JP2003518913A - ニューロン関連タンパク質 - Google Patents

ニューロン関連タンパク質

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JP2003518913A JP2000586911A JP2000586911A JP2003518913A JP 2003518913 A JP2003518913 A JP 2003518913A JP 2000586911 A JP2000586911 A JP 2000586911A JP 2000586911 A JP2000586911 A JP 2000586911A JP 2003518913 A JP2003518913 A JP 2003518913A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトニューロン関連タンパク質(NEUAP)と、NEUAPを同定しコードするポリヌクレオチドとを提供する。本発明はまた、発現ベクター及び宿主細胞、抗体、アゴニスト、アンタゴニストを提供する。更に、本発明は、NEUAPの発現に関連する疾患の診断または治療方法、予防方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ニューロン関連タンパク質の核酸配列およびアミノ酸配列、並びに
これらの配列を用いた癌を含む細胞増殖異常症、ニューロン及び神経の疾患、及
び自己免疫異常症/炎症性疾患の診断、治療並びに予防に関する。
【0002】 (発明の背景) 全ての身体機能を調節するヒトの神経系は、中枢神経(CNS)及び末梢神経系
(PNS)から構成される。CNSは脳及び脊髄からなり、PNSは、神経パルスを感覚
器からCNSへ導く求心性神経経路と、運動インパルスをCNSから効果器へ導く導入
神経経路(afferent neural pathway)とからなる。PNSは更に、骨格筋などの随
意運動を制御する体性神経系と、心臓、肺及び内臓などの内部器官の随意運動を
制御する自律神経系とに分類される。
【0003】 中枢神経系(CNS)は、脊髄レベル、脳の下部レベル、及び脳の上部或いは皮
質レベルにおける1000億以上のニューロンで構成されている。ニューロンは、電
気及び信号の細胞間伝達を行う。骨脊椎管内の中枢神経の薄い管状の伸展である
脊髄は、上行性感覚経路及び下行性運動経路を含み、脳幹及び大脳半球の膜と連
続した膜によって覆われている。また、脊髄は、胴及び四肢の運動出力系及び感
覚入力系の殆ど全てを含み、脊髄の神経回路が、歩行などのリズム運動及び様々
な反射運動を制御する。髄質、脳橋、中脳、小脳、基底核、黒質、視床下部及び
視床などの脳の下部領域は、動脈圧、呼吸作用、平衡、及び唾液分泌などの給食
反射を含む無意識動作を制御する。怒り、興奮、性的反応、及び痛みや喜びに対
する反応などの感情は、脳の下部で起こる。大脳皮質或いは脳の上部は、脳梁に
よって互いが連結された左脳及び右脳からなり、脳の最も大きい部分である。大
脳皮質は、感覚、運動、知覚に関連する統合的機能、随意筋骨格の運動、並びに
意識、言語、感情及び記憶に関連する広範囲の活動に関与する。大脳は、神経系
の下部中央に関連して機能する。
【0004】 神経細胞(ニューロン)は、細胞体、軸索、樹状突起及び軸索終末の4つの領
域を含む。細胞体は核及び他の細胞小器官を含む。樹状突起は、細胞体から外側
に伸びて感覚器や他のニューロンの軸作から信号を受け取る複数の突起である。
これらの信号は電気インパルスに変換されて細胞体に伝達される。長さが1mm
から1mにも及ぶ軸索は、神経インパルスを細胞体から外に向かって導く1つの
突起である。微小管及びニューロフィラメントを含む細胞骨格線維は、軸索の長
さ方向に渡り、タンパク質、膜小胞及びその他の高分子を軸索に沿って細胞体か
ら軸索終末へ輸送する際に機能する。軸索の中には、乏突起神経膠細胞(CNS)
或いはシュヴァン細胞(PNS)のどちらかの膜からなるミエリン鞘によって囲ま
れている。ミエリン鞘に囲まれた軸索は、同じ径のミエリン鞘を有しない軸索よ
り早い速度で電気インパルスを伝達する。軸索終末は、細胞体から離れた軸索の
先端部に位置する(Lodish, H. 他 (1986) Molecular Cell Biology Scientific
American Books New York NY, pp. 715-719を参照)。
【0005】 CNS関連タンパク質は、ニューロンのシグナル伝達、細胞接着、神経の再生、
軸索誘導、神経発生及びその他の機能に関与する。ある種のCNS関連タンパク質
は、膜の重要な部分を形成するか或いは膜に付着する。例えば、神経膜タンパク
質35(NMP35)は、ニューロン膜と密接に関連し、成体ラットの神経系で多量に
発現することが知られている(Schweitzer, B. 他 (1998) Mol. Cell. Neurosci
. 11: 260-273.)。synaptophysin(SY)は、小シナプス小胞の主な内在性膜タ
ンパク質である。ヒト及びマウスにおけるSYの染色体の位置は、サブバンドXp11
.22-p11.23のX染色体上である。この領域は、ウィスコット‐アルドリッチ症候
群、3種類のX染色体性カルシウム過剰尿症性腎結石症(X-linked hypercalciur
ic nephrolithiaisis)、並びに色素性網膜炎2、先天定常性夜盲症及びAland I
sland眼疾患などの眼の疾患を含む幾つかの遺伝性疾患に関係している(Fisher,
S. E. 他 (1997) Genomics 45: 340-347.)。peripherin或いは網膜変性緩徐(
rds:retinal degeneration slow)タンパク質は、光受容器の外節のディスクの
リムに存在する内在性膜糖タンパク質である。哺乳動物において、rdsは、関連
非グリコシル化タンパク質との異好性相互作用によって、ディスクのリムを安定
化すると考えられている。rdsは、杆体及び錐体光受容器の異常な発達及びそれ
に続く緩徐変性(slow degeneration)という特徴を有するマウスの神経系突然
変異である(Kedzierski, W. J. 他 (1999) Neurochem. 72: 430-438.)。
【0006】 43KDシナプス後タンパク質或いはアセチルコリン受容体関連43KDタンパク質(
RAPSYN)は、シナプス部位のニコチンアセチルコリン受容体の固着及び安定にお
いてある役割を果たしていると考えられる。RAPSYNは膜結合に関与し、ニコチン
アセチルコリン受容体を下方のシナプス後細胞骨格と結合すると考えられる(Bu
ckel, A. 他 (1996) Genomics 35: 613-616.)。neuritinはその遺伝子が、神経
活性及び神経突起生成を促進するニューロトロフィンによって誘導されるとして
知られるタンパク質である。neuraxinは、微小管関連タンパク質5(MAP5)に免
疫学的に関連するとされるラット中枢神経系の構造タンパク質である。neuraxin
は、新種のニューロン特異的タンパク質であり、その特徴は、12の中央ヘパタデ
カン反復(central heptadecarepeats)及び推定上のタンパク質と膜との相互作
用部位をもつ変わったアミノ酸組成である。neuraxinをコードする遺伝子は、一
倍体ラットゲノムに特有であり、高等脊椎動物に保存されている。neuraxinは、
ニューロン膜と微小管の相互作用に関与し、齧歯類の全ての中枢神経系(CNS)
で発現する(Rienitz, A. 他 (1989) EMBO J. 8: 2879-2888.)。
【0007】 核運動タンパク質であるNudCは、ニューロン遊走に関与するタンパク質である
脳回欠損遺伝子産物と相互作用する。Miller-Dieker症候群(MDS)或いはisolat
ed lissencephaly sequence(ILS)の患者は、LIS1遺伝子におけるヘミザイガス
の欠損或いは変異がある。両方の症状の特徴は、平滑な脳表面、異常な4層を含
む厚くなった皮質、及びニューロンの置換である。LIS1は、心室領域及び皮質板
(cortical plate)において多量に発現する。MDS及びILSの表現型に関連するLI
S1とNudCとの相互作用から、心室領域における核運動がニューロンの運命及び皮
質構造に密接に関連する可能性が高まった(Morris, S. M. 他 (1998) Curr. Bi
ol. 8: 603-606.)。
【0008】 ホスホタンパク質もCNS関連タンパク質となり得る。例えば、ARPP21(サイク
リックAMP調節性ホスホタンパク質)は、線条及びその他の脳のドーパミン受容
体において非常に多く存在するサイトゾルニューロンホスホタンパク質である。
ARPP21 mRNAの安定した状態のレベルは、発達段階で調節される。しかし、新生
動物及び成熟動物において、黒質の6-ヒドロキシドーパミン障害或いはD1または
D2ドーパミン受容体をアップレギュレートする薬物療法によって、ARPP21 mRNA
は変化しない(Ehrlich, M. E. 他 (1991) Neurochem. 57: 19851991.)。
【0009】 CNS関連シグナル伝達タンパク質は、PDZドメインを含み得る。PDZドメインは
、細胞膜表面のシグナル伝達現象に関与する多機能タンパク質複合体の形成にお
いて、アダプターとして作用するタンパク質に見られる。PDZドメインは、一般
に、ニューロン酸化窒素シンターゼ(NOS)及び幾つかのジストロフィン関連タ
ンパク質を含む膜関連タンパク質にみられる(Ponting, C. P. 他 (1997) Bioes
says 19: 469-479.)。
【0010】 CNS関連タンパク質はまた、上皮成長因子(EGF)ドメインを含み得る。Notch
タンパク質は、反復EGFドメインの細胞外領域を含む膜貫通タンパク質である。D rosophila melanogaster 神経原性タンパク質NotchなどのNotchタンパク質は、
一般に、発達プロセスの抑制に関与する。Notchファミリーの別のメンバーには
Caenorhabditis elegansのlin-12及びglp-1遺伝子が含まれる。遺伝子の研究
によって、lin-12及びglp-1タンパク質が、ある種の胎児障害に関与し得る特定
の発達中の細胞間相互作用において受容体として作用することが示された(Tax,
F. E. 他 (1994) Nature 368: 150-154.)。D. melanogasterの母性効果神経原
性遺伝子座pecanexは、巨大膜貫通タンパク質をコードすると考えられている。p
ecanex遺伝子の母性発現がない場合、Notch変異胎児の特徴と同じように重度の
過剰神経化(hyperneuralization)が胎児に起こる(LaBonne, S. G. 他 (1989)
Dev. Biol. 136 : 1-116.)。他のCNS関連シグナル伝達タンパク質はWWドメイ
ンを含む。このWWドメインは、高度に保存された2つのトリプトファンを有する
タンパク質モチーフであり、Huntingtin相互作用タンパク質を含む多数のシグナ
ル伝達タンパク質及びシグナル調節タンパク質に存在する。
【0011】 アルツハイマー病(AD)は、中年及び老年期の進行性の記憶喪失及び認識の低
下を起こすCNSの変性疾患である。ADは、アミロイドの堆積及び神経内神経原線
維濃縮体を含む広範囲な神経病理学的特徴を有する。神経変性及びADにつながる
病原経路は充分には解明されていないが、このような疾患に遺伝的に罹患し易く
なる少なくとも3つの遺伝子座が同定された(Schellenberg, G. D. (1995) Pro
c. Natl. Acad. Sci. 92: 8552-8559 : Sherrington, R. 他 (1995) Nature375:
754-760)。
【0012】 Neuronal Thread Proteins(NTP)は、脳及び神経外胚葉腫瘍細胞株に見られ
る免疫学的に関連する分子のグループである。NTPの発現は、細胞増殖、分化及
び脳の発達の際のニューロン細胞、アルツハイマー病(AD)の脳、及び新生神経
発芽に関連する病状において増大する(de la Monte, S. M. 他 (1996) J.Neuro
pathol. Exp. Neurol. 55: 1038-1050)。末期AD脳ライブラリから単離した組み
換えNTPであるAd7c-NTPに対して作製されたモノクロナール抗体によって、AD脳
組織の白質線維、神経細胞体、及び神経網線維におけるNTP免疫活性レベルの上
昇が示された。in vitro研究によって、成長因子誘発性神経発芽及びニューロン
分化の際の、NTPのアップレギュレーション、リン酸化、及び神経網線維から細
胞の突起や成長円錐への転位置が実証された。更に、AD神経変性が十分に起こる
前の10代始めのダウン症患者、並びに脳の調節においてNTPが発現しない或い
は低レベルで発現する年齢のダウン症患者の脳において、NTP免疫活性の上昇が
みられた。このような研究結果から、脳におけるNTPの異常な発現及び蓄積は、
ダウン症におけるAD神経変性の初期のサインと考えられる(de la Monte, S. M.
他 (1996) J. Neurol. Sci.135: 118-125)。更に、AD脳組織におけるNTPの発
現の増大及び蓄積は、髄液(CSF)におけるNTPの上昇と平行して起こり、CSFに
おけるNTPレベルの上昇は、この疾患の初期に検出することができる。
【0013】 星状細胞腫及びより悪性のグリア芽細胞腫が、最も一般的な原発脳腫瘍であり
、原発脳腫瘍の65%以上を占める。これらの腫瘍は、星状細胞系のグリア細胞
において発生する。病原体に感染すると、星状細胞が抗原提示細胞として機能し
、リンパ球及びマクロファージの活性を調節する。通常は病原体に感染した後に
のみ発現されるサイトカイン及びインターロイキンを、星状細胞腫は多量に恒常
的に発現する(de Micco, C. (1989) J. Neuroimmunol. 25: 93-108)。星状細
胞の分化に関連した遺伝子の同定のために、植物病原関連(PR)タンパク質に構
造的に関連したタンパク質をコードする星状細胞腫cDNAライブラリから1つのcD
NAを単離した(Murphy, E. V. 他 (1995) Gene 159: 131-135)。神経膠腫病原
関連タンパク質(GliPR)はグリア芽細胞腫において多量に発現するが、胎児や
成人の脳では発現せず、また、他の神経系の腫瘍でも発現しない。PRタンパク質
は、タバコモザイクウイルスなどのウイルス感染によって植物に導入されるプロ
テアーゼ耐性タンパク質(10−20 kDa)のファミリーである。PRタンパク質の合
成は、植物における原始的な免疫応答の一部だと考えられている(van Loon, L.
C. (1985) Plant Mol. Biol. 4: 111-116)。適正な間隔で金属結合ドメイン(
前記Murphy他)を形成する保存されたHis-Glu-Hisの3つのアミノ酸が含まれる
タンパク質の約2/3を構成する領域において、GliPRとPR-1タンパク質ファミ
リーとの相同性は50%に達する。
【0014】 Fe65タンパク質ファミリーの新しいメンバーであるFe65様タンパク質(Fe65L2
)は、アルツハイマーβアミロイド前駆体タンパク質(APP)の細胞質ドメイン
と相互作用するリガンドの1つである。遺伝子組換えマウスが発現するAPPは、
アルツハイマー病の幾つかの顕著な行動的及び病理学的な特徴を擬態するとして
知られている。この行動的及び病理学的な特徴には、加齢関連学習及び記憶障害
、神経喪失、グリオーシス、神経変化、アミロイドの蓄積、及び異常なtauリン
酸化が含まれる。APPの細胞質ドメインと相互作用するタンパク質は、APPの病理
学的な機能、即ちアルツハイマー病の病因についての新たな発見に役立つ(Duil
io, A. 他 (1998) Biochem. J. 330: 513-519.)。
【0015】 シナプスと呼ばれる特定の部位において、ニューロンと別のニューロンとの接
触が起こる。この部位において、1つのニューロン(シナプス前細胞)の軸索終
末が、別のニューロン(シナプス後細胞)に信号を送る。シナプス同士は、電気
的或いは化学的に連結され得る。2つのニューロンを結合するギャップ結合から
なる電気シナプスによって、電気インパルスがシナプス前細胞からシナプス後細
胞に直接送られる。化学シナプスにおいては、シナプス前神経細胞の軸索終末が
、特定の神経伝達物質分子を有する膜小胞を含む。電気インパルスによる神経終
末において電位の変化が起こり、エキソサイトーシスによるシナプス小胞からの
神経伝達物質の放出がトリガされる。この神経伝達物質が、シナプス前神経細胞
とシナプス後細胞とを隔てているシナプス間隙に渡って急速に拡散さる。次に、
この神経伝達物質が受容体に結合すると、シナプス後細胞の細胞膜にある伝達物
質開口型イオンチャネルが開き、細胞の電位が変化する。このシナプス後細胞の
膜電位の変化によって、神経インパルスの伝達が更に励起されるか、或いは抑制
される。
【0016】 神経伝達物質には、約30の広範なグループの小分子が含まれる。その中には
、アセチルコリン、セロトニンなどのモノアミン、ドーパミン、ヒスタミンと、
gamma-aminobutyric acid(GABA)、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミ
ノ酸と、エンドルフィンやエンケファリンなどの神経ペプチドとが含まれる(Mc
Cance, K. L. and Huether, S. E. (1994) PATHOPHYSIOLOGY, The Biologic Bas
is for Disease in Adults and Children, 2nd edition, Mosby, St. Louis. MO
, pp 403-404.)。これらの分子の多くは2つ以上の機能を有し、例えば、シナ
プス後細胞の細胞膜を脱分極して神経インパルスの伝達を励起する効果、或いは
、例えば細胞膜を過分極して神経インパルスの伝達を抑制する効果がある。
【0017】 神経伝達物質及びそれらの受容体は、神経機能の調節のための薬剤の標的とな
る。例えば、GABAは、CNSにおける主な抑制神経伝達物質であり、GABA受容体は
、GABA性効果を促進して作用するベンゾジアゼピン及びバルビツレートなどの鎮
静剤の主な標的である(Katzung, B. G. (1995) Basic and Clinical Pharmacol ogy , 6th edition, Appleton & Lange, Norwalk, CT, pp. 338-339)。endozepi
ne及びアシルCoA結合タンパク質としても知られるジアゼパム結合インヒビター
(DBI)は、GABAの効果をダウンレギュレートすると思われる内在性GABA受容体
リガンドである。DBIは、中鎖及び長鎖アシルCoAエステルと極めて高い親和性で
結合し、アシルCoAエステルの細胞内キャリアとして機能し得る(*125950 Diaze
pam Binding Inhibitor; DBI, Online Mendelian Inheritance in Man (OMIM):
PROSITE PDOC00686 Acyl-CoA-binding protein signature)。神経伝達物質及び
それらの受容体の異常な活性は、アルツハイマー病、重症筋無力症、発作、癲癇
及びパーキンソン病を含む様々な神経性の症状に関与する(Planells-Cases, R.
他 (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5057-5061を参照)。
【0018】 成人における1兆個を超えるニューロンのそれぞれは、1000個を超える標
的細胞と結合する(Tessier-Lavigne, M. 他 (1996) Science 274: 1123-1133)
。胎児発達の段階で、これらのニューロンが結合される。それぞれの神経分化は
、先端がリーディングエッジに位置する軸索が成長円錐によって送り出される。
分子誘導手がかりによって助けられ、成長円錐は、肺の環境内を遊走してシナプ
ス標的を探索する。semaphorinは成長円錐誘導シグナルであり、胚形成の際に成
長軸索が到達できない領域を示すための局所シグナルを提供する(Puschel, A.
W. 他 (1995) Neuron 14: 941-948)。
【0019】 軸索の成長は、細胞表面及び細胞外マトリックス(ECM)分子を含む接触仲介
機構によって部分的に誘導される。フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニ
ンのメンバー、テネイシン、膠原、トロンボスポンジンファミリー、及び種々の
プロテオグリカンを含む多くのECM分子は、神経突起の成長及び伸長のプロモー
ター或いはインヒビターの何れかとして作用し得る(前記Tessier Lavigne他)
。ECM分子の受容体には、インテグリン、免疫グロブリンスーパーファミリーメ
ンバー、及びプロテオグリカンが含まれる。ECM分子及びそれらの受容体は、ニ
ューロンの接着、維持及び分化に関与する(Reichardt, L. F. 他 (1991) Ann.
