0025】 本発明に示す生成物は、好ましくは図1に示されるようなアミノ酸配列からな
る。前述の更なるアミノ酸配列を除くと、本発明に示す生成物は、約50%又は
それ以上のアミノ酸配列相同性を有する野生型デンドロアスピンと相同するデン
ドロスピン骨格からなるポリペプチドを含み、好ましくは約65%又はそれ以上
、より好ましくは約75%又はそれ以上、そして更により好ましくは約85%又
はそれ以上デンドロアスピンと相同性がある。
【0026】 本発明に示すポリペプチドは、デンドロアスピンの59個のアミノ酸よりも多
い、又は少ない数のアミノ酸残基からなるものであってもよい。例えば、本発明
に示す分子は、45〜159個、好ましくは約49〜89個、より好ましくは約
53〜69個、更に好ましくは約57〜61個の範囲のアミノ酸残基からなるも
のであってもよい。しかしながら、本発明は、天然の配列と同じ長さで置き換え
る導入外来配列を含有するポリペプチドを含む。すなわち、1つ又はそれ以上の
非野生型ドメインが、置き換える野生型のドメインと同じサイズであり;RGD
モチーフがトリペプチド配列(例えばKGD)で置き換えられる場合は、当該ポ
リペプチドは、当然59個のアミノ酸残基を有することになる。 好ましいポリペプチドは、図1に示されるようなアミノ酸配列からなる。
【0027】 本発明は、外来配列がデンドロアスピン骨格の内部全体に(すなわち、1〜5
9の残基に包括的に)含有され、例えば枝繋ぎされた(grafted)ループとなっ
ている種を含む。かくして、生成物の一群においては、前述の非野生型ドメイン
(ドメイン群)が、デンドロアスピン骨格の(a)ループI及び/又はループII
;(b)ループI及び/又はループIII;(c)ループII及び/又はループIII;
又はループI、ループII、及びループIIIに導入されている。ポリペプチドが、
ループに導入された非野生型ドメインからなっている場合、幾つかのポリペプチ
ドにあってはその非野生型ドメインは、ループIIIは変わらないままで、ループ
I又はループIIのいずれかに導入されている。
【0028】 一方、他の群においては、ループ中に延びる、あるいはループの外で領域を置
換する非野生型ドメイン、すなわち、非ループ領域の残基を増大したり挿入され
た更なるアミノ酸配列(非野生型ドメイン)の残基と置換したりするような残基
1−3、17−22、37−39からなるポリペプチドを含み;例えば、1つの
挿入配列(又は複数の挿入配列の1つ又はそれ以上)が、直接又はリンカーを介
してデンドロアスピン骨格のC又はN末端非ループ領域にライゲーションされて
もよい。かくして本発明は、デンドロアスピン部分にRGDの代わりに血小板結
合活性を与える第1のアミノ酸配列と、別の活性(例えば、抗血栓活性)を与え
る更なるアミノ酸配列からなるハイブリッドデンドロアスピンベースのポリペプ
チドを提供し、当該第1の配列は、アスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E
)を含有するRGD以外の配列であり、非デンドロアスピンアミノ酸配列は、ル
ープの外にあって、例えばデンドロアスピン部分(デンドロアスピン由来成分)
の末端部分へのライゲーションによりデンドロアスピン部分の非ループ領域の残
基が増大されている。
【0029】 外来の非野生型配列の好ましい位置の1つは、アミノ酸残基4−16、18−
21、又は23−26の間のデンドロアスピン骨格中の部位、あるいはポリペプ
チドのN又はC末端を形成する部位である。かくして、非野生型配列は、残基4
の前に(例えば残基1の前に)、又は残基50の後に、例えば残基52−59の
いずれか1つの後に、形成されてもいてよい。該外来アミノ酸配列を、野生型デ
ンドロアスピンのN又はC末端に、直接又はリンカーを通じてのいずれかで結合
していてもよく、リンカーはポリペプチドリンカーが好ましいが必ずしもそうで
なくてもよい。いずれのリンカーも、場合によって外来配列の機能ドメインとデ
ンドロアスピン骨格との間の干渉のみならず、デンドロアスピン骨格中の任意の
機能ドメインと外来配列との間の干渉をも阻止したり減少させたりする立体構造
をとるようにデザインされていてもよい。末端部を形成する外来配列は、ループ
中に延びていてもよく、例えばC末端を形成する外来配列は、残基50の後に完
全な形で挿入されいてもよいけれども、あるいはループIII中又はその前、例え
ば残基37、38、39、40、41又はそれ以降(例えば残基47)から開始
してもよい。
【0030】 各挿入非野生型ドメイン又は非野生型ドメイン部分は、好ましくは100を越
えないアミノ酸残基、例えば3−40個のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列で
ある。特にデンドロアスピン骨格内部全体に挿入配列が含有される場合、非野生
型ドメインは、より好ましくは3−16個、更に好ましくは3−14個のアミノ
酸残基を有する。挿入された更なるアミノ酸配列(非野生型ドメイン)の開始は
、デンドロアスピン分子のアミノ酸残基1の前であってもよいし、あるいは、デ
ンドロアスピン骨格のアミノ酸残基1−57の任意の1つの位置にあってもよい
。当該挿入アミノ酸配列の末端部は、デンドロアスピン骨格のアミノ酸残基3−
59の任意の1つの位置にあってもよく、挿入配列が残基59の位置までの延び
ていてもよい。
【0031】 2つの非野生型ドメインがデンドロアスピン骨格に導入されている場合、この
2つのドメインの直線距離は、好ましくは1〜35アミノ酸からなるものであり
、より好ましくは1〜14アミノ酸からなるものである。2つ以上の非野生型ド
メインが導入されている場合、各アミノ酸配列を分離する野生型デンドロアスピ
ンアミノ酸残基が少なくとも1つあるのが好ましい。
【0032】 ループIIIは、1つ又はそれ以上の任意のアミノ酸残基の挿入、除去、置換に
より修飾され、好ましくは最大8個又は最小1個のアミノ酸、例えば1、2、3
、又は4個が、デンドロアスピンのループIII内で修飾可能である。 挿入結合配列(例えば、KGD又はRGDモチーフ)が、デンドロアスピン骨
格中の野生型RGDドメイン以外の位置、好ましくはループI又はループII中に
導入されていてもよい。
【0033】 RGDが置き換えられた本発明に示す分子は、野生型デンドロアスピン中にフ
ランキングRGDから修飾された、例えば国際特許WO98/42834の図3Bに示さ
れるように修飾されたRGD部位に隣接するアミノ酸配列を有するループIIIか
らなるものであってもよい。当該フランキング領域を修飾する利点は、B−J−
Z配列の活性(例えばインテグリン結合活性)が、特定の糖蛋白リガンドに対し
