JP2003523938A - マクロライド系抗感染剤 - Google Patents

マクロライド系抗感染剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、エリスロマイシン様抗生物質のレパートリーを拡大する抗菌化合物に関する。より詳細には、本発明は、少なくともC−13位の置換基にて改変されたエリスロノリド(erythronolide)核を含むマクロライド系抗生物質に関する。本発明は、式(1)、(2)または(3)の化合物、あるいはそれらの任意の薬学的に受容可能な塩、ならびにそれらの任意の立体異性体形態および立体異性体形態の混合物を提供し、これは、抗菌剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、エリスロマイシン様抗生物質のレパートリーを拡大する抗菌化合物
に関する。より詳細には、本発明は、少なくともC−13位の置換基にて改変さ
れたエリスロノリド(erythronolide)核を含むマクロライド系抗
生物質に関する。
【0002】 (背景技術) 現在利用可能な既知の抗生物質化合物に対して耐性を獲得した漸増数の微生物
株は、公衆衛生に対する危険な脅威として認識されている。このような化合物の
使用が増えているので、広範な種々の微生物に基づく状態を処置するために利用
可能な選択を拡大するための必要性もまた存在する。抗菌化合物のより広範な選
択のための必要性は、ヒト感染の処置を超えて拡大し、そして食品および他の腐
敗し易い商品を保存する必要性にまで拡大する。新規抗生物質はまた、耐性植物
および耐性動物のために、ならびにそうでなければ微生物が引き起こす腐食に供
される物質に対する耐性を提供するために必須であり得る。
【0003】 従って、所望されない微生物活性に対する多面的防御を提供し得る、拡大した
武装(armament)化合物に対する明確な必要性が、存在する。
【0004】 WO98/09978(1998年3月12日に公開され、そして本明細書中
に参考として援用される)は、3位にクラジノース残基を欠き、かつマクロライ
ド環の9〜12位において種々の様式で誘導体化される、改変形態のエリスロマ
イシンを開示している。同様に、米国特許第5,570,510号(1998年
5月12日に発行され、そして本明細書中に参考として援用される)は、改変さ
れたエリスロマイシン誘導体を開示している。
【0005】 天然に存在するエリスロマイシンは、以下の構造:
【0006】
【化3】 を有し、ここでR’は、HもしくはOHであり得、そしてR”は、HもしくはC
3であり得る。
【0007】 上記の参照特許文献に開示される全ての化合物は、マクロライド環の13位に
エチル基を含む。本発明者らは、13位の置換基における変化が優れた抗菌活性
を有する多数の化合物を生じるということを見出した。
【0008】 (発明の開示) 本発明は、ネイティブ構造からの改変を含むエリスロノリド誘導体に関する。
本発明の全ての化合物は、少なくとも13位で改変されており、そして11位お
よび12位に環を有する。
【0009】 従って、1つの局面において、本発明は、以下の式:
【0010】
【化4】 の化合物であって、ここで、 Raが、H;置換アルキルもしくは非置換アルキル(1〜10C);置換アル
ケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニルもしくは非置
換アルキニル(2〜10C);置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14
C);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C)で
あるか;またはORaが、Hによって置換されており; Rbが、Hもしくはハロゲンであり; Rcが、Hもしくは保護基であり; Rdが、メチル;非置換アルキル(3〜10C);置換アルキル(1〜10C
);置換アルケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニル
もしくは非置換アルキニル;置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14C
);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C);置
換アリールアルケニルもしくは非置換アリールアルケニル(5〜20C);置換
アリールアルキニルもしくは非置換アリールアルキニル(5〜20C);置換ア
ミドアリールアルキルもしくは非置換アミドアリールアルキル(5〜20C);
置換アミドアリールアルケニルもしくは非置換アミドアリールアルケニル(5〜
20C);または置換アミドアリールアルキニルもしくは非置換アミドアリール
アルキニル(5〜20C)であり; Reが、Hもしくは保護基であり; Lが、メチレンもしくはカルボニルであり; Tが、−O−、−N(R)−、−N(OR)−、−N(NHCOR)−、−N
(N=CHR)−、もしくは−N(NHR)−であり、ここでRがHもしくは上
記で定義されるRaであり、但し、Lがメチレンの場合には、Tが−O−であり
; ZおよびYの一方が、Hであり、そして他方が、OHもしくは保護OHである
か、またはアミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ、保護アミノ
、またはアミノ複素環であるか、あるいは ZおよびYは、一緒になって、=O、=NOHもしくは誘導体化オキシムであ
る、化合物、あるいはそれらの任意の薬学的に受容可能な塩、ならびにそれらの
任意の立体異性体形態および立体異性体形態の混合物に関する。
【0011】 別の局面において、本発明は、式(1)〜(3)の化合物を含む薬学的組成
物または保存用組成物、ならびにこれらの化合物を投与することによって感染性
疾患を処置する方法、またはこれらを提供することによって物質を保存する方法
に関する。
【0012】 (発明を実施する形態) 本発明の化合物は、遺伝子操作される微生物に関する微生物学的プロセスと合
成化学技術とを組み合わせることによって従来通りに合成される。簡潔には、本
発明を実施する好ましい様式において、微生物宿主、好ましくは、それ自体マク
ロライド系抗生物質を産生しない宿主が、改変された6−デオキシエリスロノリ
ドB(6−dEB)の産生のための組換え発現系とともに提供される。この発現
系は、いくつかの例において、第1モジュール中のケトシンターゼ部分の触媒ド
メインにおける破壊によって変化されている。Rdがメチルである置換基に関し
て、ケトシンターゼ部分の破壊されたドメインを有さない宿主細胞が、使用され
る。6−dEBポリケチドシンターゼ(PKS)中のこの変化は、このPKSが
そのネイティブな開始ユニットを利用し得ないことを生じ、それによって連続す
る反応(この反応は、そうでなければネイティブに産生されるジケチドから、競
合することなく改変6−dEBを生じる)において初期の縮合生成物に合成ジケ
チドチオエステルを含めることを可能にする。従って、得られるポリケチドへの
組み込みのために、合成ジケチドチオエステルを、組換え宿主に提供し得る。得
られるポリケチドへのこのジケチドの組み込みは、13位に、所望されるように
選択され得る置換基を有するポリケチドを生じる。合成ポリケチドチオエステル
を調製するための好ましい方法は、同時係属の米国特許出願番号60/117,
384号(1999年1月27日出願)および同第09/492,733号(2
000年1月27日出願)(これらは、本明細書中に参考として援用される)に
示されている。
【0013】 第1モジュール(KS1)中に不活性化されたケトシンターゼ(KS)ドメイ
ンを含む6−dEB PKSの組換え形態およびこのPKSの発現系を含むよう
に改変された適切な生物は、PCT出願WO97/02358(1997年1月
28日公開)および同第WO99/03986(1999年1月28日公開)(
本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0014】 次いで、改変PKSの発現から生じるポリケチドが、単離され、そして所望さ
れる場合には、組換え改変生物から精製され、そしてポリケチド後(postp
olyketide)改変(グリコシル化を含む)のための機能性を含むSac
charopolyspora erythraeaに供給される。他の改変と
しては、6位および/または12位での水酸化が挙げられる。次いで、生じた改
変エリスロマイシンが単離され、そして本発明の化合物を得るために化学的に改
変される。これらの改変を提供するための合成方法は、WO98/009978
および米国特許第5,750,510号(本明細書中上記に参照される)に記載
されている。
【0015】 本発明の化合物に対する中間体を合成するための一般的な方法は、図1に示さ
れる。
【0016】 本発明の中間体から化合物を合成するための方法は、図2に示される。
【0017】 得られる抗感染化合物は、一群の代表的な微生物に対する活性に関してインビ
トロおよびインビボで活性である。従って、本発明の化合物は、所望される抗生
物質活性のスペクトルを包含する特異性において十分な多様性を示す。
【0018】 感染性疾患の処置における使用について、本発明の化合物は、適切な組成物中
に処方される。この組成物は、代表的な賦形剤、この化合物が塩である場合には
薬学的に受容可能な対イオン、所望される場合にはさらなる添加剤(例えば、抗
酸化剤、緩衝液など)を含み、そして動物またはヒトに投与される。これらの化
合物に適切な処方物の型は、一般のマクロライド系抗生物質についてのものと同
様である。処方物は、例えば、Remington’s Pharmaceut
ical Sciences,Mack Publishing Co.(最新
版)に見出され得る。この化合物は、任意の所望の経路(注射、経口投与、経皮
投与、経粘膜投与または任意の組合せを含む)によって投与され得る。本発明の
化合物はまた、所望される場合には、さらなる活性成分とともに投与され得る。
【0019】 本発明の化合物は、上記に示される式(1)〜(3)の化合物、ならびに示さ
れるようなこれらの化合物の任意の立体異性体形態である。示される特定の立体
異性体は、上記に示されかつ本明細書中に例示される好ましい合成方法から生じ
るものである;しかし、PKSの発現系を改変することによって、またはジケチ
ドのキラリティを変化させることによって、または合成化学的な変換によって、
他の立体異性体もまた、調製され得る。さらなるキラル中心が、置換基(例えば
、RdおよびRf)に存在し得る。この立体異性体は、混合物として投与され得る
か、または個々の立体異性体は、当該分野で公知のように分離され、そして利用
され得る。
【0020】 式(1)〜(3)の化合物の特性は、置換基Ra〜Re、L、T、YおよびZに
よって定義される。これらの置換基の好ましい実施形態は、本明細書中以下に示
される。それらは、以下の定義される部分を含む: 「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含み、そして最も
好ましくはフルオロである。
【0021】 「アルキル」とは、特定の数の炭素を含み、かつ1以上の適切なヘテロ原子を
含み得る、飽和した直鎖、分岐鎖または環式のヒドロカルビル部分をいう;同様
に、アルケニルおよびアルキニルとは、それぞれ、1以上の二重結合または1以
上の三重結合を含み、かつ1以上の適切なヘテロ原子を含み得る、直鎖もしくは
分岐または環式炭化水素の置換基をいう。
【0022】 「アリール」とは、1以上の適切なヘテロ原子(例えば、フェニル、ナフチル
、キノリル、またはフェナントリル)を含み得る芳香族置換基をいう。
【0023】 「アリールアルキル」、「アリールアルケニル」または「アリールアルキニル
」とは、アリール基が、それぞれ、アルキル、アルケニルまたはアルキニル連結
を通じて置換部分に連結されている置換基をいう。また、アリールアルキル、ア
リールアルケニルまたはアリールアルキニル基における炭素数は、特定される。
【0024】 「アミドアリールアルキル」、「アミドアリールアルケニル」または「アミド
アリールアルキニル」とは、アリール基が、それぞれ、アミドおよびアルキル、
アルケニルまたはアルキニル連結を通じて置換部分に連結されている置換基をい
う。また、アミドアリールアルキル、アミドアリールアルケニルまたはアミドア
リールアルキニル基における炭素数は、特定される。
【0025】 従って、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」
、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリールアルキル」などは、本明細書中で定義
される置換基の中に含まれる。適切なヘテロ原子としては、N、OおよびSが挙
げられる。
【0026】 前述の置換基の全てが、置換され得ないか、またはさらに置換され得る。代表
的な置換基としては、R、−OR、−SR、−NR2、−COR、−COOR、
−CONR2、−OOCR、−NRCOR、−OCONR2、−CN、−CF3
−NO2、−SOR、−SO2R、ハロゲン(ここで各Rは、独立してHであるか
、またははアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、
もしくは上記に定義されるこれらのヘテロ形態である)が挙げられる。さらに、
アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、アリールまたはヘテロアリールによ
って置換され得、このアリールまたはヘテロアリールはそれ自体、さらに置換さ
れ得る。
【0027】 「誘導体化オキシム」は、式=N−O−R(ここでRは、H以外であり、そし
てそうでなければ上記の定義の通りである)のオキシムである。
【0028】 ヒドロキシについての「保護基」としては、アシル基、シリル基などが挙げら
れる。適切な保護基は、Greene,T.W.ら、Protecting G
roups in Organic Synthesis(第2版),John
Wiley & Sons,Inc.(1991)(本明細書中に参考として
援用される)によって記載されている。
【0029】 本発明は、上記に定義される化合物のより好ましい実施形態を含む。Rdは、
好ましくは、ブチル、ペンチル、メトキシエトキシメチル、イソブチル、メチル
シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、エチルフェニル、3−(ベンジルオキシ
)プロピル、2−(ピリミジン−2−イルチオ)エチル、プロピル、フルオロエ
チル、クロロエチル、ビニル、3−ブテニル、もしくはアジドエチルであり、そ
してより好ましくは、プロピル、フルオロエチル、シクロエチル、ビニル、3−
ブテニルもしくはアジドエチルである。米国特許出願第60/117,384号
(1999年1月27日出願)および米国特許出願第09/492,733号(
2000年1月27日出願)(これらの両方は、本明細書中に参考として援用さ
れる)は、C−13位にて組み込まれ得る、種々のオリゴケチドチオエステル、
好ましくはジケチドチオエステルを記載している。本明細書中に記載されるよう
なジケチドチオエステルは、本発明の化合物に取り込まれ、それによってC−1
3位での好ましいRd基を決定する。
【0030】 別の好ましい実施形態において、Rfは、Hもしくは低級C1〜C3アルキル
であり、より好ましくはメチルである。Rfはまた、好ましくは、アリールアル
ケニルもしくはアリールアルキニル(例えば、3−アリールプロプ−2−エニル
もしくは3−アリールプロプ−2−イニル)である。好ましくは、好ましいアリ
ールアルケニルもしくはアリールアルキニルの実施形態におけるアリール基は、
3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、フェニル、4−フルオロフェニル
、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、6−キノリル、6−キノキサリ
ル、6−アミノ−3−キノリル、もしくは4−イソキノリルである。
【0031】 T−L−Oがカルバメート環を形成する場合、カルバメート窒素(R)、6−
O位(Ra)、および13位(Rd)の置換基の組合せが、特に好ましい。第1の
好ましい組合せにおいて、Raは、好ましくは、アリールアルキル、アリールア
ルケニルもしくはアリールアルキニルであり;Rは、好ましくは、Hまたは置換
もしくは非置換の低級アルキルであり;そしてRdは、好ましくは、置換もしく
は非置換アルキルである。これらの化合物において、Raは、より好ましくは、
アリールプロピル、アリールプロプ−2−エニル、もしくはアリールプロプ−2
−イニルであり;Rは、より好ましくは、ハロゲンもしくはメチルであり;そし
てRdは、より好ましくは、プロピル、フルオロエチル、もしくはクロロエチル
である。
【0032】 第2の好ましい組合せにおいて、Raは、Hまたは置換もしくは非置換の低級
アルキルであり;Rは、好ましくは、アリールアルキル、アリールアルケニルも
しくはアリールアルキニルであり;そしてRdは、置換もしくは非置換のアルキ
ルである。これらの化合物において、Raは、より好ましくはメチルであり;R
は、より好ましくは、アリールプロピル、アリールプロプ−2−エニルもしくは
アリールプロプ−2−イニルであり;そしてRdは、より好ましくは、プロピル
、フルオロエチル、もしくはクロロエチルである。
【0033】 第3の好ましい組合せにおいて、Rdが、さらなる誘導体化に利用可能な不飽
和置換基(例えば、アルケニルもしくはアルキニルまたは他の基(例えば、アジ
ドアルキル))である場合には、好ましくは、Raは、Hまたは置換もしくは非
置換の低級アルキルであり、そしてRは、Hまたは置換もしくは非置換の低級ア
ルキルである。Raは、より好ましくは、Hもしくはメチルであり、そしてRは
、より好ましくはHである。例示的な不飽和置換基であるRdは、より好ましく
は、ビニル、プロパルギル、もしくはブテニルであり、そして他の誘導体化可能
な置換基としては、アジドエチルが挙げられる。これらの化合物は、不飽和置換
基から、アリールアルキル、アリールアルケニル、もしくはアリールアルキニル
置換基を形成し、そしてアジド置換基から、アミドアリールアルキル、アミドア
リールアルケニルもしくはアミドアリールアルキニル置換基を形成する、本発明
の方法によって容易に誘導体化され得る。
【0034】 好ましい15−アミドケトライド、15−エテニルケトライドおよび他の好ま
しいアリール置換ケトライドは、図12および15に示される。
【0035】 さらに、化合物(1)の1つの実施形態において、Tは、(N−R)ではない
。化合物(1)の別の実施形態において、T−L−Oは、カルバメート環を形成
しない。
【0036】 (本発明の化合物の合成) 上記のように、任意のさらなる化学合成のための抗物質出発物質は、好ましく
は、KS1ノックアウトを含む、6−dEB PKSについての発現系を含むよ
うに改変された微生物に適切なジケチドを供給することによって、または13位
にメチルを提供する宿主細胞に続いて、6−dEBの産生を排除するように変更
されたSaccharopolyspora erythraeaの組換え株に
得られたポリケチドを供給することによって、調製される。6位および12位の
両方または12位のみのいずれかを水酸化し得る株が、調製され得る。この後者
の場合において、−ORfは、−Hによって置換される。組換えS.eryth
raea株であるK40−67は、高レベルのエリスロマイシンAを産生するS
.erythraea株を、不活性化KS1ドメインをコードする変異eryA
1配列を含むプラスミドで形質転換することによって得られる。相同組換えによ
って、得られた形質転換体は、ここで、基質ポリケチドに対する競合物として6
−dEBを産生し得ず、そして代わりに、Streptomycesまたは他の
ポリケチド産生形質転換体で作製された改変ポリケチドの6位および12位を水
酸化して、そしてその3位および5位をグリコシル化する。12位の水酸化のみ
を有し、そして6位で水酸化されていないマクロライドが所望される(ORa
、Hにより置換される)場合、S.erythraea株が、株K40−67に
おけるeryFヒドロキシラーゼ遺伝子を破壊することによって構築される。あ
るいは、eryK遺伝子が、使用不能にされ得、ここで化合物(1)〜(3)(
ここでRaがHである)の実施形態が、容易に産生され得る。
【0037】 式(1)〜(3)の化合物の形成は、12位にヒドロキシルを有するエリスロ
ノリドの産生を必要とする。出発物質としては、化合物(4)〜(6)のいずれ
かが挙げられる:
【0038】
【化5】 エリスロマイシンの産生のためのグリコシル化反応は、本明細書中の式(4)
に示される化合物に類似するジグリコシル化形態を生じる。式(4)の化合物が
開始産物から調製されるべきである場合、クラジノース(cladinose)
環のヒドロキシル基(3位に結合している)は、マクロライド置換基のその後の
改変のために保護されることを必要とする。
【0039】 本発明の改変されたエリスロマイシンは、C−13位での改変に加えて、OR a が上記のようにHによって置換されない場合には、6位に−OH基を含み得る
。最終的に、式(1)、(2)および(3)の化合物(ここで6位がORaであ
る)を構築するために、RcおよびReの1つの実施形態を形成する保護基を有す
る、式(I)の化合物(図1を参照のこと)が、提供される。このような保護は
、非プロトン性溶媒において、適切な保護試薬(例えば、酢酸無水物、安息香酸
無水物、ベンゾクロロホルメート、ヘキサメチルジシラザンまたはトリアルキル
シリルクロリド)を使用してもたらされる。非プロトン性溶媒としては、例えば
、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン
、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などが
挙げられる。混合物もまた使用され得る。式(I)における両方の糖ヒドロキシ
ルの保護は、同時にまたは連続して行われ得る。
【0040】 2つのグルコース残基の2’および4’’ヒドロキシル基を保護することに加
えて、マクロライド環の9位のケト基もまた、保護されなければならない。代表
的には、これは、ケト基を誘導体化オキシムに変換することによってもたらされ
る。式=NOR中のRについて特に好ましい実施形態としては、置換もしくは非
置換アルキル(1〜12C)、置換もしくは非置換アリール(6〜10C)、ア
ルキル(1〜12C)、置換もしくは非置換ヘテロアリール(6〜10C)、ア
ルキル(1〜12C)およびヘテロアルキル(例えば、式CR’2ORの置換基
(ここで各R’は、上記のRとして独立して具体化されることに加えて、他方と
一緒になり得、シクロアルキル環(3〜12C)を形成する)が挙げられる。好
ましい誘導体化オキシムは、式=NOR(ここでRはイソプロポキシシクロヘキ
シルである)のオキシムである。
【0041】 9−ケト基ならびに2’ヒドロキシルおよび4”ヒドロキシル(保護されてい
る)では、塩基の存在下でアルキル化剤とともに反応させることによって、式(
I)の化合物の6−ヒドロキシ基をアルキル化することが可能である。アルキル
化剤としては、アルキルハライドおよびスルホネートが挙げられる。アルキル化
剤としては、アルキルハライドおよびスルホネートが挙げられる。例えば、アル
キル化剤としては、メチルトシレート、2−フルオロエチルブロミド、シンナミ
ルブロミド、クロトニルブロミド、アリルブロミド、プロパルギルブロミドなど
が挙げられ得る。アルキル化は、塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、イソプロポキシドカリウム、t−ブトキシドカリウムおよび非プロトン性
溶媒)の存在下で行われる。
【0042】 アルキル化剤の選択は、含まれるべき置換基Raの性質に依存する。上記に示
されるように、Raは、置換もしくは非置換アルキル(1〜10C)、置換もし
くは非置換アルケニル(2〜10C)、または置換もしくは非置換アルキニル(
2〜10C)であり得る。非置換のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル
、またはこれらの置換形態(ここでこの置換基としては、1以上のハロゲン、ヒ
ドロキシ、アルコキシ(1〜6C)、オキソ、SO2R(1〜6C)、N3、CN
およびNR2が挙げられ、ここでRは、H、置換もしくは非置換アルキル(シク
ロアルキルを含む)(1〜12C)、置換もしくは非置換アルケニル(シクロア
ルケニルを含む)(2〜12C)、アルキニル(シクロアルキニルを含む)(2
〜12C)、置換もしくは非置換アリール(6〜10C)である)(上記のヘテ
ロ形態を含む)が、特に好ましい。
【0043】 メチル、アリルおよびエチルが、特に好ましい。
【0044】 一旦、6−ヒドロキシルのアルキル化が終了すると、糖残基およびマクロライ
ド環は、脱保護され得る。グリコシド部分の脱保護は、Green,T.W.ら
、Protective Groups in Organic Synthe
sis(前出)によって記載されるように行われる。同様の条件は、誘導体化オ
キシムの=NOHへの変換を生じる。非誘導体化オキシムの形成が、脱保護と同
時に起こらない場合、オキシムへの変換は、別々に行われる。
【0045】 次いで、オキシムは、当該分野で公知の標準的な方法によって除去され、そし
てケト基に変換され得る。脱オキシム化剤としては、無機硫黄酸化物の化合物(
例えば、硫化水素ナトリウム、ピロ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなど)
が挙げられる。この場合において、プロトン性溶媒(例えば、水、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、トリメチルシラノールおよびこれらの混合物)
が、使用される。一般に、脱オキシム化反応は、有機酸の存在下で行われる。
【0046】 式(4)の化合物が、以下にさらに記載されるような式(5)もしくは(6)
の化合物に、または式(1)〜(3)のいずれかの化合物に変換された後、この
プロセスにおけるこの点で、またはその後に、6−ヒドロキシルに導入された基
が、さらに操作され得る。都合の良いことに、初期の置換は、6−O−アリル(
すなわち、O−CH2−CH=CH2)を提供し得る。これは、6−O−プロピル
化合物を得るために還元によってさらに誘導体化され得るか、または2,3−ジ
ヒドロプロピル化合物を提供するために四酸化オスミウムで処理され得る。この
化合物はさらに、各酸素原子でエステル化され得る。O−アリル誘導体はまた、
非プロトン性溶媒中でm−クロロペルオキシ安息香酸で酸化されて、エポキシ化
合物を提供し得、この化合物は、アミンまたはN−含有へテロアリール化合物で
開環されて、N−含有側鎖を有する化合物を提供し得るか、あるいはWacke
r条件で酸化されて、置換基O−CH2−C(O)−CH3を提供し得るか、ある
いはオゾン化されて、アルデヒドを提供し得る。次いで、このアルデヒドは、オ
キシムに変換され得るか、または適切なアミンと反応され得、そして水素化ホウ
素還元剤の存在下で還元されてアミンを提供し得る。このオキシムはまた、非プ
ロトン性溶媒中での脱水剤との反応によってニトリルに変換され得る。O−アリ
ル誘導体はまた、Heck条件(Pd(II)またはPd(O)、リンおよびア
ミンまたは無機塩基)下でアリールハライドと反応され、3−アリールプロプ−
2−エニル誘導体を提供し得る。次いで、この誘導体は、炭素上の水素およびパ
ラジウムで還元され、3−アリールプロピル誘導体を提供し得る。初期の置換基
fが2−プロピンである場合には、同様の反応が、側鎖における変化(アリー
ル化を含む)を提供するために用いられ得る。
【0047】 クラジノース部分を初めに除去することによって、式(4)の化合物を式(6
)の化合物に変換するために、式(4)の化合物は、温和な水性酸で、または脱
グリコシル化酵素で処理される。適切な酸としては、アルコールの存在下での、
塩酸、硫酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。反応時間は、代
表的には、−10〜35℃の温度では、0.5〜24時間である。この反応の間
に、残っている糖の2’基は、上記に示されるように保護され、そして脱クラジ
ノース化(decladinizing)反応の後に脱保護される。次いで、マ
クロライド環の3位に得られたヒドロキシル基は、改変されたSwern酸化手
順を使用してケトンに酸化される。この手順において、酸化剤(例えば、N−ク
ロロスクシンイミド−ジメチルスルフィドまたはカルボジイミド−ジメチルスル
ホキシド)が使用される。代表的には、式(4)の化合物が、クロロ化(chl
orinated)溶媒(例えば、メチレンクロリド)において、予め形成され
たN−クロロスクシンイミドおよびジメチルスルフィド複合体に−10〜25℃
にて添加される。0.5〜4時間攪拌した後に、3級アミン(例えば、トリエチ
ルアミン)が、対応するケトンを生成するために添加され、次いで2’保護基が
除去される。
【0048】 マクロライドを2位でハロゲン化するために(Rbを、Hからハロゲンに変換
すること)、式(6)の化合物(ここでRb=Hである)は、塩基および求電子
性ハロゲン化試薬(例えば、過臭素酸ピリジニウムまたはN−フルオロベンゼン
スルホン酸)で処理される。2位は、3ケト化合物が調製された後、そして好ま
しくは、この11,12環が形成された後に、任意の時間にハロゲン化され得る
【0049】 C−13位での適切な置換基(例えば、ビニル、エテニル、ブテニルもしくは
アジド)が、さらに操作され得る。例えば、本発明の化合物のアミド酢酸塩は、
図10に例示されるように、C−13位にアリールアミノアルキル基を生成する
ために、アリールアセチルクロリドを使用して誘導体化され得る。好ましくは、
アジド基のC13誘導体は、ケトライド(ketolide)が形成される前に
生じる。アルケニル基(例えば、エテニル)の誘導体化は、図14および16に
示されるように、ケトライドが形成される前または後のいずれか、そして好まし
くはこの11,12環が形成された後に生じる。
【0050】 式(5)の化合物を得るために、式(4)の脱グリコシル化反応から生じる化
合物が、脱水剤(例えば、カルボニルジイミダゾールおよび塩基)で処理される
【0051】 次いで、中間体(7)〜(9)が、中間体(4)〜(6)から調製され得る。
【0052】
【化6】 12−ヒドロキシル基の存在が必要とされることが、留意される。この糖部分
のヒドロキシル基は、上記のように保護され、次いで得られる保護化合物は、化
合物(7)〜(9)に示されるようにマクロライド環において官能基を提供する
ために、ヘキサメチルジシラジドナトリウムおよびカルボニルジイミダゾールと
反応され、これにより脱水されて、10〜11位にπ結合を、および12−ヒド
ロキシルの誘導体化を得る。図2は、第1工程における化合物(4)〜化合物(
9)への反応の流れを例示する。
【0053】 水性アンモニアとの化合物(7)〜(9)の反応は、第2工程における化合物
(9)および(3)について図2に示されるように、式(1)〜(3)の化合物
(ここでLは、カルボニルであり、そしてTは、NHである)を提供する。
【0054】 式H2NR、H2NOR、H2NNHCOR、H2NN=CHRもしくはH2NN
HR(ここでRは、HもしくはRaである)との化合物(7)〜(9)の反応は
、式(1)〜(3)の対応する化合物(ここでTは、記載されるように−R、−
OR、−NHCOR、−N=CHRもしくは−NHRを含むRf置換基で誘導体
化された窒素である)を提供する。図2において、RfはHである。なぜなら、
アンモニアが使用されるからである。これらは、式(10)〜(12)の化合物
である:
【0055】
【化7】 ここでRfは、上記のような窒素上の置換基を示す。図3は、化合物(10)を
形成するためのH2NRfと化合物(7)との反応を類似的に示す。この調製は、
Bakerら、J Org Chem(1988)53:2340(これは、本
明細書中に参考として援用される)によって記載される手順に従う。特に、式H 2 N−Rfのアミノ化合物との化合物(7)の処理は、環式カルバメート(ここで
fは、上記の通りである)の形成を生じる。保護された2’−ヒドロキシ基は
、上記のように脱保護され得る。
【0056】 代替的な手順またはさらなる手順が、化合物(10)〜(12)(ここでRf
は、Hではない)を調製するために使用され得る。
【0057】 例えば、式(10)〜(12)の化合物(ここでRfがHである)は、環の窒
素上の水素をアルキル基で置換するために、式R−ハロゲンのアルキル化剤と反
応され得る。
【0058】 さらに、Tの窒素上の置換基としてアシル基を含まない化合物(10)〜(1
2)は、化合物(7)〜(9)(ここでTは、−Nであり、そしてRfは、−N
H−CORである)を得るために、R(CO)−ハロゲンもしくは(RCO)2
Oからなる群より選択されるアシル化剤とこのような化合物(10)〜(12)
とを処理することによって形成され得る。
【0059】 化合物(10)〜(12)(ここでRfは−NH2である)のアルデヒドR−C
HO(ここでRは、上記で規定される通りである)との処理は、化合物(10)
〜(12)(ここでRfは、−N=CHRである)を生じる。
【0060】 化合物(10)〜(12)(ここでRfが、−NH2である)の式R−ハロゲン
を有するアルキル化剤(ここでRは、上記の定義の通りである)との処理は、化
合物(10)〜(12)(ここでRfが、Rである)を生じる。
【0061】 もちろん、環形成のための基質が、式(4)の化合物である場合には、式(3
)の化合物が生じる;次いで、改変が、上記のように、式(1)および(2)の
化合物へと、式(3)の化合物を変換するために行われ得る。これらの環境下で
は、ケト基は、誘導体化オキシムによって保護される。このような改変としては
、酸での加水分解によるクラジノース部分の除去;3−ヒドロキシル基の酸化;
および保護されたヒドロキシル基およびケト基の脱保護が挙げられる。
【0062】 例示されたスキーム4a(図4a)に示される代替的な手順に従って、中間体
化合物(I1)(これは、エリスロマイシンAの9−オキシム化合物である)が
、クラジノース部分を除去して、そして中間体化合物(I2)を得るために、上
記のように希無機酸および希有機酸による酸加水分解に供される。次いで、オキ
シム化合物(I2)は、適切に置換されたオキシム保護試薬との反応によって、
保護されたオキシム化合物(I3)(ここでVは、=N−O−R1であり、ここで
1は、保護基である)に変換される。次いで、(I3)の3−ヒドロキシ基およ
び2’−ヒドロキシ基が、好ましくは、トリメチルシリル保護基で保護され、化
合物(I4)を生じる。次いで、化合物(I4)は、上記のようにアルキル化され
、化合物(I5)を生じる。そして化合物(I5)は、上記のように最初に脱オキ
シム化され、次いで脱オキシム化生成物は、例示されたスキーム2における化合
物(4)からの化合物(3)の調製について記載される手順によって、化合物(
6)に変換される。図4bは、次いで化合物(I6)が脱保護され、そして上記
の手順により、3−ケトライド誘導体である本発明の化合物(10)(ここでL
は、COであり、そしてTは、−NRfである)に酸化されることを示す。中間
体化合物I6もまた、脱保護され、そして脱水されて、図4にまた示される本発
明の化合物(11)を形成し得る。
【0063】 前で述べたように、6位の置換基は、化合物(1)〜(3)が形成された後に
操作され得る。例えば、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH−N−O
hであり、そしてRhは、HまたはC1〜C3−アルキル、アリール置換C1〜C3 アルキル、もしくはヘテロアリール置換C1〜C3アルキルである)が、調製され
得る。この方法において、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=CH 2 である)が、オゾンで処理されて、化合物(10)(ここでRaは、−CH2
CH=Oである)を形成する。
【0064】 化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=Oである)は、式NH2−O
−Rhを有するヒドロキシルアミン化合物(ここでRhは、上記の定義の通りであ
る)でさらに処理され;そして必要に応じて、脱保護して、そして所望の化合物
を単離する。すぐ直前のプロセスの好ましい実施形態において、RfはHである
【0065】 本発明の別の実施形態においては、化合物(10)(ここでRaは、−CH2
CH2−NH−Riであり、ここでRiはそれが結合している原子とともに、3〜
10員環の置換ヘテロシクロアルキル環または非置換へテロシクロアルキル環を
形成する)を調製するためのプロセスがある。
【0066】 この方法は、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=Oである)を
、式−NH2−Riを有するアミン化合物(ここでRiは、上記の定義の通りであ
る)を用いて還元的アミン化して;そして必要に応じて、脱保護し、そして所望
の化合物を単離することを包含する。
【0067】 式(1)〜(3)の化合物(ここでLは、カルボニルであり、そしてTが、−
O−であるか、またはここでLがメチレンであり、そしてTが−O−である)は
、Bakerら、J Org Chem(1988)53:2340(これは、
本明細書中に参考として援用される)により記載される手順を使用して、化合物
(4)〜(6)から調製される。式(4)〜(6)の2’保護化合物または2’
,4”−保護化合物が、カルボニルジイミダゾールおよびヘキサメチルジシラジ
ドナトリウムとの反応によって環式カルボネートに最初に変換される。
【0068】 化合物(13)〜(15)は、化合物(1)〜(3)(ここでLは、メチレン
であり、そしてTは、−O−である)を示す:
【0069】
【化8】 図5における例示的なスキーム5は、式(6)を有する化合物の式(1)を有
する化合物への変換を例示する。図11および13は、エリスロマイシンのケト
ライドへの変換を例示する。
【0070】 式(4)〜(6)もしくは(1)〜(3)の化合物(ここでZおよびYの一方
がHであり、そして他方がOHもしくは保護OHであるか、または上記のアミノ
誘導体である)を調製するために、カルボニルまたはオキシムもしくは誘導体化
オキシムのいずれかが、適切な還元剤を使用して還元される。置換アミンはまた
、アルキル化によって得られ得る。
【0071】 本発明の化合物の新規合成方法もまた、提供される。
【0072】 (例示的な実施形態) 式(1)、(2)および(3)の化合物は、それらの種々の置換基によって定
義される。表1は、本発明の範囲内の以下の化合物を例示している: 式(1)の化合物(ここでRbがH、F、ClもしくはBrであり、LがCO
であり、そしてRcがHである); 式(2)の化合物(ここでRcがHであり、そしてLがCOである);および 式(3)の化合物(ここでRcがHであり、LがCOであり、そしてReがHで
ある:
【0073】
【表1】 (実施例) 以下の実施例は、本発明を例示することを意図しているが制限することを意図
してはいない。
【0074】 化合物番号および命名は、例示的なスキーム1において、および先行技術の開
示において見出される。
【0075】 これらの実施例において、本方法の第1の一般的な工程では、6−デオキシエ
リスロノリドB(6−dEB)誘導体化合物は、組換えStreptomyce
s宿主細胞の発酵によって調製される。
【0076】 15−メチル−6−デオキシエリスロノリドBおよび14,15−デヒドロ−
6−デオキシエリスロノリドBを生成する発酵は、合成ジケチド中間体が発酵細
胞に供給されることを必要とする。これらの合成ジケチドの調製は、実施例1に
記載される。これらの合成ジケチドは、DEBSのモジュール1のケトシンター
ゼドメインにおける変異に起因して、その天然基質(プロピオニルCoA)にて
作用し得ない6−デオキシエリスロノリドBシンターゼ(DEBS)の基質であ
る。この組換えDEBSは、Streptomyces coelicolor
CH999中のプラスミドpJRJ2によって提供される。S.coelic
olor CH999は、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,6
72,491号に記載されている。ptpA遺伝子を含むように遺伝的に改変さ
れている、S.coelicolor CH999mp誘導体であるS.coe
licolor K39−02は、本明細書中に参考として援用される米国特許
出願第09/181,833号に記載されており、これもまた、この目的のため
に用いられ得る。
【0077】 プラスミドpJRJ2は、aryAI、aryAII、およびaryAIII
遺伝子をコードし;このプラスミドに含まれるeryAI遺伝子は、KS1ヌル
(null)変異を含む。KS1ヌル変異は、外因性基質が提供されない場合、
野生型遺伝子によって産生される6−デオキシエリスロノリドBの形成を妨げる
。プラスミドpJRJ2および新規な13置換エリスロマイシンを調製するプラ
スミドの使用のためのプロセスは、PCT公開番号99/03986および同第
97/02358、ならびに米国特許出願第08/675,817号(1996
年7月5日出願);同第08/896,323号(1997年7月17日出願)
;および同第09/311,756号(1999年5月14日出願)(これらの
各々は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。提供される外
因性基質は、この方法によって調製され得、そしてPCT特許出願番号PCT/
US00/02397および米国特許出願第09/492,733号(両方とも
、発明者G.Ashleyらにより2000年1月27日に出願され、そしてこ
れらの両方が、米国特許出願第60/117,384号(1999年1月27日
に出願)に対する優先権を主張する)(これらの各々が、本明細書中に参考とし
て援用される)に記載される化合物を含む。ery遺伝子以外のPKS遺伝子も
また、用いられ得る;適切な遺伝子は、米国特許出願第60/158,305号
(1999年10月8日出願)および同第09/428,517号(1999年
10月28日出願)ならびにPCT出願番号US99/24478(1999年
10月22日出願)(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)に
記載されるオレアンドリド(oleandolide)およびメガロマイシン(
megalomicin)PKS遺伝子を含むKS1ヌル変異を含む。
【0078】 Streptomyces coelicolor CH999/pJRJ2
およびS.coelicolor CH999/pCK7の発酵は、実施例2に
記載される。この発酵から生じる6−デオキシエリスロノリド産物の単離は、分
離によって達成され得る。
【0079】 次いで、単離された産物は、本発明の他の有用な中間体化合物を作製するため
に、Saccharopolyspora erythraea株の発酵ブロス
に添加される。S.erythraea株は、生合成ならびに6−dEB誘導体
化合物の3位および5位への糖残基の結合を触媒する。これらの株はまた、機能
的なeryK遺伝子産物を含み、そしてそれにより、12位で6−dEB誘導体
化合物を水酸化する。この株は、機能的なeryF遺伝子産物が産生されるか否
かという点で異なる。そうである場合、産生される化合物は、6位で同様に水酸
化される。そうではない場合、6−デオキシエリスロマイシンA誘導体が、産生
される。これらのS.erythraea発酵は、発酵ブロスからのエリスロマ
イシンA誘導体化合物の単離とともに、実施例3に記載されている。
【0080】 次いで、単離された産物が、本発明の他の中間体化合物の化学合成における中
間体として使用される。6−ヒドロキシルを含むエリスロマイシンA誘導体中間
体について、実施例4〜6は、本発明の6−O−アルキル中間体を作製するため
に、化合物をアルキル化するプロセスを記載している。これらの反応についての
模式を、図7に示す。
【0081】 (実施例1) (ジケチドチオエステルの調製) 組換えStreptomyces宿主細胞に供給して、15−メチルおよび1
4,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドB中間体化合物を作製するた
めに使用されるN−アセチルシステアミンチオエステル(NAcS)を調製する
ために使用されるプロセスを、本実施例に記載する。以下に記載される合成プロ
トコルはまた、米国仮特許出願第60/117,384号(1999年1月27
日出願)(本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0082】 従って、(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノエートNAc
S(調製物E)(これは、15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB中間体
を調製するために使用される)を、(4S)−N−[(2S,3R)−2−メチ
ル−3−ヒドロキシヘキサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(調
製物D)とN−アセチルシステアミン(調製物B)とを反応させることから調製
する。次いで、N−アセチルシステミンを、N,S−ジアセチルシステアミン(
調製物A)から調製する。(4S)−N−[(2S,3R)−2−メチル−3−
ヒドロキシヘキサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(調製物D)
を、(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(プロ
ピオニル−NOx;調製物C)から調製する。
【0083】 同様の様式において、(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペ
ンテノエートNAcS(調製物G)(これは、14,15−デヒドロ−6−デオ
キシエリスロノリドB中間体を調製するために使用される)を、(4S)−N−
[(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンテノイル]−4−ベ
ンジル−2−オキサゾリジノン(調製物F)とN−アセチルシステアミン(調製
物B)とを反応させることから調製する。(4S)−N−[(2S,3R)−2
−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンテノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾ
リジノン(調製物F)を、(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オ
キサゾリジノン(プロピオニル−NOx;調製物C)から調製する。
【0084】 (A.N,S−ジアセチルシステアミン)塩酸システアミン(50.0g)を
、磁気攪拌子、2つの付属漏斗およびpH電極を取り付けた1Lの3つ首(3−
neck)丸底フラスコに添加する。水(300mL)を添加して、そして攪拌
した溶液を氷上にて冷却する。このpHを、8N KOHの添加により8.0に
調整する。酢酸無水物(125mL)を、1つの付属漏斗に置いて、8N KO
H(350mL)を、他の付属漏斗に置く。酢酸無水物を、システアミン溶液に
滴下して添加し、ここでこの反応物のpHを8+/−1に維持するように8N
KOHを添加する。酢酸無水物の添加の終了後に、1N HClを使用してpH
を7.0に調整して、そしてこの混合液を、氷上で75分間攪拌させる。固体N
aClを、飽和になるまで添加して、そしてこの溶液を、400mL部のCH2
Cl2を使用して4回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥させ、
ろ過して、そして減圧下で濃縮して、68.9g(97%の収率)の淡黄色の油
状物を得る。これを、4℃で静置して結晶化させる。
【0085】 (B.N−アセチルシステアミン)N,S−ジアセチルシステアミン(42.