Rev.Neurosci. 14: 531-571)。proteoglycan testicanは、海馬の錐体細胞のシ
ナプス後領域に局在し、受容体活性、神経調節、シナプス形成及び神経伝達にお
いてある役割を果たすと考えられる(Bonnet, F. 他 (1996) J. Biol. Chem. 27
1: 4373-4380)。
【0020】 他の神経系関連タンパク質は、ニューロンシグナル伝達、細胞接着、神経再生
、軸索誘導及び神経変性において役割を果たす。神経ペプチド様タンパク質であ
るneurexophilinは、合成の後に蛋白分解性プロセシングを受ける。これらはニ
ューロン特異的タンパク質αニューレキシンである。neurexophilin及びニュー
レキシンは、ニューロンシグナル伝達経路に関与し得る(Missler, M. and T. C
. Sudhof (1998) J. Neurosci. 18: 3630-3638; Missler, M. 他 (1998) J. Bio
l. Chem. 273: 34716-3472)。ニューロン細胞表面タンパク質であるninjurinは
、細胞接着及び傷害の後の神経再生に関与し得る。ninjurinは、後根神経節ニュ
ーロン及びシュヴァン細胞における神経障害の後、ninjurinはアップレギュレー
トされる(*602062 Ninjurin; NINJI OMIM; Araki, T. and Milbrandt, J. (199
6) Neuron 17: 353-361)。ホスホチロシン結合(PTB)ドメイン含有タンパク質
である哺乳動物Numbは、哺乳動物神経系における皮質神経発生及び細胞の運命決
定に関与し得る。Numbの結合相手であるLNXタンパク質は、4つのPDZドメイン及
薬指ドメイン(ring finger domain)を含み、Numbを含むシグナル伝達経路に関
与し得る。PDZドメインは、細胞膜表面のシグナル伝達現象に関与する多機能タ
ンパク質複合体の形成において、アダプターとして作用するタンパク質に見られ
る(Ponting, C. P. (1997) Bioessays 19: 469-479)。LNXは、アダプタータン
パク質であるSHCなどの他のPTB含有タンパク質の結合に重要であると考えられる
チロシンリン酸化部位を含む(Dho, S. E. 他. (1998) J. Biol. Chem. 273: 91
79-9187)。このSHCは、チロシンリン酸化成長因子受容体及びダウンストリーム
エフェクターに関係する。
【0021】 新規のニューロン関連タンパク質及びそれらをコードするポリヌクレオチドの
発見によって、癌を含む細胞増殖異常症、ニューロン及び神経の疾患、及び自己
免疫異常症/炎症性疾患の診断、予防及び治療に役立つ新たな組成物を提供する
ことで当分野の要求を満たすものである。
【0022】 (発明の要約) 本発明は、総称して「NEUAP」、個別には「NEUAP-1」、「NEUAP-2」、「NEUAP
-3」、「NEUAP-4」、「NEUAP-5」、「NEUAP-6」、「NEUAP-7」、「NEUAP-8」、
「NEUAP-9」、「NEUAP-10」、「NEUAP-11」、「NEUAP-12」、「NEUAP-13」、「N
EUAP-14」、「NEUAP-15」、「NEUAP-16」、「NEUAP-17」、「NEUAP-18」、「NEU
AP-19」、「NEUAP-20」、「NEUAP-21」、「NEUAP22」、「NEUAP-23」、「NEUAP-
24」、「NEUAP-25」、「NEUAP-26」、「NEUAP-27」及び「NEUAP-28」と呼ばれる
実質的に精製されたポリペプチドであるニューロン関連タンパク質を提供する。
本発明の一実施態様では、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から
選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを提供する。本
発明はまた、SEQ ID NO:1−27からなる一群から選択されたアミノ酸配列の保存
されたアミノ酸が1つ以上置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供す
る。
【0023】 更に本発明は、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択され
たアミノ酸配列の少なくとも1つと90%以上のアミノ酸同一性を有する実質的
に精製された変異体を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1−27及びそれらの
断片からなる一群から選択されたアミノ酸配を含むポリペプチドをコードする単
離され実質的に精製されたポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、SEQ ID
NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を含むポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドと90%以上のポリヌクレオチド配列
同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列を提供する。
【0024】 更に、本発明は、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと厳密な条
件の下でハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
また本発明は、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択された
アミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列
を含む単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0025】 本発明はまた、核酸を含むサンプルにおいて、ポリヌクレオチドを検出する方
法であって、(a)ポリヌクレオチド配列の相補体を、少なくとも1つのサンプ
ルのポリヌクレオチドとハイブリダイズして、ハイブリダイゼーション複合体を
形成する過程と、(b)そのハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを
含み、そのハイブリダイゼーション複合体の存在とサンプルにおけるポリヌクレ
オチドの存在とが相関性を有する、検出方法を提供する。本発明の一実施態様で
は、ハイブリダイゼーションの前にポリヌクレオチドを増幅する過程を含む。
【0026】 本発明はまた、SEQ ID NO:28−54及びそれらの断片からなる一群から選択され
たポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する
。また、本発明は、SEQ ID NO:28−54及びそれらの断片からなる一群から選択さ
れたポリヌクレオチド配列と90%以上のポリヌクレオチド配列同一性を有する
単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列を提供する。更に本発明は、SEQ
ID NO:28−54及びそれらの断片からなる一群から選択されたポリヌクレオチド配
列を含むポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単離され精製されたポリヌク
レオチドを提供する。
【0027】 本発明は更に、SEQ ID NO:1−27からなる一群から選択されたアミノ酸配列を
含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの少なくとも1つの断片を含む
発現ベクターを提供する。別の実施態様では、この発現ベクターは宿主細胞内に
含まれる。
【0028】 本発明はまた、ポリペプチドを製造する方法であって、(a)ポリペプチドの
発現に好適な条件の下、本発明のポリヌクレオチドを有する発現ベクターを含む
宿主細胞を培養する過程と、(b)その宿主細胞の培地からそのポリペプチドを
回収する過程とを含む製造方法を提供する。
【0029】 本発明はまた、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択され
たアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物を
好適な医薬用担体と共に提供する。
【0030】 更に本発明は、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択され
たポリペプチドと結合する精製された抗体を提供する。また、本発明は、そのポ
リペプチドの精製されたアゴニスト及びアンタゴニストを提供する。
【0031】 本発明はまた、NEUAPの発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予
防方法であって、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択され
たアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物を
好適な医薬用担体と共に患者に効果的な量投与することを含む、治療または予防
方法を提供する。
【0032】 本発明はまた、NEUAPの発現または活性の増大に関連した疾患の治療または予
防方法であって、SEQ ID NO:1−27及びそれらの断片からなる一群から選択され
たアミノ酸配列を有するポリペプチドのアンタゴニストを患者に効果的な量投与
することを含む、治療または予防方法を提供する。
【0033】 (本発明の記載について) 本発明のタンパク質及び核酸配列、方法について説明する前に、本発明は、こ
こに開示した特定の装置及び材料、方法に限定されず、その実施形態を変更でき
ることを理解されたい。また、ここで用いられる用語は、特定の実施例のみを説
明する目的で用いられたものであり、後述の請求の範囲によってのみ限定され、
本発明の範囲を限定することを意図したものではないということも理解されたい
【0034】 本明細書及び請求の範囲において単数形を表す「或る」、「その(この等)」
は、文脈で明確に示していない場合は複数形を含むことに注意されたい。従って
、例えば「或る宿主細胞」は複数の宿主細胞を含み、その「抗体」は複数の抗体
は含まれ、当業者には周知の等価物なども含まれる。
【0035】 本明細書で用いた全ての科学技術用語は、別の方法で定義されていない限り、
本発明の属する技術分野の一般的な技術者が普通に解釈する意味と同じである。
本明細書で記述したものと類似、或いは同等の全ての装置及び材料、方法は本発
明の実施及びテストに使用できるが、好適な装置及び材料、方法をここに記す。
本明細書に記載の全ての文献は、本発明に関連して使用する可能性のある文献に
記載された細胞系、プロトコル、試薬、ベクターを記述し開示するために引用し
た。従来の発明を引用したからと言って、本発明の新規性が損なわれると解釈さ
れるものではない。
【0036】 (定義) 用語「NEUAP」は、天然、合成、半合成或いは組換え体など全ての種(特にウ
シ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ及びヒトを含む哺乳動物)から得られる実質的
に精製されたNEUAPのアミノ酸配列を指す。
【0037】 用語「アゴニスト」は、NEUAPの生物学的活性を強化したり、模倣する分子を
指す。このアゴニストは、NEUAPに直接相互作用するか、或いはNEUAPが関与する
生物学的経路の成分と作用して、NEUAPの活性を調節するタンパク質、核酸、糖
質、小分子、任意の他の化合物や組成物を含み得る。
【0038】 用語「アレル変異配列」は、NEUAPをコードする遺伝子の別の形を指す。アレ
ル変異配列は、核酸配列における少なくとも1つの変異によって生じ、変異mR
NA若しくは変異ポリペプチドになり、これらの構造や機能は変わる場合もあれ
ば変わらない場合もある。ある遺伝子は、自然発生型のアレル変異配列が存在し
ないもの、1つ或いは多数存在するものがある。一般にアレル変異配列を生じる
変異は、ヌクレオチドの自然な欠失、付加、或いは置換による。これらの各変異
は、単独或いは他の変異と同時に起こり、所定の配列内で一回或いはそれ以上生
じる。
【0039】 NEUAPをコードする「変異」核酸配列は、様々なヌクレオチドの欠失、挿入、
或いは置換が起こっても、NEUAPと同じポリペプチド或いはNEUAPの機能特性の少
なくとも1つを備えるポリペプチドを指す。この定義には、NEUAPをコードする
ポリヌクレオチド配列の正常な染色体の遺伝子座ではない位置でのアレル変異配
列との不適当或いは予期しないハイブリダイゼーション、並びにNEUAPをコード
するポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブを用いて容易に検出
可能な或いは検出困難な多型を含む。コードされたタンパク質も変異され得り、
サイレント変化を生じNEUAPと機能的に等価となるアミノ酸残基の欠失、挿入、
或いは置換を含み得る。意図的なアミノ酸置換は、生物学的或いは免疫学的にNE
UAPの活性が保持される範囲で、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、
及び/または両親媒性についての類似性に基づいて成され得る。例えば、負に荷
電したアミノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれ、正に荷電したア
ミノ酸にはリシン及びアルギニンが含まれ得る。類似の親水性の値をもち極性非
荷電側鎖を有するアミノ酸には、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニ
ンが含まれ得る。類似の親水性の値をもち非荷電側鎖を有するアミノ酸には、ロ
イシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン及びチ
ロシンが含まれ得る。
【0040】 用語「アミノ酸」及び「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリ
ペプチド、タンパク質配列、或いはそれらの任意の断片を指し、天然の分子及び
合成分子を含む。「アミノ酸配列」が自然発生のタンパク質分子である場合、「
アミノ酸配列」及び類似の用語は、アミノ酸配列を、記載したタンパク質分子に
関連する完全で元のままのアミノ酸配列に限定するものではない。
【0041】 用語「増幅」は、核酸配列の複製物を作製することに関連する。一般に増幅は
、この技術分野で周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術によって行われる。
【0042】 用語「アンタゴニスト」は、NEUAPの生物学的活性を阻害或いは減弱する分子
である。アンタゴニストは、NEUAPに直接相互作用するか、或いはNEUAPが関与す
る生物学的経路の成分と作用して、NEUAPの活性を調節する抗体、核酸、糖質、
小分子、任意の他の化合物や組成物などのタンパク質を含み得る。
【0043】 用語「抗体」は、抗原決定基と結合可能なFab及びF(ab')2、及びそれらの断片
、Fv断片などの無傷の分子を指す。NEUAPポリペプチドと結合する抗体は、抗体
を免疫する小ペプチドを含む無傷の分子またはその断片を用いて産生可能である
。動物(例えば、マウス、ラット、若しくはウサギ)を免疫化するのに使用され
るポリペプチド或いはオリゴペプチドは、RNAの翻訳から、或いは化学的に合成
可能であり、必要に応じて担体タンパク質と結合させることも可能である。ペプ
チドと化学的に結合した一般に用いられる担体は、ウシ血清アルブミン、チログ
ロブリン、及びキーホールリンペットヘモニアン(KLH)を含む。次ぎに、この
結合したペプチドを用いて動物を免疫化する。
【0044】 用語「抗原決定基」は、特定の抗体と接触する分子の領域(即ちエピトープ)
を指す。タンパク質或いはタンパク質の断片が、宿主動物を免疫化するのに用い
られるとき、このタンパク質の種々の領域は、抗原決定基(タンパク質上の特定
の領域或いは三次元構造体)に特異的に結合する抗体の産生を誘発し得る。抗原
決定基は、抗体と結合するために無傷の抗原(即ち、免疫応答を引き出すために
用いられる免疫原)と競合し得る。
【0045】 用語「アンチセンス」は、特定の核酸配列のセンス鎖に相補的な核酸配列を含
む任意の組成物を指す。アンチセンス分子は、合成や転写を含む任意の方法で作
り出すことができる。相補的ヌクレオチドは、一度細胞に導入されると、細胞に
よって作られた自然の配列と結合して二重鎖を形成し、転写や翻訳を阻害する。
「マイナス(−)」という表現はアンチセンス鎖、「プラス(+)」という表現
はセンス鎖を指す。
【0046】 用語「生物学的活性」は、自然発生分子の構造的、調節的、或いは生化学的な
機能を有するタンパク質を指す。同様に、用語「免疫学的に活性」は、天然或い
は組換え体のNEUAP、合成のNEUAPまたはそれらの任意のオリゴペプチドが、適当
な動物或いは細胞の特定の免疫応答を誘発して特定の抗体と結合する能力を指す
【0047】 用語「相補的」及び「相補性」は、ポリヌクレオチド同士が塩基対を形成して
自然に結合することを指す。例えば、配列「5'A−G−T3'」が相補的な配列
「3'T−C−A5'」と結合する。2つの一本鎖分子間の相補性は、幾つかの核
酸のみが結合する部分的な場合、或いは一本鎖間に完全な相補性が存在して完全
な相補性となる場合もあり得る。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブ
リダイゼーションの効率及び強度に大きな影響を与える。このことは、核酸鎖間
の結合に左右される増幅反応、並びにペプチド核酸(PNA)分子の設計若しくは
使用において特に重要である。
【0048】 「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所定のアミノ酸配列を
含む組成物」は広い意味で、所定のヌクレオチド配列若しくはアミノ酸配列を含
む任意の組成物を指す。この組成物は、乾燥した製剤或いは水溶液を含み得る。
NEUAP若しくはNEUAPの断片をコードするポリヌクレオチド配列を含む組成物は、
ハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。このプローブは、凍結乾
燥状態で保存可能であり、糖質などの安定化剤と結合させることが可能である。
ハイブリダイゼーションにおいて、プローブは、塩(例えば、NaCl)及び界面活
性剤(例えば、SDS:ドデシル硫酸ナトリウム)、その他の物質(例えば、デン
ハート液、乾燥ミルク、サケ***DNAなど)を含む水溶液に展開され得る。
【0049】 「コンセンサス配列」は、不要な塩基を分離するためにシークエンシングされ
た核酸配列であって、XL-PCRTM(Perkin Elmer, Norwalk, CT)を用いて5'及び
/または3'の方向に延長されてシークエンシングされた核酸配列、或いはGELVI
EW 断片構築システム(GCG, Madison, WI)などのフラグメントの構築のための
コンピュータプログラムを用いて1つ或いはそれ以上のインサイト社クローン、
及び場合によっては、1つ以上のパブリックのドメインESTの重複によって構築
された核酸配列を指す。延長及び重複の両方によって構築されるコンセンサス配
列もある。
【0050】 用語「保存的なアミノ酸置換」は、元のタンパク質の特性を殆ど変えない置換
を指す。即ち、置換によってそのタンパク質の構造や機能が大きくは変わらず、
そのタンパク質の構造、特にその機能が保存される。以下に、あるタンパク質の
元のアミノ酸が別のアミノ酸に置換される保存的なアミノ酸置換を示す。 元の残基 保存的な置換 Ala Gly, Set Arg His, Lys Asn Asp, Gln, His Asp Asn, Glu Cys Ala, Ser Gln Asn, Glu, His Glu Asp, Gln, His Gly Ala His Asn, Arg, Gln, Glu Ile Leu, Val Leu Ile, Val Lys Arg, Gln, Glu Met Leu, Ile Phe His, Met, Leu, Trp, Tyr Ser Cys, Thr Thr Ser, Val Trp Phe, Tyr Tyr His, Phe, Trp Val Ile. Leu, Thr 一般に、保存されたアミノ酸置換の場合は、a)置換された領域のポリペプチ
ドの骨格構造、例えば、βシートやαヘリックス高次構造、b)置換された部位
の分子の電荷または疎水性、及び/または、c)側鎖の大半が維持される。
【0051】 用語「欠失」は、1個以上のアミノ酸残基が欠如するアミノ酸配列の変化、或
いは1個以上のヌクレオチドが欠如する核酸配列の変化を指す。
【0052】 用語「誘導体」は、化学修飾されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドを指
す。ポリヌクレオチド配列の化学修飾には、例えば、アルキル基、アシル基、ヒ
ドロキシル基、或いはアミノ基による水素の置換がある。誘導体ポリヌクレオチ
ドは、自然分子(未修飾の分子)の生物学的或いは免疫学的機能の少なくとも1
つを維持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドとは、もとのポリ
ペプチドの生物学的機能、或いは免疫学的機能の少なくとも1つを維持する、グ
リコシル化、ポリエチレングリコール化、或いは任意の同様のプロセスによって
修飾されたポリペプチドのことである。
【0053】 用語「断片」は、NEUAPまたはNEUAPをコードするポリヌクレオチドの固有の部
分であって、その親配列(parent sequence)と同一であるがその配列より長さ
が短いものを指す。「断片」の最大の長さは、親配列から1つのヌクレオチド/
アミノ酸残基を差し引いた長さである。例えば、ある断片は、5〜1000個の
連続するヌクレオチド或いはアミノ酸残基を含む。プローブ、プライマー、抗原
、治療用分子、またはその他の目的に用いる断片は、少なくとも5、10、15
、16、20、25、30、40、50、60、75、100、150、250
若しくは500個の連続するヌクレオチド或いはアミノ酸残基の長さである。断
片は、優先的に分子の特定の領域から選択される場合もある。例えば、ポリペプ
チド断片は、所定の配列に示された最初の250若しくは500のアミノ酸(或
いは、ポリペプチドの最初の25%または50%)から選択された連続するアミ
ノ酸の所定の長さを含み得る。これらの長さは一例であり、配列表及び表、図面
を含む明細書に記載の任意の長さが、本発明の実施例に含まれ得る。
【0054】 SEQ ID NO:28−54のある断片は、例えば、同じゲノム内の他の配列とは異なる
、SEQ ID NO:28−54を特異的に同定する固有のポリヌクレオチド配列の領域を含
む。SEQ ID NO:28−54のある断片は、例えば、ハイブリダイゼーションや増幅技
術、またはSEQ ID NO:28−54を関連ポリヌクレオチド配列から区別する類似の方
法に有用である。ある断片と一致するSEQ ID NO:28−54の正確な断片の長さや領
域は、その断片の目的に基づいて当分野で一般的な技術によって日常的に測定で
きる。
【0055】 SEQ ID NO:1−27のある断片は、SEQ ID NO:28−54のある断片によってコード
される。SEQ ID NO:1−27のある断片は、特異的にSEQ ID NO:1−27を同定する固
有のアミノ酸配列の領域を含む。例えば、SEQ ID NO:1−27のある断片は、特異
的にSEQ ID NO:1−27を認識する抗体の作製用の免疫原性ペプチドとして有用で
ある。ある断片と一致するSEQ ID NO:1−27の正確な断片の長さや領域は、その
断片の目的に基づいて当分野で一般的な技術によって日常的に測定できる。
【0056】 用語「類似性」は相補性の程度を表す。これには、部分的類似性と完全な類似
性とがある。用語「同一性」を「類似性」とも言える。同一の配列と標的の核酸
とのハイブリダイゼーションが少なくとも部分的に阻止される部分的に相補的な
配列は、「実質的に類似」と呼ばれる。完全に相補的な配列と標的の配列とのハ
イブリダイゼーションの阻止は、緩いストリンジェントな条件の下、ハイブリダ
イゼーションアッセイ(サザンブロッティング或いはノーザンブロッティング法
、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いて検査される。実質的に類似の配列或
いはハイブリダイゼーションプローブは、緩いストリンジェントな条件の下、完
全に類似(同一)の配列と標的の配列との結合に対して競合して抑制する。これ
は、緩いストリンジェントな条件の下では非特異的な結合が許容されるというこ
とではなく、緩いストリンジェントな条件では、2つの配列の互いへの結合が特
異的(即ち、選択的)に相互作用しなけらばならい。部分的な相補性ともいえな
い(例えば、30%未満の類似性或いは同一性)第2の標的配列を用いて、非特
異的結合が存在しないことの検査が可能である。非特異的結合が存在しない場合
は、実質的に類似配列或いはプローブが第2の非相補的標的配列とハイブリダイ
ズしない。
【0057】 ポリヌクレオチド配列についての用語「パーセントの同一性」又は「%の同一
性」とは、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされる、2つ以上
のポリヌクレオチド配列間の一致する残基の百分率のことである。このようなア
ルゴリズムは、標準化され再現できる方法で、2つの配列間のアラインメントを
最適化するべく、配列にギャップを挿入して、より意味をもつ2つの配列間の比
較を行うことができる。
【0058】 ポリヌクレオチド配列間の同一性のパーセントは、MEGALIGN version 3.12e配
列アラインメントプログラムに組込まれるCLUSTAL Vアルゴリズムのデフォルト
パラメータを用いて決定可能である。このプログラムはLASERGENEソフトウェア
パッケージの一部であり、分子生物学分析プログラム一式(DNASTAR, Madison W
I)である。このCLUSTAL Vは、Higgins, D.G. 及び P.M. Sharp (1989) CABIOS
5:151-153、Higgins, D.G. 他 (1992) CABIOS 8:189-191に記載されている。ポ
リヌクレオチド配列の対のアライメントの場合、デフォルトパラメーターは、Kt
uple=2、gap penalty=5、window=4、「diagonals saved」=4と設定する。「重み
付けされた」残基重み付け表が、デフォルトとして選択された。同一性のパーセ
ントは、アラインメントされたポリヌクレオチド配列の対の「類似性のパーセン
ト」としてCLUSTAL Vによって報告される。
【0059】 別法では、一般に用いられ、無料で入手可能な配列比較アルゴリズム一式が、
NCBI、Bethesda、MD、及びインターネット(http://WWW.ncbi.nlm.nih.gov/BLAS
T/)などから入手できるNational Center for Biotechnology Information (NCB
I) Basic Local Alignment Search Tool (BLAST) (Altschul, S.F. 他 (1990) J
. Mol. Biol. 215:403-410)によって得られる。このBLASTソフトウェア一式には
