JP2003347889A - 圧電フィルタ、およびそれを有する電子部品 - Google Patents
圧電フィルタ、およびそれを有する電子部品Info
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Abstract
衡変換が可能な圧電フィルタ及びそれを有する電子部品
を提供する。 【解決手段】 複数の各圧電薄膜共振子1a、1bを有
するラダー型フィルタ1を設ける。平衡−不平衡変換機
能を有する2重モード型フィルタ2をラダー型フィルタ
1に接続して設ける。
Description
装置の高周波数(RF、特にGHz帯以上)段に使用さ
れるフィルタ機能を有すると共に、平衡−不平衡変換機
能を備えた圧電フィルタ、およびそれを有するデュプレ
クサ等の電子部品に関するものである。
(RF、特にGHz帯以上)段に使用されるフィルタ
が、優れた各特性を有する圧電共振子を用いて開発され
てきた。上記の各特性とは、小型かつ軽量であり、耐振
性や耐衝撃性に優れ、製品のバラツキが少なく信頼性に
富んでおり、回路の無調整化が図れるため実装の自動
化、簡略化が図れ、その上、高周波化を図っても、製造
が容易なことである。
に電極をそれぞれ有し、上記各電極間での、圧電基板の
厚み縦振動または厚みすべり振動を利用したものが挙げ
られる。このような圧電共振子の共振周波数は、圧電基
板の厚さに反比例するため、圧電共振子を超高周波領域
にて用いる場合、上記圧電共振子の圧電基板を極めて薄
く加工する必要がある。
するのは、その機械的強度や取り扱い上の制限等から、
基本モードでは数100MHzが実用上の高周波限界と
されてきた。
電共振子の圧電体を薄膜にしてフィルタや共振器に用い
ることが提案されている(例えば、特開2001−16
8674号公報、公開日2001年6月22日)。
部は微細加工技術を用いて薄くすることができ、圧電薄
膜もスパッタリング等によって薄く形成できるので、数
100MHz〜数1000MHzまで高周波特性を延ば
す(限界を広げる)ことができる。
公報(発行日:2001年11月27日)では、圧電共
振子を用いたフィルタ回路が開示されている。上記フィ
ルタ回路は、並列共振子と直列共振子とで構成したラダ
ー型フィルタにおいて、並列共振子は上部GND電極と
下部電極を備え、各上部GND電極から、独立した外部
GNDにそれぞれつながるパス(path)を備えている。
報(公開日:2000年9月29日)には、4個の電極
を2行2列のマトリクス上に配置し、同じ列の電極同士
を1対とする電極対の1方を入力、他方を出力とした平
衡型多重モード圧電フィルタが提案されている。
特許第6,323,744号公報に記載の発明では、入
力、出力端子が不平衡端子になっているから、最近主流
になりつつある平衡入出力端子を有するIC等の電子部
品に対応できないという問題があった。
報においては、二つの定在波である、対称1次共振モー
ドと反対称1次共振モードとを音響的に結合している。
このため、入力端から入った電気信号は、一旦音響変換
され、出力端まで音響伝播したあと、出力端で電気信号
に変換される。このため、音響変換が2度行われること
から、変換エネルギーロスが多くなり、挿入損失の増加
が発生する。
ら、平衡−不平衡変換が可能な圧電フィルタ及びそれを
有する電子部品を提供することを目的とする。
は、上記目的を達成するために、基板上に形成されてい
る、少なくとも1層の圧電薄膜と、圧電薄膜を挟んで対
向する第一電極および第二電極とを備えた圧電共振子
が、複数、フィルタ機能を有するように設けられ、平衡
信号と不平衡信号との間にて変換機能を有する平衡−不
平衡変換部が、前記複数の圧電共振子の少なくとも1つ
に接続されて設けられていることを特徴としている。
電共振子は、ラダー型に設けられていることが好まし
い。
てフィルタ機能を実現しているので、上記各圧電共振子
を、例えば、電気信号と機械振動への変換無にてフィル
タ機能を有するラダー型に配置して、挿入損失を軽減で
きる。
を複数の圧電共振子に接続して設けたので、平衡入出力
