JP2003513275A - 統合された制御および解析回路を備えた微視的なマルチサイトセンサアレイ - Google Patents

統合された制御および解析回路を備えた微視的なマルチサイトセンサアレイ

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JP2003513275A
JP2003513275A JP2001535042A JP2001535042A JP2003513275A JP 2003513275 A JP2003513275 A JP 2003513275A JP 2001535042 A JP2001535042 A JP 2001535042A JP 2001535042 A JP2001535042 A JP 2001535042A JP 2003513275 A JP2003513275 A JP 2003513275A
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potentiometric
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JP2001535042A
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ハル シー. カンター,
ロバート ダブリュー. ハウアー,
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アドバンスド センサー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
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    • G01N33/483Physical analysis of biological material
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Abstract

(57)【要約】 少なくとも1つの電位差電極、および、少なくとも1つの電流滴定電極を有する記録デバイスであり、両方の電極が同じ記録デバイス上に位置する記録デバイスが提供される。また、少なくとも1つの電位差電極、および、少なくとも1つの電流滴定電極を有する単一部位記録デバイスであり、両方の電極が同じ記録デバイス上に位置する単一部位記録デバイスも提供される。さらに、少なくとも1つの電位差電極、および、少なくとも1つの電流滴定電極を有する、組織培養での神経化学活性および神経電気活性を測定するデバイスであり、両方の電極が同じ記録デバイス上に位置する神経化学活性および神経電気活性を測定するデバイスも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (1.発明の分野) 本発明は、電流滴定センサアレイおよび電位差センサのアレイに関する。より
詳細には、本発明は、微視的電流滴定センサアレイおよび電位差センサのアレイ
に関する。
【0002】 (2.従来技術の説明) アレイシステムが大型化するにつれて、システム動作の効率化がより重要とな
っている。アレイベースのシステムとオフチップの電気接続部との間のインター
フェースを効率化すると、ピンまたはコンタクトが制約される問題が生じる。さ
らに、チップまたはアレイのサイズを効率化することに関連する制約のため、チ
ップまたは基板上に設けられるコンポーネントの選択およびサイズに関連する問
題が生じる。設計全体の利点を効率的に最適化しようとすると、様々な選択を行
わなければならない場合が多い。
【0003】 上記の問題に対する1つの解決法として、各電極または実験場所について1つ
未満の個別の専用接続を用いて電極アレイを制御する方法が、1996年7月9
日に出願された「Active Biological Array」というタ
イトルのKovacsによる米国特許出願シリアル番号第08/677,305
号において提案されている。このアレイは、複数の電極サイトから形成される。
典型的な電極サイトは、電極と、上記電極に結合され、電気による刺激を電極に
与える駆動素子と、上記駆動素子に結合され、上記電極に与えられる電気による
刺激の大きさを示す信号の受信および格納を行うローカルメモリとを含む。ロー
カルメモリへの格納の際に用いられるロウ線およびカラム線の共動動作を通じて
信号値を選択的に結合させる実施形態が複数開示されている。そのため、アレイ
中の様々な電極の値が互いに異なり得る。
【0004】 Fiaccabrino,G.C.らによる「Array of Indiv
idual Adressable Microelectrodes」(「S
ensor and Actuator B」、18〜19、(1994)67
5−677)において、n2の電極のアレイが、2n個のピンと、信号出力およ
びバルクバイアス(bulk bias)のためのさらに2個のピンとに接続さ
れている。これらのロウ信号および列信号は、直列接続されたトランジスタを駆
動して、単一の値を作動電極に提供する。このシステムの場合、2つ以上の電極
を異なる電位で同時に切り替えることは不可能である。
【0005】 Kakerow,Rらによる「A Monolithic Sensor A
rray of Individually Addressable Mic
roelectrodes」「Sensor and Actuator A」
、43(1994)296〜301)において、化学的パラメータおよび生物学
的パラメータを測定するための単一のモノリシックチップセンサアレイについて
の記載がある。個別にアクセス可能なセンサセルからなる20×20アレイが設
けられている。これらのセンサセルは、センサ制御ユニットによって直列にアド
レス指定される。水平かつ垂直のシフトレジスタは、センサセルの選択を制御す
る。1つのセンサセルのみが一度に選択される。そのため、複数のサイトに同時
にアクセスすることができない。
【0006】 さらに別の問題として、電子デバイスに導電性溶液を塗布する前に電子デバイ
スを試験する能力に関する問題がある。デバイスまたはチップがより複雑化する
と、製造間に発生する欠陥または処理中に発生する欠陥の可能性が概して高くな
る。デバイスに視認検査を行うことは可能であるが、さらに電気的試験および化
学的試験を行うと、動作可能なデバイスをエンドユーザに提供できることが確実
になり得る。
【0007】 上記の議論から明らかなように、多段階反応、多重分子反応、分析的反応かつ
生物学的な反応をモニタリングするための効果的な技術を提供するために多大な
努力が払われてきた。しかし、上記にて述べた理由のため、これらの技術は「断
片的」であり、制約がついて回り、また、解決法を効率よく最適化できていない
。多くの状況において、1つのエリアを電位差および電流滴定の両方を用いてモ
ニタリングして、電気化学的信号および濃度勾配をモニタリングする必要が出て
くる。しかし、これらの様々なアプローチの場合、細胞の代謝分析および/また
はDNA診断アッセイを完全に行うことが可能なシステムを形成するためにアプ
ローチを組み合わせることが難しい。このようなシステムの必要性は長年認識さ
れているにもかかわらず、今まで、満足の得られる解決法は提案されていない。
【0008】 ニューロン間の伝達を理解することは、神経科学発達のキーである。そのこと
は、純粋な科学的な理由により重要であるのみではなく、種々の神経学的損傷及
び疾患、見込みのある治療へのいとぐち、及び神経補綴の開発を研究するに際し
て力添えを提供し得る。
【0009】 ミニチュアーシリコンニューロセンサーは、多年にわたって神経科学者に入手
可能になっている(Wise,K.D.ら(1970年);Kuperstie
n,M.ら(1981年);Blum,N.A.ら(1991年);Conno
lly,P.ら(1990年);Valderrama,E.ら(1995年)
;BeMent,S.L.ら(1986年);Kim,C.ら(1996年))
。これらのデバイスは、神経のシグナリングに関する研究を格段に向上させてい
る。アレイ状のサイトをそのようなセンサー上に作製することは容易に可能であ
り、複数グループのニューロンを同時に研究することができる。加えて、シリコ
ン基板を用いることにより、活性な電子部品を含有させて、低ノイズで、チップ
上での増幅を提供すること、及び複合化によりリード線数を低減することが可能
になる。シリコンのミクロ機械加工技術により、微細な針状プローブから三次元
アレイに至るデバイスの最終的な形態を用途に合わせて調整することができる。
現在のところ、これらデバイスは、神経電気シグナルのみを提供しており、化学
データは提供していない。
【0010】 ガラスを引張って形成されたミクロピペットに付着されたカーボンファイバー
は、神経化学感知のために、最も一般的なデバイスの一つである。ピペットは、
先端部分をカーボンファイバーにさらしながら、加熱条件下で引っ張られると共
にブレイクされ、カーボンファイバーにさらされた先端部分で電極部が形成され
る(Kruger,J.(1991年);Stamford,J.A.(199
2年))。電子部品を用いることができれば、電気的シグナル及び化学的シグナ
ルの両方を検出することが可能になる。不運にも、それらを製造しても、首尾一
貫して作動することを保証することは困難である。センサーは個別に製造される
ため、アレイを作製することも困難である。さらに、別個のカーボン電極を相互
に間近に近接して定位に(stereotactically)配置することは
不可能ではないにしても、困難である。増幅は、別個の素子を用いて行う必要が
あり、ノイズの影響を受け易い状態にあって長期にわたって相互接続しているこ
とが要求される。
【0011】 (発明の要旨) 少なくとも一つの電位差計の電極、電流値を測定する少なくとも一組の電極を
有する記録デバイスが提供される(ここで、全電極は、同じ記録デバイス上に配
置される)。また、少なくとも一つの電位差計の電極、電流値を測定する少なく
とも一組の電極を有し、単一の位置を占める記録デバイスが提供される(ここで
、全電極は、同一の記録デバイス上に配置される)。また、アレイ内のセンサー
を制御及びモニターするためにチップ上に集積された電子部品が提供される。
【0012】 (発明の詳細な説明) ここに添付した図面と関連して考慮して、以下の詳細な説明を参照することに
より、本発明の他の利点が容易に評価され得ると共に、より良く理解される。
【0013】 概して、本発明は、少なくとも一つの電位差測定の電極、電流を測定する少な
くとも一組の電極を有する記録デバイスを提供する。ここで、全電極は、同じ記
録デバイス上に配置されている。より本質的には、本発明は、電流測定の電極及
び電位差測定の電極を同じデバイス上に相互に間近に近接して有するデバイス、
及び/または、電流測定の片側の電極が、単一の位置での測定を提供する電位差
測定電極として二重の効果を供給するように配置を提供する。
【0014】 「支持基板」という用語は、センサアレイが載置されるかまたは集積される基
板を意味する。支持基板は、セラミック、ガラスおよびシリコンから作製され得
る(ただし、これらに限定されない)。
【0015】 「電量分析」とは、検体が完全にまたはほとんど完全に電気分解する間に(電
極上に直接または1つ以上の電子移動エージェントを通じて)送られるかまたは
送られるように射出された電荷を判定することを指す。検体が部分的にまたは完
全に電気分解する間に通過する電荷を測定するか、または、より一般的には電流
が減少し、時間が経過する電気分解の間に測定を複数回行うことにより、電流お
よびよって検体との濃度を判定する。電極周囲に水和シェルが確立されると、電
気分解によって電気分解された種の局所的濃度が低下し、その結果、電流も低減
する。
【0016】 「カウンタ電極」という用語は、作動電極と組み合わされた電極を指す。この
カウンタ電極を通じて、作動電極を通る電流と大きさが同じで符号が逆の電気化
学的電流が移動する。本発明の文脈において、「カウンタ電極」という用語は、
電位差基準電極(すなわち、カウンタ/電位差電極)としてのデュアル機能を有
し得るカウンタ電極も含む。
【0017】 「電流滴定電気化学的センサ」とは、センサ上での電気化学的酸化反応および
還元反応を介して検体の濃度の存在および/または測定値を検出するように構成
されたデバイスを指す。これらの反応は、検体の量または濃度と相関付けること
が可能な電気的信号に変換される。
【0018】 「電気分解」とは、電極におけるまたは1つ以上の電子移動エージェントを介
した化合物の電気酸化または電気還元を指す。この一実施例を挙げると、グルコ
ースオキシダーゼを用いてその触媒作用によりグルコース酸化を生成し、これに
より酸化グルコースおよび過酸化物を生成して、当該過酸化物を測定するものが
ある(ただし、これらに限定されない)。
【0019】 「対面電極」という用語は、作動電極の作動面をカウンタ電極の面とほぼ並列
に配置する作動電極およびカウンタ電極の構成を指す。
【0020】 化合物は、表面に物理的に捕捉されるかまたは化学的に結合された場合、当該
面上に「固定」される。
【0021】 本明細書中、「測定ゾーン」という用語は、当該サンプルのうち検体アッセイ
の間の検索されるべき部分のみを含むようにサイズ調整されたサンプルチャンバ
の一領域として規定される。
【0022】 「浸出不可能な」または「解放不可能な」化合物とは、検体アッセイの間に作
動電極および/またはカウンタ電極の作動面から実質的に拡散しない化合物を指
す。
【0023】 「酸化還元媒介」とは、検体と作動電極との間で電子を(直接または第2の電
子移動エージェントを介して)搬送する電子移動エージェントを指す。
【0024】 「基準電極」とは、電流滴定センサ中の媒体抵抗に起因する電圧降下をモニタ
リングおよび考慮して、電位差電極との比較対象として基準電位を供給する際に
用いられる電極を指す。
【0025】 「第2の電子移動エージェント」とは、酸化還元媒介と検体との間で電子を搬
送する分子である(上記の実施例を参照されたい)。
【0026】 「吸収材料」とは、自身が空であるときに流体サンプルによってウィッキング
(wick)するか、保持するかまたは湿潤され、かつ、検体が電極に拡散する
のを実質的に妨げない材料を指す。
【0027】 「作動電極」は、酸化/還元に影響を与える電位ソースを供給する。
【0028】 「作動面」とは、作動電極のうち、酸化還元媒介によってコーティングされ、
サンプルに露出するように構成された部分を指す。
【0029】 背景として、神経プロテーゼ内で使用するために示された大部分の神経モニタ
リングデバイスは、複数の神経(マルチユニットレコーディング)の電気膜電位
のみをモニタし、これにより、神経が起動電位(fired action p
otential)を有することのみを確かにするデータを提供する(Stam
ford,J.A.,1992;Kruger,J.,1991)。中枢神経系
(CNS)および末梢神経系(PNS)内の多くの神経は、神経伝達物質の段階
的な分泌が可能である。さらに、中枢神経系は、密に並べられかつ混合された神
経細胞本体および末端の不均一な集合から構成される。各神経細胞本体および末
端は、独自の分類の神経伝達物質を分泌する。
【0030】 近年、神経伝達物質の電流測定的電気化学的分析を用いる研究者が少しいるが
、彼らは神経作用電位の電位差モニタリングを用いずに、互いに隣接して埋め込
まれた別個の電極系を使用して分析を行う(Suaud−Chagny,M.F
.,ら、1992)。不可能ではないにしても、電気生理学的および電気化学的
な事象が直接関連していると考えられ得る数セット以上の電極のアレイを、互い
に十分に密に近接して定位的に埋め込むことは困難である(Stamford,
J.A.,1990)。
【0031】 本発明の微視的なマルチサイトセンサアレイは、電位差測定的に、そして最も
重要には電流測定的に、個々の神経の活性をモニタリングすることができる。電
位差測定的レコーディングは、起動速度(firing rate)および脱感
作のダイナミクスに関する情報を提供する。一方で、電流測定センサは、神経伝
達物質の放出、分解、および再摂取のダイナミクスをモニタする。マルチサイト
センサアレイは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術を用いてシリコンウ
ェハ上に微視的な寸法で構成され、同じ技術が集積回路チップを形成するために
使用される。CMOS製造により、バッチ間での高い正確性および忠実さをもっ
て、低コストでの大量生産が可能となる。
【0032】 本発明は、数百ミクロンの電極内に配置されたセンサのシリコン基板内での電
流計およびポテンシオスタット回路の導入を教示する。本発明はまた、マルチプ
レクサ、サンプルおよびホールド、A/D、シリアルドライバなどの導入を教示
する。遠隔的に配置された外部回路を用いることとは対照的に、本発明は、セン
サに最大感度および可能な限りの検出限度を提供し得る。その一方で、高インピ
ーダンスの信号を長距離伝達するためにノイズを最小限にする。
【0033】 さらに、本発明は、随意のおよび不随意の神経入力に基づいてデバイス(また
は筋肉)の閉ループ制御を提供するために、センサ基板上に直接アクチュエータ
コントローラを導入することを含む。さらに、本発明により、脳損傷/欠陥、脊
髄損傷、および感覚組織欠損(例えば、聴覚、視覚、触覚)を有するヒトにおけ
る自律神経のおよび随意の機能を提供し得る小型チップ神経プロテーゼデバイス
が提供される。
【0034】 電流測定センサおよび電位差測定センサの両方を制御し、増幅することを担う
回路部が、微視的センサアレイのために最適化された。閉ループ制御性能を有す
る単一の集積された神経性感知デバイスが作製されてきた。センサアレイは、シ