64g)を、磁気スターラーを取り付けた2L丸底フラスコに配置して、そして
1400mLの水に溶解する。このフラスコを、N2でパージして、そしてこの
混合液を氷浴中にて冷却する。水酸化カリウム(49,42g)を添加して、そ
してこの混合液を、不活性な大気下で氷上で2時間攪拌する。6N HClを使
用してpHを7に調整して、そして固体NaClを飽和するまで添加する。この
混合液を、500mL部のCH2Cl2で7回抽出する。有機抽出物を合わせて、
MgSO4で乾燥させ、ろ過して、そして減圧下で濃縮して、30.2g(96
%の収率)の淡黄色の油状物を得る。この物質を、使用直前に蒸留(bp 13
8〜140℃/7mmHg)する。
【0086】 (C.(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(
プロピオニル−NOx))500mLの付属漏斗および攪拌子を備え付けた乾燥
3つ首丸底フラスコに、20gの(4S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノ
ンを充填して、セプタ(septa)で栓をして、そして窒素でフラッシュした
。無水THF(300mL)を、カニューレによって添加して、そして得られた
溶液を、ドライアイス/イソプロパノールの−78℃浴で冷却した。付属漏斗に
、78mLのn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)をカニューレによって
充填した。これを、反応にゆっくりとした流れにおいて添加した。蒸留したプロ
ピオニルクロライド(bp77〜79℃)8.0mLを、シリンジを通して迅速
に添加した。この反応物を、ドライアイス/イソプロパノール浴中で、30分間
攪拌させた。
【0087】 この反応物を冷却浴から除去し、そして>0℃まで暖め、そして50mLの飽
和NH4Cl水溶液でクエンチした。この混合物を、ロータリーエバポレーター
でスラリーまで濃縮した。このスラリーを、250mL部分のエチルエーテルで
3回抽出した。有機抽出物を合わせ、そして各50mLの飽和NaHCO3水溶
液およびブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮
して黄色油状物を得た。この物質を放置して結晶化した。この結晶を、冷却した
(−20℃)ヘキサンで一度粉砕し、21.0g(収率80%)の白色結晶性物
質を得た。m.p.41〜43℃。
【0088】 APCI−MS:m/z=234(MH+)、178,117.1H−NMR
(360MHz、CDCl3):∂7.2−7.4(5H、m);4.67(1
H、m、H4);4.14−4.22(2H、m、H5);3.30(1H、d
d、J=3,13Hz、ベンジル);2.89−3.03(2H、m、H2’)
;2.77(1H、dd、J=9,13、ベンジル);1.20(3H、t、J
=7Hz、H2’)。
【0089】 D.(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノ
イル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン:500mLの添加漏斗、低温温
度計、および攪拌棒を備えた、乾燥した2Lの三口丸底フラスコに、19.84
gのN−プロピオニル−オキサゾリジノンを充填し、セプタムでキャップし、そ
して窒素でフラッシュした。無水ジクロロメタン(100mL)をカニューレで
添加し、そして得られた溶液を、ドライアイス−イソプロパノール浴で−65℃
まで冷却した。この添加漏斗に、カニューレで100mLのジブチルボロントリ
フラート(ジクロロメタン中の1.0M)を充填し、これをこの反応にゆっくり
した流れで添加した。トリエチルアミン(15.6mL)をシリンジで滴下し、
この反応温度を−10℃未満に保った。次いで、この反応物を氷浴に移し、そし
て0℃で30分間攪拌した。この時間の後、この反応物をドライアイス−イソプ
ロパノール浴に戻し、そして−65℃まで冷却した。ブチルアルデヒド(8.6
mL)をシリンジで素早く添加し、そしてこの反応物を30分間攪拌した。
【0090】 この反応物を氷浴に移し、そして添加漏斗に100mLの1Mのリン酸水溶液
、pH7.0(このリン酸溶液は、等モル量の一−および二−塩基性リン酸カリ
ウムからなる)を充填した。このリン酸溶液を、反応温度を10℃未満に保つ間
に、できるだけ速く添加した。次いで、この添加漏斗に300mLのメタノール
を充填し、これを、反応温度を10℃未満に保つ間に、できるだけ速く添加した
。最後に、この添加漏斗に300mLの2:1 メタノール:30%過酸化水素
を充填した。これを、この温度を10℃未満に保つことを保証するために、滴下
した。添加の終了後に、この反応物を1時間攪拌した。次いで、この溶媒を、ロ
ータリーエバポレーターでスラリーが残るまで除去した。このスラリーを500
mL部分のエチルエーテルで4回抽出した。合わせた有機抽出物を、各250m
Lの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、この抽
出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮してわずかに黄色の油状物を
得た。次いで、この物質を、2:1のヘキサン:酢酸エチルを使用してSiO2
上のクロマトグラフィーにかけ(生成物のRf=0.4)、22.0g(収率8
5%)の表題化合物を無色の油状物として得た。
【0091】 APCI−MS:m/z 306(MH+);1H−NMR(360MHz、
CDCl3):∂7.2−7.4(5H、m、フェニル);4.71(lH、m
、H4);4.17−4.25(2H、m、H5);3.96(1H、m、H3
’);3.77(1H、dq、J=2.5,7Hz、H2’);3.26(1H
、dd、J=4,13Hz、ベンジル);2.79(1H、dd、J=9,13
Hz、ベンジル);1.5−1.6(2H、m、H4’);1.3−1.5(2
H、m、H5’);1.27(3H、d、J=7Hz、2’−Me);0.94
(3H、t、J=7Hz、H6’)。
【0092】 E.(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサン酸N−アセチルシ
ステアミンチオエステル:N−アセチルシステアミンを、130℃/7mmHg
で蒸留して、室温で無色の液体を得た。500mLの添加漏斗および攪拌棒を備
えた、乾燥した1Lの三口丸底フラスコを、セプタムでキャプし、そして窒素で
フラッシュした。次いで、このフラスコに10.7mLのN−アセチルシステア
ミンをシリンジで充填し、そして400mLの無水THFをカニューレで充填し
た。この混合物を、MeOH/氷浴で冷却した。ブチルリチウム(ヘキサン中の
1.6Mの64mL)をシリンジで滴下し、白色沈殿の形成を生じた。30分間
攪拌した後、トリメチルアルミニウム(ヘキサン中の2.0Mの51mL)をシ
リンジで滴下した。この反応物は、トリメチルアルミニウムの添加後に透明にな
り、そしてさらに30分間攪拌した。この時間の間に、20.5g(0.068
mol)の(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシルヘ
キサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンを、窒素のブランケット下
に置き、そして100mLの無水THFに溶解させた;次いで、この溶液を、カ
ニューレでゆっくりした流れで反応に移した。得られた反応混合物は、黄緑色に
変化し、そして1時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー分析で出発物質がもは
や見られなくなったとき(約1時間)に、この反応を終了した。
【0093】 この反応物を十分な飽和シュウ酸で処理して、pH試験紙で中性な反応物を得
た(約90mL)。次いで、この溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、白
色のスラリーを得た。このスラリーを250mL部分のエチルエーテルで6回抽
出した。この有機抽出物を合わせ、そしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥
させ、濾過し、そして濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。このチオエステル
生成物を、1:1のヘキサン:EtOAcを使用して、SiO2上のフラッシュ
クロマトグラフィーで、4−ベンジル−2−オキサゾリジノンが溶出するまで精
製した。その時点で、この溶媒系を100%EtOAcに変え、純粋なジケチド
チオエステルの画分を得た。この生成物画分を合わせ、そして濃縮して14.9
g(収率89%)の表題化合物を得た。この化合物を、実施例2においてプロピ
ルジケチドチオエステルという。
【0094】 APCI−MS:m/z 248(MH+);1H−NMR(360MHz、
CDCl3):∂5.8(br s、1H);3.94(dt、1H)、3.4
6(m、2H)、3.03(dt、2H)、2.71(dq、1H)、1.97
(s、3H)、1.50(m、2H)、1.37(m、2H)、1.21(d、
3H)、0.94(t、3H)。
【0095】 F.(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペ
ンタノイル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン:500mLの添加漏斗、低
温温度計、および攪拌棒を備えた、乾燥した2Lの三口丸底フラスコに、20.
0gのプロピオニルオキサゾリジノンAを充填し、セプタムでキャップし、そし
て窒素でフラッシュした。無水ジクロロメタン(100ml)を添加し、そして
得られた溶液を、メタノール/氷浴で−15℃まで冷却した。ジブチルボロント
リフラート(ジクロロメタン中の1.0Mの100mL)を、添加漏斗を介して
、この反応温度を3℃未満に保つようなゆっくりとした流れで添加した。シリン
ジでジイソプロピルエチルアミン(17.9mL)を滴下し、内部温度を再び3
℃未満に保った。次いで、この反応物を、ドライアイス−イソプロパノール浴を
用いて−65℃まで冷却した。アクロレインを、シリンジによって5分間にわた
って添加した。添加の完了後に、この反応物を30分間攪拌した。
【0096】 次いで、この反応物を氷浴に移し、そして添加漏斗に120mL(0.1mo
l)の1M リン酸水溶液、pH7.0(このリン酸溶液は、等モル量の一−お
よび二−塩基性リン酸塩からなる)を充填した。このリン酸溶液を、反応温度を
10℃未満に保つ間に、できるだけ速く添加した。次いで、この添加漏斗に40
0mLのメタノールを充填し、これを、反応温度を10℃未満に保つ間に、でき
るだけ速く添加した。最後に、この温度を10℃未満に保つための最初の滴下に
よって、この添加漏斗に400mLの2:1 メタノール:30%過酸化水素を
充填した。この反応物を1時間攪拌した。この溶媒を、ロータリーエバポレータ
ーを使用して除去し、スラリーが残った。このスラリーを500mL部分のエチ
ルエーテルで4回抽出した。この有機抽出物を合わせ、各250mLの飽和炭酸
水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そし
て濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。ヘキサンでの粉砕で、結晶化を誘導し
た。ヘキサンの添加によるエーテルからの再結晶で、13.67g(収率55%
)の生成物を生じた。
【0097】 1H−NMR(360MHz、CDCl3):∂7.2−7.4(m、5H)
;5.86(ddd、1H)、5.35(dt、1H)、5.22(dt、1H
)、4.71(m、1H)、4.51(m、1H)、4.21(m、2H)、3
.89(dq、1H)、3.26(dd、1H)、2.80(dd、1H)、1
.25(d、3H)。
【0098】 G.(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンタン酸N−アセ
チルシステアミンチオエステル:130℃/7mmHgでN−アセチルシステア
ミンを蒸留し、室温で無色の液体を得た。500mLの添加漏斗および攪拌棒を
備えた、乾燥した1Lの三口丸底フラスコを、セプタムでキャップし、そして窒
素でフラッシュした。次いで、このフラスコに7.5mLのN−アセチルシステ
アミンをシリンジで充填し、そして500mLの無水THFをカニューレで充填
した。次いで、この反応物をMeOH/氷浴で冷却した。ブチルリチウム(ヘキ
サン中の1.6Mの44mL)をシリンジで滴下した。n−BuLiを添加した
ときに、白色沈殿が形成した。30分間攪拌した後、35.5mL(0.071
mol)のトリメチルアルミニウム(ヘキサン中の2.0M)をシリンジで滴下
した。この反応物は、トリメチルアルミニウムの添加後に透明になり、そしてさ
らに30分間攪拌した。調製Fからの(4S)−N−[(2S、3R)−2−メ
チル−3−ヒドロキシ−4−ペンタノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジ
ノン(13.6g)を、窒素のブランケット下に置き、50mLの無水THFに
溶解させ、次いでこの溶液を、反応にカニューレでゆっくりした流れで移した。
得られた反応混合物は黄緑色に変化し、そして1時間攪拌した。薄層クロマトグ
ラフィーでもはや出発物質が見られなくなったとき(約30分)に、この反応を
終了したと判断した。
【0099】 十分な飽和シュウ酸を添加し、pH試験紙で中性の反応物を得た(約60mL
)。次いで、この溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、白色のスラリーを
得た。このスラリーを、250mL部分のエチルエーテルで6回抽出した。この
有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そし
て濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。次いで、このチオエステルをSiO2
上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。このカラムを、1:1のヘキサ
ン:酢酸エチルで、オキサゾリジノンの溶出まで行った。その時点で、溶出剤を
100%酢酸エチルに変え、純粋な生成物の画分を得た。この画分を合わせ、そ
して濃縮して7.7g(収率71%)の表題化合物生成物を得た。この生成物を
、実施例2においてビニルジケチドチオエステルという。
【0100】 1H−NMR(360MHz、CDCl3):∂5.82(ddd、1H)、
5.78(br s、1H)、5.32(dt、1H)、5.21(dt、1H
)、4.47(m、1H)、3.45(m、2H)、3.04(m、2H)、2
.81(dq、1H)、1.96(s、3H)、1.22(d、3H)。
【0101】 (実施例2) (エリスロノリドの調製) A.15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、Rd=プロピ
ル):Streptomyces coelicolor CH999/pJR
J2は、1997年7月17日に提出された米国特許第出願番号08/896,
323および1996年7月5日に提出された米国特許出願番号08/675,
817に記載され、この各々は本明細書中において参考として援用される。プラ
スミドpJRJ2は、DEBSの変異体形態をコードし、この中でモジュール1
のケトシンターゼドメイン(KS1)が、突然変異誘発を介して不活性化される
(KS1°)。このプラスミドを含み、実施例1の(2S、3R)−2−メチル
−3−ヒドロキシヘキサン酸−N−アセチルシステアミン(調製E、プロピルジ
ケチド)を給餌されたS.coelicolor菌株は、15−メチル−6−デ
オキシエリスロノリドBを生成する。
【0102】 CH999/pJRJ2ワーキング(working)細胞バンクの1mLの
バイアルを解凍し、そしてこのバイアルの内容物を250mLの出入り制御フラ
スコ(baffled flask)中の50mLの種菌培地1に添加する。こ
のフラスコを30±1℃および175±25RPMに保持されたインキュベータ
ー/シェーカーに48±10時間配置した。次いで、この50mLの培養物を、
500mLの種菌培地1を含む2.8Lの出入り制御フラスコに添加する。この
フラスコを、30±1℃および175±25RPMで48±10時間、インキュ
ベーター/シェーカーでインキュベートする。この500mLの培養物を、各々
が500mLの種菌培地1を含む10個の2.8Lの出入り制御フラスコに等し
く分割する。次いで、すべてのフラスコを、以前に記載したようにインキュベー
トする。
【0103】 100Lの生産培地1を121℃で45分間滅菌することで、150Lの発酵
槽を調製する。インキュベートの後、10個全てのフラスコを、5Lの滅菌イン
キュベーションボトルに合わせ、そして無菌的に150Lの発酵槽に添加する。
この発酵槽を、2.5N H2SO4および2.5N NaOHの添加、攪拌速度
(500〜700RPM)、空気流速(10〜50LPM)、および/またはバ
ックプレッシャー制御(0.1〜0.4bar)による80%以上の溶存酸素空
気飽和により、30℃、pH6.5に制御する。消泡剤Bの50%溶液の断続的
な添加により、気泡を制御する。
【0104】 24±5時間で、(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノイル
−N−アセチルシステアミン(プロピルジケチド、実施例1の調製E)を、最終
濃度1g/Lで添加した。プロピルジケチドを、1:4(ジケチド対DMSO)
の比でジメチルスルホキシドに可溶化し、次いで滅菌フィルター(0.2μm、
ナイロンフィルター)にかけることによって調製する。15−メチル−6−デオ
キシエリスロノリドB(15−メチル−6dEB)の生成を7日目に中断し、そ
して発酵槽を収集する。この発酵培養液を、Alpha Laval AS−2
6遠心機で、20,500gで遠心分離する。この生成物は、セントレート(c
entrate)中で優性であり;この遠心分離された細胞集団を処分する。
【0105】 このプロセスもまた、1000Lの発酵槽(作業容量700L)において完了
する。この種菌プロセスは、150Lの発酵槽が種菌培地1で充填され、そして
1000Lの発酵槽が生産培地1で充填されることを除いて、上記のプロセスと
同一である。この発酵槽を、2.5〜5N H2SO4および2.5〜5N Na
OHの添加、攪拌速度(140〜205RPM)、空気流速(100〜200L
PM)、および/またはバックプレッシャー制御(0.2〜0.5bar)によ
る70%以上の溶存酸素空気飽和により、30℃、pH6.5に制御する。必要
に応じた消泡剤Bの50%溶液の添加により、気泡を制御する。24±5時間で
、ラセミ2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノイル−N−プロピオニルシステア
ミン(300グラム)を、1000Lの発酵槽に添加する。この発酵槽を、4.
6日目に、上記のような遠心分離で収集する。
【0106】 このプロセスで使用した培地は、以下を含む:
【0107】
【表2】 121℃での60分間のオートクレーブにより滅菌した。 滅菌後の添加: 1)100%DMSO中の50mg/mlチオストレプトンの1mL/L、滅菌
濾過。 2)100%消泡剤Bシリコンエマルジョン(J.T.Baker)の1mL/
L、オートクレーブ。 3)500g/Lグルコースの40mL、滅菌濾過。
【0108】
【表3】 発酵槽において、121℃で45分間滅菌した。 生産培地1についての滅菌後の添加: 1)100%DMSO中の50mg/mlチオストレプトンの1mL/L、滅菌
濾過。 2)100%消泡剤B(J.T.Baker)の1mL/L、オートクレーブ。
【0109】 遠心分離の後に、セントレートを濾過する。この濾液(約700L)を、20
LのHP20樹脂(Mitsubishi)を含むAmicon Moduli
neカラム(20×350cm)に通す。充填の間の流速は4L/分であり、圧
力は8psi未満まで低下した。樹脂の充填後、20Lの水、次いで40Lの3
0%メタノールで洗浄する。15−メチル−6dEBを、100%メタノールを
使用して溶出する。4つの12Lの画分を集め、画分2、3および4は検出可能
な15−メチル−6dEBの全てを含む。この15−メチル−6dEB生成物の
プールを36.7Lの水で希釈し、75Lの透明な溶液を得る。この溶液を、H
P20SS樹脂(Mitsubishi)を含む5LのAmicon Vant
age Column上に直接充填する。カラムの充填を、1L/分で行う。こ
のカラムを、20Lの65%メタノール、20Lの70%メタノール、20Lの
80%メタノール、そして最後に20Lの100%メタノールで溶出する。16
×5Lの総画分を集めた。80%の画分を最後の70%の画分と一緒に合わせ(
25L)、そして乾燥するまでエバポレートした。得られた残渣を1Lの100
%メタノールに溶解させ、濾過し、エバポレートし、そして40℃の真空オーブ
ンで乾燥させた。このプロセスで、93%の15−メチル−6dEBを含む33
gの固体生成物を生じる。
【0110】 B.14,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、Rd
=アリル): このプラスミドを含み、実施例1の(2S、3R)−2−メチル−3ヒドロキ
シ−4−ペンタン酸NAcシステアミンチオエステル(調製G)を給餌されるS
.coelicolor菌株は、15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB
を生成するための上記の調製Aに記載されるプロセスに従って調製する場合に、
14,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドBを生成する。
【0111】 C.14−ノル−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、Rd=メチル)
:同様に、実施例2Aに記載されるプロセスに従って調製する場合、14−ノル
−6−デオキシエリスロノリドBを、S.coelicolor CH999/
pCK7宿主を使用して、ジケチドチオエステルの使用なしで生成する。
【0112】 (実施例3) (エリスロマイシンの調製) 実施例2、調製A〜Cにおいて生成される6−dEB誘導体化合物は、Sac
charopolyspora erythraeaの組換え菌株を使用して、
エリスロマイシン誘導体に変換される。6および12の両方の水酸基を有するエ
リスロマイシンの生成について、使用されるS.erythraea菌株は、K
40−67またはK39−14Vであった。エリスロマイシンAを高レベルで生
成し得るS.erythraea菌株を、不活性化KS1ドメインをコードする
変異されたeryA1配列を含むpWHM3誘導プラスミドで形質転換すること
によって、この菌株を作製した。相同組換えによって、得られた形質転換体は、
6−デオキシエリスロノリドBを生成不可能になる。従って、この給餌されるd
EBアナログは、6位での水酸化についての競合に供されない。12の水酸基の
みを有するエリスロマイシン誘導体の生成について、使用されるS.eryth
raea菌株はK39−07であった。この菌株は、eryFヒドロキシラーゼ
遺伝子の破壊によって菌株K40−67から構築され;これはアナログを6位で
水酸化する能力を破壊する。両方の菌株を、実質的に同様の以下に記載のような
条件下で発酵した。
【0113】 15−メチル−エリスロマイシンA:15−メチル−エリスロマイシンAを、
以下のプロトコルに従って生成する:K39−14Vワーキング細胞バンクの1
mLのバイアルを解凍し、そしてこのバイアルの内容物を、出入り制御された2
50mLのフラスコ内の50mLの種菌培地2に添加する。このフラスコを、3
4±1℃および175±25RPMで保持したインキュベーター/シェーカーに
48±10時間配置する。次いで、この50mLの培養物を、500mLの種菌
培地2を含む2.8Lの出入り制御フラスコに添加する。このフラスコを、34
±1℃および175±25RPMで48±10時間、インキュベーター/シェー
カーでインキュベートする。この500mLの培養物を、各々が500mLの種
菌培地2を含む10個の2.8Lの出入り制御フラスコに等しく分割する。次い
で、すべてのフラスコを、以前に記載したようにインキュベートする。
【0114】 100Lの生産培地2を121℃で45分間滅菌することで、150Lの発酵
槽を調製する。インキュベートの後、10個全てのフラスコを、5Lの滅菌イン
キュベーションボトルに合わせ、そして無菌的に150Lの発酵槽に添加する。
この発酵槽を、2.5N H2SO4および2.5N NaOHの添加、攪拌速度
(500〜700RPM)、空気流速(10〜50LPM)、および/またはバ
ックプレッシャー制御(0.1〜0.4bar)による80%以上の溶存酸素空
気飽和により、34℃、pH7.0に制御する。消泡剤Bの50%溶液の添加に
より、気泡を制御する。
【0115】 15%のデキストリン(w/v)(58−60mL/時間)の供給を開始した
(24±5時間)。デキストリン溶液を、供給時間の間、連続的に混合した。2
4±5時間で25gの15−メチル−6dEB(実施例2の調製A)を、発酵槽
に加えた。この15−メチル−6dEBを、25gの15−メチル−6dEB(
100%のエタノール(400−600mL)中)に溶解し、そして濾過(0.
2μm,ナイロンフィルター)することによって調製した。15−メチル−6d
EBの15−メチル−エリスロマイシンAへの変換は、60±10時間後に生じ
、そして発酵槽から回収する。この発酵ブロスを、20,500g(Alpha
Laval AS−26遠心分離機)で遠心分離する。この産物は、主に中心
に存在する;遠心分離した細胞の塊は、廃棄する。
【0116】 このプロセスに使用する培地は、以下を含む:
【0117】
【表4】 60分間121℃のオートクレーブにより滅菌する。 滅菌後に以下を添加する: オートクレーブにかけた1mL/Lの100%AntifoarnB(J.T.
Baker)。
【0118】
【表5】 45分間121℃、発酵槽中で滅菌する。
【0119】 34gの標的分子を含む遠心分離した発酵ブロス(127L)を、18.3L
のHP2O吸着剤を通過させ、Amicon P350 Moduline 2
クロマトグラフィーカラムに充填した。4L/分の充填で、背圧が5psi未満
であることが分かる。充填に続き、この樹脂を20Lの脱イオン化水で洗浄し、
次いで、40Lの30%メタノールで洗浄した。15−メチル−エリスロマイシ
ンAを、54Lの100%メタノールを使用して溶出する。この生成物のプール
を、Buchiロータリーエバポレーター(R−152)を使用してエバポレー
トする。この固体を、最小量の100%メタノールに溶解し、濾過し、そして濾
液を乾固するまでエバポレートした。これにより、30重量%の15−メチル−
エリスロマイシンAを含む123gの物質を得た。80gの30%物質を、40
℃のアセトン(1L)で2回抽出する。このアセトン抽出物を、濾過し、そして
濾液を、20Lのロータリーエバポレーションフラスコの内側で乾燥させた。こ
の固体を、9:1のヘキサン:アセトン(40℃)で3回抽出した。この有機抽
出物を、プールし、そして乾固するまでエバポレートし、32gの15−メチル
−エリスロマイシンAの濃縮固体(68%)を得た。アセトン/ヘキサン抽出物
中の産物を、1Lのメタノールに溶解し、これに、等しい量の水を添加した。こ
のメタノール溶液を、HP20SS クロマトグラフィーカラム(Kontes
)に充填し、その後、50%メタノールで洗浄し、そして平衡化する。カラムの
寸法は、4.8x115cmであった。15−メチル−エリスロマイシンAを充
填したカラムは、11g/Lである。このカラムを、50%(0.8L)および
60%(8L)メタノール(水中)で洗浄する。標的分子の溶出を、70%(8
L)、80%(16L)−および85%(8L)のメタノール(水中)を使用し
て実施する。1L分画を、回収した。分画11−29を合わせて、エバポレート
し、そして減圧オーブンで乾燥し、23gの生成物を93%の純度で得た。
【0120】 この物質は、以下の例で記載される化学的誘導体化手順のための出発物質とし
て利用する。以下の化合物はまた、以下の方法によって生成する:(i)14−
ノルエリスロマイシンA(Rd=Me);(ii)14,15−デヒドロ−エリ
スロマイシンA(Rd=アリル);(iii)14−ノル−6−デオキシ−エリ
スロマイシンA;(iv)14,15−デヒドロ−6−デオキシ−エリスロマイ
シンA;および(v)15−メチル−6−デオキシ−エリスロマイシンA。3−
デスクラジノース(descladinose)−3−オキソ−誘導体を生成す
るために使用する場合、このエリスロマイシンA誘導体は、エリスロマイシンC
誘導体から分離されず;その代わり、化学的誘導体化のために出発物質として、
エリスロマイシンA化合物およびエリスロマイシンC化合物の混合物が、使用さ
れる。
【0121】 これらの生成物を、以下のように抽出し、そして精製した。
【0122】 一般に、発酵ブロスを、NaOHの添加によりpH8.0にし、そしてエタノ
ールを添加した(0.1L/Lブロス)。このブロスを、遠心分離により分類し
、そしてXAD−16樹脂(RohmおよびHaas)カラム(1kg XAD
/1g エリスロマイシンアナログ)に2−4mL/cm2−分の流速で充填す
る。この充填した樹脂を、2カラム容積の20%(v/v)エタノール(水中)
で洗浄し、そしてエリスロマイシンアナログを、アセトンを含む樹脂から溶出し
、1/2カラム容積の分画で回収する。エリスロマイシンアナログを含む分画を
、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン 1:1)およびHPLC/
MSによって同定する。
【0123】 エリスロマイシンアナログを含むアセトン分画をプールし、そして揮発物を減
圧下で除去する。得られた水性混合物を、酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチ
ル抽出物を、飽和NaH2CO3およびブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムま
たは硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾固するまで濃縮する。粗物
質を、ジクロロメタンに溶解し、そしてシリカゲルのパッド上に充填し、そして
、溶出物が黄色でなくなるまで、ジクロロメタン:メタノール(96:4 v/
v)で洗浄する。所望の物質は、ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミ
ン(94:4:2v/v)であり、分画を回収する。エリスロマイシンを含む分
画を、薄層クロマトグラフィーによって同定し、回収し、そして減圧下で濃縮す
る。この物質を、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶する。
【0124】 この一般手順を以下のように例示する。
【0125】 (i)14−ノルエリスロマイシン:1Lのエタノールを、10Lの発酵ブロ
スの各々に添加した。このブロスを遠心分離にかけ、そして上清を0.6LのX
AD(カラムの寸法17cmx6.5cm)に100mL/分の流速で通過させ
た。充填後、このカラムを、1.5Lの20%(v/v)エタノール(水)で洗
浄した。次いで、所望の物質を、アセトンで溶出した。この物質を含む分画を、
揮発物が除去されるまで減圧下で濃縮し、そして水性残渣を、酢酸エチルで抽出
した。この酢酸エチル層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0126】 粗物質(0.6g)を、ジクロロメタン中に溶解し、そして直径6cmのガラ
スロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物
質を、400mLのジクロロメタン、次いで400mLのジクロロメタン:メタ
ノール:トリエチルアミン(90:10:2 v/v)で溶出し、40mLの分
画を回収した。エリスロマイシンを含む分画を、薄層クロマトグラフィー(エー
テル:メタノール:NH4OH 90:8:2 v/v,Rf約0.35およびジ
クロロメタン:メタノール 95:5 v/v,Rf約0)によって同定し、減
圧下で濃縮した。この物質を、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶させた。
【0127】 (ii)15−メチル−エリスロマイシンA:8Lのエタノールを、約 80
Lの発酵槽ブロスに添加した。このブロスを遠心分離し、そして上清を、2.5
LのXADに230mL/分の流速で通過させた。充填後、このカラムを、1L
の水および5Lの20%(v/v)エタノール(水中)で洗浄した。次いで、所
望の物質を、アセトンで抽出した。この物質を含む分画を、揮発物が除去される
まで減圧下で濃縮し、そいて水性残渣を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
、減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0128】 粗物質(8.3g)を、ジクロロメタン中に溶解し、そして直径9cmのガラ
スロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物
質を、200mLのジクロロメタン、次いで600mLのジクロロメタン:メタ
ノール(96:4 v/v)、次いで900mLのジクロロメタン:メタノール
:トリエチルアミン(89:9:2 v/v)で溶出し、40mLの分画を回収
した。エリスロマイシンを含む分画を、薄層クロマトグラフィー(エーテル:メ
タノール:NH4OH 90:8:2 v/v,Rf約0.4およびジクロロメタ
ン:メタノール 95:5 v/v,Rf約0.05)によって同定し、減圧下
で濃縮した。この物質を、再結晶に適合する前に上記の手順に再び供した。
【0129】 (iii)14−ノル−6−デオキシ−エリスロマイシン:1Lのエタノール
を、2×10(2 10)Lの発酵槽の各々に添加した。このブロスを、遠心分
離にかけ、そして上清を、全部で約22Lを合わせた。次いで、この合わせたブ
ロスを、1LのXAD(カラムの寸法 23.5cmx6.5cm(同上))に
170mL/分の流速で通過させた。充填後、このカラムを、2Lの20%(v
/v)エタノール(水中)で洗浄した。次いで、この所望の物質を、アセトンで
溶出した。この物質を含む分画を、揮発物が除去されるまで減圧下で濃縮し、そ
して水性残渣を、酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル層を、飽和重炭酸ナト
リウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で濃
縮し、粗抽出物を得た。
【0130】 (iv)15−メチル−6−デオキシ−エリスロマイシン:1Lのエタノール
を、10Lのブロスを含む3つの発酵槽の各々に添加した。このブロスを遠心分
離にかけ、そして上清を、1.25LのXAD(カラムの寸法 40cmx6.
5cm)に130mL/分の流速で通過させる。次いで、このカラムを、3Lの
20%(v/v)エタノール(水中)で洗浄する。次いで、この所望の物質を、
アセトンで溶出する。この物質を含む分画を、揮発物が除去されるまで、減圧下
で濃縮し、そいて水性残渣を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル層を、飽和
重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして
減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0131】 粗物質(2.8g)を、ジクロロメタンに溶解し、そして直径6cmのガラス
ロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物質
を、400mLのジクロロメタン:メタノール(96:4 v/v)、次いで4
00mLのジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(89:9:2 v
/v)で溶出し、40mLの分画を回収した。エリスロマイシンを含む分画を、
薄層クロマトグラフィー(エーテル:メタノール:NH4OH 90:8:2
v/v,およびジクロロメタン:メタノール 95:5 v/v)によって同定
し、そして減圧下で濃縮した。この物質は、シリカゲルクロマトグラフィーによ
るさらなる精製を必要とした。
【0132】 (実施例4) (6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA,すなわち式(4)の合成
、ここで、Ra=Me,Rd=Me,RC=H,Re=H) A.14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム:14−ノルエリスロマイシ
ンA(0.621g,80%純度),ヒドロキシルアミン(0.5mlの50%
水溶液)および酢酸(0.2ml)のイソプロパノール溶液(2ml)を、50
℃で22時間保持した。これを、クロロホルム/エタノール(3/2)で抽出し
、重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。濾過し
、そして減圧下でエバポレートし、粗生成物(0.65g)を白色固体として得
、これを次の転換に直接使用した。
【0133】 B.14−ノルエリスロマイシンA−9−[O−(l−イソプロポキシシクロ
ヘキシル)]オキシム:上記の粗14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム(
0.65g)および1,1−ジオキソプロポキシ−シクロヘキサノン(0.95
ml)の塩化メチレン溶液(2ml)を、ピリジニウムp−トルエンスルホネー
ト(PPTS)(0.333g)の塩化メチレン中溶液(2ml)に添加した。
一晩攪拌後、この混合物を抽出(クロロホルム/エタノール 3:2)し,洗浄
(NaHCO3−H2O,ブライン)し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過し
、減圧下でエバポレートした後、この粗生成物を、トルエンおよびイソプロパノ
ールで繰り返し洗浄し、0.74gの生成物を得、これを、次に反応に直接使用
した。
【0134】 C.2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイシン
A[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム:14−ノルエリス
ロマイシンA−9−[O−(l−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(
0.74g)の塩化メチレン溶液(6ml)に、トリメチルシリルイミダゾール
(0.33ml)およびトリメチルシリルクロリド(0.18ml)の塩化メチ
レン溶液(2ml)をO℃で添加した。5分間の攪拌後、酢酸エチルを添加し、
洗浄(NaHCO3−H2O,ブライン)し、そして乾燥(MgSO4)した。シ
リカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(10:1 ヘキサン:アセトン,1
%トリエチルアミン)により、純粋な生成物を、白色固体として得た(0.50
g)。質量分析により、[M+H]+=1020だと分かった。
【0135】 D.6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノル
エリスロマイシンA−9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキ
シム:2’,4”−ビス−O−トリメチルシリルノル−14−エリスロマイシン
A−9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(0.3g,
0.29mmol)の1:1メチルスルホキシド/テトラヒドロフラン(DMS
O/THF)溶液(1.4ml)を、0.3mlの2Mのメチルブロミドのエー
テル溶液で処理し、そして10℃まで冷却した。1Mのテトラ−ブトキシドカリ
ウムのTHF(0.6ml)およびDMSO(0.6ml)混合液を、シリンジ
ポンプを使用して、6時間かけて添加した。次いで、この反応物を、酢酸エチル
に希釈し、そして飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、そいてMgSO4で乾燥
した。濾過し、そいて減圧下でエバポレートして、粗生成物(0.29g)を白
色固体として得た。質量スペクトルによって、[M+H]+=1034だと分か
った。
【0136】 E.6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム:6−O−
メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリルノルエリスロマイシンA−9
−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(0.29g),酢
酸(3.6ml),アセトニトリル(6ml)および水(3ml)の混合物を、
周囲温度で4.5時間攪拌した。この混合物を、トルエンを使用して乾燥させ、
白色固体(0.24g)として粗生成物を得、これを、さらなる精製なしで次の
工程に直接使用した。
【0137】 F.6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA:6−O−メチル−14
−ノルエリスロマイシンA9−オキシム(0.24g),ヒドロ亜硫酸ナトリウ
ム(0.45g,85%純度),水(3ml),エタノール(3ml)およびギ
酸(0.07ml)の混合物を、85℃で8時間保持した。この反応物を、1N
のNaOHを用いてpH8にし、そして.酢酸エチルで抽出した。この有機抽出
物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗生
成物を、白色固体(0.2g)として得た。質量分析により、[M+H]+=7
35だと分かった。
【0138】 (実施例5) (6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA,すなわち式(
4)の合成、ここでRd=−CH=CH2,Ra=Me,Rc=H,Re=H) (A.14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム) 14,15−デヒドロエリスロマイシンA(1.984g,47%純度,1.
2mmol)の2−プロパノール懸濁液(6ml)を、1.97mLの50%水
性ヒドロキシルアルニンで処理し、そして溶解するまで攪拌した。酢酸(0.6
2mL)を添加し、この混合物を、25時間50℃で攪拌した。周囲温度まで冷
却し、飽和NaHCO3を添加し、そしてこの混合物を、減圧下で濃縮し、イソ
プロパノールを除去した。得られた水性混合物を、250ml部のCHCl3で
3回抽出した。この有機抽出物を、合わせて、飽和NaHCO31、水、および
ブラインで洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して0.
92gの生成物を得た。
【0139】 (B.14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシム) (A)(0.92g)のオキシムを、6.2mlのCH2Cl2中に溶解し、そ
して1,1−ジオキソプロポキシシクロヘキサン(1.23g)およびピリジニ
ウムp−トルエンスルホネート(0.464gm)で15時間周囲温度で処理し
た。この混合物を、160mLのCH2Cl2で希釈し、次いで、飽和NaHCO 3 、水およびブラインで処理した。この有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、
そしてエバポレートして、褐色シロップを得た。シリカゲルのクロマトグラフィ
ーをかけ(トルエン〜1:1 トルエン/アセトン+1%Et3Nの勾配)、0
.998gの生成物を得た。
【0140】 C.2’,4”−ビス(O−トリメチルシリル)−14,15−デヒドロエリ
スロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム 14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(−イソプロポキシシク
ロヘキシル)]オキシム(998mg,9.96)のCH2Cl2溶液(11.2
5mL)を、不活性な大気下で氷で冷却し、そしてクロロトリメチルシラン(0
.24mL)および1−トリメチルシリルイミダゾール(0.44mL)の溶液
で処理した。30分後に、この反応物を、250mLの酢酸エチルで希釈し、次
いで、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。この有機層を、MgS
4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、1.002gの生成物を得た
【0141】 D.2’,4”−ビス(O−トリメチルシリル)−O−メチル−14,15−
デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)
]オキシム 2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14,15−デヒドロエリスロマ
イシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(1.0
0g,20.7mmol)の1:1テトラヒドロフラン/メチルスルホキシド溶
液(9.69mL)を、10℃まで冷却し、そして0.97mLの2.0Mのメ
チルブロミド(エーテル中)を、不活性大気下で処理した。メチルスルホキシド
(1.94mL)および1.0Mのカリウムテトラブトキシド(テトラヒドロフ
ラン中)(1.94mL)を、ゆっくり添加した。この反応物を、薄層クロマト
グラフィー(シリカゲル,10:1トルエン/アセトン)でモニターし、そして
1.6モル等量の塩基の添加後、完了を判断した。この反応物を、200mLの
酢酸エチルおよび70mLの飽和NaHCO3で希釈した。この混合物を、分液
ロートに移し、850mLの酢酸エチルおよび280mLの飽和NaHCO3
希釈し、次いで水およびブラインで洗浄した。この有機層を、MgSO4で乾燥
し、Celiteに通して濾過し、そしてエバポレートして21.2gの粗6−
O−メチル−2’,4”−ビストリメチルシリル−14,15−デヒドロエリス
ロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシムを得
た。これを、さらなる精製なしで取り扱った。
【0142】 E.6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム 6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14,15−デ
ヒドロエリスロマイシンA9−[O−(l−イソプロポキシシクロヘキシル)]
オキシム(1.0g)の2:1アセトニトリル/水の溶液(9.8ml)を、5
.3mLの酢酸で処理し、そして、周囲温度で8時間攪拌した。この混合物を、
減圧下で濃縮し、トルエンの添加後に繰り返し濃縮し、0.797gの粗6−O
−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシムを得た。
【0143】 F.6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム(0
.797g)およびヒドロ亜硫酸ナトリウム(85%,1.02g)の1:1エ
タノール/水溶液(7.5mL)を、大気下に配置した。ギ酸(0.186mL
)を滴下し、そしてこの混合物を、80℃で3時間攪拌した。周囲温度まで冷却
した後、この反応物を、6NのNaOHでpH10に調整し、そして150ml
部の酢酸エチルで3回抽出した。この有機層を合わせて、次いで、飽和NaHC
3、水およびブラインで洗浄した。有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、そ
してエバポレートし、さらなる転換に適した、0.68gの6−O−メチル−1
4,15−デヒドロエリスロマイシンAを得た。
【0144】 (実施例6) (6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA、すなわち、Rd=プロ
ピル、Ra=Me、Rc=H、Re=Hである式(4)の合成) A.15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシム:40mLの2−プロパ
ノール中の15−メチルエリスロマイシンA(20.0g、純度85%、22.
6mmol)の懸濁物を20.5mLの50%水性ヒドロキシルアミンで処理し
、そして溶解するまで攪拌した。酢酸(6.41mL)を添加し、そして混合物
を50℃にて15時間攪拌した。室温まで冷却した後、飽和NaHCO3を添加
し、そして混合物を減圧下で濃縮してイソプロパノールを除去した。得られた水
性混合物を250mLずつのCHCl3で3回抽出した。有機抽出物を合わせ、
飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過
し、そして濃縮して、20.5gの粗生成物を得た。LC/MSによる分析は、
EオキシムおよびZオキシムの94:6の混合物([M+H]+=764)を示
した。
【0145】 B.15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシク
ロヘキシル)]オキシム:上記からの粗オキシム(20.5g)を、55mLの
CH2Cl2に溶解し、そして1,1−ジイソプロポキシシクロヘキサン(27.
3mL)およびピリジニウムp−トルエンスルホネート(9.8g)で室温にて
15時間処理した。この混合物を、160mLのCH2Cl2で希釈し、次いで、
飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した。有機相を、MgSO4で乾
燥し、濾過し、そしてエバポレートして、褐色のシロップを得た。シリカゲルで
のクロマトグラフィー(2:1〜3:2のヘキサン/アセトン+1% Et3
の勾配)によって、18.0gの生成物を得た。
【0146】 C.2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイシ
ンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)オキシム:25mLの
CH2Cl2中の15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシム(9.00g、9.96mmol)の溶液を不
活性雰囲気下で氷上で冷却し、そして8mLのCH2Cl2中のクロロトリメチル
シラン(1.89mL)および1−トリメチルシリルイミダゾール(3.65m
L)の溶液で処理した。30分後、反応物を250mLの酢酸エチルで希釈し、
そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した。有機相を、MgS
4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。粗生成物をシリカゲルクロマ
トグラフィー(ヘキサンから10:1のヘキサン/アセトン+1% Et3Nの
勾配)によって精製して、7.8gの生成物を得た。
【0147】 D.6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチ
ルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム:41.4mLのテトラヒドロフラン中の2’,4”−ビス−O−トリメ
チルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキ
シシクロヘキシル)]オキシム(21.7g、20.7mmol)の溶液を10
℃まで冷却し、そして不活性雰囲気下でエーテル中の41.4mLのメチルスル
ホキシドおよび20.7mLの2.0Mメチルブロミドで処理した。メチルスル
ホキシド(41.4mL)およびテトラヒドロフラン(41.4mL)中の1.
