JP2003347220A - Cat−PECVD法、それを用いて形成した膜、およびその膜を備えた薄膜デバイス - Google Patents

Cat−PECVD法、それを用いて形成した膜、およびその膜を備えた薄膜デバイス

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JP2003347220A
JP2003347220A JP2002155540A JP2002155540A JP2003347220A JP 2003347220 A JP2003347220 A JP 2003347220A JP 2002155540 A JP2002155540 A JP 2002155540A JP 2002155540 A JP2002155540 A JP 2002155540A JP 2003347220 A JP2003347220 A JP 2003347220A
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Kouichirou Shinraku
浩一郎 新楽
Hideki Shiroma
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速かつ高品質に、大面積にわたって膜厚・
膜質ともに均一性の高い状態で製膜することができ、か
つ高い生産性を実現できる方法、それによって形成され
た膜、およびその膜を用いた薄膜デバイスを提供するこ
と。 【解決手段】 分子式にSiおよび/またはCを含むガ
スを含んだ原料系ガスと、ガス導入経路に配設された熱
触媒体によって加熱される分子式にSiとCを含まない
ガスからなる非Si非C系ガスとが、それぞれ分離され
た状態で、製膜空間に設置された中空構造を有したアン
テナ電極の中空部を通って該アンテナ電極に設けられた
複数のガス噴出口から前記製膜空間に噴出され、該製膜
空間に噴出されて混合したガスは、高周波電源に接続さ
れた前記アンテナ電極によって生成されたプラズマによ
って分解・活性化されて、前記製膜空間において前記ア
ンテナ電極に対向して配置された基体に膜が堆積される
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製膜用ガスの分解
・活性化手段にプラズマを用いたCVD(Chemical Vap
or Deposition)法であるPECVD(Plasma Enhanced
Chemical VaporDeposition:プラズマCVD)法と、
製膜用ガスの分解・活性化手段に熱触媒体を用いたCV
D法であるCat−CVD(Catalytic Chemical Vapor
Deposition:触媒CVD)法(HW−CVD(ホット
ワイヤーCVD)法も同一原理)とを融合させた、従来
にない新しいCVD法であるCat−PECVD法、そ
の方法を用いて形成した膜、およびその膜を用いて形成
した薄膜デバイスに関し、特に薄膜Si系太陽電池等に
代表される光電変換装置におけるSi系薄膜を高速で高
品質に、しかも大面積にわたって均一膜厚かつ均質膜質
で製膜でき、さらには非常に高い生産性をもって製膜を
行える技術に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】高品質・高速製膜技術は、
各種薄膜デバイスの高性能・低コスト化には不可欠であ
り、特に光電変換装置の代表格である薄膜Si系太陽電
池においては、Si系膜の高品質・高速製膜に加えて、
大面積製膜、さらには高生産性も同時に要求されてい
る。
【0003】Si系薄膜の低温製膜法としては、大別し
てPECVD法とCat−CVD法とがこれまでに知ら
れており、ともに水素化アモルファスシリコン膜や結晶
質シリコン膜の形成を中心に活発な研究開発がなされて
きている。
【0004】図9に従来例1としてPECVD装置を、
図10に従来例2としてCat−CVD装置を示す。図
9中の500はシャワーヘッド、501はガス導入口、
502はガス噴出口、503はプラズマ空間、504は
プラズマ生成用電極、505は高周波電源、506は基
体、507は基体加熱ヒーター、508はガス排気用真
空ポンプ、509は電気絶縁用の絶縁部材である。ま
た、図10中の600はシャワーヘッド、601はガス
導入口、602はガス噴出口、603は活性ガス空間、
604は熱触媒体、605は熱触媒体の加熱用電源、6
06は基体、607は基体加熱ヒーター、608はガス
排気用真空ポンプである。
【0005】ここでSiH4ガスとH2ガスを用いてSi
膜を形成する場合を例にとると、図9に示したPECV
D装置では、シャワーヘッド500に設けられたガス導
入口501から導入された前記ガスは、ガス噴出口50
2からプラズマ空間503に導かれ、該プラズマ空間5
03にて励起活性化されて堆積種を生じ、これが対向し
た基板506上に堆積してSi膜が形成される。ここで
前記プラズマは、高周波電源505を用いることで生成
させる。
【0006】また、図10に示したCat−CVD装置
では、シャワーヘッド600に設けられたガス導入口6
01から導入された前記ガスは、ガス噴出口602から
製膜空間に導かれ、該製膜空間に設置されている熱触媒
体604にて活性化されて活性ガス空間603を形成し
堆積種を生じ、これが対向した基板606上に堆積して
Si膜が形成される。ここで熱触媒体604の加熱は、
加熱用電源605を用いることで実現する。
【0007】しかしながら、これらの従来技術には以下
に述べる問題点があった。すなわち、PECVD法で
は、高速製膜を実現するには、プラズマパワーを大きく
してSiH4ガスやH2ガスの分解を促進する必要がある
が、このプラズマパワーの増大は、とりもなおさずプラ
ズマ中の電子温度Teを高める(プラズマポテンシャル
VpはTeに比例して増大する)ことに他ならないの
で、一方で製膜表面へのイオン衝撃の増大や、SiH2
分子の生成速度増大に起因した高次シランの生成促進
(最終的には粉体の生成促進)につながり、高品質化に
逆行する要素の招来を避けられなかった。
【0008】ここで、プラズマパワーの増大に代えてプ
ラズマの励起周波数をVHF帯以上とすれば、プラズマ
ポテンシャルVpの低減によってイオン衝撃は低減さ
れ、水素化アモルファスシリコン膜や結晶質シリコン膜
の高品質製膜には有効ではあるが(J. Meier et al, Te
chnical digest of 11th PVSEC (1999) p. 221, O. Vet
terl et al, Technical digest of 11th PVSEC (1999)
p. 233、などを参照)、結晶質Si膜の形成には充分な
原子状水素の生成が必要であり、このためにはいかにV
HF帯周波数を用いてもある程度以上の高速製膜を求め
ると、どうしてもプラズマパワーの増大は避けられず、
やはり前記した問題の招来を避けられなかった。
【0009】そこで、プラズマパワーを上げることなく
原子状水素密度を上げる方策として、水素希釈率を上げ
ること、すなわちガス流量比H2/SiH4を上げること
が考えられるが、これではSiH4ガスの分圧が下がっ
てしまい、このままでは高速製膜には逆行する方向にあ
るので、結局はプラズマパワーを増大させてSiH4
分解を促進させねばならず、やはり前記した問題の招来
を避けられなかった。
【0010】また、プラズマパワーを増大させてもイオ
ン衝撃を軽減できる方策として製膜圧力を上げることが
考えられるが、製膜圧力の上昇は一方でガス分子密度の
増大による高次シラン生成反応の促進を招くことにもな
るので、この方法もまた粉体生成などの膜品質低減要因
を排除することは困難であった。
【0011】一方、Cat−CVD法では、プラズマを
用いないので、前記したイオン衝撃の問題は原理的に存
在せず、また粉体発生も極めて少なく、さらに原子状水
素の生成が非常に促進されるので結晶質Si膜を比較的
容易に高速に形成でき、さらには大面積化についても原
理的な制約がないため、近年とみに注目を集めている
(H. Matsumura, Jpn. J. Appl. Phys. 37 (1998) 3175
-3187、 R. E. I. Schropp et al, Technical digest of
11th PVSEC (1999) p. 929-930などを参照)。
【0012】しかし、現状では熱触媒体からの輻射によ
る基体温度上昇の問題が避けられず、高品質な膜を安定
して形成することは必ずしも容易ではない。またSiH
4ガスを熱触媒体で直接分解するために、原子状Siの
