JP2003508352A - MMP−9およびβ1インテグリンに基づくアンタゴニストを用いた血管形成の抑制のための新規な方法および組成物 - Google Patents

MMP−9およびβ1インテグリンに基づくアンタゴニストを用いた血管形成の抑制のための新規な方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を含むタンパク質−タンパク質相互作用を修飾するためのアンタゴニストが記載される。このようなアンタゴニストは、血管形成、腫瘍増殖および疾病状態を抑制する。アンタゴニストの例は、ポリペプチドおよび非ポリペプチド分子、例えば、新規の抗体MabFM155および新規の合成ペプチドFRIP−1である。このようなアンタゴニストを投与することによる血管形成および疾患状態の抑制方法が開示される。MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を含むタンパク質−タンパク質相互作用を修飾するアンタゴニストの同定方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願データ 本出願は、米国特許出願第60/152,495号(1999年9月2日出願)および第60/143
,581号(1999年7月13日出願)(これらの記載内容はともに、参照により本明細
書中に含まれる)の35 U.S.C.119(e)下での利点を要求する。
【0002】 政府後援 本発明は、National Institute of Healthによる約定番号R29CA74132下での政
府後援により成された。
【0003】 産業上の利用分野 本発明は、一般的に医療分野に関するものであり、特にMMP−9および/ま
たはβ1インテグリン内で見出された特定の配列のアンタゴニストを用いて、組
織における血管形成を抑制するための、あるいは血管形成を検出するための方法
および組成物に関する。
【0004】 発明の背景 腫瘍の増殖および転移は、毎年多数の人々に衝撃を与えている。実際、米国だ
けで毎年、優に600,000例を越える癌の新症例が診断されている(Varner, J.A.,
Brooks, P.C. および Cheresh, D.A.(1995)Cell Adh. Commun. 3, 367-374)
。すべての固形腫瘍の増殖は、最小サイズを超えた腫瘍の連続拡張のためには新
規の血管増殖を要する、ということを多くの研究が示唆してきた(Varner 他 19
95; Blood, C.H. および Zetter, B.R.(1990) Biocim. Biophys. Acta. 1032:
89-118; Weidner, N. 他(1992)J. Natl. Cancer Inst.84:1875-1887; Weidner
, N. 他(1991). N. Engl. J. Med. 324:1-7; Brooks, P.C. 他(1995)J. Cli
n. Invest. 96:1815-1822; Brooks, P.C. 他(1994)Cell 79:1157-1164; Brook
s, P.C. 他(1996)Cell 85, 683-693; Brooks, P.C. 他(1998)Cell 92:391-4
00)。眼性疾患、例えば、黄斑変性および糖尿病性網膜症を含めた広範な種々の
その他のヒト疾患も、不規則血管発達により特性化される。さらに、多数の炎症
性疾患も、非制御化新生血管形成(neovascularization)、例えば、関節炎およ
び乾癬に関連する(Varner 他 1995)。
【0005】 新しい血管は、血管形成(angiogenesis)として既知の生理学的過程により先
在する血管から発達する(Varner 他 1995; Blood および Zetter 1990; Weidne
r 他 1992)。この複雑な過程は、増殖因子、細胞接着受容体、マトリックス分
解酵素および細胞外マトリックス構成成分を含めた種々の分子の協同作用を要す
る(Varner 他 1995; Blood および Zetter 1990; Weidner 他 1992)。したが
って、血管形成を遮断するよう意図された療法は、固形腫瘍の増殖に影響を及ぼ
し得る。実際、腫瘍新生血管形成の遮断は種々の動物モデルにおける腫瘍増殖を
抑制し得るという明らかな証拠が提示されており、ヒト臨床データはこの論点を
同様に支持し始めている(Varner, J.A., Brooks, P.C. および Cheresh, D.A.
(1995)Cell Adh. Commun. 3, 367-374)。
【0006】 血管形成の抑制は、(1)「血管形成分子」、例えば、βFGF(繊維芽細胞
増殖因子)の放出の抑制、(2)抗−βFGF抗体の使用によるといった血管形
成分子の中和、および(3)血管形成性刺激に対する内皮細胞応答の抑制により
影響され得る、ということも提唱されている。この後者の戦略は、注目されてお
り、Folkman等(Cancer Biology, 3:89-96(1992))は、血管形成を抑制するた
めに用い得るいくつかの内皮細胞応答阻害剤、例えば、コラゲナーゼ阻害剤、基
底膜代謝回転阻害剤、血管***抑制ステロイド、真菌由来血管形成阻害剤、血小
板因子4、トロンボスポンジン、関節炎薬、例えば、D−ペニシラミンおよび金
チオマレエート、ビタミンD3類似体、α−インターフェロン等を記載している
。血管形成の提唱されたさらに別の阻害剤に関しては、Blood および Zetter 19
90; Moses 他(1990)「Science」 248:1408-1410; Ingber 他(1988)「Lab. I
nvest.」 59:44-51;および米国特許第5,092,885号、第5,112,946号、第5,192,74
4号および第5,202,352号を参照されたい。
【0007】 血管形成を遮断するために、多数の研究者が血管形成を開始する増殖因子およ
びサイトカインに焦点を絞ってきた(Varner 他 1995; Blood および Zetter 19
90; Weidner 他 1992;Weidner 他 1991; Brooks 他 1995; Brooks 他 1994; Br
ooks 他 1997)。しかしながら、血管形成を刺激する能力を有する多数の別個の
増殖因子およびサイトカインが存在する。単一サイトカインを遮断することの療
法的利点は、この冗長性のために限定された利点を有し得るに過ぎない。したが
って、必要なのは、血管形成およびタンパク質分解を抑制するためのその他の抗
−血管形成性標的である。
【0008】 発明の要約 侵襲性細胞は、細胞表面にタンパク質分解活性を局在させるために、そして侵
襲性細胞行動を促すために、酵素およびインテグリン受容体を包含するタンパク
質−タンパク質相互作用を利用する。本発明は、細胞接着および細胞外マトリッ
クス(ECM)のタンパク質分解を標的にするアンタゴニストを用いて血管形成
および腫瘍増殖を抑制するための方法および組成物を提供する。特に本発明は、
細胞表面に関与する、侵襲性細胞がタンパク質分解活性を局在化する、独特のメ
カニズムの発見に基づいた血管形成を抑制するための新規の組成物および方法を
提供する。
【0009】 本発明の特定の一局面は、細胞接着および細胞外マトリックス(ECM)のタ
ンパク質分解のアンタゴニストを含むタンパク質−タンパク質相互作用の血管形
成アンタゴニストを抑制するための組成物を提供する。
【0010】 本発明の別の局面は、タンパク質分解酵素MMP−9および/またはβ1イン
テグリン受容体内に見出されるある種の配列を包含するタンパク質−タンパク質
相互作用を修飾するアンタゴニストを含む血管形成を抑制するための組成物を提
供する。このようなアンタゴニストとしては、MMP−9およびβ1インテグリ
ン受容体と免疫反応する抗体またはその機能的断片、あるいはMMP−9および
β1インテグリン受容体の複合体に対する特異性を有するポリペプチドまたはペ
プチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】 本発明のさらに別の局面は、細胞接着および細胞外マトリックス(ECM)の
タンパク質分解のアンタゴニスト、例えば、MMP−9およびβ1インテグリン
受容体と免疫反応する抗体またはその機能的断片、あるいはMMP−9およびβ
1インテグリン受容体の複合体に対する特異性を有するポリペプチドまたはペプ
チド(これらに限定されない)に組織を接触させることを包含する血管形成の抑
制方法を含む。
【0012】 本発明の別の局面は、疾病状態または組織中の血管形成の抑制方法も記載する
。これらの方法は、例えば、血管形成抑制量のタンパク質分解酵素MMP−9の
細胞表面への局在のアンタゴニストを含む組成物を組織に投与することを含む。
【0013】 本発明が適用される疾病状態は、腫瘍増殖または転移、黄斑変性、乾癬、ある
組織における再狭窄等であり得る。 処置される組織は、血管形成の抑制が望ましい任意の組織、例えば、新生血管
形成が起こりつつある疾病組織である。組織の例としては、炎症組織、固形腫瘍
、転移、再狭窄を受けている組織等が挙げられる。
【0014】 本発明のアンタゴニストを組織と接触させることによる、血管形成、腫瘍性組
織、転移および組織への腫瘍侵襲を検出するための方法も提供される。 本発明は、本発明のアンタゴニストをスクリーニングするための方法も提供す
る。
【0015】 (発明の詳細な説明) 本発明にしたがって、タンパク質分解酵素MMP−9および/またはβ1イン
テグリン受容体内にある種の配列を包含するタンパク質−タンパク質相互作用が
、細胞表面にタンパク質分解活性を局在化することにより血管形成および/また
は腫瘍増殖に関与する、ということが発見された。したがって、MMP−9およ
び/またはβ1インテグリン受容体内に見出されるある種の配列を包含するこの
ようなタンパク質−タンパク質相互作用を修飾することは血管形成および/また
は腫瘍増殖を阻害し得る。
【0016】 MMP−9およびβ1インテグリン間の相互作用 MMP−9 生理学的状態においては、結合組織の合成は細胞外マトリックスの分解と動的
平衡状態にある。その分解は、一部は、結合組織の分解およびリモデリングに関
与するプロテアーゼ(酵素)の一ファミリーであるマトリックスメタロプロテア
ーゼ(「MMP」)による。このファミリーのエンドペプチダーゼ酵素の成員は
、結合組織中に存在するかまたはそれに関連した種々の種類の細胞、例えば、繊
維芽細胞、単球、マクロファージ、内皮細胞および侵襲性または転移性腫瘍細胞
からプロ酵素として分泌される。MMP発現は、局所組織環境中の増殖因子およ
びサイトカインにより刺激されるが、この場合、これらの酵素は細胞外マトリッ
クスのタンパク質構成成分、例えば、コラーゲン、プロテオグリカン(タンパク
質コア)、フィブロネクチンおよびラミニンを特異的に分解するよう作用する。
これらの遍在性細胞外マトリックス構成成分は、関節、間隙性結合組織、基底膜
および軟骨の内張り中に存在する。MMPは、亜鉛およびカルシウム依存性、チ
モーゲンとしての分泌および40〜50%アミノ酸配列相同性を含めた多数の特性を
共有する。
【0017】 MMPによる細胞外マトリックスの過剰分解は、慢性および急性の両方の多数
の疾患の病因に関係がある。例えば、「Exp. Opin. Invest. Drugs」 5, 323-33
5(1996)で再検討されているような多数の研究が、MMPの発現および活性化
は腫瘍の増殖、侵襲および転移における重大事象であることを確定している。さ
らに、MMP活性は、腫瘍増殖にならびにその他の病理学的症状、例えば、黄斑
変性に必要である血管形成のために必要であることが見出されている。
【0018】 このファミリーの酵素の成員としては、コラゲナーゼ(MMP−1)、ゼラチ
ナーゼまたはIV型コラゲナーゼ(MMP−2、MMP−9)、マトリリシン(
MMP−7、PUMP−1)およびストロメリシン(MMP−3)が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0019】 ここで特に興味深いのは、ゼラチナーゼMMP−9が、単核貪食細胞、好中球
、隔膜上皮細胞、腫瘍細胞、栄養膜細胞層およびケラチノサイトにより放出され
る92-kD酵素であることである。
【0020】 多数の生理学的過程が、細胞が他の細胞および/または細胞外マトリックスと
ぴったり接触するようになることを必要とする。このような接着事象は、細胞の
活性化、移動、増殖および分化に必要であり得る。細胞−細胞および細胞−マト
リックス相互作用は、セレクチン、インテグリン、カドヘリンおよび免疫グロブ
リンを含めた細胞接着分子(Cam)のいくつかのファミリーにより媒介される
。Camは、正常および病理生理学的過程の両方において本質的役割を演じる。
したがって、正常細胞機能の妨害を伴わないある種の疾患状態における特定のお
