JP2003517483A - 血中ヘリコバクターピロリ菌抗原 - Google Patents

血中ヘリコバクターピロリ菌抗原

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JP2003517483A JP2001545852A JP2001545852A JP2003517483A JP 2003517483 A JP2003517483 A JP 2003517483A JP 2001545852 A JP2001545852 A JP 2001545852A JP 2001545852 A JP2001545852 A JP 2001545852A JP 2003517483 A JP2003517483 A JP 2003517483A
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ハン,チュン・ホー
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パニオン アンド ビーエフ ラボラトリー エルティーディー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、感染者の血液中のヘリコバクターピロリ菌(H. pylori)抗原の発見及び検出に関するものである。ピロリ菌抗原は、ピロリ菌細胞の構成要素であり、それにはDNA、RNAおよびヌクレオチド、タンパクまたはペプチドのフラグメントなどがあるがこれらに限定されるものではない。ピロリ菌DNA、RNAおよびヌクレオチドのフラグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、DNAハイブリッド形成法またはその他の増幅法によって検出可能である。ピロリ菌タンパクまたはペプチド、あるいはその他の抗原性成分は、抗ピロリ菌抗体、好ましくはアフィニティーカラムにより精製された抗体を使用した免疫測定法または免疫ブロット法により検出可能である。本発明は、さらに免疫測定法、診断キット、および血清サンプル中のピロリ菌抗原の検出用イムノクロマトグラフィー分析装置を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全血、血漿および血清を含む血液中におけるヘリコバクターピロリ
菌(H. pylori)抗原、ならびにその抗原性フラグメントの発見に関するもので
ある。血液中に見いだされるピロリ菌抗原には、ピロリ菌DNA、RNAまたは
それらのフラグメント、あるいは、ピロリ菌タンパク/ペプチドまたはその他の
抗原性成分があるが、これらに限定されるものではない。ピロリ菌DNAまたは
そのフラグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(L
CR)、DNAハイブリッド形成、分岐型DNAシグナル増幅法、またはその他
のシグナル増幅法によって検出される。ピロリ菌RNAはPCR、ハイブリッド
形成、またはその他のシグナル増幅法によって検出される。ピロリ菌タンパク、
ピロリ菌ペプチドまたはその他の抗原性成分は、ピロリ菌に対するアフィニティ
ー精製抗体を用いて免疫測定法(immunoassay)、免疫ブロット法(immunoblotti
ng)によって検出される。本発明はまた、血液中のピロリ菌抗原の検出によるピ
ロリ菌感染の診断にも関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリコバクターピロリ(H. pylori)は、胃粘膜に感染し、ほとんどの消化性
潰瘍疾患(PUD)の原因となるグラム陰性菌である。最近まで、潰瘍およびそ
の他の消化不良症状は、ストレスレベルまたは食習慣に関係があると考えられて
いた。最近になって、医学界では、ピロリ菌が潰瘍や胃癌などのある種の胃痛の
原因物質であることが確認された。ピロリ菌の根絶は、潰瘍の治癒を促進し、癌
やPUDの発生率を著しく減少させる。
【0003】 ピロリ菌は消化性潰瘍疾患(PUD)だけでなく多くの胃潰瘍、十二指腸潰瘍
の原因となる。ピロリ菌とPUDの関係は、1984年に初めて、オーストラリ
ア人の医師WarrenとMarshallによって発見、発表された(Lancet I: 1311-1344
)。ピロリ菌感染は、現在、胃炎の最も一般的な原因と考えられており、胃潰瘍
、十二指腸潰瘍、胃腺癌、一次性B細胞リンパ腫と因果関係がある。
【0004】 PUDの治癒はかなり容易であることが証明されている。ほとんどのPUDの
原因は、ピロリ菌による感染である。しかしながら、ピロリ菌感染は日常的には
診断されていない。それは、おそらくピロリ菌感染の検査方法(すなわち侵襲性
生体検査)が医師、特に初期治療を行う医師にとって満足できるものではないた
めである。そのため、初期治療を行う医師は、感染兆候がある患者を抗分泌剤で
治療する傾向がある。
【0005】 医師は、患者をいつ治療すべきか、いつ胃腸科専門医に見せるべきかを知るた
めに、ピロリ菌感染に対する単純で正確、かつ安価な診断方法を必要としている
。しかしながら、現在行うことのできるピロリ菌検査は、侵襲性検査および非侵
襲性検査に分類されるもので、完全に満足のいくものではない。 侵襲性検査には、内視鏡の使用に続いて生体検査が必要である。生体検査によ
って得られる組織標本を、その後、培養検査、組織学的検査、または急速ウレア
ーゼ試験により分析することが可能である。
【0006】 生体標本の培養により、ピロリ菌検査で最も信頼できる結果が得られるが、成
功率は優秀な研究所でも70〜80%との報告がある(Han, S.W., et al., Eur
. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis. (1995), 14:349-352)。特殊な着色生
体標本の組織検査により、急性または慢性炎症粘膜細胞および障害の直接の証拠
が得られる。しかしながら、それには、内視鏡検査技師と病理学者の協力が必要
である(Genta, R.M., et al., Hum. Pathol. (1994), 25:221-226)。急速ウ
レアーゼ試験では、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分割するピロリ菌ウレアー
ゼにより生成したアンモニアから、pH値の上昇を検出する。しかしながら、そ
れには高密度の細菌と、偽陰性を生じるかもしれない細菌の負荷を減少させるも
のが必要である(Cutler, A.F., Am. J. Med. (1996), 100:35S-39S)。
【0007】 多くの非侵襲性検査が、1990年以来、ピロリ菌感染を検出するために開発
されてきた。例えば、尿素呼気試験は、13Cまたは14Cでラベルした尿素を
非放射性13COまたは放射性14COに分割する、生物のウレアーゼ活性
に基づいている。尿素呼気試験は、治療から4週間後にピロリ菌根絶の確認する
のに広く推奨されている。
【0008】 米国特許第5,716,791号、第5,871,942号および第5,93
2,430号には、ピロリ菌細胞(すなわちATCC菌株43504)の感作動
物から得たポリクローナル抗体を使用して、糞便検体中のピロリ菌抗原を検出す
るための免疫測定法が開示されている。抗体は、DEAE(ジエチルアミノエチ
ルセルロース)カラムによって精製される。糞便抗原試験は、満足できるもので
あると報告されてはいるが、糞便検体の採取および処理過程は困難で気分が悪い
。多くの患者は、悪臭と、簡便な便採取器がないことが理由で、便のサンプルを
医師に提供するのを嫌がる。
【0009】 ELISAを使用した血清ピロリ菌抗体の血清反応も、広く使用されている試
験方法である。最近の技術例は、米国特許第5,262,156号およびヨーロ
ッパ特許第0329570号に見られる。ピロリ菌抗体の検出における免疫測定
法において、確認及び使用されたいくつかの主要な抗原があった。しかしながら
、これらの試験方法では、血清学的診断において望まれる特異性や感受性が示さ
れなかった(Newell, D.G., et al., Serodian. immunother. Infec. Dis., (1
989), 3:1-6)。問題の一つは交差反応に由来する。それは、ピロリ菌の優性抗
原(例:分子量60Daを有する推定べん毛タンパク質)がピロリ菌に特異的で
はないからである。このような抗原のいくつかは、C. jeuniやC. coliなど、他
の細菌にも見られる。ピロリ菌の免疫測定法の設計における第二の問題は、菌株
の変異である。異なるピロリ菌株において、抗原の実質的な差異が認められてい
る。これらの問題は、単一抗原の使用に関連する試験法の設計の妨げとなる。ピ
ロリ菌の抗体免疫測定法の特異性及び選択性を改善するために行われた試みの一
つは、異なるピロリ菌株から得た抗原を混合して、特定の抗原フラグメントで強
化された混合物を使用することである。血清中のピロリ菌抗体を検出するELI
SAは、商業上利用可能である。本方法は、細菌の全細胞溶解物を抗原として使
用する。
【0010】 血清中のピロリ菌抗体の存在を検出するために、抗原を用いたELISAを採
用した際の不利な点は他にもある。特に、ヒトの血清中の抗体価は、感染症の治
療後長時間にわたって高いままである。従って、このELISAを用いた陽性検
査は、必ずしも、患者が現在も感染しており、ピロリ菌感染の治療が必要である
ことを意味しない。ELISAで陽性の結果がでると、治療をする医師はしばし
ば細菌の存在を確認するため、抗生物質療法を行う前に胃の生体検査を行う。ゆ
えに、抗原に基づくELISAは、侵襲的操作の必要性を除去するものではない
【0011】 従って、本発明の目的は、ピロリ菌感染の非侵襲的で高精度な診断方法を設計
することである。検査の過程において、血液中にピロリ菌抗原が見出されるが、
それはDNAまたはそのフラグメント、あるいはタンパク/ペプチドまたはその
他の抗原性成分の形で、全血、血漿、血清などの血液中に存在する。このような
ピロリ菌抗原を検出するための特別な方法は、ピロリ菌の抗原性フラグメントが
血液中に存在するという証拠を提供するよう設計される。これらの方法には、ピ
ロリ菌および/またはピロリ菌株由来のDNAプローブに特異的なプライマーあ