、既知のポリヌクレオチド配列と様々なデータベースの別のポリヌクレオチド配
列とのアラインメントに用いられる「blastn」を含む、様々な配列分析プログラ
ムが含まれる。「BLAST 2 Sequences」と呼ばれるツールが入手可能であり、2
つのヌクレオチド配列の対を直接比較するために用いられる。「BLAST 2 Sequen
ces」は、http://WWW.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/b12.htmlにアクセスして、対話形
式で利用ができる。「BLAST 2 Sequences」ツールは、blastn 及び blastp(以
下に記載)の両方に用いることができる。BLASTプログラムは、一般的には、デ
フォルトを設定するギャップ及び他のパラメーターと共に用いられる。例えば、
2つのヌクレオチド配列を比較する場合、ある者は、デフォルトパラメータに設
定された「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12 (April-21-2000)でblast
nを使用するであろう。そのようなデフォルトパラメータは、例えば、以下のよ
うにする。 Matrix: BLOSUM62 Reward for match: 1 Penalty for mismatch: -2 Open Gap: 5 及び Extension Gap: 2 penalties Gap x drop-off: 50 Expect: 10 Word Size: 11 Filter: on 同一性のパーセントは、例えば、特定の配列番号で決められた、所定の配列の
全長に対して測定してもよいし、それより短い長さに対して、例えば、ある大き
な所定の配列から得られた断片、例えば、連続する少なくとも、20または30
、40、50、70、100、200のヌクレオチドの断片の長さに対して測定
してもよい。このような長さは単なる例であり、配列表及び表、図面を含む明細
書に記載の配列の任意の長さの断片を用いて、同一性のパーセントが測定される
長さを示すことができる。
【0060】 高い同一性を示さない核酸配列でも、遺伝子コードが縮重するため、類似のア
ミノ酸配列をコードし得る。縮重を利用して核酸配列を変え、それぞれが実質的
に同じタンパク質をコードする多数の核酸配列を作ることができる。
【0061】 ポリペプチド配列に用いられる用語「同一性のパーセント」又は「同一性の%
」とは、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされる2つ以上のポ
リペプチド配列間の一致する残基の百分率のことである。ポリペプチド配列アラ
インメントの方法は周知である。アラインメント方法の中には、保存的なアミノ
酸置換を考慮したものもある。詳細に上述したこのような保存的な置換は、一般
に、置換部位の電荷や疎水性が保存され、ポリペプチドの構造(従って機能も)
が保存される。
【0062】 ポリペプチド配列間の同一性のパーセントは、MEGALIGN バージョン3.12e配列
アラインメントプログラム(上記)に組込まれるCLUSTAL Vアルゴリズムのデフ
ォルトパラメータを用いて決定可能である。CLUSTAL Vを用いる対方式のポリぺ
プチド配列のアライメントの場合、デフォルトパラメーターは、Ktuple=1、gap
penalty=3、window=5、及び「diagonals saved」=5と設定する。PAM250マトリク
スが、デフォルトの残基重み付け表として選択される。ポリヌクレオチドアライ
ンメントと同様に、アラインメントされたポリペプチド配列の対の同一性のパー
セントは、「類似性のパーセント」としてCLUSTAL Vによって報告される。
【0063】 別法では、NCBI BLASTソフトウェア一式が用いられる。例えば、2つのポリペ
プチド配列を対で比較をする場合、ある者は、デフォルトパラメータで設定され
た「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12 (April-21-2000)でblastpを使
用するであろう。そのようなデフォルトパラメータは、例えば、以下のようにす
る。 Matrix: BLOSUM62 Open Gap: 11 及び Extension Gap: 1 penalties Gap x drop-off: 50 Expect: 10 Word Size: 3 Filter: on 同一性のパーセントは、例えば、特定の配列番号で決められた、所定のポリペ
プチド配列の全長に対して測定してもよいし、それより短い長さに対して、例え
ば、ある大きな所定のポリペプチド配列から得られた断片、例えば、連続する少
なくとも15、20または30、40、50、70、150の残基の断片の長さ
に対して測定してもよい。このような長さは単なる例であり、配列表及び表、図
面を含む明細書に記載の配列の任意の長さの断片を用いて、同一性のパーセント
が測定される長さを示すことができる。
【0064】 「ヒト人工染色体(HAC)」は、約6kb〜10MbのサイズのDNA配列を含み得り
、安定した有糸***染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の小
染色体である。
【0065】 用語「ヒト化抗体」は、もとの結合能力を保持しつつよりヒトの抗体に似せる
ために、非抗原結合領域のアミノ酸配列が変えられた抗体分子を指す。
【0066】 「ハイブリダイゼーション」とは、所定のハイブリダイゼーション条件の下で
、ある一本鎖ポリヌクレオチドがある相補的な一本鎖と塩基対を形成するアニー
リングのプロセスである。特異的なハイブリダイゼーションとは、2つの核酸配
列が高い同一性を有することを意味する。アニーリングが許容される条件の下で
、特異的なハイブリダイゼーション複合体が形成され、洗浄過程の後もハイブリ
ダイズしたままである。洗浄過程は、ハイブリダイゼーションプロセスの厳密性
即ちストリンジェンシー(stringency)の決定において特に重要であり、よりス
トリンジェントな条件では、非特異的な結合、即ち完全には一致しない核酸鎖間
の対の結合が減少する。核酸配列間のアニーリングが許容される条件は、当業者
によって日常的に決定され、ハイブリダイゼーションの間は一定であるが、洗浄
過程は、目的のストリンジェンシーにするためにその最中に条件の変更が可能で
あり、ハイブリダイゼーション特異性が得られる。アニーリングが許容される条
件は、例えば、温度が68℃で、約6×SSC、約1%(w/v)のSDS、並びに約1
00μg/mlのせん断して変性したサケ***DNAが含まれる。
【0067】 一般に、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、洗浄過程を行う温
度で部分的に表すことができる。この洗浄温度は通常、所定のイオン強度とpH
における特定の配列の熱融点(Tm)より約5〜20℃低く選択される。このTmは
、(所定のイオン強度とpHの下)標的の配列の50%が完全に一致するプロー
ブとハイブリダイズする温度である。Tmを計算する式及び核酸のハイブリダイゼ
ーションの条件は、周知であり、Sambrook, J. 他による, 1989, Molecular Clo ning: A Laboratory Manual , 第2版の1-3巻, Cold Spring Harbor Press, Plain
view NY; 特に2巻の9章に記載されている。
【0068】 本発明のポリヌクレオチド間の高いストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ンでは、約0.2×SSC及び約1%のSDSの存在の下、約68℃で1時間の洗浄過
程を含む。別法では、65℃、60℃、55℃、42℃の温度で行う。SSCの濃
度は、約0.1%のSDSが存在の下、約0.1〜2×SSCの範囲である。通常は、
遮断剤を用いて非特異的なハイブリダイゼーションを阻止する。このような遮断
剤には、例えば、約100〜200μg/mlの変性したサケ***DNAが含まれ
る。約35〜50%v/vの濃度のホルムアミドなどの有機溶剤が、例えば、RNAと
DNAのハイブリダイゼーションなどの特定の場合に用いることができる。これら
の洗浄条件の有用な改変は、当業者には周知である。特に高いストリンジェント
な条件でのハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド間の進化における類似性を
示唆し得る。このような類似性は、それらのヌクレオチド及びコードされたポリ
ペプチドが類似の役割を果たしていることを強く示唆する。
【0069】 用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的な塩基間の水素結合によっ
て、形成された2つの核酸配列の複合体を指す。ハイブリダイゼーション複合体
は溶液中(例えば、CtまたはRt分析)で形成されるか、或いは溶液中の
1つの核酸配列と固体の支持物(例えば、紙、膜、フィルター、チップ、ピン、
或いはスライドガラス、または細胞及びその核酸を固定する任意の適当な基板)
に固定されたもう一つの核酸配列とで形成され得る。
【0070】 用語「挿入」或いは「付加」は、1個以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチド
がそれぞれ追加されるアミノ酸配列或いは核酸配列の変化を指す。
【0071】 「免疫応答」は、炎症性疾患及び外傷、免疫異常、感染症、遺伝病などに関連
する症状を指す。これらの症状は、細胞系及び全身防衛系に影響を及ぼすサイト
カイン及びケモカイン、別の情報伝達分子などの様々な因子の発現という特徴を
もつ。
【0072】 用語「マイクロアレイ」は、基板上に配列されたそれぞれ異なったポリヌクレ
オチドの配列を指す。
【0073】 マイクロアレイの文脈に用いられる用語「要素」或いは「アレイ要素」は、基
板の表面に配列されたハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドを指す。
【0074】 用語「変調」は、NEUAPの活性の変化を指す。例えば、変調によって、NEUAPの
タンパク質活性、或いは結合特性、またはその他の生物学的特性、機能的特性或
いは免疫学的特性の変化が起こる。
【0075】 用語「核酸」或いは「核酸配列」は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポ
リヌクレオチド、或いはそれらの断片を指す。また、一本鎖若しくは二本鎖であ
って、センス鎖或いはアンチセンス鎖であるゲノム起源若しくは合成起源のDN
A或いはRNA、ペプチド核酸(PNA)、任意のDNA様物質、及びRNA様物
質を指す。
【0076】 「機能的に結合した」は、第1の核酸配列と第2の核酸配列が機能的な関係に
ある状態を指す。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を
与える場合、そのプロモーターはそのコード配列に機能的に結合している。一般
に、機能的に結合したDNA配列は、同じ読み枠内で2つのタンパク質をコードす
る領域が結合する必要がある場合は、非常に近接或いは連続する。
【0077】 「ペプチド核酸(PNA)」は、末端がリシンで終わるアミノ酸残基のペプチド
骨格に結合した、少なくとも約5ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドを含
む、アンチセンス分子又は抗遺伝子剤を指す。この末端のリシンにより、この組
成物が溶解性となる。PNAは、相補的な一本鎖DNAやRNAに優先的に結合して転写
物の伸長を止め、ポリエチレングリコール化して細胞における寿命を延ばし得る
【0078】 「プローブ」とは、同一配列或いはアレル核酸配列、関連する核酸配列の検出
に用いる、NEUAPやそれらの相補配列、またはそれらの断片をコードする核酸配
列のことである。プローブは、検出可能な標識またはレポーター分子が結合され
単離されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドである。典型的な標識には、
放射性アイソトープ及びリガンド、化学発光試薬、酵素がある。「プライマー」
とは、相補的な塩基対を形成して標的のポリヌクレオチドにアニーリング可能な
、通常はDNAオリゴヌクレオチドである短い核酸である。プライマーがポリヌク
レオチドにアニーリングした後、あるDNAポリメラーゼ酵素によって、標的のDNA
一本鎖に沿って延長される。プライマーの組は、例えば、PCR法における核酸配
列の増幅(及び同定)に用いることができる。
【0079】 本発明に用いられるプローブ及びプライマーは、既知の配列の少なくとも15
の連続するヌクレオチドを含む。特異性を高めるために、より長いプローブ及び
プライマーが用いることも可能である。例えば、開示した核酸配列の連続する少
なくとも20または25、30、40、50、60、70、80、90、100
、150のヌクレオチドを含む。プローブ及びプライマーは、上記した例より相
当長いものも用いることができ、本明細書の表及び図面、配列表に示された任意
の長さのヌクレオチドも用いることができることを理解されたい。
【0080】 プローブ及びプライマーの準備及び使用方法については、例えば、Sambrook,
J.他による、1989年、名称「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、第2
版の1-3巻(Cold Spring Harbor Press, Plainview NY)、またはAusubel, F.M.
他による、1987年、名称「Current Protocols in Molecular Biology」(Greene
Pubi. Assoc. & Wiley-Intersciences, New York NY)、並びに Innis他による、
1990年、名称「PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」(Acade
mic Press, San Diego CA.)を参照されたい。PCR用のプライマーの組は、例えば
、Primer (Version 0.5, 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research
, Cambridge MA)などのそのような目的のためのコンピュータプログラムを用い
て、ある既知の配列から引き出すことができる。
【0081】 プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドは、当分野で周知のプライマー選
択用のコンピュータプログラムで選択される。例えば、OLIGO 4.06ソフトウェア
は、それぞれが最大100ヌクレオチドまでのPCR用のプライマーの対の選択、
及び32,000塩基までの入力ポリヌクレオチド配列から最大5,000ヌク
レオチドまでの大きなポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドの分析に有用で
ある。類似のプライマー選択用プログラムには、能力を拡大する追加の機能が含
まれている。例えば、PrimOUプライマー選択プログラム(Genome Center at Uni
versity of Texas South West Medical Center, Dallas TXより入手可能)は、
メガベース配列から特定のプライマーを選択できるため、ゲノムワイドスコープ
(genome-wide scope)におけるプライマーの設計に有用である。Primer3プライ
マー選択プログラム(Whitehead Institute/MIT Center for Genome Research,
Cambridge MA1より入手可能)によって、ユーザーは、プライマー結合部位とし
て避けたい配列を指定できる「非プライミングライブラリ(mispriming libaray
)」を入力できる。また、Primer3は、特にマイクロアレイのオリゴヌクレオチ
ドの選択に有用である(後の方の2つのプライマー選択プログラムのソースコー
ドは、それぞれのソースから得ることができ、ユーザーのニーズを満たすように
変更することもできる)。PrimerGenプログラム(UK Human Genome Mapping Pro
ject Resource Centre, Cambridge UK より入手可能)は、多数の配列アライン
メントに基づいてプライマーを設計するため、アラインメントされた核酸配列の
最も保存された領域或いは最も保存されていない領域のどちらかとハイブリダイ
ズするプライマーを選択することができる。従って、このプログラムは、固有及
び保存されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドの断片の同定に有用である
。上記した任意の選択方法で同定されたオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチド
の断片は、例えば、PCR法やシークエンシングプライマー、マイクロアレイ要素
、或いはサンプルの核酸の完全或いは部分的に相補的なポリヌクレオチドを同定
する特定のプローブなどの、ハイブリダイゼーション技術に有用である。オリゴ
ヌクレオチドの選択方法は、上記した方法に制限されるものではない。
【0082】 本明細書における「組換え核酸」は天然の配列ではなく、2つ以上の配列の離
れたセグメントを人工的に組み合わせた配列である。この人工の組み合せは、化
学合成によって作られる場合も多いが、前出のSambrook に記載されたような遺
伝子工学の技術を用いて核酸の離れたセグメントを人工的に操作する方がより一
般的である。この「組換え核酸」には、単に核酸の一部の追加または置換、欠失
によって変更された核酸も含む。組換え核酸は、あるプロモーター配列に機能的
に結合した核酸配列を含む場合もある。このような組換え核酸は、例えば、ある
細胞を形質転換するのに用いられるベクターの一部であり得る。
【0083】 別法では、このような組換え核酸は、この組換え核酸を発現する哺乳動物のワ
クチン接種に用いると、その哺乳動物の防衛的な免疫応答を誘発する、ワクシニ
アウイルスに基づいたウイルスベクターの一部であり得る。
【0084】 用語「サンプル」は、その最も広い意味で用いられている。NEUAPをコードす
る核酸若しくはその断片、NEUAP自体を含むと推定されるサンプルには、体液と
、細胞からの抽出物や細胞から単離された染色体や細胞内小器官、膜と、細胞と
、溶液中に存在する又は基板に固定されたゲノムDNA、RNA、cDNAと、組織又は組
織プリント等も含まれ得る。
【0085】 用語「特異的結合」及び「特異的に結合する」は、タンパク質若しくはペプチ
ドと、アゴニスト、抗体、アンタゴニスト、小分子、若しくは任意の天然若しく
は合成の結合組成物との間の相互作用を指す。この相互作用は、結合する分子に
よって認識される、例えば、抗原決定基つまりエピトープなどのタンパク質の特
定の構造の存在によって左右される。例えば、抗体がエピトープ「A」に対して
特異的である場合、結合していない標識した「A」及び抗体を含む反応液に、エ
ピトープAを含むポリペプチド或いは結合していない無標識の「A」が存在する
と、抗体と結合する標識Aの量が減少する。
【0086】 用語「実質的に精製された」は、自然の環境から取り除かれてから、単離或い
は分離された核酸配列或いはアミノ酸配列であって、自然に結合している組成物
が少なくとも約60%以上除去されたものであり、好ましくは約75%以上の除
去、最も好ましいのは約90%以上除去されたものを指す。
【0087】 「置換」とは、一つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドをそれぞれ別のアミノ
酸またはヌクレオチドに置き換えることである。
【0088】 用語「基板」は、任意の好適な固体或いは半固体の支持物を指し、膜及びフィ
ルター、チップ、スライド、ウエハ、ファイバー、磁気または非磁気ビード、ゲ
ル、チューブ、プレート、ポリマー、微小粒子、毛細管が含まれる。この基板に
は、壁または塹壕、ピン、チャンネル、細孔などの様々な表面形態があり、そこ
にポリヌクレオチドやポリペプチドが結合する。
【0089】 「形質転換」とは、外来DNAが入り込み受容体細胞を変化させるプロセスのこ
とである。形質転換は、当分野で周知の種々の方法により、自然或いは人工の条
件の下で起こり得り、原核宿主細胞若しくは真核宿主細胞の中に外来核酸配列を
挿入する任意の周知の方法によって行うことができる。この形質転換の方法は、
形質転換される宿主細胞のタイプによって選択される。この方法には、ウイルス
感染、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、リポフェクション、及び微粒子
照射が含まれるが、これらに限定されるものではない。「形質転換された」細胞
には、導入されたDNAが自律的に複製するプラスミドとして或いは宿主染色体の
一部として複製可能である安定的に形質転換された細胞が含まれる。さらに、限
られた時間に一時的に導入DNA若しくは導入RNAを発現する細胞も含まれる。
【0090】 特定の核酸配列の「変異配列」とは、デフォルトパラメーター設定の「BLAST
2 Sequences」ツールVersion 2.0.9 (May-07-1999)を用いるblastnによって、あ
る核酸配列のある長さに対する該特定の核酸配列の同一性が、少なくとも40%
と決定された核酸配列のことである。このような核酸の対は、ある長さにおいて
、例えば、少なくとも50%または60%、70%、80%、85%、90%、
95%、98%、或いはそれ以上の同一性を示し得る。ある変異配列は、例えば
、「アレル」変異配列(上述)または「スプライス」変異配列、「種」変異配列
、「多型」変異配列と表すことができる。スプライス変異配列は基準分子と同一
性が極めて高い可能性があるが、mRNAプロセッシング中のエキソンの択一的スプ
ライシングによってポリヌクレオチドの数が多くなったり、少なくなったりする
。対応するポリペプチドは、基準分子に存在する追加の機能ドメインを有したり
、基準分子に存在するドメインが欠落したりし得る。種変異配列は、種によって
異なるポリヌクレオチド配列である。得られるポリペプチドは、互いに高いアミ
ノ酸同一性を有する。多型変異配列は、所定の種と種における特定の遺伝子のポ
リヌクレオチド配列が異なる。多型変異配列はまた、ポリヌクレオチド配列の1
つのヌクレオチドが異なる「1ヌクレオチド多型」(SNP)も含み得る。SNPの存
在は、例えば、或る集団(population)、病態、病態の特徴を表し得る。
【0091】 特定のポリペプチド配列の「変異体」とは、デフォルトパラメーター設定の「
BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.9 (May-07-1999)を用いるblastpによっ
て、ある核酸配列のある長さに対する該特定のポリペプチド配列の同一性が、少
なくとも40%と決定された核酸配列のことである。このようなポリペプチドの
対は、ある長さにおいて、例えば、少なくとも50%または60%、70%、8
0%、85%、90%、95%、98%、或いはそれ以上の同一性を示し得る。
【0092】 (発明) 本発明は、新規のヒトニューロン関連タンパク質(NEUAP)及びNEUAPをコード
するポリヌクレオチドの発見に基づき、癌を含む細胞増殖異常症、ニューロン及
び神経の疾患、及び自己免疫異常症/炎症性疾患の診断、治療、及び予防におけ
るそれらの組成物の使用に関する。
【0093】 表1は、NEUAPをコードする完全長のヌクレオチド配列の構築に用いたインサ
イト社クローンを示す。列1及び列2はそれぞれ、ポリペプチド及びポリヌクレ
オチドのSEQ ID NOを示す。列3は、各NEUAPをコードする核酸が同定されたIncy
teクローンのクローンIDを示し、列4は、それらのクローンが単離されたcDNAラ
イブラリを示す。列5は、Incyteクローン及びそれらに対応するcDNAライブラリ
を示す。cDNAライブラリが示されていないインサイト社クローンは、プールされ
たcDNAライブラリに由来する。列5のクローンは、各NEUAPのコンセンサスヌク
レオチド配列の構築に用いられ、ハイブリダイゼーション技術における断片とし
て有用である。
【0094】 表2の各列は、本発明の各ポリペプチドの様々な特性を示し、列1は配列番号
(SEQ ID NO)、列2は各ポリペプチドにおけるアミノ酸残基の数、列3は潜在
的なリン酸化部位、列4は潜在的なグリコシル化部位、列5はシグネチャ(sign
ature)配列及びモチーフを有するアミノ酸残基、列6は各ポリペプチドの識別
、列7は分析方法、及び場合によってはその分析方法が利用できる検索可能なデ
ータベースを示す。列7の分析方法は、配列相同性及びタンパク質モチーフから
各ポリペプチドを特徴付けるために用いることが可能である。
【0095】 図1A及び図1Bに示されているように、NEUAP-1は、ヒト神経糸タンパク質
(neuronal thread protein)であるAD7c-NTP (GI 3002527; SEQ ID NO: 55)と
化学的及び構造的類似性を有する。特に、NEUAP-1とAD7c-NTPとの同一性は24
%であって、2つのタンパク質が79%の同一性を有するNEUAP-1のS89残基から
E109残基までの領域、並びにS117残基及びS123残基における2つの潜在的なリン
酸化部位を含む。
【0096】 MOTIFS、BLOCKS及びRFAMによって、NEUAP-2が、概ねS4残基とG173残基との間
の植物PR-1タンパク質に共通のSCP様細胞外タンパク質シグネチャを含むことが
示された。PRファミリータンパク質の保存されたHis-Glu-Hisの3つのアミノ酸
が、NEUAP-2のH78残基、E109残基及びH128残基で見出された。図2A−図2Cに
示されているように、NEUAP-2は、ヒト神経膠腫病原関連タンパク質であるGliPR
(GI 847722; SEQ ID NO: 56)と化学的及び構造的類似性を有する。特に、2つ
のタンパク質は27%の同一性を有し、His-Glu-Hisの3つのアミノ酸、及びNEU
AP-2に見られるC163を含む12個のシステイン残基の内10個のシステイン残基
が、PR-1タンパク質におけるジスルフィド結合形成に関与することが分かってい
る。
【0097】 表3の列は、組織特異性と、NEUAPをコードするヌクレオチド配列に関連した
疾患または異常症、症状とを示している。表3の列1は、ヌクレオチドの配列番
号(SEQ ID NO)を示している。列2は、列1のヌクレオチド配列の断片を示し
ている。例えば、SEQ ID NO:28−54を同定し、SEQ ID NO:28−54と関連するポリ
ヌクレオチド配列とを区別する、ハイブリダイゼーション若しくは増幅の技術に
おいて、これらの断片は有用である。これら断片によりコードされるポリヌクレ
オチドは、例えば、免疫原性ペプチドとして有用である。列3は、NEUAPを発現
する組織カテゴリー、及びNEUAPを発現する全組織におけるその割合を示す。列
4は、NEUAPを発現する組織に関連する、疾患若しくは異常症、症状、並びにNEU
APを発現する全組織におけるそれらの割合を示す。NDAP-2が5つのニューロン組
織に発現したことに注目されたい。ノーザン分析によって、NEUAP-1が4つの組
織で発現することが示され、その内の3つが奇形癌を含む癌性組織である。SEQ
ID NO:31及びSEQ ID NO:32の発現が組織特異的であることに注目されたい。SEQ
ID NO:31は神経組織で多量に発現し、SEQ ID NO:32は神経組織にのみ発現する。
SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:52、SE
Q ID NO:55及びSEQ ID NO:56の発現に注目されたい。特に、SEQ ID NO:51が神経
組織で発現し、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48及びSEQ ID NO:51が
神経の疾患に関連した組織に発現することに注目されたい。列5は、各cDNAライ
ブラリのサブクローニングに用いたベクターを示す。
【0098】 表4の列は、NEUAPをコードするcDNAのクローンが単離されたcDNAライブラリ
の作製に用いられた組織の説明を示す。列1は、ヌクレオチドのSEQ ID NOを示
し、列2はそれらのクローンが単離されたcDNAライブラリを示し、列3は列2の
cDNAライブラリに対応する組織の由来及び詳細を示す。
【0099】 表4の列は、NEUAPをコードするcDNAのクローンが単離されたcDNAライブラリ
の作製に用いられた組織の説明を示す。列1は、ヌクレオチドのSEQ ID NOを示
し、列2はそれらのクローンが単離されたcDNAライブラリを示し、列3は列2の
cDNAライブラリに対応する組織の由来及び詳細を示す。
【0100】 本発明はまた、NEUAPの変異体を含む。好適なNEUAPの変異体は、NEUAPアミノ
酸配列と少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約
95%ものアミノ酸配列同一性を有し、NEUAPの機能的若しくは構造的特徴の少
なくとも1つを有する。
【0101】 本発明はまた、NEUAPをコードするポリヌクレオチドを含む。特定の実施例で
は、本発明は、NEUAPをコードするSEQ ID NO:28−54からなる一群から選択され
た配列を有するポリヌクレオチド配列を含む。
【0102】 本発明はまた、NEUAPをコードするポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。
詳細には、そのようなポリヌクレオチド変異配列は、NEUAPをコードするポリヌ
クレオチド配列と少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少な
くとも約95%ものポリヌクレオチド配列同一性を有する。本発明の特定の実施
態様は、SEQ ID NO:28−54からなる一群から選択された核酸配列と少なくとも約
80%、より好適には少なくとも約90%、最も好適には少なくとも約95%の
ポリヌクレオチド配列同一性を有する、SEQ ID NO:28−54からなる一群から選択
された配列を含むポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。上記の任意のポリヌ
クレオチドの変異配列は、NEUAPの機能的若しくは構造的特徴の少なくとも一つ
を有するアミノ酸配列をコードし得る。
【0103】 遺伝暗号の縮重により作り出され得るNEUAPをコードする種々のポリヌクレオ
チド配列には、既知の自然発生する任意の遺伝子のポリヌクレオチド配列と最小
の類似性しか有しないものも含まれることを、当業者は理解するであろう。した
がって本発明には、可能なコドン選択に基づいた組み合わせの選択によって作り
出され得る可能なポリヌクレオチド配列の変異の全てが含まれ得る。これらの組
み合わせは、自然発生のNEUAPのポリヌクレオチド配列に適用される標準的なト
リプレット遺伝暗号を基に作られ、全ての変異が明確に開示されていると考慮す
る。
【0104】 NEUAPをコードするヌクレオチド配列及びその変異配列は、好適に選択された
ストリンジェントな条件の下で、自然発生のNEUAPのヌクレオチドとハイブリダ
イズ可能なことが望ましいが、非自然発生のコドンを含めるなどの実質的に異な
ったコドンの使用を有するNEUAP或いはその誘導体をコードするヌクレオチド配
列を作り出すことは有益となり得る。特定のコドンが宿主によって利用される頻
度に基づいてコドンを選択して、ペプチドの発現が特定の真核細胞又は原核宿主
に発生する割合を高めることが可能である。コードされたアミノ酸配列を変えな
いで、NEUAP及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更する
別の理由は、自然発生の配列から作られる転写物より例えば長い半減期など好ま
しい特性を備えるRNA転写物を作ることにある。
【0105】 本発明はまた、NEUAP及びその誘導体をコードするDNA配列又はそれらの断片を
完全に合成化学によって作り出すことも含む。作製後にこの合成配列を、当分野
で良く知られた試薬を用いて、種々の入手可能な発現ベクター及び細胞系の何れ
の中にも挿入可能である。更に、合成化学を用いて、NEUAPまたはその任意の断
片をコードする配列の中に突然変異を導入することも可能である。
【0106】 更に本発明には、種々のストリンジェント条件の下で、請求項に記載されたポ
リヌクレオチド配列、特に、SEQ ID NO:28−54及びそれらの断片とハイブリダイ
ズ可能なポリヌクレオチド配列が含まれる(例えば、Wahl, G.M.及びS.L. Berger
(1987) Methods Enzymol. 152:399-407; and Kimmel. A.R. (1987) Methods En
zymol. 152:507-511.を参照)。アニーリング及び洗浄条件を含むハイブリダイゼ
ーションの条件は、「定義」に記載されている。
【0107】 当分野で周知のDNAのシークエンシング方法を用いて、本発明の何れの実施例
も実行可能である。この方法には、例えばDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、SE
QUENASE(US Biochemical, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)
、熱安定性T7ポリメラーゼ(Amersham, Pharmacia Biotech Piscataway NJ)、
或いはELONGASE増幅システム(Life Technologies, Gaithersburg MD)にみられる
ような校正エキソヌクレアーゼとポリメラーゼとの組み合わせなどの酵素が用い
られる。好ましくは、MICROLAB2200液体転移システム(Hamilton, Reno, NV)、
PTC200 Thermal Cycler200(MJ Research, Watertown MA)及びABI CATALYST 80
0 (Perkin-Elmer) などの装置を用いて配列の準備を自動化する。次に、ABI 373
或いは377 DNAシークエンシングシステム(Perkin-Elmer)、MEGABACE 1000 DNAシ
ークエンシングシステム(Molecular Dynamics. Sunnyvale CA)または当分野で周
知の他の方法を用いてシークエンシングを行う。得られた配列を当分野で周知の
様々なアルゴリズムを用いて分析する(例えば、Ausubel, F.M. (1997) Short Pr otocols in Molecular Biology , John Wiley & Sons, New York NY, unit 7.7;
Meyers, R.A. (1995) Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, New
York NY, pp. 856-853.を参照)。
【0108】 当分野で周知のPCR法をベースにした種々の方法で、部分的なヌクレオチド配
列を利用して、NEUAPをコードする核酸配列を伸長し、プロモーターや調節要素
などの上流にある配列を検出する。例えば制限部位PCR法を利用する1つの方法
では、一般的なプライマー及びネスト化プライマーを用いてクローニングベクタ
ー内のゲノムDNAから未知の配列を増幅する(例えば、Sarkar, G. (1993) PCR M
ethods Applic 2:318-322を参照)。逆PCR法を用いる別法では、広範な方向に伸
長して環状化した鋳型から未知の配列を増幅するプライマーを用いる。この鋳型
は、既知のゲノム遺伝子座及びその周辺の配列を含む制限断片に由来する(例え
ば、Triglia, T.等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186を参照)。キャプチャPC
R法を用いる第3の方法は、ヒト及び酵母菌人工染色体DNAの既知の配列に隣接す
るDNA断片のPCR増幅を含む(例えば、Lagerstrom, M.他(1991)PCR Methods Ap
plic 1:111-119を参照)。この方法では、多数の制限酵素による消化及びライゲ
−ションを用いて、PCRを行う前に未知の配列の領域の中に組換え二本鎖配列を
挿入することが可能である。また、当分野で周知の別の方法を用いて未知の配列
を得ることも可能である。(例えば、Parker, J.D. 他 (1991)Nucleic Acids Res
. 19:3055-3060を参照)。更に、PCR、ネスト化プライマー、PROMOTERFINDERライ
ブラリ(Clontech, Palo Alto CA)を用いれば、ゲノムDNA内の歩行が可能であ
る。この方法ではライブラリをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エ
キソン接合部を探すのに有用である。全てのPCR法をベースにした方法では、プ
ライマーは、市販のOLIGO 4.06 Primer Analysis software(National Bioscien
ces, Plymouth MN)或いは別の好適なプログラムなどを用いて、長さが22〜3
0ヌクレオチド、GC含有率が50%以上、約68℃〜72℃の温度で鋳型に対
してアニーリングするよう設計される。
【0109】 完全な長さのcDNAのスクリーニングの際は、大きなcDNAを含むようにサイズが
選択されたライブラリを用いるのが好ましい。更に、オリゴd(T)ライブラリが完
全な長さのcDNAを産生できない場合は、遺伝子の5'領域を有する配列を含むも
のが多いランダムに初回抗原刺激を受けたライブラリが有用である。ゲノムライ
ブラリは、5'非転写調節領域への配列の伸長に有用であろう。
【0110】 市販のキャピラリー電気泳動システムを用いて、シークエンシングまたはPCR
産物のヌクレオチド配列のサイズの分析、または確認が可能である。詳しくは、
キャピラリーシークエンシングには、電気泳動による分離のための流動性ポリマ
ー、及び4つの異なったヌクレオチドに特異的なレーザーで活性化される蛍光色
素、放出された波長の検出に利用するCCDカメラを使用することが可能である。
出力/光強度は、適切なソフトウエア(例えば、GENOTYPER及びSEQUENCE NAVIGA
TOR、Perkin-Elmer)を用いて電気信号に変換され、サンプルのローディングか
らコンピュータ分析までのプロセス及び電子データ表示がコンピュータ制御可能
である。キャピラリー電気泳動法は、特定のサンプルに少量しか存在しない場合
もあるDNAの小片のシークエンシングに特に適している。
【0111】 本発明の別の実施例では、NEUAPをコードするポリヌクレオチド配列またはそ
の断片を組換えDNA分子に用いて、適切な宿主細胞内にNEUAP、その断片または機
能的等価物を発現させることが可能である。遺伝暗号固有の宿重により、実質的
に同じ或いは機能的に等価のアミノ酸配列をコードする別のDNA配列が作られ得
り、これらの配列をNEUAPのクローン化及び発現に利用可能である。
【0112】 種々の目的でNEUAPをコードする配列を変えるために、当分野で一般的に知ら
れている方法を用いて、本発明のヌクレオチド配列を組換えることができる。こ
の目的には、遺伝子産物のクローン化、プロセッシング及び/または発現の調節
が含まれるが、これらに限定されるものではない。ランダムな断片によるDNAの
混合や遺伝子断片と合成オリゴヌクレオチドのPCR再組み立てを用いて、ヌクレ
オチド配列の組換えが可能である。例えば、オリゴヌクレオチドの仲介による定
方向突然変異誘発を利用して、新しい制限部位を生成する突然変異の導入、グリ
コシル化パターンの変更、コドン優先の変更、スプライスバリアントの生成等が
可能である。
【0113】 別の実施例によれば、NEUAPをコードする配列は、当分野で周知の化学的方法
を用いて、全体或いは一部が合成可能である(例えば、Caruthers. M.H.等(198
0)Nucl. Acids Res. Symp. Ser 7:215-223; 及びHorn, T.他(1980)Nucl. Aci
ds Res. Symp. Ser.225-232を参照)。別法として、化学的方法を用いてNEUAP自
体またはその断片を合成することが可能である。例えば、ペプチド合成は種々の
固相技術を用いて実行可能である(例えば、Roberge, J.Y.等(1995) Science 26
9:202-204を参照)。また、合成の自動化は例えばABI 431Aペプチドシンセサイ
ザ(Perkin Elmer)を用いて達成し得る。更にNEUAPのアミノ酸配列または任意
のその一部は、直接的な合成の際の変更、及び/または化学的方法を用いた他の
タンパク質または任意のその一部からの配列との組み合わせにより、変異体ポリ
ペプチドを作ることが可能である。
【0114】 このペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィー(例えば、Chiez, R.M.
及び F.Z. Regnier (1990)Methods Enzymol. 182:392-421を参照)を用いて実質
的に精製可能である。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸分析或いはシーク
エンシングにより確認することができる(例えば、Creighton. T. (1983) Protei ns, Structures and Molecular Properties , WH Freeman, New York, NYを参照)
【0115】 生物学的に活性なNEUAPを発現させるために、NEUAPをコードするヌクレオチド
配列またはその誘導体を好適な発現ベクターに挿入する。この発現ベクターは、
好適な宿主に挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳の調節に必要な要素を
含む。これらの要素には、ベクター及びNEUAPをコードするポリヌクレオチド配
列におけるエンハンサー、構成型及び発現誘導型のプロモーター、5'及び3'の
非翻訳領域などの調節配列が含まれる。このような要素は、その長さ及び特異性
が様々である。特定の開始シグナルによって、NEUAPをコードする配列のより効
果的な翻訳を達成することが可能である。このようなシグナルには、ATG開始
コドン及びコザック配列などの近傍の配列が含まれる。NEUAPをコードする配列
及びその開始コドン、上流の調節配列が好適な発現ベクターに挿入された場合は
、更なる転写調節シグナルや翻訳調節シグナルは必要なくなるであろう。しかし
ながら、コーディング配列或いはその断片のみが挿入された場合は、インフレー
ムのATG開始コドンを含む外来性の翻訳調節シグナルが発現ベクターに含まれ
なければならない。外来性の翻訳要素及び開始コドンは、自然及び合成の様々な
ものから得ることが可能である。用いられる特定の宿主細胞系に好適なエンハン
サーを含めることで発現の効率を高めることが可能である。(例えば、Scharf, D
. 他 (1994) Results Probl. Cell Differ. 201−18-162.を参照)。
【0116】 当業者に周知の方法を用いて、NEUAPをコードする配列、好適な転写及び翻訳
調節要素を含む発現ベクターを作製することが可能である。これらの方法には、 in vitro 組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝子組換え技術が含まれる。
(例えば、 Sambrook, J. 他. (1989) Molecular Cloning. A Laboratory Manual , Cold Spring Harbor Press, Plainview NY, 4章及び8章, 及び16-17章; 及び
Ausubel, F.M. 他. (1995) Current Protocols in Molecular Biology, John W
iley & Sons, New York NY, ch. 9章及び13章1−4章を参照)。
【0117】 種々の発現ベクター/宿主系を利用して、NEUAPをコードする配列の保持及び
発現が可能である。これらには、限定するものではないが、組換えバクテリオフ
ァージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌な
どの微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換された酵母菌や、ウイルス発現ベ
クター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現ベ
クター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイル
ス、TMV)または細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド
)で形質転換された植物細胞系や、動物細胞系などが含まれる。本発明は使用さ
れる宿主細胞によって限定されるものではない。
【0118】 細菌系では、多数のクローニングベクター及び発現ベクターが、NEUAPをコー
ドするポリヌクレオチド配列の使用目的に応じて選択可能である。例えば、NEUA
Pをコードするポリヌクレオチド配列の日常的なクローニング、サブクローニン
グ、増殖には、PBLUESCRIPT(Stratagene, La Jolla CA)またはpSPORT1プラスミ
ド(GIBCO BRL)などの多機能の大腸菌ベクターを用いることができる。ベクター
の多数のクローニング部位にNEUAPをコードする配列をライゲーションするとlac
Z遺伝子が破壊され、組換え分子を含む形質転換された細菌の同定のための比色
スクリーニング法が可能となる。更に、これらのベクターを用いて、クローニン
グされた配列のin vitroでの転写、ジデオキシンスクリーニング、ヘルパーファ
ージによる一本鎖の救出、入れ子状態の欠失を作り出すことが可能である。(例
えば、Van Heeke, G.及びS.M. Schuster (1989) J. Biol. Chem. 264:5503-5509
.を参照)。例えば、抗体の産生のためなどに多量のNEUAPが必要な場合は、NEUAP
の発現をハイレベルで誘導するベクターが使用できる。例えば、強力に発現を誘
発するT5またはT7バクテリオファージプロモーターを含むベクターを使用できる
【0119】 NEUAPの発現に酵母の発現系の使用が可能である。α因子やアルコールオキシ
ダーゼやPGHプロモーターなどの構成型或いは誘導型のプロモーターを含む多種
のベクターが、酵母菌サッカロミセス−セレビジエまたはPichia pastorisに使
用可能である。更に、このようなベクターは、発現したタンパク質の分泌か細胞
内への保持のどちらかを誘導し、安定した増殖のために宿主ゲノムの中に外来配
列を組み込む。(例えば、上記のAusubel.; 及びBitter, G.A. 他 (1987) Method
s Enzymol.153:51-794: Scorer. C. A. 他 (1994) Bio/Technology 121−181-18
4.を参照) 植物系もNEUAPの発現に使用可能である。NEUAPをコードする配列の転写は、例
えば、CaMV由来の35S及び19Sプロモーターなどのウイルスプロモーターが単独で
、或いはTMV(Takamatsu, N.等(1987)EMBO J 6:307-311)由来のオメガリーダ
ー配列と組み合わせて促進される。これらの作製物は、直接のDNA形質転換或い
は病原体を介したトランスフェクションによって、植物細胞の中に導入可能であ
る。(例えば、The McGraw Hill Yearbook of Science and Technology(1992)
McGraw Hill NY, pp.191-196を参照)。
【0120】 哺乳動物細胞では、多種のウイルスベースの発現系が利用され得る。アデノウ
イルスが発現ベクターとして用いられる場合、後発プロモーター及び3連リーダ
ー配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳複合体にNEUAPをコードする配列を
結合し得る。ウイルスのゲノムの非必須のE1またはE3領域への挿入により、
感染した宿主細胞にNEUAPを発現する生ウイルスを得ることが可能である(Logan
, J.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:3655-3659を参照)。さ
らに、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハンサーを用い
て、哺乳動物宿主細胞における発現を増大させることが可能である。タンパク質
を高レベルで発現させるために、SV40またはEBVを基にしたベクターを用いるこ
とが可能である。
【0121】 ヒト人工染色体(HAC)を用いて、プラスミドで発現しそれに含まれているも
のより大きなDNAの断片を供給可能である。治療のために約6kb〜10MbのHACs
を作製し、従来の輸送方法(リポソーム、ポリカチオンアミノポリマー、または
ベシクル)で供給する。(例えば、Harrington. J.J. 他 (1997) Nat Genet.15:3
45-355.を参照)。
【0122】 哺乳動物系の組換えタンパク質の長期にわたる産生のためには、株化細胞にお
けるNEUAPの安定した発現が望ましい。例えば、発現ベクターを用いて、NEUAPを
コードする配列を株化細胞に形質転換することが可能である。このような発現ベ
クターは、ウイルス起源の複製及び/または内在性の発現要素や、同じ或いは別
のベクターの上の選択マーカー遺伝子を含む。ベクターの導入の後、細胞を選択
培地に移す前に、強化培地で約1〜2日の間増殖させる。選択マーカーの目的は
選択的な媒介物に対する抵抗性を与えるとともに、その存在により導入された配
列をうまく発現する細胞の増殖及び回収が可能となる。安定的に形質転換された
細胞の耐性クローンは、その細胞型に好適な組織培養技術を用いて増殖可能であ
る。
【0123】 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞系を回収することが可能であ
る。選択系には、以下のものに限定はしないが、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれ
、それぞれtk又はapr細胞において使用される。(例えば、Wigler, M. 他 (1
977) Cell 11:223-232; 及びLowy, I. 他(1980) Cell 22:817-823を参照)。また
代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択のベースとして用いること
ができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、neoはアミノグ
リコシッドネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え、als或いはpatはクロル
スルフロン(cNEUAPsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラー
ゼ(phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(例えば、Wigl
er, M. 他. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. 77:3567-3570; Colbere-Garapin,
F. 他(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14を参照)。さらに選択に利用できる遺伝子
、例えば、代謝のために細胞が必要なものを変えるtrpB及びhisDが文献に記載さ
れている(例えば、Hartman, S.C.及びR.C. Mulligan(1988)Proc. Natl. Acad
. Sci. 85:8047-51を参照)。アニトシアニン、緑色蛍光タンパク質(GFP;Clon
tech)、βグルクロニダーゼ及びその基質GUS,ルシフェラーゼ及びその基質ル
シフェリンなどの可視マーカーが用いられる。緑色蛍光タンパク質(GFP)(Clon
tech, Palo Alto, CA)も使用できる。これらのマーカーを用いて、トランスフォ
ーマントを特定するだけでなく、特定のベクター系に起因する一過性或いは安定
したタンパク質発現を定量することが可能である(例えば、Rhodes, C.A.他(19
95)Methods Mol. Biol. 55:121−791を参照)。
【0124】 マーカー遺伝子の発現の存在/不在によって目的の遺伝子の存在が示されても
、その遺伝子の存在及び発現の確認が必要な場合もある。例えば、NEUAPをコー
ドする配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入された場合、NEUAPをコードする配
列を含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子機能の欠落により特定可能であ
る。または、1つのプロモーターの制御下でマーカー遺伝子がNEUAPをコードす
る配列と一列に配置することも可能である。誘導または選択に応答したマーカー
遺伝子の発現は、通常タンデム遺伝子の発現も示す。
【0125】 一般に、NEUAPをコードする核酸配列を含み、NEUAPを発現する宿主細胞は、当
業者に周知の種々の方法を用いて特定することが可能である。これらの方法には
、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーションや、PCR法、核酸或いはタン
パク質の検出及び/または数量化のための膜系、溶液ベース、或いはチップベー
スの技術を含むタンパク質生物学的試験法または免疫学的アッセイが含まれるが
、これらに限定されるものではない。
【0126】 特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらかを用いるNE
UAPの発現の検出及び計測のための免疫学的な方法は、当分野で周知である。こ
のような技法には、酵素に結合したイムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジ
オイムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分取器(FACS)などがある。NEUAP上
の2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いた、2部位のモ
ノクローナルベースイムノアッセイ(two-site, monoclonal-based immunoassay
)が好ましいが、競合の結合アッセイも用いることもできる。これらのアッセイ
及びその他のアッセイは、当分野では十分に知られている。(例えば、 Hampton.