よび関連するCamのターゲッティングは、細胞−細胞および細胞−マトリック
ス相互作用を抑制する有効且つ安全な治療薬には不可欠である。
【0021】 前記の種々のCamのうち、インテグリンスーパーファミリーは、ほとんどす
べての哺乳類細胞型に関する種々の組合せにおいて見出される(再検討のために
は、E.C. Butcher, Cell, 67, 1033(1991); T.A. Springer, Cell, 76, 301(
1994); D. Cox 他 “The Pharmacology of the Integrins.” Medicinal Resea
rch Rev. 14, 195(1994)およびV.W. Engleman 他 ”Cell Adhesion Integrins
as Pharmaceutical Targets.” in Ann. Repts. in Medicinal Chemistry, Vol
. 31, J.A. Bristol 編; Acad. Press, NY, 1996, p.191参照)。
【0022】 インテグリンは、接着受容体の最良に特性化されたスーパーファミリーのうち
の1つを代表する。インテグリンは、非共有的会合アルファ(α)およびベータ
(β)サブユニットを含有する糖タンパク質ヘテロ二量体である。インテグリン
サブユニットは、細胞外マトリックスまたは細胞構成成分と相互作用するための
細胞外ドメイン、細胞膜に及ぶ膜貫通ドメイン、ならびに1つ以上の細胞骨格構
成成分と相互作用するための細胞質ドメインを含有する膜貫通タンパク質である
【0023】 対合して少なくとも20の異なるインテグリン分子を生成し得る14の既知のアル
ファサブユニットおよび8つの既知のβサブユニットが存在する。いくつかの別
個のインテグリンα鎖は、ある型のβ鎖と対合してβ鎖サブファミリーを形成し
得る。
【0024】 ここで特に興味深いのは、βサブ1(β)サブファミリーで、これは、7つの
成員(VLAタンパク質:α1β1〜α7β1としても既知である)を含む。下
記の例が示すように、血管形成および疾患状態は、このようなインテグリンの一
例であるβ1インテグリンα5β1のある種のアミノ酸配列を包含するタンパク
質−タンパク質相互作用を修飾するためのアンタゴニストを用いて抑制し得る。
本明細書を通して、β1インテグリンおよびβ1含有インテグリンという用語は
、交換可能的に用いられる。
【0025】 本発明のアンタゴニスト 本明細書中に提供された実施例は、MMP−9がβインテグリン、α5β1イ
ンテグリンと直接結合することを確定する。したがって、β1インテグリンを作
るための遺伝子を欠く細胞は、かなり低減されたMMP−9結合能力を示す。実
施例は、MMP−9およびα5β1インテグリンがヒト血管区画内ならびに腫瘍
細胞それ自体に密接に関連していることを示すために、MMP−9およびα5β
1インテグリンが細胞の表面および血管に同時局在化し得るということも示唆す
る。
【0026】 さらにMMP−9およびα5β1インテグリンのアミノ酸配列の分析は、これ
ら2つのタンパク質間の相互作用を媒介するためのFRIP−1(配列番号1)
と同定されるポリペプチドをもたらす。FRIP−1はMMP−9と結合するが
、しかし対照ペプチドAAAA(配列番号3)は実質的に低減された親和性で、
MMP−9と結合する。FRIP−1は、血管形成を抑制することが判明した。
【0027】 さらに、実施例が示すように、FRIP−1は、MMP−9および/またはα
5β1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を包含するタンパク質−タンパク
質相互作用を修飾するためのアンタゴニストを同定するために用い得る。したが
って、Mab FM155は、担体タンパク質と結合されたFRIP−1をマウス
に注入することにより同定された。MabFM155は、FRIP−1に対する高
特異性を有するが、しかし対照ペプチドAAAA:配列番号3と反応しなかった
【0028】 Mab FM155は腫瘍増殖を生体内で強力に抑制し得ることを実施例は説明
する。したがってMab FM155は、 MMP−9および/またはα5β1イン
テグリン内にある種のアミノ酸配列を包含するタンパク質−タンパク質相互作用
を修飾する。
【0029】 本発明のアンタゴニストは、あらゆる種類の分子であり得る。その例としては
、ペプチド、ポリペプチド、非ペプチド分子、例えば、有機分子およびオリゴヌ
クレオチド、タンパク質、酵素、抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)
等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】 本発明のアンタゴニストはFRIP−1と結合するが、しかし実質的に低減化
された親和性で対照ペプチドAAAAと結合する。見掛けの親和性は、酵素結合
免疫吸着剤検定(ELIS)のような方法によりまたは当業者に周知の任意のそ
の他の技法により確定し得る。真の親和性は、当業者に既知の技法により測定し
得る。
【0031】 さらに、当業者に既知であるように、Mab FM155により限定されるエピ
トープに特異的に向けられるその他のアンタゴニストは、同様の抗血管形成およ
び抗腫瘍活性を有し得る。このようなアンタゴニストとしては、付加的機能遮断
Mab、ヒト化Mab、キメラMab、毒素結合Mab、ポリクローナル抗体、
このエピトープに向けられる小型ペプチドアンタゴニスト、ならびにFM155に
より限定されるエピトープの有機および非ペプチド性模倣物が挙げられる。さら
に、モノクローナル抗体FM155により限定されるエピトープは、それ自体、有
力な抗血管形成および/または抗腫瘍化合物として機能する。さらにアンタゴニ
ストにより認識されるペプチド含有エピトープは、それ自体用い得る。したがっ
て、本発明はいくつかの実施態様を採用し得る。
【0032】 例えば、本発明の一実施態様は、タンパク質−タンパク質相互作用を特異的に
修飾するアンタゴニストであって、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用
は第一タンパク質内の少なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の
少なくとも1つのアミノ酸配列間の相互作用を含む。このようなアンタゴニスト
の第一タンパク質は、MMP−9であり、あるいはそれはβ1含有インテグリン
であり得る。あるいは、第一タンパク質はMMP−9であり、第二タンパク質は
β1含有インテグリンであり得る。さらにこのような場合、タンパク質−タンパ
ク質相互作用はMMP−9をβ1含有インテグリンと結合させるようなものであ
り得る。
【0033】 あるいは、第一タンパク質がβ1含有インテグリンである場合、それはα5β
1インテグリンであるか、あるいは第二タンパク質がβ1含有インテグリンであ
る場合、それはα5β1インテグリンであり得る。
【0034】 一実施態様では、アンタゴニストはタンパク質−タンパク質相互作用が、細胞
表面または血管における第一タンパク質および第二タンパク質の同時局在化を引
き起こすようなものである。
【0035】 本発明のアンタゴニストは、血管形成、腫瘍増殖または転移を抑制するアンタ
ゴニストである。一般的場合、それは疾患を抑制するアンタゴニストであり得る
。このような疾患の例は、乾癬、黄斑変性、神経学的疾患およびある組織におけ
る再狭窄である。
【0036】 別の実施態様では、本発明のアンタゴニストはモノクローナル抗体である。例
えば、それはMab FM155であり得るし、それはモノクローナル抗体FM155
、ヒト化または化学的修飾化モノクローナル抗体、またはモノクローナル抗体の
断片の少なくとも1つの標的に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体で
あり得る。あるいはそれは、ポリクローナル抗体であり得る。
【0037】 さらに別の実施態様では、本発明のアンタゴニストは、ポリペプチド、線状ペ
プチドまたは環状ペプチドである。あるいはそれは、非ペプチド化合物であり得
る。例えば、本発明のアンタゴニストは、小型有機化合物またはオリゴヌクレオ
チドであり得る。
【0038】 一実施態様では、本発明のアンタゴニストは細胞傷害剤または細胞***抑制剤
に結合される。
【0039】 別の実施態様では、本発明は、血管形成または腫瘍増殖を抑制するためのポリ
ペプチドであって、この場合、ポリペプチドはMMP−9に対する配列番号3の
結合能力より有意に大きい結合能力でMMP−9と特異的に結合する。例えば、
このようなポリペプチドはタンパク質である。
【0040】 好ましい一実施態様では、本発明のポリペプチドは配列番号1である。あるい
はポリペプチドは、ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1を含むようなもの
である。
【0041】 さらに別の実施態様では、本発明のポリペプチドはモノクローナル抗体である
。例えば、ポリペプチドは、モノクローナルFM155である。 別の実施態様では、本発明は、血管形成または腫瘍増殖を抑制するためのポリ
ペプチドであって、この場合、ポリペプチドはβ1含有インテグリンに対する配
列番号3の結合能力より有意に大きい結合能力でβ1含有インテグリンと特異的
に結合する。この実施態様では、ポリペプチドは、タンパク質、配列番号1であ
り、そのアミノ酸配列が配列番号1を含むポリペプチド、またはモノクローナル
抗体、例えば、FM155である。
【0042】 別の実施態様では、本発明は、配列番号1と特異的に結合するが、しかし配列
番号3とは実質的に低減された親和性で結合するアンタゴニストである。このよ
うなアンタゴニストは、血管形成および腫瘍増殖を抑制する。この実施態様では
、アンタゴニストは、ポリペプチド、例えば、タンパク質であるか、またはそれ
は、そのアミノ酸配列が配列番号1を含むポリペプチドである。ポリペプチドは
モノクローナル抗体、例えば、FM155であり得る。
【0043】 別の実施態様では、本発明は、細胞表面または血管におけるMMP−9の局在
を乱すアンタゴニストである。この実施態様では、アンタゴニストは、血管形成
および腫瘍増殖を抑制するようなものである。さらに、このようなアンタゴニス
トは、ポリペプチド、例えば、タンパク質、そのアミノ酸配列が配列番号1を含
むポリペプチド、またはモノクローナル抗体、例えば、FM155であるポリペプ
チドである。
【0044】 別の実施態様では、本発明は、タンパク質タンパク質相互作用を特異的に修飾
するアンタゴニストにより認識されるエピトープをコードする配列を含むペプチ
ドであって、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用は第一タンパク質内の
少なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少なくとも1つのアミ
ノ酸配列間の相互作用を含む。この実施態様の一バージョンでは、アンタゴニス
トはモノクローナル抗体、例えば、Mab FM155である。別の変形では、ペ
プチドは配列番号1のアミノ酸配列からなる。
【0045】 抗体アンタゴニスト 本発明は、一実施態様において、抗体の形態のアンタゴニストを記載するが、
これは一般的場合には、MMP−9および/またはβ1インテグリン内のある種
のアミノ酸配列を包含するタンパク質−タンパク質相互作用を修飾する。このよ
うな抗体は、ポリペプチド配列、配列番号1を有するペプチドと結合するが、配
列番号3の対照ペプチド配列と結合しない抗体を含み得る。このような抗体アン
タゴニストも血管形成を抑制し得る。本発明は、抗体を産生する細胞株、細胞株
を産生するための方法、およびモノクローナル抗体を産生するための方法も記載
する。
【0046】 本発明の抗体は、モノクローナルまたはモノクローナルであり得る。一実施態
様では、用いられる抗体はモノクローナルである。本発明のモノクローナル抗体
は、MMP−9およびα5β1インテグリンと免疫反応する抗体分子を含む。 FRIP−1と優先的に結合する好ましいモノクローナル抗体としては、FM
155と呼ばれるモノクローナル抗体が挙げられる。
【0047】 本発明の抗体アンタゴニストは、当業者に既知の多数の方法により生じさせ得
る。例えば、動物は、FRIP−1またはその断片で免疫感作させ得る。このよ
うに生成される抗体は、FRIP−1(配列番号1)と結合するが、しかし対照
配列番号3と結合しないそれらの能力のために選択し得る。
【0048】 「抗体または抗体分子」という種々の文法的形態での用語は、本明細書中では
、免疫グロブリン分子の集団および/または免疫グロブリン分子、即ち抗体結合
部位またはパラトープを含有する分子の免疫学的活性部分を示す集合名詞として
用いられる。
【0049】 「抗体結合部位」とは、抗原を特異的に結合する重鎖および軽鎖可変部および