るいはオリゴヌクレオチドを用いて、ピロリ菌の核酸フラグメントを検出するポ
リメラーゼ連鎖反応 (PCR)、リガーゼ連鎖反応 (LCR)、DNAハイブ
リッド形成などがあるが、これらに限定されるものではない。また、ピロリ菌に
対するアフィニティー精製抗体を用いて、ピロリ菌タンパク/ペプチドまたは抗
原性成分を検出する免疫測定法および免疫ブロット法も開発されている。
【0012】 現時点では、血液中のピロリ菌抗原の存在に関する報告はなされていない。本
発明は、ピロリ菌抗原が血液中に存在するだけでなく、以下に記載の方法により
検出可能であることを初めて証明するものになるだろう。
【0013】
【発明の要約】
本発明は、患者の血液中に存在し、且つポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)、
リガーゼ連鎖反応 (LCR)、DNAハイブリッド形成、RNAハイブリッド
形成、分岐型DNA試験法、免疫ブロット法ならびに免疫測定により検出可能な
ピロリ菌抗原を提供する。本発明はまた、血液中のピロリ菌抗原を検出すること
によるピロリ菌感染の診断方法を提供する。
【0014】 本発明で使用される「抗原」という言葉は、適当な状況下で特異的免疫反応を
引き起こし、その反応生成物、すなわち特異的抗体、特異的に感作されたT−リ
ンパ球、あるいはその両方と反応する可能性が直接的または間接的にある、あら
ゆる物質を広く対象としたものである。 これらの物質の例をあげると、タンパク/ペプチド、多糖類、脂質およびポリ
ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドなどがあるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0015】 血液中に検出されるピロリ菌抗原には、二種類の特殊なものがある。一つは、
ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドに関連するもので、これらはピロリ
菌からの染色体DNA、RNAまたはそのフラグメントである。この種のピロリ
菌は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ハイブ
リッド形成法(好ましくはスポットDNAハイブリッド形成)またはその他の増
幅法によって検出できる。
【0016】 本発明のPCR法は、ピロリ菌の検出に特異的な一対のプライマーを使用する
必要がある。ここで使用される「プライマー」という言葉は、天然又は合成のオ
リゴヌクレオチドであって、核酸鎖に対し相補的なプライマー産物の合成が起こ
る状況下に置かれたとき、すなわち適温で適当な酵素と4種の異なるヌクレオチ
ド三リン酸が存在する条件下で、核酸合成の開始点として機能することができる
オリゴヌクレオチドのことをいう。ここで使用される「オリゴヌクレオチド」と
いう言葉は、二つ以上、好ましくは三つ以上のデオキシリボヌクレオチドおよび
/またはリボヌクレオチドからなる分子と定義される。その正確な大きさは、多
くの要因、オリゴヌクレオチドの根本的な機能または使用性に依存する。オリゴ
ヌクレオチドは合成品でもクローニングによるものでもよい。
【0017】 プライマーは、ATCC菌株43504、43571、43629、4905
3などのピロリ菌株の共通フラグメントに見られる保存配列に基づいて作成され
る。好ましいプライマーの範囲は、15〜25塩基配列(bps)で、最も好ま
しくは長さ約20bpsである。両プライマー(前方向プライマーと逆方向プラ
イマー)が同じ長さで、おおよそ同じヌクレオチド組成を持つ場合、よりよい増
幅が得られる。PCR用の好ましい血液サンプルは血漿である。
【0018】 本発明のLCR法には、DNAリガーゼおよびピロリ菌に特異的な二組のオリ
ゴヌクレオチドの使用が必要である。好ましいDNAリガーゼは、Pfu DN
Aリガーゼであるが、それはPyrococcus furiosusから分離した熱安定性DNA
リガーゼであり、商業上利用可能である。LCR用の二組のオリゴヌクレオチド
は、PCR用のプライマーより長いほうが好ましい。PCRプライマーと同様、
LCRオリゴヌクレオチドは、ATCC菌株43504、43571、4362
9、49053などのピロリ菌株の共通フラグメントの保存配列に由来する。
【0019】 LCRは、標的配列を含むDNAテンプレートを熱変性し、二つの隣接したオ
リゴヌクレオチドプローブからなる一組を独特の方法で標的DNA配列にアニー
リングし、相補的なオリゴヌクレオチドプローブのもう一組を標的DNA配列に
対向する配列にハイブリッド形成する、というサイクルを繰り返すことによって
行われる。ここで使用される「標的配列」という言葉は、血液サンプルに見られ
る「染色体DNAまたはそのフラグメント」のことをいう。その後、DNAリガ
ーゼは与えられた隣接プローブの各対を共有結合で結合することができ、2つの
隣接プローブの接点は完全に相補的である。
【0020】 ハイブリッド形成法は、ピロリ菌のDNAプローブの作成を必要とする。ピロ
リ菌DNAプローブは、アガロースゲル電気泳動後、ピロリ菌核酸抽出物からD
NAフラグメントを切り離し、抽出することにより作成される。プローブは、通
常少なくとも約25の塩基、たいていの場合は少なくとも約30の塩基を有して
おり、約10,000以上の場合もあるが、普通は5,000以下である。この
DNAフラグメントは、その後、制限エンドヌクレアーゼで消化され、真核また
は原核宿主細胞に移入することができる組み替えプラスミド構造形成のためにベ
クターと結合される。DNAフラグメントは、宿主細胞内で増殖し、再分離する
ことができる。増殖したDNAフラグメントは、その後、放射性同位元素(32 P、H、14Cなど)または蛍光(蛍光検出法と合わせたジゴキシゲニンおよ
びビオチンラベル付きDNAプローブの使用など)によってラベルされ、DNA
プローブとして用いることができる。
【0021】 ハイブリッド形成法は、血液、好ましくは血清からの核酸サンプルを、ニトロ
セルロース膜などの固相担体上で、DNAを変性させる変性剤で処理することに
よって行われる。好ましい変性剤には、アルカリ溶液、高温度、有機試薬(例:
アルコール、アミド、アミン、尿素、フェノール、スルホキシド)、またはある
種の無機イオン(例:チオシアン酸塩、過塩素酸塩)があるが、これらに限定さ
れるものではない。ラベルされたDNAプローブは、その後、変性DNAがスポ
ットされた膜に添加される。その後、ラベルの性質を帯びたDNAハイブリッド
の存在について膜を分析する。ラベルが放射性である場合、膜はX線フィルムに
露光することができる。ラベルが蛍光の場合は、蛍光顕微鏡を使用して膜を直接
見ることができる。
【0022】 2つめの抗原は、血液中のピロリ菌タンパクおよび/またはペプチド、あるい
は抗原エピトープを含むあらゆる物質に関連し、これらは免疫ブロット法または
免疫測定法(ピロリ菌抗原に対するアフィニティー精製抗体を使用するのが好ま
しい)により検出できる。一次および二次抗体ともに、検出方法の種類に応じて
、血液中のピロリ菌抗原を検出または測定するために要してよい。一次抗体は抗
原(本発明ではピロリ菌抗原)に対して出現する抗体である。二次抗体は、一次
抗体産生種の免疫グロブリン(ヤギの抗ウサギIgGなど)に対する抗体である
。検出に好適な血液サンプルは血清である。
【0023】 免疫ブロット法は、まずSDS−PAGEで血液サンプルを分析することから
はじまる。電気泳動後、タンパク/ペプチドバンドを、ニトロセルロース膜へ移
し、その後膜を充分な量の抗ピロリ菌抗体で培養する。抗ピロリ菌を産生する動
物種の免疫グロブリンに対する酵素複合二次抗体を、ニトロセルロース膜に添加
することができる。この方法に好適な酵素の一つはアルカリフォスファターゼで
あり、その反応は5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォスフェート(5-
bromo-4-chloro-3-indolylphosphate)を加えることにより検出可能である。こ
の方法で用いられる別の好ましい酵素マーカーは、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼであるが、この場合は、4−クロロ−1−ナフトール、テトラメチルベ
ンジジンまたは3,3’−ジアミノベンジジンを加えて目に見えるよう着色不溶
性物質を生成させることで検出可能である。
【0024】 免疫測定法には、ベーシック・サンドウィッチ法、トリプル・サンドウィッチ
法およびイムノクロマトグラフィー法等があるが、これらに限定されるものでは
ない。 ベーシック・サンドウィッチ法では、一次抗体が2つ必要であり、一つは固形
担体に固定され、もう一つは検出剤によりラベルされる。トリプル・サンドウィ
ッチ法では、ピロリ菌に対する2つの一次抗体(すなわち第一抗体と第二抗体)
とともに一つの二次抗体の使用が必要である。このとき一次抗体のうち一つだけ
が固形担体に固定される。二次抗体は、非固定一次抗体を産生する動物種のIg
Gに対する二次抗体であり、抗体−抗原−抗体複合体に対する複合体を形成する
。二次抗体は、検出剤によりラベルされる。
【0025】 サンドウィッチ法の固形担体には、プラスチック・ビーズ、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレンなどがある。検出剤は、酵素マーカー(アルカリフ
ォスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ等)、蛍光剤または発光
剤(フルオレセイン、ローダミン、ユーロピウム、ルミノール、アクリジウム(a
cridium)等)、放射性同位元素ラベル(I125等)、着色粒子(金、銀、青色
ラテックス、セレン等)であることが可能である。
【0026】 ベーシックおよびトリプル・サンドウィッチ免疫測定法では、ピロリ菌に対す
る第一の一次抗体の相互作用により抗原−抗体複合体を形成し、次いでこの抗原
−抗体複合体がピロリ菌に対する第二抗体に接触することが必要である。
【0027】 イムノクロマトグラフィー法でも、ピロリ菌に対する2つの一次抗体の併用が