生成が避けられない。この原子状Siは高品質Si膜の
形成には好ましくないものであり、また原子状Siが気
相中でHやH2などと反応して生じるSiHやSiH2
いったラジカルも高品質Si膜の形成には同じく好まし
くないので、高品質な結晶質Si膜の高速形成は非常に
困難であった。
【0013】以上の課題に対して、本発明者らはかねて
からPECVD法とCat−CVD法との融合化の検討
を進め、既に、特願2000−130858号、特願2
001−293031号、さらには特願2002−67
445号において、熱触媒体内蔵カソード型のCat−
PECVD法を開示してきた。
【0014】図11に代表的な装置構造を示す。図11
中の700はシャワーヘッド、701は原料系ガス導入
口、702は非Si非C系ガス導入口、703は原料系
ガス導入経路、704は非Si非C系ガス導入経路、7
05は熱触媒体、706は加熱用電源、707はプラズ
マ空間、708はプラズマ生成用電極、709は高周波
電源、710は原料系ガス噴出口、711は非Si・非
C系ガス噴出口、712は被製膜用の基体、713は基
体加熱用ヒーター、714はガス排気用真空ポンプ、7
15は輻射遮断部材である。
【0015】このCat−PECVD法は、Si系原料
ガスとH2ガスとを分離導入し、H2ガスはガス導入経路
に設置された熱触媒体705によって加熱・活性化さ
れ、Si系ガスとはプラズマ空間707中で混合される
ことによって膜の形成を行うものであって、高速製膜条
件下であっても容易に結晶性の高い高品質結晶質Si膜
が得られるものである。これは、この方法では熱触媒体
を用いることでH2の分解・活性化量を、SiH4のプラ
ズマによる分解・活性化量とは独立に自由に制御できる
こと、またSiH4はプラズマのみによって活性化され
るので、熱触媒体705による好ましくないラジカル生
成を避けられること、また、輻射遮断部材715を設置
することもできるので、熱触媒体705から基体712
に直達する輻射を遮断でき製膜表面温度の好ましくない
上昇を避けられること、さらには熱触媒体705を使う
副次効果としてのガスヒーティング効果によって、気相
中での高次シラン生成反応が抑制されること(SiH2
分子の挿入反応による高次シラン生成反応は発熱反応で
あるため、ガスヒーティングによるガス温度の上昇は高
次シラン生成反応に対してブレーキをかける効果を持
つ)、などによるものと考えられる。さらに、シャワー
ヘッド700を使用すること、およびプラズマ生成用電
極708として、従来の平板状電極に換えて非平板状の
電極(例えばアンテナ電極)を用いることによって、2
7MHz以上の高周波電源を用いても大面積での均一膜
厚・均質膜質製膜を実現できる能力を備えていた。ま
た、この場合のさらに特殊な形態として、非平板状電極
がシャワーヘッドを兼ねる方式も一部開示されていた。
以上によって、1m角サイズでの満足できる均一膜厚分
布(目安としては±15%以内)や均質膜質分布(例え
ば、結晶化率分布として±15%以内、効率特性分布と
して±10%以内)を高速・高品質製膜条件下で得るこ
とができていた。
【0016】しかしながら、これら顕著な効果を奏する
本発明者らによる先行技術においても、前記非平板状電
極がシャワーヘッドを兼ねる方式の技術はさらに改良す
べき余地があり、特に装置の高生産性について画期的な
技術開発が望まれていた。
【0017】なお、Technical digest of 11th PVSEC
(1999) p779には、プラズマCVD装置において、水素
ガスの導入ポートの直後に熱触媒体を配置したものが開
示されている。水素ガスとシランガスの導入ポートは異
なっているが、この水素ガスとシランガスはシャワー電
極を通すものではなく、大面積での均一な膜厚分布や膜
質分布を得ることは困難である。また、熱触媒体はシャ
ワー電極で製膜空間と隔離されていないので、シランガ
スとの接触反応の低減は不可能であり、高品質製膜にお
いては好ましくない原子状Siや、それとの気相反応生
成分子である同じく高品質製膜においては好ましくない
SiHやSiH2等のラジカル生成は避けられない。ま
た輻射遮断構造やプラズマ生成周波数のVHF帯化の概
念も示されておらず高品質化は困難である。また後記す
る本発明の中核をなすアンテナ電極を用いるものでもな
い。
【0018】また、Technical digest of 16th EPSEC
(2000) p421には、容量結合型RFプラズマCVD装置
において、熱触媒体をプラズマ空間に設置したものが開
示されているが、ガスを分離して導入するものではな
く、また導入されるガスはシャワー電極を通すものでも
ない。また、熱触媒体をプラズマ空間に設置してあるの
で基体への輻射遮断は不可能である。また、アンテナ電
極の概念もない。
【0019】また、特許第2692326号には、触媒
体と基板との間にガスが通過できる輻射遮断部材を設置
した触媒CVD法が開示されているが、原料ガスが熱触
媒体で活性化されないようにガス分離して導入するもの
ではなく、プラズマによる原料ガスの活性化を行うもの
でもない。もちろんアンテナ電極の概念もない。
【0020】また、特開平10−310867号公報に
は、プラズマ発生用電極とガス導入口との間に触媒電極
を備えた薄膜形成装置が開示されているが、原料ガスを
分離して導入するものではなく、また輻射遮断構造を有
するものでもない。またアンテナ電極の概念もない。
【0021】また、特開平11−54441号公報に
は、熱触媒体が配置される容器内に原料ガスが供給さ
れ、この容器内部が基板と隔絶されており、ガス吹き出
し口から差圧によりガスが基板に供給される触媒CVD
装置が開示されているが、原料ガスを分離して導入する
ものではなく、またPECVD法に関するものでもな
い。またアンテナ電極の概念もない。
【0022】また、特許第1994526号公報には、
原料ガスとこの原料ガスを分解するための加熱ガスとを
導入して膜を形成する方法が開示されているが、シャワ
ーヘッドを用いるものではなく、また輻射遮断構造を有
するものでもない。またアンテナ電極の概念もない。
【0023】また、特許第1994527号公報には、
原料ガスを熱分解して膜形成する方法が開示されている
が、原料ガスを熱分解しない方法ではなく、また輻射遮
断構造を有するものでもない。また、プラズマを用いる
ものではなく、シャワーヘッドを用いるものでもない。
もちろんアンテナ電極の概念もない。
【0024】また、特許第1927388号公報には、
製膜空間にタングステンからなるメッシュ状の活性化手
段を設けて水素を含むガスを活性化して膜堆積させる方
法が開示されているが、原料ガスを熱分解することなく
分離導入する方法ではなく、輻射遮断構造を有するもの
でもない。またアンテナ電極の概念もない。
【0025】また、特許第2547741号公報には、
一方の輸送管が他方のそれを内部に配置する構造で、S
iH4とH2とを分離導入する方法が開示されているが、
シャワーヘッドを用いるものではなく、また輻射遮断構
造を有するものでもない。またアンテナ電極の概念もな
い。
【0026】また、特許第2927944号公報には、
水素ガスを成膜空間とは異なる空間で活性化して、これ
を原料ガスと混合、接触させてプラズマ領域を形成し、
上記水素ガスの活性化を周期的にすることで基体がプラ
ズマに間欠的・周期的に晒されるようにして膜堆積を行
う方法が開示されているが、シャワーヘッドを用いるも
のではなく、また輻射遮断構造を有するものでもない。
またアンテナ電極の概念もない。
【0027】また、特開2000−114256号公報
には、原料ガスに触媒を作用させて分解し、これをプラ
ズマ処理して膜形成する方法が述べられているが、原料
ガスを分離導入するものではなく、またシャワーヘッド
を用いるものでもなく、また輻射遮断構造を有するもの
でもない。またアンテナ電極の概念もない。
【0028】また、特開2000−331942号公報
には、プラズマ発生部から基板表面に至る近傍に設置さ
れた表面反応機構部分を有した装置構成で膜形成する方
法が開示されているが、原料ガスを熱分解することなく
分離導入するものではなく、またシャワーヘッドを用い
るものではない。また、熱触媒体はプラズマと基板の間
にあるので、基板への輻射遮断は不可能である。またア
ンテナ電極の概念もない。
【0029】また、特開2000−323421号公報
には、SiH4とH2とを分離導入し、SiH4ガスはプ
ラズマで活性化してイオンおよびラジカルを基板に照射
し、H2ガスはガス導入口に具備した加熱触媒体で活性
化させて基板に照射する方法が開示されているが、シャ
