JP2003500645A - 荷電した分子を単離するための装置および方法 - Google Patents

荷電した分子を単離するための装置および方法

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JP2003500645A JP2000620338A JP2000620338A JP2003500645A JP 2003500645 A JP2003500645 A JP 2003500645A JP 2000620338 A JP2000620338 A JP 2000620338A JP 2000620338 A JP2000620338 A JP 2000620338A JP 2003500645 A JP2003500645 A JP 2003500645A
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Abstract

(57)【要約】 端部における電極(3、4)と少なくとも1つの中間組込部(28)とを有する反応チャンネル(2)内にて、荷電した分子を電気溶離するための、上方に向かって開いている装置について記載される。この装置は、特にx、y、z・ロボットにおける自動化のために構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、荷電した分子を単離するための方法および装置に関し、この方法お
よび装置は、例えば、レセプター・リガンド・混合物内の荷電した分子を単離す
る場合、または、核酸のサンプル調製の場合のように幅広い使用範囲を有する。
【0002】 特に最後に記した使用のためには、WO97/34908及びWO98/58251にて記載されて
いるように、例えば電気溶離のような特殊な電気泳動プロセスが使用される。こ
の方法において、荷電した分子は、先ず吸着剤に結合され、その後、電気溶離法
にて再び遊離され、抽出容積部内に移行され、そこで濃縮も成される。電気溶離
用の他の装置は、例えば米国特許第5340449号公報ならびに米国特許第4608147号
公報にて記載されている。しかし、そこで説明されている装置は、WO97/34908に
よる方法のために構成または設けられたものではなく、閉じていてネジ固定され
る室システムを含んでいる。この場合、これらの装置は電気泳動緩衝タンク内に
対応的に固定され、この際、室システムは電気泳動緩衝タンクに対して気密且つ
液密に閉鎖されている。これらの装置の本質的な短所は、これらの装置がピペッ
トロボットにおける自動化に適していないということである。従って、これらの
装置は、大きなサンプル処理量を有する標準法のためには使用され得ない。
【0003】 上方に向かって開いている電気溶離装置を開発する場合、その形状が詳細には
どのような外観を呈するかに応じて電気浸透流(EOF)が考慮されなくてはな
らないという事実を考える必要がある。そのための詳細は、例えば「キャピラリ
ー電気クロマトグラフィー - 技術と応用(Capillary Electrochromatography -
Technology and Applications)」(CEC−ガイドブック(CEC-Guidebook)、ヒ
ューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、発行 No.:5968-3231E)における
第2章、並びに「キャピラリー電気泳動による核酸の分析(Analysis of Nucleic
Acids by Capillary Electrophoresis)」(Chr.ヘラー(Chr. Heller)(主
筆)、ISBN 3-528-06871-X、1997年)における24頁以下に記載されている。例
えば電気溶離領域内のキャピラリー開口部により引き起こされるこの電気浸透流
は、電気溶離法に多大な影響を与え、場合によっては寧ろ不可能なものにしてし
まう。
【0004】 特に重要なこととして、従来の装置では、所望の単離が終了され得る以前に、
電気浸透流の発生が原因で室の1つが活動停止状態になってしまうという問題点
がある。室の1つのこのような活動停止状態を回避するために、陽極室と陰極室
との間の液体交換のような複雑な措置が、電気浸透流を補整するために今までは
必要であった。
【0005】 本発明の課題は、自動化が可能であり、電気浸透流が原因で発生する従来の技
術の問題点を少なくとも部分的に解消する、荷電した分子を単離するための装置
を提供することである。
【0006】 この課題は、本発明に従って、それぞれの請求項に記載されている装置および
方法によって解決される。
【0007】 荷電した分子を単離するための本発明による装置は、上方に向かって開いてい
る少なくとも1つのチャンネルを備えた下方に向かって閉じている本体と、チャ
ンネルの左右の外側境界部としての2つの電極とから構成され、この装置は、チ
ャンネルにおける電極間に1つ又は複数の中間組込部が配置されていて、これら
の中間組込部がチャンネルを2つ又は複数の室に分割することにより特徴付けら
れている。
【0008】 少なくともサンプル投入領域およびサンプル抽出領域で上方に向かって開いて
いるチャンネルを使用することは、例えばピペットロボットまたはx、y、z・
ロボットを用いて自動化される方法において本発明による装置の使用を可能にす
る。更に、中間組込部により電気浸透流が防止ないしは減少される。これらの中
間組込部は僅かな電気浸透流だけを特に許容し、この電気浸透流は濃縮のために
望まれるものであるが、室の活動停止状態を導くことはないので、荷電した分子
の電気溶離が可能である。つまり、本発明による装置の中間組込部は、特に、荷
電した分子を透過させるが、他方では液体遮断部を意味することになり、この液
体遮断部により電気浸透流が制限され得る。この際、使用に応じて、電気浸透流
を完全に防止すること、または、濃縮のために有利に使用され得る僅かな電気浸
透流を許容することが可能である。有利には、本発明による中間組込部により、
サンプル投入室の容積ないしはサンプル抽出室の容積が、電気溶離の最大60分
、有利には最大30分、特に有利には最大10分、及び、電気溶離の最低30秒
、有利には最低1分、更に有利には最低2分という時間内で、90容積%よりも
多くない程度、有利には50容積%よりも多くない程度、特に有利には30容積
%よりも多くない程度で減少されるように電気浸透流が制限される。また、室容
積が前記の時間間隔で、10容積%よりも多くない程度、有利には5容積%より
も多くない程度で減少されるように電気浸透流を制限することも可能である。
【0009】 本発明による装置は任意の電圧で稼動され得るが、有利には、250Vに等し
いか又はそれよりも低い電圧、特に42Vよりも低い電圧が使用される。
【0010】 本発明による装置の大きさは使用目的に応じて任意に選択され得て、例えば、
数リットルまたはそれよりも大きい生産物スケールから、下記するように例えば
従来のミクロ滴定プレート上にて使用するために数マイクロリットルの室容積を
有する小型化された装置までである。上方に向かって開いているチャンネルの容
積は、有利には0.01ml〜5ml、更に有利には0.2ml〜2mlである
【0011】 基本的に、本発明による装置を用いて、コンプレックス、クラスター、特殊な
結合ペアーなどのような上位の構成物も含めて、荷電した全ての分子が単離され
得る。有利な荷電した分子の例としては、核酸、特に、DNA、RNA、タンパ
ク質、及び他の自然生産物、並びに色素のような生体分子である。つまり、この
装置は、例えばタンパク質混合物分析や免疫アッセイのために使用され得る。特
に興味深い使用領域として、ゲル、例えば2次元電気泳動ゲルからタンパク質を
溶離するために装置を使用することが挙げられる。この技術は、ゲノムプロジェ
クト(例えばHugo(Human Genome Project))にて発見されたDNA塩基配列
のタンパク質機能を決定するためのプロテオミクス(Proteomics)にて特に使用さ
れる。また、本発明に従って、核酸自体も単離され得る。
【0012】 100Daよりも小さいものから数百万Daよりも大きいものに至るまでの大
きな分子量領域における分子が本発明による装置を用いて単離され得ることが確
認された。つまり、色素分子やポリペプチドのような小さな分子の他に、ゲノム
酵母DNAのような大きな分子も中間組込部を浸透し、それにより単離ないしは
浄化され得ることが観察された。
【0013】 特に有利な実施形態では、中間組込部の少なくとも1つが形状安定化されたゲ
ルから構成されている。例えば、0.1%ゲル〜10%ゲル、有利には0.2%
ゲル〜1.2%ゲル、更に有利には0.8%ゲルという小さな濃度のゲル、例え
ばアガロースゲルが、傑出した分離特性ないしは濾過特性を有することが意外に
も確認され、この際、荷電した粒子は透過され、それに対して、望まれない電気
浸透流は最低限に制限される。しかし、このように小さな濃度のゲルにおける問
題点としては、これらのゲルが形状安定性または機械性に関して極めて不安定で
あり、それにより、分離要素として使用され得るであろうフォイルまたはフィル
ムが製造され得ないことが挙げられる。この種のゲルを形状安定化することによ
り、前記の有利な特性を有する機械的に安定した要素が獲得され得ることが確認
された。従って、本発明は、そのような形状安定化されたゲル、並びに、上記の
装置における中間組込部としてのそれらのゲルの使用に関するものでもある。
【0014】 有利なゲルは、容易に変形可能であり、液体ないしは気体に富んだ少なくとも
2つの成分から成る分散系であり、長い粒子および/または高度に枝分かれした
粒子と、液体、特に水とがコロイド状に分散された固体の物質から構成されてい
る。適切なゲルの例としては、ゼラチン、寒天、カラゲーン、アルギン酸塩、ア
ルギン酸、フィロフォラン(Phyllophoran)、ファセララン(Furcellaran)、アガ
ロースなどのようなポリサッカリドゲル及びタンパク質ゲル、並びに、ポリアク
リルアミドゲルのようなポリマーゲルが挙げられる。
【0015】 本発明に従い、形状安定化されたゲルは、分離要素、即ち例えば分離フィルタ
または分離膜として使用され、担体材料としては使用されない。これらのゲルは
、有利には、少なくとも0.1mm、有利には0.5mm、及び、最大20mm
、有利には最大5mm、特に有利には最大2mmの厚さを有する薄板として使用
される。この際、分子はゲルを横断して移動、即ち最も薄い寸法を通じて移動す
る。
【0016】 形状安定性は有利には支持要素により達成され、この支持要素上ないしは支持
要素内にゲルが取り入れられる。焼結されたプラスチックの使用は特に有利であ
り、例えば、1μm〜200μm、有利には20μm〜120μmの細孔サイズ
を有する焼結されたポリプロピレン又はポリエチレンである。また、支持要素と
してクロスを使用することも傑出した結果を達成させ、例えば、0.1μm〜5
00μm、有利には0.5μm〜10μmのメッシュサイズを有するポリエステ
ル又はポリアミドのようなプラスチックから成るクロスである。
【0017】 ゲルの架橋度により、形状安定化されたゲルの透過性が設定され得る。この際
、所望の荷電した分子が印加された電圧によってゲルを通り抜け、その後にサン
プル抽出室から獲得され得るように透過性を選択することが可能である。また、
荷電した分子がゲル内に付着し、その後に他のステップで形状安定化されたゲル
から再び回収されるように架橋度を選択することも多くの使用にとって有利であ
り得る。ゲル内における所望の分析物の付着は、分析物と特有(例えばストレプ
タビジン(Streptavidin)ないしはビオチン)に結合、または分析物と非特有(例
えば親水基または疎水基)に結合する官能基を用いた適切な変性化によっても達
成され得る。
【0018】 更に、中間組込部として、開閉され得る液体遮断部を使用することも可能であ
る。
【0019】 他の実施形態では、中間組込部としてクロスが使用される。この際、電気溶離
条件下で、クロスによって生成される陽極から陰極への電気浸透流が僅かである
ことは有利であり得る。過度な電気浸透流を同時に回避しながら荷電した粒子の
通り抜けを達成するために、有利には、クロスは、0.1μm〜50μm、有利
には0.5μm〜5μmのメッシュサイズを有する。荷電した分子のクロスへの
吸着は、所望の分析物をサンプル抽出室内へと通り抜けさせることを可能とする
ために、有利には40%よりも小さく、特に有利には10%よりも小さい。クロ
スがカレンダーにかけられて処理されたものであると特に有利な結果が得られる
【0020】 特に、分析物を例えば細胞残留物の生体サンプルから分離する場合、所定の大
きさを有する生物学的に活性状態の粒子がクロスに進入し得ないようにメッシュ
サイズが決定される。
【0021】 本発明による装置は、意図する使用に応じて、柔軟性のある操作と適切な構成
を可能とする。所望の分析物、例えば核酸またはタンパク質がサンプル混合物の
最初の分子としてではなく中間組込部を通過する場合には、例えば複室システム
が使用され得る。このことは、例えば、細胞を溶解するために洗浄剤を使用する
場合であり得る。この場合、有利には、中間組込部を通じて最初に到達する洗浄
剤がサンプル抽出空間を通じて他の室内へと電気溶離されるように装置が選択さ
れる。
【0022】 更に、加えられている条件下にてそれ自体電荷を伴わない所望の分子に担体に
より電荷を設けることも可能であり、例えば荷電した特有の抗体または雑種形成
プローブを使用することによってである。更に、本発明による装置を多次元的に
形成することも可能であり、例えば、十字の形状であり、それにより多次元の分
別が可能となる。
【0023】 少なくとも4つの室を有する装置が特に有利であり、この際、陽極ないしは陰
極に隣接して位置する陽極室および陰極室は、それらの間に位置するサンプル投
入室ないしはサンプル抽出室と比べて比較的大きい。有利には、陰極室および陽
極室は、サンプル抽出室ないしはサンプル投入室の容積に対して5:1〜20:
1の容積を有する。このようにしてサンプル容積は少なく保持され、他方では電
極における容積が大きいので、そこで生じ得る望まれない副作用が然程重要では
なくなる。
【0024】 陽極室ないしは陰極室と比べてサンプル抽出室ないしはサンプル投入室の容積
を減少させることは、例えば、上方に向かって開いているチャンネルが中央部に
て狭窄部を有することにより達成され得る。
【0025】 異なる容積に追加的に、有利には、個々の室内にて異なる緩衝液濃度も使用さ
れ、この際、陽極室ないしは陰極室内の緩衝液濃度は、有利には、サンプル投入
室ないしはサンプル抽出室の容積に対して有利には5:1〜20:1である。緩
衝液濃度の他に個々の室内のpH値も異なって設定され得る。
【0026】 例として図26に図示されているように、特に有利な実施形態では装置が4つ
の室から構成されている。左側の陰極から出発して、先ず陰極室であり、この陰
極室は比較的大きく、例えば1.6mlの容積を有し、高モルの緩衝液、例えば
100mMの濃度の緩衝液を含む。この室は、膜によりサンプル投入室から分割
され、このサンプル投入室は、より小さな容積、例えば160μl、及び、より
小さな緩衝液濃度、例えば10mMを有する。サンプル投入室とサンプル抽出室
との間には形状安定化されたゲルが設けられていて、例えばアガロースゲル分離
フィルターであり、これは、アガロースゲルで満たされている焼結されたプラス
チックから構成されている。またサンプル抽出室は、再び、小さい容積、例えば
160μl、及び、小さな緩衝液濃度、例えば10mMを有する。サンプル抽出
室と陽極室との間の分割部として、この有利な実施形態では、安定化された他の
アガロースゲルフィルターが作用している。陽極室自体は、再び、比較的大きく
、例えば1.6mlであり、高い緩衝液濃度、例えば100mMを有する。所望
の分析物が電気溶離により第2のゲルフィルターを通り抜けることは、一方では
、分離時間の適切な調節により、他方では、サンプル抽出室および陽極室内の緩
衝液濃度の調節により防止される。サンプル抽出空間およびサンプル投入空間と
比べて陽極空間および陰極空間における高い緩衝液濃度が装置の分離力および浸
