JP2003524646A - 医薬エアゾール製剤 - Google Patents

医薬エアゾール製剤

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JP2003524646A
JP2003524646A JP2001559515A JP2001559515A JP2003524646A JP 2003524646 A JP2003524646 A JP 2003524646A JP 2001559515 A JP2001559515 A JP 2001559515A JP 2001559515 A JP2001559515 A JP 2001559515A JP 2003524646 A JP2003524646 A JP 2003524646A
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エル アジェイ,アクウィート
ズ,ヤピン
ズィー サン,ジョン
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エアロファーム テクノロジー インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 医薬製剤が開示されている。本製剤は:治療的効果量のタンパク質またはペプチド薬剤、1キロダルトンから約150キロダルトンの分子サイズを有する前記薬剤を包含するための流体、すなわち前記薬剤を包含するための流動担体、およびアミノ酸、その誘導体、またはそれらの混合物から選択される安定化剤を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年1月25日出願の米国仮特許出願第60/177,987号に基づ
く優先権を主張する。
【0002】発明の背景 発明の分野 本発明は、医薬エアゾール製剤、より詳細には、保護コロイド安定化剤を含む
医薬エアゾール製剤に関する。
【0003】関連技術 吸入による肺への薬剤の輸送は、嚢胞性線維症、気管支喘息、および慢性閉塞
性肺疾患のような一般的な局所的症状、ならびに疼痛処理、免疫不全症、ホルモ
ン治療、赤血球生成、糖尿病等を含むいくつかの全身的症状を含む、様々な症状
を治療するための重要な手段である。ステロイド、β2アゴニスト、抗コリン作
用薬、タンパク質、およびポリペプチドが、そのような目的で肺に投与される薬
剤に含まれる。そのような薬剤は、通常、吸入に適したサイズ(直径約10μm未
満)の粒子から成るエアゾールの形態で肺に投与される。エアゾ−ル中の適切な
粒子サイズを確保するため、吸入に適したサイズで粒子を調製し、その後、加圧
定量吸入器(MDI)の場合における高圧ガス、あるいは乾燥粉末吸入器(DP
I)の場合における空気の何れかを含むコロイド分散中に加えて差し支えない。
あるいは、製剤中における適切な粒子サイズに関する心配を避けるため、溶液ま
たはエマルジョンの形態に製剤を調製しても差し支えない。しかしながら、溶液
製剤は、吸入に適したサイズの粒子または滴を作成するように分配されなければ
ならない。
【0004】 MDI調製物に関して、一旦調製したエアゾール製剤を定量噴霧バルブ付きエ
アゾール密閉容器に詰める。患者の掌中で、バルブから患者へ分量を導くように
合わせた駆動部を介して製剤が分配される。
【0005】 定量噴霧バルブから放出される輸送分量が再現可能であるように、エアゾール
製剤が安定であることが重要である。攪拌後の迅速なクリーミング、沈降、また
は凝集が、懸濁製剤において分量の再現が不可能であることの一般的な原因であ
る。薬剤、および例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタンのような高圧ガスのみを
含むニ種混合エアゾール製剤を用いる場合、または微量の界面活性剤がさらに含
まれるそのような製剤を用いる場合に、特にそうである。バルブが固着してしま
うことも分量の再現が不可能であることの原因と成り得る。そのような問題を克
服するため、MDIエアゾール製剤は、しばしば、再現可能な分配をもたらすの
に十分な時間、懸濁液を安定化させるために懸濁化剤として働く界面活性剤を含
む。ある界面活性剤は、円滑な作動を確実にするために、バルブを円滑にする潤
滑剤としても機能する。エアゾール製剤における分散剤として用いるための無数
の物質が公知でありかつ開示されている。しかしながら、物質の適合性は、その
製剤において用いられている特定の薬剤および高圧ガスまたは高圧ガスの種類に
依存する。
【0006】 十分な量の従来の界面活性剤をHFC-134aおよびHFC-227のようなヒドロフルオ
ロカーボン(HFC)高圧ガス中に溶解させるのは困難な場合がある。その問題を克
服するため、米国特許第5,225,183号に記載のように、エタノールのような共溶
媒(cosolvent)が用いられてきた。共溶媒の使用を避ける別の試みは、ヒドロキ
シフルオロカーボン高圧ガスに溶けやすくまたは均一に分散可能であり、かつエ
アゾール製剤における効果的な界面活性剤または分散剤であると言われているよ
うな物質を含む。そのような物質として、特定のフッ素化界面活性剤および特定
のポリエトキシ界面活性剤(polyethoxysurfactant)が挙げられる。
【0007】 相対的に小さな分子は、高分子よりも、エアゾール製剤の特性に関して、かな
り予測可能である。例えば約1キロダルトンから約150キロダルトンの分子サ
イズを有するペプチドまたはタンパク質のような高分子は、非常に予測が困難で
あり、安定なエアゾール製剤を形成しかつ再現可能な分量をもたらすのに独自の
問題を示す。
【0008】 例えばインシュリン、アミリン等のホルモン、酵素、抗感染薬のような、殆ど
のペプチドおよびタンパク質薬剤は、そのアミノ酸組成および三次元構造におい
て非常に可変的である。結果的に、その表面活性は非常に可変的であり、重要な
こととして、例えば分子量、吸着力、溶解性、分配係数、および等電点のような
その殆どの基本的および構造的特性に基づくタンパク質の表面活性の違いを説明
するのに利用できるモデルはまだ無い。例えば、ヘモグロビンはアルブミンより
も固体表面により高い親和性を有するが、それら2つのタンパク質の分子量は非
常に類似する。基本的には、ペプチドおよびタンパク質の表面活性の相違は、各
タイプのタンパク質を独自に特徴付けるアミノ酸の一次配列に由来する。いくつ
かのアミノ酸側鎖は任意のpHにおいて電荷を持たないがかなりの極性の特徴を
示す(セリン、トレオニン)点で、アミノ酸側鎖はしばしば劇的に変化する。他
のアミノ酸はイオン性であり、かなり酸性の官能基(アスパラギン酸、グルタミ
ン酸は生理的pH(7.4)で完全に負に荷電している)から、例えばヒスチジン(
pH 7.4で部分的に正に荷電している)のイミダゾール基のような塩基性官能基
、さらにはpH 7.4で完全に正に荷電しているリジンおよびアルギニンのより塩
基性のアミノ基まで変化する。多少炭化水素様の特徴を有する別の群のアミノ酸
(トリプトファン、フェニルアラニン、イソロイシン等)は、概して、生物系で
認められる多くの他のアミノ酸よりも、水中においてより低い溶解性を示すと思