ワーヘッドを用いるものではなく、また輻射遮断構造を
有するものでもない。またアンテナ電極の概念もない。
【0030】また、特開平9−137274号公報に
は、プラズマ空間にSiH4とH2とを分離導入し、H2
は導入過程で熱やプラズマなどで活性化する方法が開示
されているが、シャワーヘッドを用いるものではなく、
また輻射遮断構造を有するものでもない。またアンテナ
電極の概念もない。
【0031】また、特開平4−236781号公報に
は、梯子状の平面形コイル(ラダー)電極を用いた大面
積均一製膜に優れたアンテナ電極型PECVD装置が開
示されているが、熱触媒体を用いてガスを加熱・活性化
するものではない。
【0032】また、特開2001−295052号公報
には、誘導結合型電極にAM変調したVHF高周波(20〜600
MHz〜マイクロ波)を供給することで大面積均一膜厚製
膜を可能とするアンテナ電極型PECVD装置が開示さ
れているが、熱触媒体を用いてガスを加熱・活性化する
ものではない。
【0033】また、特開平7−41950号公報には、
難分解性ガスを予めガス加熱用ヒーターで加熱し、プラ
ズマ中での分解性を向上させて高品質膜を得る方法が開
示されているが、熱触媒体を用いるものではなく、従っ
てアンテナ電極内に熱触媒体を設置するものではなく、
またガスを加熱するのみで活性化(分解)するに至るも
のでもない。またSiH4とH2とを分離導入して、H2
のみを熱触媒体で加熱・活性化するものでもない。
【0034】また、特開平6−283436号公報に
は、反応性ガスを加熱導入して、高速製膜を実現する方
法が述べられているが、熱触媒体を用いるものではな
く、従ってアンテナ電極内に熱触媒体を設置するもので
はなく、またガスを加熱するのみで活性化(分解)する
に至るものでもない。またSiH4とH2とを分離導入し
て、H2のみを熱触媒体で加熱・活性化するものでもな
い。
【0035】また、特開平5−283344号公報に
は、梯子状平面形コイル電極の線材に、線材の温度を独
立に制御できるヒーターを組み込み、反応容器内の反応
ガス圧力分布を制御して、均一・均質製膜を実現する方
法が述べられているが、熱触媒体を用いるものではな
く、従ってアンテナ電極内に熱触媒体を設置するもので
はなく、またガスを加熱するのみで活性化(分解)する
に至るものでもない。またガスをガス種によって分離導
入するものでもない。
【0036】本発明は、このような背景のもとになされ
たものであり、Si系膜あるいはC系膜について、これ
らを高速かつ高品質に、そして大面積にわたって均一膜
厚かつ均質膜質で製膜することができ、さらには非常に
高い生産性を実現できるCat−PECVD法、および
それを用いて形成した膜、およびその膜を用いて作製し
たデバイスを提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明のCat−PEC
VD法は、分子式にSiおよび/またはCを含むガスを
含んだ原料系ガスと、ガス導入経路に配設された熱触媒
体によって加熱される分子式にSiとCを含まないガス
からなる非Si非C系ガスとが、それぞれ分離された状
態で、製膜空間に設置された中空構造を有したアンテナ
電極の中空部を通って該アンテナ電極に設けられた複数
のガス噴出口から前記製膜空間に噴出され、該製膜空間
に噴出されて混合したガスは、高周波電源に接続された
前記アンテナ電極によって生成されたプラズマによって
分解・活性化されて、前記製膜空間において前記アンテ
ナ電極に対向して配置された基体に膜が堆積されるもの
であり、前記アンテナ電極は複数個並列配置されてアレ
イ状アンテナ電極ユニットを成しているとともに、その
アレイ面が重力方向と平行になるように縦型配置されて
いることを特徴とする。
【0038】特に、前記基体はアレイ状アンテナ電極ユ
ニットの両側に配置されること、また、前記基体のアレ
イ状アンテナ電極ユニットに対面する面とは反対側の面
には基体加熱ヒーターが配置されていること、また、前
記アレイ状アンテナ電極ユニットは、1製膜室に複数個
存在し、且つ各ユニットはそれぞれのアレイ面が平行に
なるように配置されており、それぞれのアレイ状アンテ
ナ電極ユニットによる両面同時製膜が行える装置構成と
なっていることを特徴とする。
【0039】また、本発明の膜は上記Cat−PECV
D法で形成されたことを特徴とする。そして特に、この
膜は、前記原料系ガスには分子式にSiを含んだガスは
含まれるが分子式にCを含んだガスは含まれず、前記非
Si非C系ガスにはH2が含まれることによって形成さ
れたSi系膜であること、前記Si系膜は水素化アモル
ファスSi膜であり、該膜中の水素濃度は15atomic%
以下であること、前記Si系膜は結晶質Si膜であり、
該膜中の水素濃度は10atomic%以下であること、前記
原料系ガスには分子式にSiを含むガスと分子式にCを
含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガスにはH2が含
まれることによって形成されたSi−C系膜であるこ
と、前記原料系ガスには分子式にSiを含むガスが含ま
れ、前記非Si非C系ガスにはH2が含まれ、原料系ガ
スあるいは非Si・非C系ガスの少なくともいずれかに
分子式にNを含むガスが含まれることによって形成され
たSi−N系膜であること、前記原料系ガスには分子式
にSiを含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガスには
分子式にOを含むガスが含まれることによって形成され
たSi−O系膜であること、前記原料系ガスには分子式
にSiを含むガスとGeを含むガスが含まれ、前記非S
i非C系ガスにはH2が含まれることによって形成され
たSi−Ge系膜であること、および前記原料系ガスに
は分子式にCを含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガ
スにはH2が含まれることによって形成されたC系膜で
あること、をそれぞれ特徴とする。
【0040】また、本発明の薄膜デバイスは上記膜を備
えたことを特徴とする。特に、前記薄膜デバイスが、光
電変換装置、光受容体装置、表示用装置であること、お
よび前記基体は、平板状、円筒状、あるいはフィルム状
であることを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を模式的
に図示した図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本
発明のCat−PECVD法を実現する装置の一例を示
す全体図であり、平板状の基体の製膜面が紙面に垂直方
向に向いている場合に熱触媒体が内蔵されたアンテナ電
極位置における断面図である。図2は、図1において、
製膜室(チャンバー)内壁にヒーターを設置した場合の
断面図である。図3はアンテナ電極をアレイ状に配置し
た一例を示すものであり、基体の製膜面が紙面に平行方
向に向いている場合の断面図である(基体の存在を示す
ためにアレイ状アンテナ電極ユニットは一部のみ示して
ある。またアンテナ電極の端部構造の詳細は省略してあ
る:詳細は図1や図5を参照)。図4は、アレイ状アン
テナ電極をその中心軸方向から見た断面図である。図5
は、アンテナ電極の詳細構造を示す断面図である。図6
は、アンテナ電極の立体構造を示す斜視図である。図7
は、複数の熱触媒体を内蔵したアンテナ電極の構造を示
す断面図である。
【0042】これら図中の、101は分子式にSiおよ
び/またはCを含むガスを含んだ原料系ガスの導入口、
102は分子式にSiとCを含まないガスからなる非S
i非C系ガスの導入口、103は熱触媒体、104は熱
触媒体103の加熱用電源、105はプラズマ、106
aは熱触媒体を内蔵したアンテナ電極、106bは熱触
媒体を内蔵しないアンテナ電極、107aおよび107
bは高周波電源、108aおよび108cは位相変換
器、108bおよび108dは電力分配器、109、1
09aおよび109bは被製膜用の基体、110は基体
加熱用のヒーター、111aは熱触媒体内蔵アンテナ電
極106aに設けられたガス噴出口、111bは熱触媒
体非内蔵アンテナ電極106bに設けられたガス噴出
口、112は電気絶縁用の絶縁部材、113は製膜空間
を構成するチャンバー(製膜室)、114aおよび11
4bは、アンテナ電極内部に設けられた中空部、115
はチャンバー内壁面に設けられた内壁面ヒーター、11
6は熱触媒体の選択スイッチである。
【0043】このように、本発明のCat−PECVD