て、増強されたり、より特異的になり得ることである。また、もしデンドロアス
ピン骨格中に枝繋ぎされた「外来の」更なるアミノ酸配列の1つ又はそれ以上が
RGDの置換アミノ酸配列に対して立体効果を及ぼすとすれば、RGDドメイン
の周囲の(B−J−Zで占められた)ループIIIは、あらゆる立体障害を克服す
るように修飾可能であり、それによりRGDドメインでの機能性を回復させるこ
とができ、またおそらく増強させることもできる。
【0034】 特には、その置換アミノ酸配列が3個以上の残基を有する場合は、RGD部位
に隣接するアミノ酸は、例えば、ループIII中のアミノ酸残基の数を13に維持
するように除去されてもよい。 ループI又はループIIが、1つ又はそれ以上のアミノ酸残基の挿入、除去、置
換により修飾されてもよい。デンドロアスピン骨格中にある1つ又はそれ以上の
部位での導入には14〜36個の残基数が好ましいけれども、任意の適切な数の
アミノ酸(例えば最大100まで又はそれ以上)を、例えば所望の二又は多機能
性を与えるためにデンドロアスピン骨格中に導入することが可能である。
【0035】 もし、デンドロアスピン骨格に導入された「外来の」更なるアミノ酸配列が別
の導入したドメイン又はループIIIのいずれかに立体障害効果を及ぼすならば、
デンドロアスピンループの修飾が必要となり得る。Insight II software(Molec
ular Simulaions Inc.)を用いるコンピューター補助分子モデリングが、本発明
に示す「ループ枝繋ぎ」されたデンドロアスピンの骨格を予測するのに利用され
てもよい。ループ間の立体効果により機能性の損失が引き起こされるような場合
には、適当な方法でデンドロアスピン分子の適当な部分を修飾することによりこ
の立体効果を「デザインしないようにする」ことが可能である。時にはこのこと
が、1つ又はそれ以上のループ構造を伸ばすために幾つかの適当なアミノ酸残基
を導入することを含んでもよい。
【0036】 好ましい修飾としては、ループを延ばすためのデンドロアスピン骨格のループ
又はループ群中へのポリグリシンの導入が挙げられる。その他アミノ酸残基の繰
り返し単位又はいくつかの残基からなる修飾が利用可能である。コンピューター
モデリング研究は、デンドロアスピンのループを延ばすために必要とされるルー
プ修飾をデザインするのに利用可能である。非野生型ドメインがデンドロアスピ
ン骨格上に配置された別のドメインの機能を確実に阻害しないようにするために
更なる修飾が必要となることもある。
【0037】 本発明に従って二機能性又は多機能性分子をデザインするにあたって、活性、
安定性、又は他の所望の生物学的若しくは生化学的特性の「微調整」は、置換又
は除去により個々に選ばれたアミノ酸残基を改変することにより達成され得る。
選ばれた位置でのアミノ酸残基又は残基群の挿入による修飾も、本発明に示すこ
の「微調整」の態様の範囲内である。分子中の特定の部位でアミノ酸配列を改変
するのに利用可能な部位特異的突然変異誘発法は、当業者には周知であろう。
【0038】 調製 本発明に示す生成物は、適当な発現ベクターの構築により作成され得るポリペ
プチド、例えばプロモーターに効果的に結合したコード配列からなるポリペプチ
ドからなるポリヌクレオチドから構成され、好ましくは当該ポリペプチドである
【0039】 当業者は、機能性核酸を含有する種々のクローンを容易に構築可能である。こ
れらの目的を達成するためのクローニングする方法論、及び核酸の配列を検証す
るための配列決定法は、当該分野では周知である。適切なクローニング及び配列
決定技術の例や、多くのクローニングの経験を通じて当業者を指示するのに十分
な使用法は、Sambrook et al, Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版
, 1-3巻, Cold Spring Harbor Laboratory(1989))、Methods in Enzymology, 15
2巻:Guide to Molecular Cloning techniques (Berger and Kimmel(eds.), San
Diego: Academic Press, Inc.(1987))、又はCurrent Protocols in Molecular
Biology (Ausubel, et al.(eds.), Greene Publishing and Wiley-Interscience
, New York(1987)において見いだされる。
【0040】 生物学的試薬の製造業者からの製品情報及び実験装置もまた、既知の生物学的
方法において有益な情報を提供する。当該製造業者としては、SIGMA chemical c
ompany (Saint Louis, MO)、R&D systems (Minneapolis, MN)、Pharmacia LKB B
iotechnology (Piscataway, NJ)、CLONTECH Laboratories, Inc. (Palo Alto, C
A)、Chem Genes Corp., Aldrich Chemical Company (Milwaukee, WI)、Glen Res
earch, Inc., GIBCO BRL Life Technologies, Inc.(Gaithersberg, MD)、Fluka
Chemica-Biochemika Analytika (Fluka Chemie AG, Buchs, Switzerland)、Invi
trogen, San Diego, CA、及びApplied Biosystems (Foster City, CA)等が挙げ
られ、更にその他多数の当業者には既知の商業ソースが挙げられる。
【0041】 所望の遺伝子を含有するポリヌクレオチドは、例えば上述のような適当な配列
のクローニングと制限を含む任意の適切な方法により、あるいはNarang et al.
Meth. Enzymol. 68:90-99(1979)のホスホトリエステル法;Brown et al., Meth.
Enzymol. 68:109-151(1979)のホスホジエステル法;Beaucage et al., Tetra.
Lett., 22:1859-1862(1981)のジエチルホスホラミダイト法;Beaucage and Caru
thers(1981), Tetrahedron Letts., 22(20):1859-1862に記載の、例えば自動合
成機を用いる、例えばNeedham-VanDevanter et al. (1984) Nucleic Acids Res.
