JP2003505097A - 脂肪分低減乳清蛋白濃縮物とその製造方法 - Google Patents

脂肪分低減乳清蛋白濃縮物とその製造方法

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JP2003505097A
JP2003505097A JP2001513248A JP2001513248A JP2003505097A JP 2003505097 A JP2003505097 A JP 2003505097A JP 2001513248 A JP2001513248 A JP 2001513248A JP 2001513248 A JP2001513248 A JP 2001513248A JP 2003505097 A JP2003505097 A JP 2003505097A
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whey protein
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ボズウェル、ロバート、フィリップ
ハッチンソン、ジョアンナ、キャンベル
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ニュージーランド コーオペレイティブ デイリー カンパニー リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、脂肪分低減乳清蛋白濃縮物(脂肪分低減WPC)と、脂肪分低減WPCを生成する製造方法に関する。本発明に係る方法は、乳清の固形含有物を濃縮してWPC中間体を得、該WPC中間体を水で希釈する工程を有する。水で希釈することにより、イオン強度を予め選定された値よりも低下させるとともに、希釈されたWPC中間体のpHを3.8〜5.0の範囲内に調整する。フロックが形成される適当な時間までpHを保持し、フロックを取り除いて脂肪分低減WPC上澄液を残留させる。得られたWPCにおける脂肪分含有量は4%以下、好ましくは1%以下である。この方法では、酸WPCから得られた一般的なWPCと同等の機能的特性を有する脂肪分低減WPCの粉末を甘味乳清から得ることもできる。加えて、この方法では、乳清蛋白分離物(WPI)と同等の機能的特性および組成を有する脂肪分低減WPCを酸乳清または甘味乳清から得ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、脂肪分低減乳清蛋白濃縮物(脂肪分低減WPC)と、限定されるも
のではないが、好適には、甘味乳清(sweet whey)からの生成物として脂肪分低
減WPCを生成する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
背景 乳清蛋白濃縮物(WPC)と乳清蛋白分離物(WPI)の2つは、乳清蛋白製
品分野の主要製品である。一般的には、WPCは、35%を超える蛋白と4%を
超える脂肪分を含有し、WPIは、80%を超える蛋白と2%未満の脂肪分を含
有する。WPCと比較して蛋白含有量が多く、かつ脂肪分含有量が少ないという
WPIの組成は、優れた機能的特性を示すので好ましい。結論として、WPIは
、高い市場価値があると見込める。しかしながら、WPIの製造方法は非常にコ
スト高であり、しかも、収率が低い(通常、イオン交換WPIで50〜60%、
限外濾過WPIで50〜75%)。
【0003】 WPCは、様々な用途で使用される。用途は概ね2分野に大別され、その1つ
は栄養学的用途であり、もう1つは機能的用途である。栄養学的用途としては、
例えば、乳児用調合乳、経腸処方薬、スポーツドリンクが挙げられる。一方、機
能的用途としては、ゲル化剤、発泡剤、エマルジョン化剤、その他、焼成製品に
とって有用な特性を示す試薬が例示される。
【0004】 機能性は、Pour-EI,A.によって「利用時に栄養学的な影響を与えるような作
用を除く食物または食物材料としての特性」として定義されている(1981、
「蛋白の機能:分類、定義、方法論」、食物の蛋白機能、アメリカ合衆国)。蛋
白含有物の機能的特性は、含有物の組成や、その含有物が使用される食物系の組
成に影響を受け、この食物系を調製する際のプロセス条件にも影響を受ける。含