透流の減少に追加的な有利な影響を与えることが確認された。サンプル抽出室か
ら抽出されたサンプルは、例えば質量分析法を用いて分析され得る、またはPC
Rを用いて更に処理され得る。
【0027】 本発明による装置の他の本質的な長所として、移行ステップ中に分析物のプロ
セッシングが行われ得ることが挙げられる。有利には、室内にて、特に荷電した
分子の電気泳動移行中に、酵素的反応またはレセプター/リガンド・結合が行わ
れる。
【0028】 分離特性の更なる改善は、少なくとも1つの電極の周辺における磁界の可逆印
加により達成され得る。
【0029】 電極は、導電性材料、例えば金属、有利には導電性プラスチックから製造され
得る。全装置は、組立キットシステムにおける個々のモジュールからも構成され
得る。
【0030】 本発明による装置は、例えば、核酸の単離のため、RNAによる汚染を伴わな
いDNAの単離のため、または、DNAによる汚染を伴わないRNAの単離のた
めに、レセプター・リガンド・アッセイにおいて結合相から自由相を分離のため
に使用され得る。
【0031】 更に、本発明は、上記したような装置内にて実施される荷電した分子を単離す
るための方法に関する。
【0032】 更に、本発明は、反応チャンネル内にて電気泳動手段を用いて混合物内の荷電
した分子を単離するための方法に関し、この方法は、液状の混合物が反応チャン
ネル内に取り入れら、反応チャンネル内にて電気泳動にかけられ、反応チャンネ
ル内のこの電気泳動において更にプロセッシングされ、このプロセッシングの後
、単離された可溶状の荷電した分子が反応チャンネルから抽出されることにより
特徴付けられている。
【0033】 本発明による方法において、初期混合物は電気泳動中に更に処理ないしはプロ
セッシングされ、それにより、全方法の明らかな簡素化が達成され得る。例えば
、反応チャンネル内の電気泳動において、リガンド・レセプター・結合、酵素的
反応、及び/又は、濃縮が行われ得る。
【0034】 上記したような装置、特に、1つの又は複数の形状安定化されたゲルないしは
上記した他の組込部が反応チャンネルを異なる室に分割する装置を使用すること
により、電気泳動において、室の1つが活動停止状態になることなく、荷電した
分子の電気泳動が可能であるように、電気浸透流が減少され得る。
【0035】 特に有利には、混合物として、溶解された生体サンプル、例えば溶解された細
胞が使用される。更に、リガンド・レセプター・アッセイ、特に免疫アッセイに
て自由相と結合相を分離すること、及びそれにより定量決定を可能とすることが
可能である。
【0036】 更に、ラベル、例えば、放射性ラベル、酵素ラベル、蛍光発光ラベル、または
ルミネセンスラベルを有する成分を混合物から分離することにより定量決定が実
施され得る。
【0037】 電気溶離は、特に、単離された荷電した分子を有する抽出された溶液内の洗浄
剤の濃度が、溶解されたサンプルの最初に反応チャンネル内に取り入れられた溶
液内の洗浄剤の濃度よりも小さいという条件下で実施される。電気溶離前の溶解
混合物に少なくとも1つの他の緩衝成分を付加することも有利であり得る。
【0038】 ここで記載されているように、上方に向かって開かれている装置が使用される
と、自動化可能なピペット装置を使って、サンプル混合物、例えば、核酸、ない
しは核酸に結合されている(例えば粒子状の)吸着剤が取り入れられ得る。この
ような装置は、一般的に(例えば、TECAN社、ローシス(Rosys)社、キャン
ベラ・パッカード(Canberra Packard)社、べックマン(Beckman)社)のピペット
ロボットを使用した自動化に適している。
【0039】 本発明による装置は、一方では、上方に向かって開いている装置を用いて自動
化を可能とし、他方では、電気浸透流の要求を考慮している。これらの本発明に
よる装置は、核酸が吸着剤に結合され、それからサンプル投入室内に取り入れら
れ、引き続いてサンプル濃縮を伴う対応的な電気溶離にかけられるという方法に
意外にも使用され得る。特には核酸のサンプル調製に際してであるが他の荷電し
た分子のサンプル調製に際しても、自動化の観点で見ても出来るだけ簡単な操作
性のために、移行、即ち荷電した分子の空間的な変化と、他のプロセスステップ
が結び付けられるべきである。このプロセスステップは、荷電した分子自体の変
化、または荷電した分子の環境の変化にも作用する。電気溶離における移行と結
び付けられたこのようなプロセスステップは従来の技術では考慮されていない。
【0040】 本発明による装置および方法の重要な使用の1つは、生体サンプル材料から核
酸を単離することである。そのためには、細胞核、ミトコンドリア、ウイルス被
膜などの生体区画から核酸を遊離させるために、先ずサンプル材料の溶解が必要
不可欠である。また、この溶解のためには、高い濃度の色々な種類の洗浄剤を使
用することが有益であると示された。ここで重要な電気泳動プロセスのためには
特にイオン構成された洗浄剤が適していて、特に、ドデシル硫酸ナトリウムのよ
うなマイナスに荷電した洗浄剤分子である。
【0041】 溶解されたサンプルの遊離された核酸を、例えば米国特許第4683195号
公報によるPCR、または制限酵素を用いた消化にて更に処理しようとする場合
、高い洗浄剤濃度は邪魔となり、除去されなくてはならない。新たなプロセスス
テップとして荷電した分子の環境をそのように変化することは、本発明に従って
、対応する装置における移行ステップ、及び本発明による方法と共に実施される
【0042】 全く異なる形式の他の使用として、分子腫瘍学が挙げられる。ここでは、腫瘍
遺伝子のmRNAの分析であり、例えば重要な診断パラメーターである。この際
、対応するゲノムDNAからmRNAを単離かつ分離することが決定的であり、
その理由は、ゲノムDNAの残留物が引き続くRT・PCRを妨害し、その情報
提供力が改ざんされてしまうからである。サンプル調製プロセスにてmRNAを
獲得するためには、目下、2つの標準方法が提供されている。 a)自然に存在するmRNAのオリゴ(A)シーケンスに結合される固相結合し
たオリゴ(dT)を用いたmRNAの雑種形成、及び、洗浄後の引き続く遊離、
並びに、 b)選択的な沈殿によりmRNAが単離される方法。
【0043】 しかし両方の方法は深刻な短所を有する。つまり、a)ではmRNAが破壊さ
れる傾向にあり、その結果、この方法ではmRNAの部分だけが検出され、この
ことは定量分析を不可能なものとしてしまう。b)による方法では操作に手間が
かかり、遠心ステップが必要なために自動化が困難である。
【0044】 移行と他のプロセスステップ、即ちこの場合は酵素DNA消化のプロセスステ
ップを結び付けることにより、DNA汚染を伴うことなくmRNAの単離が可能
であることが意外にも認められた。
【0045】 それにより、本出願の対象は、荷電した分子を単離することを目的とした方法
および装置であって、これらは、電気泳動移行と他のプロセッシングを結び付け
、この際、このプロセッシングは、荷電した分子の環境または分子自体にも関連
し得る。
【0046】 他の有利な使用領域は、分析的なテスト方法であり、これらのテスト方法は、
リガンド・レセプター・交互作用に基づき、特に抗体・抗原・反応を利用するも
のである。このような方法は、通常、免疫アッセイと称されている。この場合、
基本的に2つの異なる使用が提供される。即ち、均一免疫アッセイと不均一免疫
アッセイである。均一免疫アッセイは、特有にラベリングされた誘導体の形状の
抗体と抗原の溶液を生産することによってのみ培養後に測定信号が生成されると
いう使用方法である。不均一免疫アッセイでは、培養後に、所謂バウンド/フリ
ー・分離、即ち、培養中に生じた抗体・抗原・複合体を、結合されていない自由
な成分から分離することが行われなくてはならない。この技術の要約説明は、例
えば「実験免疫学のハンドブック(Handbook of Experimental Immunology)」(
ウェア、D.M.(Weir, D.M.)(主筆);オックスフォード(Oxford);ブラック
ウェル・サイエンティフィック(Blackwell Scientific))及びEPO特許第01
63122号公報、並びに、そこに含まれる従来の技術の引用にて示されている
【0047】 バウンド/フリー・分離の方法ステップは、プロセスが出来るだけ簡単に自動
化されるべき場合に特に困難な課題である。そのために、過去、例えば2重抗体
技術、例えばミクロ粒子およびマクロ粒子、または被覆された反応管(coated t
ubes)を用いるような固相結合した抗体を用いる技術のような極めて異なる方法
が説明された。
【0048】 ここで説明されている装置がリガンド・レセプター・アッセイにおけるバウン
ド/フリー・分離の簡単な自動化を可能とすることが意外にも確認された。つま
り、全ての従来の技術に対して、本発明によれば、先ず第1分離ステップにて分
離されたリガンド・レセプター・複合体が、複合体に付加している自由成分の残
留物を同様に除去するために、洗浄溶液と混合され、懸濁され、新たに分離され
なくてはならないという意図の洗浄ステップが行われる必要はない。この洗浄ス
テップは、従来の技術では、通常は寧ろ2度実施される必要があり、例えばべー
リンガー・マンハイム(Boehringer-Mannheim)社、現在ではロッへ・ディアグノ
スティックス(Roche Diagnostics)社のES600、またはアボット(Abbott)社
の装置であるアーキテクト(Architect)のような慣用の免疫アッセイ自動装置で
は、正に処理量を制限してしまう方法ステップである。
【0049】 本出願の装置は、一方では自動化を可能とし、その理由は、これらの装置が上
方に向かって開いているからであり、他方では電気浸透流の要求を考慮している
。意外にもこれらの装置は、リガンド・レセプター・混合物の培養された混合物
がサンプル投入室内に取り入れられ、引き続いて対応的な電気溶離にかけられ、
直接的な評価が他の洗浄ステップと伴うことなく可能であるように使用される。
【0050】 この際、使用されているリガンドラベルないしはレセプターラベルに応じた検
出は、放射能(ベータ線またはガンマ線)の測定により、光度分析測定、蛍光分
析測定、または発光分析測定により、または、質量分光測定法または核共鳴分光
測定法によっても行われ得る。
【0051】 従って、本出願の対象は、レセプター・リガンド・混合物内における荷電した
分子を単離することを目的とした、簡単に自動化可能な方法および装置でもある
【0052】 図1aには本発明による装置の斜視図が示されている。ここでは、反応チャン
ネル(2)が設けられた本体(1)が示されている。反応チャンネル(2)は、
上側にて開いていて、対応的な底部ならびに側壁を含むことにより際立っていて
、内部空間が電解溶液で満たされ得る。反応チャンネル(2)は有利には長方形
の形状または円筒形の形状で実施されていて、この形状において短い方の側面に
は、それぞれ、外側端部における電極(3、4)が設けられている。反応チャン
ネル(2)はこれらの電極(3、4)の間にて延びていて、この反応チャンネル
(2)には本発明に従って少なくとも1つの中間組込部(28)が設けられ得る
ので、少なくとも2つの液体室(例えば図2aの符号10と7)が形成され得る
。このチャンネル(2)は、典型的には0.01ml〜5ml、有利には0.2
ml〜2mlの容積を有する。本体(1)は、非導電性材料から構成され、通常
は、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチロール、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアクリラート、ポリ塩化ビニルなどのようなプラ
スチックから構成され、また本体(1)は、半製品から製造され得て、または射
出成形法または発泡成形法で製造され得る。個々の場合には、ガラス繊維強化プ
ラスチック、または他の混和剤を有するプラスチックが使用され得る。
【0053】 図1bには、チャンネル(2)の上述の基本形状における本発明による変形例
が示されている。ここではチャンネル(2)が中央にて狭窄されている。この形
状を提供することにより、荷電した分子の特に効果的な濃縮が達成され得ること
が意外にも認められた。この形状は、電気溶離の際に生じる次の現象を考慮して
いる:a)電極における電気分解によりpH値が変化する。それにより、十分な
緩衝能力を使用可能とするために、電極を取り囲む室は十分な体積を有する必要
がある。b)しかし、十分な濃縮を達成するためには、出来るだけ小さなサンプ
ル抽出容積を獲得することが必要である。これらのことは、サンプル抽出空間(
7)が狭窄部(32)に設けられていると、この狭窄部(32)によって対応的
に達成され得る。図1bに示されている実施形態は、有利には射出成形部材とし
て1度限りの使用のためのものであり、以下に詳細に説明する例えば半透性の膜
(14)のような中間組込部のために本体(1)にスリット(12)を有する。
本発明に従って複数の装置が結合され得る。つまり、例えばストライプ形状で、
またはプレートとして、この場合は有利な解決法が米国特許第4154795号
公報に記載されているような96ミクロ滴定プレートフォーマットである。図1
hには、8つのチャンネル(2)を有するミクロ滴定ストライプ(19)及びそ
れに適合するミクロ滴定プレートフレーム(18)を用いたその種の実施形態が
示されている。小型化されたバージョンでは384チャンネルおよび1536チ
ャンネルを有するフォーマットも使用され得る。
【0054】 チャンネル(2)は、図1cから図1gに示された異なる個々の要素からも構
成され得て、例えば図1gにおける締付装置(23)を用いてまとめられ得る。
この本発明による実施形態は個々の基本要素(図1c〜図1f)から構成され、
これらの基本要素は密閉要素(25)を用いて取付面(20)にて互いに並べら
れ、それから1つの又は複数の締付装置(23)を用いて共同でプレスされる。
これらの基本要素は通常は上方に向かって開いていてU字形状であるが、例えば
、予め充填される閉じた陰極室および/または陽極室のように、上方に向かって
閉じている個々の要素も使用され得る。
【0055】 図1cには、下方に向かって閉じていて対応的な凹部(2)を有する本体(1
)が示されている。対応する取付面(20)にて密閉要素(25)を用いて連結
されている複数の基本要素が締付装置(23)を用いて共同でプレスされると、
凹部(2)は反応チャンネル(2)を形成する。
【0056】 図1dには、反応チャンネル(2)のための中間組込部(28)の実施形態が
示されている。この実施形態は、長方形または円形の窓を有するフレーム(29
)から構成されていて、この窓内に中間組込部(28)のための材料が取り入れ
られ得る。有利な実施形態ではこの要素は層を成した構造で製造されていて、外
側はラミネートフォイル(29)であり、中央は対応的な中間組込部材料(28
)である。その際、この要素は、ラミネート装置を使って溶接され、それにより
滑らかな取付面(20)及びそれと共に良好な密閉性を有する。
【0057】 図1eには、両側に取付面(20)を有する対応的な密閉要素(25)が示さ
れている。この密閉用の要素は本発明に従って反応物の使用に応じて有利にはシ
リコンまたはテフロン(登録商標)から構成されている。
【0058】 図1fには、電極のための実施形態が示されていて、この実施形態は、プレー
ト電極として、また、図1dに示されたように層を成した構造で構成されている
。この際、窓内に位置する電極(3、4)のための電気的な導線(30)が設け
られている。
【0059】 図1gには、これらの基本要素から構成され且つ異なる中間組込部を有する反
応チャンネルの俯瞰図が示されている。対応的な締付装置(23)が装着されて
いる受容部(26)内にこれらの基本要素を取り入れることが有利であると実証
された。締付装置(23)を有する受容部(26)の代わりに、図1i及び図1
jに示されているような本発明による要素も使用され得て、これらの要素は、ス
トップノーズ(16)を有する又はストップノーズ(16)を伴わない対応的な
クランプ円錐部(9)を介して繋がれ得て、締付装置(23)を用いなくても液
