JP2003528803A - 静注用免疫グロブリンの2回ウイルス不活化方法 - Google Patents

静注用免疫グロブリンの2回ウイルス不活化方法

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アール. マミジ ラジャ
バグダサリアン アンドラニク
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Abstract

(57)【要約】 不純なガンマグロブリンの分画、そして精製されたガンマグロブリンに、どのような順序であれ、ウイルス不活化のために溶剤−界面活性剤処理し、およびウイルス不活化のため加熱処理することにより実質的にウイルスを含有しない、静注可能なガンマグロブリン溶液の製法。その後、ガンマグロブリンから変性した不純物、残存した溶媒、および加熱処理により凝集物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明はIgG(γ−グロブリン)を主成分とする静注可能な免疫グロブリンの複
数の商業的な製造工程に必須の事項に関する。
【0002】 ヒト血漿のコーン分画から静注可能なγ−グロブリン溶液を取得するための種
々の製法が知られている。あるコーン画分は、他よりも高力価のγ−グロブリン
を含む。通常のγ−グロブリン溶液はコーン分画IIまたはコーン分画II+IIIを出
発原料とする。
【0003】 しかし、先行技術の製法では種々の分離および滅菌技術を採用しており、製法
改良は常に最終製品の純度、安全性および総収量の向上と考えられてきた。
【0004】 多くの商業的な製法では、ウイルス不活化のために溶剤/界面活性剤工程また
はウイルス不活化のために加熱処理工程の両方を採用する。今まで、コーン分画
IIペーストまたはII+IIIペーストからはじめ、効果的で高収率なγ−グロブリン
の製造工程の一部として2つの異なるウイルス不活化処理を含む複数工程の製法
を先行技術では行っていなかった。
【0005】 カメヤマらの米国特許5,151,499は、タンパク質組成物のウイルス不活化工程
の導入に関するもので、タンパク質組成物は、被膜ウイルスのウイルス不活化の
ために溶剤/界面活性剤処理され、無膜ウイルスのウイルス不活化をのために加
熱処理する。'499特許は、好ましくは溶剤/界面活性剤処理工程はプロテアーゼ
阻害在の存在下で最初に行い、殆んどの実施例は乾燥加熱処理である加熱処理を
続けて行うことを教示する。液状状態で加熱処理を行う場合には、どのような加
熱処理よりも前に、最初に溶剤/界面活性剤をイオン交換カラムで吸収し、タン
パク質を回収する。液状加熱処理は、安定化剤の糖、糖アルコールまたはアミノ
酸の存在下で行われる。'499特許は免疫グロブリンを含む多くの出発タンパク質
組成物を記載するが、その生産物の実施例には第VIII因子、第IX因子、トロンビ
ン、フィブリノゲンおよびフィブロネクチンを採用する。
【0006】 ウウキらの米国特許5,371,196は、分泌性免疫グロブリンAの精製法を目指す
。液状加熱処理または液状加熱処理および溶剤処理の種々の組合せによるウイル
ス不活化が述べられている。ポリエチレングリコール分画は各工程に続いて採用
され、およびいつも最終工程で採用される。この特許は、高力価γ−グロブリン
の免疫血清グロブリンに関するものではない。
【0007】 ある静注可能なγ−グロブリン液状産物の製法に関する先行技術では、コーン
分画II+IIIペーストを出発原料とした複数の精製処理工程において、液状加熱処
理をソルビトール加熱安定化剤の存在下で行う。ヒラオらの米国特許4,845,199
は、コーン分画II+IIIペーストをポリエチレングリコール(以下「PEG」)(
8%w/vPEGは不純物および凝集物の沈殿のため、続いて行う12%w/vPEGはγ
−グロブリンの沈殿のため)で分画し、そしてイオン交換クロマトグラフィー(
DEAE−Sephadex)を行い、ヒト血液グループ抗体を除去し、ソルビ
トールをタンパク質安定化剤として存在下で液状加熱処理を行うことを主題とす
る。他方、ヒラオらの米国特許4,876,088の実施例1は、コーン分画II+IIIペー
ストからの静注可能なγ−グロブリン溶液製剤について述べるが、それはペース
トを水に懸濁し、pHを5.5に調整して遠心し、上清を33%w/vのソルビトール存
在下で加熱ウイルス不活化処理し、続いてPEG分画(6%/12%)し、およびそし
てDEAE−Sephadexイオン交換クロマトグラフィーを含む他の精製処
理工程に付される。
【0008】発明の要約 本発明の目的は、コーン分画製造法からの高度に精製されたγ−グロブリン溶
液を生産するため商業的に可能な製造工程に必須の事項に関する。
【0009】 本発明の他の目的は、熱に感受性のあるすべてのウイルスを含む被膜および無
膜のウイルスを含有していない大変純粋で静注可能なγ−グロブリン溶液を提供
することである。
【0010】 本発明のさらなる目的は、2つの連続的なウイルス不活化工程を含み、最初の
ウイルス不活化工程に続く工程においてもまたは2回目のウイルス不活化工程の
前においてもγ−グロブリンの回収を要さずに、商業的γ−グロブリンの製法を
提供することにある。
【0011】 上記および他の目的は、コーンアルコール分画の部分精製品においては、本発
明は当業者にとって自明であるかもしれないが、γ−グロブリンが豊富な場合、
すなわち最初にPEG分画を行い、およびそして2つのウイルス不活化処理、1
つは溶剤の存在下で行うウイルス不活化処理、好ましくは溶剤−界面活性剤の混
合液により被膜ウイルスのために供給し、そして他方は加熱処理によるウイルス
不活化を行い、2つのウイルス不活化処理の間にγ−グロブリンを回収すること
なく行うことは自明ではない。そして、加熱処理により形成された凝集物は、加
熱処理および溶剤処理された液体から除去される。
【0012】 本発明の好ましい実施形態は、加熱処理の安定化剤としてソルビトールをおよ
び溶剤としてトリアルキルホスフェートを使用する。
【0013】 本発明他の実施形態は、存在するどのような粒子も溶剤−界面活性剤処理の前
に除去することである。
【0014】 本発明他の実施形態は、γ−グロブリン溶液はウイルス不活化を完了後に続い
てPEG分画を行うことである。
【0015】 さらに、本発明の他の実施形態として、γ−グロブリンは陽イオン交換樹脂で
処理し、続いてウイルス不活化を完了する。
【0016】 ある好ましい実施形態は本発明のシングルステージでのポリエチレングリコー
ル分画工程はγ−グロブリンの沈殿なしに行うことである。
【0017】 本発明の他の好ましい実施形態は、溶剤−界面活性剤ウイルス不活化処理は加
熱ウイルス不活化処理の前に行うことである。
【0018】 さらに本発明の他の好ましい実施形態は、加熱滅菌されおよび溶剤−界面活性
剤滅菌された静注に適したγ−グロブリンを提供することである。
【0019】発明の詳細な説明 免疫グロブリンを含む分画を出発原料として使用する。この分画はヒト血漿由
来であり、免疫グロブリンを含む分画であれば、特に制限されるものではない。
このような免疫グロブリンを含む分画の特別の例として、分画II+IIIおよび分
画IIや免疫グロブリンを含むこれらの均等物であるペーストがコーンエタノール
分画から入手可能である。他の出発原料は、分画I+II+III、および分画II+IIIw
である。出発原料には、例えばヒト血液グループ抗体、プラスミノゲン、プラス
ミン、カリクレイン、プレカリクレインアクチベーター、IgM、IgA、Ig
Gポリマー(以降および以前について「凝集物」)その他の不純物を含むであろ
う。
【0020】 好ましい出発原料は、コーン分画IIまたはコーン分画II+IIIである。コーン分
画II+IIIを使用する場合、最初に分画II+IIIwからの初期の洗浄手順が推奨され
るが、それはその後本発明の製法において利用される。「分画II+IIIw」は、コ
ーン画分II+III沈殿をリン酸2ナトリウム溶液で洗浄したものである。
【0021】 分画II+IIIwは、1kgのII+IIIペーストに対し約20倍量の水量の割合で、
冷却した注射用水に分画II+III沈殿を懸濁することにより得られる。リン酸ナト
リウム溶液は、溶解脂質、脂質タンパク質およびアルブミンに対して最終濃度が
約0.003Mリン酸ナトリウムとなるように加える。冷エタノールは、最終アルコ
ール濃度が約20%になるよう加える。アルコール添加の間、温度を徐々に−5
±1℃に下げ、および例えば酢酸緩衝液または水酸化ナトリウムで希釈すること
によりpHは7.2±0.1となるように維持または調整する。分画II+IIIw沈殿を、
温度−5±1℃に維持されている間に、遠心分離および/またはろ過により回収
する。
【0022】 PEG分画の前に本発明の製造順序に従って、種々の初期段階の精製および/
または凝集物削減工程が実施される。例えば、分画II+IIIwを使用した場合、典
型的に約20%のアルコールを含有し、そして存在するタンパク質の70%以上
IgGであり、分画II+IIIwをpH4.0の酢酸緩衝液または塩酸を用いてpHが4.
