JP2003528789A - 無煙ガス発生組成物 - Google Patents

無煙ガス発生組成物

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Abstract

(57)【要約】 熱的に安定なガス発生組成物が、テトラゾール、ビテトラゾールおよびトリアゾール、およびそれらの塩を含む群から選択される1または2以上の第1非アジド高窒素燃料;およびアゾジカルボナミドおよびヒドラゾジカルボナミドから選択される1または2以上の第2非アジド高窒素燃料との組み合わせを含む。第1および第2の燃料が相安定化硝酸アンモニウムと組み合わされ、それが燃焼すると、ガス発生剤単位質量あたりのガス生成物の高い収率、固体燃焼生成物の低い収率、低い燃焼温度、および許容される燃焼速度、熱安定性および発射性となる。これらの組成物は特に、乗員拘束装置のエアバッグを膨張させるために適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、車両における乗員の安全拘束装置を膨らませるために、燃焼時、有
用なガスをすばやく発生する無毒性のガス発生組成物に関し、そして具体的には
、本発明は、許容できる燃焼速度を有するのみならず、燃焼時許容できる火炎温
度で固体微粒子に対する比較的高いガス容積を示す熱的に安定な非アジドのガス
発生剤に関する。
【0002】 発明の背景 アジドに基づくガス発生剤から非アジドガス発生剤への進化は先行技術におい
てよく知られている。アジドガス発生剤と比較して非アジドガス発生剤組成物の
有利なことは、例えば米国特許No. 4,370,181; 4,909,549; 4,948,439; 5,084,1
18; 5,139,588および5,035,757の特許文献に詳しく記載されており、その議論は
参照することによりここに取り込まれる。
【0003】 燃焼成分に加えて、火工技術的非アジドガス発生剤は、すばやい燃焼に必要な
酸素を供給したり、発生する有毒ガスの量を減少する酸化剤、炭素や窒素の有毒
酸化物の無毒ガスへの変換を促進する触媒、そして燃焼中および燃焼直後に形成
される固体および液体生成物をクリンカーのようなろ過可能な微粒子に塊状化す
るスラグ形成成分等の含有成分を含む。ガス発生剤の点火性および燃焼性をコン
トロールするために、燃焼速度促進剤、衝撃緩和剤および点火助剤等の他の任意
の添加剤を使用する。
【0004】 公知の非アジドガス発生剤組成物の欠点のひとつは、燃焼中に形成される固体
残渣の量および物性である。燃焼の結果として生成される固体をろ過しなけれな
ならず、さもなければ車両の乗員との接触を避けなければならない。従って、最
小の固体微粒子を生成し、なおかつ高速度で安全装置を膨らませるために適当な
量の無毒ガスを供給する組成物を開発することが非常に望ましい。
【0005】 相安定化硝酸アンモニウムの使用が、燃焼時豊富な無毒性ガスと最少の鉱物固
体を生じるので望ましい。しかし、有用であるためには、自動車適用のガス発生
剤は、107℃で400時間以上経ったときに熱的に安定でなければならない。
組成物はまた、−40℃と107℃の間を循環したとき構造的整合性を維持しな
ければならない。
【0006】 しばしば、相安定化された硝酸アンモニウムまたは純粋な硝酸アンモニウムを
含むガス発生組成物は、低い熱安定性を示し、且つ可塑剤および結合剤等の共存
する添加剤の組成によって、許容でぬ程高いレベルの、例えばCOおよびNo 等の有毒ガスを生成する。さらに、硝酸アンモニウムは、低い点火性、小さい燃
焼速度および性能変動の一因となる。硝酸アンモニウムを含むいくつかの公知の
ガス発生組成物は、この問題を解決するためBKNO等のよく知られている点
火助剤を利用する。しかし、BKNO等の点火助剤の添加は、それが非常に感
度の高い且つエネルギーに富む化合物であるので望ましくなく、さらに熱不安定
性、および生成される固体量の増加の一因となる。
【0007】 硝酸アンモニウムを含むある種のガス発生組成物は、熱的に安定であるが、ガ
ス膨張器における使用に対して所望より低い燃焼速度をもつ。乗車人の拘束膨張
の適用に対して有用であるためには、ガス発生組成物は一般的に、1000ps
iで少なくとも0.4インチ/秒(ips)またはそれ以上の燃焼速度を必要と
する。1000psiで0.4ipsよりも低い燃焼速度をもつガス発生剤は、
安定して点火せず、且つしばしば膨張器中で“不燃”となる。
【0008】 検討しなくてはならないまた別の問題は、米国運輸局(DOT)がガス発生剤
に“キャップ試験(cap testing)”を要求することである。硝酸アンモニウム
と一緒にしばしば使用される燃料の爆発に対する感度の故に、硝酸アンモニウム
を含む多くの推進剤は大きなディスクに形づくらないとそのキャップ試験に通ら
ず、そのため膨張器のデザインの柔軟性を減じる。
【0009】 多くの非アジドガス発生剤は、公知のアジドに基づくガス発生剤よりも可なり
高い温度で燃焼する。冷却の必要を簡単にするために、エアバッグ膨張器におけ
る使用に適当な非アジドガス発生剤が、1つの改善であろう。
【0010】 終わりに、共有および同時係属の米国出願番号08/745,949および08/851,503に
開示されているガス発生組成物が、自動車エアバッグ膨張器の使用に適する。し
かし、あるガス発生組成物に対する燃焼特性は改良できる。例えば、PSAN、
ニトログアニジンおよびテトラゾールの非金属塩は、短くされた燃焼時間と本発
明の組成物に比較してより高い燃焼温度のため不利である。
【0011】 関連技術の説明 関連技術の説明は以下のようであり、そのすべては参照することによりここに
取り込まれる。 Pooleによる米国特許No. 5,545,272は、ニトログアニジン(NQ)35
−55重量%、および相安定化硝酸アンモニウム(PSAN)45−65重量%
からなるガス発生組成物の使用を開示している。燃料としてNQは、豊富なガス