端子を有するIC等の電子部品に対応できる。それゆ
え、上記構成は、挿入損失を低減しながら、平衡入出力
にも対応できる。
−不平衡変換部は、2重モード型フィルタ、誘導型コイ
ル、ラティス型フィルタ、バランおよびトランスバーサ
ル型弾性表面波フィルタからなる群から選択された1つ
であることが望ましい。
しくは凹部を有し、圧電薄膜の振動する部位は、開口部
もしくは凹部上に形成されていることが好ましい。
位を、開口部もしくは凹部上に形成したので、上記圧電
薄膜の振動の抑制を軽減でき、よって、上記圧電薄膜の
Qを大きくできる。
の一方の面上に絶縁膜が形成されていることが望まし
い。
持する絶縁膜との比を大きくできて、低次モードでの共
振レスポンスを改善できるから、低次モードでの動作を
安定化できる。
における、共振周波数の各温度特性を組み合わせて、そ
れらの合計の温度特性をゼロに近づけることができ、動
作時に昇温しても、特性の変化を低減できて、動作信頼
性を向上できる。
互いに温度係数が異なる各絶縁薄膜を有していることが
好ましい。
おける、共振周波数の各温度特性を組み合わせて、それ
らの合計の温度特性をゼロに近づけることをより確実化
でき、動作時に昇温しても、特性の変化をより確実に低
減できて、動作信頼性をより向上できる。
複数の互いに内部応力の発生機構が異なるものからなっ
ていることが望ましい。
に内部応力の発生機構が異なるものとすることで、圧電
薄膜と絶縁膜とにおける、各内部応力を相殺して、ほぼ
ゼロに設定することが可能となるから、動作時の特性の
変化をより確実に低減できて、動作信頼性をより向上で
きる。
子は、n次(nは2以上の整数)モードの厚み縦振動ま
たは厚みすべり振動に設定されていることが好ましい。
n次(nは2以上の整数)モードの厚み縦振動または厚
みすべり振動に設定することで、高周波数化しても、複
数の各圧電共振子の厚さを確保できて、製造の容易化が
図れ、かつ、耐衝撃性や耐電力性の低下も抑制できる。
の振動モードを用いることにより、圧電薄膜と絶縁膜と
における、共振周波数の各温度特性を組み合わせて、そ
れらの合計の温度特性をゼロに近づけることを容易化で
き、動作時に昇温しても、特性の変化をより低減でき
て、動作信頼性もより向上できる。
ために、上記各圧電フィルタの何れかを有することを特
徴としている。
何れかを有することによって、挿入損失を低減しなが
ら、平衡入出力にも対応できる。
を用いたDPXに係る実施の各形態を図1ないし図12
に基づいて以下に説明する。
一形態の圧電フィルタは、図1に示すように、ラダー型
フィルタ1と、ラダー型フィルタ1に接続された2重モ
ード型フィルタ(平衡−不平衡変換部)2とを支持基板
(基板)10上に有している。ラダー型フィルタ1は、
第1圧電薄膜共振子1aと第2圧電薄膜共振子1bとを
ラダー接続して有している。
と第2圧電薄膜共振子1bとがはしご形に接続されたも
のであり、不平衡端子4に対して、第1圧電薄膜共振子
1aの一方の端子を直列に接続し、第2圧電薄膜共振子
1bを第1圧電薄膜共振子1aの他方の端子と接地端子
との間に接続、つまり並列に接続したものである。さら
に、第1圧電薄膜共振子1aと第2圧電薄膜共振子1b
との組み合わせたL型フィルタを複数互いに直列に接続
して用いてもよい。
膜共振子1aの***振周波数と、第2圧電薄膜共振子1
bの共振周波数とが略一致すると共に、並列共振子であ
る第2圧電薄膜共振子1bの共振周波数が、直列共振子
である第1圧電薄膜共振子1aの共振周波数より低くな
るように設定されている。
タ1においては、それぞれ減衰極となる第2圧電薄膜共
振子1bの***振周波数と第1圧電薄膜共振子1aの共
振周波数と間に形成される通過域を高選択度なものにで
きる。よって、上記ラダー型フィルタ1は、上記通過域
の両側に、上記各減衰極を含む阻止域をそれぞれ備える
ことになる。
圧電薄膜共振子1aを例に挙げ、その製造方法によりさ
らに図2に基づき説明する。第1圧電薄膜共振子1aの
製造方法では、まず、図2(a)および図2(b)に示