法は、分子式にSiおよび/またはCを含むガスを含ん
だ原料系ガスと、ガス導入経路に配設された熱触媒体1
03によって加熱される分子式にSiとCを含まないガ
スからなる非Si非C系ガスとが、それぞれ分離された
状態で、製膜空間に設置された中空構造を有したアンテ
ナ電極(106b、106a)の中空部(114b、1
14a)を通って該アンテナ電極に設けられた複数のガ
ス噴出口から前記製膜空間に噴出され、該製膜空間に噴
出されて混合したガスは、高周波電源(107a、10
7b)に接続された前記アンテナ電極によって生成され
たプラズマによって分解・活性化されて、前記製膜空間
において前記アンテナ電極に対向して配置された基体1
09に膜が堆積されることを特徴とする。
【0044】なお、図示は省略するが、チャンバー11
3は真空ポンプによって真空排気される。このとき真空
ポンプとしては、基体上に製膜される膜中への排気系か
らの不純物混入を抑制するためにターボ分子ポンプ等の
ドライ系のものを用いることが望ましい。このとき、到
達真空度は少なくとも1×10-3Pa以下とし、1×1
-4Pa以下とすればより望ましい。製膜時の圧力は1
0〜1000Pa程度の範囲とする。また、基体加熱用
ヒーター110による基体109の温度は100〜40
0℃の温度条件とし、望ましくは150〜350℃とす
る。
【0045】以下、各部位について詳細に説明してい
く。 =電極形状= まず、アンテナ電極の形状としては、棒状、U字形等の
形状を選ぶことができる。具体的には、棒状のものは最
も単純なもので、例えば特開平1−47875号公報、
特開平1−230782号公報、特開2001−274
101号公報に示されている。またU字形については特
開平4−21781号公報に示されている。
【0046】ここで、従来の平板型電極に換えて、アン
テナ型電極を用いる理由は以下の通りである。一般に、
高周波電源の周波数fと波長λの関係は、プラズマ中
で、λ=v/fで与えられる。ここでvはプラズマ中で
の電磁波の伝播速度で、これは真空中での電磁波の速度
c(光速度)よりも小さいので、λは大きくてもc/f
以下である。一方、プラズマ生成用電極のサイズとして
角型電極の一辺の長さLを代表的特性長ととると、λ≫
Lであれば、電磁波の干渉効果は生ぜず、均一なプラズ
マが生成されるので、均一膜厚・均質膜質の製膜が可能
となる。例えば、f=13.5MHzとすると、λは最
大で22m程度となり、1m角サイズのプラズマ生成電
極では干渉効果は問題にならないことがわかる。
【0047】しかし、高周波電源の周波数fを上げてい
き、λ/4がL程度以下の値になってくると、干渉効果
が無視できなくなってくる。例えばf=60MHzとす
ると、λ/4は最大でも1.25mとなり、1m角サイ
ズの単純な平板状のプラズマ生成用電極では干渉効果が
生じてしまい、均一な電磁場分布、つまりは均一なプラ
ズマ生成は望めないことがわかる。
【0048】このため、高周波電源の周波数がVHF帯
以上となる領域での1m角サイズ程度以上の大面積製膜
においては、平板型のプラズマ生成用電極に替えてアン
テナ型電極にし、後述する位相制御技術などを導入する
ことでプラズマ生成の均一化を図る技術開発が進んでお
り、本Cat−PECVD法においてもこれを利用する
ことができる。
【0049】なお、アンテナ電極の長軸方向に垂直な方
向に平行な断面形状は、通常、円形あるいは方形のどち
らでもよいが、より均一な製膜特性を特に求める場合に
は、面的により均一なプラズマ生成が実現できる方形と
するのが好ましい。 =熱触媒体設置位置= 次に、熱触媒体103の設置位置であるが、最も望まし
いのは、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7に
も示したように中空構造を有したアンテナ電極の内部
(中空部)に設置する場合である。熱触媒体がアンテナ
電極内部に設置されることによって、加熱・活性化され
た非Si非C系ガスは、その温度や活性度を過度に損な
われることなくアンテナ外部に生成されているプラズマ
空間に送り込まれるので、その製膜に対する効果を充分
に維持することができる。例えば非Si非C系ガスにH2
を用い、原料系ガスにSiH4を用いた場合、熱触媒体
を用いない場合では困難であった低水素希釈率(低H2
/SiH4比)条件や低高周波電力条件での結晶質Si
膜の形成が容易となったり、同じく熱触媒体を用いない
では困難であった膜中水素濃度が低い水素化アモルファ
スSi膜の形成が容易となったりする効果が得られる。
【0050】以上のように、熱触媒体103の設置位置
としては、中空アンテナ電極内部が最も望ましいのであ
るが、中空アンテナよりも上流側のガス経路に設置され
ている場合でも上述した効果が得られることもあるの
で、中空アンテナ電極内部に熱触媒体を設置することが
特に困難である場合には、熱触媒体を中空アンテナより
も上流側のガス経路に設置することもできる。しかしい
ずれにせよ、熱触媒体はアンテナ電極内に設置するのが
本発明の効果を最大限に発揮させるために最も望ましい
ことには変わりがない。 =アンテナ電極のアレイ状化= 次に、アンテナ電極の並べ方であるが、基体109は例
えば太陽電池などの基板のようにある程度の面積をもっ
た板材あるいはフィルム材であり、製膜はその面に対し
て行われるので、アンテナ電極は、図3および図4に示
すように、これを複数本並列に並べてアレイ状に配置し
てアレイ状アンテナ電極ユニットとするのが望ましい。
これにより、均一に且つ大面積に製膜を行なうことがで
きる。 =ガス分離導入方法= 次に、非Si非C系ガスと原料系ガスの分離導入方法で
あるが、最も単純な方法は、図4に示すように、それぞ
れのガスがそれぞれ異なるアンテナ電極から噴出される
場合である。このとき熱触媒体103は非Si非C系ガ
スが導入されるアンテナ電極106aの内部に設置され
る。ここで、アンテナ電極の間隔を充分に狭めることが
できず、非Si非C系ガスと原料系ガスのプラズマ中で
の混合が不充分となる恐れのある場合は、一本のアンテ
ナ電極内に複数の独立した中空空間を形成し、非Si非
C系ガスと原料系ガスとがそれぞれ異なった中空空間を
通して一本のアンテナ電極から同時に噴出されるように
すればよい(不図示)。このときも熱触媒体103は非
Si非C系ガスの導入経路に設置される。
【0051】ここで、原料系ガスと非Si非C系ガスと
を分離導入する理由は、非Si非C系ガスのみを熱触媒
体で加熱させたいがためである。すなわち、原料系ガス
と非Si非C系ガスとを混合して導入してしまうと、非
Si非C系ガスのみならず原料系ガスをもその導入経路
に配設された熱触媒体で加熱することになってしまい、
熱触媒体温度が原料系ガスの分解温度以上である場合に
は、原料系ガスが分解・活性化されてガス導入経路途上
で製膜が生じ、原料系ガスが製膜空間に到達する前に著
しく消費されてしまうからである。 =ガス噴出口位置= 次に、ガス噴出口位置であるが、熱触媒体103が内部
に設置されているアンテナ電極106aの場合には、図
4に示すように、そのガス噴出口111aは熱触媒体1
03からの熱輻射が被製膜基体109aあるいは109
bに直達しないように配置されることが望ましい。これ
により、熱触媒体から発生する輻射による製膜表面温度
の好ましくない上昇を避けることができ、膜品質の安定
的な制御を実現することができる。なお、熱触媒体が内
部に設置されていないアンテナ電極106bの場合には
ガス噴出口は任意位置でもよい。 =アレイ状アンテナ電極ユニットの配置= 次に、アレイ状アンテナ電極ユニットは、そのアレイ面
が重力方向と平行になるように縦型に配置される。こう
することで後に述べるようなアレイ状アンテナ電極ユニ
ット両面での製膜の際に、基体109への粉体の落下付
着の防止を非常に効果的に実現できる。また、例えば基
体109としてガラス基板などを用いる場合は、ガラス
基板の搬送を縦型で行えるのでガラス基板の撓みの問題
も生ずることなく取り扱いが非常に容易となる利点もあ
る。もちろんこの場合、アレイ状アンテナ電極ユニット
そのものの撓みの問題も生じない利点もある。
【0052】以上のようにアレイ状アンテナ電極ユニッ
トはそのアレイ面が重力方向と平行になるように縦型に
配置されるのが望ましいのであるが、もちろんアレイ状
アンテナ電極ユニットをそのアレイ面が重力方向と垂直
となるように横型に配置することも特に制限されるもの
ではなく、アレイ状電極や基体の撓み、粉体の落下付着
の問題がほとんど無視できるのであれば後者の横型配置
を採用しても差し支えない。 =基体配置= 次に基体109はアレイ状アンテナ電極ユニットの両側