を発生し、且つ非常に少ない炭素および酸素からなり、それら両者が燃焼ガス中
の高いレベルのCOおよびNoの一因となるので好ましい。 Pooleによ
れば、相安定化硝酸アンモニウム(PSAN)または純粋な硝酸アンモニウムの
使用は、酸化剤を含む多くのガス発生組成物が熱的に不安定であるので、問題で
ある。Pooleは与えられたパーセンテージのNQとPSANを組み合わせて
熱的に安定なガス発生組成物となることを見い出した。しかし、Pooleは1
000psiで0.32−0.34インチ/秒の燃焼速度を報告している。よく
知られているように、1000psiで0.4インチ/秒の燃焼速度は、膨張器
内での自信をもっての使用には余にも低すぎる。
【0012】 Pooleによる米国特許No. 5,531,941において、PooleはPSANお
よび非アジド燃料の特定群から選択された2または3以上の燃料の使用を示して
いる。Pooleは、酸化剤として硝酸アンモニウム(AN)を使用するガス発
生剤が一般的に、1000psiで典型的に0.1インチ/秒より低い燃焼速度
で非常に遅い燃焼であると言っている。彼はさらに、エアバッグ適用には、約0
.4−0.50.1インチ/秒より低い燃焼速度は使用上困難であると示してい
る。PSANの使用は、有毒なガスを最小にして、豊富なガスと最少の固体を生
成する性質の故に望ましいとして示されている。にもかかわらず、Pooleは
、低い燃焼速度の問題を認識し、従ってPSANを大部分のTAGNおよび所望
により1または2以上の燃料を含有する燃焼成分と組み合わせるている。TAG
Nの添加は硝酸アンモニウム混合物の燃焼速度を増加する。Pooleによれば
、TAGN/PSAN組成物が許容できる0.59−0.83インチ/秒の燃焼
速度を示す。しかし、TAGNは製造および取り扱いにおいて安全注意を提起す
る敏感な爆発物である。さらに、TAGNは米国運輸局によって“禁止”として
分類されており、従って原料規制を複雑にする。
【0013】 Lundらによる米国特許No. 5,500,059において、Lundは1000ps
iで0.5インチ/秒(ips)を超えるか、そして好ましくは1000psi
で約1.0ipsから約1.2ipsの範囲の燃焼速度が一般的に望ましいと述
べている。Lundは5−アミノテトラゾール燃料と金属性酸化剤成分からなる
ガス発生剤成分を開示している。しかし、金属性酸化剤成分の使用は、ガス発生
剤のグラムあたりの放出されるガスの量を減少し、且つ燃焼の際発生する固体の
量を増加する。
【0014】 Pooleらの米国特許No. 4,909,549および4,948,439で記載されたガス発生
組成物は、テトラゾール化合物またはトリアゾール化合物を金属酸化物および酸
化剤化合物(アルカリ金属、アルカリ土類金属、および純粋な硝酸アンモニウム
または過塩素酸アンモニウム)と組み合わせて使用し、低温で分解する比較的不
安定なガス発生剤となる。かなり有毒な放出物および微粒子が燃焼の際生成され
る。両方の特許は点火助剤としてBKNO3の使用を示している。
【0015】 Pooleの米国特許No. 5,035,757に記載されたガス発生組成物はより容易
に濾過できる固体生成物を生じるが、ガス収率が不満足である。 Changらの米国特許No. 3,954,528は、TAGNおよび合成高分子結合剤
と酸化材料との組み合わせての使用を記載している。酸化材料は純粋なANを含
有するが、PSANの使用は示唆されていない。この特許は、大量の一酸化炭素
、窒素酸化物および水素が許容でき且つ望ましい銃および他の装置における使用
の対する推進剤の製造を示している。含まれる実用的な適用のため、熱的安定性
は重要なパラメェターと考えられていない。
【0016】 Grubaughの米国特許No. 3,044,123は、主成分としてANを含有する
固体推進剤ペレットを製造する方法を記載している。この方法は、酸化できる有
機の結合剤(酢酸セルロース、PVC、PVA、アクリロニトリル、およびスチ
レン−アクリロニトリル等)の使用を要求し、次いで圧縮によってペレットをつ
くるため混合物を形どり、そして熱によってペレットを処理する。これらのペレ
ットは確かに、市販の硝酸アンモニウムが使用されているので温度循環によって
壊さるであろうし、且つ特許請求された組成物は大量の一酸化炭素をつくるであ
ろう。
【0017】 Becuweの米国特許No. 5,034,072は、推進剤および銃粉における他の爆
発性材料(HMX、RDX、TATB等)の代替として5−オキソ−3−ニトロ
−1,2,4−トリアゾールの使用に基づく。この化合物はまた、3−ニトロ−
1,2,4−トリアゾール−5−オン(“NTO”)と呼ばれる。この請求項は
、NTO、ANおよび不活性な結合剤を含有する銃粉組成物を記載し、この組成
物は硝酸アンモニウムを含有する推進剤よりも吸湿性が低い。不活性と言っても
、結合剤は燃焼反応に入り、且つエアバッグ膨張に対して不適当にする一酸化炭
素をつくる。
【0018】 Lundらの米国特許No. 5,197,758は、アミノテトラゾールの遷移金属錯体
、そして特に自動車拘束システムにおけるエアバッグを膨張するために有用な5
−アミノテトラゾールおよび3−アミノ−1,2,4−トリアゾールの銅錯体ま
たは亜鉛錯体である非アジド燃料を含むガス発生組成物を記載しているが、過剰
な固体を生じる。
【0019】 Wardleらの米国特許No. 4,931,112は、本質的にNTO(5−ニトロ−
1,2,4−トリアゾール−3−オン)からなる自動車エアバッグガス発生処方
物および該成分が無水である酸化剤を記載している。
【0020】 Ramnaraceの米国特許No. 4,111,728は、救命いかだおよび似た装置
、または硝酸アンモニウム、ポリエステルタイプの結合剤およびオキサミドおよ
び硝酸グアニジンから選択された燃料を含むロケット推進剤として有用なものを
膨張させるためのガス発生器を記載している。Ramnaraceは、硝酸アン
