JP3210333B2 - 等電pHにおいて凝集可能な蛋白、例えばカゼインのアルカリ金属イオン含量の加減による即時熱的凝集法、かくして得られる凝塊およびその使用、特に食料品の製造のための使用 - Google Patents

等電pHにおいて凝集可能な蛋白、例えばカゼインのアルカリ金属イオン含量の加減による即時熱的凝集法、かくして得られる凝塊およびその使用、特に食料品の製造のための使用

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、等電pHにおいてゲル化可能な蛋白を、5.5
〜6.7のpHで、ゲル化剤の存在なしに即時ゲル化する方
法に関する。
本発明はまた、上記方法により得ることができるゲル
およびそのようなゲルを食料品の製造において使用する
ことに関する。
本発明の方法は、特にミルクカゼインおよび類似蛋白
に適用できる。
続く記載においては、簡単にする目的で、ミルクまた
は乳製品のゲル化に最も頻繁に言及するが、この乳製品
についての言及は限定的であるとみなしてはならないこ
とを理解しなければならない。
ミルクのゲル化は、カゼインミセルの大きさで起こる
物理化学変化から生じる。今まで知られており、乳製品
やチーズの技術において広く使用されている2つのタイ
プのゲル化は、ゲル化酵素、例えばレンネットの働きに
より誘発されるかまたはカゼインの等電pHへと酸性化す
ることにより誘発され、そして「カード」と呼ばれるゲ
ルおよびホエーとして知られている液体残留物を生成す
る。
レンネットの作用は、カッパ−カゼインへの攻撃に反
映され、これは105および106残基の大きさで切断され、
ミセル中で変化を起こす:正味の電荷は減少され、そし
てミセルの表面はより疎水性になる。これらの変化は、
ミセル間の引力と反発力の間の平衡を修飾し、カッパ−
カゼインの加水分解の程度が十分であるとゲル化および
パラ−カゼインミセルのネットワークの形成が起こる。
ミルクの酸性化もまた、カゼインの等電pHに達する
と、同様の方法(ゼータ電位の絶対値の低下)によりゲ
ル化に反映されるが、ミセルは保存されない:事実、ミ
セルを安定化したコロイド状リン酸カルシウムは酸性化
によって溶解される。したがって乳カードは実質的に脱
灰され、無機物は乳清中に含まれる。
自然環境の中ではカゼインは熱処理に対して著しく安
定であることもまた知られている:事実、ミルクは、ゲ
ル化が観察されるためには、加圧下で130℃の程度の温
度で10〜15分間、または115℃で50分間処理しなければ
ならない;例えばシー.アライス(C.ALAIS)の、サイ
エンス ド レ(Science du lait)、第4版、セパイ
ック(SEPAIC)、パリ、第163頁を見よ。
ホエー蛋白は熱に対してより敏感である。例えば、ベ
ータ−ラクトグロブリンは80℃程度の変性温度を有す
る。しかし、ミルクでは、それはこの温度では沈殿しな
いが、カッパ−カゼインに結合する。事実、ホエー蛋白
の濃度が5%より小さいとき(ミルクにおける濃度が0.
6%程度である)、ホエー蛋白のゲル化によりゲルを得
ることは難しい。
さらに、チーズまたは乳製品の製造技術はまた、ミル
クから誘導された別の出発物質、すなわち限外濾過によ
りミルクの濃縮から得られるレテンテート(retentat
e)を使用する。この工程は、水ならびに可溶性化合
物、例えばラクトース、無機塩類または小さいペプチド
類の除去を可能にする(が、その濃度を著しく変えるこ
とはない)。一方、より嵩高い化合物(脂肪小球、蛋白
類)は、膜を通過せず、したがってレテンテート中に濃
縮される。
チーズ技術におけるレテンテートの使用は、数多くの
科学出版物および特許の主題であり、その最も古いもの
の1つはフランス特許第2 052 121号であり、これはMMV
法という名で知られた方法について述べている。
限外濾過レテンテートに基づくチーズ技術において
は、ラクトースの相対割合を低くすることが時には望ま
しい。この割合を低くすることは、透析濾過(diafiltr
ation)として知られている操作によって成し遂げるこ
とができる。透析濾過は、限外濾過の前、濾過中および
濾過後に既知の体積の水を添加することおよび加えた水
の量に等しい浸透量を除去するように限外濾過の操作を
長くすることからなる。例えば、米国特許第4,689,234
号明細書に記載された方法においては、所定の緩衝能力