われる。それら水を嫌うアミノ酸の疎水性が、タンパク質におけるその特異的構
造によってかなり変化することは注目に値する。例えば、アラニンの単一のメチ
ル基側鎖は、水から有機相に移行する自由エネルギーに対して、たった0.5kcal/
mole寄与するのみであるが、一方、トリプトファンの二環式インドール基は3.4k
cal寄与する。アミノ酸側鎖の相違は、溶液中および表面において生じる多くの
異なるタイプの化学的相互作用と共に、エアゾール製剤の安定性、ならびにそれ
らペプチドおよびタンパク質生物薬剤(biotherapeutic agents)の生体膜を介し
た輸送にかなりの影響を有することが予測される。
【0009】 アミノ酸側鎖の様々な特徴は、各々の特定タンパク質中の様々なアミノ酸の組
合せの複雑さと共に、タンパク質の生理化学的特性、それら分子間ならびに分子
内の反応性、および表面と相互作用する能力がかなり変化することを意味する。
その大きなサイズのため、ならびに多数の荷電アミノ酸側鎖のため、タンパク質
はその外面に亘り分布する多くの電荷を有する。このことは、エアゾール製剤の
安定性およびそれら化合物の肺での取り込みに非常に大きな変化をもたらすであ
ろう。ペプチドおよびタンパク質薬剤は、通常、多数のイオン化部位を有してお
り、従って、それら製剤はpH依存的溶解プロフィールを示す。重要なこととし
て、それら化合物の親水性の性質は、高い水溶性のための優れた条件を提供する
。結果的に、殆どのペプチドおよびタンパク質薬剤は、かなり低い脂質溶解特性
を示し、それは、おそらく、それら薬剤のヒドロフルオロカーボン高圧ガスへの
分散が、広範囲の条件に亘り物理的および化学的に安定であることの1つの理由
であろう。エアゾール製剤は、担体または製剤媒体中にペプチドおよびタンパク
質薬剤を含み、媒体内においてそれら薬剤が実質的に不溶であることが、水溶液
において通常一般的である加水分解的および化学的な非活性化を減らすのに必要
である。
【0010】 大きな表面積、吸収性担体、および広範囲の脈管構造は、肺経路で輸送された
場合にタンパク質およびペプチドのために好ましい吸収環境を構成する。研究は
、ペプチドの気管内(i.t.)投与は迅速でありかつ定量化可能であるが;得られる
分布は中央気道に局在化されることが多いことを示している。例えば粒子サイズ
分布に依存するエアゾールによる投与を用いて、より多くの肺胞進入を有するよ
り均一な分布をもたらすことができる。気道からの薬剤吸収は、沈着部位、薬剤
輸送の方法、溶質提供のタイプ(type of solute presentation)、および製剤の
組成に基づく。従って、製剤および装置の特徴は、肺からのペプチド吸収の速度
および程度に劇的な影響を及ぼすであろう。研究は、低分子量化合物のエアゾー
ル輸送の後の吸収速度は、i.t.輸送の場合での速度のほぼ2倍になることを示し
ている。多用量吸入装置(pMDI)を介して、疎水性分散としてペプチドおよび
タンパク質を提供して、抹消の肺への薬剤粒子のより多くの進入をもたらし、肺
において、水溶液の点滴注入法を用いた場合のように薬剤が中心に沈着した場合
よりも顕著に吸収が多いことが望ましい。
【0011】 インシュリンが肺から血流に吸収され得るという事実が多くの科学者によって
証明されている。1990年のレビュー論文[Lung, supplement pp. 677-684]は
、複数の研究から、肺に輸送されたエアゾール化インシュリンは15−25分の
半減期を有するが、結果がかなり変動することを示した。包括的な研究は、中央
気道に点滴された液体インシュリンの場合には5.6%の生体利用率であるのに対
して、ウサギの肺に末梢投与されたエアゾール化インシュリンは50.7%を超える
生体利用率をもたらすことを示した。従って、それら研究は、最大の効率をもた
らすために、エアゾール化インシュリンを肺に末梢的に輸送させる必要があり、
さらに、吸入エアゾール化インシュリンの不慮の中央沈着が、望ましい効果より
も10倍低い効果をもたらすであろうという議論を支持する。そのような10倍
の服用における変化は、エアゾール化インシュリンが糖尿病を治療する有効な手
段となるべき場合には、明らかに許容できない。従って、人間の患者にインシュ
リンをエアゾール投与するのに必要な容認を達成するために、効果的で非常に精
密なエアゾール装置が必要とされている。糖尿病管理においてエアゾール化イン
シュリンを用いるための上記の概念は、今まで、皮下注射(s.c.)によって投与す
る必要があった、血漿グルコース濃度の調節におけるインシュリンのパートナー
ホルモンであるアミリンおよびグルカゴンにも適用される。
【0012】 ペプチドおよびタンパク質薬剤の乾燥粉末による提供は、例えばpMDIsお
よび霧状溶液のような液体による提供では生じないような、製剤におけるの独自
の利点を有する。改善された固体状態の安定性のため、ペプチドおよびタンパク
質薬剤の乾燥粉末エアゾールは、溶液および液体状態の望ましくない相互作用効
果の多くが回避されるため、製剤化の観点から魅力的である。これに関して、Ru
bsamen らの米国特許第5,672,581号、およびPattonらの米国特許第5,775,320号
を参照する。
【0013】 RubsamenおよびPattonの試みの両方が治療的に実現可能であるが、その複雑さ
および推定される固有の費用のせいで、糖尿病のような慢性疾患の取り扱いにそ
の適用が限定される。従って、必要とする患者に日常的に低血糖をもたらすのに
携帯用電子ネブライザーのような高価で複雑な装置を用いることは問題である。
さらに、肺を介して体に低血糖薬を輸送させるのに、大きく、嵩張り、清潔にす
るのが困難である、Patton装置のような乾燥粉末エアゾール装置を用いることも
問題である。従って、ペプチドまたはタンパク質薬剤を乾燥粉末吸入エアゾール
(DPI)として製剤化する際の最初の目的は、薬剤、および場合によっては、
添加した賦形剤が、化学的および物理的に安定でかつその薬剤粒子が肺胞または
他の吸収部位に到達するまで懸濁し続けることが可能であるエアロコロイド(aer
ocolloid)を形成することである。一旦吸収部位に到達すると、薬剤粒子は沈着
部位に効率的に捕獲され、上皮内液(epithelial lining fluids)中に迅速に溶解
し、さらに生体膜を超えて吸収され、従って、気道における代謝酵素による潜在
的な非活性化が制限される。
【0014】 スプレー乾燥は、薬剤の製剤化のために薬剤粒子を調製するのに用いられる工
程である。スプレー乾燥は、溶液または懸濁液を均一な粉末に変換させる単一の
工程を構成する。通常、スプレー乾燥は球状粒子を形成し、その粒子は中空であ
ることが多く、従って、開始材料と比較して低い嵩密度を有する粉末をもたらす
。スプレー乾燥された材料の粉末特性(すなわち、粒子サイズ分布、嵩密度、空
隙率、含水率、分散率等)は、通常多くの観点において良好であるが、その方法
によって製造された粒子は悪い流動特性を示す。さらには、その工程は、粒子形
成の間加熱することを必要とするため、スプレー乾燥は、例えばペプチドおよび
タンパク質薬剤のような熱感受性化合物にあまり望ましくない。従って、ほとん
どの乾燥粉末エアゾールが、用量輸送の正確さが患者に問題となる程、装置のハ