モニウムが他の酸化剤のものより低い燃焼速度に寄与することを示し、且つさら
に硝酸アンモニウム組成物が吸湿性であり、特に少量の湿気が吸収されると点火
しにくいと加えている。
【0021】 Buceriusらの米国特許No.5,198,046は、環境にやさしい無毒性ガスを
発生することの用途に、グアニジニウム−5,5′−アゾテトラゾラート(GZ
T)を酸化剤としてのKNO3と共に使用することを示している。 Buceriu
sはGZTを化学的に不安定なおよび/または吸湿性の酸化剤と組み合わせない
ように教えている。ビス−(トリアミノグアニジニウム)−5.5′−アゾテト
ラゾラート(TAGZT)またはアミノグアニジニウム−5.5′−アゾテトラ
ゾラート(TAGZT)等のテトラゾールの他のアミンの使用がGZTと比較し
て熱的にかなり安定性が低いと示されている。
【0022】 Boyarsの米国特許No.4,124,368は、硝酸カリウムを使用することによっ
て硝酸アンモニウムの異常爆発を防止する方法を記載している。 Mishraの米国特許No.4,552,736およびMehrotraらの米国特許No
.5,098,683は、転移相における硝酸アンモニウムの膨張および収縮を除くための
フッ化カリウムの使用を記載している。 Chiの米国特許No.5,074,938は、ホウ素を含有する推進剤における酸化剤と
しての相安定化硝酸アンモニウムの使用およびロケットモーターに有用であると
記載している。
【0023】 Cartwrightによる米国特許No.5,125,684において、衝突バッグにお
ける使用のための成形できる推進剤が、酸化剤塩、セルロースをベースにした結
合剤、およびガス発生成分を含むものとして記載されている。Cartwrig
htはまた、“ニトログアニジン(NG)、硝酸トリアミノグアニジン、エチレ
ンジニトラミン、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、シクロテトラ
メチレンテトラニトラミン(HMX)、トリニトロトルエン(TNT)、および
四硝酸ペンタエリスリトール(PETN)...から選択される少なくとも1つ
のエネルギー成分”の使用を示している。
【0024】 Canterberyらによる米国特許No.4,925,503において、爆発性組成物
が記載されており、高エネルギー材料、例えば硝酸アンモニウムおよびポリウレ
タンポリアセタールエラストマー結合剤を含み、後の成分が発明の中心である。
Canterberyはまた、“発明の有用な材料...好ましくは以下の高エ
ネルギー材料の1つ:RDX、NTO、TNT、HMX、TAGN、ニトリグア
ニジン、または硝酸アンモニウム...”の使用を示している。
【0025】 Hassの米国特許No.3,071,617は、酸素バランスと排気ガスに関する知られ
ている考察を述べている。 Stinecipherらの米国特許No.4,300,962は、硝酸アンモニウムおよ
びニトロアゾールのアンモニウム塩を含む爆薬を記載している。 Priorの米国特許No.3,719,604は、アミノテトラゾールまたはジテトラゾ
ールのアミノグアニジン塩を含むガス発生組成物を記載している。
【0026】 Pooleの米国特許No.5,139,588は、燃料、酸化剤および添加剤を含む自動
車拘束装置に有用な非アジドガス発生剤を記載している。 Hendricksonの米国特許No.4,798,637は、ガス発生組成物の燃焼速
度を低めるために、ビテトラゾールのジアンモニウム塩等のビテトラゾール化合
物の使用を示している。Hendricksonは、ジアンモニウムビテトラゾ
ールを使用すると、0.40ipsを下まわる燃焼速度および燃焼速度の8%低
下を記載している。
【0027】 Changらの米国特許No.3,909,322は、ニトロアミノテトラゾール塩の純粋
な硝酸アンモニウム、HMXおよび5−ATN等の酸化剤との使用を示している
。これらの組成物は、銃推進剤および、エンジン、電気発生器、タービン、気体
道具およびロケット等のガス圧作動機械装置における使用のためのガス発生剤と
して使用される。Hendricksonによって開示されたアミン塩と異なり
、Changは、硝酸5−アミノテトラゾールおよびニトロアミノテトラゾール
の塩が0.40ipsを超える燃焼速度を示すことを教えている。他方、Cha
ngはまた、HMXおよびニトロアミノテトラゾールの塩からなるガス発生剤が
、0.243ispから0.360ispの燃焼速度を示すことを教えている。
純粋なANとニトロアミノテトラゾールの塩に伴う燃焼速度に関しては、データ
が与えられていない。
【0028】 Highsmithらの米国特許No.5,516,377は、5−ニトラミノテトラゾー
ルの塩、NQ、BKNO3のような通常の点火助剤、および酸化剤としての純粋な硝
酸アンモニウムの使用を示しているが、相安定化硝酸アンモニウムの使用を示し
ていない。Highsmithは、アンモニウムニトラミノテトラゾールおよび
硝酸ストロンチウムからなる組成物が0.313ipsの燃焼速度を示すことを
教えている。これは自動車の適用には低い。そのように、 Highsmith
はニトラミノテトラゾールの金属塩の使用を強調している。
【0029】 Pooleらの米国特許No.5,386,775は、推進剤の燃焼温度を低めるためにヒ
ドラゾカルボナミドおよびアゾジカルボナミドを含有する低エネルギーの燃料の
使用を示している。しかし、Pooleは、許容できる燃焼速度を得るためには
有機酸のアルカリ金属塩を使用することが必要であると述べている。これはより
多量の固体を生成するであろう。
【0030】 Onishiらの米国特許No.5,439,251は、陽イオン性アミン、および炭素数
1−3のアルキル、塩素、ヒドロキシル、カルボキシル、メトキシ、アセト、ニ
トロ、またはテトラゾール環の5位にジアゾまたはトリアゾ基を介して置換され
た他のテトラゾリル基を有する陰イオン性テトラゾール基を含むエアバッグガス