R. 他.(1990) Serological Methods, a Laboratory Manual. APS Press. St Pa
ul. MN, Sect. IV; Coligan, J. E. 他Current Protocols in Immunology, Gree
ne Pub. Associates and Wiley-Interscience, New York. NY; 及びPound, J.D.
(1990) Immunochemical Protocols, Humans Press, Totowa NJ)。
【0127】 種々の標識方法及び結合方法が当業者には周知であり、様々な核酸アッセイお
よびアミノ酸アッセイに用いられ得る。NEUAPをコードするポリヌクレオチドに
関連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ或
いはPCRプローブを生成する方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレーショ
ン、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれる。
別法として、NEUAPをコードする配列、またはその任意の断片をmRNAプローブを
生成するためのベクターにクローニングすることも可能である。当分野では周知
であり市販されているこのようなベクターを、T7,T3,またはSP6などの好適なR
NAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドの追加によって、in vitroでのRNA
プローブの合成に用いることができる。これらの方法は、例えば、Amersham Pha
rmacia Biotech及びPromega(Madison WI)、U.S. Biochemical Corp(Clevelan
d OH)が市販する種々のキットを用いて行うことができる。容易な検出のために
用い得る好適なレポーター分子或いは標識には、基質、コファクター、インヒビ
ター、磁気粒子、及び放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、色素産生剤など
が含まれる。
【0128】 NEUAPをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培地
でのこのタンパク質の発現及び回収に好適な条件の下で培養される。形質転換さ
れた細胞から産生されたタンパク質が分泌されるか細胞内に留まるかは、使用さ
れるその配列及び/またはそのベクターによる。NEUAPをコードするポリヌクレ
オチドを含む発現ベクターは、原核細胞膜及び真核細胞膜を透過するNEUAPの分
泌を誘導するシグナル配列を含むように設計できることは、当業者には理解され
よう。
【0129】 更に、挿入した配列の発現調節能力または発現したタンパク質を所望の形にプ
ロセシングする能力によって宿主細胞株が選択される。このようなポリペプチド
の修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(
lipidation)、及びアシル化が含まれるが、これらに限定されるものではない。
タンパク質の「prepro」または「pro」形を切断する翻訳後のプロセシングを利
用して、標的タンパク質、折りたたみ及び/または活性を特定することが可能で
ある。翻訳後の活性のための特定の細胞装置及び特徴のある機構をもつ種種の宿
主細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、MEK293、WI38)がAmerican Type Culture C
ollection(ATCC; Bethesda, MD)より入手可能であり、外来のタンパク質の正
しい修飾及びプロセシングを確実にするために選択される。
【0130】 本発明の別の実施例では、NEUAPをコードする自然或いは変更された、または
組換えの核酸配列を上記した任意の宿主系の融合タンパク質の翻訳となる異種配
列に結合させる。例えば、市販の抗体によって認識できる異種部分を含むキメラ
NEUAPタンパク質が、NEUAPの活性のインヒビターに対するペプチドライブラリの
スクリーニングを促進し得る。また、異種タンパク質部分及び異種ペプチド部分
が、市販の親和性基質を用いて融合タンパク質の精製を促進し得る。このような
部分には、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパ
ク質(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、6
−His、FLAG、c−mc、赤血球凝集素(HA)が含まれるが、これらに限定されるも
のではない。GST及びMBP、Trx、CBP、6−Hisによって、固定されたグルタチオン
、マルトース、フェニルアルシン酸化物(phenylarsine oxide)、カルモジュリ
ン、金属キレート樹脂のそれぞれで同族の融合タンパク質の精製が可能となる。
FLAG、c−mc、及び赤血球凝集素(HA)によって、これらのエピトープ標識を特
異的に認識する市販のモノクロナール抗体及びポリクロナール抗体を用いた融合
タンパク質の免疫親和性の精製ができる。また、NEUAPをコードする配列と異種
タンパク質配列との間にあるタンパク質分解切断部位を融合タンパク質が含むよ
うに遺伝子操作すると、NEUAPが精製の後に異種部分から切断され得る。融合タ
ンパク質の発現と精製の方法は、Ausubel. (1995、前出 ch 10).に記載されてい
る。市販されている様々なキットを用いて、融合タンパク質の発現及び精製を促
進できる。
【0131】 本発明の別の実施例では、TNTウサギ網状赤血球可溶化液またはコムギ胚芽抽
出系(Promega)を用いてin vitroで放射能標識したNEUAPの合成が可能である。こ
れらの系は、T7またはT3、SP6プロモーターと機能的に結合したタンパク質をコ
ードする配列の転写と翻訳をつなげる。翻訳は、例えば、35Sメチオニンであ
る放射能標識されたアミノ酸前駆体の存在の下で起こる。
【0132】 NEUAPの断片は、組換え生成物だけでなく固相技術を用いて直接的なペプチド
合成によって作製され得る(例えば、前出のCreighton, pp. 55-60.を参照)。タ
ンパク質の合成は、手動或いは自動で行われ得る。自動合成は、例えば431Aペプ
チドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて行うことが可能である。NEUAPの種
々の断片は別々に合成して、次ぎに結合させて完全長分子を生成する。
【0133】 (治療) NEUAPのある領域とニューロン関連タンパク質のある領域との間に、例えば配
列及びモチーフの文脈における化学的及び構造的類似性が存在する。更に、NEUA
Pの発現は、神経組織、神経の疾患、癌を含む細胞増殖異常症、炎症、及び免疫
応答に密接に関連する。従って、NEUAPは、癌を含む細胞増殖異常症、ニューロ
ン及び神経の疾患、及び自己免疫異常症/炎症性疾患においてある役割を果たす
と考えられる。NEUAPの発現または活性の増大に関連する疾患の治療においては
、NEUAPの発現または活性を低下させることが望ましい。また、NEUAPの発現また
は活性の低下に関連する疾患の治療においては、NEUAPの発現または活性を増大
させることが望ましい。
【0134】 従って、一実施例において、NEUAPの発現または活性の低下に関連した疾患の
治療または予防のために、患者にNEUAPまたはその断片や誘導体を投与すること
が可能である。限定するものではないが、このような疾患の例には、神経疾患が
含まれ、その中には、癲癇、虚血性脳血管障害、脳卒中、大脳新生物、アルツハ
イマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パーキソン病及びその他の錐体外
路障害、筋萎縮性側策硬化及びその他の運動ニューロン障害、進行性神経性筋萎
縮症、色素性網膜炎、遺伝性運動失調、多発性硬化症及び他の脱髄疾患、細菌性
及びウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、硬膜外膿瘍、化膿性頭蓋内血栓
性静脈炎、脊髄炎及び神経根炎、ウイルス性中枢神経系疾患と、クールー及びク
ロイツフェルト‐ヤコブ病、ゲルストマン症候群、Gerstmann-Straussler-Schei
nker症候群を含むプリオン病(prion disease)と、致死性家族性不眠症、神経
系性栄養病及び代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小脳網膜血管芽腫(cerebe
lloretinal hemangioblastomatosis)、脳3叉神経血管症候群、中枢神経系性精
神薄弱及び他の発生障害、脳性麻痺、神経骨格異常症、自律神経系障害、末梢神
経疾患、皮膚筋炎及び多発性筋炎と、遺伝性、代謝性、内分泌性、及び中毒性ミ
オパシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺と、気分性及び不安性精神障害、及
び妄想性精神病と、季節性の感情の障害(SAD)、静座不能、健忘症、緊張病、
糖尿病性ニューロパシー、錐体外路性終末欠陥症候群、ジストニー、***病性精
神障害、帯状疱疹後神経痛、及びトゥーレット病が含まれ、また、細胞増殖異常
症が含まれ、その中には日光性角化症及びアテローム性動脈硬化、滑液包炎、硬
変、肝炎、混合型結合組織病(MCTD)、骨髄線維症、発作性夜間ヘモグロビン尿
症、真性多血症、乾癬、原発性血小板血症、並びに腺癌及び白血病、リンパ腫、
黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、
***、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓
、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、子宮の癌などが
含まれ、また、自己免疫異常症/炎症性疾患も含まれ、その中には後天性免疫不
全症候群(AIDS)及び副腎機能不全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性
脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血
性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多腺性内分泌カンジダ性外胚葉ジスト
ロフィ(APECED)、気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮
膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、赤芽
球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、
グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、多発性硬化
症、重症筋無力症、心筋又は心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう症、膵炎、多発性
筋炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症候群
、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減
少症、潰瘍性大腸炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環と、ウ
ィルス感染症及び細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原虫感染症、蠕虫の
感染症、外傷が含まれる。
【0135】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むNEUAPの発
現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、NEUAPまたはそ
の断片や誘導体を発現し得るベクターを患者に投与することも可能である。
【0136】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むNEUAP
の発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、実質的に精
製されたNEUAPを含む医薬品組成物を好適な医薬用担体と共に患者に投与するこ
とも可能である。
【0137】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むNEUAP
の発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、NEUAPの活
性を調節するアゴニストを患者に投与することも可能である。
【0138】 更なる実施例では、NEUAPの発現または活性の増大に関連した疾患の治療また
は予防のために、患者にNEUAPのアンタゴニストを投与することが可能である。
このような疾患の例には、限定するものではないが、上記した癌を含む細胞増殖
異常症、ニューロン及び神経の疾患、及び自己免疫異常症/炎症性疾患が含まれ
る。一実施態様では、NEUAPと特異的に結合する抗体が直接アンタゴニストとし
て、或いはNEUAPを発現する細胞または組織に薬剤を運ぶターゲッティング或い
は運搬機構として間接的に用いられ得る。
【0139】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むNEUAPの発
現または活性の増大に関連した疾患の治療または予防のために、NEUAPをコード
するポリヌクレオチドの相補体を発現するベクターを患者に投与することも可能
である。
【0140】 別の実施例では、本発明の任意のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ
スト、相補的な配列、ベクターを別の好適な治療薬と組み合わせて投与すること
もできる。当業者は、従来の医薬原理にしたがって併用療法で用いる好適な治療
薬を選択可能である。治療薬との組み合わせにより、上に列記した種々の疾患の
治療または予防に相乗効果をもたらし得る。この方法を用いて少ない量の各薬剤
で医薬効果をあげることが可能であり、広範囲な副作用の可能性を低減し得る。
【0141】 NEUAPのアンタゴニストは、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可
能である。詳しくは、精製されたNEUAPを用いて抗体を作ったり、治療薬のライ
ブラリをスクリーニングしてNEUAPと特異的に結合するものを同定が可能である
。NEUAPの抗体も、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能である。
このような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、
一本鎖、Fabフラグメント、及びFab発現ライブラリによって作られたフラグメン
トが含まれる。但し、これらに限定されるものではない。治療用には、中和抗体
(即ち、二量体の形成を阻害するもの)が特に好ましい。
【0142】 抗体の産生のためには、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト及びその他のも
のを含む種々の宿主が、NEUAPまたは任意の断片、または免疫原性の特性を備え
るそのオリゴペプチドの注入によって免疫化され得る。宿主の種に応じて、種々
のアジュバントを用いて免疫応答を高めることもできる。このようなアジュバン
トにはフロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲルアジュ
バント、リゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性
乳剤、キーホールリンペットヘモシニアン、及びジニトロフェノールなどの界面
活性剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。ヒトに用いられるアジ
ュバントの中では、BCG(bacilli Calmette-Guerin)及びCorynebacterium parv um が特に好ましい。
【0143】 NEUAPに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、
または断片は、少なくとも約5のアミノ酸からなり、一般的には約10以上のア
ミノ酸からなるものが好ましい。これらのオリゴペプチド或いはペプチド、また
はそれらの断片は、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であることが
望ましく、小さな自然発生の分子の全アミノ酸配列も含む。NEUAPアミノ酸の短
い伸展部は、KLHなどの別のタンパク質の配列と融合し、キメラ分子に対する抗
体が産生され得る。
【0144】 NEUAPに対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、抗
体分子を産生する任意の技術を用いて作製することが可能である。これらの技術
には、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV−ハイブ
リドーマ技術が含まれるが、これらに限定されるものではない(例えば、Kohler
, G. 等. (1975) Nature 256:495-497; Kozbor, D. 等. (1985) .J. Immunol. M
ethods 81−8-42; Cote, R.J. 等. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-20
30; Cole, S.P. 等. (1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120を参照)。
【0145】 更に、「キメラ抗体」の作製のために発達したヒト抗体遺伝子にマウス抗体遺
伝子をスプライシングするなどの技術が、好適な抗原特異性及び生物学的活性を
備える分子を得るために用いられる(例えば、Morrison, S.L.他. (1984) Proc.