超可変部領域で構成される抗体分子の構造的部分である。 本発明で用いるための抗体の例は、無傷免疫グロブリン分子、実質的無傷免疫
グロブリン分子およびパラトープを含有する免疫グロブリン分子の一部、例えば
、Fab、Fab’、F(ab’)2およびF(v)として当業界で既知で、抗
体断片とも呼ばれる部分である。
【0050】 別の好ましい実施態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体由来のF
ab断片を含む切頭化免疫グロブリン分子を意図する。Fc受容体を欠くFab
断片は、可溶性であり、血清半減期における治療的利点、ならびに可溶性Fab
断片の使用方式での診断的利点を提供する。可溶性Fab断片の調製は、免疫学
的業界で一般的に既知であり、種々の方法により成し遂げ得る。
【0051】 例えば、抗体のFabおよびF(ab’)2部分(断片)は、周知の方法によ
り、実質的無傷抗体でのそれぞれパパインおよびペプシンのタンパク質分解反応
により調製される(例えば、米国特許第4,342,566号(TheofilopolousおよびDix
on)参照)。Fab’抗体部分も周知であり、F(ab’)サブ2部分から産生
され、その後、メルカプトエタノールの場合と同様に2つの重鎖部分を連結する
ジスルフィド結合を還元し、そしてその後、その結果生じたタンパク質メルカプ
タンを、試薬、例えば、ヨードアセトアミドによりアルキル化する。無傷免疫グ
ロブリン分子を含有する抗体が好ましく、本明細書中で説明されているように利
用し得る。
【0052】 「モノクローナル抗体」という種々の文法的形態での語句は、特定のエピトー
プと免疫反応し得る1種の抗体結合部位のみを含有する抗体分子の集団を指す。
したがって、モノクローナル抗体は、各々が異なるエピトープに対して免疫特異
的である複数の抗体結合部位を有する抗体分子、例えば、二特異的モノクローナ
ル抗体を含有する。
【0053】 モノクローナル抗体は、典型的には、1種類の抗体分子のみを分泌(産生)す
るハイブリドーマと呼ばれる単一細胞のクローンにより産生される抗体で構成さ
れる。ハイブリドーマ細胞は、抗体産生細胞および黒色腫またはその他の自己不
朽細胞株を融合することにより生成される。このような抗体の調製は、Kohler
および Milstein 「Nature」 256:495-497(1975)(この記載内容は、参照によ
り本明細書中に含まれる)により最初に記載された。さらに別の方法は、Zola
「Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques」 CRC Press, Inc.(1987
)により記載されている。そのように調製されたハイブリドーマ上清を、MMP
−9および/またはα5β1インテグリンと免疫反応する抗体分子の存在に関し
てスクリーニングし得る。
【0054】 要するに、モノクローナル抗体組成物が産生されるハイブリドーマを形成する
ために、黒色腫またはその他の自己不朽細胞株が、FRIP−1で高度免疫感作
された哺乳類の脾臓から得られるリンパ球と融合される。
【0055】 ハイブリドーマを調製するために用いられる黒色腫細胞株は、リンパ球と同一
種からであるのが好ましい。典型的には、129G1X.sup.+株のマウスが好ましい哺
乳類である。本発明で用いるための適切なマウス黒色腫としては、それぞれCR
L1580およびCRL1581の名称でAmerican Type Culture Collection, Rockvill
e, Md.から入手可能なヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン感受性(HA
T)細胞株P3X63-Ag8.653およびSp2/0-Ag14が挙げられる。
【0056】 脾臓細胞は、典型的にはポリエチレングリコール(PEG)1500を用いて黒色
腫細胞と融合される。融合ハイブリッドは、選択増殖培地、例えば、HAT(ヒ
ポキサンチン アミノプテリン チミジン)培地に対するそれらの感受性により
選択される。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、実施例
に記載された酵素結合免疫吸着剤検定(ELISA)を用いて同定される。
【0057】 本発明のモノクローナル抗体は、適切な特異性を有する抗体分子を分泌するハ
イブリドーマを含有する栄養培地を含むモノクローナルハイブリドーマ培養を開
始することによっても産生し得る。培養は、ハイブリドーマが培地中に抗体分子
を分泌するのに十分な条件下および時間で保持される。次に抗体含有培地が収集
される。次に周知の技法により、抗体分子をさらに単離し得る。
【0058】 これらの組成物の調製のために有用な培地は、当業界で周知であり、そして市
販されており、その例としては、合成培地、近交系マウス等が挙げられる。合成
培地の例は、4.5 g/Lのグルコース、20 nMのグルタミンおよび20%ウシ胎仔血清
を補充したダルベッコの最小必須培地(DMEM;Dulbecco 他, Virol. 8:396,
1959)である。近交系マウス系統の例は、Balb/cである。
【0059】 モノクローナル抗体、ハイブリドーマ細胞またはハイブリドーマ細胞培養を産
生するその他の方法も周知である。例えば、Sastry 他(1989)「Proc. Natl. A
cad. Sci. USA」 86:5728-5732;およびHuse 他(1989)「Science」 246:1275-1
281により記載されたような免疫学的レパートリーからのモノクローナル抗体の
単離方法を参照されたい。
【0060】 ハイブリドーマ細胞および本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞を含有する培養も、本発明により意図される。特に好ましいのは、モノ
クローナル抗体FM155を分泌するハイブリドーマ細胞株である。
【0061】 本発明は、一実施態様において、FM155の免疫反応特徴を有するモノクロー
ナル抗体を意図する。
【0062】 モノクローナル抗体が本発明のモノクローナル抗体と等価の特異性(免疫反応
特徴)を有するか否かを確定する方法を、前者が予備選定標的分子との結合から
後者を防止するか否かを確かめることにより、当業者は知るだろう。固相中に存
在する場合に標的分子との結合に関する標準競合検定において本発明のモノクロ
ーナル抗体による結合の低減により示されるように、試験されているモノクロー
ナル抗体が本発明のモノクローナル抗体と競合する場合には、2つのモノクロー
ナル抗体は同一のまたは非常に関連するエピトープと結合すると思われる。
【0063】 モノクローナル抗体が本発明のモノクローナル抗体の特異性を有するか否かを
確定するための付加的方法は、問題の抗体のCDR領域のアミノ酸残基配列を確
定することである。CDR領域に同一のまたは機能的に等価のアミノ酸残基配列
を有する抗体分子は、同一結合特異性を有する。ポリペプチドのシーケンシング
方法は、当業界で周知である。これは、別個のCDR領域を有する抗体が同一エ
ピトープと結合し得ないことを示唆しない。
【0064】 抗体の免疫特異性、標的分子結合能力およびエピトープに関して抗体が示す付
随親和性は、抗体が免疫反応するエピトープにより限定される。エピトープ特異
性は、少なくとも一部は、免疫グロブリン抗体の重鎖の可変部のアミノ酸残基配
列により、そして一部は軽鎖可変部アミノ酸残基配列により限定される。
【0065】 「〜の結合特異性を有する」という用語の使用は、等価のモノクローナル抗体
が予備選定標的エピトープとの結合に関して競合することを示す。 ヒト化モノクローナル抗体は、特にそれらがヒトにおいて治療的に用い得る限
りにおいて、ネズミモノクローナル抗体を上回る特定の利点を提供する。特に、
ヒト抗体は「外来」抗原と同じくらい迅速に循環から清掃されるわけではなく、
外来抗原および外来抗体と同様の方法で免疫系を活性化するわけではない。
【0066】 「ヒト化」抗体の調製方法は、当業界で一般的に周知であり、本発明の抗体に
容易に適用し得る。
【0067】 したがって、本発明は、一実施態様において、抗原に結合する抗体の能力を実
質的に妨げることなく、ヒト免疫系の構成成分を導入するための移植によりヒト
化される本発明のモノクローナル抗体を意図する。
【0068】 本発明の抗体は、例えば、de Haard, H.J. 他(1999)「J. Biol. Chem.」 27
4:18218-30およびWinter, G. 他(1994)「Annu. Rev. Immunol.」 12:433-55に
記載されているもののようなヒト一本鎖または二本鎖抗体を標示する抗体ファー
ジ標示ライブラリーからの選択により生成されるもののような完全ヒト抗体でも
あり得る。
【0069】 ペプチド/ポリペプチドアンタゴニスト 本発明のアンタゴニストは、ポリペプチドまたはペプチドでもあり得る。ポリ
ペプチドという用語は、連続アミノ酸残基のαアミノ基およびカルボキシ基間の
ペプチド結合により互いに連結される3つ以上のアミノ酸の配列を指し、タンパ
ク質として知られている化合物の種類をその意味内に含む。ペプチドという用語
は、本明細書中で用いられる場合、ポリペプチドの場合と同様に互いに連結され
た2つ以上の線状列を指す。
【0070】 一実施態様において、本発明は、ポリペプチドの形態のアンタゴニストを意図
する。細胞表面へのMMP−9の局在のポリペプチドアンタゴニストは、細胞表
面へのMMP−9の局在を乱し得る、あるいはさらに一般的には、MMP−9お
よび/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を含むタンパク質−タ
ンパク質相互作用を修飾し得る任意のペプチドまたはポリペプチドであり得る。 MMP−9またはβ1インテグリンに対する選択性を有する好ましいアンタゴ
ニストペプチドの同定は、実施例に記載したELISA検定のような結合検定の
典型的抑制において、容易に同定し得る。
【0071】 ペプチドおよびポリペプチドアンタゴニストは、当業者に既知の多数の技法に
より生成させ得る。例えば、2つのハイブリッド系(例えば、Fields, S.(1989
)Nature 340:245-6)は、FRIP−1と結合するライブラリーからタンパク質
アンタゴニストを選定するための「餌」としてMMP−9の断片を用い得る。考
え得るアンタゴニストのライブラリーは、例えば、cDNAライブラリーに由来
し得る。別の実施態様では、考え得るアンタゴニストは、既知のMMP−9結合
タンパク質の変異体であり得る。このようなタンパク質は、無作為突然変異誘発
化させ得るか、あるいは遺伝子シャッフリングを、または配列構造分散性を生じ
るためのその他の利用可能な技法を施し得る。
【0072】 本発明のペプチドおよびポリペプチドアンタゴニストは、分子進化の技法によ
っても生成し得る。タンパク質のライブラリーは、突然変異誘発、遺伝子シャッ
フリングまたは分子構造分散性を生成するためのその他の利用可能な技法により
生成させ得る。多数の変異体を示すタンパク質プールは、例えば、FRIP−1
が結合されていた固体マトリックスからこのようなタンパク質プールをはずすこ
とにより、FRIP−1に結合するそれらの能力に関して選択し得る。例えば、
塩の勾配による溶離は、FRIP−1に対する親和性を有する変異体の精製を提
供し得る。それによりこのようなプールが、対照ペプチドAAAA(配列番号3
)が結合されていた固体マトリックスからはずされる陰性選択段階も含まれる。
濾液は、AAAAに対する親和性低減を示すプール内にそれらの変異体を含有す
る。
【0073】 本発明のペプチドおよびポリペプチドアンタゴニストは、ファージ標示によっ
ても生成させ得る。無作為化ペプチドまたはタンパク質は、ファージコートタン
パク質との融合物としてファージミド粒子の表面に発現させ得る。一価ファージ
標示の技法は、広範に利用可能である(例えば、Lownman H.B. 他(1991)Bioch
emistry 30:10832-8参照)。無作為化ペプチドまたはタンパク質ライブラリーを
発現するファージは、AAAA分子が結合されていた固体マトリックスで捕らえ
られる。残りのファージは、AAAAを結合しないか、または実質的に低減され
た親和性でAAAAを結合する。次にファージは、FRIP−1が結合されてい
た固体マトリックスに対して捕らえられる。溶液条件の変化により、または適切
に設計された構築物に関して、ファージコートタンパク質を無作為化ペプチドま
たはタンパク質ライブラリーと連結するリンカー領域のタンパク質分解的切断に
より、結合ファージは単離され、固体マトリックスから分離される。単離ファー
ジは、選定アンタゴニストの同一性を確定するためにシーケンシングさせ得る。
【0074】 別の実施態様では、ポリペプチドがFRIP−1のアンタゴニストであるが、
しかし配列番号3の対照ペプチドのアンタゴニストでない限り、ポリペプチドは