0M カリウムtert−ブトキシドの混合物を、1時間あたり約20mLの速
度で添加した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、10:1のトルエン/ア
セトン)によって反応をモニターし、そして1.6モル当量の塩基の添加後に完
了したと判断された。反応物を、200mLの酢酸エチルおよび70mLの飽和
NaHCO3で希釈した。混合物を分液漏斗に移し、850mLの酢酸エチルお
よび280mLの飽和NaHCO3で希釈し、次いで、水およびブラインで逐次
洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、Celiteを通して濾過し、そして
エバポレートして、21.2gの粗6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−ト
リメチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロ
ポキシシクロヘキシル)]オキシムを得た。これを、さらなる精製を伴わずに用
いた。
【0148】 E.6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシム:11
0mLのアセトニトリル中の6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチ
ルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシ
シクロヘキシル)]オキシム(21.2g)の溶液を55mLの水および67m
Lの酢酸で処理し、そして室温にて8時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、
次いで、トルエンの添加後に繰り返し濃縮して、19.7gの6−O−メチル−
15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシムを得た。
【0149】 F.6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA:280mLの1:1
のエタノール/水中の6−O−メチル−15メチルエリスロマイシンA 9−オ
キシム(19.7g)および亜ニチオン酸ナトリウム(85%、23.1g)の
溶液を、不活性雰囲気下に置いた。ギ酸(3.75mL)を滴下し、そして混合
物を80℃にて4.5時間攪拌した。室温になるまで冷却した後、反応物を飽和
NaHCO3で処理し、そして400mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。有
機抽出物を合わせ、そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した
。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、さらなる変
換に適した15.1gの6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンAを得
た。
【0150】 (実施例7) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3−
デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(無水形
態の式(1)、Ra=OH、Rd=Me、Rf=Me、Rc=Ac、Rb=H)の合
成) A.5−O−デソサミニル−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:
6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA(77mg)、0.073ml
の12N HClおよび水(2ml)の混合物を、室温にて3時間攪拌した。混
合物を8N KOHでpH8にし、そして酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を
ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残
渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)でのク
ロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物を白色固体(42mg)として得た。
質量分析法は、[M+H+]=576を示す。
【0151】 B.5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−6−O−メチル−14−ノル
エリスロノリドA:5−O−デソサミニル−6−O−メチル−14−ノルエリス
ロノリドA(73mg)、炭酸カリウム(20mg)、無水酢酸(14μl)お
よびアセトン(1ml)の混合物を室温にて18時間攪拌した。酢酸エチルを添
加し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートした。残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチル
アミン)でのクロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物(71mg)を白色固
体として得た。質量分析法は、[M+H+]=618を示す。
【0152】 C.5−O−2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−3−オキソ−6
−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(式(1)、Ra=OH、Rd=Me
、Rf=Me、Rb=H、Rc=Ac):ジクロロメタン(2ml)中の5−O−
(2’−アセチルデソサミニル)−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリド
A(99mg)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミド(EDC)ヒドロクロリド(206mg)の溶液をDMSO(0.21
ml)で処理し、そして5℃まで冷却した。ジクロロメタン(2ml)中のピリ
ジニウムトリフルオロ酢酸(208mg)の溶液をシリンジポンプを通して4時
間添加した。次いで、酢酸エチルを添加し、飽和NaHCO3、水、ブラインで
洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残渣を
、シリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)でのクロ
マトグラフィーにかけて、純粋な生成物(94mg)を白色の固体として得た。
質量分析法は、[M+H+]=616を示す。
【0153】 D.5−O−2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−3−オキソ−1
1−O−メチルスルホニル−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:乾
燥ピリジン(1ml)中の5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−3−デオ
キシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(93mg)
の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.057ml)を5℃にて添加した。
5℃にて3時間後、反応物を室温まで温め、そしてさらに15時間保持した。混
合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3(2×)、水(3×)、ブライン
で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残渣
をシリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1/ヘキサン:アセトン、1%トリ
エチルアミン)にかけて、純粋な生成物(72mg)を白色固体として得た。質
量分析法は、[M+H+]=695を示す。
【0154】 E.5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3
−デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:アセ
トン(1ml)中の5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−
3−オキソ−11−O−メタンスルホニル−6−O−メチル−14−ノルエリス
ロノリドA(73mg)の溶液をジアザビシクロウンデセン(32μl)で室温
にて18時間処理した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3、水、
ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートし
た。残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1/ヘキサン:アセトン
、1%トリエチルアミン)にかけて、純粋な生成物(50mg)を白色固体とし
て得た。質量分析法は、[M+H+]=598を示す。13C−NMR(CDCl3 ,100MHz):δ207.02、204.50、169.63、168.7
2、142.52、139.40、101.87、80.61、80.02、7
7.14、72.66、71.48、69.09、63.56、51.35、5
0.56、47.12、40.61、39.73、37.36、30.36、2
1.32、21.06、20.96、20.67、18.45、14.34、1
3.89、13.55、13.45。
【0155】 (実施例8) (2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA(無水
形態の式(6)、Rd=アリル、Ra=Me、Rb=H、Rc=ベンゾイル)の合成
) A.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロ
マイシンA 3.6mLのCH2Cl2中の6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロ
マイシンA(668mg)、無水安息香酸(385mg)およびトリエチルアミ
ン(0.25mL)の溶液を2日間攪拌した。飽和NaHCO3の添加後、混合
物をCH2Cl2で3回抽出した。有機抽出物を合わせ、そしてエバポレートして
乾燥させ、そして生成物をシリカクロマトグラフィー(90:9:1のトルエン
/アセトン/Et3N)で精製して、477mgの生成物を得た;LC−MSは
、[M+H]+=850.6を示す。
【0156】 B.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”,11−ビス(O−メタン
スルホニル)−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 2.39mLのピリジン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−14,
15−デヒドロエリスロマイシンA(549mg)およびメタンスルホニルクロ
リド(0.50mL)の溶液を24時間攪拌し、次いで、CH2Cl2および飽和
NaHCO3で希釈した。混合物をCH2Cl2で3回抽出した。有機抽出物を合
わせ、エバポレートして乾燥させ、そして生成物をシリカクロマトグラフィー(
90:9:1のトルエン/アセトン/Et3N)によって精製して、530mg
の生成物を得た;LC−MSは、[M+H]+=1006.5を示す。
【0157】 C.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”−O−メタンスルホニル−
10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 0.195mLのアセトン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”
,11−ビス(O−メタンスルホニル)14,15−デヒドロエリスロマイシン
A(59mg)およびジアザビシクロウンデセン(0.018mL)の混合物を
24時間攪拌し、次いで、減圧下で乾燥した。生成物をシリカクロマトグラフィ
ー(90:9:1のトルエン/アセトン/Et3N)で精製して、50mgの生
成物を得た;LC−MSは、[M+H]+=910.5を示す。
【0158】 D.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−10,
11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”−O−メタンスルホニル−10
,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA(337mg)
、1.5mLのアセトニトリルおよび6.9mLの3N HClの混合物を22
時間攪拌した。アセトニトリルを減圧下で除去し、水性残渣のpHをNaOHの
添加によって12に調整し、そして生成物を4つの部分のCH2Cl2を用いて抽
出した。合わせた抽出物を乾燥し、そしてエバポレートした。生成物を、シリカ
クロマトグラフィー(96:4のCH2Cl2/MeOHから95:4:1のCH 2 Cl2/MeOH/Et3Nの勾配)によって精製して、197mg、[M+H
+=674.4を得た。
【0159】 E.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オ
キソ−10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 14.6mLのCH2Cl2(14.6mL)中での2’−O−ベンゾイル−6
−O−メチル−3−デスクラジノシル−10,11−アンヒドロ−14,15−
デヒドロエリスロマイシンA(226mg)およびDess−Martinペル
オジネート(periodinane)(427mg)の懸濁物を1時間攪拌し
た。混合物を、CH2Cl2および飽和NaHCO3で希釈した。生成物を3つの
部分のCH2Cl2を用いて抽出し、そして抽出物を合わせ、乾燥し、そしてエバ
ポレートした。シリカゲルクロマトグラフィー(90:9:1 トルエン/アセ
トン/Et3N)によって生成物168mgを得た。[M+H]+=672.4。 13 C−NMR(CDCl3,100MHz):δ 206.78、203(br
)、168.19、165.08、141.36、139.58、132.74
、131.51、130.46、129.79、128.25、120.18、
102.09、80.40、78.70、72.52、71.91、69.19
、63.76、51.10、50.54、47.08、40.73、39.87
、37.77、31.23、22.13、20.98、18.52、14.28
、14.15、13.55。
【0160】 (実施例9) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3−
デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−15−メチルエリスロノリド(無水形
態の式(1);Ra=OH、Rd=プロピル、Rb=H、Rc=Ac)の合成) A.6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシン
A 6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA(15.1g)および28
0mLの0.5N HClの混合物を室温にて3時間攪拌した。pHを6N N
aOHの添加によって9に調整し、そして得られる沈殿物を吸引濾過によって回
収し、水で洗浄し、そして乾燥した。濾液を400mLずつの酢酸エチルで3回
抽出した。有機抽出物を合わせ、飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗
浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、さらな
る生成物を得た。合わせた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ
て、9.35gの純粋な6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチル
エリスロマイシンAを得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=605を示す
【0161】 B.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メ
チルエリスロマイシンA 35mLの酢酸エチル中の無水酢酸(2.92mL)の溶液を、40mLの酢
酸エチル中の6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマ
イシンA(9.35g)の溶液に滴下した。混合物を、添加の完了後30分間攪
拌し、次いで濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1のヘキサン
/アセトン)によって、8.35gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3
−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシンAが得られた。ES−LC
/MSは、[M+H]+=647を示す。
【0162】 C.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−15−メチルエリスロマイシンA 64mLのジクロロメタンおよび15.47mLのメチルスルホキシド中の2
’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリ
スロマイシンA(8.3g)および1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル
)カルボジイミドヒドロクロリド(16.51g)の溶液を不活性雰囲気に置き
、そして氷上で冷却した。64mLのジクロロメタン中のピリジニウムトリフル
オロ酢酸(16.63g)の溶液を、添加が4時間で完了するような速度で添加
し、そして反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。完全な反応が
、73%のこの溶液の添加後に観察され、それゆえ、次いでこの反応を、600
mLの酢酸エチルおよび200mLの飽和NaHCO3の添加によってクエンチ
した。有機層を回収し、そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄
し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、8.4gの
粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー(3:1のヘキサン/アセ
トン)によって、6.75gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デス
クラジノシル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンAを得た。ES−L
C/MSは、[M+H]+=645を示す。
【0163】 D.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチルエリスロマイシンA メタンスルホニルクロリド(5.68mL)を、0℃にて35mLのピリジン
中の2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−15−メチルエリスロマイシンA(6.73g)の溶液に滴下した。混合物を
室温にし、そして700mLの酢酸エチルおよび200mLの飽和NaHCO3
の添加によってクエンチした。有機層を回収し、そして飽和NaHCO3、水お
よびブラインで逐次洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバ
ポレートして、8.2gの粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー
(5:2のヘキサン/アセトン)によって5.04gの2’−O−アセチル−6
−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−O−メタンスルホニ
ル−15−メチルエリスロマイシンAが得られた。ES−LC/MSは、[M+
H]+=723を示す。
【0164】 E.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−10,11−アンヒドロ−15−メチルエリスロマイシンA 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(5.22mL)
を23mLのアセトン中の2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラ
ジノシル−3−オキソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチルエリスロマ
イシンA(5.03g)の溶液に滴下した。溶液を4.5時間後に濃縮し、そし
て残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(5:2のヘキサン/アセトン)に
かけて3.72gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチルエリスロマイシンAを
得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=627を示す。
【0165】 (実施例10) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3,
6−ジデオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロノリドA(式(6)、無水
形態、Rd=プロピル、ORaはHによって置換される、Rb=H、Rc=Ac)の
合成) ジクロロメタン(5mL)中の6−デオキシ−15−メチルエリスロマイシン
C(220mg、0.307mmol)の溶液に炭酸カリウム(50mg)およ
び無水酢酸(100L、0.9mmol)を加え、そして反応物を室温にて16
時間攪拌した。溶液を濾過し、水酸化ナトリウム(1N、25mL)およびブラ
イン(25mL)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。粗
生成物である2’アセチル化形態の出発物質を、次の工程で用いた。
【0166】 粗生成物をピリジン(5mL)に溶解し、そしてメシルクロリド(70L、0
.9mmol)を添加した。反応物を−20℃にて2日間攪拌し、水酸化ナトリ
ウム(1N、25mL)およびブライン(25mL)に注ぎ、そして水層を酢酸
エチルで6回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そ
して溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(トル
エン/アセトン=3:1、1%水酸化アンモニウム)によって精製して、11,
4”−ジメシル化形態(190mg、2工程について68%)を得た。
【0167】 11,4”−ジメシル化形態(190mg、0.21mmol)をアセトン(
7mL)に溶解し、そしてDBU(63L、0.42mmol)を添加し、そし
て反応物を室温にて一晩攪拌した。混合物を水酸化ナトリウム(1N、25mL
)およびブライン(25mL)に注ぎ、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した
。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除
去した。粗生成物である10,11−デヒドロ形態の6−デオキシ−15−メチ
ルエリスロマイシンを次の工程で用いた。
【0168】 上記の工程からの粗生成物に、塩酸(30mL、3N)およびエタノール(2
mL)を添加し、そして混合物を6時間、激しく攪拌した。水酸化ナトリウム(
5mL、10N)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。粗
生成物である無水形態の式(6)(しかし、3位にOHを有する)(ここで、R d =プロピル、ORaはHによって置換される、Rb=RC=H)を次の工程で用い
た。
【0169】 ジクロロメタン(5mL)中の上記の工程からの粗生成物に、無水酢酸(50
L、0.45mmol)および炭酸カリウム(100mg)を添加し、そして混
合物を9時間、激しく攪拌した。反応物を濾過し、水酸化ナトリウム(20mL
、1N)およびブライン(25mL)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回
抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減
圧下で除去した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(トルエン/アセト
ン=3:1、1%水酸化アンモニウム)によって精製して、2’アセチル化形態
の出発物質(110mg、3工程について89%)を得た。
【0170】 上記工程の生成物(110mg、0.184mmol)を、ジクロロメタン(
10mL)に溶解し、そしてDess−Martin試薬(220mg、0.5
3mmol)を添加した。反応物を、45分間室温にて攪拌した。反応を、水酸
化ナトリウム(20mL、1N)およびブライン(25mL)を用いてクエンチ
し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルでのク
ロマトグラフィー(トルエン/アセトン、勾配=6:1〜3:1、1%水酸化ア
ンモニウム)によって精製して、式(6)の化合物を無水形態で得た(ここで、
d=エチル、ORaは、Hによって置換される、Rb=H、Rc=OAc(94m
g、86%))。
【0171】 (実施例 11) (I.式(4)の化合物:Rd=エチル、Ra=アリル) 工程1。中間体抗生物質の6−OHでのアリル化:30mLのテトラヒドロフ
ラン中の2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイ
シンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(式(I
)(RaはOHであり、Rdはプロピルであり、2’および4”がトリメチルシリ
ルによって保護され、そしてC9=Oがイソプロキシシクロヘキシルオキシムに
よって保護された))(7.8g、7.44mmol)の溶液を氷上で冷却し、
そして不活性雰囲気下で30mLのメチルスルホキシドおよび2.58mLの新
たに蒸留した臭化アリルで処理した。メチルスルホキシド(29.8mL)およ
びテトラヒドロフラン(29.8 mL)中の1.0M カリウムtertブト
キシドの混合物を、1時間あたり1.33モル当量の塩基の速度で添加した。反
応を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、10:1のトルエン/アセトン)に
よってモニターし、そして3.6モル当量の塩基の添加後に完了したと判断され
た。反応物を700mLの酢酸エチルで希釈し、そして飽和NaHCO3、水お
よびブラインで逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエ
バポレートして、8.08gの粗6−O−アリル−2’,4”−ビス−O−トリ
メチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシムを得た。これを、さらなる精製を伴わずに用い
た。
【0172】 工程2:42mLのアセトニトリル中の6−O−アリル−2’,4”−ビス−
O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソ
プロポキシシクロヘキシル)]オキシム(8.08g)の溶液を21mLの水お
よび24mLの酢酸で処理し、そして18時間室温で撹拌した。2−プロパノー
ルを添加後、次いで、繰り返しトルエンを添加後、この混合物を濃縮し、7.7
gの粗生成物を得た。シリカゲル(2:1から1:1までの勾配のヘキサン/ア
セトン+1%Et3N)のクロマトグラフィーによって、3.75gの6−O−
アリル−15−メチルエリスロマイシンA9−オキシムを得た。
【0173】 工程3:66mLの1:1エタノール/水中の6−O−アリル−15−メチル
エリスロマイシンA9−オキシム(3.75g)および亜硫酸ナトリウム(85
%、5.37g)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.845mL)を
滴下し、そしてこの混合物を80℃で3.5時間撹拌した。室温まで冷却した後
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mLずつの酢酸エ
チルで3回抽出した。この有機抽出相を合わせ、飽和NaHCO3、水、および
ブラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そし
てエバポレートして、さらなる変換に適した3.42gの6−O−アリル−15
−メチルエリスロマイシンAを得た。
【0174】 (II.式(4)の化合物:Rd=Me、Rf=アリル) 工程1:中間抗生物質の6−OHでのアリル化:テトラヒドロフラン(0.4
mL)中の2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイ
シンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム、式(I)
、(RaはOHであり、Rdはメチルであり、2’および4”はトリメチルシリル
で保護され、C9=Oはイソプロポキシシクロヘキシルによって保護される)(
202mg)、DMSO(0.4mL)、およびエーテル(0.04mL)を1
0℃まで冷却し、0.035mLの新たに蒸留したアリルブロミドで不活性窒素
雰囲気下で処理した。テトラヒドロフラン(0.4mL)中のメチルスルホキシ
ド(0.4mL)および1.0Mのカリウムtert−ブトキシドの混合物を0
.22mL/時間の速度で加えた。この反応を薄層クロマトグラフィー(シリカ
ゲル、5:1トルエン/アセトン)によってモニターした。この反応溶液を酢酸
エチルで希釈し、飽和NaHSO3、水、およびブラインで連続的に洗浄した。
この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、222m
gの粗6−O−アリル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノル
エリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシ
ムを得た。これをさらなる精製なしで維持した。
【0175】 工程2:4mLのアセトニトリル中の6−O−アリル−2’,4”−ビス−O
−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロ
ポキシシクロヘキシル)]オキシム(222mg)の溶液を2mLの水および2
.4mLの酢酸で処理し、そして18時間周囲の温度で撹拌した。2−プロパノ
ールを添加後、次いで、繰り返しトルエンを添加後、この混合物を濃縮し、22
0mgの粗6−O−アリル−14−ノルエリスロマイシンA9−オキシムを得た
【0176】 工程3:4mLの1:1エタノール/水中の6−O−アリル−14−ノルエリ
スロマイシンA9−オキシム(220mg)および亜硫酸ナトリウム(85%、
322mg)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.050mL)を滴下
し、そしてこの混合物を80℃で15時間撹拌した。周囲の温度まで冷却した後
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mL部の酢酸エチ
ルで3回抽出した。この有機抽出相を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブ
ラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
エバポレートして、さらなる転化に適した156mgの6−O−アリル−14−
ノルエリスロマイシンAを得た。
【0177】 他の実施形態:同様の様式において、式(4)の化合物(ここで、YおよびZ
は、共に=Oであり、Raはアリルである)を中間体(Rdはブチル、ベンジル、
ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)から調製した。
【0178】 (実施例12) (式(4)から式(6)への転化) 工程1:実施例11、IIで調製した化合物(7mg、粗生成物)、0.07
3mlの12N HClおよび水(2ml)の混合物を周囲の温度で3時間撹拌
した。この混合物を8N KOHでpH8にし、そして酢酸エチルで抽出した。
この有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバ
ポレートした。この残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリ
エチルアミン)のクロマトグラフィーにかけ、白色固体として純粋な生成物(4
2mg)を得た。
【0179】 工程2:2’OHを保護するために、上記化合物(73mg)、炭酸カリウム
(20mg)、無水酢酸(14μl)およびアセトン(1ml)の混合物を周囲
の温度で18時間撹拌した。酢酸エチルを加え、水およびブラインで洗浄し、M
gSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。この残渣をシリカゲル(
3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)のクロマトグラフィーに
かけ、白色固体として純粋な生成物(71mg)を得た。
【0180】 工程3:ジクロロメタン(2mL)中の工程2から得られる化合物(99mg
)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(E
DC)塩酸塩(206mg)の溶液をDMSO(0.21ml)で処理し、5℃
まで冷却した。ジクロロメタン(2mL)中のトリフルオロ酢酸ピリジニウム(
208mg)の溶液をシリンジポンプを介して4時間加えた。次いで、酢酸エチ
ルを加え、飽和NaHCO3、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過
し、そしてエバポレートした。この残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセ
トン、1%トリエチルアミン)のクロマトグラフィーにかけ、式(1)(94m
g、Raはアリルであり、Rcはアセテートであり、そしてRdはCH3である)の
純粋な化合物を得た。
【0181】 工程4:2’OHを脱保護するために、5mLメタノール中の工程3から得ら
れた化合物(94mg)の溶液を、室温で24時間撹拌した。この溶媒を減圧下
で除去し、式(6)(Raはアリルであり、RcはHであり、そしてRdはCH3
ある)の所望の化合物を得た。
【0182】 他の実施形態:同様の様式において、式(4)(ここで、Raはアリルであり
、RcはHであり、そしてRdはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3
−ヒドロキシブチルである)の化合物を調製した。
【0183】 (実施例13) (式(5)の化合物の調製) 実施例11の6−アリル誘導体として調製した式(4)の化合物を、2’位で
保護し、酸で処理し、脱水し、次いで脱保護し、図1で示される式(5)の化合
物(ここで、RcはHであり、そしてRaはアリルである)を得た。同様に、上記
のように出発物質として式(I)(ここで、Rdは上に記載される通りである)
の化合物を使用して、式(6)の化合物(Rdは、プロピル、ブチル、ベンジル
、ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)を調製した。
【0184】 (実施例14) (9位の=Oから=NOHへの転化) 実施例6Aの手順に従って、エリスロマイシンの9位のカルボニルを対応する
オキシムに転化した。
【0185】 (実施例15) (−ORaでの転化) A.アリル→プロピル:エタノール中の上で調製した化合物のいずれか(0.
2mmol)の溶液を窒素でフラッシュし、10%炭素担持パラジウム(20m
g)を得た。次いで、この混合物を水素でフラッシュし、反応混合物を正の水素
圧力下で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、ガラス状物
を得た。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニ
ア)のクロマトグラフィーによって、白色固体としてプロピル化合物を得た。
【0186】 B.アリル→−CH2CHO:上で得られた化合物のいずれか(4.0mmo
l)のジクロロメタン(100mL)中の−78℃の溶液に、45分間オゾンを
通した。次いで、この反応混合物を窒素で10分間フラッシュした。ジメチルス
ルフィド(1.46mL、20mmol)を−78℃で加え、この反応混合物を
0℃で30分間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、白色泡状物を得、
これをさらなる精製なしで使用し、THF(40mL、4.0mmol)中のこ
の化合物およびトリフェニルホスフィン(2.62g、10.0mmol)の溶
液を55℃で2.5時間加熱した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、白色泡状
物を得た。シリカゲル(1:1アセトン−ヘキサン、次いで75:25:0.5
アセトン−ヘキサン−トリエチルアミン)のクロマトグラフィーによって所望の
化合物を白色固体として得た。
【0187】 C.アリル→−CH2CH=NOH:メタノール(5mL)中のBで調製した
化合物(ここで、Raは−CH2CHOである)(0.08mmol)の溶液に、
トリエチルアミン(31μL、0.225mmol)およびヒドロキシルアミン
塩酸塩(7.7mg、0.112mmol)を加え、この反応混合物を周囲の温
度で6時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下
で濃縮し、透明なガラス状物を得た。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメ
タン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラフィーによって、化合物を白色
固体として得た。
【0188】 D.−CH2CH=NOH→−CH2CN:THF(5mL)中のCで調製した
化合物(0.267mmol)の窒素下の溶液に、ジイソプロピルカルボジイミ
ド(83μL、0.534mmol)およびCuCl(2.7mg、0.027
mmol)を加え、この反応混合物を周囲の温度で一晩撹拌した。この反応混合
物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、透明なガラス状物を得た。シリ
カゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のカラム
クロマトグラフィーによって、所望の化合物を白色固体として得た。
【0189】 E.−CH2CHO→−CH2CH2NH2:メタノール(10mL)中のBで調
製した化合物(0.276mmol)の溶液に、酢酸アンモニウム(212mg
、2.76mmol)を加え、この混合物を0℃に冷却した。シアノ水素化ホウ
素ナトリウム(34mg、0.553mmol)を加え、この反応混合物を0℃
で30時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウ
ム水溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブライ
ンで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリ
カゲル(90:10:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロ
マトグラフィーによって、所望の化合物を白色固体として得た。
【0190】 F.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−フェニル:メタノール(10m
L)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃の溶液に、酢酸(1
14μL、2.00mmol)およびベンジルアミン(218μL、2.00m
mol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウ
ム(24.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を16時間撹
拌した。次いで、追加のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(24.8mg、0.4
00mmol)を加え、5時間撹拌し続けた。この反応混合物を酢酸エチルに採
取し、5%炭酸ナトリウム水溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン水溶液、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして
減圧下で濃縮した。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール
−アンモニア)のクロマトグラフィーおよび第2のクロマトグラフィー(50:
50:0.5アセトン−ヘキサン−トリエチルアミン)によって、所望の化合物
を白色泡状物として得た。
【0191】 G.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2−フェニル:メタノール(
10mL)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃の溶液に、酢
酸(114μL、2.00mmol)およびフェネチルアミン(218μL、2
.00mmol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素
ナトリウム(24.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を1
6時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水
溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲ
ル(95:10:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマト
グラフィーによって、所望の化合物を得た。
【0192】 H.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH(CO2CH3)CH2−フェニル:
メタノール(10mL)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃
の溶液に、L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(129mg、0.60
0mmol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナト
リウム(924.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を22
時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水溶
液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル
(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラ
フィーによって、所望の化合物を得た。
【0193】 I.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−(4−ピリジル):フェニルア
ラニンの代わりに4−アミノメチルピリジンを用いることを除いて、Gの方法に
従って、所望の化合物を調製した。
【0194】 J.−CH2CH2NH2→−CH2CH2NHCH2−(4−キノリル):メタノ
ール(2mL)中のEで調製した化合物(0.15mmol)の溶液に、4−キ
ノリンカルボキサアルデヒド(23mg、0.15mmol)、酢酸(8.6μ
L、0.15mmol)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.4mg、
0.15mmol)を加え、この反応混合物を15時間撹拌した。この反応混合
物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水溶液、2%トリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(95:10:0.5ジクロ
ロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラフィーによって、所望の化
合物を得た。
【0195】 K.アリル→−CH2CH=CH−フェニル:アセトニトリル(5mL)中の
実施例10で調製した2’保護化合物(1.00mmol)、パラジウム(II
)アセテート(22mg、0.100m)、およびトリフェニルホスフィン(5
2mg、0.200mmol)の窒素下の溶液に、ヨウ化ベンゼン(220μL
、2.00mmol)およびトリエチルアミン(280μL、2.00mmol
)を加え、この混合物を−78℃に冷却し、脱気し、そしてシールした。次いで
、この反応混合物を60℃まで0.5時間加温し、80℃で12時間撹拌し、酢
酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、2%トリス(
ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液で一回洗浄し、そしてブラインで一回洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル
(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラ
フィーによって所望の化合物を得た。
【0196】 メタノール中での加熱によって脱保護を行った。
【0197】 式(4)−(6)の他の実施形態において、RbはHであり、RcはHであり、
dはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキシブチルであ
り、Raは、以下:
【0198】
【表6】 である。
【0199】 上記化合物のいずれかは、上記の実施例14に記載される様式で、対応する誘
導体(ここで、YおよびZは共に=NOHである)に転化され得る。
【0200】 (実施例16) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはOであり、Ra=−CH2
H=CH2、RcはHである) (工程1.C−3にヒドロキシル基を有し、Raはアリルであり、そしてRc
ベンゾイルである、化合物(6)の中間体化合物を形成するための2’−OHで
の保護) ジクロロメタン(20mL)中の、Rdがプロピル、ブチル、ベンジル、ビニ
ル、または3−ヒドロキシブチルである、実施例12またはその他の実施形態の
生成物(2.49g、4.05mmol)の溶液に、安息香酸無水物(98%、
1.46g、6.48mmol)およびトリエチルアミン(0.90mL、6.
48mmol)を添加し、そしてその白色懸濁液を、周辺温度で26時間撹拌す
る。5%炭酸ナトリウム水溶液を添加し、そしてその混合物を20分間撹拌する
。この混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を5%重炭酸ナトリウム水溶
液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して白
色泡状物を得る。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキ
サン)は、保護された化合物を与える。
【0201】 (工程2.Raがアリルであり、Rcがベンジルである化合物(6)を形成する
ための酸化) N−クロロスクシンイミド(0.68g、5.07mmol)の、窒素下での
、−10℃のジクロロメタン(20mL)溶液に、5分にわたってジメチルスル
フィド(0.43mL、5.92mmol)を添加する。得られる白色スラリー
を、−10℃で20分間撹拌し、次いで工程1から得られる化合物(2.43g
、3.38mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を添加し、そしてこの
反応混合物を−10℃〜−5℃で30分間撹拌する。トリエチルアミン(0.4
7mL、3.38mmol)を5分にわたって滴下し、そしてこの反応混合物を
0℃で30分間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンで抽出する。有機
相を、重炭酸ナトリウム5%水溶液で2回、そしてブラインで1回洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して白色泡状物を得る。シリカゲル上で
のクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキサン)は、酸化された化合物を与
える。
【0202】 (工程3:例示的スキーム5から式(1)の化合物の環状炭酸塩を形成する:
aは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 工程2で調製された化合物(3.58g、5.00mmol)の、窒素下での
、−35℃のTHF(60mL)溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(
THF中で1.0M、5.5mL、5.5mmol)を添加し、そして得られる
白色懸濁液を30分間撹拌する。カルボニルジイミダゾール(4.05g、25
mmol)のTHF(40mL)溶液を−35℃で20分にわたって滴下し、次
いで冷浴を取り外し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌する。反応混合物を
酢酸エチルに取り出し、そして5%重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空で濃縮する。シリカゲル上
でのクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキサン)は、脱水された化合物(
2.6g)を白色泡状物として与える。(M+H)+は744である。
【0203】 (工程4.式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
Oであり、Raは−CH2CH=CH2であり、RcはHである) 工程3から得られる化合物(719mg、1.0mmol)のメタノール(2
0mL)溶液を、6時間還流で撹拌する。この反応混合物を真空で濃縮し、そし
てその残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(95:5:0.5 ジクロ
ロメタン−メタノール−アンモニア)によって精製し、所望の化合物を得る。
【0204】 (実施例17) (式(1)の化合物:LはCOであり、TはOであり、Raは−CH2CH=C
H−フェニルである) (A.例示的なスキーム5から式(1)の化合物の環状炭酸塩を形成する:R a は−CH2CH=CH−フェニルであり、Rcはベンゾイルである) 実施例15、工程K、または他の実施形態で調製された化合物(Rdがプロピ
ル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)(150
mL、0.20mmol)のTHF(5mL)溶液を−35℃まで冷却し、そし
て窒素を用いてフラッシュする。リチウムヘキサメチルジシラジド(THF中で
1.0M、0.22mL、0.22mmol)を−35℃で2分にわたって添加
する。この反応混合物を−35℃で10分間撹拌し、次いでカルボニルジイミダ
ゾール(162mg、1.0mmol)のTHF(3mL)溶液を2分にわたっ
て滴下する。冷浴を取り外し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌する。反応
混合物を0℃まで冷却し、そして0.5M KH2PO4水溶液を添加する。この
混合物を酢酸エチルで抽出し、そして有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、そして真空で濃縮する。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(3
0%アセトン−ヘキサン)は、脱水された化合物を与える。
【0205】 (B.式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、TはOで
あり、Raは−CH2CH=CH−フェニルであり、Rcは水素である) 工程Aで調製された化合物の脱保護を、実施例16、工程4の手順に従うメタ
ノール中での加熱によって達成する。
【0206】 上記の実施例およびスキームに記載された手順、ならびに有機合成化学分野に
おいて公知な方法を使用して、式(1)の化合物(LはCOであり、そしてTは
Oである)を調製し得る。これらの化合物は、以下に列挙されるRa置換基のう
ち1つを含む:
【0207】
【表7】 (実施例18) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 CH=CH2であり、RcはHである) (工程1:中間体化合物(6)の10、11無水形態を形成するための調製:
aは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) (A.6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチル−エリスロマイ
シンA) 6−O−アリル−15−メチルエリスロマイシンA(6.58g)および12
5mLの0.5N HClの混合物を周囲温度で20時間撹拌した。6N Na
OHの添加によってpHを10に調製し、そしてこの混合物を各225mLの酢
酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブラ
インで続けて洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、エバポレートした。
この粗製生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー分析して(3:2トルエ
ン/アセトン+1%Et3N)、3.04gの純粋な6−O−アリル−3−デス
クラジノシル−15−メチルエリスロマイシンAを得た。ES−LC/MSは、
[M+H]+=617を示す。
【0208】 (B.2’−O−ベンゾイル−6−アリル−3−デスクラジノシル−15−メ
チル−エリスロマイシンA) 6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシンA(
2.43g、3.86mmol、1.00当量)および安息香酸無水物(1.7
8g、7.72mmol、2.00当量)を丸底フラスコに入れ、N2を用いて
フラッシュした。酢酸エチル(17.5mL)を添加した。この溶液を3.5時
間撹拌し、次いで400mLのEtOAcで希釈し、そして150mLの飽和N
aHCO3水溶液で2回、各150mLの水およびブラインで1回洗浄した。有
機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲル上でのフラッ
シュクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)による
精製は、1.94g(68.1%)の所望の生成物を白色固体として与えた。E
S−LC/MSは、[M+H]+=721を示す。
【0209】
【化9】 (C.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−15−メチル−エリスロマイシンA) N−クロロスクシンイミド(0.510g、3.82mmol、1.50当量
)を13mLの無水CH2Cl2に溶解し、そしてN2下で−10℃まで冷却した
。硫化メチル(0.328mL、4.46mmol、1.75当量)を添加し、
そしてこの反応を15分間撹拌した。13mLの無水CH2Cl2中の、2’−O
−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロ
マイシンA(1.87g、2.55mmol、1.00当量)の溶液を滴下した
。30分後、新しく蒸留したEt3N(0.355mL、2.55mol、1.
00当量)を添加し;そしてこの反応を30分にわたって0℃にした。反応混合
物を400mLのEtOAcで希釈し、そして各100mLの飽和NaHCO3
水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、
濾過し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン:ア
セトン+1%Et3N)によって精製して、0.931g(49.9%)の所望
の生成物を白色固体として得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=719を
示す。
【0210】
【化10】 (D.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−15−メチルエリスロマイシンA(904mg、1.24mmol、1.00
当量)を新しく蒸留したピリジン(4mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した
。塩化メタンスルホニル(0.478mL、6.17mmol、5.00当量)
を滴下した。この反応を周囲温度に戻し、そして一晩撹拌した。この混合物を、
350mLのEtOAcで希釈し、そして100mLの飽和NaHCO3水溶液
でクエンチした。層を分離し、そして有機相を各100mLの水およびブライン
で続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シ
リカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:アセトン+
1%Et3N)は、741mg(74.1%)の所望の化合物を白色固体として
与えた。
【0211】
【化11】 (E.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチル−エリスロマイシンA) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−11−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA(705mg、
0.870mmol、1.00当量)を、アセトン(3mL)に溶解し、そして
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.651mL、
4.35mmol、5.00当量)を滴下した。この反応を周囲温度で6時間撹
拌し、次いで濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーは(4
:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)、486mg(78%)の所望の化
合物を白色固体として与えた。
【0212】
【化12】 (工程2:例示的スキーム3からのイミダゾリド中間体(7)の形成、および
化合物(1)/(10)の環状カルバメートを形成するための環化:Raは−C
2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−10,11−アンヒドロ−3−デス
クラジノシル−3−オキソ−15−メチル−エリスロマイシンA(227mg、
0.317mmol、1.00当量)を、1.3mLの新しく蒸留したTHFに
溶解し、そしてN2下で−15℃まで冷却した。水酸化ナトリウム(25gが鉱
油中に60%で分散、0.643mmol、2.00当量)を添加し、そしてこ
の反応を15分間撹拌した。1.3mLの新しく蒸留したTHF中の1,1−カ
ルボニルジイミダゾール(140mg、0.866mmol、3.00当量)の
溶液を滴下した。30分間の撹拌後、この反応を1.5時間にわたって周囲温度
まで温めた。この混合物を100mLのEtOAcで希釈し、そして各30mL
の飽和NaHCO3水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、275mgの粗製生成物(100
%)を得た。この粗製生成物を2mLのACNおよび0.2mLの無水THFに
溶解した。飽和水酸化アンモニウム水溶液(2mL)を添加した。この反応を密
閉し、そして2時間(2d)撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、そしてそ
の残渣を100mLのEtOAcに再び溶解した。この溶液を各30mLの飽和
NaHCO3水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物のフラッシュクロマトグラ
フィー(4:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、184mg(76.
5%)の所望の生成物を与えた。
【0213】 (実施例19) (式(3)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 −(2−ナフチル)である) (工程1:例示的スキーム2から化合物(4)を形成するための6−OHのア
ルキル化:Raは−CH2−(2−ナフチル)であり、RcおよびReはHである) 実施例11、工程1〜3の手順(工程1の(2−ナフチル)メチルブロミドの
アリルブロミドへの置換を除く)に従って、この化合物を調製する。
【0214】 (工程2:例示的スキーム2から中間体化合物(4)を形成するための2’、
4”ヒドロキシルの保護:Raは−CH2−(2−ナフチル)であり、Rcおよび
eはアセチルである) 工程1からの化合物(2.0g)を、実施例16、工程1の手順(無水酢酸の
安息香酸無水物への置換を除く)に従って処理する。
【0215】 (工程3:例示的スキーム2からの中間体化合物(9)の形成、および例示的
スキーム2からの化合物(3)の環状カルバメートの形成) 工程2からの化合物(500mg)をNaHおよびカルボニルジイミダゾール
で処理し、そして実施例18、工程2の手順に従ってアセトニトリル中のアンモ
ニアで処理し、この化合物を得る。
【0216】 (実施例20) (式(1)の化合物の調製:Rcはアセチルであり、LはCOであり、TはN
Hであり、Raは−CH2CH=CH2である) (工程1.例示的スキーム2からの中間体化合物(4)の調製:Raは−CH2 CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) ジクロロメタン(20mL)中の、実施例11、工程3またはその実施形態か
らの化合物(Rdはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキ
シブチル)(405.2g、528mmol)のサンプルに、ジメチルアミノピ
リジン(0.488g、4mmol)および無水酢酸(3.39mL、36mm
ol)を添加し、そしてこの混合物を室温で3時間撹拌する。この混合物を塩化
メチレンで希釈し、次いで5%重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し
、そしてNa2SO4で乾燥した。その残渣を乾燥し、そしてアセトニトリルから
再結晶してこの化合物を得た。
【0217】 (工程2:例示的スキーム2から中間体化合物(9)を形成するためのC−1
0,11での脱水およびC−12の誘導(derivation):Raは−C
2CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) −40℃に冷却され、そして窒素を用いてフラッシュされた、乾燥THF(5
00mL)中の、工程1からの化合物(85.8g、100mmol)のサンプ
ルに、20分にわたってナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(125m
L、125mmol)を添加し、そしてこの混合物を−40℃で40分撹拌する
。この混合物に、窒素下、−40℃で30分にわたってカルボニルジイミダゾー
ル(3.65g、22.56mmol)の5:3THF/DMF(800mL)
溶液を添加し、そしてこの混合物を−20℃で30分間撹拌する。この混合物を
、室温で27時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈する。この混合物を5%重炭
酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して化
合物(9)を得る。この化合物を次の工程に直接用いる。
【0218】 (工程3:例示的スキーム2からの化合物(3)の環状カルバメートの形成:
aは−CH2CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) 工程2からの化合物(124g)を、9:1 アセトニトリル/THF(11
00mL)に溶解し、水酸化アンモニウム(28%、200mL)を添加し、そ
してこの混合物を、室温、窒素下で8日間撹拌する。溶媒を除去し、そしてその
残渣を酢酸エチルに溶解する。この溶液を5%重炭酸ナトリウムおよびブライン
で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して化合物(3)を得る。
【0219】 (工程4:化合物(1)3−OH形態の調製:Raは−CH2CH=CH2であ
り、RcおよびReはアセチルである) エタノール(200mL)中の、工程3からの化合物(69.0g、78.2
mmol)のサンプルを、水(400mL)で希釈し、20分にわたってHCl
(0.972N、400mL)を滴下する。この混合物を4時間撹拌し、そして
さらなるHCl(4N、100mL)を、20分にわたって添加する。この混合
物を18時間撹拌し、0℃まで冷却し、次いでNaOH(4N、200mL)を
pHが約9になるまで30分にわたって添加する。中間体化合物を濾過によって
単離する。
【0220】 (工程5:化合物(1)の調製:Raは−CH2CH=CH2であり、Rcおよび
eはアセチルであり、LはCOであり、TはNHである) N−クロロスクシンイミド(2.37g、17.8mmol)の、窒素下で−
10℃のジクロロメタン(80mL)溶液に、ジメチルスルフィド(1.52m
L、20.8mmol)を5分にわたって添加する。得られる白色スラリーを1
0分間−10℃で撹拌し、工程4からの化合物(8.10g、11.9mmol
)のジクロロメタン(60mL)溶液を添加し、そしてこの反応混合物を30分
間−10℃〜−5℃で撹拌する。トリエチルアミン(1.99mL、14.3m
mol)を10分にわたって滴下し、そしてこの反応混合物を、1時間0℃で撹
拌する。この反応混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を5%重炭酸ナト
リウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で
濃縮して白色泡状物を得る。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(50:50
:0.5 アセトン/ヘキサン/水酸化アンモニウムで抽出)が、この化合物を
与える。
【0221】 (実施例21) (式(1)の化合物の代替の調製:LはCOであり、TはNHであり、Ra
−CH2CH=CH−(3−キノリル)である) (工程1:式(1)の化合物の調製:RbはHであり、Rdはプロピルであり、
LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル)
である) (調製A:式(1):RbはHであり、Raは−CH2CH=CH−(3−キノ
リル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA 11,1
2−環状カルバメート(40mg、0.0528mmol、1.0当量)、トリ
ス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14
mg、0.014mmol、0.5当量)、トリス−O−トリルホスフィン(1
7mg、0.055mmol、1.0当量)、および3−ブロモキノリン(72
μl、0.53mmol、10当量)を丸底フラスコに入れ、これをN2を用い
てフラッシュした。脱気したアセトニトリル(1mL)および新しく蒸留したE
3N(0.015ml、0.11mmol、2.0当量)を添加した。この反
応を63時間還流した。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtO
Acで希釈した。この溶液を、各10mLのNaHCO3水溶液、水、およびブ
ラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮し
た。この粗製生成物のフラッシュクロマトグラフィー(勾配 5:1〜2:1
ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、34mgの所望の生成物を与えた。
【0222】 工程2:上記生成物(34mg)を1mLのメタノールに溶解し、密封し、そ
して80℃で16時間還流した。揮発性物質を減圧下で除去した。フラッシュク
ロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、所望の生
成物を淡黄色固体(25mg、2工程で61%)として与えた。
【0223】
【化13】 (調製B:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−フ
ルオロキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−フルオロキノリンを使用して調製した。
【0224】
【化14】 (調製C:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−ク
ロロキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−クロロキノリンを使用して調製する。
【0225】
【化15】 (調製D:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(4−イソキノ
リル)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに4−ブロモイソ
キノリンを使用して調製した。
【0226】
【化16】 (調製E:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−ピリジル
)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモピリ
ジンを使用して調製した。
【0227】
【化17】 (調製F:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−メ
チルキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−メチルキノリンを使用して調製した。
【0228】
【化18】 (調製G:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−ア
ミノキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−アミノキノリンを使用して調製した。ES−LC/MS:[M+H]+=79
6。
【0229】 (調製H:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(5−イ
ソキサゾール−3−イル)チエニル)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに5−(イソキサ
ゾール−3−イル)−2−ブロモチオフェンを使用して調製する。
【0230】 (調製I:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(6−キノリル
)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノ
リンを使用して調製する。
【0231】 (調製J:式(1):Rb=H、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノキ
サール−6−イル)) これは、3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノキサリンを使用して、
調製Aの方法に従って調製する。
【0232】 (調製K:式(1):Rb=H、Raは、−CH2−CH=CH−(5−(N−
(2−ピリジル)−2−フラミジル))) これは、3−ブロモキノリンの代わりにN−(2−ピリジル)5−ブロモ−2
−フラミドを使用して、調製Aの方法に従って調製する。
【0233】 (調製AA:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノ
リル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Aの方法に従って調製した。
【0234】
【化19】 (調製BB:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−フルオロキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Bの方法に従って調製する。
【0235】 (調製CC:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−クロロキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Cの方法に従って調製する。
【0236】 (調製DD:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(4−イソ
キノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Dの方法に従って調製する。
【0237】 (調製EE:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−ピリ
ジル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Eの方法に従って調製する。
【0238】 (調製FF:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−メチルキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Fの方法に従って調製する。
【0239】 (調製GG:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−アミノキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Gの方法に従って調製する。
【0240】 (調製HH:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(5
−イソキサゾール−3−イル)チエニル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Hの方法に従って調製する。
【0241】 (調製II:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(6−キノ
リル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Iの方法に従って調製する。
【0242】 (調製JJ:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノ
キサール−6−イル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Jの方法に従って調製する。
【0243】 (調製KK:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(5−(N
−(2−ピリジル)−2−フラミジル))) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Kの方法に従って調製する。
【0244】 前記の実施例およびスキームに記載される手順ならびに合成有機化学の分野に
おいて公知の方法を用いて、式(1)の環状カルバメート化合物(ここでLは、
COであり、そしてTは、NHである)を調製し得る。Ra置換基を有するこれ
らの化合物は、以下に記載される:
【0245】
【表8】 (実施例22) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはN(CH3)であり、Ra
、−CH2CH=CH2であり、Rcは、Hである) (工程1:例示的スキーム3からの化合物(10)の調製:Rfはメチルであ
り、Raは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 実施例18の水酸化アンモニウムをメチルアミンに置き換えて、上記の化合物
を形成する。
【0246】 (他の実施形態):上記の手順を使用して、式(1)〜(3)の化合物を形成
し得、ここでLはCOであり、Tは:−N(CH3);−NCH2CH2N(CH32;−N(CH2CH=CH2);−N(CH2CH=CH−(3−キノリル))
;または−N(NH2)であり;そしてRaは:−CH2CH=CH−(3−キノ
リル);−CH2CH=CH2;−CH2CH2CH2−(3−キノリル);−CH2 CH=CH−ナフチル;−CH2CH=CH−(8−クロロ−3−キノリル);
−CH2CH=CH−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル−6−キノリル)
;−CH2CH=CH−(2−フルオレニル);−CH2CH=CH−(3−(2
−フラニル)−6−キノリル);−CH2CH=CH−(9−フルオレノン−2
−イル);−CH2CH=CH−(6−ベンゾイル−2−ナフチル);−CH2
H=CH−(7−メトキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(3−フェ
ニル−6−キノリル);−CH2CH=CH−(3−(2−ピリジル)−6−キ
ノリル);−CH2CH=CH−(3−(2−チオフェニル)−6−キノリル)
;−CH2CH=CH−(4−メチルナフチル);−CH2CH=CH−(6−β
−D−ガラクトピラノシル−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(7−キノ
リル);−CH2CH=CH−(4−フルオロナフチル);−CH2CH=CH−
(3−ビフェニル);−CH2CH=CH−(5−ニトロナフチル);−CH2
H=CH−(4−ピロリルフェニル);−CH2CH=CH−(6−メトキシ−
2−ナフチル);−CH2CH=CH−(3,5−ジクロロフェニル);−CH2 −(3−ヨードフェニル);−CH2−(3−(2−フラニル)フェニル);−
CH2CH=CH−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(
6−(2−ブロモエトキシ)−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(6−(
2−テトラゾリル)エトキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−ナフチル
;−CH2CH=CH−(5−(3−イソキサゾリル)−2−チオフェニル);
−CH2CH=CH−(1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−5−ピリミジニ
ル);および−CH2CH=CH−(5−(2−ピリジル)アミノカルボニル−
2−フラニル)である。
【0247】 さらに、実施例21の3−ブロモキノリンを以下の試薬に代えること以外は実
施例21の手順に従い、さらなる化合物を調製する。これらは、LがCOであり
、そしてTが以下に記載のようなRa置換基を有するOである、式(1)の化合
物である:
【0248】
【表9】 (実施例23) (−ORaでの変換) (A.アリル→−CH2CHO) 実施例18の化合物(14.0g)をCH2Cl2(200mL)に溶解し、そ
してこの溶液を窒素雰囲気下で−78℃まで冷却する。次いで、青色が持続する
まで、この溶液を通してオゾンをバブリングする。次いで、色が消えるまで反応
をN2でパージし、そしてジメチルスルフィド(14mL)を加え、そしてこの
反応混合物を0℃まで温める。90分間攪拌した後、この反応混合物を減圧下で
濃縮し、淡黄色泡状物を得る。この物質をTHF(300mL)に溶解し、そし
て還流下6時間かけてトリフェニルホスフィン(8g)で処理し、次いでこの反
応混合物を減圧下で濃縮する。クロマトグラフィー(1:1 アセトン/ヘキサ
ン〜3:1 アセトン/ヘキサン(0.5%TEAを含む))により、生成物を
得る。
【0249】 (B.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2フェニル) 実施例23Aの化合物(120mg、0.187mmol)およびベンジルア
ミン(40μL、0.366mmol、2当量)を、3mLの乾燥ジクロロメタ
ンに溶解する。モレキュラーシーブ(4Å)を加え、反応物を終夜で攪拌する。
次いでこの反応物を濾過し、減圧下で濃縮する。得られたイミンをMeOH(5
mL)に溶解し、触媒量の10%炭素担持Pdを加え、この反応物を1atmの
2圧力下で20分間素早く攪拌する。次いで、この混合物をCeliteパッ
ドを通して濾過し、そしてこの溶液を減圧下で濃縮する。クロマトグラフィー(
SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NH4OHを含む))によ
り、所望の物質(84mg)を白色固体として得る。
【0250】 (C.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(10
8mg、0.169mmol)の化合物およびフェネチルアミン(42μL、0
.334mmol、2当量)から調製する。クロマトグラフィー(SiO2、5
% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NH4OHを含む))により、所望の
物質を得る。
【0251】 (D.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(10
0mg、0.156mmol)の化合物および3−フェニル−1−プロピルアミ
ン(40μL、0.282mmol、1.8当量)から調製する。クロマトグラ
フィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OHを含む
))により、所望の物質を得る。
【0252】 (E.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(17
0mg、0.266mmol)の化合物および4−フェニル−1−ブチルアミン
(68μL、0.431mmol、1.6当量)から調製する。クロマトグラフ
ィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NH4OHを含む)
)により、所望の物質を得る。
【0253】 (F.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2−(3−キノリル)
) 実施例23Aの化合物(135mg、0.211mmol)および3−(3−
キノリル)−1−プロピルアミン(70mg、0.376mmol、1.8当量
)を、4mLの乾燥ジクロロメタンに溶解する。モレキュラーシーブ(4Å)を
加え、反応物を終夜で攪拌する。次いでこの反応物を濾過し、減圧下で濃縮する
。得られたイミンをMeOH(5mL)に溶解し、NaCNBH3(約100m
g)および十分量のAcOHで処理すると、ブロモクレゾールグリーン指示薬が
青色から黄色に変化する。4時間の攪拌後、この反応混合物を飽和NaHCO3
溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機部分を飽和NaHCO3、H2Oお
よびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そして減圧下で濃縮する。クロ
マトグラフィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4
Hを含む)〜10% MeOH/ジクロロメタン(1%NH4OHを含む))に
より、所望の物質を得る。
【0254】 (G.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−(3−キノリル)) 実施例23Fに記載される手順を用いて、実施例23Aの化合物(150mg
、0.234mmol)および3−(アミノメチル)キノリン(100mg、0
.633mmol、2.7当量)から表題化合物を調製する。クロマトグラフィ
ー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OHを含む))
により、所望の物質を得る。
【0255】 3−(アミノメチル)キノリン試薬は、当該分野において公知の方法によって
調製する。
【0256】 式(1)〜(3)の他の実施形態(ここで、RbはHであり、RcはHであり、
Lは−CO−であり、Tは−NH−であり、そしてRdは、プロピル、ブチル、
ベンジル、ビニルまたは3−ヒドロキシブチルである)は、Raが−CH2CHO
から以下に変換される実施形態である:−CH2CH2NHCH2(6−キノリル
);−CH2CH=NO(フェニル);−CH2CH=NOCH2(フェニル);
−CH2CH=NOCH2(4−NO2−フェニル);−CH2CH=NOCH2
4−キノリル);−CH2CH=NOCH2(2−キノリル);−CH2CH=N
OCH2(3−キノリル);−CH2CH=NOCH2(6−キノリル);−CH2 CH=NOCH2(1−ナフチル);−CH2CH=NOCH2(2−ナフチル)
;−CH2CH2NHOCH2(フェニル);−CH2CH2NHOCH2(4−NO 2 −フェニル);−CH2C(O)−フェニル;−CH2C(O)−(4−F−フ
ェニル);−CH2CH=NNHC(O)フェニル;または−CH2CH(OH)
−フェニル。
【0257】 (H.−CH2CH=CH−(3−キノリル)→−CH2CH2CH2(3−キノ
リル)) 30mLのメタノールおよび15mLの酢酸エチル中の、Raが−CH2CH=
CH−(3−キノリル)である実施例18の化合物(230mg)と10%Pd
/C(50mg)との混合物に窒素を流し、そして1atmの水素下で室温で2
2時間攪拌する。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。シリカゲル上
のクロマトグラフィー(5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OH
を含む))により、所望の物質を得る。
【0258】 (I.−CH2CH=CH−(3−キノリル)→−CH2(2−(3−キノリル
)シクロプロピル)) エーテル中のジアゾメタン(0.64M、3.12mL、2.00mmol)
の溶液に、ジクロロメタン(5.0mL)中の実施例18の化合物(ここで、R a は−CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(153mg、0.200m
mol)の溶液を、窒素下で0℃で加える。少量(2mg)の酢酸パラジウムを
加え、そしてこの混合物を20分間攪拌する。ジアゾメタンの別の部分(3mL
)を加え、この混合物をさらに1時間攪拌する。溶媒をエバポレートし、そして
残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(5% MeOH/ジクロロメタン(
0.5%NH4OHを含む))によって精製し、表題化合物を白色固体として得
る。
【0259】 (実施例24) (Rcでの変換) (A.−H→プロパノイル(Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル))) ジクロロメタン中のRaで変換された実施例18の化合物(ここで、Raは、−
CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(152mg)の溶液に、プロピ
オン酸無水物(52μL)およびトリエチルアミン(56μL)を加え、そして
この混合物を室温で24時間攪拌する。この混合物を酢酸エチルで希釈し、これ
を5%NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そし
て減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフ(1:1 アセトン
/ヘキサン)し、表題化合物を白色泡状物として得る。
【0260】 (B.−H→エチルスクシノイル(Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル
))) ジクロロメタン(10mL)中のRaで変換された実施例18の化合物(ここ
で、Raは、−CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(153mg、0.