Natl. Acad. Sci. 81−4851−4855; Neuberger, M.S.他. (1984) Nature 312:6
04-608; Takeda, S.等. (1985) Nature 314:452,454を参照)。別法では、当分
野で周知の方法を用いて、一本鎖抗体の産生のための記載された技術を適用して
、NEUAP特異性一本鎖抗体を生成する。関連する特異性を備えるが別のイディオ
タイプの組成の抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンライブラリから
鎖混合によって生成することもできる(例えば、Burton D.R. (1991) Proc. Nat
l. Acad. Sci. 88:11120-3を参照)。
【0146】 抗体は、リンパ球集団の中のin vivo産生を誘発することによって、または免
疫グロブリンライブラリのスクリーニング又は文献に示されているような、高度
に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニングすることによって、産生すること
もできる(例えば、Orlandi, R. 他. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86: 3833
-3837; Winter, G. 他. (1991) Nature 349:293-299を参照)。
【0147】 NEUAPに対する特異的な結合部位を含む抗体も産生することができる。例えば
、このような断片には、抗体分子のペプシン消化によって生成されるF(ab')に
断片と、F(ab')に断片のジスルフィド架橋を減じることによって生成されるFa
b断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。別法では、Fab発現ライ
ブラリを作製することによって、所望の特異性とモノクローナルFab断片の迅速
且つ容易な同定が可能となる(例えば、Huse, W.D. 等. (1989) Science 254:12
75-1281を参照)。
【0148】 種々のイムノアッセイを用いてスクリーニングし、所望の特異性を有する抗体
を同定する。隔離された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体の何れかを用いる競合的な結合、または免疫放射線活性のための数々のプ
ロトコルが、当分野では周知である。通常このようなイムノアッセイには、NEUA
Pとその特異性抗体との間の複合体調整の計測が含まれる。二つの非干渉性NEUAP
エピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を用いる、2部位モノクローナ
ルベースのイムノアッセイが一般に利用されるが、競合的結合アッセイも利用す
ることができる(Pound、前出)。
【0149】 ラジオイムノアッセイ技術と共にScatchard分析などの様々な方法を用いて、N
EUAP抗体の親和性を評価する。親和性を結合定数Kaで表すが、このKaは、平衡状
態の下でNEUAP抗体複合体のモル濃度を遊離抗体と遊離抗原のモル濃度で割った
ものである。多数のNEUAPエピトープに対して親和性が不均一なポリクロナール
抗体試薬の測定値Kaは、NEUAP抗体の平均親和性または結合活性を表す。特定
のNEUAPエピトープに単一特異的なモノクロナール抗体試薬のKaは、親和性の
真の測定値を表す。Ka値が10〜1012L/molの高親和性抗体試薬は、
NEUAP抗体複合体が激しい操作に耐えなければならないイムノアッセイに用いる
のが好ましい。Ka値が10〜10L/molの低親和性抗体試薬は、NEUAP
が抗体から最終的に活性化状態で解離する必要がある免疫精製(immunopurifica
tion)及び類似の処理に用いるのが好ましい。(Catty, D. (1988) Antibodies, Volume I: A Practical Approach . IRL Press, Washington, DC; Liddell, J. E
. and Cryer, A. (1991) A Practical Guide to Monoclonal Antibodies, John
Wiley & Sons, New York NY)。
【0150】 ポリクロナール抗体試薬の抗体価及び結合活性を更に評価して、ある下流の適
用例に対するこのような試薬の品質及び適性を調べる。例えば、少なくとも1〜
2mg/mlの特異的な抗体、好ましくは5〜10mg/mlの特異的な抗体を
含むポリクロナール抗体試薬は一般に、NEUAP抗体複合体を沈殿させなければな
らない処理に用いられる。様々な適用例における抗体の特異性及び抗体価、結合
活性、抗体の品質や使用法の指針は一般に入手可能である。(例えば、Catty, 前
出, 及びColigan 他、前出を参照)。
【0151】 本発明の別の実施例では、NEUAPをコードするポリヌクレオチド、またはその
任意の断片または相補配列が、治療目的で使用することができる。ある実施形態
では、NEUAPをコードするポリヌクレオチドの相補配列がmRNAの転写を阻止する
のに好適である場合、これを使用することができる。特に細胞は、NEUAPをコー
ドするポリヌクレオチドと相補的な配列で形質転換することもできる。したがっ
て、相補的分子または断片は、NEUAPの活性の調節、または遺伝子機能の調節の
ために使用することができる。このような技術は当分野では周知であり、センス
またはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは大きな断片が、NEUAPをコードす
る配列の制御領域から、またはコード領域に沿ったさまざまな位置から設計可能
である。
【0152】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス又はワクシニア、又は様々な細菌
性プラスミド由来の発現ベクターを用いて、ヌクレオチド配列を標的の器官、組
織又は細胞集団に運ぶこともできる。当業者に周知の方法を用いてNEUAPをコー
ドポリヌクレオチドと相補的な核酸配列を発現するベクターを作製することがで
きる(例えば、前出のSambrook 他、及び前出のAusubel 他によるものを参照)。
【0153】 NEUAPをコードする遺伝子は、NEUAPをコードするポリヌクレオチド又はその断
片を高いレベルで発現する発現ベクターで、細胞又は組織を形質転換することに
よって止めることができる。このような作製物を用いて翻訳できないセンス又は
アンチセンス配列を細胞の中に導入することができる。DNAの中に組み入れられ
ない場合でも、このようなベクターは内在性のヌクレアーゼによって機能が損な
われるまでmRNA分子を転写し続ける。非複製ベクターでも一過性の発現を一ヶ月
以上に亘って続け、好適な複製要素がベクター系の一部である場合はさらに長く
持続し得る。
【0154】 上記した通り、遺伝子の発現は、NEUAPをコードする遺伝子の制御5’または
調節領域に対する相補的な配列またはアンチセンス分子(DNA或いはRNA、PNA)
を設計することによって調節することができる。例えば開始部位から約−10か
ら約+10までの転写開始部位に由来するオリゴヌクレオチドを用いることが可
能である。同様に、「三重らせん」と塩基対合法を用いて阻止することができる
。三重らせん構造は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の
結合のために十分に広がるのを阻止するため有用である。三重式DNAを用いる最
近の治療の進歩は文献に記載されている(例えば、Gee, J.E. 等. (1994) In: H
uber, B.E. 及び B.I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futura
Publishing Co., Mt. Kisco, NYを参照)。相補的な配列またはアンチセンス分
子もまた、転写物がリボソームに結合するのを阻止することによってmRNAの翻訳
を阻止するように設計できる。
【0155】 酵素性RNA分子であるリボザイムは、RNAの特異的切断を触媒するために用いる
ことができる。リボザイム作用の機構には、相補的な標的RNAへのリボザイム分
子の配列特異性ハイブリダイゼーションが含まれ、ヌクレオチド鎖切断が続く。
例えば、NEUAPをコードする配列のヌクレオチド鎖切断を、特異的且つ効果的に
触媒する組換え型のハンマーヘッド型リボザイム分子が含まれる。
【0156】 任意の潜在的RNA標的の中の特異的なリボザイム切断部位が、後続の配列GU
A、GUU、及びGUCを含むリボザイム切断部位に対して、標的分子をスキャ
ニングすることによって初めに同定される。一度同定されると、切断部位を含む
標的遺伝子の領域に対応する15個から20個のリボヌクレオチドの短いRNA配
列を、オリゴヌクレオチドの機能を不全にする二次的な構造の特徴について評価
することが可能である。候補標的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを
用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの容易性をテ
ストすることによって評価することが可能である。
【0157】 本発明の相補的なリボ核酸分子及びリボザイムは、当分野で周知の方法を用い
て、核酸分子の合成のために作製することができる。これらの方法には、固相ホ
スホラミダイト化合物などのオリゴヌクレオチドを化学的に合成する方法が含ま
れる。別法では、RNA分子がin vitro及びin vivoでNEUAPをコードするDNA配列の
転写によって生成され得る、このようなDNA配列はT7またはSP6等の好適なRNAポ
リメラーゼプロモータを用いて、種々のベクターの中に組み入れることが可能で
ある。別法では、相補的なRNAを構成的または誘導的に合成するこれらのcDNA作
製物は、細胞株、細胞、または組織の中に導入することができる。
【0158】 RNA分子を修飾することによって、細胞内の安定性を高め、半減期を長くする
ことができる。可能な修飾には、分子の5’及び/または3’端部でのフランキ
ング配列の追加、または分子のバックボーン内でのホスホジエステラーゼ結合よ
りむしろホスホロチオネート又は2’Oメチルの使用が含まれる、がこれらに限
定されるものではない。PNAの生成に固有のこの概念は、内在性のエンドヌクレ
アーゼによって容易には認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミン、
及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び同様の修飾形態だけでなく
、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)など
の従来のものでない塩基を含めることによって、これらの分子の全体に拡大する
ことができる。
【0159】 ベクターを細胞又は組織に導入する多数の方法が利用でき、in vivoin vitr o 、及びex vivoでの使用に等しく適している。ex vivoでの治療の場合、患者か
ら採取された肝細胞の中にベクターを導入して、自家移植で同じ患者に戻すため
にクローニング増殖される。トランスフェクション、リボソーム注入またはポリ
カチオンアミノポリマーによる運搬は、当分野で周知の方法を用いて実行するこ
とができる(例えば、Goldman, C.K. 他. (1997) Nature Biotechnology 15:462
-66:を参照)。
【0160】 上記したいかなる治療方法も、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサ
ギ及びサルなどの哺乳動物を含む、治療が必要な全ての被験者に適用できる。
【0161】 本発明の別の実施例は、上記した全ての治療効果のために、医学上認められる
担体と共に医薬品或いは無菌組成物の投与に関連する。このような医薬品組成物
は、NEUAP、NEUAPに対する抗体、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、又はNEUA
Pのインヒビターなどからなる。この組成物は、単体で、或いは安定剤などの1
種類以上の別の薬剤と共に、無菌の生体適合性医薬品担体に投与することができ
る。このような医薬品担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖、及び水な
どが含まれるがこれらに限定されるものではない。この組成物は、単独或いは薬
物又はホルモンなどの別の薬剤と共に投与することができる。
【0162】 本発明に用いられる医薬品組成物は、任意の数の経路を用いて投与することも
できる。この経路には、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、クモ膜下腔内
、心室内、経皮性、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、異所性、舌下、または直腸が
含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0163】 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物には、活性化合物を医薬的に使
用可能な薬剤にするのを容易にする、医薬品添加物及び補助剤を含む好適な薬学
的に認められる担体が含まれ得る。製剤及び投与についての詳しい技術について
は、最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing, PA)に
記載されている。
【0164】 経口投与用の医薬品組成物が、経口投与に好適な投与量において当分野で周知
の薬学的に許容される担体を用いて、製剤することができる。このような担体に
より、医薬品組成物が患者が摂取するために、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、
液体、ゲル状、シロップ剤、泥状物、懸濁液として製剤される。
【0165】 経口用に用いられる医薬品は、活性化合物と固体の薬品添加物とを混合し、得
られた顆粒の混合物を処理して、(所望に応じてすりつぶした後)タブレット或
いは糖衣錠コア(dragee cores)にする。好適な医薬品添加物とは、ラクトース
、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類、トウモロコシ、小
麦、米、ジャガイモ、又はその他の植物からのでんぷん、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなどのセルロース、アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム、ゼラチン
及びコラーゲンなどのタンパク質などの炭水化物又はタンパク質賦形剤である。
必要に応じて、例えば、架橋結合したポリビニルピロリドン、かんてん、アルギ
ン酸、またはその塩であるアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤が
加えられる。
【0166】 糖衣錠コアは、濃縮糖溶剤などの好適なコーティングと共に用いられる。この
ような濃縮糖溶剤には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボ
ポルゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタ
ン、ラッカー溶剤、及び好適な有機溶媒または混合溶剤などが含まれ得る。染料
または色素が、製品の識別又は活性化合物の量、即ち薬用量を示すため、錠剤ま
たは糖衣錠に加えられる。
【0167】 経口用に用いられる医薬品製剤には、ゼラチンから作られたプッシュ−フィッ
ト型のカプセル、グリセロールまたはソルビトールなどのコーティングとゼラチ
ンからなる封入されたカプセルが含まれる。プッシュ−フィット型のカプセルに
は、ラクトース又はスターチなどの賦形剤や結合材、タルク又はステアリン酸マ
グネシウムなどの潤滑剤、所望に応じて安定剤と混合された活性処方成分が含ま
れる。ソフトカプセルでは、活性化合物が、安定剤と共に或いは安定剤なしで、
脂肪油、溶液、またはポリエチレングリコール溶液などの好適な溶液に溶解或い
は懸濁され得る。
【0168】 非経口投与用に好適な医薬品剤が、水溶液で製剤されるが、ハンクス液、リン
ガー液、生理緩衝食塩水などの生理学的に適合性のある緩衝剤が好ましい。水性
懸濁注射液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデ
キストランなどの懸濁液の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性化合物の懸
濁液は、好適な油性注入懸濁液として製剤され得る。好適な親水性溶液または媒
体には、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチル、トリグリセリド又はリボソー
ムなどの合成脂肪酸が含まれる。非脂質ポリカチオンアミノポリマーが、運搬目
的で使用される。随意選択により、懸濁液は高濃度の溶液が可能となるよう化合
物の溶解性を高める好適な安定剤または薬剤を含み得る。
【0169】 局部または鼻腔投与のために、特定の障壁に浸透する好適な浸透剤が製剤に用
いられる。このような浸透剤は当業者には周知である。
【0170】 本発明の医薬品組成物は、当分野で周知の方法、例えば従来の混合、溶解、顆
粒化、糖衣化、溶離(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥
処理を用いて製造され得る。
【0171】 医薬品組成物は塩類として製剤され、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等の多くの酸と共に形成可能である。塩分は対
応する遊離塩基系よりも、水溶剤または他のプロトン溶剤に溶けやすい。別の薬
剤の形態には、1mM〜50mMヒスチジン、0.1%〜2%スクロース、及び
2%〜7%マンニトールの幾つか或いは全てを含み、pHの範囲が4.5〜5.
5であり、使用前に緩衝剤と結合する凍結乾燥粉末を用いることができる。
【0172】 医薬品組成物が調合された後、それらは適当な箱に詰められ、指定した症状の
薬としてラベルが貼られる。NEUAPの投与のため、このようなラベルには、量、
頻度、及び投与の方法が含まれるであろう。
【0173】 本発明に用いる好適な医薬品組成物には、目的を達成するため、効果的な量の
活性処方成分を含む組成物が含まれる。当業者は、自分の能力で十分に効果的な
服用量を決めることができる。
【0174】 どのような組成物であっても、治療に効果的な薬用量は、初めは、例えば腫瘍
細胞の腫瘍細胞アッセイで、或いは動物モデルのどちらかで推定することができ
る。通常、動物モデルには、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタなどが用いられる
。動物モデルはまた、好適な濃縮範囲及び投与の経路を決めるのに用いることが
できる。このような治療をもとに、ヒトへの有益な薬用量及び投与経路を決定す
ることができる。
【0175】 医学的に効果的な薬用量は、症状や容態を回復させる、たとえばNEUAP又はそ
の断片、NEUAPの抗体、NEUAPのアゴニストまたはアンタゴニスト、インヒビター
などの活性処方成分の量に関連する。薬用有効度及び毒性は、たとえば、ED50 (服用に対して集団の50%に医薬的効果がある)またはLD50(服用に対して
集団の50%に致命的である)統計を計算するなど、細胞培養または動物実験に
おける標準的な薬剤手法によって決定することができる。毒性効果と治療効果と
の薬用量比は治療指数であり、LD50/ED50と示すことができる。高い治療指
数を示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られた
データが、ヒトへの適用のために、薬用量の範囲を調剤するのに用いられる。こ
のような組成物が含まれる薬用量は、毒性を殆ど或いは全く含まず、ED50を含
む血中濃度の範囲であることが望ましい。薬用量は、用いられる投与形態及び患
者の感受性、投与の経路によって、この範囲内で様々である。
【0176】 正確な薬用量は、治療が必要な患者に関する要素を考慮して、実務者によって
決められるであろう。薬用量及び投与は、効果的なレベルの活性成分を与えるた
め或いは所望の効果を維持するために調節される。薬用量の要素として考慮され
るものには、疾患の重症度、患者の一般的な健康状態、年齢、体重、及び患者の
性別、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感受性、及び治療に対する応答
が含まれる。作用器官が長い医薬品組成物は、三日か四日に一度、一週間に一度
、二週間に一度、特定の製剤の半減期及びクリアランス率によって左右され、投
与され得る。
【0177】 通常の薬用量は投与の経路によって異なるが、約0.1〜100,000μg
までの最大約1グラムまでである。特定の薬用量及び運搬の方法に関するガイダ
ンスは文献に記載されており、一般に当分野の実務者はそれを利用することがで
きる。当業者は、タンパク質またはインヒビターとは異なったヌクレオチドの製
剤を利用するであろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの運搬は、
特定の細胞、状態、位置などに対して特異的であろう。
【0178】 (診断) 別の実施例では、NEUAPに特異的に結合する抗体が、NEUAPの発現によって特徴
付けられる疾患の診断、またはNEUAPやNEUAPのアゴニストまたはアンタゴニスト
、インヒビターで治療を受けている患者をモニターするためのアッセイに用いら
れる。診断に有用な抗体は、治療のところで記載した方法と同じ方法で製剤され
る。NEUAPの診断アッセイには、抗体及び標識を用いてヒトの体液或いは細胞や
組織から採取されたものからNEUAPを検出する方法が含まれる。これらの抗体は
、修飾をして或いはしないで使用され、レポーター分子の共有結合性或いは非共
有結合性の接着によって標識化され得る。当分野で周知の種々のレポーター分子
が用いられるが、その内の幾つかは上記した。
【0179】 NEUAPを測定するためのELISA,RIA,及びFACSを含む種々のプロトコルは、当
分野では周知であり、変わった或いは異常なレベルのNEUAPの発現を診断する元
となるものを提供する。正常或いは標準的なNEUAPの発現の値は、複合体の形成
に適した条件の下、正常な哺乳動物、例えばヒトなどの被験者から採取した体液
または細胞とNEUAPに対する抗体とを結合させることによって決定する。標準的
な複合体形成の量は、測光法(photometric)などの種々の方法で定量され得る
。被験者のNEUAPの発現の量、制御及び疾患、生検組織からのサンプルが標準値
と比較される。標準値と被験者との間の偏差が、疾患を診断するパラメーターと
なる。
【0180】 別の実施例によれば、NEUAPをコードするポリヌクレオチドを診断のために用
いることもできる。用いられるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列
、相補的なRNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。このポリヌクレオチドを用い
て、疾患と相関し得るNEUAPを発現する生検組織における遺伝子の発現を検出し
定量する。この診断アッセイを用いて、NEUAPの不在、存在、及び過度の発現を
調べ、治療中のNEUAPレベルの制御を監視する。
【0181】 ある実施形態では、NEUAPまたは近縁の分子をコードする遺伝子配列を含むポ
リヌクレオチド配列を検出可能なPCRプローブを用いたハイブリダイゼーション
によって、NEUAPをコードする核酸配列を同定することが可能である。例えば5'
調節領域である高度に特異的な領域か、例えば保存されたモチーフであるやや特
異性の低い領域から作られているかのプローブの特異性と、ハイブリダイゼーシ
ョン或いは増幅のストリンジェンシーは、プローブがNEUAPをコードする自然界
の配列のみを同定するかどうか、或いはアレルや関連配列コードする自然界の配
列のみを同定するかどうかによって決まるであろう。
【0182】 プローブはまた、関連する配列の検出に利用され、NEUAPをコードする任意の
配列と少なくとも50%の配列同一性を有し得る。目的の本発明のハイブリダイ
ゼーションプローブには、DNAあるいはRNAが可能であり、SEQ ID NO:28−54の配
列、或いはNEUAP遺伝子のプロモーター、エンハンサー、イントロンを含むゲノ
ム配列に由来し得る。
【0183】 NEUAPをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブの作
製方法には、NEUAP及びNEUAP誘導体をコードするポリヌクレオチド配列をmRNAプ
ローブの作製のためのベクターにクローニングする方法がある。このようなベク
ターは市販されており、当業者には周知であり、好適なRNAポリメラーゼ及び好
適な標識されたヌクレオチドを加えることによって、in vitroでRNAプローブを
合成するために用いられる。ハイブリダイゼーションプローブは、例えば32
或いは35Sなどの放射性核種、或いはアビジン/ビオチン(biotin)結合系に
よってプローブに結合されたアルカリホスファターゼなどの酵素標識等の種々の
レポーターの集団によって標識され得る。
【0184】 NEUAPをコードするポリヌクレオチド配列を用いて、NEUAPの発現に関連する疾
患を診断することが可能である。限定するものではないが、このような疾患の例
には、神経疾患が含まれ、その中には、癲癇、虚血性脳血管障害、脳卒中、大脳
新生物、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パーキソン病及
びその他の錐体外路障害、筋萎縮性側策硬化及びその他の運動ニューロン障害、
進行性神経性筋萎縮症、色素性網膜炎、遺伝性運動失調、多発性硬化症及び他の
脱髄疾患、細菌性及びウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、硬膜外膿瘍、
化膿性頭蓋内血栓性静脈炎、脊髄炎及び神経根炎、ウイルス性中枢神経系疾患と
、クールー及びクロイツフェルト‐ヤコブ病、ゲルストマン症候群、Gerstmann-
Straussler-Scheinker症候群を含むプリオン病(prion disease)と、致死性家
族性不眠症、神経系性栄養病及び代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小脳網膜
血管芽腫(cerebelloretinal hemangioblastomatosis)、脳3叉神経血管症候群
、中枢神経系性精神薄弱及び他の発生障害、脳性麻痺、神経骨格異常症、自律神
経系障害、末梢神経疾患、皮膚筋炎及び多発性筋炎と、遺伝性、代謝性、内分泌
性、及び中毒性ミオパシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺と、気分性及び不
安性精神障害、及び妄想性精神病と、季節性の感情の障害(SAD)、静座不能、
健忘症、緊張病、糖尿病性ニューロパシー、錐体外路性終末欠陥症候群、ジスト
ニー、***病性精神障害、帯状疱疹後神経痛、及びトゥーレット病が含まれ、ま
た、細胞増殖異常症が含まれ、その中には日光性角化症及びアテローム性動脈硬
化、滑液包炎、硬変、肝炎、混合型結合組織病(MCTD)、骨髄線維症、発作性夜
間ヘモグロビン尿症、真性多血症、乾癬、原発性血小板血症、並びに腺癌及び白
血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱
、骨、骨髄、脳、***、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、
筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺
、子宮の癌などが含まれ、また、自己免疫異常症/炎症性疾患も含まれ、その中
には後天性免疫不全症候群(AIDS)及び副腎機能不全、成人呼吸窮迫症候群、ア
レルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症
、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多腺性内分泌カンジ
