JP2003529566A - 二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の抗腫瘍誘導体、その調製方法、それを含む薬剤組成物及びその誘導体の適用方法 - Google Patents

二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の抗腫瘍誘導体、その調製方法、それを含む薬剤組成物及びその誘導体の適用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の抗腫瘍誘導体に関する。 【化1】 式中、R1及びR2は明細書で定義したものを意味する。また本発明は、上記誘導体の調製方法、上記誘導体を含む抗腫瘍剤の組成物に関し、さらに抗腫瘍剤を製造するにあたって上記誘導体を適用することに関する。上記誘導体の組成物は、新世代における安全かつ効果的な抗腫瘍薬であり、以下のような利点を持つ。低い毒性を示し、広範囲の抗腫瘍性を有し、高い抗腫瘍活性を示し、水溶性が良好であり、水溶液中において優れた安定性を示し、正常な細胞に損傷を与えずに癌細胞を選択的に死滅させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新種の抗腫瘍プラチン誘導体に関するものであり、具体的には二重
ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体に関するものである。また本発明は
、その調製方法及び上記誘導体を含む薬剤組成物に関するものである。さらに本
発明は、上記誘導体を抗腫瘍剤の調製に適用する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
B.Rosenberが1969年にシス−ジクロロジアミノプラチンの抗腫瘍効果を発
見して以来、シスプラチンはプラチン類似体の抗腫瘍薬として臨床医学の分野で
広く使用されている。この種の薬は、泌尿生殖器の癌、鼻咽頭の癌、頭頚部の癌
及び肺癌のような多くの癌に対して明白な治療効果があるが、高い毒性及び激し
い副作用を有している。腎毒性、神経毒性、内耳神経毒性、悪心、嘔吐のような
望ましくない副作用によって、投薬量や長期間の服用について制約を受ける。プ
ラチン類似体の第二世代の抗腫瘍薬のうちの1つであるカルボプラチンは、シス
プラチンに似た範囲の抗腫瘍性を有し、交差薬剤抵抗性を有している。カルボプ
ラチンの治療効果は、シスプラチンのそれより若干劣っている。カルボプラチン
の毒性及び副作用は、シスプラチンのそれよりも著しく少ないが、骨髄抑制が依
然として存在し、さらにカルボプラチンは水溶液中において不安定である。従っ
て、高い効果、低い毒性及び広範囲の抗腫瘍性を備えたプラチン類似体の抗腫瘍
剤を捜し求めて活発な研究が行われている。
【0003】 近年、isoplatin、oxaliplatin、ormajplatin、lobaplatin、enloplatin、zen
inplatin、L−NDOP、DWA−2114A、CI−973等のプラチン類似
体の多種類の新しい抗腫瘍薬について臨床試験が開始されたことが報告されてい
る。これらの新しいプラチン類似体のほとんどは、シスプラチンとの交差薬剤抵
抗性を有していないが、それらの抗腫瘍性の傾向はシスプラチンのものとほぼ同
一であり、抗腫瘍性の範囲は広くなく、また水中における安定性が比較的乏しい
。毒性に関してはそれらのうちのほとんどはシスプラチンより低く、数種のもの
は依然として明らかな腎毒性、神経毒性及び骨髄抑制がみられる。これらの理由
のため、それらのうちのいずれも臨床的には使用されていない。経口により効果
がみられるプラチン類似体の抗腫瘍薬に関しては、今まで報告されていない。よ
り効果的で毒性が少なく、水中における安定性に優れた別種のプラチン類似体の
抗腫瘍薬が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プラチン類似体の化合物について深く徹底的に研究した結果、驚くべきことに
二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体が上述した欠点を克服し、高い
効果、低い毒性及び水中における安定性を有していることを本発明者が見出し、
それによって本発明を完成するに至ったものである。
【0005】 本発明の主要な目的は、上述した先行技術の欠点を克服することができる二重
ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の新規な抗腫瘍誘導体を提供することである
【0006】 また本発明の別の目的は、二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を
調製する方法を提供することである。
【0007】 さらに本発明の別の目的は、活性成分として二重ジカルボン酸ジアミノプラチ
ン錯体の誘導体を含む抗腫瘍剤の組成物を提供することである。
【0008】 さらに本発明の目的は、二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を抗
腫瘍剤の調製に適用する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の式(I)を有することを特徴とする二重ジカルボン酸ジアミノ
プラチン錯体の抗腫瘍誘導体に関するものである。
【0010】
【化6】
【0011】 式中、R1とR2は同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C1−C1 2 のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フォス
フォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはR1とR2は飽和又は不飽和
の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR1、R2とこれらが付いて
いる炭素原子とを連結することによって形成される。
【0012】 好ましくは、R1、R2及びこれらが付いている炭素原子が連結することによっ
て、飽和した3−6元素からなる炭素環が形成されているのがよい。
【0013】 より好ましくは、二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体が、二重1
,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体、又は二重1,1−シ
クロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体であるのがよい。
【0014】 最も好ましくは、本発明の誘導体が、式(II)で表される二重1,1−シクロ
ブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体(以下、ビシクロプラチンという)で
あるのがよい。
【0015】
【化7】
【0016】 また本発明は、誘導体が、次の式(I)を有していることを特徴とする二重ジ
カルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を調製する方法に関するものである。
【0017】
【化8】
【0018】 式中、R1とR2は同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C1−C1 2 のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フォス
フォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはR1とR2は飽和又は不飽和
の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR1、R2とこれらが付いて
いる炭素原子とを連結することによって形成される。
【0019】 上記誘導体の調製方法は次の工程1)又は2)からなる。
【0020】 1)カルボプラチン類の物質又はカルボプラチンを式(III)で表されるジカ
ルボン酸配位子誘導体と反応させることによって、式(I)で表される二重ジカ
ルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を生成する。
【0021】
【化9】
【0022】 式中、R1及びR2は、式(I)で定義したものを意味する。
【0023】 2)次の式で表されるジハロゲンジアミノプラチンを水中で硝酸銀又は硫酸銀
と反応させることによって、(NH32Pt(H2O)2(NO32の式で表され
る水和したジアミノプラチン硝酸塩、又は(NH32Pt(H2O)2SO4の式
で表される水和したジアミノプラチン硫酸塩を生成する。
【0024】 (NH32PtX2 式中、XはCl又はIである。
【0025】 その後、このようにして生成した(NH32Pt(H2O)2(NO32又は(
NH32Pt(H2O)2SO4を、式(III)で表されるジカルボン酸配位子誘導
体又はそのナトリウム塩若しくはそのバリウム塩と反応させることによって、式
(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体を生成する。
【0026】
【化10】
【0027】 式中、R1及びR2は、上述の式(I)で定義したものを意味する。
【0028】 式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチンを調製する本発明の上
記の方法によれば、全ての調製段階を比較的広い温度範囲内で進行させることが
できる。通常、0℃から100℃までの温度範囲であるが、好ましくは10℃か
ら50℃までの温度範囲である。各段階の反応時間は一般に2〜16時間である
【0029】 式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチンを調製する本発明の前
述の方法によれば、上記の反応は通常、標準圧力下で行われる。しかしながら、
反応は加圧下又は減圧下で進行させることもできる。すなわち上記の反応は通常
、0.1barから10barまでの圧力下で進行させることができる。
【0030】 式(I)で表されるジカルボン酸ジアミノプラチンを調製する本発明の上記の
方法によれば、等モルの開始原料をしばしば使用する。しかしながら、原料のう
ちの1つが他の原料より比較的過剰であってもかまわない。
【0031】 原料すなわちジハロゲンジアミノプラチン及びジカルボン酸配位子誘導体は、
既知の物質であり、これらは既知の方法によって調製することができる。
【0032】 さらに本発明は、抗腫瘍剤組成物に関するものであり、この組成物は、活性成
分として式(I)で表されるジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体のうち
少なくとも1種類のものを0.1−0.5wt%含み、残りが製剤上容認される
担体であることを特徴とする。
【0033】 本発明の薬剤組成物によれば、活性成分として式(I)で表されるジカルボン
酸ジアミノプラチン錯体の誘導体が、式(I)において、R1、R2及びこれらが
付いている炭素原子が連結することによって形成される、飽和した3−6元素か
らなる炭素環を有しているものであることが好ましい。より好ましくは、上記誘
導体が、二重1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体又は二
重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体である。最も好まし
くは、上記誘導体が、二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン
錯体である。
【0034】 本発明の抗腫瘍剤組成物の調製方法はかなり簡単である。この方法は、式(I
)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体と製剤上容認され
る担体を混合するだけで完了する。この組成物は注射剤又はカプセルの形で投与
することができる。
【0035】 本発明によれば、製剤上容認される担体は、純水、医療用澱粉及びビタミンC
から選ぶことができる。薬剤組成物は純水を用いて注射剤とすることができ、こ
れを皮下、腹部、静脈内に投与することができる。加えて、薬剤組成物は医療用
澱粉やビタミンCを用いて経口カプセルとすることもできる。
【0036】 本発明の薬剤組成物のLD50(50%致死量)は、例えば次のように試験され
る。
【0037】 ビシクロプラチンを腹部に投与する場合には、283mg/kg、ビシクロプ
ラチンを静脈内に投与する場合には、50.46±0.93mg/kg、ビシク
ロプラチンを経口により投与する場合には、500mg/kg、二重1,1−シ
クロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチンを注射する場合には、180mg/
kgである。
【0038】 概して、本発明の薬剤組成物の投薬量は、LD50の2分の1である。
【0039】 さらに本発明は、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体
の誘導体を抗腫瘍剤の調製に適用する方法に関するものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
式(II)の二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体のよ
うな、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体について、こ
こ数年、多くの急性毒性実験、薬効実験及び臨床試験を行った。その結果は次の
とおりである。
【0041】 ヌードマウスについて、静脈内投与、腹部投与及び経口投与を通じて急性毒性
投薬量限界実験を行った結果、本薬剤が低毒性であることが示された。静脈内投
与の場合にはLD50は50.46±0.93mg/kgであり、腹部投与の場合
にはLD50は283mg/kgであり、経口投与の場合にはLD50は500mg
/kgであった。
【0042】 ビシクロプラチンの治療機能に関連する薬効実験を癌病院(Cancer Hospital
)、中国医学科学院癌医院(Cancer Institute of Chinese Academy of Medical
Sciences)で行った。人間の肝臓の癌細胞であるBEL−7402に対してI
50(50%阻害濃度)を1.3μg/mlとしたが、これは、癌細胞の半分を
死滅させるためには1.3μg/mlのビシクロプラチンが必要であることを意
味する。人間の乳癌に対してはIC50を2.8μg/mlとした。人間の乳癌、
肺癌、肝臓癌、結腸直腸癌及び卵巣癌に侵されたヌードマウスの腹部にビシクロ
プラチンを注射し、ヌードマウス接種抗癌率実験を行った。上記マウスをそれぞ
れ投薬量の多いもの(LD50×1/5)、投薬量の中程度のもの(LD50×1/
10)及び投薬量の少ないもの(LD50×1/20)の3つの群に分けた。抗癌