, 12:6159-6168に記載のような固相ホスホラミダイトトリエステル法;及び米国
特許第4,458,066号に示す固体支持法といった方法による直接的な化学合成によ
り調製可能である。化学合成により一本鎖のオリゴヌクレオチドを生成する。こ
れは、相補的な配列を用いてハイブリダイゼーションにより、又はテンプレート
としてその一本鎖を用いてDNAポリメラーゼによる重合により2本鎖DNAに
変換され得る。当業者には周知のとおり、DNAの化学合成が約100塩基の配
列に制限される一方で、より長い配列が短い配列のライゲーションにより取得で
きる。
【0042】 核酸は、当業者には周知のように、部位特異的突然変異誘発により修飾され得
る。天然核酸及びその他の核酸は、インビトロの方法により増幅可能である。増
幅法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)
、転写に基づいた増幅システム(TAS)、自律的配列複製システム(SSR)
が挙げられる。広範なクローニング法、宿主細胞、及びインビトロ増幅の方法論
が当業者には周知である。
【0043】 国際特許WO98/42834号に示されるように、野生型デンドロアスピン遺伝子を
プラスミドpGEX−3X(国際特許WO98/42834号の図2)中に上手く挿入し
、Lu et al. (1996)J Biol Chem 271:289-295に示す方法により発現してもよい
。デンドロアスピンの野生型遺伝子から開始し、次に本発明に示すポリペプチド
を発現するためにそのデンドロアスピン遺伝子の変種を組換えDNA技術を用い
て加工してもよい。挿入種が長いものについては、非デンドロアスピン又は異種
アミノ酸をコードするオリゴヌクレオチドを単に適切に制限消化した野生型デン
ドロアスピン遺伝子中に直接挿入し、ライゲーションしてもよい。挿入、置換、
又は除去を含む数個のアミノ酸残基の修飾のような小さな変化については、例え
ば製造業者の取扱説明書に従ってClontech Laboratoriesにより提供されるTrans
former(登録商標) Site-Directed Mutagenesis kitを用いて、部位特異的突然変
異誘発を利用してもよい。
【0044】 発現ベクターに挿入後、野生型遺伝子を修飾する代替法としては、プラスミド
pGEX−3Xに関して上述のように、本発明に示すポリペプチドをコードする
遺伝子を、オリゴヌクレオチドのライゲーションに続いて任意に修飾、特には部
位特異的突然変異誘発による非野生型遺伝子を含有するベクターの構築からなる
方法により作成しもよい。
【0045】 国際特許WO98/42834号の図2Aは、合成デンドロアスピン(Den)遺伝子のヌ
クレオチド配列を示している。当該遺伝子は、既知のアミノ酸配列を基本にデザ
インし(Williams J A et al.((1992))Biochem Soc Trans 21: 73S)、各アミノ
酸に対するコドンは、大腸菌中で高度に発現させたものから採用した(Fiers W
((1982))Gene 18: 199-209)。10の合成オリゴヌクレオチドがひとまとめで示
され、コード鎖の上と非コード鎖の下のいずれかに1〜10まで個々に数字を付
している。停止コドンは、アスタリスクで示している。3文字のアミノ酸コード
が使用され、全部で59のDenのアミノ酸には、N末端残基のアルギニンに1
とC末端のロイシンに59のみ数字を付している。
【0046】 かくして、追加の態様において、本発明は、本発明に示すポリペプチドをコー
ドする核酸分子に関する。当該核酸は、有効にプロモーター、そして場合により
異種の蛋白又はペプチドをコードする核酸配列に結合し、それにより融合生成物
をコードすることになる。適切には該プロモーターはIPTG誘発性であり、異
種の蛋白又はペプチドはグルタチオンSトランスフェラーゼである場合もある。
【0047】 前述の更なる非野生型ドメインをコードする核酸配列を除くと、本発明に示す
ポリペプチドをコードする核酸配列は、デンドロアスピンのヌクレオチド配列と
50%のヌクレオチド配列相同性を有し、好ましくは約65%、より好ましくは
約75%、及び更に好ましくは約85%デンドロアスピンヌクレオチド配列と相
同性を有し得る。
【0048】 本発明は、本発明に示す核酸からなるプラスミド、例えば本発明に示す核酸か
らなるプラスミドpGEX−3Xのみならず、当該プラスミドを用いて形質転換
した宿主細胞も含む。適切な宿主細胞は大腸菌である。該宿主細胞は細胞培養体
として提供されてもよい。
【0049】 本発明の別の態様は、前述のポリペプチドを発現するよう本発明に示す培養宿
主細胞を培養し、培養体から当該ポリペプチドを抽出し、そして精製することか
らなるポリペプチド生成法に関する、
【0050】 更に本発明は、デンドロアスピン骨格からなるポリペプチドを生成する方法を
含み、その方法は: a)有効にプロモーターと結合し、場合によりそれと共に共発現するために異
種の蛋白をコードする核酸配列と結合した本発明に示すデンドロアスピン骨格を
コードする核酸配列からなる発現ベクターを調製し;そして b)当該ベクターと一緒に宿主細胞を形質転換し、宿主細胞に修飾デンドロア
スピン核酸配列を発現させることを含む。
【0051】 これらの方法のいくつかは a)(i)オーバーラップするオリゴヌクレオチドからRGDモチーフを含有
するデンドロアスピン骨格のコード配列を構築し、その結果生成するcDNAを
有効にプロモーターに連結し、当該プロモーターを融合蛋白を発現するために異
種の蛋白をコードする核酸配列にも連結し;そして a)(ii)RGDが除去されているか又は本明細書中に定義されるような置換
アミノ酸配列により置き換えられたデンドロアスピン骨格をコードするように発
現ベクターのRGDコードドメインを修飾することを含む。
【0052】 当該方法において、段階(a)(ii)は、前述の修飾の前か後に、デンドロア
スピン骨格をコードするベクターの核酸配列の他のドメインの少なくとも1つを
1つ又はそれ以上の核酸残基の挿入、除去、又は置換により修飾することを含み
、これにより発現によってデンドロアスピン骨格が非野生型デンドロアスピン配
列に相当するドメインを含むようにした。
【0053】 他の方法は、RGDをコードするドメインが除去されているか又はこれが本明
細書中に定義されるような置換アミノ酸配列により除去又は置換されたデンドロ
アスピン配列をコード核酸配列からなる発現ベクターをオリゴヌクレオチドから
構築し、更に発現よってデンドロアスピン骨格をコードするベクターの核酸配列
の他のドメインの少なくとも1つを1つ又はそれ以上の核酸残基の挿入、除去、
又は置換により修飾し、これによりデンドロアスピン骨格が非野生型デンドロア
スピン配列に相当するドメインを含むようにすることを含む。
【0054】 該方法は: a)宿主細胞培養体から修飾デンドロアスピンを抽出し、 b)当該細胞培養体抽出物から修飾デンドロアスピンを精製し、そしてその修
飾デンドロアスピンが融合蛋白であれば、当該融合蛋白の異種部分からデンドロ
アスピン部分を切断することからなる段階を含んでいてもよい。
【0055】 該異種蛋白は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)が適切であり、
その精製は、GSTアフィニティークロマトグラフィーに続いてGSTから修飾