密にまとめられる。
【0060】 図1iには、チャンネルを画定するための基本要素が示されていて、この際、
チャンネルは、図1jから延長して、基本要素を用いた繋がりによって任意の長
さに生成され得る。その際、反対側では図1iのような同じ基本要素を用いて画
定が成される。この基本要素は図1iにて示されているように電極(3)を受容
するための対応的なスリットを有する。また、本発明に従って、これとは異なる
2つの変形例が有利であると実証された。この際、変形例Aでは、2要素射出成
形プロセスにおいて導電性プラスチックから成る電極が生産プロセスで直接的に
射出成形される。変形例Bにおいては意外にも全ての基本要素も導電性プラスチ
ックから製造される。これは特に低コストの変形例である。ポリプロピレンのた
めのブレンド混和材料としては、そのために例えばキャブエレック3827(Cab
elec3827)およびプリエレック1362(Pre-Elec1362)のような1000Ohm
よりも小さい抵抗を有する材料が特に有利であることが実証された。図1jによ
る延長要素は対応的に非導電性プラスチック、有利にはポリプロピレンから製造
されなくてはならない。
【0061】 図1jは、本発明による他の変形例を示されていて、その理由は、ここでは開
口部(31)が反応チャンネル(2)への出入を可能にするためである。この開
口部(31)は、例えば洗浄過程において溶液を吸い出すためにも使用され得る
【0062】 この種の複数の反応チャンネルは、組み込まれている連結要素(21)を介し
て前述したように1つの結合体に、有利には96ミクロ滴定プレートフォーマッ
トに繋がれ得る。対応するフレーム内への組込は同様に容易に達成される。
【0063】 反応チャンネルは分岐部も含み得るので、例えば多次元単離が実施され得る。
【0064】 次に、チャンネル(2)内における全く異なる中間組込部(28)について詳
細に説明する。これらの中間組込部(28)は全く異なる機能を果たし、この際
、中間組込部(28)は、図2(図2a:俯瞰図、図2b:断面図)にて示され
ているように、反応チャンネル(2)をサンプル投入空間(10)とサンプル抽
出空間(7)とに分割する。
【0065】 本発明による装置では、例えば電気溶離にとって適切であるために、中間組込
部(28)が次に基準を満たさなくてはならない。 中間組込部は、 a)導電性を仲介しなくてはならない、 b)荷電した分子のために透過性を可能としなくてはならない、 c)液体遮断部でなくてはならない、その結果、両方の電極に電圧が印加されな
い場合、両方の空間(10、7)は決して液体交換を行うことがない、 d)場合によっては粒子を抑留しなくてはならない、及び、 e)場合によっては濃縮のために電気浸透流を生成しなくてならないが、電気溶
離が実施され得るように電気浸透流を制限しなくてはならない。
【0066】 例えば図3のような本発明による装置が前記の基準を満たすことが意外にも認
められた。この際、半透性の膜(14)が陽極(4)の近くに装着されていて、
膜(14)と陽極(4)との間に陽極空間(8)が得られる。それに加えて、他
の要素、即ちクロス(5)、または、以下にて説明するように、形状安定化され
たゲルが、半透性の膜(14)と陰極(3)との間に取り入れられている。ここ
では、有利には、所定のメッシュサイズと所定のオープン濾過面とを有し「合成
モノフィラメント精密濾過クロス(Synthetische Monofilament Praezisions-Sie
bgewebe)」(会社パンフレット、ゼーファー(SEFAR)社、スイス、リュシュリコ
ン(Rueschlikon)在)にて記載されているような精密濾過クロスである。このク
ロス(5)は例えばナイロンクロス及び/又はポリエステルクロスであり得る。
また、このクロス(5)は対応的にカレンダーにかけるなどしても処理され得る
。この種のクロスにおいて前述した要求はメッシュサイズとオープン濾過面に関
する所定の領域においてのみ満たされることが確認された。この場合、メッシュ
サイズは、0.1μm〜500μm、有利には0.5μm〜10μmであり、オ
ープン濾過面は、0.2%〜40%、有利には0.5%〜2%である。この際、
材料の種類は同様に大きな役割を果たす。例1に示されているように、クロス(
5)にて電気浸透流が生成され、この電気浸透流はサンプル抽出空間(7)の容
積を減少させる。このクロス(5)においては、例えば、ウール、コットンなど
のような他の種類のクロスも使用され得る。この種のクロス(5)は、電気溶離
を実施するための図3による装置において中間組込部(28)にて使用され、こ
の際、ここでは陰極空間(6)に対応するサンプル投入空間内には、例えば、吸
着剤として、荷電した分子、特に核酸で負荷されている粒子が取り入れられてい
る(図9c及び例4)。サンプル抽出空間(7)並びに陽極空間(8)を対応し
て電解液で満たした後、電極(3、4)間の電圧の印加により、荷電した分子の
吸着剤からの分離が達成される。この際、クロス(5)は導電性を妨げることは
なく、荷電した分子、特に核酸を通過させる。更に、粒子をサンプル投入空間(
10)内に抑留するという課題が満たされるので、サンプル抽出空間(7)から
は対応してクリアな核酸溶液が抽出され得る。それに加えて、ピペットを用いた
核酸の抽出時には限定量だけの電解溶液がサンプル投入室(10、ここでは符号
6と同一)から流れ込み、単離された核酸を汚染することがクロスによって保証
される。更に図3による実施形態は半透性の膜(14)を有し、この膜(14)
は、ある一定の分子量以上の荷電した分子が陽極空間(8)内に移行することを
防止する。つまり、この中間組込部は保護機能を有し、荷電した分子が陽極空間
内に浸入することを防止し、電極表面における荷電した分子の酸化分解を防止す
る。
【0067】 既述の電気浸透流の結果としてサンプル抽出室(7)内の緩衝液容積がクロス
(5)の的確な選択により減少され、このようにして、荷電した分子の濃縮が行
われることが意外にも確認された。このことは特に核酸分析において決定的な長
所である。サンプル投入空間(10)に対応する陰極空間(6)内に取り込まれ
る粒子を用いて図3による装置を使用する場合、他の本発明の長所として、これ
らの粒子が適切なクロスによりサンプル投入空間(10、符号6と同一)内に抑
留され、その結果、サンプル抽出空間(7)から対応してクリアな核酸溶液が抽
出され得ることが挙げられる。この場合、使用されている粒子に対応してクロス
メッシュサイズの排除量が適合される必要があることを考慮しなくてはならない
【0068】 図4ないしは図5a及び図5bにて示されているように、他の変形例では液体
遮断部(13)も使用され得て、この液体遮断部(13)は、対応するガイド(
12)により本体(1)内に液密に且つ可動式に取り入れられ得る。図5aでは
、開いた状態の液体遮断部(13)が示されていて、図5bでは閉じた状態の液
体遮断部(13)が示され、この際、液体遮断部(13)を反応チャンネル(2
)の本体(1)内に圧入することにより閉じられる。
【0069】 図6では、そのような液体遮断部(13)の使用領域が明確化されている。対
応する装置には、電極(3、4)と半透性の膜(14)の他に、対応するクロス
(5)及び/又はフリット(27)が設けられている。このクロス(5)及び/
又はフリット(27)は、陰極(3)の方向にてサンプル投入空間(10)を形
成し、このサンプル投入空間(10)内に例4による粒子が取り入れられる。行
われた電気溶離により、荷電した分子は、液体遮断部(13)が先ずは開かれて
いるので、サンプル抽出空間(7)にて集められる。液体遮断部(13)の圧入
により、空間(6)に対して液密に閉じられたサンプル抽出空間(7)が形成さ
れ、このサンプル抽出空間(7)から、ピペットを使って、例えば、核酸のよう
な荷電した分子が抽出され得る。
【0070】 図8には、磁気特性を有する吸着剤を使用するための本発明による特殊な装置
が示されている。この種の吸着剤は、永久磁石(17)を用いて反応チャンネル
(2)の所定の位置に抑留される。そのために永久磁石(17)は反応チャンネ
ルの近くに提供されなくてはならない。それにより電気溶離のためには、適切な
永久磁石をサンプル投入空間(10)の近くに提供することが特に提案され、そ
の結果、粒子は、荷電した分子の放出後、例えば底部または側壁の方に引き付け
られ得る。この措置により、反応チャンネル内のクロスまたは他の組込部が粒子
で塞がれて引き続く電気溶離が妨害されてしまうことはない。
【0071】 電気溶離(例4)の他に、本発明による装置は、ゲル(アガロースまたはポリ
アクリルアミド)から核酸を回収するためにも使用され得る(例2)。
【0072】 従来のアガロースゲルまたはポリアクリルアミドゲルから成るディスクまたは
ブロックは特に適切な中間組込部であり、この際、例えば核酸単離用の装置のた
めに、特に、小さな架橋度を有するゲル、即ちゲル充填材の占める割合が少ない
ゲルが特に有利であるということが認められた。また、中間組込部の厚さが対応
して薄くされるべきであることが示された。中間組込部の厚さは、特に0.1m
m〜20mm、有利には0.5mm〜5mmである。例えばアガロースのような
本発明に従って形状安定化されたゲルにおけるゲル充填材の割合は、0.1%〜
10%、有利には0.12%〜4%である。このような薄いゲルディスクを従来
の方式で製造するという試みは、形状安定性の欠如が原因で不成功に終わってい
る。また、これらのゲルが全く異なる形式で形状安定化され得ることが意外にも
確認されたので、それにより、これらのゲルを本発明による装置に取り入れるこ
とが可能である。
【0073】 形状安定化は、特に支持要素を取り入れることによって行われる。次に、本発
明による2つの変形例について説明する。変形例Aでは、2つのクロス(5)の
間の中間空間が暖かい液状のゲル素材で詰められる。冷却後にゲル素材は凝固し
、前記のクロスによって対応的に形状安定化されているので、低いアガロース濃
度を有するゲル層も使用され得る。例5及び例7ではその製造について詳細に記
載されている。図7bでは、2つのクロス(5)とこれらのクロス(5)の間に
設けられたゲル層(34)とを有する層状の安定化構造部が示されている。この
全構造部は、以下、形状安定化されたゲル(33)と称される。
【0074】 本発明による他の変形例B(例7)は、焼結されたプラスチックを支持要素と
して使用することであり、この支持要素は、ゲルの凝固後にその細孔がゲルで満
たされているように、先ずは未だ液状のゲルで浸透されている。このような焼結
されたプラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらに類似す
る材料から成り、焼結プロセスにて発泡されるので、極めて異なるキャピラリー
構成が得られる。これらのキャピラリーは、それらの寸法に関して、特に1μm
〜200μm、有利には20μm〜120μmである。このような形状安定化さ
れたゲルは、一方では、これらのゲルが荷電した分子、特に生体分子をある一定
の分子量領域にて透過させるという目的を果たし、他方では、これらのゲルが液
体遮断部を意味している。例7では、この変形例Bの製造に関する他の詳細が記
載されている。
【0075】 全く異なるブロッティング技術において、このような形状安定化されたゲルが
幅広く使用されている。また、形状安定化を伴わない従来の技術によるゲルの使
用においては不適切な操作によって断裂が生じ、その理由は、正にこれらの技術
ではゲルがマニュアルで幾度も移行されなくてはならないからである。ここで本
発明による形状安定化の使用により、ゲルを移し替える際の簡単で確実な操作性
に関して大きな長所が得られ、その理由は、ゲル体の破壊に関して保護が成され
ているからである。
【0076】 上方に向かって開いている前述の装置を使用する場合、その形状が詳細にはど
のような外観を呈するかに応じて電気浸透流(EOF)を考慮する必要があると
いう事実を考えなくてはならない。この電気浸透流は、例えば電気溶離領域内の
キャピラリー開口部により引き起こされ、電気溶離法に多大な影響を与え、寧ろ
不可能なものにしてしまう。特に、従来のシステムにおける個々の室の活動停止
状態、即ち、電気浸透を原因とする1つの室から他の室へのほぼ全ての液体容積
の移行は、溶離法の中断を結果として引き起こす。EOFが一方ではサンプル抽
出空間の容積を適度に減少させるが、他方では荷電した分子の移動を妨害し過ぎ
ないようにEOFが使用されると、これらの荷電した分子の濃縮が達成され得て
、このことは全プロセスにとって有利である。このことが形状安定化されたゲル
を用いて達成され得ることが意外にも認められ、それについては他の詳細が例に
おいて説明されている。
【0077】 他の問題点として、本発明による移行プロセスのために適切な電流電圧を使用
することが挙げられる。ここでは、安全技術上の考慮から、直流電圧を所謂42
V未満の低電圧領域に留めることが有意義であり、その理由は、この場合には、
通電する反応チャンネルのカバーが必要ではないためである。このことは特に自
動化を容易にする。このことは比較的高いイオン伝導率を有する緩衝液を陽極空
間と陰極空間にて使用することにより達成され得ることが意外にも認められた。
この際、この緩衝液は、内側に位置する室内よりも2倍〜30倍、有利には5倍
〜15倍に濃縮されている状態にあり得る。サンプル抽出空間(7)と、前述し
たように比較的高い緩衝液濃度で満たされた隣接する陽極空間(8)との間にお
ける形状安定化されたゲルは、本発明に従って半透性の膜のように作用し、荷電
した分子が陽極(4)に到達すること及び場合によっては分解されることから、
これらの荷電した分子を保護する。形状安定化されたゲルが洗浄剤を良く透過さ
せることは本発明の長所である。
【0078】 また、特殊な濃縮および集束の問題提起を解決するためには、本発明に従って
、電極室間の緩衝液勾配が内側空間における室に使用され得て、この際、より強
く濃縮されている緩衝液がそれぞれの電極にて使用される。また、マルチ緩衝シ
ステムが発明性のあるものとして実証され、これらのマルチ緩衝システムでは、
隣接する室には異なる緩衝剤および異なるpH値が使用される。この長所は、サ
ンプル投入の際に、異なる緩衝液を混合することによっても利用され得る。前述
した周辺条件を考慮しながら本発明による反応チャンネル内にて形状安定化され
たゲル層を使用することは、以下にて詳細に説明するように、荷電した分子が移
行され得て、同時に環境がプロセッシングされ得る多岐に渡る使用を可能とする
【0079】 図7aによる装置は、クロス(5)、形状安定化されたゲル層(33)、及び
液体遮断部としての半透性の膜(14)を有し、この装置は、例えば核酸を単離
するために以下のように使用され得る。サンプル投入空間(10)内に核酸が取
り入れられ、中間組込部が突出する範囲内で電解質または電気泳動緩衝液が装置
に充填され、電極には直流電圧が印加される。核酸は、形状安定化されたゲル(
33)を通じて移動し、半透性の膜(14)の前でサンプル抽出空間(7)内に
て濃縮される。電気浸透流により室(7)内の液位が減少され、核酸は濃縮され
た形態で抽出される。形状安定化されたゲル内のゲル充填材の割合に応じて、分
子量による核酸の選別化も行われ得る。
【0080】 生体サンプルから核酸を単離するためには特に図7fによる装置が適している
。ここでは半透性の膜(14)が陰極空間(6)を閉鎖し、サンプル投入空間(
10)に対する接続部を意味する。陽極に向かって、形状安定化された2つのゲ
ル(33)及び(33a)が設けられていて、これらはサンプル抽出空間(7)
及び陽極空間(8)を画定する。生体サンプルから得られ且つ遊離された核酸を
有する溶解混合物はサンプル投入室(10)内に取り入れられる。この溶解混合
物は、核酸の遊離のため及び生体構成物を破壊するために、硫酸リチウム、ドデ
シル硫酸ナトリウム、臭化セチルアンモニウム、イオン化界面活性剤、イオン化
グリコシドなどのような洗浄剤を含む。これらの洗浄剤は、0.1%〜10%の
濃度、有利には0.1%〜2%の濃度で使用される。また、グアニジニウムチオ
シアネート、グアニジニウム塩酸塩、ヨード塩、過塩素酸塩などのようなカオト