必要である。ベーシックおよびトリプル・サンドウィッチ法とは異なり、第一抗
体(すなわち最初に生物学的試料に接触する抗体)は着色粒子によりラベルされ
る。第二抗体は、ニトロセルロース(またはニトロセルロース誘導体)膜、ナイ
ロン膜、ポリエステル膜、ろ紙、アガロースまたはセファデックスゲルなどの固
形担体に固定される。イムノクロマトグラフィー法の好適な固形担体は、ニトロ
セルロース膜である。さらに、第一抗体を産生する動物種に対する二次抗体を、
サンプル添加側とは反対のクロマトグラフィーストリップ(chromatographic st
rip)の末端近くで固形担体に添加および/または固定してもよい。この二次抗
体は、クロマトグラフィーの流れの末端で非固定着色粒子を捕捉するためのコン
トロールとして使用される。従って、サンプルがピロリ菌抗原を含んでいない場
合は、抗体−抗原−抗体複合体が形成されないため、第一抗体にラベルされた着
色粒子は結合せずに第二抗体を通り抜ける。しかしながら、二次抗体は第一抗体
産生動物のIgGに対するので、第一抗体がサンプルとともに複合体を形成する
か否かにかかわらず、第一抗体が通過するときに二次抗体が第一抗体に結合する
。第一抗体と二次抗体との結合は、イムノクロマトグラフィーの流れの終わりを
表す。
【0028】 血清サンプルの処理における問題の一つは、ピロリ菌感染患者が血清内に患者
自身のピロリ菌抗体を保有していることがよくあることである。これらの血清ピ
ロリ菌抗体は、血清ピロリ菌抗原と免疫複合体を形成することができ、本発明の
免疫測定法の精度に影響を及ぼすことがある。ピロリ菌免疫複合体を解離する方
法には、解離試薬の使用またはサンプル解離条件で複合体の解離を行う方法があ
るが、これらに限定されるものではない。
【0029】 解離試薬の例をあげると、高塩分(例:少なくもと1MのNaClまたはKC
l)、界面活性剤(例:少なくとも1%のSDS、Tween20、オクチルグ
ルコシド、デオキシコレート、Triton X−100)、カオトロピック剤
(例:グアニジンHCl、尿素、KSCN)、有機溶媒(例:ジオキサンまたは
エチレングリコール)、酵素(例:プロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン
、ペプシン、V8プロテアーゼ、ズブチリシンなど)、リパーゼ(牛乳から得ら
れるリポタンパク質リパーゼ、Candida Rugosaから得られるリパーゼなど)があ
るが、これらに限定されるものではない。サンプル解離条件の例をあげると、高
pH(例えばpH≧9)または低pH(例えばpH≦3)、および/または高温
(50℃以上)があるが、これらに限定されるものではない。
【0030】 さらに、解離処理をした血清サンプルは、交差反応を最小限にするためにタン
パク質ベースの試薬で処理することができる。好適なタンパク質ベースの試薬に
は、タンパク質、ウシノ胎仔血清、ブタ血清、正常ヤギ血清、ウマ血清、カゼイ
ン、アルブミン、ゼラチン、ウシ血清アルブミンのうち少なくとも一つのタンパ
ク質が含まれる。
【0031】
【発明の実施の形態】
ピロリ菌感染患者において、定量的および定性的測定の試みが数多く報告され
てきたが、血液サンプル中のピロリ菌の検査に直結するものはない。その主たる
理由は、ピロリ菌抗原が血流内にあると仮定する研究者がいなかったからである
。 しかしながら、後述の実施例9(表1)および実施例11(表2および3)に
記載の表(表1〜3)において、ピロリ菌感染患者の血清サンプル中にピロリ菌
抗原が存在し、それが見出し得るという証拠が示されている。
【0032】 このような知見に基づき、本発明は、ピロリ菌感染の診断手段として、血液中
の検出可能なピロリ菌抗原を利用することを目的とする。本診断方法は、異種の
ピロリ菌抗原を検出するのに用いることが可能であり、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、分岐DNA増幅法、ハイブリッド形成
法、免疫ブロット法、免疫沈降、フローサイトメトリー、免疫電気泳動法、免疫
測定法(例:酵素結合イムノソルベント検定法[ELISA])、放射線免疫検
定法[RIA]、イムノクロマトグラフィー)があるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0033】 PCRは特定のDNA配列を非常に効率よく増幅する技術である。変性、プラ
イマーのアニーリング、ポリメラーゼ(例えば、耐熱性酵素Taqポリメラーゼ
)による伸張というサイクルの繰り返しにより、所望のDNA配列の濃度が急激
に上昇する。各DNA配列は、アガロースゲル電気泳動により分離し、核酸の配
列決定を行うことができる。PCRに好適な血液サンプルは、血漿である。それ
は、溶血反応が起こった場合、赤血球に含まれるヘモグロビンからのヘム分子が
PCR増幅と相互作用するかもしれないからである。
【0034】 リガーゼ連鎖反応(LCR)は、痕跡レベルの既知核酸配列の検出のために使
用することができるDNA増幅技術である。LCRは、(1)二本鎖の標的DN
Aをほどいて一本鎖にする高温融解段階と(2)二組の隣接した相補的オリゴヌ
クレオチドを一本鎖の標的分子にアニーリングし、DNAリガーゼで連結させる
冷却段階の2段階の周期的反応を含む。1サイクルから得られる結合産物は、次
のサイクルの連結反応のテンプレートの役目を果たす。LCRの結果、PCR反
応におけるテンプレートの急激な増幅のように、連結産物の急激な増幅をもたら
す。
【0035】 PCRもLCRも、核酸連鎖反応をおこさせるために、ピロリ菌特異的プライ
マーまたはオリゴヌクレオチドの発見が必要である。ピロリ菌株は遺伝子レベル
で非常に多種多様であり(Fujimoto et al., J. Clin. Microbiol., (1994),
32:331-334)、一つ以上の菌株が感染することがあるため、さまざまなピロリ菌
株にみられる共通フラグメントの保存配列に基づいて、プライマーまたはオリゴ
ヌクレオチドを設計するのがよい。
【0036】 ATCC菌株43504のピロリ菌細胞は、糞便サンプル内の抗ピロリ菌に対
する一次抗体を作成するのに特に有用であることが認められている(米国特許第
5,716,791号参照)。それは、菌株43504の細胞を用いた感作で生
成する抗体が、地域や食事に関係なく生物を検出することができるからである。
ATCC43571、43629、49053などの他のピロリ菌株も、同様の
抗原性を有する。従って、これらの菌株間の共通フラグメントを見つけることは
価値がある。これは、上記のピロリ菌株から抽出した核酸を同じ制限エンドヌク
レアーゼで消化し、その後消化されたピロリ菌核酸フラグメントをアガロースゲ
ル電気泳動にかけることにより行うことができる。共通フラグメントは切り離し
、抽出することができる。共通フラグメントのヌクレオチド配列は分析可能であ
る。共通フラグメントの保存配列は、PCRまたはLCRのためのプライマーま
たはオリゴヌクレオチドの設計に使用することができる。
【0037】 PCRまたはLCRの他に、核酸ハイブリッド形成プローブを使用して、血液
サンプル中のピロリ菌抗原の存在を検出してもよい。好適な核酸ハイブリッド形
成プローブは、約5,000塩基以下である。プローブ配列は、ピロリ菌株間の
共通フラグメントのヌクレオチド配列に対し、少なくとも実質的に相補的である
ことが好適である。プローブは、さまざまなピロリ菌株にみられる共通フラグメ
ントの他に、メッセンジャーRNAから、あるいは逆転写酵素を使用したメッセ
ンジャーRNAの逆転写またはゲノムの開裂によって得られるcDNAから得て
もよい。所望のプローブの分離および特性づけの後、宿主細胞内でプローブのD
NAフラグメントのクローンを作って増殖させてよい。増殖したプローブは、最
も一般的には放射性核種を使用して、原子または無機ラジカルによりラベルされ
るが、重金属または蛍光を使用して行われることもある。ピロリ菌抗原の一本鎖
DNAにハイブリッド形成したプローブと特異的に結合する抗体を使用すること
も可能である。この場合、抗体は、検出可能となるようラベルされる。プローブ
に使用されるのと同じタイプのラベルを、公知の技術に従って抗体に結合してよ
い。
【0038】 32P、H、14Cなどの放射性ラベルは、プローブのラベルに使用される
が、十分な半減期を有する適当なシグナルを与える限りは、他の放射性ラベルも
使用することができる。他のラベルとして、ラベルされた抗体蛍光剤に特異的な
結合子として機能できる配位子、化学発光剤、酵素、ラベルされた配位子に特異
的な結合子として機能できる抗体などが挙げられる。免疫測定法で使用されるさ
まざまなラベルも使用できる。ラベルの選択は、ハイブリッド形成率およびプロ
ーブのサンプルDNAへの結合に対するラベルの影響により決定される。ラベル
には、ハイブリッド形成に利用できるDNA量を検出するために、充分な感度が
必要である。他の検討材料としては、プローブ合成の容易さ、容易に使用可能な
計測器、自動化可能性、利便性などがある。
【0039】 ラベルをプローブに結合する方法は、ラベルの性質により変わる。放射性ラベ
ルには、幅広くさまざまな技術を採用することができる。一般的に採用されてい
るのは、α−32P−dNTPを用いたニックトランスレーション法、または、
アルカリフォスファターゼを用いた端末リン酸加水分解後、γ−32P−NTP
およびT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して放射性32Pでラベルする方法
である。あるいは、一つ以上の要素が放射性同位元素で交換された、例えば、水
素が三重水素で交換されたヌクレオチドを合成することも可能である。
【0040】 ラベルとして重要な酵素には、加水分解酵素、特にエステラーゼおよびグリコ
シダーゼ、またはオキシドレダクターゼ、特にペルオキシターゼなどがある。蛍
光化合物には、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体
、ダンシル、ウンベリフェロンなどがある。化学発光剤には、ルシフェリン、お
よび、例えばルミノールなどの2,3−ジヒドロフタラジンジオンなどがある。
【0041】 ハイブリッド形成は、通常、水不溶性の多孔質支持体に付着したDNAサンプ