デンドロアスピンの切断を含むのが適切である。 本発明に示す生成物のいくつかは、上述のようなRGDなしのデンドロアスピ
ンを生成し、非デンドロアスピン種をそれに化学的にライゲーションすることに
より作成される。
【0056】 用途 本発明に示すペプチドは、科学的な検証に使用してもよいし、また薬理学的に
活性であれば、医薬品として利用してもよい。 我々は、デンドロアスピン分子が、「外来」配列を運び、そして潜在的なター
ゲットにそれらを提示するための優れた骨格を提供することと見出した。この点
で、デンドロアスピンは小型で形態的に安定であるため実験的用途のみならず医
薬品用途の良好なモデルとなる。更には、デンドロアスピンの配列と立体構造が
既知であることによりアミノ酸配列を暴露されると予想される位置に挿入可能と
なる。
【0057】 デンドロアスピンの利点は特には、RGD部位が直鎖のペプチドと比較して、
ターゲット構造中にポケットを有するRGDドメイン(もちろん野生型デンドロ
アスピン中のRGD)での配列の会合を改善するように思われる立体構造環境に
あることである。かくして、デンドロアスピン中のRGDの血小板結合(GPII
b/IIIaレセプター結合)活性は、RGDの直鎖のペプチドの活性よりも約1,
000倍高い。かくして本発明に示す分子は、レセプター及びポケットを有する
他の構造にアミノ酸配列を提示するのに特に有益である。
【0058】 かくして、本発明に示す好ましいポリペプチドは、RGDドメインにレセプタ
ー結合活性を有する置換アミノ酸配列を有する。ある群のポリペプチドはそのR
GDドメインに天然のポリペプチド中でポケットに入り込んで機能をもたらすア
ミノ酸配列を有する。
【0059】 デンドロアスピンのフレームワークは、実験的な目的のターゲットに対してア
ミノ酸配列を提示するのに有益である。かくして、本発明に示すポリペプチドは
、例えば生成物開発の目的で「外来」テスト配列の機能、効果、又は活性を検証
するのに有益である。言い換えると、本発明に示すポリペプチドは、活性剤を開
発する目的、特には薬学的目的にあるいは例えば低分子の治療用又は診断用薬剤
の開発に役立つ情報を得るのに有益である。
【0060】 従って、本発明は、更には候補アミノ酸配列の生物学的、薬理学的、及び/又
は生化学的活性を検討する方法を提供し、その方法は当該候補配列を本発明に従
ってポリペプチドに導入することを含む。好ましくは、本方法は更に、それによ
り生成されたテストポリペプチドをレセプター、「ポケット」、又は相互作用性
の物体(インビトロでもインビボでも)に暴露し、任意でそれらへの結合又はそ
れらとの相互作用を測定することを含む。また場合によって、当該テスト配列を
コントロール物質(テストポリペプチド不存在下、例えば結合又は相互作用とい
った反応が既知である物体)の存在下、レセプター又は他の相互作用性の物体に
暴露し、その後テストポリペプチド及び/又はコントロール物質の反応を測定し
てもよい。
【0061】 それにより本発明は、候補アミノ酸配列、例えば本発明に記載のテスト法によ
り同定可能なポリペプチド、同定可能なものとしての用途、及びそのようなポリ
ペプチドからなる医薬品製剤を提供する。更に本発明は、当該候補ポリペプチド
、特には前述で定義されるようなデンドロアスピン骨格及び候補ポリペプチド(
の残基)に導入されたテストポリペプチドからなる分子を提供する。
【0062】 薬理学的に活性なポリペプチドは、前述で定義されるようなポリペプチド、更
には場合によって薬学的に許容される賦形剤又は担体を含んでなる医薬品組成物
として製剤化されてもよい。機能性が様々である本発明に示す複数の治療用ポリ
ペプチドを所望の治療を施すために一緒に組合わせて薬学的に許容される形態に
してもよく、そして/又はそれらを1つ又はそれ以上の他の治療用又は予防用薬
剤と一緒に組合わせてもよい。
【0063】 本発明に示す治療用ポリペプチドは、静脈内注射又は静脈内投与用に製剤化さ
れるのが好ましいが、ヒト循環系中での徐放を所望するときは、他の投与方法、
例えば経口、皮下、筋肉内投与も可能である。例えば成長ホルモンを投与するの
に利用されるような埋め込み型制御放出装置と一緒に使用するポリペプチドの製
剤化もまた可能である。
【0064】 1つの製剤は、1nM−60μMの範囲の濃度で本発明に示すポリペプチドと
一緒に組合わせた血管外遊出血からなるもであってもよい。この血液はすぐに使
用できる形態で保存され、例えば外科的処置中又はその直後で血栓を避けねばな
らない場合において輸血で血液を迅速且つ簡単に供給し得る。 本発明は、薬、好ましくは医薬品として使用する前述で定義されるような治療
用ポリペプチドを含む。
【0065】 また本発明は、薬物製造のために前述で定義されるような薬理学的に活性なポ
リペプチドの用途を提供し、例えばレセプターでの結合又は血栓に伴なう疾病;
特には血栓症、心筋梗塞、網膜血管新生、内皮損傷、調節不全型アポトーシス、
異常細胞遊走、白血球湿潤、免疫系の活性化、組織線維症、及び腫瘍形成の処置
又は予防目的となり得る。
【0066】 また本発明は、レセプターでの結合又は血栓に伴なう疾病;特には血栓症、心
筋梗塞、網膜血管新生、内皮損傷、調節不全型アポトーシス、異常細胞遊走、白
血球湿潤、免疫系の活性化、組織線維症、及び腫瘍形成の治療及び予防からなる
処置法を提供する。本方法は、前述で定義されるようなポリペプチドを治療的に
有効量投与すること含む。
【0067】 図面の簡単な説明 図1は、挿入アミノ酸配列をデンドロアスピンのアミノ酸配列の下に示した修
飾型デンドロアスピンアラインメントを示している。
【0068】 実施例1 KGDデンドロアスピン 材料…制限酵素、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、T4 DNAリガーゼ、I
PTG(イソプロピル−β−D−チオ−ガラクトピラノシド)、及びDH5αコ
ンピテント細胞は、Life Technologies Ltd. (U.K.)又はPromega Ltd. (Southam
pton, U.K.)から購入した。ベント(エクソ−)DNAポリメラーゼはNew England
Biolabs Ltd. (Hitchin, U.K.)より提供された。プロテアーゼ第Xa因子は、B
oehringer Mannheim (Sussex, England)から購入した。ヒトフィブリノーゲン(
グレードL)はKabi (Stockholm, Sweden)から購入した。凍結乾燥した蛇毒はLa
toxan(05150 Rosans, France)又はSigma Chemical Ltd. (Dorset, U.K.)のいず
れかから得た。オリゴヌクレオチドはCruachem Ltd. (Glasgow, U.K.)で作成し
、更に15%アクリルアミド/8M尿素ゲル上で変性PAGEにより精製した。
デオキシヌクレオチドトリホスフェート(dNTPs)ジデオキシヌクレオチド
トリホスフェート(ddNTPs)、及びプラスミドpGEX−3X、グルタチ
オンSトランスフェラーゼ(GST)に結合した融合蛋白としてクローニングさ
れた遺伝子を発現するベクター、及びグルタチオン−セファロースCL−4Bは
、Pharmacia Biotech Ltd.(Herts, U.K.)から購入した。「Geneclean」キットと
Plasmid maxi Kitは、Bio 101, La Jolla CA. USA及びQiagen Ltd., Surrey, U.