発生剤としてテトラゾールアミン塩の使用を示している。この発明の主眼は、衝
撃と摩擦の感度に関してテトラゾール類の物性を改善することであり、従ってア
ミンまたはテトラゾールアミン非金属塩の他の化合物との組み合わせを示すもの
ではない。 Lundらの米国特許No.5,501,823は、エアバッグ膨張器の使用のための無水
非アジドテトラゾール、その誘導体、塩、コンプレックス、およびそれらの混合
物の使用を示している。ビテトラゾールのアミン塩ではないビテトラゾール−ア
ミンの使用も示されている。
【0031】 発明の概要 前記の問題は、相安定化硝酸アンモニウム、1または2以上の第1の非アジド
燃料、およびアゾジカルボナミドおよびヒドラゾジカルボナミドから選択される
1または2以上の第2の非アジド燃料を含む車両乗員拘束装置の非アジドガス発
生剤によって解決される。本発明の組成物は、より低い燃焼温度且つより大きい
燃焼速度で燃える。製造に関して、アゾジカルボナミドはPSANに基づく組成
物の流動性を改善する。さらに、それは滑沢剤ととして作用し、圧縮された錠剤
がダイ(die)から出されるとき摩擦を減少する。
【0032】 第1の非アジド燃料は、5,5′−ビテトラゾール、ジアンモニウムビテトラ
ゾール、ジグアニジニウム−5,5′−アゾテトラゾーラート(GZT)等のテ
トラゾール含有化合物、および5−ニトロテトラゾール等のニトロテトラゾール
類;ニトロアミノトリアゾール、ニトロトリアゾールおよび3−ニトロ−1,2
,4−トリアゾール−5−オン等のトリアゾール類;およびテトラゾール類およ
びトリアゾール類の塩を含有する群から選択される。
【0033】 好ましい第1の燃料は、アミンおよび、陽イオン性成分およびテトラゾールお
よび/またはトリアゾールの陰イオン性成分を含有する窒素を有するテトラゾー
ル類およびトリアゾール類の他の非金属塩からなる群から選択される。陰イオン
性成分は、テトラゾール環またはトリアゾール環、およびテトラゾール環の5位
に置換したR基、またはトリアゾール環の3位および5位に置換した2つのR基
を含む。R基を水素およびアミノ、ニトロ、ニトラミノ、テトラゾリルおよびト
リアゾリル基等の窒素含有化合物から選択する。
【0034】 陽イオン性成分は、アンモニア、アミノグアニジン、ジアミノグアニジン、ト
リアミノグアニジン、ジシアンジアミド、ニトログアニジン等のグアニジン化合
物、ウレア、カルボヒドラジド、オキサミド、オキサミド酸ヒドラジド、ビス−
(カルボナミド)アミン、アゾジカルボナミドおよびヒドラゾジカルボナミド等
の窒素置換カルボニル化合物、および3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノテトラゾール
および5−ニトラミノテトラゾール等のアミノアゾール類を含有するアミン、ア
ミノおよびアミドを含有する群の中から形成される。粘土、アルミナ、またはシ
リカ等の任意の不活性添加剤を、結合剤、スラグ形成剤、冷却剤または製造助剤
として使用してもよい。非アジド推進剤を含む任意の点火助剤もBKNO等の
通常の点火助剤の代りに利用してもよい。
【0035】 好ましい態様の詳細な説明 非アジドガス発生剤は、相安定化硝酸アンモニウム(PSAN)、1または2
以上の第1の非アジド燃料、およびアゾジカルボナミド(ADCA)およびヒド
ラゾジカルボナミド(AH)から選択される1または2以上の第2の非アジド燃
料を含む。
【0036】 1または2以上の第1の非アジドの高窒素燃料は、5−ニトロテトラゾールお
よび5,5′−ビテトラゾール等のテトラゾール類およびビテトラゾール類;ニ
トロアミノトリアゾールおよび、3−ニトロ−1,2.4−トリアゾール−5−
オン等のトリアゾール類およびニトロトリアゾール類;ニトロテトラゾール;お
よびテトラゾール類の塩およびトリアゾール類の塩を含む群から選択される。
【0037】 より具体的には、テトラゾール類の塩は特に、5,5´−ビス−1H−テトラ
ゾールのモノグアニジニウム塩(BHT・1GAD)、5,5´−ビス−1H−
テトラゾールのジグアニジニウム塩(BHT・2GAD)、5,5´−ビス−1
H−テトラゾールのモノアミノグアニジニウム塩(BHT・1AGAD)、5,
5´−ビス−1H−テトラゾールのジアミノグアニジニウム塩(BHT・2AG
AD)、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモノヒドラジニウム塩(BHT
・1HH)、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのジヒドラジニウム塩(BH
T・2HH)、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモノアンモニウム塩(B
HT・1NH)、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩(
BHT・2NH)、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモノ−3−アミノ
−1,2,4−トリアゾリウム塩(BHT・1ATAZ)、5,5´−ビス−1
H−テトラゾールのジ−3−アミノ−1,2,4−トリアゾリウム塩(BHT・
2ATAZ)、および5,5´−アゾビス−1H−テトラゾールのジグアニジニ
ウム塩(ABHT・2GAD)を含む群から選択されるテトラゾールおよびトリ
アゾールのアミン、アミノおよびアミドの非金属塩を含有する。
【0038】 トリアゾール類のアミン塩は、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾールのモノ
アンモニウム塩(NTA・1NH)、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール
のモノグアニジニウム塩(NTA・1GAD)、ジニトロビトリアゾールのジア