すように、(1,0,0)のシリコンからなる支持基板
10の両面に熱酸化やスパッタリング等により、二酸化
シリコン(SiO2 )膜11、12をそれぞれ形成す
る。
12に、(1,1,0)方向に平行な辺を有する方形の
窓12aを形成し、この窓12aを備えたSiO2 膜1
2をマスクとして、TMAH液(テトラメチルアンモニ
ウム水溶液)中で、約90℃で支持基板10のシリコン
に対してエッチングを行う。
位依存性が大きいので、エッチングの進行と共に、支持
基板10の表面方向である(1,0,0)面10bと約
55°の角度をなす(1,1,1)面10aが現れ、支
持基板10に、その厚さ方向に貫通する開口部が形成さ
れる。
1に達すると停止する。このようにエッチングが、Si
O2 膜11のところで完全に停止するため、スムースな
(平滑な)共振子面が得られ、共振子全体の厚さもより
正確に設定できる。
SiO2 膜11上に、アルミナ(Al2 O3 )膜13を
真空蒸着またはスパッタリングにより形成して、SiO
2 膜11およびAl2 O3 膜13からなるダイヤフラム
を作製する。よって、上記ダイヤフラムは、(1,1,
1)面10aにより形成される支持基板10の開口部
(空洞部)に面することになる。
が、正の共振周波数温度特性を有し、かつ、圧縮応力を
発生するものである一方、Al2 O3 膜13が、負の共
振周波数温度特性を備え、かつ、引っ張り応力を発生す
るものである。
14、圧電薄膜としての酸化亜鉛(ZnO)膜15、お
よび上部電極16を順次真空蒸着またはスパッタリング
およびエッチングにより形成して、第1圧電薄膜共振子
1aが得られる。上記ZnO膜15は、負の共振周波数
温度特性を備え、かつ、圧縮応力を発生するものであ
る。
SiO2 膜11、Al2 O3 膜13、下部電極14、Z
nO膜15、および上部電極16の合計厚さを3μm程
度に設定でき、ダイヤフラム(振動部)の面積を600
μm×600μm程度に設定できる。
数が相違する第2圧電薄膜共振子1bについても、位置
は異なるが同一の圧電薄膜としてZnO膜15を用い、
下部電極や上部電極の大きさや厚さの設定を変えるだけ
で同様に作製できる。
は2次モードとなるように、SiO 2 膜11の厚さ、A
l2 O3 膜13の厚さ、下部電極14の面積、ZnO膜
15の厚さ、および上部電極16の面積が設定されてい
ることが好ましい。これにより、上記ラダー型フィルタ
1においては、共振周波数の温度係数(ppm/℃)をほぼ
ゼロに設定することを容易化できる。
は、所望する共振周波数の半波長にて共振するように、
SiO2 膜11とAl2 O3 膜13との合計厚さや、Z
nO膜15の厚さをそれぞれ設定することが望ましい。
これにより、上記ラダー型フィルタ1の振動モードを2
次モードとすることをより確実化できる。
部電極14、ZnO膜15、および上部電極16は、圧
電薄膜共振子がエネルギー閉じ込め型となるように設定
されていることが好ましい。これにより、振動エネルギ
ーが支持基板10中にダイヤフラムに沿って漏れること
を防止して、Qの高い共振を生じさせることが可能とな
る。
縁膜(支持膜)であるSiO2 膜11およびAl2 O3
膜13の厚さを非常に薄くできることから、100MH
z以上の高周波で基本あるいは低次(例えば2次)のオ
ーバトーンで動作する圧電薄膜共振子を実現できる。さ
らに、上記ラダー型フィルタ1においては、各膜の温度
特性や内部応力を互いに相殺するように設定できるか
ら、温度変化や内部応力による悪影響を回避できる。
を数百μm以下と非常に小さく、その制作プロセスが半
導体集積回路のそれとコンパチブルであることから、集
積回路内に組み込むことが可能である。さらに、上記圧
電薄膜共振子は、数GHzでも弾性表面波装置(SAW
デバイス)のようなサブミクロンのパターニングが不要
であり、製造を容易化、簡便化できる。
に示すように、L型の例を挙げたが、図3(a)および
(b)に示すように、T型やπ型およびそれらの変形で
もかまわない。
は、ダイヤフラムが開口部に面する例を挙げたが、上記
