JP2003522073A - 自動車室内用の内部装備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、車室が少なくとも１つの床と屋根とによって限られ、屋根は柱（１６）を介して車両の少なくとも１つの側面に連結され、柱（１６）は中空、管状で略垂直をなして車両の側方のドア手段を支持し、少なくとも１つのカバー部材（２４）が、柱の車室の内部へ向けられた内側の面（５８）に取り付けられる、自動車室内用の内部装備において、少なくとも１つのカバー部材（２４）は、Ｕ字状の断面形状を呈するチャネル状に形成され、Ｕ字の左右の辺に相当する枝部（４０、４２）は、管状の柱（１６）の内側の面（５８）に直交する方向（Ｄ）から下部カバー部材（２４）を弾性的に嵌め込んで装着することを可能にする弾性を有することを特徴とする自動車室内用の内部装備を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、自動車室内用の内部装備に関する。 本発明は、特に車室が少なくとも１つの床と屋根とによって限られ、屋根は柱
を介して車両の少なくとも１つの側面に連結され、柱は中空、管状で略垂直をな
して車両の側方のドア手段を支持し、少なくとも１つのカバー部材が、柱の車室
の内部へ向けられた内側の面に取り付けられるタイプの自動車室内用の内部装備
に関する。

【０００２】 このタイプの内部装備の多くの例が知られている。 多くの自動車室内用の内部装備は、中空で管状の１個の柱に取り付けられる、
プラスチック材料で作られた、１または２のカバー部材を有している。 特に、多くの場合、自動車室内用の内部装備は、柱の上部を覆い、車両の巻き
込み型の安全ベルトの戻し止め金を固定するビスが貫通する、上部のカバー部材
を有している。 この自動車室内用の内部装備は、また、柱の下部を覆う、下部のカバー部材を
有している。この内部のカバー部材は、特に、中空な柱の凹部に受け入れられた
安全ベルトの巻き取り装置を覆うことが可能である。安全ベルトの先端は、車両
の内部の上部のカバー部材と下部のカバー部材との連接部の高さに位置する、車
両の内部のカバー部材から車室内へ現われる。

【０００３】 このような車両の内部を覆うカバー部材の主要な問題点は、柱への取り付け方
法にある。 このような内部のカバー部材は、一般に、雄型または雌型のクリップを用いて
柱へ取り付けられる。雄型または雌型のクリップは、柱に取り付けられた相補的
な雌型または雄型の受入れ部に受け入れられる。車両の組立時における内部のカ
バー部材の取り付けには、組立作業員の長時間の作業を要するという問題があっ
た。

【０００４】 この問題を解決するために、特開平８−１１６４３号公報に記載されているよ
うな下部のカバー部材が提案されている。このカバー部材は、略Ｕ字状の断面形
状をなし、Ｕ字の左右の辺に相当する枝部の先端は、内側へ向けて曲げられてい
る。Ｕ字の第１の枝部の一端は、柱の垂直なフランジを横方向に挟み込むための
クリップを有している。Ｕ字の第２の枝部のもう一つの端は、柱の横のもう一つ
のフランジの背後に嵌め込まれるように、その全体的な方向に対して直角に曲げ
られている。取り付けの際には、取り付け作業員は、先ず第１の枝部を取り付け
、次いで、下部のカバー部材を弾性変形させながら第２の枝部を取り付ける。

【０００５】 この下部のカバー部材に関する問題は、第１の枝部を、柱のフランジに対して
、高さ方向の全長にわたって、正確に位置決めする必要があるという点にある。 また他方では、このような下部のカバー部材は、一般に、取り付けられる柱に
相対的な可動性が小さく、隣接する座席の背に収納された車両のエアーバッグの
展張を妨げる危険性がある。 最後に、このような下部のカバー部材は、組立ロボット手段によって装着する
ことはできない。

【０００６】 このような問題を解決するために、本発明は、１方向からの簡単な嵌め込みに
よって装着することができる、弾性変形可能な、内部のカバー部材を提供する。

【０００７】 このため、本発明は、発明の詳細な説明の冒頭部に記載したタイプの自動車室
内用の内部装備において、少なくとも１つのカバー部材は、Ｕ字状の断面形状を
呈するチャネル状に形成され、Ｕ字の左右の辺に相当する枝部は、管状の柱の内
側の面に直交する方向から下部カバー部材を弾性的に嵌め込んで装着することを
可能にする弾性を有することを特徴とする。

