JP2003509216A - バックアップロール軸受ユニットの装着および引出しのための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ロールスタンドのバックアップロールにおける、その内部に設けられた圧延ロールネック軸受を有するチョックから成る軸受ユニットの、装着および引出しのための装置において、交換装置１６は、一時的に軸受ユニット３と結合可能に、且つ、バックアップロール１の方に向かって、およびこれから離れての方向に軸線方向運動を形成するために構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、ロールスタンドのバックアップロールにおける、その内部に設けら
れた圧延ロールネック軸受を有するチョックから成る軸受ユニットの、装着およ
び引出しのための装置に関する。

【０００２】 ロールスタンドのバックアップロールを、このような軸受ユニット、例えばモ
ルゴイル軸受（Morgoil-Lager）内に設けることは公知である。これらバックア
ップロールは、圧延ロールネックから、または圧延ロールネックへのこれら軸受
の引出しおよび装着のために、軸受ユニット内に組み込まれた液圧式の引出し装
置を備えている。これに伴い恒常 的にそれぞれの軸受ユニット内に残留するこれら液圧的な引出し装置によって、
例えば７ロールスタンド圧延ラインのために、これに伴い全体で２８のこれらユ
ニットが必要である。何故ならば、それぞれのバックアップロールは、可動軸受
側および不動軸受側に、それぞれ１つの軸受ユニットを備えるからである。その
上、付加的な交換スペースのための少なくとも同じ広さが更に必要となり、且つ
更に、著しい割合の予備部材が必要である。何故ならば、長い納入期間を有する
コストの高い特別の構造部材が重要な問題であるからである。軸受ユニットに関
する恒常的な残留によって、液圧的な引出し装置は、同様に、汚染されたオイル
、軸受破損、および酸化表面変色（Anlaeufer）のような、軸受における外側の
影響の下にあり、これら影響は、耐用期間を低減し、及び／または修理を結果と
して招く。

【０００３】 従って、本発明の根底をなす課題は、これによってバックアップロール軸受に
おける上記の欠点が回避可能である装置を提供することであり、この装置は、特
に軸受交換における経費を減少し、且つ可変に使用可能である。

【０００４】 この課題は本発明に従い、一時的に軸受ユニットと結合可能に、且つ、バック
アップロールの方に向かって、およびこれから離れての方向に軸線方向運動を形
成するために構成されている、交換装置によって解決される。従って、一方では
別個の、即ち軸受ユニットに依存していない交換装置が設けられており、この交
換装置が、他方ではそれにも拘らず、普遍的に軸受ユニットの装着および引出し
に適しているので、これら軸受ユニットを組付けまたは取外しするために、１つ
の交換装置で十分であり、および場合によっては、１つのバックアップロールの
両方の軸受ユニットが同時に交換されるべき場合、第２のこのような交換装置が
必要とされる。どんなことがあっても、ロールスタンドのそれぞれのバックアッ
プロールに、従前どおり一体とされた液圧的な引出し装置を備え付けることは、
もはや決して必要ではない。この交換装置が圧延作業に影響されることはないと
いうことはさておいて、これら軸受ユニットのために、同様に、より簡単な且つ
より容易な構成様式が与えられる。有利には、この交換装置は、軸受修理工場お
よびロール修理工場において使用され、且つ、場合によってはただ１つの交換装
置によって軸受ユニット全体をそれぞれのバックアップロールに装着および引出
しするために、ただ解体されるべきまたは新しく組込みされるべき軸受ユニット
との結合を必要とするだけである。

【０００５】 本発明の提案により、交換装置は、レバー形の内側の爪部およびレバー形の外
側の爪部を有し、これら爪部によって、内側の爪部がバックアップロールのロー
ルネック端部内に、および外側の爪部が軸受ユニット内に係合する。軸受ユニッ
トを圧延ロールネック上に押込むために、またはこの圧延ロールネックを軸受ユ
ニットから引出すために、これら爪部は、この場合に結合手段を実現し、且つ同
時に軸線方向運動の開始の役目を果たす。爪部を介しての結合の代わりに、この
交換装置は、例えばねじ結合を介して、軸受ユニットに結合され得る。

【０００６】 本発明の他の構成において、内側および外側の爪部は、旋回可能であり、且つ
バヨネット結合の様式により、ロールネック端部においてまたは軸受ユニット内
においてロック可能である。ロックを保証するために、交換装置の取り付けまた
は組込みの後、これら内側および外側の爪部は、従ってただそれぞれに約４５°
だけ回転されれば良い。