リコンセンサ表面に直接神経細胞株、hNT(Stratagene,La J
olla,CA,USA)を培養することによりテストされた。hNT細胞は、
主な神経培養物にモルフォロジー的におよびプロセス増殖の密度の点で類似し、
類似の主な神経は、軸索および樹状突起へと分化する精巧なプロセスを提供する
(Lee,V.,ら.、1992)。これらの細胞は、自発的作動電位を生成し
(Personal communication with Dr.Marc
us Zeller,Department of Molecular an
d Cellular Pharmacology,University o
f Miami School of Medicine,FL 33101,
USA)、そしてアセチルコリンおよびドパミンを分泌する。これは、電気作動
電位と神経伝達物質の放出との間のダイナミクスをモニタし、関連付ける能力を
テストするための理想的なモデルである。なぜなら、細胞培養作業は、インビボ
実験よりも顕著に経済的で、反復可能で、制御可能であるからである。
【0035】 微視的マルチサイトセンサアレイは、電流測定センサ技術による同時高速神経
伝達物質分析を用いたシングルユニットおよびマルチユニット神経電位差測定レ
コーディングが可能である。マルチサイトセンサアレイにより、研究者は多数の
科学的かつ臨床的に重要な問題に対処することが可能となり、最終的には、機能
性神経プロテーゼデバイスの礎を提供する。作業仮説は、電流測定センサ技術が
、オンラインかつリアルタイムで高速の神経伝達物質分泌事象のダイナミクスを
モニタリングすることができるということである。現在、科学者は、大まかな神
経活性をモニタするために電位差測定的研究を利用し、および/または比較的大
きな電極を使用して神経の群からの電流測定的測定を用いる。
【0036】 電位差測定的研究は、誘発反応電位を用いて神経系をマッピングすることに非
常に有用である。これらの研究は一般に、脳の感覚領域内の電極をレコーディン
グし、感覚組織を刺激し、そして神経的電気的起動を誘発した感覚場を関連付け
る大きな電位の配置を含む。
【0037】 電気化学的検出(具体的には電流滴定)は、過去において比較的単純な用途(
例えば、クロマトグラフ行の端部において溶離された分子の検出および定量化(
Kissingerら、1984)において用いられてきた。電流滴定を用いる
際に生じる主な制約は、特異性および感度が低いことである。本発明は、電流滴
定の技術の速度という利点を利用して、その特異性および感度の制約を解消する
:すなわち、第1に、本発明の提案によるシステムでは、電流滴定センサをイネ
ーブルして複数の神経伝達物質を個別に検出させるために、2つの特定の形態の
電流滴定(すなわち、周期的電圧のボルタメトリーおよび一定電圧のボルタメト
リー)を用いる。第2に、ミクロスクリーン印刷デバイス(例えば、New L
ongLS−15TV)を用いて、複数の異なる選択性を備える膜を個々のセン
サ上に載置して、不要な化合物(例えば、アスコルビン酸)のバックグラウンド
測定をなくし、センサを含む微視的電極に特異性を与える(金bergら、19
94)。最後に、多サイトセンサアレイリードを窒化ケイ素で収容することによ
り、ニューロンが生成され得る基板を容易に取り付け、分泌する(secret
ing)ニューロンにセンサアレイを非常に密接した状態で配置し、これにより
、軸索のごく近辺において比較的高い神経伝達物質濃度での測定を、劣化、希釈
、分散および再取込みを行う前に行うことが可能となる。
【0038】 周期的なボルタメトリーである電流滴定プロセスは、三角波の電位を作動電極
およびカウンタ電極間に周期的に繰り返し印加する技術である。個々の検体(例
えば、神経伝達物質)は、その化学的部分に基づいて、特徴的な酸化電位および
還元電位を有する(Adams、1969年;Dryhurstら、1982年
)。電極間の電圧が特定の神経伝達物質の酸化電位に達すると、その分子は酸化
する。酸化とは、分子から電子が離れるプロセスである。カウンタ電極は、酸化
によって生成された電子を吸収し、当該電子の化学的性質を電気的性質に効果的
に変換する。時間あたりの電子の流れが電流であり、これは、酸化する分子の数
に比例する。この酸化によって生成される電流が得られる。電圧は、測定対象の
検体(例えば、神経伝達物質、ホルモンまたは細胞の代謝産物)を識別する際に
有用な情報を提供する(Dryhurstら、1982年;Baizerら、1
973)。
【0039】 周期的なボルタメトリーの条件下で動作するソリッドスレーショナリーミクロ
電極において、マイクロアンペアで示したピーク電流が、可逆性の電極反応を用
いてRandles−Sevcik式(Randlesら、1948)について
与えられる ip=2.687×1053/2ADX1/2CV1/2 ここで、n=移動する電子の数 A=電極エリア(単位:cm2) D=電気活性種の拡散係数(単位:cm2/秒) C=電気活性種のバルク濃度(単位:ミリモル/リットル) v=印加された周期的な電圧スイープの走査速度(単位:ボルト/秒) サイクリックボルタメトリーを行うと、他の電流滴定技術(例えば、一定の電
圧ボルタメトリー)と比較して複数の利点が得られる。各サイクルの間、作動電
極上の電位が逆転し、前回のサイクルの間に吸収された分子を電極から電気洗浄
する。この技術は、酸化および還元のどちらの点においても定量的である(すな
わち、生体アミンまたは酸素をそれぞれ測定する)(Bardら、1980年)
。サイクリックボルタメトリーを行うと、当該検体の還元電位および当該検体の
酸化電位を測定することにより、検体の同一性をさらに確認することが可能にな
る(Oldhamら、1989年年;Heinemanら、1989年年)。電
極電位が負の電位に向かって走査される際、検体Oxの還元によってカソードの
ピークが得られ、これにより、還元した代謝産物Redが形成される。これを式
で表すと以下が得られる:
【0040】
【数1】 ここで、neは、反応中に移動する電子数である(Hushら、1971年年)
。次いで、電圧スイープは、方向を逆転し、正の電位に向かって走査する。走査
速度が十分に速い場合、カソードスイープによって生成されたRedの一部は、
電極の近隣に長く存在することができ、Oxに再酸化して、アノードピークを生
成する(Adams、1969年年)。完全に可逆性の反応の場合、アノードピ
ークの電位およびカソードピークの電位を、電位インクレメントによって分離さ
せる: Eanodic−Ecathodic=0.059/neボルト ここで、neは、酸化および還元に含まれる電子数である(Oldhamら、1
989年)。電極反応が完全には可逆性でない(すなわち、安定した中間反応生
成物が生成される)場合、ピーク電位は、特徴的な値であるが予測される値より
も高い値によって分離される(Oldhamら、1989年;Hushら、19
71年)。これは、アスコルビン酸塩の場合に当てはまる:すなわち、アスコル
ビン酸塩を酸化すると、相当安定した生成物であるデヒドロアスコルビン酸塩が
生成される(Adams、1969年;Oldhamら、1989年;Rose
、1989年)。完全に不可逆性の反応の場合、これらのピークの1つが完全に
消失する。アノード/カソードピーク電圧差は、可逆性の範囲から独立して、い
ずれの特定の電圧走査速度においても一定であり、酸化電圧に加えて、検体の同
一性を判定する際に用いることが可能である(Roseら、1989年;Wan
gら、1997年)。
【0041】 電流滴定技術は、電圧走査速度に対する感度が非常に高い。用いられる走査速
度が低速(<200mV/秒)である場合、電極の直近にある検体全てが酸化さ
れる。その場合、未酸化の検体が電極面に拡散するため、センサ測定が限定され
る。その結果、拡散を制限する電流が生じ、酸化ピークは検体が酸化電位周囲に
集中した状態で規定される。走査速度が速い(>500mV/秒)場合、拡散が
生じるまでにかかる時間が十分に得られない。用いられる走査速度が中程度の速
度から高速の速度である場合、酸化された分子は、電極近隣に残留し、そのもと
もとの形態(native form)に還元させることが可能である。この点
は、前述したような検体の識別の際に有用である。
【0042】 サイクルックボルタメトリーを行うと、単一の走査において複数の分子の濃度
を連続的に測定する能力が得られる(ただし、これらの分子の酸化電位が異なる
場合)。例えば、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン、およびアスコル
ビン酸塩全ての濃度を、これらの化合物の混合物から連続的にモニタリングする
ことが可能である。;酸化によって導出された電流フローの値は、各検体の特徴
的な電位において獲得される。サイクリックボルタメトリーを用いて検体の同一
性が確認されると、一定の電圧ボルタメトリーを用いることにより、高速測定(
>20kHz)を達成することが可能となる。
【0043】 一定の電圧ボルタメトリーとは、その名の通り、単一の動作電位を用いて酸化
を発生させることである。この技術が研究者らによって最もよく用いられている
技術である理由は、この技術は(回路の制御および特にデータ取得段階の点にお
いて)最も実施が簡単な技術であるからである。一定の電圧ボルタメトリーによ
って得られる1つの主な利点は、センサのサンプリングを極めて高速で行うこと
が可能であるため、神経伝達物質の分泌、劣化および再取込みのダイナミクスの
解明が可能となる点である。この技術には残念なことに欠点もあり、その欠点と
は、電極に印加される電位よりも酸化電位が低い電極の近隣にある全分子が酸化
し、測定値に影響を与えるため、特異性に欠ける点である。
【0044】 この制約を解消するため、電極上に膜を配置することにより、分子を電極に選
択的にアクセスさせることを可能にする。複数の異なるクラスの膜を利用可能に
する。複数のイオン交換材料(例えば、Nafion、ポリ(ビニルピリジン)
、およびポリ(エステルスルホン酸)を、イオン排除膜として機能させる(Wa
ngら、1997年;Suら、1990年;Runnelsら、1999年;B
razellら、1987年;Wiedemanら、1990年;Wangら、
1990年)。その結果、電荷の無い分子のみが、電極にアクセスすることがで
きるようになる。Nafionは、神経組織内のいたるところに存在するアスコ
ルビン酸塩イオンによって生成されるバックグラウンドシグナルを大きく低減さ
せる際に用いられることが多い。さらに、セルロースアセテートの様々な混合物
を調製して、サイズ排除膜として機能させ、これにより、特異的な分子量の種の
みが電極にアクセスできるようにした。これは、ドーパミン作用性のニューロン
をモニタリングする際に重要である。ドーパミンは急速に劣化して、ドーパック
(dopac)、ホモバニリン酸および他の分解生成物となる(Cahillら
、1996年)。神経伝達物質として活性なのはドーパミンのみであるが、これ
らの分解生成物は全て、親分子に極めて近い電位において酸化する。様々なサイ
ズ減少排除膜をアレイ中のセンサ上において用いると、親分子(すなわち、ドー
パミン)の濃度と、その分解生成物の濃度とをそれぞれ一義的に判定することが
可能である。
【0045】 生物学的システムでは多くの電気活性分子が見受けられるが、これらの電気活
性分子のうち、低い電位(すなわち、Ag/AgCI基準電極に対して900m
Vvs未満)で酸化するものは非常に少ない(Dryhurstら、1982年
)。幸運なことに、ほとんどのニューロン生成物および内分泌生成物は、極めて
低い電圧で酸化する分子であり、そのため、この技術を用いた介入を行わなくて
も測定することが可能である(Adamsら、1982年;Dryhurstら
、1982年、Dryhurstら、1982年)。特定のニューロンによって
生成される神経伝達物質は電気活性ではないが、小胞に保持され、グラニン(g
ranins)およびクロモグラニン(chromogranins)と共にパ
ッケージングされる。これらのグラニンは、保護性の抗酸化分子であり、自身が
犠牲になって神経伝達物質の劣化を防ぐ分子である(Winklerら、199
2年;Bassettiら、1990年;Huttnerら、1991年;Ko
neckiら、1987年)。ニューロンの生成物が酸化可能では無い場合(例
えば、視床下部中の巨大細胞のニューロンの場合)、同時分泌された(co−s
ecreted)分子を測定することができる。幸運なことに、これらの保護性
の因子は、神経伝達物質と共に付随的におよび化学量論通りに分泌される(Sc
ammellら、1993年;Hinkleら、1992年)。
【0046】 センサを作製する際に、同じシリコン基板内に直接的に電流計およびポテンシ
オスタット回路部を組み込むことは、本発明の第一焦点である。これは、高イン
ピーダンス信号が移動する必要な距離をミリメートル未満の寸法に最小化し、無
線周波(rf)妨害からの影響を実質的に減らす。これは、また、マルチサイト
センサアレイを、直接アナログおよび/またはデジタル出力を有する、高価でな
く、廃棄可能で、スタンドアロンの解析研究室にするための追加された利点を提
供する。
【0047】 本発明のアレイは、49の電位差測定および電流測定の電極のアレイを有し、
インビボまたはエキソビボで使用され得るインビボセンサデバイスの機能性を設
計し、構成し、検証した。本発明のアレイは、電位差測定サイトでニューロン活
動電位を選択的に検出し、電流測定サイトで神経伝達物質の分泌を特定し、定量
化する(図1)。これは、電流測定/電位差測定マルチサイトセンサアレイの構
成およびテストならびに複数の神経伝達物質分類を一意にモニタする機能の実証
を含んだ。センサアレイの性能は、シリコンセンサ表面上にニューロン細胞系、
hNT(Stratagene、 LA Jolla、 CA)を成長させるこ
とによって評価された。hNT細胞は、一次ニューロン培養に形態学的に、かつ
、プロセス増殖の密度において似ており、一次ニューロンと同様に、軸索および
樹状突起に分化する手の込んだプロセスに続く(Lee et al.、199
2)。これらの細胞は、自発的な活動電位を生成し、アセチルコリンおよびドー
パミンを分泌する。hNT細胞は、電気活動電位と神経伝達物質の放出との間の
ダイナミクスをモニタし、相関づける機能をテストすることが理想的である。自
発的に活性であることが知られており、外部刺激を必要としないので、この細胞
系を選択した。ニューロン活性を刺激することなくデータを記録するための機能
は重要である。なぜなら、外部の影響なく、乱されていないニューロンの挙動の
研究を可能にするからである。
【0048】 まとめると、プロットタイプのマルチサイトセンサアレイシステムは、電位差
測定的に、最も重要的には電流測定的に、培養されたニューロンの活性度をモニ
タ可能であることを実証した。この電位差測定記録は、発射頻度および脱感作の
ダイナミクスに関する情報を提供し、電流測定センサは、神経伝達物質の放出、
劣化および再取り込みのダイナミクスをモニタする。
【0049】 より詳細には、電流測定および電位差測定センサアレイは、互いに組み合わさ
れた電流測定および電位差測定センサパッドからなる。それは、金属材料(例え
ば、白金、イリジウム、金、銀、銀/塩化銀など)から構成される。
【0050】 代表的な例は、4×4インターデジット電流測定および電位差測定センサアレ
イである(図1)。電位差測定センサは、アレイのサイズに依存して、電流測定
センサから2μmから20μm離れて位置付けられる。別の実施形態において、
補助(対向)電極を用いて、集積回路部を介して活動電位を変換し得る。この態
様において、電流測定(化学的)データおよび電位差測定(活動電位)データの
両方が、単一のニューロンの位置から変換され得る。
【0051】 単一の位置においてニューロン活性度の電気生理学および電気化学解析の目標
に向かって、オンチップ回路部が設計されており、これにより、電流測定センサ
内の対向電極のユーティリティが、電位差測定電極としても機能し得る(図29
)。ソリッドステートスイッチを使用して、解析のそれぞれのタイプ(電流測定
および電位差測定)に適切に、回路部を対向電極に接続し、作用電極を接地して
、電流測定回路部を実効的にオフに切り換える。
【0052】 オンチップ回路部は微分器および積分器を含み、電流測定検知システムおよび
電位差測定検知システムの両方に接続されている。この態様において、デジタル
スイッチは、幾つかの基準に基づいて制御され得る。例えば、電位差測定センサ
を介して活動電位をモニタする場合、(微分器によって示される)発射頻度およ
び(積分器によって示される)偶発性の発射の間の発射を用いて、外部デバイス
(例えば、(随意作用および不随意作用のための)筋肉刺激器、車椅子制御、コ
ンピュータのマウスの動きなど)を制御し得る。同様の制御は、電流測定センサ
に対して構築され、その場合、積分器は、所定の時間期間の間に分泌される神経
伝達物質(またはホルモン)の全量を検出する。上述のように、閾値を越える値
を使用して外部デバイスを制御する。
【0053】 オンチップデジタル―アナログコンバータ回路部により、外部コンピュータは
、パラメータ(すなわち、閾値のレベル、出血時間積分器、積分器および微分器
のサンプリング時間ウィンドウ)を微分器および積分器に設定することが可能で
ある。
【0054】 電位差測定センサアナログマルチプレクサブロックは、アレイ内にそれぞれの
電位差センサからデータを獲得することが可能で、超低ノイズ電位差測定電極機
器増幅器ブロック(図2、図3、図4)にそのデータを提示することができるメ
ガヘルツサンプル保持回路部を含む回路部を有する。
【0055】 アナログマルチプレクサへのデジタル「選択」を使用して、何百ものアナログ
チャネルのうちから、出力に供給すべき1つのチャネルを独立的に選択する。