率はそれぞれ、90%、95%及び70%であった。胃洗浄によって与えられた
同じ投薬量が原因で抗癌率が少し低くなった。北京の薬剤管理協会が、人間の肝
臓癌H22のヌードマウス接種抗癌率実験を行った。ビシクロプラチンをマウスの
静脈内に注射し、シクロホスファミドに対比して、投薬量の多いもの(LD50×
1/5)、投薬量の中程度のもの(LD50×1/10)及び投薬量の少ないもの
(LD50×1/20)の群に分けた。全ての群に7日間続けて1日当たり0.2
ml与えた。マウスは接種後30日で死に至った。抗癌率は、投薬量の多い群、
投薬量の中程度の群及び投薬量の少ない群のそれぞれについて、50.85%、
57.40%及び35.20%であった。ヌードマウスに正常な生活を送らせ、
正常な食事をとらせていた。ヌードマウスを10匹含む全ての群でマウスの死が
観察されたわけではない。LD50に基づくシクロホスファミドの投薬量が最も少
ないものを2回投与した後の抑制率は73.15%に達した。しかし、ほとんど
のマウスが瀕死の状態であった。
【0043】 ビシクロプラチンを静脈内に投与する薬力学実験においてウサギを使用する一
方、ビシクロプラチンを経口投与する薬力学実験においてマウスを使用した。動
物血清中の白金含量を定期的に定量することによって、血中の薬剤濃度が45〜
60分後にピークに達し、24時間後に0まで落ちることが示された。
【0044】 ビシクロプラチンの安全性を評価するために、長期間の毒性実験を行った。こ
の実験ではラットに3か月間連続して薬剤を投与した。このように、3か月間投
与した後に主要な体の反応や損傷の程度を観察することによって、標的器官の毒
性反応や損傷の可逆性について知ることができるだけでなく、無毒性の投薬量を
決定し、治療上安全な投薬量について参考資料を提供することができる。
【0045】 薬剤による内臓の損傷は投薬量に依存している。治療上の投薬量についてそう
いう事情の下では、投与を1か月で停止すると損傷は緩和される。投薬量が少な
いと群に対する損傷は少なく、その群は完全に回復する。
【0046】 生体外における抗癌実験 1.生体外で培養した人間の肝臓癌であるBEL−7402細胞の増殖に及ぼ
すビシクロプラチンの抑制効果が、処理細胞の動的増殖を観察することによって
発見された。その結果は次のとおりであった。2日目では処理群(それぞれ10
μg/ml及び20μg/ml)と対照群との間に著しい差はまだみられなかっ
た。3日目以降、処理群における生存細胞は対照群における生存細胞よりも少な
くなった。対照群における細胞が対数比で増殖したのに対し、処理群における細
胞は徐々に減少した。時間が経つにつれて両群の差は広がり、さらに、20μg
/ml群の生存細胞は10μg/ml群の生存細胞よりも少なくなった。その結
果は、ビシクロプラチンが時間と投薬量に依存しつつ、生体外で培養された人間
の肝臓癌であるBEL−7402細胞の増殖を抑制できることを示している(図
4)。
【0047】 2.一定の範囲内の投薬量であれば、ビシクロプラチンは正常な細胞に損傷を
与えることなく、癌細胞を選択的に死滅させることができる。南京大学生命科学
院(The Academy of life sciences in Nanjing University)が、人間の正常な
繊維状細胞、表皮細胞及び肺癌細胞、黒色腫細胞をビシクロプラチンで等しく処
理する実験を行った。その実験で、肺癌細胞の50%及びメラニン保有細胞の8
0%が死滅したが、人間の正常な繊維状細胞及び表皮細胞には損傷が全く生じな
かったという結果を得た(図5)。
【0048】 3.人間の肝臓癌であるBEL−7402細胞の超微細構造に及ぼすビシクロ
プラチンの影響を観察した。BEL−7402細胞を異なる量のビシクロプラチ
ンで処理した後、細胞を集め、固定し、包埋し、薄く切った。その後、超微細構
造の変化を透過型電子顕微鏡によって観察した。その結果、未処理細胞は不規則
な多角形の形状をしており、細胞表面に豊富な微絨毛を有し、血漿中にたくさん
の細胞小器官及び異なる量のグリコーゲン顆粒を有しているのが示された。処理
細胞では、薬剤濃度が増加するにつれて異なる程度の退化的変化が生じた。壊死
性の変化、核濃縮、核破裂、核溶解及び完全な崩壊が起こるまで、血漿中におけ
る液胞及び脂質滴が急激に増加した(図6−図11)。
【0049】 同時に二重1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体につい
て実験を行い、その毒性と薬効を観察した。二重1,1−シクロプロパンジカル
ボン酸ジアミノプラチン錯体が、式(II)で表されるビシクロプラチンよりも少
量しか水に溶けない上に、水中における毒性が強いということが分かった。しか
し、その抗腫瘍効果は優れていた。
【0050】 次に、一連の詳細な実験を通じて、活性成分が式(I)で表される二重ジカル
ボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体である、薬剤の特性及び利点を例証する。
【0051】 1.IC50の定量 a)15%のウシ胎仔血清を含むRPMJ−1640栄養流体において、胃癌
であるBGC−823細胞を培養し、その後、96個の孔を有する培養プレート
の上に1孔当たり1×104個の細胞を接種した。それを温度37℃及びCO2
度5%の定温器に入れた。1%のビシクロプラチン水溶液を、15%のウシ胎仔
血清を含むRPMJ−1640栄養流体で希釈し、これを培養プレートの各孔の
上に加え、濃度ごとに3つの孔に加え、6つの孔はブランク対照として残した。
72時間培養した後、MTT流体を加えた。1時間後、DMSOを呈色のために
加えた。OD値を酵素標識機器によって定量した。最後に、各濃度における薬剤
の抗癌率を計算し、相関方法に基づいてIC50を定量した。
【0052】
【表2】
【0053】 b)上記の実験と同じ方法を使用することによって、人間の口腔癌であるKB
細胞を死滅させるビシクロプラチンのIC50を定量した。
【0054】
【表3】
【0055】 2.強力な抗腫瘍効果 a)体重21〜22gであり、半分が雄で残り半分が雌である40匹の昆明マ
ウスを無作為に4つの群に分けた。どの群にも10匹のマウスがいる。全てのマ
ウスの右側の腹部の皮下に0.2mlの肝臓癌であるH22細胞を接種した。翌日
、3つの群のマウスの腹部にビシクロプラチンをそれぞれ30mg/kg、20
mg/kg及び10mg/kg注射し、これを1日当たり1回の割合で7日間続
けた。対照群には生理食塩水であるIPを与えた。投薬を停止すると、マウスは
死に至った。体重と腫瘍の重量を量り、抗癌率を計算した。表4に示すように、
処理群の体重増加は、対照群の体重増加より少なく、大量死は生じなかった。投
与したビシクロプラチンの量が10mg/kg、20mg/kg及び30mg/
kgに対応して、抗癌率はそれぞれ40.4%、67.0%及び78.6%であ
った。抗腫瘍効果は投薬量と正の相関がある。
【0056】
【表4】
【0057】 b)表5は、上記の実験と同じ方法を使用することによって得られた、肉腫で
あるS180に対するビシクロプラチンの抗癌率を示している。それは、ビシクロ
プラチンには投薬量に依存してS180に対して強力な抗腫瘍効果があることを示
している。
【0058】
【表5】
【0059】 c)人間の肝臓癌であるBEL−7402細胞をそれぞれ10μg/ml、2
0μg/mlのビシクロプラチンで処理した。その後、8日間細胞の動的増殖を
観察した。図4に示すように最初の2日間は、処理群と対照群との間に著しい差
は全くみられなかった。3日目以降、対照群における細胞が対数比で増殖する一
方、処理群における細胞は徐々に減少した。時間が経つにつれて両群の差は広が