ードウェアを介した付着および低い流動性を示すことは問題である。
【0015】 乾燥粉末エアゾールとしてのペプチドおよびタンパク質製剤に関連する別の問
題は、エアゾール化の間に塊が壊れて、気道に入る前に個々の粒子が遊離される
ように、塊として材料を装置に詰めることである。ミクロンまたはサブミクロン
サイズの粒子の強い塊の調製は、高分子結合剤を用いて、または高分子結合剤無
しに、従来の造粒技術によって達成することができるかなり簡単な仕事である。
しかしながら、気道に入る際に塊が最初の粒子に壊れる必要性は、粒子間力が大
き過ぎて、容易かつ効率的で、さらに迅速な非凝集化が不可能であるため、おそ
らく、造粒のための簡単な従来のアプローチを妨げるであろう。2つの異なる粒
子間の全接着力または2つの類似粒子間の全凝集力は、1つ以上の引力の合計か
ら構成されると考えることができる。それら力の多くは、製剤における乾燥粉末
および賦形剤粒子間の接着単位の形成を担うことが知られている。従って、粒子
間力の任意の操作の目的は、流れ、保存、および輸送装置への詰め込みに耐える
のに十分強いが、吸気の流れの中で剪断応力によって迅速かつ完全に非凝集化さ
れ得る、約50から200μmの間の塊を形成することであろう。ペプチドおよ
びタンパク質エアゾ−ル製剤におけるかなり一般的であるその課題は、薬剤が不
溶性であり、コロイド分散として提供され、さらに自己結合に対して立体的に防
御される液体製剤では完全に回避され得る。従って、気道にエアゾール噴霧する
と、個々の粒子に迅速かつ容易に壊れる、ヒドロフルオロカーボンのような非水
性媒体中において緩く凝集したコロイドとして、ペプチドおよびタンパク質薬剤
を製剤化するのが望ましい。さらには、薬剤粒子が永久的にランダムな動きをし
て、従って個々の薬剤粒子の凝集形成を排除する製剤系においてペプチドおよび
タンパク質薬剤を提供するのが望ましい。
【0016】 他の注射不可能な糖尿病薬が提案されており、あるものは、界面活性剤および
他の膜浸透剤とともに製剤化された場合に、インシュリンの経鼻投与に続いて生
物療法反応をもたらすことが示されている(Moses et al., Diabetes, Vol. 32,
November 1983; Salzman et al., New England Journal of Medicine, Vol. 312
, No.17)。被験者間の顕著な可変性、およびさまざまな程度の鼻腔膜の刺激が観
察された。糖尿病は、インシュリンの投与によって継続的に治療する必要がある
慢性疾患であり、さらに、膜浸透促進剤に繰り返し曝されると粘膜刺激が高まる
傾向があるため、非侵襲的に経鼻投与されるインシュリンを開発する試みは商品
化されていない。従って、MDIsのような肺を介したペプチドおよびタンパク
質薬剤の、安全で、再現可能で、効率的な非侵襲的輸送手段が望ましくかつ要求
されている。
【0017】発明の概要 驚くことに、例えばエタノールのような共溶媒、または低分子薬剤の二種混合
エアゾール製剤に添加されるソルビタントリオレイン酸エステルのような界面活
性剤の何れも用いることなく、高分子薬剤の新規かつ安定な医薬エアゾール製剤
を得ることができることを発見した。保護コロイド安定化剤の使用によって、安
定な医薬エアゾール製剤が得られる。
【0018】発明の詳細な説明 本出願は、1998年9月22日出願の米国特許出願第09/158,369号(参照に
よってこの中にその全てが組み込まれる)を参照する。
【0019】 本発明は、(1)粒子状高分子薬剤または薬物、(2)適切な高圧ガス、およ
び(3)適切な安定化剤を含む加圧輸送に適した安定な懸濁エアゾール製剤に関
する。
【0020】 適切な高分子薬剤は、経口および経鼻吸入療法に用いられる、吸入による投与
に適したものである。例えば空気、炭化水素ガス、クロロフルオロカーボン(C
FC)高圧ガス、または例えばテトラフルオロエタン(HPA-134a)およびヘプタフ
ルオロプロパン(HFA-227)のような非CFC高圧ガス等の流体中における薬剤の
安定なコロイド分散が記載されている。
【0021】 薬剤粒子間の接着結合力の損失の引き金となる非活性製剤成分として、例えば
アミノ酸および低分子ペプチドのような多イオン種の安定化剤が用いられる。従
って、所定の薬剤のエレクトレットまたは立体的に安定化されたエアロコロイド
粒子が形成される。エレクトレットは、永久磁石の静電等価物(electrostatic e
quivalent)であるが、例えば空気中、または気道の周囲湿度条件において存在す
るような、水分の存在下において壊れやすい。従って、本発明は、乾燥粉末エア
ゾール、携帯ネブライザーシステム、ならびに加圧定量吸入器に適用される。
【0022】 得られたエアロコロイドは化学的および物理的に安定であり、所定の薬剤粒子
が肺胞、または例えば治療されるヒトまたは動物等の患者の気道における他の吸
収部位に到達するまで懸濁し続けることができる。一旦吸収部位に到達すると、
周囲の水分によって薬剤粒子は効率的に沈着部位に捕獲され、上皮内液に迅速に
溶解し、さらに患者の生体膜を越えて迅速に吸収され、従って、気道における代
謝酵素による潜在的非活性化が制限される。
【0023】 本発明に適切な薬剤は、例えばヒトまたは動物等の患者に輸送するのに適した
安定な疎水性分散を形成する薬剤である。通常、そのような薬剤として、0.5
キロダルトンから150キロダルトンの分子量を有するペプチド、ポリペプチド
、またはタンパク質生物薬剤が挙げられる。詳細には、ペプチド、ポリペプチド
、またはタンパク質生物薬剤として、糖尿病援助物質(diabetic aid);インシュ
リンおよびインシュリン類似物;アミリン;グルカゴン;界面活性剤;例えば、
インターロイキン−1、インターロイキン−2のようなインターロイキン、およ
びインターフェロン等のサイトカイン、ケモカイン、リンホカインのような免疫
調整ペプチド;タキソール;エリスロポエチン;血栓溶解剤およびヘパリン;抗
プロテアーゼ、抗トリプシン、およびアミロイド;rhDNase;抗生物質および他
の抗感染薬;例えば副甲状腺ホルモン、LH-RH、およびGnRH類似物等のホルモン
および増殖因子;核酸;DDAVP;カルシトニン;シクロスポリン;リバビリン;
酵素;ヘパリン;造血因子;シクロスポリン;ワクチン;免疫グロブリン;血管
作用ペプチド;アンチセンス薬剤;遺伝子、オリゴヌクレオチド、およびヌクレ
オチド類似物等が挙げられる。
【0024】 糖尿病援助物質の用語は、天然の、合成の、反合成の、および組換えの、例え
ばアクチビン、グルカゴン、インシュリン、ソマトスタチン、プロインシュリン
、アミリン等の薬剤を含む。
【0025】 「インシュリン」の用語は、天然の抽出ヒトインシュリン、組換えヒトインシ
ュリン、ウシおよび/またはブタから抽出されたインシュリン、組換えブタおよ
びウシインシュリン、ならびにそれら任意のインシュリン製品の混合物を含むと
解釈される。その用語は、通常、実質的に精製された形態で糖尿病の治療に用い
られるポリペプチドを含むが、追加の賦形剤を含む市販されている医薬品の形態
での使用も含むことが意図されている。インシュリンは、好ましくは、組換え的
に作成され、乾燥させても(完全に乾燥させる)または溶液であっても差し支え