【０００８】 本発明の他の特徴によれば： 管状の上記柱は、垂直な２つのフランジを有し、各上記フランジは、継手のク
リップに挟み込まれており、上記継手の上記柱の上記内側の面に直交する垂直面
は、上記カバー部材のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部の支持部を形成し、 各上記継手は、弾性の彎曲枝状部を有し、上記彎曲枝状部は、上記柱の垂直な
各上記フランジに略平行に車室の内部に向けて伸び、上記カバー部材の上記枝部
の導入部と、上記カバー部材のＵ字型の底辺に相当する中間枝部のための受け台
を形成し、 上記カバー部材の上記枝部の端部は、上記カバー部材を上記継手の二重管状部
の部分の上に留置するためのフックを形成し、 Ｕ字状の上記カバー部材のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部の長さは、上記
カバー部材のＵ字の底辺に相当する上記中間枝部と上記柱の上記内側の面との間
に、上記柱の上記内側の面に取り付けられる安全ベルトの装置を搭載するための
、横方向のクリアランスを残すことを可能にする所定の長さにし、 上記カバー部材のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部の剛性は、隣接する座席
によって支持されている車両のエアバッグの展張の際に、弾性変形による上記カ
バー部材の圧縮を可能にするように決められ、 上記カバー部材は、管状の上記柱の下部から上部へ伸び、上記柱の上部のカバ
ー部材と整合するための上部水平端部を有する。

【０００９】 本発明のその他の特徴及び利点は、理解のために添付図面を参照する以下の詳
細な説明を読むことによって明らかとなるであろう。 図１は、本発明による自動車室内用の内部装備の斜視図である。 図２は、図１の内部装備の内部カバー部材の、組立工程における横方向断面図
である。 図３は、図１の内部装備の内部カバー部材の、組み立てられた状態を示す横方
向断面図である。 図４は、図２の内部カバー部材の、縦方向断面図である。

【００１０】 以下の記載において、同一の参照数字は、同一、または類似の機能を有する部
品を示す。

【００１１】 図１に、自動車の車室１０内の内部装備の組立体を示す。

【００１２】 公知のように、車室１０は、少なくとも１つの床１２と、屋根１４によって限
られている。屋根１４は、柱１６を介して、少なくとも１つの側面と連結されて
いる。柱１６は、略垂直な中空管状をなし、車両の側方のドア手段を支持してい
る。 特に、柱１６は、前部ドア１８の錠の舌状金具（図示しない）を受け入れると
ともに、後部ドア２０の回動蝶番（図示しない）を支持することができる。 公知のように、少なくとも１つのカバー部材が、柱１６の車室１０内へ向けら
れた面（内側の面）に取り付けられる。 特に、図１に示す内部装備は、柱１６の上部を覆う上部のカバー部材２２と、
柱１６の下部を覆う下部のカバー部材２４を有する。 上部のカバー部材２２を、車両の巻き込み型の安全ベルト３２の戻し止め金２
８を固定するビス２６が貫通している。戻し止め金２８を車両の安全ベルト３２
のベルト３０が貫通している。 下部のカバー部材２４は、例えば、柱１６の凹部３８の中に収容された安全ベ
ルト３２の巻き取り器３６を覆うことができる。安全ベルト３２のベルト３０は
、上部のカバー部材２２と下部のカバー部材２４との接合部から車両の車室内へ
出てくる。

【００１３】 本発明によれば、特に図２に示すように、下部のカバー部材２４は、Ｕ字状の
断面形状を呈するチャネル状に形成される。Ｕ字の左右の辺に相当する枝部４０
、４２は、管状の柱１６の内側の面５８に直交する方向Ｄから、下部のカバー部
材２４を管状の柱１６へ弾性的に嵌め込んで装着することを可能にするための弾
性を有する。

【００１４】 本発明は、下部のカバー部材２４以外のカバー部材にも適用可能である。これ
らの図に示す本発明の実施の形態の例においては、安全ベルト３２の戻し止め金
２８の高さの調整装置の通過を可能にする開口部２５が設けられるなら、下部の
カバー部材２４と類似の特性を呈する上部のカバー部材２２を管状の柱１６の上
部にも、設けることができる。 同様に、本発明は、より一般的には、車体の構造の管状の部材にはめこむこと
が可能な、あらゆる内部カバー部材に適用することができる。