ルに対してプローブを使用することにより行われる。DNAサンプルは変性され
て、一本鎖核酸が付着する。溶解には、化学溶解が便利で、それは通常希アルカ
リ水溶液(例えば0.1〜1M NaOH)である。アルカリはまた、DNAを
変性する役目も果たす。その他の変性剤としては、高温度、アルコール、アミド
、アミン、ウレアーゼ、フェノール、スルホキシドなどの有機試薬、またはチオ
シアン酸塩、過塩素酸塩などのある種の無機イオンがあるが、これらに限定され
るものではない。
【0042】 血中ピロリ菌抗原は、ピロリ菌に対するアフィニティー精製抗体を使用し、免
疫ブロット法および免疫測定法(例えばベーシック・サンドウィッチ免疫測定、
トリプル・サンドウィッチ免疫測定、イムノクロマトグラフィー)などの免疫学
的方法によって検出することもできる。好適な血液サンプルは血清である。
【0043】 免疫ブロット法では、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で血液サンプルを分離
し、次いで分離したそれぞれのタンパク/ペプチドバンドをニトロセルロース膜
に移すことが必要である。分離したそれぞれのタンパク/ペプチドバンドは、ピ
ロリ菌に対する一次抗体との相互作用により抗原−抗体複合体を形成する。次に
、検出剤によりラベルされた、一次抗体に対する二次抗体を加えると、検出反応
を示す。
【0044】 ベーシックおよびトリプル・サンドウィッチ免疫測定法では、ピロリ菌抗原に
対する第一抗体、ピロリ菌抗原に対する第二抗体および試験サンプル(すなわち
血清サンプル)の少なくとも3つの要素が必要である。 第一および第二抗体(すなわちピロリ菌抗原に対する抗体)は、ポリクローナ
ル抗体であることが好適である。この抗体は、ウサギまたは、ヤギ、牛など他の
哺乳動物にピロリ菌細胞、好ましくは超音波処理によって破壊されている細胞、
を注射することにより得られ、複合抗原部位を呈する。
【0045】 一般的に、抗体は、最初の注射に引き続き、追加免疫注射を行って反応を最大
化することにより生成される。抗体を生成するために、抗原はフロインドアジュ
バント(Freund adjuvant)などの動物に免疫を与えるアジュバントと結合して
、免疫反応を増幅させる。注射される抗原の量は、検出に十分な量の抗体を誘導
するのに十分な量でなければならない。複合的な注射は、抗体産生を最大限に活
用できるよう一定の間隔で行うことができる。注射スケジュールは、使用する動
物により異なる。動物は放血し、まず試験放血(test bleeds)により抗体産生を
測定する。抗体産生は、試用放血(trial bleed)および酵素免疫測定(EIA
)を用いて確認される。抗体はクロマトグラフィー、好ましくはアフィニティー
カラムクロマトグラフィーにより精製される。
【0046】 ベーシック・サンドウィッチ法においては、第一抗体が固形担体に固定されて
いる場合、第二抗体は検出剤でラベルされなければならないが、検出剤は既知の
免疫学的分析で使用されているラベルであればよい。例えば、酵素マーカー(ア
ルカリフォスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼなど)、蛍光性
、発光性あるいは放射性ラベル(フルオレセイン、ローダミン、ユーロピウム、
ルミノール、アクリジウム、放射性同位元素I125など)、またはコロイド粒
子(金、セレンなど)は、免疫測定法で使用できるラベルである。これらのラベ
ルの中で最も一般的なものの一つは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(H
RP)またはアルカリフォスファターゼなどの酵素マーカーである。特に、HR
Pラベルは、HRPをジアミノベンジジン、テトラメチルベンジジン、4−クロ
ロ−1−ナフトールと反応させるか、またはその他の化学反応により比色分析法
で検出することができる。比色反応産物を、プレートリーダー、スキャナ、デン
シトメータで検出するか、あるいは目視で観察することができる。ピロリ菌の量
を、サンプル測定値を既知量の抗原を含む標品と比較して決定することができる
。試験サンプルのラベル濃度をひとまとめに取り扱う(blacket)ために、いく
つかの標品を使用することが好ましい。125Iヨウ素などの放射性同位元素、
または14C炭素などのβ−エミッタも、一般に使用されているラベルであり、
ガンマカウンタまたはシンチレーションカウンタによって検出することができる
。蛍光ラベルも、蛍光分析による検出のためのラベル抗体に使用することが可能
である。
【0047】 固形担体は、免疫測定法に使用されることが知られている固形支持体であれば
何れも使用できる。固形担体は、ELISA用多穴プレートなどの支持体である
ことも可能であり、これはプレートリーダーで読み取ればよい。あるいは、固形
担体は、液体または移動相中で可溶性のサンプルをクロマトグラフィー分析する
ことが可能なものでもよい。このような支持体の例としては、ニトロセルロース
のような膜またはカラムクロマトグラフィーの媒質などが挙げられる。 以下、血液中のピロリ菌抗原の検出の説明のためにの実施例をあげるが、これ
らに限定されるものではない。
【0048】 実施例1ピロリ菌抗原および核酸の作成 ATCC菌株43504、43571、43629および49053のピロリ
菌種株を、それぞれ室温で解凍し、5mlのブルセラ培養液で希釈した。希釈後
すぐに、希釈細菌懸濁液0.2mlをトリプチカーゼ大豆血液寒天培地プレート
上に塗布し、5%ヒツジ血を添加した。細菌が生育するように、微好気条件下で
プレートを培養した。培養後、コロニーをプレートから切除し、PBSで二回洗
浄した。その後、洗浄したペレットをPBSに懸濁した。
【0049】 各ピロリ菌株から抗原を集めるために、氷冷した容器にピロリ菌細胞を移し、
10分間Microson XL200超音波細胞破砕器で超音波処理した。超音波処理した細
菌懸濁液を、2〜8℃で30分間、25,000xgで遠心分離機した。ピロリ
菌抗体産生用免疫源(immunogen)として使用するため、上清はとっておいた。
【0050】 各ピロリ菌株から核酸を収集するために、1%SDSを含む100mMトリス
塩酸(pH8.8)を用いてピロリ菌細胞を溶解することができる。溶解物を同
量のフェノール/クロロホルムで一回抽出した後、同量のフェノール/クロロホ
ルム/イソアミルアルコール(25:24:1)で二回抽出することができる。
クロロホルム−フェノール抽出後、染色体DNAを0.6倍量のイソプロパノー
ルを用い室温で沈降させることができる。13,000xgで15分間遠心分離
を行った後、核酸ペレットを70%エタノールで洗浄し、10mMトリス塩酸お
よび1mMEDTA、pH8.0に溶解することができる。
【0051】 実施例2PCR増幅を用いた血液中のピロリ菌DNAの検出 ピロリ菌株から得られたDNAを、制限エンドヌクレアーゼで消化することが
できる。最適な制限エンドヌクレアーゼとしては、HindIII、EcoRI、BamHI、Cla
IおよびXbaIがあげられるが、これらに限定されるものではない。得られたフラ
グメントは、トリス−酢酸塩−EDTA緩衝液中、アガロースゲル電気泳動にか
けることができる。Boehringer Mannheim社(ドイツ)から購入したアガロース
ゲル抽出キットを用いて、DNAフラグメントをアガロースゲルから抽出するこ
とができる。ピロリ菌株は、遺伝子レベルで非常に多種多様であるため、共通フ
ラグメントを見つけるために、各ピロリ菌株から得たDNAフラグメントを比較
するのは有益である。
【0052】 共通フラグメントのDNA配列は、二本鎖DNAテンプレートおよびSangerら
(Proc. Natol. Acad. Sci. USA(71:1342-1346, 1977))のジデオキシ法(did
eoxy chain termination procedure)を用いて、両ストランドにおいて決定する
ことができる。共通フラグメントの保存配列に基づき、製造メーカーのプロトコ
ルに従ってDNAシンセサイザを用いて、オリゴヌクレオチドプライマーを合成
することができる。PCR用のプライマーは通常長さ約20bpであり、好適な
範囲は15〜20bpである。両プライマーが同じ長さで、かつおおよそ同じヌ
クレオチド組成である場合、よりよい増幅が得られる。増幅があるということが
、ピロリ菌に特異的なヌクレオチド配列があるということを示すので、抗原に特
異的な核酸とのみハイブリッド形成するPCRプライマーが好ましい。
【0053】 抗原性フラグメントをエンコードするDNAは、熟練技術者が標本核酸を得る
手順に従い、常法および通常の実験量により得ることができる。 PCR増幅は、テンプレートとしての血漿DNA抽出物、ピロリ菌抗原プライ
マー、Dynazyme緩衝液(Finnzymes社 、フィンランド,エスポーから購入可)、
全四種のデオキシヌクレオチドの混合物、およびDynazymeを含む反応混合物中で
行うことができる。抽出物をMicrocon 100フィルターに通す追加工程を最後に行
うこと以外は、ピロリ菌細胞の核酸抽出と同じ方法で血漿DNAが抽出される。
この最後の工程は、複合多糖類と同様に、PCR阻害能力を有することがわかっ
ている非生物学的阻害物質の残留物を除去するための処置であり、これによりD
NA沈降物がエリミネーション(eliminaiton)できる。
【0054】 Perkin-Elmer DNAサーマルサイクラー(Norwalk社、米国コネチカット州)
でPCRサイクルを始める前に、反応物を鉱油で覆い、94℃に10分間加熱す
ることができる。最初の5サイクルのパラメータは、94℃で2分間変性、42
℃で1分間アニーリング、72℃で1分間伸張とすることができる。この後、次
のようなパラメータ:94℃で2分間変性、59℃で1分間アニーリング、72
℃で1分間伸張、というパラメータで30サイクルPCRを行うことができる。
最後のサイクルでは、10分間伸張を行うことができる。PCR反応を4℃で停
止し、PCR産物をアガロースゲルで分析することができる。PCR産物の大き
さを測定し、ピロリ菌株に見られる共通フラグメントと比較することができる。
【0055】 大きさが共通フラグメントと同じ場合は、陽性の結果と考えられる。共通フラ