【0056】 入力は、アレイ内の電位差測定センサのそれぞれから、直接的にか、または、
信号バッファを介して、マルチプレクサへ到達する。サイズを減らし、それによ
り、回路部のコストを削減するために、マルチプレクサの後の信号を緩衝するこ
とは利点を有し得る。しかし、そのセンサの高インピーダンス特性に起因して、
マルチプレクサの前のセンサ信号を緩衝することがしばしば必要となる。信号は
、単一のCMOSトランジスタまたは演算増幅器(OP AMP)すなわち(O
A)バッファ(図30および図31)で緩衝され得る。マルチプレクサのインピ
ーダンスは、入力信号に依存する。一般的に、オン状態で極めて低いインピーダ
ンスを有するマルチプレクサは、電位差測定信号に必要である。信号がマルチプ
レクサの前に緩衝される場合、マルチプレクサインピーダンス要件は厳しくない
。低インピーダンスマルチプレクサの使用は、特定の回路部性能のトレードオフ
を必要とする。インピーダンスが下がるにつれて、リーク電流は増加する。これ
らのセンサの性質に起因して、リーク電流が低く保持されることが必要である。
【0057】 超低ノイズ電位差測定電極機器増幅器ブロック(図4)は、電位差測定センサ
から得られる電位差信号を増幅する低ノイズ機器増幅器からなり、それらを基準
電極(例えば、銀/塩化銀電極)と比較する。(図4において、)A.最も単純
な機器増幅器。B.高入力インピーダンスおよび可変ゲインの機器増幅器。ゲイ
ンは、標準モード除去比(CMRR)に影響しない。C.緩衝差分入力機器増幅
器である。
【0058】 電流測定センサアナログマルチプレクサブロック(図3)は、アレイ内の電流
測定センサの各々からデータを得て、超低ノイズ電流測定電流―電圧変換ブロッ
クにデータを提示することができる、メガヘルツサンプル保持回路部を含む回路
部を有する。
【0059】 入力は、アレイ内の電流測定センサのそれぞれから、直接的にか、もしくは、
電流電圧コンバータまたは信号バッファを介して、マルチプレクサへ到達する。
サイズを減らし、それにより、回路部のコストを削減するために、マルチプレク
サの後の信号を緩衝することは利点を有し得る。しかし、そのセンサの高インピ
ーダンス特性および変換される極めて低い電流に起因して、マルチプレクサの前
にセンサ信号を緩衝および/または増幅することがしばしば必要となる。信号は
、単一トランジスタ(バイポーラトランジスタ)、op ampバッファまたは
電流―電圧コンバータで緩衝され得る。マルチプレクサのインピーダンスは、入
力信号に依存する。一般的に、オン状態で極めて低いインピーダンスを有するマ
ルチプレクサは、電流測定信号に必要である。信号がマルチプレクサの前で緩衝
される場合、マルチプレクサインピーダンス要件は厳しくない。低インピーダン
スマルチプレクサの使用は、特定の回路部性能のトレードオフを必要とする。イ
ンピーダンスが下がるにつれて、リーク電流は増加する。これらのセンサの性質
に起因して、リーク電流が低く保持されることが必要である。
【0060】 超低ノイズ電流測定電流―電圧変換ブロック(図5)は、電流測定センサから
変換された、酸化的に誘導された電流を低インピーダンス電圧に変換し、次いで
、それは増幅され得る低ノイズ機器増幅器からなる。
【0061】 また、代表的な電流測定電流―電圧コンバータには、電圧増幅器が設けられる
(図5)。CFは、酸化的に誘導された電流を低インピーダンス電圧に変換する
。R1を使用して第1のステージゲインを設定し、オプションのC1を使用して
、ローパス電子フィルタリングを提供する。次いで、OAは、低インピーダンス
電圧を増幅する。R3およびR4は第2のステージ増幅を決定する。オプション
のC2を使用して、活性なローパス電子フィルタリングを提供する。R1、C1
、R3、R4およびC2のバルブは、すべて、オンチップ回路部を使用してデジ
タル的に選択可能である。OAの出力は、デジタル出力のためのアナログ―デジ
タルコンバータに供給され得るか、または、低インピーダンスアナログ出力のた
めのリードに直接的に供給され得る。
【0062】 アナログ―デジタル変換ユニット(図6)は、電位差測定および電流測定増幅
器から得られるアナログ信号を変換し、コンピュータインターフェースのための
RS−232データ規格と互換性を有するデジタルデータのシリアルストリーム
を提供する。あるいは、オンチップ回路部は、商業的a/dコンバータ(例えば
、Texas Insturmentsからのもの)に供給される低インピーダ
ンスアナログ信号を、MCM、フリップチップ構成またはアナログ信号は低イン
ピーダンスを有するので、遠隔的に配置された集積チップを介して出力し得る。
【0063】 初期的に、アナログマルチプレクサからの信号は、バッファ/電流―電圧コン
バータに入力される。これらは、マルチプレクサからのアナログデータを得て、
サンプル保持回路部またはアナログ―デジタル(A/D)変換器にその信号を提
供する。これらの各々は、低インピーダンスを有する。サンプル保持回路部は、
2つの方法で信号を改良し得る。第1に、あるチャネルから別のチャネルに変化
する場合に、マルチプレクサによって生じるスイッチノイズを削減し得る。第2
に、多くのチャネルは同時にサンプリングされ得、後に、A/Dコンバータは、
アナログ信号をコンピュータによって使用可能なデジタルフォーマットに変換し
得る。サンプリングレートが極めて早い必要がある場合、ビットの数をしばしば
減らすにもかかわらず(すなわち、12ビット)、高速A/Dコンバータが使用
され得る。例示的な高速が必要ない場合、より高い精度(すなわち、16ビット
)が得られ得る。
【0064】 デジタル−アナログ変換器は、コンピュータから、RS−232標準データを
獲得して、 i)電位差滴定電極からのゲイン、オフセット、サンプリング周波数、サンプ
リングオーダーなど、ならびに ii)電流滴定センサ関数生成器ブロック用のボルタンメトリー制御信号タイ
プ(すなわち、ランプ、サイクリック、クロノ、パルスボルタンメトリーなど)
、および電流滴定電極からの制御ゲイン、オフセット、サンプリング周波数、サ
ンプリングオーダーなど を制御する。
【0065】 図7に示す電流滴定センサ関数生成器ブロックは、デジタル−アナログ変換器
ユニットからのデータを獲得し、特定のボルタンメトリー刺激信号を、電流滴定
コントローラ関数ブロック(電流滴定器)に提供する。
【0066】 選択された代表的な電流滴定センサ関数生成器回路も、本発明によって提供さ
れる(図7)。提示される回路は、選択された周波数で、変動し得る振幅(対称
または非対称)を有するサイクリックボルタンメトリー用の三角波をシュミット
トリガを介して提供する能力がある。電位ソースを用いて、任意の他の技術(例
えば、サイクリックボルタンメトリー)と組み合わせられて、オフセット電圧を
提供するために用いられ得、クロノボルタンメトリーおよびパルスボルタンメト
リー用の信号も提供し得る。ランプ積分器は、ランプ電圧を、各種の電圧および
周波数、すなわち、鋸波信号と共に、作用電極に提供し得る。全てのパラメータ
は、制御コンピュータへのオンチップデジタルインターフェースを通じて調節可
能である。提示されたアナログ回路に加えて、電流滴定センサ関数生成は、標準
的なアナログ回路部、または、コンピュータによって生成されたデジタル−アナ
ログ変換を介するかのいずれかで、オフチップで発生し得る。
【0067】 電流滴定コントローラ関数ブロック(図8)は、変動する溶液のオスモル濃度
を調節するフィードバック制御を行って、電流滴定センサアレイ内の電流適定セ
ンサに印加される電圧を正確に制御する電圧制御源を提供する。 代表的な電流滴定コントローラ回路(図8)において、F1は、電流滴定制御信
号プロフィル用の電流滴定インピーダンス整合フォロワ(例えば、サイクリック
ボルタンメトリー、クロノポテンシオメトリー、パルスボルタンメトリーなど)
として機能を果たす。制御アンプ(CA)は、刺激電圧を作用電極に送信する。
F2は、フォロワとして機能を果たし、基準電極から電位を受け取り、R1を介
してCAにフィードバックを提供して、電極間の溶液のオスモル濃度の変化に起
因する電圧降下を補償する。S1は、作用電極に印加された実際の電圧を判定す
るサンプリング点である。この信号は、デジタル出力用のアナログ−デジタル変
換器に供給され得るか、または、直接、アナログ出力用のリードに供給され得る
【0068】 薄膜加熱器(図9)は、インキュベーション温度(37℃)を提供して、哺乳
動物細胞を維持するか、またはより高い温度を提供して、非細胞的研究において
反応速度を増大させるために用いられる。キャパシタは、チップが電源から切断
されている場合に薄膜に電力を提供して、インキュベータから実験部に至る間に
輸送するために用いられる。
【0069】 熱センサは、センサパッド(および細胞)の下に直接位置し、薄膜加熱器の閉
ループフィードバック制御を提供する。熱センサは、熱電対、サーミスタ、また
は簡略型温度依存性トランジスタであり得る。
【0070】 CMOS製造ハードウェアと直接インターフェースを付けられたCADソフト
ウェアを利用して、電位差滴定センサおよび電流滴定センサに複数の設計が準備
された。これらの設計には、矩形、円形、および同心円状などの形が含まれる。
設計は、CADパッケージを用いてコンピュータ上でシミュレートされ、個々の
電極構造およびリードの予測される抵抗および容量を提供した。各電極の形態は
、電極構造および相互接続を最適にするように、製造前に、解析され、再設計さ
れた。
【0071】 上述したように、矩形、円形、および同心円状の形の電極が組み込まれたプロ
トタイプチップが製造された(図4および5)。
【0072】 センサアレイの5つの形態は、それぞれ、49個の電極が組み込まれ、2、4
、8、32、および100μmのサイズの電極を用いて構成された。3つの電極
は、それぞれ、電流滴定センサ(基準、作用、および対向)を含む。センサアレ
イの2つの実施形態を図1に示す。
【0073】 得られた16個のセンササイトは、4×4のアレイに構成される。対向電極お
よび作用電極の表面は、白金である場合、溶液を分極するように接触するが、表
面は、他の金属、例えば、イリジウム、金などであってもよい。各センササイト
に含まれる基準電極およびグローバル基準電極は、銀(Ag)でコーティングさ
れ、電解で塩素化されて、リバーシブルAg/AgCl電極が提供された。電極
は、AlまたはCu相互接続を用いて、アクティブ回路に接続される。
【0074】 本発明の発明者は、Ag基準電極をバッチごとに塩素化する代替的な製造プロ
セスを開発し、実行した。製造プロセスは、反応性イオンエッチ(RIE)プラ
ズマを塩素のソースとして用いることを含む。この技術は、各センサアレイ内の
全ての基準電極を、シリコンウェハを個々のチップに分割する前に、ウェハレベ
ルで一度に塩素化することを可能にする。この方法は、塩素化の間、電解電流を
提供する必要性をなくし、塩化銀製造プロセスの正確性および精度を高める。
【0075】 文献に記載された、Ag/AgCl電極を製造するために用いられた従来の技
術は、概して、塩素塩または希釈塩酸を通じて小さい電解電流を流すことを採用
する。電流は、元素状態のAgでコーティングされた電極に加えられる。AgC
lは、酸化還元反応によって、Cl-イオンを含む溶液で、電極表面上の層に作
製される。
【0076】 電解技術には、いくつかの制限がある。制御された様態で、一度に1より多い
電極に対して行うことは困難である。これは、Ag/AgCl電極のアレイが作
製される場合には、時間がかかりすぎることにつながり得る。より重要なことに
、電極毎に首尾一貫した結果を得ることが極度に困難であり、各感知サイトは、
使用中、正確な基準電圧を提供するためには個々に較正されることが必要になる
。このばらつきは、電流フロー、従って、塩素化速度が、導電線、表面領域の抵
抗、および電位に依存しているため、存在する。これらのパラメータの全ては、
電極毎に、わずかに異なり、特に、いくつかのサイトが同時に塩素化される場合
、異なる。さらに、Ag/AgCl電極に取り付けられるオンチップ読み出し電
子部品を用いるデバイスについて、これらの電子部品は、回路のダメージを防ぐ
ように電解処理を考慮に入れるか、または、処理自体に関係するように設計され
る(この場合、後で切断される特別な接続が必要である)必要がある。
【0077】 電極の塩素化のさらなる技術は、化学塩素化を用いることである。塩素化は、
FeCl3溶液において達成され得る。この技術が用いられて、多くのサイトが
同時に塩素化されるが、この技術は、選択的ではなく、劣ったAg/AgCl層
を生成し、非常に高速な塩素化速度を有するので、平面電極に関連付けられた極
度に薄いAg層を制御することが困難になる。さらに、少量の鉄が、センサ上に
汚染物質として残り得、センサの変換に影響し、細胞毒として機能する。
【0078】 図1の模式図に、電極の向きをサイト毎に変更している点を示す。このことに
より、隣接するサイトからの電極の組み合わせが、電気化学応答曲線に対する電
極サイズの効果の検出、確認、解析をよりフレキシブルにする単一のより大きい
電極として機能することが可能になる。
【0079】 CMOS製造に続いて、センサアレイが、以下の金属から選択された2つの金
属層によって、3回のマスキングプロセスで製造される。このような金属として
、Ag、Au、Ir、Ptなどがある。これらの金属は、湿式化学を用いてエッ
チングされることが困難であるので、レジストリフトオフプロセスが用いられて
パターニングされる。これは、金属構造において層状にされた材料を用いて、電
極の性質を変更し、依然、パターニングが1工程で行われることを可能にすると
いう点においてさらなる利点を提供する(図10の断面図参照)。
【0080】 以前の実験は、銀が下にある金属層から層状に剥離する傾向を明らかにした。
これを防ぐため、チタン(Ti)の薄層が、付着を強めるために堆積される。溶
液に対して露出される、反応性の高い金属を用いることは、最終的なデバイスの
寿命、ゼロオフセット、および腐食耐性に影響を及ぼす心配があったが、窒化ケ
イ素カプセル化が、Tiの溶液に対する露出を防いだので、開発されたプロトタ
イプセンサは、これらの制限を大幅には受けなかった。最後の2つのセンサマス
クは、逆にされ、Tiエッジを封止し、これらの影響が及ぼされる可能性を避け
る。
【0081】 用いられていた金属をリフトオフする技術は、過剰な材料をより簡単に解放す
る、ショートアンダーカットエッチングによって向上した。リフトオフフォトレ
ジストを堆積し、パターニングした後、下にある誘電体上でショートエッチング
が行われた。このエッチングは、白金金属化の場合、二酸化ケイ素の湿式HF酸
エッチングであり、Agサイトについては、窒化ケイ素の反応性イオンエッチン
グ(RIE)であった。このエッチングは、2つの機能を果たす。第1に、レジ
ストは、湿式エッチングにおいて、アンダーカットされる傾向があるので、レジ
ストエッチの下に小さい間隙が形成される。金属堆積の後、間隙は、レジストの
側壁をコーティングしている金属がデバイス上に残って、スパイクおよび壁を形
成することを防ぐため、自然発生の断線を、リフトオフするプロセスの間に形成
する。これらのスパイクは、後の誘電体堆積において完全に覆われることが非常
に困難であり、溶液に対する短絡の原因となり得る。第2に、エッチングの時間
が適切に計られる場合、金属層が誘電体に沈められることによって、センサトポ
グラフィが平面化される(Einspruch,N.G.、1987)。
【0082】 Ag層は、PECVD窒化ケイ素カプセル化層の上にある。窒化ケイ素の湿式
エッチングの制御が困難であり、回路プロセスにおいて用いられる金属化物と反
応するので、RIEマシンが用いられる。RIEの垂直方向性の性質に起因して
、湿式エッチングにおいては、上記のアンダーカットおよび間隙が提供されない
。しかし、誘電体において形成された険しい側壁が、リフトオフ効果を高め、く
ぼんだ金属層が加わることによって、エッチングが行われない場合と比較して、
デバイスがより平坦になる。
【0083】 センサチップは、セラミック100ピン、すなわち、金メッキピンおよび相互
接続を有するピングリッドアレイ(PGA)パッケージ(San Jose,C
AのSpectrum Semiconductor Materials,I
nc.)にパッケージングされる(図11)。セラミックパッケージ本体は、組
織培養に用いられる場合、いくつかの利点を提供する。第1に、セラミック材料
は、熱耐性があり、滅菌に必要なオートクレーブ温度を許容する。第2に、セラ
ミック材料の熱の性質は、インビトロの研究で用いられる場合、温度の安定性を
提供する。チップをインキュベータから水平層状フローフード(実験部)まで移
動する短い期間の間、セラミック材料が、温度緩衝材として機能を果たし、細胞
での温度の変動を最小限にする。
【0084】 完全なワイヤボンドは、非常に脆く、露出される場合、成長媒体への電気接続
を形成し得る。従って、エポキシ樹脂材料、すなわち、エポキシパッチ1C(D
exter Corporation)が用いられて、結合を封止した。結合さ
れたセラミックパッケージは、約130℃まで加熱される。エポキシパッチは、
熱によって、材料が液化して、結合の周りを容易に流れて、結合を封止するよう
にホットパッケージに注意深く塗布される。130Cで30分間硬化した後、優
れた電気絶縁性を有し、水分への露出に対して、完全に耐性のある、堅く、持続
性のあるコーティングが得られる。
【0085】 生理学的に重要な分子の多く、例えば、ホルモンおよび神経伝達物質には、ド
ーパミンおよびセロトニンが含まれるが、これらは、電気的に活性である。電気
化学酸化を経るにつれ、電位を印加することによって、電子がこれらの種から取
り除かれ、観察された電流は、種の濃度に直接関係する。しかし、検出され得る