のラクトース比を得るように、ミルクを限外濾過により
濃縮し、透析濾過し;次に、4.9〜5.3のpHを得るよう
に、酸もしくは酸前駆体、または乳酸発酵を起こさせる
物質を添加し、次いでレンネットのようなゲル化剤を添
加する。次に慣用の技術的処理によって、得られたカー
ドをチーズに転化する。
同様に、PCT特許出願WO 84/01268号の方法において
は、2〜8の体積濃度係数を有するレテンテートを製造
するためにミルクを濃縮し、そしてラクトース含量を減
少させるように透析濾過し;0.05〜1.5単位のpHの低下を
得るように、このレテンテートを次に熟成させそしてレ
ンネットでゲル化させる。続く脱カード化(decurdlin
g)、カード−ボイリング(curd−boiling)および熟成
処理によって、ハードチーズを得ることができる。
この科学的および技術的文献は、ゲル化剤酵素の添加
による、または(カゼインの等電pHを得るように)著し
く酸性化することによる、またはこの2つの方法の組合
せによる以外の、ミルクまたはレテンテートにおけるカ
ゼインミセルのゲル化の可能性について述べていない。
本発明は特に、ミルク、乳レテンテートまたは等電pH
でゲル化し得るその他の類似の蛋白溶液における、カゼ
インの新規なゲル化法に関し、本方法は1価の陽イオン
含量の制御に基づく。
事実、アルカリ金属イオン含量を変化させることは、
少し酸性化させることと組合せて、ゲル化温度の任意の
変化を許し、かつ特にアルカリ金属イオン含量の減少は
穏やかな加熱処理中にミセルのゲル化を引き起こすこと
が見出された。
本発明の方法に従うゲル化pHは、等電pHからかなり離
れている。
本発明の方法はしたがって、酸ゲル化の1つではな
い。同様に、ゲル化は蛋白質分解作用なしに起こる。さ
らに、使用するゲル化温度はホエー蛋白が変性される温
度ではなく、本方法は、変性によって乳清蛋白ゲルの形
成が起こるのに不十分なホエー蛋白濃度で操作する。事
実、本方法はカゼインのゲル化の1種である。
特に、6倍に濃縮され、透析濾過によりアルカリ金属
イオンを実質上除去され、そして透析液と共に除去され
た無機塩類を含む種々の可溶性要素が制御された量で独
立に添加されているレテンテート中のカゼインのゲル化
温度を測定することによりアルカリ金属鉱物の効果を証
明することが可能となった。例えばpH6において、考慮
中のレテンテートはその温度が39℃に上がるとゲル化す
る。透析濾過による損失した量を回復するのに十分な量
の(リン酸塩の形の)カルシウム塩または(塩化物の形
の)マグネシウム塩の添加は、熱処理する間のレテンテ
ートの挙動をいかなる様にも変化させない。ラクトース
の添加もまた影響を与えない。他方では、ナトリウム塩
および/またはカリウム塩を添加すると、カゼインミセ
ルは再安定化され、ゲル化温度はより高い値へと移行す
る。
この結果は、カゼインミセルの懸濁物の安定化におけ
るアルカリ金属イオンの重要な役割を示す。
本発明のゲル化法は、ミセルが破壊されもまた脱灰さ
れもしないという点で慣用の酸ゲル化と異なる。また、
カッパ−カゼインの破壊が起こらないという点でレンネ
ットによるゲル化とも異なる。本方法は事実カゼインゲ
ル化法の1つであり、乳清蛋白は穏やかな加熱処理によ
り影響を受けない。
操作条件、すなわち、1価の陽イオン(ナトリウムお
よび/またはカリウム)の濃度およびpHはミセルのゲル
化温度を決定する。
このように、pHの選択(等電pHより上)およびアルカ
リ金属イオン濃度の選択によって、ミルクカゼインのゲ
ル化温度を任意に変化させることが可能となり、このゲ
ル化は即時である。
ゲル化温度は、アルカリ金属イオンの濃度の変化と同
じ方向で、かつpHの変化と同じ方向で変化する。
例えば、透析濾過により脱塩され、pH5.85に酸性化さ
れたミルクまたは乳レテンテートは、カゼイン1g当たり
0.3ミリモルの1価の陽イオン含量を有すると、40℃で
ゲル化し;このゲル化温度は、カゼイン1g当たり0.5ミ
リモルの1価の陽イオン含量については67℃に上がる。
pH6.15では、第1のレテンテート(1g当たり0.3ミリモ
ル)が77℃でゲル化する。この現象は、どのようなカゼ
イン濃度でも、すなわち、ミルクおよび限外濾過により
得られたレテンテートの両方において観察される。1価
の陽イオン含量の低下が非常に実質的であると、ゲル化
が環境温度より低い温度ですら観察され得る。