グメントから増幅され、32P CTPによりラベルされたDNAプローブでサ
ザンブロットハイブリッド形成を行うことにより、PCR産物がピロリ菌の配列
であることを確認することができる。あるいは、PCR産物および共通フラグメ
ントをAluI、HinfI、HaeIIIなどの制限酵素で消化し、アガロースゲル電気泳動
により消化物の消化パターンを分析することができる。同一のパターンは、PC
R産物がピロリ菌配列から生じることを示している。
【0056】 実施例3LCR増幅を用いた血液中のピロリ菌DNAの検出 リガーゼ連鎖反応(LCR)分析では、2つのオリゴヌクレオチド2組と、D
NAリガーゼが必要である。一組目のオリゴヌクレオチド(オリゴAとオリゴB
)は互いに連続的であり、標的DNA二重螺施の一つの鎖と相補的である。二組
目のオリゴヌクレオチド(オリゴCおよびオリゴD)は第一組に対し相補的であ
り、よって、標的DNAの2番目の鎖上の隣接部位を占める。全4種のオリゴヌ
クレオチドは、ピロリ菌株の保存配列に従って設計され、Applied Biosystems社
(カリフォルニア州フォスターシティ)のオリゴヌクレオチドシンセサイザで合
成し、PAGEで精製することが可能である。オリゴAとオリゴDは、50mM
トリス塩酸(pH7.5)、7mM MgCl、および1mMジチオスレイト
ール中、アデノシン5’(γ−32P)三リン酸とポリヌクレオチドキナーゼ存
在下、37℃で30分間培養することにより、その5’末端に放射性ラベルする
ことができる。その後、70℃で加熱してポリヌクレオチドキナーゼを不活性化
する。放射性ラベルされた同量のオリゴヌクレオチドプローブAおよびDと、オ
リゴヌクレオチドプローブBおよびCとを、それぞれ血清サンプルから抽出され
たDNAテンプレートと一緒にエッペンドルフ型管に加えることができる。各管
には、pH6.5の50mMビス−トリス、10mM MgCl、10mM
NHCl、10mM KCl、1mMジチオスレイトール、および1mM N
ADからなる反応緩衝液が入っている。次に適量の鉱油で管内を覆い、管を3分
間100℃に加熱し、次いで85℃に1分間冷却し、DNAリガーゼを加えて5
5℃を保つことができる。好適なDNAリガーゼは、Pyrococcus furiosus由来
のPfu DNAリガーゼである。反応管をDNAサーモサイクラー(RoboCycl
er、Stratagene)に設置し、85〜50℃で各1分間ずつ、20回、30回また
は40回サイクラーにかけることができる。その後、各反応の一定量を95%ホ
ルムアミド停止色素と1:1の割合で希釈することができる。希釈したサンプル
はアクリルアミドゲル上で分析することができる。
【0057】 実施例4ピロリ菌DNAプローブの作成 ピロリ菌株から得られるピロリ菌DNAフラグメント(通常、少なくとも25
塩基、一般的には少なくとも約30塩基を有し、約10,000以上を有する場
合もあるが、普通は5,000以下である)は、電気泳動法を行った後切り離し
、アガロースゲルから抽出することができる。このDNAフラグメントを制限エ
ンドヌクレアーゼで消化し、ベクターと結合して組み替えプラスミド構造を形成
することができる。例えば、DNAフラグメントをClaIで消化し、ClaI
で消化したPev−Vrf発現ベクターに結合させることができる(Crowl et a
l., Gene (1985), 38:31-38)。その後、組み替えプラスミドは、E. Coli RRI
などの原核細胞、またはNIH 3T3細胞、HeLa細胞などの真核細胞のような宿主細
胞をトランスフォームすることができる。組み替えプラスミドは宿主細胞内での
複製により増殖することができる。増殖した組み替えプラスミドを、Soらの方法
(Infect, Immun.(1978), 21:405-411)に従って分離することができる。ピロリ
菌からのDNAフラグメントを、同じ制限エンドヌクレアーゼで消化することに
よりプラスミドから遊離させることができる。遊離したピロリ菌DNAフラグメ
ントを、アガロースゲルまたはポリアクリルアミド電気泳動法によって確認する
ことができる。増殖したDNAフラグメントを、放射性同位元素(32P、
14Cなど)または蛍光(蛍光検出法と合わせてジゴキシゲニン−およびビオ
チン−ラベルDNAプローブを使用するなど)でラベルし、DNAプローブとし
て使用することができる。
【0058】 実施例5ピロリ菌DNAプローブを使用したスポットハイブリッド形成の作成 ニトロセルロース膜を煮沸殺菌または加圧滅菌することができる。無菌膜を一
つ寒天培地の表面に取り付け、DNAが遊離(liberate)するように処理された血
清でスポットすることができる。例えば、血清サンプルを希アルカリ水溶液(0
.1〜1M NaOHなど)で溶解することができる。アルカリはDNAを変性
する役目も果たすことができる。その他の変性剤としては、高温度、有機試薬(
アルコール、アミド、アミン、尿素、フェノール、スルホキシドなど)、または
ある種の無機イオン(チオシアン酸塩、過塩素酸塩など)があるが、これらに限
定されるものではない。
【0059】 サンプルを変性させた後、一般的にはpH約6〜8、通常pH7の水性緩衝液
で膜を洗浄することができる。溶解、変性、洗浄の後、膜上にサンプルDNAを
固定するために、高温、一般的には約50〜70℃でサンプルDNAをスポット
した膜を乾燥させることができる。
【0060】 膜を完全に濡らすために、やや高温で十分な時間、プローブなしのハイブリッ
ド形成溶液で膜を培養する。さまざまなハイブリッド形成溶液が使用できるが、
例えば、20〜60容量%、好ましくは30容量%の不活性極性有機溶媒が挙げ
られる。通常のハイブリッド形成溶液には、約50%ホルムアミド、約0.5〜
1M塩化ナトリウム、約0.05〜0.1Nクエン酸ナトリウム、約0.05〜
0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、少量のEDTA、フィコール(約
300〜500kdal)、ポリビニールピロリドン(約250〜500kda
l)、血清アルブミンを使用する。また、ハイブリッド形成溶液には、約0.5
〜5mg/mlの超音波処理変性DNA(例えば、仔ウシ胸腺またはサケの***
)を含んでもよく、約0.5〜2wt/vol%のグリシンも任意に含有される
。また、約100〜1000kdalの硫酸デキストランおよび約8〜15wt
%のハイブリッド形成液などの他の添加剤も含んでよい。 ラベルされたDNAプローブの量は、ラベルの性質の他、膜に合理的に結合で
きるかどうかや、ハイブリッド形成のストリンゲンシー(stringency)に依存して
、広く変化する。一般的に、プローブの化学量論以上の実質的な過剰量を使用し
て、固定されたサンプルDNAへのプローブの結合率を高めるべきである。
【0061】 ハイブリッド形成溶液中の塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびSDS
と類似した濃度を有する第二の溶液を用いて、室温で膜を洗浄処理した後、二重
螺施の存在を調べるために、ラベルの性質に従って膜を分析してもよい。ラベル
が放射性である場合は、膜を乾燥させX線フィルムに露光する。ラベルが蛍光で
ある場合は、蛍光顕微鏡を使用することで直接観察できる。
【0062】 プローブは、ハイブリッド形成を行う配列に対して完全に相補的である必要は
なく、30%以上の不一致な対があってもよい。DNAハイブリッドの形成に影
響を与える条件はよく知られており、Crosa et al., J. Bact. (1973), 115(3):
904-911に詳しく記載されている。
【0063】 実施例6ピロリ菌に対するウサギポリクローナル抗体の生成 まず、ニュージーランド白色ウサギに、ピロリ菌抗原0.5〜1.0mgを含
む完全フロイントアジュバント(Complete Freund' Adjuvant)を筋肉注射するこ
とにより感作し、4週間ごとに同抗原を1.5〜1.0mg含む不完全フロイン
トアジュバント(Incomplete Freund' Adjuvant)を注射した。3回目の注射の後
、分析のため試験放血を採った。抗体価が望ましいレベルである約10に達し
たらすぐに、産生放血を開始した。
【0064】 各放血はまずPBSで1×10にそれぞれ希釈した。希釈したウサギの血清
100μlをピロリ菌抗原を被覆した穴に加えた。室温で1時間培養した後、プ
レートをPBSで4回洗浄し、ヤギの抗ウサギIgG−HRP結合体100μl
を加えた。プレートをさらに30分間室温で培養した。PBSで4回洗浄した後
、発色のためにテトラメチルベンジジン(TMB)基質100μlを各穴へ加え
、マイクロウェルリーダーを用いて450/650nmで各穴の色彩強度(colo
r intensity)を測定した。OD450/650は、抗体産生における使用に適
するためには、1.0以上でなければならない。
【0065】 実施例7抗体−HRP酵素結合体の作成 抗ピロリ菌抗体と結合させるために、酵素ホースラディッシュペルオキシダー
ゼ(HRP)を選択した。抗体−HRP酵素結合体の産生は、修正ナカネ法(Na
kane et al, 1978: In immunoflorescence and related staining techniques,
Knapp, et al., eds., p215-220, Elsivier/North-Holland Biomedical Press,
Amsterdam)によった。
【0066】 簡単に説明すると、最初に、HRPをm−過ヨウ素酸ナトリウムで酸化処理を
した。この酸化により、炭水化物側鎖上にアルデヒド基が生成する。その後、抗
体をこの酸化HRPとアルカリpHで混合し、抗体上のアミノ基とHRP上のア
ルデヒド基との反応によりシッフ塩基を形成させ、抗体とHRPの共有結合に還
元した。そして、sephacryl-300カラムでゲル濾過して、抗体−HRP結合体を
精製した。 HRPは、ピロリ菌に対するウサギの抗体などの一次抗体、またはウサギIg
G抗体に対するヤギ抗体などの二次抗体に結合することができる。
【0067】 実施例8ゲル電気泳動および免疫ブロット分析 血清サンプルはSDS−PAGEで分析することができる。電気泳動後、ゲル