ロピック塩も使用され得る。この装置は電解溶液で満たされ、電圧が印加される
。形状安定化されたゲル(33)は、0.12%〜0.2%という少ない割合の
ゲル充填材を有し、比較的大まかな細胞破片に限らず比較的大きなタンパク質集
合体をも抑留する。遊離されている核酸および例えばドデシル硫酸ナトリウムの
ような洗浄剤は、この中間組込部を通過し、この際、この洗浄剤はその比較的小
さな分子量により室(7)を介して核酸よりも速く陽極室(8)内へと通ってゆ
く。従って、形状安定化されたゲル(33a)は核酸を洗浄剤から分離させる。
これらの核酸は、この形状安定化されたゲル(33a)により抑留され、室(7
)から抽出される。この場合、半透性の膜は省略されなくてはならない。つまり
、一方では、形状安定化されたゲル(33a)による保護が十分であり、他方で
は、SDSのような洗浄剤が形状安定化されたゲルを全般的に容易に通過し、そ
れに対して、恐らくはミセル形成の結果として、中間組込部としての半透性の膜
が洗浄剤を抑留したことが意外にも確認された。電気泳動プロセスには1分〜3
0分、有利には2分〜12分の時間がかかり、この電気泳動プロセスは、本発明
による装置が適切な電力供給ユニットと共にピペットロボットに提供されること
によって極めて容易に自動化される。この際、液体は自動式でピペットで取り出
され、単離プロセスのためには電力供給ユニットをオンオフするための電気信号
がピペットロボットにより提供される。引き続き、単離された核酸はロボットを
用いて抽出され、他の処理のために使用され得る。
【0081】 溶解混合物からの洗浄剤の直接的な除去が十分でない場合、液体遮断部として
の形状安定化された2つのゲル層(33)及び(33a)を有する図7dによる
装置において、核酸を単離するための変形プロセスが次のように利用され得る。
この場合、陰極空間(6)内には、粒子、有利には磁気特性を有する粒子が取り入
れられる。これらの粒子は前もって核酸で負荷され且つ場合によっては洗浄溶液
で処理されたものである。第1クロス(5)は、このクロスが粒子を抑留するよ
うに形成されている。電解質の充填および電極(3、4)への電圧の印加の後、
荷電した生体分子はクロスを通じて室(35)内へと移動し、形状安定化された
ゲル(33)を通じて移動するが、その後、形状安定化されたゲル(33a)に
よって抑留される。それに対して、例えば粒子に吸着されている洗浄剤残留物は
これらのゲルを通過する。洗浄剤を伴わない核酸はサンプル抽出空間(7)から
抽出される。ドデシル硫酸ナトリウムでは例えば2%よりも大きい比較的大きな
洗浄剤量を除去するために、本発明に従って、洗浄剤と結合する作用物質または
洗浄剤を沈殿させる作用物質を含む特別な室も使用され得る。また、洗浄剤と結
合する作用物質を溶解後に付加し、その後、電気溶離により分離することも可能
である。洗浄剤と結合する作用物質としては、有利には、例えば洗浄剤・吸着・
ゲル[ロッヘ・ディアグノスティックス(Roche Diagnostics)社、マンハイム(Man
nheim)在、Cat. No.:1 500 678]のような、大きな内部表面を有する疎水性でマ
クロ多孔質の粒子が使用され得る。更に、前記の材料は、中間組込部(28)と
して焼結された形状においても、洗浄剤と結合するために使用され得る。
【0082】 アガロースゲル内のアガロースの濃度ないしはポリアクリルアミドゲル内のポ
リアクリルアミドの濃度に応じて、ゲルのキャピラリー構成が変化され得て、こ
れらの材料は電気泳動プロセスにて分子ふるいとして使用される(「電気泳動、
理論、技術、及び生化学的及び臨床的応用」(Electrophoresis Theorie, Techni
cs and Biochemical and Clinical Applications)、A.T.アンドリュース(A.
T.Andrews)(主筆)、ISBN 0-19-854633-5、クラレンドン・プレス(Clarendon P
ress)、オックスフォード(Oxford)、1988年)。しかし、そのためには適切な大
きさの移動経路(2cm〜80cm)が必要とされるが、図7による装置を用い
ることにより、0.1mm〜20mm、有利には0.5mm〜5mmの薄さの形
状安定化されたゲル層内においても荷電した分子の分離が行われ得て、その結果
、前述した液体遮断部の他に、荷電した分子を単離するための分子ふるいとして
の機能も使用され得ることが意外にも認められた。
【0083】 それに加えて、形状安定化されたゲル層は陽極の保護部としても使用され得て
、半透性の膜(14)の代用をすることができる。アガロースを使用する場合、
そのためのアガロース濃度は、2%〜5%、有利には2.5%〜3.5%である
【0084】 他の使用として、リボ核酸(RNA)、有利にはメッセンジャーRNA(mR
NA)を、生体サンプル、即ちゲノム同族DNAが現存する生体サンプルから単
離することが挙げられる。この場合、溶解混合物のプロセッシングは、本発明に
従って、核酸移行ステップ中のDNアーゼ消化にある。電解溶液は通常は7.2
5±0.5のpH値を有するので、pI>7、有利にはpI8〜pI9であるD
Nアーゼを使用する場合、このプロセスは図7dによる装置にて実施され得る。
生体サンプルに由来して洗浄剤を含む溶解混合物が陰極室(6)内に充填され、
反応チャンネルが電解質で満たされ、電極に電圧を印加することによって移行が
開始される。細胞残留物および粗い汚染物はクロス(5)にて付着して停滞する
。クロスの代わりに、形状安定化された第3アガロースゲルも使用され得る。核
酸、この場合はDNAとRNAは、洗浄剤が同様にマイナスに荷電されている場
合には洗浄剤と共にこの中間組込部を通過する。また、この洗浄剤は、より速く
移動し、引き続く形状安定化されたゲル(33)をも部分的に通過する。このよ
うにして室(35)は洗浄剤を含まないようになり、洗浄剤により妨げられるD
Nアーゼを用いてDNA分解が実施され得る。そのためには、電圧が遮断され、
DNアーゼ溶液が反応室(35)内に付加され、場合によっては培養され、引き
続いて移行プロセスが継続される。DNAの分解の後、DNアーゼのpI値の本
発明による適切な選択によって、DNアーゼが残留するRNAから分離され、R
NAプレパラートがDNアーゼを伴わずに室(7)から抽出され得る。その間に
、対応する洗浄剤は、形状安定化されたゲル(33a)を通じて陽極室(8)ま
で浸透する。DNアーゼはそのpI値に基づいて例えばプラスに荷電されていて
、RNAとは反対方向に移動する。幾らか変化された使用では、DNA消化が、
室(35)内にピペットで移される固相結合したDNアーゼを用いて行われる。
この変形例は、使用されているDNアーゼのpIに依存しないという長所を有す
る。このことは、引き続くRT・PCRにおいて例えば最初の加熱ステップで破
壊され得る非耐熱性DNアーゼを使用する際にも有効である。
【0085】 ピペットステップのために今までは必要不可欠であり他方では迅速な自動操作
の妨げになっている電力供給の中断を回避する他の使用では、電解質のpH値よ
りも小さいpIを有するDNアーゼが使用される。この場合、ヌクレアーゼは核
酸と共に移動する。図7dと比べて追加的に形状安定化されたゲル(33b)を
陰極(3)側にて有し、ヌクレアーゼが電解質と共に反応室(35b)内に及び
溶解されたサンプルがサンプル投入室(10)内に充填される図7eによる装置
を使用することにより、ヌクレアーゼは洗浄剤よりも遅く、しかしサンプルから
のDNAよりも速く移動し、これを破壊する。
【0086】 ヌクレアーゼを非活性化する前述の可能性の他に、本発明に従って、ヌクレア
ーゼまたは固相結合したプロテイナーゼKに対する固相結合した抗体を形状安定
化されたゲル(33)内に取り入れるという可能性があり、これらの抗体は、酵
素と結合ないしは酵素を分解、及びそれにより酵素を非活性化させる。この際、
このようなプロセスは図7dによる装置において次のように経過される。溶解さ
れたサンプルで室(6)が満たされ、電解質で残りの室が満たされる。電気溶離
が開始され、1分後〜5分後、有利には1分後〜2分後に中断される。引き続き
、固相結合したDNアーゼが反応室(35)内に充填されて培養される。引き続
いて電気溶離が継続され、DNAを伴わないサンプルがサンプル抽出室(7)か
ら抽出される。実際には僅かな割合のDNアーゼがこのプロセスにて剥離し得て
、pI値に応じてサンプルと共にサンプル抽出室(10)内に移動し、このこと
が更なる処理にとっては不利であることが示された。この場合には、本発明に従
って、固相結合したプロテイナーゼK、または可溶性の形態または固相結合した
形態のDNアーゼに対する抗体が、電離溶離を新たに開始する以前に反応室(3
5)内に提供され、その結果、DNアーゼが非活性化される。この際、特にプロ
テイナーゼKがサンプル抽出室(10)内に到達しないことが考慮されなくては
ならない。その理由は、このプロテイナーゼKが例えば引き続くPCRを、そこ
で使用されているTaqポリメラーゼが非活性化されるまで妨害し得るためであ
る。完全なプロテイナーゼKのpIがpH6.60に位置するのに対して、特に
活性の部分フラグメント(アミノ酸106−384)のpIは8.25に位置す
る。特にこのフラグメントは本発明の使用に適していて、その理由は、このフラ
グメントが中性pHにおいてプラスに荷電されていて、陰極へと移動し、サンプ
ル抽出空間内へは移動しないためである。
【0087】 他の可能性として、固相結合したプロテイナーゼK、またはDNアーゼに対す
る固相結合した抗体が未だに液状のゲル内に提供され、それにより、形状安定化
されたゲル層が予め保持されるということが挙げられ、このことはピペットステ
ップを省略させることになる。比較可能な使用として、RNアーゼを用いた処理
により又は対応する方式を用いてタンパク質混合物を単離することにより、RN
AをDNA/RNA・混合物から除去することが挙げられる。
【0088】 本発明の他の解決策として、異なるpH値を有する緩衝液を、ここで説明され
ている装置の異なる室にて使用することが挙げられる。付加されているタンパク
質または酵素のpI値に応じて、隣接する室は、例えば核酸のような所望の荷電
した分子がこの室を通過するが混和材料は通過しないようなpH値で満たされ得
る。考えられ得る使用が、図7gにて斜視図として、図7hにて断面図として示
されている。これは、形成された3つの受容ポケットを有するアガロース平床型
ゲル(36)であり、これらの受容ポケットは、サンプル投入室(10)、反応
室(35)、及びサンプル抽出室(7)として使用される。この場合、特に室(
35)内における数種の反応物の混合を回避するために、電解質が平床型ゲルの
上縁を越えないことが考慮されなくてはならない。このような装置では、ここで
記載されているプロセスは実施可能ではなく、その理由は、EOFの結果として
室(35)と室(7)が活動停止の状態になり、それにより安定した電気溶離が
可能ではないためである。
【0089】 次に、添付の図面および例により本発明を更に詳細に説明する。
【0090】 例 1.)電気浸透流の測定 この使用のためには、陰極空間(6)、サンプル投入空間(10)、陽極空間
(8)を画定する、2つのクロス(5)[No. 07/5/1、ゼーファー(SEFAR)社、ス
イス、リュシュリコン(Rueschlikon)在]と、半透性の膜(14)[Size 3;メデ
ィセル・インターナショナル・リミテッド(Medicell Int. Ltd.)社、イギリス、
ロンドン在]とを有する図9aによる装置が使用された。この際、この装置は、
図1cによる個々の基本要素[No.: 011 1120 005 05;J.ピュッツフェルド B
.V.(J. Puetzfeld B.V.)、オランダ、アムステルダム在]から構成された。陽
極空間と陰極空間のためには3つの要素がそれぞれ接着され、クロス(5)と半
透性の膜(14)は、それぞれ、穴の開けられたラミネートフォイル[厚さ250μ
m、No. 54x86;ベットヒャー(Boettcher)社、イェーナ(Jena)在]内にラミネー
ト装置[ラミレル(Lamirel)社、MAXIPLAST 335 E]を用いて溶接されて嵌め込まれ
、シリコンシール[厚さ1mm、No. 6084.0810、H.べーゲナー(H.Wegener)社
、ハンブルグ在]を用いて、ネジクランプ装置を用いて前記基本要素間に液密に
締付固定されたものである。電極(3、4)としてはアルミニウムプレートが用
いられ、電力源としては電気泳動変圧器[ヘルツェル(Hoelzel)社]が使用された
【0091】 この装置は電気泳動緩衝液(10mM トリス/アセタート[ロート(Roth)社、
カールスルーエ(Karlsruhe)在]、1mM EDTA[シグマ(Sigma)社]、pH8.
0)で満たされ、電極(3、4)には一定の10mAで40V〜80Vの電圧が
10分間印加された。次の表に、電気溶離前と電気溶離後の個々の室内の容積を
示す。
【0092】
【表1】
【0093】 この実験では、サンプル抽出空間(7)内の緩衝液容積の減少が示されている
。以下の全ての例では、特に記載される場合を除き、例1における材料が使用さ
れた。
【0094】 2.)アガロースゲルからのDNAの電気溶離 2.5μg DNA(λ Hind III)[No. #SM0101;MBIフェルメンタス(MBI Fermentas)社、セント・レオン・ロート(St. Leon-Roth)在]が電気泳動緩衝液
(上記参照)内の標準・平床型アガロースゲル(0.8%アガロース[シグマ(Si
gma)社、ミュンヘン在])内に10分間(ほぼ3V/cm)の経過時間でこのゲ
ル内に移され、SYBR(登録商標)・Gold[S-11494;モー・ビー・テック
(Mo Bi Tec)社、ゲッティンゲン(Goettingen)在]を用いた標準規定によりバンド
が染色された。DNAを含む一致するゲル部分がメスで切り出され、図10aに
て電気溶離前と電気溶離後のものとして示されている。
【0095】 切り出されたアガロースゲルがサンプル投入空間内に移され、図9aによる全
装置が1.9ml電気泳動緩衝液(上記参照)で満たされた。電極には電気泳動
変圧器を用いて一定の10mAで40V〜60Vの電圧が7分間ないしは10分
間印加された。
【0096】 図10bには、標準アガロースゲル(上記参照)における電気溶離の結果が示
されている。
【0097】
【表2】
【0098】 3.)図9bによる装置を用いた電気溶離 この使用のためには、陰極空間(6)、サンプル投入空間(10)、陽極空間
(8)を画定する、クロス(5)と、焼結されたプラスチックから成るフリット
[No. XS-5616、ポレックス.テクノロジース(Porex. Technologies GmbH)社、ジ
ングビッツ(Singwitz)在]と、半透性の膜(14)とを有する図9bによる装置
が使用された。この際、この装置は、例1にて記載したように構成されたもので
ある。
【0099】 2.5μg DNA(λ Hind III)が直接的にサンプル投入空間内に入れられ
、図9bによる全装置が1.75ml電気泳動緩衝液(例1参照)で満たされた
。電極には電気泳動変圧器を用いて一定の10mAで70Vの電圧が10分間印
加された。
【0100】 図11には、サンプル投入空間および直接的に隣接するサンプル抽出空間から
の抽出物を用いた標準アガロースゲル(上記参照)における電気溶離の結果が0
分〜10分の反応速度で示されている。ここで、Mは、例1におけるようにマー
カーのレーンを表す。
【0101】 4.)磁気粒子および電気溶離を用いた、酵母からの核酸の単離 この使用のためには、図9cに示されているように、クロス(5)[ゼーファ
ー(SEFAR)社、例1参照]と、透析膜[メディセル(Medicell)社、例1参照]とを有
する装置が使用された。
【0102】 1mlあたり1×1010の酵母細胞(Saccharomyces cereviciae)が、リチ
カーゼ緩衝液(Lyticasepuffer、1M ソルビット[アプリケム(AppliChem)社、
ダルムシュタット(Darmstadt)在]、100mM クエン酸ナトリウム[ICN社、