種の数は、ある程度制限されている。例えば、アセチルコリンのような非電気的
活性の種は、ボルタンメトリーを用いて検出可能ではない。しかし、このような
種の電気的活性代謝物は、時々、検出され得る。電流滴定によって検出されるた
めには、種は、狭い範囲の酸化電圧を有する必要がある。銀/塩化銀基準を有す
る白金電極について、この範囲は、低い方の端が、溶液中に溶解した酸素が低減
し始める、約−0.8Vであり、高い方の端が、水が酸化し始める、約1.2V
である。これらの信号は、信号がない場合に観察され得る任意の他の応答に優先
する。
【0086】 電流滴定の一形態である、サイクリックボルタンメトリーは、ランプされた電
位が、誘発された酸化電流を記録する間、試験溶液に印加される技術である。電
位は、3つの電極、作用電極、対向電極、および基準電極のシステムを用いて溶
液に印加される。ポテンシオスタットを用いて、作用電極と対向電極との間の電
位が、電圧を作用電極に印加することによって、精密に制御される。回路は、非
常に少ない電流を基準電極から引き出すように設計される。基準電極を、作用電
極の近接に位置付けることによって、溶液にわたる電圧降下が考慮に入れられ得
る。これは、試験溶液における導電性またはオスモル濃度の変化に起因して、人
為的要素を取り除き、正確度が高められる(Bard,A.J.ら、1980)
電位が増加するにつれて、対向電極から引き出される電流が記録される。各電
気活性種の溶液中の酸化電位が到達される場合、対応する電流の増加は、種の酸
化によって引き起こされ、観察される。この酸化電流が観察される酸化電位は、
基準電極と作用電極との間で測定される。サイトが同時に刺激される場合、サイ
トは、共通の基準電極および対向電極を共有し得る。
【0087】 サイクリックボルタンメトリーは、電位を逆にすることによって、電圧掃引を
延長し、新たに酸化された種に、還元を受けさせる。還元サイクルは、種の識別
のためにさらなる情報を提供し、また、酸化スキャン中に生成された化学物質の
毒性の一部を取り除く(Stamford,J.A.、1992;Stamfo
rd,J.A.1990)。
【0088】 定電圧ボルタンメトリーは、その名称が示すように、酸化を有効にする単一の
動作電位を採用する。この技術は、回路の制御およびデータ獲得段階の両方、特
に、データ獲得段階に関して、実行が最も簡単であるので、研究者によって最も
一般的に用いられる。定電圧ボルタンメトリーの主な利点の1つは、センサが、
神経伝達物質の分泌、分解、再吸収の動力学の説明を可能にする、非常に高速で
サンプリングされ得ることである。不運なことに、この技術の欠点は、全ての分
子が、酸化し、測定に寄与する電極に印加された電位より酸化電位が低い電極の
近傍に位置するので、特異性を欠くことである。
【0089】 高速掃引速度は、ほぼリアルタイムの解析を提供し得る。ベースライン曲線は
、試験が電極を充電する電流を記録し始める前に得られ、最終的な結果から除か
れることができるようになる必要がある。別個の近傍の電極が用いられて、電気
信号が記録されるか、または、接地された対向電極システムが両方の信号を同じ
電極から記録する能力を提供し得る(Stamford,J.A.、1991;
Stamford,J.A.ら、1993)。
【0090】 単一電流滴定センサからのデータを、図12に示すが、このデータは、神経電
圧物質の分泌における動作電位の阻害硬化および刺激効果の証拠を提供する。分
泌発生の立ち下がり縁は、約0.715秒で、他の実験(図13)において観察
された立ち下がり縁よりもずっと急峻である。神経伝達物質の分泌の立ち下がり
縁の直前、および、その間の電位差滴定活性は、恐らく、軸索−軸索の入力、ま
たは何らかの他のこのようなメカニズムに起因して、阻害効果を生じるように見
える。分泌の立ち下がり縁の間の電位差滴定活性が、神経伝達物質の分泌を刺激
する電位差滴定活性の大きさのほぼ半分であるということは、少なくとも2つの
異なるニューロンがモニタされている可能性が最も高いことを示す。より小さい
大きさの電位差滴定測定値は、阻害に応答可能なニューロン(または、ニューロ
ンの集団)が、刺激効果に応答可能なニューロン(または、ニューロンの集団)
よりも記録する電極からずっと遠いことも示し得る。この現象が、電位差滴定の
みについてモニタされる場合、神経伝達物質分泌を阻害する動作電位は、刺激と
して誤って解釈されたということがあり得る。これらのデータは、センサアレイ
によって示されるように、電位差滴定データと電流滴定データとの相関を介して
、正確に解釈され得る。
【0091】 上記の記載は、センサアレイの使用について、事実に基づく基礎を提供する。
本発明と共に用いられる方法、および本発明の用途は、以下の非限定的な実施例
および添付の図面によって示され得る。
【0092】 (実施例) 一般的方法: 概して、基板10は、電子的にアドレス可能な微小電極(図14)からなるマ
トリクスまたはアレイを支持する。個々の電極12上に浸透層を配置することが
できる。浸透層によってその層を通って比較的帯電量の少ないエンティティが移
動することを可能にするが、細胞の汚染物質またはDNA等の帯電量が大きなエ
ンティティの移動度を小さくするか、または、制限して、好ましくは、帯電量の
大きなエンティティをテスト中に直接電極12と容易に接触することがないよう
に保持する。浸透層14は、電気化学的な劣化を小さくする。この電気化学的な
劣化は、電極12と直接接触するタンパク質および/またはDNAによって、お
そらく部分的には電気分解反応による極端なpHによって起こり得る。浸透層は
、さらに、タンパク質およびDNAが電極に強く非特異的に吸着することを最小
にするように機能する。吸着領域16が浸透層14上に配置され、ターゲット物
質ごとに特定の結合サイトを提供する。吸着領域16は、例えば、浸透材料内に
直接吸着材料を含めることによって浸透層内に効率的に組み込まれ得るか、また
は、浸透層と一体にされ得る。
【0093】 動作時に、リザーバ18は、吸着領域16上に空間を備えており、その空間に
は、検出、分析、または、使用に望まれる物質および望まれない物質を含む。ホ
モジェナイズされた細胞および帯電したDNA等の帯電したエンティティ20は
、リザーバ18内に配置される。本発明の1つの局面において、アクティブプロ
グラマブルマトリクスシステムは、帯電した物質20を特定の微小位置12のい
ずれかの位置に移動する方法を含む。微小位置12がアクティブになると、アク
ティブになった微小位置12によって、任意の帯電した機能性のある特定の結合
エンティティ20が電極12へと電界電気泳動移動する。例えば、一方の電極1
2が正にされ、他方の電極12を負にした場合には、これらの電極間に電気泳動
力線が走り得る。電気泳動力線によって、正味の負の電荷を有する帯電したエン
ティティ20が正の電極12へと移動する。正味の正の電荷を有する帯電した物
質20は、電気泳動力の作用によって負に帯電した電極12へと移動する。電気
泳動力の作用によって移動した結果、官能基化された正味の負に帯電した結合エ
ンティティが吸着層16と接触すると、官能基化された特定の結合エンティティ
20は、吸着層16に共有結合で結合する。任意で、電極をアレイの外側に配置
してもよい。電極は、任意で、リターン電極(return electrod
e)、カウンター電極、使い捨て(ダンプ)電極等として機能し得る。任意で、
流動性の不純物の場合には、デバイスに隣接してフローセルを設けてもよい。
【0094】 本発明の1実施形態は、フォーカス電極、および、任意で輸送電極を用いる。
デバイス20は基板10を含む。この基板10は、その上に形成されるコンポー
ネントを支持するために十分な堅さであり、実質的に非導電性材料であり得る。
基板10は、屈曲型回路(例えば、DuPont Kapton等のポリイミド
、ポリエステル、ABS、または、他の材料)、プリント基板、または好ましく
は絶縁性保護膜を有する半導体材料であり得る。コネクタはトレースに接続して
おり、このトレースがシステムの他の電気コンポーネントに接続している。これ
らのコンポーネントは、例えば銅または金等の導体、または当業者に公知の他の
任意の導体から形成される任意のものであり得る。トレースまたは他の電気コン
ポーネントに接続されていない種々のコネクタを示す。当業者であれば、エッジ
コネクタシステムと結合するように適合されたシステム内等のすべてのコネクタ
34が用いられるわけではないことを理解する。さらに、トレースは、必要に応
じて、特にそのトレース上を流れる電流要件に応じて、異なった幅にされ得る。
従って、アレイ内の微小電極に接続されたトレースと比較して、フォーカス電極
に接続されたトレースには、幅が広いものがあり得る。
【0095】 第1の収集電極およびカウンター電極が基板上に配置される。これらのコンポ
ーネントは、概して、フローセルのフットプリント内に一致し、そのフローセル
のフットプリントの比較的大部分、好ましくは少なくとも実質的に40%、より
好ましくは実質的に50%、最も好ましくは実質的に60%を含む。カウンター
電極(リターン電極として機能する場合もある)および収集電極は、好ましくは
、フローセルのフットプリントの周囲、または、フローセルのフットプリントの
周囲近傍に配置され、実質的にフットプリントの全周(例えば、80%まで)外
接し得る。
【0096】 典型的には、収集電極およびカウンター電極は、電気泳動力線がフローセルの
実質的に全容積(例えば、80%以上)を超える大きさとなるように、基板10
上に配置される。例示を目的として、集中電極およびカウンター電極は、フロー
セルのフットプリントの全周近傍に配置され得る。さらに別の実施形態において
、それら集中電極およびカウンター電極は、フローセルのフットプリントの実質
的に反対側に配置され得る(例えば、図14を参照されたい)。さらに別の実施
形態では、カウンター電極は、中央に収集電極が配置された状態でフローセルの
フットプリントを実質的に外接する。フローセルのフットプリントおよびその位
置の適用範囲の比較的な大きな割合は、フローセル量の電気泳動呼掛け信号を効
率的にする助けとなる。
【0097】 図14を再度参照すると、フォーカス物質電極は、収集電極上に集められた物
質をアレイにフォーカスさせる目的で基板上に配置される。フォーカス電極は、
好ましくは、鏡像、例えば「Y」または「V」の形状のパターンに配置され、そ
の開口端部は、収集電極を少なくとも部分的に包囲する。図示されるように、2
つの対称なフォーカス電極がある。1つのフォーカス電極を用いてもよいし、ま
たは、2つ以上のフォーカス電極を用いてもよい。図示されるように、フォーカ
ス電極は、(アレイに隣接する)実質的に平行な部分と(輸送電極、任意で収集
電極に隣接する)角度を持った部分とを含み、これらは輸送電極を対称的な様態
で囲むようにして延びている。そうでない場合には上述したように、第1の電極
と第2の電極とが、微小位置のアレイに少なくとも部分的に隣接して配置される
。アレイに隣接した第1の電極と第2の電極との間の距離は、アレイから離れて
配置されるさらに別の領域にある第1の電極と第2の電極との間の距離に比べて
小さい。フォーカス電極は、任意で、収集電極から離れたアレイの反対側に配置
される部分を含み得る。フォーカス電極は、好ましくは、アレイに接続されたリ
ード線よりも比較的大きなリード線に接続され、その結果、実効電流を流しかつ
実効電位を保持することができる。
【0098】 輸送電極は任意で含まれる。電極がアレイに近づくにつれてサイズが単調減少
する電極が用いられ得る。第1の輸送電極は、収集電極に比べて比較的小さく、
第2の輸送電極は、第1の輸送電極に比べて比較的小さく、第3の輸送電極はそ
れよりもさらに小さい。サイズを異なるようにすることによって、位置間での電
流密度の不一致を小さくし、電流密度の不一致があまりに大きすぎる場合に起こ
り得るバーンアウトを減らすか、または、なくすことを促進する。輸送効率を最
大にする。大:小のサイズ比は、好ましくは、実質的に2:1、より好ましくは
3:1であり、さらに好ましくはこれ以上(例えば、4:1以上)であり得る。
【0099】 電界形状プロトコルの7ステップは、サンプルの容積を効率的に調べて、分析
を行うために物質をアレイ上に集めるように機能する。第1のステップでは、負
にバイアスされたカウンター電極と正にバイアスされた第1の収集電極40とを
用いて、サンプルの容積が調べられる。概してフローセルのフットプリントの周
囲近傍に、カウンター電極と収集電極とを配置することによって、サンプル容積
を迅速かつ有効に調べることができる。第2に、物質が収集電極に隣接して集め
られると、その収集電極を対象となる物質に対して負にされ(斥力)、一方第1
の輸送電極は正にされる(引力)。斥力と引力とによって、収集電極から第1の
輸送電極へと物質が移動する。さらに、フォーカス電極は負にバイアスされる。
このような負(斥力)バイアスは、移動方向に対して横方向となり得る力を提供
するように働く。それゆえ、より中心に溶液中の物質が集中する。第3に、第1
の輸送電極に物質が集められると、その第1の輸送電極は、負にバイアスされ得
(斥力)、一方第2の輸送電極は正にバイアスされる(引力)。フォーカス電極
は、帯電した物質に斥力を提供するように働く負にバイアスされ得、それにより
移動方向に対して横方向のコンポーネントを提供し、より小さな物理領域または
容積内に物質を集める。第4は、第2の輸送電極を負にバイアスし得、かつ、任
意で第1の輸送電極をバイアスして、これらの電極から離れて現在正にバイアス
されている第3の輸送電極へと移動させ得る。ここでもやはり、フォーカス電極
は、負にバイアスした状態で維持され得る。次の3つのステップは、上述したよ
うに任意に別個に行われ、アレイの種々のロウまたは領域に物質を移動させる。
【0100】 電界形状プロトコルは、電流およびバイアス時間を含む。この実施形態では、
電極のサイズとその電極に供給される電流量との間に反比例の関係がある。さら
に、収集電極および輸送電極については、電極サイズとバイアス時間との間に反
比例の関係がある。つまり、電極が小さいほどバイアス時間は大きくなる。この
プロトコルを行うと、種々のデバイスにおける電流密度は、比較的より均一に維
持されるか、または、実質的に互いに同じである。さらに、所与の電極からの電
流が(より大きな電極に対して)減少するにつれて、種々の電極間で有効量の帯
電された物質を移動させるためには、比較的長いバイアス時間が必要とされ得る
。そうでない場合には上述したように、所与量の物質が帯電している場合、より
低い電流で所与量の物質を移動させるためには、比較的長いバイアス時間が必要
とされ得る。
【0101】 トレースは、同じ幅にされてもよいし、または、例えば、容量を運ぶより大き
な電流に比較的幅広のトレースを用い得る場合のように(例えば、第1の収集電
極に対するトレースと第2の収集電極に対するトレースとを)異なる幅にされて
もよい。
【0102】 他の実施形態では、第1の収集電極は台形である。この台形は底辺と上辺とを
有する。底辺は、アレイの一方の辺に隣接し、かつ、平行な長い辺である。上辺
は、底辺へと(互いに離れるように)広がる斜辺を有する、底辺よりも好ましく
は短い辺である。第2の収集電極は、アレイの他方の辺上に配置され、(必ずし
も同じである必要はないが)同様の形状およびサイズにされる。上辺は好ましく
は底辺よりも短いので、側面の辺は非平行であり、互いに離れてアレイに向かっ
て移動する方向に傾斜している。任意で、第1の収集電極の面積が第2の収集電
極に比べて約10%小さい(任意で約20%小さい)場合等には、電極は異なる
サイズにしてもよい。入力ポート電極およびポート電極は、任意で、基板上のフ
ローセルのフットプリント内に含まれる。入力ポート電極およびポート電極は、
同じサイズであるか、または、異なるサイズであるかのいずれかである。
【0103】 動作中、第1の収集電極および第2の収集電極のうち一方を集められる物質に
対して引力(典型的には正)が働くまたはバイアスをかけることによって、フロ
ーセル量が調べられる。一旦物質が集められると、集められた物質は、第1の収
集電極から離れてアレイへと移動され得る。物質は、電極間に0.01〜106
Hz(最も好ましくは0.1〜103Hz)の範囲の周波数のAC電界を印加す
る等によって、アレイ上の適切な位置に効果的に保持され得る。その後、物質を
他方の電極へと移動し得るか、または、物質をアレイから他方の電極へと移動す
ることによって繰り返し物質を反応し得る。
【0104】 任意で、アレイの微小電極は、電気的に能動または受動であり得る。デバイス
、基板、コネクタ、トレースおよびアレイは、アレイが同心円状に配列され得る
以外は、上述した通りである。同心円リターン電極および中心集中電極(好まし
くは円形)は、電極に物質を集めて、その後、アレイ上にその物質を移動させる
か、または、アレイ上に位置させるように協働する。
【0105】 上述の実施形態では、キャプチャシーケンスまたはプローブをデバイス上に配
置することができる。好ましくは、少なくとも収集電極または集中電極上に位置
する。任意で、異なるシーケンスを輸送電極等の異なるデバイス上に配置するこ
とができる。例えば、1つのアプローチとしてアレイに各シーケンスを作製すれ
ば、より特異的であり得る。
【0106】 デバイスは、第1の表面(任意で上部表面と呼ばれる)と第2の表面(任意で
下部表面と呼ばれる)とを有する支持基板を含む。この支持基板は、屈曲型回路
、プリント基板、半導体材料または同様の材料等の支持および導電性の機能に適
した材料であり得る。コンタクトはトレースへとつながり、トレースは第2の基
板へとつながる。この第2の基板をフリップチップと呼んでもよい。第2の基板
は、任意で、上にアッセイまたは他の診断物質が設けられるチップ、システムま
たは支持部であり得る。バンプコンタクト(例えば、はんだバンプ、インジウム