に配置されることが望ましい(図1、図4参照)。こう
することによってアレイ状アンテナ電極ユニット両面で
の同時製膜が可能となり装置の生産性を倍増することが
できる。 =基板加熱ヒーター配置= 次に、基体加熱ヒーター110は、図1に示すように、
基体を挟んでアレイ状アンテナ電極ユニットの両側に配
置されることが望ましい。すなわち、前記基体のアレイ
状アンテナ電極ユニットに対面する面とは反対側の面に
は基体加熱ヒーターが配置されているのが望ましい。こ
うすることによって製膜中の基体製膜面温度を制御する
ことができ高品質製膜がより実現しやすくなる。 =アレイ状アンテナ電極ユニット数と配列= 次に、アレイ状アンテナ電極ユニットは1製膜室に複数
セット平行配置されていることが望ましい(図1には、
アレイ状アンテナ電極ユニットを3つ配置した例が示さ
れている)。こうすることによって、複数のアレイ状ア
ンテナ電極ユニットによる同時製膜が可能となり、前記
したアレイ状アンテナ電極ユニットひとつでの両面同時
製膜を考え合わせると、例えばアレイ状アンテナ電極ユ
ニットが2組平行配置されれば4面同時製膜が可能とな
り、さらに3組平行配置されれば6面同時製膜(図1は
この場合を示す)、4組平行配置されれば8面同時製膜
・・・というようにアレイ状アンテナ電極ユニットの平
行配置数を増やしていけば製膜装置としての生産性を一
挙に数倍以上にまで高めることができる。これは従来の
平行平板型のPECVD装置では到底不可能なことであ
る。 =給電方法= 次に、アンテナ電極106aあるいは106bへの給電
方法については、例えば一例を図3に示すように、高周
波電源107aあるいは107bからの高周波電力を電
力分配器108bあるいは108dによって分配して送
電してもよいし、あるいは、アンテナ電極ごとに高周波
電源を配設してもよい(不図示)。ここで高周波電源の
数と分配の数とは必ずしも一致している必要はなく、通
常はより少ない高周波電源数でより多くの電力分配を実
現するようにすれば設備コスト低減に有効である。ここ
で、高周波電源1台では、必要な全高周波電力を分配供
給できない場合は、必要に応じて高周波電源を複数台用
意して高周波電力を分配供給することができる。 =位相制御= 次に、不必要な干渉効果(強め合いや弱め合い)による
プラズマの不均一分布を生じさせないためには、高周波
電力の位相が少なくとも隣り合う電極間で異なっている
ことが望ましい。これは位相変換器108aあるいは1
08cを用いて実現することもできるが、アレイ状アン
テナ電極ユニットの隣り合うアンテナ電極への給電点
を、例えば図3に示すように、互いに対向方向に位置す
るように配置することでも同様の効果を実現することが
でき、両者を併用することでさらに均一な大面積プラズ
マを生成することができる。 =高周波電力供給方法= また、大面積にわたる均一膜厚・均質膜質の製膜をより
実現しやすくする別の方法としては、アンテナ電極10
6aや106bに周波数の異なる複数の高周波電力を重
ね合わせて投入することによって、異なる空間的密度分
布を持つ複数のプラズマを重ね合わせる方法がある。こ
れにより、プラズマ密度分布をより均一化させることが
できるので基体上へ大面積で均一な製膜を行なわせるこ
とができる。
【0053】また別の方法としては、隣り合うアンテナ
電極ごとに異なる周波数の高周波電力を投入する方法も
ある。これは例えば図3において高周波電源107aと
107bの周波数が異なるようにすればよい。このよう
にすれば、隣り合う電極間での電磁相互作用などによっ
て、やはりプラズマ密度分布をより均一化させることが
できるので基体上へ大面積で均一な製膜を行なわせるこ
とができる。
【0054】さらに別の方法としては、高周波電力周波
数を時間的に変動・変調させて、プラズマの空間密度分
布を時間的に変動させて、その時間平均をとるようにし
て結果的に均一製膜をする方法がある。
【0055】さらに、プラズマを例えばパルス変調する
など、アンテナ電極106aや106bに高周波電力を
断続的に供給するようにすれば、連続プラズマ生成の場
合に比べて粉体の生成・成長を抑えることができ膜品質
向上に有効な場合がある。 =高周波電源周波数= 次に、本発明のCat−PECVD法および装置では、
プラズマを生成させるためのアンテナ電極106aおよ
び106bは高周波電源107aおよび107bに接続
され、高周波電源107aおよび107bの周波数は1
3.56MHz以上であることを特徴としているが、特
に本発明の効果、つまり大面積均一膜厚・均質膜質製膜
に対する効果が顕著に現れるのが、27MHz以上(い
わゆるVHF帯以上)の高周波領域である。
【0056】すなわち、従来の平板状電極では、前述し
たように、1m角サイズ程度の均一膜厚かつ均質膜質の
大面積製膜を比較的困難を伴わずに実現できるのはせい
ぜい27MHz程度までで、それ以上の高周波領域では
必ずしも容易とは言えない状況であったが、本発明によ
れば、27MHz以上の高周波領域においても従来技術
よりも格段に優れた大面積均一膜厚・均質膜質製膜特性
が得られる。
【0057】VHF帯の高周波周波数としては連続量と
して任意の値を選ぶことができ、電極サイズや形状に応
じて最適な周波数を選ぶことが望ましいが、通常は工業
的に用いられることが多い、40MHz、60MHz、
80MHz、100MHzなどの周波数を用いれば充分
である。
【0058】ここで、高周波電源107aおよび107
bの周波数がより高いほうが、プラズマ中の電子密度が
上がるので、原料系ガスの分解活性化率が増大して製膜
速度はより速くなる。また、非Si非C系ガスとしてH
2ガスを用いている場合は、原子状水素の生成割合も増
大するので、結晶化促進効果もより顕著に得られる。し
たがって、高速製膜条件下でも結晶質Si膜を得ること
ができる。
【0059】さらに本発明では、熱触媒体を用いて非S
i非C系ガスの活性化をさらに促進することができるの
で、非Si非C系ガスとしてH2ガスを用いている場合
は、上記したVHF自体の効果に加えてさらに結晶化促
進効果が増大し、さらなる高速製膜条件下においても良
質な結晶質Si膜を得ることができる。また特に水素化
アモルファスSi膜の形成にあたっては、より低水素濃
度の膜を形成することができ、従来のPECVD法単独
によるものよりも光安定性に優れる水素化アモルファス
Si膜を得ることができる。
【0060】なお、高周波電源の周波数は、100MH
z程度までのVHF帯に限定する必要はなく、より周波
数の高いUHF帯やマイクロ波域での周波数まで利用す
ることができる。 =熱触媒体= 次に、熱触媒体103は、これに電流を流してそのジュ
ール発熱で加熱・高温化させて熱触媒体として機能させ
るために、少なくともその表面が金属材料からなるが、
この金属材料はより好ましくは高融点金属材料であるT
a、W、Re、Os、Ir、Nb、Mo、Ru、Ptの
うちの少なくとも1種を主成分とするような金属材料か
らなることが望ましい。また、熱触媒体103として
は、通常、上記のような金属材料をワイヤ状にしたもの
を用いることが多いが、特にワイヤ状に限るものではな
く、板状、メッシュ状のものも用いることができる。な
お、熱触媒体材料たる金属材料中に膜形成にあたって好
ましくない不純物が含まれている場合には、熱触媒体1
03を製膜に使用する前に、予め製膜時の加熱温度以上
の温度で数分間以上予備加熱すれば、不純物低減に効果
的である。 =熱触媒体の加熱用電源= なお、熱触媒体103の加熱用電源104としては、通
常、直流電源を用いるのが簡便であるが、プラズマを生
成させない程度の低周波の交流電源を用いても支障はな
い。また直流電源を用いる場合、後述するように非Si
非C系ガスの加熱あるいは分解・活性化の程度を制御す
るために、直流電力を断続的に熱触媒体103に供給す
るようにもできる。 =非Si非C系ガスの活性化= 次に、非Si非C系ガスは熱触媒体103で加熱されて
プラズマ空間105に導かれるのであるが、一部は熱触
媒体103で分解・活性化され、その程度は熱触媒体温
度に比例する。例えばH2ガスは、圧力にもよるが熱触
媒体温度が約1000℃を超えるあたりから分解反応に
よる原子状水素の生成が顕著になってくる。この原子状
水素は上記したようにSi膜の結晶化促進に非常に効果
的に作用する。なお熱触媒体温度が約1000℃以下で
あって、原子状水素の生成がそれほど顕著ではなく、結
晶化促進効果があまり期待できない温度条件であって
も、熱触媒体を使用するという副次効果としてのガスヒ
ーティング効果により高次シラン生成反応が抑制される