フランス特許出願FR 88 13899号には、濃縮された限
外濾過レテンテートの「熱ゲル化−沸騰(thermocoagul
ation−boiling)」の方法が記載された。この特許出願
においては、詳細に述べられた体積濃度レベルはいつも
5より大きく、容認できるコンシステンシーを有するゲ
ル化された生成物を得るためには、ゲル化剤または濃化
剤を使用することが通常必要である。さらに、観察され
るゲル化は即時ではなく、数時間に及び得る加熱時間を
必要とする。よって、この特許出願において述べられた
熱処理は、変性されたホエー蛋白の綿状沈殿反応に相当
し、これは事実、上述してきたように、十分な濃度であ
るとき沈殿する。
したがって本発明は、等電pHにおいてゲル化可能な蛋
白を、5.5〜6.7のpHで、ゲル化剤の存在なしに、即時ゲ
ル化する方法に関し、ここでは、使用する出発物質は、
少なくとも1つのその様なゲル化可能な蛋白を変性しな
い状態で含有する水性溶液であり、ここでこの溶液中の
アルカリ金属イオン含量は所定の値に調整され、かつ2
〜20重量%の濃度でこの蛋白を含有するこの溶液は20〜
100℃で自由に選ばれる温度に加熱される。これは次の
条件下で行う、すなわちこの所定の値は、この濃度でお
よび等電pHより高いこのpHでおよびこの温度で、この蛋
白が即時にゲル化するような値であるところの条件下で
ある。
蛋白溶液を選択されたゲル化温度に加熱することによ
り成る操作は加熱操作であり、すなわちしたがって出発
溶液の温度は、選択されたゲル化温度より低く選択され
なければならないことを理解しなければならない。
慣行により、本願においては、「水性蛋白溶液」とい
う語は蛋白質の溶液またはコロイド懸濁物(例えばカゼ
インミセルのコロイド懸濁物)のいずれかを示す。
本願においては、「ゲル化」という語は液体(蛋白溶
液または懸濁物)が最初の液体の体積を本質的に占める
均質なゲルに変わることを示す。ゲル状態が、固体状態
と液体状態の中間状態であることは知られている。ここ
ではポリマー分子(この場合蛋白)が格子に組み立てら
れ、液相の対流移動を妨げている。ゲルの構造の概略の
認識は、液相はポリマー格子が小さな塊へと崩壊するの
を妨げ、一方では格子は液相が流れるのを妨げると述べ
ることにより与えられ得る。このように、本願において
は、「ゲル化」および「凝集」という語は同義語とみな
されなければならず、相互的な組織化のない粒子の形で
の沈殿(綿状沈殿(flocculation)と区別される現象を
示す。
したがって本発明の方法は、単なる沈殿ではなく、
(上記で定義した)真のゲル化反応を等電pHにおいて引
き起こすことができる蛋白にだけ適用されることを理解
しなければならない。このように、例えば本発明の方法
はホエー蛋白には適用されない。このホエー蛋白は等電
pHにされると沈殿し、ゲル化しない。しかしながらもち
ろん、ホエー蛋白はカゼインと共に出発物質において存
在することができ、そしてゲル化の後にカゼイン格子の
中に液相と同じ方法で閉じ込められるであろう。
特別の実施態様においては、本発明の方法はさらに以
下の特性を単独でまたは適当ならば組合せて有すること
ができる: −前記蛋白は動物蛋白、例えばカゼインまたは動物の肉
(獣肉または魚肉)から抽出した蛋白、または植物蛋
白、例えば大豆蛋白である; −前記蛋白はカゼインである; −アルカリ金属イオン含量は、出発物質の含量に依存し
て、ナトリウム塩および/またはカリウム塩を添加する
ことによるかまたは希釈し次いで限外濾過(透析濾過)
することにより調整される; −前記溶液は、限外濾過レテンテートであり;前記レテ
ンテート中ではアルカリ金属イオン含量が、特に透析濾
過により調整されることができ;透析濾過のために加え
た水は低いアルカリ金属イオン含量、例えば1リットル
当たり20mgより少ない含量を有する水であることを理解
しなければならない; −前記溶液はミルクの限外濾過レテンテートであり;前
記ミルクは特に雌牛のミルク、ヤギのミルク、羊のミル
ク、カウ−バッファロー(cow−buffalo)のミルク等で
ある; −pHは、アルカリ金属イオン含量の調整の前または(最
もしばしば)後であるが、もちろん熱処理の前に、必要
ならば選択された値に調整され;前記pHは普通の方法で
調整される; −前記pHは5.5〜6.7の範囲内にあり、とりわけ5.7〜6.