ない。
【0026】 「インシュリン類似物」、「インシュリン単量体」の用語は、この中で互換的
に用いられており、ポリペプチド鎖内の1つ以上のアミノ酸が別のアミノ酸で置
換されており、および/または1つ以上のアミノ酸が欠失しており、または1つ
以上の追加のアミノ酸がポリペプチド鎖またはアミノ酸配列に付加されている上
記で定義された「インシュリン」の任意形態であって、血中グルコースレベルの
低下においてインシュリンとして作用するものを含むことが意図されている。通
常、本発明の「インシュリン類似物」は、米国特許第5,547,929号(参照によっ
てその全体がこの中に組み込まれる)に記載のような「インシュリンリスプロア
ナログ(insulin lispro analogs)」、LysProインシュリンおよびヒューマログ (
humalog)インシュリン等のインシュリン類似物、ならびに他の「スーパーインシ
ュリン類似物」を含み、それらインシュリン類似物において、脂肪組織よりも肝
臓においてより活性が高い肝選択的インシュリン類似物と同様に、それらインシ
ュリン類似物が血清グルコースレベルに対して影響を及ぼす能力は、従来のイン
シュリンよりも実質的に増強されている。好ましい類似物は、例えばインシュリ
ンリスプロのような、インシュリンと同じ多目的で用いられるインシュリン様化
合物(すなわち血液グルコースレベルを低下させるのに用いられる化合物)であ
る単量体インシュリン類似物である。
【0027】 「アミリン」の用語は、天然のヒトアミリン、ウシ、ブタ、ラット、ウサギア
ミリン、ならびに例えばプラムリンタイド(pramlintide)および米国特許第5,686
,411号および米国特許第5,854,215号(参照によって両方が完全にこの中に組み
込まれる)に開示されている他のアミリン類似物のような合成、反合成、または
組換えのアミリンまたはアミリンアゴニストを含む。
【0028】 「免疫調整タンパク質」の用語は、サイトカイン、ケモカイン、リンホカイン
、補体成分、免疫系アクセサリーおよび接着分子、ならびにヒトまたは非ヒト動
物特異性を有するそれらの受容体を含む。有用な例として、GM-CSF、IL-2、IL-1
2、OX40、OX40L(gp34)、リンホタクチン(lymphotactin)、CD40、CD40Lが挙げら
れる。有用な例として、例えばインターロイキン1-15のようなインターロイキン
、インターフェロンα、β、γ、腫瘍壊死因子、顆粒球マクロファージコロニー
刺激因子(GM-CFS)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー
刺激因子(G-CSF)、例えば好中球活性化タンパク質(NAP)、マクロファージ走化性
因子(MCAF)、RANTES、マクロファージ炎症ペプチド MIP-1aおよびMIP-1bのよ
うなケモカイン、補体成分、およびそれらの受容体、あるいは例えばB7.1、B7.2
、ICAM-1、2または3、およびサイトカイン受容体のようなアクセサリー分子が挙
げられる。OX40およびOX40−リガンド(gp34)は、免疫調整タンパク質のさらに有
用な例である。免疫調整タンパク質は、ヒトまたは非ヒト動物特異的な様々な目
的のために用いることができ、場合によっては、および都合に合わせて、天然タ
ンパク質、その変異体、および例えば免疫グロブリンの重鎖定常領域のような他
のポリペプチド配列との融合タンパク質の結合活性を有する細胞外ドメインおよ
び他の断片を本目的のための代表例とすることができる。1つ以上の免疫調整タ
ンパク質をコードするヌクレオチド配列が挿入されている場合、それら免疫調整
タンパク質は、例えば、1つ以上のサイトカイン、またはサイトカインとアクセ
サリー/接着分子との組合せを含むことができる。
【0029】 この中で用いられている「インターフェロン」または「INF」の用語は、ウィ
ルス複製および細胞増殖を阻害し、さらに免疫反応を調節する、高い相同性を有
する種特異的タンパク質ファミリーを意味する。インターフェロンは、その細胞
起源および抗原性に基づいて、α−インターフェロン(白血球細胞)、β−イン
ターフェロン(繊維芽細胞)、およびγ−インターフェロン(免疫担当細胞)と
いう3つのクラスに分類される。各群の組換え形態および類似物が開発され、市
販されている。各群におけるサブタイプは、抗原特性/構造特性に基づき分類さ
れる。異なるアミノ酸配列を有する少なくとも24のインターフェロンα(サブ
タイプAからHに分類される)が、それらペプチドをコードするDNAを単離お
よび配列決定することによって同定されている(Viscoml, 1996 Biotherapy 10:
59-86(参照によってその全てかこの中に組み込まれる)を参照)。「α-インタ
ーフェロン」、「αインターフェロン」、「インターフェロンα」、「ヒト白血
球インターフェロン」、および「IFN」の用語は、その群のメンバーを記載する
のにこの中で互換的に用いられている。例えば米国特許第4,897,471号(参照に
よってその全てがこの中に組み込まれる)に記載されているようなコンセンサス
インターフェロンを含む天然αインターフェロンおよび組換えαインターフェロ
ンの両方を本発明の実施に用いることができる。そのような方法で調製されたヒ
ト白血球インターフェロンは、様々なアミノ酸配列を有するヒト白血球インター
フェロンの混合物を含む。本発明の実施において用いることができる精製された
天然ヒト白血球インターフェロンおよびその混合物として、限定はされないが、
住友(日本)から購入可能であるスミフェロン RTMインターフェロンα−n1;Gl
axo-Wellcome Ltd(ロンドン、英国)から購入可能なWelfferongインターフェロ
ンα−n1(Ins);およびPurdue Frederick Co., Norwalk, Connから購入可能であ
るAlferon RTMインターフェロンα-n3が挙げられる。
【0030】 「エリスロポエチン」の用語は、合成の、半合成の、組み換えの、天然の、ヒ
トの、サルの、または他の動物の、あるいは微生物学的に単離された、突然変異
体を含む天然のエリスロポエチンの一次構造的配置(すなわちアミノ酸残基の連
続配列)の一部または全ておよび1つ以上の生物学的特性(例えば免疫学的特性
、ならびにin vivoおよびin vitroでの生物活性)を有するポリペプチド生成物
に適用される。それらポリペプチドは、ゲノムまたはcDNAクローニング、あ
るいは遺伝子合成によって得られた外来DNA配列の、原核宿主および真核宿主
(例えば培養された細菌、酵母、および哺乳類細胞に)の発現産物であることに
よって独自に特徴付けされる。脊椎動物(例えば哺乳類および鳥類)細胞におけ
る微生物発現産物は、その天然の哺乳類細胞環境または例えば血漿もしくは尿の
ような細胞外液流においてエリスロポエチンに関連して存在するヒトタンパク質
または他の混入物から解放されることによって、さらに特徴付けられる。一般的
な酵母(例えばサッカロミセス・セレビシエ)または原核(例えば酵母)宿主細
胞の産物は、哺乳類タンパク質を含まない。用いられる宿主に依存して、本発明
のポリペプチドは、哺乳類または他の真核糖鎖でグリコシル化されていて差し支