ので、高品質な水素化アモルファスシリコン膜の形成に
はやはり効果的である。ただし熱触媒体温度は最低でも
100℃以上、より好ましくは200℃以上とするのが
上記効果を得るためには望ましい。200℃以上とする
ことでガスヒーティングの効果をより顕著に得ることが
できる。なお、熱触媒体温度の最高温度としては200
0℃以下、より好ましくは1900℃以下とする。19
00℃を超えると触媒体や周辺部材からの不純物の脱ガ
スや、触媒体の材料自体の蒸発などの問題が生じはじめ
るからであり、2000℃を超えると前記脱ガスや前記
蒸発が著しくなる。 =活性化量調節方法= ここで、上記したH2に代表される非Si非C系ガスの
加熱あるいは分解・活性化の程度を上記した熱触媒体温
度で制御すること以外の方法で実現する方法としては、
以下に述べるものがある。
【0061】第1の方法は、熱触媒体103の表面積を
制御するものである。これによれば熱触媒体103の温
度を下げることなく、ある温度以上に維持したまま非S
i非C系ガスの加熱あるいは分解・活性化の程度を制御
することができる。例えば熱触媒体103として線状の
ものを使う場合には、その線長と線径、さらにはひとつ
のアンテナ電極内に設置する数を選ぶことで熱触媒体1
03の表面積を制御することができる。特に、図7に示
したように、熱触媒体103をひとつのアンテナ電極内
に複数本設置する場合は、これらを独立に加熱できるよ
うにしておけば、必要に応じて加熱する熱触媒体103
の数を決めることによって非Si非C系ガスの加熱ある
いは分解・活性化の程度を段階的に変えることができ
る。
【0062】第2の方法は、熱触媒体103の加熱を断
続的あるいは周期的に行う方法である。具体的には加熱
用電源104の電力をパルス状に与えるなど断続的に与
える機構にしたり、低周波の交流電源で与えれば熱触媒
体103の加熱を周期的に行うことができる。これによ
って単位時間あたりの非Si非C系ガスと熱触媒体10
3との反応時間を連続的に制御できるので非Si非C系
ガスの加熱あるいは分解・活性化の程度を連続的に制御
することができる。
【0063】第3の方法は、非Si非C系ガス噴出口1
11aの口径と原料系ガス噴出口111bの口径を別々
に設計して調節したり、非Si非C系ガス噴出口111
aの総数と原料系ガス噴出口111bの総数とを別々に
設計して調節するものである。非Si非C系ガス噴出口
111aにおける口径の縮小あるいは口総数の減少は、
加熱あるいは分解・活性化された非Si非C系ガスのプ
ラズマ空間105への噴出量を減少させ、非Si非C系
ガス噴出口111bにおける口径の拡大あるいは口総数
の増大は、加熱あるいは分解・活性化された非Si非C
系ガスのプラズマ空間105への噴出量を増大させるこ
とができる。
【0064】第4の方法は、ガスの導入経路に熱触媒体
を配設しない非Si非C系ガスの導入経路(不図示)を
追加し、熱触媒体103を経由する非Si非C系ガス流
量と熱触媒体を経由しない非Si非C系ガス流量とを独
立して制御できるようにするものである。すなわち、非
Si非C系ガスの導入経路は複数あり、少なくとも1経
路の非Si非C系ガスは前記熱触媒体で加熱されること
なくプラズマ空間に導かれる。これによって加熱あるい
は分解・活性化された非Si非C系ガスと加熱されない
非Si非C系ガスとを任意のガス流量比で混合すること
ができるようになるので、プラズマ空間105に放出さ
れる加熱あるいは分解・活性化された非Si非C系ガス
の密度を連続的に変化させることができる。ここで、加
熱されない非Si非C系ガス導入経路は原料系ガス導入
経路に合流させてもよく、このように合流させれば導入
構造がより簡単になる。 =ガス経路材料= 次に、非Si非C系ガス導入経路における、ガス配管内
壁、中空アンテナ電極内壁の少なくともいずれかの表面
の少なくとも一部は、Ni、Pd、Ptのうちの少なく
ともいずれかを含む材料からなっていることが望まし
い。これらの金属元素は例えばH2などのガス分子の解
離を促進する触媒作用があるので、分解・活性化された
非Si非C系ガスが上記部材表面で再結合して失活して
しまう確率を下げることができる。 =ガスヒーティング= 次に、原料系ガス導入経路にも熱触媒体が配設されてい
る(不図示)ことが、ガスヒーティング効果を促進する
上で望ましい。ただし、熱触媒体による原料系ガスの分
解が生じないように、熱触媒体の温度は原料系ガスが分
解する温度以下に制御されるようにする。例えば原料ガ
スとしてSiH4を使う場合は温度は500℃以下、望
ましくは400℃以下にする。
【0065】なお、上記ガスヒーティング効果を促進す
る別の方法としては、製膜室内壁面にヒーターを設置す
る方法がある。すなわち、特に製膜室内壁面を加熱しな
い従来の方法では、温度の低い該製膜室内壁面での高次
シラン生成反応(発熱反応)が生じやすいため、これが
膜品質悪化の重要な一因である粉体生成の原因となって
いたのに対して、本法では製膜室内壁面を積極的に加熱
するので、発熱反応である高次シラン生成反応が抑制さ
れ、粉体生成量を減らすことができる。具体的には、図
2に示したごとく、製膜室内壁面にヒーターを設置すれ
ば製膜室内壁面の加熱を実現することができる。ここ
で、原料系ガスに分子式にSiを含むガスが含まれてい
る場合は、上記ヒーターの温度は500℃以下、望まし
くは400℃以下とする。これにより、ヒーター表面で
の熱CVD反応(製膜反応)は充分に抑制されるので、
この部分での原料ガスの浪費を抑制することができる。 =ドーピングガス導入方法= 次に、ドーピングガスを供給する場合は、ドーピングガ
スを原料ガス導入経路および/または非Si非C系ガス
導入経路に導入することができる。このとき、p型ドー
ピングガスにはB26等を用い、n型ドーピングガスに
はPH3等を用いることができる。 =電気回路= 触媒体加熱用電源104の回路には高周波阻止手段とし
てのパスコンデンサ(不図示)を設置することが望まし
い。これによって高周波電源からの高周波成分の進入を
阻止することができ、安定した製膜をより確実に実現す
ることができる。 =基体形状= 基体109としては、例えば太陽電池などのデバイスの
場合はガラス基板などの平板状のもの、あるいは金属材
や樹脂材などのフィルム状のものを用いることができる
し、また、感光ドラムなどのデバイスの場合は円筒状な
どの非平板状のものを用いることができる。 =装置(図8参照)= 本発明のCat−PECVD法を実現する膜処理システ
ムは、上記製法を実現できる製膜室を少なくとも1室有
した複数の真空室からなる膜処理システムとする。
【0066】ここで、上記複数の真空室には、少なくと
もp型膜形成用製膜室、i型膜形成用製膜室、n型膜形
成用製膜室が含まれ、少なくともi型膜形成用製膜室は
本発明のCat−PECVD法を実現できる製膜室であ
ることが望ましい。
【0067】また、複数の真空室の少なくともひとつは
Cat−CVD法を実現できる製膜室であることが望ま
しい。これによって例えばCat−CVD法による水素
化アモルファスシリコン膜の高速・高品質製膜が可能と
なり、例えばタンデム型太陽電池のトップセルの光活性
層に水素化アモルファスシリコン膜を使用することが可
能となるなど、多層膜形成時の組み合わせ自由度を上げ
ることができる。Cat−CVD法による水素化アモル
ファスシリコン膜は、PECVD法によるそれよりも低
水素濃度とすることができることが知られており、より
光吸収特性に優れたより小さい光学的バンドギャップ特
性を実現することができる。また、水素化アモルファス
シリコン膜の長年の課題である光劣化特性も低く抑える
ことができるという利点もある。
【0068】また、複数の真空室の少なくともひとつは
PECVD法を実現できる製膜室であることが望まし
い。これによって例えば酸化物透明導電膜など原子状水
素の還元作用に弱い膜表面への膜堆積をこの還元作用を
できるだけ抑制した条件で実現することができるなど、
多層膜形成時の組み合わせ自由度を上げることができ
る。
【0069】また、複数の真空室には少なくとも前室が
含まれることが製膜室を大気開放させない目的で望まし
く、さらには、複数の真空室には少なくとも前室と後室
が含まれれば生産性向上の上でより望ましい。また、複
数の真空室には少なくとも加熱室が含まれることがやは
り生産性向上の上で望ましい。
【0070】上記複数の真空室の配置方法は、複数の真
空室を線状に連続に接続配列することもできるし、複数
の真空室を少なくともひとつ存在するコア室に接続する
ようにして星型に配置することもできる。
【0071】ここで、製膜室は、例えばガラス基板など