【００１５】 図１及び４に示す本発明の望ましい実施の形態においては、下部のカバー部材
２４は、管状の柱１６の下部から上部へ伸び、柱の上部を覆う上部のカバー部材
２２と整合する上部水平端部１７を有する。

【００１６】 図２に示すように、管状の柱１６は、略垂直で、例えば略長方形の管状断面の
中心部４６を有する。中心部４６の両側に配置された２つのフランジ４８、５０
が、中心部４６から垂直方向に、車両の一般的な縦方向に平行な面内を伸びてい
る。 各フランジ４８、５０は、継手５４のクリップ５２に挟み込まれている。継手
５４の垂直面５６は、柱１６の内側の面５８と直交している。

【００１７】 下部のカバー部材２４の枝部４０、４２は、装着しない状態（図示しない）で
は、所定の間隔を有している。装着の際には、図２に示すように、枝部４０、４
２が弾性的に変形し、枝部４０、４２の端部６０の内面が、継手５４の垂直面５
６の抗力のために最初の所定の間隔よりも広い間隔Ｅに拡げられて受け入れられ
るように、下部のカバー部材２４を柱１６の内側の面５８に直交する方向Ｄから
押しつける。 したがって、継手５４の各垂直面５６は、下部のカバー部材２４の対応する枝
部４０、４２のための支持部を形成し、下部のカバー部材２４は、弾性変形によ
って簡単に継手５４に対向して留置される。

【００１８】 望ましくは、本発明の望ましい実施の形態においては、各継手５４は、弾性の
彎曲枝状部６２を有する。彎曲枝状部６２は、垂直な各フランジ４８、５０に略
平行に車室の内部に向けて伸び、下部のカバー部材２４の枝部４０、４２の導入
部と、下部のカバー部材２４のＵ字型の底辺に相当する中間枝部６４のための受
け台とを形成する。 継手５４の各彎曲枝状部６２の面は、互いに他の彎曲枝状部６２の方へ向けて
彎曲している。このため、下部のカバー部材２４が、図２に示すように、継手５
４に対向して、柱１６の内側の面５８に直交する方向Ｄに沿って導かれると、枝
部４０、４２は彎曲枝状部６２にぶつかり、彎曲枝状部６２は枝部４０、４２を
開かせ、同時に枝部４０、４２は垂直面５６へ向けて滑動する。さらに下部のカ
バー部材２４の柱１６の内側の面５８に直交する方向Ｄに沿っての移動を継続す
ると、今度は下部のカバー部材２４の中間枝部６４が継手５４の弾性の彎曲枝状
部６２にぶつかり、彎曲枝状部６２は、図３に示すように、下部のカバー部材２
４の前進に対抗する受け台を形成する。

【００１９】 さらに、同じく図３に示すように、下部のカバー部材２４の枝部４０、４２の
自由端は、下部のカバー部材２４を継手５４の上に留置するためのフック６３を
形成している。 このため、継手５４は、二重管状部の部分３４を有する。部分３４は、柱１６
の垂直なフランジ４８、５０の彎曲枝状部６２が設けられている側と反対の側に
配置される。各部分３４は、概ね８の字型の断面形状を呈するように、単純な２
つの管３３、３５を連結して形成される。管３３は垂直面５６に連結され、各管
３５は各管３３に連結される。管３３、３５は、図３に示すように、下部のカバ
ー部材２４を留置するためにフック６３の作用を受けて弾性変形可能なように、
継手５４と同じ材料で作る。

【００２０】 望ましくは、Ｕ字状の下部のカバー部材２４のＵ字の左右の辺に相当する枝部
４０、４２の長さは、下部のカバー部材２４が一旦装着されると、下部のカバー
部材２４のＵ字の底辺に相当する中間枝部６４と柱１６の内側の面５８との間に
、特に図１を参照して前に説明した巻き込み型の安全ベルト３２の装置を搭載す
るための、横方向のクリアランスＪを残すことを可能にする所定の長さＬにする
。

【００２１】 望ましくは、柱に隣接する車両の座席によって支持されているエアバッグが展
張する際には、クリアランスＪが縮小されるようにする。このようにすれば、下
部のカバー部材２４は、エアバッグの機能を妨げることはなく、エアバッグの作
用で圧縮される。