えなく、あるいはグリコシル化されていなくても差し支えない。本発明のポリペ
プチドは、最初のメチオニンアミノ酸残基(アミノ酸位置1における)を含んで
いて差し支えない。本発明の新規な糖タンパク質産物は、1つ以上の生物学的特
性を有し、さらに天然の(例えばヒト)エリスロポエチンとは異なる平均的糖鎖
組成を有するのに十分な程度、天然の(例えばヒト)エリスロポエチンの一次構
造的配置が重複している一次構造配置を有するものを含む。
【0031】 「ヘパリン」および「血栓溶解剤」の用語は、例えばヘパリン、低分子量ヘパ
リン、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ(アボキナー
ゼ)、および凝固を制御する他の因子のような抗凝固因子を含む。
【0032】 「抗プロテアーゼ」および「プロテアーゼ阻害剤」の用語は、互換的に用いら
れており、受容体と反応し、あるいは抗体、酵素、または核酸として作用する、
合成の、半合成の、組み換えの、天然の、または非天然の、可溶性のまたは固定
化された薬剤に適用される。それらは、体液性免疫反応を調節する受容体、細胞
性免疫反応を調節する受容体(例えばT細胞受容体)、および神経反応を調節す
る受容体(例えばグルタミン酸受容体、グリシン受容体、γ−アミノ酪酸(GA
BA受容体)を含む。それらは、サイトカイン受容体(関節炎、敗血症性ショッ
ク、移植拒絶反応、自己免疫疾患、および炎症性疾患に関連する)、細胞傷害性
T細胞受容体および/またはT−ヘルパー細胞受容体への抗原の提示に関連する
主要組織適合複合体(MHC)クラスIおよびII受容体(自己免疫性疾患に関連
する)、ならびにトロンビン受容体(凝固、心疾患に関連する)を含む。その一
覧は、例えば自己免疫疾患に関連する抗体等の自己抗原を認識する抗体、ならび
にウィルス(例えば、HIV、単純ヘルペスウィルス)および/または細菌抗原
を認識する抗体を含む。
【0033】 「ホルモン」および「増殖因子」の用語は、天然の、ヒトの、ブタの、ウシの
、ヒツジの、合成の、半合成の、または組み換えの、例えば増殖ホルモン、甲状
腺ホルモン、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、ゴナドトロピン放出ホル
モン(GnRH)、黄体形成ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHR
H、例えばロイプロリド、デルチレックス(deltirex)、ゴソレリン(gosorelin)
、ナファレリン、ダナゾール等のような超アゴニスト(superagonist)およびアン
タゴニストを含む)のような、ホルモン放出ホルモンを含む。例えばオクトロコ
チド(octrocotide)(サンドスタチン)のようなソマトスタチン類似物も含まれ
る。その生物薬剤のカテゴリーに含まれる他の薬剤として、子宮収縮(例えばオ
キシトシン)、利尿(例えばバソプレシン)、好中球減少症(例えばGCSF)
、呼吸器系疾患(例えばスーパーオキシドジスムターゼ)、RDS(例えば、必
要に応じてアポタンパク質を含む界面活性剤)等のための薬剤が挙げられる。
【0034】 「酵素」の用語は、例えばDNase(Genentech)のような組み換えデオキシリボヌ
クレアーゼ、プロテアーゼ(例えばトリプシンおよびトロンビンのようなセリン
プロテアーゼ)、ポリメラーゼ(例えばRNAポリメラーゼ、DNAポリメラー
ゼ)、逆転写酵素およびキナーゼ、関節炎、骨粗鬆症、炎症性疾患、糖尿病、ア
レルギー、臓器移植拒絶反応、癌遺伝子活性化(例えばジヒドロ葉酸還元酵素)
、シグナル伝達、自己サイクル調節(self-cycle regulation)、転写、DNA複
製および修復に関連する酵素を含む。
【0035】 「核酸」の用語は、天然のまたは非天然のヌクレオシドを含むDNAまたはR
NAの任意の断片、あるいは相補的水素結合を介して他の核酸またはオリゴヌク
レオチドに特異的に結合し、さらに非核酸ライゲート(non-nucleic acid ligate
s)に結合できる他のプロテイノイド薬剤を含む。これに関して、アプタマーDN
Aによる、フィブリノーゲンのフィブリンへのトロンビン触媒転換の阻害につい
て報告している、Bock, L., et al., Nature 355: 564-566(1992)を参照する。
【0036】 本発明に基づいてリード化合物を合成および選択することができる生物分子の
例として、限定はされないが、細胞膜受容体のアゴニストならびにアンタゴニス
ト、神経伝達物質、毒素および毒、ウィルスエピトープ、ホルモン、鎮痛剤、ス
テロイド、ペプチド、酵素基質および阻害剤、補因子、薬剤、レクチン、糖、オ
リゴヌクレオチド、核酸、オリゴ糖、脂質、タンパク質、ならびにそれら任意の
分子の類似物が挙げられる。
【0037】 「類似物」の用語は、その類似物と思われる分子と共通の機能的活性を有し、
さらに通常、共通の構造的特徴を有する分子を称する。
【0038】 「組換え」の用語は、原核細胞中において発現された任意のタイプのクローン
化生物薬剤または遺伝子組換え分子、あるいは別の状態にさらに加工されて第2
のコンビナトリアルライブラリーを形成することができる分子(特に、生物薬剤
の物理化学的、薬学的、および臨床的安全性を高める保護基を含む分子)のコン
ビナトリアルライブラリーを称する。
【0039】 「ワクチン」の用語は、単離された、あるいは例えば活性化樹状細胞のような
、T細胞を活性化して所定の抗原に対する多様な細胞性免疫反応をもたらすこと
ができる抗原提示細胞由来の、体液性および細胞性免疫反応を刺激する薬剤組成
物を称する。In vitroでポリペプチド複合体に対して細胞を暴露することによっ
て、強力な抗原提示細胞を刺激する。ポリペプチド複合体は、樹状細胞結合タン
パク質およびポリペプチド抗原を含んでいて差し支えないが、好ましくは、ポリ
ペプチド抗原は組織特異的腫瘍抗原か癌遺伝子産物の何れかである。しかしなが
ら、例えばウィルス抗原のような他の抗原をそのような組合せにおいて使用して
、免疫活性化反応をもたらすのも良い。別の好ましい実施形態において、免疫活
性化ポリペプチド複合体の一部を形成する樹状細胞結合タンパク質はGM−CS
Fである。別の好ましい実施形態において、ポリペプチド抗原は、腫瘍特異的抗
原である前立腺酸性ホスファターゼである。さらに別の好ましい実施形態におい
て、ポリペプチド抗原は、癌遺伝子産物ポリペプチド抗原の任意の1つである。
樹状細胞結合タンパク質と、リンカーペプチドであるポリペプチド抗原とのポリ
ペプチド複合体が含まれていて差し支えない。ポリペプチド複合体は、ポリペプ
チド抗原に共有結合した樹状細胞結合タンパク質を含んでいて差し支えなく、そ
のようなポリペプチド複合体は、好ましくは樹状細胞結合タンパク質、好ましく
はGM−CSFと、ポリペプチド抗原から形成される。ポリペプチド抗原は、好
ましくは、例えば前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)のような組織特異的腫瘍
抗原、あるいは、例えばHer2、p21RAS、およびp53のような癌遺伝
子産物である;しかしながら、例えばウィルス抗原のような他の実施形態も本発