った。それは、ビシクロプラチンには、投薬量に依存しつつ人間の肝臓癌である
BEL−7402細胞に対して強力な抗腫瘍効果があることを示している。
【0060】 3.わずかな毒性と副作用を示すのみで、正常な細胞に損傷を与えることなく
、癌細胞を選択的に死滅させることが示された。
【0061】 a)50匹の昆明マウスを無作為に5つの群に分けた。各群には10匹のマウ
スがいる。体重は18gから22gまでであり、半分が雄で残り半分が雌である
。5つの群にビシクロプラチンIPをそれぞれ400mg/kg、280mg/
kg、196mg/kg、137mg/kg及び96mg/kgの濃度で1日当
たり1回の割合で10日間続けて与えた。一般的な兆候と死亡数を記録した。高
濃度における局所的な刺激以外には異常な兆候は生じなかった。マウスは3日目
から7日目にかけてよく死亡した。Bliss法に基づいてLD50±SE(標準誤差
)=210.5±1.14mg/kgを得た。これは、同じ条件下において定量
したシスプラチンやカルボプラチンのLD50よりも著しく高かった。このように
してビシクロプラチンの低毒性が証明された。
【0062】 b)同様の年齢及び体重(3.25kg、3.5kg)の2羽のウサギを選び
、これらのウサギにそれぞれ100mgのビシクロプラチンを静脈内に注射した
。定期的に血液を採取し、原子吸光分析(AAS法)を使用して血清試料中にお
ける白金含量を定量した。そのデータを表6に示す。注射後、血中における薬剤
濃度は直ぐにピークに達し、その後、12時間後までは時間とともに減少した。
そして濃度が非常に低くなり、24時間後には0まで落ちた。ビシクロプラチン
は体の中で素早く代謝されるので、毒性や副作用が非常にわずかである。
【0063】
【表6】
【0064】 c)参考として、LD50が500mg/kgの経口急性毒性実験について、5
%のグルコースと0.9%の塩化ナトリウムに溶解した、LD50/10のビシク
ロプラチンを経口によりラットに投与した。これを1日当たり1回の割合で90
日間続け、長期的な毒性を観察した。週に一度ラットの体重を量り、体重変化に
より投薬量を調節した。12週後に投与を止め、2週間観察を続けた。その結果
は次のとおりである。
【0065】 (1)大量死は生じなかった。ラットの食事、活動及び状態について明らかな
異常はみられなかった。従って、ビシクロプラチンにはラットに対する副作用が
全くないことが示された。
【0066】 (2)投薬12週目と投薬を止めて2週目に、WBC(白血球)及びRBC(
赤血球)の数、ヘモグロビンの含量及び分類、及び血小板の数を、眼球から血液
を採取することによって決定した。それらは全て正常な範囲にあり、群の中で著
しい差はみられなかった(P>0.05)。処理群と対照群との間に、血中尿素
窒素(BUN)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)及びグ
ルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)についての著しい差もみ
られなかった(P>0.05)。
【0067】 (3)ラットは観察後死に至った。内臓係数を定量した。処理群の肝臓の重量
は、対照群のそれよりわずかに重かった。しかし、それらはなお正常な範囲内に
あった。他の内臓係数はすべて正常であった。
【0068】 (4)ラットの心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、胃、十二指腸、卵巣腺、精巣、
前立腺、副腎、甲状腺を組織学的に検査した。処理群の肝臓と脾臓に異なる程度
の充血と浮腫がみられた。他の内臓において薬剤を原因とする臓器の変化は見つ
からなかった。
【0069】 d)人間の正常な繊維状細胞、表皮細胞、肺癌細胞、黒色腫細胞をビシクロプ
ラチンで等しく処理した。その結果を図5に示す。一定の範囲内の投薬量であれ
ば、肺癌細胞の50%とメラニン保有細胞の80%が死滅したが、人間の正常な
繊維状細胞と表皮細胞には損傷は全く生じなかった。それは、ビシクロプラチン
が正常な細胞に損傷を与えずに、癌細胞を選択的に死滅させることを示している
【0070】 e)異なる投薬量のビシクロプラチンで処理した後、人間の肝臓癌であるBE
L−7402細胞を透過型電子顕微鏡で観察した。未処理細胞は不規則な多角形
の形状に見え、細胞表面に豊富な微絨毛があり、血漿中にたくさんの細胞器官と
異なる量のグリコーゲン顆粒があった(図6,7)。それらの処理細胞において
、ビシクロプラチンの濃度の増加に伴って異なる程度の退化的な変化がみられた
。壊死の変化、核濃縮、核崩壊、核溶解、完全な分解が起こるまで(図10,1
1)、血漿中における液胞(図8)と脂質滴(図9)は急激に増加した。5日後
、細胞は死滅した。
【0071】 ビシクロプラチンを含む新しい抗腫瘍剤からなる経口カプセルと注射剤とによ
って治療した典型的な症例: 1.経口カプセルは、ビシクロプラチンとアジュバントで構成した。患者は、
20−30mgのビシクロプラチンを含む経口カプセルを服用した。
【0072】 回復した症例: 患者であるZhu、男性、64歳、膀胱癌。彼の主な病気の1つは血尿である
。最初、レーザー治療を行った。3回再発した後に、彼はビシクロプラチンを服
用し始めた。2×2cm2の大きさの3つの塊が完全に消失した。2つの腎臓と
膀胱に異常は全くなかった。
【0073】 患者であるWang、女性、65歳、末期の肝臓癌、危篤。その後、彼女はビ
シクロプラチンを服用し始め、30mgのATを静脈内に注射した。45日間投
薬した後に、腫瘍は4.7×3.1cmから2.3×1.7cmまで縮小した。
最後に、腫瘍は消失した。彼女は回復し、正常な生活に戻った。
【0074】 2.アンプル1本につき5mlで濃度1%のビシクロプラチン水溶液を含む注
射剤。ビシクロプラチン水溶液を5%のグルコースと0.9%の塩化ナトリウム
を含む100mlの注射剤に溶解し、2日ごとに1回、いつもアンプル2本分を
静脈内に注射した。ビシクロプラチンを滴下した後に100mlの塩化ナトリウ
ムの注射剤を注入すべきである。治療コースは6回分(アンプル12本分)であ
る。第2の治療コースは、2週間の間をおいて始めた。治療コースを3回連続し
て行った後、一般的な検査を行った。
【0075】 患者であるMa、男性、83歳、末期の再発した肝臓癌、2×2cmの肺の転
移した癌腫。その後、彼は1日に4回、いつも4−6個のカプセルでビシクロプ
ラチンを服用し始めた。2か月後、肺の転移性の癌腫が消失し、骨の転移性の癌
腫が18×14cmから14×11cmまで縮小した。肝臓癌の原発巣は、縁が
滑らかになって小さくなった。治療期間に彼は2日ごとに1回、いつもアンプル
2本分のビシクロプラチンを含む注射剤の点滴も受けた。合計5つの治療コース
終了後、患者は良好な精神状態となり、食も進むようになった。彼の体重は59
kgから61kgまで増加した。血液像にほとんど変化はみられなかった。
【0076】 患者であるXu、男性、59歳、分化の低い鼻咽頭の鱗状癌腫、放射線療法後
10年で再発、末期状態、リンパ組織へ転移。再発時に8×8cmの塊が気管支
と食道を圧迫したことによって、彼は呼吸や嚥下が困難となった。気管支の切り
口を通じて呼吸装置が必要であった。彼は3回心停止し、血圧は30/50mm
Hgに減少した。その後、彼は2日ごとに1回、いつもアンプル2本分のビシク
ロプラチンを含む注射剤を注射された。50日でアンプル50本分を注射したこ
とになる。1週間中止した後に注射を続けた。合計で、投薬量はアンプル74本
分である。患者は日ごとに快方に向かっていった。退院時、ヘモグロビンは8.