5から6.0、好ましくは5.0から5.5に調整した温度約0から5℃の冷水で、3から
10倍、好ましくは3から5倍に懸濁する。混合液は、すべてのγ−グロブリン
を溶液中に含めるよう2から15時間振動させる。その後、アルブミンおよびα-
グロブリンのように不溶化タンパク質を遠心分離および/またはろ過により除去
する。
【0023】 異なるコーン画分を採用する場合、初期工程または製造工程は適切に選択され
、高IgG含有の分画を得るために初期段階の精製からさらに処理される。例え
ば、コーン分画II(95%以上の純IgGを含有する)をコーン分画IIIから分離
すると、米国特許4,371,520のウエムラらの記載のように、コーン分画IIを、最
初の処理は酸性pH3.2から5.0で、好ましくは3.8から4.2で処理し、免疫グロブ
リンの凝集を分解し、免疫グロブリンをモノマーからダイマーにする。凝集は抗
補体活性(ACA)を有することが知られているからである。他の選択方法とし
て、コーン分画II+IIIを出発原料とした場合には、ウエムラらの特許、低pH処
理は、上述の初期精製工程に続く追加工程として、およびPEG分画工程の前に
行われる。
【0024】 PEG分画はウイルス不活化処理の前に行う。PEG分画は免疫グロブリンの
精製処理技術において、出発血漿タンパク質分画中のIgG凝集物や自然に生じ
る他の不純物から所望のIgGモノマーやダイマーを分離するために良く知られ
た手順である。ウイルス不活化前に存在する凝集物や不純物を除去すると加熱処
理、例えば60℃10時間の処理を行った場合の凝集物の程度および濁度を減少でき
る。
【0025】 2回目のPEG分画工程は、加熱ウイルス不活化処理の後に行い、それは加熱
処理工程で生じた変性した不純物および/または凝集物の除去に有益である。
【0026】 先行技術として実証されたどのようなPEG工程も使用することはできる。一
般には、1工程または2工程のPEG分画が行われる。最初のPEG工程では、
PEGの濃度およびpHは所望のIgGモノマーおよびダイマーは溶液に残り、
一方凝集物のような所望でないタンパク質は沈殿されて溶液から分離できるよう
選択する。遠心分離および/またはろ過に続いてPEG濃度およびpHは随意に
上昇させ、IgGモノマーおよびダイマーを沈殿させる。
【0027】 たとえば、出発原料に分画II+IIIwペーストを使用した場合は、最初のPEG
工程はpH約5.0から7.5で、好ましくは約6.5から7.5で、出発原料に分画II+III
ペーストを使用した場合は、pH約5.5から6.0で、PEG濃度はいずれも約4か
ら8%で、出発原料に分画II+IIIwペーストを使用した場合、好ましくは4から6
%で、出発原料に分画II+IIIペーストを使用した場合、好ましくは6から8%で
行う。上述のように凝集物を含む所望でないタンパク質を含む沈殿を除去する最
初のPEG分画は温度を約0から2℃に維持し、約1〜8時間行う。精製された
所望の免疫グロブリンの回収は、pH約8.0から9.0に、好ましくはpH約8.5か
ら8.9に調整してろ過し、追加のPEGは最終濃度約10〜15%、好ましくは約12
%で行う。形成された沈殿、それは精製された免疫グロブリンであるが、ろ過お
よび/または遠心分離によって除く。
【0028】 本発明に適用可能なPEG分画工程のさらなる詳細は、上述したヒラオらの米
国特許4,876,088およびヒラオらの米国特許4,845,199に見つけることができる。
【0029】 本発明の次の本質的な工程は、最初のウイルス不活化工程に加熱処理および、
溶剤若しくは溶剤−界面活性剤処理を選択して行うことである。したがって、2
つめのウイルス不活化工程、それは加熱処理および、溶剤若しくは溶剤−界面活
性剤処理のうち最初の工程で使用しなかった他の工程を行う。以下に述べるよう
に、特にイオン交換樹脂を使用する精製を含む更なる精製工程は、溶剤−界面活
性剤処理および/または加熱処理の、前および/または後に行われる。
【0030】 最初のウイルス不活化の溶剤−界面活性剤処理の前に、陰イオン交換処理を行
い、そして2つめのウイルス不活化処理である加熱処理後に陽イオン交換処理を
行うと特に効果的である。この工程で、PEG処理に伴って陰イオン交換処理に
よりヒト血漿中のある所望でないタンパク質(例えば、プレカリクレインアクチ
ベーター、IgA、IgMおよびアルブミン)をIgGから除去し、陽イオン交
換処理により溶剤−界面活性剤処理の残存試薬および加熱処理の結果による変性
タンパク質(不純物および/または凝集物)を除去することができる。このよう
に、陽イオン交換工程は、加熱処理ウイルス不活化により生じた変性不純物およ
び凝集物を除去するために、ウイルス不活化処理完了後の2回目のPEG分画に
換えて採用することができる。
【0031】 もし全工程の間に達成しなければ、溶液は変性タンパク質を含む全てを除去す
るために溶剤−界面活性剤処理を行うべきである。そのために、溶液は1ミクロ
ンまたはより細かいフィルターで溶剤−界面活性剤処理前にろ過することが好ま
しい。それは、大きい粒子で存在するウイルス様のものを減少させることができ
、それらを溶剤−界面活性剤にさらすことを避けることができるであろう。
【0032】 今日、被膜ウイルスの不活化に使用される溶剤はトリアルキルホスフェートで
ある。トリアルキルホスフェートは、本発明では特に限定されないが、好ましく
はトリ(n-ブチル)ホスフェート(以降「TNBP」)が用いられる。他に使用
可能なトリアルキルホスフェートは、トリ(ter-ブチル)ホスフェート、トリ(
n-ヘキシル)ホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル) ホスフェートなどであ
る。2つまたはそれ以上のトリアルキルホスフェートを混合して使用することも
可能である。
【0033】 トリアルキルホスフェートは、0.01から10(w/v)%、好ましくは約0.1から3(w/
v)%の間で使用される。
【0034】 トリアルキルホスフェートは界面活性剤(detergent)または界面活性剤(sur
factant)の存在下または非存在下で使用される。好ましくは、トリアルキルホ
スフェートは界面活性剤(detergent)との組合せで行われる。界面活性剤(det
ergent)の機能は、ウイルスと免疫グロブリン組成物中のウイルスがトリアルキ
ルホスフェートの接触を増強することである。
【0035】 脂肪酸誘導体のポリオキシエチレンを含む界面活性剤(detergent)の例とし