ダ性外胚葉ジストロフィ(APECED)、気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン
病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リン
パ球減少症、赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャ
ー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症
候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋又は心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう
症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シ
ェ−グレン症候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性
硬化症、血小板減少症、潰瘍性大腸炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析
、体外循環と、ウィルス感染症及び細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原
虫感染症、蠕虫の感染症、外傷が含まれる。NEUAPをコードするポリヌクレオチ
ド配列は、サザーン法やノーザン法、ドットブロット法、或いはその他の膜系の
技術、PCR法、ディップスティック(dipstick)、ピン(pin)、ELISA式アッセ
イ、及び変異NEUAPの発現を検出するために患者から採取した体液或いは組織を
利用するマイクロアレイに使用することが可能である。このような質的或いは量
的方法は、当分野では周知である。
【0185】 特定の形態において、NEUAPをコードするヌクレオチド配列は、関連する疾患
、特に上記した疾患を検出するアッセイにおいて有用であろう。NEUAPをコード
するヌクレオチド配列は、標準的な方法で標識化され、ハイブリダイゼーション
複合体の形成に好適な条件の下、患者から採取した体液或いは組織のサンプルに
加えることができるであろう。好適な培養期間の後、サンプルを洗浄し、シグナ
ルを定量して標準値と比較する。患者のサンプルのシグナルの量が、制御サンプ
ルと較べて著しく変わっている場合は、サンプル内のNEUAPをコードするヌクレ
オチド配列の変異レベルにより、関連する疾患の存在が明らかになる。このよう
なアッセイを用いて、動物実験、臨床試験、或いは個人の患者の治療を監視にお
ける、特定の治療効果を推定することが可能である。
【0186】 NEUAPの発現に関連する疾患の診断の基準となるものを提供するために、正常
あるいは標準的な発現の概要が確立される。これは、ハイブリダイゼーション或
いは増幅に好適な条件の下、動物或いはヒトの何れかの正常な被験者から抽出さ
れた体液或いは細胞と、NEUAPをコードする配列或いはその断片とを結合させる
ことにより達成され得る。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な被験者か
ら得た値と周知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用いられる実験か
らの値とを比較することによって定量可能である。正常なサンプルから得た標準
的な値を、疾患の症状を示す被験者から得た値と比較可能である。標準値と被験
者の値との偏差を用いて疾患の存在を確定する。
【0187】 疾患の存在が確定され治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーショ
ンアッセイを通常ベースで繰り返して、被験者における発現のレベルが正常な患
者に示される値に近づき始めたかどうかを推定することが可能である。繰り返し
行ったアッセイの結果を、数日から数ヶ月の期間の治療の効果を見るのに用いる
ことができる。
【0188】 癌では、個体からの生体組織における異常な量の転写物が、疾患の発生の素因
を示し、また実際に臨床的症状が出る前に疾患を検出する方法を提供することが
可能である。この種のより明確な診断により、医療の専門家が予防方法或いは積
極的な治療法を早くから利用して、癌の発生または進行を防ぐことが可能となる
【0189】 NEUAPをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断へ
の利用には、PCRの利用が含まれ得る。このようなオリゴマーは、化学的な合成
、酵素を用いた生成、或いはin vitroで生成され得る。オリゴマーは、好ましく
はNEUAPをコードするポリヌクレオチドの断片、或いはNEUAPをコードするポリヌ
クレオチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、最適な条件の下、特定の
遺伝子や条件を識別するために利用される。また、オリゴマーは、やや緩いスト
リンジェントな条件の下、近縁のDNA或いはRNA配列の検出及び/または定量のた
め用いることが可能である。
【0190】 NEUAPの発現を定量するために用いられ得る方法には、ヌクレオチドの放射標
識或いはビオチン標識、調節核酸の相互増幅(coamplification)、及び標準的
な曲線に結果が加えられたものが含まれる(例えば、Melby, P.C.等(1993) J. I
mmunol. Methods, 159:235-44;Duplaa, C.等(1993) Anal. Biochem. 229-236を
参照)。多数のサンプルの定量速度は、目的のオリゴマーが種々の希釈液に含ま
れ、分光光度法或いは非色応答によって定量が迅速なハイスループット型のアッ
セイを用いることで加速された。
【0191】 別の実施例では、本明細書で記載した任意のポリヌクレオチド配列由来のオリ
ゴヌクレオチドまたはそれより長い断片を、マイクロアレイにおける標的として
用いる。マイクロアレイを用いて、同時に極めて多くの遺伝子の発現レベルを監
視し、遺伝子の変異、突然変異及び多型を識別する。この情報は、遺伝子機能の
決定、疾患の遺伝的根拠の解釈、疾患の診断、及び治療薬剤の活性の監視及び開
発に有用である。
【0192】 当分野で周知の方法でマイクロアレイを準備して使用し、分析する。(例えば
、Brennan, T.M. 他 (1995) 米国特許第5,474,796号;Schena, M. 他 (1996) Pro
c. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweiler 他(1995) PCT出願番号W
O95/251116; Shalon, D.他 (1995) PCT出願番号WO95/35505; Heller, R.A. 他(1
997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155; 及び Heller, M.J. 他 (1997) 米
国特許第5,605,662号を参照) 本発明の別の実施例ではまた、NEUAPをコードする核酸配列を用いて、自然発
生のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブを
生成することが可能である。この配列は、以下のものに対してマッピングされる
。特定の染色体、染色体の特定領域または人工生成の染色体、例えば、ヒト人工
染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、細菌P1生
成物或いは単一染色体cDNAライブラリである。(例えば、Harrington, 1.3. 他
(1997) Nat Genet. 15:345-355; Price, C.M. (1993) Blood Rev. 5−87-134,
及びTrask, B.J. (1991) Trends Genet. 7:149-154を参照) in sit蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッピング
技術及び遺伝マップデータと相関するであろう(例えば、Heinz-Ulrich, 他によ
る(1995) in Meyers, 前出, pp. 965-968.を参照)。遺伝子マップデータの例は
、種々の科学誌あるいはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)のワー
ルドワイドウェブのサイトで見付けることができる。物理的な染色体マップ上の
NEUAPをコードする遺伝子の位置と特定の疾患との相関性、或いは特定の疾患に
対する素因が、このような疾患と関係するDNAの領域を決定するのに役立つ。本
発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者と、保有者、及び感染した者との遺伝
子配列における違いを検出することもある。
【0193】 染色体標本のin sitハイブリダイゼーション、及び確定した染色体マーカーを
用いた結合分析などの物理的マッピング技術を用いて、遺伝子マップを拡張する
こともできる。マウスなどの別の哺乳動物の染色体上での遺伝子の配置により、
たとえ特定のヒト染色体の数或いはアームが分かっていなくても、関連するマー
カーが明らかになることが多い。新規の配列を、物理的なマッピングによって、
染色体アームに割り付けることもできる。このことは、位置クローニング或いは
別の遺伝子発見技術を用いて遺伝的疾患の研究をしている研究者にとって、価値
ある情報である。疾患或いは症候群の位置が、例えば血管拡張性失調症の11q22-
23などの特定の遺伝子領域に遺伝子結合によって大まかに決定されると、その領
域に対するどの配列マッピングも、さらなる調査のための関連する遺伝子或いは
調節遺伝子を表す(例えば、Gatti, R.A.他による(1988)Nature 336:577-580
を参照)。また、目的の本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者、保有者、
即ち感染者の間の、転位置、反転などによる染色***置の違いを検出することも
ある。
【0194】 本発明の別の実施例では、NEUAP、その触媒作用断片或いは免疫原断片または
そのオリゴペプチドを、種々の任意の薬剤スクリーニング技術における化合物の
ライブラリのスクリーニングに用いることができる。このようなスクリーニング
に用いる断片は、溶液に遊離、固体支持物に固定、細胞の表面上に保持、或いは
細胞内に存在する。NEUAPとテストされる薬剤との複合体を結合することによる
形成は計測されることもある。
【0195】 薬剤スクリーニングに用いる別の方法は、目的のタンパク質に対して、好適な
結合親和性を有する化合物のスクリーニング処理能力を高めるために用いられる
(例えば、Geysen,他による(1984) PCT出願番号 WO84/03564を参照)。この方法
では、相当な数の異なる小さな試験用化合物が、プラスチックピン或いは他の基
板の上に合成される。試験用化合物は、NEUAP、或いはその断片と反応してから
洗浄される。次ぎに、結合されたNEUAPが、当分野で周知の方法で検出される。
精製されたNEUAPはまた、前記した薬剤をスクリーニングする技術に用いられる
プレート上で直接被覆することもできる。別法では、非中和抗体を用いて、ペプ
チドを捕らえ、固体支持物に固定することもできる。
【0196】 別の実施例では、NEUAPと結合可能な中和抗体がNEUAPと結合するため試験用化
合物と特に競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイを用いることができる
。この方法では、抗体が、NEUAPと1つ以上の抗原決定因子を共有するどのペプ
チドの存在も検出する。
【0197】 別の実施例では、発展途上の分子生物学技術にNEUAPをコードするヌクレオチ
ド配列を用いて、限定はされないが、現在知られているトリプレット暗号及び特
異的な塩基対相互作用などのヌクレオチド配列の特性に依存する新しい技術を提
供することができる。
【0198】 当分野の技術者であれば、更なる説明がなくても前述の説明だけで最大限に本
発明を利用できるであろう。したがって、以下に記載する実施例は、例示目的で
あって本発明を限定するものではない。
【0199】 前出及び以下に記載した全ての特許出願、特許、刊行物、特に米国出願番号60
/124,687、60/119,365、及び米国出願番号[代理人整理番号PF-0637、1998年12月
11日提出]に言及することをもって本明細書の一部とする。
【0200】 (実施例) 1 cDNAライブラリの作製 RNAは、Clontech社から購入、或いは表4に列記した組織から単離した。ある
組織をホモジナイズしてグアニジニウムイソチオシアネート溶液に溶解した。一
方では、別の組織をホモジナイズしてフェノールに溶解するか、或いはTRIZOL (
Life Technologies)、グアニジニウムイソチオシアネート及びフェノールの単相
溶液などの好適な変性剤の混合液に溶解した。この溶解物を塩化セシウムにおい
て遠心分離またはクロロホルムで抽出した。イソプロパノール或いは酢酸ナトリ
ウムのどちらかとエタノール、或いは別の方法でこの溶解物からRNAを沈殿させ
た。
【0201】 RNAの純度を高めるためにRNAのフェノールによる抽出及び沈殿を必要な回数繰
り返した。場合によっては、DNA分解酵素でRNAを処理する。殆どのライブラリで
は、オリゴd(T)連結常磁性粒子(Promega)またはOLIGOTEXラテックス粒子(QIAGEN
. Valencia CA)、OLIGOTEX mRNA精製キット(QIAGEN)を用いてポリ(A+)RNAを
単離した。別法では、POLY(A)PURE mRNA精製キット(Ambion, Austin TX)などの
別のRNA単離キットを用いて組織溶解物から直接単離した。
【0202】 ある場合には、Stratagene社にRNAを提供し、Stratagene社が対応するcDNAラ
イブラリを作製した。そうでない場合は、UNIZAPベクターシステム(Stratagene)
またはSUPERSCRIPT プラスミドシステム(Life Technologies)を用いて当分野で
公知の推奨方法または類似の方法でcDNAを合成してcDNAライブラリを作製した。
(例えば、Ausubel, 1997,前出,ユニット5.1-6.6を参照)。逆転写は、オリゴd(T)
またはランダムプライマーを用いて開始した。合成オリゴヌクレオチドアダプタ
ーを二本鎖cDNAに結合させてから、好適な1つの制限酵素或いは複数の制限酵素
でcDNAを消化した。殆どのライブラリでは、SEPHACRYL S 1000または SEPHAROSE
CL2B、SEPHAROSE CL4Bカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech
)、アガロースゲル電気泳動法によってcDNAの大きさ(300〜1000bp)を選択した
。PBLUESCRIPTプラスミド(Stratagene)またはpSPORT1プラスミド(Life Technolo
gies)、plNCY (Incyte Pharmaceuticals, Palo Alto CA)などの好適なプラスミ
ドのポリリンカーの適合性制限酵素部位にcDNAを結合させた。この組換えプラス
ミドを、Stratagene社のXL1-Blue, XL1-BIueMRF、SOLR、またはLife Technologi
es社のDH5αまたはDH 10B、ELECTROMAX DH 10Bを含むコンピテント大腸菌細胞に
形質転換した。
【0203】 2 cDNAクローンの単離 UNIZAPベクターシステム(Stratagene)或いは細胞溶解を利用して、in vivo
除によって宿主細胞からプラスミドを回収した。MagicまたはWIZARD Minipreps
DNA精製システム(Promega)、及びAGTC Miniprep精製キット(Edge Biosystems, G
aithersburg MD)、QIAGEN社のQIAWELL 8 Plasmid、QIAWELL 8 Plus Plasmid、QI
AWELL 8 Ultra Plasmid 精製システム、REAL Prep 96プラスミドキットの内の少
なくとも1つを用いてプラスミドを精製した。沈殿させた後、0.1mlの蒸留
水に再懸濁して、凍結乾燥して或いは凍結乾燥しないで4℃で保管した。
【0204】 別法では、ハイスループットの直接結合PCR法によって宿主細胞溶解物からプ
ラスミドDNAを増幅した。(Rao, V.B. (1994) Anal. Biochem. 216:1-14)。宿主
細胞の溶解及び熱サイクリング過程を単一反応混合液で行った。サンプルを処理
してから384−ウェルプレートに移して保管し、増幅したプラスミドDNAの濃
度をPICOGREEN色素(Molecular Probes, Eugene OR)及びFluoroskan II蛍光スキ
ャナー(Labsystems Oy, Helsinki, Finland)を用いて蛍光定量的に測定した。
【0205】 3 シークエンシング及び分析 cDNAのシークエンシング反応は、標準的な方法で、或いはABI CATALYST 800 (
Perkin-Elmer) thermal cyclerまたはPTC-200 thermal cycler (MJ Research)と
HYDRAマイクロディスペンサー(Robbins Scientific) またはMICROLAB 2200 (Ham
ilton) 液体転移システムとの組み合わせなどのハイスループット装置で行った
。cDNAのシークエンシング反応の準備には、Amersham Pharmacia Biotech社の試
薬、またはABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencing ready reactionキ
ット(Perkin-Elmer)などのABIシークエンシングキットに含まれる試薬を用いた
。cDNAのシークエンシング反応の電気泳動的な分離及び標識したポリヌクレオチ
ドの検出には、MEGABACE 1000 DNAシークエンシングシステム(Molecular Dynami
cs)、標準ABIプロトコル及び塩基対呼び出しソフトウェアを用いるABI PRISM 37
3または377シークエンシングシステム(Perkin-Elmer)、当分野で周知のその他の
配列解析システムを用いた。cDNA配列の読み枠は、標準的な方法(Ausubel, 1997
, 前出, unit 7.7)を用いて決定した。cDNA配列の幾つかを選択して、本実施例
の5に記載した方法で配列を延長した。
【0206】 cDNAのシークエンシングから得たポリヌクレオチド配列の構築及び解析は、当
分野の技術者に周知のアルゴリズムを利用したソフトウェアを組合せて行った。
表5は、利用したツール、ソフトウェア、アルゴリズム、それらの説明、引用文
献、閾値パラメーターの概要を示す。表5の列1は用いたツール及びプログラム
、アルゴリズム、列2はそれらの簡単な説明、列3は引用することで本明細書の
一部とした引用文献、列4の記載部分は2つの配列の一致度の評価に用いたスコ
ア及び確率値、他のパラメータを示す(確率値が高ければ高いほど配列間の相同
性が高くなる)。配列の解析には、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Softwa
re Engineering, S. San Francisco CA)及びLASERGENEソフトウェア (DNASTAR)
を用いた。
【0207】 ポリヌクレオチド配列の確証は、BLAST及び動的計画法、ジヌクレオチド最近
接分析に基づいたプログラム及びアルゴリズムを用いて、ベクター及びリンカー
、ポリA配列を取り除き、あいまいな塩基対をマスクすることで行った。次に、
BLAST及びFASTA、BLIMPSに基づいたプログラムを用いて、公共のデータベースで
あるGenBankの霊長類及びげっ歯類、哺乳類、脊椎動物、真核生物のデータベー
スやBLOCKS、PRINTS、DOMO、PRODOM及びPFAMなどのデータベースから選択した配
列に対してこれらの配列を問合わせて注釈を得た。Phred及びPhrap、Consedに基
づいたプログラムを用いて完全長のポリヌクレオチド配列の中にこれらの配列を
構築して、BLAST及びFASTA、BLIMPSに基づいたプログラムでオープンリーディン
グフレームのためにスクリーンした。完全長のポリヌクレオチド配列を翻訳して
対応する完全長のアミノ酸配列を引き出し、GenBankデータベース(上記)及びSwi
ssProt、BLOCKS、PRINTS、DOMO、PRODOM及びPrositeなどのデータベース、また
はPFAMなどのHidden Markov Model (HMM)に基づいたタンパク質ファミリーデー
タベースに対して問い合わせてこれらの完全長の配列を分析した。HMMは、確率
を利用して遺伝子ファミリーのコンセンサス一次構造を解析する(例えば、Eddy
, S.R. (1996) Curr. Opin. Struct. Biol. 6:361-365を参照)。
【0208】 完全長のポリヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の構築及び分析に用いる上記
のプログラムは、SEQ ID NO:28−54からのポリヌクレオチド配列の断片の同定に
も使用できる。約20から4000までのヌクレオチドの断片はハイブリダイゼ
ーション及び増幅に有用であり、上記の発明で説明した。
【0209】 4 ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技
術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識され
たヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(例えば、Sambrook,前出,
7章; 及び Ausubel. F.M. 他、前出, 4章及び16章を参照)。
【0210】 BLASTに用いる類似のコンピュータ技術を用いて、GenBank或いはLIFESEQ(Inc
yte Pharmaceuticals)のようなヌクレオチドデータベース内の同一或いは関連
する分子を検索する。この分析は多くの膜系ハイブリダイゼーションより非常に
速度が速い。さらにコンピュータ検索の感度を変更して、任意の特定の一致が、
厳密な一致或いは相同的一致の何れかとして分類されるかを確定することができ
る。検索の基準は、 (%配列同一性×%最大BLASTスコア)/100 として定義される積スコアである。積スコアは、2つの配列間の類似度及び配列
一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40の場合、その一致は1〜2
%誤差の範囲内で正確であり、70ではその一致は正確であろう。類似分子は通
常、15〜40の範囲の積スコアを示す分子を選択することにより同定されるが
、それより低いスコアでも関連した分子が同定される場合もある。
【0211】 ノーザン分析の結果は、NEUAPをコードする転写物が発生したライブラリの分
布割合として報告される。分析には、器官/組織及び疾患によるcDNAライブラリ
の分類も含まれる。器官/組織のカテゴリーには、心血管、皮膚、発生、内分泌
、胃腸、造血/免疫、筋骨格、神経、生殖、泌尿器が含まれる。疾患のカテゴリ
ーには、癌、炎症/外傷、細胞増殖、神経、貯留(pooled)が含まれる。カテゴリ
ー別に、目的の配列を発現するライブラリの数を数えて、それを全ての範囲のラ
イブラリの数で除した。各組織に特異的に発現する割合(パーセント)と各疾患
で発現する割合を表3に示した。
【0212】 5 NEUAPをコードするポリヌクレオチドの延長 SEQ ID NO:28−54の完全長の核酸配列は、完全長分子の好適な断片から設計し
たオリゴヌクレオチドプライマーを用いてその完全長分子の好適な断片を延長し
て作製した。一方のプライマーは既知の断片の5'の延長を開始するために合成
し、他方のプライマーは既知の断片の3'の延長を開始するために合成した。開
始プライマーは、OLIGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)或いは他
の適切なプログラムを用いて、約22個から約30個のヌクレオチドの長さで約
50%以上のGC含量を有し、かつ約68〜72℃の温度で標的配列にアニール
するように設計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体が生じな
いようにヌクレオチドを延長した。
【0213】 選択されたヒトcDNAライブラリを用いてこの配列を延長した。2段階以上の延
長が必要な場合、若しくは望ましい場合は、追加或いはネスト化プライマーの組
を設計する。
【0214】 当分野で既知の方法を利用したPCR法で高い忠実度で増幅した。PCRはPTC-200
thermal cycler (MJ Research, Inc.)用いて96ウェルブロックプレートで行った
。反応混合液は、鋳型DNA及び200 nmolの各プライマー、Mg2+と(NH4)2SO4とβ
−メルカプトエタノールを含むバッファー、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Pha
rmacia Biotech)、ELONGASE酵素(Life Technologies)、Pfu DNAポリメラーゼ(St
ratagene)を含む。プライマーの組、PCI AとPCI Bに対して以下のパラメーター
で増幅を行った。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 別法では、プライマーの組、T7とSK+に対して以下のパラメーターで増幅を行っ
た。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 57℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管。
【0215】 各ウェルのDNA濃度は、1X TE及び0.5μlの希釈していないPCR産物に溶解した
100μlのPICOGREEN定量試薬(0.25% (v/v) PICOGREEN; Molecular Probes, Eugen
e OR)を不透明な蛍光光度計プレート(Coming Costar, Acton MA)の各ウェルに分
配してDNAが試薬と結合できるようにして測定する。このプレートをFluoroskan
II (Labsystems Oy, Helsinki, Finland)でスキャンして、サンプルの蛍光を計
測してDNAの濃度を定量化する。反応混合物の5〜10μlのアリコットを1%のア
ガロースミニゲル上での電気泳動によって解析し、何れの反応物が配列を延長す
ることに成功したかを決定する。
【0216】 延長したヌクレオチドを脱塩及び濃縮してから384ウェルプレートに移し、Cvi
JIコレラウィルスエンドヌクレアーゼ(Molecular Biology Research, Madison W
I)で消化し、pUC 18ベクター(Amersham Pharmacia Biotech)に再連結する前に音
波処理またはせん断を行った。ショットガンシークエンシングのために、消化し
たヌクレオチドを低濃度(0.6〜0.8%)のアガロースゲル上に分離して断
片を切断し、寒天をAgar ACE (Promega)で消化した。T4リガーゼ(New England B
iolabs, Beverly MA)を用いて延長したクローンをpUC 18ベクター(Amersham Pha
rmacia Biotech)に再連結し、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)で制限部位の延
び出しを処理してコンピテント大腸菌細胞に形質移入した。形質移入した細胞を
選択して抗生物質を含む培地に移し、それぞれのコロニーを切りとってLB/2Xカ
ルベニシリン培養液の384ウェルプレートに37℃で一晩培養した。
【0217】 細胞を溶解して、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)及びPfu
DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて以下の手順でDNAをPCR増幅した。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 72℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を29回繰り返す ステップ6 72℃で5分間 ステップ7 4℃で保管。 上記したようにPICOGREEN試薬(Molecular Probes)でDNAを定量化した。DNA回収