有物の主たる機能的特徴は、水和に関する特性(分散性、溶解度、膨張性、粘度
、ゲル化性)や、表面に関する特性(エマルジョン性、発泡性、大気−水および
油−水での吸着性)に分類される。
【0005】 WPCは、酸(無機質酸あるいは乳の乳清)、または、チーズやカゼインを製
造する際に牛乳から得られる牛乳蛋白の甘味(チーズやレンネット乳清)凝固物
の副生成物である乳清から得ることができる。酸または甘味乳清からWPCを製
造する標準的な方法は、例えば、米国特許第4,200,662号の明細書で開
示されている周知事項である。
【0006】 牛乳のpHをおよそ4.6にする酸性化では、カゼインが不溶となるとともに
、例えば、カゼイン(無機質酸カゼインあるいは乳のカゼイン)またはある種の
チーズ(カッテージチーズ)内で凝固するという現象を引き起こす。カゼイン凝
乳、チーズ凝乳から除去された副産物は、酸乳清として知られている。乳清を製
造する他の方法としては、レンニンおよび/またはペプシン、蛋白分解性酵素を
添加することによってカゼインを凝固させる方法が挙げられる。凝固したカゼイ
ンを除去した後に得られる乳清は、甘味乳清またはチーズ乳清として知られてい
る。
【0007】 WPCを製造する際、乳清蛋白固形分が実質的に35%である製品が得られる
ように、酸または甘味乳清が濃縮される。濃縮処理としては、脱ラクトースや電
気的透析、逆浸透、ゲル濾過、あるいは限外濾過等がある。
【0008】 WPCの機能的性能は、WPIよりも低い場合がある。しかしながら、酸WP
Cは、WPIに比して優れた機能を有することが多い。一般的には、チーズWP
Cは、酸WPCと比較して著しく優れた機能性を示す。この理由は、脂肪分の含
有量の差異に起因するものと考えられる。すなわち、チーズWPCは、通常、酸
WPCと比較して脂肪含有量が高い。チーズWPCの市場価値は、酸WPCやW
PIよりも低い。機能性を向上させることにより、チーズWPCの市場価値が向
上するものと予想される。加えて、脂肪含有量をWPIと同程度まで低減するこ
とができるのであれば、酸WPCと同等程度にまで機能的特徴を向上させること
ができる。
【0009】 すなわち、本発明の目的は、少なくとも上記した問題点を克服し、また、少な
くとも選択の幅を広げる選択肢となるWPCおよび/またはその製造方法を提供
することにある。
【0010】 本発明の他の目的は、以下に記載された実施の形態から明らかにされるであろ
う。
【0011】 発明の説明 本発明に係る一観点によれば、脂肪分が4%以下の脂肪分低減乳清蛋白濃縮物
(WPC)を乳清から調製する方法であって、 乳清の固形含有物を濃縮してWPC中間体とする工程と、 前記WPC中間体を水で希釈してイオン強度を低下させる工程と、 希釈された前記WPC中間体のpHを3.8〜5.0の範囲内に調整する工程
と、 pHを一定時間保持してフロックを形成させる工程と、 前記フロックを取り除いて脂肪分低減WPC上澄液を残留させる工程と、 を有することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法が提供される
【0012】 本発明に係る方法の好適な実施形態においては、希釈されたWPC中間体の温
度を制御した後、pH調整を行う工程がさらに行われる。
【0013】 この際、温度を50℃に上昇させることが好ましい。または、10℃まで低下
させるようにしてもよい。
【0014】 本発明に係る方法の好適な実施形態においては、pHが4.2〜4.4の範囲
内に調整される。
【0015】 この場合、pHを調整するために添加される試薬の好適な例としては、無機質
酸または有機酸を挙げることができる。特に、クエン酸が好適である。
【0016】 また、温度を50℃に上昇させた上でフロックを清済器にて取り除くことが好
ましい。
【0017】 さらに好適な実施形態においては、固形物の濃度が12〜30%全固形物の範
囲内、より好ましくは18%超、さらに好ましくは23%となるまで濃縮が行わ
れる。
【0018】 ここで、固形物を濃縮する好適な手法としては、限外濾過が挙げられる。
【0019】 そして、WPC中間体を水で希釈し、かつその際の残留物対水の割合を1:3
〜1:20とすることが好ましい。