て、例えばポリソルベート80(商品名:Tween80、他)およびポリソル
ベート20(商品名:Tween20、他)のような、部分エステル無水ソルビ
トール、酸化エチルアルキルフェノール(商品名:TritonX100、他)
である非イオン性油性バスリンス剤、双イオン性界面活性剤(detergent)を含
む他の界面活性剤(surfactantおよびdetergent)があげられる。
【0036】 界面活性剤を使用する場合、臨界量は添加せず、例えば、約0.001%と約10%
の間、好ましくは0.01と3%の間で使用すべきである。
【0037】 本発明では、免疫グロブリン含有組成物へのトリアルキルホスフェート処理は
約20から5℃、好ましくは25から30℃であり、1時間以上、好ましくは約5〜8
時間、より好ましくは約6から7時間処理を行う。
【0038】 トリアルキルホスフェート処理の間、免疫グロブリンは水性溶媒中に約3から
8%含まれる。
【0039】 トリアルキルホスフェートおよび随意の界面活性剤は、1つめのPEG画分、
それはさらなるPEGの添加でγ−グロブリンを沈殿させるのでないときに、直
接添加することができる。タンパク質の希釈は必要であろう。一方、沈殿したγ
−グロブリンを注射用冷水に懸濁し、pHは約5.0から6.0に調整し、有機溶媒お
よび随意の界面活性剤はそこに添加する。
【0040】 熱滅菌工程では、PEG分画または溶剤(界面活性剤)工程からのもので精製
していない免疫グロブリンタンパク質溶液に、糖、糖アルコールおよび/または
アミノ酸を熱安定化剤として添加する。pHは約4.5から6.0に、好ましくはpH
約5.0から5.5に調整する。熱安定化剤は、好ましくはスークロース、マルトース
、ソルビトールまたはマンニトールであり、好ましくはソルビトールである。糖
または糖アルコールを、免疫グロブリン溶液に、粉末状または少量の水に混入し
、最終的には飽和量である約10から50w/w%まで混入する。
【0041】 安定化剤の添加に続いて、混合物は約50から70℃で約10-100時間、好ましくは
約60℃で約10から20時間熱感受性のウイルスのウイルス不活化処理を行う。加熱
処理工程はウイルスの不活化だけでなく、タンパク質の変性を通じて、コーン分
画II+IIIと普通関係する例えばプレカリクレインアクチベーター、プラスミンお
よびプラスミノゲンのようなある所望でないタンパク質の量も優先的に減少させ
る効果もある。
【0042】 加熱処理のあと、溶液は約0から30℃に、好ましくは約10℃に冷却し、pHは
約5.0から6.0に、好ましくはpH約5.0から5.5に調整する。
【0043】 もし溶剤−界面活性剤処理の前にしていなければ陰イオン交換処理を加熱処理
した免疫グロブリンに施すことができる。好ましくは、少なくとも陽イオン交換
処理は、ウイルス不活化処理完了後の加熱処理した産物に行い、陰イオン交換処
理は溶剤−有機溶媒処理を最初のウイルス不活化として溶剤−有機溶媒処理を行
う前に行う。イオン交換処理は、溶液溶剤に溶解した免疫グロブリンについて、
IgGの最大吸着のイオン強度が低い場合には通常pH約5.0から5.5で行う。タ
ンパク質濃度は通常は約1−15w/v%で、好ましくは約3から10w/v%である。イオ
ン交換体は、使用するのと同じ溶剤で平衡化させ、バッチまたは連続システムで
行われる。例えば、陰イオン交換バッチワイズ処理は、前処理した陰イオン交換
体1ml(例えば、1グラムのDEAE−SephadexA−50樹脂を0.4%
の塩化ナトリウム溶液に膨潤させ、湿重量を約20グラムとしたもの)に対し、免
疫グロブリン溶液を約10から100mlかき混ぜながら混入し、混合液を約0−5℃
で約0.5から5時間撹拌し、ろ過または6,000から8,000rpmで10から30分間遠心分
離して上清アルコール溶液を回収する。連続的な処理は、免疫グロブリン溶液を
、不純物を吸着するのに十分な流率で陰イオン交換体のカラムに通し、非吸着画
分を回収した。
【0044】 陰イオン交換体は、例えば、陰イオン交換グループが不溶性キャリヤーに結合
してなる。陰イオン交換グループは、ジエチルアミノエチル(DEAE)、第四
級アミノエチル(QAE)グループ他、および不溶性キャリヤーはアガロース、
セルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド他を含む。
【0045】 使用可能な陽イオン交換体は、カルボキシメチルSephadex(CM−S
ephadex)、CM−セルロース、SP−Sephadex、CM−セファ
ロースおよびSP−セファロースである。前処理した陽イオン交換体1ml(例え
ば1グラムのCM−SephadexC−50樹脂を0.4%の塩化ナトリウム溶
液に膨潤させ、湿重量を約30-35グラムとしたもの)に0.5mlから5mlの免疫グロ
ブリン溶液を混入し、0−5℃で1−6時間撹拌する。上清を遠心分離またはろ
過し、IgGを吸着した樹脂を回収する。また、連続製法も採用可能である。
【0046】 上記詳述したコンデションは、陽イオン交換体はIgGを吸着し、タンパク質
吸着陽イオン交換樹脂を洗浄したのちにIgGはたとえば1.4N塩化ナトリウム
溶液で溶出される。
【0047】 上記製造に続く工程では、IgGは清澄化され、必要な範囲まで限外ろ過され
る。もし所望であれば、50mg/mlまたは100mg/mlのIgGおよび50mg/mlのD−ソ
ルビトールを含み、pH5.4の構成溶液を得るためにD−ソルビトールのような
安定化剤を加えることができる。溶液は、滅菌された細菌捕捉膜により滅菌ろ過
され、バイヤルに充填される。
【0048】 続く実施例は、本発明を明らかにするものであるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0049】 所望により、他の免疫グロブリン精製工程はここに示す製法に適当に組合わせ
ることができる。例えば、カリクレインおよびプレカリクレインアクチベーター
のレベルを減少するために有効なベントナイト清澄工程を採用することができる
。その内容を以下に示す実施例1にて説明する。
【0050】 実施例1:溶媒−界面活性剤および加熱処理したγ−グロブリン
【0051】 650gの分画(Fr)II+IIIwペーストを約11.9kgの冷水に懸濁する。選択的にI
gGを溶解するように、酢酸ナトリウム三水和物を懸濁液最終濃度約0.04Mとな
るように加える。15分間混和後、懸濁液のpHをpH4.0の酢酸緩衝液にて5.2に