4、特には5.8〜6.3の範囲内にある; −前記蛋白がカゼインであるとき、本方法は5.8〜6.3の
pHで行うのが好ましい; −前記溶液は前記蛋白を2〜20重量%含む; −前記溶液は前記蛋白を2〜16重量%、例えば2〜12重
量%、および特には2〜7重量%、または2〜5重量%
ですら含む; −前記蛋白がカゼインであるとき、前記溶液は蛋白質を
2〜16重量%含むのが好ましい;そして −前記蛋白が少なくとも1つの大豆蛋白であるとき、前
記溶液は蛋白質を3〜10重量%含むのが好ましい。
本発明の方法により得られたゲルまたはゲルは種々の
堅さを有することができる。この堅さは特に前記蛋白の
濃度と共に変化する。例えば、乳起源の出発物質の場合
には、ゲルの堅さはゲル化温度(およびしたがって1価
の陽イオンおよびpHパラメーターの函数である)および
カゼイン含量により決定される:カゼイン濃度3%、pH
6.00およびカゼイン1g当たりの陽イオン含量0.12ミリモ
ルについては、得られるゲルの堅さは0.02ニュートンで
あろう;もしカゼイン濃度を4.5%に上げて他のパラメ
ーターは変化させないと、ゲルの堅さは0.045ニュート
ンになり、カゼイン濃度18%について(なお同様の条件
下で)は0.74ニュートンになろう。
上記したように、本発明の方法に従う前記蛋白のゲル
化温度は任意に選択でき、この温度は、アルカリ金属イ
オン濃度ならびにpHを上記した範囲内で変化させること
による単純な常用の実験により決定することが可能であ
る。(等電pHより高い与えられたpHで)アルカリ金属イ
オン含量を低くするとゲル化温度が低くされること、お
よび与えられたアルカリ金属イオン含量について、pH
(等電pHより高い)を低くするとゲル化温度が低くされ
ることが経験的に示された。このように、例えば85℃よ
り低い、または80℃以下の、あるいは75℃より低いまた
は60℃より低い温度を任意に選択することは可能であ
る。一般的に、透析濾過時間を過度に長くしないよう
に、30℃以上の温度が選ばれるであろう。
出発溶液においては、与えられた温度でpHもまた与え
られているときゲル化が得られることを可能にするアル
カリ金属イオン含量は、前記蛋白の含量に関して述べら
れたアルカリ金属イオン含量である。
一般に、あまりに高い温度でゲル化を得ることを避け
るために、アルカリ金属イオン含量は前記蛋白1g当たり
7ミリモル未満である;最もしばしば、アルカリ金属イ
オン含量が前記蛋白1g当たり2.5または2ミリモル未満
で行う事が可能であろう。もちろん、より低い含量、例
えば前記蛋白1g当たり1ミリモル未満、0.5ミリモル未
満、0.3ミリモル未満または0.15ミリモル未満の含量で
本方法を行うことが可能であり、すると、蛋白に関して
アルカリ金属イオン濃度が低くなるのに比例してゲル化
温度は低くなる。
慣行の測定法、特に原子吸光または特定電極を用いる
方法を、ゲル化条件をあらかじめ最適化するためにアル
カリ金属イオン含量を測定するのに使用する。
本発明の方法において使用する出発溶液は、前記蛋白
に加えて、特に次のものから選び得る1つ以上の他の構
成要素を含むことができる: −ゲル化可能でない他の蛋白質、特に約5%未満の濃度
で4.5〜7の範囲のpHでゲル化可能でないもの;これ
は、例えばホエー蛋白の場合である。するとこれらの蛋
白は不活性の充填材として働き、ゲルの構造に関係しな
い; −糖類、例えば20%までであり得る濃度で; −調味料成分;および −脂肪、例えば植物性脂肪等。
例えば乳製品の場合には、出発溶液はホエー蛋白およ
び糖類、例えば残留ラクトースまたは添加した糖類を含
むであろう。
調味料成分は、例えば天然のまたは合成された調味
料、例えば:バニラ調味料、チーズ調味料、チョコレー
ト調味料等である。
出発蛋白溶液を調製するために使用され得る出発物質
は、特に雌牛の、ヤギのまたは羊のミルク、あるいは任
意の他の種の動物のミルクであり、これらのミルクは任
意的に脂肪を含み、未処理のまたは低温殺菌されたもの
であり、カゼインおよび1価の陽イオン(ナトリウムお
よびカリウム)に関してその組成は公知である。植物性
蛋白、例えば大豆蛋白または獣肉もしくは魚肉蛋白の溶
液を使用することも可能である。
所望のテクスチャー(texture)を得るために必要な
蛋白(例えばカゼイン)含量は、出発蛋白溶液(例えば