0g、WBCの数は3000であり、いずれも正常な範囲内にあった。B超音波
の結果は15×10mm2、9×8mm2及び6×5mm2の塊を示した。注射前
後において悪心や嘔吐のような抗腫瘍剤に共通する反応は生じなかった。
【0077】 患者であるYang、男性、45歳、黒色腫、肝臓と肺への転移。上海癌病院
(Shanghai Cancer hospital)において放射線療法と化学療法が有効ではないと
証明された後に、彼はビシクロプラチンを含む注射剤が入ったアンプルを36本
分注射された。転移性腫瘍は治癒し、黒色腫は壊死した。
【0078】 患者であるLi、男性、49歳、3.3×3.3cmの原発性肝臓癌、左右の
胆管への転移、門脈中の癌塞栓に起因する黄疸あり。3回の治療コースにおいて
彼はビシクロプラチンを含む注射剤をアンプル36本分注射された。第1の治療
コースの終了までに、左肝葉における腫瘍は3.3×3.3cmに減少した。第
2の治療コースの終了までに、基本的には腫瘍は消失し、門脈中の癌塞栓も消失
し、また右の胆管が0.8cmまでわずかに広がった。第3の治療コースの間、
患者の状態は安定していた。彼は良好な精神状態となり、食も進むようになった
。血液像にほとんど変化はみられなかった。彼に1度周期性発熱が生じ、これが
約10時間続いた。時々、彼は巣に周期的な痛みを感じた。
【0079】 患者であるMeng、男性、48歳、301病院によって診断された末期段階
における肺の腺癌。ビシクロプラチンの静脈内注射や経口カプセルによる投与を
した後に、咳、喘息、痰のような症状はすべて消失した。現在、彼は概して治っ
ている。
【0080】 1人の外国人患者、男性、60歳、黄疸を伴う腸癌の肝臓への転移であると、
ロシア、中国医科院癌医院(Cancer hospital of Chinese Academy of Medical
Sciences)及び空軍病院によって診断された。彼はロシアで手術を受けた後に、
医師の推薦により治療のため中国へ来た。ビシクロプラチンの静脈内注射をアン
プル36本分行い、36個の経口カプセルを投与した後に、肝臓への転移は消失
した。現在、彼は概して治っている。
【0081】 生体外実験、臨床試験、急性毒性実験及び長期毒性実験のようなすべての科学
的な実験によって、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体
の誘導体(特にビシクロプラチン及び1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジア
ミノプラチン錯体)が新世代における安全で有効な抗腫瘍剤であり、人類の癌治
療に新たな希望をもたらすものであることが証明された。
【0082】
【実施例】
式(I)で表される誘導体の調製とその薬剤組成物についての次の実施例によ
って、本発明をさらに詳細に述べる。
【0083】 実施例1:二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の調
製 反応フラスコに3.54g(10.0mmol)のカルボプラチンと200m
lの純水を入れ、カルボプラチンが完全に溶けるまで、光を避けてそれらを撹拌
した。撹拌している間に、反応フラスコに16.2g(10.0mmol)のシ
クロブタンジカルボン酸を分けて加えた。シクロブタンジカルボン酸を加えた後
に、それが完全に溶けて混合物を形成するまで撹拌を続けた。次にその混合物を
回転減圧蒸発器により乾燥させて、乾いた生成物を得た。その後、50mlのエ
タノールを乾いた生成物へ加え、2時間振り動かして沈殿物を析出させ、それを
濾過した。その沈殿物を10mlのエタノールで3回洗浄し、その後、蒸留水か
ら再結晶し、排気して自然乾燥させることによって、表題の化合物を得た。
【0084】 実施例2:二重1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の
調製 反応フラスコに6.5g(20.8mmol)のAg2SO4と100mlの純
水を入れ、その後、Ag2SO4が完全に溶けるまで、光を避けてそれらを撹拌し
た。撹拌している間に、反応フラスコに6.2g(20.7mmol)のCis
−(NH32PtCl2を分けて加えた。Cis−(NH32PtCl2を加え終
えた後、40℃の水浴で5時間撹拌し反応フラスコの中で反応させた。その後、
その反応混合物がまだ温かい間にそれを濾過し、10mlの温水で3回洗浄した
。その後、濾液を別の反応フラスコに移し、20ml(232.6mmol)の
35%のH22を分けて加えた。その混合物を室温で4時間撹拌し、その後、6
0℃まで加熱してこの温度に2時間維持した。12.0g(25.0mmol)
のバリウムシクロマロン酸エステルを反応生成物に加え、それらを60℃で8時
間撹拌し、その後、まだ温かい間に濾過し、10mlの温水で3回洗浄した。そ
の後、濾液を別の反応フラスコに移し、回転減圧蒸発器によって乾燥させた。そ
の後、50mlのエタノールを乾いた生成物に加え、2時間振り動かした後にそ
れを濾過し沈殿物を得た。その沈殿物を10mlのエタノールで3回洗浄し、そ
の後、蒸留水から再結晶し、排気して自然乾燥させることによって、表題の化合
物を得た。生じた化合物を220℃で分解した。
【0085】 実施例3:二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の調
製 反応フラスコに10.5g(61.8mmol)のAgNO3と100mlの
純水を入れ、その後、AgNO3が完全に溶けるまで、それらを撹拌した。撹拌
している間に、反応フラスコに9.3g(31.1mmol)のジクロロジアミ
ノプラチンを分けて加えた。ジクロロジアミノプラチンを加え終えた後、40℃
以下で5時間撹拌し反応フラスコの中で反応させた。その後、その反応混合物が
まだ温かい間にそれを濾過し、10mlの温水で3回洗浄した。その後、濾液を
反応フラスコに移し、30ml(349.0mmol)の35%のH22を分け
て(15ml+15ml×3)加えた。その混合物を室温で5時間撹拌し、その
後、60℃まで加熱してこの温度に2時間維持した。12.0g(69.0mm
ol)のシクロコハク酸を反応生成物に加え、それらを60℃で8時間撹拌し、
その後、まだ温かい間に濾過し、10mlの温水で3回洗浄した。その後、濾液
を反応フラスコに移し、回転減圧蒸発器によって乾燥させた。その後、50ml
のエタノールを乾いた生成物に加え、2時間振り動かした後にそれを濾過し沈殿
物を得た。その沈殿物を10mlのエタノールで3回洗浄し、その後、蒸留水で
再結晶し、排気して自然乾燥させることによって、表題の化合物を得た。
【0086】 実施例4:二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の調
製 実施例3における9.3gのジクロロジアミノプラチンの代わりに15.0g
のジヨードジアミノプラチンを使用し、実施例3と同様にして表題の化合物を調
製した。
【0087】 実施例5:二重1,1−シクロペンタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の
調製 反応フラスコに10.5g(61.8mmol)のAgNO3と100mlの
純水を入れ、その後、AgNO3が完全に溶けるまで、それらを撹拌した。撹拌
している間に、反応フラスコに9.3g(31.1mmol)のジクロロジアミ
ノプラチンを分けて加えた。ジクロロジアミノプラチンを加え終えた後、40℃
以下で5時間撹拌し反応フラスコの中で反応させた。その後、その反応混合物が
まだ温かい間にそれを濾過し、10mlの温水で3回洗浄した。その後、濾液を
反応フラスコに移し、30ml(349.0mmol)の35%のH22を分け
て(15ml+15ml×3)加えた。その混合物を室温で5時間撹拌し、その