米国、オーローラ(Aurora)在]、60mM EDTA[シグマ(Sigma)社]、50m
M ジチオエリトリトール[ロート(Roth)社]、pH7.5)に受容され、そのう
ちの10μl(10細胞)が1μlリチカーゼ[No. 1372 467、ロッヘ・ディ
アグノスティックス(Roche Diagnostics)社、マンハイム(Mannheim)在]と置換さ
れ、37℃で15分間培養された。
【0103】 溶解ならびに結合、及び磁気粒子の洗浄は、米国特許第5705628号公報
に従って行われた。最後の洗浄ステップの後、磁気粒子が分離され、洗浄溶液が
入念に除去され、粒子が150μl溶離緩衝液(電気泳動緩衝液、例1参照)内
に受容された。引き続き、懸濁剤が、既に溶離緩衝液で満たされている図9cに
よる装置のサンプル投入室(この場合、陰極空間(6)と同一)内に充填された
。電気溶離は10mAの電流で40V〜70Vの電圧を5分間印加することによ
り行われた。核酸は抽出室からピペットで取り出され、例1におけるようにアガ
ロースゲル電気泳動にかけられた。図12には、それに付属するゲル画像が示さ
れている。
【0104】
【表3】
【0105】 5.)図7aによる装置を用いた電離溶離 この使用のためには、先ず陽極空間(6)及び陰極空間(8)を画定する、ク
ロス(5)[No. 07/5/1、ゼーファー(SEFAR)社、スイス、リュシュリコン(Ruesc
hlikon)在]と、半透性の膜(14)[Size 3;メディセル・インターナショナル
・リミテッド(Medicell Int. Ltd.)社、イギリス、ロンドン在]とを有する図7
aによる装置が使用された。それに加えて、これらの両方の組込部の間には形状
安定化されたゲル(33)が取り入れられていて、このゲルは、サンプル投入空
間(10)及びサンプル抽出空間(7)をそれぞれほぼ250μlの容積で画定
する。この際、この装置は、個々の基本要素[No.:011 1120 005 05;J.ピュ
ッツフェルド B.V.(J. Puetzfeld B.V.)、オランダ、アムステルダム在]か
ら構成された。陽極空間(8)と陰極空間(6)のためには、ほぼ750μlの
容積を有する3つの要素がそれぞれ接着され、クロス(5)と半透性の膜(14
)は、それぞれ、穴の開けられたラミネートフォイル[厚さ250μm、No. 54x86
;ベットヒャー(Boettcher)社、イェーナ(Jena)在]内にラミネート装置[ラミレ
ル(Lamirel)社、MAXIPLAST 335 E]を用いて溶接されて嵌め込まれ、シリコンシ
ール[厚さ1mm、No. 6084.0810、H.べーゲナー(H.Wegener)社、ハンブルグ
在]を用いて、ネジクランプ装置を用いて前記基本要素間に液密に締付固定され
たものである。
【0106】 変形例Aによりゲルが次のように形状安定化された。焼結されたプラスチック
[細孔サイズ45μm〜90μm、No. X-4899、ポレックス.(Porex.)社、ジン
グビッツ(Singwitz)在]が、アガロース(0.4%〜3%)[シグマ(Sigma)社、
ミュンヘン在]と電気泳動緩衝液(1mM EDTA[シグマ(Sigma)社]と、10
mM トリス/アセタート[ロート(Roth)社、カールスルーエ(Karlsruhe)在]、p
H8.0)から成る加温された混合物内に置かれ、アガロースが凝固され、その
ようにして形状安定化されたゲル(33)が図7aによる装置に取り入れられた
【0107】 2.5μg DNA(λ Hind III)[No. #SM0101;MBIフェルメンタス(MBI
Fermentas)社、セント・レオン・ロート(St. Leon-Roth)在]が直接的にサンプ
ル投入空間内に入れられ、全装置が1.75ml電気泳動緩衝液(前記参照)で
満たされた。電極には電気泳動変圧器[ヘルツェル(Hoelzel)社、ドルフェン(Dor
fen)在]を用いて一定の10mAで50V〜500Vの電圧が10分間印加され
た。
【0108】 図13には、形状安定化されたゲル内の異なるアガロース濃度を用いた電気溶
離の結果が示されていて、この際、0分〜10分の反応速度で、0.8%標準ア
ガロースゲル(上記参照)を用いて、サンプル投入空間(10)からの抽出物と
サンプル抽出空間(7)からの抽出物が分析された。「ゲルレーン」の見出しの
下には時間が示されていて、この時間に従ってゲル上のDNAが検出可能であっ
た。
【0109】 形状安定化された ゲルレーン ゲル(33)内の アガロース濃度 マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 0.4% 0分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 0分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 1分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 1分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 2分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 3分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 3分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 4分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 4分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 5分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 7分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 7分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 10分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 0.8% 0分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 0分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 1分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 1分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 2分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 3分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 3分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 4分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 4分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 5分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 7分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 7分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.8% 10分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.8% 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1.2% 0分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 0分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 1分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 1分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 2分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 3分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 3分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 4分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 4分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 5分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 7分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 7分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 1.2% 10分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 1.2% 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 3.0% 0分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 0分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 1分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 1分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 2分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 3分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 3分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 4分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 4分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 5分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 7分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 7分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3.0% 10分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 3.0% 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7)
【0110】 サンプル投入空間(10)内のDNA(λ Hind III)量の減少、並びに、サ
ンプル抽出空間(7)内における増加が認識できる。それに加えて、より高いア
ガロース濃度では、より小さな分子量を有するバンドが抑留されるので、このよ
うにして、形状安定化されたゲルを用いて所定の核酸の選別化が達成され得る。
【0111】 6.)図7aによる装置を用いた電気浸透流の測定 この使用のためには、図7aによる装置が、0.8%アガロースを有する変形
例Aの形状安定化されたゲルを用いて稼動された。他の全ての実験条件は例1に
順ずる。サンプル投入空間(10)の最終容積およびサンプル抽出空間(7)の
最終容積を2分〜10分の反応速度で次の表に示す。
【0112】
【表4】
【0113】 形状安定化されたゲルを使用することによりサンプル抽出空間(7)内の容積
が減少されるので、溶離された核酸が対応的に濃縮される。
【0114】 7.)図7bによる装置を用いた電気溶離 この使用のためには、変形例Bによる形状安定化されたゲルを含む図7bによ
る装置が使用された。その製造は次のように実施された。即ち、2層のクロス(
5)がほぼ2mmの間隔をもって装置内に入れられ、この中間空間が、アガロー
ス(0.4%)と電気泳動緩衝液から成る加温された混合物で満たされた。この
アガロースは冷却され、それにより凝固された。
【0115】 2.5μg DNA(λ Hind III)が直接的にサンプル投入空間(10)内に
入れられ、全装置が例5のように稼動され、サンプル抽出空間(7)からの結果
物が抽出されて分析された。図14には、電気溶離の結果が示されていて、この
際、0分〜10分の溶離反応速度で、0.8%標準アガロースゲル(上記参照)
を用いて、サンプル投入空間(10)からの抽出物とサンプル抽出空間(7)か
らの抽出物が分析された。
【0116】 形状安定化された ゲルレーン ゲル(33)内の アガロース濃度 マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 0.4% 0分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 0分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 1分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 1分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 2分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 3分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 3分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 4分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 4分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 5分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 7分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 7分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 0.4% 10分間の電気溶離前のサンプル投入空間(10) 0.4% 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7)
【0117】 この結果は、例5におけるデータに対応する。
【0118】 8.)図7bによる装置を用いた電気浸透流の測定 この使用のためには、図7b及び例7による装置が、0.4%アガロースを有
する変形例Bの形状安定化されたゲルを用いて使用された。図7bによる全装置
は例1のように稼動された。
【0119】 10分後におけるサンプル投入空間(10)の最終容積およびサンプル抽出室
(7)の最終容積を次の表に示す。
【0120】
【表5】
【0121】 形状安定化されたゲルを使用することによりサンプル抽出室(7)内の容積が
減少されるので、溶離された核酸が対応的に濃縮される。
【0122】 9.)より小さな電流電圧を有する図7cによる装置を用いた電気溶離 この使用のためには、図7c及び例5による装置が、0.8%アガロースを有