はんだバンプ、導電性ポリマー、または銀充填エポキシ)等のコンタクトは、ト
レースとチップまたは基板との間の電気的コンタクトを提供する。シーラントは
、支持基板の第2の(下部)表面と第2の基板の第1の(上部)表面との間に配
置される。概して、支持基板と第2の基板との対向する表面は、流体遮蔽用コン
タクトバイア内にシーラントを含有させた表面である。入力ポートは、サンプル
チャンバと伝導する関係にあり得、さらに入力ポートはアッセイチャンバ、そし
て出力ポートへとつながる。バイアの横方向の幅は、第2の基板の横方向の幅よ
りも短い。
【0107】 好適な実施形態では、デバイスは、コストを下げ、製造の簡略化および信頼性
等を向上させるために、最小数のコンポーネントから形成される。1実施形態は
、実質的に5個のコンポーネントで達成される。デバイスは5個のコンポーネン
トから製造され得るが、本発明の概念から逸脱したり、概念を変更することなく
さらなるコンポーネントを用いることができる。これらのコンポーネントは以下
の通りである。第1は、第1の表面と第2の表面、および、流体が基板を通って
流れ得るように第1の表面と第2の表面との間にあるバイアを有する支持基板で
ある。この第2の表面は、電気トレースを支持する。第2は、少なくとも第1の
表面を含む第2の基板である。この第1の表面は、第1の基板の第2の表面と対
向した構成となるように配置するように適合されている。第2の基板は、微小位
置からなるアレイに接続する電気的に導電性のトレースを含む。このアレイは、
バイアを通って上記の流体を受け取るように適合されている。第3は、支持基板
の第2の表面上にある電気的トレースと、第2の基板の第1の表面上にある電気
的トレースとを相互接続する導電性バンプである。第4は、支持基板の第2の表
面と第2の基板の第1の表面との間に配置されるシーラントである。上記のシー
ラントは、第1の基板と第2の基板とによって、かつ、第1の基板と第2の基板
との間に流体封止を提供する。第5は、第1の基板の第1の表面上に任意に配置
されるフローセルである。要素数は変更可能であるが、これらの5個の要素を選
択することによって利点が得られ得る。
【0108】 動作中、サンプルが注入口ポートに供給され、サンプルチャンバに送られる。
サンプルチャンバは、細胞分離、細胞溶解、細胞成分分離、複雑性の減少、増幅
(例えば、PCR、LCR、酵素技術および/または変性)を含む(但し、これ
らに限定されない)種々のサンプル処理機能を収納するように機能し得る。以後
、サンプルは、アッセイチャンバに流れる。サンプルを含む溶液は、バイアを介
して流れる。第二の基板によって底面に境界が規定されるバイアを含む空間は、
支持基板の第二の表面と第二の基板の第一の表面との界面間にバリアを形成する
シーラントまたは接着剤によって形成される。
【0109】 製造の好適の方法において、光硬化性シーラントが取り除かれ、そうでない場
合には、支持基板の第二の表面と第二の基板の第一の表面との間の界面に供給さ
れる。光は、バイアを介して供給される。シーラントの侵入を止め、これにより
、シーラントまたは接着剤が実質的にないアレイを保持するダムが形成される。
バイアの横方向の幅を適切にサイズ調整することによって、バイアは基本的に入
射光に対するシャドーマスクとして機能し、入射光は、シーラントを硬化する際
に役に立つ。あるいは、支持基板の第二の表面と第二の基板の第一の表面との間
の界面に、アレイ上に流れないような量および粘度のシーラントを供給し得る。
シーラントのさらなる除去または最終の硬化を、必要に応じて、加熱などによっ
て実行することが可能である。
【0110】 電子領域は、例えば、半導電領域を提供することによって等、全体または部分
的にチップまたは基板内に含まれ得る。これらの半導電型領域を活性の様態で制
御して、チップまたは基板内に選択的な接続を提供することが可能である。通常
、第一の表面は、その上に活性の生物学的相互作用が生じる表面である。必要に
応じて、チップまたは基板の第一の表面に隣接し、チップまたは基板の第一の表
面と実質的に同一平面上にあるように端部照明部材を配置することが可能である
。照明シートは、好適には、ホール、バイアまたは経路を含み、電気相互接続が
そこを通過することが可能になる。照明シートを導電トレース上に直接配置して
もよいし、隣接する支持シートに直接固定してもよい。電子トレースは、基板ま
たはチップの第一の表面上に含まれ得る。はんだ接続、インジウムバンプ、導電
性ポリマーなどの導電素子は、基板上の導電経路をコンタクトトレースの導電部
分に結合する。次いで、コンタクトトレースは、好適には、ワイヤー、ウィスカ
ーワイヤー、または他の電子コンタクトなどの導電部材によって接触され、回路
の残りの部分に接続する。シーラントは、好適には、基板またはチップおよび次
の層(例えば、フレックス支持層)との間に配置される。
【0111】 切り口の平面には配置されない他の導電部材が含まれ、基板とトレース支持層
との間に機械的支持をさらに供給する。さらに、端部照明層は、基板またはチッ
プの上表面に向かって配置される端末端部を含む。端部照明層は、シーラントの
外部または内部で終了し得る。接着層は、トレース支持層に隣接して配置され、
接着コンタクトを上層に供給する。上層は、図示するように、必要に応じて、注
入口および流出口用に、経路、へこみまたは他のカットアウトを含み得る。図示
するように、接着層は、必要に応じて、組み立ての前に上部表面および底部表面
の両方の上にある解放紙を含む接着材料など、ダイ切断可能な接着材料であり得
る。このような材料の供給としては、3Mまたはデュポンが挙げられる。ダイ切
断可能な接着材料をチャンバの壁の全部または一部を形成するように切ることが
可能である。ジオメトリを任意の所望の形状またはフロー細胞構成で製造するこ
とが可能である。
【0112】 好適には、上部部材が供給される。上部部材は、実質的にデバイスの残部上に
わたって延び得る。必要に応じて、上部部材は、フロー細胞チャンバの上部にお
いて窓または他の封入(containment)表面を形成し得る。好適には
、上部材料は、ポリカーボネートまたはポリスチレンから形成される。テスト部
位のアレイが上部部材を介して光学的にアクセスされることが有利であり、これ
にしたがって、励起および放出放射(emission radiation)
の両方に対して実質的に透過性を有する材料から上部材料を形成することが望ま
しい。
【0113】 フロー細胞チャンバ領域は、実質的に平行な側壁を特徴とする(図14)。好
適には、第一の減少幅領域は、フロー細胞領域と出力との間に提供される。最も
好適には、減少領域は、幅D’(最も好適にはD’=Dである)で開始し、幅d
’(好適にはd’=d)に減少する。注入口チャンバの高さは、注入口チャンバ
の注入口の高さHからこれより低いフロー細胞チャンバの注入口の高さhまで減
少する。好適には、減少は単調であり、最も好適には直線である。
【0114】 好適な実施形態において、注入口チャンバの高さhおよび幅wは、実質的な一
定フローエリアが供給されるように選択される。すなわち、高さhおよび幅wの
積(h×w)は、実質的に一定である。したがって、注入口に隣接する注入口チ
ャンバの一部において、高さhは比較的大きく、幅wは比較的小さい。これに対
応して、フロー細胞チャンバに向かって注入口チャンバを通って進む場合、幅w
が増加するにしたがって、高さhが減少する。好適には、流出口チャンバは、実
質的に同じジオメトリを含み、好適には同じフロー細胞エリア定数(const
ant)を含む。
【0115】 支持基板は概して、平面であり、第一の面と第二の面を含む。バイアによって
、流体または溶液が、支持基板の上から第二の基板(特に、第二の基板の第一の
表面)に流れることが可能になる。シーラントは、支持基板の第二の面と第二の
基板との間に設けられる。シーラントは、好適には、流体の密封を提供し、これ
により、流体が第二の基板上のアレイに流れることが可能になる。レーザビーム
などの照明源は、第二の基板上のアレイを照明する。好適には、システムは、ソ
ースから照明を受け取り、出力を介して照明を提供するように適合された入力を
備えた導波管を含む。導波管は、好適には、支持基板と同一平面上にあり、支持
基板の第二の表面に固定されることによって、支持基板に固定され得る。電子回
路が設けられて、システムを制御し得る。必要に応じて、表面に取り付けられる
電子コンポーネントが、基板上に設けられ得る。流体工学(fluidic)を
システムと組み合わせて提供して、サンプルを第二の基板に供給することを支援
し得る。
【0116】 通常、アレイは、行および列から形成され、より一般的には、同数の行および
列から形成され、さらに最も一般的には、行および列が直交する構成から形成さ
れる。例えば、10×10、20×20またはこれ以上のアレイを、これらの技
術を用いて形成し得る。ユニットセルアレイの個々のユニットセルは、行選択器
および列選択器などの選択器の動作によって選択される。選択器は、シフトレジ
スタメモリなどのメモリであってもよいし、デコーダであってもよいし、この両
方の組み合わせであってもよい。アドレス情報の入力は、通常オフチップから、
アドレスを受信するが、オンチップのアドレス生成器を用いてもよい。好適な実
施形態において、行選択器は、1倍の構成(×1)によるか、より広い構成(例
えば、4倍の構成(×4))のいずれかのシフトレジスタを含む。
【0117】 動作の間、選択レジスタは、ユニットセルを選択するか、または、ユニットセ
ルを選択しないことを示す値が連続的にロードされ、必要に応じて、このセル用
の出力値が連続的にロードされる。必要に応じて、メモリを設けて、これらの値
を保持し、ユニットセルからの出力を継続することが可能である。
【0118】 アレイは、複数のユニットセルを含む。好適な実施形態において、ユニットセ
ルは、行および列で配置される。指定行または指定列は、行または列の一部、あ
るいは直線的に隣接しないユニットセルのグループまたは組などのユニットセル
のグループまたはサブセットも示し得る。概して、m行およびn列のユニットセ
ルがあり、通常m=nであり、m=2、3、4...である。例として、ユニッ
トセルの5×5のマトリックス、ユニットセルの10×10のマトリックス、ユ
ニットセルの20×20のマトリックスはそれぞれ、総数が25、100および
400のユニットセルを提供する。
【0119】 ユニットセルは、少なくとも一つの行選択器および少なくとも一つの列選択器
の動作によってアドレス指定される。この詳細な説明を、一つの行選択器および
列選択器の場合で開始し、この後に、さらなる選択器の使用について説明する。
行選択器は、入力情報を受信し、一つより多い行線において行選択信号を出力す
る。行線上のこの選択信号は、ユニットセルに供給されて、行コンタクトを介し
てなど、ユニットセルと相互作用する。
【0120】 通常の実施において、行線は、電気的に連続的であるが、任意の組み合わせの
材料から製造され得る。例えば、行線は、導電ポリシリコンから形成されるよう
な連続的な導電線であってもよいし、導電セグメントが金属(すなわち、アルミ
ニウムまたは銅)などの導電性が高い材料を介して電気的に接続される、組み合
わせの構成であってもよい。
【0121】 列選択器は、列の選択を決定するための入力を受信し、または好適な実施形態
においては、ユニットセルの出力値(または相関値)を受信する。列選択器は、
列線に結合されて、列選択器は、ユニットセルに列選択信号を提供する。好適な
実施形態において、列選択器は、二つの状態より多い状態(例えば、4つの状態
)を選択し、好適には、列線を介してユニットセルに供給される電圧状態を選択
する。列線は、列コンタクトを介してなどで、ユニットセルに結合される。好適
な実施形態において、列コンタクトは、電界効果トランジスタなどのトランジス
タ用の制御ゲートであり得る。
【0122】 ユニットセルのアクティブ化が必要な場合、2次行選択器、入力線、2次行線
および列コンタクトが含まれ得る。同様に、入力を有し、2次列線または補助列
線に結合され(これは次いで、2次列コンタクトに結合される)2次列選択器が
追加され得る。
【0123】 行選択器および列選択器は、必要に応じて、イネーブル入力またはチップ選択
を含む。これらの信号の機能のうちの一つは、行線または列線をアクティブ化す
ることなく、入力情報の入力を可能にすることである。さらに、いくつかまたは
すべての行選択器および列選択器は、情報の出力用に用いられ得る出力を含み得
る。一つの用途において、出力値は、入力データを行選択器または列選択器内に
ロードすることに成功したことを示す信号であってもよいし一連のうちで最上位
ビットなどのビットであってもよい。必要に応じて、この出力情報を用いて、イ
ネーブル選択信号またはチップ選択信号をトリガすることが可能である。
【0124】 行選択器および列選択器は、行入力情報および列入力情報を受信して、これを
用いて一つ以上のユニットセルを選択し、必要に応じて、ユニットセルから提供
されるように現在の(潜在的な)レベルを示す信号値を提供する機能を果たす。
選択器は、シフトレジスタメモリの形態のようなメモリの形態であってもよいし
、所望のアドレスが入力情報として提供され、次いで出力がアドレスに対してデ
コードされた関係にあるような、デコーダ回路の形態であってもよい。多くの回
路はこの機能を生成することが当業者に公知である。
【0125】 電流ミラーなどの電流源は、必要に応じて、電流源および制御信号(VCAS
P)を受信する。接続は、電源から列選択器に電流を結合して、もし存在する場
合には、2次列選択器に電流を結合する。さらに、一つ以上の電流源を供給する
ことが可能である。電流の値は静的であってもよいし、(パルス波形、正弦波形
、方形波、鋸波波形などを付与した場合など)時間と共に変化し得る。概して、
任意の所望の変化する波形を用いることが可能である。
【0126】 ユニットセルの各々は、所与の時間に活性化され得る。あるいは、一定のユニ
ットセルが活性化され得、その他のユニットセルは非活性のままである。一例と
して、所与のカラムが第1の値で選択された場合、ロウセレクタにより選択され
た1以上の選択ロウに関連づけられた、そのカラム内のユニットセルの各々は、
カラムの電圧レベルに対応する値で活性化され得る。同じカラム内の他のユニッ
トセルは、第2のカラムセレクタに結合することにより、同じレベルまたは異な
るレベルにされ得る。ここで、これらのユニットセルに関連づけられた1以上の
ロウラインは、第2のロウセレクタにより駆動される。よって、ユニットセルか
らなる1つのカラム内で、各ユニットセルは、カラムセレクタに関連づけられた
カラムの信号に対応する値、または第2のカラムセレクタに関連づけられたカラ
ムの値で駆動される得るか、もしくは駆動されていない状態、未接続状態、浮動
状態、または高インピーダンス状態であり得るかのいずれかである。同様にして
、他のカラムは、所望の出力レベルに設定され得る。このようにして、ユニット
セルのアレイ全体が、所望の状態、または所望の状態の集合となり得る。
【0127】 「出力レベル」および「所望の状態」という用語の使用には、時間の関数とし
て変化する信号が含まれる。さらに、選択されたユニットセルに結合された、さ
らなるカラムセレクタおよびカラムラインを追加すること等により、所与のカラ
ム内でより多くの値が追加され得る。
【0128】 可変電流制御素子は、入力、出力、および制御素子を備える。この制御素子は
、カラムライン等のラインに結合され、そのラインは、同様にしてカラムセレク
タに結合される。セレクタスイッチは、入力、出力、および制御素子を備える。
この制御素子は、ロウライン等の制御ラインに結合される。可変電流制御素子の
出力は、選択スイッチの入力に結合される。選択スイッチの出力は、出力電流I out を提供するノードに結合する。第1の電位(例えば、Vcc)が、可変電流
制御素子の入力に提供される。
【0129】 動作中に、ロウラインの信号を選択スイッチの入力に印加することにより、ノ
ードと可変電流制御素子の出力との間に導電経路が提供される。可変電流制御素
子の入力に結合されるカラムラインに印加される信号値は、第1の電位ノードと
出力ノードとの間の直列接続された可変電流制御素子および選択スイッチを介し
て流れる可変量の電流を提供する役割を果たす。リターン電極(return
electrode)は、回路を完成させる役割を果たすが、このリターン電極
は、また別のユニットセルであり得ることが理解され得る。
【0130】 好適な実施形態では、可変電流制御素子は、電界効果型トランジスタ、最も好
適には、MOSFET等のトランジスタである。選択スイッチは、好適には、ト
ランジスタであり、より好適には、電界効果型トランジスタでり、最も好適には
、MOSFETである。システムの機能要件と一致する限り、P−MOS、N−
MOS、CMOS、バイポーラ、ガリウムヒ素、その他のいずれであっても、種
々のタイプの特定の実現形態が用いられ得る。さらに、好適な実施形態では、第
2の可変電流制御素子および第2の選択スイッチの整合した構成が、第2の電位
と出力ノードとの間で結合する。随意に、対称的な構成が実現されるように、種
々のデバイスのチャネル長が構成され得る。例えば、CMOSによる実現形態で
は、p−チャネル選択デバイスが、異なる電子/正孔移動度を補償するために、
n−チャネルデバイスよりも短いチャネル長(例えば、80μm対126μmチ
ャネル長)を有し得る。
【0131】 この回路に関する上記の議論は、第2の可変電流制御素子および第2の選択ス
イッチを備えた回路機構に適用される。
【0132】 (実施例1) 神経アレイは、三電極の16部位から構成され、それぞれ、プラチナ作用電極
、プラチナ対向電極、および塩化銀参照電極を組み込んでいる。図1にセンサア
レイの模式図を2つ示す。電極サイズの性能に関する研究を容易にするために、