200mmol)の溶液に、エチルスクシニルクロリド(29μL)およびトリ
エチルアミン(56μL)を0℃で加え、そしてこの混合物を室温で24時間攪
拌する。この混合物を酢酸エチルで希釈し、これを5%NaHCO3溶液および
ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そして減圧下で濃縮する。残渣をシ
リカゲル上でクロマトグラフ(1:1 アセトン/ヘキサン)し、表題化合物を
白色泡状物として得る。
【0261】 (実施例25) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 C≡C−Hであり、RcおよびReはHである) (工程1:化合物(4)の中間体の調製:9位は、N−O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)であり、Raは−CH2C≡C−Hであり、RcおよびRe
トリメチルシリルである) 窒素下のTHF(200mL)中の2’,4’’−ビス−O−トリメチルシリ
ルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム(100g、69.9mmol、米国特許第4,990,602号の方法
に従って調製した)の溶液に、無水DMSO(200mL)を加え、そしてこの
混合物を0℃まで冷却する。N2雰囲気下で攪拌したこの溶液に、プロパルギル
ブロミド(27mL、240mmol、トルエン中80重量%)を加え、次いで
無水DMSO(300mL)中の乾燥KOH(13.6g、240mmol)の
溶液を25分間かけて加え、そしてこの混合物を0℃で1時間かけて激しく攪拌
する。さらなるKOH(10.9g、190mmol)およびプロパルギルブロ
ミド(21mL、190mmol)を加え、そしてこの混合物を窒素下で0℃で
1.5時間攪拌する。このKOHおよびプロパルギルブロミドの添加を、1.5
時間の間隔でさらに3回繰り返す。次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出し、
そして有機相を水およびブラインで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)する。減
圧下での溶媒の除去により粗生成物を得、これを直接次の工程に用いる。
【0262】 (工程2:化合物(4)の中間体における、9位での−N−O−(1−イソプ
ロポキシシクロヘキシル)の−NOHへの変換:Raは−CH2C≡C−Hである
) CH3CN(300mL)中の工程1の化合物(108g)に、水(150m
L)および酢酸(氷酢酸、200mL)を加え、そしてこの混合物を室温で約2
0分間攪拌する。次いで、溶媒を減圧下で40℃で除去し、そして残渣をEtO
Ac中に溶解し、続いて5%Na2CO3およびブラインで洗浄する。次いで、有
機相をMgSO4で乾燥し、濾過および濃縮し、化合物を褐色泡状物として得、
これを直接次の工程に用いる。
【0263】 (工程3:中間体化合物(4)を形成する、9位での−NOHの=Oへの変換
:Raは−CH2C≡C−H) 工程2の化合物(74g)をエタノール(550mL)に溶解し、水(550
mL)で希釈する。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(33g、0.48mol)
を加え、そしてこの反応混合物を室温で15分間攪拌する。次に4M HCl(
125mL、0.48mol)を周囲温度で15分間かけて加え、この混合物を
2時間かけて70℃まで加熱し、次いで室温まで冷却する。この混合物を酢酸エ
チルで抽出し、そして有機相を5%Na2CO3およびブラインで洗浄し、次いで
MgSO4で乾燥し、濾過および濃縮する。粗生成物を、1% メタノール/ジ
クロロメタン(0.5%水酸化アンモニウムを含む)で溶出するシリカゲル上の
クロマトグラフィーによって精製する。この化合物をアセトニトリルから結晶化
し、化合物を得る。
【0264】 (工程4:例示スキーム2の中間体化合物(4)を形成するための2’および
4”ヒドロキシル基の保護:RcおよびReはアセチルであり、Raは−CH2C≡
C−Hである) 無水ジクロロメタン(100mL)中の工程3の化合物19g(246mmo
l)の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(105mg)およびトリエチルア
ミン(7.16mL、52mmol)を加えた。この混合物を冷水浴中で約15
℃まで冷却し、そして無水酢酸(5.5mL、59mmol)を5分間にわたっ
て加えた。15℃で5分間撹拌後、この冷水浴をはずし、この反応溶液を周囲の
温度で4時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、5%炭酸ナトリウム
水溶液(2回)、水(2回)およびブラインで連続的に洗浄した。この有機抽出
物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。高真空下で
一定重量まで乾燥し、化合物を得た。
【0265】 (工程5:例示スキーム2の中間体化合物(9)を形成するための、10位、
11位における脱水および12位における誘導体化:RcおよびReはアセチルで
あり、Raは−CH2C≡C−Hである) THF(128mL)およびジメチルスルホキシド(48mL)中の工程4の
化合物(21g、24.5mmol)の0℃の溶液に、1,1’−カルボニルジ
イミダゾール(14.3g、88.3mmol)を加えた。5分間撹拌後、水素
化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.3g、32.5mmol)を窒素雰囲気
下で1時間にわたって、滴下した。完全に滴下した後、冷浴をはずし、混合物を
周囲の温度で3.5時間撹拌した。この反応溶液を0℃まで再冷却し、酢酸エチ
ル(約400mL)で希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)でク
エンチした。有機層を水およびブラインで連続的に洗浄し、次いで、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。この溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、一定重量まで乾
燥して化合物を得、これを次の工程で直接使用した。
【0266】 (工程6:例示スキーム2の化合物(3)の環式カルバメートの形成:Rc
よびReはアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) アセトニトリル(250mL)中の工程5の化合物(23g、24mmol)
を含む圧力容器を−78℃まで冷却した。等容量の液体アンモニア(250mL
)をこの反応容器中に凝縮し、次いでこれをシールし、撹拌しながら周囲の温度
まで加温した。20時間後、この反応溶液を−78℃まで再冷却し、圧力容器を
開放し、反応溶液を撹拌しながら周囲の温度まで加温した。全ての液体アンモニ
アをエバポレートし、アセトニトリルを減圧下で除去し、残渣を一定重量まで乾
燥し、化合物を得た。
【0267】 (工程7:3位水酸基を有する化合物(1)を形成するための3位クラジノー
ス部分の除去:Rcはアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) 1:1エタノール/水(200mL)中の工程6の化合物(21g)の0℃の
懸濁液に、4M塩酸(125mL)を10分間にわたって加えた。冷却浴をはず
し、反応溶液を26時間周囲の温度で撹拌した。この混合物を水で希釈し、0℃
に冷却し、2N水酸化ナトリウムでpH10まで塩基性にした。次いで、この混
合物を酢酸エチル(400mL)で抽出し、有機層をブラインで洗浄した。この
有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。一定重量まで
乾燥し、18gの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンから結晶化し、純
粋な化合物を得た。
【0268】 (工程8:化合物(1)の3位ヒドロキシルからカルバモイルへの酸化:Rc
はアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) ジクロロメタン(100mL)中のN−クロロスクシンイミド(2.3g、0
.017モル)の−10℃溶液に、硫化メチル(1.47mL、0.021モル
)を5分間かけて加えた。この反応溶液を−10℃で10分間撹拌した。次いで
、ジクロロメタン(100mL)中の工程7の化合物(8.3g、0.012モ
ル)の溶液を30分間かけて加え、この混合物を25分間−10℃で撹拌した。
トリエチルアミン(1.6mL、0.021モル)を5分間かけて加え、反応溶
液を−10℃で50分間撹拌した。次いで、この反応溶液を5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(300mL)で抽出し
た。この有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いでブラインで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を30%アセト
ン/ヘキサン、次いで50%アセトン/ヘキサンで連続的に溶出するシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物を得た。
【0269】 (工程9:式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
NHであり、Raは−CH2≡C−Hであり、RcはHである) 工程8の化合物のサンプル(72mg)をメタノール(8mL)中に溶解し、
周囲の温度で18時間撹拌した。真空下で濃縮し、高減圧下で一定重量まで乾燥
後、65mgの純粋な表題化合物を得た。
【0270】 (任意の工程:化合物(1)を形成するための−CH2≡C−(6−メトキシ
−2−ナフチルブロモナフタレン)から−CH2≡C−BrへのRaの転化:Ra
は−CH2≡C−Brであり、Rcはセチルである) アセトン(1mL)中の実施例25、工程8(100mg)の化合物の窒素下
の溶液に、酢酸(8.4μL)を周囲の温度で加えた。1mLのアセトン中のN
−ブロモスクシンイミド(39mg)および硝酸銀(2.5mg)を含有する第
2の溶液を調製し、次いで、窒素下室温で10分間撹拌し、0℃に冷却した。次
いで、第1の溶液を第2の溶液に一気に加え、冷却浴をはずし、得られる反応混
合物を室温で2時間窒素下で撹拌した。次いで、この反応溶液を酢酸エチルで希
釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した
。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を除去し
、残渣を40%アセトン/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによって精製し、化合物を得た。Rc基をメタノールで脱保護した。
【0271】 (実施例26) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは以下に
特定され、RcはHであり、RbはHであり、Rdはプロピルである) (I.出発物質:式(1)の化合物の調製:Rb=H、Raは−O−プロパルギ
ルである) 工程1:0.1mLのテトラヒドロフラン、0.1mLのエーテル、および0
.1mLのDMSO中の、2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メ
チルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム(100mg)を10℃まで冷却し、0.028mLの3−ブロモ−1−
(トリメチルシリル)−1−プロピンを不活性雰囲気下で処理した。テトラヒド
ロフラン(0.38mL)中のメチルスルホキシド(0.19mL)および1.
0Mカリウムtert−ブトキシドの混合物を1時間当たり2.0モル当量の速
度で加えた。追加の当量(0.014mL)のTMS−プロパルギルブロミドを
0.5時間および1時間後に加えた。この反応を薄層クロマトグラフィー(シリ
カゲル、10:1トルエン/アセトン)によってモニターし、2.3モル当量の
塩基を添加後、完了したと判断した。この反応溶液を100mLの酢酸エチルお
よび30mLの飽和NaHCO3で希釈し、そして飽和NaHCO3、水、および
ブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そし
てエバポレートした。この粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(40:
1 ヘキサン/アセトン+1%Et3N)にかけ、部分的に純粋な6−O−(3
−トリメチルシリル)プロパルギル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル
−15−メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキ
シル)]オキシムを得た。
【0272】 工程2:4.4mLのアセトニトリル中の上記の不純な6−O−(3−トリメ
チルシリル)プロパルギル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−
メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]
オキシム(0.88g)を2.2mLの水および2.5mLの酢酸で処理し、周
囲の温度で24時間撹拌した。この混合物を2−プロパノール、次いで繰り返し
トルエンの添加後、濃縮した。この物質を炭酸カリウムおよびメタノール(6m
L)とともに2.5時間撹拌した。この混合物を酢酸エチル(200mL)で希
釈し、飽和NaHCO3、水、およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層
をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして生成物を得た。
【0273】 工程3:7mLの1:1エタノール/水中の(iii)の生成物および亜硫酸
ナトリウム(0.59g)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.096
mL)を滴下し、この混合物を80℃で5時間撹拌した。周囲の温度まで冷却し
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mL部の酢酸エチ
ルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブ
ラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
エバポレートして、さらなる転化に適切な6−O−プロパルギル−15−メチル
エリスロマイシンAを得た。純粋な物質は、シリカゲルのカラムクロマトグラフ
ィーによって調製され得る。
【0274】 工程4:6−O−プロパルギル−15−メチルエリスロマイシンA(0.40
g)および6mLの0.6N HClの混合物を周囲の温度で17時間撹拌した
。pHを6N NaOHの添加によって9に調整し、150mLの酢酸エチルを
加えた。、この有機抽出物を飽和NaHCO3、水、およびブラインで連続的に
洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートしてさらな
る生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、純粋な
6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシン
Aを得た。
【0275】 工程5:1.3mLの酢酸エチル中の6−O−プロパルギル−3−デスクラジ
ノシル−15−メチルエリスロマイシンA(0.16g)および無水安息香酸(
0.12g)を17時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3、水、およびブライ
ンで連続的に洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートした。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、2’−O−
ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリ
スロマイシンAを得た。
【0276】 工程6:N−クロロスクシンイミド(0.510g、3.82mmol、1.
50当量)を13mLの無水CH2Cl2に溶解し、N2下で−10℃に冷却した
。硫化メチル(0.328mL、4.46mmol、1.75当量)を加え、こ
の反応溶液を15分撹拌した。13mLの無水CH2Cl2中の2’−O−ベンゾ
イル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマ
イシンA(1.87g、2.55mmol、1.00当量)の溶液を滴下した。
30分後、新たに蒸留したEt3N(0.355mL、2.55mmol、1.
00当量)を加え、この反応溶液を30分間にわたって0℃まで上げた。この反
応混合物を400mLのEtOAcで希釈し、各100mLの飽和NaHCO3
水溶液、水、およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgSO4で乾
燥し、濾過し、濃縮し、そしてクロマトグラフィーによって精製した。
【0277】 工程7:2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA(904mg)を、新たに蒸
留したピリジン(4mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル
(0.478mL、6.17mmol.5.00当量)を滴下した。この反応溶
液を周囲の温度まで上げ、一晩撹拌した。この混合物を350mLのEtOAc
で蒸留し、100mLの飽和NaHCO3でクエンチした。この層を分離し、有
機層を各々100mLの水およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルのフラッシュカラムク
ロマトグラフィーによって生成物を得た。
【0278】 工程8:2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−11−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA
(705mg)をアセトン(3mL)中に溶解し、そして1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]−ウンデク−7−エン(0.651mL、4.35mmol、
5.00当量)を滴下した。この反応溶液を周囲の温度で6時間撹拌し、次いで
濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を得た。
【0279】 工程9:2’−O−ベンゾイル−6−プロパギル−10,11−アンヒドロ−
3−デスクラジノシル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA(227
mg)を1.3mLの新たに蒸留したTHFに溶解し、−15℃までN2下で冷
却した。水素化ナトリウム(鉱油中25mgの60%分散、0.634mmol
、2.00当量)を加え、この反応溶液を15分間撹拌した。1.3mLの新た
に蒸留したTHF中の1,1−カルボニルジイミダゾール(140mg)の溶液
を滴下した。30分間撹拌後、この反応溶液を周囲の温度に1.5時間かけて加
温した。この混合物を100mLのEtOAcで希釈し、各々30mLの飽和N
aHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgS
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで、この残渣を2mLのACNお
よび0.2mLの無水THFに溶解した。飽和水酸化アンモニウム水溶液(2m
L)を加えた。この反応溶液をシールし、2日間撹拌した。減圧下で揮発性物質
を除去し、この残渣を100mLのEtOAcに再溶解した。この溶液を各30
mLの飽和NaHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗浄した。この有
機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラ
フィーによって、環式カルバメート生成物を得た。
【0280】 (II.Iの化合物を使用する化合物の調製) (調製A:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−キノリル)であ
る) 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−プロパルギル−11−アミノ−3−デス
クラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環式カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン
)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加体(14mg)、トリ−O−トリルホ
スフィン(17mg)、ヨウ化銅、および3−ブロモキノリン(72μl、0.
53mmol、10当量)をN2でフラッシュした丸底フラスコ中に設置した。
脱気したアセトニトリル(1mL)および新たに蒸留したEt3N(0.015
mL、0.11mmol、2.0当量)を加えた。この反応溶液を63時間還流
した。この混合物を周囲の温度に戻し、40mLのEtOAcで希釈した。この
溶液を各々10mLの飽和NaHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗
浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシ
ュクロマトグラフィーによって所望の生成物を得た。
【0281】 工程2:上記生成物を1mLのメタノールに溶解し、シールし、そして80℃
で16時間還流した。揮発性物質を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラ
フィーによって所望の生成物を得た。
【0282】 (調製B:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−フルオロ
キノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−フルオロキノリンを使用して
、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0283】 (調製C:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−クロロキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−クロロキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0284】 (調製D:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(4−イソキノリル)
である) 3−ブロモキノリンの代わりに4−ブロモイソキノリンを使用して、調製Aの
方法に従って、これを調製した。
【0285】 (調製E:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−ピリジル)であ
る) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ピリジンを使用して、調製Aの方法に従っ
て、これを調製した。
【0286】 (調製F:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−メチルキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−メチルキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0287】 (調製G:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−アミノキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−アミノキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0288】 (調製H:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(5−イソキサ
ゾル−3−イル)チエニル)である) 3−ブロモキノリンの代わりに5−(イソキサゾル−3−イル)−2−ブロモ
チオフェンを使用して、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0289】 (調製I:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(6−キノリル)であ
る) 3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノリンを使用して、調製Aの方法
に従って、これを調製した。
【0290】 (調製J:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−キノキサル−6
−イル)である) 3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノキサリンを使用して、調製Aの
方法に従って、これを調製した。
【0291】 (調製K:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(5−(N−(2−ピ
リジル)−2−フラミジル))である) 3−ブロモキノリンの代わりにN−(2−ピリジル)5−ブロモ−2−フラミ
ドを使用して、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0292】 (調製AA:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−キノリル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−
アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−
15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、調
製Aの方法に従って、これを調製した。
【0293】 (調製BB:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−フルオ
ロキノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Bの方法に従って、これを調製した。
【0294】 (調製CC:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−クロロ
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Cの方法に従って、これを調製した。
【0295】 (調製DD:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(4−イソキノリル
)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Dの方法に従って、これを調製した。
【0296】 (調製EE:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−ピリジル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Eの方法に従って、これを調製した。
【0297】 (調製FF:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−メチル
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Fの方法に従って、これを調製した。
【0298】 (調製GG:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−アミノ
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Gの方法に従って、これを調製した。
【0299】 (調製HH:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(5−イソキ
サゾル−3−イル)チエニル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Hの方法に従って、これを調製した。
【0300】 (調製II:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(6−キノリル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Iの方法に従って、これを調製した。
【0301】 (調製JJ:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−キノキサル−
6−イル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Jの方法に従って、これを調製した。
【0302】 (調製KK:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(5−(N−(2−
ピリジル)−2−フラミジル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Kの方法に従って、これを調製した。
【0303】 (実施例27) (式(1)の化合物:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2−(2
,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)であり、RcはHである) (工程1:Raの−CH2CH=CH2から−CH2CH(OH)CH2OHへの
、そしてRcがアセチルである、化合物(1)の3−OH形態の転化) 室温で、THF(25mL)中の、実施例20、工程40(5.0g、7.3
2mmol、化合物(1)の3−OH形態、Raは−CH2CH=CH2であり、
cはアセチルである)の化合物およびN−メチルモルホリンNオキシド(1.
7g、14.5mmol)の溶液に、OsO4(H2O中4%、0.090mL、
0.0147mmol)を加え、この混合物を24時間撹拌した。この反応を亜
硫酸水素ナトリウム(1.5g)および水(10mL)でクエンチし、溶媒を減
圧除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
、水、およびブラインで洗浄し、そして乾燥した(Na2SO4)。溶媒を除去し
て化合物を得た。
【0304】 (工程2:Raの−CH2CH(OH)CH2OHから−CH2−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−イル)への、そしてRcがアセチルである、
化合物(1)の3−OH形態の転化) トルエン(7mL)中の、工程1の化合物のサンプル(500mg、0.70
mmol)および2,2−ジメトキシプロパン(0.26mL、2.1mmol
)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(160mg、0.84mmol)を加え
、この混合物を55℃で3日間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、そ
してこの溶液を10%炭酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄した。こ
の有機層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を除去して粗生成物を得、これを2:9
7:1メタノール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルク
ロマトグラフィーによって精製し、化合物を得た。
【0305】 (工程3:化合物(1)を形成するための3−OHからカルボニルへの酸化:
aは−CH2−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)であり
、Rcはアセチルである) 工程2(356mg、0.47mmol)の化合物のサンプルを、実施例16
、工程2の手順に従って、N−クロロスクシンイミドおよびジメチルスルフィド
で酸化し、化合物を得た。
【0306】 (工程4:式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
NHであり、Raは−CH2(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)であり、RcはHである) 工程3の化合物のサンプル(100mg、0.13mmol)をメタノール(
4mL)中で室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を0.9:98:1メタ
ノール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルクロマトグラ
フィーによって精製した。
【0307】 (任意の工程:化合物(1)のRaの−CH2−(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−イル)から−CH2CH(OH)CH2OHへの転化) 4:1THF/水(2.5mL)中で、工程4(100mg、0.13mmo
l)の化合物のサンプルをp−トルエンスルホン酸(35mg、0.18mmo
l)と共に3時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、この溶液を10
%炭酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄した。この有機相を乾燥し(
Na2SO4)、そして溶媒を除去し、粗生成物を得、これを2:97:1メタノ
ール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルクロマトグラフ
ィーによって精製し、化合物を得た。
【0308】 (実施例28) (11,12環式環を形成する前のC2位置のフッ素化) (2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル(d
escladinosyl)−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−2−フル
オロ−15−メチルエリスロマイシンAの合成) テトラヒドロフラン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−
デスクラジノシル−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチル−エリ
スロマイシンAの溶液を、不活性大気下で−78℃に冷却し、そしてテトラヒド
ロフラン中の10mM tert−ブトキシドカリウムで処理する。この混合物
を、5分間攪拌し、そしてテトラヒドロフラン中のN−フルオロベンゼンスルホ
ンイミドの溶液を3回に分けて2時間で添加する。添加後、この反応系を周囲温
度に加温し、さらに5時間維持する。水性K2CO2を添加し、そしてこの混合物
をCH2Cl2で抽出する。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、
そしてエバポレートする。シリカゲルのクロマトグラフィーにより、生成物を得
る。
【0309】 (実施例29) (環状カルバメートを形成した後のC2位置のフッ素化) (2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−デオキシ−11−アミノ−2−フルオロ−15−メチルエリスロマイ
シンA11,12環状カルバメートの合成) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−11−デオキシ−11−アミノ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環状カルバメート(100mg、0.132mmol、1.0当量)のTHF
溶液(0.5ml)に、tert−ブトキシドカリウムのTHF溶液(0.3m
l、1M、2.3当量)を−78℃で添加した。次いで、この反応混合物を、−
60℃〜−40℃に20分間維持し、続いて、THF(0.2ml)中のN−フ
ルオロベンゼンスルホンイミド(46mg、0.146mmol、1.1当量)
を−78℃で導入した。この反応混合物を−70℃〜−40℃に1時間維持し、
その後、−70℃から0℃に1.5時間で加温した。次いで、これを、EtOA
cで希釈し、飽和水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。有機相をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物のフラッシュクロマトグ
ラフィー(4:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)によって、76mg(
74%)の所望の生成物を得た。
【0310】
【化20】 (実施例30) (C−13位置の誘導体化) 出発物質:15−アミノエリスロマイシンAジアセテート塩
【0311】
【化21】 50mLのメタノール中の15−アジドエリスロマイシンA(7.75g、1
0mmol)の溶液を、酢酸(2.0mL)および炭素上の10%パラジウム(
0.1g)で処理し、そして薄層クロマトグラフィー分析が、出発物質の完全な
減少を明らかにするまで1atmの水素ガス下で攪拌する。懸濁液をCelit
eを通して濾過して、触媒を取り除き、次いで乾固するまでエバポレートして、
生成物を得る。この生成物は、以下の誘導体化のための出発物質として使用する
【0312】 (A.15−(キノール−4−イルアセトアミド)エリスロマイシンAの合成
【0313】
【化22】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、キノール−4−イルアセチルクロリド(350mg)
およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3時間後
、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3で3回洗
浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして粗生成
物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を得
る。
【0314】 (B.15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイ
シンAの合成)
【0315】
【化23】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、3−(キノール−4−イル)プロピオニルクロリド(
400mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理す
る。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHC
3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレート
して粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な
生成物を得る。
【0316】 (C.15−(イソキノール−4−イルアセトアミド)エリスロマイシンAの
合成)
【0317】
【化24】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、イソキノール−4−イルアセチルクロリド(350m
g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3時
間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3で3
回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして粗
生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物
を得る。
【0318】 (D.15−(3−(イソキノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロ
マイシンAの合成)
【0319】
【化25】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、3−(イソキノール−4−イル)プロピオニルクロリ
ド(400mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処
理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性Na
HCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレ
ートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純
粋な生成物を得る。
【0320】 (E.15−((キノール−5−イルアミノ)アセトアミド)エリスロマイシ
ンAの合成)
【0321】
【化26】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、(キノール−4−イルアミノ)酢酸(0.30g)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(0.25g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して
処理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性N
aHCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、
純粋な生成物を得る。
【0322】 (F.15−((キノール−6−イルアミノ)アセトアミド)エリスロマイシ
ンAの合成)
【0323】
【化27】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、(キノール−6−イルアミノ)酢酸(0.30g)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(0.25g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して
処理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性N
aHCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、
純粋な生成物を得る。
【0324】 (G.15−((キノール−4−イルメチル)カルバモイルアミノ)エリスロ
マイシンAの合成)
【0325】
【化28】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、キノリン−4−メトキシカルボニルクロリド(400
mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3
時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3
3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして
粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成
物を得る。
【0326】 (実施例31) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメート)
【0327】
【化29】 これを、実施例30に記載の手順に従って調製し、15−(3−(キノール−
4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンAで開始する。
【0328】 (実施例32) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンア
ミド)エリスロマイシンA11,12−環状カルバメート)
【0329】
【化30】 工程1.THF中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジ
ノシル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−(3−(キノール
−4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンA11,12−環状カルバメ
ートの溶液に、tert−ブトキシドカリウム(2.3当量)のTHF溶液を−
78℃で添加する。次いで、この反応混合物を、−60℃〜−40℃に20分間
維持し、続いて、THF(0.2ml)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミ
ド(1.1当量)を−78℃で導入する。この反応混合物を−70℃〜−40℃
に1時間維持し、その後、−70℃から0℃に1.5時間で加温する。次いで、
これを、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄
する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮する。フラッシュクロ
マトグラフィーによって、所望の生成物を2’−O−ベンゾエートとして得る。
【0330】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0331】 (実施例33) (2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロマイシンA11,
12−環状カルバメート)
【0332】
【化31】 これを、上記の手順に従って調製し、15−エテニルエリスロマイシンAで開
始する。
【0333】 (実施例34) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−エテニルエリスロマイシンA11,12−環状カルバメート
【0334】
【化32】 実施例33からの2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノ
シル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロマ
イシンA11,12−環状カルバメートを、1mLのメタノールに溶解し、密閉
し、そして80℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッ
シュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0335】 (実施例35) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−エテニルエリスロマイシンA11,12−環
状カルバメート)
【0336】
【化33】 工程1.THF中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジ
ノシル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメートの溶液に、tert−ブトキシドカリ
ウム(2.3当量)のTHF溶液を−78℃で添加する。次いで、この反応混合
物を、−60℃〜−40℃に20分間維持し、続いて、THF(0.2ml)中
のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(1.1当量)を−78℃で導入する。
この反応混合物を−70℃〜−40℃に1時間維持し、その後、−70℃から0
℃に1.5時間で加温する。次いで、これを、EtOAcで希釈し、飽和水性N
aHCO3、水およびブラインで洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し
、そして濃縮する。フラッシュクロマトグラフィーによって、所望の生成物を2
’−O−ベンゾエートとして得る。
【0337】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0338】 (実施例36) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−(2−(3−キノリル)エテニル)エリスロマイシンA11
,12−環状カルバメート)
【0339】
【化34】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−エテニルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン
)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14mg)、トリ−o−トリルホ
スフィン(17mg)、および3−ブロモキノリン(72μl)を、N2でフラ
ッシュした丸底フラスコに置く。脱気したアセトニトリル(1mL)および新し
く蒸留したEt3N(0.015ml)を添加する。この反応系を63時間還流
する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtOAcで希釈する。
この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3、水およびブラインで連
続的に洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮する。粗生
成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0340】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0341】 (実施例37) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(2−(3−キノリル)エテニル)エリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメート)
【0342】
【化35】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−15−エテニルエリ
スロマイシンA11,12−環状カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14mg)、トリ
−o−トリルホスフィン(17mg)、および3−ブロモキノリン(72μl)
を、N2でフラッシュした丸底フラスコに置く。脱気したアセトニトリル(1m
L)および新しく蒸留したEt3N(0.015ml)を添加する。この反応系
を63時間還流する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtOA
cで希釈する。この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3、水およ
びブラインで連続的に洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
濃縮する。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得
る。
【0343】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0344】 (実施例38) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(2−(3−キノリルメチル)エテニル)エ
リスロマイシンA11,12−環状カルバメート)
【0345】
【化36】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−15−エテニルエリ
スロマイシンA11,12−環状カルバメート、3−アリルキノリン、およびビ
ス(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンロジウムクロリドの混合物を還流ベ
ンゼン中で8時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのE
tOAcで希釈する。この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3
水およびブラインで連続して洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、
そして濃縮する。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成
物を得る。
【0346】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の化合物に対する中間体の合成の概略を示す。
【図2】 図2は、これらの中間体からの、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図3】 図3は、中間体化合物(7)からの、本発明の化合物の代替的な合成の概略を
示す。
【図4a】 図4aおよび図4bは、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図4b】 図4aおよび図4bは、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図5】 図5は、本発明の化合物(ここでTは−O−である)の合成の概略を示す。
【図6】 図6は、エリスロマイシンのPKS後生合成を示す。この経路は、図1に示さ
れるように、本発明において用いられる。
【図7】 図7は、式(4)の中間体化合物(ここでRaは、メチルである)の合成を示
す。
【図8】 図8は、式(6)の中間体化合物およびそれらの対応する10,11−無水形
態の合成を示す。
【図9】 図9は、式(6)の中間体化合物(無水形態)(ここでORaは、Hによって
置換されている)の合成を示す。
【図10】 図10は、15−アジドエリスロマイシンAの15−アミドエリスロマイシン
への変換を例示する。
【図11】 図11は、15−アミドエリスロマイシンの対応する15−アミド−6−O−
アルキル−ケトライド11,12−環式カルバメートへの変換を示す。
【図12】 図12は、15−アミド−6−O−アルキル−ケトライド11,12−環式カ
ルバメートの特に好ましい例の構造を示す。各々の場合、Xは、HまたはFのい
ずれかであり得る。
【図13】 図13は、15−エテニルエリスロマイシンAの15−エテニル−6−O−ア
ルキル−ケトライド11,12−環式カルバメートへの変換、およびC2位での
任意のフルオロ化を例示する。
【図14】 図14は、15−(2−アリールエテニル)ケトライドを形成するための、1
5−エテニルケトライドのエテニル部分上への芳香族基の結合、および15−(
2−アリールエテニル)ケトライドを形成するための任意の水素付加を例示する
【図15】 図15は、15−(2−アリールエテニル)−6−O−メチル−ケトライド1
1,12−環式カルバメートおよび15−(2−アリールエチル)−6−O−メ
チル−ケトライド11,12−環式カルバメートの特に好ましい例の構造を示す
。各々の場合、Xは、HまたはFのいずれかであり得る。
【図16】 図16は、オレフィン転移による15−エテニルケトライドの合成を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、エリスロマイシン様抗生物質のレパートリーを拡大する抗菌化合物
に関する。より詳細には、本発明は、少なくともC−13位の置換基にて改変さ
れたエリスロノリド(erythronolide)核を含むマクロライド系抗
生物質に関する。