する変形例Aの形状安定化されたゲル(33)を用いて使用された。全装置は、
例5とは異なって10倍に濃縮された陽極空間(6)内の電気泳動緩衝液を用い
て稼動された。この装置では20V〜25Vの電圧で10mAが達成された。電
気溶離後における容積は次のように示された。
【0123】
【表6】
【0124】 この例は、低い電圧領域において、電気溶離のために、最小の電気浸透流を示
していて、このことは若干の使用にとって有利であり得る。
【0125】 この結果は、著しく小さな電流電圧を用いて電気溶離が実施され得ることを示
していて、このことは対応的な自動化において多大な簡素化を意味し、その理由
は、この電流電圧のためには他の安全基準が当てはまるからである。陽極空間と
陰極空間に例11のように比較的高い濃度の緩衝液が供給されると、電圧が10
V未満に低減される。
【0126】 10.)焼結されたプラスチックから成る支持部におけるアガロースゲルの使
用 標準アガロースゲル(0.8%)が、焼結されたプラスチック[X4588、ポレッ
クス(Porex)社、ジングビッツ(Singwitz)在]に注がれて冷却された。このゲルを
用いてDNA(λ Hind III)が提供され、電気泳動が実施され、染色された(
上記参照)。図15には、その結果が示されている。
【0127】 11.)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が現存する、図7fによる装置を
用いた電気溶離 この使用のためには、透析膜(14)[メディセル(Medicell)社、例1参照]と
、形状安定化された2つのゲル(33及び33a)とを有する図7fによる装置
が使用された。この際、アガロース濃度は(33)にて0.2%、(33a)に
て2%であり、変形例Aにより形状安定化が成されている。30μl(10
胞)の酵母細胞懸濁液(Saccharomyces cereviciae)が、5%ドデシル硫酸ナト
リウム[L4390、シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、100mM トリス/HCI[
T2584 L4390、シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、10mM EDTA[E5134、シ
グマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、及び5μlのプロテイナーゼK溶液[1 373 196
、ロッへ(Roche)社、マンハイム(Mannheim)在]から構成される115μl BI
LATEST溶解緩衝液Iを用いて、55℃で1時間培養され、サンプル投入室
(10)内に移された。陽極空間(8)と陰極空間(6)は、例1の10倍に濃
縮された600μlの電気泳動緩衝液で双方それぞれ満たされ、残りの室(7)
は150μlの1倍濃縮物で満たされた。電気溶離は、10mAの電流で7.5
Vの電圧を5分間ないしは10分間印加することによって実施された。核酸は抽
出室(7)からピペットで取り出され、例1におけるようにアガロースゲル電気
泳動にかけられた。図16には、それに付属するゲル画像が示されている。
【0128】 レーン 内容 M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 0− 電気溶離前のサンプル投入空間(10) 5− 5分間の電気溶離後のサンプル投入空間(10) 5+ 5分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 10− 10分間の電気溶離後のサンプル投入空間(10) 10+ 10分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB
【0129】 ゲル画像は、ゲノムDNA並びにゲノムRNAを示している。
【0130】 12.)電気溶離を用いたドデシル硫酸ナトリウムの除去 この実験においては、例11に対応する構成を有する図7fによる装置が使用
された。0.4%アガロースを用いて形状安定化されたゲル(33)が製造され
、4%アガロースを用いて形状安定化されたゲル(33a)が製造された。サン
プル投入室(10)内には、電気泳動緩衝液(前記参照)における0.1%ない
しは1%の濃度のドデシル硫酸ナトリウム溶液が投入され、例11におけるよう
に電気溶離にかけられた。その後、サンプル投入室(10)、サンプル抽出室(
7)および陽極室(8)からの1μlの溶液が、例13にて詳細に説明されてい
るように、酵母のBCY遺伝子の標準PCRのために提供された。PCR生産物
はアガロースゲルを用いて分析され、図17には、その結果が示されている。
【0131】
【表7】
【0132】 この結果は、1μlの0.1%のSDS溶液がPCRを妨害しない(コントロ
ール)のに対して、それよりも多い全てのSDS量はPCR生産物を許容しない
ことを示している。それに対して、この例においては、サンプル抽出室からの電
気溶離後にSDS除去の結果として1μlの1%SDS溶液がPCRを妨害する
ことなく使用され得る。
【0133】 13.)引き続く増幅を伴う、酵母からのDNAの単純単離 この使用のためには、透析膜(14)[メディセル(Medicell)社、例1参照]と
、形状安定化された2つのゲル(33及び33a)とを有する図7fによる装置
が使用された。この際、アガロース濃度は(33)及び(33a)にてそれぞれ
0.15%であり、変形例Aにより形状安定化が成されている。
【0134】 30μl(10細胞)の酵母細胞懸濁液(Saccharomyces cereviciae)が、
2%ドデシル硫酸ナトリウム[L4390、シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、100
mM トリス/HCI[T2584 L4390、シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、10m
M EDTA[E5134、シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]、及び5μlのプロテイ
ナーゼK溶液[1 373 196、ロッへ(Roche)社、マンハイム(Mannheim)在]から構成
される115μl BILATEST溶解緩衝液Iを用いて、55℃で1時間培
養され、サンプル投入室(10)内に移された。陽極空間(8)と陰極空間(6
)は、例1の10倍に濃縮された600μlの電気泳動緩衝液で双方それぞれ満
たされ、残りの室(7)は150μlの1倍濃縮物で満たされた。電気溶離は、
10mAの電流で7.5Vの電圧を2分間印加することによって実施された。核
酸は抽出室(7)からピペットで取り出され、例1におけるようにアガロースゲ
ル電気泳動にかけられた。図18には、それに付属するゲル画像が示されている
【0135】 レーン 内容 M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1 電気溶離前のサンプル投入空間(10) 2 2分間の電気溶離後のサンプル抽出空間(7) 3 2分間の電気溶離後の陽極空間(8) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB
【0136】 この結果において、陽極空間(8)にはDNAが観測されていないことが示さ
れている。意外にも、形状安定化されたゲル(33a)は、サンプル抽出室(1
0)におけるよりも10倍の大きさの緩衝液濃度で満たされている陽極室(8)
と共に、半透性の膜と比較可能である核酸用のバリアーを意味している。
【0137】 これらの単離された酵母DNAを用いて、プライマー KV80:5’-GCG GAT CCT
TAA GTC CAA TCG TCA AAA TT-3’ KV102:5’-GCG AAT TCG TAT CTT CTT TGC
CCA AGG AA-3’ [MWGビオテック(MWG Biotech)社、ミュンヘン、エーバース
ベルク(Ebersberg)在]を使用してPCR(米国特許第4683195号公報)が
実施される。これらのプライマーを用いて、酵母のBCY1遺伝子から496b
pフラグメントが増幅される。PCR配合物には次の構成要素が含まれる。
【0138】 0.5μL プライマー溶液1 (HO bidest(2重蒸留されたHO)中 50pmol μL−1) 0.5μL プライマー溶液2 (HO bidest(2重蒸留されたHO)中 50pmol μL−1) 2μL dNTP溶液、それぞれ5mMのヌクレオチドの濃度 (オイロゲンテック(Eurogentec)社、 ベルギー、セレン(Seraing)在) 4μL MgCl溶液 25mM(オイロゲンテック(Eurogentec)社) 5μL 10xPCR緩衝液(オイロゲンテック(Eurogentec)社) 0.5u Taqポリメラーゼ(オイロゲンテック(Eurogentec)社) 30μLまで DNA溶液またはサンプル溶液
【0139】 これらは50μLの全容積内のものである。配合中にPCRプレートは4℃に
冷却される。最後の溶液を付加した後、サンプルが、一度、ピペットを用いて混
合される。PCRは、プリムス96プラス(Primus 96 Plus)[MWGビオテック(
MWG Biotech)社、ミュンヘン在]におけるサーモスプリントプレート[イノヴァ(I
nnova)社、マンハイム(Mannheim)在]にて実施される。このプログラムは次のス
テップを含む。
【0140】 110℃にカバー加熱 3分 94℃ − 30秒 94℃ − 30秒 50℃ − 2分 72℃ を用いた27サイクル 5分 72℃ 4℃に冷却
【0141】 PCR後に、サンプルは、EDTA[シグマ(Sigma)社、ミュンヘン在]を有す
る15%〜20%ゲル負荷緩衝液と混合される。増幅は、標準アガロースゲル(
1.6%)において分析された。図19には、その結果が示されている。
【0142】
【表8】
【0143】 この実験においては、洗浄ステップを伴わずに、SDSを含む溶解混合物から
ゲノム酵母DNAが電気用離を用いて獲得され、このゲノム酵母DNAは最終的
には直接的にPCRに使用された。
【0144】 14.)引き続く増幅および洗浄吸着剤の使用を伴う、酵母からのDNAの単
純単離 この使用のためには、図7fによる装置が例13に従って実施された。
【0145】 例13とは異なり、溶解後に50μl洗浄吸着剤[ロッヘ・ディアグノスティ
ックス(Roche Diagnostics)社、マンハイム(Mannheim)在、Cat. No. 1500 678]
が付加され、それから得られた混合物がサンプル投入室内に提供された。電気溶
離は、10mAの電流で10.1Vの電圧で10分間実施された。
【0146】 増幅の分析のために標準アガロースゲルが実施された(図20)。
【0147】
【表9】
【0148】 引き続き、溶離物を用いて例13によるPCRが実施され、上記のように分析
された(図21)。
【0149】
【表10】
【0150】 15.)引き続く増幅および2要素緩衝システム(トリス/HCI緩衝液およ
び燐酸緩衝液)の使用を伴う、酵母からのDNAの単純単離 この使用のためには、図7fによる装置が例13に従って実施された。例13
と異なり、溶解後に、NaHPOおよびNaHPO[メルク(Merck)社、
ダルムシュタット(Darmstadt)在、Cat. No. 1.06580.1000ないしは1.06346.1000
]から構成される50μlの燐酸緩衝液(250mM、pH7.0)が付加され
、それから得られる混合物がサンプル投入室内に提供された。電気溶離は、10
mAの電流で8.6Vの電圧で10分間実施された。
【0151】 増幅前の分析のために標準アガロースゲルが実施された(図22)。
【0152】
【表11】
【0153】 引き続き、溶離物を用いて例13によるPCRが実施され、上記のように分析
された(図23)。
【0154】
【表12】
【0155】 16.)引き続く増幅および2要素緩衝システム(トリス/HCI緩衝液およ
びクエン酸塩緩衝液)の使用を伴う、酵母からのDNAの単純単離 この使用のためには、図7fによる装置が例13に従って実施された。例13
と異なり、溶解後に、15μlのクエン酸塩緩衝液(1M、pH4.5)[アプ
リケム(Applichem)社、ダルムシュタット(Darmstadt)在、Cat. No. A 2337]が付
加され、それから得られる混合物がサンプル投入室内に提供された。電気溶離は
、10mAの電流で8.5Vの電圧で0分〜6分のサンプル抽出と共に実施され
た。引き続き、抽出物を用いて例13によるPCRが実施され、上記のように分
析された(図24)。
【0156】 レーン 内容 M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1 PCR後の、0分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 2 PCR後の、0分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 3 PCR後の、0分間の電気溶離後の陽極空間(8) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1 PCR後の、2分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 2 PCR後の、2分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 3 PCR後の、2分間の電気溶離後の陽極空間(8) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1 PCR後の、4分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 2 PCR後の、4分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 3 PCR後の、4分間の電気溶離後の陽極空間(8) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB 1 PCR後の、6分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 2 PCR後の、6分間の電気溶離後のサンプル抽出室(7) 3 PCR後の、6分間の電気溶離後の陽極空間(8) M マーカー(λ-HindIII): 23.1|9.4|6.6|4.4|2.3|2.0|0.56KB
【0157】 この実験は、増幅された物質がサンプル抽出室(7)内でのみ検出されたこと
を示している。
【0158】 17.)形状安定化されたゲルの製造 変形例Aにより、ゲルが次のように形状安定化された。焼結されたプラスチッ
ク[細孔サイズ45μm〜90μm、No. X-4899、ポレックス.(Porex.)社、ジ
ングビッツ(Singwitz)在]が、アガロース(0.4%〜3%)[シグマ(Sigma)社
、ミュンヘン在]と電気泳動緩衝液(1mM EDTA[シグマ(Sigma)社]と、1
0mM トリス/アセタート[ロート(Roth)社、カールスルーエ(Karlsruhe)在]、
pH8.0)から成る加温された混合物内に置かれ、アガロースが凝固され、そ
のようにして形状安定化されたゲル(33)が図7aによる装置に取り入れられ
た。
【0159】 変形例Bにより、形状安定化されたゲルの製造が次のように実施された。即ち
、2層のクロス(5)がほぼ2mmの間隔をもって装置内に入れられ、この中間
空間が、アガロース(0.4%)と電気泳動緩衝液から成る加温された混合物で
満たされた。このアガロースは冷却され、それにより凝固された。
【0160】 変形例Cはアクリルアミドを有する。
【0161】 18.)免疫活性蛍光色素を分離するための形状安定化されたゲルの使用 それぞれ600μl容積の2つの電極室、投入室(10)[160μl]、及び
抽出室[160μl]から構成され、中間組込部として、透析膜(14)と、0.