ミルク)を限外濾過操作に供することにより得ることが
でき、1価の陽イオン含量は、アルカリ金属塩を添加す
ることによるかまたは例えばアルカリ金属イオン含量を
低くするのが望ましい場合には透析濾過操作により、所
望の製品を得るのに必要でかつ十分な量に調整される。
この透析濾過は、限外濾過の初めに、途中でまたは最後
に任意に行うことができる。例えば上記ゲル化可能な蛋
白1g当たり0〜7ミリモル、好ましくは0.05〜2ミリモ
ルの1価の陽イオン含量を一般的に有するところの修飾
された出発物質が得られる。この修飾された出発物質の
pHを次に所望の値(例えば5.0〜7.0、好ましくは5.8〜
6.3)に公知の方法、酸(乳酸、塩酸等)もしくは酸前
駆体(例えばグルコノ−デルタ−ラクトン)の添加また
は乳酸発酵により調整することができる。得られた中間
生成物を次に、熱の作用、例えばステファン(Stepha
n)型装置で(直接または間接加熱で)、またはその表
面がなめらかにされた熱交換器(滞留時間:例えば約10
秒)、またはオーブンまたは水浴でゲル化させる。
ゲル化の後に得られたテクスチャーを与えられた母体
を次に、他の成分、例えば塩、糖類、調味料または植物
性もしくは動物性脂肪と混合することができ、必要なら
ば続く熱処理、例えば低温殺菌処理または殺菌処理に耐
える。
本発明の方法の利点の1つは、安定な製品が得られる
ことである。実際、ゲル化を得るために乳酸発酵もゲル
化酵素も使用する必要がない。調味料が他の経路で供給
されるなら、このように、特に熟成を必要としないチー
ズ類似物の製造が可能である。
乳起源の出発物質を例として取り上げると、カゼイン
のこの新規な熱的ゲル化法の使用は、「デザートクリー
ム」タイプの粘稠な製品からセミ−ハードチーズタイプ
の製品まで、プロセスチーズタイプのソフト製品を含め
ての範囲にわたって、テクスチャーの全範囲を得ること
を可能にする。上述したように、ゲルの堅さはカゼイン
濃度、1価の陽イオン濃度およびpHに依存し、製品のテ
クスチャーはまた使用する熱処理のタイプに依存する:
強い撹拌を用いて行った熱処理は「静かな」熱処理より
もより軟らかいテクスチャーを生じさせるであろう。製
品の味のために必要であり得る1価の陽イオン(ナトリ
ウム塩および/またはカリウム塩)の添加は、ゲルの形
成後に、テクスチャーを乱すことなしに行うことができ
る:これらの添加された陽イオンはもはや、形成された
ミセルの格子と相互作用せず、ゲル化は可逆ではない。
このようにして、特にデザートクリームタイプの製品
を得ることが可能であって、この特徴は、それらがテク
スチャーを与える添加剤(texturizing additives)
(ゲル化剤)なしに得られることであり、または溶融塩
(flux salt)なしにプロセスチーズタイプの製品を製
造することが可能である。「溶融塩」(酒石酸塩、クエ
ン酸塩、ポリリン酸塩)は、プロセスチーズの慣用の製
造において、均質に加工された製品の製造を促進する。
本発明の方法の変形においては、機械的作用なしでの
加熱を可能にする装置中でカゼインの熱的ゲル化によ
り、セミ−ハードまたはハードさえのテクスチャーのチ
ーズ製品を得ることが可能であり、これは例えば蒸気ト
ンネル、マイクロ波トンネルまたはパン屋のもしくは肉
屋のオーブンである。この適用においては、出発物質
(例えばカゼイン含量12〜15重量%を有する)は、予め
調味され、脂肪(所望により動物性または植物性起源)
に関しては標準化され、次いで金型や布に分配され、蒸
気またはマイクロ波のトンネルを通過してゲル化され
る。
発酵の危険を避けるように、ラクトースが実質的に除
去されている製品を製造するのが望ましいときには、ラ
クトースの除去に必要な透析濾過により生じた脱塩は、
低い温度でのゲル化を引き起こし、これは装置に関して
制約を生じがちである。この場合、最終生成物のために
望ましいテクスチャーに依存して、より容易に制御され
るゲル化温度(例えば30℃より高い)を得るように、1
価の陽イオン含量を、ナトリウム塩および/またはカリ
ウム塩の添加により調整することができる。
この場合の別の変形は、限外濾過により所望のカゼイ
ン含量が得られるまでミルクを濃縮すること、得られる
生成物を所望のpH(上記の範囲内で)に酸性化するこ
と、および電気透析により脱塩を行うことより成る。電