【0002】 (背景技術) 現在利用可能な既知の抗生物質化合物に対して耐性を獲得した漸増数の微生物
株は、公衆衛生に対する危険な脅威として認識されている。このような化合物の
使用が増えているので、広範な種々の微生物に基づく状態を処置するために利用
可能な選択を拡大するための必要性もまた存在する。抗菌化合物のより広範な選
択のための必要性は、ヒト感染の処置を超えて拡大し、そして食品および他の腐
敗し易い商品を保存する必要性にまで拡大する。新規抗生物質はまた、耐性植物
および耐性動物のために、ならびにそうでなければ微生物が引き起こす腐食に供
される物質に対する耐性を提供するために必須であり得る。
【0003】 従って、所望されない微生物活性に対する多面的防御を提供し得る、拡大した
武装(armament)化合物に対する明確な必要性が、存在する。
【0004】 PCT公開番号WO98/09978(1998年3月12日に公開され、そ
して本明細書中に参考として援用される)は、3位にクラジノース残基を欠き、
かつマクロライド環の9〜12位において種々の様式で誘導体化される、改変形
態のエリスロマイシンを開示している。同様に、米国特許第5,570,510
号(1998年5月12日に発行され、そして本明細書中に参考として援用され
る)は、改変されたエリスロマイシン誘導体を開示している。
【0005】 天然に存在するエリスロマイシンは、以下の構造:
【0006】
【化3】 を有し、ここでR’は、HもしくはOHであり得、そしてR”は、HもしくはC
3であり得る。
【0007】 上記の参照特許文献に開示される全ての化合物は、マクロライド環の13位に
エチル基を含む。本発明者らは、13位の置換基における変化が優れた抗菌活性
を有する多数の化合物を生じるということを見出した。
【0008】 (発明の開示) 本発明は、ネイティブ構造からの改変を含むエリスロノリド誘導体に関する。
本発明の全ての化合物は、少なくとも13位で改変されており、そして11位お
よび12位に環を有する。
【0009】 従って、1つの局面において、本発明は、以下の式:
【0010】
【化4】 の化合物であって、ここで、 Raが、H;置換アルキルもしくは非置換アルキル(1〜10C);置換アル
ケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニルもしくは非置
換アルキニル(2〜10C);置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14
C);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C)で
あるか;またはORaが、Hによって置換されており; Rbが、Hもしくはハロゲンであり; Rcが、Hもしくは保護基であり; Rdが、メチル;非置換アルキル(3〜10C);置換アルキル(1〜10C
);置換アルケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニル
もしくは非置換アルキニル;置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14C
);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C);置
換アリールアルケニルもしくは非置換アリールアルケニル(5〜20C);置換
アリールアルキニルもしくは非置換アリールアルキニル(5〜20C);置換ア
ミドアリールアルキルもしくは非置換アミドアリールアルキル(5〜20C);
置換アミドアリールアルケニルもしくは非置換アミドアリールアルケニル(5〜
20C);または置換アミドアリールアルキニルもしくは非置換アミドアリール
アルキニル(5〜20C)であり; Reが、Hもしくは保護基であり; Lが、メチレンもしくはカルボニルであり; Tが、−O−、−N(R)−、−N(OR)−、−N(NHCOR)−、−N
(N=CHR)−、もしくは−N(NHR)−であり、ここでRがHもしくは上
記で定義されるRaであり、但し、Lがメチレンの場合には、Tが−O−であり
; ZおよびYの一方が、Hであり、そして他方が、OHもしくは保護OHである
か、またはアミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ、保護アミノ
、またはアミノ複素環であるか、あるいは ZおよびYは、一緒になって、=O、=NOHもしくは誘導体化オキシムであ
る、化合物、あるいはそれらの任意の薬学的に受容可能な塩、ならびにそれらの
任意の立体異性体形態および立体異性体形態の混合物に関する。
【0011】 別の局面において、本発明は、式(1)〜(3)の化合物を含む薬学的組成
物または保存用組成物、ならびにこれらの化合物を投与することによって感染性
疾患を処置する方法、またはこれらを提供することによって物質を保存する方法
に関する。
【0012】 (発明を実施する形態) 本発明の化合物は、遺伝子操作される微生物に関する微生物学的プロセスと合
成化学技術とを組み合わせることによって従来通りに合成される。簡潔には、本
発明を実施する好ましい様式において、微生物宿主、好ましくは、それ自体マク
ロライド系抗生物質を産生しない宿主が、改変された6−デオキシエリスロノリ
ドB(6−dEB)の産生のための組換え発現系とともに提供される。この発現
系は、いくつかの例において、第1モジュール中のケトシンターゼ部分の触媒ド
メインにおける破壊によって変化されている。Rがメチルである置換基に関し
て、ケトシンターゼ部分の破壊されたドメインを有さない宿主細胞が、使用され
る。6−dEBポリケチドシンターゼ(PKS)中のこの変化は、このPKSが
そのネイティブな開始ユニットを利用し得ないことを生じ、それによって連続す
る反応(この反応は、そうでなければネイティブに産生されるジケチドから、競
合することなく改変6−dEBを生じる)において初期の縮合生成物に合成ジケ
チドチオエステルを含めることを可能にする。従って、得られるポリケチドへの
組み込みのために、合成ジケチドチオエステルを、組換え宿主に提供し得る。得
られるポリケチドへのこのジケチドの組み込みは、13位に、所望されるように
選択され得る置換基を有するポリケチドを生じる。合成ポリケチドチオエステル
を調製するための好ましい方法は、PCT公開番号WO00/44717(これ
は、同時係属の米国特許出願番号60/117,384号(1999年1月27
日出願)に対する優先権を主張する)および同第09/492,733号(20
00年1月27日出願)(これらは、本明細書中に参考として援用される)に示
されている。
【0013】 第1モジュール(KS1)中に不活性化されたケトシンターゼ(KS)ドメイ
ンを含む6−dEB PKSの組換え形態およびこのPKSの発現系を含むよう
に改変された適切な生物は、PCT出願WO97/02358(1997年1月
28日公開)および同第WO99/03986(1999年1月28日公開)(
本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0014】 次いで、改変PKSの発現から生じるポリケチドが、単離され、そして所望さ
れる場合には、組換え改変生物から精製され、そしてポリケチド後(postp
olyketide)改変(グリコシル化を含む)のための機能性を含むSac
charopolyspora erythraeaに供給される。他の改変と
しては、6位および/または12位での水酸化が挙げられる。次いで、生じた改
変エリスロマイシンが単離され、そして本発明の化合物を得るために化学的に改
変される。これらの改変を提供するための合成方法は、PCT公開番号WO98
/009978および米国特許第5,750,510号(本明細書中上記に参照
される)に記載されている。
【0015】 本発明の化合物に対する中間体を合成するための一般的な方法は、図1に示さ
れる。
【0016】 本発明の中間体から化合物を合成するための方法は、図2に示される。
【0017】 得られる抗感染化合物は、一群の代表的な微生物に対する活性に関してインビ
トロおよびインビボで活性である。従って、本発明の化合物は、所望される抗生
物質活性のスペクトルを包含する特異性において十分な多様性を示す。
【0018】 感染性疾患の処置における使用について、本発明の化合物は、適切な組成物中
に処方される。この組成物は、代表的な賦形剤、この化合物が塩である場合には
薬学的に受容可能な対イオン、所望される場合にはさらなる添加剤(例えば、抗
酸化剤、緩衝液など)を含み、そして動物またはヒトに投与される。これらの化
合物に適切な処方物の型は、一般のマクロライド系抗生物質についてのものと同
様である。処方物は、例えば、Remington’s Pharmaceut
ical Sciences,Mack Publishing Co.(最新
版)に見出され得る。この化合物は、任意の所望の経路(注射、経口投与、経皮
投与、経粘膜投与または任意の組合せを含む)によって投与され得る。本発明の
化合物はまた、所望される場合には、さらなる活性成分とともに投与され得る。
【0019】 本発明の化合物は、上記に示される式(1)〜(3)の化合物、ならびに示さ
れるようなこれらの化合物の任意の立体異性体形態である。示される特定の立体
異性体は、上記に示されかつ本明細書中に例示される好ましい合成方法から生じ
るものである;しかし、PKSの発現系を改変することによって、またはジケチ
ドのキラリティを変化させることによって、または合成化学的な変換によって、
他の立体異性体もまた、調製され得る。さらなるキラル中心が、置換基(例えば
、RdおよびRf)に存在し得る。この立体異性体は、混合物として投与され得る
か、または個々の立体異性体は、当該分野で公知のように分離され、そして利用
され得る。
【0020】 式(1)〜(3)の化合物の特性は、置換基Ra〜Re、L、T、YおよびZに
よって定義される。これらの置換基の好ましい実施形態は、本明細書中以下に示
される。それらは、以下の定義される部分を含む: 「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含み、そして最も
好ましくはフルオロである。
【0021】 「アルキル」とは、特定の数の炭素を含み、かつ1以上の適切なヘテロ原子を
含み得る、飽和した直鎖、分岐鎖または環式のヒドロカルビル部分をいう;同様
に、アルケニルおよびアルキニルとは、それぞれ、1以上の二重結合または1以
上の三重結合を含み、かつ1以上の適切なヘテロ原子を含み得る、直鎖もしくは
分岐または環式炭化水素の置換基をいう。
【0022】 「アリール」とは、1以上の適切なヘテロ原子(例えば、フェニル、ナフチル
、キノリル、またはフェナントリル)を含み得る芳香族置換基をいう。
【0023】 「アリールアルキル」、「アリールアルケニル」または「アリールアルキニル
」とは、アリール基が、それぞれ、アルキル、アルケニルまたはアルキニル連結
を通じて置換部分に連結されている置換基をいう。また、アリールアルキル、ア
リールアルケニルまたはアリールアルキニル基における炭素数は、特定される。
【0024】 「アミドアリールアルキル」、「アミドアリールアルケニル」または「アミド
アリールアルキニル」とは、アリール基が、それぞれ、アミドおよびアルキル、
アルケニルまたはアルキニル連結を通じて置換部分に連結されている置換基をい
う。また、アミドアリールアルキル、アミドアリールアルケニルまたはアミドア
リールアルキニル基における炭素数は、特定される。
【0025】 従って、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」
、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリールアルキル」などは、本明細書中で定義
される置換基の中に含まれる。適切なヘテロ原子としては、N、OおよびSが挙
げられる。
【0026】 前述の置換基の全てが、置換され得ないか、またはさらに置換され得る。代表
的な置換基としては、R、−OR、−SR、−NR2、−COR、−COOR、
−CONR2、−OOCR、−NRCOR、−OCONR2、−CN、−CF3
−NO2、−SOR、−SO2R、ハロゲン(ここで各Rは、独立してHであるか
、またははアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、
もしくは上記に定義されるこれらのヘテロ形態である)が挙げられる。さらに、
アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、アリールまたはヘテロアリールによ
って置換され得、このアリールまたはヘテロアリールはそれ自体、さらに置換さ
れ得る。
【0027】 「誘導体化オキシム」は、式=N−O−R(ここでRは、H以外であり、そし
てそうでなければ上記の定義の通りである)のオキシムである。
【0028】 ヒドロキシについての「保護基」としては、アシル基、シリル基などが挙げら
れる。適切な保護基は、Greene,T.W.ら、Protecting G
roups in Organic Synthesis(第2版),John
Wiley & Sons,Inc.(1991)(本明細書中に参考として
援用される)によって記載されている。
【0029】 本発明は、上記に定義される化合物のより好ましい実施形態を含む。Rは、
好ましくは、ブチル、ペンチル、メトキシエトキシメチル、イソブチル、メチル
シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、エチルフェニル、3−(ベンジルオキシ
)プロピル、2−(ピリミジン−2−イルチオ)エチル、プロピル、フルオロエ
チル、クロロエチル、ビニル、3−ブテニル、もしくはアジドエチルであり、そ
してより好ましくは、プロピル、フルオロエチル、シクロエチル、ビニル、3−
ブテニルもしくはアジドエチルである。PCT公開番号WO00/44717(
これは、米国特許出願第60/117,384号(1999年1月27日出願)
および米国特許出願第09/492,733号(2000年1月27日出願)(
これらの両方は、本明細書中に参考として援用される)に対する優先権を主張す
る)は、C−13位にて組み込まれ得る、種々のオリゴケチドチオエステル、好
ましくはジケチドチオエステルを記載している。本明細書中に記載されるような
ジケチドチオエステルは、本発明の化合物に取り込まれ、それによってC−13
位での好ましいR基を決定する。
【0030】 別の好ましい実施形態において、Rfは、Hもしくは低級C1〜C3アルキル
であり、より好ましくはメチルである。Rfはまた、好ましくは、アリールアル
ケニルもしくはアリールアルキニル(例えば、3−アリールプロプ−2−エニル
もしくは3−アリールプロプ−2−イニル)である。好ましくは、好ましいアリ
ールアルケニルもしくはアリールアルキニルの実施形態におけるアリール基は、
3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、フェニル、4−フルオロフェニル
、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、6−キノリル、6−キノキサリ
ル、6−アミノ−3−キノリル、もしくは4−イソキノリルである。
【0031】 T−L−Oがカルバメート環を形成する場合、カルバメート窒素(R)、6−
O位(Ra)、および13位(Rd)の置換基の組合せが、特に好ましい。第1の
好ましい組合せにおいて、Raは、好ましくは、アリールアルキル、アリールア
ルケニルもしくはアリールアルキニルであり;Rは、好ましくは、Hまたは置換
もしくは非置換の低級アルキルであり;そしてRdは、好ましくは、置換もしく
は非置換アルキルである。これらの化合物において、Raは、より好ましくは、
アリールプロピル、アリールプロプ−2−エニル、もしくはアリールプロプ−2
−イニルであり;Rは、より好ましくは、ハロゲンもしくはメチルであり;そし
てRdは、より好ましくは、プロピル、フルオロエチル、もしくはクロロエチル
である。
【0032】 第2の好ましい組合せにおいて、Raは、Hまたは置換もしくは非置換の低級
アルキルであり;Rは、好ましくは、アリールアルキル、アリールアルケニルも
しくはアリールアルキニルであり;そしてRdは、置換もしくは非置換のアルキ
ルである。これらの化合物において、Raは、より好ましくはメチルであり;R
は、より好ましくは、アリールプロピル、アリールプロプ−2−エニルもしくは
アリールプロプ−2−イニルであり;そしてRdは、より好ましくは、プロピル
、フルオロエチル、もしくはクロロエチルである。
【0033】 第3の好ましい組合せにおいて、Rdが、さらなる誘導体化に利用可能な不飽
和置換基(例えば、アルケニルもしくはアルキニルまたは他の基(例えば、アジ
ドアルキル))である場合には、好ましくは、Raは、Hまたは置換もしくは非
置換の低級アルキルであり、そしてRは、Hまたは置換もしくは非置換の低級ア
ルキルである。Raは、より好ましくは、Hもしくはメチルであり、そしてRは
、より好ましくはHである。例示的な不飽和置換基であるRdは、より好ましく
は、ビニル、プロパルギル、もしくはブテニルであり、そして他の誘導体化可能
な置換基としては、アジドエチルが挙げられる。これらの化合物は、不飽和置換
基から、アリールアルキル、アリールアルケニル、もしくはアリールアルキニル
置換基を形成し、そしてアジド置換基から、アミドアリールアルキル、アミドア
リールアルケニルもしくはアミドアリールアルキニル置換基を形成する、本発明
の方法によって容易に誘導体化され得る。
【0034】 好ましい15−アミドケトライド、15−エテニルケトライドおよび他の好ま
しいアリール置換ケトライドは、図12および15に示される。
【0035】 さらに、化合物(1)の1つの実施形態において、Tは、(N−R)ではない
。化合物(1)の別の実施形態において、T−L−Oは、カルバメート環を形成
しない。
【0036】 (本発明の化合物の合成) 上記のように、任意のさらなる化学合成のための抗物質出発物質は、好ましく
は、KS1ノックアウトを含む、6−dEB PKSについての発現系を含むよ
うに改変された微生物に適切なジケチドを供給することによって、または13位
にメチルを提供する宿主細胞に続いて、6−dEBの産生を排除するように変更
されたSaccharopolyspora erythraeaの組換え株に
得られたポリケチドを供給することによって、調製される。6位および12位の
両方または12位のみのいずれかを水酸化し得る株が、調製され得る。この後者
の場合において、−ORfは、−Hによって置換される。組換えS.eryth
raea株であるK40−67は、高レベルのエリスロマイシンAを産生するS
.erythraea株を、不活性化KS1ドメインをコードする変異eryA
1配列を含むプラスミドで形質転換することによって得られる。相同組換えによ
って、得られた形質転換体は、ここで、基質ポリケチドに対する競合物として6
−dEBを産生し得ず、そして代わりに、Streptomycesまたは他の
ポリケチド産生形質転換体で作製された改変ポリケチドの6位および12位を水
酸化して、そしてその3位および5位をグリコシル化する。12位の水酸化のみ
を有し、そして6位で水酸化されていないマクロライドが所望される(ORa
、Hにより置換される)場合、S.erythraea株が、株K40−67に
おけるeryFヒドロキシラーゼ遺伝子を破壊することによって構築される。あ
るいは、eryK遺伝子が、使用不能にされ得、ここで化合物(1)〜(3)(
ここでRaがHである)の実施形態が、容易に産生され得る。
【0037】 式(1)〜(3)の化合物の形成は、12位にヒドロキシルを有するエリスロ
ノリドの産生を必要とする。出発物質としては、化合物(4)〜(6)のいずれ
かが挙げられる:
【0038】
【化5】 エリスロマイシンの産生のためのグリコシル化反応は、本明細書中の式(4)
に示される化合物に類似するジグリコシル化形態を生じる。式(4)の化合物が
開始産物から調製されるべきである場合、クラジノース(cladinose)
環のヒドロキシル基(3位に結合している)は、マクロライド置換基のその後の
改変のために保護されることを必要とする。
【0039】 本発明の改変されたエリスロマイシンは、C−13位での改変に加えて、OR a が上記のようにHによって置換されない場合には、6位に−OH基を含み得る
。最終的に、式(1)、(2)および(3)の化合物(ここで6位がORaであ
る)を構築するために、RcおよびReの1つの実施形態を形成する保護基を有す
る、式(I)の化合物(図1を参照のこと)が、提供される。このような保護は
、非プロトン性溶媒において、適切な保護試薬(例えば、酢酸無水物、安息香酸
無水物、ベンゾクロロホルメート、ヘキサメチルジシラザンまたはトリアルキル
シリルクロリド)を使用してもたらされる。非プロトン性溶媒としては、例えば
、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン
、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などが
挙げられる。混合物もまた使用され得る。式(I)における両方の糖ヒドロキシ
ルの保護は、同時にまたは連続して行われ得る。
【0040】 2つのグルコース残基の2’および4’’ヒドロキシル基を保護することに加
えて、マクロライド環の9位のケト基もまた、保護されなければならない。代表
的には、これは、ケト基を誘導体化オキシムに変換することによってもたらされ
る。式=NOR中のRについて特に好ましい実施形態としては、置換もしくは非
置換アルキル(1〜12C)、置換もしくは非置換アリール(6〜10C)、ア
ルキル(1〜12C)、置換もしくは非置換ヘテロアリール(6〜10C)、ア
ルキル(1〜12C)およびヘテロアルキル(例えば、式CR’2ORの置換基
(ここで各R’は、上記のRとして独立して具体化されることに加えて、他方と
一緒になり得、シクロアルキル環(3〜12C)を形成する)が挙げられる。好
ましい誘導体化オキシムは、式=NOR(ここでRはイソプロポキシシクロヘキ
シルである)のオキシムである。
【0041】 9−ケト基ならびに2’ヒドロキシルおよび4”ヒドロキシル(保護されてい
る)では、塩基の存在下でアルキル化剤とともに反応させることによって、式(
I)の化合物の6−ヒドロキシ基をアルキル化することが可能である。アルキル
化剤としては、アルキルハライドおよびスルホネートが挙げられる。アルキル化
剤としては、アルキルハライドおよびスルホネートが挙げられる。例えば、アル
キル化剤としては、メチルトシレート、2−フルオロエチルブロミド、シンナミ
ルブロミド、クロトニルブロミド、アリルブロミド、プロパルギルブロミドなど
が挙げられ得る。アルキル化は、塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、イソプロポキシドカリウム、t−ブトキシドカリウムおよび非プロトン性
溶媒)の存在下で行われる。
【0042】 アルキル化剤の選択は、含まれるべき置換基Raの性質に依存する。上記に示
されるように、Raは、置換もしくは非置換アルキル(1〜10C)、置換もし
くは非置換アルケニル(2〜10C)、または置換もしくは非置換アルキニル(
2〜10C)であり得る。非置換のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル
、またはこれらの置換形態(ここでこの置換基としては、1以上のハロゲン、ヒ
ドロキシ、アルコキシ(1〜6C)、オキソ、SO2R(1〜6C)、N3、CN
およびNR2が挙げられ、ここでRは、H、置換もしくは非置換アルキル(シク
ロアルキルを含む)(1〜12C)、置換もしくは非置換アルケニル(シクロア
ルケニルを含む)(2〜12C)、アルキニル(シクロアルキニルを含む)(2
〜12C)、置換もしくは非置換アリール(6〜10C)である)(上記のヘテ
ロ形態を含む)が、特に好ましい。
【0043】 メチル、アリルおよびエチルが、特に好ましい。
【0044】 一旦、6−ヒドロキシルのアルキル化が終了すると、糖残基およびマクロライ
ド環は、脱保護され得る。グリコシド部分の脱保護は、Green,T.W.ら
、Protective Groups in Organic Synthe
sis(前出)によって記載されるように行われる。同様の条件は、誘導体化オ
キシムの=NOHへの変換を生じる。非誘導体化オキシムの形成が、脱保護と同
時に起こらない場合、オキシムへの変換は、別々に行われる。
【0045】 次いで、オキシムは、当該分野で公知の標準的な方法によって除去され、そし
てケト基に変換され得る。脱オキシム化剤としては、無機硫黄酸化物の化合物(
例えば、硫化水素ナトリウム、ピロ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなど)
が挙げられる。この場合において、プロトン性溶媒(例えば、水、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、トリメチルシラノールおよびこれらの混合物)
が、使用される。一般に、脱オキシム化反応は、有機酸の存在下で行われる。
【0046】 式(4)の化合物が、以下にさらに記載されるような式(5)もしくは(6)
の化合物に、または式(1)〜(3)のいずれかの化合物に変換された後、この
プロセスにおけるこの点で、またはその後に、6−ヒドロキシルに導入された基
が、さらに操作され得る。都合の良いことに、初期の置換は、6−O−アリル(
すなわち、O−CH2−CH=CH2)を提供し得る。これは、6−O−プロピル
化合物を得るために還元によってさらに誘導体化され得るか、または2,3−ジ
ヒドロプロピル化合物を提供するために四酸化オスミウムで処理され得る。この
化合物はさらに、各酸素原子でエステル化され得る。O−アリル誘導体はまた、
非プロトン性溶媒中でm−クロロペルオキシ安息香酸で酸化されて、エポキシ化
合物を提供し得、この化合物は、アミンまたはN−含有へテロアリール化合物で
開環されて、N−含有側鎖を有する化合物を提供し得るか、あるいはWacke
r条件で酸化されて、置換基O−CH2−C(O)−CH3を提供し得るか、ある
いはオゾン化されて、アルデヒドを提供し得る。次いで、このアルデヒドは、オ
キシムに変換され得るか、または適切なアミンと反応され得、そして水素化ホウ
素還元剤の存在下で還元されてアミンを提供し得る。このオキシムはまた、非プ
ロトン性溶媒中での脱水剤との反応によってニトリルに変換され得る。O−アリ
ル誘導体はまた、Heck条件(Pd(II)またはPd(O)、リンおよびア
ミンまたは無機塩基)下でアリールハライドと反応され、3−アリールプロプ−
2−エニル誘導体を提供し得る。次いで、この誘導体は、炭素上の水素およびパ
ラジウムで還元され、3−アリールプロピル誘導体を提供し得る。初期の置換基
fが2−プロピンである場合には、同様の反応が、側鎖における変化(アリー
ル化を含む)を提供するために用いられ得る。
【0047】 クラジノース部分を初めに除去することによって、式(4)の化合物を式(6
)の化合物に変換するために、式(4)の化合物は、温和な水性酸で、または脱
グリコシル化酵素で処理される。適切な酸としては、アルコールの存在下での、
塩酸、硫酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。反応時間は、代
表的には、−10〜35℃の温度では、0.5〜24時間である。この反応の間
に、残っている糖の2’基は、上記に示されるように保護され、そして脱クラジ
ノース化(decladinizing)反応の後に脱保護される。次いで、マ
クロライド環の3位に得られたヒドロキシル基は、改変されたSwern酸化手
順を使用してケトンに酸化される。この手順において、酸化剤(例えば、N−ク
ロロスクシンイミド−ジメチルスルフィドまたはカルボジイミド−ジメチルスル
ホキシド)が使用される。代表的には、式(4)の化合物が、クロロ化(chl
orinated)溶媒(例えば、メチレンクロリド)において、予め形成され
たN−クロロスクシンイミドおよびジメチルスルフィド複合体に−10〜25℃
にて添加される。0.5〜4時間攪拌した後に、3級アミン(例えば、トリエチ
ルアミン)が、対応するケトンを生成するために添加され、次いで2’保護基が
除去される。
【0048】 マクロライドを2位でハロゲン化するために(Rを、Hからハロゲンに変換
すること)、式(6)の化合物(ここでR=Hである)は、塩基および求電子
性ハロゲン化試薬(例えば、過臭素酸ピリジニウムまたはN−フルオロベンゼン
スルホンイミド)で処理される。2位は、3ケト化合物が調製された後、そして
好ましくは、この11,12環が形成された後に、任意の時間にハロゲン化され
得る。
【0049】 C−13位での適切な置換基(例えば、ビニル、エテニル、ブテニルもしくは
アジド)が、さらに操作され得る。例えば、本発明の化合物のアミド酢酸塩は、
図10に例示されるように、C−13位にアリールアミノアルキル基を生成する
ために、アリールアセチルクロリドを使用して誘導体化され得る。好ましくは、
アジド基のC13誘導体は、ケトライド(ketolide)が形成される前に
生じる。アルケニル基(例えば、エテニル)の誘導体化は、図14および16に
示されるように、ケトライドが形成される前または後のいずれか、そして好まし
くはこの11,12環が形成された後に生じる。
【0050】 式(5)の化合物を得るために、式(4)の脱グリコシル化反応から生じる化
合物が、脱水剤(例えば、カルボニルジイミダゾールおよび塩基)で処理される
【0051】 次いで、中間体(7)〜(9)が、中間体(4)〜(6)から調製され得る。
【0052】
【化6】 12−ヒドロキシル基の存在が必要とされることが、留意される。この糖部分
のヒドロキシル基は、上記のように保護され、次いで得られる保護化合物は、化
合物(7)〜(9)に示されるようにマクロライド環において官能基を提供する
ために、ヘキサメチルジシラジドナトリウムおよびカルボニルジイミダゾールと
反応され、これにより脱水されて、10〜11位にπ結合を、および12−ヒド
ロキシルの誘導体化を得る。図2は、第1工程における化合物(4)〜化合物(
9)への反応の流れを例示する。
【0053】 水性アンモニアとの化合物(7)〜(9)の反応は、第2工程における化合物
(9)および(3)について図2に示されるように、式(1)〜(3)の化合物
(ここでLは、カルボニルであり、そしてTは、NHである)を提供する。
【0054】 式H2NR、H2NOR、H2NNHCOR、H2NN=CHRもしくはH2NN
HR(ここでRは、HもしくはRaである)との化合物(7)〜(9)の反応は
、式(1)〜(3)の対応する化合物(ここでTは、記載されるように−R、−
OR、−NHCOR、−N=CHRもしくは−NHRを含むRf置換基で誘導体
化された窒素である)を提供する。図2において、RfはHである。なぜなら、
アンモニアが使用されるからである。これらは、式(10)〜(12)の化合物
である:
【0055】
【化7】 ここでRは、上記のような窒素上の置換基を示す。図3は、化合物(10)を
形成するためのHNRと化合物(7)との反応を類似的に示す。この調製は
、Bakerら、J Org Chem(1988)53:2340(これは、
本明細書中に参考として援用される)によって記載される手順に従う。特に、式
N−Rのアミノ化合物との化合物(7)の処理は、環式カルバメート(こ
こでRは、上記の通りである)の形成を生じる。保護された2’−ヒドロキシ
基は、上記のように脱保護され得る。
【0056】 代替的な手順またはさらなる手順が、化合物(10)〜(12)(ここでRf
は、Hではない)を調製するために使用され得る。
【0057】 例えば、式(10)〜(12)の化合物(ここでRfがHである)は、環の窒
素上の水素をアルキル基で置換するために、式R−ハロゲンのアルキル化剤と反
応され得る。
【0058】 さらに、Tの窒素上の置換基としてアシル基を含まない化合物(10)〜(1
2)は、化合物(7)〜(9)(ここでTは、−Nであり、そしてRfは、−N
H−CORである)を得るために、R(CO)−ハロゲンもしくは(RCO)2
Oからなる群より選択されるアシル化剤とこのような化合物(10)〜(12)
とを処理することによって形成され得る。
【0059】 化合物(10)〜(12)(ここでRfは−NH2である)のアルデヒドR−C
HO(ここでRは、上記で規定される通りである)との処理は、化合物(10)
〜(12)(ここでRfは、−N=CHRである)を生じる。
【0060】 化合物(10)〜(12)(ここでRfが、−NH2である)の式R−ハロゲン
を有するアルキル化剤(ここでRは、上記の定義の通りである)との処理は、化
合物(10)〜(12)(ここでRfが、Rである)を生じる。
【0061】 もちろん、環形成のための基質が、式(4)の化合物である場合には、式(3
)の化合物が生じる;次いで、改変が、上記のように、式(1)および(2)の
化合物へと、式(3)の化合物を変換するために行われ得る。これらの環境下で
は、ケト基は、誘導体化オキシムによって保護される。このような改変としては
、酸での加水分解によるクラジノース部分の除去;3−ヒドロキシル基の酸化;
および保護されたヒドロキシル基およびケト基の脱保護が挙げられる。
【0062】 例示されたスキーム4a(図4a)に示される代替的な手順に従って、中間体
化合物(I1)(これは、エリスロマイシンAの9−オキシム化合物である)が
、クラジノース部分を除去して、そして中間体化合物(I2)を得るために、上
記のように希無機酸および希有機酸による酸加水分解に供される。次いで、オキ
シム化合物(I2)は、適切に置換されたオキシム保護試薬との反応によって、
保護されたオキシム化合物(I3)(ここでVは、=N−O−R1であり、ここで
1は、保護基である)に変換される。次いで、(I3)の3−ヒドロキシ基およ
び2’−ヒドロキシ基が、好ましくは、トリメチルシリル保護基で保護され、化
合物(I4)を生じる。次いで、化合物(I4)は、上記のようにアルキル化され
、化合物(I5)を生じる。そして化合物(I5)は、上記のように最初に脱オキ
シム化され、次いで脱オキシム化生成物は、例示されたスキーム2における化合
物(4)からの化合物(3)の調製について記載される手順によって、化合物(
6)に変換される。図4bは、次いで化合物(I6)が脱保護され、そして上記
の手順により、3−ケトライド誘導体である本発明の化合物(10)(ここでL
は、COであり、そしてTは、−NRfである)に酸化されることを示す。中間
体化合物I6もまた、脱保護され、そして脱水されて、図4にまた示される本発
明の化合物(11)を形成し得る。
【0063】 前で述べたように、6位の置換基は、化合物(1)〜(3)が形成された後に
操作され得る。例えば、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH−N−O
hであり、そしてRhは、HまたはC1〜C3−アルキル、アリール置換C1〜C3 アルキル、もしくはヘテロアリール置換C1〜C3アルキルである)が、調製され
得る。この方法において、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=CH 2 である)が、オゾンで処理されて、化合物(10)(ここでRaは、−CH2
CH=Oである)を形成する。
【0064】 化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=Oである)は、式NH2−O
−Rhを有するヒドロキシルアミン化合物(ここでRhは、上記の定義の通りであ
る)でさらに処理され;そして必要に応じて、脱保護して、そして所望の化合物
を単離する。すぐ直前のプロセスの好ましい実施形態において、RfはHである
【0065】 本発明の別の実施形態においては、化合物(10)(ここでRaは、−CH2
CH2−NH−Riであり、ここでRiはそれが結合している原子とともに、3〜
10員環の置換ヘテロシクロアルキル環または非置換へテロシクロアルキル環を
形成する)を調製するためのプロセスがある。
【0066】 この方法は、化合物(10)(ここでRaは、−CH2−CH=Oである)を
、式−NH2−Riを有するアミン化合物(ここでRiは、上記の定義の通りであ
る)を用いて還元的アミン化して;そして必要に応じて、脱保護し、そして所望
の化合物を単離することを包含する。
【0067】 式(1)〜(3)の化合物(ここでLは、カルボニルであり、そしてTが、−
O−であるか、またはここでLがメチレンであり、そしてTが−O−である)は
、Bakerら、J Org Chem(1988)53:2340(これは、
本明細書中に参考として援用される)により記載される手順を使用して、化合物
(4)〜(6)から調製される。式(4)〜(6)の2’保護化合物または2’
,4”−保護化合物が、カルボニルジイミダゾールおよびヘキサメチルジシラジ
ドナトリウムとの反応によって環式カルボネートに最初に変換される。
【0068】 化合物(13)〜(15)は、化合物(1)〜(3)(ここでLは、メチレン
であり、そしてTは、−O−である)を示す:
【0069】
【化8】 図5における例示的なスキーム5は、式(6)を有する化合物の式(1)を有
する化合物への変換を例示する。図11および13は、エリスロマイシンのケト
ライドへの変換を例示する。
【0070】 式(4)〜(6)もしくは(1)〜(3)の化合物(ここでZおよびYの一方
がHであり、そして他方がOHもしくは保護OHであるか、または上記のアミノ
誘導体である)を調製するために、カルボニルまたはオキシムもしくは誘導体化
オキシムのいずれかが、適切な還元剤を使用して還元される。置換アミンはまた
、アルキル化によって得られ得る。
【0071】 本発明の化合物の新規合成方法もまた、提供される。
【0072】 (例示的な実施形態) 式(1)、(2)および(3)の化合物は、それらの種々の置換基によって定
義される。表1は、本発明の範囲内の以下の化合物を例示している: 式(1)の化合物(ここでRbがH、F、ClもしくはBrであり、LがCO
であり、そしてRcがHである); 式(2)の化合物(ここでRcがHであり、そしてLがCOである);および 式(3)の化合物(ここでRcがHであり、LがCOであり、そしてReがHで
ある:
【0073】
【表1】 (実施例) 以下の実施例は、本発明を例示することを意図しているが制限することを意図
してはいない。
【0074】 化合物番号および命名は、例示的なスキーム1において、および先行技術の開
示において見出される。
【0075】 これらの実施例において、本方法の第1の一般的な工程では、6−デオキシエ
リスロノリドB(6−dEB)誘導体化合物は、組換えStreptomyce
s宿主細胞の発酵によって調製される。
【0076】 15−メチル−6−デオキシエリスロノリドBおよび14,15−デヒドロ−
6−デオキシエリスロノリドBを生成する発酵は、合成ジケチド中間体が発酵細
胞に供給されることを必要とする。これらの合成ジケチドの調製は、実施例1に
記載される。これらの合成ジケチドは、DEBSのモジュール1のケトシンター
ゼドメインにおける変異に起因して、その天然基質(プロピオニルCoA)にて
作用し得ない6−デオキシエリスロノリドBシンターゼ(DEBS)の基質であ
る。この組換えDEBSは、Streptomyces coelicolor
CH999中のプラスミドpJRJ2によって提供される。S.coelic
olor CH999は、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,6
72,491号に記載されている。ptpA遺伝子を含むように遺伝的に改変さ
れている、S.coelicolor CH999mp誘導体であるS.coe
licolor K39−02は、本明細書中に参考として援用される米国特許
出願第09/181,833号に記載されており、これもまた、この目的のため
に用いられ得る。
【0077】 プラスミドpJRJ2は、aryAI、aryAII、およびaryAIII
遺伝子をコードし;このプラスミドに含まれるeryAI遺伝子は、KS1ヌル
(null)変異を含む。KS1ヌル変異は、外因性基質が提供されない場合、
野生型遺伝子によって産生される6−デオキシエリスロノリドBの形成を妨げる
。プラスミドpJRJ2および新規な13置換エリスロマイシンを調製するプラ
スミドの使用のためのプロセスは、PCT公開番号99/03986および同第
97/02358、ならびに米国特許出願第08/675,817号(1996
年7月5日出願);同第08/896,323号(1997年7月17日出願)
;および同第09/311,756号(1999年5月14日出願)(これらの
各々は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。提供される外
因性基質は、この方法によって調製され得、そして米国特許出願第09/492
,733号に対する優先権を主張するPCT公開番号WO00/44717(両
方とも、発明者G.Ashleyらにより2000年1月27日に出願され、そ
してこれらの両方が、米国特許出願第60/117,384号(1999年1月
27日に出願)に対する優先権を主張する)(これらの各々が、本明細書中に参
考として援用される)に記載される化合物を含む。ery遺伝子以外のPKS遺
伝子もまた、用いられ得る;適切な遺伝子は、PCT公開番号WO01/272
84(これは、米国特許出願第60/158,305号(1999年10月8日
出願)に対する優先権を主張する)および同第09/428,517号(199
9年10月28日出願)ならびにPCT公開番号WO00/26349(199
9年10月22日出願)(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される
)に記載されるオレアンドリド(oleandolide)およびメガロマイシ
ン(megalomicin)PKS遺伝子を含むKS1ヌル変異を含む。
【0078】 Streptomyces coelicolor CH999/pJRJ2
およびS.coelicolor CH999/pCK7の発酵は、実施例2に
記載される。この発酵から生じる6−デオキシエリスロノリド産物の単離は、分
離によって達成され得る。
【0079】 次いで、単離された産物は、本発明の他の有用な中間体化合物を作製するため
に、Saccharopolyspora erythraea株の発酵ブロス
に添加される。S.erythraea株は、生合成ならびに6−dEB誘導体
化合物の3位および5位への糖残基の結合を触媒する。これらの株はまた、機能
的なeryK遺伝子産物を含み、そしてそれにより、12位で6−dEB誘導体
化合物を水酸化する。この株は、機能的なeryF遺伝子産物が産生されるか否
かという点で異なる。そうである場合、産生される化合物は、6位で同様に水酸
化される。そうではない場合、6−デオキシエリスロマイシンA誘導体が、産生
される。これらのS.erythraea発酵は、発酵ブロスからのエリスロマ
イシンA誘導体化合物の単離とともに、実施例3に記載されている。
【0080】 次いで、単離された産物が、本発明の他の中間体化合物の化学合成における中
間体として使用される。6−ヒドロキシルを含むエリスロマイシンA誘導体中間
体について、実施例4〜6は、本発明の6−O−アルキル中間体を作製するため
に、化合物をアルキル化するプロセスを記載している。これらの反応についての
模式を、図7に示す。
【0081】 (実施例1) (ジケチドチオエステルの調製) 組換えStreptomyces宿主細胞に供給して、15−メチルおよび1
4,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドB中間体化合物を作製するた
めに使用されるN−アセチルシステアミンチオエステル(NAcS)を調製する
ために使用されるプロセスを、本実施例に記載する。以下に記載される合成プロ
トコルはまた、PCT公開番号WO00/44717(これは、米国仮特許出願
第60/117,384号(1999年1月27日出願)に対する優先権を主張
する)(本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0082】 従って、(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノエートNAc
S(調製物E)(これは、15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB中間体
を調製するために使用される)を、(4S)−N−[(2S,3R)−2−メチ
ル−3−ヒドロキシヘキサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(調
製物D)とN−アセチルシステアミン(調製物B)とを反応させることから調製
する。次いで、N−アセチルシステミンを、N,S−ジアセチルシステアミン(
調製物A)から調製する。(4S)−N−[(2S,3R)−2−メチル−3−
ヒドロキシヘキサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(調製物D)
を、(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(プロ
ピオニル−NOx;調製物C)から調製する。
【0083】 同様の様式において、(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペ
ンテノエートNAcS(調製物G)(これは、14,15−デヒドロ−6−デオ
キシエリスロノリドB中間体を調製するために使用される)を、(4S)−N−
[(2S,3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンテノイル]−4−ベ
ンジル−2−オキサゾリジノン(調製物F)とN−アセチルシステアミン(調製
物B)とを反応させることから調製する。(4S)−N−[(2S,3R)−2
−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンテノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾ
リジノン(調製物F)を、(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オ
キサゾリジノン(プロピオニル−NOx;調製物C)から調製する。
【0084】 (A.N,S−ジアセチルシステアミン)塩酸システアミン(50.0g)を
、磁気攪拌子、2つの付属漏斗およびpH電極を取り付けた1Lの3つ首(3−
neck)丸底フラスコに添加する。水(300mL)を添加して、そして攪拌
した溶液を氷上にて冷却する。このpHを、8N KOHの添加により8.0に
調整する。酢酸無水物(125mL)を、1つの付属漏斗に置いて、8N KO
H(350mL)を、他の付属漏斗に置く。酢酸無水物を、システアミン溶液に
滴下して添加し、ここでこの反応物のpHを8+/−1に維持するように8N
KOHを添加する。酢酸無水物の添加の終了後に、1N HClを使用してpH
を7.0に調整して、そしてこの混合液を、氷上で75分間攪拌させる。固体N
aClを、飽和になるまで添加して、そしてこの溶液を、400mL部のCH2
Cl2を使用して4回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥させ、
ろ過して、そして減圧下で濃縮して、68.9g(97%の収率)の淡黄色の油
状物を得る。これを、4℃で静置して結晶化させる。
【0085】 (B.N−アセチルシステアミン)N,S−ジアセチルシステアミン(42.
64g)を、磁気スターラーを取り付けた2L丸底フラスコに配置して、そして
1400mLの水に溶解する。このフラスコを、N2でパージして、そしてこの
混合液を氷浴中にて冷却する。水酸化カリウム(49,42g)を添加して、そ
してこの混合液を、不活性な大気下で氷上で2時間攪拌する。6N HClを使
用してpHを7に調整して、そして固体NaClを飽和するまで添加する。この
混合液を、500mL部のCH2Cl2で7回抽出する。有機抽出物を合わせて、
MgSO4で乾燥させ、ろ過して、そして減圧下で濃縮して、30.2g(96
%の収率)の淡黄色の油状物を得る。この物質を、使用直前に蒸留(bp 13
8〜140℃/7mmHg)する。
【0086】 (C.(4S)−N−プロピオニル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(
プロピオニル−NOx))500mLの付属漏斗および攪拌子を備え付けた乾燥
3つ首丸底フラスコに、20gの(4S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノ
ンを充填して、セプタ(septa)で栓をして、そして窒素でフラッシュした
。無水THF(300mL)を、カニューレによって添加して、そして得られた
溶液を、ドライアイス/イソプロパノールの−78℃浴で冷却した。付属漏斗に
、78mLのn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)をカニューレによって
充填した。これを、反応にゆっくりとした流れにおいて添加した。蒸留したプロ
ピオニルクロライド(bp77〜79℃)8.0mLを、シリンジを通して迅速
に添加した。この反応物を、ドライアイス/イソプロパノール浴中で、30分間
攪拌させた。
【0087】 この反応物を冷却浴から除去し、そして>0℃まで暖め、そして50mLの飽
和NH4Cl水溶液でクエンチした。この混合物を、ロータリーエバポレーター
でスラリーまで濃縮した。このスラリーを、250mL部分のエチルエーテルで
3回抽出した。有機抽出物を合わせ、そして各50mLの飽和NaHCO3水溶
液およびブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮
して黄色油状物を得た。この物質を放置して結晶化した。この結晶を、冷却した
(−20℃)ヘキサンで一度粉砕し、21.0g(収率80%)の白色結晶性物
質を得た。m.p.41〜43℃。
【0088】 APCI−MS:m/z=234(MH+)、178,117.1H−NMR
(360MHz、CDCl3):∂7.2−7.4(5H、m);4.67(1
H、m、H4);4.14−4.22(2H、m、H5);3.30(1H、d
d、J=3,13Hz、ベンジル);2.89−3.03(2H、m、H2’)
;2.77(1H、dd、J=9,13、ベンジル);1.20(3H、t、J
=7Hz、H2’)。
【0089】 D.(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノ
イル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン:500mLの添加漏斗、低温温
度計、および攪拌棒を備えた、乾燥した2Lの三口丸底フラスコに、19.84
gのN−プロピオニル−オキサゾリジノンを充填し、セプタムでキャップし、そ
して窒素でフラッシュした。無水ジクロロメタン(100mL)をカニューレで
添加し、そして得られた溶液を、ドライアイス−イソプロパノール浴で−65℃
まで冷却した。この添加漏斗に、カニューレで100mLのジブチルボロントリ
フラート(ジクロロメタン中の1.0M)を充填し、これをこの反応にゆっくり
した流れで添加した。トリエチルアミン(15.6mL)をシリンジで滴下し、
この反応温度を−10℃未満に保った。次いで、この反応物を氷浴に移し、そし
て0℃で30分間攪拌した。この時間の後、この反応物をドライアイス−イソプ
ロパノール浴に戻し、そして−65℃まで冷却した。ブチルアルデヒド(8.6
mL)をシリンジで素早く添加し、そしてこの反応物を30分間攪拌した。
【0090】 この反応物を氷浴に移し、そして添加漏斗に100mLの1Mのリン酸水溶液
、pH7.0(このリン酸溶液は、等モル量の一−および二−塩基性リン酸カリ
ウムからなる)を充填した。このリン酸溶液を、反応温度を10℃未満に保つ間
に、できるだけ速く添加した。次いで、この添加漏斗に300mLのメタノール
を充填し、これを、反応温度を10℃未満に保つ間に、できるだけ速く添加した
。最後に、この添加漏斗に300mLの2:1 メタノール:30%過酸化水素
を充填した。これを、この温度を10℃未満に保つことを保証するために、滴下
した。添加の終了後に、この反応物を1時間攪拌した。次いで、この溶媒を、ロ
ータリーエバポレーターでスラリーが残るまで除去した。このスラリーを500
mL部分のエチルエーテルで4回抽出した。合わせた有機抽出物を、各250m
Lの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、この抽
出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮してわずかに黄色の油状物を
得た。次いで、この物質を、2:1のヘキサン:酢酸エチルを使用してSiO2
上のクロマトグラフィーにかけ(生成物のRf=0.4)、22.0g(収率8
5%)の表題化合物を無色の油状物として得た。
【0091】 APCI−MS:m/z 306(MH+);1H−NMR(360MHz、
CDCl3):∂7.2−7.4(5H、m、フェニル);4.71(lH、m
、H4);4.17−4.25(2H、m、H5);3.96(1H、m、H3
’);3.77(1H、dq、J=2.5,7Hz、H2’);3.26(1H
、dd、J=4,13Hz、ベンジル);2.79(1H、dd、J=9,13
Hz、ベンジル);1.5−1.6(2H、m、H4’);1.3−1.5(2
H、m、H5’);1.27(3H、d、J=7Hz、2’−Me);0.94
(3H、t、J=7Hz、H6’)。
【0092】 E.(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサン酸N−アセチルシ
ステアミンチオエステル:N−アセチルシステアミンを、130℃/7mmHg
で蒸留して、室温で無色の液体を得た。500mLの添加漏斗および攪拌棒を備
えた、乾燥した1Lの三口丸底フラスコを、セプタムでキャプし、そして窒素で
フラッシュした。次いで、このフラスコに10.7mLのN−アセチルシステア
ミンをシリンジで充填し、そして400mLの無水THFをカニューレで充填し
た。この混合物を、MeOH/氷浴で冷却した。ブチルリチウム(ヘキサン中の
1.6Mの64mL)をシリンジで滴下し、白色沈殿の形成を生じた。30分間
攪拌した後、トリメチルアルミニウム(ヘキサン中の2.0Mの51mL)をシ
リンジで滴下した。この反応物は、トリメチルアルミニウムの添加後に透明にな
り、そしてさらに30分間攪拌した。この時間の間に、20.5g(0.068
mol)の(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシルヘ
キサノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンを、窒素のブランケット下
に置き、そして100mLの無水THFに溶解させた;次いで、この溶液を、カ
ニューレでゆっくりした流れで反応に移した。得られた反応混合物は、黄緑色に
変化し、そして1時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー分析で出発物質がもは
や見られなくなったとき(約1時間)に、この反応を終了した。
【0093】 この反応物を十分な飽和シュウ酸で処理して、pH試験紙で中性な反応物を得
た(約90mL)。次いで、この溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、白
色のスラリーを得た。このスラリーを250mL部分のエチルエーテルで6回抽
出した。この有機抽出物を合わせ、そしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥
させ、濾過し、そして濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。このチオエステル
生成物を、1:1のヘキサン:EtOAcを使用して、SiO2上のフラッシュ
クロマトグラフィーで、4−ベンジル−2−オキサゾリジノンが溶出するまで精
製した。その時点で、この溶媒系を100%EtOAcに変え、純粋なジケチド
チオエステルの画分を得た。この生成物画分を合わせ、そして濃縮して14.9
g(収率89%)の表題化合物を得た。この化合物を、実施例2においてプロピ
ルジケチドチオエステルという。
【0094】 APCI−MS:m/z 248(MH+);1H−NMR(360MHz、
CDCl3):∂5.8(br s、1H);3.94(dt、1H)、3.4
6(m、2H)、3.03(dt、2H)、2.71(dq、1H)、1.97
(s、3H)、1.50(m、2H)、1.37(m、2H)、1.21(d、
3H)、0.94(t、3H)。
【0095】 F.(4S)−N−[(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペ
ンタノイル−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン:500mLの添加漏斗、低
温温度計、および攪拌棒を備えた、乾燥した2Lの三口丸底フラスコに、20.