ンモニウム塩(DNBTR・2NH)、ジニトロビトリアゾールのジグアニジ
ニウム塩( DNBTR ・2GAD)、および3,5−ジニトロ−1,2,4−
トリアゾールのモノアンモニウム塩(DNTR・1NH)を含有する。
【化1】
【0039】 式Iに示されるテトラゾールの一般的非金属塩は、陽イオン性窒素含有成分Z
およびテトラゾール環およびテトラゾール環の5位に置換したR基を含む陰イオ
ン性成分を含む。式IIに示されるトリアゾールの一般的アミン塩は、陽イオン
性窒素含有成分Zおよびトリアゾール環を含む陰イオン性成分、およびトリアゾ
ール環の3位および5位に置換した2つのR基を含み、RはRと構造的に同
類であっても、なくてもよい。R成分は、水素、またはアミノ、ニトロ、ニトラ
ミノ、または直接置換またはアミン基、ジアゾ基またはトリアゾ基を介して置換
された、それぞれ式IまたはIIに示されるテトラゾリル基およびトリアゾリル
基等の窒素含有化合物を含む群から選択される。組成物Zは、いずれの式の1位
で置換され、且つアンモニア、カルボヒドラジド、オキサム酸ヒドラジド、およ
びヒドラジン;グアニジン、アミノグアニジン、ジアミノグアニジン、トリアミ
ノグアニジン、ジシアンジアミドおよびニトログアニジン等のグアニジン化合物
;ウレア、オキサミド、ビス(カルボナミド)アミン、アゾジカルボナミドおよ
びヒドラゾジカルボナミド等の窒素置換カルボニル化合物またはアミド類;3−
アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ニトロ−1,2,4−ト
リアゾール、5−アミノテトラゾール、3−ニトラミノ−1,2,4−トリアゾ
ール、5−ニトラミノテトラゾール、およびメラミン等のアミノアゾール類を含
むアミン、アミノおよびアミドを含む多くの群から形成される。
【0040】 本発明によれば、好ましいガス発生組成物は、ガス発生組成物の5−45重量
%、そしてより好ましくは9−27重量%からなる1または2以上の第1の非ア
ジドの高窒素燃料;ガス発生組成物の1−35重量%、そしてより好ましくは1
−15重量%からなる1または2以上の第2の非アジドの高窒素燃料;およびガ
ス発生組成物の55−85重量%、そしてより好ましくは66−78重量%から
なるPSANの混合物から生じる。テトラゾールは、より高い窒素含量とより低
い炭素含量にため、トリアゾールよりも好ましく、より高い燃焼速度とより低い
一酸化炭素となる。テトラゾールの塩は、より優れた点火安定性のため一層好ま
しい。ここに引用して含められるOnishiの米国特許No.5,439,251によって
示されるように、テトラゾールの塩は摩擦や衝撃に対してより感受性が小さく、
それによって操作安全性を高める。ビテトラゾールの非金属塩は、より優れた熱
安定性の故にテトラゾールの非金属塩よりも好ましい。また、Onishiによ
って示されるように、ビテトラゾールの非金属塩は、より高い融点とより高い発
熱ピーク温度を有し、それによってPSANと組み合わせたとき、より大きな熱
安定性を生じる。ビテトラゾールのジアンモニウム塩は、大量に製造され、且つ
適当な費用で容易に得られるので好ましい。
【0041】 技術上周知の操作によれば、前記第1および第2の非アジドの高窒素燃料をP
SANのような酸化剤と配合する。本発明のガス発生組成物の成分が組み合わさ
れ、且つ調合される方法や順序は、含有物の適当な粒子径を所望の混合物が得ら
れるように選択している限り、重大ではない。調合は、当業者によって、エネル
ギー性材料の製造の適切な安全操作、および操作中の不適切な傷害または用いら
れる成分の分解を起さないような条件下に行なわれる。例えば、材料を湿めらせ
て配合しても、乾燥配合してもよく、ボールミルまたはRed Devil タ
イプのペイント撹拌器でつぶし、次いで圧縮成形してペレット化する。材料を別
々または一緒に流体エネルギーミル、スエコ振動エネルギーミルまたはバンタム
微粉末機で粉砕し、次いで配合するか、またはさらに圧縮の前にv−ブレンダー
で配合してもよい。
【0042】 摩擦、衝撃および静電気放電により敏感な成分を有する組成物は、湿めらせて
粉砕すべきであり、次いで乾燥する。各成分の生じる細かい粒子を、次いで例え
ば、ボールミルジャー中セラミックシリンダーで転摩によって湿めらせて配合し
、次いで乾燥する。敏感性の低い成分は、乾燥粉砕し、同時に乾燥配合してもよ
い。
【0043】 相安定化硝酸アンモニウムを、“アジドの無いガス発生組成物の製造方法”と
称する共有米国特許No.5,531,941に示されるようにして製造する。過塩素酸アン
モニウム等の他の非金属無機酸化剤、または上記の燃料と組み合わせ、そして燃
焼すると、できる限り少ない固体を生成する酸化剤はまた使用してもよい。燃料
に対する酸化剤の比は好ましくは、平衡排気ガス中に許容される酸素の量が3重
量%よりも低く、より好ましくは2重量%よりも低くいか、または同じに調節さ
れる。酸化剤はガス発生組成物の55−85重量%を含む。
【0044】 本発明のガス発生剤構成成分は商業的に入手できる。例えば、テトラゾールの
アミン塩は東洋化成(Toyo Kasei)工業株式会社(日本)から購入できる。第2
の燃料として、アゾカルボナミドおよびヒドラゾジカルボナミドは、例えば日本
の日本カーバイド、またはミルウオーキー、ウイスコンシンのAldrich Chemical
会社から得られる。ここに記載されたようなPSANを合成するために使用され
る成分は、FisherまたはAldrichから購入できる。トリアゾール塩は、Leeら
による米国特許No.4,236,014;H. H. Licht, H. Ritter and B. Wanders, Postf
ach 1260, D-79574 Weil am Rheinによる“新爆薬:ニトロトリアゾール合成と
爆発性”;およびOu Yuxiang, Chen Boren, Li Jiarong, Dong Shuan, Li Jianj