率の悪いサンプルは、上記した条件で再び増幅した。サンプルを20%のジメチル
サルホサイド(dimethysulphoxide)(1−15, v/v)で希釈し、DYENAMIC DIRECTキ
ット(Amersham Pharmacia Biotech)またはABI PRISM BIGDYE Terminator cycle
sequencing ready reactionキット(Perkin-Elmer)を用いてシークエンシングし
た。
【0218】 同様に上述の手順で、SEQ ID NO:28−54のヌクレオチド配列を利用し、この延
長のために設計したオリゴヌクレオチドと好適な遺伝子ライブラリを用いて5′
調節配列を得た。
【0219】 6 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 SEQ ID NO:28−54から導き出されたハイブリダイゼーションプローブを用いて
、cDNA、mRNA、またはゲノムDNAをスクリーニングする。約20塩基対からなる
オリゴヌクレオチドの標識について特に記すが、より大きなcDNAフラグメントの
場合でも基本的に同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、OLIGO4.06ソフト
ウェア(National Bioscience)のような最新式のソフトウェアを用いてデザイ
ンし、50pmolの各オリゴマーと、250μCiの[γ‐32P]アデノシン三リン酸(A
mersham, Chicago, IL)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN、Bost
on MA)とを組み合わせて用いることにより標識する。標識されたオリゴヌクレ
オチドを、SEPHADEX G-25超精細排除デキストランビードカラム(Amersham Phar
macia Biotech)を用いて実質的に精製する。毎分10カウントの標識された
プローブを含むアリコットを、次のエンドヌクレアーゼ、Ase I、Bgl II、Eco R
I、Pst I、Xba1或いはPvu II(DuPont NEN)の1つを用いて切断したヒトゲノム
DNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーション解析において用いる。
【0220】 各切断物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画して、ナイロン製メンブ
ラン(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に転写する。ハイブリ
ダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り除くた
め、例えば、最大0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸
ナトリウムの条件の下、ブロットを順次室温にて洗浄する。ハイブリダイゼーシ
ョンパターンをオートラジオグラフィー或いは別のイメージ化手段で視覚化して
比較する。
【0221】 7 マイクロアレイ 化学結合方法及びインクジェット装置を用いて、基板の表面上でアレイ要素を
合成することが可能である(例えば、上記Baldeschweilerを参照)。ドットブロ
ット法またはスロットブロット法に類似したアレイを利用し、要素を熱、UV、
機械的または化学的結合方法を用いて基板の表面に配置し結合させる。典型的な
アレイは、手作業または利用可能な方法や機械を用いて作製することができ、任
意の適正な数の要素を含み得る。ハイブリダイゼーションの後、ハイブリダイズ
していないプローブを取り除き、スキャナーを用いて蛍光のレベル及びパターン
を決定する。スキャンした画像を分析して、マイクロアレイ上で要素にハイブリ
ダイズする各プローブの相補性の程度及び相対的な量/発現レベルを調べること
が可能である。
【0222】 完全長のcDNA、発現遺伝子配列断片(EST)、或いはそれらの断片が、マイク
ロアレイの要素を構成し得る。ハイブリダイゼーションに好適な断片を、LASERG
ENEソフトウェア(DNASTAR)などの当分野で公知のソフトウェアを用いて選択す
ることが可能である。本発明の核酸配列の1つに対応する完全長のcDNA、EST、
或いはそれらの断片、或いは本発明に関連するcDNAライブラリから任意に選択さ
れたcDNAを、ガラススライドなどの好適な基質に整列する。cDNAは、例えばUV
交差結合(UV cross-linking)を利用してスライドに固定してから、熱処理及び
化学処理を施し、最後に乾燥させる(例えば、 Schena, M. 他. (1995) Science
270:467-470; 及び Shalon, D. 他. (1996) Genome Res. 6:639-645を参照)。蛍
光プローブを準備して、基質上の要素にハイブリダイゼーションするために用い
る。上記した方法でこの基質を分析する。
【0223】 8 相補的ポリヌクレオチド NEUAPをコードする配列或いはその任意の一部に対して相補的な配列は、自然
発生のNEUAPの発現の低下即ち阻害するために用いられる。約15〜約30個の
塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用について記すが、より小さな或いはより
大きな配列の断片の場合でも本質的に同じ方法を用いることができる。Oligo4.0
6ソフトウェア(National Biosciences)及びNEUAPのコーディング配列を用いて
、適切なオリゴヌクレオチドを設計する。転写を阻害するためには、最も独特な
5′配列から相補的なオリゴヌクレオチドを設計し、これを用いてプロモーター
がコーディング配列に結合するのを阻害する。翻訳を阻害するためには、相補的
なオリゴヌクレオチドを設計して、リボソームがNEUAPをコードする転写物に結
合するのを阻害する。
【0224】 9 NEUAPの発現 NEUAPの発現及び精製は、細菌またはウイルスを基にした発現系を用いて行う
ことができる。細菌でNEUAPが発現するために、抗生物質耐性及びcDNAの転写レ
ベルを高める誘導性のプロモーターを含む好適なベクターにcDNAをサブクローニ
ングする。このようなプロモーターには、lacオペレーター調節要素に関連するT
5またはT7バクテリオファージプロモーター及びtrp-lac(tac)ハイブリッドプロ
モーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。組換えベクターを、
BL21(DE3)などの好適な細菌宿主に形質転換する。抗生物質耐性をもつ細菌が、
イソプロピルβ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発されるとNEUAPを発現す
る。真核細胞でのNEUAPの発現は、昆虫細胞株または哺乳動物細胞株に一般にバ
キュロウイスルスとして知られているAutographica californica核多面性ウイル
ス(AcMNPV)を感染させて行う。バキュロウイルスの非必須ポリヘドリン遺伝子を
、相同組換え或いは転移プラスミドの媒介を伴う細菌の媒介による遺伝子転移の
どちらかによって、NEUAPをコードするcDNAと置換する。ウイルスの感染力は維
持され、強いポリヘドリンプロモータによって高いレベルのcDNAの転写が行われ
る。組換えバキュロウイルスは、多くの場合はSpodoptera frugiperda (Sf9)昆
虫細胞に感染に用いられるが、ヒト肝細胞の感染にも用いられることもある。後
者の感染の場合は、バキュロウイルスの更なる遺伝的変更が必要になる。(例え
ば、Engelhard. E. K.他 (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3224-3227; S
andig, V. 他 (1996) Hum. Gene Ther. 7:1937-1945.を参照)。
【0225】 殆どの発現系では、NEUAPが、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)
、またはFLAGや6-Hisなどのペプチドエピトープ標識で合成された融合タンパク
質となるため、未精製の細胞溶解物からの組換え融合タンパク質の親和性ベース
の精製が素早く1回で行うことができる。Schistosoma japonicumからの26キ
ロダルトンの酵素GSTによって、タンパク質の活性及び抗原性を維持した状態で
固定されたグルタチオンで融合タンパク質の精製が可能となる(Amersham Pharma
cia Biotech)。精製の後、GST部分を特定の操作部位でNEUAPからタンパク分解的
に切断できる。アミノ酸8個のペプチドであるFLAGで、市販のモノクロナール及
びポリクロナール抗FLAG抗体(Eastman Kodak)を用いた免疫親和性の精製が可能
となる。6個のヒスチジン残基が連続して伸展した6-Hisによって、金属キレー
ト樹脂(QIAGEN)で精製が可能となる。タンパク質の発現及び精製の方法は、Ausu
bel (1995,前出, ch 10, 16)に記載されている。これらの方法で精製したNEUAP
を直接用いて以下のアッセイを行うことができる。
【0226】 10 NEUAP活性の実証 NEUAPは、組み換えNEUAPに対して上昇した組織におけるモノクロナール抗体(
MAb)の免疫活性によって検出可能である。組み換えNEUAPに対するMabは、当分
野で周知の方法で作製でき、これを用いてウェスタン法によって組織に発現した
NEUAPを検出する。ウェスタン法は、上記したde la Monte, 他 (1996) J.Neurop
athol. Exp. Neurol.によって行う。組織の細胞質タンパク質抽出物を準備し、S
DS-PAGE Laemmliゲルにおいて電気泳動させて、NEUAPに対して上昇したMAbを用
いて免疫ブロット法を行う。カラシペルオキシダーゼ接合第2抗体(horseradis
h peroxidase-conjugated secondary antibody)(IgG)及び強化化学発光試薬
(Amersham Corp. Arlington Heights, IL)で、抗体結合を検出する。測定した
MAb免疫活性の量が、準備した組織におけるNEUAPの活性に比例する。
【0227】 別法では、NEUAP或いは免疫学的に活性なその断片を125Iボルトンハンター
試薬(例えば、Bolton 他 (1973) Biochem. J. 133: 529を参照)で標識する。
マルチウェルプレートのウェルに予め配列した候補分子を標識したNEUAPでイン
キュベートしてから洗浄し、標識したNEUAP複合体が存在する全てのウェルをア
ッセイする。様々な濃度のNEUAPを用いて得たデータを利用して、候補分子と結
合したNEUAPの数、親和性、及び関連を計算する。
【0228】 11 機能的アッセイ 機能は、哺乳動物細胞培養系において生理学的に高められたレベルでのNEUAP
をコードする配列の発現によって評価する。cDNAを、cDNAを高いレベルで発現す
る強いプロモーターを含む哺乳動物発現ベクターにサブクローニングする。この
ようなベクターには、pCMV SPORTTM (Life Technologies.)及びpCR 3.1 (Invitr
ogen, Carlsbad, CA)が含まれ、どちらもサイトメガロウイルスプロモーターを
含んでいる。5〜10μgの組換えベクターを、例えば内皮由来か造血由来のヒ
ト細胞株にリポソーム製剤或いは電気穿孔法によって一時的に形質移入する。更
に、標識タンパク質をコードする配列を含む1〜2μgのプラスミドを同時に形
質移入する。標識タンパク質の発現により、形質移入された細胞と形質移入され
ていない細胞とを区別できる。また、標識タンパク質の発現によって、cDNAの組
換えベクターからの発現を正確に予想できる。このような標識タンパク質には、
緑色蛍光タンパク質(GFP;Clontech)、及びCD64またはCD64-GFP融合タンパク質
が含まれる。レーザー光学に基づいた技術を利用した自動流動細胞計測法(FCM)
を用いて、GFPまたはCD64-GFPを発現する形質移入された細胞を同定し、その細
胞のアポトーシス状態や他の細胞特性を評価する。また、FCMで、先行した或い
は同時の細胞死の現象を診断する蛍光分子の取り込みを検出して計量する。これ
らの現象には、プロピジウムヨウ化物でのDNAの染色によって計測される核DNA内
容物の変化と、ブロモデオキシウリジンの取り込み量の低下によって計測される
DNA合成の下方調節と、特異的な抗体との反応性によって計測される細胞表面及
び細胞内のタンパンク質の発現の変化と、蛍光複合アネキシンVタンパク質の細
胞表面への結合によって計測される原形質膜組成の変化とが含まれる。流動細胞
計測法は、Ormerod, M. G.による (1994) Flow Cytometry Oxford, New York, N
Y.に記載されている。
【0229】 遺伝子発現におけるNEUAPの影響は、NEUAPをコードする配列とCD64またはCD64
-GFPのどちらかが形質移入された高度に精製された細胞集団を用いて評価するこ
とができる。CD64またはCD64-GFPは形質転換された細胞表面で発現し、ヒト免疫
グロブリンG(IgG)の保存された領域と結合する。形質転換された細胞と形質転換
されない細胞とは、ヒトIgGかCD64に対する抗体のどちらかで被覆された磁気ビ
ードを用いて分離することができる(DYNAL. Lake Success. NY)。mRNAは、当分
野で公知の方法で細胞から精製することができる。NEUAP及び目的の他の遺伝子
をコードするmRNAの発現は、ノーザン分析やマイクロアレイ技術で分析すること
ができる。
【0230】 12 NEUAPに特異的な抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE;例えば、Harrington, M.G. (1990)
Methods Enzymol. 1816−3088-495を参照)または他の精製技術で実質的に精製
されたNEUAPを用いて、標準的なプロトコルでウサギを免疫化して抗体を作り出
す。
【0231】 別法では、NEUAPアミノ酸配列をLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いて
解析して免疫原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチドを合成してこれ
を用いて当業者に周知の方法で抗体を産生させる。C末端付近の、或いは隣接す
る親水性領域内のエピトープなどの適切なエピトープの選択については、当分野
で周知である(例えば、前出のAusubel, 1995,11章を参照)。
【0232】 通常、約15残基の長さのオリゴペプチドを、Applied Biosystemsのペプチド
シンセサイザABI 431Aペプチドシンセサイザー(Perkin-Elmer)を用いてfmoc法
のケミストリにより合成し、N−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル(MBS)を用いた反応によりKLH(Sigma-Aldrich, St. Louis M
O)に結合させて、免疫原性を高める(例えば、前出のAusubel, 1995を参照)。フ
ロイントの完全アジュバントにおいてオリゴペプチド−KLH複合体を用いてウ
サギを免疫化する。得られた抗血清の抗ペプチド活性及び抗NEUAP活性を検査す
るには、ペプチドまたはNEUAPを基板に結合し、1%BSAを用いてブロックし、ウ
サギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIg
Gと反応させる。
【0233】 13 特異的抗体を用いる自然発生NEUAPの精製 自然発生NEUAP或いは組換えNEUAPを、NEUAPに特異的な抗体を用いるイムノア
フィニティークロマトグラフィにより実質的に精製する。イムノアフィニティー
カラムは、CNBr-活性化SEPHAROSE(Amersham Pharmacia Biotech)のような活性
化クロマトグラフィー用レジンと抗NEUAP抗体とを共有結合させることにより構
築する。結合の後、そのレジンを製造者の使用説明書に従って、ブロックし洗浄
する。
【0234】 NEUAPを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、NEUAPを優先的に吸
着できる条件で(例えば、界面活性剤の存在下において高イオン強度のバッファ
ーで)そのカラムを洗浄する。そのカラムを、抗体とNEUAPとの結合を切るよう
な条件で(例えば、pH2〜3のバッファー、或いは高濃度の尿素またはチオシ
アン酸塩イオンのようなカオトロピックイオンで)溶出させ、NEUAPを回収する
【0235】 14 NEUAPと相互作用する分子の同定 NEUAP又は生物学的に活性なその断片を、125Iボルトンハンター試薬(例
えば、Bolton A.E.及びW.M. Hunter (1973) Biochem. J. 133:529を参照)で標
識する。マルチウェルプレートに予め配列しておいた候補の分子を、標識したNE
UAPと共にインキュベートし、洗浄して、標識したNEUAP複合体を有する全てのウ
ェルをアッセイする。様々なNEUAP濃度で得られたデータを用いて、候補の分子
とNEUAPとの関連、親和性、数について数値を計算する。
【0236】 当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の記載した方法
及びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。特定の好適実施例に基
づいて本発明を説明したが、本発明の範囲が、そのような特定の実施例に不当に
制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、分子生物学或いは関連す
る分野の専門家には明らかな、本明細書に記載の本発明の実施方法の様々な改変
は、特許請求の範囲に含まれる。
【0237】 (表の簡単な説明) 表1は、NEUAPをコードする完全長の配列を作り出すために用いた、ポリペプ
チド配列及びヌクレオチド配列の配列番号(SEQ ID NO)、クローン識別番号、cDN
Aライブラリ、及びcDNA断片を示す。
【0238】 表2は、潜在モチーフ及び相同配列を含む各ポリペプチド配列の特徴、並びに
NEUAPの解析に用いた方法、アルゴリズム、及び検索可能なデータベースを示す
【0239】 表3は、各核酸配列の選択された断片と、ノーザン分析によって決定された各
核酸配列の組織特異的発現パターンと、これらの組織に関連した疾患、異常症及
び症状と、各DNAがクローニングされたベクターとを示す。
【0240】 表4は、NEUAPをコードするcDNAクローンを単離したcDNAライブラリの作製に
用いた組織を示す。
【0241】 表5は、NEUAPの分析に用いたツール、プログラム、及びアルゴリズム、並び
にその説明、引用文献、閾値パラメーターを示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラム(DNASTE
R, Madison WI)を用いて作成した、NEUAP-1 (2417014; SEQ ID NO:1)と、ヒト神
経糸タンパク質(neuronal thread protein)であるAD7c-NTP (GI 3002527; SEQ
ID NO:55)との間のアミノ酸配列アラインメントを示す。
【図1B】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラムを用い
て作成した、NEUAP-1 (2417014; SEQ ID NO:1)と、ヒト神経糸タンパク質である
AD7c-NTP (GI 3002527; SEQ ID NO:55)との間のアミノ酸配列アラインメントを
示す。
【図2A】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラムを用い
て作成した、NEUAP-2 (2634931; SEQ ID NO:2)と、ヒト神経膠腫病原関連タンパ
ク質であるGliPR (GI 847722; SEQ ID NO: 56)との間のアミノ酸配列アラインメ
ントを示す。
【図2B】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラムを用い
て作成した、NEUAP-2 (2634931; SEQ ID NO:2)と、ヒト神経膠腫病原関連タンパ
ク質であるGliPR (GI 847722; SEQ ID NO: 56)との間のアミノ酸配列アラインメ
ントを示す。
【図2C】 LASERGENEソフトウェアのマルチシーケンスアラインメントプログラムを用い
て作成した、NEUAP-2 (2634931; SEQ ID NO:2)と、ヒト神経膠腫病原関連タンパ
ク質であるGliPR (GI 847722; SEQ ID NO: 56)との間のアミノ酸配列アラインメ
ントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/47 4H045 37/02 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 M C12Q 1/68 37/00 102 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 A 37/00 102 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/124,687 (32)優先日 平成11年3月16日(1999.3.16) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ボーグン、マライア・アール アメリカ合衆国カリフォルニア州94577・ サンレアンドロ・サンティアゴロード 14244 (72)発明者 ヒルマン、ジェニファー・エル アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#12・モンロードライ ブ 230 (72)発明者 ラル、プリーティ アメリカ合衆国カリフォルニア州95054・ サンタクララ・ラスドライブ 2382 (72)発明者 オウ−ヤング、ジャニス アメリカ合衆国カリフォルニア州94005・ ブリスベーン・ゴールデンイーグルレーン 233 (72)発明者 ヤング、ジュンミング アメリカ合衆国カリフォルニア州95129・ サンノゼ・クラレンドンストリート 7136 (72)発明者 リュ、デュング・アイナ・エム アメリカ合衆国カリフォルニア州95136・ サンノゼ・パークベルモントプレイス 55 (72)発明者 アジムザイ、ヤルダ アメリカ合衆国カリフォルニア州94545・ ヘイワード・ロックスプリングスドライブ 2045 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA06 DA02 EA02 GA11 HA11 4B063 QA01 QQ43 QR08 QR33 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA90Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA17 DC50 NA14 ZA022 ZB072 ZB112 ZB262 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA75 EA21 EA50 FA72 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1乃至SEQ ID NO:27(SEQ ID NO:1−27)、及び
    それらの断片からなる一群より選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製され
    たポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配
    列同一性を有する実質的に精製された変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリペプチドをコードする単離され精製された
    ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリヌクレオチドと少なくとも90%のポリヌ
    クレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  5. 【請求項5】 ストリンジェントな条件の下で請求項3のポリヌクレオチ
    ドとハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単離
    され精製されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ポリヌクレオチドの検出法であって、 (a)請求項6のポリヌクレオチドをサンプル内の少なくとも一つの核酸とハ
    イブリダイズさせて、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成する過程
    と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイ
    ブリダイゼーション複合体の存在が、前記サンプル内の前記ポリヌクレオチドの
    存在と相関性を有する、該過程とを含むことを特徴とする検出法。
  8. 【請求項8】 前記ハイブリダイゼーションの前に前記ポリヌクレオチド
    の増幅過程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の検出法。
  9. 【請求項9】 SEQ ID NO:28−54及びそれらの断片からなる一群より選択
    されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項9のポリヌクレオチドと少なくとも90%のポリ
    ヌクレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列
  11. 【請求項11】 請求項9のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単
    離され精製されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも一つの断片を
    含む発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12の発現ベクターを含む宿主細胞。
  14. 【請求項14】 ポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に好適な条件の下で、請求項13の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと
    を特徴とする製造方法。
  15. 【請求項15】 好適な医療用担体と共に請求項1のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1のポリペプチドと特異的に結合する精製された
    抗体。
  17. 【請求項17】 請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。
  18. 【請求項18】 請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  19. 【請求項19】 NEUAPの発現または活性の低下に関連する疾患の治療ま
    たは予防が必要な患者に、請求項15の医薬品組成物を効果的な量投与する過程
    を含む、NEUAPの発現または活性の低下に関連する疾患を治療または予防する方
    法。
  20. 【請求項20】 NEUAPの発現または活性の増大に関連する疾患の治療ま
    たは予防が必要な患者に、請求項18のアンタゴニストを効果的な量投与する過
    程を含む、NEUAPの発現または活性の増加に関連する疾患を治療または予防する
    方法。
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