0gのプロピオニルオキサゾリジノンAを充填し、セプタムでキャップし、そし
て窒素でフラッシュした。無水ジクロロメタン(100ml)を添加し、そして
得られた溶液を、メタノール/氷浴で−15℃まで冷却した。ジブチルボロント
リフラート(ジクロロメタン中の1.0Mの100mL)を、添加漏斗を介して
、この反応温度を3℃未満に保つようなゆっくりとした流れで添加した。シリン
ジでジイソプロピルエチルアミン(17.9mL)を滴下し、内部温度を再び3
℃未満に保った。次いで、この反応物を、ドライアイス−イソプロパノール浴を
用いて−65℃まで冷却した。アクロレインを、シリンジによって5分間にわた
って添加した。添加の完了後に、この反応物を30分間攪拌した。
【0096】 次いで、この反応物を氷浴に移し、そして添加漏斗に120mL(0.1mo
l)の1M リン酸水溶液、pH7.0(このリン酸溶液は、等モル量の一−お
よび二−塩基性リン酸塩からなる)を充填した。このリン酸溶液を、反応温度を
10℃未満に保つ間に、できるだけ速く添加した。次いで、この添加漏斗に40
0mLのメタノールを充填し、これを、反応温度を10℃未満に保つ間に、でき
るだけ速く添加した。最後に、この温度を10℃未満に保つための最初の滴下に
よって、この添加漏斗に400mLの2:1 メタノール:30%過酸化水素を
充填した。この反応物を1時間攪拌した。この溶媒を、ロータリーエバポレータ
ーを使用して除去し、スラリーが残った。このスラリーを500mL部分のエチ
ルエーテルで4回抽出した。この有機抽出物を合わせ、各250mLの飽和炭酸
水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そし
て濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。ヘキサンでの粉砕で、結晶化を誘導し
た。ヘキサンの添加によるエーテルからの再結晶で、13.67g(収率55%
)の生成物を生じた。
【0097】 1H−NMR(360MHz、CDCl3):∂7.2−7.4(m、5H)
;5.86(ddd、1H)、5.35(dt、1H)、5.22(dt、1H
)、4.71(m、1H)、4.51(m、1H)、4.21(m、2H)、3
.89(dq、1H)、3.26(dd、1H)、2.80(dd、1H)、1
.25(d、3H)。
【0098】 G.(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ペンタン酸N−アセ
チルシステアミンチオエステル:130℃/7mmHgでN−アセチルシステア
ミンを蒸留し、室温で無色の液体を得た。500mLの添加漏斗および攪拌棒を
備えた、乾燥した1Lの三口丸底フラスコを、セプタムでキャップし、そして窒
素でフラッシュした。次いで、このフラスコに7.5mLのN−アセチルシステ
アミンをシリンジで充填し、そして500mLの無水THFをカニューレで充填
した。次いで、この反応物をMeOH/氷浴で冷却した。ブチルリチウム(ヘキ
サン中の1.6Mの44mL)をシリンジで滴下した。n−BuLiを添加した
ときに、白色沈殿が形成した。30分間攪拌した後、35.5mL(0.071
mol)のトリメチルアルミニウム(ヘキサン中の2.0M)をシリンジで滴下
した。この反応物は、トリメチルアルミニウムの添加後に透明になり、そしてさ
らに30分間攪拌した。調製Fからの(4S)−N−[(2S、3R)−2−メ
チル−3−ヒドロキシ−4−ペンタノイル]−4−ベンジル−2−オキサゾリジ
ノン(13.6g)を、窒素のブランケット下に置き、50mLの無水THFに
溶解させ、次いでこの溶液を、反応にカニューレでゆっくりした流れで移した。
得られた反応混合物は黄緑色に変化し、そして1時間攪拌した。薄層クロマトグ
ラフィーでもはや出発物質が見られなくなったとき(約30分)に、この反応を
終了したと判断した。
【0099】 十分な飽和シュウ酸を添加し、pH試験紙で中性の反応物を得た(約60mL
)。次いで、この溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、白色のスラリーを
得た。このスラリーを、250mL部分のエチルエーテルで6回抽出した。この
有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そし
て濃縮してわずかに黄色の油状物を得た。次いで、このチオエステルをSiO2
上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。このカラムを、1:1のヘキサ
ン:酢酸エチルで、オキサゾリジノンの溶出まで行った。その時点で、溶出剤を
100%酢酸エチルに変え、純粋な生成物の画分を得た。この画分を合わせ、そ
して濃縮して7.7g(収率71%)の表題化合物生成物を得た。この生成物を
、実施例2においてビニルジケチドチオエステルという。
【0100】 1H−NMR(360MHz、CDCl3):∂5.82(ddd、1H)、
5.78(br s、1H)、5.32(dt、1H)、5.21(dt、1H
)、4.47(m、1H)、3.45(m、2H)、3.04(m、2H)、2
.81(dq、1H)、1.96(s、3H)、1.22(d、3H)。
【0101】 (実施例2) (エリスロノリドの調製) A.15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、R=プロピ
ル):Streptomyces coelicolor CH999/pJR
J2は、PCT公開番号WO97/02358(これは、1997年7月17日
に提出された米国特許第出願番号08/896,323および1996年7月5
日に提出された米国特許出願番号08/675,817に対する優先権を主張す
る)に記載され、この各々は本明細書中において参考として援用される。プラス
ミドpJRJ2は、DEBSの変異体形態をコードし、この中でモジュール1の
ケトシンターゼドメイン(KS1)が、突然変異誘発を介して不活性化される(
KS1°)。このプラスミドを含み、実施例1の(2S、3R)−2−メチル−
3−ヒドロキシヘキサン酸−N−アセチルシステアミン(調製E、プロピルジケ
チド)を給餌されたS.coelicolor菌株は、15−メチル−6−デオ
キシエリスロノリドBを生成する。
【0102】 CH999/pJRJ2ワーキング(working)細胞バンクの1mLの
バイアルを解凍し、そしてこのバイアルの内容物を250mLの出入り制御フラ
スコ(baffled flask)中の50mLの種菌培地1に添加する。こ
のフラスコを30±1℃および175±25RPMに保持されたインキュベータ
ー/シェーカーに48±10時間配置した。次いで、この50mLの培養物を、
500mLの種菌培地1を含む2.8Lの出入り制御フラスコに添加する。この
フラスコを、30±1℃および175±25RPMで48±10時間、インキュ
ベーター/シェーカーでインキュベートする。この500mLの培養物を、各々
が500mLの種菌培地1を含む10個の2.8Lの出入り制御フラスコに等し
く分割する。次いで、すべてのフラスコを、以前に記載したようにインキュベー
トする。
【0103】 100Lの生産培地1を121℃で45分間滅菌することで、150Lの発酵
槽を調製する。インキュベートの後、10個全てのフラスコを、5Lの滅菌イン
キュベーションボトルに合わせ、そして無菌的に150Lの発酵槽に添加する。
この発酵槽を、2.5N H2SO4および2.5N NaOHの添加、攪拌速度
(500〜700RPM)、空気流速(10〜50LPM)、および/またはバ
ックプレッシャー制御(0.1〜0.4bar)による80%以上の溶存酸素空
気飽和により、30℃、pH6.5に制御する。消泡剤Bの50%溶液の断続的
な添加により、気泡を制御する。
【0104】 24±5時間で、(2S、3R)−2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノイル
−N−アセチルシステアミン(プロピルジケチド、実施例1の調製E)を、最終
濃度1g/Lで添加した。プロピルジケチドを、1:4(ジケチド対DMSO)
の比でジメチルスルホキシドに可溶化し、次いで滅菌フィルター(0.2μm、
ナイロンフィルター)にかけることによって調製する。15−メチル−6−デオ
キシエリスロノリドB(15−メチル−6dEB)の生成を7日目に中断し、そ
して発酵槽を収集する。この発酵培養液を、Alpha LavalTM AS
−26遠心機で、20,500gで遠心分離する。この生成物は、セントレート
(centrate)中で優性であり;この遠心分離された細胞集団を処分する
【0105】 このプロセスもまた、1000Lの発酵槽(作業容量700L)において完了
する。この種菌プロセスは、150Lの発酵槽が種菌培地1で充填され、そして
1000Lの発酵槽が生産培地1で充填されることを除いて、上記のプロセスと
同一である。この発酵槽を、2.5〜5N H2SO4および2.5〜5N Na
OHの添加、攪拌速度(140〜205RPM)、空気流速(100〜200L
PM)、および/またはバックプレッシャー制御(0.2〜0.5bar)によ
る70%以上の溶存酸素空気飽和により、30℃、pH6.5に制御する。必要
に応じた消泡剤Bの50%溶液の添加により、気泡を制御する。24±5時間で
、ラセミ2−メチル−3−ヒドロキシヘキサノイル−N−プロピオニルシステア
ミン(300グラム)を、1000Lの発酵槽に添加する。この発酵槽を、4.
6日目に、上記のような遠心分離で収集する。
【0106】 このプロセスで使用した培地は、以下を含む:
【0107】
【表2】 121℃での60分間のオートクレーブにより滅菌した。 滅菌後の添加: 1)100%DMSO中の50mg/mlチオストレプトンの1mL/L、滅菌
濾過。 2)100%消泡剤Bシリコンエマルジョン(J.T.Baker)の1mL/
L、オートクレーブ。 3)500g/Lグルコースの40mL、滅菌濾過。
【0108】
【表3】 発酵槽において、121℃で45分間滅菌した。 生産培地1についての滅菌後の添加: 1)100%DMSO中の50mg/mlチオストレプトンの1mL/L、滅菌
濾過。 2)100%消泡剤B(J.T.Baker)の1mL/L、オートクレーブ。
【0109】 遠心分離の後に、セントレートを濾過する。この濾液(約700L)を、20
LのHP20樹脂(Mitsubishi)を含むAmiconTM Modu
lineカラム(20×350cm)に通す。充填の間の流速は4L/分であり
、圧力は8psi(55,152Pa)未満まで低下した。樹脂の充填後、20
Lの水、次いで40Lの30%メタノールで洗浄する。15−メチル−6dEB
を、100%メタノールを使用して溶出する。4つの12Lの画分を集め、画分
2、3および4は検出可能な15−メチル−6dEBの全てを含む。この15−
メチル−6dEB生成物のプールを36.7Lの水で希釈し、75Lの透明な溶
液を得る。この溶液を、HP20SS樹脂(Mitsubishi)を含む5L
のAmiconTM Vantage Column上に直接充填する。カラム
の充填を、1L/分で行う。このカラムを、20Lの65%メタノール、20L
の70%メタノール、20Lの80%メタノール、そして最後に20Lの100
%メタノールで溶出する。16×5Lの総画分を集めた。80%の画分を最後の
70%の画分と一緒に合わせ(25L)、そして乾燥するまでエバポレートした
。得られた残渣を1Lの100%メタノールに溶解させ、濾過し、エバポレート
し、そして40℃の真空オーブンで乾燥させた。このプロセスで、93%の15
−メチル−6dEBを含む33gの固体生成物を生じる。
【0110】 B.14,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、Rd
=アリル): このプラスミドを含み、実施例1の(2S、3R)−2−メチル−3ヒドロキ
シ−4−ペンタン酸NAcシステアミンチオエステル(調製G)を給餌されるS
.coelicolor菌株は、15−メチル−6−デオキシエリスロノリドB
を生成するための上記の調製Aに記載されるプロセスに従って調製する場合に、
14,15−デヒドロ−6−デオキシエリスロノリドBを生成する。
【0111】 C.14−ノル−6−デオキシエリスロノリドB(化合物P、Rd=メチル)
:同様に、実施例2Aに記載されるプロセスに従って調製する場合、14−ノル
−6−デオキシエリスロノリドBを、S.coelicolor CH999/
pCK7宿主を使用して、ジケチドチオエステルの使用なしで生成する。
【0112】 (実施例3) (エリスロマイシンの調製) 実施例2、調製A〜Cにおいて生成される6−dEB誘導体化合物は、Sac
charopolyspora erythraeaの組換え菌株を使用して、
エリスロマイシン誘導体に変換される。6および12の両方の水酸基を有するエ
リスロマイシンの生成について、使用されるS.erythraea菌株は、K
40−67またはK39−14Vであった。エリスロマイシンAを高レベルで生
成し得るS.erythraea菌株を、不活性化KS1ドメインをコードする
変異されたeryA1配列を含むpWHM3誘導プラスミドで形質転換すること
によって、この菌株を作製した。相同組換えによって、得られた形質転換体は、
6−デオキシエリスロノリドBを生成不可能になる。従って、この給餌されるd
EBアナログは、6位での水酸化についての競合に供されない。12の水酸基の
みを有するエリスロマイシン誘導体の生成について、使用されるS.eryth
raea菌株はK39−07であった。この菌株は、eryFヒドロキシラーゼ
遺伝子の破壊によって菌株K40−67から構築され;これはアナログを6位で
水酸化する能力を破壊する。両方の菌株を、実質的に同様の以下に記載のような
条件下で発酵した。
【0113】 15−メチル−エリスロマイシンA:15−メチル−エリスロマイシンAを、
以下のプロトコルに従って生成する:K39−14Vワーキング細胞バンクの1
mLのバイアルを解凍し、そしてこのバイアルの内容物を、出入り制御された2
50mLのフラスコ内の50mLの種菌培地2に添加する。このフラスコを、3
4±1℃および175±25RPMで保持したインキュベーター/シェーカーに
48±10時間配置する。次いで、この50mLの培養物を、500mLの種菌
培地2を含む2.8Lの出入り制御フラスコに添加する。このフラスコを、34
±1℃および175±25RPMで48±10時間、インキュベーター/シェー
カーでインキュベートする。この500mLの培養物を、各々が500mLの種
菌培地2を含む10個の2.8Lの出入り制御フラスコに等しく分割する。次い
で、すべてのフラスコを、以前に記載したようにインキュベートする。
【0114】 100Lの生産培地2を121℃で45分間滅菌することで、150Lの発酵
槽を調製する。インキュベートの後、10個全てのフラスコを、5Lの滅菌イン
キュベーションボトルに合わせ、そして無菌的に150Lの発酵槽に添加する。
この発酵槽を、2.5N H2SO4および2.5N NaOHの添加、攪拌速度
(500〜700RPM)、空気流速(10〜50LPM)、および/またはバ
ックプレッシャー制御(0.1〜0.4bar)による80%以上の溶存酸素空
気飽和により、34℃、pH7.0に制御する。消泡剤Bの50%溶液の添加に
より、気泡を制御する。
【0115】 15%のデキストリン(w/v)(58−60mL/時間)の供給を開始した
(24ア5時間)。デキストリン溶液を、供給時間の間、連続的に混合した。2
4ア5時間で25gの15−メチル−6dEB(実施例2の調製A)を、発酵槽
に加えた。この15−メチル−6dEBを、25gの15−メチル−6dEB(
100%のエタノール(400−600mL)中)に溶解し、そして濾過(0.
2μm,ナイロンフィルター)することによって調製した。15−メチル−6d
EBの15−メチル−エリスロマイシンAへの変換は、60ア10時間後に生じ
、そして発酵槽から回収する。この発酵ブロスを、20,500g(Alpha
LavalTM AS−26遠心分離機)で遠心分離する。この産物は、主に
中心に存在する;遠心分離した細胞の塊は、廃棄する。
【0116】 このプロセスに使用する培地は、以下を含む:
【0117】
【表4】 60分間121℃のオートクレーブにより滅菌する。 滅菌後に以下を添加する: オートクレーブにかけた1mL/Lの100%AntifoarnB(J.T.
Baker)。
【0118】
【表5】 45分間121℃、発酵槽中で滅菌する。
【0119】 34gの標的分子を含む遠心分離した発酵ブロス(127L)を、18.3L
のHPO吸着剤を通過させ、AmiconTM P350 Moduline
2クロマトグラフィーカラムに充填した。4L/分の充填で、背圧が5psi
(34,470Pa)未満であることが分かる。充填に続き、この樹脂を20L
の脱イオン化水で洗浄し、次いで、40Lの30%メタノールで洗浄した。15
−メチル−エリスロマイシンAを、54Lの100%メタノールを使用して溶出
する。この生成物のプールを、BuchiTMロータリーエバポレーター(R−
152)を使用してエバポレートする。この固体を、最小量の100%メタノー
ルに溶解し、濾過し、そして濾液を乾固するまでエバポレートした。これにより
、30重量%の15−メチル−エリスロマイシンAを含む123gの物質を得た
。80gの30%物質を、40℃のアセトン(1L)で2回抽出する。このアセ
トン抽出物を、濾過し、そして濾液を、20Lのロータリーエバポレーションフ
ラスコの内側で乾燥させた。この固体を、9:1のヘキサン:アセトン(40℃
)で3回抽出した。この有機抽出物を、プールし、そして乾固するまでエバポレ
ートし、32gの15−メチル−エリスロマイシンAの濃縮固体(68%)を得
た。アセトン/ヘキサン抽出物中の産物を、1Lのメタノールに溶解し、これに
、等しい量の水を添加した。このメタノール溶液を、HP20SS クロマトグ
ラフィーカラム(Kontes)に充填し、その後、50%メタノールで洗浄し
、そして平衡化する。カラムの寸法は、4.8x115cmであった。15−メ
チル−エリスロマイシンAを充填したカラムは、11g/Lである。このカラム
を、50%(0.8L)および60%(8L)メタノール(水中)で洗浄する。
標的分子の溶出を、70%(8L)、80%(16L)−および85%(8L)
のメタノール(水中)を使用して実施する。1L分画を、回収した。分画11−
29を合わせて、エバポレートし、そして減圧オーブンで乾燥し、23gの生成
物を93%の純度で得た。
【0120】 この物質は、以下の例で記載される化学的誘導体化手順のための出発物質とし
て利用する。以下の化合物はまた、以下の方法によって生成する:(i)14−
ノルエリスロマイシンA(Rd=Me);(ii)14,15−デヒドロ−エリ
スロマイシンA(Rd=アリル);(iii)14−ノル−6−デオキシ−エリ
スロマイシンA;(iv)14,15−デヒドロ−6−デオキシ−エリスロマイ
シンA;および(v)15−メチル−6−デオキシ−エリスロマイシンA。3−
デスクラジノース(descladinose)−3−オキソ−誘導体を生成す
るために使用する場合、このエリスロマイシンA誘導体は、エリスロマイシンC
誘導体から分離されず;その代わり、化学的誘導体化のために出発物質として、
エリスロマイシンA化合物およびエリスロマイシンC化合物の混合物が、使用さ
れる。
【0121】 これらの生成物を、以下のように抽出し、そして精製した。
【0122】 一般に、発酵ブロスを、NaOHの添加によりpH8.0にし、そしてエタノ
ールを添加した(0.1L/Lブロス)。このブロスを、遠心分離により分類し
、そしてXAD−16樹脂(RohmおよびHaas)カラム(1kg XAD
/1g エリスロマイシンアナログ)に2−4mL/cm2−分の流速で充填す
る。この充填した樹脂を、2カラム容積の20%(v/v)エタノール(水中)
で洗浄し、そしてエリスロマイシンアナログを、アセトンを含む樹脂から溶出し
、1/2カラム容積の分画で回収する。エリスロマイシンアナログを含む分画を
、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン 1:1)およびHPLC/
MSによって同定する。
【0123】 エリスロマイシンアナログを含むアセトン分画をプールし、そして揮発物を減
圧下で除去する。得られた水性混合物を、酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチ
ル抽出物を、飽和NaHCOおよびブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムま
たは硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾固するまで濃縮する。粗物
質を、ジクロロメタンに溶解し、そしてシリカゲルのパッド上に充填し、そして
、溶出物が黄色でなくなるまで、ジクロロメタン:メタノール(96:4 v/
v)で洗浄する。所望の物質は、ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミ
ン(94:4:2v/v)であり、分画を回収する。エリスロマイシンを含む分
画を、薄層クロマトグラフィーによって同定し、回収し、そして減圧下で濃縮す
る。この物質を、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶する。
【0124】 この一般手順を以下のように例示する。
【0125】 (i)14−ノルエリスロマイシン:1Lのエタノールを、10Lの発酵ブロ
スの各々に添加した。このブロスを遠心分離にかけ、そして上清を0.6LのX
AD(カラムの寸法17cmx6.5cm)に100mL/分の流速で通過させ
た。充填後、このカラムを、1.5Lの20%(v/v)エタノール(水)で洗
浄した。次いで、所望の物質を、アセトンで溶出した。この物質を含む分画を、
揮発物が除去されるまで減圧下で濃縮し、そして水性残渣を、酢酸エチルで抽出
した。この酢酸エチル層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0126】 粗物質(0.6g)を、ジクロロメタン中に溶解し、そして直径6cmのガラ
スロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物
質を、400mLのジクロロメタン、次いで400mLのジクロロメタン:メタ
ノール:トリエチルアミン(90:10:2 v/v)で溶出し、40mLの分
画を回収した。エリスロマイシンを含む分画を、薄層クロマトグラフィー(エー
テル:メタノール:NH4OH 90:8:2 v/v,Rf約0.35およびジ
クロロメタン:メタノール 95:5 v/v,Rf約0)によって同定し、減
圧下で濃縮した。この物質を、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶させた。
【0127】 (ii)15−メチル−エリスロマイシンA:8Lのエタノールを、約 80
Lの発酵槽ブロスに添加した。このブロスを遠心分離し、そして上清を、2.5
LのXADに230mL/分の流速で通過させた。充填後、このカラムを、1L
の水および5Lの20%(v/v)エタノール(水中)で洗浄した。次いで、所
望の物質を、アセトンで抽出した。この物質を含む分画を、揮発物が除去される
まで減圧下で濃縮し、そいて水性残渣を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
、減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0128】 粗物質(8.3g)を、ジクロロメタン中に溶解し、そして直径9cmのガラ
スロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物
質を、200mLのジクロロメタン、次いで600mLのジクロロメタン:メタ
ノール(96:4 v/v)、次いで900mLのジクロロメタン:メタノール
:トリエチルアミン(89:9:2 v/v)で溶出し、40mLの分画を回収
した。エリスロマイシンを含む分画を、薄層クロマトグラフィー(エーテル:メ
タノール:NH4OH 90:8:2 v/v,Rf約0.4およびジクロロメタ
ン:メタノール 95:5 v/v,Rf約0.05)によって同定し、減圧下
で濃縮した。この物質を、再結晶に適合する前に上記の手順に再び供した。
【0129】 (iii)14−ノル−6−デオキシ−エリスロマイシン:1Lのエタノール
を、20Lの発酵槽の各々に添加した。このブロスを、遠心分離にかけ、そして
上清を、全部で約22Lを合わせた。次いで、この合わせたブロスを、1LのX
AD(カラムの寸法 23.5cmx6.5cm(同上))に170mL/分の
流速で通過させた。充填後、このカラムを、2Lの20%(v/v)エタノール
(水中)で洗浄した。次いで、この所望の物質を、アセトンで溶出した。この物
質を含む分画を、揮発物が除去されるまで減圧下で濃縮し、そして水性残渣を、
酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラ
インで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗抽出物を
得た。
【0130】 (iv)15−メチル−6−デオキシ−エリスロマイシン:1Lのエタノール
を、10Lのブロスを含む3つの発酵槽の各々に添加した。このブロスを遠心分
離にかけ、そして上清を、1.25LのXAD(カラムの寸法 40cmx6.
5cm)に130mL/分の流速で通過させる。次いで、このカラムを、3Lの
20%(v/v)エタノール(水中)で洗浄する。次いで、この所望の物質を、
アセトンで溶出する。この物質を含む分画を、揮発物が除去されるまで、減圧下
で濃縮し、そいて水性残渣を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル層を、飽和
重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして
減圧下で濃縮し、粗抽出物を得た。
【0131】 粗物質(2.8g)を、ジクロロメタンに溶解し、そして直径6cmのガラス
ロート中の3cmのシリカゲルパッドを通じて重力により濾過させた。この物質
を、400mLのジクロロメタン:メタノール(96:4 v/v)、次いで4
00mLのジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(89:9:2 v
/v)で溶出し、40mLの分画を回収した。エリスロマイシンを含む分画を、
薄層クロマトグラフィー(エーテル:メタノール:NH4OH 90:8:2
v/v,およびジクロロメタン:メタノール 95:5 v/v)によって同定
し、そして減圧下で濃縮した。この物質は、シリカゲルクロマトグラフィーによ
るさらなる精製を必要とした。
【0132】 (実施例4) (6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA,すなわち式(4)の合成
、ここで、Ra=Me,Rd=Me,RC=H,Re=H) A.14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム:14−ノルエリスロマイシ
ンA(0.621g,80%純度),ヒドロキシルアミン(0.5mlの50%
水溶液)および酢酸(0.2ml)のイソプロパノール溶液(2ml)を、50
℃で22時間保持した。これを、クロロホルム/エタノール(3/2)で抽出し
、重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。濾過し
、そして減圧下でエバポレートし、粗生成物(0.65g)を白色固体として得
、これを次の転換に直接使用した。
【0133】 B.14−ノルエリスロマイシンA−9−[O−(l−イソプロポキシシクロ
ヘキシル)]オキシム:上記の粗14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム(
0.65g)および1,1−ジオキソプロポキシ−シクロヘキサノン(0.95
ml)の塩化メチレン溶液(2ml)を、ピリジニウムp−トルエンスルホネー
ト(PPTS)(0.333g)の塩化メチレン中溶液(2ml)に添加した。
一晩攪拌後、この混合物を抽出(クロロホルム/エタノール 3:2)し,洗浄
(NaHCO3−H2O,ブライン)し、そして乾燥(MgSO4)した。濾過し
、減圧下でエバポレートした後、この粗生成物を、トルエンおよびイソプロパノ
ールで繰り返し洗浄し、0.74gの生成物を得、これを、次に反応に直接使用
した。
【0134】 C.2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイシン
A[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム:14−ノルエリス
ロマイシンA−9−[O−(l−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(
0.74g)の塩化メチレン溶液(6ml)に、トリメチルシリルイミダゾール
(0.33ml)およびトリメチルシリルクロリド(0.18ml)の塩化メチ
レン溶液(2ml)をO℃で添加した。5分間の攪拌後、酢酸エチルを添加し、
洗浄(NaHCO3−H2O,ブライン)し、そして乾燥(MgSO4)した。シ
リカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(10:1 ヘキサン:アセトン,1
%トリエチルアミン)により、純粋な生成物を、白色固体として得た(0.50
g)。質量分析により、[M+H]+=1020だと分かった。
【0135】 D.6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノル
エリスロマイシンA−9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキ
シム:2’,4”−ビス−O−トリメチルシリルノル−14−エリスロマイシン
A−9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(0.3g,
0.29mmol)の1:1メチルスルホキシド/テトラヒドロフラン(DMS
O/THF)溶液(1.4ml)を、0.3mlの2Mのメチルブロミドのエー
テル溶液で処理し、そして10℃まで冷却した。1Mのテトラ−ブトキシドカリ
ウムのTHF(0.6ml)およびDMSO(0.6ml)混合液を、シリンジ
ポンプを使用して、6時間かけて添加した。次いで、この反応物を、酢酸エチル
に希釈し、そして飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、そいてMgSO4で乾燥
した。濾過し、そいて減圧下でエバポレートして、粗生成物(0.29g)を白
色固体として得た。質量スペクトルによって、[M+H]+=1034だと分か
った。
【0136】 E.6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA9−オキシム:6−O−
メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリルノルエリスロマイシンA−9
−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(0.29g),酢
酸(3.6ml),アセトニトリル(6ml)および水(3ml)の混合物を、
周囲温度で4.5時間攪拌した。この混合物を、トルエンを使用して乾燥させ、
白色固体(0.24g)として粗生成物を得、これを、さらなる精製なしで次の
工程に直接使用した。
【0137】 F.6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA:6−O−メチル−14
−ノルエリスロマイシンA9−オキシム(0.24g),ヒドロ亜硫酸ナトリウ
ム(0.45g,85%純度),水(3ml),エタノール(3ml)およびギ
酸(0.07ml)の混合物を、85℃で8時間保持した。この反応物を、1N
のNaOHを用いてpH8にし、そして.酢酸エチルで抽出した。この有機抽出
物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗生
成物を、白色固体(0.2g)として得た。質量分析により、[M+H]+=7
35だと分かった。
【0138】 (実施例5) (6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA,すなわち式(
4)の合成、ここでRd=−CH=CH2,Ra=Me,Rc=H,Re=H) (A.14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム) 14,15−デヒドロエリスロマイシンA(1.984g,47%純度,1.
2mmol)の2−プロパノール懸濁液(6ml)を、1.97mLの50%水
性ヒドロキシルアルニンで処理し、そして溶解するまで攪拌した。酢酸(0.6
2mL)を添加し、この混合物を、25時間50℃で攪拌した。周囲温度まで冷
却し、飽和NaHCO3を添加し、そしてこの混合物を、減圧下で濃縮し、イソ
プロパノールを除去した。得られた水性混合物を、250ml部のCHCl3で
3回抽出した。この有機抽出物を、合わせて、飽和NaHCO31、水、および
ブラインで洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して0.
92gの生成物を得た。
【0139】 (B.14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシム) (A)(0.92g)のオキシムを、6.2mlのCH2Cl2中に溶解し、そ
して1,1−ジオキソプロポキシシクロヘキサン(1.23g)およびピリジニ
ウムp−トルエンスルホネート(0.464gm)で15時間周囲温度で処理し
た。この混合物を、160mLのCH2Cl2で希釈し、次いで、飽和NaHCO 3 、水およびブラインで処理した。この有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、
そしてエバポレートして、褐色シロップを得た。シリカゲルのクロマトグラフィ
ーをかけ(トルエン〜1:1 トルエン/アセトン+1%Et3Nの勾配)、0
.998gの生成物を得た。
【0140】 C.2’,4”−ビス(O−トリメチルシリル)−14,15−デヒドロエリ
スロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム 14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(−イソプロポキシシク
ロヘキシル)]オキシム(998mg,9.96)のCH2Cl2溶液(11.2
5mL)を、不活性な大気下で氷で冷却し、そしてクロロトリメチルシラン(0
.24mL)および1−トリメチルシリルイミダゾール(0.44mL)の溶液
で処理した。30分後に、この反応物を、250mLの酢酸エチルで希釈し、次
いで、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。この有機層を、MgS
4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、1.002gの生成物を得た
【0141】 D.2’,4”−ビス(O−トリメチルシリル)−O−メチル−14,15−
デヒドロエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)
]オキシム 2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14,15−デヒドロエリスロマ
イシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(1.0
0g,20.7mmol)の1:1テトラヒドロフラン/メチルスルホキシド溶
液(9.69mL)を、10℃まで冷却し、そして0.97mLの2.0Mのメ
チルブロミド(エーテル中)を、不活性大気下で処理した。メチルスルホキシド
(1.94mL)および1.0Mのカリウムテトラブトキシド(テトラヒドロフ
ラン中)(1.94mL)を、ゆっくり添加した。この反応物を、薄層クロマト
グラフィー(シリカゲル,10:1トルエン/アセトン)でモニターし、そして
1.6モル等量の塩基の添加後、完了を判断した。この反応物を、200mLの
酢酸エチルおよび70mLの飽和NaHCOで希釈した。この混合物を、分液
ロートに移し、850mLの酢酸エチルおよび280mLの飽和NaHCO
希釈し、次いで水およびブラインで洗浄した。この有機層を、MgSOで乾燥
し、CeliteTMに通して濾過し、そしてエバポレートして21.2gの粗
6−O−メチル−2’,4”−ビストリメチルシリル−14,15−デヒドロエ
リスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム
を得た。これを、さらなる精製なしで取り扱った。
【0142】 E.6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム 6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14,15−デ
ヒドロエリスロマイシンA9−[O−(l−イソプロポキシシクロヘキシル)]
オキシム(1.0g)の2:1アセトニトリル/水の溶液(9.8ml)を、5
.3mLの酢酸で処理し、そして、周囲温度で8時間攪拌した。この混合物を、
減圧下で濃縮し、トルエンの添加後に繰り返し濃縮し、0.797gの粗6−O
−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシムを得た。
【0143】 F.6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロマイシンA9−オキシム(0
.797g)およびヒドロ亜硫酸ナトリウム(85%,1.02g)の1:1エ
タノール/水溶液(7.5mL)を、大気下に配置した。ギ酸(0.186mL
)を滴下し、そしてこの混合物を、80℃で3時間攪拌した。周囲温度まで冷却
した後、この反応物を、6NのNaOHでpH10に調整し、そして150ml
部の酢酸エチルで3回抽出した。この有機層を合わせて、次いで、飽和NaHC
3、水およびブラインで洗浄した。有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、そ
してエバポレートし、さらなる転換に適した、0.68gの6−O−メチル−1
4,15−デヒドロエリスロマイシンAを得た。
【0144】 (実施例6) (6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA、すなわち、Rd=プロ
ピル、Ra=Me、Rc=H、Re=Hである式(4)の合成) A.15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシム:40mLの2−プロパ
ノール中の15−メチルエリスロマイシンA(20.0g、純度85%、22.
6mmol)の懸濁物を20.5mLの50%水性ヒドロキシルアミンで処理し
、そして溶解するまで攪拌した。酢酸(6.41mL)を添加し、そして混合物
を50℃にて15時間攪拌した。室温まで冷却した後、飽和NaHCO3を添加
し、そして混合物を減圧下で濃縮してイソプロパノールを除去した。得られた水
性混合物を250mLずつのCHCl3で3回抽出した。有機抽出物を合わせ、
飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過
し、そして濃縮して、20.5gの粗生成物を得た。LC/MSによる分析は、
EオキシムおよびZオキシムの94:6の混合物([M+H]+=764)を示
した。
【0145】 B.15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシク
ロヘキシル)]オキシム:上記からの粗オキシム(20.5g)を、55mLの
CH2Cl2に溶解し、そして1,1−ジイソプロポキシシクロヘキサン(27.
3mL)およびピリジニウムp−トルエンスルホネート(9.8g)で室温にて
15時間処理した。この混合物を、160mLのCH2Cl2で希釈し、次いで、
飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した。有機相を、MgSO4で乾
燥し、濾過し、そしてエバポレートして、褐色のシロップを得た。シリカゲルで
のクロマトグラフィー(2:1〜3:2のヘキサン/アセトン+1% Et3
の勾配)によって、18.0gの生成物を得た。
【0146】 C.2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイシ
ンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)オキシム:25mLの
CH2Cl2中の15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシム(9.00g、9.96mmol)の溶液を不
活性雰囲気下で氷上で冷却し、そして8mLのCH2Cl2中のクロロトリメチル
シラン(1.89mL)および1−トリメチルシリルイミダゾール(3.65m
L)の溶液で処理した。30分後、反応物を250mLの酢酸エチルで希釈し、
そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した。有機相を、MgS
4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。粗生成物をシリカゲルクロマ
トグラフィー(ヘキサンから10:1のヘキサン/アセトン+1% Et3Nの
勾配)によって精製して、7.8gの生成物を得た。
【0147】 D.6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチ
ルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム:41.4mLのテトラヒドロフラン中の2’,4”−ビス−O−トリメ
チルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキ
シシクロヘキシル)]オキシム(21.7g、20.7mmol)の溶液を10
℃まで冷却し、そして不活性雰囲気下でエーテル中の41.4mLのメチルスル
ホキシドおよび20.7mLの2.0Mメチルブロミドで処理した。メチルスル
ホキシド(41.4mL)およびテトラヒドロフラン(41.4mL)中の1.