2%アガロースを有する変形例Aによる形状安定化された2つのゲル(33、3
3a)とを有する、図25、26による装置において、それらの電極室は、それ
ぞれに2度、10倍に濃縮された例17に基づく600μl電気泳動緩衝液で満
たされ、抽出室(7)は、150μl電気泳動緩衝液(前記参照)で満たされ、
及び、投入室(10)は、例1の電気泳動緩衝液内にカスケード(登録商標)・
ブルー・ビオシチン(Cascade(登録商標)-Blue-Biocytin)(0.067mg/m
l)[モレキュラー・プローブス(Molecular Probes)社、USA、ユージーン(Eu
gene)在;注文No.:C-6949]を有する溶液で満たされた。本発明による装置は、
UV照明テーブル[ビルベール・ルールマ(Vilbert Lourmat)社、フランス、マル
ヌ・ラ・ヴァレ(Marne la Vallee)在、注文No.:TFX-20M]上にセットされ、本発
明による装置には、ゲル検知システム[EDAS120、コダック(Kodak)社、U
SA、ロチェスター(Rochester)在]が設けられている。図25aには、開始点と
しての0秒の時点の装置が示されている。投入室(10)内には色素の蛍光発光
バンドが見て取れる。引き続き、一定の15mAの電流にてほぼ7.5Vの電圧
が120秒間適用された。図25bには、サンプル抽出室内の色素のバンドが示
されている。
【0162】 それに加えて、150μlの初期溶液と、電気溶離後のサンプル抽出室の15
0μlの溶液とが、それぞれミクロ滴定プレート[NUNC社、ヴィースバーデ
ン(Wiesbaden)在;マキシソープ(Maxisorb)]に移され、それに対応して検出され
た。
【0163】 19.)蛍光色素と抗体から成る免疫混合物を分離するための形状安定化され
たゲルの使用 アンチ・ビオチン・抗体[シグマ(Sigma)社、USA、セントルイス在、注文No
.:B 7653]が、例2に基づく電気泳動緩衝液にて1:100に希釈され、そのう
ちの100μlが、例18に基づく100μlのカスケード(登録商標)・ブル
ー・ビオシチン(Cascade(登録商標)-Blue-Biocytin)溶液を用いて室温で30分
間培養され、引き続き、例18による装置にて電気溶離にかけられた。120秒
の電気溶離の後、抽出室にて蛍光は検出され得ず、その理由は、色素が抗体に結
合し、それにより増加された分子量によって前記条件下で形状安定化されたゲル
を通じて移動し得ないためである。色素の蛍光発光特性が抗体結合の結果として
消され、結合されていない色素だけが検出可能であるので、検出のためには、ブ
ラッドフォードにより、テストキット[ビオラード(Biorad)社、ミュンヘン在、
注文No.:300 0006]を用いて、フォトメーター[バイオフォトメーター(BioPhoto
meter);エッペンドルフ(Eppendorf)社、ハンブルク在;注文No.:6131 000 42]
にてタンパク質測定が実施された。それによるタンパク質濃度は次の通りである
【0164】
【表13】
【0165】 この実験は、2%アガロース比率を有する形状安定化されたゲルを用いて繰り
返された。
【0166】
【表14】
【0167】 これらの実験は、自由な蛍光色素が形状安定化されたゲルを通過し、抗体と蛍
光色素から成る複合体が電気溶離後の形状安定化されたゲル内に留まることを示
している。
【0168】 20.)電気溶離を用いて放射線免疫アッセイを実施するための形状安定化さ
れたゲルの使用 トリヨードサイロニン(T3)を検出するためのテストキット[メディパン(Me
dipan)社、ゼルコウ(Selchow)在;T3−RIAマグナム(T3-RIA magnum)]が次
のように使用された。50μlサンプルないしは標準液が、前記テストキットか
らの50μlアンチ・T3・抗血清と50μlT3・トレーサーを用いて室温で
1.5時間培養された。引き続き、80μlの培養混合物と80μl電気泳動緩
衝液(前記参照)が混合され、図26による4室装置のサンプル投入空間(10
)内に取り入れられ、この4室装置は、10倍に濃縮されている電気泳動緩衝液
で満たされたそれぞれ1.2ml容積の陽極空間(8)と陰極空間(6)と、1
60μl電気泳動緩衝液で満たされたサンプル抽出室(7)とを有する。0.2
%アガロースを有する2つのアガロースフィルターと透析膜が使用された。電気
溶離条件は、20Vで30mA、及び180秒の経過時間である。その後、サン
プル投入空間(10)から10μlが抽出され、ガンマ・カウンター[ベルトホ
ルド(Berthold)社、ヴィルドバード(Wildbad)在;LB2111]にて2分間測定された
。図27には、その結果が示されている。
【0169】 このテストキットのT3・トレーサーがカルボキシ基にて化学的に変更され、
分子がそのために荷電されていないので、マイナスに荷電された抗体と結合され
た相は形状安定化されたゲル内に移動する。標準液「0」にてトレーサーが結合
され、サンプル投入空間(10)から除去され、それに対して、標準液4では例
えばトレーサーが抗体から冷たいT3により排除され、比較的多くの量がサンプ
ル投入空間(10)内に留まる。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 斜視図として、中間組込部を有する長方形の反応チャンネルを示す図である。
【図1b】 俯瞰図として、狭窄部を有する長方形の反応チャンネルを示す図である。
【図1c】 基本要素を示す図である。
【図1d】 中間組込部を示す図である。
【図1e】 密閉要素を示す図である。
【図1f】 電極受容部を示す図である。
【図1g】 締付装置を有する受容部を示す図である。
【図1h】 48反応チャンネルを有するミクロ滴定フレームを示す図である。
【図1i】 電極受容部とクランプ部を有する基本要素を示す図である。
【図1j】 開口部とクランプ部を有する基本要素を示す図である。
【図2a】 俯瞰図として、中間組込部を有する反応チャンネルを示す図である。
【図2b】 断面図として、中間組込部を有する反応チャンネルを示す図である。
【図3】 2つの中間組込部を有する反応チャンネルを示す図である。
【図4】 液体遮断部を有する反応チャンネルを示す図である。
【図5a】 液体遮断部が開いている状態を示す図である。
【図5b】 液体遮断部が閉じている状態を示す図である。
【図6】 液体遮断部と膜を有する反応チャンネルを示す図である。
【図7a】 変形例Aによる形状安定化されたゲルを用いて電気溶離するための装置を示す
図である。
【図7b】 変形例Bによる形状安定化されたゲルを用いて電気溶離するための装置を示す
図である。
【図7c】 3つの室を有する装置を示す図である。
【図7d】 形状安定化された2つのゲル層を有する装置を示す図である。
【図7e】 形状安定化された3つのゲル層を有する装置を示す図である。
【図7f】 斜視図として、反応室を有する平床型ゲルを示す図である。
【図7g】 断面図として、反応室を有する平床型ゲルを示す図である。
【図8】 永久磁石を有する反応室を示す図である。
【図9a】 電気溶離用の装置を示す図である。
【図9b】 フリットを用いた電気溶離用の装置を示す図である。
【図9c】 粒子を用いた電気溶離用の装置を示す図である。
【図10a】 電気溶離前および電気溶離後のアガロースゲル部分を示す図である。
【図10b】 図9aによる装置を用いた電気溶離のためのアガロースゲルを示す図である。
【図11】 図9bによる装置を用いた電気溶離のためのアガロースゲルを示す図である。
【図12】 図9cによる電気溶離を用いて酵母から核酸を単離するためのアガロースゲル
を示す図である。
【図13】 例5による電気溶離を分析するための標準アガロースゲルを示す図である。
【図14】 例7による電気溶離を分析するための標準アガロースゲルを示す図である。
【図15】 焼結されたプラスチックから成る支持部における標準アガロースゲルを示す図
である(例10)。
【図16】 例11による酵母からゲノムDNA及びゲノムRNAを単離分析するための標
準アガロースゲルを示す図である。
【図17】 異なる電気溶離物を用いたPCRによる標準アガロースゲルを示す図である。
【図18】 増幅前の酵母からゲノムDNAを単離分析するための標準アガロースゲルを示
す図である。
【図19】 増幅後の酵母からゲノムDNAを単離分析するための標準アガロースゲルを示
す図である。
【図20】 洗浄吸着剤を使用して増幅前の酵母からゲノムDNAを単離分析するための標
準アガロースゲルを示す図である。
【図21】 洗浄吸着剤を使用して増幅後の酵母からゲノムDNAを単離分析するための標
準アガロースゲルを示す図である。
【図22】 2要素緩衝システムを使用して増幅前の酵母からゲノムDNAを単離分析する
ための標準アガロースゲルを示す図である。
【図23】 2要素緩衝システムを使用して増幅後の酵母からゲノムDNAを分離分析する
ための標準アガロースゲルを示す図である。
【図24】 増幅後の酵母からゲノムDNAを単離分析するための標準アガロースゲルを反
応速度で示す図である。
【図25】 4つの室を有する装置における蛍光色素の電気溶離を示す図であり、この際、
荷電した色素が形状安定化されたゲルを通じて移動する。 使用されている装置の構成を以下に記す(左側から右側へ) 陰極、陰極空間、膜、サンプル投入室、形状安定化されたゲル、サンプル抽出
室、形状安定化されたゲル、陽極室、陽極。 注目すべきこととして、蛍光色素が陽極室内にて可視であるということはなく
、120秒という短い時間の後には、荷電した色素が既に完全にサンプル抽出室
内に移されていることが挙げられる。
【図26】 図25の装置を図式的に示す図である。
【図27】 電気溶離を用いた放射線免疫アッセイの結果を示す図である。
【符号の説明】
1 下方に向かって閉じている本体 2 上方に向かって開いているチャンネル 3 電極A、例えば陰極 4 電極B、例えば陽極 5 クロス 6 陰極空間、ないしは、陰極室 7 サンプル抽出空間、ないしは、サンプル抽出室 8 陽極空間、ないしは、陽極室 9 クランプ円錐部、ないしは、クランプ室 10 サンプル投入空間、ないしは、サンプル投入室 11 電気泳動分離経路 12 組込要素のための本体におけるガイド 13 液体遮断部 14 半透性の膜 15 反応空間、ないしは、反応室(開いている) 16 ストップノーズ 17 永久磁石 18 ミクロ滴定プレートフレーム 19 ミクロ滴定プレートストライプ 20 取付面 21 組み込まれている連結要素 22 固相 23 締付装置 24 基本要素 25 密閉要素 26 受容部 27 フリット 28 中間組込部 29 ラミネートフォイル 30 電気的な導線 31 反応チャンネルに対する開口部 32 狭窄部 33 形状安定化されたゲル 34 ゲル層 35 反応室 36 アガロース平床型ゲル
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月28日(2001.6.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】電気浸透流により、サンプル抽出空間(10)の容積が減少さ
れることを特徴とする、請求項1〜に記載の装置。
【請求項】陽極空間(8)内および陰極空間(6)内では、残りの室内よ
りも高い濃度を有する緩衝液が使用されることを特徴とする、請求項1〜に記
載の装置。
【請求項】異なるpH値を有する緩衝液が室内にて予め保持されることを
特徴とする、請求項1〜に記載の装置。
【請求項】室内にて、酵素的反応またはレセプター/リガンド・結合が行
われることを特徴とする、請求項1〜に記載の装置。
【請求項】酵素的反応またはレセプター/リガンド・結合が荷電した分子
の電気泳動移行中に行われることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項】陽極から陰極への電気浸透流が生成され、この電気浸透流がサ
ンプル抽出空間(7)内における濃縮を導くことを特徴とする、請求項1〜
記載の装置。
【請求項10】少なくとも1つの電極の周辺が可逆的に磁界にさらされ得る
ことを特徴とする、請求項1〜に記載の装置。
【請求項11】上方に向かって開いているチャンネルが中央部にて狭窄部を
有することを特徴とする、請求項1〜10に記載の装置。
【請求項12】上方に向かって開いているチャンネル(2)の容積が、0.