、そのアミノ酸残基配列が本明細書中に示されているポリペプチドのあらゆる類
似体、断片または化学的誘導体を含む。したがって、本発明のポリペプチドに種
々の変化、置換、挿入および欠失を施し得るが、この場合、このような変化はそ
の使用にある種の利点を提供する。この点では、本発明のFRIP−1アンタゴ
ニストポリペプチドは1つ以上の変化が成され、それが1つ以上の本明細書中に
記載した検定において本発明のアンタゴニストとして機能する能力を保持する引
用ペプチドの配列に対応し、むしろそれと同一である。
【0075】 したがって、ポリペプチドは、ペプチド誘導体の種々の形態のいずれかであり
、その例としては、アミド、タンパク質との複合体、環化ペプチド、重合ペプチ
ド、類似体、断片、化学的修飾ペプチド等の誘導体が挙げられる。
【0076】 その他のアンタゴニスト 本発明のアンタゴニストは、小型有機分子、例えば、天然物質、または慣用的
有機合成または組合せ有機合成により合成された化合物でもあり得る。化合物は
、MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を包含
するタンパク質−タンパク質相互作用を修飾するそれらの能力に関して試験させ
得る。化合物は、対照ペプチドAAAA、配列番号3に対する親和性低減に関し
ても選択される。
【0077】 本発明のアンタゴニストは、非ペプチド化合物でもあり得る。適切な非ペプチ
ド化合物としては、例えば、オリゴヌクレオチドが挙げられる。オリゴヌクレオ
チドは、本明細書中で用いる場合、プリン、ピリミジンおよびその他の芳香族塩
基を含有する任意のヘテロポリマー物質を指す。DNAおよびRNAオリゴヌク
レオチドは、糖(例えば、2’アルキル化リボース)および主鎖修飾(例えば、
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド)を有するオリゴヌクレオチドであるの
で、本発明とともに用いるのに適している。オリゴヌクレオチドは、一般的に見
出されたプリンおよびピリミジン塩基、例えば、アデニン、チミン、グアニン、
シチジンおよびウリジン、ならびに複素環式環タンパク質(例えば、7−デアザ
グアニン)内または環外位置で修飾された塩基を提示し得る。オリゴヌクレオチ
ドは、ポリアミド核酸等を含めた芳香族塩基も提示する別個の構造を有するヘテ
ロポリマーも包含する。
【0078】 本発明のオリゴヌクレオチドアンタゴニストは、当業者に既知の多数の方法に
より生成させ得る。一実施態様では、多数の配列を含有するオリゴヌクレオチド
のプールが生成される。プールは、例えば、延長段階でモノマーの混合物を用い
る固相合成により生成させ得る。オリゴヌクレオチドのプールは、プールを含有
する溶液をFRIP−1またはその断片がくっつけられていた固体マトリックス
からはずすことにより、分けられる。MMP−9と結合するプール内の配列は、
固体マトリックス上に保持される。これらの配列は、異なる塩濃度またはpHの
溶液で溶離される。選定された配列は、第二選択段階に付される。選定プールは
、配列番号3がくっつけられていた第二固体マトリックスからはずされる。カラ
ムは、配列番号3と結合するそれらの配列を保持し、したがってFRIP−1に
特異的な配列に関してプールを濃化する。プールは増幅され、必要な場合には、
突然変異誘発化され、その過程はプールが本発明のアンタゴニストの特徴を示す
まで反復される。個々のアンタゴニストは、通常は前記の配列を宿主生物、例え
ば、大腸菌中にクローニング後に、オリゴヌクレオチドプールの成員をシーケン
シングすることにより同定し得る。
【0079】 アンタゴニストを同定するための結合検定 本発明は、本発明の方法により使用するための候補アンタゴニストを同定する
ための検定方法も提供する。これらの検定方法においては、候補アンタゴニスト
は、FRIP−1およびAAAA対照ペプチドの両方を結合するそれらの能力に
関して評価され、さらに組織中での血管形成の抑制におけるそれらの能力に関し
て評価し得る。
【0080】 ELISA 第一検定は、ELISAにより固相中で、FRIP−1およびAAAA対照ペ
プチドとのアンタゴニストの結合を測定する。検定は、FRIP−1に対する特
異性を示すが、AAAA対照ペプチドに対する特異性は示さない化合物を同定す
るためにも用い得る。特異性検定は、FRIP−1およびAAAA対照ペプチド
を結合する能力に関して別個の検定小室で、考え得るアンタゴニストが共在的に
スクリーニングされるパネルELISAを実行することにより行い得る。
【0081】 MMP−9およびα5β1インテグリン間の相互作用を乱すアンタゴニストは
、結合に関して本発明のアンタゴニストと競合するそれらの能力によっても同定
し得る。例えば、推定アンタゴニストは、ELISAのような結合検定において
、既知のアンタゴニスト、例えば、FM155の親和性に及ぼすそれらの作用をモ
ニタリングすることによりスクリーニングし得る。このようなアンタゴニストは
FM155と同一の特異性を有し、同一の隠れたエピトープを認識すると思われる
。このようなスクリーニング法によって選定される推定アンタゴニストは、MM
P−9またはα5β1インテグリンと、あるいはアンタゴニストと結合し得る。
アンタゴニストは、MMP−9またはα5β1インテグリンエピトープと結合す
るが、しかし既知のアンタゴニストとは結合しないものを確定するために、慣用
的結合検定により推定アンタゴニストから選択し得る。
【0082】 以下は、候補アンタゴニストを同定するために用い得る本発明のいくつかの実
施態様である。
【0083】 一実施態様では、本発明は、MMP−9アンタゴニストに関するスクリーニン
グ方法であって、以下の:a)推定アンタゴニストを提供し、b) MMP−9
との結合に関する前記推定アンタゴニストの第一親和性を測定し、c)MMP−
9との結合に関する配列番号3の第二親和性を測定し、そしてd)前記第二親和
性が前記第一親和性より実質的に低い場合にはMMP−9アンタゴニストとして
前記推定アンタゴニストを選択することを含む方法である。この実施態様の一バ
ージョンでは、推定アンタゴニストは非ペプチド化合物、例えば、小型有機化合
物またはオリゴヌクレオチドである。別のバージョンでは、推定アンタゴニスト
はポリペプチド、線状ペプチドまたは環状ペプチドである。あるいは、推定アン
タゴニストは抗体であり、これはモノクローナルまたはポリクローナルであり得
る。
【0084】 本方法の好ましい実施態様では、前記第一および前記第二親和性は酵素結合免
疫吸着剤検定により測定される。
【0085】 特定の一実施態様では、第二親和性は第一親和性の約3分の1である。あるい
は、第二親和性は第一親和性の約5分の1である。本発明のさらに別の実施態様
では、第二親和性は第一親和性の約10分の1である。
【0086】 一実施態様では、本発明は、β1インテグリンアンタゴニストに関するスクリ
ーニング方法であって、以下の:a)推定アンタゴニストを提供し、b)β1イ
ンテグリンとの結合に関する前記推定アンタゴニストの第一親和性を測定し、c
)前記β1インテグリンとの結合に関する配列番号3の第二親和性を測定し、そ
してd)前記第二親和性が前記第一親和性より実質的に低い場合にはβ1インテ
グリンアンタゴニストとして前記推定アンタゴニストを選択することを含む方法
である。この実施態様の一バージョンでは、推定アンタゴニストは非ペプチド化
合物、例えば、小型有機化合物またはオリゴヌクレオチドである。別のバージョ
ンでは、推定アンタゴニストはポリペプチド、線状ペプチドまたは環状ペプチド
である。あるいは、推定アンタゴニストは抗体であり、これはモノクローナルま
たはポリクローナル抗体であり得る。
【0087】 この方法の好ましい実施態様では、前記第一および前記第二親和性は酵素結合
免疫吸着剤検定により測定される。 特定の一実施態様では、第二親和性は第一親和性の約3分の1である。あるい
は、第二親和性は第一親和性の約5分の1である。本発明のさらに別の実施態様
では、第二親和性は第一親和性の約10分の1である。
【0088】 血管形成検定 本発明のアンタゴニストは、組織中での血管形成を変調するそれらの能力に関
しても検定し得る。このような作用をモニタリングするために、当業者に既知の
あらゆる適切な検定を用い得る。いくつかのこのような技法が、本明細書中に記
載されている。
【0089】 例えば、一検定は、ヒヨコ漿尿膜(CAM)における血管形成を測定し、CA
M検定と呼ばれる。CAM検定は、他の研究者により詳細に記載されており、さ
らに腫瘍組織の血管形成および新生血管形成を測定するために用いられてきた(
Ausprunk 他, Am. J. Pathol., 79:597-618(1975)および Ossonski 他, Cance
r Res., 40:2300-2309(1980)参照)。
【0090】 CAM検定は、全組織の新生血管形成が起こりつつあり、そして実際のヒヨコ
胚血管がCAMにまたはCAM上に増殖する組織に増殖中であるため、生体内血
管形成のための十分に認識された検定モデルである。
【0091】 本明細書中で実証されるように、CAM検定は、新血管増殖の量および程度の
両方に基づいて新生血管形成の抑制を説明する。さらに、CAM上に移植された
任意の組織、例えば、腫瘍組織の増殖をモニタリングするのは容易である。最後
に、本検定系中に毒性に関する内部対照が存在するために、本検定は特に有用で
ある。ヒヨコ胚は任意の試験試薬に曝露され、したがって胚の健康は毒性の指標
である。
【0092】 血管形成を測定する第二検定は、生体内ウサギ眼モデルであり、ウサギ眼検定
と呼ばれる。ウサギ眼検定は、他の研究者により詳細に記載されており、さらに
サリドマイドのような血管形成阻害剤の存在下での血管形成および新生血管形成
を測定するために用いられてきた(D’Amato 他(1994)Proc. Natl. Acad. Sci
. 91:4082-4085参照)。
【0093】 ウサギ眼検定は、角膜縁から角膜中に増殖中のウサギ血管により例示される新
生血管形成が眼の天然透明角膜を通して容易に目に見えるため、生体内血管形成
に関する十分に認識された検定モデルである。さらに、新生血管形成の刺激また
は抑制の、あるいは新生血管形成の退行の程度および量の両方を容易に長時間モ
ニタリングし得る。
【0094】 最後に、ウサギは任意の試験試薬に曝露され、したがってウサギの健康は試験
試薬の毒性の指標である。
【0095】 第四の検定は、キメラマウス:ヒトマウスもでるにおける血管形成を測定し、
キメラマウス検定と呼ばれる。本検定は、他の研究者により詳細に記載されてお
り、さらに血管形成、新生血管形成および腫瘍組織の退行を測定するために本明
細書中で記載されている(Yan 他(1993)J. Clin. Invest. 91:986-996参照)
【0096】 キメラマウス検定は、移植された皮膚移植片が正常ヒト皮膚に組織学的に非常
によく似ており、全組織の新生血管形成が起こりつつあり、この場合、実際のヒ
ト血管は、移植ヒト皮膚から移植ヒト皮膚の表面のヒト腫瘍組織中に増殖中であ
るため、生体内血管形成に関する有用な検定モデルである。ヒト移植片中への新
生血管形成の起源は、ヒト特異的内皮細胞マーカーを用いた新生血管系の免疫組
織化学的染色により実証し得る。
【0097】 キメラマウス検定は、新血管増殖の退行の量および程度の両方に基づいた新生
血管形成の退行を実証する。さらに、腫瘍組織のような移植皮膚上に移植された
任意の組織の増殖に及ぼす作用をモニタリングするのは容易である。最後に、本
検定は、検定系における毒性に関する内部対照が存在するために、有用である。
キメラマウスは、任意の試験試薬に曝露され、したがって、マウスの健康は毒性
の指標である。
【0098】 血管形成の抑制方法 本発明は、組織中の血管形成の抑制のために、そしてそれにより血管形成に依
存する組織における事象を抑制する方法を提供する。一般に本方法は、MMP−
9および/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列を包含するタンパ
ク質−タンパク質相互作用を修飾する血管形成抑制量のアンタゴニストを含む組
成物を組織に投与することを包含する。
【0099】 前記のように、血管形成は、「出芽」、血管形成、または血管拡張を含めた組
織の新生血管形成を包含する種々の過程を含み、血管形成過程はすべて、血管中
の細胞外マトリックスコラーゲンの崩壊を包含する。外傷性創傷治癒、黄体形成
および胚形成を除いて、大多数の血管形成過程は疾患過程に関連があり、したが
って本発明の治療法の使用は疾患に対して選択的である、と考えられる。
【0100】 血管形成が重要であると考えられる、血管形成性疾患と呼ばれる種々の疾患が
存在し、その例としては、炎症性傷害、例えば、免疫および非免疫炎症、慢性関
節リウマチおよび乾癬、血管の不適切なまたは時機を逸した侵襲に関連した疾患