0M カリウムtert−ブトキシドの混合物を、1時間あたり約20mLの速
度で添加した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、10:1のトルエン/ア
セトン)によって反応をモニターし、そして1.6モル当量の塩基の添加後に完
了したと判断された。反応物を、200mLの酢酸エチルおよび70mLの飽和
NaHCOで希釈した。混合物を分液漏斗に移し、850mLの酢酸エチルお
よび280mLの飽和NaHCOで希釈し、次いで、水およびブラインで逐次
洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、CeliteTMを通して濾過し、そ
してエバポレートして、21.2gの粗6−O−メチル−2’,4”−ビス−O
−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソ
プロポキシシクロヘキシル)]オキシムを得た。これを、さらなる精製を伴わず
に用いた。
【0148】 E.6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシム:11
0mLのアセトニトリル中の6−O−メチル−2’,4”−ビス−O−トリメチ
ルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシ
シクロヘキシル)]オキシム(21.2g)の溶液を55mLの水および67m
Lの酢酸で処理し、そして室温にて8時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、
次いで、トルエンの添加後に繰り返し濃縮して、19.7gの6−O−メチル−
15−メチルエリスロマイシンA 9−オキシムを得た。
【0149】 F.6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA:280mLの1:1
のエタノール/水中の6−O−メチル−15メチルエリスロマイシンA 9−オ
キシム(19.7g)および亜ニチオン酸ナトリウム(85%、23.1g)の
溶液を、不活性雰囲気下に置いた。ギ酸(3.75mL)を滴下し、そして混合
物を80℃にて4.5時間攪拌した。室温になるまで冷却した後、反応物を飽和
NaHCO3で処理し、そして400mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。有
機抽出物を合わせ、そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄した
。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、さらなる変
換に適した15.1gの6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンAを得
た。
【0150】 (実施例7) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3−
デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(無水形
態の式(1)、Ra=OH、Rd=Me、Rf=Me、Rc=Ac、Rb=H)の合
成) A.5−O−デソサミニル−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:
6−O−メチル−14−ノルエリスロマイシンA(77mg)、0.073ml
の12N HClおよび水(2ml)の混合物を、室温にて3時間攪拌した。混
合物を8N KOHでpH8にし、そして酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を
ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残
渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)でのク
ロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物を白色固体(42mg)として得た。
質量分析法は、[M+H+]=576を示す。
【0151】 B.5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−6−O−メチル−14−ノル
エリスロノリドA:5−O−デソサミニル−6−O−メチル−14−ノルエリス
ロノリドA(73mg)、炭酸カリウム(20mg)、無水酢酸(14μl)お
よびアセトン(1ml)の混合物を室温にて18時間攪拌した。酢酸エチルを添
加し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートした。残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチル
アミン)でのクロマトグラフィーにかけて、純粋な生成物(71mg)を白色固
体として得た。質量分析法は、[M+H+]=618を示す。
【0152】 C.5−O−2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−3−オキソ−6
−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(式(1)、Ra=OH、Rd=Me
、Rf=Me、Rb=H、Rc=Ac):ジクロロメタン(2ml)中の5−O−
(2’−アセチルデソサミニル)−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリド
A(99mg)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミド(EDC)ヒドロクロリド(206mg)の溶液をDMSO(0.21
ml)で処理し、そして5℃まで冷却した。ジクロロメタン(2ml)中のピリ
ジニウムトリフルオロ酢酸(208mg)の溶液をシリンジポンプを通して4時
間添加した。次いで、酢酸エチルを添加し、飽和NaHCO3、水、ブラインで
洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残渣を
、シリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)でのクロ
マトグラフィーにかけて、純粋な生成物(94mg)を白色の固体として得た。
質量分析法は、[M+H+]=616を示す。
【0153】 D.5−O−2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−3−オキソ−1
1−O−メチルスルホニル−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:乾
燥ピリジン(1ml)中の5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−3−デオ
キシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA(93mg)
の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.057ml)を5℃にて添加した。
5℃にて3時間後、反応物を室温まで温め、そしてさらに15時間保持した。混
合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3(2×)、水(3×)、ブライン
で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。残渣
をシリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1/ヘキサン:アセトン、1%トリ
エチルアミン)にかけて、純粋な生成物(72mg)を白色固体として得た。質
量分析法は、[M+H+]=695を示す。
【0154】 E.5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3
−デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−14−ノルエリスロノリドA:アセ
トン(1ml)中の5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−3−デオキシ−
3−オキソ−11−O−メタンスルホニル−6−O−メチル−14−ノルエリス
ロノリドA(73mg)の溶液をジアザビシクロウンデセン(32μl)で室温
にて18時間処理した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3、水、
ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートし
た。残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1/ヘキサン:アセトン
、1%トリエチルアミン)にかけて、純粋な生成物(50mg)を白色固体とし
て得た。質量分析法は、[M+H+]=598を示す。13C−NMR(CDCl3 ,100MHz):δ207.02、204.50、169.63、168.7
2、142.52、139.40、101.87、80.61、80.02、7
7.14、72.66、71.48、69.09、63.56、51.35、5
0.56、47.12、40.61、39.73、37.36、30.36、2
1.32、21.06、20.96、20.67、18.45、14.34、1
3.89、13.55、13.45。
【0155】 (実施例8) (2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA(無水
形態の式(6)、Rd=アリル、Ra=Me、Rb=H、Rc=ベンゾイル)の合成
) A.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロ
マイシンA 3.6mLのCH2Cl2中の6−O−メチル−14,15−デヒドロエリスロ
マイシンA(668mg)、無水安息香酸(385mg)およびトリエチルアミ
ン(0.25mL)の溶液を2日間攪拌した。飽和NaHCO3の添加後、混合
物をCH2Cl2で3回抽出した。有機抽出物を合わせ、そしてエバポレートして
乾燥させ、そして生成物をシリカクロマトグラフィー(90:9:1のトルエン
/アセトン/Et3N)で精製して、477mgの生成物を得た;LC−MSは
、[M+H]+=850.6を示す。
【0156】 B.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”,11−ビス(O−メタン
スルホニル)−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 2.39mLのピリジン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−14,
15−デヒドロエリスロマイシンA(549mg)およびメタンスルホニルクロ
リド(0.50mL)の溶液を24時間攪拌し、次いで、CH2Cl2および飽和
NaHCO3で希釈した。混合物をCH2Cl2で3回抽出した。有機抽出物を合
わせ、エバポレートして乾燥させ、そして生成物をシリカクロマトグラフィー(
90:9:1のトルエン/アセトン/Et3N)によって精製して、530mg
の生成物を得た;LC−MSは、[M+H]+=1006.5を示す。
【0157】 C.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”−O−メタンスルホニル−
10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 0.195mLのアセトン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”
,11−ビス(O−メタンスルホニル)14,15−デヒドロエリスロマイシン
A(59mg)およびジアザビシクロウンデセン(0.018mL)の混合物を
24時間攪拌し、次いで、減圧下で乾燥した。生成物をシリカクロマトグラフィ
ー(90:9:1のトルエン/アセトン/Et3N)で精製して、50mgの生
成物を得た;LC−MSは、[M+H]+=910.5を示す。
【0158】 D.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−10,
11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−4”−O−メタンスルホニル−10
,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA(337mg)
、1.5mLのアセトニトリルおよび6.9mLの3N HClの混合物を22
時間攪拌した。アセトニトリルを減圧下で除去し、水性残渣のpHをNaOHの
添加によって12に調整し、そして生成物を4つの部分のCH2Cl2を用いて抽
出した。合わせた抽出物を乾燥し、そしてエバポレートした。生成物を、シリカ
クロマトグラフィー(96:4のCH2Cl2/MeOHから95:4:1のCH 2 Cl2/MeOH/Et3Nの勾配)によって精製して、197mg、[M+H
+=674.4を得た。
【0159】 E.2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オ
キソ−10,11−アンヒドロ−14,15−デヒドロエリスロマイシンA 14.6mLのCH2Cl2(14.6mL)中での2’−O−ベンゾイル−6
−O−メチル−3−デスクラジノシル−10,11−アンヒドロ−14,15−
デヒドロエリスロマイシンA(226mg)およびDess−Martinペル
オジネート(periodinane)(427mg)の懸濁物を1時間攪拌し
た。混合物を、CH2Cl2および飽和NaHCO3で希釈した。生成物を3つの
部分のCH2Cl2を用いて抽出し、そして抽出物を合わせ、乾燥し、そしてエバ
ポレートした。シリカゲルクロマトグラフィー(90:9:1 トルエン/アセ
トン/Et3N)によって生成物168mgを得た。[M+H]+=672.4。 13 C−NMR(CDCl3,100MHz):δ 206.78、203(br
)、168.19、165.08、141.36、139.58、132.74
、131.51、130.46、129.79、128.25、120.18、
102.09、80.40、78.70、72.52、71.91、69.19
、63.76、51.10、50.54、47.08、40.73、39.87
、37.77、31.23、22.13、20.98、18.52、14.28
、14.15、13.55。
【0160】 (実施例9) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3−
デオキシ−3−オキソ−6−O−メチル−15−メチルエリスロノリド(無水形
態の式(1);Ra=OH、Rd=プロピル、Rb=H、Rc=Ac)の合成) A.6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシン
A 6−O−メチル−15−メチルエリスロマイシンA(15.1g)および28
0mLの0.5N HClの混合物を室温にて3時間攪拌した。pHを6N N
aOHの添加によって9に調整し、そして得られる沈殿物を吸引濾過によって回
収し、水で洗浄し、そして乾燥した。濾液を400mLずつの酢酸エチルで3回
抽出した。有機抽出物を合わせ、飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗
浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、さらな
る生成物を得た。合わせた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ
て、9.35gの純粋な6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチル
エリスロマイシンAを得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=605を示す
【0161】 B.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メ
チルエリスロマイシンA 35mLの酢酸エチル中の無水酢酸(2.92mL)の溶液を、40mLの酢
酸エチル中の6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマ
イシンA(9.35g)の溶液に滴下した。混合物を、添加の完了後30分間攪
拌し、次いで濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(2:1のヘキサン
/アセトン)によって、8.35gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3
−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシンAが得られた。ES−LC
/MSは、[M+H]+=647を示す。
【0162】 C.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−15−メチルエリスロマイシンA 64mLのジクロロメタンおよび15.47mLのメチルスルホキシド中の2
’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリ
スロマイシンA(8.3g)および1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル
)カルボジイミドヒドロクロリド(16.51g)の溶液を不活性雰囲気に置き
、そして氷上で冷却した。64mLのジクロロメタン中のピリジニウムトリフル
オロ酢酸(16.63g)の溶液を、添加が4時間で完了するような速度で添加
し、そして反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。完全な反応が
、73%のこの溶液の添加後に観察され、それゆえ、次いでこの反応を、600
mLの酢酸エチルおよび200mLの飽和NaHCO3の添加によってクエンチ
した。有機層を回収し、そして飽和NaHCO3、水およびブラインで逐次洗浄
し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、8.4gの
粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー(3:1のヘキサン/アセ
トン)によって、6.75gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デス
クラジノシル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンAを得た。ES−L
C/MSは、[M+H]+=645を示す。
【0163】 D.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチルエリスロマイシンA メタンスルホニルクロリド(5.68mL)を、0℃にて35mLのピリジン
中の2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−15−メチルエリスロマイシンA(6.73g)の溶液に滴下した。混合物を
室温にし、そして700mLの酢酸エチルおよび200mLの飽和NaHCO3
の添加によってクエンチした。有機層を回収し、そして飽和NaHCO3、水お
よびブラインで逐次洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバ
ポレートして、8.2gの粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー
(5:2のヘキサン/アセトン)によって5.04gの2’−O−アセチル−6
−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−O−メタンスルホニ
ル−15−メチルエリスロマイシンAが得られた。ES−LC/MSは、[M+
H]+=723を示す。
【0164】 E.2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−10,11−アンヒドロ−15−メチルエリスロマイシンA 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(5.22mL)
を23mLのアセトン中の2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラ
ジノシル−3−オキソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチルエリスロマ
イシンA(5.03g)の溶液に滴下した。溶液を4.5時間後に濃縮し、そし
て残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(5:2のヘキサン/アセトン)に
かけて3.72gの2’−O−アセチル−6−O−メチル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチルエリスロマイシンAを
得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=627を示す。
【0165】 (実施例10) (5−O−(2’−アセチルデソサミニル)−10,11−アンヒドロ−3,
6−ジデオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロノリドA(式(6)、無水
形態、Rd=プロピル、ORaはHによって置換される、Rb=H、Rc=Ac)の
合成) ジクロロメタン(5mL)中の6−デオキシ−15−メチルエリスロマイシン
C(220mg、0.307mmol)の溶液に炭酸カリウム(50mg)およ
び無水酢酸(100L、0.9mmol)を加え、そして反応物を室温にて16
時間攪拌した。溶液を濾過し、水酸化ナトリウム(1N、25mL)およびブラ
イン(25mL)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。粗
生成物である2’アセチル化形態の出発物質を、次の工程で用いた。
【0166】 粗生成物をピリジン(5mL)に溶解し、そしてメシルクロリド(70L、0
.9mmol)を添加した。反応物を−20℃にて2日間攪拌し、水酸化ナトリ
ウム(1N、25mL)およびブライン(25mL)に注ぎ、そして水層を酢酸
エチルで6回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そ
して溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(トル
エン/アセトン=3:1、1%水酸化アンモニウム)によって精製して、11,
4”−ジメシル化形態(190mg、2工程について68%)を得た。
【0167】 11,4”−ジメシル化形態(190mg、0.21mmol)をアセトン(
7mL)に溶解し、そしてDBU(63L、0.42mmol)を添加し、そし
て反応物を室温にて一晩攪拌した。混合物を水酸化ナトリウム(1N、25mL
)およびブライン(25mL)に注ぎ、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した
。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除
去した。粗生成物である10,11−デヒドロ形態の6−デオキシ−15−メチ
ルエリスロマイシンを次の工程で用いた。
【0168】 上記の工程からの粗生成物に、塩酸(30mL、3N)およびエタノール(2
mL)を添加し、そして混合物を6時間、激しく攪拌した。水酸化ナトリウム(
5mL、10N)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。粗
生成物である無水形態の式(6)(しかし、3位にOHを有する)(ここで、R d =プロピル、ORaはHによって置換される、Rb=RC=H)を次の工程で用い
た。
【0169】 ジクロロメタン(5mL)中の上記の工程からの粗生成物に、無水酢酸(50
L、0.45mmol)および炭酸カリウム(100mg)を添加し、そして混
合物を9時間、激しく攪拌した。反応物を濾過し、水酸化ナトリウム(20mL
、1N)およびブライン(25mL)を添加し、そして水層を酢酸エチルで6回
抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減
圧下で除去した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(トルエン/アセト
ン=3:1、1%水酸化アンモニウム)によって精製して、2’アセチル化形態
の出発物質(110mg、3工程について89%)を得た。
【0170】 上記工程の生成物(110mg、0.184mmol)を、ジクロロメタン(
10mL)に溶解し、そしてDess−Martin試薬(220mg、0.5
3mmol)を添加した。反応物を、45分間室温にて攪拌した。反応を、水酸
化ナトリウム(20mL、1N)およびブライン(25mL)を用いてクエンチ
し、そして水層を酢酸エチルで6回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルでのク
ロマトグラフィー(トルエン/アセトン、勾配=6:1〜3:1、1%水酸化ア
ンモニウム)によって精製して、式(6)の化合物を無水形態で得た(ここで、
d=エチル、ORaは、Hによって置換される、Rb=H、Rc=OAc(94m
g、86%))。
【0171】 (実施例 11) (I.式(4)の化合物:Rd=エチル、Ra=アリル) 工程1。中間体抗生物質の6−OHでのアリル化:30mLのテトラヒドロフ
ラン中の2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイ
シンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム(式(I
)(RaはOHであり、Rdはプロピルであり、2’および4”がトリメチルシリ
ルによって保護され、そしてC9=Oがイソプロキシシクロヘキシルオキシムに
よって保護された))(7.8g、7.44mmol)の溶液を氷上で冷却し、
そして不活性雰囲気下で30mLのメチルスルホキシドおよび2.58mLの新
たに蒸留した臭化アリルで処理した。メチルスルホキシド(29.8mL)およ
びテトラヒドロフラン(29.8 mL)中の1.0M カリウムtertブト
キシドの混合物を、1時間あたり1.33モル当量の塩基の速度で添加した。反
応を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、10:1のトルエン/アセトン)に
よってモニターし、そして3.6モル当量の塩基の添加後に完了したと判断され
た。反応物を700mLの酢酸エチルで希釈し、そして飽和NaHCO3、水お
よびブラインで逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエ
バポレートして、8.08gの粗6−O−アリル−2’,4”−ビス−O−トリ
メチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)]オキシムを得た。これを、さらなる精製を伴わずに用い
た。
【0172】 工程2:42mLのアセトニトリル中の6−O−アリル−2’,4”−ビス−
O−トリメチルシリル−15−メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソ
プロポキシシクロヘキシル)]オキシム(8.08g)の溶液を21mLの水お
よび24mLの酢酸で処理し、そして18時間室温で撹拌した。2−プロパノー
ルを添加後、次いで、繰り返しトルエンを添加後、この混合物を濃縮し、7.7
gの粗生成物を得た。シリカゲル(2:1から1:1までの勾配のヘキサン/ア
セトン+1%Et3N)のクロマトグラフィーによって、3.75gの6−O−
アリル−15−メチルエリスロマイシンA9−オキシムを得た。
【0173】 工程3:66mLの1:1エタノール/水中の6−O−アリル−15−メチル
エリスロマイシンA9−オキシム(3.75g)および亜硫酸ナトリウム(85
%、5.37g)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.845mL)を
滴下し、そしてこの混合物を80℃で3.5時間撹拌した。室温まで冷却した後
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mLずつの酢酸エ
チルで3回抽出した。この有機抽出相を合わせ、飽和NaHCO3、水、および
ブラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そし
てエバポレートして、さらなる変換に適した3.42gの6−O−アリル−15
−メチルエリスロマイシンAを得た。
【0174】 (II.式(4)の化合物:Rd=Me、Rf=アリル) 工程1:中間抗生物質の6−OHでのアリル化:テトラヒドロフラン(0.4
mL)中の2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイ
シンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシム、式(I)
、(RaはOHであり、Rdはメチルであり、2’および4”はトリメチルシリル
で保護され、C9=Oはイソプロポキシシクロヘキシルによって保護される)(
202mg)、DMSO(0.4mL)、およびエーテル(0.04mL)を1
0℃まで冷却し、0.035mLの新たに蒸留したアリルブロミドで不活性窒素
雰囲気下で処理した。テトラヒドロフラン(0.4mL)中のメチルスルホキシ
ド(0.4mL)および1.0Mのカリウムtert−ブトキシドの混合物を0
.22mL/時間の速度で加えた。この反応を薄層クロマトグラフィー(シリカ
ゲル、5:1トルエン/アセトン)によってモニターした。この反応溶液を酢酸
エチルで希釈し、飽和NaHSO3、水、およびブラインで連続的に洗浄した。
この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、222m
gの粗6−O−アリル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−14−ノル
エリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オキシ
ムを得た。これをさらなる精製なしで維持した。
【0175】 工程2:4mLのアセトニトリル中の6−O−アリル−2’,4”−ビス−O
−トリメチルシリル−14−ノルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロ
ポキシシクロヘキシル)]オキシム(222mg)の溶液を2mLの水および2
.4mLの酢酸で処理し、そして18時間周囲の温度で撹拌した。2−プロパノ
ールを添加後、次いで、繰り返しトルエンを添加後、この混合物を濃縮し、22
0mgの粗6−O−アリル−14−ノルエリスロマイシンA9−オキシムを得た
【0176】 工程3:4mLの1:1エタノール/水中の6−O−アリル−14−ノルエリ
スロマイシンA9−オキシム(220mg)および亜硫酸ナトリウム(85%、
322mg)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.050mL)を滴下
し、そしてこの混合物を80℃で15時間撹拌した。周囲の温度まで冷却した後
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mL部の酢酸エチ
ルで3回抽出した。この有機抽出相を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブ
ラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
エバポレートして、さらなる転化に適した156mgの6−O−アリル−14−
ノルエリスロマイシンAを得た。
【0177】 他の実施形態:同様の様式において、式(4)の化合物(ここで、YおよびZ
は、共に=Oであり、Raはアリルである)を中間体(Rdはブチル、ベンジル、
ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)から調製した。
【0178】 (実施例12) (式(4)から式(6)への転化) 工程1:実施例11、IIで調製した化合物(7mg、粗生成物)、0.07
3mlの12N HClおよび水(2ml)の混合物を周囲の温度で3時間撹拌
した。この混合物を8N KOHでpH8にし、そして酢酸エチルで抽出した。
この有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバ
ポレートした。この残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリ
エチルアミン)のクロマトグラフィーにかけ、白色固体として純粋な生成物(4
2mg)を得た。
【0179】 工程2:2’OHを保護するために、上記化合物(73mg)、炭酸カリウム
(20mg)、無水酢酸(14μl)およびアセトン(1ml)の混合物を周囲
の温度で18時間撹拌した。酢酸エチルを加え、水およびブラインで洗浄し、M
gSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。この残渣をシリカゲル(
3:1/ヘキサン:アセトン、1%トリエチルアミン)のクロマトグラフィーに
かけ、白色固体として純粋な生成物(71mg)を得た。
【0180】 工程3:ジクロロメタン(2mL)中の工程2から得られる化合物(99mg
)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(E
DC)塩酸塩(206mg)の溶液をDMSO(0.21ml)で処理し、5℃
まで冷却した。ジクロロメタン(2mL)中のトリフルオロ酢酸ピリジニウム(
208mg)の溶液をシリンジポンプを介して4時間加えた。次いで、酢酸エチ
ルを加え、飽和NaHCO3、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過
し、そしてエバポレートした。この残渣をシリカゲル(3:1/ヘキサン:アセ
トン、1%トリエチルアミン)のクロマトグラフィーにかけ、式(1)(94m
g、Raはアリルであり、Rcはアセテートであり、そしてRdはCH3である)の
純粋な化合物を得た。
【0181】 工程4:2’OHを脱保護するために、5mLメタノール中の工程3から得ら
れた化合物(94mg)の溶液を、室温で24時間撹拌した。この溶媒を減圧下
で除去し、式(6)(Raはアリルであり、RcはHであり、そしてRdはCH3
ある)の所望の化合物を得た。
【0182】 他の実施形態:同様の様式において、式(4)(ここで、Raはアリルであり
、RcはHであり、そしてRdはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3
−ヒドロキシブチルである)の化合物を調製した。
【0183】 (実施例13) (式(5)の化合物の調製) 実施例11の6−アリル誘導体として調製した式(4)の化合物を、2’位で
保護し、酸で処理し、脱水し、次いで脱保護し、図1で示される式(5)の化合
物(ここで、RcはHであり、そしてRaはアリルである)を得た。同様に、上記
のように出発物質として式(I)(ここで、Rdは上に記載される通りである)
の化合物を使用して、式(6)の化合物(Rdは、プロピル、ブチル、ベンジル
、ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)を調製した。
【0184】 (実施例14) (9位の=Oから=NOHへの転化) 実施例6Aの手順に従って、エリスロマイシンの9位のカルボニルを対応する
オキシムに転化した。
【0185】 (実施例15) (−ORaでの転化) A.アリル→プロピル:エタノール中の上で調製した化合物のいずれか(0.
2mmol)の溶液を窒素でフラッシュし、10%炭素担持パラジウム(20m
g)を得た。次いで、この混合物を水素でフラッシュし、反応混合物を正の水素
圧力下で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、ガラス状物
を得た。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニ
ア)のクロマトグラフィーによって、白色固体としてプロピル化合物を得た。
【0186】 B.アリル→−CH2CHO:上で得られた化合物のいずれか(4.0mmo
l)のジクロロメタン(100mL)中の−78℃の溶液に、45分間オゾンを
通した。次いで、この反応混合物を窒素で10分間フラッシュした。ジメチルス
ルフィド(1.46mL、20mmol)を−78℃で加え、この反応混合物を
0℃で30分間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、白色泡状物を得、
これをさらなる精製なしで使用し、THF(40mL、4.0mmol)中のこ
の化合物およびトリフェニルホスフィン(2.62g、10.0mmol)の溶
液を55℃で2.5時間加熱した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、白色泡状
物を得た。シリカゲル(1:1アセトン−ヘキサン、次いで75:25:0.5
アセトン−ヘキサン−トリエチルアミン)のクロマトグラフィーによって所望の
化合物を白色固体として得た。
【0187】 C.アリル→−CH2CH=NOH:メタノール(5mL)中のBで調製した
化合物(ここで、Raは−CH2CHOである)(0.08mmol)の溶液に、
トリエチルアミン(31μL、0.225mmol)およびヒドロキシルアミン
塩酸塩(7.7mg、0.112mmol)を加え、この反応混合物を周囲の温
度で6時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下
で濃縮し、透明なガラス状物を得た。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメ
タン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラフィーによって、化合物を白色
固体として得た。
【0188】 D.−CH2CH=NOH→−CH2CN:THF(5mL)中のCで調製した
化合物(0.267mmol)の窒素下の溶液に、ジイソプロピルカルボジイミ
ド(83μL、0.534mmol)およびCuCl(2.7mg、0.027
mmol)を加え、この反応混合物を周囲の温度で一晩撹拌した。この反応混合
物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、透明なガラス状物を得た。シリ
カゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のカラム
クロマトグラフィーによって、所望の化合物を白色固体として得た。
【0189】 E.−CH2CHO→−CH2CH2NH2:メタノール(10mL)中のBで調
製した化合物(0.276mmol)の溶液に、酢酸アンモニウム(212mg
、2.76mmol)を加え、この混合物を0℃に冷却した。シアノ水素化ホウ
素ナトリウム(34mg、0.553mmol)を加え、この反応混合物を0℃
で30時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウ
ム水溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブライ
ンで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリ
カゲル(90:10:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロ
マトグラフィーによって、所望の化合物を白色固体として得た。
【0190】 F.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−フェニル:メタノール(10m
L)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃の溶液に、酢酸(1
14μL、2.00mmol)およびベンジルアミン(218μL、2.00m
mol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウ
ム(24.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を16時間撹
拌した。次いで、追加のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(24.8mg、0.4
00mmol)を加え、5時間撹拌し続けた。この反応混合物を酢酸エチルに採
取し、5%炭酸ナトリウム水溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン水溶液、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして
減圧下で濃縮した。シリカゲル(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール
−アンモニア)のクロマトグラフィーおよび第2のクロマトグラフィー(50:
50:0.5アセトン−ヘキサン−トリエチルアミン)によって、所望の化合物
を白色泡状物として得た。
【0191】 G.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2−フェニル:メタノール(
10mL)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃の溶液に、酢
酸(114μL、2.00mmol)およびフェネチルアミン(218μL、2
.00mmol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素
ナトリウム(24.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を1
6時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水
溶液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲ
ル(95:10:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマト
グラフィーによって、所望の化合物を得た。
【0192】 H.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH(CO2CH3)CH2−フェニル:
メタノール(10mL)中のBで調製した化合物(0.200mmol)の0℃
の溶液に、L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(129mg、0.60
0mmol)を加え、この混合物を10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナト
リウム(924.8mg、0.400mmol)を加え、この反応混合物を22
時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水溶
液、2%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル
(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラ
フィーによって、所望の化合物を得た。
【0193】 I.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−(4−ピリジル):フェニルア
ラニンの代わりに4−アミノメチルピリジンを用いることを除いて、Gの方法に
従って、所望の化合物を調製した。
【0194】 J.−CH2CH2NH2→−CH2CH2NHCH2−(4−キノリル):メタノ
ール(2mL)中のEで調製した化合物(0.15mmol)の溶液に、4−キ
ノリンカルボキサアルデヒド(23mg、0.15mmol)、酢酸(8.6μ
L、0.15mmol)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.4mg、
0.15mmol)を加え、この反応混合物を15時間撹拌した。この反応混合
物を酢酸エチルに採取し、5%炭酸ナトリウム水溶液、2%トリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン水溶液、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(95:10:0.5ジクロ
ロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラフィーによって、所望の化
合物を得た。
【0195】 K.アリル→−CH2CH=CH−フェニル:アセトニトリル(5mL)中の
実施例10で調製した2’保護化合物(1.00mmol)、パラジウム(II
)アセテート(22mg、0.100m)、およびトリフェニルホスフィン(5
2mg、0.200mmol)の窒素下の溶液に、ヨウ化ベンゼン(220μL
、2.00mmol)およびトリエチルアミン(280μL、2.00mmol
)を加え、この混合物を−78℃に冷却し、脱気し、そしてシールした。次いで
、この反応混合物を60℃まで0.5時間加温し、80℃で12時間撹拌し、酢
酸エチルに採取し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、2%トリス(
ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液で一回洗浄し、そしてブラインで一回洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル
(95:5:0.5ジクロロメタン−メタノール−アンモニア)のクロマトグラ
フィーによって所望の化合物を得た。
【0196】 メタノール中での加熱によって脱保護を行った。
【0197】 式(4)−(6)の他の実施形態において、RbはHであり、RcはHであり、
dはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキシブチルであ
り、Raは、以下:
【0198】
【表6】 である。
【0199】 上記化合物のいずれかは、上記の実施例14に記載される様式で、対応する誘
導体(ここで、YおよびZは共に=NOHである)に転化され得る。
【0200】 (実施例16) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはOであり、Ra=−CH2
H=CH2、RcはHである) (工程1.C−3にヒドロキシル基を有し、Raはアリルであり、そしてRc
ベンゾイルである、化合物(6)の中間体化合物を形成するための2’−OHで
の保護) ジクロロメタン(20mL)中の、Rdがプロピル、ブチル、ベンジル、ビニ
ル、または3−ヒドロキシブチルである、実施例12またはその他の実施形態の
生成物(2.49g、4.05mmol)の溶液に、安息香酸無水物(98%、
1.46g、6.48mmol)およびトリエチルアミン(0.90mL、6.
48mmol)を添加し、そしてその白色懸濁液を、周辺温度で26時間撹拌す
る。5%炭酸ナトリウム水溶液を添加し、そしてその混合物を20分間撹拌する
。この混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を5%重炭酸ナトリウム水溶
液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して白
色泡状物を得る。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキ
サン)は、保護された化合物を与える。
【0201】 (工程2.Raがアリルであり、Rcがベンジルである化合物(6)を形成する
ための酸化) N−クロロスクシンイミド(0.68g、5.07mmol)の、窒素下での
、−10℃のジクロロメタン(20mL)溶液に、5分にわたってジメチルスル
フィド(0.43mL、5.92mmol)を添加する。得られる白色スラリー
を、−10℃で20分間撹拌し、次いで工程1から得られる化合物(2.43g
、3.38mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を添加し、そしてこの
反応混合物を−10℃〜−5℃で30分間撹拌する。トリエチルアミン(0.4
7mL、3.38mmol)を5分にわたって滴下し、そしてこの反応混合物を
0℃で30分間撹拌する。この反応混合物を、ジクロロメタンで抽出する。有機
相を、重炭酸ナトリウム5%水溶液で2回、そしてブラインで1回洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して白色泡状物を得る。シリカゲル上で
のクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキサン)は、酸化された化合物を与
える。
【0202】 (工程3:例示的スキーム5から式(1)の化合物の環状炭酸塩を形成する:
aは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 工程2で調製された化合物(3.58g、5.00mmol)の、窒素下での
、−35℃のTHF(60mL)溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(
THF中で1.0M、5.5mL、5.5mmol)を添加し、そして得られる
白色懸濁液を30分間撹拌する。カルボニルジイミダゾール(4.05g、25
mmol)のTHF(40mL)溶液を−35℃で20分にわたって滴下し、次
いで冷浴を取り外し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌する。反応混合物を
酢酸エチルに取り出し、そして5%重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空で濃縮する。シリカゲル上
でのクロマトグラフィー(30%アセトン−ヘキサン)は、脱水された化合物(
2.6g)を白色泡状物として与える。(M+H)+は744である。
【0203】 (工程4.式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
Oであり、Raは−CH2CH=CH2であり、RcはHである) 工程3から得られる化合物(719mg、1.0mmol)のメタノール(2
0mL)溶液を、6時間還流で撹拌する。この反応混合物を真空で濃縮し、そし
てその残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(95:5:0.5 ジクロ
ロメタン−メタノール−アンモニア)によって精製し、所望の化合物を得る。
【0204】 (実施例17) (式(1)の化合物:LはCOであり、TはOであり、Raは−CH2CH=C
H−フェニルである) (A.例示的なスキーム5から式(1)の化合物の環状炭酸塩を形成する:R a は−CH2CH=CH−フェニルであり、Rcはベンゾイルである) 実施例15、工程K、または他の実施形態で調製された化合物(Rdがプロピ
ル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキシブチルである)(150
mL、0.20mmol)のTHF(5mL)溶液を−35℃まで冷却し、そし
て窒素を用いてフラッシュする。リチウムヘキサメチルジシラジド(THF中で
1.0M、0.22mL、0.22mmol)を−35℃で2分にわたって添加
する。この反応混合物を−35℃で10分間撹拌し、次いでカルボニルジイミダ
ゾール(162mg、1.0mmol)のTHF(3mL)溶液を2分にわたっ
て滴下する。冷浴を取り外し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌する。反応
混合物を0℃まで冷却し、そして0.5M KH2PO4水溶液を添加する。この
混合物を酢酸エチルで抽出し、そして有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、そして真空で濃縮する。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(3
0%アセトン−ヘキサン)は、脱水された化合物を与える。
【0205】 (B.式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、TはOで
あり、Raは−CH2CH=CH−フェニルであり、Rcは水素である) 工程Aで調製された化合物の脱保護を、実施例16、工程4の手順に従うメタ
ノール中での加熱によって達成する。
【0206】 上記の実施例およびスキームに記載された手順、ならびに有機合成化学分野に
おいて公知な方法を使用して、式(1)の化合物(LはCOであり、そしてTは
Oである)を調製し得る。これらの化合物は、以下に列挙されるRa置換基のう
ち1つを含む:
【0207】
【表7】 (実施例18) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 CH=CH2であり、RcはHである) (工程1:中間体化合物(6)の10、11無水形態を形成するための調製:
aは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) (A.6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチル−エリスロマイ
シンA) 6−O−アリル−15−メチルエリスロマイシンA(6.58g)および12
5mLの0.5N HClの混合物を周囲温度で20時間撹拌した。6N Na
OHの添加によってpHを10に調製し、そしてこの混合物を各225mLの酢
酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブラ
インで続けて洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、エバポレートした。
この粗製生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー分析して(3:2トルエ
ン/アセトン+1%Et3N)、3.04gの純粋な6−O−アリル−3−デス
クラジノシル−15−メチルエリスロマイシンAを得た。ES−LC/MSは、
[M+H]+=617を示す。
【0208】 (B.2’−O−ベンゾイル−6−アリル−3−デスクラジノシル−15−メ
チル−エリスロマイシンA) 6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシンA(
2.43g、3.86mmol、1.00当量)および安息香酸無水物(1.7
8g、7.72mmol、2.00当量)を丸底フラスコに入れ、N2を用いて
フラッシュした。酢酸エチル(17.5mL)を添加した。この溶液を3.5時
間撹拌し、次いで400mLのEtOAcで希釈し、そして150mLの飽和N
aHCO3水溶液で2回、各150mLの水およびブラインで1回洗浄した。有
機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲル上でのフラッ
シュクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)による
精製は、1.94g(68.1%)の所望の生成物を白色固体として与えた。E
S−LC/MSは、[M+H]+=721を示す。
【0209】
【化9】 (C.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−15−メチル−エリスロマイシンA) N−クロロスクシンイミド(0.510g、3.82mmol、1.50当量
)を13mLの無水CH2Cl2に溶解し、そしてN2下で−10℃まで冷却した
。硫化メチル(0.328mL、4.46mmol、1.75当量)を添加し、
そしてこの反応を15分間撹拌した。13mLの無水CH2Cl2中の、2’−O
−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロ
マイシンA(1.87g、2.55mmol、1.00当量)の溶液を滴下した
。30分後、新しく蒸留したEt3N(0.355mL、2.55mol、1.
00当量)を添加し;そしてこの反応を30分にわたって0℃にした。反応混合
物を400mLのEtOAcで希釈し、そして各100mLの飽和NaHCO3
水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、
濾過し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン:ア
セトン+1%Et3N)によって精製して、0.931g(49.9%)の所望
の生成物を白色固体として得た。ES−LC/MSは、[M+H]+=719を
示す。
【0210】
【化10】 (D.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−11−O−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−15−メチルエリスロマイシンA(904mg、1.24mmol、1.00
当量)を新しく蒸留したピリジン(4mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した
。塩化メタンスルホニル(0.478mL、6.17mmol、5.00当量)
を滴下した。この反応を周囲温度に戻し、そして一晩撹拌した。この混合物を、
350mLのEtOAcで希釈し、そして100mLの飽和NaHCO3水溶液
でクエンチした。層を分離し、そして有機相を各100mLの水およびブライン
で続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シ
リカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:アセトン+
1%Et3N)は、741mg(74.1%)の所望の化合物を白色固体として
与えた。
【0211】
【化11】 (E.2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−
オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチル−エリスロマイシンA) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−11−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA(705mg、
0.870mmol、1.00当量)を、アセトン(3mL)に溶解し、そして
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.651mL、
4.35mmol、5.00当量)を滴下した。この反応を周囲温度で6時間撹
拌し、次いで濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーは(4
:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)、486mg(78%)の所望の化
合物を白色固体として与えた。
【0212】
【化12】 (工程2:例示的スキーム3からのイミダゾリド中間体(7)の形成、および
化合物(1)/(10)の環状カルバメートを形成するための環化:Raは−C
2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−10,11−アンヒドロ−3−デス
クラジノシル−3−オキソ−15−メチル−エリスロマイシンA(227mg、
0.317mmol、1.00当量)を、1.3mLの新しく蒸留したTHFに
溶解し、そしてN2下で−15℃まで冷却した。水酸化ナトリウム(25gが鉱
油中に60%で分散、0.643mmol、2.00当量)を添加し、そしてこ
の反応を15分間撹拌した。1.3mLの新しく蒸留したTHF中の1,1−カ
ルボニルジイミダゾール(140mg、0.866mmol、3.00当量)の
溶液を滴下した。30分間の撹拌後、この反応を1.5時間にわたって周囲温度
まで温めた。この混合物を100mLのEtOAcで希釈し、そして各30mL
の飽和NaHCO3水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、275mgの粗製生成物(100
%)を得た。この粗製生成物を2mLのACNおよび0.2mLの無水THFに
溶解した。飽和水酸化アンモニウム水溶液(2mL)を添加した。この反応を密
閉し、そして2時間(2d)撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、そしてそ
の残渣を100mLのEtOAcに再び溶解した。この溶液を各30mLの飽和
NaHCO3水溶液、水、およびブラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物のフラッシュクロマトグラ
フィー(4:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、184mg(76.
5%)の所望の生成物を与えた。
【0213】 (実施例19) (式(3)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 −(2−ナフチル)である) (工程1:例示的スキーム2から化合物(4)を形成するための6−OHのア
ルキル化:Raは−CH2−(2−ナフチル)であり、RcおよびReはHである) 実施例11、工程1〜3の手順(工程1の(2−ナフチル)メチルブロミドの
アリルブロミドへの置換を除く)に従って、この化合物を調製する。
【0214】 (工程2:例示的スキーム2から中間体化合物(4)を形成するための2’、
4”ヒドロキシルの保護:Raは−CH2−(2−ナフチル)であり、Rcおよび
eはアセチルである) 工程1からの化合物(2.0g)を、実施例16、工程1の手順(無水酢酸の
安息香酸無水物への置換を除く)に従って処理する。
【0215】 (工程3:例示的スキーム2からの中間体化合物(9)の形成、および例示的
スキーム2からの化合物(3)の環状カルバメートの形成) 工程2からの化合物(500mg)をNaHおよびカルボニルジイミダゾール
で処理し、そして実施例18、工程2の手順に従ってアセトニトリル中のアンモ
ニアで処理し、この化合物を得る。
【0216】 (実施例20) (式(1)の化合物の調製:Rcはアセチルであり、LはCOであり、TはN
Hであり、Raは−CH2CH=CH2である) (工程1.例示的スキーム2からの中間体化合物(4)の調製:Raは−CH2 CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) ジクロロメタン(20mL)中の、実施例11、工程3またはその実施形態か
らの化合物(Rdはプロピル、ブチル、ベンジル、ビニル、または3−ヒドロキ
シブチル)(405.2g、528mmol)のサンプルに、ジメチルアミノピ
リジン(0.488g、4mmol)および無水酢酸(3.39mL、36mm
ol)を添加し、そしてこの混合物を室温で3時間撹拌する。この混合物を塩化
メチレンで希釈し、次いで5%重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し
、そしてNa2SO4で乾燥した。その残渣を乾燥し、そしてアセトニトリルから
再結晶してこの化合物を得た。
【0217】 (工程2:例示的スキーム2から中間体化合物(9)を形成するためのC−1
0,11での脱水およびC−12の誘導(derivation):Raは−C
2CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) −40℃に冷却され、そして窒素を用いてフラッシュされた、乾燥THF(5
00mL)中の、工程1からの化合物(85.8g、100mmol)のサンプ
ルに、20分にわたってナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(125m
L、125mmol)を添加し、そしてこの混合物を−40℃で40分撹拌する
。この混合物に、窒素下、−40℃で30分にわたってカルボニルジイミダゾー
ル(3.65g、22.56mmol)の5:3THF/DMF(800mL)
溶液を添加し、そしてこの混合物を−20℃で30分間撹拌する。この混合物を
、室温で27時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈する。この混合物を5%重炭
酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して化
合物(9)を得る。この化合物を次の工程に直接用いる。
【0218】 (工程3:例示的スキーム2からの化合物(3)の環状カルバメートの形成:
aは−CH2CH=CH2であり、RcおよびReはアセチルである) 工程2からの化合物(124g)を、9:1 アセトニトリル/THF(11
00mL)に溶解し、水酸化アンモニウム(28%、200mL)を添加し、そ
してこの混合物を、室温、窒素下で8日間撹拌する。溶媒を除去し、そしてその
残渣を酢酸エチルに溶解する。この溶液を5%重炭酸ナトリウムおよびブライン
で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して化合物(3)を得る。
【0219】 (工程4:化合物(1)3−OH形態の調製:Raは−CH2CH=CH2であ
り、RcおよびReはアセチルである) エタノール(200mL)中の、工程3からの化合物(69.0g、78.2
mmol)のサンプルを、水(400mL)で希釈し、20分にわたってHCl
(0.972N、400mL)を滴下する。この混合物を4時間撹拌し、そして
さらなるHCl(4N、100mL)を、20分にわたって添加する。この混合
物を18時間撹拌し、0℃まで冷却し、次いでNaOH(4N、200mL)を
pHが約9になるまで30分にわたって添加する。中間体化合物を濾過によって
単離する。
【0220】 (工程5:化合物(1)の調製:Raは−CH2CH=CH2であり、Rcおよび
eはアセチルであり、LはCOであり、TはNHである) N−クロロスクシンイミド(2.37g、17.8mmol)の、窒素下で−
10℃のジクロロメタン(80mL)溶液に、ジメチルスルフィド(1.52m
L、20.8mmol)を5分にわたって添加する。得られる白色スラリーを1
0分間−10℃で撹拌し、工程4からの化合物(8.10g、11.9mmol
)のジクロロメタン(60mL)溶液を添加し、そしてこの反応混合物を30分
間−10℃〜−5℃で撹拌する。トリエチルアミン(1.99mL、14.3m
mol)を10分にわたって滴下し、そしてこの反応混合物を、1時間0℃で撹
拌する。この反応混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を5%重炭酸ナト
リウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で
濃縮して白色泡状物を得る。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(50:50
:0.5 アセトン/ヘキサン/水酸化アンモニウムで抽出)が、この化合物を
与える。
【0221】 (実施例21) (式(1)の化合物の代替の調製:LはCOであり、TはNHであり、Ra
−CH2CH=CH−(3−キノリル)である) (工程1:式(1)の化合物の調製:RbはHであり、Rdはプロピルであり、
LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル)
である) (調製A:式(1):RbはHであり、Raは−CH2CH=CH−(3−キノ
リル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA 11,1
2−環状カルバメート(40mg、0.0528mmol、1.0当量)、トリ
ス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14
mg、0.014mmol、0.5当量)、トリス−O−トリルホスフィン(1
7mg、0.055mmol、1.0当量)、および3−ブロモキノリン(72
μl、0.53mmol、10当量)を丸底フラスコに入れ、これをN2を用い
てフラッシュした。脱気したアセトニトリル(1mL)および新しく蒸留したE
3N(0.015ml、0.11mmol、2.0当量)を添加した。この反
応を63時間還流した。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtO
Acで希釈した。この溶液を、各10mLのNaHCO3水溶液、水、およびブ
ラインで続けて洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮し
た。この粗製生成物のフラッシュクロマトグラフィー(勾配 5:1〜2:1
ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、34mgの所望の生成物を与えた。
【0222】 工程2:上記生成物(34mg)を1mLのメタノールに溶解し、密封し、そ
して80℃で16時間還流した。揮発性物質を減圧下で除去した。フラッシュク
ロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)は、所望の生
成物を淡黄色固体(25mg、2工程で61%)として与えた。
【0223】
【化13】 (調製B:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−フ
ルオロキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−フルオロキノリンを使用して調製した。
【0224】
【化14】 (調製C:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−ク
ロロキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−クロロキノリンを使用して調製する。
【0225】
【化15】 (調製D:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(4−イソキノ
リル)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに4−ブロモイソ
キノリンを使用して調製した。
【0226】
【化16】 (調製E:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−ピリジル
)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモピリ
ジンを使用して調製した。
【0227】
【化17】 (調製F:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−メ
チルキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−メチルキノリンを使用して調製した。
【0228】
【化18】 (調製G:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(6−ア
ミノキノリル))である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6
−アミノキノリンを使用して調製した。ES−LC/MS:[M+H]+=79
6。
【0229】 (調製H:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(3−(5−イ
ソキサゾール−3−イル)チエニル)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに5−(イソキサ
ゾール−3−イル)−2−ブロモチオフェンを使用して調製する。
【0230】 (調製I:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CH=CH−(6−キノリル
)である) これは、調製Aの方法に従い、3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノ
リンを使用して調製する。
【0231】 (調製J:式(1):Rb=H、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノキ
サール−6−イル)) これは、3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノキサリンを使用して、
調製Aの方法に従って調製する。
【0232】 (調製K:式(1):Rb=H、Raは、−CH2−CH=CH−(5−(N−
(2−ピリジル)−2−フラミジル))) これは、3−ブロモキノリンの代わりにN−(2−ピリジル)5−ブロモ−2
−フラミドを使用して、調製Aの方法に従って調製する。
【0233】 (調製AA:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノ
リル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Aの方法に従って調製した。
【0234】
【化19】 (調製BB:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−フルオロキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Bの方法に従って調製する。
【0235】 (調製CC:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−クロロキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Cの方法に従って調製する。
【0236】 (調製DD:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(4−イソ
キノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Dの方法に従って調製する。
【0237】 (調製EE:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−ピリ
ジル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Eの方法に従って調製する。
【0238】 (調製FF:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−メチルキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Fの方法に従って調製する。
【0239】 (調製GG:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(6
−アミノキノリル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Gの方法に従って調製する。
【0240】 (調製HH:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−(5
−イソキサゾール−3−イル)チエニル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Hの方法に従って調製する。
【0241】 (調製II:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(6−キノ
リル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Iの方法に従って調製する。
【0242】 (調製JJ:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(3−キノ
キサール−6−イル)) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Jの方法に従って調製する。
【0243】 (調製KK:式(1):Rb=F、Raは、−CH2−CH=CH−(5−(N
−(2−ピリジル)−2−フラミジル))) これは、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−ア
リル−11−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2
−フルオロ−15−メチルエリスロマイシンA 11,12−環状カルバメート
を用いて、調製Kの方法に従って調製する。
【0244】 前記の実施例およびスキームに記載される手順ならびに合成有機化学の分野に
おいて公知の方法を用いて、式(1)の環状カルバメート化合物(ここでLは、
COであり、そしてTは、NHである)を調製し得る。Ra置換基を有するこれ
らの化合物は、以下に記載される:
【0245】
【表8】 (実施例22) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはN(CH3)であり、Ra
、−CH2CH=CH2であり、Rcは、Hである) (工程1:例示的スキーム3からの化合物(10)の調製:Rfはメチルであ
り、Raは−CH2CH=CH2であり、Rcはベンゾイルである) 実施例18の水酸化アンモニウムをメチルアミンに置き換えて、上記の化合物
を形成する。
【0246】 (他の実施形態):上記の手順を使用して、式(1)〜(3)の化合物を形成
し得、ここでLはCOであり、Tは:−N(CH3);−NCH2CH2N(CH32;−N(CH2CH=CH2);−N(CH2CH=CH−(3−キノリル))
;または−N(NH2)であり;そしてRaは:−CH2CH=CH−(3−キノ
リル);−CH2CH=CH2;−CH2CH2CH2−(3−キノリル);−CH2 CH=CH−ナフチル;−CH2CH=CH−(8−クロロ−3−キノリル);
−CH2CH=CH−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル−6−キノリル)
;−CH2CH=CH−(2−フルオレニル);−CH2CH=CH−(3−(2
−フラニル)−6−キノリル);−CH2CH=CH−(9−フルオレノン−2
−イル);−CH2CH=CH−(6−ベンゾイル−2−ナフチル);−CH2
H=CH−(7−メトキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(3−フェ
ニル−6−キノリル);−CH2CH=CH−(3−(2−ピリジル)−6−キ
ノリル);−CH2CH=CH−(3−(2−チオフェニル)−6−キノリル)
;−CH2CH=CH−(4−メチルナフチル);−CH2CH=CH−(6−β
−D−ガラクトピラノシル−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(7−キノ
リル);−CH2CH=CH−(4−フルオロナフチル);−CH2CH=CH−
(3−ビフェニル);−CH2CH=CH−(5−ニトロナフチル);−CH2
H=CH−(4−ピロリルフェニル);−CH2CH=CH−(6−メトキシ−
2−ナフチル);−CH2CH=CH−(3,5−ジクロロフェニル);−CH2 −(3−ヨードフェニル);−CH2−(3−(2−フラニル)フェニル);−
CH2CH=CH−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(
6−(2−ブロモエトキシ)−2−ナフチル);−CH2CH=CH−(6−(
2−テトラゾリル)エトキシ−2−ナフチル);−CH2CH=CH−ナフチル
;−CH2CH=CH−(5−(3−イソキサゾリル)−2−チオフェニル);
−CH2CH=CH−(1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−5−ピリミジニ
ル);および−CH2CH=CH−(5−(2−ピリジル)アミノカルボニル−
2−フラニル)である。
【0247】 さらに、実施例21の3−ブロモキノリンを以下の試薬に代えること以外は実
施例21の手順に従い、さらなる化合物を調製する。これらは、LがCOであり
、そしてTが以下に記載のようなRa置換基を有するOである、式(1)の化合
物である:
【0248】
【表9】 (実施例23) (−ORaでの変換) (A.アリル→−CH2CHO) 実施例18の化合物(14.0g)をCH2Cl2(200mL)に溶解し、そ
してこの溶液を窒素雰囲気下で−78℃まで冷却する。次いで、青色が持続する
まで、この溶液を通してオゾンをバブリングする。次いで、色が消えるまで反応
をN2でパージし、そしてジメチルスルフィド(14mL)を加え、そしてこの
反応混合物を0℃まで温める。90分間攪拌した後、この反応混合物を減圧下で
濃縮し、淡黄色泡状物を得る。この物質をTHF(300mL)に溶解し、そし
て還流下6時間かけてトリフェニルホスフィン(8g)で処理し、次いでこの反
応混合物を減圧下で濃縮する。クロマトグラフィー(1:1 アセトン/ヘキサ
ン〜3:1 アセトン/ヘキサン(0.5%TEAを含む))により、生成物を
得る。
【0249】 (B.−CHCHO→−CHCHNHCHフェニル) 実施例23Aの化合物(120mg、0.187mmol)およびベンジルア
ミン(40μL、0.366mmol、2当量)を、3mLの乾燥ジクロロメタ
ンに溶解する。モレキュラーシーブ(4Å)を加え、反応物を終夜で攪拌する。
次いでこの反応物を濾過し、減圧下で濃縮する。得られたイミンをMeOH(5
mL)に溶解し、触媒量の10%炭素担持Pdを加え、この反応物を1atmの
圧力下で20分間素早く攪拌する。次いで、この混合物をCeliteTM パッドを通して濾過し、そしてこの溶液を減圧下で濃縮する。クロマトグラフィ
ー(SiO、5% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NHOHを含む)
)により、所望の物質(84mg)を白色固体として得る。
【0250】 (C.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(10
8mg、0.169mmol)の化合物およびフェネチルアミン(42μL、0
.334mmol、2当量)から調製する。クロマトグラフィー(SiO2、5
% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NH4OHを含む))により、所望の
物質を得る。
【0251】 (D.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(10
0mg、0.156mmol)の化合物および3−フェニル−1−プロピルアミ
ン(40μL、0.282mmol、1.8当量)から調製する。クロマトグラ
フィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OHを含む
))により、所望の物質を得る。
【0252】 (E.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2フェニル) この化合物は、実施例23Bに記載される手順を用いて、実施例23A(17
0mg、0.266mmol)の化合物および4−フェニル−1−ブチルアミン
(68μL、0.431mmol、1.6当量)から調製する。クロマトグラフ
ィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.2%NH4OHを含む)
)により、所望の物質を得る。
【0253】 (F.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2CH2CH2−(3−キノリル)
) 実施例23Aの化合物(135mg、0.211mmol)および3−(3−
キノリル)−1−プロピルアミン(70mg、0.376mmol、1.8当量
)を、4mLの乾燥ジクロロメタンに溶解する。モレキュラーシーブ(4Å)を
加え、反応物を終夜で攪拌する。次いでこの反応物を濾過し、減圧下で濃縮する
。得られたイミンをMeOH(5mL)に溶解し、NaCNBH3(約100m
g)および十分量のAcOHで処理すると、ブロモクレゾールグリーン指示薬が
青色から黄色に変化する。4時間の攪拌後、この反応混合物を飽和NaHCO3
溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機部分を飽和NaHCO3、H2Oお
よびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そして減圧下で濃縮する。クロ
マトグラフィー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4
Hを含む)〜10% MeOH/ジクロロメタン(1%NH4OHを含む))に
より、所望の物質を得る。
【0254】 (G.−CH2CHO→−CH2CH2NHCH2−(3−キノリル)) 実施例23Fに記載される手順を用いて、実施例23Aの化合物(150mg
、0.234mmol)および3−(アミノメチル)キノリン(100mg、0
.633mmol、2.7当量)から表題化合物を調製する。クロマトグラフィ
ー(SiO2、5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OHを含む))
により、所望の物質を得る。
【0255】 3−(アミノメチル)キノリン試薬は、当該分野において公知の方法によって
調製する。
【0256】 式(1)〜(3)の他の実施形態(ここで、RbはHであり、RcはHであり、
Lは−CO−であり、Tは−NH−であり、そしてRdは、プロピル、ブチル、
ベンジル、ビニルまたは3−ヒドロキシブチルである)は、Raが−CH2CHO
から以下に変換される実施形態である:−CH2CH2NHCH2(6−キノリル
);−CH2CH=NO(フェニル);−CH2CH=NOCH2(フェニル);
−CH2CH=NOCH2(4−NO2−フェニル);−CH2CH=NOCH2
4−キノリル);−CH2CH=NOCH2(2−キノリル);−CH2CH=N
OCH2(3−キノリル);−CH2CH=NOCH2(6−キノリル);−CH2 CH=NOCH2(1−ナフチル);−CH2CH=NOCH2(2−ナフチル)
;−CH2CH2NHOCH2(フェニル);−CH2CH2NHOCH2(4−NO 2 −フェニル);−CH2C(O)−フェニル;−CH2C(O)−(4−F−フ
ェニル);−CH2CH=NNHC(O)フェニル;または−CH2CH(OH)
−フェニル。
【0257】 (H.−CH2CH=CH−(3−キノリル)→−CH2CH2CH2(3−キノ
リル)) 30mLのメタノールおよび15mLの酢酸エチル中の、Raが−CH2CH=
CH−(3−キノリル)である実施例18の化合物(230mg)と10%Pd
/C(50mg)との混合物に窒素を流し、そして1atmの水素下で室温で2
2時間攪拌する。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。シリカゲル上
のクロマトグラフィー(5% MeOH/ジクロロメタン(0.5%NH4OH
を含む))により、所望の物質を得る。
【0258】 (I.−CH2CH=CH−(3−キノリル)→−CH2(2−(3−キノリル
)シクロプロピル)) エーテル中のジアゾメタン(0.64M、3.12mL、2.00mmol)
の溶液に、ジクロロメタン(5.0mL)中の実施例18の化合物(ここで、R a は−CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(153mg、0.200m
mol)の溶液を、窒素下で0℃で加える。少量(2mg)の酢酸パラジウムを
加え、そしてこの混合物を20分間攪拌する。ジアゾメタンの別の部分(3mL
)を加え、この混合物をさらに1時間攪拌する。溶媒をエバポレートし、そして
残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(5% MeOH/ジクロロメタン(
0.5%NH4OHを含む))によって精製し、表題化合物を白色固体として得
る。
【0259】 (実施例24) (Rcでの変換) (A.−H→プロパノイル(Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル))) ジクロロメタン中のRaで変換された実施例18の化合物(ここで、Raは、−
CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(152mg)の溶液に、プロピ
オン酸無水物(52μL)およびトリエチルアミン(56μL)を加え、そして
この混合物を室温で24時間攪拌する。この混合物を酢酸エチルで希釈し、これ
を5%NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そし
て減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフ(1:1 アセトン
/ヘキサン)し、表題化合物を白色泡状物として得る。
【0260】 (B.−H→エチルスクシノイル(Raは−CH2CH=CH−(3−キノリル
))) ジクロロメタン(10mL)中のRaで変換された実施例18の化合物(ここ
で、Raは、−CH2CH=CH−(3−キノリル)である)(153mg、0.