最小電極寸法が2〜100μmの範囲である、6つの異なる型のセンサアレイが
製造された。個々の部位の配向は交互に変化する。これにより、隣接する部位を
単一のより大きな電極として一体的に用いることが可能となり、性能に対する電
極面積の効果に関するさらなる情報が提供される。
【0133】 製造は、標準的な4”<100>シリコンウエハ上で始まる。標準的なCMO
S回路プロセスが、回路機構を製造するために用いられる。改良されたリフトオ
フ手順がPt電極部位をパターニングするために用いられる。時限式エッチング
により、プラチナが塗布される領域がフッ化水素酸中に浸される。これにより、
ほぼ平坦な表面ができ、上部絶縁層のカバレッジが改善される。20nmのチタ
ン層が、100nmのプラチナ層の接着性を改善するために用いられる。
【0134】 800nmのPECVD窒化シリコンからなる上部絶縁層が、プラチナの上に
堆積され、反応性イオンエッチングによりコンタクトが開けられる。次いで、銀
リフトオフ工程用のレジストが塗布されるが、銀を堆積する前に、700nmの
窒化物層をエッチングするために、第2の反応性イオンエッチングが実施される
。これにより、図10に示すように、銀部位の下部の周囲に窒化物のシェルフ(
shelf)が残る。これらの寸法でリフトオフパターニングされた銀を用いた
先の開発作業で見出されたように、リフトオフレジストの側壁を被覆する銀の突
起物により困難が生じた。これら銀の突起物は、センサが取り扱われるときに、
破断し得、銀の細片が残り、プラチナ電極表面が汚染され得る。窒化物エッチン
グにより、レジストエッジに破断線が形成され、銀の突起物の形成が妨げられる
。このエッチングは、銀側壁と周囲の窒化シリコンとの間にひびが形成されるこ
とを防止するために、プラチナ層に達する前に止められる。このひびは、試験溶
液の侵入ルートを提供し得、その結果デュアルコンタクトが得られる。
【0135】 次に、650nmの厚さの銀の層が、接着促進剤としての20nmのチタン層
とともに塗布される。最終的なリフトオフがアセトン内で実施される。Micr
oposit 1112Aフォトレジストリムーバ(Shipley,Marl
boro,MA,USA)を用いた初期の作業は、銀の参照電極の変色を生じた
。アセトンは、銀よりも不活性であるが、再堆積を防止するための表面活性剤が
不足している。不要な金属化物全ての完全な除去を確保するためには、幾分の注
意が必要とされる。
【0136】 完成したチップは、セラミックの100ピン、すなわちピングリッドアレイ(
PGA)のパッケージ(図11)(spectrum semiconduct
or materials,Inc.,San Jose,CA,USA)にワ
イヤーボンディングされる。このセラミックパッケージは、アレイに接触するた
めの高いI/Oカウントと、大きな熱質量とを提供する。培養されたニューロン
は、熱障害にとても敏感である。セラミックパッケージは、適切な熱バッファを
形成して、ニューロン培養物が定温器から熱変化のない検査装置内へと移動する
ことを可能にする。
【0137】 エポキシを使用してワイヤボンドを密封し、溶液からセンサアレイクリップを
PGAに接続させる。図15は、密封される前のボンディングされたデバイスを
示す。次いで、培養シリンダが表面に取付けられて、培養物の媒体および細胞の
閉じ込めを提供する。最終的には、底部に穴を有する小さなプラスチックペトリ
皿が、培養シリンダの上に加えられる(図16)。この外部ペトリ皿は、培養物
の媒体に関して、隔離された無菌環境を提供する。結果のパッケージシステムは
、使用の前の簡単な殺菌のために加圧滅菌され得る。
【0138】 培養シリンダは、最初の検査のために成長媒体を注入された。電極アレイに充
電電流を確立するための最初のスキャンの後、神経刺激伝達物質の較正された量
が培養シリンダに追加され、周期的ボルタモグラムが得られた。定温器によって
温度が注意深く保持されて、実際の神経性培養物の状態を可能な限り綿密に一致
させる。
【0139】 3つの異なる頂点が、ドーパミン較正のボルタモグラム内に現れた(図17)
。500mVにおける頂点は、ドーパミン濃度に関連する。1Vより大きな電位
を有する頂点は、培養物の媒体内のフェノールレッドの酸化によって引き起こさ
れた可能性がある。650mVにおける頂点を引き起こす化学種は、この時点で
公知でない。ドーパミン濃度が増加させられると、500mVの頂点が反応し、
他の2つの頂点は変化しないままであり、デバイスが培養物の媒体内に存在する
他の電気化学的に活性な化学種からドーパミンを識別し得ることを実証した(図
18)。500mVの頂点に関して、最高の直線性が検査された範囲において観
測され、650mVの頂点は変化しないままである。
【0140】 生きている細胞の研究が、人間のニューロン培養物(Stratagene,
La Jolla,CA,U.S.A.のhNT細胞株)を用いて実行された。
この細胞株が選択されたのは、この細胞株が自発的に活性であり、外部からの刺
激を必要としないことが公知であるからである。ニューロン活性を刺激せずにデ
ータを記録する能力は重要である、なぜならば、外部影響を必要とせずに邪魔の
入らないニューロン性質の研究を可能にするからである。これらのhNTニュー
ロンはまた、ドーパミンを解放して、電流測定によって検出可能な化学信号を提
供することが公知である。
【0141】 28個のパッケージ化された神経アレイが培養物によって滅菌かつ準備された
。6日間定温放置した後、培養物のうち24個は電気的に活性であった。これら
の培養物は75日間監視され、その時点で実験は終了した。これらの予備試験に
関して、内部対極は単一の外部電極によって置換された。これは、内部対極を使
用して神経電気信号を検出することを可能にすることにより、計測器を簡略化し
たが、全ての部位を一斉に押し流し、周期的ボルタモグラムを実行することが必
要であった。本発明の別の実施形態において、電極構成は、3電極アレイまたは
4電極アレイのいずれかである(図1)。この実施形態は、電流測定電極および
電位差測定電極が、別々に機能する、連続して機能する、または同時に機能する
ことを可能にする。周期的ボルタモグラムを使用して、化学種電圧および酸化電
圧が識別され、一定電圧のボルタモグラムを使用して、ある期間にわたって濃度
が測定された。一定電圧のボルタモグラムの使用は、分析を簡略化し、実時間の
監視能力を提供する。
【0142】 この結果によって、ドーパミン濃度を検出する能力と、ドーパミンおよび他の
電気活性化学種の間を区別する能力とが実証される。セロトニンおよび他の電気
活性神経刺激伝達物質の検出は可能である。なぜならば、それらのいくつかは、
このデバイスの酸化範囲内であるからである。神経化学活動と神経電気活動との
両方を同時に記録する能力が実証されている(図13)。この図は、2つの群の
スパイク活動を示し、約9.21秒および約9.25秒においてニューロン活動
電位を表す。各ニューロン活動電位の後に酸化電流が増加し、神経刺激伝達物質
が解放されたことを明らかに示す。
【0143】 このデータは、相乗作用(potentiation)として公知のニューロ
ン性質の例を示す。この相乗作用は、特定の神経システムを初回刺激(prim
e)または活性化するためにニューロンを最初に点火し、次いで、初回の電気的
点火の結果として反応を高める活性化が行われる性質である。このようなイベン
トの取り込みによって、神経電気伝達と神経化学伝達との間の原因/結果の関係
を研究するこのデバイスの能力が実証される。
【0144】 このデバイスは、単一活動電位の原因−結果の相互作用と、結果の神経刺激伝
達物質解放とを取り込むために十分な解像度を有する(図19を参照)。アレイ
にわたる活動電位間の相関性もまた観測され、神経ネットワークにわたる信号の
伝達を示す。
【0145】 本発明は、生体内、試験管内、および生体外でのセンサデバイスを提供し、こ
のセンサデバイスは、微視的な電位差測定および電流測定の電極アレイを有し、
この電極アレイは、電位差測定の部位におけるニューロン活動電位を選択的に検
出することが可能であり、電流測定の部位における神経刺激伝達物質の分泌の識
別および数量化を許可する(図1)。
【0146】 上記のように、数百個のセンサアレイが準備されていた。28個がパッケージ
化かつ検査され、2μm、4μm、および8μmの電極構造を有するセンサアレ
イがそれぞれ8個ずつあり、32μmの電極構造を有するセンサアレイが4個で
あった(図20)。
【0147】 2つの印刷された回路基板(PCB)が、センサベアリングセラミックキャリ
アと、電位差測定および電流測定の回路との間に、簡単かつ容易に使用できるイ
ンタフェイスを提供するために設計かつ構成された(図21)。このPCBは、
セラミックキャリアの急速なスワッピングを可能にする挿入力が零(ZIF)の
ソケットと、センサアレイ内の回路へのアクセスを提供する一連のコネクタレー
ルとを含む(図21)。このPCBは、3層のボードであり、環境騒音を減少さ
せるための接地面を構成する内層を有する。
【0148】 センサから入手され得る有用なデータを増加させるために、単一の白金電極が
、各電流測定センサ内にある機能中の電極を置換し得ることが判定された。同様
の様態で、単一の基準ストリップが利用された。これによって発生した唯一の制
限は、周期的ボルタモグラムのために、各電流測定センサの周期が一致する必要
があることであった。これは、周期を一致させることが意図されていたため問題
ではなかった。この変更によって提供される主な利点は、以前機能していた電極
の各々が電位差測定電極として機能することに関する有効性であった。この様態
で、16個の電流測定センサ(一定電圧と周期的ボルタモグラムとの両方)およ
び16個の電位差測定センサを同時に監視することが可能であった。さらに、電
流測定電極と電位差測定電極との間の物理的な距離が非常に小さく(電極のサイ
ズによって、4μm〜20μm)、互いに非常に近接して細胞活動電位および神
経刺激伝達物質解放を監視する能力を提供した。あるいは、電流測定センサは個
別の周期を有し得、この場合、電極の近傍を注意深く監視して、電極間の干渉を
防止する必要がある。
【0149】 最初に、電流測定および電位差測定の回路がブレッドボード上に構成されて、
ゲイン、フィルタリングなどの原因となる成分の操作を可能にした(図21)。
この技術を用いて、種々の回路パラメータが簡単に変更かつ最適化されて、各セ
ンサアレイ内の個別の電極から比較的雑音のないデータを提供した。最適化され
た回路レイアウトは、電極から数百ミクロンしか離れていないセンサアレイのシ
リコン基板上に構成される。これによって、連係ワイヤの量が著しく減少し(数
メートルから数ミクロンに)、信号対雑音比が著しく増加する。さらに、16個
の電位差測定電極および16個の電流測定電極から監視する責任のある回路は、
約100だけ領域が減少する。
【0150】 電位差測定センサ回路からの16チャネルの出力は、PowerPC搭載のM
acintosh製のコンピュータ内に収容された高速16ビットのNatio
nal Instruments製のa/dボード(PCI−MIO16XH)
上の16チャネルの入力に接続された。同様に、電流測定センサ回路からの16
チャネルの出力は、別のMacintosh製のコンピュータ内に収容された別
の高速16ビットのNational Instruments製のa/dボー
ド(NB−MIO16XH)上の16チャネルの入力に接続された。第2のコン
ピュータ内に収容されたNB−MIO16XHボードを利用して、同時に合計3
2個のセンサ(16個の電流測定センサおよび16個の電位差測定センサ)から
の監視を行う目的が達成された。データの同期化は、National Ins
truments製の両方のボードの間で単一の時計信号を共有することにより
保証された。デジタルトリガーを用いて、互いに100ナノ秒以内の2つのa/
d変換器における捕捉が開始された。
【0151】 NBの最大のサンプリング速度は、PCIボードのサンプリング速度より遅か
った。従って、PCIボードを使用して、神経活動電位(最高速度の成分)を変
換した電位差測定センサを監視し、NBボードを使用して、分泌された神経刺激
伝達物質(より遅い速度の成分)を転換した電流測定センサを監視した。サンプ
リング速度は、各ボードが許容する最大のサンプリング速度に保持され、互いの
整数の倍数を維持して、各コンピュータシステムからのデータの直接比較を簡略
化した。32個のセンサの各々を監視する際、a/dサンプリング速度は、電位
差測定センサに関して6kHzであり、電流測定センサに関して2kHzであっ
た。センサの電位差測定/電流測定のセットにおいて細胞活動が検出される場合
、センサのこのサブセットは、より速いサンプリング速度で監視された。例えば
、16個のセンサ(8個の電位差測定センサおよび8個の電流測定センサ)は、
電位差測定に関して12kHzで監視され、電流測定に関して4kHzで監視さ
れた。電位差測定および電流測定の単一の対が監視される場合、電位差測定の速
度は60kHzであり、電流測定の速度は20kHzであった。第2のPCI−
MIO16XHボードは、単一コンピュータ内に配置され得、電位差測定センサ
と電流測定センサとの間に1:1のサンプリング速度の比率を提供する。あるい
は、A/D変換器は、PCへの直接的なR5232 Digital Comm
unicationのためにチップ上に構成される。
【0152】 PCI−MIO16XHボード内の高速16ビットのd/a変換器は、電流測
定の制御回路のための電圧ソースとして利用された。種々のユーザによって選択
可能な方式を提供するためにソフトウェアが書かれ、この方式は、周期的ボルタ
モグラム(電圧範囲と周期の周波数との制御を含む選択可能なパラメータ)と、
一定電圧のボルタモグラム(初期および最終の電圧の制御を含む選択可能なパラ
メータであり、電圧ステップ機能(voltage step functio
n)、ならびにこのステップ機能の開始前および持続時間の遅延を構成)とのた
めの方式である。あるいは、電流測定回路を制御するためにオンチップ回路が利
用され得る。
【0153】 一旦、センサがセラミックキャリア内に固定されると、不活性のDow Co
rning Silicone RTV Sealant 732(World
Precision Instruments,Inc.,Sarasota
,FL)または他のこのような生物分解性かつ不活性の封止剤の層が、センサア
レイにわたって適用されて、実際のセンサアレイ上に2mm×2mmの窓を残し
た(図22)。小さな無菌のクローニングシリンダ(Fisher Scien
tific,Chicago,IL)がこの窓の上に配置され、シリコーンが取
り付けられた。最終的には、クローニングシリンダを収容するために底部に穴が
あけられている35mmペトリ皿(Fisher Scientifc,Chi
cago,IL)が取りつけられた(図16)。この構成はいくつかの特徴を提
供する:1)ペトリが、培養媒体、センサ、および細胞の観測を許容することは
明らかであり、2)定温器から、滅菌されずに実験が行われていた水平な層流フ
ードへと細胞(キャリアチップ内に培養されている)を運ぶ能力、3)代謝ガス
(CO2、O2)を自由に運び、同時に、定温器内に収容される間の培養媒体の蒸
発を最小化する。
【0154】 センサの生物学上の検査は、hNTニューロン細胞を用いて達成された。hN
Tニューロン細胞は、細胞をセンサの表面に付着させるために基盤メンブレンマ
トリックスを必要とする。ポリ−D−リジンおよびマトリゲルマトリックス(M
atrigel matrix)(Becton Dickinson Lab
ware,Bedford,MA)を用いて、細胞に基盤メンブレンを提供した
【0155】 センサアレイは、最初にポリ−D−リジンによってコーティングされて、マト
リゲルマトリックスのボンディングを促進する。滅菌されたポリ−D−リジンは
、蒸留水における10μg/mlの濃度で、各2mm×2mmの露光されたセン
サアレイに適用され、室温で2時間、定温放置されることを許容した。ポリ−D
−リジン溶液は、次いで、滅菌ピペットによって吸引された。センサアレイは、
滅菌された層流フード内でふたを外した状態で傾斜をつけて配置され、1.5時
間乾燥されることを許容した。
【0156】 マトリゲルマトリックスは冷蔵庫内で夜通し解凍され、次いで、寒冷なDME
M/F12(Life Technologies,Rockville,MD
)内で1:40に希釈された。マトリゲルマトリックスの20μlが各センサア
レイに適用されて、パスチャーピペット(Pasture pipette)を
用いて均等に広げられた。この溶液は、滅菌された層流フード内の室温において
完全に乾燥することが許容された。マトリゲルアプリケーションは、次いで、繰
り返される。
【0157】 センサアレイは、ポリ−D−リジンの1つの被膜と、マトリゲルマトリックス
の1つの被膜とによって、少なくとも2ヶ月の間保存され得る。マトリゲルマト
リックスの最後の被膜は、使用する日に適用される必要がある。顕微鏡下で、ド
ライコーティングされたセンサは、繊細な霜のようなメッシュを有するようにみ
える。マトリゲルマトリックス濃度が高すぎたことを示す不透明なクロットを回
避するように注意した。
【0158】 センサアレイは、複数の神経伝達物質を同時にかつ独立して監視する能力をテ
ストされた。これらの測定はhNT条件付DMEM/F12培養基(La Jo
lla、CAのStratagene)を使って行われ、全生物学的実験を通じ
て同じ培養基を使った。すべての場合において、培養基はテスト前30分間、哺
乳類細胞培養器の温度および二酸化炭素のために平衡化された。
【0159】 ドーパミン(MO St.LouisのSigma−Aldrich Co.