un, and Jia Huiping, Heterocycles, Vol. 38, No. 7, pps. 1651-1664, 1994
による“ニトロトリアゾールのニトロ誘導体の合成”中で記載されたような手法
によって合成してもよい。これらの参照文献の教えを参照してここに含める。本
発明による他の化合物は、ここに含められた参照文献に教えられるようにして、
または当業者に周知の他の資料から得ることができる。
【0045】 ガス発生組成物の0−10重量%の任意の燃焼速度修飾剤を、テトラゾールま
たはトリアゾールのアルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属の塩:ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の硝酸塩または亜硝酸塩;TAGN;ジシア
ンジアミド、およびシアンジアミドのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
;アルカリ金属またはアルカリ土類金属のボロヒドリド;またはそれらの混合物
を含む群から選択される。0−10重量%の任意の組み合わせのスラグ形成剤と
冷却剤は、粘土、シリカ、ガラス、およびアルミナ、またはそれらの混合物を含
む群から選択される。記載された任意の添加剤または当業者に知られているもの
を組み合わせるとき、許容できる熱安定性、燃焼速度、および発射性に関して添
加剤を合わせる注意をしなければならない。
【0046】 本発明によれば、重量操作によって決定されたPSAN,1または2以上の第
1の非アジドの高窒素燃料、および1または2以上の第2の非アジドの高窒素燃
料の組み合わせは、全生成物質量の90%以上の有益なガス生成物、および全生
成物質量の10%以下の固体生成物を与える。本発明を実施するのに適当な燃料
は、窒素含有量が高く、そして炭素含有量が低く、それによって高い燃焼速度と
一酸化炭素のできるだけ少ない発生を与える。
【0047】 燃料と組み合わせたときできるだけ少ない固体を生成する酸化剤と組み合わせ
た高窒素燃料の相乗効果は、いくつかの長く待たれた効果を生じる。ガス発生剤
の質量単位あたりの増大するガス生成は、より小さな化学的チャージの使用とな
る。減少された固体の生成は、少なくされた濾過の必要性、および従ってより少
ない濾過となる。一緒にして、より小さな化学的チャージおよびより少ない濾過
が、それによってより小さなガス膨張システムを促進する。さらに、本発明のガ
ス発生組成物は、乗員拘束システム内の使用に対する性能基準に合い且つ超える
燃焼速度と点火性を有し、それによって性能変動を減じる。
【0048】 さらに、本発明の組成物は、正常な状態では、爆発性でもなければ、燃焼性で
もなく、無害な化学品として輸送できる。 本ガス発生組成物はまた、生成の負のエンタルピーの故に、燃焼温度を下げる
ことが見い出された。組成物は***の際熱を吸収するので、濾過における冷却の
必要度を減じることができる。表1は本発明のいくつかの組成物をPSANを含
有する他の組成物と比較している。示されるように、PSANを含有する組成物
は典型的には、高い燃焼温度を有する。米国特許No.5,386,775(参照してここに
含める)中のPooleによれば、ガス発生組成物の燃焼速度は燃焼温度が減少
するにしたがって、減じられる。しかし、例2および3に示されるように、本発
明の第2および第1の燃料をPSANと組み合わせると(PSAN10=KNの
10重量%、そしてPSAN15=KNの15重量%)、燃焼速度はやはり、通
常の判断であるが、0.40インチ/秒よりも大きい。
【表1】 表1
【表2】 表2
【0049】 乗員の傷害を防ぐために、膨張器はバッグ膨らみの最初のステージの間ガスを
ゆっくり発生することが最も望ましい。最初のゆっくりな開始後、膨張器は次い
で、適切な乗員拘束を与えるためエアーバッグを急速且つ完全に充たさねばなら
ない。実際、ゆっくりな開始を高いガス放出と組み合わせることはどうみても難
しい。1つの知られた方法は単一の膨張器内に2室システムを組み合わせている
。共有且つ同時係属出願番号08/851,503に示されるように、PSANをベースに
する処方物へニトログアニジン(NQ)の添加が上記のような発射カーブの調整
を与える。しかし、ニトログアニジンをベースにするPSAN 組成物は図1に
示されるように余りにも早く燃えつきる傾向にある。図1は、60L試験タンク
の時間に対する最大タンク圧カーブを示している。図1および表2に示されるよ
うに、本発明(例6によって例証される)は、全体のガス放出に有意な変化はな
いものの、ゆっくりな開始、ゆるやかなスロープ、および延長された燃焼終了を
示している。
【表3】 表3
【0050】 多くの推進剤は、式Rb=aPn、式中Rb は線形の燃焼速度、Pは圧力、そしてaお
よびnは定数である。定数n は圧力指数として知られ、圧力による推進剤の燃焼
速度の依存度を表わす。米国特許No.5,074,938(参照してここに含める)中のC
hiによって記載されたように、圧力指数はできるだけゼロに近くあるべきであ
る。n が増加すると、圧力のほんの少しの変化が燃焼速度の大きな変化となる。
これは高い性能または発射変動、または過剰な圧力となる。従って、自動車のエ
アーバッグ適用には、約0.3またはそれより小さな圧力指数が膨張器の運転圧
として望ましい。多くの燃焼速度が100psi(6.9Mpa)で報告されて
いるが、多くの膨張器の実際の運転圧は2200psiを超える。表3および図
2に示されるように、本発明(例6によって例証される)の組成物は、上昇した
圧力で0.30以下の圧力指数を示す。
【0051】 他の利点は、本組成物の化学成分の非爆発性と入手の可能であることを含む。
さらに、ADCAの使用がPSANをベースにする組成物の流動性を改善するこ
とが予期せずして見い出された。さらに、ADCAは、滑沢剤として機能し、圧