200mmol)の溶液に、エチルスクシニルクロリド(29μL)およびトリ
エチルアミン(56μL)を0℃で加え、そしてこの混合物を室温で24時間攪
拌する。この混合物を酢酸エチルで希釈し、これを5%NaHCO3溶液および
ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そして減圧下で濃縮する。残渣をシ
リカゲル上でクロマトグラフ(1:1 アセトン/ヘキサン)し、表題化合物を
白色泡状物として得る。
【0261】 (実施例25) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2 C≡C−Hであり、RcおよびReはHである) (工程1:化合物(4)の中間体の調製:9位は、N−O−(1−イソプロポ
キシシクロヘキシル)であり、Raは−CH2C≡C−Hであり、RcおよびRe
トリメチルシリルである) 窒素下のTHF(200mL)中の2’,4’’−ビス−O−トリメチルシリ
ルエリスロマイシンA 9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム(100g、69.9mmol、米国特許第4,990,602号の方法
に従って調製した)の溶液に、無水DMSO(200mL)を加え、そしてこの
混合物を0℃まで冷却する。N2雰囲気下で攪拌したこの溶液に、プロパルギル
ブロミド(27mL、240mmol、トルエン中80重量%)を加え、次いで
無水DMSO(300mL)中の乾燥KOH(13.6g、240mmol)の
溶液を25分間かけて加え、そしてこの混合物を0℃で1時間かけて激しく攪拌
する。さらなるKOH(10.9g、190mmol)およびプロパルギルブロ
ミド(21mL、190mmol)を加え、そしてこの混合物を窒素下で0℃で
1.5時間攪拌する。このKOHおよびプロパルギルブロミドの添加を、1.5
時間の間隔でさらに3回繰り返す。次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出し、
そして有機相を水およびブラインで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)する。減
圧下での溶媒の除去により粗生成物を得、これを直接次の工程に用いる。
【0262】 (工程2:化合物(4)の中間体における、9位での−N−O−(1−イソプ
ロポキシシクロヘキシル)の−NOHへの変換:Raは−CH2C≡C−Hである
) CH3CN(300mL)中の工程1の化合物(108g)に、水(150m
L)および酢酸(氷酢酸、200mL)を加え、そしてこの混合物を室温で約2
0分間攪拌する。次いで、溶媒を減圧下で40℃で除去し、そして残渣をEtO
Ac中に溶解し、続いて5%Na2CO3およびブラインで洗浄する。次いで、有
機相をMgSO4で乾燥し、濾過および濃縮し、化合物を褐色泡状物として得、
これを直接次の工程に用いる。
【0263】 (工程3:中間体化合物(4)を形成する、9位での−NOHの=Oへの変換
:Raは−CH2C≡C−H) 工程2の化合物(74g)をエタノール(550mL)に溶解し、水(550
mL)で希釈する。この溶液に、亜硝酸ナトリウム(33g、0.48mol)
を加え、そしてこの反応混合物を室温で15分間攪拌する。次に4M HCl(
125mL、0.48mol)を周囲温度で15分間かけて加え、この混合物を
2時間かけて70℃まで加熱し、次いで室温まで冷却する。この混合物を酢酸エ
チルで抽出し、そして有機相を5%Na2CO3およびブラインで洗浄し、次いで
MgSO4で乾燥し、濾過および濃縮する。粗生成物を、1% メタノール/ジ
クロロメタン(0.5%水酸化アンモニウムを含む)で溶出するシリカゲル上の
クロマトグラフィーによって精製する。この化合物をアセトニトリルから結晶化
し、化合物を得る。
【0264】 (工程4:例示スキーム2の中間体化合物(4)を形成するための2’および
4”ヒドロキシル基の保護:RcおよびReはアセチルであり、Raは−CH2C≡
C−Hである) 無水ジクロロメタン(100mL)中の工程3の化合物19g(246mmo
l)の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(105mg)およびトリエチルア
ミン(7.16mL、52mmol)を加えた。この混合物を冷水浴中で約15
℃まで冷却し、そして無水酢酸(5.5mL、59mmol)を5分間にわたっ
て加えた。15℃で5分間撹拌後、この冷水浴をはずし、この反応溶液を周囲の
温度で4時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、5%炭酸ナトリウム
水溶液(2回)、水(2回)およびブラインで連続的に洗浄した。この有機抽出
物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。高真空下で
一定重量まで乾燥し、化合物を得た。
【0265】 (工程5:例示スキーム2の中間体化合物(9)を形成するための、10位、
11位における脱水および12位における誘導体化:RcおよびReはアセチルで
あり、Raは−CH2C≡C−Hである) THF(128mL)およびジメチルスルホキシド(48mL)中の工程4の
化合物(21g、24.5mmol)の0℃の溶液に、1,1’−カルボニルジ
イミダゾール(14.3g、88.3mmol)を加えた。5分間撹拌後、水素
化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.3g、32.5mmol)を窒素雰囲気
下で1時間にわたって、滴下した。完全に滴下した後、冷浴をはずし、混合物を
周囲の温度で3.5時間撹拌した。この反応溶液を0℃まで再冷却し、酢酸エチ
ル(約400mL)で希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)でク
エンチした。有機層を水およびブラインで連続的に洗浄し、次いで、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。この溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、一定重量まで乾
燥して化合物を得、これを次の工程で直接使用した。
【0266】 (工程6:例示スキーム2の化合物(3)の環式カルバメートの形成:Rc
よびReはアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) アセトニトリル(250mL)中の工程5の化合物(23g、24mmol)
を含む圧力容器を−78℃まで冷却した。等容量の液体アンモニア(250mL
)をこの反応容器中に凝縮し、次いでこれをシールし、撹拌しながら周囲の温度
まで加温した。20時間後、この反応溶液を−78℃まで再冷却し、圧力容器を
開放し、反応溶液を撹拌しながら周囲の温度まで加温した。全ての液体アンモニ
アをエバポレートし、アセトニトリルを減圧下で除去し、残渣を一定重量まで乾
燥し、化合物を得た。
【0267】 (工程7:3位水酸基を有する化合物(1)を形成するための3位クラジノー
ス部分の除去:Rcはアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) 1:1エタノール/水(200mL)中の工程6の化合物(21g)の0℃の
懸濁液に、4M塩酸(125mL)を10分間にわたって加えた。冷却浴をはず
し、反応溶液を26時間周囲の温度で撹拌した。この混合物を水で希釈し、0℃
に冷却し、2N水酸化ナトリウムでpH10まで塩基性にした。次いで、この混
合物を酢酸エチル(400mL)で抽出し、有機層をブラインで洗浄した。この
有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。一定重量まで
乾燥し、18gの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンから結晶化し、純
粋な化合物を得た。
【0268】 (工程8:化合物(1)の3位ヒドロキシルからカルバモイルへの酸化:Rc
はアセチルであり、Raは−CH2C≡C−Hである) ジクロロメタン(100mL)中のN−クロロスクシンイミド(2.3g、0
.017モル)の−10℃溶液に、硫化メチル(1.47mL、0.021モル
)を5分間かけて加えた。この反応溶液を−10℃で10分間撹拌した。次いで
、ジクロロメタン(100mL)中の工程7の化合物(8.3g、0.012モ
ル)の溶液を30分間かけて加え、この混合物を25分間−10℃で撹拌した。
トリエチルアミン(1.6mL、0.021モル)を5分間かけて加え、反応溶
液を−10℃で50分間撹拌した。次いで、この反応溶液を5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(300mL)で抽出し
た。この有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いでブラインで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を30%アセト
ン/ヘキサン、次いで50%アセトン/ヘキサンで連続的に溶出するシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物を得た。
【0269】 (工程9:式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
NHであり、Raは−CH2≡C−Hであり、RcはHである) 工程8の化合物のサンプル(72mg)をメタノール(8mL)中に溶解し、
周囲の温度で18時間撹拌した。真空下で濃縮し、高減圧下で一定重量まで乾燥
後、65mgの純粋な表題化合物を得た。
【0270】 (任意の工程:化合物(1)を形成するための−CH2≡C−(6−メトキシ
−2−ナフチルブロモナフタレン)から−CH2≡C−BrへのRaの転化:Ra
は−CH2≡C−Brであり、Rcはセチルである) アセトン(1mL)中の実施例25、工程8(100mg)の化合物の窒素下
の溶液に、酢酸(8.4μL)を周囲の温度で加えた。1mLのアセトン中のN
−ブロモスクシンイミド(39mg)および硝酸銀(2.5mg)を含有する第
2の溶液を調製し、次いで、窒素下室温で10分間撹拌し、0℃に冷却した。次
いで、第1の溶液を第2の溶液に一気に加え、冷却浴をはずし、得られる反応混
合物を室温で2時間窒素下で撹拌した。次いで、この反応溶液を酢酸エチルで希
釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した
。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を除去し
、残渣を40%アセトン/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによって精製し、化合物を得た。Rc基をメタノールで脱保護した。
【0271】 (実施例26) (式(1)の化合物の調製:LはCOであり、TはNHであり、Raは以下に
特定され、RcはHであり、RbはHであり、Rdはプロピルである) (I.出発物質:式(1)の化合物の調製:Rb=H、Raは−O−プロパルギ
ルである) 工程1:0.1mLのテトラヒドロフラン、0.1mLのエーテル、および0
.1mLのDMSO中の、2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−メ
チルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]オ
キシム(100mg)を10℃まで冷却し、0.028mLの3−ブロモ−1−
(トリメチルシリル)−1−プロピンを不活性雰囲気下で処理した。テトラヒド
ロフラン(0.38mL)中のメチルスルホキシド(0.19mL)および1.
0Mカリウムtert−ブトキシドの混合物を1時間当たり2.0モル当量の速
度で加えた。追加の当量(0.014mL)のTMS−プロパルギルブロミドを
0.5時間および1時間後に加えた。この反応を薄層クロマトグラフィー(シリ
カゲル、10:1トルエン/アセトン)によってモニターし、2.3モル当量の
塩基を添加後、完了したと判断した。この反応溶液を100mLの酢酸エチルお
よび30mLの飽和NaHCO3で希釈し、そして飽和NaHCO3、水、および
ブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そし
てエバポレートした。この粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(40:
1 ヘキサン/アセトン+1%Et3N)にかけ、部分的に純粋な6−O−(3
−トリメチルシリル)プロパルギル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル
−15−メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキ
シル)]オキシムを得た。
【0272】 工程2:4.4mLのアセトニトリル中の上記の不純な6−O−(3−トリメ
チルシリル)プロパルギル−2’,4”−ビス−O−トリメチルシリル−15−
メチルエリスロマイシンA9−[O−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)]
オキシム(0.88g)を2.2mLの水および2.5mLの酢酸で処理し、周
囲の温度で24時間撹拌した。この混合物を2−プロパノール、次いで繰り返し
トルエンの添加後、濃縮した。この物質を炭酸カリウムおよびメタノール(6m
L)とともに2.5時間撹拌した。この混合物を酢酸エチル(200mL)で希
釈し、飽和NaHCO3、水、およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層
をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして生成物を得た。
【0273】 工程3:7mLの1:1エタノール/水中の(iii)の生成物および亜硫酸
ナトリウム(0.59g)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。蟻酸(0.096
mL)を滴下し、この混合物を80℃で5時間撹拌した。周囲の温度まで冷却し
、この反応溶液を6N NaOHでpH10に調整し、150mL部の酢酸エチ
ルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせ、飽和NaHCO3、水、およびブ
ラインで連続的に洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
エバポレートして、さらなる転化に適切な6−O−プロパルギル−15−メチル
エリスロマイシンAを得た。純粋な物質は、シリカゲルのカラムクロマトグラフ
ィーによって調製され得る。
【0274】 工程4:6−O−プロパルギル−15−メチルエリスロマイシンA(0.40
g)および6mLの0.6N HClの混合物を周囲の温度で17時間撹拌した
。pHを6N NaOHの添加によって9に調整し、150mLの酢酸エチルを
加えた。、この有機抽出物を飽和NaHCO3、水、およびブラインで連続的に
洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートしてさらな
る生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、純粋な
6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマイシン
Aを得た。
【0275】 工程5:1.3mLの酢酸エチル中の6−O−プロパルギル−3−デスクラジ
ノシル−15−メチルエリスロマイシンA(0.16g)および無水安息香酸(
0.12g)を17時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3、水、およびブライ
ンで連続的に洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートした。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、2’−O−
ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリ
スロマイシンAを得た。
【0276】 工程6:N−クロロスクシンイミド(0.510g、3.82mmol、1.
50当量)を13mLの無水CH2Cl2に溶解し、N2下で−10℃に冷却した
。硫化メチル(0.328mL、4.46mmol、1.75当量)を加え、こ
の反応溶液を15分撹拌した。13mLの無水CH2Cl2中の2’−O−ベンゾ
イル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル−15−メチルエリスロマ
イシンA(1.87g、2.55mmol、1.00当量)の溶液を滴下した。
30分後、新たに蒸留したEt3N(0.355mL、2.55mmol、1.
00当量)を加え、この反応溶液を30分間にわたって0℃まで上げた。この反
応混合物を400mLのEtOAcで希釈し、各100mLの飽和NaHCO3
水溶液、水、およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgSO4で乾
燥し、濾過し、濃縮し、そしてクロマトグラフィーによって精製した。
【0277】 工程7:2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA(904mg)を、新たに蒸
留したピリジン(4mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル
(0.478mL、6.17mmol.5.00当量)を滴下した。この反応溶
液を周囲の温度まで上げ、一晩撹拌した。この混合物を350mLのEtOAc
で蒸留し、100mLの飽和NaHCO3でクエンチした。この層を分離し、有
機層を各々100mLの水およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルのフラッシュカラムク
ロマトグラフィーによって生成物を得た。
【0278】 工程8:2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシ
ル−3−オキソ−11−メタンスルホニル−15−メチル−エリスロマイシンA
(705mg)をアセトン(3mL)中に溶解し、そして1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]−ウンデク−7−エン(0.651mL、4.35mmol、
5.00当量)を滴下した。この反応溶液を周囲の温度で6時間撹拌し、次いで
濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を得た。
【0279】 工程9:2’−O−ベンゾイル−6−プロパギル−10,11−アンヒドロ−
3−デスクラジノシル−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA(227
mg)を1.3mLの新たに蒸留したTHFに溶解し、−15℃までN2下で冷
却した。水素化ナトリウム(鉱油中25mgの60%分散、0.634mmol
、2.00当量)を加え、この反応溶液を15分間撹拌した。1.3mLの新た
に蒸留したTHF中の1,1−カルボニルジイミダゾール(140mg)の溶液
を滴下した。30分間撹拌後、この反応溶液を周囲の温度に1.5時間かけて加
温した。この混合物を100mLのEtOAcで希釈し、各々30mLの飽和N
aHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗浄した。この有機層をMgS
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで、この残渣を2mLのACNお
よび0.2mLの無水THFに溶解した。飽和水酸化アンモニウム水溶液(2m
L)を加えた。この反応溶液をシールし、2日間撹拌した。減圧下で揮発性物質
を除去し、この残渣を100mLのEtOAcに再溶解した。この溶液を各30
mLの飽和NaHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗浄した。この有
機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラ
フィーによって、環式カルバメート生成物を得た。
【0280】 (II.Iの化合物を使用する化合物の調製) (調製A:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−キノリル)であ
る) 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−プロパルギル−11−アミノ−3−デス
クラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA
11,12−環式カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン
)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加体(14mg)、トリ−O−トリルホ
スフィン(17mg)、ヨウ化銅、および3−ブロモキノリン(72μl、0.
53mmol、10当量)をN2でフラッシュした丸底フラスコ中に設置した。
脱気したアセトニトリル(1mL)および新たに蒸留したEt3N(0.015
mL、0.11mmol、2.0当量)を加えた。この反応溶液を63時間還流
した。この混合物を周囲の温度に戻し、40mLのEtOAcで希釈した。この
溶液を各々10mLの飽和NaHCO3水溶液、水およびブラインで連続的に洗
浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシ
ュクロマトグラフィーによって所望の生成物を得た。
【0281】 工程2:上記生成物を1mLのメタノールに溶解し、シールし、そして80℃
で16時間還流した。揮発性物質を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラ
フィーによって所望の生成物を得た。
【0282】 (調製B:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−フルオロ
キノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−フルオロキノリンを使用して
、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0283】 (調製C:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−クロロキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−クロロキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0284】 (調製D:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(4−イソキノリル)
である) 3−ブロモキノリンの代わりに4−ブロモイソキノリンを使用して、調製Aの
方法に従って、これを調製した。
【0285】 (調製E:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−ピリジル)であ
る) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ピリジンを使用して、調製Aの方法に従っ
て、これを調製した。
【0286】 (調製F:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−メチルキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−メチルキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0287】 (調製G:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(6−アミノキ
ノリル))である) 3−ブロモキノリンの代わりに3−ブロモ−6−アミノキノリンを使用して、
調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0288】 (調製H:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−(5−イソキサ
ゾル−3−イル)チエニル)である) 3−ブロモキノリンの代わりに5−(イソキサゾル−3−イル)−2−ブロモ
チオフェンを使用して、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0289】 (調製I:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(6−キノリル)であ
る) 3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノリンを使用して、調製Aの方法
に従って、これを調製した。
【0290】 (調製J:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(3−キノキサル−6
−イル)である) 3−ブロモキノリンの代わりに6−ブロモキノキサリンを使用して、調製Aの
方法に従って、これを調製した。
【0291】 (調製K:式(1):Rb=H、Raは−CH2−CC−(5−(N−(2−ピ
リジル)−2−フラミジル))である) 3−ブロモキノリンの代わりにN−(2−ピリジル)5−ブロモ−2−フラミ
ドを使用して、調製Aの方法に従って、これを調製した。
【0292】 (調製AA:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−キノリル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−
アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−
15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、調
製Aの方法に従って、これを調製した。
【0293】 (調製BB:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−フルオ
ロキノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Bの方法に従って、これを調製した。
【0294】 (調製CC:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−クロロ
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Cの方法に従って、これを調製した。
【0295】 (調製DD:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(4−イソキノリル
)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Dの方法に従って、これを調製した。
【0296】 (調製EE:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−ピリジル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Eの方法に従って、これを調製した。
【0297】 (調製FF:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−メチル
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Fの方法に従って、これを調製した。
【0298】 (調製GG:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(6−アミノ
キノリル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Gの方法に従って、これを調製した。
【0299】 (調製HH:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−(5−イソキ
サゾル−3−イル)チエニル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Hの方法に従って、これを調製した。
【0300】 (調製II:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(6−キノリル)で
ある) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Iの方法に従って、これを調製した。
【0301】 (調製JJ:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(3−キノキサル−
6−イル)である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Jの方法に従って、これを調製した。
【0302】 (調製KK:式(1):Rb=F、Raは−CH2−CC−(5−(N−(2−
ピリジル)−2−フラミジル))である) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11−アミノ−3−デスクラジノシ
ル−11−デオキシ−3−オキソ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環式カルバメートの代わりに、2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−11
−アミノ−3−デスクラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ
−15−メチルエリスロマイシンA11,12−環式カルバメートを使用して、
調製Kの方法に従って、これを調製した。
【0303】 (実施例27) (式(1)の化合物:LはCOであり、TはNHであり、Raは−CH2−(2
,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)であり、RcはHである) (工程1:Raの−CH2CH=CH2から−CH2CH(OH)CH2OHへの
、そしてRcがアセチルである、化合物(1)の3−OH形態の転化) 室温で、THF(25mL)中の、実施例20、工程40(5.0g、7.3
2mmol、化合物(1)の3−OH形態、Raは−CH2CH=CH2であり、
cはアセチルである)の化合物およびN−メチルモルホリンNオキシド(1.
7g、14.5mmol)の溶液に、OsO4(H2O中4%、0.090mL、
0.0147mmol)を加え、この混合物を24時間撹拌した。この反応を亜
硫酸水素ナトリウム(1.5g)および水(10mL)でクエンチし、溶媒を減
圧除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
、水、およびブラインで洗浄し、そして乾燥した(Na2SO4)。溶媒を除去し
て化合物を得た。
【0304】 (工程2:Raの−CH2CH(OH)CH2OHから−CH2−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−イル)への、そしてRcがアセチルである、
化合物(1)の3−OH形態の転化) トルエン(7mL)中の、工程1の化合物のサンプル(500mg、0.70
mmol)および2,2−ジメトキシプロパン(0.26mL、2.1mmol
)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(160mg、0.84mmol)を加え
、この混合物を55℃で3日間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、そ
してこの溶液を10%炭酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄した。こ
の有機層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を除去して粗生成物を得、これを2:9
7:1メタノール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルク
ロマトグラフィーによって精製し、化合物を得た。
【0305】 (工程3:化合物(1)を形成するための3−OHからカルボニルへの酸化:
aは−CH2−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)であり
、Rcはアセチルである) 工程2(356mg、0.47mmol)の化合物のサンプルを、実施例16
、工程2の手順に従って、N−クロロスクシンイミドおよびジメチルスルフィド
で酸化し、化合物を得た。
【0306】 (工程4:式(1)の化合物を形成するための脱保護:LはCOであり、Tは
NHであり、Raは−CH2(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)であり、RcはHである) 工程3の化合物のサンプル(100mg、0.13mmol)をメタノール(
4mL)中で室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を0.9:98:1メタ
ノール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルクロマトグラ
フィーによって精製した。
【0307】 (任意の工程:化合物(1)のRaの−CH2−(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−イル)から−CH2CH(OH)CH2OHへの転化) 4:1THF/水(2.5mL)中で、工程4(100mg、0.13mmo
l)の化合物のサンプルをp−トルエンスルホン酸(35mg、0.18mmo
l)と共に3時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、この溶液を10
%炭酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄した。この有機相を乾燥し(
Na2SO4)、そして溶媒を除去し、粗生成物を得、これを2:97:1メタノ
ール/クロロホルム/水酸化アンモニウムで溶出するシリカゲルクロマトグラフ
ィーによって精製し、化合物を得た。
【0308】 (実施例28) (11,12環式環を形成する前のC2位置のフッ素化) (2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−デスクラジノシル(d
escladinosyl)−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−2−フル
オロ−15−メチルエリスロマイシンAの合成) テトラヒドロフラン中の2’−O−ベンゾイル−6−O−プロパルギル−3−
デスクラジノシル−3−オキソ−10,11−アンヒドロ−15−メチル−エリ
スロマイシンAの溶液を、不活性大気下で−78℃に冷却し、そしてテトラヒド
ロフラン中の10mM tert−ブトキシドカリウムで処理する。この混合物
を、5分間攪拌し、そしてテトラヒドロフラン中のN−フルオロベンゼンスルホ
ンイミドの溶液を3回に分けて2時間で添加する。添加後、この反応系を周囲温
度に加温し、さらに5時間維持する。水性K2CO2を添加し、そしてこの混合物
をCH2Cl2で抽出する。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、
そしてエバポレートする。シリカゲルのクロマトグラフィーにより、生成物を得
る。
【0309】 (実施例29) (環状カルバメートを形成した後のC2位置のフッ素化) (2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−デオキシ−11−アミノ−2−フルオロ−15−メチルエリスロマイ
シンA11,12環状カルバメートの合成) 2’−O−ベンゾイル−6−O−アリル−3−デスクラジノシル−3−オキソ
−11−デオキシ−11−アミノ−15−メチルエリスロマイシンA11,12
−環状カルバメート(100mg、0.132mmol、1.0当量)のTHF
溶液(0.5ml)に、tert−ブトキシドカリウムのTHF溶液(0.3m
l、1M、2.3当量)を−78℃で添加した。次いで、この反応混合物を、−
60℃〜−40℃に20分間維持し、続いて、THF(0.2ml)中のN−フ
ルオロベンゼンスルホンイミド(46mg、0.146mmol、1.1当量)
を−78℃で導入した。この反応混合物を−70℃〜−40℃に1時間維持し、
その後、−70℃から0℃に1.5時間で加温した。次いで、これを、EtOA
cで希釈し、飽和水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。有機相をM
gSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物のフラッシュクロマトグ
ラフィー(4:1 ヘキサン:アセトン+1%Et3N)によって、76mg(
74%)の所望の生成物を得た。
【0310】
【化20】 (実施例30) (C−13位置の誘導体化) 出発物質:15−アミノエリスロマイシンAジアセテート塩
【0311】
【化21】 50mLのメタノール中の15−アジドエリスロマイシンA(7.75g、1
0mmol)の溶液を、酢酸(2.0mL)および炭素上の10%パラジウム(
0.1g)で処理し、そして薄層クロマトグラフィー分析が、出発物質の完全な
減少を明らかにするまで1atmの水素ガス下で攪拌する。懸濁液をCelit
TMを通して濾過して、触媒を取り除き、次いで乾固するまでエバポレートし
て、生成物を得る。この生成物は、以下の誘導体化のための出発物質として使用
する。
【0312】 (A.15−(キノール−4−イルアセトアミド)エリスロマイシンAの合成
【0313】
【化22】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、キノール−4−イルアセチルクロリド(350mg)
およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3時間後
、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3で3回洗
浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして粗生成
物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を得
る。
【0314】 (B.15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイ
シンAの合成)
【0315】
【化23】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、3−(キノール−4−イル)プロピオニルクロリド(
400mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理す
る。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHC
3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレート
して粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な
生成物を得る。
【0316】 (C.15−(イソキノール−4−イルアセトアミド)エリスロマイシンAの
合成)
【0317】
【化24】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、イソキノール−4−イルアセチルクロリド(350m
g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3時
間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3で3
回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして粗
生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物
を得る。
【0318】 (D.15−(3−(イソキノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロ
マイシンAの合成)
【0319】
【化25】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、3−(イソキノール−4−イル)プロピオニルクロリ
ド(400mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処
理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性Na
HCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレ
ートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純
粋な生成物を得る。
【0320】 (E.15−((キノール−5−イルアミノ)アセトアミド)エリスロマイシ
ンAの合成)
【0321】
【化26】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、(キノール−4−イルアミノ)酢酸(0.30g)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(0.25g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して
処理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性N
aHCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、
純粋な生成物を得る。
【0322】 (F.15−((キノール−6−イルアミノ)アセトアミド)エリスロマイシ
ンAの合成)
【0323】
【化27】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、(キノール−6−イルアミノ)酢酸(0.30g)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(0.25g)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して
処理する。3時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性N
aHCO3で3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポ
レートして粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、
純粋な生成物を得る。
【0324】 (G.15−((キノール−4−イルメチル)カルバモイルアミノ)エリスロ
マイシンAの合成)
【0325】
【化28】 10mLのジクロロメタン中の15−アミノエリスロマイシンAジアセテート
塩(1.0g)の溶液を、キノリン−4−メトキシカルボニルクロリド(400
mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)で、0℃で連続して処理する。3
時間後、この反応系をジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3
3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして
粗生成物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成
物を得る。
【0326】 (実施例31) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンアミド)エリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメート)
【0327】
【化29】 これを、実施例30に記載の手順に従って調製し、15−(3−(キノール−
4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンAで開始する。
【0328】 (実施例32) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(3−(キノール−4−イル)プロピオンア
ミド)エリスロマイシンA11,12−環状カルバメート)
【0329】
【化30】 工程1.THF中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジ
ノシル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−(3−(キノール
−4−イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンA11,12−環状カルバメ
ートの溶液に、tert−ブトキシドカリウム(2.3当量)のTHF溶液を−
78℃で添加する。次いで、この反応混合物を、−60℃〜−40℃に20分間
維持し、続いて、THF(0.2ml)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミ
ド(1.1当量)を−78℃で導入する。この反応混合物を−70℃〜−40℃
に1時間維持し、その後、−70℃から0℃に1.5時間で加温する。次いで、
これを、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄
する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮する。フラッシュクロ
マトグラフィーによって、所望の生成物を2’−O−ベンゾエートとして得る。
【0330】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0331】 (実施例33) (2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキ
ソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロマイシンA11,
12−環状カルバメート)
【0332】
【化31】 これを、上記の手順に従って調製し、15−エテニルエリスロマイシンAで開
始する。
【0333】 (実施例34) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−エテニルエリスロマイシンA11,12−環状カルバメート
【0334】
【化32】 実施例33からの2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジノ
シル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロマ
イシンA11,12−環状カルバメートを、1mLのメタノールに溶解し、密閉
し、そして80℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッ
シュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0335】 (実施例35) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−エテニルエリスロマイシンA11,12−環
状カルバメート)
【0336】
【化33】 工程1.THF中の2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−3−デスクラジ
ノシル−3−オキソ−11−デオキシ−11−アミノ−15−エテニルエリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメートの溶液に、tert−ブトキシドカリ
ウム(2.3当量)のTHF溶液を−78℃で添加する。次いで、この反応混合
物を、−60℃〜−40℃に20分間維持し、続いて、THF(0.2ml)中
のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(1.1当量)を−78℃で導入する。
この反応混合物を−70℃〜−40℃に1時間維持し、その後、−70℃から0
℃に1.5時間で加温する。次いで、これを、EtOAcで希釈し、飽和水性N
aHCO3、水およびブラインで洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し
、そして濃縮する。フラッシュクロマトグラフィーによって、所望の生成物を2
’−O−ベンゾエートとして得る。
【0337】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0338】 (実施例36) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−15−(2−(3−キノリル)エテニル)エリスロマイシンA11
,12−環状カルバメート)
【0339】
【化34】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−15−エテニルエリスロマイシンA
11,12−環状カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン
)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14mg)、トリ−o−トリルホ
スフィン(17mg)、および3−ブロモキノリン(72μl)を、N2でフラ
ッシュした丸底フラスコに置く。脱気したアセトニトリル(1mL)および新し
く蒸留したEt3N(0.015ml)を添加する。この反応系を63時間還流
する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtOAcで希釈する。
この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3、水およびブラインで連
続的に洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮する。粗生
成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0340】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0341】 (実施例37) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(2−(3−キノリル)エテニル)エリスロ
マイシンA11,12−環状カルバメート)
【0342】
【化35】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−15−エテニルエリ
スロマイシンA11,12−環状カルバメート(40mg)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(14mg)、トリ
−o−トリルホスフィン(17mg)、および3−ブロモキノリン(72μl)
を、N2でフラッシュした丸底フラスコに置く。脱気したアセトニトリル(1m
L)および新しく蒸留したEt3N(0.015ml)を添加する。この反応系
を63時間還流する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのEtOA
cで希釈する。この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3、水およ
びブラインで連続的に洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして
濃縮する。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成物を得
る。
【0343】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【0344】 (実施例38) (6−O−メチル−3−デスクラジノシル−3−オキソ−11−デオキシ−1
1−アミノ−2−フルオロ−15−(2−(3−キノリルメチル)エテニル)エ
リスロマイシンA11,12−環状カルバメート)
【0345】
【化36】 工程1:2’−O−ベンゾイル−6−O−メチル−11−アミノ−3−デスク
ラジノシル−11−デオキシ−3−オキソ−2−フルオロ−15−エテニルエリ
スロマイシンA11,12−環状カルバメート、3−アリルキノリン、およびビ
ス(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンロジウムクロリドの混合物を還流ベ
ンゼン中で8時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻し、そして40mLのE
tOAcで希釈する。この溶液を、それぞれ10mLの飽和水性NaHCO3
水およびブラインで連続して洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、
そして濃縮する。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成
物を得る。
【0346】 工程2.工程1の生成物を、1mLのメタノールに溶解し、密閉し、そして8
0℃で16時間還流する。揮発性物質を減圧下で除去する。フラッシュクロマト
グラフィーにより、所望の生成物を得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の化合物に対する中間体の合成の概略を示す。
【図2】 図2は、これらの中間体からの、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図3】 図3は、中間体化合物(7)からの、本発明の化合物の代替的な合成の概略を
示す。
【図4a】 図4aおよび図4bは、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図4b】 図4aおよび図4bは、本発明の化合物の合成の概略を示す。
【図5】 図5は、本発明の化合物(ここでTは−O−である)の合成の概略を示す。
【図6】 図6は、エリスロマイシンのPKS後生合成を示す。この経路は、図1に示さ
れるように、本発明において用いられる。
【図7】 図7は、式(4)の中間体化合物(ここでRaは、メチルである)の合成を示
す。
【図8】 図8は、式(6)の中間体化合物およびそれらの対応する10,11−無水形
態の合成を示す。
【図9】 図9は、式(6)の中間体化合物(無水形態)(ここでORaは、Hによって
置換されている)の合成を示す。
【図10】 図10は、15−アジドエリスロマイシンAの15−アミドエリスロマイシン
への変換を例示する。
【図11】 図11は、15−アミドエリスロマイシンの対応する15−アミド−6−O−
アルキル−ケトライド11,12−環式カルバメートへの変換を示す。
【図12】 図12は、15−アミド−6−O−アルキル−ケトライド11,12−環式カ
ルバメートの特に好ましい例の構造を示す。各々の場合、Xは、HまたはFのい
ずれかであり得る。
【図13】 図13は、15−エテニルエリスロマイシンAの15−エテニル−6−O−ア
ルキル−ケトライド11,12−環式カルバメートへの変換、およびC2位での
任意のフルオロ化を例示する。
【図14】 図14は、15−(2−アリールエテニル)ケトライドを形成するための、1
5−エテニルケトライドのエテニル部分上への芳香族基の結合、および15−(
2−アリールエテニル)ケトライドを形成するための任意の水素付加を例示する
【図15】 図15は、15−(2−アリールエテニル)−6−O−メチル−ケトライド1
1,12−環式カルバメートおよび15−(2−アリールエチル)−6−O−メ
チル−ケトライド11,12−環式カルバメートの特に好ましい例の構造を示す
。各々の場合、Xは、HまたはFのいずれかであり得る。
【図16】 図16は、オレフィン転移による15−エテニルケトライドの合成を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/172,154 (32)優先日 平成11年12月17日(1999.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/172,159 (32)優先日 平成11年12月17日(1999.12.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/173,805 (32)優先日 平成11年12月30日(1999.12.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/173,804 (32)優先日 平成11年12月30日(1999.12.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/550,045 (32)優先日 平成12年4月14日(2000.4.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アシュレー, ギャリー ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94502, アラメダ, バーデマー ドライブ 102 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC03 DD01 KK12 KK21 KK30 4C086 AA01 AA02 EA13 MA01 MA04 NA05 ZB35 【要約の続き】

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式: 【化1】 の化合物であって、ここで、 Raが、H;置換アルキルもしくは非置換アルキル(1〜10C);置換アル
    ケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニルもしくは非置
    換アルキニル(2〜10C);置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14
    C);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C)で
    あるか;またはORaが、Hによって置換されており; Rbが、Hもしくはハロゲンであり; Rcが、Hもしくは保護基であり; Rdが、メチル;非置換アルキル(3〜10C);置換アルキル(1〜10C
    );置換アルケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アリールも
    しくは非置換アリール(4〜14C);置換アリールアルキルもしくは非置換ア
    リールアルキル(5〜20C);置換アリールアルケニルもしくは非置換アリー
    ルアルケニル(5〜20C);置換アリールアルキニルもしくは非置換アリール
    アルキニル(5〜20C);置換アミドアリールアルキルもしくは非置換アミド
    アリールアルキル(5〜20C);置換アミドアリールアルケニルもしくは非置
    換アミドアリールアルケニル(5〜20C);または置換アミドアリールアルキ
    ニルもしくは非置換アミドアリールアルキニル(5〜20C)であり; Reが、Hもしくは保護基であり; Lが、メチレンもしくはカルボニルであり; Tが、−O−、−N(OR)−、−N(NHCOR)−、−N(N=CHR)
    −、もしくは−N(NHR)−であり、ここでRがHもしくは上記で定義される
    aであり、但し、Lがメチレンの場合には、Tが−O−であり; ZおよびYの一方が、Hであり、そして他方が、OHもしくは保護OHである
    か、またはアミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ、保護アミノ
    、またはアミノ複素環であるか、あるいは ZおよびYは、一緒になって、=O、=NOHもしくは誘導体化オキシムであ
    る、化合物、あるいはそれらの任意の薬学的に受容可能な塩、ならびにそれらの
    任意の立体異性体形態および立体異性体形態の混合物。
  2. 【請求項2】 前記Rdが、メチル、プロピルもしくはビニルである、請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 前記Raが、アリールアルケニルもしくはアリールアルキニ
    ルである、請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 前記Raが、3−アリールプロプ−2−エニルもしくは3−
    アリールプロプ−2−イニルである、請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 前記アリールが、3−キノリル、4−キノリルもしくは5−
    キノリル、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキ
    シフェニル、6−キノリル、6−キノキサリル、6−アミノ−3−キノリル、ま
    たは4−イソキノリルである、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 前記RaがHもしくはC1〜C3アルキルである、請求項1
    に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 前記Raがメチルである、請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 前記Rbがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 前記Rdが、誘導体化のために利用可能な置換基である、請
    求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 前記Rdが、アルケニル、アルキニル、もしくはアジド含
    有置換基である、請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 前記Rdが、ビニル、ブテニル、プロパルギルもしくはア
    ジドアルキルである、請求項10に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 前記Rdが誘導体化された置換基である、請求項1に記載
    の化合物。
  13. 【請求項13】 前記Rdが、アルケニル、アルキニルもしくはアジド含有
    置換基の誘導体である、請求項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 前記Rdが、ビニル、ブテニル、プロパルギルもしくはア
    ジドアルキルの誘導体である、請求項13に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 前記Rdが、置換もしくは非置換のアミドアリールアルキ
    ル、アミドアリールアルケニル、アミドアリールアルキニルもしくはアリールア
    ルキルである、請求項12に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 薬学的に受容可能な賦形剤との混合物として、請求項1に
    記載の化合物を含む、薬学的組成物。
  17. 【請求項17】 被験体における感染を制御する方法であって、該方法は、
    このような制御を必要とする被験体に、有効量の請求項1に記載の化合物または
    その薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 微生物による腐敗から物質を保存する方法であって、該方
    法は、有効量の請求項1に記載の化合物を、該物質に提供する工程を包含する、
    方法。
  19. 【請求項19】 以下の式: 【化2】 の化合物であって、ここで、 Raが、H;置換アルキルもしくは非置換アルキル(1〜10C);置換アル
    ケニルもしくは非置換アルケニル(2〜10C);置換アルキニルもしくは非置
    換アルキニル(2〜10C);置換アリールもしくは非置換アリール(4〜14
    C);置換アリールアルキルもしくは非置換アリールアルキル(5〜20C)で
    あるか;またはORaが、Hによって置換されており; Rbが、水素もしくはハロゲンであり; RcおよびReが各々独立して、水素もしくは保護基であり; Rdが、ブチル、ペンチル、メトキシエトキシメチル、イソブチル、メチルシ
    クロヘキシル、フェニル、ベンジル、エチルフェニル、3−(ベンジルオキシ)
    プロピル、2−(ピリミジン−2−イルチオ)エチル、プロピル、フルオロエチ
    ル、クロロエチル、ビニル、3−ブテニル、もしくはアジドエチルであり;そし
    て Rfが、水素である、化合物。
  20. 【請求項20】 Raがアリルであり; RbおよびRfが各々水素であり; RcおよびReが各々独立して水素もしくは保護基であり;そして Rdがプロピルである、請求項19に記載の化合物。
  21. 【請求項21】 Raがアリルであり; RbおよびRfが各々水素であり; RcおよびReが各々独立して水素もしくは保護基であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 Raがアリルであり; Rbがフルオロであり; RcおよびReが各々独立して水素もしくは保護基であり; Rdがプロピルであり;そして Rfが水素である、請求項19に記載の化合物。
  23. 【請求項23】 Raがアリルであり; Rbがフルオロであり; RcおよびReが各々独立して水素もしくは保護基であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  24. 【請求項24】 Raが3−アリールプロプ−2−エニルであり; Rbが水素もしくはフルオロであり; RcおよびReが各々独立して水素もしくは保護基であり; Rdがプロピルもしくはフルオロエチルであり;そして Rfが水素である、請求項19に記載の化合物。
  25. 【請求項25】 前記アリールが、3−キノリル、4−キノリル、5−キノ
    リル、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフ
    ェニル、6−キノリル、6−キノキサリル、6−アミノ−3−キノリル、または
    4−イソキノリルである、請求項24に記載の化合物。
  26. 【請求項26】 Raが3−キノリルであり; Rb、Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがプロピルである、請求項19に記載の化合物。
  27. 【請求項27】 Raが6−キノキサリルであり; Rb、Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  28. 【請求項28】 Raが3−キノリルであり; Rb、Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  29. 【請求項29】 Raが6−キノキサリルであり; Rb、Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  30. 【請求項30】 Raが3−キノリルであり; Rbがフルオロであり; Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがプロピルである、請求項19に記載の化合物。
  31. 【請求項31】 Raが6−キノキサリルであり; Rbがフルオロであり; Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  32. 【請求項32】 Raが3−キノリルであり; Rbがフルオロであり; Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
  33. 【請求項33】 Raが6−キノキサリルであり; Rbがフルオロであり; Rc、ReおよびRfが各々水素であり;そして Rdがフルオロエチルである、請求項19に記載の化合物。
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