調整する。冷アルコール(95%)を懸濁液に加え最終濃度が17%となるようにす
る。アルコール添加の間、懸濁液の温度を徐々に下げ、−6℃にする。300およ
び3グラムのセライトコーポレーションから入手可能な酸洗浄済みCelite
535をフィルターエイドとして懸濁液に添加し、最終濃度約2.0%とした。1時間
混和後、Celiteおよび所望でないタンパク質、例えばプラスミン、プラス
ミノゲン、IgAおよびIgMを含む分画IIIをフィルタープレスを利用してろ
過により除去する。ろ過液を、0.45μmおよび0.2μmのフィルターでろ過し、さ
らに清澄化する。その後分画IIIは1.0M炭酸水素ナトリウムでpH7.0に調整し
、温度を−7℃に下げ、冷アルコール(95%)を最終濃度25%になるよう加える
。懸濁液のpHを7.2に調整し、沈殿、分画IIを−7℃でろ過により除去する。
【0052】 各キログラムの分画IIペーストを0から2℃で、0.2%アルブミン(ヒト)お
よび2.0%ポリエチレングリコールを含むように維持した1.5kgの冷液状物質に懸
濁する。pHは塩酸で3.7±0.2に調整した後、懸濁液はそのpHで15時間混和す
る。
【0053】 溶液のpHを塩酸で5.3に調整し、温度は0から2℃に維持し、50%ポリエチ
レングリコール(PEG)3350を溶液に加え、PEG最終濃度4%となるように
する。そのようにして形成された沈殿物を1℃においてろ過または遠心分離によ
り除く。ろ液のpHを1.0Nの塩酸で4.9に調整し、ベントナイトを最終濃度が約
0.25%となるように添加する。ベントナイト懸濁液のpHは約5.2になるよう調
整し、そして懸濁液をろ過し、1℃において遠心分離により除去する。ろ液のp
Hを0.25Nの水酸化ナトリウムで8.0に調整し、50%PEG3350溶液を添加し、
PEG最終濃度を12%とする。そのようにして形成した沈殿(精製免疫グロブリ
ン)を、0から2℃で除去ろ過または遠心分離して得る。
【0054】 上記説明したものは、PEG分画を行う場合の典型的な製法である。その他の
PEG分確方法も先行技術として知られている。
【0055】 100gのPEGで精製した免疫グロブリンペーストを450mlの注射用水に懸濁す
る。懸濁液のpHを5%の酢酸の添加で5.5に調整する。懸濁液を+5℃で2時
間混和後、0.3%塩化ナトリウムで先に平衡化し、pH5.5のDEAE−Seph
adexA−50を33.3g加える。2時間吸着後、DEAE樹脂をろ過により除
く。
【0056】 トリ-n-ブチルフォスフェート(TNBP)およびポリソルベート80混合物
を最終濃度0.3%TNBPおよび1.0%ポリソルベート80となるように得られた
ろ液に加える。溶液を+5℃で一夜インキュベートする。D−ソルビトールを最
終濃度33%となるよう処理液に加え、安定化したIgG溶液を1時間混和し、p
H5.5に調整し、60℃で一夜加温する。
【0057】 混和液は+5℃に冷却し、pHを5.8に調整する。溶媒界面活性剤、PEGお
よびソルビトールを除去し、混和液をCM−SephadexC‐50により次
のように処理する:溶媒/界面活性剤および加熱処理溶液を冷水で4倍希釈する
。希釈された溶液を3つに分ける。塩化ナトリウムを分割したものに最終濃度を
0.2%、0.4%および0.6%となるように添加し、各々懸濁液a, bおよびcとする。
各分割したものをグラムタンパク質あたり乾燥重量0.65gのCM−Sephad
ex C‐50樹脂、pH5.8および対応するNaCl濃度で平衡化したもので処理す
る。
【0058】 樹脂で3±2時間タンパク質を吸着した後、溶液をろ過で除去する。タンパク
質を吸着した樹脂を0.2%、0.4%および0.6%の塩化ナトリウムで各々洗浄し、
残存するポリソルベート80、TNBP、PEGおよびソルビトールを除去する
。洗浄したタンパク質を吸着したCM−Sephadex C‐50樹脂を、1.5
±0.5Nの塩化ナトリウム溶液に2±1時間再懸濁し、吸着したタンパク質を脱
着させた。樹脂は、脱着したタンパク質溶液からろ過により分離した。
【0059】 ここで述べたように、12%PEG工程および陰イオン樹脂処理は随意の工程で
ある。さらに、2回目のPEG分画工程は陽イオン交換樹脂処理に換えて採用す
ることができる。また、加熱処置および溶剤(溶剤−界面活性剤)ウイルス不活
化工程はどのような順序でも行うことができる。
【0060】 本発明のバリエーションは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月21日(2000.11.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 静注用免疫グロブリンの2回ウイルス不活化方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明はIgG(γ−グロブリン)を主成分とする静注可能な免疫グロブリンの複
数の商業的な製造工程に必須の事項に関する。
【0002】 ヒト血漿のコーン分画から静注可能なγ−グロブリン溶液を取得するための種
々の製法が知られている。あるコーン画分は、他よりも高力価のγ−グロブリン
を含む。通常のγ−グロブリン溶液はコーン分画IIまたはコーン分画II+IIIを出
発原料とする。
【0003】 しかし、先行技術の製法では種々の分離および滅菌技術を採用しており、製法
改良は常に最終製品の純度、安全性および総収量の向上と考えられてきた。
【0004】 多くの商業的な製法では、ウイルス不活化のために溶剤/界面活性剤工程また
はウイルス不活化のために加熱処理工程の両方を採用する。今まで、コーン分画
IIペーストまたはII+IIIペーストからはじめ、効果的で高収率なγ−グロブリン
の製造工程の一部として2つの異なるウイルス不活化処理を含む複数工程の製法
を先行技術では行っていなかった。
【0005】 カメヤマらの米国特許5,151,499は、タンパク質組成物のウイルス不活化工程
の導入に関するもので、タンパク質組成物は、被膜ウイルスのウイルス不活化の
ために溶剤/界面活性剤処理され、無膜ウイルスのウイルス不活化をのために加
熱処理する。'499特許は、好ましくは溶剤/界面活性剤処理工程はプロテアーゼ
阻害在の存在下で最初に行い、殆んどの実施例は乾燥加熱処理である加熱処理を
続けて行うことを教示する。液状状態で加熱処理を行う場合には、どのような加
熱処理よりも前に、最初に溶剤/界面活性剤をイオン交換カラムで吸収し、タン