01ml〜5ml、有利には0.2ml〜2mlであることを特徴とする、請求
項1〜11に記載の装置。
【請求項13】上方に向かって開いているチャンネルが長方形または円筒形
であることを特徴とする、請求項1〜12に記載の装置。
【請求項14】上方に向かって開いているチャンネルが複数の基本要素から
液密に構成されていることを特徴とする、請求項1〜13に記載の装置。
【請求項15】電気泳動の目的のための形状安定化されたゲルにおいて、 状安定化が、焼結されたプラスチックから成る支持要素により達成され、その細 孔がゲルで満たされていること を特徴とする形状安定化されたゲル。
【請求項16】焼結されたプラスチックがポリプロピレン又はポリエチレン
から成ることを特徴とする、請求項15に記載の形状安定化されたゲル。
【請求項17】焼結されたプラスチックが、1μm〜200μm、有利には
20μm〜120μmの細孔サイズを有することを特徴とする、請求項15また は16 に記載の形状安定化されたゲル。
【請求項18】免疫アッセイにて結合相から自由相を分離するために、請求
1517に記載の形状安定化されたゲル、または請求項1〜14に記載の装 を使用すること。
【請求項19】ゲルブロッティングのために、請求項1517に記載の形
状安定化されたゲルを使用すること。
【請求項20】核酸の単離のために、請求項1〜14に記載の装置を使用す
ること。
【請求項21】リボ核酸(RNA)による汚染を伴わずにデオキシリボ核酸
(DNA)を単離するために、請求項1〜14に記載の装置を使用すること。
【請求項22】デオキシリボ核酸(DNA)による汚染を伴わずにリボ核酸
(RNA)を単離するために、請求項1〜14に記載の装置を使用すること。
【請求項23】請求項1〜14に記載の装置における反応チャンネル内にて
電気泳動手段を用いて混合物内の荷電した分子を単離するための方法において、 液状の混合物が反応チャンネル内に取り入れら、反応チャンネル内にて電気泳
動にかけられ、反応チャンネル内のこの電気泳動において更にプロセッシングさ
れ、このプロセッシングの後、単離された可溶状の荷電した分子が反応チャンネ
ルから抽出されることを特徴とする方法。
【請求項24】混合物として、溶解された生体サンプルが使用されることを
特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】1つ又は複数の形状安定化されたゲルが反応チャンネルを異
なる室に分割することを特徴とする、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】反応チャンネル内の電気泳動にてリガンド・レセプター・結
合が行われることを特徴とする、請求項2325に記載の方法。
【請求項27】反応チャンネル内の電気泳動にて酵素的反応が行われること
を特徴とする、請求項2325に記載の方法。
【請求項28】反応チャンネル内の電気泳動にて濃縮が行われることを特徴
とする、請求項2327に記載の方法。
【請求項29】荷電した分子の電気溶離が可能であるように、電気泳動にて
電気浸透流が減少されることを特徴とする、請求項2328に記載の方法。
【請求項30】リガンド・レセプター・アッセイ、特に免疫アッセイにて自
由相と結合相が分離され、それにより定量決定が可能とされることを特徴とする
、請求項2329に記載の方法。
【請求項31】ラベルを有する成分を混合物から分離することにより定量決
定が実施されることを特徴とする、請求項2330に記載の方法。
【請求項32】ラベルが、放射性同位体、酵素、蛍光発光物質、または、ル
ミネセンス物質から成ることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】単離された荷電した分子を有する抽出された溶液内の洗浄剤
の濃度が、溶解されたサンプルの最初に反応チャンネル内に取り入れられた溶液
の濃度よりも小さいことを特徴とする、請求項2332に記載の方法。
【請求項34】溶解混合物に第2の緩衝成分が付加され、その後に電気溶離
が行われることを特徴とする、請求項2333に記載の方法。
【請求項35】リボ核酸(RNA)による汚染を伴わずにデオキシリボ核酸
(DNA)が単離されることを特徴とする、請求項2334に記載の方法
【請求項36】デオキシリボ核酸(DNA)による汚染を伴わずにリボ核酸
(RNA)が単離されることを特徴とする、請求項2334に記載の方法
【請求項37】免疫アッセイが実施されることを特徴とする、請求項23 34 に記載の方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 27/26 315F 325E 315G C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 ビーンハウス ゲルハルト ドイツ連邦共和国 デー・82407 ヴィー レンバッハ カルヴェンデルシュトラーセ 1 (72)発明者 ランゲ ハンス エル ドイツ連邦共和国 デー・68623 ラムペ ルトハイム レーマーシュトラーセ 99デ ー Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 DA36 FB03 FB05 2G052 AA28 AB18 AB20 AD26 AD46 CA04 DA09 EA04 ED04 ED14 FD02 GA21 GA22 GA30 JA16 4B024 AA11 AA19 AA20 CA01 CA11 HA11 4B029 AA23 BB20 4B063 QA01 QA13 QQ05 QQ07 QQ42 QQ52 QR01 QR43 QR51 QS12 QS16 QS39 QX01

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上方に向かって開いているチャンネル(2)を備えた下方に向
    かって閉じている本体(1)と、チャンネル(2)の左右の外側境界部としての
    2つの電極(3、4)とを有する、荷電した分子を単離するための装置において
    、 チャンネル(2)における電極(3、4)間に1つ又は複数の中間組込部(2
    8)が配置されていて、この又はこれらの中間組込部(28)がチャンネル(2
    )を2つ又は複数の室に分割することを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】中間組込部(28)の少なくとも1つ、特に全ての中間組込部
    (28)が、一方では液体遮断部であり、他方では荷電した分子を透過させるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】中間組込部(28)の少なくとも1つ、特に全ての中間組込部
    (28)が、その性状により、荷電した分子の電気溶離が可能であるように電気
    浸透流を制限することを特徴とする、請求項1および2に記載の装置。
  4. 【請求項4】中間組込部においては、形状安定化されたゲルが扱われること
    を特徴とする、請求項1〜3に記載の装置。
  5. 【請求項5】中間組込部においては、クロスが扱われることを特徴とする、
    請求項1〜3に記載の装置。
  6. 【請求項6】クロス(5)により、陽極から陰極への電気浸透流が生成され
    ることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】クロス(5)が、0.1μm〜50μm、有利には0.5μm
    〜5μmのメッシュサイズを有することを特徴とする、請求項5または6に記載
    の装置。
  8. 【請求項8】クロス(5)が、そのメッシュサイズに関して、所定の大きさ
    を有する生物学的に活性状態の粒子がクロス(5)に進入し得ないように決定さ
    れていることを特徴とする、請求項5〜7に記載の装置。
  9. 【請求項9】荷電した分子のクロス(5)への吸着が、40%よりも小さく
    、有利には10%よりも小さいことを特徴とする、請求項5〜8に記載の装置。
  10. 【請求項10】クロス(5)がカレンダーにかけられて処理されたものであ
    ることを特徴とする、請求項5〜9に記載の装置。
  11. 【請求項11】中間組込部においては、開閉され得る液体遮断部(13)が
    扱われることを特徴とする、請求項1〜3に記載の装置。
  12. 【請求項12】電気浸透流により、サンプル抽出空間(10)の容積が減少
    されることを特徴とする、請求項1〜11に記載の装置。
  13. 【請求項13】陽極空間(8)内および陰極空間(6)内では、残りの室内
    よりも高い濃度を有する緩衝液が使用されることを特徴とする、請求項1〜12
    に記載の装置。
  14. 【請求項14】異なるpH値を有する緩衝液が室内にて予め保持されること
    を特徴とする、請求項1〜13に記載の装置。
  15. 【請求項15】室内にて、酵素的反応またはレセプター/リガンド・結合が
    行われることを特徴とする、請求項1〜14に記載の装置。
  16. 【請求項16】酵素的反応またはレセプター/リガンド・結合が荷電した分
    子の電気泳動移行中に行われることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】陽極から陰極への電気浸透流が生成され、この電気浸透流が
    サンプル抽出空間(7)内における濃縮を導くことを特徴とする、請求項1〜1
    6に記載の装置。
  18. 【請求項18】少なくとも1つの電極の周辺が可逆的に磁界にさらされ得る
    ことを特徴とする、請求項1〜17に記載の装置。
  19. 【請求項19】上方に向かって開いているチャンネルが中央部にて狭窄部を
    有することを特徴とする、請求項1〜18に記載の装置。
  20. 【請求項20】上方に向かって開いているチャンネル(2)の容積が、0.
    01ml〜5ml、有利には0.2ml〜2mlであることを特徴とする、請求
    項1〜19に記載の装置。
  21. 【請求項21】上方に向かって開いているチャンネルが長方形または円筒形
    であることを特徴とする、請求項1〜20に記載の装置。
  22. 【請求項22】上方に向かって開いているチャンネルが複数の基本要素から
    液密に構成されていることを特徴とする、請求項1〜21に記載の装置。
  23. 【請求項23】電気泳動の目的のための形状安定化されたゲルにおいて、形
    状安定化が支持要素により達成されることを特徴とする形状安定化されたゲル。
  24. 【請求項24】支持要素が焼結されたプラスチックから成ることを特徴とす
    る、請求項23に記載の形状安定化されたゲル。
  25. 【請求項25】焼結されたプラスチックがポリプロピレン又はポリエチレン
    から成ることを特徴とする、請求項23または24に記載の形状安定化されたゲ
    ル。
  26. 【請求項26】焼結されたプラスチックが、1μm〜200μm、有利には
    20μm〜120μmの細孔サイズを有することを特徴とする、請求項23〜2
    5に記載の形状安定化されたゲル。
  27. 【請求項27】支持要素が1つ又は複数のクロスから成ることを特徴とする
    、請求項23に記載の形状安定化されたゲル。
  28. 【請求項28】クロスが、プラスチック、特にポリエステルまたはポリアミ
    ドから成ることを特徴とする、請求項27に記載の形状安定化されたゲル。
  29. 【請求項29】クロスが、0.1μm〜500μm、有利には0.5μm〜
    10μmのメッシュサイズを有することを特徴とする、請求項28に記載の形状
    安定化されたゲル。
  30. 【請求項30】免疫アッセイにて結合相から自由相を分離するために、請求
    項23〜29に記載の形状安定化されたゲルを使用すること。
  31. 【請求項31】ゲルブロッティングのために、請求項23〜29に記載の形
    状安定化されたゲルを使用すること。
  32. 【請求項32】請求項1〜4に記載の装置にて、請求項23〜29に記載の
    形状安定化されたゲルを使用すること。
  33. 【請求項33】レセプター・リガンド・アッセイにて結合相から自由相を分
    離するために、請求項1〜22に記載の装置を使用すること。
  34. 【請求項34】核酸の単離のために、請求項1〜22に記載の装置を使用す
    ること。
  35. 【請求項35】リボ核酸(RNA)による汚染を伴わずにデオキシリボ核酸
    (DNA)を単離するために、請求項1〜22に記載の装置を使用すること。
  36. 【請求項36】デオキシリボ核酸(DNA)による汚染を伴わずにリボ核酸
    (RNA)を単離するために、請求項1〜22に記載の装置を使用すること。
  37. 【請求項37】特に請求項1〜22に記載の装置における反応チャンネル内
    にて電気泳動手段を用いて混合物内の荷電した分子を単離するための方法におい
    て、 液状の混合物が反応チャンネル内に取り入れら、反応チャンネル内にて電気泳
    動にかけられ、反応チャンネル内のこの電気泳動において更にプロセッシングさ
    れ、このプロセッシングの後、単離された可溶状の荷電した分子が反応チャンネ
    ルから抽出されることを特徴とする方法。
  38. 【請求項38】混合物として、溶解された生体サンプルが使用されることを
    特徴とする、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】1つ又は複数の形状安定化されたゲルが反応チャンネルを異
    なる室に分割することを特徴とする、請求項37または38に記載の方法。
  40. 【請求項40】反応チャンネル内の電気泳動にてリガンド・レセプター・結
    合が行われることを特徴とする、請求項37〜39に記載の方法。
  41. 【請求項41】反応チャンネル内の電気泳動にて酵素的反応が行われること
    を特徴とする、請求項37〜40に記載の方法。
  42. 【請求項42】反応チャンネル内の電気泳動にて濃縮が行われることを特徴
    とする、請求項37〜41に記載の方法。
  43. 【請求項43】荷電した分子の電気溶離が可能であるように、電気泳動にて
    電気浸透流が減少されることを特徴とする、請求項37〜42に記載の方法。
  44. 【請求項44】リガンド・レセプター・アッセイ、特に免疫アッセイにて自
    由相と結合相が分離され、それにより定量決定が可能とされることを特徴とする
    、請求項37〜43に記載の方法。
  45. 【請求項45】ラベルを有する成分を混合物から分離することにより定量決
    定が実施されることを特徴とする、請求項37〜44に記載の方法。
  46. 【請求項46】ラベルが、放射性同位体、酵素、蛍光発光物質、または、ル
    ミネセンス物質から成ることを特徴とする、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】単離された荷電した分子を有する抽出された溶液内の洗浄剤
    の濃度が、溶解されたサンプルの最初に反応チャンネル内に取り入れられた溶液
    の濃度よりも小さいことを特徴とする、請求項37〜46に記載の方法。
  48. 【請求項48】溶解混合物に第2の緩衝成分が付加され、その後に電気溶離
    が行われることを特徴とする、請求項37〜47に記載の方法。
  49. 【請求項49】リボ核酸(RNA)による汚染を伴わずにデオキシリボ核酸
    (DNA)を単離するために、請求項37〜48に記載の方法を使用すること。
  50. 【請求項50】デオキシリボ核酸(DNA)による汚染を伴わずにリボ核酸
    (RNA)を単離するために、請求項37〜48に記載の方法を使用すること。
  51. 【請求項51】免疫アッセイを実施するために、請求項37〜48に記載の
    方法を使用すること。
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