、例えば、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、再狭窄、アテローム硬化症性プラ
ークにおける毛管増殖、骨粗鬆症、ならびに癌関連疾患、例えば、固形腫瘍、固
形腫瘍転移、血管繊維腫、水晶体後繊維増殖症、血管腫、カポジ肉腫および腫瘍
増殖を支持するために新生血管形成を要する癌が挙げられるが、これらに限定さ
れない。その他の適切な腫瘍としては、黒色腫、癌腫、肉腫、繊維肉腫、神経膠
腫および星状細胞腫が挙げられる。
【0101】 したがって、罹患組織における血管形成を抑制する方法は、疾患の症状を軽減
し、疾患によっては、疾患の治癒に寄与し得る。一実施態様では、本発明は組織
中の血管形成それ自体の抑制を意図する。
【0102】 本明細書中に記載したように、皮膚、筋肉、腸、結合組織、関節、骨ならびに
血管が血管形成刺激時に侵襲し得る組織を含めた種々の組織または構築組織から
成る器官のいずれかは、疾患状態における血管形成を支持し得る。組織は、本明
細書中で用いる場合、すべての体液、分泌物等、例えば、血清、血液、脳脊髄液
、血漿、尿、滑液、硝子体液も包含する。
【0103】 したがって、関連実施態様では、処置される組織は炎症組織であり、抑制され
る血管形成は炎症組織血管形成であって、この場合、炎症組織の新生血管形成が
認められる。この種類においては、本方法は、慢性関節リウマチ患者におけるよ
うな関節組織における、免疫または非免疫炎症組織における、乾癬組織等におけ
る血管形成の抑制を意図する。
【0104】 その多数の実施態様において本発明で処置される患者は、望ましくはヒト患者
であるが、しかし本発明の原理は、本発明がすべての哺乳類に関して有効である
ことを示し、これは、「患者」という用語に含まれるよう意図される、と理解さ
れるべきである。この情況では、哺乳類は、血管形成に関連した疾患の治療が望
ましい任意の哺乳類種、特に農耕および家畜哺乳類種を含むと理解される。この
ような患者は、例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラバ、ロバ、イヌ、
ネコ、ウサギ、マウスおよびラットであり得る。
【0105】 別の関連実施態様では、処置される組織は、糖尿病性網膜症、黄斑変性または
血管新生緑内障を有する患者の網膜組織であり、抑制される血管形成は、網膜組
織の新生血管形成が認められる網膜組織血管形成である。
【0106】 さらに別の関連実施態様では、処置される組織は、固形腫瘍、転移、皮膚癌、
乳癌、血管腫または血管繊維腫等の癌を有する患者の腫瘍組織であり、抑制され
る血管形成は、腫瘍組織の新生血管形成が認められる腫瘍組織血管形成である。
本発明の方法により治療可能な典型的固形腫瘍組織としては、肺、膵臓、***、
結腸、喉頭、卵巣、カポジ肉腫などの組織が挙げられる。腫瘍組織血管形成およ
びその抑制の例は、実施例に記載されている。
【0107】 腫瘍組織血管形成の抑制は、腫瘍増殖において新生血管形成が演じる重要な役
割のために、特に好ましい実施態様である。腫瘍組織の新生血管形成の不存在下
では、腫瘍組織は必要な栄養を得られず、増殖が遅れて、付加的増殖を終結し、
退行して、結局は壊死状態になって、腫瘍殺害を引き起こす。
【0108】 言い換えれば、本発明は、腫瘍血管形成を抑制することにより、腫瘍新生血管
形成の抑制方法を提供する。同様に、本発明は、血管形成抑制法を実行すること
により腫瘍増殖の抑制方法を提供する。
【0109】 新生血管形成を抑制するそれらの能力により、(1)転移癌細胞が原発性腫瘍
を出るよう、それらの形成が原発性腫瘍の血管形成を必要とし、そして(2)二
次部位におけるそれらの確立が転移の増殖を支持するための新生血管形成を必要
とするために、本発明の方法は転移の形成に対しても有効である。
【0110】 一関連実施態様では、本発明は、固形腫瘍に向けられる慣用的化学療法のよう
な、そして転移の確立の制御のためのその他の療法とともに本発明の実行を意図
する。血管形成阻害剤の投与は、典型的には化学療法中またはその後に実行され
るが、しかし腫瘍組織への血液供給および栄養の提供により回復するよう血管形
成を誘導することにより腫瘍組織が毒性襲撃に応答しつつある時期の化学療法の
養生法の後に血管形成を抑制するのが好ましい。さらに、転移に対する予防策と
して固形腫瘍が除去された手術後に血管形成抑制方法を施すのが好ましい。
【0111】 本発明の方法が腫瘍新生血管形成の抑制に適用する限り、本方法は、確立され
た腫瘍の退行にも適用可能である。
【0112】 再狭窄は、血管形成術の成功を妨げる経皮管腔貫通冠状動脈血管形成の部位で
の平滑筋細胞(SMC)移動および増殖の過程である。再狭窄中の血管に関連し
たSMCの移動および増殖は、本発明の方法により抑制される血管形成の過程に
関連する。したがって、本発明は、血管形成術後の患者における本発明の方法に
よる血管形成関連過程の抑制による再狭窄の抑制も意図する。再狭窄の抑制のた
めには、本発明のアンタゴニストは、典型的には血管形成術後に、約2〜約28日
間、さらに典型的には術後最初の役14日間、投与される。
【0113】 組織中の血管形成を抑制するための、したがって血管形成関連疾患の治療のた
めの方法も実行するための本発明の方法は、血管形成が起きているかまたは起き
る危険がある組織を、MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種の
アミノ酸配列を含むタンパク質−タンパク質相互作用を修飾する治療的有効量の
アンタゴニストを含む治療用組成物と接触させることを含む。したがって、本方
法は、 MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種のアミノ酸配列
を含むタンパク質−タンパク質相互作用をアンタゴニストが修飾する本発明のア
ンタゴニストを含有する生理学的に許容できる治療的有効量の組成物を患者に投
与することを包含する。本発明のアンタゴニストの治療用組成物および治療的有
効量は、以下の「治療用組成物」の項に記載されている。
【0114】 アンタゴニストの投与のための投与量範囲は、本明細書中でさらに説明される
ようにアンタゴニストの形態、およびその効力によっており、血管形成および血
管形成により媒介される疾患症状が改善される所望の作用を生じるのに十分多い
量である。投与量は、副作用、例えば、過粘稠度症候群、肺水腫、うっ血性心不
全等を引き起こすほど多量であるべきでない。一般に投与量は、年齢、症状、性
別および患者における疾患の程度に伴って変わり、当業者により決定し得る。投
与量は、あらゆる合併症の事象において、個々の医師によっても調整し得る。
【0115】 本発明のモノクローナル抗体またはポリペプチドは、注射により、または長時
間に漸次注入により、非経口的に投与し得る。処置される組織は典型的には全身
投与より身体で接近され、したがって最もしばしば、治療用組成物の静脈内投与
により処置され、標的化された組織が標的分子を含有するという可能性があるそ
の他の組織および送達手段が意図される。したがって、モノクローナル抗体、ポ
リペプチドおよびそれらの誘導体を含むアンタゴニストは、静脈内、腹腔内、筋
肉内、皮下、体腔内、経皮的、局所的、眼内、経口的、鼻腔内的に投与され、蠕
動的手段により送達し得る。
【0116】 本発明のモノクローナル抗体またはポリペプチドを含有する治療用組成物は、
慣用的には静脈内に、例えば、単位用量の注射により投与される。「単位用量」
という用語は、本発明の治療的組成物を参照して用いる場合、被験者に対する単
一用量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な希釈剤、即ち
担体またはビヒクルを伴って所望の治療的作用を生じるよう算定された予定量の
活性物質を含有する。
【0117】 実施例に示されているような好ましい一実施態様では、アンタゴニストは1回
投与で静脈内的に投与される。
【0118】 組成物は、投与処方物と相溶性の方式で、治療的有効量で投与される。投与さ
れる量および時機は、治療される患者、活性成分を利用する患者の系の能力、お
よび所望の治療効果の程度によっている。投与するのに必要な活性成分の的確な
量は、担当医の判定によっており、各個体に固有である。しかしながら、全身適
用のための適切な投与量範囲は、本明細書中に開示されており、投与経路によっ
ている。投与のための適切な養生法も可変的であるが、しかし初期投与と、その
後の注射またはその他の投与による1時間またはそれ以上の間隔での反復投与に
より定型化される。あるいは、生体内療法のために特定された範囲で血中の濃度
を保持するのに十分な連続静脈内注入が意図される。
【0119】 血管形成または疾患状態を抑制するための方法の特定の例として、本発明の以
下の実施態様が提供される。
【0120】 一実施態様において、本発明は組織中の血管形成の抑制方法であって、タンパ
ク質−タンパク質相互作用を特異的に修飾するアンタゴニストを投与することを
含む方法であり、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用は第一タンパク質
内の少なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少なくとも1つの
アミノ酸配列間の相互作用を含む。この方法では、前記のアンタゴニストは、静
脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または
経口的に投与される。さらにアンタゴニストは、化学療法とともに、または放射
線照射とともに投与し得る。本方法は、組織が炎症を起こし、血管形成が起きて
いる場合、組織が哺乳類に存在する場合、あるいは組織が関節炎、眼、網膜また
は血管腫である場合に用いられる。
【0121】 本発明の別の治療方法では、組織中の腫瘍増殖または転移は、タンパク質−タ
ンパク質相互作用を特異的に修飾するアンタゴニストを投与することを含む方法
で抑制され、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用は、第一タンパク質内
の少なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少なくとも1つのア
ミノ酸配列間の相互作用を包含する。この方法では、前記のアンタゴニストは、
静脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的また
は経口的に投与される。さらにアンタゴニストは、化学療法とともに、または放
射線照射とともに投与し得る。本方法は、腫瘍または転移が黒色腫、癌腫、肉腫
、繊維肉腫、神経膠腫である場合に適用可能である。別の実施態様では、本発明
は、タンパク質−タンパク質相互作用を特異的に修飾するアンタゴニストを投与
することによる乾癬、黄斑変性またはある組織における再狭窄の抑制方法であっ
て、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用は、第一タンパク質内の少なく
とも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少なくとも1つのアミノ酸配
列間の相互作用を含む。この方法では、前記のアンタゴニストは、静脈内、経皮
的、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または経口的に投
与される。さらにアンタゴニストは、化学療法とともに、または放射線照射とと
もに投与し得る。
【0122】 疾患治療 本発明は一般に、 MMP−9および/またはβ1インテグリン内にある種の
アミノ酸配列を含むタンパク質−タンパク質相互作用を修飾することが疾患状態
および血管形成を抑制するという発見に関する。この発見は、種々の疾患過程に
おいて血管形成が演じる役割のために、重要である。
【0123】 新しい血管の増殖が疾患に関連した病変の原因であるかまたはそれに関与する
場合、血管形成の抑制は疾患の有害作用を低減する。例としては、乾癬、慢性関
節リウマチ、糖尿病性網膜症、炎症性疾患、再狭窄、黄斑変性等が挙げられる。
新しい血管の増殖が有害組織の増殖を支持するのに必要である場合、血管形成の
抑制はその組織への血液供給を低減し、それにより血液供給要件を基礎にした組
織塊の低減に寄与する。例としては、腫瘍が2〜3mmの厚みを越えて増殖するため
に、そして固形腫瘍転移の確立のために、新生血管形成が連続要件である腫瘍の
増殖が挙げられる。
【0124】 本発明の方法は、特に療法が血管形成に関して高度に選択的であり、そして他
の生物学的過程に関してはそうでないために、有効である。実施例に示されてい
るように、MMP−9の局在化を乱すアンタゴニストにより、新血管増殖のみが
抑制され、したがって、本治療法は成熟血管に悪影響を及ぼさない。さらに、本
発明のある種の血管形成はMMP−9の局在にのみ影響を及ぼして、MMP−9