明の範囲内に含まれる。
【0040】 「免疫グロブリン」の用語は、例えば1つ以上の遺伝子ベクターによるコーデ
ィングまたはエンコーディング、あるいは宿主防御細胞における核酸の様々な結
合部分を共役させること、あるいはヒトまたは動物の被験者の治療における援助
物質に発現ベクターを結合させることのような、宿主防御機構に関連するポリペ
プチドを含む。そのクラスのポリペプチドに含まれる薬剤として、IgG、IgE、Ig
M、IgDが挙げられ、単独でも、あるいは別のものと組み合わせても差し支えない
【0041】 肺への吸入を意図した本発明の製剤の目的において、薬剤は好ましくは微粉化
され、薬剤の治療的効果量またはその一部(例えば90%以上)が微粒子である
。通常、その微粒子を気道および/または肺に吸い込むことができるように、そ
の微粒子は約10μm未満、好ましくは5μm未満の直径を有する。
【0042】 粒子状薬剤は治療的効果量で本発明の製剤中に存在しており、その治療的効果
量とは、経口または経鼻吸入を介して分散またはエアゾールとして薬剤を投与す
ることができ、かつ好ましくは1回の分量または数回の分量で所望の治療的効果
を生じさせるような量である。通常、エアゾ−ルアダプター(アクチュエーター
としても知られている)を介して、例えば定量噴霧バルブのような従来のバルブ
から、エアゾールとして粒子状薬剤を投与する。
【0043】 この中で用いられている「量」の用語は、文脈に則して、量または濃度を称す
る。治療的効果量を構成する薬剤の量は、例えば特定薬剤の効力、製剤の投与経
路、および製剤を投与するのに用いられる機械系のような因子に基づき変化する
。そのような因子を当然考慮して、当業者は特定薬剤の治療的効果量を選択する
ことができる。通常、治療的効果量は、所定の流体または高圧ガスの重量を10
0%として、約0.001重量%から5重量%であろう。
【0044】 適切な流体として、空気、例えばn−ブタン、プロパン、イソペンタンン等の
炭化水素、または高圧ガスが挙げられる。適切な高圧ガスは、高圧ガスとして有
用となるのに十分な蒸気圧を有する、例えば1−6水素含有フルオロカーボン(C
HF2CHF2、CF3CH2F、CH2F2CH3、およびCF3CHFCF3等)、例えば1−4炭素パーフル
オロカーボン(例えばCF3CF3、CF3CF2CF3等)のようなパーフルオロカーボン、
あるいはそれらの任意の混合物である。いくつかの一般的な適切な高圧ガスとし
て、例えば高圧ガス11、12、および114の混合物のような従来のクロロフルオロ
カーボン(CFC)高圧ガスが挙げられる。1,1,1,2−テトラフルオロエタン(高圧ガ
ス134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(高圧ガス227)、あるいはそ
れらの混合物のような非CFC高圧ガスが好ましい。流体すなわち高圧ガスは、好
ましくは、選択された分量の薬剤をエアゾール密閉容器から肺へ送り込むのに十
分な量で存在する。
【0045】 適切な安定化剤を選択する。適切な安定化剤として、(1)(a)化学式H2N
−R−COOH(I)のモノアミノカルボン酸、(b)化学式H2N−R−(COOH)2(II)のモ
ノアミノジカルボン酸、および(c)化学式(H2N)2−R−COOH(III)のジアミノモ
ノカルボン酸(ここで、Rは1から22の炭素原子から成る直鎖または分岐のアルキ
ルラジカルであり:スルフィド(-S-);オキシド(-O-);ヒドロキシル(OH);アミ
ド(-NH);スルフェート(SO4);化学式
【化1】 のアリール(ここで、Xは水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、1から6炭素原子のア
ルキル、1から6炭素原子のアルコキシ、ヒドロキシおよびニトロである);なら
びに例えばチエニル、フリル、ピラニル、イミダゾリル、ピロリル、チゾリル、
オキサゾリル、ピリジル、およびピリミジニル化合物等の複素環:のような基で
モノまたはポリ置換されていて差し支えない)、(2)(a) 塩酸、臭化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸、および過塩素酸のような無機酸、ならびに酒石酸、ク
エン酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、およびシュウ酸のような有機
酸から得られるアミノ基の酸付加塩、(b)例えばグルタミン等の炭酸基のアミ
ド;例えば酸化されたおよび酸化されていないL−システイニルグリシン、γ−
L−グルタミル−L−システイン、N−アセチル−L−システイン−グリシンの
塩およびエステル等のジペプチド;Glu−L−GluおよびL−Val−Th
rの共役、非共役、または重合形態のいずれか;L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニン;ムラミルジペプチド;例えばL−チロシル−L−チロシン、L−ア
ラニル−L−チロシン、L−アルギニル−L−チロシン、L−チロシル−L−ア
ルギニン、N−Cbz−L−Leu−L−Leu−OCH、およびその塩または
エステル等の栄養素;グリシル−グリシン;N−アセチル−アスパラギン酸−L
−グルタミン酸(NAAG);ならびに例えば酸化されたおよび酸化されていな
いγ−L−グルタミル−L−システイニルグリシン、ムラミルトリペプチド等の
トリペプチド、(c)例えばL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエ
ステル(アスパルテーム(登録商標))、のような1から6炭素原子の脂肪族直
鎖または分枝鎖アルコールから得られるカルボン酸基のエステル、(3)前記の
任意のエステル、(4)前記の任意の水和物または半水和物、(5)アミノ酸お
よびアミノ酸誘導体の混合物が挙げられる。
【0046】 化学式Iの適切なアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、
イソロイシン、ロイシルアラニン、メチオニン、トレオニン、イソバリン、フェ
ニルアラニン、チロシン、セリン、システイン、N−アセチル−L−システイン
、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、および例えばトランス−4−ヒドロ
キシプロリンのようなヒドロキシプロリンが挙げられる。化学式IIの化合物とし
て、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ、化学式IIIの化合物として
アルギニン、リジン、ヒドロキシリジン、オルニチン、アスパラギン、およびシ
トルリンが挙げられる。
【0047】 流体またはエアゾール製剤は、好ましくは、安定化剤を含まない同一の製剤と
比べてその製剤をより安定化させるのに効果的な量で保護コロイド安定化剤を含
んでおり、その薬剤は、薬剤の再現可能な分配を妨げる程迅速には、攪拌後の沈
降、クリーミングおよび凝集を生じない。製剤が実質的に攪拌後約15秒から約
5分間均一な薬剤濃度を維持すれば、再現可能な分配を達成できる。乾燥粉末ま
たはエアゾール懸濁液の何れかとしてのエアロゾール製剤の最適な機能的および