パク質を回収する。液状加熱処理は、安定化剤の糖、糖アルコールまたはアミノ
酸の存在下で行われる。'499特許は免疫グロブリンを含む多くの出発タンパク質
組成物を記載するが、その生産物の実施例には第VIII因子、第IX因子、トロンビ
ン、フィブリノゲンおよびフィブロネクチンを採用する。
【0006】 ウウキらの米国特許5,371,196は、分泌性免疫グロブリンAの精製法を目指す
。液状加熱処理または液状加熱処理および溶剤処理の種々の組合せによるウイル
ス不活化が述べられている。ポリエチレングリコール分画は各工程に続いて採用
され、およびいつも最終工程で採用される。この特許は、高力価γ−グロブリン
の免疫血清グロブリンに関するものではない。
【0007】 ある静注可能なγ−グロブリン液状産物の製法に関する先行技術では、コーン
分画II+IIIペーストを出発原料とした複数の精製処理工程において、液状加熱処
理をソルビトール加熱安定化剤の存在下で行う。ヒラオらの米国特許4,845,199
は、コーン分画II+IIIペーストをポリエチレングリコール(以下「PEG」)(
8%w/vPEGは不純物および凝集物の沈殿のため、続いて行う12%w/vPEGはγ
−グロブリンの沈殿のため)で分画し、そしてイオン交換クロマトグラフィー(
DEAE−Sephadex(R)ファルマシア、陰イオン交換体)を行い、ヒ
ト血液グループ抗体を除去し、ソルビトールをタンパク質安定化剤として存在下
で液状加熱処理を行うことを主題とする。他方、ヒラオらの米国特許4,876,088
の実施例1は、コーン分画II+IIIペーストからの静注可能なγ−グロブリン溶液
製剤について述べるが、それはペーストを水に懸濁し、pHを5.5に調整して遠
心し、上清を33%w/vのソルビトール存在下で加熱ウイルス不活化処理し、続いて
PEG分画(6%/12%)し、およびそしてDEAE−Sephadexイオン交換
クロマトグラフィーを含む他の精製処理工程に付される。
【0008】発明の要約 本発明の目的は、コーン分画製造法からの高度に精製されたγ−グロブリン溶
液を生産するため商業的に可能な製造工程に必須の事項に関する。
【0009】 本発明の他の目的は、熱に感受性のあるすべてのウイルスを含む被膜および無
膜のウイルスを含有していない大変純粋で静注可能なγ−グロブリン溶液を提供
することである。
【0010】 本発明のさらなる目的は、2つの連続的なウイルス不活化工程を含み、最初の
ウイルス不活化工程に続く工程においてもまたは2回目のウイルス不活化工程の
前においてもγ−グロブリンの回収を要さずに、商業的γ−グロブリンの製法を
提供することにある。
【0011】 上記および他の目的は、コーンアルコール分画の部分精製品においては、本発
明は当業者にとって自明であるかもしれないが、γ−グロブリンが豊富な場合、
すなわち最初にPEG分画を行い、およびそして2つのウイルス不活化処理、1
つは溶剤の存在下で行うウイルス不活化処理、好ましくは溶剤−界面活性剤の混
合液により被膜ウイルスのために供給し、そして他方は加熱処理によるウイルス
不活化を行い、2つのウイルス不活化処理の間にγ−グロブリンを回収すること
なく行うことは自明ではない。そして、加熱処理により形成された凝集物は、加
熱処理および溶剤処理された液体から除去される。
【0012】 本発明の好ましい実施形態は、加熱処理の安定化剤としてソルビトールをおよ
び溶剤としてトリアルキルホスフェートを使用する。
【0013】 本発明他の実施形態は、存在するどのような粒子も溶剤−界面活性剤処理の前
に除去することである。
【0014】 本発明他の実施形態は、γ−グロブリン溶液はウイルス不活化を完了後に続い
てPEG分画を行うことである。
【0015】 さらに、本発明の他の実施形態として、γ−グロブリンは陽イオン交換樹脂で
処理し、続いてウイルス不活化を完了する。
【0016】 ある好ましい実施形態は本発明のシングルステージでのポリエチレングリコー
ル分画工程はγ−グロブリンの沈殿なしに行うことである。
【0017】 本発明の他の好ましい実施形態は、溶剤−界面活性剤ウイルス不活化処理は加
熱ウイルス不活化処理の前に行うことである。
【0018】 さらに本発明の他の好ましい実施形態は、加熱滅菌されおよび溶剤−界面活性
剤滅菌された静注に適したγ−グロブリンを提供することである。
【0019】発明の詳細な説明 免疫グロブリンを含む分画を出発原料として使用する。この分画はヒト血漿由
来であり、免疫グロブリンを含む分画であれば、特に制限されるものではない。
このような免疫グロブリンを含む分画の特別の例として、分画II+IIIおよび分
画IIや免疫グロブリンを含むこれらの均等物であるペーストがコーンエタノール
分画から入手可能である。他の出発原料は、分画I+II+III、および分画II+IIIw
である。出発原料には、例えばヒト血液グループ抗体、プラスミノゲン、プラス
ミン、カリクレイン、プレカリクレインアクチベーター、IgM、IgA、Ig
Gポリマー(以降および以前について「凝集物」)その他の不純物を含むであろ
う。
【0020】 好ましい出発原料は、コーン分画IIまたはコーン分画II+IIIである。コーン分
画II+IIIを使用する場合、最初に分画II+IIIwからの初期の洗浄手順が推奨され
るが、それはその後本発明の製法において利用される。「分画II+IIIw」は、コ
ーン画分II+III沈殿をリン酸2ナトリウム溶液で洗浄したものである。
【0021】 分画II+IIIwは、1kgのII+IIIペーストに対し約20倍量の水量の割合で、
冷却した注射用水に分画II+III沈殿を懸濁することにより得られる。リン酸ナト
リウム溶液は、溶解脂質、脂質タンパク質およびアルブミンに対して最終濃度が
約0.003Mリン酸ナトリウムとなるように加える。冷エタノールは、最終アルコ
ール濃度が約20%になるよう加える。アルコール添加の間、温度を徐々に−5
±1℃に下げ、および例えば酢酸緩衝液または水酸化ナトリウムで希釈すること
によりpHは7.2±0.1となるように維持または調整する。分画II+IIIw沈殿を、
温度−5±1℃に維持されている間に、遠心分離および/またはろ過により回収
する。
【0022】 PEG分画の前に本発明の製造順序に従って、種々の初期段階の精製および/
または凝集物削減工程が実施される。例えば、分画II+IIIwを使用した場合、典
型的に約20%のアルコールを含有し、そして存在するタンパク質の70%以上
IgGであり、分画II+IIIwをpH4.0の酢酸緩衝液または塩酸を用いてpHが4.