【0020】 WPC中間体における固形物の含有量が18%全固形分を超える場合、残留物
対水の割合を1:9とすることが好ましい。また、水は脱ミネラル水であること
が好ましい。
【0021】 本発明に係る方法において、好適な出発乳清は甘味乳清である。
【0022】 本発明に係る方法のさらに好適な実施形態では、脂肪分低減WPC上澄液を固
形含有物に濃縮した後、乾性粉末製品とする工程が行われる。
【0023】 本発明に係る別の観点によれば、甘味乳清から得られるとともに、酸乳清から
一般的手法により得られた一般的なWPCと少なくとも同等の機能的特性を有す
るWPCが提供される。
【0024】 本発明に係るまた別の観点によれば、酸または甘味乳清から得られるとともに
、一般的なWPIと同等の機能的特性を有するWPCが提供される。
【0025】 本発明に係るさらなる観点は、添付の図面および/または実施例を参照して以
下の記載内容に鑑みることによって明確となるであろう。
【0026】 発明の詳細な説明 本発明に係る方法は、図1に概ね示されており、脂肪分低減WPCを製造する
ために乳清(好ましくは甘味乳清)を処理する工程を有するものである。図1に
示されるように、大まかには、乳清の固形成分を濃縮する工程と、好ましくは限
外濾過処理にて12%〜30%全固形分の範囲内である固形含有物を含むWPC
中間体を得る工程とを有する。固形含有物は、18%を超えることが好ましく、
実際の含有量の最大値は30%である。WPC中間体は、次いで水で希釈され、
低イオン強度のWPC残留物となる。希釈率は、WPC中間体の固形物含有量に
依存して変化させるが、残留物:水=1:3〜1:20の範囲内とする。好適な
固形物含有量である18%を超える場合では、およそ1:9とすることが適切で
ある。希釈された残留物は、pHを3.8〜5.0内で選定された程度に調整さ
れた後、特定の時間、フロックが生成するような条件下におかれる。この高い割
合で脂肪分を含有するフロックを分離すれば低脂肪分の上澄みが残り、次いで、
この上澄みが、例えば、乾性粉末である脂肪分低減WPCを得るために処理され
る。
【0027】 最終生成物は、ラクトースの含有量が低減されており、かつ脂肪分の含有量も
低減されている。このような組合せの場合、結果的に蛋白含有量が増加する。甘
味蛋白を出発原料とした場合、脂肪含有量は1%以下にまで減少する。従来から
の甘味WPCにおける脂肪含有量は6〜7%であり、従来からの酸WPCにおけ
る脂肪含有量は一般的に4%以上である。したがって、本発明に係る方法にて甘
味WPCの脂肪含有量を減少させることにより、少なくとも従来からの酸WPC
製品と同等の機能を発現させることができる。4%以下に低減させることにより
、脂肪含有量を1%以下に低減させるのと同様に、WPIの機能的性能に近づけ
ることができる。換言すれば、本発明に係る方法は、酸WPCの機能的特性を向
上させるのに適切である。
【0028】 本発明に係る方法の更なる詳細、およびその方法により得られる生成物に関し
て、好適な実施の形態を例示して説明する。
【0029】 実施例 図2に、パイロットプラントで試験的に行われた製造方法の概略を示す。
【0030】 クエン酸のpHを6.00に低下させるために、甘味乳清を投薬した。次に、
乳清を間接的に加熱して73℃まで温度上昇させ15秒間保持した後、55℃ま
で再生的に冷却した。加温した乳清を静置した後、限外濾過(UF)を行った。
UFは、10kDの螺旋線が巻かれた膜を使用し、13回繰り返して乳清の全固
形分(TS:単位はブリックス)を6%から23%に増加させた。8回目が終了
後、ダイアフィルトレーション(DF−使用可能な高濃度にするために脱ミネラ
ル水を付加する)を行った。UFを行った後、残留物をおよそ4℃に冷却して細
菌を制御し、静置した。
【0031】 この甘味乳清残留物(23%ブリックス)100リットルを、50℃において
、900リットルの脱ミネラル水で希釈し、残留物対水の割合をおよそ10%:
90%とした。好適にはイオン強度を有するこの混合物を、均一な溶液となるよ
うに撹拌した。混合した後、希釈残留物を間接的に加熱して50℃まで温度上昇
させた。
【0032】 次いで、温度上昇した希釈残留物を酸性化した。クエン酸をインラインで投薬
し、pHを約6.00から約4.30まで低下させた。溶液を15分間保持した