治療的パフォーマンスのため、安定化剤は粗い担体(例えば20−90μm)、
あるいは直径10μm以下の細かく微粉化された粉末の何れかとして存在する。
何れの場合にも、患者の吸気操作を制限する必要無しに、再現可能な薬剤服用が
可能である。従って、2リットルまでの吸気流量(tidal flows)、あるいは15
リットル/分から90リットル/分程度の吸気流速において、分量の優れた均一
性が得られる。
【0048】 効果量を構成する安定化剤の特定量は、その製剤において用いられる、特定の
安定化剤、特定の高圧ガス、および特定の薬剤に依存する。従って、本発明の特
定製剤と共に用いるための特定の効果量を列挙することは実用的でないが、前記
因子を当然考慮して当業者が容易にそのような量を特定できる。しかしながら、
通常、安定化剤は、その製剤全体に対して、約0.0000001%から約20%の量、よ
り好ましくは約0.0001%から約1%の量、最も好ましくは、約0.001%から約0.5
%で存在していて差し支えない。
【0049】 意外にも、本発明の製剤が、エタノールのような共溶媒または界面活性剤を用
いる必要無しに安定であることを見出した。しかしながら、従来の潤滑剤または
界面活性剤、共溶媒、エタノール等のような別の成分が、当業者によって容易に
特定される適切な量で、本発明のエアゾ−ル製剤中に存在していても差し支えな
い。これに関して、米国特許第5,225,183号を参照しており、その全てが参照に
よってこの中に組み込まれる。
【0050】 通常、(i)複数回の治療的効果量をもたらすのに十分な量の薬剤;(ii)各製剤
を安定化させるのに十分な量の安定化剤;(iii)エアゾール密閉容器から複数回
の分量を押出すのに十分な量の流体または高圧ガス;および(iv)例えば共溶媒と
してのエタノールのような、任意の他の随意的成分:を混合し、さらにそれら成
分を分散させることによって、本発明の製剤を調製することができる。従来のミ
キサーまたはホモジナイザーを用いて、攪拌によって、あるいは超音波エネルギ
ーによって、成分を分散させることができる。また、ビードミル(bead mill)ま
たはマイクロフリューダイザー(microfluidizer)を用いて成分を分散させても差
し支えない。圧送注入であるバルブからバルブへの輸送法またはコールド-フィ
ル(cold-fill)法を用いることによって、大量の製剤をより小さな個々のエアゾ
ール瓶に移すことができる。懸濁エアゾール製剤において用いられる安定化剤が
高圧ガスに溶ける必要は無い。適切な量の十分溶けない安定化剤で薬剤粒子をコ
ーティングし、さらにその被覆粒子を上記のように製剤中に加えても差し支えな
い。
【0051】 本発明の製剤を輸送させるために、従来のバルブ、好ましくは定量噴霧バルブ
を装備したエアゾール密閉容器を用いて差し支えない。しかしながら、エアゾー
ル製剤と共に用いるための適切なバルブ装置の選択は、特定の安定化剤および用
いられる他のアジュバント(もしあれば)、高圧ガス、ならびに用いられる特定
の薬剤に依存する。従来のCFS製剤を輸送させるために定量噴霧バルブにおい
て用いられるネオプレンおよびブナのバルブゴムは、HFC-134aまたはHFC-227含
有製剤と共に用いられる場合に、最適の輸送特性および操作の容易性を有すると
は言えない場合が多い。従って、好ましくは、ダイアフラムがDB-218(American
Gasket and Rubber, Schiller Park, I11)のようなニトリルゴム製またはVist
alonTM(Exxon)、RoyaleneTM(UniRoyal)、bunaEP(Bayer)のようなEPDMゴム製であ
るバルブ装置を介して、本発明の特定の製剤を分配させる。また、FLEXOMERTM G
ERS 1085 NT ポリオレフィン(Union Carbide)のような熱可塑性エラストマー材
料から、押出し成形、注入成形、または圧縮成形によって形成されたダイアフラ
ムが適切である。
【0052】 本発明の製剤を収容するために、被覆されたまたは被覆されていない、陽極酸
化されたまたは陽極酸化されていない、例えばアルミニウム、ガラス、ステンレ
ス鋼、ポリエチレンテレフタレートの従来のエアゾ−ル密閉容器、ならびにエポ
ン(epon)またはエポキシ等で被覆された密閉容器または缶を用いて差し支えない
【0053】 粉末エアゾールと同様に、従来のネブライザーを本発明の製剤と共に用いて差
し支えない。
【0054】 気管支拡張作用をもたらすため、あるいは例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患のよ
うな吸入による治療が可能である症状を治療するため、経口吸入によって、気道
および/または肺へ本発明の製剤を輸送させることができる。また、例えばアレ
ルギー性鼻炎、鼻炎(局所的)、または糖尿病(全身的)を治療するため、経鼻吸入
によって本発明の製剤を輸送させても差し支えなく、あるいは、例えば狭心症ま
たは局部感染を治療するため、局所投与(例えば口腔内)によって本発明の製剤
を輸送させても差し支えない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61M 13/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ズ,ヤピン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08904 ハイランド パーク サウス テ ンス ストリート 284 アパートメント エイ (72)発明者 サン,ジョン ズィー アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08817 エディソン フォレスト ヘヴン ブルヴァード 1519 (72)発明者 ステファノス,サイモン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07950 モリス プレインズ メドウ ブ ラフ ロード 35 Fターム(参考) 4C076 AA24 BB22 BB25 DD34A DD35A DD37E DD51Q FF12 FF15 FF63 GG45 GG46 4C084 AA03 BA14 BA15 DA01 DA11 DA12 DA21 DA36 DA37 DA39 DB01 DB09 DB11 DB14 DB31 DB32 DB34 DB35 DB39 DB56 DC03 DC23 DC32 DC34 MA05 MA13 MA57 MA59 NA11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医薬製剤であって: (a)治療的効果量の、約1キロダルトンから約150キロダルトンの分子サイ
    ズを有するタンパク質またはペプチド薬剤; (b)前記薬剤を包含するための流動担体;および (c)アミノ酸、その誘導体、またはそれらの混合物から選択される安定化剤を
    含んでなる医薬製剤。
  2. 【請求項2】 前記薬剤が、インシュリン、インシュリン類似物、アミリン
    、免疫調整タンパク質、インターロイキン、インターフェロン、エリスロポエチ