のタンパク質分解活性またはβ1インテグリンの接着機能を直接的に遮断しない
ために、これらの化合物は、MMP−9のタンパク質分解活性またはβ1インテ
グリンの接着機能が正常の生理学的機能を有し得るために、副作用は少ないと思
われる。
【0125】 さらに、本発明のアンタゴニストは非常に効き目がよく、これはそれらが低濃
度で治療的利点を有し得ることを示唆する。 本発明の発見の前には、血管形成、ならびに血管形成に依存している過程のい
ずれかを、MMP−9およびβ1インテグリンの間の相互作用を中和する試薬の
使用により生体内で抑制させ得ることは知られていなかった。
【0126】 治療用組成物 本発明は、本明細書中に記載した治療法を実行するのに有用な治療用組成物を
意図する。本発明の治療用組成物は、生理学的に許容できる担体を、活性成分と
してその中に溶解または分散される、本明細書中に記載したような治療的有効量
のアンタゴニストとともに含有する。好ましい実施態様では、治療用アンタゴニ
スト組成物は、治療のために哺乳類またはヒト患者に投与した場合、免疫原性で
なく、または低免疫原性を有する。
【0127】 治療的有効量は、治療される組織中での血管形成の測定可能な抑制を生じるの
に十分な本発明のアンタゴニストの量、即ち血管形成抑制量である。血管形成の
抑制は、本明細書中に記載したように免疫組織化学的に、または当業者に既知の
その他の方法で、in-situで測定し得る。
【0128】 本発明のアンタゴニストの効力は、CAM検定における血管形成の抑制、生体
内ウサギ眼検定、生体内キメラマウス:ヒト検定を含めた種々の手段により測定
し得る。
【0129】 モノクローナル抗体の形態での本発明のアンタゴニストの治療的有効量は、典
型的には、生理学的に許容できる組成物中で投与される場合、約0.01マイクログ
ラム(μg)/ミリリットル(mL)〜約100μg/mL、好ましくは約1μg/mL〜約5μ
g/mL、通常約5μg/mLの血漿濃度を達成するのに十分な量である。言い換えれば
、投与量は、1日1回以上投与で、1または数日間、約0.1 mg/kg〜約300 mg/kg
、好ましくは約0.2 mg/kg〜約200 mg/kg、最も好ましくは約0.5 mg/kg〜約20 mg
/kgで変わり得る。
【0130】 アンタゴニストがモノクローナル抗体の断片の形態である場合、その量は、全
抗体の質量に対する断片の質量を基礎にして容易に調整し得る。好ましい血漿濃
度は、モルで、約2マイクロモル(μM)〜約5ミリモル(mM)、好ましくは約100
μM〜1mMの抗体アンタゴニストである。
【0131】 ポリペプチドまたは小型分子の形態の本発明のアンタゴニストの治療的有効量
は、典型的には、生理学的に許容できる組成物中で投与される場合、約0.1マイ
クログラム(μg)/ミリリットル(mL)〜約200μg/mL、好ましくは約1μg/mL
〜約150μg/mLの血漿濃度を達成するのに十分な量である。約500 g/molの質量を
有するポリペプチドを基礎にして、好ましい血漿濃度は、モルで、約2マイクロ
モル(μM)〜約5ミリモル(mM)、好ましくは約100μM〜1mMのポリペプチドア
ンタゴニストである。言い換えれば、体重当たりの投与量は、1日1回以上投与
で、1または数日間、約0.1 mg/kg〜約300 mg/kg、好ましくは約0.2 mg/kg〜約2
00 mg/kgで変わり得る。
【0132】 本明細書中で用いる場合、「医薬として許容し得る」、「生理学的に許容でき
る」という用語、およびそれらの文法的変形は、それらが組成物、担体、希釈剤
および試薬と呼ばれる場合、交換可能的に用いられ、その物質が哺乳類へのまた
は哺乳類上の投与が可能であることを表す。
【0133】 それに溶解または分散された活性成分を含有する薬理組成物の調製は当業界で
十分理解されており、処方物に基づいて限定する必要はない。典型的には、この
ような組成物は、液体溶液または懸濁液として注射可能物質として調製されるが
、しかしながら、溶液または懸濁液に適した固体形態も、使用前の液体中で調製
され得る。調製物は乳化もさせ得る。
【0134】 活性成分は、医薬として許容し得る且つ活性成分と相溶性である賦形剤と、本
明細書中に記載した治療方法に用いるのに適した量で混合し得る。適切な賦形剤
は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどまた
はそれらの組合せである。さらに、所望により、組成物は少量の補助物質、例え
ば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等、活性成分の効力を強化するものを含有
し得る。
【0135】 本発明の治療用組成物は、その中の構成成分の医薬として許容し得る塩を含み
得る。医薬として許容し得る塩としては、無機酸、例えば、塩酸またはリン酸、
あるいは有機酸、例えば、、酢酸、酒石酸、マンデル酸等を用いて生成される酸
付加塩(ポリペプチドの遊離アミノ基により生成される)が挙げられる。遊離カ
ルボキシル基を用いて生成される塩は、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、
カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは第二鉄、ならびに有機塩基、例えば
、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエーテル、ヒスチ
ジン、プロカインなどからも得られる。特に好ましいのは、TFAおよびHCl
の塩である。
【0136】 生理学的に許容性の担体は、当業界で周知である。液体担体の例は、活性成分
と水の他に何も物質を含有しないか、または生理学的pH値の緩衝剤、例えば、
リン酸ナトリウム、生理学的食塩水またはその両方を含有する滅菌水性溶液、例
えば、リン酸緩衝化生理食塩水である。さらに、水性担体は、1つより多い緩衝
剤塩、ならびに塩化ナトリウムおよびカリウム、デキストロース、ポリエチレン
グリコールおよびその他の溶質を含有し得る。
【0137】 液体組成物は、水の他に、そして水を除外して、液体相も含有し得る。このよ
うな付加的液体相の例は、グリセリン、植物油、例えば、綿実油、および水−油
エマルションである。
【0138】 治療用組成物は、典型的には少なくとも0.01質量%のアンタゴニスト/総治療
用組成物の質量の量を含有するよう処方される、血管形成抑制量の本発明のアン
タゴニストを含有する。質量%は、総組成物に対する阻害剤の質量を単位とした
比である。したがって、例えば、0.01質量%は、0.01グラムの阻害剤/100グラ
ムの総組成物である。
【0139】 抗体は、腫瘍または血管形成を受けているその他の組織への送達のために、細
胞毒素、細胞傷害剤と複合させ得る。このような複合体は、サイトリシンまたは
外毒素、例えば、リシンA、ジフテリア毒素Aまたはシュードモナス外毒素およ
びそれらの断片を用いて作製し得る。細胞傷害剤は、有毒線量の放射能を新生血
管形成組織に局所的に送達するために同位元素で放射能標識させ得る。 本発明のアンタゴニストは、酵素を標的に送達するためにも用い得るが、この
場合、酵素は、例えば、抗体特異的酵素活性化プロドラッグ療法(ADEPT)
に用いるためにプロドラッグを薬剤の活性形態に転化し得る(例えば、Syrigos,
K.N.(1999)Anticancer Res. 19:605-13参照)。要するに、本発明のアンタゴ
ニストは、非毒性または不活性プロドラッグを毒性または活性薬剤に転化し得る
酵素、例えば、ラクタマーゼ、プロテアーゼまたはエステラーゼと複合される。
本発明のアンタゴニストは血管形成の部位に、特に腫瘍または転移の部位に局在
するため、有毒薬はこのような部位に向けることができる。
【0140】 検出方法 本発明のアンタゴニストは、組織中の血管形成の検出にも適している。例えば
、アンタゴニストが抗体である場合、アンタゴニストは組織を生体外で染色する
ために免疫組織化学技法に用い得る。免疫学的技法、例えば、免疫染色およびE
LISAは、例えば、「Receptor Binding Techniques, Methods in Molecular
Biology」 106, 編 M. Keen. Humana Press, 1999; Brooks 他(1998)「Cell」
92:391-400; Brooks 他(1996)「Cell」 85:683-693;およびBrooks 他(1993
)「J. Cell. Biol.」 122:1351-1359に記載されている。
【0141】 本発明のアンタゴニストは、一旦標的組織に結合されると、直接または間接的
に検出し得る。直接検出は、検出可能標識、例えば、蛍光色素、放射能タグ、常
磁性重金属または診断染料を含むアンタゴニストで実行し得る。
【0142】 あるいは、検出は、第二相互作用により起こり得る。例えば、アンタゴニスト
を認識する検出可能的標識化抗体を用いて、アンタゴニストの位置を可視化し得
る。例えば、アンタゴニストがマウス起源のモノクローナル抗体である場合、適
切に標識されたヤギ抗マウス抗体を用い得る。当業者は、種々のアンタゴニスト
とともに用いるための適切な第二抗体を確定し得る。
【0143】 生体内検出のためには、検出可能な標識化アンタゴニストを用いるのが好まし
い。標識化アンタゴニストは、静脈内に、筋肉内に等で患者に投与される。患者
内の検出に適した標識が、特に好ましい。例えば、常磁的標識化アンタゴニスト
は、磁気共鳴造像により検出し得る。放射性タグ化アンタゴニストも検出し得る
【0144】 検出に適した本発明の特定の実施態様の例を以下に示す。 一実施態様において、本発明は、タンパク質−タンパク質相互作用を特異的に
修飾するアンタゴニストを接触させることによる組織中の血管形成の検出方法で
あるが、この場合、タンパク質−タンパク質相互作用は、第一タンパク質内の少
なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少なくとも1つのアミノ
酸配列間の相互作用を含む。この方法では、例えば、前記の組織は生体外である
かまたは前記の組織は生体内であり、前記のアンタゴニストは、静脈内、経皮的
、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または経口的に投与
される。あるいは、この方法では、前記のアンタゴニストは、蛍光色素、放射性
タグ、常磁性重金属、診断染料または酵素と複合される。
【0145】 本明細書中に引用した参考文献はすべて、それらの記載内容が参照により本明
細書中に含まれる。
【0146】 実施例 実施例1 α5β1の精製 フィブロネクチンの110 kD細胞結合ドメインを利用して、胎盤溶解物からα5
β1を精製した。溶離分画を濃縮し、10%SDS PAGEにより分離し、その
後、銀染色した。90 kDタンパク質が、図1に示したようにMMP−9と同じ分
子量を有するインテグリンα5β1と同時精製する。図では、レーン1は商業的
に調製されたヒトα5β1(1μg)に対応し、レーン2はヒト胎盤組織から精製
されたα5β1(50μl)に対応する。少量の90kD夾雑物(矢印)が認められる
【0147】 MMP−2およびαuβ3間の直接的相互作用についての我々の従来の知見に
基づいて、この90kDタンパク質がインテグリンと結合するMMPの別の例であり
得るか否かを調べた。
【0148】 実施例2 α5β1の電気泳動分析 ゼラチンと共重合させた10%SDS PAGEゲル上で、精製α5β1および
ανβ3を分離した。トリトンX-100で洗浄してゲルからSDSを除去し、ゲル
をコラゲナーゼ緩衝液中でインキュベートした。クーマシーブルーで染色して、
ゼラチン分解性帯域を可視化した。精製α5β1調製物は、図2に示したように
MMP−9と同一分子量で移動するゼラチン分解性活性(90kD)を含有する。図
では、レーン1はproMMP−9(1μg)に対応し、レーン2はAPMA活性化
MMP−9(1μl)に対応し、レーン3は胎盤組織からのprep-1精製α5β1(
1μg)に対応し、レーン4は胎盤組織からの精製ανβ3(1μg)に対応し、そ
してレーン5は胎盤組織からのprep-2精製α5β1(1μg)に対応する。
【0149】 これらのデータは、α5β1と同時精製する夾雑90kDタンパク質がMMP−9
であり得ることを示唆する。さらに、これらの試験は、MMP−9がインテグリ
ンα5β1と直接結合し得ることを示唆する。
【0150】 実施例3 精製インテグリンα5β1のウエスタンブロット分析 10%SDS PAGEにより精製インテグリンα5β1およびανβ3(1μ
g)を分離し、ニトロセルロースに移して、抗−MMP−9Mabでブロット化
した。MMP−9に向けられるモノクローナル抗体を用いた図3に示した精製α
5β1のウエスタンブロット分析は、α5β1の調製物内のMMP−9の存在を
確証する。図3において、レーン1は組換えMMP−9(1μg)に対応し、レー