K.からそれぞれ購入した。シークエンシング酵素(シークエナーゼ2.0)は、C
ambridge Bioscience (Cambridge, U.K.)から得た。[35S]dATP[αS]及
125I(15.3mCi/mgヨウ素)は、NEN Dupont (Herts, U.K.)とAmer
sham International Plc (Amersham, Bucks, England)からそれぞれ得た。
【0069】 発現ベクターの構築 デンドロアスピン遺伝子を、国際特許WO98/42834の図2Aに示されるのと同
じ10のオリゴヌクレオチドを用いて合成オリゴヌクレオチドから構築した。そ
れぞれ精製されたオリゴヌクレチドを、1mM ATPとT4ポリヌクレオチド
キナーゼの存在中37℃で60分間リン酸化した。オーバーラップするリン酸化
オリゴヌクレオチドの対をそれぞれPerkin-Elmer/Cetus熱シリンダー上で別々に
アニ−ルした。以下に示すプログラムを利用した:95℃ 5分間、70℃ 3
0秒、次いで室温までゆっくりと冷却する。ライゲーションは、だいたい約1n
Mの各アニ−ルしたフラグメント、50mM トリス−HCl(pH7.6)、1
0mM MgCl、1mM ATP、及び5%PEG8000と5ユニットのT
4DNAリガーゼを含有する総量50μl中において、16℃で15分間実施し
た。ライゲーション後、デンドロアスピン遺伝子を、テンプレートとして1μl
のライゲーション混合物を用いて、プライマーとしてのオリゴ1及び10と2ユ
ニットのベントDNAポリメラーゼによりPCRで増幅した。以下に示すプログ
ラムを利用した:94℃、3分と72℃、1分の1サイクル、続いて94℃、3
0秒と72℃、2分の39サイクル。その増幅生成物は、2%アガロースゲル上
で確認しながら所望の大きさ(216bp)となることをチェックして見つけ出
し、更に2%低融点のアガロースゲル上で精製した。デンドロアスピン遺伝子は
EcoRIとBamHIにより消化し、続いて制限ベクターpGEX−3X中でクローニン
グして組換えプラスミドpGEX−デンドロアスピン遺伝子を生成する。非野生
型ベクター、例えばpGEX−KGD−デンドロアスピン遺伝子(以下参照)の
構築についても、同様の製法を実施した。
【0070】 KGD−デンドロアスピン遺伝子をTransformer(登録商標)部位特異的突然
変異誘発キット(Clontech Laboratories Inc, Palo Alto, California, USA)を
用いて生成した。選択オリゴヌクレオチドは、ACC65Iによる消化により親構造か
ら組換えの選択を可能にするために新規の制限部位(BamHI→ACC65I)をpGE
X−3Xベクター中に導入するようデザインした。アニーリング、ライゲーショ
ン、及び消化後、その反応混合物を大腸菌、mutS細胞(Clontech)中で形質転
換し、その結果形成されるコロニーをACC65I制限分析によりスクリーニングした
。ACC65Iによる制限と形質転換を2回転か3回転して、90%以上の組換えクロ
ーンを同定した。この突然変異誘発法においては、選択プライマーdGAAGGTCGTGG
GTACCATATCGAAGGTCGTと変異誘発プライマーdTGCTTCACTCCGAAAGGTGACATGCCGGGTCC
GTACを使用した。
【0071】 形質転換と蛋白発現 組換え遺伝子(5ng)を常法(34)により50μlの大腸菌DH5αコン
ピテント細胞を形質転換するのに利用した。その構築物が正しいコード配列であ
ることは、ジデオキシチェーンターミネーター法(35)を用いて挿入フラグメ
ントの相補的なDNA配列決定により検証した。細菌培地条件は、以下に示す通
りで実施した:培地を、一晩種培養して播種し(1%、v/v)、LB/アンピシ
リン培地(100μg/ml)中で培養し、A600が0.7に達するまで37℃
で振盪し、次いで誘導用に最終濃度が0.1mMとなるまでIPTGを添加した
。細胞を、30℃より低い温度で更に4時間培養し、遠心分離により収集した。
【0072】 天然及び組換え蛇毒RGD蛋白の精製 エレガンチン(elegantin)及びデンドロアスピンを従来法(36)に示され
るような逆層HPLCを用いて精製した。組換えデンドロアスピンは以下のよう
に精製した:細胞のペレットを、1% TritonX−100とプロテアーゼ阻害剤
PMSF(1M)、ペプスタチン(5g/ml)、アプロチニン(5μg/ml)
、トリプシン阻害剤(1μg/ml)、1mM EDTAを含有するPBSバッフ
ァー(pH7.4)中に懸濁し、氷上で超音波処理した。その超音波処理した混
合物を4℃、7,800xgで細胞残屑と不溶性物質をペレット状に遠心分離した
。上清から組換えGSTデンドロアスピンとGST変異デンドロアスピンをグル
タチオン−セファロース CL−4Bカラム上で150mM NaClを含有する
PBS中で吸収し10mM還元グルタチオン(pH8.0)を含有する50mM
のTris−HClで溶出することによりアフィニティークロマトグラフィーで精製
した。ペレット中に残存する不溶性の融合蛋白については、8M尿素の存在中、
室温で30分間ゆっくり振盪し、続いてTris−HClバッファーに対して室温で
連続的に希釈及び透析することにより再生させて、可溶化した。リフォールディ
ングした蛋白混合物を更に遠心分離しアフィニティー精製した。精製はSDS−
PAGEでモニターし、組換えGSTデンドロアスピンとGST変異デンドロア
スピンからなる適切な画分を150mM NaCl、1mM CaCl、及び第
Xa因子(1:100、w/w 第Xa因子:融合蛋白)の存在中、4℃で24時間
消化した。切断後、当該画分をVydacC18逆層HPLC分析用カラム(TP1
04)上に添加し、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有するグラジエン
ト0−26%アセトニトリル(分当たり1.78%)、続いて0.1% TFA中
、26−36%アセトニトリル(分当たり0.25%)で溶出した。必要であれ
ば、更に分析用カラムを同じ条件下で使用した。HPLCからの画分を凍結乾燥
し、水中で溶解し、そしてADP−誘発血小板凝集の阻害をアッセイした。精製
した野生型デンドロアスピンと変異体は、20%SDS−PAGEとエレクトロ
スプレーイオン化質量分析により同定した。
【0073】 血小板凝集の定量 血小板凝集を、従来法(36、37)に示されるように光透過率の増加で定量
した。簡単に示すと、200xgで15分間、遠心分離により健常人から得た血
小板リッチな血漿(PRP)を保存ヒト血液から調製した。洗浄血小板をPRP
から調製し、接着/凝集バッファー(145mM NaCl、5mM KCl、1
mM MgCl、2mM CaCl、10mMグルコース、3.5mg/ml
BSA、及び10mM HEPES、pH7.35)中に再懸濁し、3x10/m
lカウントに調節した。血小板凝集(320μlインキュベーション溶液)は、
1.67mg/mlのフィブリノーゲンの存在中10μM ADPで誘導し、チャ
ートレコーダーに連結したPayton Dual-Aggregometerを用いて定量した。KGD
−デンドロアスピンがADP誘発血小板凝集の強力な阻害を示すことが分かった
【0074】 血小板粘着の測定 血小板粘着を、従来法(37)で示されるように定量する。簡単に示すと、9
6ウェルのプレートを一晩4℃でリン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.4)中
で再構築したヒトフィブリノーゲン又はフィブロネクチンのいずれかにより適当