)の用量反応曲線は、顕微センサアレイを使ってサイクリックボルタメトリを行
って生成された。ドーパミンの一意の酸化電位で、つまり銀/塩化銀基準に対し
て約500mVで生成された酸化誘導電流が格納され、図18の用量反応曲線と
してプロットで示された。アセチルコリンは低い電圧では酸化されないので、ド
ーパミンの用量反応曲線は、アセチルコリンの超生理学的濃度の存在によっても
影響を受けなかった。500mVの酸化誘導電流の値はアセチルコリンの濃度か
ら独立しており、ドーパミン濃度に関しては線形に変化した。
【0160】 図23は、メインウィンドウで、単一サイクリックボルタモグラムを示すコン
ピュータスクリーンのイメージである(y軸酸化誘導電流対x軸励起電圧)。酸
化誘導電流のピークは可視的に識別され得る。500mVのピークはドーパミン
の酸化と一致した。650mVと1080mVの他の2つのピークは、本質的に
神経伝達物質の濃度に関わらず、電圧の大きさは一定のままであり、DMEM/
F12培養基内の構成要素に最も起因する傾向にある。フェノールレッドが培養
基に存在しなかった場合は、1080mVのピークは消滅した。650mVのピ
ークの分子ソースは現在調査中である。再び述べると、これらの電圧での酸化誘
導電流の値は用量反応、制御、または細胞実験のいずれにおいても、さほど大き
な変化はなかった(図17)。
【0161】 用量反応曲線の生成中、均一性を保証するために、センサアレイ内の個々のセ
ンサの変換特性を互いに比較した。電極構造は電子ビームリソグラフィを使って
生成されるので、サイズおよび表面積などの各電極の物理的パラメータはほとん
ど同じである。均一物理幾何学によって生成される均一変換特性は、16個の電
流測定センサの各々で見られるほとんど同一のサイクリックボルタモグラムによ
って表される(図24)。
【0162】 本発明の別の実施形態において、6フィートEdgeGARD水平層流フード
(Sanford、MaineのThe Baker Company)が、デ
ータ獲得で使用されるように修正された。フードはステンレス鋼小メッシュスク
リーンを使って、並べられた。本質的に高価なファラデー箱を模倣して、接地さ
れると、スクリーンはフード内でほとんど電子ノイズのない環境を提供した。層
流フードの前面開口部はまた、スクリーン材質でカバーされた。格納式フラップ
の形をしたアクセスドアは、実験装置に簡単にアクセスできるように構成された
(図25)。これは、センサアレイが適切に機能するのに必要とされないが、本
発明のセンサに関連して使われ得る。これは、本発明のセンサアレイの内部回路
がノイズを低減し、熱および温度制御用の培養器を提供するので、必要とされな
い。
【0163】 層流フードはまた、加熱された一定温度の環境(37℃)を提供し、培養され
た細胞内の正常生理学的活動を維持するように修正された。本目標のために、フ
ードはプラスチックシーティングの付加層を使って並べられ、内部チャンバをほ
とんど気密にした。廉価なデジタル温度調整装置(Chicago、ILのFi
sher Scientific)で制御された標準ヘヤードライヤが、熱源と
して使用された。ヘヤードライヤはファラデー箱の外に配置され、センサアレイ
の電子ノイズを最小にした。加熱された空気は、4インチ直径の金属ドライヤ導
管を通って内部に運ばれた。温度制御用の熱電対プルーブは細胞に近接して配置
された。この廉価な装置は、約0.5℃温度変動の一定温度環境を提供した。
【0164】 最も重要なことは、実験装置では迅速な運搬、および電子回路に組み込まれた
センサアレイを有する培養チャンバの電気的接続を可能とした。この装置を使っ
て、組み込まれたセンサアレイを有する数十の培養チャンバを毎日簡単に監視し
得た。
【0165】 hNT細胞はStratagene(カタログナンバー204104、ロット
ナンバー0980822)から、高純度の凍結状態で手に入れた。hNT細胞は
、Stratagene推奨手順に従って、約8x105細胞/cm2の濃度でセ
ンサアレイ上に解凍してプレート状にされた。hNT細胞のプレート化は例外と
して、いくつかの培養は事前に報告されたように準備された。これらの培養は対
照として働く。
【0166】 培養されたhNT細胞の電子化学的監視はプレート化が行われた翌日に開始し
た。この時点、第1日では、約70%から80%のコンフルーエンスで、単層に
広がった(図26)。細胞は、シリコンとは対照的に、ほとんどまったくといっ
てよいぐらい、Matrigelマトリックスで皮膜されたセンサアレイに広が
ったことに留意されたい。第4日までは、測定可能な活動は観察されなかった。
【0167】 第4日までに、hNT細胞は一次神経細胞培養に形態学的に、およびプロセス
結果の濃度に類似して、一次神経細胞のように、軸索および樹状突起に分化した
複雑なプロセスを表した(図27)。第4日に、1つの培養で活動電位および神
経伝達物質開放を自発的に示すことが観察された。第5日までに、培養の1/3
で活動電位および神経伝達物質開放を自発的に示すことが観察された。最後に、
第6日までに、28培養中の24培養で活動電位および神経伝達物質開放を自発
的に示すことが観察された。実験は合計75日間、継続された。約5日毎に、1
つの培養が分解されて顕微的に観察された。残っている培養のうち、以前に活性
であったもの全てが全75日の間、活性のままであった。培養がいまだに活性で
あったが、実験は利用可能資金の不足ゆえに75日目の終わりに終了しなければ
ならなかった。
【0168】 受動デバイス(セラミックキャリアへのセンサチップのワイヤー接合、ゼロ挿
入力ソケットでの電気接続、電位差測定および電流測定回路へのケーブリング、
回路のブレッドボード接続、および最後にアナログ−デジタルコンバータへのケ
ーブリング)における電気接続の多さゆえに、外部電子干渉の素子がセンサによ
って変換されたデータ中に存在した。アナログバンドパスフィルタの使用および
オーバーサンプリング技術を介して、ノイズがかなり低減された。さらに、信号
はデータ解析中に信号はデジタル的にフィルタリングされた。電子ノイズは、前
述で確認された必要な電気接続の多さを大幅に低減するCMOS処理を利用して
、電位差測定および電流測定回路を直接シリコンセンサアレイ基板に組み込むこ
とによって、電子ノイズは解消される。あるいは、アナログ信号は、チップ上の
回路を使うか、MCMまたはフリップチップ、配列、もしくは遠距離に配置され
た外部のA/Dコンバータを介してデジタルに変換され得る。付加的な利点は、
メートルからミクロンまでケービリングの長さが縮小されることである。修正セ
ンサアレイ内に電子装置が組み込まれると、センサチップから発した信号は低イ
ンピーダンス増幅電圧で構成される。これらの信号は、信号劣化なしにワイヤで
何メートルか送信され得る。
【0169】 本発明の発明者は、センサアレイの無線遠隔測定システムの最初の設計を作成
した。デジタル、無線、遠隔測定システムはこれらのセンサアレイがインビボで
利用される場合、膨大な利点を提供する。特にセンサアレイを使って神経細胞を
監視して、遠距離電子装置および/または筋肉の閉ループ制御を提供する場合に
は、遠隔測定システムに対する患者の容認度は大きくなる。
【0170】 図12に示される単一電圧差測定センサからのデータは、神経伝達物質の分泌
に活動電位の抑制徴候および刺激的効果を提供する。約0.715秒で、分泌イ
ベントの後縁は他の実験図13において観察されるものよりもずっと急勾配であ
る。神経伝達物質分泌の後縁の直前、およびその最中の電位差測定活性は、恐ら
く、軸索から軸索への(axon−axonal)入力または他の何らかのこの
ようなメカニズムのために抑制効果を引き起こすようである。分泌の後縁中の電
位差測定活性は神経伝達物質分泌を刺激するものの約半分であるという事実は、
少なくとも2つの異なる神経細胞が監視されている可能性が高いことを示す。よ
り低電位差測定はまた、抑制を担当する神経細胞(または神経細胞群)が刺激効
果を担当する神経細胞(または神経細胞群)よりも記録電極からより離れ得るこ
とを示し得る。この現象が電位差測定からのみ監視された場合、神経伝達物質分
泌の抑制を引き起こした活動電位は、刺激として不正確に解釈され得た。これら
のデータはセンサアレイによって示されるように、電流測定データと共に、電位
差測定の修正を介して正しく解釈され得る。
【0171】 単一活動電位に反応して神経伝達物質分泌が観察され得る何千もの発生が記録
された(図19)。図19に示されるデータを生成する実験において、電圧差測
定及び電流測定信号を担当するセンサは、ほんの6μm離れていた。電圧差測定
データは12kHzで獲得され、電流測定データは4kHzで獲得された。活動
電位とその結果として生じる神経伝達物質の分泌との間に1ミリセカンドを下回
る遅れが生じる。
【0172】 培養のほとんどにおいて、細胞間の伝達が神経細胞間で観察された。伝達の波
動が監視された。そこでは単一神経細胞(または神経細胞グループ)がパルス発
生器として動作し、後続細胞が同じように反応した。神経細胞活動のこれらの波
動は、センサアレイの全範囲を通じて監視された(図28)。図28は電位差測
定信号を150ミリセカンド期間に分割し、各期間内のデータを集積することに
よって生成された。より高い集積値はより大きい活動電位活動を示す。各集積の
値は、その後6つの等分されたカテゴリに量子化され、グレースケール値を割り
当てられた。黒は最大の活動を示し、白は活動無しを示す。これらの波動は強い
印象を与えるQuickTimeTMビデオの形でモデル化され、シュミレートさ
れた。
【0173】 本明細書中に記載される神経アレイは、シリコン神経センサとカーボンファイ
バ電極の両方の利点を併せ持つが、複雑さのほとんどを排除している。デバイス
は標準シリコン加工技術を用いて製造される。このことは、フォトリソグラフィ
の厳密な寸法管理のために高い歩留まり、および一貫性のあるパフォーマンスを
提供する。高濃度センサアレイは個々の神経細胞に加えて、微細な神経システム
の研究を容易にする。これらのデバイスを使って、リアルタイムの神経細胞の神
経化学的活動および神経電気的活動を記録し得る。このことは、神経細胞伝達に
おける電気および化学的イベントの相関を研究する重要な能力を提供する。
【0174】 (要約) 要約すれば、顕微センサアレイは活動電位および神経伝達物質分泌を同時に単
一神経細胞から捕らえることによって、神経細胞活動を監視することができる。
このフェース1作業から直接生じる4つの潜在的な商業的製品が確認された。1
)電流測定/電圧差測定顕微センサアレイ、2)顕微電流測定センサを制御およ
び監視できる最適電流測定回路システム、3)顕微電位差測定センサを監視でき
る最適電位差測定回路システム、4)オンラインおよびリアルタイム格納、分析
、ならびにセンサーデータの表示を提供するソフトウェアシステム。
【0175】 (実施例2) 図2および図3で示されるように、アナログマルチプレクサへのデジタル「セ
レクト」を用いて、何百のアナログチャネルのうちから出力に伝送されるべき1
つを独立して選択する。
【0176】 マルチプレクサへの入力(図3)はアレイ内の電位差測定センサの各々から、
直接あるいは信号バッファのいずれかを経て来る。回路のサイズを低減させ、従
って費用を削減するのに、マルチプレクサ後の信号をバッファすることは有利で
あり得る。しかしながら、センサの高いインピーダンス特性のため、マルチプレ
クサに先だってセンサ信号をバッファすることがしばしば必要である。信号は、
単一CMOSトランジスタまたはOP AMP バッファを使ってバッファされ
得る。マルチプレクサのインピーダンスは入力信号に依存している。概して、稼
動状態で非常に低いインピーダンスを有するマルチプレクサは電位差測定信号に
必要とされる。信号がマルチプレクサの前にバッファされると、マルチプレクサ
インピーダンス必須条件はさほど厳しくない。低いインピーダンスマルチプレク
サの使用には、一定の回路パフォーマンスのトレードオフが必要である。インピ
ーダンスが下がれば、漏れ電流が増加する。これらのセンサの性質から、漏れ電
流を低く保つことが必要である。
【0177】 アナログマルチプレクサへのデジタル「セレクト」を使用して、何百ものアナ
ログチャネルのうちの出力に伝送されるべき1つを独立して選択する(図3)。
【0178】 マルチプレクサへの入力は、アレイ内の電流測定(amperometric
)センサのそれぞれから、直接あるいは電圧コンバータまたは信号バッファへの
電流を介して行われる(図3)。回路部のサイズを減少させ、したがって、コス
トを減少させるには、マルチプレクサの後に信号をバッファすることが有利であ
り得る。しかし、センサの高いインピーダンス特性のため、マルチプレクサの前
にセンサ信号をバッファすることがしばしば必要である。単一のトランジスタ(
バイポーラトランジスタ)、オペアンプバッファまたは電流−電圧コンバータを
用いて、信号をバッファすることが可能である。マルチプレクサのインピーダン
スは、入力信号に依存する。概して、ON状態にある非常に低いインピーダンス
を備えたマルチプレクサが電流測定信号に必要である。信号がマルチプレクサの
前にバッファされる場合、マルチプレクサのインピーダンス要件はそれほど厳し
くない。低いインピーダンスのマルチプレクサを用いると、特定の回路部の性能
が犠牲にされる。インピーダンスが減少すると、漏れ電流が増加する。これらの
センサの特性に起因して、漏れ電流を低く保持する必要がある。
【0179】 図5は、電圧増幅器を用いた代表的な電流測定の電流−電圧コンバータを示す
。CFは、酸化誘導電流を、低いインピーダンス電圧に変換する。R1を用いて
第一のステージのゲインを設定して、オプションのC1を用いてローパス電子フ
ィルタリングを提供する。次いで、OAは低いインピーダンス電圧を増幅する。
R3およびR4は、第二のステージの電流測定を決定する。オプションのC2を
用いて、アクティブローパス電子フィルタリングを提供する。R1、C1、R3
、R4およびC2用の値はすべて、オンチップ回路部を用いてデジタルに選択す
ることが可能である。OAの出力を、アナログ−デジタル出力に供給したり、ア
ナログ出力用に直接リードに供給することが可能である。
【0180】 まず、アナログマルチプレクサからの信号は、マルチプレクサからアナログデ
ータを測定し、信号をサンプルおよび保持回路内で用いることを可能にするバッ
ファ/電流−電圧コンバータ、またはより低いインピーダンスを有するアナログ
−デジタル(A/D)コンバータへの入力である。サンプルおよび保持回路部は
、二つの方法で信号を改良し得る。例えば、サンプルおよび保持回路部によって
、あるチャンネルから別のチャンネルに変化させる際に、マルチプレクサによっ
て生じる切替雑音が排除され得る。多くのチャンネルを、同時にサンプリングお
よび格納し、その後、A/Dコンバータが、アナログ信号をコンピュータによっ
て利用可能なデジタルフォーマットに変換することが可能である。サンプリング
速度が非常に速い必要がある場合に、高速のA/Dコンバータを用いることが可
能である(但し、ビット数はしばしば減少する(すなわち、12ビット))。極
端に速い速度が必要でない場合、より高い精度(すなわち、16ビット)を得る
ことが可能である。アナログ−デジタル変換ユニットは、電位差測定(pote
ntiometric)増幅器および電流測定増幅器から得られるアナログ信号
を変換し、コンピュータインターフェース用のRS232データ規格と互換性を
有するデータのデジタルのシリアルストリームを提供する(図6)。あるいは、
オンチップ回路部は、低いインピーダンスアナログ信号を出力し得る。この低い
インピーダンスアナログ信号は、次いで、MCMのフリップチップ構成を介して
、Texas Instrumentsなどで市販されているA/Dコンバータ
に供給される。これは、アナログ信号が低いインピーダンスで、遠隔に設けられ
た集積チップを有するからである。
【0181】 図7は、選択された代表的な電流測定センサ機能生成回路を示す。提示する回
路部は、可変振幅(対称または非対称)および周波数を用いて、(シュミットト
リガーを介して)サイクリックボルタメトリー用の三角波を提供することが可能
である。電位源を用いて、任意の他の技術(例えば、サイクリックボルタメトリ
ー)と組み合わせて、オフセット電圧を提供することが可能であり、さらにクロ
ノボルタメトリーおよびパルスボルタメトリー用の信号を提供することも可能で
ある。ランプ積分器は、種々の電圧および周波数を用いて、作用電極にランプ電
圧を提供し得る。すべてのパラメータは、制御コンピュータへのオンチップデジ
タルインターフェースを介して、調整可能である。
【0182】 提示されたアナログ回路部に加え、電流測定センサ機能生成は、標準のアナロ
グ回路部またはコンピュータによって生成されるデジタル−アナログ変換のいず
れかを用いて、オフチップで生じ得る。
【0183】 図8は、代表的な電流測定制御回路を示す。F1は、電流測定制御信号プロフ
ァイル(例えば、サイクリックボルタメトリー、クロノ電位差測定、パルスボル
タメトリーなど)用のインピーダンス整合フォロアー(follower)とし
て機能する。CAは、作用電極に誘導電圧を送る。F2は、基準電極から電位を
受け取るフォロアーとして機能し、R1を介してCAにフィードバックを提供し
て、電極間の溶体のモル浸透圧濃度の変化に起因する電圧降下を補償する。S1
は、作用電極に印加された実際の電圧を測定するサンプリング点である。この信
号は、デジタル出力用のアナログ−デジタルコンバータに供給されたり、または
アナログ出力用のリードに直接供給され得る。
【0184】 薄膜ヒーターを用いると、培養温度(37℃)が提供され、哺乳類の細胞が維
持されたり、より高い温度が提供され、非細胞の研究(図9)における反応速度
が増加する。コンデンサを用いると、チップが電源から切断され、培養器から実
験ステーションへの運搬の間に、薄膜ヒーターに電力が提供される。
【0185】 熱センサは、センサパット(および細胞)の下に直接設けられて、薄膜ヒータ
ーの閉ループフィードバック制御を提供する。熱センサは、熱電対、サーミスタ
または簡単な温度に依存するトランジスタであり得る。
【0186】 実施例3 一つの位置における神経細胞活動の電気生理学的分析および電気化学的分析を
目的として、電位差測定電極としても機能する電流測定センサ内の対向電極を用
いることを可能にするオンチップ回路部が設計される(図29)。固体スイッチ
を用いると、分析、電流測定および電位差測定のそれぞれの種類に適切な回路部
に対向電極を接続し、作用電極を接地して、電流測定回路部を効果的にオフにす
る。
【0187】 生理学的な関連性を提供するために、固体スイッチは、10マイクロ秒より短
い時間フレームで動作の電流測定モードと電位差測定モードとを切替できる必要
がある。固体トランジスタは、350ピコ秒のオーダーの時間で切り替えること
が可能である。さらに、電気化学走査の間、ソフトウェアは、電位差測定増幅器