ン2は胎盤組織からの精製α5β1(1μl)に対応し、レーン3は胎盤組織から
の精製ανβ3(1μg)に対応する。
【0151】 実施例4 組換えMMP−9はα5β1と結合する α5β1または対照タンパク質β−カゼインをマイクロ滴定ウエル上に固定し
た(10μg/ml)。組換えヒトMMP−9(2μg/ml)を対照被覆ウエルと1時間
結合させた。抗MMP−9Mabを用いて、MMP−9結合を検出した。図4か
ら分かるように、精製MMP−9はインテグリンα5β1と直接結合する。デー
タ棒は、三重反復試験ウエルからの平均光学濃度±標準偏差を表す。
【0152】 実施例5 α5β1陰性細胞の表面と結合するMMP−9の低減 α5β1が細胞表面とのMMP−9の結合の促進に関与し得るか否かを評価す
るために、結合検定を実施した。内因性MMP−9をもし存在してもほとんど発
現しないヒトHT29細胞を、組換えMMP−9とともにインキュベートした(0
〜100 ng/ml)。非結合酵素を除去し、全細胞溶解物を調製した。ゼラチンと共
重合させた10%SDS PAGEゲル上で細胞溶解物(100μg/レーン)を分離
し、クーマシーブルーで染色して、ゼラチン分解性帯域を可視化した。図5に示
した結果は、α5β1を欠く腫瘍細胞がMMP−9と結合する能力を有意に低減
したことを示唆し、α5β1が細胞表面へのタンパク質分解性活性の局在化にお
いて重要な役割を演じ得るというさらなる証拠を提供した。図では、上部はα5
β1発現HT29-30に対応し、下部は、α5β1陰性HT29-1に対応し、NTは
非処置であり、50は50 ng/mlのMMP−9を用いてインキュベートした細胞であ
り、100は100 ng/mlのMMP−9とともにインキュベートした細胞である。
【0153】 実施例6 ヒト黒色腫血管中のMMP−9およびα5β1の同時局在化 黒色腫患者からのヒト剖検試料を即時凍結し、組織切片を、MMP−9に向け
られるポリクローナル抗体およびβ1に向けられるモノクローナル抗体で同時染
色した後、ローダミン結合ヤギ抗マウスおよびFITC結合ヤギ抗ウサギIgG
とともにインキュベートした。顕微鏡写真を200倍で撮影した。顕微鏡写真にお
いて、赤色はβ1インテグリン発現を示し、緑色はMMP−9発現を示し、黄色
はMMP−9およびβ1の同時局在化を示す。モノクロ写真である図6では、白
色領域は黄色を表し、黒色領域は赤色、緑色または主要細胞を表す。図6は、M
MP−9およびβ1インテグリンが、ヒト黒色腫剖検試料中の腫瘍細胞表面およ
び血管に同時局在化することを示す。
【0154】 これらの知見は、MMP−9およびβ1インテグリンがともにヒト血管区画内
に、ならびに腫瘍細胞それ自体に密接に関連することを示唆する。
【0155】 実施例7 MMP−9と結合する合成ペプチドの生成 MMP−9およびα5β1の両方のアミノ酸配列の分析は、これら2つのタン
パク質間の相互作用を媒介し得る配列を示唆した。例えば、合成ペプチドを生成
し、MMP−9の結合活性に関して分析した。本ペプチドの結合能力を、固相結
合検定により分析した。
【0156】 分析した配列の間で、ペプチドは、MMP−9またはβ1インテグリンに対す
る結合特異性を示すことが判明した。したがって、図7に示したように、FRI
P−1と呼ばれるペプチドは、固相結合分析においてMMP−9と特異的に結合
することが示された。3つの鍵となる重要なアミノ酸が変化している以外はFR
IP−1と同一であるAAAペプチドは、いかなる結合能力もほとんど示さなか
った。これらの知見は、合成ペプチドFRIP−1がMMP−9/α5β1相互
作用に関与する重要なアミノ酸を表すと思われるということを示唆する。
【0157】 FRIP−1合成ペプチドは、配列番号1: CysArgLeuArgSerGlyGluProGlnCys を有する。 FRIP−1(配列番号1)アミノ酸配列は、ヒト酵素MMP−9のC末端ホ
モペキシン様ドメイン内の領域に由来した。
【0158】 AAA対照ペプチドは、以下の配列を有する:配列番号2: CysArgAlaAlaAlaGlyGluProGlnCys。
【0159】 対照の結合は、以下の配列を有するAAAA対照ペプチドを用いても実施した
:配列番号3: CysArgAlaAlaAlaAlaGluProGlnCys。
【0160】 実施例8 FRIP−1ペプチドはヒヨコ胚における血管形成を抑制する bFGFを用いて10日齢ヒヨコ胚のCAM上で血管形成を誘導した。24時間後
、胚に100μgのFRIP−1またはAAA対照ペプチドを1回静注した。3日後
、フィルター円板の面積内の血管分枝点の数を計数して、血管形成を定量した。
図8Aは、典型的実験からのCAM組織の代表例を示す。図8Bは、血管形成実
験の定量である。図8Bの結果は、MMP−9と結合するFRIP−1合成ペプ
チドがヒヨコ胚CAMモデルにおける血管形成を遮断することを示す。図8Bで
は、NTはbFGFなしに対応し、FRIP−1はbFGF+FRIP−1ペプ
チドに、そしてAAAはbFGF+対照AAAペプチドに対応する。データ棒は
、5〜10胚/条件の平均±標準偏差を表す。 このデータは、MMP−9/α5β1相互作用が血管形成において重要な役割
を演じ得ることを示唆する。
【0161】 実施例9 合成ペプチドに向けられるMabの生成 FRIP−1ペプチドを担体タンパク質KLHと複合させて、マウスに注入し
た。5つの代表的ハイブリドーマクローンからの順化培地を、FRIP−1ペプ
チドとのまたは対照AAAペプチドとの結合に関してELISAにより分析した
。図9に示したデータは、三重反復試験ウエルからの平均相対結合(光学濃度)
±標準偏差を表す。
【0162】 図9に示したように、FRIP−1ペプチドに対して多数のMabを生じ、こ
れらの抗体のうちのいくつか、例えば、MabFM155は、FRIP−1ペプチ
ドに対して高特異性を示したが、対照ペプチドAAAとは反応しなかった。した
がって、MabFM155をさらなる評価のために選定した。
【0163】 実施例10 MMP−9/α5β1相互作用に及ぼすMabFM155の影響 結論: α5β1をマイクロ滴定ウエル上に固定した(10μg/ml)。組換えヒトMMP
−9(2μg/ml)を、MabFM155またはLM609の存在下または不存在下で結
合させた。抗MMP−9ポリクローナル抗体を用いて、MMP−9結合を検出し
た。結果を図10に示す。データ棒は、三重反復試験ウエルからの平均光学濃度
±標準偏差を表す。図では、NTは非処置に対応し、FM155はMab抗FRI
P−1に対応し、そしてLM609は抗ανβ3Mabに対応する。
【0164】 図10は、MabFM155が精製α5β1と結合するMMP−9の能力を特異
的に遮断することを示し、これは、FM155がこの相互作用を生体内で乱すため
に用い得ることを示唆する。
【0165】 実施例11 黒色腫増殖に及ぼすFM155の全身投与の影響 CS−1黒色腫細胞(5 x 106)を10日齢ヒヨコ胚のCAM上に接種した。24
時間後、胚に精製MabFM155(2.0μg、10.0μg、50.0μg)を1回静注した
。7日後、腫瘍を切除し、湿質量を測定した。図11は、腫瘍の質量の定量を表
す。データ棒は、5〜10胚/条件の平均±標準偏差を表す。NTは非処置に関す
るデータを表す。
【0166】 図11は、MabFM155がCS−1黒色腫増殖を生体内で有効に抑制するこ
とを説明する。これらの知見は、MMP−9およびα5β1の相互作用の遮断が
血管形成および腫瘍増殖の生体内での調節において有意の役割を演じ得ることを
示す。
【0167】 本明細書の本文中に引用した以下の出版物はすべて、それらの記載内容が参照
により本明細書中に含まれる。 本発明の前記の説明は説明および例示のために示したもので、本明細書中での
実施の厳密な方式に本発明を限定するものではないと理解されるべきである。し
たがって、本発明の精神を逸脱しない限り、当業者は変更をなし得るし、本発明
の範囲は以下の特許請求の範囲に関して解釈されるべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、フィブロネクチンの110 kD細胞結合ドメインを利用する胎盤溶解物か
らのβインテグリンα5β1の精製の結果を示す。
【図2】 図2は、精製α5β1およびαvβ3がゼラチンと共重合させた10%SDS
PAGEゲル上で分離された場合の、β1インテグリンα5β1の電気泳動分析
の結果を示す。
【図3】 図3は、精製インテグリンα5β1およびαvβ3(1μg)が分離された場合
の、β1インテグリンα5β1のウエスタンブロット分析の結果を示す。
【図4】 図4は、β1インテグリンα5β1に結合する組換えMMP−9または対照タ
ンパク質β−カゼインに関する結合検定の結果を示す。
【図5】 図5は、組換えMMP−9がα5β1陽性および陰性細胞とともにインキュベ
ートされた実験の結果を示す。
【図6】 図6は、ヒト黒色腫血管におけるMMP−9およびβ1インテグリンα5β1
の同時局在化を確定するための実験の結果を示す。
【図7】 図7は、MMP−9と結合する合成ペプチドを同定するための実験の結果を示
す。FRIP−1は、配列番号1であり、AAAはAAAペプチドであって、こ
れは配列番号2である。
【図8A】 図8Aは、FRIP−1ペプチドが血管形成が誘導されていたヒヨコ胚中に注
入された実験の結果を示す。
【図8B】 図8Bは、FRIP−1ペプチドが血管形成が誘導されていたヒヨコ胚中に注
入された実験の結果を示す。
【図9】 図9は、合成ペプチドFRIP−1(配列番号1)に向けられるMabを生成
するための実験の結果を示す。
【図10】 図10は、組換えヒトMMP−9(2μg/ml)をMabFM155またはLM609
の存在下または不存在下で結合させた実験の結果を示す。
【図11】 図11は、黒色腫増殖に及ぼすFM155の全身投与の作用を確定するための実
験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 17/06 4H045 17/06 25/00 25/00 35/00 35/00 35/04 35/04 C07K 16/28 C07K 16/28 16/40 16/40 C12N 9/50 C12N 9/50 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 M 33/566 33/566 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ロドリゲズ,ドロシー アメリカ合衆国,カリフォルニア 90631, ラ ハブラ,ラモナ アベニュ 2030 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA36 FB02 FB03 4B050 CC03 DD11 LL01 4B064 AG27 CA19 CC24 DA05 DA13 4C084 AA02 AA07 AA17 DC02 DC32 MA17 MA66 NA14 ZA011 ZA361 ZA891 4C085 AA13 AA14 BB11 BB41 BB43 CC05 DD22 DD23 GG01 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA50 DA89 EA21 EA23 EA28 EA29 FA74

Claims (104)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質−タンパク質相互作用を修飾することにより血管
    形成を抑制するアンタゴニストであって、タンパク質−タンパク質相互作用が第
    一タンパク質内の少なくとも1つのアミノ酸配列および第二タンパク質内の少な
    くとも1つのアミノ酸配列間の相互作用を含むアンタゴニスト。
  2. 【請求項2】 第一タンパク質がMMP−9である請求項1のアンタゴニス
    ト。
  3. 【請求項3】 第一タンパク質がβ1含有インテグリンである請求項1のア
    ンタゴニスト。
  4. 【請求項4】 第一タンパク質がMMP−9であり、第二タンパク質がβ1
    含有インテグリンである請求項1のアンタゴニスト。
  5. 【請求項5】 タンパク質−タンパク質相互作用がMM−9をβ1含有イン
    テグリンと結合させる請求項4のアンタゴニスト。
  6. 【請求項6】 β1含有インテグリンがα5β1インテグリンである請求項
    3のアンタゴニスト。
  7. 【請求項7】 β1含有インテグリンがα5β1インテグリンである請求項
    4のアンタゴニスト。
  8. 【請求項8】 タンパク質−タンパク質相互作用が細胞表面または血管にお
    ける第一タンパク質および第二タンパク質の同時局在化を引き起こす請求項1の
    アンタゴニスト。
  9. 【請求項9】 血管形成を抑制する請求項1のアンタゴニスト。
  10. 【請求項10】 腫瘍増殖を抑制する請求項1のアンタゴニスト。