後、パイロット清済器(GEA−ウェストファリアモデルKNA3)を使用して
清済した。フロックを上澄液から分離するこの操作は、0.5mmノズルを2本
使用し、750L/hr、背圧4〜4.5barで連続的に放出することにより
行った。
【0033】 酸性化工程においては、他の酸や混合酸を使用するようにしてもよい。また、
フロックを形成させるのに好ましいpHは4.30であるが、効果は多少低下す
るものの、3.8〜5.0の範囲内としてもよい。保持時間を調整することによ
り、除去に際して有利なようにフロック形成を最適化することができる。
【0034】 次いで、上澄液を50℃に加熱して、5kDの螺旋線が巻かれた膜を使用して
UFを行った。この2回目のUF工程により、約20%TS(ブリックス)まで
濃縮された生成物を得た。体積濃度分率(VCF)は、およそ10であった。ダ
イアフィルトレーション用の水は添加しなかった。
【0035】 次いで、最終粉末のpHが6.8〜7.0となるように、KOHとNaOHの
混合物を用いて残留物のpHを6.8に調整した後、スプレードライを行った。
【0036】 甘味乳清の初期固形物濃度を変化させ、割合を上記した実施例よりも大きくし
たり小さくしたりすることができることは、当業者にとって容易に諒解し得る事
項である。イオン強度を有するWPC残留物を得るには、希釈の割合を大きくし
たり小さくしたりすればよい。
【0037】 また、フロックを上澄液から分離させる方法として、例えば、重力分離や濾過
、液体サイクロン等の他の方法を採用することも、当業者にとって容易に諒解し
得る事項である。
【0038】 上記した実施例に係る方法は、希釈WPC残留物を50℃に加温する工程を有
するが、最適な温度は、保持時間や分離方法等の様々な因子に応じて決定すれば
よい。この方法では、希釈WPC残留物を約10℃まで冷却して酸性化している
が、清済による以外の分離方法は、例えば、加熱であってもよい。
【0039】 生成物の組成 表1に、本発明に係る方法によってパイロットプラントにて製造された生成物
の組成のデータを示す。
【0040】
【表1】
【0041】 この表に示すように、副生成物であるフロックの脂肪分含有量は約13%であ
った。乾性WPC最終製品における蛋白含有量は約87%であり、脂肪含有量は
わずか1%であった。
【0042】 機能性試験 パイロットプラントで試作された最終製品につき、機能特性、具体的には、溶
解度、粘度、ゲル化(水または食塩水)、発泡(砂糖が存在するとき・しないと
き)、酸飲料の急速試験における挙動をモデル的な食物系(菓子、乳児用調合乳
あるいはヨーグルト等)として調査した。
【0043】 結果を以下に説明する。
【0044】 1.機能試験のシステム a)溶解度 生成物は、最終製品としての用途、特に飲料において、広いpH範囲で沈殿物
を生じないことが望ましい。表2に、各サンプルのpHと溶解度の関係を示す。
パイロットプラント試料における溶解度は、酸WPCの溶解度よりも著しく大き
い。このことは、この試料では、酸WPCと比較して、沈殿物が生じるpH範囲
が狭いことと、沈殿物の生成量が少ないことを示すものである。
【0045】
【表2】
【0046】 b)粘度 パイロットプラント試料での粘度と全固形物との関係を酸WPCと比較して以
下に示す。粘度は流体力学的特性の目安となるものであり、用途が、例えば、ソ
ースやグレイビーソース、サラダドレッシング等である場合には重要である。パ
イロットプラント試料における粘度特性は、酸WPCと同等である。
【0047】
【表3】
【0048】 c)発泡性 発泡性は、例えば、ケーキや菓子等に用いるときに重要となる。表3から、砂
糖を使用しない発泡系において、パイロットプラント試料の最大膨張率がその用
途の目標製品であるWPIにおける最大膨張率よりも大きいことが明らかである
。2つの系において、パイロットプラント試作は、WPIに比して優れた発泡安
定性を示す。
【0049】
【表4】
【0050】 d)ゲル化 ゲル化は、例えば、ヨーグルトや食肉加工品(restructured meat)のような
系で重要となる機能的特性である。表4に、NaClゲルが0%である際のパイ
ロットプラント試料と酸WPC(目標製品)との類似性を示す。NaClが0.