気透析操作に使用する温度に依存して、操作の最後に直
接ゲルを得るかまたは加熱により生成物をゲル化させる
ことが可能である。
1価の陽イオン含量に関する制約は時々、所望のテク
スチャーに依存して、製品の加塩を延期させる。この場
合、製品の味に必要な塩(塩化ナトリウムおよび/また
は塩化カリウム)の量は、加熱処理の最後に、塩を撒き
散らすことによりまたは塩水に漬けることにより(また
は任意の他の公知の方法で)供給される。得られた製品
は次に装飾され、必要ならば金型から除かれ、包装され
そして冷やされることができる。これは、所望によりこ
れらの操作の1つまたは他のものの前または後に行う。
この技術は、堅いチーズまたはチーズ類似物を得ること
を可能にし、またゲル化が布の上で薄層(例えば1〜5m
mの厚さ)で起こったときに、または上述した堅いテク
スチャーを薄く切ることにより、チーズの薄切りを得る
ことを可能にする。
本発明はまた、上記したゲル化方法により、特にミル
クレテンテートのようなカゼインを含む溶液から得るこ
とができるゲルに関する。
本発明は特に、ゲル化剤を含まない、ゲル化剤(プロ
テアーゼ)を含まないおよび溶融塩を含まないようなゲ
ルに関する。
本発明により得られるゲルが十分に低い温度で調製さ
れるとき、それは変性した蛋白を実質的に含まない。例
えば80℃より低い温度でゲル化された乳製品の場合に
は、得られたゲルは変性したホエー蛋白を実質的に含ま
ない。本発明の方法の利点の1つは、著しい離液(syne
resis)なしに12重量%未満、および5重量%未満です
らある蛋白(例えばカゼイン)含量を有するゲルを得る
ことである。
本発明はまた食料品、特に半固体または固体の乳製品
の、上述してきた方法による製造における出発物質とし
て、上述した方法により得られるゲルを使用することに
関する。
以下の実施例により本発明を説明するが、これに限定
されるものではない。
実施例1 低温殺菌した全脂肪乳を脱イオン水で20倍に希釈し、
次いで最初の含量に等しいカゼイン含量を得るように、
限外濾過により濃縮した。この方法で変性したミルクは
カゼイン2.69%およびカゼイン1g当たり1価の陽イオン
0.108ミリモル含んでいた。
このミルクを次に、1%の量で加えた好熱性の乳酸発
酵酵素により、pH6.30が得られるまで熟成させた後、温
度を60℃にするように、ステファン型の装置で(穏やか
に撹拌しながら間接加熱)熱処理した。この温度で、処
理した生成物の全量のゲル化が観察された。加熱処理の
最後に、糖(6%)およびココアを添加し、全体を混合
した後、生成物を熱いままで(60℃)個々の容器に分
け、次いで冷却した。よって、この方法により、ヨーグ
ルトに近いテクスチャーを有し、酸味ではなく、かつチ
ョクレート風味を有する製品が得られた。
最終製品の組成は次のとおりであった:固形分16%、
脂肪4.4%。
実施例2 低温殺菌した半脱脂乳(カゼイン2.72%およびカゼイ
ン1g当たり1価の陽イオン2.308ミリモル含有)を、実
施例1と同様の方法で、体積濃度係数6に、限外濾過に
より濃縮した。得られたレテンテートは固形分34.72
%、カゼイン15.2%およびカゼイン1g当たり1価の陽イ
オン0.38ミリモル含有していた。変性されていない乳清
蛋白は全蛋白の14.7%存在していた。
このレテンテートを次に、グルコノ−デルタ−ラクト
ンの添加によりpH6.15に酸性化し、ステファン型装置で
75℃に加熱した。72℃の温度でゲル化が観察された。す
るとゲルにおいては、変性されていない乳清蛋白は全蛋
白の14.5%存在していた。冷却した後、得られたゲルを
調味料成分:塩、ニンニクおよびハーブと混合し、製品
の保存を確実にするように、同じ混合機中で第2回目の
間80℃の温度まで処理した。製品は熱い状態で包装を施
され、ふたで覆った。
得られた製品は、以下の組成であった:固形分36.1
%;固体に対する脂肪15.5%。これはプロセスチーズの
テクスチャーであった。
完成品においては、変性されていない乳清蛋白がな
お、全蛋白の11.3%存在した。
実施例3 脱脂乳を体積濃度係数4.5に限外濾過によって濃縮
し;得られたレテンテートはカゼイン11.22%およびカ
ゼイン1g当たり1価の陽イオン0.6ミリモル含有してい
た。カゼイン1g当たり1価の陽イオン0.30ミリモルを得