【０００７】 本発明の有利な実施形態によれば、ロールネック端部、および外側で軸受ユニ
ットにねじで固定された中間リングは、クローバの葉形に、内側および外側の爪
部のための通過溝部を有して形成されており、且つこれら爪部に、後方で係合す
る位置に回転の後に、ロールネック端部または中間リングの、それら自体で補完
的なロック突出部が設けられており、その際、これら外側の爪部に、それに加え
て更に、圧延ロールネック軸受の前方に接続されている押圧リングが相対して位
置している。従って、強固にバックアップロール内に係止する、内側の爪部内に
導入される軸線方向運動は、引出しの際、反対の運動方向、即ち力線方向に方向
転換され、従って、外側の爪部が中間リングのロック突出部に当接し、且つ従っ
て、軸受ユニット全体を、圧延ロールネックから引出すことは達成可能である。
これとは反対に、これら爪部は、同様に装着の際に行われる、内側の爪部に導入
される軸線方向運動の反転に基づいて、押圧リング上に押圧し、それによって、
軸受ユニット全体が圧延ロールネック上に押込まれる。

【０００８】 軸線方向運動は、機械的な方法で、または電気的な駆動によって、例えばウオ
ーム歯車および歯車ラックを使って行われはするが、有利には、内側の爪部が、
交換装置内に一体にされた液圧シリンダーのピストンに設けられていることが提
案される。このために、市販の標準シリンダーが使用可能であり、且つ、本発明
による引出し装置および軸受ユニットの分離に基づいて、スラスト軸受、即ち圧
延ロールネック軸受のために必要される潤滑油と、液圧油との間での油混合のほ
とんど無い状態が可能となる。

【０００９】 有利には、内側の爪部と反対側の自由な液圧シリンダーのピストン端部は、ハ
ンドル車を備えられている場合、バヨネットロックが、簡単な方法で、外側から
行うことが可能であり、且つ、そのことは交換装置全体に関して同様に言えるこ
とである。このことは、内側および外側の爪部のための通過溝部が、爪部のよう
に自体一列に並んで設けられていることを、前提条件として必要とする。

【００１０】 本発明の更なる詳細および利点は、図面に図示された本発明の実施例に基づい
て、請求項および以下の説明から与えられる。

【００１１】 バックアップロール１から、図１および図３において、ただそれぞれ１つの圧
延ロールネック２が図示されている。圧延ロールネック２の上に、図１によれば
、軸受ユニット３が示されており、この軸受ユニットは、チョック４を、圧延ロ
ールネック軸受、即ちスラスト軸受５と共に備えている。軸受ユニット３の前方
の端部に、中間リング６がねじで固定されており、この中間リングは、クローバ
の葉形に形成されており、且つ、交互の通過溝部７およびロック突出部８を有し
ている（図２を参照のこと）。

【００１２】 圧延ロールネック２の上に、即ち圧延ロールネック端部９の領域において、ロ
ックリング１０上に、スラスト軸受５に当接する押圧リング１１、およびねじで
固定されたリングナット１２が設けられている。同様に、このロックリング１０
は、係止突出部１３を有し、これら係止突出部に、圧延ロールネック端部９の外
側周囲に図２において破線で図示された通過溝部１４が設けられている。

【００１３】 図１において図示された作動位置に、軸受ユニット３を装着するために、この
軸受ユニット３は、正確にバックアップロール１の中心に整向され、且つ位置決
めされ、および同様のことはロックリング１０にも言え、このロックリングの係
止突出部１３が、圧延ロールネック端部９の通過溝部１４と一列に、存在してい
なければならない。その後、この軸受ユニット３は、慎重に、圧延ロールネック
２上に押込まれ、且つロックリング１０の回転によって、図２において図示され
た位置に、このバックアップロール１、即ち圧延ロールネック２上でロックされ
る。そのあとで使用される保持セグメント１５（図１および２を参照のこと）は
、その後、このロックリング１０の不都合な誤回転を防止する。この軸受ユニッ
ト３の最終的な装着の準備作業のために、リングナット１２は、できる限りねじ
で固定される。

【００１４】 この準備的な処置の終了の後、交換装置１６が載置され、この交換装置は、４
つの、同じ間隔で相互に設けられた外側の爪部１７、および、４つのこれまた同
様に同じ間隔で相互に設けられた内側の爪部１８を有している。これら内側の爪
部１８に、図２において詳細に見て取れる通過溝部１９が、端面側の圧延ロール
ネック端部９において設けられている。従って、交換装置１６の使用の際、外側
の爪部１７は、中間リング６の通過溝部９を通って、および内側の爪部１８が通
過溝部１９を通って沈み込み、且つ、４５°だけ回転の後、これら爪部が、図１
および２において図示されたこれら爪部の後方で係合する位置に達し、この後方
で係合する位置において、これら外側の爪部１７は中間リング６、即ちこの中間
リングのロック突出部８に、およびこれら内側の爪部１９がバックアップロール
１、即ちこのバックアップロールの圧延ロールネック端部９にロックされている
。これら内側の爪部１８は、この実施例において、交換装置１６に固定された液
圧シリンダー２１のシリンダーピストン２０に設けられており、このシリンダー
ピストンの自由なシリンダーピストン端部２２が、ハンドル車２３を備えられて
いる。交換装置１６の取扱いが、図示されていない旋回クレーンによって行われ
得るのに対して、このハンドル車２３は、簡単な方法で、爪部のロック旋回を実
施するための可能性を提供する。