を固定し、Oakley らの修正銀染色法(Anal. Biochem.,(1980), 105:361-363)
によりタンパク質を分解することができる。
【0068】 あるいは、1ampで1時間、エレクトロブロッティングを行うことにより、
タンパク質をニトロセルロース紙に移すことができる。空いている結合部位をT
ween−20や脱脂乳などのブロッキング剤でブロッキングしたのち、前記実
施例6記載のように十分な量のピロリ菌抗体をニトロセルロース紙に加える。ニ
トロセルロース紙はその後1時間室温で培養することができる。最後に、抗ピロ
リ菌抗体産生動物種の免疫グロブリンに対する二次抗体(ヤギの抗ウサギIgG
など)のアルカリフォスファターゼ結合体を、ニトロセルロース紙に加える。5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォスフェート(BCIP)/ニトロブ
ルーテトラゾリウム(NBT)を加えることにより、反応を検出することができ
る。
【0069】 実施例9遊離型血清ヘリコバクターピロリ菌抗原の作成 血清ピロリ菌抗原は、遊離型および免疫複合体の両方の形で存在するかもしれ
ない。遊離型のピロリ菌抗原は、免疫測定法あるいは他の抗原検出法により容易
に検出できる。血清中のピロリ菌抗体と免疫複合している抗原は、免疫複合体か
ら解離した後でしか検出することができない。 血清ピロリ菌抗原が遊離型、免疫複合体の両方で存在し、遊離型のピロリ菌抗
原は本発明のELISAにより容易に検出されるが、免疫複合体は同じ方法では
容易に検出できないということは、表1に示されている。
【0070】 表1は、血清ピロリ菌のスパイキング試験(spiking study)の結果である。
どの試験サンプルにもピロリ菌抗原は含まれていない。しかしながら、血清中に
ピロリ菌抗原が存在しないにもかかわらず、血清サンプルにピロリ菌抗体が含ま
れていることがあった(「抗体陽性サンプル」)。これは、おそらくは以前に感
染したことによると思われ、ピロリ菌抗体が含まれていなかった血清サンプル(
すなわち「抗体陰性サンプル」)とは対照的である。スパイキング群においては
、細菌細胞全体中または細胞溶解物中のピロリ菌抗原の既知量(1×10細菌
/ml)を、「抗体陰性」および「抗体陽性」血清サンプルの両方に添加した。
「非スパイクキング」群においては、ピロリ菌抗原を添加しなかった。
【0071】 表1の結果から、「抗体陰性」サンプルにおいて、ピロリ菌添加によりOD 50/650 値が上昇したことがわかる。一方、「抗体陽性」サンプルへのピロ
リ菌抗原の添加によって、「抗体陰性」サンプルと同レベルまでOD450/6 50 値が上昇することはなかった。これに対する一つの合理的な説明は、添加し
たピロリ菌抗原が血清ピロリ菌抗体と免疫複合体を形成し、これがELISA測
定を阻害したということである。
【0072】
【表1】血清ピロリ菌抗原のスパイキング試験 1×10細菌/ml 非スパイキング 試料 OD450/650 OD450/650 緩衝液 3.866 0.007 Ab陰性サンプル1 3.973 0.096 Ab陽性サンプル1 0.336 0.120 Ab陽性サンプル2 0.390 0.082
【0073】 血清ピロリ菌抗原の免疫複合体を解離するために、解離試薬を用いるかサンプ
ル解離条件で血清サンプルを処理することができる。免疫複合体の解離に有効な
解離試薬は主に4種類ある。一つ目の解離試薬は、NaClまたはKClの高濃
度塩水溶液である。好適な塩濃度は少なくとも1Mである。好適な塩はKClで
ある。二つ目の解離試薬は、SDS、Tween20、オクチルグルコシド、デ
オキシコレート、Triton X−100などの界面活性剤を含む溶液である
。これらの界面活性剤は単独または組み合わせて使用することができる。界面活
性剤の好適な濃度は1%より高い。三つ目の解離試薬は、グアニジンHCl、尿
素、チオシアン酸カリウム(KSCN)などのカオトロピック剤を含む溶液であ
る。これらのカオトロピック剤の濃度は、2Mより高くなければならない。四つ
目の解離試薬は、10%ジオキサン、40%エチレングリコールなどの有機溶媒
を含む溶液である。
【0074】 あるいは、高pHまたは低pHの何れかの条件あるいは高温のサンプル解離条
件で血清サンプルを処理することができる。好適な高pH値は9以上である。好
適な低pH値は3以下である。好適な温度は50℃以上である。 さらに、交差反応を最小限に抑えるために、解離処理をおこなった血清サンプ
ルをタンパク質ベースの試薬で処理することができる。好適なタンパク質ベース
の試薬には、以下のタンパク質:ウシ胎仔血清、ブタ血清、正常ヤギ血清、ウマ
血清、カゼイン、アルブミン、ゼラチンおよびウシ血清アルブミンのうち少なく
とも一つを含む。
【0075】 実施例10ウサギの抗ピロリ菌抗体のアフィニティー精製 A.アフィニティーカラムの作成 1〜5グラムのピロリ菌細胞ペーストを、オクチルグルコシドを含むPBS緩
衝液、0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M NaCl pH7.2に懸濁し
、室温で30分間攪拌した。その後、アイスバスの中で、1分ごとに超音波処理
と中断を繰り返して、10分間最大出力で懸濁液を超音波処理した。超音波処理
後、25,000gで30分間遠心分離を行い、不溶性物質を除去した。上清を
とっておき、タンパク質濃度をPBSで1〜3mg/mlに調整した。プレ平衡
Aminolinkカップリングゲル(Pierce社製)を含むPBSを、充填ゲル1mlあ
たりタンパク質1〜10mgの割合で上清に加え、次に充填ゲル1ml当たり5
Mシアノ水素化ホウ素ナトリウム水10〜40μlを加えた。反応スラリーを4
℃で一晩(少なくとも6時間)穏やかにかき混ぜながら培養した。培養後、ゲル
スラリーを適当な大きさのクロマトグラフィーカラムに注入し、余分な液体を排
出させた。カラムを、カラム2倍量のカップリング緩衝液、次いでカラム2倍分
の1Mトリス塩酸pH7.4で溶出した。洗浄したゲルをカラムと同量の1Mト
リスHCl緩衝液pH7.4中に再懸濁した。再懸濁後、5Mシアノ水素化ホウ
素ナトリウムを充填ゲル1ml当たり10〜40μl加えた。得られた懸濁液を
穏やかに攪拌しながら、1時間室温で培養した。カラムから液体を排出させ、P
BSで十分にわたって洗浄し、カラム内の非複合抗原を除去した。
【0076】 B:アフィニティーカラムによる抗体の精製 ウサギの抗体を精製するために、同量のウサギ血清に同量の飽和硫酸アンモニ
ウム溶液を徐々に加え、ピロリ菌抗体を沈降させた。室温で30分間攪拌後、3
0分間遠心分離を行い、沈降物を収集し、PBSで再溶解後、100倍以上のP
BSで透析を行った。透析後、溶液を0.2μmの膜で濾過し、アフィニティー
カラム上にのせた。その後、溶離液がベースラインに達するまで、PBSでカラ
ムを十分に洗浄した。カラム内の抗ピロリ菌特異抗体を3M KSCN水溶液で
溶出した。免疫グロブリンを含む画分を集めて、過剰なKSCNを除去するため
に最小限の2つの交換でPBS透析をおこなった。精製した抗体を約1.0〜2
.0mg/mlまで濃縮し、−20℃で保存した。
【0077】 実施例11血清抗原ELISA試験 血清を常法により全血から分離した。遊離型血清サンプルを実施例1に従って
集めた。アフィニティー精製抗体を、リン酸緩衝液により20〜1.0μg/m
lの間で連続的に希釈した。各希釈溶液0.1mlをCostar EIAストリッププレ
ートに加え、ふたをして室温で一晩培養した。プレートをPBSで一回洗浄し、
1%BSAを含むPBSで、室温で4時間ブロックした。BSA溶液の除去後、
抗体を被覆したマイクロウェルストリッププレートに0.1mlの遊離型血清サ
ンプルを加え、ふたをして室温で2時間培養した。プレートをPBS/Twee
nで5回洗浄した。その後、ホースラディッシュペルオキシダーゼに接合したウ
サギ抗ピロリ菌を0.1ml各マイクロウェルに加え、ふたをして室温で1時間
培養した。再びプレートをPBS/Tweenで5回洗浄し、その後室温で10
分間テトラメチルベンジジン0.1mlで発色させた。発色を450nmで測定
した。反応は、1N HSO0.1mlで停止した。最大光学濃度(optica
l density)および最低バックグラウンドが得られた希釈溶液を最適希釈溶液と
して選択した。
【0078】 表2および3は、異なる患者の血清で、異なる時間に行われた2つの実験を示
すものである。これらの実験は、ピロリ菌に対する血清ELISA試験結果を表
している。第一実験(表2)の被験者は5人である。第二実験(表3)の被験者
は3人である。結果はOD450/650で表す。ピロリ菌抗原の存在および量
を450nm波長で測定することができる(650nmはバックグラウンド(す
なわちプレート)を検出する波長である)。OD450/650は、OD650 の測定値を差し引いたOD450の測定値を示す。OD450/650≦0.1
のサンプルは陰性結果(すなわちピロリ菌非感染)を示している。
【0079】
【表2】血清ELISA試験(実験1) OD450/650 結果 陽性サンプル #1 0.712 陽性 陽性サンプル #2 0.487 陽性 陽性サンプル #3 0.187 陽性 陰性サンプル #4 0.076 陰性 陰性サンプル #5 0.048 陰性
【0080】
【表3】血清ELISA試験(実験2) OD450/650 結果 陽性サンプル #6 0.311 陽性 陽性サンプル #7 3.846 陽性 陰性サンプル #8 0.083 陰性 緩衝液 0.097 陰性
【0081】 実施例12免疫測定法におけるアフィニティー精製およびDEAE精製ピロリ菌抗体の比較 試験 表4は、ELISAにおいて、アフィニティーカラム精製ピロリ菌抗体および
DEAEカラム精製ピロリ菌を使用したときの比較試験を表すものである。 アフィニティーカラムによるピロリ菌抗体の精製は、前記実施例5に記載され
ている。DEAE(ジエチルアミノエチルセルロース)カラムについて、以下に
説明する。
【0082】 DEAEカラムは0.0175Mのリン酸カリウム(pH6.5)で室温で平
衡にした。ピロリ菌抗体を含む上清をカラムにかけ、流出画分を集めた。タンパ
ク質濃度(OD280)を調べ、0.200より高い全ての画分を集めた。