後、60℃まで加熱してこの温度に2時間維持した。15.6g(53.0mm
ol)のシクロペンタンジオール酸のバリウム塩を反応生成物に加え、それらを
60℃で8時間撹拌し、その後、まだ温かい間に濾過し、10mlの温水で3回
洗浄した。その後、濾液を反応フラスコに移し、回転減圧蒸発器によって乾燥さ
せた。その後、50mlのエタノールを乾いた生成物に加え、2時間振り動かし
た後にそれを濾過し沈殿物を得た。その沈殿物を10mlのエタノールで3回洗
浄し、その後、蒸留水で再結晶し、排気して自然乾燥させることによって、表題
の化合物を得た。
【0088】 実施例6:二重1,1−シクロヘキサタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体
の調製 反応フラスコに6.7g(39.4mmol)のAgNO3と100mlの純
水を入れ、その後、AgNO3が完全に溶けるまで、それらを撹拌した。撹拌し
ている間に、反応フラスコに6.2g(19.6mmol)のジクロロジアミノ
プラチンを分けて加えた。ジクロロジアミノプラチンを加え終えた後、40℃以
下で5時間撹拌し反応フラスコの中で反応させた。その後、その反応混合物がま
だ温かい間にそれを濾過し、10mlの温水で3回洗浄した。その後、濾液を反
応フラスコに移し、20ml(232.6mmol)の35%のH22を分けて
加えた。その混合物を室温で5時間撹拌し、その後、60℃まで加熱してこの温
度に2時間維持した。3.7g(21.5mmol)のシクロヘキサンジオール
酸を反応生成物に加え、その後、45℃で撹拌している間、2時間以内に1ml
(10.3mmol)のヒドラジン水和物をゆっくり滴下した。その混合物を6
時間反応させた。その反応生成物を回転減圧蒸発器によって乾燥させ、その後、
5時間真空排気によって乾燥させた。その後、50mlのメタノールを乾いた生
成物に加え、それらを2時間撹拌し、濾過して沈殿物を得た。その沈殿物を10
mlのメタノールで3回洗浄し、その後、蒸留水で再結晶し、排気して自然乾燥
させることによって、表題の化合物を得た。
【0089】 実施例7:二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の調
製と精製 12.4gのジクロロジアミノプラチンを800mlの純水に懸濁し、その後
、光を避けて振り動かしている間に、化学的に測定した1NのAgNO3水溶液
を加えた。その混合物を40℃で4時間反応させた。その後、その反応生成物を
冷蔵庫に入れ、沈殿物(回収のために使用した)を除去するため濾過した。化学
量論的な量のシクロブタンジカルボン酸を濾液に加え、60℃で16時間撹拌し
た。微結晶が現れるまでその反応生成物に回転減圧蒸発を行い、次に48時間冷
蔵庫に入れた後、濾過を行った。結晶を粗生成物として集め、蒸留水から再結晶
によって精製した。精製した生成物の収率は90%であった。融点:182〜1
84℃。
【0090】 製剤の実施例1:注射剤 50gのビシクロプラチンを5000mlの純水に溶かした。その混合物を7
.5gの医療用の炭に通して吸収させることによって濾過し、その後、2μmの
濾過膜に2回通して再び濾過した。濾液を5mlのアンプル1000本に分配し
、その後、アンプルを焼成して密封した。
【0091】 製剤の実施例2:経口薬 24gのビシクロプラチン、1600gの医療用の澱粉及び120gのビタミ
ンCを混合し、撹拌機によって粉砕し、その後、滅菌した。粉末を5000個の
カプセルに分配した。
【0092】 実施例1,3,4及び7により調製した式(II)で表される前述のビシクロプ
ラチンは、無色の針状結晶であった。ミセルを応用することによって、その無色
の針状結晶を白色の微結晶粉末にした。式(II)で表されるビシクロプラチンの
構造、組成及び純度を現代の多くの物理的方法や化学的方法によって十分に定量
した。その方法は、融点、溶解度及びpHの測定、C,H及びNの微量元素分析
、ICP−EAS法による白金含量の分析、示差熱分析、熱重量分析、赤外スペ
クトル、UVスペクトル、レーザーラマンスペクトル、薄層クロマトグラフィー
(TLC)、1H、13C、195Pt−NMR、X線4軸回折などである。IR、13 C−NMR、TLC及びX線単結晶構造解析のデータによって、1,1−シクロ
ブタンジカルボン酸ジアミノプラチンは、かご構造を有する新しい化合物である
ことが示された。赤外スペクトル、1H−NMR、MS及びX線4軸回折の結果
を図1−3及び次の表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】
式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチンの新しい誘導体は、癌
に対して驚くべき治療効果を有し、現在の抗腫瘍プラチンに類似する薬剤に比べ
て次のような特性を有している。
【0095】 かご構造は、化合物の4つの分子内水素結合によって形成され、その中に白金
原子が閉じ込められて、化合物の構造が一定の安定性を有している。従って、H2 Oによる攻撃は弱まり、その化合物は水中においてかなり安定に存在する。水
に対する溶解度も改善され、強力な効果という利点を保持しつつ、毒性が非常に
減少している。皮下、腹部、静脈内、経口により投与することができる。重要な
特性を説明するための例として、式(II)で表されるビシクロプラチンを使用す
る。
【0096】 1.高い抗腫瘍活性
【0097】
【表8】
【0098】 2.泌尿生殖器の癌、頭頚部の癌、鼻咽頭の癌、胸部の腺癌、肺癌、肝臓癌、
膵臓癌、胃癌、腸癌及びリンパ腋の癌などに対して著しい治療効果を備え、抗腫
瘍性の範囲が広い。
【0099】 3.低い毒性
【0100】
【表9】
【0101】 臨床試験における毒性反応は、0度から1度までの範囲であって(WHOによ
る5度分類による)、副作用は全く生じなかった。
【0102】 4.水溶性が良好で水中における安定性が良好
【0103】
【表10】
【0104】 シスプラチンとカルボプラチンは水に溶かしてから1日で効果を失うが、式(
II)で表されるビシクロプラチンから調製した水溶性の調剤薬は、長期間有効で
ある。
【0105】 5.経口による服用が有効 二重ジカルボン酸ジアミノプラチンの誘導体は、注射だけでなく経口による服
用も有効である。例えば、式(II)で表されるビシクロプラチンや製剤上容認で
きる賦形剤から調製したカプセルは、長期間の臨床試験において著しい治療効果
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビシクロプラチンの赤外スペクトルを示す。 図1における主要ピークの実例及び帰属は、次のとおりである。 3291cm-1のピークは、Pt←NH3の伸縮振動ピークである。 2539−2992cm-1の緩やかに上昇するピークは、カルボン酸塩の−C
OO-基は全く存在しないが、ビシクロプラチンにおけるカルボン酸の−COO
H基は存在することを示している。 1716cm-1及び1704cm-1の強いピークは、ビシクロプラチンにおけ
るカルボン酸基の−C=Oの伸縮振動ピークである。 1608cm-1及び1566cm-1の強いピークは、分子における−COO−
Ptの−C=Oの伸縮振動ピークである。 1400cm-1の強い吸収ピークは、−C=Oの変角振動吸収ピークである。 指紋領域における697−1317cm-1のピークの実例は省略した。 上記の赤外分光測定によるデータは、二重1,1−シクロブタンジカルボン酸
ジアミノプラチン錯体(II)の指紋標識である。
【図2A】 ビシクロプラチンの1H−NMRスペクトルを示す。 図2Aにおける1H−NMR分光測定の実例は次のとおりである。
【表7】 上記のデータは、式(II)によって表されるビシクロプラチンの構造と完全に
一致する。 ビシクロプラチンの分子量は515.36である。