【００１５】 ここで、液圧シリンダー２１が、圧力によって、太字で図示された矢印の方向
に付勢された場合、内側の爪部１８を介してバックアップロール１に保持された
交換装置１６は、この交換装置の外側の爪部１７を介して、押圧リング１１を圧
延ロールネック軸受、即ちスラスト軸受５に対して押圧する。これによって、軸
受ユニット３は、ロールネックスリーブ２４により、この軸受ユニットが図１に
よる最終位置を占めるまで、益々、圧延ロールネック２の円錐部に押込まれる。

【００１６】 この組み込みはめ合いの保持のため、リングナット１２は、強固な当接に至る
まで締め付けられる。その後、爪部１７、１８は、補完的な通過溝部７または１
９に対して一列に移動され、従って、交換装置１６は取外され得る。それに加え
て、保持セグメント１５が、リングナット１２とねじ止めされる場合、このリン
グナットは、弛緩に対して保護される。前もって開放された閉鎖蓋２５が、圧延
ロールネック２を閉じ込めるこの閉鎖蓋の閉鎖位置（図１において、一点鎖線で
図示された）に旋回されてしまうやいなや、圧延作業は開始され得る。

【００１７】 図３において図示された引出し工程は、逆の順番で、さもなければしかし前記
の交換装置１６の載置と一致して、−ただし、リングナット１２からの保持セグ
メント１５の開放は、この載置に優先して−行われる。太字で図示された矢印の
方向に、液圧シリンダー２１のシリンダーピストン２０を付勢することによって
、押圧リング１１上に押圧が与えられ、且つリングナット１２が荷重を軽減され
、このリングナットは、その場合に開放可能であり、従って、この−図３におい
て従って図示されていない−保持セグメント１５（図１を参照のこと）は、取出
すことが可能である。４５°だけのロックリング１０の回転により、軸受ユニッ
ト３は、ロック解除される。液圧力の新たな付与の後、内側の爪部１８を介して
バックアップロール１に保持されるこの交換装置１６は、ここで中間リング６の
ロック突出部８に当接する外側の爪部１７を介して、この中間リング６を、且つ
従って軸受ユニット３全体を、ロールネックスリーブ２４と共に、図３において
図示されているように、圧延ロールネック２の円錐部から離反させる。このロー
ルネックスリーブ２４が自由になるやいなや、液圧力は遮断され、且つ、この交
換装置１６は、図１による装着との関連において説明されているように、取去ら
れる。慎重に、バックアップロール１から離間されるために、このチョック４お
よびスラスト軸受５を有する軸受ユニット３は、その場合に、自由である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 交換装置による装着の際の、縦断面図において図示された軸受ユニットを有す
るバックアップロールの圧延ロールネック端部の、図示されていないロールスタ
ンドの詳細図である。

【図２】 図１の線ＩＩ−ＩＩに沿った断面図である。

【図３】 引出し工程の際の、図１の対象物の図である。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロールスタンドのバックアップロールにおける、その内部に
   設けられた圧延ロールネック軸受を有するチョックから成る軸受ユニットの、装
   着および引出しのための装置において、 交換装置（１６）は、一時的に軸受ユニット（３）と結合可能に、且つ、バック
   アップロール（１）の方に向かって、およびこれから離れての方向に軸線方向運
   動を形成するために構成されていることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 交換装置（１６）は、レバー形の内側の爪部（１８）および
   レバー形の外側の爪部（１７）を有し、これら爪部によって、内側の爪部（１８
   ）がバックアップロール（１）のロールネック端部（９）内に、および外側の爪
   部（１７）が軸受ユニット（３）内に係合することを特徴とする請求項１に記載
   の装置。
3. 【請求項３】 内側および外側の爪部（１７、１８）は、旋回可能であり、
   且つバヨネット結合の様式により、ロールネック端部（９）においてまたは軸受
   ユニット（３）内においてロック可能であることを特徴とする請求項２に記載の
   装置。
4. 【請求項４】 ロールネック端部（９）、および外側で軸受ユニット（３）
   にねじで固定された中間リング（６）は、クローバの葉形に、内側および外側の
   爪部（１７、１８）のための通過溝部（７；１９）を有して形成されており、且
   つこれら爪部（１７、１８）に、後方で係合する位置に回転の後に、ロールネッ
   ク端部（９）または中間リング（６）の、それら自体で補完的なロック突出部（
   ８）が設けられており、且つ、これら外側の爪部（１７）に、それに加えて更に
   、圧延ロールネック軸受（５）の前方に接続されている押圧リング（１１）が相
   対して位置していることを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 内側の爪部（１８）は、交換装置（１６）内に一体にされた
   液圧シリンダー（２１）のピストン（２０）に設けられていることを特徴とする
   請求項２から４のいずれか一つに記載の装置。
6. 【請求項６】 内側の爪部（１８）と反対側の自由なピストン端部（２２）
   は、ハンドル車（２３）を備えられていることを特徴とする請求項５に記載の装
   置。