を自動的にダイアブル(diable)する必要があり、電気化学走査の間(サ
イクリックボルタメトリーの走査速度に依存して2〜20ミリ秒または一定電圧
ボルタメトリーを用いた場合には0.01〜4ミリ秒)その出力を接地に短絡さ
せる。
【0188】 電位差測定電極システムが作動された場合、電気化学走査の直後、切替過渡が
バイポーラ水和殻(hydration shell)を再度生成する際に、切
替過渡が作用電極によって生じる。この過渡は、電極およびそれによる水和殻が
極端に小さいことによって最小限に抑えられる。回路部をフィルタリングするこ
とは、DC過渡の影響を最小限に抑えるように開発される。さらに、有効な電位
差測定データが、過渡の間に得られ得るように、ソフトウェアアルゴリズムが過
渡をフィルタリングする。
【0189】 オンチップ制御システムにさらに加えられるのは、電位差測定信号が神経細胞
活動電位の存在を示す場合に、速い走査サイクリックボルタメトリー(および/
または一定の電圧ボルタメトリー)を開始するトリガーシステムの開発を含む。
これにより、活動電位活動に応答して、神経伝達物質の分泌に関して個々の神経
細胞をモニタリングする、ユーザ入力を必要としない自由な実行システムが生成
される。
【0190】 固定高速−スイッチは、チップに対する直接のデジタル入力、またはオンチッ
プアナログ−デジタルコンバータを介して、制御される。固定スイッチおよびバ
ンドパスフィルタが組み込まれた、模式的で代表的な簡略化された第一の状態の
電位差測定増幅器の回路を図29に提示する。
【0191】 活動ハイパスフィルタおよびローパスフィルタは、バイポーラ水和殻を再度生
成する場合に、作用電極によって生成されるDC電位切替過渡をフィルタリング
するように、設計および構成される。対象の信号がACコンポーネントから形成
されるため、DC電位オフセットが除去される。これにより、水和殻を作用電極
の周囲に再度確立しながら、センサから信頼性の高い測定を行うことが可能にな
る。
【0192】 動作の一方法は、神経活動の電位差測定分析と電気化学的分析との間で時間共
有方式を用いる。サンプリング時間の期間は、それぞれの分析技術に対して制御
可能であり、チップへのコンピュータ入力を介して調整される。
【0193】 活動電位トレインの期間に対する閾値は、電気化学的分析に切替用の基準とし
て確立される。自動トリガーシステムが開発され、電位差測定信号が神経活動電
位の存在を示す場合に、速い走査サイクリックボルタメトリー(および/または
一定の電圧ボルタメトリー)が開始される。 (オンチップ閉ループ制御回路部) オンチップ回路部は、電流測定感知システムおよび電位差測定感知システムの
両方に接続された微分器および積分器を含む。このようにして、デジタルスイッ
チを、いくつかの基準に基づいて制御することが可能である。例えば、電位差測
定センサを介して活動電位をモニタリングする際、(微分器によって示される)
発生(firing)速度および(積分器によって示される)散発的(epis
odic)発生の発生速度を用いて、(自発的動作および非自発的動作用の)筋
肉刺激器(stimulator)、車椅子制御、コンピュータのマウス移動な
どの外部デバイスを制御することが可能である。同様の制御は、電流測定センサ
用に構成される。この場合、積分器が、上述したように、超閾値を用いて外部デ
バイスを制御しながら、所定の時間の間、分泌された神経伝達物質(すなわちホ
ルモン)の総量を検出する。
【0194】 オンチップデジタル−アナログコンバータ回路部により、外部コンピュータが
微分器および積分器のパラメータ(すなわち、閾値のレベル、積分器のブリード
(bleed)時間ならびに微分器および積分器のサンプリング時間ウィンドウ
)を設定することが可能になる。 (校正技術) 特注で開発されたテスト回路部を用いた場合、計測増幅器およびバッファの性
能は、使用の前にテストされる。このテストの間、必要に応じて、ゲインおよび
オフセットが指定および調整される。センサによって利用されるバッファおよび
ゲイン回路部は、センサアレイ内の各センサのゲインを正規化するために、正確
で厳密なレジスタの設定を必要とする。通常、この正規化は、レジスタをトリミ
ングするレーザによってアナログ回路部で行われる。オンチップの電気的にプロ
グラム可能なリードオンリメモリ(E−PROM)または電気的に消去可能なP
ROMを用いて、この正規化を達成し、レジスタの値をデジタルに設定するため
に用いられるCMOSトランジスタ切替レジスタの系図を用いてレジスタをデジ
タルに補償することも可能である。 (記録用のセンサ部) センサが顕微鏡でなければ見えないサイズ(すなわち、細胞の約1/20のサ
イズのセンサ)であることに起因して、いくつかのセンサの部位は、冗長データ
(一つの細胞からのデータ)を提供したり、(センサが並べられた細胞を有さな
い場合のように)データを全く提供しない場合がある。センサアレイ内のセンサ
数が増加する(数千のセンサ数まで)にしたがって、各センサから記録コンピュ
ータまでデータを伝送する帯域幅の要件が、現在における最新技術を用いて可能
な要件よりより高くなり得る。したがって、各センサからのデータを検査して、
各センサが冗長な細胞情報を受信しているか、細胞情報をまったく受信しないか
を決定することが可能である。アレイ内の各センサが単独でアドレス指定可能で
あるため、冗長データを受信するか、データを受信しないセンサは、回路部によ
って無視され得、これにより帯域幅の制限が緩和される。このようにして、イン
ターデジタル構造の電流測定センサおよび電位差測定センサの極端に密集して詰
め込まれたアレイを用いると、検査された組織内のあらゆる細胞が、アレイ内の
一意的なセンサに露光され、かつ、連続的にすべての単一のセンサをモニタリン
グしなければならないという負担を負わずに、依然(ナイキスト基準を満たすた
めに必要なだけ)十分に速い速度でサンプリングされることが保証され得る。こ
の方法を用いると、センサを「過度にサンプリング」もして、細胞生成データ内
のパターンの検出および/またはデータのフィルタリングが可能なデジタル信号
処理アルゴリズムを支援し得る。 (センサアレイからのデータ出力) CMOSセンサアレイチップからのデータ出力は、デジタルおよび/またはア
ナログであり得る。オンチップにデジタル−アナログコンバータを組み込むと、
信号対雑音比が改善され、デバイスの電力要件が減少し、システムの全体的なサ
イズが減少する。コンピュータまたは読み取りデバイスへ低価格なパラレルイン
ターフェースまたはシリアルインターフェースを介して提供されるデジタル出力
を備えたセンサアレイチップが用いられる。別に用いられるものは、多重チップ
モジュール(MCM)の使用を含み、多重チップモジュール(MCM)において
、センサアレイチップからのアナログ出力は、ASTの特注のアナログ−デジタ
ル(A/D)コンバータチップ、または市販されているA/Dチップのいずれか
に直接供給される。
【0195】 MCMを用いた場合、センサアレイチップはサイズが減少し、歩留まりが増加
し、これにより、製造コストが減少する。このシナリオにおいて、センサアレイ
チップからバッファされ、多重化されたアナログ出力は、フリップチップの構成
または横に並んだ構成(すなわち、MCM)のいずれかで設けられた低価格で高
速なa/dコンバータとの間にインターフェースを付けられる。
【0196】 アナログ信号が低いインピーダンス電圧に変換されてバッファされた後、信号
が、雑音にほぼ影響されなくなる。このため、市販または特注のアナログ−デジ
タルコンバータが、感知デバイスの外部に配置され得る。これにより、集積電子
制御回路部を備えたセンサアレイと関連付けられるコストが著しく減少する。
【0197】 本願の全体にわたって、様々な公報(例えば、米国特許)を著者名、発行年度
、および特許番号別に引用した。これらの公報の全リストを以下に記載する。本
明細書中、本発明が関連する当該分野の現状をより詳しく説明するため、これら
の公報および特許の開示内容全体を参考のため援用する。
【0198】 本発明を例示的に説明してきたが、本明細書中にて用いた用語は、説明目的を
意図したものであり、限定目的のために用いたものではないことが理解されるべ
きである。
【0199】 上記教示内容を鑑みれば、本発明の様々な改変例および変更例が可能となるこ
とは明らかである。従って、本明細書中の特許請求の範囲内において、本発明は
、本明細書中にて記載した具体的な方法以外の方法を用いても実施可能であるこ
とが理解される。
【0200】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、矩形形状の電極のジオメトリ(geometry)を備えたセンサー
アレイの概略図であり、A)は、片方の電極が、電位差計電極を兼ねた二重の機
能を供給する3電極構造であり、B)は、4電極構造である。
【図2】 図2は、本発明に関するブロック図である。
【図3】 図3は、電流値測定及び電位差測定センサのために用いられるアナログマルチ
プレクサーの概略図である。
【図4A】 図4Aは、超低ノイズの電位差測定電極の機器増幅器の概略ブロック図であり
、単純な機器の増幅器である。
【図4B】 図4Bは、超低ノイズの電位差測定電極の機器増幅器の概略ブロック図であり
、高入力インピーダンス及び可変ゲインを有する機器増幅器である。ここで、ゲ
インは、共通モード拒絶速度(CMRR)に影響を及ぼさない。
【図4C】 図4Cは、超低ノイズの電位差測定電極の機器の増幅器の概略ブロック図であ
り、緩衝された差動入力の機器増幅器である。
【図5】 図5は、チップ上でのゲイン及びフィルタの制御による、超低ノイズにて電流
測定する電流−電圧変換の概略ブロック図である。
【図6】 図6は、オプショナルなサンプル及び保持回路を有する、アナログからデジタ
ルへの変換及びデジタルからアナログへの変換のブロック図である。
【図7】 図7は、チップ上での電流測定シグナルパラメータの制御による、電流測定用
のセンサー機能生成器の概略ブロック図である。
【図8】 図8は、電流測定の制御機能の概略ブロック図である。
【図9】 図9は、薄膜ヒーターの図である。
【図10】 図10は、溶液により電極に二重の接触及び短絡が形成されることを防止する
ために用いられた窒化物シェルフの断面図である。
【図11】 図11は、ワイヤボンデリングされ、且つ、エポキシ樹脂でピングリッドアレ
イキャリアに接着されたパッケージされたデバイスの写真である。
【図12】 図12は、刺激剤及び阻害剤による電位差測定(活動ポテンシャル)が神経伝
達物質に及ぼす影響を説明する、センサーサイトからの化学シグナル及び電気シ
グナルを組み合わせて示すグラフである。
【図13】 図13は、センサーサイトからの化学シグナル及び電気シグナルを組み合わせ
て示すグラフであり、電流測定のシグナルは、電位差測定記録に示される活動ポ
テンシャルに応答した神経伝達物質の放出を表し、神経系の効力の現象を説明し
ている。
【図14】 図14は、分析的な電気泳動分離及び分析システムとして用いられる能動セン
サアレイの図である。
【図15】 図15は、ピングリッドアレイキャリアにワイヤボンディングした後、回路部
を形成せずにエポキシ樹脂を用いてシーリングしたパッケージされたデバイスの
顕微鏡写真である。
【図16】 図16は、センサーアレイを収容するピングリッドアレイキャリアをシリコン
処理した細胞培養チャンバーの写真である。
【図17】 図17は、細胞培養媒体中のドーパミンのサイクリックボルタムグラムのグラ
フである。
【図18】 図18は、ドーパミンドーズレスポンス(Dopamine dose re
sponse)曲線のグラフであり、隣接の650mVのピークは、ドーパミン
濃度によって影響されず、培地中の異なる電気的活性な化合物を表している。
【図19】 図19は、単一のセンサーニューロンからの化学シグナル及び電気シグナルを
組み合わせて示すグラフであり、電位差測定のシグナルは、「活動ポテンシャル
」データを提供し、電流値測定のシグナルは、結果としての神経伝達物質の放出
を表わしている。
【図20】 図20は、電流測定及び電位差測定のセンサアレイを組み合わせて組み込んだ
ダース単位で与えられる哺乳動物の細胞培養チャンバーの写真である。
【図21】 図21は、キャリアーのプリント回路板及びプロトタイプセンサーの制御/モ
ニター回路部の写真である。
【図22】 図22は、センサーアレイを包囲する、2mm×2mmの「窓部」の顕微鏡写
真であり、この「窓部」は、不活性シリコンにより構成され、センサアレイ上で
細胞を抑えるように意図されている。
【図23】 図23は、2つのセンサを用いた実験中のコンピュータ画面の画像である;各
センサに対するサイクリックボルトモグラムが、「センサA」及び「センサB」
とラベル付けされたウィンドウに表示されている;ボルトモグラムの下の線グラ
フは、種々の電圧(350、550、及び725mV(サイクリックボルタモグ
ラム上の垂直なマーカー、及び線グラフの色調または模様によって示されている
))における電流(濃度に比例する)対時間を表している。
【図24】 図24は、酸化により得られ、アレイ中の全16の電流測定のセンサーによっ
て同時に変換された、電流対時間の形跡を重ね合わせて示すグラフである。
【図25】 図25は、一定温度感極で電気ノイズのないファラデイケージを提供するため
に、ステンレススチールスクリーン及びプラスチック被覆材で覆われた6フット
(foot)のBaker EdgeGARD平面の薄板からなるフローフード
の写真である。
【図26】 図26は、4μmの電極サイズのセンサーアレイ上のほぼ融合性のhNT神経
細胞培養の顕微鏡写真である。
【図27】 図27は、インキュベーションして4日目のhNT細胞を照明した明領域及び
暗領域の顕微鏡写真である。
【図28】 図28は、「パルス生成」ポイントを実証する、hNT細胞の神経ネットワー
クに記録された電位差測定の活性(活動ポテンシャル)の波の時系列グラフ図を
示す。
【図29】 図29は、電流測定の片側電極を用いて、電位差測定の電極としての機能を提
供し、単一の位置で細胞の記録が可能とする回路部の簡略化した概略図である。
【図30】 図30は、2段階のプッシュプル式のCMOS動作増幅器の図である。
【図31】 図31は、全体的に囲まれたカスケードCMOS動作増幅器の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/48 G01N 27/30 351 33/483 27/46 M (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハウアー, ロバート ダブリュー. アメリカ合衆国 ミシガン 48108, ア ン アーバー, ゴルフサイド 2744, アパートメント 507 Fターム(参考) 2G045 BB20 CB01 FB05 GC18 GC20 4B029 AA07 BB11 CC02 FA12 FA15

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録デバイスであって、 少なくとも1つの電位差電極と、 該電位差電極を備えた該デバイス上に少なくとも1つの電流滴定電極(amp
    erometric electrode)と を備え、該両方の電極は同じデバイス上に設置される、デバイス。
  2. 【請求項2】 前記電流滴定センサは、少なくとも1つの基準電極、少なく
    とも1つの作用電極、および少なくとも1つの対向電極を備える、請求項1に記
    載のデバイス。
  3. 【請求項3】 前記電流滴定センサは、周期ボルタモグラムとともに、また
    は個別にサイクル動作する(cycle)、請求項2に記載のデバイス。
  4. 【請求項4】 前記電流滴定センサは、定電圧ボルタメトリを用いる、請求
    項2に記載のデバイス。
  5. 【請求項5】 前記電位差センサは少なくとも2つの基準電極を備える、請
    求項1に記載のデバイス。
  6. 【請求項6】 前記電流滴定センサおよび前記電位差センサは極めて隣接し
    ている、請求項1に記載のデバイス。
  7. 【請求項7】 前記デバイスは、プラチナ、金、イリジウム、および銀から
    なる群から選択された材料から形成される、請求項1に記載のデバイス。
  8. 【請求項8】 前記デバイスはCMOS技術を用いて作製される、請求項1
    に記載のデバイス。
  9. 【請求項9】 前記デバイスはリフトオフプロセスを用いてエッチングされ
    る、請求項1に記載のデバイス。
  10. 【請求項10】 前記リフトオフプロセスは反応イオンエッチングにより行
    われる、請求項9に記載のデバイス。
  11. 【請求項11】 組織培養での神経化学活性および神経電気活性を測定する
    デバイスであって、 少なくとも1つの電位差電極と、 該電位差電極に相互接続された、少なくとも1つの電流滴定電極と を備え、該電極は同じデバイス上に位置する、デバイス。
  12. 【請求項12】 前記電流滴定センサは、少なくとも1つの基準電極、少な
    くとも1つの作用電極、および少なくとも1つの対向電極を備える、請求項11
    に記載のデバイス。
  13. 【請求項13】 前記電流滴定センサは、周期ボルタモグラムとともに、ま
    たは個別に周期を成す、請求項12に記載のデバイス。
  14. 【請求項14】 前記電位差センサは少なくとも2つの基準電極を備える、
    請求項11に記載のデバイス。
  15. 【請求項15】 前記電流滴定センサおよび前記電位差センサは隣接してい
    る、請求項11に記載のデバイス。
  16. 【請求項16】 前記デバイスは、プラチナ、金、イリジウム、および銀か
    らなる群から選択された材料から形成される、請求項11に記載のデバイス。
  17. 【請求項17】 前記デバイスはCMOS技術を用いて作製される、請求項
    11に記載のデバイス。
  18. 【請求項18】 前記デバイスはリフトオフプロセスを用いてエッチングさ
    れる、請求項11に記載のデバイス。
  19. 【請求項19】 前記リフトオフプロセスは反応イオンエッチングにより行
    われる、請求項18に記載のデバイス。
  20. 【請求項20】 単一部位記録デバイス(single locus re
    cording device)であって、 少なくとも1つの電位差電極と、 該電位差電極に相互接続された、少なくとも1つの電流滴定電極と を備え、該電極は同じデバイス上に位置する、デバイス。
  21. 【請求項21】 オンチップ閉ループ制御回路であって、電流滴定検出シス
    テム、電位差検出システム、該電流滴定検出システムおよび電位差検出システム
    に接続された少なくとも1つの微分回路、ならびに該電流滴定検出システムおよ
    び電位差検出システムに接続された少なくとも1つの積分回路を備えた回路。
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