縮錠剤が製造プロセスの間ダイから出されるとき摩擦を減じる。 本発明を、以下の例のよって説明する。全ての組成物は重量%で与えられる。
【0052】 例1−比較例 硝酸アンモニウム(AN)、硝酸カリウム(KN)、および硝酸グアニジン(GN)
の混合物がつくられ、NH4NO3 45.35%、KN 8.0%およびGN 46.65%を有した。硝酸
アンモニウムは、70−90℃でKNと共沈殿することによって相安定化された。 混合物を乾燥配合し、ボールミル中で粉砕した。その後、乾燥配合した混合物
をペレットに圧縮成形した。組成物の燃焼速度を、一定圧力で知られた長さの円
筒状ペレットを燃焼するのに要する時間を測定することによって決定した。平方
インチあたり(psi)1000ポンドでの燃焼速度は、0.257インチ/秒
(in/sec)であった;1500psiでの燃焼速度は、0.257in/
secであった。対応する圧力指数は0.702であった。
【0053】 例2−比較例 NH4NO3 52.20%、KN 9.21%、GN 28.59%および5−アミノテトラゾール(5AT) 1
0.0%の混合物をつくり、例1に記載されたように試験した。1000psiでの
燃焼速度は、0.391in/secで、1500psiでの燃焼速度は、0.
515in/secであった。対応する圧力指数は0.677であった。
【0054】 例3−比較例 表4は、典型的な非アジド燃料をPSANと組み合わせたときの、熱不安定性の問
題を説明している:
【表4】 表4: PSAN−非アジド燃料混合物の熱安定性 この例で、“分解した”は与えられた処方物のペレットが、脱色し、膨張し、
砕け、および/またはくっつき(融解を示す)、それらをエアーバッグ膨張器に
おける使用には不適当にしたことを意味する。一般に、115℃よりも低い融点
をもついあかなるPSAN−非アジド燃料混合物も107℃で保つと分解するであろ
う。示されるように、周知の非アジド燃料およびPSANを含む多くの組成物は、乏
しい熱安定性の故に、膨張器内での使用に適さない。
【0055】 例4−比較例 NH4NO3 56.30%、KN 9.94%、GN 17.76%および5AT 16.0%の混合物をつくり、例
1に記載されたように試験した。1000psiでの燃焼速度は、0.473i
n/secで、1500psiでの燃焼速度は、0.584in/secであっ
た。対応する圧力指数は0.518であった。燃焼速度は許容できるが、GN、5-
ATおよびPSANを含む組成物は、表4、例3に示されるように熱的に安定ではない
。 例5−7には、相安定化硝酸アンモニウムがKN10.0%(PSAN10)を含有し、80
℃で飽和溶液から共結晶化によって製造された。5,5′−ビス−1H−テトラ
ゾールの二アンモニウム塩(BHT-2NH3)、ヒドラゾジカルボナミド(AH)、および
アゾジカルボナミド(ADCA)を外部の供給者から購入した。
【0056】 例5 PSAN10 76.52%、BHT-2NH3 13.48%、およびAH 10.00%を含有する組成物が製造
された。各材料を105℃で別々に乾燥した。乾燥された材料を次いで、一緒に
混合し、モーターまたは乳棒で均一な粉末に粉砕した。混合物を示差走査熱量計
(DSC)を使用して試験し、約156℃で融けることを見い出した。組成物は
また、熱重量分析計(TGA)を使用して試験し、91.8%のガス変換と約1
85℃まで質量のロスがないことを見い出した。DSCおよびTGAの結果は、
高い熱安定性とこの組成物の高いガス収率を示している。
【0057】 例6 PSAN10 70.46%、BHT-2NH3 16.54%、およびADCA 13.00%を含有する組成物が製
造された。各材料を105℃で別々に乾燥した。乾燥された材料は次いで、一緒
に混合され、大きなボールミルジャー中アルミナシリンダーで転摩された。アル
ミナシリンダーを離した後、最終物は1500グラムの均一で且つ粉砕された粉
末となった。粉末は、流動性を改善するために顆粒にされ、次いで高速錠剤プレ
スでペレット(径0.184″、厚さ0.090″)に圧縮成形された。 組成物は、DSCを使用して試験され、約155℃で融けることを見い出され
た。組成物はまた、TGAを使用して試験され、91.8%のガス変換と約17
0℃まで質量のロスがないことを見い出された。DSCおよびTGAの結果は、
高い熱安定性とこの組成物の高いガス収率を示している。
【0058】 組成物は、1000psiで0.45インチ/秒(ips)の燃焼速度をもつ
。図2に示されるように、燃焼速度は、0psiから約2200psiまで式Rb =0.00143P0.834、および約2200psiから約5000psiまでRb=0. 163P0.213 に従う。燃焼速度データは、第1および第2両方の燃料をPSANと一緒に使
用する組成物は所望の燃焼速度(1000psiで0.40ipsより大きく)
および圧力指数(約2200−5000psiで0.30より小さい)の両方を
有する。 高速プレスで形成された錠剤を膨張器にのせて、60Lタンク内で点火した。
発射性能は、許容できるガス放出および低い開始とスロープを伴う燃焼終了時間
を示した。
【0059】 例7−比較例 PSAN10 66.34%およびADCA 33.66%を含有する組成物が製造された。各材料を1
05℃で別々に乾燥した。乾燥された材料は次いで、一緒に混合され、小さなボ
ールミルジャー中アルミナシリンダーで転摩された。アルミナシリンダーを離し
た後、最終物は75グラムの均一で且つ粉砕された粉末となった。 混合物はDSCを使用して試験され、約155℃で融けることを見い出された
。組成物はまた、TGAを使用して試験され、93.5%のガス変換と約164
℃まで質量のロスがないことを見い出された。DSCおよびTGAの結果は、高
い熱安定性とこの組成物の高いガス収率を示している。
【0060】 組成物は、1000psiで0.31インチ/秒(ips)の燃焼速度をもつ