【0083】 アフィニティー精製抗体およびDEAE精製抗体を、リン酸緩衝液で20〜0
.2ug/mlの間で連続的に希釈した。各希釈溶液0.1mlをCostar EIAス
トリッププレートへ加えて、ふたをして室温で一晩培養した。プレートをPBS
で一回洗浄し、1%BSAを含むPBSで室温で4時間遮断した。いくつかの陽
性および陰性試料を、サンプル希釈剤(PBS:BSA)で1:5に希釈した。
各サンプル(0.1ml)を、DEAE抗体で被覆したストリップ穴またはアフ
ィニティー精製抗体で被覆したストリップ穴(コントロールの役割をする)に加
え、予め許容されたDEAEおよび/またはアフィニティー精製ウサギ抗ピロリ
菌−ホースラディッシュ酵素結合体0.1mlと同時に培養した(表4参照)。
室温で60分間培養した後、固定されていないサンプルおよび酵素ラベル抗体を
除去するために、サンプルを完全に洗浄した。テトラメチルベンジジン基質を加
えて、室温で10分間培養した。発色を1N硫酸0.1mlで停止し、各サンプ
ルの反応度を決定するために穴をOD450/650nmで分光光度的に読み取
った。
【0084】
【表4】DEAEおよびアフィニティー精製抗体の比較 試験1 試験2 試験3 試験4 プレート アフィニティー アフィニティー DEAE DEAE 複合体 アフィニティー DEAE DEAE DEAE (強度1/2) 陰性コントロール 0.009 0.223 0.212 0.085 陽性コントロール 1.320 1.366 1.111 0.879 陽性サンプル1 2.364 2.813 1.259 0.766 陰性サンプル2 0.013 0.154 0.114 0.049 陰性サンプル3 0.024 0.323 0.245 0.112陽性サンプル4 0.354 0.398 0.158 0.084
【0085】 表4から、アフィニティー精製抗体およびアフィニティー精製複合体では、低
いバックグラウンド測定値および高い(高感受性の)陽性サンプル測定値の点か
ら、最高の結果が得られたことがわかる。アフィニティー精製抗体を標準試料と
して、プレートと複合体の両方で使用した(試験1)。その他の試験を標準試料
と比較した。標準試料と比較すると、DEAEプレートおよびDEAE複合体は
、バックグラウンドの上昇(すなわち陰性サンプルに対する高いOD)により偽
陽性結果を示し、陽性サンプルのODは低下した(試験3)。DEAEプレート
をアフィニティープレートに変えると、陽性シグナルは出るが、高バックグラウ
ンドはそのままで、偽陽性結果を与えた(試験2)。DEAE複合体濃度をもと
の50%に低下させることにより、バックグラウンドは低下したが、陽性シグナ
ルもまた低下し、偽陰性結果を示した(試験4)。
【0086】 実施例13イムノクロマトグラフィー分析 イムノクロマトグラフィー分析装置には、「サンプル添加ウインドウ」および
「結果確認ウインドウ」の2つのウインドウを持つ外側のプラスチックカセット
がある。「サンプル添加ウインドウ」には移動相が添加されるが、「ラベルパッ
ド(label pad)」、またはイムノゴールド(immuno-gold)などの検出剤でラベル
した第二抗体を入れる貯蔵槽も備えている。パッドはサンプル添加スポットと「
結果確認ウインドウ」の下端の間に設置した。「結果確認ウインドウ」は固定相
の上にあり、結果確認ウインドウは、第一一次抗体でスポットしたテストライン
、および第二一次抗体に対する抗体でスポットしたコントロールラインを含んで
いた。テストラインはサンプル添加ウインドウとコントロールラインの間であっ
た。
【0087】 試験を行うために、4〜6滴の血清をカセットのサンプルエリアに加えた。サ
ンプルは、赤色イムノゴールドまたはその他のラベルに結合した精製ピロリ菌抗
体を含むラベルパッドを通って流れた。サンプルは、ラベルされた抗体を含んで
、テストストリップを進み、最初にテストラインを、次にコントロールラインを
通過した。サンプルにピロリ菌抗原が含まれている場合は、抗体は赤色イムノゴ
ールドに結合した抗原に結合し、ニトロセルロース膜に線状にスポット(固定)
されたピロリ菌抗体に結合する。ピロリ菌抗体−抗原−抗体複合体が捕捉される
と、赤色テストラインを結果ウインドウから目視観測できる(膜抗体:抗原:抗
体赤色イムノゴールド)。コントロールラインはヤギの抗ウサギ抗体をスポット
した。サンプルが流れ出したときに、ピロリ菌イムノゴールド抗体をヤギの抗ウ
サギラインで捕捉され、処理が正しく行われたことが確認された(モノクローナ
ル抗体を着色粒子との結合に使用した場合、コントロールラインはヤギの抗マウ
スでスポットされるべきである。)
【0088】 サンプル液は、追加の移動相を含んでもよく、サンプル液は下部から上部へと
移動し(クロマトグラフィー効果)、過剰な液体は最上部にある吸着パッドによ
りカセットの上部へと誘導された。サンプルに抗原が含まれていない場合、試験
終了時にコントロールラインのみが見える。抗原があった場合は、テストライン
が見える。 好適な実施例を挙げて本発明を詳細に説明してきたが、クレームに定義された
本発明の範囲を逸脱することなく、修飾および変形が可能であることは本技術分
野の当業者には明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/543 545 G01N 33/543 545S 575 575 33/545 33/545 A 33/553 33/553 33/569 33/569 F // C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 イー,チン,スー,エー アメリカ合衆国、94010、カリフォルニア 州、バーリンゲーム、コーワン ロード 837 (72)発明者 ハン,チュン・ホー アメリカ合衆国、94010、カリフォルニア 州、バーリンゲーム、コーワン ロード 837 Fターム(参考) 2G054 AB04 CA21 CA22 EA03 GA04 4B024 AA13 CA04 DA06 EA04 GA11 HA14 4B063 QA01 QQ06 QR32 QR33 QS34 4H045 AA11 AA30 CA11 DA86 EA52 FA74

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリコバクターピロリ菌(H. pylori)検出に特異的な一対
    のプライマーを使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により血液中で検出さ
    れる、ヘリコバクターピロリ菌抗原。
  2. 【請求項2】 前記血液が血漿である、請求項1記載のピロリ菌抗原。
  3. 【請求項3】 前記の一対のプライマーが、ATCC菌株43504、43
    571、43629および49053のピロリ菌株からの共通ヌクレオチド配列
    を含む、請求項1記載のピロリ菌抗原。
  4. 【請求項4】 ピロリ菌検出に特異的なオリゴヌクレオチドの第一組および
    第二組を使用したリガーゼ連鎖反応(LCR)によって血液中で検出され、第一
    組のオリゴヌクレオチドが互いに連続的であり、第二組が第一組に相補的であり
    、第二組のオリゴヌクレオチドが互いに連続的である、ピロリ菌抗原。
  5. 【請求項5】 前記第一および第二組オリゴヌクレオチドが、ATCC菌株
    43504、43571、43629および49053のピロリ菌株からの共通
    ヌクレオチド配列を含む請求項4記載のピロリ菌抗原。
  6. 【請求項6】 前記LCRがPfu DNAリガーゼを使用して行われる、
    請求項4記載のピロリ菌抗原。
  7. 【請求項7】 ピロリ菌のDNAプローブを使用したDNAハイブリッド形
    成によって血液中で検出される、ピロリ菌抗原。
  8. 【請求項8】 前記血液が、全血、血清および血漿を含む、請求項7記載の
    ピロリ菌抗原。
  9. 【請求項9】 前記DNAプローブが放射性同位元素または蛍光によってラ
    ベルされている、請求項7記載のピロリ菌抗原。
  10. 【請求項10】 前記DNAハイブリッド形成が、ニトロセルロース膜上で
    作成されるスポットDNAハイブリッド形成である、請求項7記載のピロリ菌抗
    原。
  11. 【請求項11】 免疫測定または免疫ブロット法分析を用い、ピロリ菌に対
    する抗体によって血液中で検出される、ピロリ菌抗原。
  12. 【請求項12】 前記抗ピロリ菌抗原に対する抗体がアフィニティー精製抗
    体である、請求項11記載のピロリ菌抗原。
  13. 【請求項13】 前記免疫測定が、ベーシック・サンドウィッチ法、トリプ
    ル・サンドウィッチ法またはイムノクロマトグラフィー分析を含む、請求項11
    記載のピロリ菌抗原。
  14. 【請求項14】 前記血清が解離試薬またはサンプル解離条件で処理されて
    いる、請求項11記載のピロリ菌抗原。
  15. 【請求項15】 前記解離試薬が、容量モル濃度が少なくとも1MのNaC
    lまたはKCl溶液を含む、請求項14記載のピロリ菌抗原。
  16. 【請求項16】 前記解離試薬が、SDS、Tween20、オクチルグル
    コシド、デオキシコレートおよびTriton X−100からなる群から選択
    される少なくとも一つを含有する界面活性剤を含む、請求項14記載のピロリ菌
    抗原。
  17. 【請求項17】 前記解離試薬が、ジオキサンおよびエチレングリコールか
    らなる群から選択される少なくとも一つを含有する有機溶媒を含む、請求項14
    記載のピロリ菌抗原。
  18. 【請求項18】 前記解離試薬が、グアニジンHCl、尿素およびチオシア
    ン酸カリウムからなる群から選択されるカオトロピック剤を含む、請求項14記
    載のピロリ菌抗原。
  19. 【請求項19】 前記解離試薬が、プロテアーゼおよびリパーゼからなる群
    から選択される少なくとも一つの酵素を含む、請求項14記載のピロリ菌抗原。
  20. 【請求項20】 前記サンプル解離条件が、前記血清pHを9以上または3
    以下に調整することを含む、請求項14記載のピロリ菌抗原。