5から6.0、好ましくは5.0から5.5に調整した温度約0から5℃の冷水で、3から
10倍、好ましくは3から5倍に懸濁する。混合液は、すべてのγ−グロブリン
を溶液中に含めるよう2から15時間振動させる。その後、アルブミンおよびα-
グロブリンのように不溶化タンパク質を遠心分離および/またはろ過により除去
する。
【0023】 異なるコーン画分を採用する場合、初期工程または製造工程は適切に選択され
、高IgG含有の分画を得るために初期段階の精製からさらに処理される。例え
ば、コーン分画II(95%以上の純IgGを含有する)をコーン分画IIIから分離
すると、米国特許4,371,520のウエムラらの記載のように、コーン分画IIを、最
初の処理は酸性pH3.2から5.0で、好ましくは3.8から4.2で処理し、免疫グロブ
リンの凝集を分解し、免疫グロブリンをモノマーからダイマーにする。凝集は抗
補体活性(ACA)を有することが知られているからである。他の選択方法とし
て、コーン分画II+IIIを出発原料とした場合には、ウエムラらの特許、低pH処
理は、上述の初期精製工程に続く追加工程として、およびPEG分画工程の前に
行われる。
【0024】 PEG分画はウイルス不活化処理の前に行う。PEG分画は免疫グロブリンの
精製処理技術において、出発血漿タンパク質分画中のIgG凝集物や自然に生じ
る他の不純物から所望のIgGモノマーやダイマーを分離するために良く知られ
た手順である。ウイルス不活化前に存在する凝集物や不純物を除去すると加熱処
理、例えば60℃10時間の処理を行った場合の凝集物の程度および濁度を減少でき
る。
【0025】 2回目のPEG分画工程は、加熱ウイルス不活化処理の後に行い、それは加熱
処理工程で生じた変性した不純物および/または凝集物の除去に有益である。
【0026】 先行技術として実証されたどのようなPEG工程も使用することはできる。一
般には、1工程または2工程のPEG分画が行われる。最初のPEG工程では、
PEGの濃度およびpHは所望のIgGモノマーおよびダイマーは溶液に残り、
一方凝集物のような所望でないタンパク質は沈殿されて溶液から分離できるよう
選択する。遠心分離および/またはろ過に続いてPEG濃度およびpHは随意に
上昇させ、IgGモノマーおよびダイマーを沈殿させる。
【0027】 たとえば、出発原料に分画II+IIIwペーストを使用した場合は、最初のPEG
工程はpH約5.0から7.5で、好ましくは約6.5から7.5で、出発原料に分画II+III
ペーストを使用した場合は、pH約5.5から6.0で、PEG濃度はいずれも約4か
ら8%で、出発原料に分画II+IIIwペーストを使用した場合、好ましくは4から6
%で、出発原料に分画II+IIIペーストを使用した場合、好ましくは6から8%で
行う。上述のように凝集物を含む所望でないタンパク質を含む沈殿を除去する最
初のPEG分画は温度を約0から2℃に維持し、約1〜8時間行う。精製された
所望の免疫グロブリンの回収は、pH約8.0から9.0に、好ましくはpH約8.5か
ら8.9に調整してろ過し、追加のPEGは最終濃度約10〜15%、好ましくは約12
%で行う。形成された沈殿、それは精製された免疫グロブリンであるが、ろ過お
よび/または遠心分離によって除く。
【0028】 本発明に適用可能なPEG分画工程のさらなる詳細は、上述したヒラオらの米
国特許4,876,088およびヒラオらの米国特許4,845,199に見つけることができる。
【0029】 本発明の次の本質的な工程は、最初のウイルス不活化工程に加熱処理および、
溶剤若しくは溶剤−界面活性剤処理を選択して行うことである。したがって、2
つめのウイルス不活化工程、それは加熱処理および、溶剤若しくは溶剤−界面活
性剤処理のうち最初の工程で使用しなかった他の工程を行う。以下に述べるよう
に、特にイオン交換樹脂を使用する精製を含む更なる精製工程は、溶剤−界面活
性剤処理および/または加熱処理の、前および/または後に行われる。
【0030】 最初のウイルス不活化の溶剤−界面活性剤処理の前に、陰イオン交換処理を行
い、そして2つめのウイルス不活化処理である加熱処理後に陽イオン交換処理を
行うと特に効果的である。この工程で、PEG処理に伴って陰イオン交換処理に
よりヒト血漿中のある所望でないタンパク質(例えば、プレカリクレインアクチ
ベーター、IgA、IgMおよびアルブミン)をIgGから除去し、陽イオン交
換処理により溶剤−界面活性剤処理の残存試薬および加熱処理の結果による変性
タンパク質(不純物および/または凝集物)を除去することができる。このよう
に、陽イオン交換工程は、加熱処理ウイルス不活化により生じた変性不純物およ
び凝集物を除去するために、ウイルス不活化処理完了後の2回目のPEG分画に
換えて採用することができる。
【0031】 もし全工程の間に達成しなければ、溶液は変性タンパク質を含む全てを除去す
るために溶剤−界面活性剤処理を行うべきである。そのために、溶液は1ミクロ
ンまたはより細かいフィルターで溶剤−界面活性剤処理前にろ過することが好ま
しい。それは、大きい粒子で存在するウイルス様のものを減少させることができ
、それらを溶剤−界面活性剤にさらすことを避けることができるであろう。
【0032】 今日、被膜ウイルスの不活化に使用される溶剤はトリアルキルホスフェートで
ある。トリアルキルホスフェートは、本発明では特に限定されないが、好ましく
はトリ(n-ブチル)ホスフェート(以降「TNBP」)が用いられる。他に使用
可能なトリアルキルホスフェートは、トリ(ter-ブチル)ホスフェート、トリ(
n-ヘキシル)ホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル) ホスフェートなどであ
る。2つまたはそれ以上のトリアルキルホスフェートを混合して使用することも
可能である。
【0033】 トリアルキルホスフェートは、0.01から10(w/v)%、好ましくは約0.1から3(w/
v)%の間で使用される。
【0034】 トリアルキルホスフェートは界面活性剤(detergent)または界面活性剤(sur
factant)の存在下または非存在下で使用される。好ましくは、トリアルキルホ
スフェートは界面活性剤(detergent)との組合せで行われる。界面活性剤(det
ergent)の機能は、ウイルスと免疫グロブリン組成物中のウイルスがトリアルキ
ルホスフェートの接触を増強することである。
【0035】 脂肪酸誘導体のポリオキシエチレンを含む界面活性剤(detergent)の例とし
て、例えばポリソルベート80(商品名:Tween80、他)およびポリソル
ベート20(商品名:Tween20、他)のような、部分エステル無水ソルビ
トール、酸化エチルアルキルフェノール(商品名:TritonX100、他)
である非イオン性油性バスリンス剤、双イオン性界面活性剤(detergent)を含
む他の界面活性剤(surfactantおよびdetergent)があげられる。
【0036】 界面活性剤を使用する場合、臨界量は添加せず、例えば、約0.001%と約10%
の間、好ましくは0.01と3%の間で使用すべきである。
【0037】 本発明では、免疫グロブリン含有組成物へのトリアルキルホスフェート処理は
約20から5℃、好ましくは25から30℃であり、1時間以上、好ましくは約5〜8
時間、より好ましくは約6から7時間処理を行う。
【0038】 トリアルキルホスフェート処理の間、免疫グロブリンは水性溶媒中に約3から
8%含まれる。
【0039】 トリアルキルホスフェートおよび随意の界面活性剤は、1つめのPEG画分、
それはさらなるPEGの添加でγ−グロブリンを沈殿させるのでないときに、直
接添加することができる。タンパク質の希釈は必要であろう。一方、沈殿したγ
−グロブリンを注射用冷水に懸濁し、pHは約5.0から6.0に調整し、有機溶媒お
よび随意の界面活性剤はそこに添加する。
【0040】 熱滅菌工程では、PEG分画または溶剤(界面活性剤)工程からのもので精製
していない免疫グロブリンタンパク質溶液に、糖、糖アルコールおよび/または
アミノ酸を熱安定化剤として添加する。pHは約4.5から6.0に、好ましくはpH
約5.0から5.5に調整する。熱安定化剤は、好ましくはスークロース、マルトース
、ソルビトールまたはマンニトールであり、好ましくはソルビトールである。糖