4%である場合の比較は行っていないが、NaClが2%である場合、パイロッ
トプラント試料の特性はWPIよりも劣るようになる。
【0051】
【表5】
【0052】 e)酸飲料急速安定性試験 パイロットプラント試料とWPIとを80℃で20分加熱した後、様々なpH
で測定した吸光度を以下に示す。酸飲料は、pHが3.8であることが適切であ
る。WPIが目標製品であるこの用途では、2つの製品の吸光度は、pHが異な
っていてもほとんど変化しない。
【0053】
【表6】
【0054】 望ましいものではない沈殿物は、パイロットプラント試料ではpHが4.0の
ときのみに認められた(14.5ml沈殿物)。これに対し、WPIでは、pH
が4.0のときに2mlであり、3.8のときに1mlであった。
【0055】 2.モデル食物系 a)凝固ヨーグルト 表5に、パイロットプラント試料と酸WPCをそれぞれ凝固ヨーグルトに使用
した場合の類似性を示す。
【0056】
【表7】
【0057】 b)流動ヨーグルト 表6に、パイロットプラント試料と酸WPCをそれぞれ流動ヨーグルトに使用
した場合の類似性を示す。
【0058】
【表8】
【0059】 c)乳児用調合乳 以下の結果は、パイロットプラント試料と酸WPCをそれぞれモデル乳児用調
合乳系に使用した場合の類似性を示す。
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】 以上のことから、本発明に係る方法によれば、実質的に脂肪分であるフロック
を容易に除去することができ、蛋白量が高くかつ脂肪分が低減されたWPC最終
製品を残留させることができ、しかも、乳清(好ましくは甘味乳清)の機能的特
性を向上させることもできることが明らかである。甘味乳清から得られた最終生
成物の機能的特性は、少なくとも従来からの酸WPCと同等であり、組成も類似
している。さらに、甘味乳清または酸乳清から誘導して、WPIと実質的に同等
の機能的特性を有するWPC生成物を得ることができる。
【0063】 本明細書において言及した公知事項に関しては、詳細な説明は省略するが、そ
の内容を援用して本明細書の一部とする。
【0064】 本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、その主旨を逸
脱しない範囲であれば如何なる変更や改変も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る好適な一実施形態の概略的な特徴を示すフローダイアグラムであ
る。
【図2】 本発明に係る一実施例のフローダイアグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪分が4%以下の脂肪分低減乳清蛋白濃縮物(WPC)を乳清から調製する
    方法であって、 乳清の固形含有物を濃縮してWPC中間体とする工程と、 前記WPC中間体を水で希釈してイオン強度を低下させる工程と、 希釈された前記WPC中間体のpHを3.8〜5.0の範囲内に調整する工程
    と、 pHを一定時間保持してフロックを形成させる工程と、 前記フロックを取り除いて脂肪分低減WPC上澄液を残留させる工程と、 を有することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、pHを4.2〜4.4の範囲内に調整すること
    を特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法において、無機質酸または有機酸を添加することによって
    pHを調整することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の方法において、クエン酸を添加することによってpHを調整す
    ることを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法において、乳清の固形含有物を限外
    濾過によって濃縮することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法において、固形物の濃度が12〜3
    0%全固形物となるまで濃縮することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法において、固形物の濃度が18%全固形物を超えるまで濃
    縮することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法において、固形物の濃度が23%全固形物となるまで濃縮
    することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法において、WPC中間体を水で希釈
    し、かつその際の残留物対水の割合を1:3〜1:20とすることを特徴とする
    脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の方法において、WPC中間体を水で希釈し、かつその際の残留
    物対水の割合を1:9とすることを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の方法において、水として脱ミネラル水を使用するこ
    とを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法において、出発乳清として甘味乳
    清(sweet whey)を使用することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の方法において、希釈されたWPC中間体の温度を制御した後、
    温度を50℃に上昇させてpH調整を行う工程をさらに有することを特徴とする
    脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の方法において、希釈されたWPC中間体の温度を制御した後、
    温度を10℃に下降させてpH調整を行う工程をさらに有することを特徴とする
    脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の方法において、フロックを清済器にて取り除くことを特徴と
    する脂肪分低減乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法において、脂肪分低減WPC上澄
    液を固形含有物に濃縮した後、乾性粉末製品とすることを特徴とする脂肪分低減
    乳清蛋白濃縮物の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1項に記載された方法によって製造された脂肪分低
    減乳清蛋白濃縮物であって、脂肪分含有量が4%以下であることを特徴とする脂
    肪分低減乳清蛋白濃縮物。
  18. 【請求項18】 請求項12記載の方法によって製造された肪分低減乳清蛋白濃縮物であって、
    酸乳清から一般的手法により得られた一般的なWPCと少なくとも同等の機能的
    特性を有することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物。
  19. 【請求項19】 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法によって製造された脂肪分乳清蛋
    白濃縮物であって、酸乳清から得られ、かつ一般的なWPIと同等の機能的特性
    を有することを特徴とする脂肪分低減乳清蛋白濃縮物。
  20. 【請求項20】 添付の図面および/または例を参照して本明細書に実質的に開示された脂肪分
    低減WPCの製造方法。
  21. 【請求項21】 添付の図面および/または例を参照して本明細書に実質的に開示された脂肪分
    低減WPC。
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