  11. 【請求項11】 転移を抑制する請求項1のアンタゴニスト。
  12. 【請求項12】 疾患状態を抑制する請求項1のアンタゴニスト。
  13. 【請求項13】 疾患が乾癬、黄斑変性、神経学的疾患またはある組織にお
    ける再狭窄である請求項12のアンタゴニスト。
  14. 【請求項14】 モノクローナル抗体である請求項1のアンタゴニスト。
  15. 【請求項15】 前記モノクローナル抗体がモノクローナル抗体FM155で
    ある請求項14のアンタゴニスト。
  16. 【請求項16】 モノクローナル抗体FM155の少なくとも1つの標的に対
    する結合特異性を有する請求項1のアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 ポリクローナル抗体である請求項1のアンタゴニスト。
  18. 【請求項18】 ポリペプチド、線状ペプチドまたは環状ペプチドである請
    求項1のアンタゴニスト。
  19. 【請求項19】 非ペプチド化合物である請求項1のアンタゴニスト。
  20. 【請求項20】 小型有機化合物である請求項1のアンタゴニスト。
  21. 【請求項21】 オリゴヌクレオチドである請求項1のアンタゴニスト。
  22. 【請求項22】 ヒト化または化学的修飾化モノクローナル抗体である請求
    項1のアンタゴニスト。
  23. 【請求項23】 モノクローナル抗体の断片である請求項1のアンタゴニス
    ト。
  24. 【請求項24】 細胞傷害剤または細胞***抑制剤に結合される請求項1の
    アンタゴニスト。
  25. 【請求項25】 血管形成および/または腫瘍増殖を抑制するためのポリペ
    プチドであって、MMP−9に対する配列番号3の結合能力より有意に大きい結
    合親和性でMMP−9と特異的に結合するポリペプチド。
  26. 【請求項26】 タンパク質である請求項25のポリペプチド。
  27. 【請求項27】 配列番号1からなる配列を有する請求項25のポリペプチ
    ド。
  28. 【請求項28】 ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1を含む請求項2
    5のポリペプチド。
  29. 【請求項29】 モノクローナル抗体である請求項25のポリペプチド。
  30. 【請求項30】 モノクローナル抗体がFM155である請求項29のポリペ
    プチド。
  31. 【請求項31】 血管形成または腫瘍増殖を抑制するためのポリペプチドで
    あって、β1含有インテグリンに対する配列番号3の結合親和性より有意に大き
    い結合親和性でβ1含有インテグリンと特異的に結合するポリペプチド。
  32. 【請求項32】 タンパク質である請求項31のポリペプチド。
  33. 【請求項33】 配列番号1である請求項31のポリペプチド。
  34. 【請求項34】 ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1を含む請求項3
    1のポリペプチド。
  35. 【請求項35】 モノクローナル抗体である請求項31のポリペプチド。
  36. 【請求項36】 モノクローナル抗体がFM155である請求項35のポリペ
    プチド。
  37. 【請求項37】 配列番号1と特異的に結合するが、配列番号3とは実質的
    に低減された親和性で結合するアンタゴニスト。
  38. 【請求項38】 血管形成を抑制する請求項37のアンタゴニスト。
  39. 【請求項39】 腫瘍増殖を抑制する請求項37のアンタゴニスト。
  40. 【請求項40】 ポリペプチドである請求項37のアンタゴニスト。
  41. 【請求項41】 タンパク質である請求項40のポリペプチド。
  42. 【請求項42】 配列番号1を含む請求項40のポリペプチド。
  43. 【請求項43】 モノクローナル抗体である請求項40のポリペプチド。
  44. 【請求項44】 モノクローナル抗体がFM155である請求項43のポリペ
    プチド。
  45. 【請求項45】 細胞表面または血管におけるMMP−9の局在化を乱すア
    ンタゴニスト。
  46. 【請求項46】 血管形成を抑制する請求項45のアンタゴニスト。
  47. 【請求項47】 腫瘍増殖を抑制する請求項45のアンタゴニスト。
  48. 【請求項48】 ポリペプチドである請求項45のアンタゴニスト。
  49. 【請求項49】 タンパク質である請求項48のポリペプチド。
  50. 【請求項50】 配列番号1を含む請求項48のポリペプチド。
  51. 【請求項51】 モノクローナル抗体である請求項48のポリペプチド。
  52. 【請求項52】 モノクローナル抗体がFM155である請求項51のポリペ
    プチド。
  53. 【請求項53】 組織中の血管形成の抑制方法であって、請求項1のアンタ
    ゴニストを投与することを含む方法。
  54. 【請求項54】 前記アンタゴニストが静脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内
    、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または経口的に投与される請求項53の
    方法。
  55. 【請求項55】 前記アンタゴニストが化学療法とともに投与される請求項
    53の方法。
  56. 【請求項56】 前記アンタゴニストが放射線照射とともに投与される請求
    項53の方法。
  57. 【請求項57】 組織が炎症を起こし、血管形成が起きている請求項53の
    方法。
  58. 【請求項58】 組織が哺乳類に存在する請求項57の方法。
  59. 【請求項59】 組織が関節炎、眼、網膜または血管腫である請求項58の
    方法。
  60. 【請求項60】 組織中の腫瘍増殖または転移の抑制方法であって、請求項
    1のアンタゴニストを投与することを包む方法。
  61. 【請求項61】 前記アンタゴニストが静脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内
    、腫瘍内、眼内、鼻腔内、局所的または経口的に投与される請求項60の方法。
  62. 【請求項62】 前記アンタゴニストが化学療法とともに投与される請求項
    60の方法。
  63. 【請求項63】 前記アンタゴニストが放射線照射とともに投与される請求
    項60の方法。
  64. 【請求項64】 腫瘍または転移が黒色腫、癌腫、肉腫、繊維肉腫、神経膠
    腫または星状細胞腫である請求項60の方法。
  65. 【請求項65】 請求項1のアンタゴニストを投与することによる乾癬、黄
    斑変性またはある組織における再狭窄の抑制方法。
  66. 【請求項66】 前記アンタゴニストが静脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内
    、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または経口的に投与される請求項65の
    方法。
  67. 【請求項67】 前記アンタゴニストが化学療法とともに投与される請求項
    65の方法。
  68. 【請求項68】 前記アンタゴニストが放射線照射とともに投与される請求
    項65の方法。
  69. 【請求項69】 請求項1のアンタゴニストを前記組織と接触させることに
    よる組織中の血管形成の検出方法。
  70. 【請求項70】 前記組織が生体外である請求項69の方法。
  71. 【請求項71】 前記組織が生体内であり、そして前記アンタゴニストが静
    脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または
    経口的に投与される請求項69の方法。
  72. 【請求項72】 前記アンタゴニストが蛍光色素、放射性タグ、常磁性重金
    属、診断用染料または酵素と複合される請求項69の方法。
  73. 【請求項73】 請求項1のアンタゴニストの投与による腫瘍または腫瘍侵
    襲の検出方法。
  74. 【請求項74】 前記組織が生体外である請求項73の方法。
  75. 【請求項75】 前記組織が生体内であり、そして前記アンタゴニストが静
    脈内、経皮的、滑液包内、筋肉内、腫瘍内、眼内、鼻腔内、鞘内、局所的または
    経口的に投与される請求項73の方法。
  76. 【請求項76】 前記アンタゴニストが蛍光色素、放射性タグ、常磁性重金
    属または診断用染料と複合される請求項73の方法。
  77. 【請求項77】 MMP−9アンタゴニストに関するスクリーニング方法で
    あって、以下の: a)推定アンタゴニストを提供し、 b) MMP−9との結合に関する前記推定アンタゴニストの第一親和性を測
    定し、 c)MMP−9との結合に関する配列番号3の第二親和性を測定し、 d)前記第二親和性が前記第一親和性より実質的に低い場合にはMMP−9ア
    ンタゴニストとして前記推定アンタゴニストを選択する ことを含む方法。
  78. 【請求項78】 前記推定アンタゴニストが非ペプチド化合物である請求項
    77の方法。
  79. 【請求項79】 前記非ペプチド化合物が小型有機化合物である請求項77
    の方法。
  80. 【請求項80】 前記非ペプチド化合物がオリゴヌクレオチドである請求項
    78の方法。
  81. 【請求項81】 前記推定アンタゴニストがポリペプチド、線状ペプチドま
    たは環状ペプチドである請求項77の方法。
  82. 【請求項82】 前記推定アンタゴニストが抗体である請求項77の方法。
  83. 【請求項83】 前記抗体がモノクローナルである請求項82の方法。
  84. 【請求項84】 前記抗体がポリクローナルである請求項82の方法。
  85. 【請求項85】 前記第一および前記第二親和性が酵素結合免疫吸着剤検定
    により測定される請求項77の方法。
  86. 【請求項86】 前記第二親和性が前記第一親和性の約3分の1である請求
    項77の方法。
  87. 【請求項87】 前記第二親和性が前記第一親和性の約5分の1である請求
    項77の方法。
  88. 【請求項88】 前記第二親和性が前記第一親和性の約10分の1である請
    求項77の方法。
  89. 【請求項89】 β1インテグリンアンタゴニストに関するスクリーニング
    方法であって、以下の: a)推定アンタゴニストを提供し、 b)β1インテグリンとの結合に関する前記推定アンタゴニストの第一親和性
    を測定し、 c)前記β1インテグリンとの結合に関する配列番号3の第二親和性を測定し
    、 d)前記第二親和性が前記第一親和性より実質的に低い場合にはβ1インテグ
    リンアンタゴニストとして前記推定アンタゴニストを選択する ことを含む方法。
  90. 【請求項90】 前記推定アンタゴニストが非ペプチド化合物である請求項
    89の方法。
  91. 【請求項91】 前記非ペプチド化合物が小型有機化合物である請求項89
    の方法。
  92. 【請求項92】 前記非ペプチド化合物がオリゴヌクレオチドである請求項
    90の方法。
  93. 【請求項93】 前記推定アンタゴニストがポリペプチド、線状ペプチドま
    たは環状ペプチドである請求項89の方法。
  94. 【請求項94】 前記推定アンタゴニストが抗体である請求項89の方法。
  95. 【請求項95】 前記抗体がモノクローナルである請求項93の方法。
  96. 【請求項96】 前記抗体がポリクローナルである請求項93の方法。
  97. 【請求項97】 前記第一および前記第二親和性が酵素結合免疫吸着剤検定
    により測定される請求項89の方法。
  98. 【請求項98】 前記第二親和性が前記第一親和性の約3分の1である請求
    項89の方法。
  99. 【請求項99】 前記第二親和性が前記第一親和性の約5分の1である請求
    項89の方法。
  100. 【請求項100】 前記第二親和性が前記第一親和性の約10分の1である
    請求項89の方法。
  101. 【請求項101】 請求項1のアンタゴニストにより認識されるエピトープ
    をコードする配列を含むペプチド。
  102. 【請求項102】 前記アンタゴニストがモノクローナル抗体である請求項
    101のペプチド。
  103. 【請求項103】 前記抗体がFM155である請求項102のペプチド。
  104. 【請求項104】 前記ペプチドが配列番号1である請求項101のペプチ
    ド。
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