または糖アルコールを、免疫グロブリン溶液に、粉末状または少量の水に混入し
、最終的には飽和量である約10から50w/w%まで混入する。
【0041】 安定化剤の添加に続いて、混合物は約50から70℃で約10-100時間、好ましくは
約60℃で約10から20時間熱感受性のウイルスのウイルス不活化処理を行う。加熱
処理工程はウイルスの不活化だけでなく、タンパク質の変性を通じて、コーン分
画II+IIIと普通関係する例えばプレカリクレインアクチベーター、プラスミンお
よびプラスミノゲンのようなある所望でないタンパク質の量も優先的に減少させ
る効果もある。
【0042】 加熱処理のあと、溶液は約0から30℃に、好ましくは約10℃に冷却し、pHは
約5.0から6.0に、好ましくはpH約5.0から5.5に調整する。
【0043】 もし溶剤−界面活性剤処理の前にしていなければ陰イオン交換処理を加熱処理
した免疫グロブリンに施すことができる。好ましくは、少なくとも陽イオン交換
処理は、ウイルス不活化処理完了後の加熱処理した産物に行い、陰イオン交換処
理は溶剤−有機溶媒処理を最初のウイルス不活化として溶剤−有機溶媒処理を行
う前に行う。イオン交換処理は、溶液溶剤に溶解した免疫グロブリンについて、
IgGの最大吸着のイオン強度が低い場合には通常pH約5.0から5.5で行う。タ
ンパク質濃度は通常は約1−15w/v%で、好ましくは約3から10w/v%である。イオ
ン交換体は、使用するのと同じ溶剤で平衡化させ、バッチまたは連続システムで
行われる。例えば、陰イオン交換バッチワイズ処理は、前処理した陰イオン交換
体1ml(例えば、1グラムのDEAE−SephadexA−50樹脂を0.4%
の塩化ナトリウム溶液に膨潤させ、湿重量を約20グラムとしたもの)に対し、免
疫グロブリン溶液を約10から100mlかき混ぜながら混入し、混合液を約0−5℃
で約0.5から5時間撹拌し、ろ過または6,000から8,000rpmで10から30分間遠心分
離して上清アルコール溶液を回収する。連続的な処理は、免疫グロブリン溶液を
、不純物を吸着するのに十分な流率で陰イオン交換体のカラムに通し、非吸着画
分を回収した。
【0044】 陰イオン交換体は、例えば、陰イオン交換グループが不溶性キャリヤーに結合
してなる。陰イオン交換グループは、ジエチルアミノエチル(DEAE)、第四
級アミノエチル(QAE)グループ他、および不溶性キャリヤーはアガロース、
セルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド他を含む。
【0045】 使用可能な陽イオン交換体は、カルボキシメチルSephadex(R),フ
ァルマシア(CM−Sephadex(R),ファルマシア)、CM−セルロー
ス、SP−Sephadex(R),ファルマシア、CM−セファロースおよび
SP−セファロースである。前処理した陽イオン交換体1ml(例えば1グラムの
CM−Sephadex(R),ファルマシアC−50樹脂を0.4%の塩化ナト
リウム溶液に膨潤させ、湿重量約30-35グラムとしたもの)に0.5mlから5mlの免
疫グロブリン溶液を混入し、0−5℃で1−6時間撹拌する。上清を遠心分離ま
たはろ過してIgGを吸着した樹脂を回収する。また、連続的な製法も採用可能
である。
【0046】 上記詳述したコンデションは、陽イオン交換体はIgGを吸着し、タンパク質
吸着陽イオン交換樹脂を洗浄したのちにIgGはたとえば1.4N塩化ナトリウム
溶液で溶出される。
【0047】 上記製造に続く工程では、IgGは清澄化され、必要な範囲まで限外ろ過され
る。もし所望であれば、50mg/mlまたは100mg/mlのIgGおよび50mg/mlのD−ソ
ルビトールを含み、pH5.4の構成溶液を得るためにD−ソルビトールのような
安定化剤を加えることができる。溶液は、滅菌された細菌捕捉膜により滅菌ろ過
され、バイヤルに充填される。
【0048】 続く実施例は、本発明を明らかにするものであるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0049】 所望により、他の免疫グロブリン精製工程はここに示す製法に適当に組合わせ
ることができる。例えば、カリクレインおよびプレカリクレインアクチベーター
のレベルを減少するために有効なベントナイト清澄工程を採用することができる
。その内容を以下に示す実施例1にて説明する。
【0050】 実施例1:溶媒−界面活性剤および加熱処理したγ−グロブリン
【0051】 650gの分画(Fr)II+IIIwペーストを約11.9kgの冷水に懸濁する。選択的にI
gGを溶解するように、酢酸ナトリウム三水和物を懸濁液最終濃度約0.04Mとな
るように加える。15分間混和後、懸濁液のpHをpH4.0の酢酸緩衝液にて5.2に
調整する。冷アルコール(95%)を懸濁液に加え最終濃度が17%となるようにす
る。アルコール添加の間、懸濁液の温度を徐々に下げ、−6℃にする。300およ
び3グラムのセライトコーポレーションから入手可能な酸洗浄済み珪藻類のアー
スフィルターであるCelite(R)をフィルターエイドとして懸濁液に添加
し、最終濃度約2.0%とした。1時間混和後、Celiteおよび所望でないタ
ンパク質、例えばプラスミン、プラスミノゲン、IgAおよびIgMを含む分画
IIIをフィルタープレスを利用してろ過により除去する。ろ過液を、0.45μmおよ
び0.2μmのフィルターでろ過し、さらに清澄化する。その後分画IIIは1.0M炭酸
水素ナトリウムでpH7.0に調整し、温度を−7℃に下げ、冷アルコール(95%
)を最終濃度25%になるよう加える。懸濁液のpHを7.2に調整し、沈殿、分画I
Iを−7℃でろ過により除去する。
【0052】 各キログラムの分画IIペーストを0から2℃で、0.2%アルブミン(ヒト)お
よび2.0%ポリエチレングリコールを含むように維持した1.5kgの冷液状物質に懸
濁する。pHは塩酸で3.7±0.2に調整した後、懸濁液はそのpHで15時間混和す
る。
【0053】 溶液のpHを塩酸で5.3に調整し、温度は0から2℃に維持し、50%ポリエチ
レングリコール(PEG)3350を溶液に加え、PEG最終濃度4%となるように
する。そのようにして形成された沈殿物を1℃においてろ過または遠心分離によ
り除く。ろ液のpHを1.0Nの塩酸で4.9に調整し、ベントナイトを最終濃度が約
0.25%となるように添加する。ベントナイト懸濁液のpHは約5.2になるよう調
整し、そして懸濁液をろ過し、1℃において遠心分離により除去する。ろ液のp
Hを0.25Nの水酸化ナトリウムで8.0に調整し、50%PEG3350溶液を添加し、
PEG最終濃度を12%とする。そのようにして形成した沈殿(精製免疫グロブリ
ン)を、0から2℃で除去ろ過または遠心分離して得る。
【0054】 上記説明したものは、PEG分画を行う場合の典型的な製法である。その他の
PEG分確方法も先行技術として知られている。
【0055】 100gのPEGで精製した免疫グロブリンペーストを450mlの注射用水に懸濁す
る。懸濁液のpHを5%の酢酸の添加で5.5に調整する。懸濁液を+5℃で2時
間混和後、0.3%塩化ナトリウムで先に平衡化し、pH5.5のDEAE−Seph
adex(R),A−50ファルマシアを33.3g加える。2時間吸着後、DEA
E樹脂をろ過により除く。
【0056】 トリ-n-ブチルフォスフェート(TNBP)およびポリソルベート80混合物
を最終濃度0.3%TNBPおよび1.0%ポリソルベート80となるように得られた
ろ液に加える。溶液を+5℃で一夜インキュベートする。D−ソルビトールを最
終濃度33%となるよう処理液に加え、安定化したIgG溶液を1時間混和し、p
H5.5に調整し、60℃で一夜加温する。
【0057】 混和液は+5℃に冷却し、pHを5.8に調整する。溶媒界面活性剤、PEGお
よびソルビトールを除去し、混和液をCM−Sephadex(R)C‐50フ
ァルマシアにより次のように処理する:溶媒/界面活性剤および加熱処理溶液を
冷水で4倍希釈する。希釈された溶液を3つに分ける。塩化ナトリウムを分割し
たものに最終濃度を0.2%、0.4%および0.6%となるように添加し、各々懸濁液a
, bおよびcとする。各分割したものをグラムタンパク質あたり乾燥重量0.65gの