るように、次にこれを透析濾過した。カゼイン含量は1
1.2%であった。
レテンテートを1%の量でメソフィリック(mesophil
lic)乳酸発酵酵素を接種し、6.20のpHが得られるまで
熟成させた。乾燥製品に対して40%の脂肪含量を得るよ
うに植物性脂肪をレテンテートに添加し、次に製品を管
状の熱交換器中でゲル化温度である75℃にて10秒間熱処
理した後、冷却した。製品の官能特性を得るのに必要な
添加剤(糖、バニラ調味料)を添加した後、製品を81℃
で10秒間加熱するように、第2の加熱処理を行った。
得られた製品は、デザートクリームのテクスチャーで
あった。
実施例4 半脱脂乳を2.5倍に希釈した後、カゼイン10.1%およ
びカゼイン1g当たり1価の陽イオン0.22ミリモル含有す
るレテンテートを得るように、限外濾過により濃縮し
た。
このレテンテートを、pHが6.19になるように、グルコ
ノ−デルタ−ラクトンの添加により酸性化した。次にこ
れを滑らかな表面を有する装置で70℃において(60℃で
ゲル化が起こる)熱処理に供した後、冷却した。次に、
得られたゲルにチェダーの風味および塩を添加し、ゲル
を滑らかな表面を有する第2の熱交換器中で140℃の温
度で18秒間熱処理に供し、次いで冷蔵なしに保存を確実
にするために無菌で包装した。
得られた製品は濃厚なチーズ風味のソースの形状であ
った。
実施例5 低温殺菌した全脂肪乳(カゼイン2.49%およびカゼイ
ン1g当たり1価の陽イオン2.514ミリモル含有)を、体
積濃度係数5.2が得られるまで、限外濾過により濃縮
し、カゼイン12.4%およびカゼイン1g当たり1価の陽イ
オン0.2ミリモルを含有するレテンテートを得るように
透析濾過した。
レテンテートを上記のようにpH5.85まで乳酸発酵酵素
により熟成させ、チーズの風味を添加し、そして混合物
を所望の形の金型に置いた。次に金型を150℃の温度で
湿気の多いオーブン中に置いた。製品が40℃の温度に達
したときゲル化が起こるが、製品の保存を確実にするた
めに、芯で80℃の温度が得られるように熱処理を継続し
た。オーブンの出口で、塩を撒き散らすことにより製品
に加塩(1.2%)し、ふたで覆った。これらの条件下
で、変化しないかつ長く続く堅いチーズテクスチャー
(若いルブロション)を有する製品を得た。
実施例6 実施例5で得られたレテンテートを、pH6.00を得るの
に十分な量でゲルコノ−デルタ−ラクトンを添加するこ
とにより酸性化した。この混合物にビューフォート(Be
aufort)チーズ風味を与えるように、天然調味料の混合
物を添加した。次にレテンテートを布に注ぎ、80℃の芯
温度を得るように蒸気トンネル中でゲル化させた。製品
が45℃の温度に達するとゲル化が起こった。ゲル化の
後、撒き散らすことにより塩(1.2%)を添加し、製品
を薄切りにして包装した。この方法により、堅いテクス
チャーおよびビューフォート味を有するチーズ類似物の
薄切りを得ることができる。
実施例7 11.5%のカゼイン含量が得られるまで、脱脂乳を限外
濾過により濃縮した。ラクトース含量を0.2%の最終値
に減らすように、このレテンテートを次に透析濾過し、
カゼイン1g当たり1価の陽イオン0.15ミリモルの最終濃
度を得るように、追加の1価の陽イオン(NaClおよび/
またはKCl)を次に添加した。カゼイン含量は11.5%で
あった。
次に、得られたレテンテートをpH6.30に酸性化し、糖
およびチョコレート調味料を添加し、そして製品を75℃
で(ゲル化は65℃で起こる)管状の熱交換器中で熱処理
に供し、そして冷却した。高濃度の(1011微生物/ml)
乳酸発酵培養物を1%の量で添加し、製品を無菌的に包
装し、4℃で貯蔵した。デザートクリームのテクスチャ
ーを有する得られた製品は、大量の乳酸微生物を含んで
おり、これは保存温度で成長しない。そしてチョコレー
ト風味の知覚に悪影響を有する乳酸の酸味を生じない。
実施例8 大豆汁(蛋白質3.8%、100g当たりナトリウム30mgお
よび100g当たりカリウム160mgを含有)を限外濾過によ
り、蛋白含量7%に濃縮し、蛋白質7%および蛋白1g当
たり1価の陽イオン0.2ミリモルを有するレテンテート
を得るように透析濾過した。得られたレテンテートを、
グルコノ−デルタ−ラクトンによってpH6.15に酸性化
し、金型に移し、そして150℃の温度で湿気の多いオー