【図2B】 ビシクロプラチンのアニオンESI−MSを示す。 M−1準分子イオンのピークm/2514は、図2Bに明確に示されている。
【図2C】 ビシクロプラチンのアニオンESI−MSを示す。 図2Cにおいて、すべてのピークによって表される断片は、有機化合物の構造
によれば合理的である。
【図3】 ビシクロプラチンを積み重ねたX線回折単位格子を示す。
【図4】 ビシクロプラチンによって処理した人間の肝臓癌であるBEL−7402細胞
の増殖曲線を示す。 図4において、“○”は対照群を示し、“◇”は10μg/mlの群を示し、
“×”は20μg/mlの群を示す。
【図5】 ビシクロプラチンが癌細胞を選択的に死滅させる曲線を示す。 図5において、“○”は正常な人間の繊維状細胞を示し、“●”は正常な人間
の表皮細胞を示し、“△”は人間の黒色腫細胞を示し、“□”は人間の肝癌細胞
を示す。
【図6】 BEL−7402細胞(EM×10000)のブランク対照を示す。
【図7】 BEL−7402細胞(EM×6000)のブランク対照を示す。
【図8】 BEL−7402細胞(EM×12000)の液胞変性を示す。
【図9】 BEL−7402細胞(EM×12000)の脂肪変性を示す。
【図10】 BEL−7402細胞(EM×6000)の核崩壊を示す。
【図11】 BEL−7402細胞(EM×8000)の核崩壊を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の抗腫瘍誘導体、その 調製方法、それを含む 薬剤組成物及びその誘導体の適用方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 式中、RとRは同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C
12のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フ
ォスフォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはRとRは飽和又は
不飽和の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR、Rとこれら
が付いている炭素原子とを連結することによって形成される。
【化2】
【化3】 式中、RとRは同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C
12のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フ
ォスフォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはRとRは飽和又は
不飽和の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR、Rとこれら
が付いている炭素原子とを連結することによって形成される
【化4】
【化5】 式中、RとRは同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C 12のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フ ォスフォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはRとRは飽和又は 不飽和の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR、Rとこれら が付いている炭素原子とを連結することによって形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
【従来の技術】 B.Rosenberが1969年にシス−ジクロロジアミノプラチンの抗腫瘍効果を発
見して以来、シスプラチンはプラチン類似体の抗腫瘍薬として臨床医学の分野で
広く使用されている。この種の薬は、泌尿生殖器の癌、鼻咽頭の癌、頭頚部の癌
及び肺癌のような多くの癌に対して明白な治療効果があるが、高い毒性及び激し
い副作用を有している。腎毒性、神経毒性、内耳神経毒性、悪心、嘔吐のような
望ましくない副作用によって、投薬量や長期間の服用について制約を受ける。プ
ラチン類似体の第二世代の抗腫瘍薬のうちの1つであるカルボプラチンは、シス
プラチンに似た範囲の抗腫瘍性を有し、交差薬剤抵抗性を有している。カルボプ
ラチンの治療効果は、シスプラチンのそれより若干劣っている。カルボプラチン
の毒性及び副作用は、シスプラチンのそれよりも著しく少ないが、骨髄抑制が依
然として存在し、さらにカルボプラチンは水溶液中において不安定である。従っ
て、高い効果、低い毒性及び広範囲の抗腫瘍性を備えたプラチン類似体の抗腫瘍
剤を捜し求めて活発な研究が行われている。 本発明に大いに関連する先行技術は、WO95/20956及びEP6427 92A1に記載されている。これら2つの文献には、シス−ジアミノ−1,1−
ジシクロブタン−ジホルミン酸白金錯体が開示されており、その構造は二重ジカ ルボン酸ジアミノプラチン錯体の構造とは大きく異なっている。従って、本発明 は革新的な発明に属するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
【化9】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
【化10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
【発明の実施の形態】 本発明によれば、二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯 体のような二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体は、全く新種の超分 子の包接化合物であり、この誘導体における超分子の全ての原子は、共有結合、 配位結合及び水素結合で結合している。白金のほかに、この誘導体には全ての遷 移金属元素(Rh、Ru、Pd、Cu、Zn、Crなど)が含まれる。上記誘導 体は、固相と水溶液相の両方において、均一で安定な構造を示す。上記化合物に おける水素結合は分子スイッチと定義される。よく知られているが、生命におい て最も重要なものはDNAであり、Duplex DNAには4種の有機塩基が含まれ る。すなわちこれらの有機塩基は、グアニン(G)、シトシン(C)、アデニン (A)及びチミン(T)である。水素結合は、A−T及びG−Cの形態に規則的 に配列する。水素結合が切れると、病的変化が生じる。超分子の包接化合物にお ける水素結合は、正常なDNAの水素結合を補うものではないため、不自然な上 記の化合物は上記のスイッチを開かず、人体に対して活性ではない。超分子の包 接化合物における水素結合が異常なDNA(腫瘍遺伝子)の水素結合を補うため 、上記の化合物が異常なDNAと出会ってプリンやピリミジンとPt(他の遷移 金属元素Mを含む)錯体のトラックd(混成軌道)を形成すると直ちに、上記の 化合物は上記のスイッチを開く。上記のことは独自の特徴を備えた科学的設計で あり、その特徴とは、不自然な上記の化合物が選択的に、すなわち配向すること によって異常なDNA(腫瘍遺伝子を含む)を妨害する一方、同時に正常な人体 のDNAは害されることがないというものである。 式(II)の二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体のよ
うな、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体について、こ
こ数年、多くの急性毒性実験、薬効実験及び臨床試験を行った。その結果は次の
とおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ヤン ヂェンユン 中華人民共和国 北京市 100871 ケミス トリーデパートメント オブ ペキンユニ バーシティ ルーム オブ ケミカルビル ディング エヌオー3023−25 (72)発明者 イン インウー 中華人民共和国 北京市 100871 ケミス トリーデパートメント オブ ペキンユニ バーシティ ルーム オブ ケミカルビル ディング エヌオー3023−25 (72)発明者 ツイ ウェイチュアン 中華人民共和国 北京市 100871 ケミス トリーデパートメント オブ ペキンユニ バーシティ ルーム オブ ケミカルビル ディング エヌオー3023−25 (72)発明者 ヤン ジンリ 中華人民共和国 北京市 100871 ケミス トリーデパートメント オブ ペキンユニ バーシティ ルーム オブ ケミカルビル ディング エヌオー3023−25 (72)発明者 ヂュー チェンシア 中華人民共和国 北京市 100871 ケミス トリーデパートメント オブ ペキンユニ バーシティ ルーム オブ ケミカルビル ディング エヌオー3023−25 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 AA04 JB16 KA15 MA01 MA04 MA57 MA86 NA14 ZB26 4H006 AA01 AB28 AC47 BS20 4H050 AA01 AB28 WB13 WB14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I)を有する誘導体であることを特徴とする二
    重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体。 【化1】 式中、R1とR2は同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C1−C1 2 のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フォス
    フォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはR1とR2は飽和又は不飽和
    の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR1、R2とこれらが付いて
    いる炭素原子とを連結することによって形成される。
  2. 【請求項2】 炭素環が、R1、R2とこれらが付いている炭素原子とを連結
    することによって形成された、飽和の3−6元素からなる炭素環であることを特
    徴とする請求項1に記載の二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体。
  3. 【請求項3】 誘導体が、二重1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミ
    ノプラチン錯体又は二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯
    体であることを特徴とする請求項2に記載の二重ジカルボン酸ジアミノプラチン
    錯体の誘導体。
  4. 【請求項4】 二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯
    体が次の式(II)を有していることを特徴とする請求項3に記載の二重ジカルボ
    ン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体。 【化2】
  5. 【請求項5】 次の一般式(I)を有する誘導体である、請求項1に記載の
    二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を調製する方法であって、以下
    の1)又は2)の方法のいずれかを使用することを特徴とする二重ジカルボン酸
    ジアミノプラチン錯体の誘導体の調製方法。 【化3】 式中、R1とR2は同一又は異なっていて、それぞれ独立して、水素、C1−C1 2 のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、シアニド基、水酸基、アシル基、フォス
    フォリル基又はフォスフォアミド基を表す。あるいはR1とR2は飽和又は不飽和
    の3−12元素からなる炭素環を表し、この炭素環はR1、R2とこれらが付いて
    いる炭素原子とを連結することによって形成される。 1)カルボプラチン又はカルボプラチン類の物質を式(III)で表されるジカ
    ルボン酸配位子誘導体と反応させて、式(I)で表される二重ジカルボン酸ジア
    ミノプラチン錯体の誘導体を生成する。 【化4】 式中、R1とR2は式(I)で定義したものを意味する。 2)次の式を有するジハロゲンジアミノプラチンを水中で硝酸銀(AgNO3
    )又は硫酸銀(Ag2SO4)と反応させて、水和したジアミノプラチン硝酸塩(
    NH32Pt(H2O)2(NO32又は水和したジアミノプラチン硫酸塩(NH32Pt(H2O)2SO4を生成する。 (NH32PtX2 式中、XはCl又はIである。 その後、このようにして生成した(NH32Pt(H2O)2(NO32又は(
    NH32Pt(H2O)2SO4をジカルボン酸配位子誘導体又はそのナトリウム
    塩若しくはそのバリウム塩と反応させて、式(I)で表される二重ジカルボン酸
    ジアミノプラチン錯体を生成する。ここで、ジカルボン酸配位子誘導体は、式(
    III)を有している。 【化5】 式中、R1とR2は式(I)で定義したものを意味する。
  6. 【請求項6】 組成物が、請求項1に記載の式(I)で表される二重ジカル
    ボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体のうち少なくとも1つを0.1−0.5w
    t%含み、残りが製剤上容認される担体であることを特徴とする抗腫瘍剤組成物
  7. 【請求項7】 式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体
    の誘導体が、R1、R2とこれらが付いている炭素原子とを連結することによって
    形成された、飽和した3−6元素からなる炭素環を有していることを特徴とする
    請求項6に記載の薬剤組成物。
  8. 【請求項8】 式(I)で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体
    の誘導体が、二重1,1−シクロプロパンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体又
    は二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体であることを特
    徴とする請求項7に記載の抗腫瘍剤組成物。
  9. 【請求項9】 式(I)で表されるジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘
    導体が、二重1,1−シクロブタンジカルボン酸ジアミノプラチン錯体であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の抗腫瘍剤組成物。
  10. 【請求項10】 薬剤組成物が、注射剤又はカプセルの形をして投与される
    ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の抗腫瘍剤組成物。
  11. 【請求項11】 抗腫瘍剤を調製するにあたって、請求項1に記載の式(I
    )で表される二重ジカルボン酸ジアミノプラチン錯体の誘導体を適用する方法。
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