CM−Sephadex(R)C‐50ファルマシア樹脂、pH5.8および対応
するNaCl濃度で平衡化したもので処理する。
【0058】 樹脂で3±2時間タンパク質を吸着した後、溶液をろ過で除去する。タンパク
質を吸着した樹脂を0.2%、0.4%および0.6%の塩化ナトリウムで各々洗浄し、
残存するポリソルベート80、TNBP、PEGおよびソルビトールを除去する
。洗浄したタンパク質を吸着したCM−Sephadex C‐50樹脂を、1.5
±0.5Nの塩化ナトリウム溶液に2±1時間再懸濁し、吸着したタンパク質を脱
着させた。樹脂は、脱着したタンパク質溶液からろ過により分離した。
【0059】 ここで述べたように、12%PEG工程および陰イオン樹脂処理は随意の工程で
ある。さらに、2回目のPEG分画工程は陽イオン交換樹脂処理に換えて採用す
ることができる。また、加熱処置および溶剤(溶剤−界面活性剤)ウイルス不活
化工程はどのような順序でも行うことができる。
【0060】 本発明のバリエーションは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年9月26日(2001.9.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アンドラニク バグダサリアン アメリカ合衆国 カリフォルニア 91773 サンディマス カレーエストレラ 1227 (72)発明者 ゴルゴニオ カナベラル アメリカ合衆国 カリフォルニア 91789 ウォルナット シルバーバリィートレイ ル 608 (72)発明者 カズオ タケチ ヒラカタ−シティー ショダイオオタニ 2−チョーメ 25−1 Fターム(参考) 4C085 AA33 CC22 DD02 DD08 DD39 GG02 4C087 AA05 BB35 CA16 CA47 DA06 MA17 MA66 NA01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる静注可能なガンマグロブリン溶液の製造方法:
    (a)不純なガンマグロブリン溶液から精製されたガンマグロブリンを得るために
    ポリエチレングリコール分画に付し; (b)ポリエチレングリコール処理された精製ガンマグロブリンを、被膜ウイルス
    を不活化するために有機溶媒処理し; (c)ポリエチレングリコール処理された精製ガンマグロブリンを、熱感受性ウイ
    ルスを不活化するに十分な時間および温度条件で加熱処理し; そして (d)加熱処理で生じた凝集物を除去する。
  2. 【請求項2】 該不純なガンマグロブリン溶液が、コーン分画I+II+III、コ
    ーン分画II+III、コーン分画II+IIIwまたはコーン分画IIである請求項1に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 該不純なガンマグロブリン溶液が、ポリエチレングリコール
    分画工程(a)の前に少なくとも1工程の精製工程に付される請求項1に記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 該加熱処理工程(c)は、約50℃から70℃で約10から100時間行
    われる請求項1に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 該加熱処理工程(c)は、約60℃で約10時間行われる請求項4
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 該工程(d)は、加熱処理溶液にポリエチレングリコール分画
    が行われる請求項1に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(b)に使用する該有機溶媒がアルキルホスフェートであ
    る請求項1に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 工程(b)に使用する該有機溶媒がアルキルホスフェートであ
    る請求項6に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 該アルキルホスフェートがトリ-n-ブチルホスフェートであ
    る請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 該有機溶媒に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 該有機溶媒に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項9
    に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 該工程(a)のあとに、ガンマグロブリンが陰イオン交換樹
    脂および陽イオン交換樹脂で処理される請求項1に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 該工程(b)は、工程(c)の前に行われ、陰イオン交換樹脂処
    理は工程(b)の前に行われ、陽イオン交換樹脂処理は工程(c)の後に行われる請求
    項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 該加熱処理工程(c)は、工程(b)からの免疫グロブリン−有
    機溶媒溶液との間にどのような製造工程もなしに行われる請求項1に記載の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 該加熱処理工程(c)は、工程(b)からの免疫グロブリン−有
    機溶媒溶液との間にどのような製造工程もなしに行われる請求項13に記載の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 最初のポリエチレングリコール分画工程のあとに該ベント
    ナイト清澄工程が行われる請求項6に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 該工程(d)は、加熱処理溶液に陽イオン交換樹脂で処理さ
    れることによる請求項1に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 該ポリエチレングリコール分画工程(a)は、ガンマグロブ
    リンを沈殿させることなく行われる請求項1に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 該ポリエチレングリコール分画工程(d)は、ガンマグロブ
    リンを沈殿させることなく行われる請求項6に記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 該ポリエチレングリコール分画工程(a)は、少なくとも2
    つのステージで行われ、最初のポリエチレングリコール分画ステージで不純物が
    沈殿として除去され、2つ目のポリエチレングリコール分画ステージでγ−グロ
    ブリンが沈殿として回収される請求項1に記載の製造方法。
  21. 【請求項21】 該ポリエチレングリコール分画工程(d)は、少なくとも2
    つのステージで行われ、最初のポリエチレングリコール分画ステージで不純物が
    沈殿として除去され、2つ目のポリエチレングリコール分画ステージでγ−グロ
    ブリンが沈殿として回収される請求項6に記載の製造方法。
  22. 【請求項22】 該工程(b)は、工程(c)の前に行われる請求項1に記載の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 該工程(c)は、工程(b)の前に行われる請求項1に記載の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 請求項14に記載の製法により産生された静注可能なガン
    マグロブリン溶液。
  25. 【請求項25】 請求項15に記載の製法により産生された静注可能なガン
    マグロブリン溶液。
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