な濃度(2−10μg/ml、100μl)でコーティングする。血小板は、10μ
lの500μM ADP(最終濃度50μM)を予め添加したマイクロタイター
プレートに添加(90μl)前に3分間適当な温度でアンタゴニストを用いて処
置し、粘着血小板の数を130μl/ウェルのディベロッピングバッファー(酢
酸ナトリウム、pH5.5、10mM p−ニトロフェニルホスフェート、0.1
% TritonX-100)を用いて内因性の酸ホスファターゼを定量して検討し、自
動プレートリーダー上において410/630nmで読み取った。
【0075】 リガンドのヨー素化とリガンド結合の検討 本検討に使用される蛋白のヨー素化は、製造業者の仕様書に従ってEnzymobead
Radioiodination Reagent (Biorad Laboratories)を用いて実施した。125
−標識化ディスインテグリン、デンドロアスピン、及び変異デンドロアスピンの
洗浄血小板への結合は、本質的には従来法で(37)示されるように平衡条件下
実施する。簡単に示すと、そのインキュベーション混合物は、300μlの洗浄
血小板(3x10/ml)、10μlのアゴニスト(最終濃度50μMを呈す
る1.75mM ADP)、10μlの125I−標識化蛋白試料、5−20μl
の再懸濁バッファーからなり、最終容量を350μlにする。抗体阻害の検討に
おいて、血小板懸濁物をADPに暴露する前に30分間、抗体で処置し、次いで125 I−蛋白試料に添加し、該混合物を室温で更に60分間インキュベートす
る。25%(w/v)スクロース、1%BSA緩衝液上に添加することによりイン
キュベーションを止めて12,000xgで10分間遠心分離する。血小板ペレッ
トと上清の両方をカウントして、結合したリガンドとしていないリガンドの量を
決定する。バックグラウンドの結合量は、50倍過剰の非標識化ディスインテグ
リン又は10mM EDTAの存在中で決定する。
【0076】 組換え野生型デンドロアスピン及び変異デンドロアスピンの発現と精製 合成野生型及び変異型デンドロアスピン遺伝子を、これらの組換え蛋白に対し
てコードする遺伝子の5'位に第Xa因子切断配列を有するグルタチオンS−ト
ランスフェラーゼ(GST)遺伝子のカルボキシル末端の発現ベクターpGEX
−3X中でクローニングした。大腸菌でのGST−融合蛋白の発現は、「発現ベ
クターの構築」及び「形質転換と蛋白発現」の表題の段落で示されるように、培
養培地へのIPTGの添加により誘発した。非誘発性の形質転換と対照的に、S
DS−PAGEによるIPTG処置細胞可溶化液の分析により、GST−融合蛋
白に相当する32kDaの蛋白の存在が示された。GST−蛋白を、グルタチオ
ン−セファロースCL−4Bカラム上でアフィニティクロマトグラフィーにより
精製し、SDS−PAGEでモニターした。グルタチオンで吸着した物質の溶出
の結果、12.5%のポリアクリルアミドゲル中、32kDaで出現するメジャ
ーバンドと28kDaでのマイナーバンドが見られた。このマイナーな28kD
aの成分は、相対的量が調製毎に様々であることから、第Xa因子様の活性を有
する内因性の細菌性プロテアーゼによりGST蛋白から遊離した遊離GSTに相
当し得る。精製GST蛋白を第Xa因子で処置することによりデンドロアスピン
のサイズに近い7kDaのバンドとして出現する組換え蛋白を遊離し、28kD
aのバンドの強度として出現する遊離GSTがSDS−PAGEにより同定され
た。その7kDaの蛋白を更に精製して、PRP中でADP誘発性血小板凝集を
阻害可能な各ピークから等分量を試験して同定した活性であるフラクションと一
緒に逆層HPLCにより均質化した。更に質量分析で特徴付けして、第Xa因子
プロテアーゼ処置によりArgできちんと切断していることを確認する。
【0077】 修飾分子 図1は、本明細書と国際特許WO98/42834中に示すのようなデンドロアスピン
遺伝子の突然変異誘発により獲得可能な修飾一機能性及び二機能性デンドロアス
ピンの配列を示している。
【0078】 実施例2 KQAGDV−デンドロアスピン 実施例1に示されるのと同じ方法で、KQAGDV−デンドロアスピンを発現
し、精製した。部位特的突然変異誘発に利用する変異誘発プライマーは: dGGT TGC TTC ACT CCG AAA CAG GCT GGT GAC GTT CCG GGT CCG TAC TGCでありこ
れはアミノ酸配列: GCFTPKQAGDVPGPYC と一致する。
【0079】 以上より本発明は、天然のRGDモチーフを除去したり(i)インテグリン結
合活性のないアミノ酸配列、又は(ii)RGD以外のアスパラギン酸又はグルタ
ミン酸含有インテグリン結合アミノ酸配列により置き換えたりしたデンドロアス
ピンフレームワーク中の1つ又はそれ以上の非野生型デンドロアスピンアミノ酸
配列に対する骨格としてのデンドロアスピンの用途を提供することが理解されよ
う。
【0080】 参考文献 1. Kieffer, N., and Phillips, D.R. (1990) Ann. Rev. Cell Biol. 6, 329-35
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aruch, D., Authi, K.S. & Rahmna, S. (1994) Biochem. J. 304, 929-936
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、挿入されたアミノ酸配列をデンドロアスピンのアミノ酸
配列の下に示した修飾型デンドロアスピン配列を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 C12N 1/21 C07K 14/46 C12P 21/02 C C12N 1/21 C12R 1:19 C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA //(C12P 21/02 A61K 37/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ビジェイ・バー・カッカー イギリス、エスダブリュー3・6エルアー ル、ロンドン、チェルシー、マンレサ・ロ ード、エマニュエル・ケイ・ビルディン グ、スロンボシス・リサーチ・インスティ テュート Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 CA06 DA06 EA04 FA02 FA18 GA11 HA01 4B064 AG02 AG30 CA02 CA19 CC24 DA01 4B065 AA26X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA17 BA41 BA44 CA53 DB53 DB54 DB55 DC15 DC17 DC35 NA05 ZA362 ZA542 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA20 CA53 DA65 DA83 EA24 FA74

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然のRGDモチーフが除去されているか又は天然のRGD
    モチーフが(i)インテグリン結合活性のないアミノ酸配列又は(ii)インテグ
    リン結合アミノ酸配列である置換アミノ酸配列により置き換えられているデンド
    ロアスピン骨格からなり、且つGに隣接するD又はEを含有するRGD以外のト
    リペプチド配列からなる生成物。