ダイヤフラムは、振動のQを劣化させる固体ではなく、
空気等の気体に面していればよく、上記開口部に代え
て、支持基板10に設けた凹部や、支持基板10との間
に形成した空隙部に面するように設定してもよく、また
圧電薄膜共振子を片持ばり構造や、オーバハング構造で
あってもよい。
て説明する。
図4に示すように、圧電基板2aの両面上に、互いに対
向する各電極2b、2dと、各電極2c、2eとがAl
等から真空蒸着またはスパッタリングおよびエッチング
により形成されている。電極2bは、第1圧電薄膜共振
子1aの他方の端子に接続されている。
ルタ1のZnO膜15と共用してもよいし、別に設けて
もよいが、製造や構造を簡素化できることから、共用す
ることが好ましい。
に、かつ互いに平行となるように形成されている。電極
2dと、電極2eとは、それぞれ帯状に、かつ互いに平
行となるように形成されている。
各電極2c、2eは、それぞれ各平衡端子5、5に接続
されている。互いに対面する各電極2b、2dと各電極
2c、2eとは、互いに隣り合っており、電気的には互
いに絶縁されている。
eの大きさや質量や、相互間の間隔を調整することで、
ラダー型フィルタ1からの不平衡信号を平衡信号に変換
して外部に出力したり、逆に、各平衡端子5、5からの
平衡信号を、不平衡信号に変換してラダー型フィルタ1
に出力したりできる。
6に示すように、1つの共振子である圧電基板2aにお
いて、対称モード(Sモード)と斜対称モード(Aモー
ド)の二つの共振を励起させ、ラダー型フィルタ1の1
セクションに相当する特性を備え、厚み縦振動や厚みす
べり振動を利用したものである。
ィルタ1の端子4は不平衡端子となり、2重モード型フ
ィルタ2の各端子は各平衡端子5となる。なお、図2に
示す、ラダー型フィルタ1、2重モード型フィルタ2
は、電極(Alなど)、圧電薄膜(ZnOなど)、ダイ
ヤフラム構成膜(Al2 O3 、SiO2 など)から構成
され、厚み縦振動で振動するが、材料はこれらに限るこ
となく、電極としてAu、Mo、Ta、Nbなど、圧電
薄膜として、AlNやPZTやCdSなど、ダイヤフラ
ム構成膜として、SiNなどでもよい。
型フィルタ2の振動モードは、厚みすべり振動、広がり
振動、屈曲振動でもよい。
ィルタの効果について説明する。
2重モード型フィルタ2とで決まるため、2重モード型
フィルタのみにて構成されるフィルタに比べ、挿入損失
を低減することができる。(ラダー型フィルタ1は音響
結合により信号を伝播しているわけではないので、2重
モード型フィルタに比べ挿入損失は小さい。) 平衡出力と不平衡出力を有しているので、デュプレク
サ(DPX)への応用が容易であり、ラダー型フィルタ
1の端子を、不平衡信号であるアンテナ側、2重モード
型フィルタの端子をICなど、平衡信号を扱う内部回路
に接続するだけでよく、付加部品なしで、DPXを構成
することができる。
態に係る圧電フィルタは、図7に示すように、図1およ
び図2に示す、第1および第2圧電薄膜共振子1a、1
bを、L型にラダー接続したラダー型フィルタ1と、誘
導型コイル(平衡−不平衡変換部)22とを有してい
る。なお、以下の各実施の各形態では、上記実施の第一
形態と同様の機能を有する部材については、同一の部材
番号を付与して、その説明を省いた。
ダー型フィルタ1の端子は不平衡端子4となり誘導型コ
イル22の端子は平衡端子5となる。誘導型コイル22
は、同一基板上にある必要はなく、パッケージ、実装基
板などに形成されていてもよい(作りこまれている、あ
るいは、誘導型コイル部品を搭載していてもよい)。
性は、ラダー型フィルタ1で決まるため、2重モードフ
ィルタのみ構成されるフィルタに比べ、挿入損失を低減
することができる。
衡端子5と不平衡端子4とを有しているので、DPXへ
の応用が容易であり、ラダー型フィルタ1の端子をアン
テナ側、誘導型コイル22の端子をICなど、内部回路
に接続するだけでよく、付加部品なしで、DPX等の電
子部品を構成することができる。
態に係る圧電フィルタは、図8に示すように、図1およ