    ン、ヘパリン、血栓溶解剤、抗トリプシン、抗プロテアーゼ、ホルモン、増殖因
    子、酵素、核酸、免疫グロブリン、抗生物質、抗感染薬、カルシトニン、造血因
    子、ワクチン、血管作用ペプチド、アンチセンス薬剤、オリゴヌクレオチド、DN
    ase、シクロスポリン、リバビリン、あるいはそれらの任意の混合物よりなる群
    から選択されることを特徴とする請求項1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 前記薬剤が、インシュリン、インシュリン類似物、アミリン
    、グルカゴン、LH-RH、デルチレックス(deltirex)、ロイプロリド、ゴソレリン(
    gosorelin)、ナファレリン、オクトレオチド (octreotide)、ソマトスタチン、
    カルシトニン、副甲状腺ホルモン、TRH、成長ホルモン放出ホルモン、G-CSF、G-
    SF、サイトカイン、rhDNase、ヘパリン、抗生物質、アルブミン、オボアルブミ
    ン、アミロリド、DDAVP、VIP、シクロスポリン、エリスロポエチン、インターフ
    ェロン、IgG、IgE、IgM、IgA、IgD、インターロイキン、IRAP、パパイン、ペル
    オキシダーゼ、セラチアペプチダーゼ、カタラーゼ、α−1−抗トリプシン、遺
    伝子、ベクター、アミロリド、rhDNase、オリゴヌクレオチド、リバビリン、あ
    るいはそれらの任意の混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項
    1記載の製剤。
  4. 【請求項4】 前記安定化剤が、20の既存アミノ酸、それらの任意の混合
    物、およびそれらの誘導体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1
    記載の製剤。
  5. 【請求項5】 前記安定化剤が、(1)酸化されたおよび酸化されていない
    L−システイニルグリシン、γ−L−グルタミル−L−システイン、N−アセチ
    ル−L−システイン−グリシンの塩およびエステルよりなる群から選択されるジ
    ペプチド;(2)L−Gly−L−GluおよびL−Val−Thrの共役、非
    共役、または重合形態;(3)L−アスパルチル−L−フェニルアラニン;(4
    )ムラミルジペプチド;(5)L−チロシル−L−チロシン、L−アラニル−L
    −チロシン、L−アルギニル−L−チロシン、L−チロシル−L−アルギニン、
    N−Cbz−L−Leu−L−Leu−OCH、およびその塩またはエステルよ
    りなる群から選択される栄養素;(6)グリシル−グリシン;(7)N−アセチ
    ル−アスパラギン酸−L−グルタミン酸(NAAG);(8)酸化されたおよび
    酸化されていないγ−L−グルタミル−L−システイニルグリシンまたはムラミ
    ルトリペプチドよりなる群から選択されるトリペプチド;ならびに(9)それら
    の任意の混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製剤
  6. 【請求項6】 前記流動担体が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2
    ,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、あるいはそれらの混合物より成る群から選択
    されることを特徴とする請求項1記載の製剤。
  7. 【請求項7】 前記流動担体が、n−ブタン、プロパン、イソペンタン、ま
    たはそれらの混合物よりなる群から選択される炭化水素高圧ガスであることを特
    徴とする請求項1記載の製剤。
  8. 【請求項8】 さらに共溶媒を含むことを特徴とする請求項1記載の製剤。
  9. 【請求項9】 前記共溶媒がエタノールを含むことを特徴とする請求項8記
    載の製剤。
  10. 【請求項10】 前記安定化剤が、製剤を攪拌後、薬剤の再現可能な分配を
    もたらすのに十分な時間、製剤の沈降、クリーミングおよび凝集を防止するため
    に効果的な量で存在することを特徴とする請求項1記載の製剤。
  11. 【請求項11】 前記安定化剤が、製剤の全重量に対して、約0.0000001重
    量%から約20重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項10記載の製
    剤。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のエアゾール製剤を調製する方法であって: (a)(i)複数回の治療的効果分量を提供するのに十分な量の前記薬剤、(ii)複
    数回の治療的効果分量を押出すのに十分な量の前記流動担体、および(iii)製剤
    を安定化させるのに効果的な量の前記安定化剤を混合し; (b)前記成分(i)、(ii)、および(iii)を分散させる: 各工程を含んでなる方法。
  13. 【請求項13】 前記工程(a)において共溶媒を混合し、さらに前記工程
    (b)において該共溶媒と共に前記成分(i)、(ii)、(ii)を分散させることをさ
    らに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 ヒトまたは動物における経口または経鼻吸入によって治療
    できる症状を治療する方法であって、経口または経鼻吸入によって前記ヒトまた
    は動物に請求項1記載の製剤を投与する工程を含んでなる方法。
  15. 【請求項15】 定量噴霧バルブ付きエアゾール密閉容器中に含まれている
    ことを特徴とする請求項1記載の製剤。
  16. 【請求項16】 高圧ガス、ならびにタンパク質またはペプチド薬剤を含む
    懸濁エアゾール製剤を安定化させる方法であって、該製剤を攪拌後、該薬剤の再
    現可能な分配をもたらすのに十分な時間、該製剤の沈降、クリーミングおよび凝
    集を防止するために効果的な量で、適切なアミノ酸、その誘導体、またはそれら
    の任意の混合物より成る群から選択される安定化剤を該製剤に加える工程を含ん
    でなる方法。
  17. 【請求項17】 医薬エアゾール製剤を含有する定量噴霧吸入器であって、
    該製剤が: (a)治療的効果量のタンパク質またはペプチド薬剤; (b)高圧ガス;および (c)前記製剤を攪拌後、該薬剤の再現可能な分配をもたらすのに十分な時間、
    該製剤の沈降、クリーミングおよび凝集を防止するために効果的な量の、適切な
    アミノ酸、その誘導体、またはそれらの任意の混合物より成る群から選択される
    安定化剤を含んでなる定量噴霧吸入器。
  18. 【請求項18】 前記安定化剤が、20の既存アミノ酸、それらの任意の混
    合物、およびそれらの誘導体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項
    17記載の定量噴霧吸入器。
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