  21. 【請求項21】 前記サンプル解離条件が、前記血清温度を50℃以上に調
    整することを含む、請求項14記載のピロリ菌抗原。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の血液中ピロリ菌抗原を検出することを備え
    る、ピロリ菌感染の診断方法。
  23. 【請求項23】 請求項4記載の血液中ピロリ菌抗原を検出することを備え
    る、ピロリ菌感染の診断方法。
  24. 【請求項24】 請求項7記載の血液中ピロリ菌抗原を検出することを備え
    る、ピロリ菌感染の診断方法。
  25. 【請求項25】 請求項11記載の血清中ピロリ菌抗原を検出することを備
    える、ピロリ菌感染の診断方法。
  26. 【請求項26】 血清サンプル作成工程と、 ヘリコバクターピロリ菌に対する第一抗体をアフィニティーカラムで精製する
    、該第一抗体の作成工程と、 第一複合体の形成のために、前記血清サンプルを前記第一抗体に接触させる工
    程と、 ヘリコバクターピロリ菌に対する第二抗体をアフィニティーカラムで精製する
    、該第二抗体の作成工程と、 第二複合体の形成のために、前記第一複合体を前記第二抗体に接触させる工程
    と、 前記血清サンプル中のヘリコバクターピロリ菌の存在を検出する工程と、 を備える、血清サンプル中のヘリコバクターピロリ菌抗原の検出方法。
  27. 【請求項27】 第一抗体および第二抗体のうちの一つが固形担体に固定さ
    れており、他方が検出剤でラベルされている、請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記固形担体が、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
    ピレンまたはニトロセルロースの膜である、請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記検出剤が、酵素マーカー、蛍光剤または発光剤、放射
    性ラベルおよび着色粒子からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求
    項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 酵素マーカーが、アルカリフォスファターゼまたはホース
    ラディッシュペルオキシダーゼを含む、請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記蛍光剤または発光剤が、フルオレセイン、ローダミン
    、ユーロピウム、ルミノールおよびアクリジウムからなる群から選択される少な
    くとも一つを含む、請求項29記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記着色粒子が、金、銀、青色ラテックスおよびセレンの
    少なくとも一つを含む、請求項29記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記第一抗体が前記固形担体に固定されており、前記第二
    抗体が前記酵素マーカーによってラベルされている、請求項29記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記第一抗体が前記着色粒子によってラベルされ、前記第
    二抗体が前記固形担体に固定されている、請求項32記載の方法。
  35. 【請求項35】 さらに、前記血清サンプルを解離試薬またはサンプル解離
    条件で処理する工程を含む、請求項26記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記解離試薬が、容量モル濃度が少なくとも1MのNaC
    lまたはKCl溶液を含む、請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記解離試薬が、SDS、Tween 20、オクチルグ
    ルコシド、デオキシコレートおよびTriton X−100からなる群から選
    択される少なくとも一つを含有する界面活性剤を含む、請求項35記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記解離試薬が、ジオキサンおよびエチレングリコールか
    らなる群から選択される少なくとも一つを含有する有機溶媒を含む、請求項35
    記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記解離試薬が、グアニジンHCl、尿素およびチオシア
    ン酸カリウムからなる群から選択されるカオトロピック剤を含む、請求項35記
    載の方法。
  40. 【請求項40】 前記解離試薬が、プロテアーゼおよびリパーゼからなる群
    から選択される少なくとも一つの酵素を含む、請求項35記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記サンプル解離条件が、前記血清サンプルのpHを9以
    上または3以下に調整することを含む、請求項35記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記サンプル解離条件が、前記血清サンプルの温度を50
    ℃以上に上昇させることを含む、請求項35記載の方法。
  43. 【請求項43】 さらに、前記血清サンプルがタンパクベースの試薬と反応
    することを含む、請求項35記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記タンパクベース試薬が、ウシ胎仔血清、ブタ血清、正
    常ヤギ血清、ウマ血清、カゼイン、アルブミン、ゼラチンおよびウシ血清アルブ
    ミンからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 さらに、前記第二抗体用の抗体産生動物種に対する二次抗
    体を作成する工程と、 第三複合体の形成のために、前記第二複合体を前記二次抗体に接触させる工程
    と、 を備える、請求項26記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記二次抗体が、酵素マーカー、蛍光剤または発光剤、放
    射性ラベルおよび着色粒子からなる群から選択される少なくとも一つを含む検出
    剤によってラベルされている、請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 アフィニティーカラムによって精製され、固形担体に固定
    された第一抗体と、 アフィニティーカラムによって精製され、検出剤でラベルされたヘリコバクタ
    ーピロリ菌に対する第二抗体と、 前記検出剤の検出または増幅が可能な試薬とを含む、血清サンプル中のヘリコ
    バクターピロリ菌を検出するための診断キット。
  48. 【請求項48】 さらに、ウシ胎仔血清、ブタ血清、正常ヤギ血清、ウマ血
    清、カゼイン、アルブミン、ゼラチンおよびウシ血清アルブミンから選択される
    少なくとも一つを含有するタンパクベース試薬を含む、請求項47記載の診断キ
    ット。
  49. 【請求項49】 さらに、少なくとも1MのNaCl、少なくとも1MのK
    Cl、グアニジンHCl、尿素、チオシアン酸カリウム、SDS、Tween2
    0、オクチルグルコシド、デオキシコレート、Triton X−100、ジオ
    キサン、エチレングリコール、プロテアーゼおよびリパーゼからなる群から選択
    される少なくとも一つを含有する解離試薬を含む、請求項47記載の診断キット
  50. 【請求項50】 前記検出剤がホースラディッシュペルオキシダーゼであり
    、前記試薬がテトラメチルベンジジン基質である、請求項47記載の診断キット
  51. 【請求項51】 ヘリコバクターピロリ菌に対する第一抗体と、 ヘリコバクターピロリ菌に対する第二抗体と、 前記第二抗体用の抗体産生動物種に対する二次抗体であって、酵素マーカー、
    蛍光剤または発光剤、放射性ラベルおよび着色粒子からなる群から選択される少
    なくとも一つを含む検出剤でラベルされた二次抗体と、 前記検出剤の検出または増幅が可能な試薬とを含み、 前記第一抗体および前記第二抗体がアフィニティーカラムで精製されている、
    血清サンプル中のヘリコバクターピロリ菌を検出するための診断キット。
  52. 【請求項52】 前記検出剤がホースラディッシュペルオキシダーゼであり
    、且つ前記試薬がテトラメチルベンジン溶液である、請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 サンプル添加部および結果観察部を有し、前記サンプル添
    加部に血清サンプルが添加される固形担体と、 着色粒子によりラベルされ、前記サンプル添加部と前記結果観察部の間につな
    がれた、ヘリコバクターピロリ菌に対する第一抗体と、 前記結果観察部においてイムノクロマトグラフ媒質に固定されている、ヘリコ
    バクターピロリ菌に対する第二抗体とを含み、 前記第一抗体および第二抗体がアフィニティーカラムによって精製されている
    、血清サンプル中のヘリコバクターピロリ菌を検出するためのイムノクロマトグ
    ラフィー分析装置。
  54. 【請求項54】 前記固形担体が、ニトロセルロース膜、ポリエステル膜、
    またはナイロン膜である、請求項53記載のイムノクロマトグラフィー分析装置
  55. 【請求項55】 前記着色粒子が、金、銀、青色ラテックスおよびセレンか
    らなる群から選択される、請求項53記載のイムノクロマトグラフィー分析装置
  56. 【請求項56】 さらに、前記第一抗体用の抗体産生動物種に対する二次抗
    体を含み、前記二次抗体が前記第二抗体よりもサンプル添加部から離れた結果観
    察部の末端に固定されている、請求項53記載のイムノクロマトグラフィー分析
    装置。
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