び図2に示す第1および第2圧電薄膜共振子1a、1b
をラダー接続したラダー型フィルタ1と、図2に示す第
1圧電薄膜共振子1aと同様な圧電薄膜共振子32aを
ラティス(lattice)型に組み合わせたフィルタ(平衡
−不平衡変換部)32とを備えている。よって、上記圧
電フィルタにおいては、ラダー型フィルタ1の端子は不
平衡端子4となり、上記フィルタ32の端子は平衡端子
5となる。
性は、ラダー型フィルタ1とラティス型のフィルタ32
とで決まるため、2重モードフィルタのみ構成されるフ
ィルタに比べ、挿入損失を低減することができる。
と不平衡端子4とを有しているので、DPXへの応用が
容易であり、ラダー型フィルタ1の端子をアンテナ側、
フィルタ32の端子をICなど、内部回路に接続するだ
けでよく、付加部品なしで、DPXを構成することがで
きる。
態に係る圧電フィルタは、図9に示すように、図1に示
すラダー型フィルタ1と、バラン(平衡−不平衡変換
部)42とを有している。上記バラン42としては、例
えば図10(b)〜(c)に示すように、セラミック多
層型バランを用いることができる。
aを距離Tにて互いに平行に対面して有し、各GND4
2a間に、各ストリップ線路42b、42c、42dを
備えている。ストリップ線路42bは、不平衡端子側で
あり、各GND42aとは電気的に絶縁されている。
上に並んで、かつ、ストリップ線路42bと距離Sにて
互いに平行に対面して配置され、ストリップ線路42b
の両端部に対応するそれぞれの端部にて各GND42a
の一方とスルーホールを介して電気的に接続され、スト
リップ線路42bの中央部に対応するそれぞれの端部か
ら取り出された各平衡端子6、6を備えている。さら
に、各ストリップ線路42c、42dは、ストリップ線
路42bとの間にて、それぞれ1/4波長結合線路を形
成するように設定されている。
て、図10(a)に示す等価回路に基づき説明すると、
一次側コイルとなるストリップ線路42bに入力された
不平衡信号は、巻き数が相等しく互いに逆方向の2つの
二次側コイルとなる各ストリップ線路42c、42dに
誘導される。このとき、各端子6、6の各信号は互いに
逆位相となり、各端子6、6間の電位は端子7とGND
間の電位と等しくなる。つまり、端子7に入力された不
平衡信号が各端子6、6に平衡信号として出力される。
ィルタ1の端子は不平衡端子4となり、バラン42から
の端子は平衡端子5となる。バラン42は、同一基板上
にある必要はなく、パッケージ、実装基板などに形成さ
れていてもよい(作りこまれている、あるいはバラン部
品を搭載してもよい)。
性は、ラダー型フィルタ1で決まるため、2重モードフ
ィルタのみ構成されるフィルタに比べ、挿入損失を低減
することができる。
衡出力と不平衡出力を有しているので、DPXへの応用
が容易であり、ラダー型フィルタ1の端子をアンテナ
側、バラン42の端子をICなど、内部回路に接続する
だけでよく、付加部品なしで、DPXを構成することが
できる。
は、図11に示すように、ANT(アンテナ)に接続さ
れた整合回路52と、整合回路52と送信側端子(T
x)との間に設けられた送信側フィルタ53と、整合回
路52と受信側端子(Rx)との間に設けられた受信側
フィルタ54とを有している。送信側フィルタ53およ
び受信側フィルタ54は、通過帯域が互いに相違するよ
うに設定されている。
フィルタ54の少なくとも一方は、実施の第一形態に記
載の圧電フィルタにより形成されていることが好まし
い。なお、上記圧電フィルタは、実施の第二、第三、第
四形態の何れかに示す圧電フィルタでもかまわない。送
信側フィルタ53および受信側フィルタ54の少なくと
も一方に、本発明の圧電フィルタを用いることで、肩の
切れがよい、良好なフィルタ特性を有するDPXとする
ことが可能となる。肩の切れがよいとは、通過帯域の上
下端から、所定の減衰量まで落とすのに必要な周波数間
隔が小さいことである。
有しているので、DPXへの応用が容易である。ラダー
型フィルタ1の端子をアンテナ側、不平衡出力を平衡出