の基体を縦型に処理する縦型とするのが望ましい。縦型
とすることで、横型デポダウン方式で問題となる粉体等
の異物の落下付着の影響を受けにくくなり、また横型デ
ポアップ方式で問題となる基体の反りによる基体製膜面
での不均一温度分布の発生が起こりにくくなる。しかし
これらの問題が実際上問題とならない程度であればもち
ろん横型としても差し支えない。 =膜= 本発明のCat−PECVD法によれば、高速で高品質
な、しかも大面積にわたって膜厚・膜質ともに均一性の
高い膜形成が可能となるのであるが(ここで、高速かつ
高品質製膜についての効果は、本発明者らによる特願2
001―293031号、特願2002−38686号
に開示)、具体的には以下に述べる特にSi系膜あるい
はC系膜についてその効果が顕著に発揮される。
【0072】第1の例は、原料系ガスには分子式にSi
を含んだガスは含まれるが、分子式にCを含んだガスは
含まれず、非Si非C系ガスにはH2が含まれることに
よって形成されたSi系膜である。具体的には、例えば
原料系ガスにはSiH4を、非Si非C系ガスにはH2
用いると、既に上記した理由で高品質な水素化アモルフ
ァスシリコン膜や高品質な結晶質シリコン膜を、高速
で、しかも大面積にわたって膜厚・膜質の均一性が高い
状態で形成することができる。
【0073】本発明の方法によれば、水素化アモルファ
スシリコン膜中の水素濃度は15atomic%以下とするこ
とができる。より好ましくは10atomic%以下、さらに
好ましくは5atomic%以下とすることができ、これによ
って長年の課題であった水素化アモルファスシリコン膜
の光劣化の問題を大幅に低減することができ、該膜を太
陽電池に用いた場合に高い安定化効率を得ることができ
る。
【0074】また、本発明の方法によれば、結晶質シリ
コン膜中の水素濃度は10atomic%以下とすることがで
きる。より好ましくは5atomic%以下、さらに好ましく
は3.5atomic%以下とすることができ、これによって
後記する太陽電池の実施例の部分で述べる結晶粒界での
ポスト酸化現象に起因した特性の経時劣化現象を低減す
ることができる。すなわち膜中水素を5atomic%以下に
することで経時劣化率を数%程度以下に、膜中水素濃度
を3.5atomic%以下にすることで経時劣化率をほとん
どゼロにすることができる。
【0075】第2の例は、原料系ガスには分子式にSi
を含むガスと分子式にCを含むガスが含まれ、非Si非
C系ガスにはH2が含まれることによって形成されたS
i−C系膜である。具体的には、例えば原料系ガスには
SiH4とCH4を、非Si非C系ガスにはH2を用いる
と、既に上記した理由で高品質な水素化アモルファスシ
リコンカーバイド膜や高品質な結晶質シリコンカーバイ
ド膜を、高速で、しかも大面積にわたって膜厚・膜質の
均一性が高い状態で形成することができる。第3の例
は、原料系ガスには分子式にSiを含むガスが含まれ、
非Si非C系ガスにはH2が含まれ、分子式にNを含む
ガスは原料系ガスあるいは非Si非C系ガスの少なくと
もいずれかに含まれることによって形成されたSi−N
系膜である。具体的には、例えば原料系ガスにはSiH
4を、非Si非C系ガスにはH2を、Nを含むガスとして
NH3を用いると、既に上記した理由で高品質な水素化
アモルファスシリコン窒化膜や高品質な結晶質シリコン
窒化膜を、高速で、しかも大面積にわたって膜厚・膜質
の均一性が高い状態で形成することができる。
【0076】第4の例は、原料系ガスには分子式にSi
を含むガスが含まれ、非Si非C系ガスには分子式にO
を含むガスが含まれることによって形成されたSi−O
系膜である。具体的には、例えば原料系ガスにはSiH
4と必要ならH2を、非Si非C系ガスにはO2と必要な
らHeやArを用いると、既に上記した理由で高品質な
アモルファスシリコン酸化膜や高品質な結晶質シリコン
酸化膜を、高速で、しかも大面積にわたって膜厚・膜質
の均一性が高い状態で形成することができる。
【0077】第5の例は、原料系ガスには分子式にSi
を含むガスとGeを含むガスが含まれ、非Si非C系ガ
スにはH2が含まれることによって形成されたSi−G
e系膜である。具体的には、例えば原料系ガスにはSi
4とGeH4を、非Si非C系ガスにはH2を用いる
と、既に上記した理由で高品質な水素化アモルファスシ
リコンゲルマニウム膜や高品質な結晶質シリコンゲルマ
ニウム膜を、高速で、しかも大面積にわたって膜厚・膜
質の均一性が高い状態で形成することができる。
【0078】第6の例は、原料ガスには分子式にCを含
むガスが含まれ、非Si非C系ガスにはH2が含まれる
ことによって形成されたC系膜である。具体的には、例
えば原料系ガスにはCH4と必要であれば微量のO2を、
非Si非C系ガスにはH2を用いると、既に上記した理
由で高品質なアモルファスカーボン膜や高品質な結晶質
カーボン膜を、高速で、しかも大面積にわたって膜厚・
膜質の均一性が高い状態で形成することができる。具体
的には、ダイヤモンド膜やダイヤモンドライクカーボン
膜などの製膜を行うことができる。 =薄膜デバイス= 次に、本発明のCat−PECVD法で形成した上記膜
を薄膜デバイスに使用すれば、以下に挙げるような薄膜
デバイスを高性能かつ低コストで製造することができ
る。
【0079】第1の薄膜デバイス例は、光電変換装置で
あり、本発明のCat−PECVD法による膜を光活性
層に用いれば高性能な特性を、高速製膜、すなわち低コ
ストで実現することができる。特に光電変換装置の代表
格である太陽電池においては、本発明のCat−PEC
VD法の高速・高品質・大面積製膜特性が充分に発揮さ
れて高効率かつ低コストな薄膜太陽電池を製造すること
ができる。太陽電池以外でも、例えばフォトダイオード
やイメージセンサやX線パネルなどの光電変換機能を有
する装置でも同様な効果をもちろん得ることができる。
【0080】第2のデバイス例は、光受容体装置であ
り、本発明のCat−PECVD法による膜を光受容層
に用いれば高性能な特性を、高速製膜、すなわち低コス
トで実現することができる。特に感光ドラムにおけるシ
リコン系膜に用いると、数μmから数十μmに及ぶ比較
的厚いシリコン系膜を短時間のうちに高品質で形成でき
るので製造コスト低減に非常に効果的である。
【0081】第3のデバイス例は、表示用装置であり、
本発明のCat−PECVD法による膜を駆動膜に用い
れば高性能な特性を、高速製膜、すなわち低コストで実
現することができる。特に太陽電池に次ぐ大面積デバイ
スの代表例であるTFTにおけるアモルファスシリコン
膜や多結晶シリコン膜に用いると、太陽電池のところで
述べたのと同じ理由でその製造コスト低減に非常に効果
的である。TFT以外でも、例えばイメージセンサ、X
線パネルなどの表示機能を持つ装置でも同様な効果を得
ることができる。 =薄膜Si太陽電池= 以下、図12を用いて本発明によるデバイスとして、薄
膜Si太陽電池を取り上げてその実施形態を説明する。
図12中、11は透光性基板、12は第1の透明導電
膜、13は半導体多層膜、13aは第1の半導体接合
層、13bは第2の半導体接合層、14は第2の透明導
電膜、15aは第1の取り出し電極となる金属膜、15
bは第2の取り出し電極となる金属膜である。
【0082】まず、透光性基板11を用意する。透光性
基板11としては、ガラス、プラスチック、樹脂などを
材料とした板材あるいはフィルム材などを用いることが
できる。
【0083】次に、第1の透明導電膜12を形成する。
透明導電膜12の材料としては、SnO2、ITO、Z
nOなど公知の材料を用いることができるが、この後の
Si膜を形成するときに、SiH4とH2を使用すること
に起因した水素ガス雰囲気に曝されることになるので、
耐還元性に優れるZnO膜を少なくとも最終表面として
形成するのが望ましい。製膜方法としては、CVD法、
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法な
ど公知の技術を用いることができる。第1の透明導電膜
12の膜厚は、反射防止効果と低抵抗化を考慮して60
〜500nm程度の範囲で調節する。
【0084】次に、半導体多層膜13を形成する。ここ
では図にならって半導体膜がpinpin(あるいはn
ipnip)の構成で積層されたタンデム型を例にとっ
て説明するが、タンデム型に限らず半導体膜がpin
(あるいはnip)の構成で積層されたシングル接合
型、また、半導体膜がpinpinpin(あるいはn
ipnipnip)の構成で積層されたトリプル接合