【００２２】 下部のカバー部材２４のＵ字の左右の辺に相当する枝部４０、４２の横方向の
剛性は、下部のカバー部材２４の装着のし易さと、柱に隣接する車両の座席によ
って支持されているエアバッグが作動した際の弾性変形による圧縮との、両方を
勘案して定められる。

【００２３】 下部のカバー部材２４は、容易に装着可能である。装着の第１工程においては
、継手５４を柱１６のフランジ４８、５０に挟み付け、次いで第２工程において
は、下部のカバー部材２４を継手５４に嵌め込む。

【００２４】 このように、本発明は、装着が容易な自動車室内用の内部装備を得ることを可
能にし、従って車両の全体的な組立コストの削減を可能にする。また、装着は自
動化が可能であり、これは車両の全体的な組立コストの更なる削減を有利に可能
にする。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室（１０）が少なくとも１つの床（１２）と屋根（１４）とによって限られ
   、上記屋根（１４）は柱（１６）を介して車両の少なくとも１つの側面に連結さ
   れ、上記柱（１６）は中空、管状で略垂直をなして車両の側方のドア手段（１８
   、２０）を支持し、少なくとも１つのカバー部材（２２、２４）が、上記柱（１
   ６）の上記車室（１０）の内部へ向けられた内側の面（５８）に取り付けられる
   、自動車室内用の内部装備において、上記少なくとも１つのカバー部材（２４）
   は、Ｕ字状の断面形状を呈するチャネル状に形成され、Ｕ字の左右の辺に相当す
   る枝部（４０、４２）は、管状の上記柱（１６）の上記内側の面（５８）に直交
   する方向（Ｄ）から上記下部カバー部材（２４）を弾性的に嵌め込んで装着する
   ことを可能にする弾性を有することを特徴とする自動車室内用の内部装備。
2. 【請求項２】 管状の上記柱（１６）は、垂直な２つのフランジ（４８、５０）を有し、各上
   記フランジ（４８、５０）は、継手（５４）のクリップ（５２）に挟み込まれて
   おり、上記継手（５４）の上記柱（１６）の上記内側の面（５８）に直交する垂
   直面（５６）は、上記カバー部材（２４）のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部
   （４０、４２）の支持部を形成することを特徴とする請求項１に記載の自動車室
   内用の内部装備。
3. 【請求項３】 各上記継手（５４）は、弾性の彎曲枝状部（６２）を有し、上記彎曲枝状部（
   ６２）は、上記柱の垂直な各上記フランジに略平行に車室の内部に向けて伸び、
   上記カバー部材（２４）の上記枝部（４０、４２）の導入部と、上記カバー部材
   （２４）のＵ字型の底辺に相当する中間枝部（６４）のための受け台とを形成す
   ることを特徴とする請求項１または２に記載の自動車室内用の内部装備。
4. 【請求項４】 上記カバー部材の上記枝部（４０、４２）の端部は、上記カバー部材（２４）
   を上記継手（５４）の二重管状部の部分（３４）の上に留置するためのフック（
   ６３）を形成することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の自動車
   室内用の内部装備。
5. 【請求項５】 Ｕ字状の上記カバー部材（２４）のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部（４０
   、４２）の長さは、上記カバー部材（２４）のＵ字の底辺に相当する上記中間枝
   部（６４）と上記柱（１６）の上記内側の面（５８）との間に、上記柱（１６）
   の上記内側の面（５８）に取り付けられる巻き込み型の安全ベルト（３２）の装
   置を搭載するための、横方向のクリアランス（Ｊ）を残すことを可能にする所定
   の長さ（Ｌ）にすることを特徴とする請求項３または４に記載の自動車室内用の
   内部装備。
6. 【請求項６】 上記カバー部材（２４）のＵ字の左右の辺に相当する上記枝部（４０、４２）
   の剛性は、隣接する座席によって支持されている車両のエアバッグの展張の際に
   、弾性変形による上記カバー部材（２４）の圧縮を可能にするように決められる
   ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の自動車室内用の内部装備
   。
7. 【請求項７】 上記カバー部材（２４）は、管状の上記柱（１６）の下部から上部へ伸び、上
   記柱（１６）の上部のカバー部材（２２）と整合するための上部水平端部（１７
   ）を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載の自動車室内用
   の内部装備。