力に変換する機能の端子をICなど、内部回路に接続す
るだけでよく、付加部品なしで、DPXを構成すること
ができる (実施の第六形態)本発明の実施の第六形態に係る圧電
フィルタは、図12に示すように、ラダー型フィルタ1
と不平衡出力を平衡出力に変換する機能から構成されて
おり、入出力端子は、それぞれ平衡端子である。本実施
の形態では、不平衡出力を平衡出力に変換する機能とし
て、2重モード型フィルタ2を示したが、前述の誘導型
コイル22、ラティス型のフィルタ32、バラン42で
もよく、それらの組み合わせでもよい。
それぞれ平衡端子を有しているので、入出力端子が平衡
端子であることを求める用途に対して用いることができ
る。
は、トランスバーサル型弾性表面波フィルタを挙げるこ
とができる。
に、圧電共振子が複数フィルタ機能を有するように設け
られ、平衡信号と不平衡信号との間にて変換機能を有す
る平衡−不平衡変換部が、複数の圧電共振子に接続され
て設けられている構成である。
用いてフィルタ機能を実現しているので、上記各圧電共
振子を、例えば、電気信号と機械振動への変換無にてフ
ィルタ機能を有するラダー型に配置して、挿入損失を軽
減できる。
部を複数の圧電共振子に接続して設けたので、平衡入出
力端子を有するIC等の電子部品に対応できるから、挿
入損失を低減しながら、平衡入出力にも対応できるとい
う効果を奏する。
概略ブロック図である。
のであって、(a)は平面図、(b)は上記(a)のA
−A’矢視断面図である。
ク図であって、(a)はT型、(b)はπ型を示す。
する、各動作モードを示すための振動部分の断面図であ
って、(a)は対称モード(Sモード)、(b)は斜対
称モード(Aモード)を示す。
る。
すグラフである。
概略ブロック図である。
概略ブロック図である。
概略ブロック図である。
て、(a)は等価回路図、(b)は斜視図、(c)は概
略構成図である。
ロック図である。
の概略ブロック図である。
Claims (10)
- 【請求項1】基板上に形成されている、少なくとも1層
の圧電薄膜と、圧電薄膜を挟んで対向する第一電極およ
び第二電極とを備えた圧電共振子が、複数、フィルタ機
能を有するように設けられ、 平衡信号と不平衡信号との間にて変換機能を有する平衡
−不平衡変換部が、前記複数の圧電共振子の少なくとも
1つに接続されて設けられていることを特徴とする圧電
フィルタ。 - 【請求項2】複数の各圧電共振子は、ラダー型に設けら
れていることを特徴とする請求項1に記載の圧電フィル
タ。 - 【請求項3】平衡−不平衡変換部は、2重モード型フィ
ルタ、誘導型コイル、ラティス型フィルタ、バランおよ
びトランスバーサル型弾性表面波フィルタからなる群か
ら選択された1つであることを特徴とする請求項1また
は2に記載の圧電フィルタ。 - 【請求項4】圧電薄膜の振動する部位は、基板側にて、
空洞部上に設けられていることを特徴とする請求項1な
いし3の何れかに記載の圧電フィルタ。 - 【請求項5】空洞部は、基板に設けられた開口部もしく
は凹部により形成されていることを特徴とする請求項4
に記載の圧電フィルタ。 - 【請求項6】圧電共振子の一方の面上に絶縁膜が形成さ
れていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに
記載の圧電フィルタ。 - 【請求項7】絶縁膜は、複数の互いに温度係数が異なる
各絶縁薄膜を有していることを特徴とする請求項6に記
載の圧電フィルタ。 - 【請求項8】絶縁膜は、複数の互いに内部応力の発生機
構が異なるものからなっていることを特徴とする請求項
6または7記載の圧電フィルタ。 - 【請求項9】複数の各圧電共振子は、n次(nは2以上
の整数)モードの厚み縦振動または厚みすべり振動に設
定されていることを特徴とする請求項1ないし8の何れ
か1項に記載の圧電フィルタ。 - 【請求項10】請求項1ないし9の何れか1項に記載の
圧電フィルタを有することを特徴とする電子部品。
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