ブン中で熱処理に供した。製品が62℃に達するとゲル化
が起こり、80℃の芯温度が得られるまで熱処理を続け
た。オーブンの出口で、製品に加塩(1.2%)し、包装
した:堅いチーズテクスチャーを有する製品が得られ、
これはミルクの蛋白質を含まない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フロイン,アンドレ フランス国,78000 ベルサイユ,リュ デ ムーシー 11 (72)発明者 オディディエル,イベス フランス国,91370 フェリーレ―ラ― ブュイソン,アレ デ フレジェ 43 (56)参考文献 特開 昭63−98350(JP,A) 特開 昭63−102646(JP,A) Journal of Dairy Science,Vol.61,No. 7,p.881−884(1978) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 19/028 A23C 9/142 A23C 20/02 A23J 3/04 - 3/16

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】等電pHにおいてゲル化可能な蛋白を、5.5
    〜6.7のpHで、ゲル化剤の存在なしに即時ゲル化する方
    法において、使用する出発物質が、少なくとも1種の上
    記ゲル化可能な蛋白を変性されていない状態で含む水性
    溶液であり、該溶液中のアルカリ金属イオン含量は所定
    の値に調整され、かつ2〜20重量%の濃度で該蛋白を含
    む該溶液は20〜100℃から自由に選択される温度に加熱
    され、ただし、上記所定の値が該蛋白が該濃度および該
    pHで該温度で即時にゲル化するような値であるところの
    方法。
  2. 【請求項2】上記蛋白が、カゼイン、獣肉から抽出した
    蛋白、又は他の動物性蛋白、あるいは植物性蛋白である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】上記蛋白がカゼインである請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】上記植物性蛋白が、大豆蛋白である請求項
    2記載の方法。
  5. 【請求項5】上記容液が限外濾過レテンテートであり、
    該限外濾過レテンテートのアルカリ金属イオン含量が透
    析濾過あるいは電気透析により調整される請求項1〜4
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】上記溶液がミルクの限外濾過レテンテート
    である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】上記pHが、5.8〜6.3の範囲内にある請求項
    3記載の方法。
  8. 【請求項8】上記溶液が、上記蛋白を2〜16重量%含有
    する請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】上記溶液が、蛋白質を3〜10重量%含有す
    る請求項4、5および7のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】上記温度が85℃より低い請求項1〜9の
    いずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】上記アルカリ金属イオン含量が、上記蛋
    白1g当たり7ミリモル未満である請求項1〜10のいずれ
    か1項記載の方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項記載の方法
    により得ることができる凝塊またはゲル。
  13. 【請求項13】ミルクレテンテートから得られる請求項
    12記載の凝塊またはゲル。
  14. 【請求項14】ゲル化剤、ゲル化剤および溶融塩を含ま
    ない、あるいはプロテアーゼを含まない、もしくは変性
    された蛋白を実質的に含まない請求項13記載の凝塊また
    はゲル。
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