。図3に示されるように、燃焼速度は、0−500psi全体で式Rb=0.00770P0 .535 に従う。燃焼速度データは、PSANと第2の燃料だけを一緒に使用する組成物
は不十分な燃焼速度(1000psiで0.40ipsより小さい)、および所
望の運転圧力に亘って過剰な圧力指数(約2200−5000psiで0.30
より大きい)を示す。 本発明の組成物は非水和形態で記載されているが、ここで示したことは水和形
態を含むものと理解されよう。 前記例は、本発明の使用を説明し且つ記載しているが、それらは本発明をここ
のいくつかの好ましい態様において開示されたものに限定するものではない。従
って、上記に示したことおよび関連技術の熟練および/または知識と同等な変形
または修飾は、本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物を米国出願番号08/851,503のそれと比較する60L
タンク試験の結果を表わす。
【図2】例6に関連する燃焼速度データを表わす。
【図3】例7に関連する燃焼速度データを表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C06B 31/32 C06B 31/32 43/00 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,K R Fターム(参考) 3D054 DD21 DD40 4G068 DA08 DB12 DC02 DC05 DD15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエアバッグ拘束システムを膨張させるために有用な
    ガス発生組成物であって、 トリアゾールの1−、3−、および5−置換アミン塩、およびテトラゾールの
    1−および5−置換アミン塩からなるクラスから選択される高窒素非アジド燃料
    ; ヒドラゾジカルボナミドおよびアゾジカルボナミドからなる群から選択される
    第2の燃料;および相安定化硝酸アンモニウム の混合物を含む、前記組成物。
  2. 【請求項2】 高窒素非アジド燃料の、ガス発生組成物中における濃度が5
    −45重量%であり、第2の燃料のガス発生組成物中における濃度が1−35重
    量%であり、そして相安定化硝酸アンモニウムのガス発生組成物中における濃度
    が55−85重量%である、請求項1に記載のガス発生組成物。
  3. 【請求項3】 粘土、珪藻土、アルミナ、およびシリカを含む群から選択さ
    れた、不活性な組み合わせのスラグ形成剤、結合剤、製造助剤、および冷却剤を
    さらに含む請求項2に記載のガス発生組成物であって、該スラグ形成剤のガス発
    生剤中における濃度が0.1−10重量%である、前記組成物。
  4. 【請求項4】 トリアゾールの1−、3−、および5−置換アミン塩、およ
    びテトラゾールの1−および5−置換アミン塩からなるクラスから選択される高
    窒素非アジド燃料であって、ガス発生組成物中における濃度が5−45重量%で
    ある、該燃料; ヒドラゾジカルボナミドおよびアゾジカルボナミドからなる群から選択される
    第2の燃料であって、1−35重量%の濃度である、該第2の燃料;および 相安定化硝酸アンモニウムからなる酸化剤であって、ガス発生組成物中におけ
    る濃度が55−85重量%である、該酸化剤 の混合物を含む自動車のエアバッグ拘束システムを膨張させるために有用なガス
    発生組成物であって、 上記燃料が5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモノグアニジニウム塩、5,
    5´−ビス−1H−テトラゾールのジグアニジニウム塩、5,5´−ビス−1H
    −テトラゾールのモノアミノグアニジニウム塩、5,5´−ビス−1H−テトラ
    ゾールのジアミノグアニジニウム塩、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモ
    ノヒドラジニウム塩、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのジヒドラジニウム
    塩、5,5´−ビス−1H−テトラゾールのモノアンモニウム塩、5,5´−ビ
    ス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩、5,5´−ビス−1H−テトラゾ
    ールのモノ−3−アミノ−1,2,4−トリアゾリウム塩、5,5´−ビス−1
    H−テトラゾールのジ−3−アミノ−1,2,4−トリアゾリウム塩 、5,5
    ´−アゾビス−1H−テトラゾールのジグアニジニウム塩、および5−ニトラミ
    ノ−1H−テトラゾールのモノアンモニウム塩からなる群から選択される、前記
    組成物。
  5. 【請求項5】 自動車のエアバッグ拘束システムを膨張させるために有用な
    ガス発生組成物であって、 テトラゾール、トリアゾール、テトラゾールの塩、およびトリアゾールの塩か
    らなる群から選択される高窒素非アジド燃料; ヒドラゾジカルボナミドおよびアゾジカルボナミドからなる群から選択される
    第2の燃料;および ガス発生組成物中における濃度が55−85重量%である相安定化硝酸アンモ
    ニウム の混合物を含む、前記組成物。
  6. 【請求項6】 高窒素非アジド燃料が、ニトロテトラゾールおよびニトロト
    リアゾールからなる群から選択される、請求項5の組成物。
  7. 【請求項7】 高窒素非アジド燃料が、5−ニトロテトラゾール、ニトロア
    ミノトリアゾール、および3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−5−オンか
    らなる群から選択される、請求項6の組成物。
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