  2. 【請求項2】 該トリペプチド配列が式 B−J−Z からなるものであって、式中、 (I)J−ZはGD又はGBであり、BはR、K、Q、A、H、N、A、V、I
    、L、M、F、P、又はWである; (II)B−JはDG又はEGであり、Zは任意のアミノ酸である;又は (III)JはD又はEで、B及びZはA、V、I、L、M、F、P、又はWの中
    からそれぞれ独立して選ばれる、請求項1に記載の生成物。
  3. 【請求項3】 J−ZがGDである、請求項2(I)に記載の生成物。
  4. 【請求項4】 BがR、K、Q、A、H、又はNであり、且つB−J−Zは
    GDではない、請求項2(I)又は請求項3に記載の生成物。
  5. 【請求項5】 BがR、K、Q、又はAである、請求項4に記載の生成物。
  6. 【請求項6】 B−J−ZがそのC末端でM、W、N、又はVに結合してい
    る、請求項2(I)及び3〜5のいずれかに記載の生成物。
  7. 【請求項7】 当該M、W、N、又はV残基の後が野生型デンドロアスピン
    の47位にあるP、又はPが置換されたA残基である、請求項6に記載の生成物
  8. 【請求項8】 インテグリン結合アミノ酸配列の前が野生型デンドロアスピ
    ンの47位にあるP、あるいはPが置換されたA残基である、請求項2(I)及び
    3〜7のいずれかに記載の生成物。
  9. 【請求項9】 BがA、V、I、M、F、P、Wである、請求項2(I)又は
    3に記載の生成物。
  10. 【請求項10】 BがL又はVである、請求項9に記載の生成物。
  11. 【請求項11】 BがLであり、Bの前がMである、請求項10に記載の生
    成物。
  12. 【請求項12】 B−JがDGである、請求項2(II)に記載の生成物。
  13. 【請求項13】 ZがE、R、又はPである、請求項2(II)又は請求項12
    に記載の生成物。
  14. 【請求項14】 Zの後が野生型デンドロアスピンの47位にあるP、又は
    野生型の47位のPの前に挿入されたAである、請求項2(II)、12、及び13
    のいずれかに記載の生成物。
  15. 【請求項15】 JがDである、請求項2(III)に記載の生成物。
  16. 【請求項16】 B−J−ZがLDVである、請求項2(III)に記載の生成
    物。
  17. 【請求項17】 B−J−Zの前がI残基である、請求項2(III)、15、
    及び16のいずれかに記載の生成物。
  18. 【請求項18】 当該(i)インテグリン結合活性をもたない置換アミノ酸
    配列からなり、当該置換アミノ酸配列がレセプター結合機能を有する、請求項1
    に記載の生成物。
  19. 【請求項19】 当該(i)インテグリン結合活性をもたない置換アミノ酸
    配列からなり、当該置換アミノ酸配列が天然のポリペプチド中でポケットに入り
    込んで機能する配列である、請求項1に記載の生成物。
  20. 【請求項20】 RGDモチーフの除去又は置き換えに加えて、外来(非野
    生型デンドロアスピン)ドメインを少なくとも1つ含む、請求項1〜19のいず
    れかに記載の生成物。
  21. 【請求項21】 該少なくとも1つの非野生型デンドロアスピンドメインが
    生成物に機能性を与える非デンドロアスピンドメインを少なくとも1つ含む、請
    求項20に記載の生成物。
  22. 【請求項22】 少なくとも2つの該非野生型デンドロアスピンドメインか
    らなり、その非野生型デンドロスピンドメインはで同一配列を有していてもよい
    、請求項20又は請求項21に記載の生成物。
  23. 【請求項23】 当該少なくとも1つの非野生型デンドロアスピンドメイン
    が、デンドロアスピンのアミノ酸残基の少なくとも1つにより分離された2つ又
    はそれ以上のアミノ酸配列部分を有する当該ドメインを含む、請求項20〜22
    に記載の生成物。
  24. 【請求項24】 血小板由来成長因子(PDGF)活性、糖蛋白IBα活性
    、ヒルジン活性、トロンボモジュリン活性、血管上皮成長因子活性、トランスフ
    ォーミング成長因子β活性、塩基性繊維芽細胞成長因子活性、アンギオテンシ
    ンII活性、第VIII因子活性、フォンウィルブランド因子活性、ダニ抗凝固蛋白(
    TAP)因子活性、又は線虫抗凝固蛋白(NAP)因子活性を与える当該非野生
    型デンドロアスピンドメインを含有する、請求項20〜23のいずれかに記載の
    生成物。
  25. 【請求項25】 該非野生型デンドロアスピンドメインが、血小板成長因子
    (PDGF)、糖蛋白IBα、ヒルジン、トロンボモジュリン、血管上皮成長因
    子、トランスフォーミング成長因子β、塩基性繊維芽細胞成長因子、アンギオ
    テンシンII、第VIII因子、フォンウィルブランド因子、TAP、又はNAP(例
    えばMAP5)に由来する配列、又は当該配列の少なくとも一部分と相同する配
    列である、請求項24に記載の生成物。
  26. 【請求項26】 該非野生型ドメイン/ドメイン群が、デンドロアスピン骨
    格の(a)ループI及び/又はループII;(b)ループI及び/又はループIII
    ;(c)ループII及び/又はループIII;又はループI、ループII、及びループI
    IIに導入されている、請求項20〜25に記載の生成物。
  27. 【請求項27】 単一の当該非野生型ドメインが存在し、そのドメインがル
    ープI又はループIIのいずれかに導入されている、請求項26に記載の生成物。
  28. 【請求項28】 該非野生型ドメイン/ドメイン群が、デンドロアスピン骨
    格中の4−16、18−21、又は23−26から選ばれたアミノ酸残基間、又
    は残基50の後のデンドロアスピン骨格の末端部に含有されている、請求項20
    〜25に記載の生成物。
  29. 【請求項29】 単一の非野生型ドメインが存在する、請求項28に記載の
    生成物。
  30. 【請求項30】 RGDモチーフが1つのドメインで当該インテグリン結合
    アミノ酸配列により置き換えられたデンドロアスピン骨格と別のドメインに第2
    の機能を与える非デンドロアスピン種を含むポリペプチドである、請求項20〜
    25に記載の生成物。
  31. 【請求項31】 デンドロアスピン骨格の非ループ領域の残基が、非デンド
    ロアスピン種をデンドロアスピン骨格の末端配列へ直接又はリンカーを通じてラ
    イゲーションして、非デンドロアスピン種により増大されている、請求項30に
    記載の生成物。
  32. 【請求項32】 ループIIIが、天然のデンドロアスピンと比較して1つ又
    はそれ以上のアミノ酸残基の挿入、除去、又は置換により更に修飾されている、
    請求項1〜31のいずれかに記載の生成物。
  33. 【請求項33】 当該ループIII内部の更なる修飾により最大8個で最小1
    個のアミノ酸が修飾されている、請求項32に記載の生成物。
  34. 【請求項34】 RGDが、当該インテグリン結合配列により置き換えられ
    、そして当該更なる修飾が当該インテグリン結合配列に隣接するアミノ酸の修飾
    を含む、請求項32又は請求項33に記載の生成物。
  35. 【請求項35】 ループI及び/又はループIIが、1つ又はそれ以上のアミ
    ノ酸残基の挿入、除去、置換によって更に修飾されている、請求項1〜34のい
    ずれかに記載の生成物。
  36. 【請求項36】 天然のデンドロアスピンよりも最大で100個多いアミノ
    酸残基を含有する、請求項1〜35のいずれかに記載の生成物。
  37. 【請求項37】 天然のデンドロアスピンよりも14〜36個多いアミノ酸
    残基を含有する、請求項1〜36のいずれかに記載の生成物。
  38. 【請求項38】 請求項1〜37のいずれかに記載のポリペプチド生成物を
    コードする、核酸分子。
  39. 【請求項39】 プロモーターに有効に結合し、場合によって異種蛋白又は
    ペプチドをコードする核酸配列にも結合し、これにより融合生成物をコードする
    、請求項38に記載の核酸。
  40. 【請求項40】 該プロモーターがIPTG誘発性であり、場合によって該
    異種蛋白又はペプチドがグルタチオンS−トランスフェラーゼであってもよい、
    請求項39に記載の核酸。
  41. 【請求項41】 請求項38〜40のいずれかに記載の核酸を含んでなる、
    プラスミド。
  42. 【請求項42】 請求項38に記載の核酸を含んでなる、プラスミドpGE
    X−3X。
  43. 【請求項43】 請求項41又は請求項42に記載のプラスミドで形質転換
    された、宿主細胞。
  44. 【請求項44】 大腸菌である、請求項43に記載の宿主細胞。
  45. 【請求項45】 請求項43又は請求項44に記載の宿主細胞を含んでなる
    、細胞培養体。
  46. 【請求項46】 当該ポリペプチドを発現するように請求項43又は請求項
    44に記載の宿主細胞を培養し、その培養体から該ポリペプチドを抽出し、そし
    てそのポリペプチドを精製することを含む、請求項1〜37のいずれかに定義さ
    れるようなポリペプチドの生成法。
  47. 【請求項47】 デンドロアスピン骨格からなるポリペプチドの生成法であ
    って、その方法が: a)有効にプロモーターと結合し、更に場合によりそれと共に共発現するため
    に異種の蛋白をコードする核酸配列と結合した請求項1に示すデンドロアスピン
    骨格をコードする核酸配列からなる発現ベクターを調製し;そして b)当該ベクターと一緒に宿主細胞を形質転換し、宿主細胞に修飾デンドロア
    スピン核酸配列を発現させることを含む、方法。
  48. 【請求項48】 段階(a)が、 a)(i)オーバーラップするオリゴヌクレオチドからRGDモチーフを含有
    するデンドロアスピン骨格のコード配列を構築し、その結果生成するcDNAを
    有効にプロモーターに連結し、更に場合により当該プロモーターを融合蛋白を発
    現するために異種の蛋白をコードする核酸配列にも連結し;そして a)(ii)RGDが除去されているか又は請求項1〜14のいずれかに定義さ
    れるような置換アミノ酸配列により置き換えられたデンドロアスピン骨格をコー
    ドするように発現ベクターのRGDコードドメインを修飾することを含む、請求
    項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 段階(a)(ii)が当該修飾の前か後に、更にデンドロア
    スピン骨格をコードするベクターの核酸配列の他のドメインの少なくとも1つを
    1つ又はそれ以上の核酸残基の挿入、除去、又は置換により修飾することを含み
    、これにより発現によってデンドロアスピン骨格が非野生型デンドロアスピン配
    列に相当するドメインを含むようにした請求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 段階(a)が、RGDをコードするドメインが除去されて
    いるか又はこれが請求項1〜14のいずれかにおいて定義されるような置換アミ
    ノ酸配列により置換されたデンドロアスピン配列をコード核酸配列からなる発現
    ベクターをオリゴヌクレオチドから構築し、更にデンドロアスピン骨格をコード
    するベクターの核酸配列の他のドメインの少なくとも1つを1つ又はそれ以上の
    核酸残基の挿入、除去、又は置換により修飾し、これによって発現よってデンド
    ロアスピン骨格が非野生型デンドロアスピン配列に相当するドメインを含むよう
    にしてもよい、請求項47に記載の方法。
  51. 【請求項51】 方法が: d)宿主細胞培養体から修飾デンドロアスピンを抽出し、 e)当該細胞培養体抽出物から修飾デンドロアスピンを精製し、そしてその修
    飾デンドロアスピンが融合蛋白であれば、当該融合蛋白の異種部分からデンドロ
    アスピン部分を切断することからなる段階を更に含む、請求項46〜50のいず
    れかに記載の方法。
  52. 【請求項52】 該異種蛋白が、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GS
    T)であり、その精製が、GSTアフィニティークロマトグラフィーに続いてG
    STから修飾デンドロアスピンを切断すること含む、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 請求項46〜52のいずれかに記載の方法により取得可能
    な、請求項1〜37のいずれかに記載のポリペプチド生成物。
  54. 【請求項54】 請求項1〜37又は53のいずれかに記載の薬理学的に活
    性である生成物を含んでなる、医薬品組成物。
  55. 【請求項55】 更に薬学的に許容される賦形剤又は担体を含んでなる、請
    求項54に記載の組成物。
  56. 【請求項56】 医薬品としての使用を目的とする、請求項1〜37又は5
    3のいずれかに記載の薬理学的に活性な生成物。
  57. 【請求項57】 血栓症に伴なう疾病の処置又は予防用の薬物を製造するた
    めである、請求項1〜37又は53のいずれかに記載の薬理学的に活性な生成物
    の用途。
  58. 【請求項58】 当該疾病が、血栓症、心筋梗塞、網膜血管新生、及び内皮
    損傷の1つ又はそれ以上である、請求項57に記載の用途。
  59. 【請求項59】 ヒト又は動物患者における血栓症に伴なう疾病の処置又は
    予防法であって、当該患者に請求項1〜37又は53のいずれかに記載されるよ
    うな薬理学的に活性な生成物を有効量投与することを含む、方法。
  60. 【請求項60】 生成物中に含有される1つ又はそれ以上の非野生型デンド
    ロアスピン配列の機能、効果、又は活性を検討するためである、請求項1〜37
    又は53のいずれかに記載の生成物の用途。
  61. 【請求項61】 野生型デンドロアスピン配列以外の種の機能、効果、又は
    活性を検討する方法であって、当該種を含む請求項1〜37又は53のいずれか
    に記載の生成物を調製し、当該生成物でインビボ又はインビトロのテストを実施
    することを含む、方法。
  62. 【請求項62】 請求項61に記載の方法を実施することにより機能、効果
    、又は活性が検討された種を含有する生成物を薬物に製剤化することを更に含む
    、請求項61に記載の方法。
  63. 【請求項63】 天然のRGDモチーフが除去されているか又はこれが(i
    )インテグリン結合活性のないアミノ酸配列、又は(ii)RGD以外のアスパラ
    ギン酸又はグルタミン酸含有インテグリン結合アミノ酸配列により置き換えられ
    たデンドロアスピンフレームワーク中の1つ又はそれ以上の非デンドロアスピン
    アミノ酸配列に対する骨格としての、デンドロアスピンの用途。
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