型、あるいはそれ以上の多接合型素子構造についても本
実施例で述べる内容はもちろん適用可能である。
【0085】まず、水素化アモルファスシリコン膜を光
活性層に含む第1の半導体接合層13aを形成する。具
体的には、p型層(n型層)/光活性層/n型層(p型
層)構造とし(不図示)、光活性層はi型とするのが望
ましい。なお、上記表記は製膜順序を表し、下層/上層
を意味する。
【0086】ここで、p型層(n型層)については、水
素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン膜を含む
結晶質シリコン膜を用いることができる。膜厚は前記材
料に応じて2〜100nm程度の範囲で調節する。ドー
ピング元素濃度については1×1018〜1×1021/c
3程度として、実質的にはp+型(n+型)とする。な
お製膜時に用いるSiH4、H2、およびドーピング用ガ
スであるB26(PH 3)などのガスに加えてCH4など
のC(炭素)を含むガスを適量混合すればSi x1-x
が得られ、光吸収ロスの少ない窓層形成に非常に有効で
あるとともに、開放電圧向上のための暗電流成分低減に
も有効である。また、C以外にもO(酸素)を含むガス
やN(窒素)を含むガスを適量混合させることでも同様
な効果を得ることができる。ここで該シリコン膜の製膜
方法としては、従来から知られているPECVD法やC
at−CVD法を用いることができるが、もちろん本発
明の方法も用いることができる。
【0087】次に、光活性層については水素化アモルフ
ァスシリコン膜を用い、膜厚は0.1〜0.5μm程度
の範囲で調節する。導電型は基本的にはi型とするが、
内部電界強度分布の微調整を目的に、n-型(p-型)と
する場合もある(実際にはノンドープ膜であってもわず
かにn型特性を示すのが通例である)。ここで該水素化
アモルファスシリコン膜の製膜方法としては、従来から
知られているPECVD法やCat−CVD法を用いる
こともできるが、本発明の方法を用いれば、高品質な水
素化アモルファスシリコン膜を高速かつ大面積で、しか
も高い生産性をもって製膜することができるので、高効
率・低コスト薄膜Si太陽電池の製造にはとりわけ効果
的である。また、本発明によれば、膜中水素濃度を15
atomic%以下にすることができるが、より好ましくは、
従来のPECVD法では実現困難な10atomic%以下、
さらに好ましくは5atomic%以下の低水素濃度の膜が得
られるので、水素化アモルファスシリコン膜が長年抱え
ていた課題である光劣化の程度を低減することができ
る。
【0088】最後に、n型層(p型層)については、水
素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン膜を含む
結晶質シリコン膜を用いることができる。膜厚は材料に
応じて2〜100nm程度の範囲で調節する。ドーピン
グ元素濃度については1×1018〜1021/cm3程度
として、実質的にはn+型(p+型)とする。なお製膜時
に用いるSiH4、H2、およびドーピング用ガスである
PH3(B26)などのガスに加えてCH4などのC(炭
素)を含むガスを適量混合すればSix1-x膜が得ら
れ、光吸収ロスの少ない膜形成ができるとともに、開放
電圧向上のための暗電流成分の低減にも有効である。ま
た、C以外にもO(酸素)を含むガスやN(窒素)を含
むガスを適量混合させることでも同様な効果を得ること
ができる。ここで該シリコン膜の製膜方法としては、従
来から知られているPECVD法やCat−CVD法を
用いることができるが、もちろん本発明の方法も用いる
ことができる。
【0089】なお、接合特性をより改善するために、p
型層(n型層)と光活性層との間や光活性層とn型層
(p型層)との間に実質的にi型の非単結晶Si層や非
単結晶Six1-x層を挿入してもよい。このときの挿入
層の厚さは0.5〜50nm程度とする。
【0090】次に、結晶質シリコン膜を光活性層に含む
第2の半導体接合層13bを形成する。具体的にはp型
層(n型層)/光活性層/n型層(p型層)とし(不図
示)、光活性層はi型とするのが望ましい。
【0091】ここで、p型層(n型層)については、水
素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン膜を含む
結晶質シリコン膜を用いることができる。膜厚は材料に
応じて2〜100nm程度の範囲で調節する。ドーピン
グ元素濃度については1×1E18〜1E21/cm3
程度として、実質的にはp+型(n+型)とする。なお、
製膜時に用いるSiH4、H2、およびドーピング用ガス
であるB26(PH3)などのガスに加えてCH4などの
C(炭素)を含むガスを適量混合すればSix1-x膜が
得られ、光吸収ロスの少ない窓層形成に非常に有効であ
るとともに、開放電圧向上のための暗電流成分低減にも
有効である。また、C以外にもO(酸素)を含むガスや
N(窒素)を含むガスを適量混合させることでも同様な
効果を得ることができる。ここで該シリコン膜の製膜方
法としては、従来から知られているPECVD法やCa
t−CVD法を用いることができるが、もちろん本発明
の方法も用いることができる。
【0092】次に、光活性層については微結晶シリコン
膜に代表される結晶質シリコン膜を用い、膜厚は1〜3
μm程度の範囲で調節する。導電型は基本的にはi型と
するが、内部電界強度分布の微調整を目的に、n-
(p-型)とする場合もある。このとき、膜構造として
は、結晶面のうち(110)面が優先的に成長した結果
として生ずる(110)面配向の柱状結晶粒の集合体と
して製膜後の表面形状が光閉じ込めに適した自生的な凹
凸構造となるようにするのが望ましい。ここで該結晶質
シリコン膜の製膜方法としては、従来から知られている
PECVD法やCat−CVD法を用いることもできる
が、本発明の方法を用いれば、高品質な結晶質シリコン
膜を高速かつ大面積で、しかも高い生産性をもって製膜
することができるので、高効率・低コスト薄膜Si太陽
電池の製造にはとりわけ効果的である。また、本発明に
よれば、膜中水素濃度が10atomic%以下の結晶質シリ
コン膜を得ることができるが、より好ましくは5atomic
%以下、さらに好ましくは3.5atomic%以下の低水素
濃度の膜を得ることができる。
【0093】ここで、結晶質シリコン膜の場合、大部分
の水素は結晶粒界部分に存在しており、該水素のSiと
の結合状態とその密度が結晶粒界の品質(結晶粒界での
キャリア再結合速度の逆数に比例)を決定づける。すな
わち、結晶粒界に存在するSi原子1つにH原子が2つ
と他のSi原子が2つ結合した状態であるSiH2結合
の密度が大きいほど、いわゆるポスト酸化現象(製膜後
に膜が大気雰囲気に曝されると、大気中のO2、CO2
2Oなどの酸素を含んだガス成分が膜中結晶粒界に拡
散・吸着・酸化して結晶粒界の結合状態に変化をもたら
す)が生じやすく、結晶粒界の品質劣化に起因した膜全
体としての膜品質の経時劣化(すなわち特性の経時劣
化)を招来してしまうのであるが、膜中水素濃度が低く
なると、それに応じて結晶粒界のSiH2結合密度も低
減するので、前記したポスト酸化現象に起因した経時劣
化現象を低減することができる。具体的には、膜中水素
濃度を5atomic%以下にすると経時劣化率は数%程度以
下に抑えることができ、さらに膜中水素濃度を3.5at
omic%以下にすれば経時劣化率はほとんどゼロにするこ
とができる。この結果、より高効率な太陽電池を製造す
ることができる。
【0094】最後に、n型層(p型層)については、水
素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン膜を含む
結晶質シリコン膜を用いることができる。膜厚は材料に
応じて2〜100nm程度の範囲で調節する。ドーピン
グ元素濃度については1×1018〜1021/cm3程度
として、実質的にはn+型(p+型)とする。なお製膜時
に用いるSiH4、H2、およびドーピング用ガスである
PH3(B26)などのガスに加えてCH4などのC(炭
素)を含むガスを適量混合すればSix1-x膜が得ら
れ、光吸収ロスの少ない膜形成ができるとともに、開放
電圧向上のための暗電流成分の低減にも有効である。ま
た、C以外にもO(酸素)を含むガスやN(窒素)を含
むガスを適量混合させることでも同様な効果を得ること
ができる。ここで該シリコン膜の製膜方法としては、従
来から知られているPECVD法やCat−CVD法を
用いることができるが、もちろん本発明の方法も用いる
ことができる。
【0095】なお、接合特性をより改善するためにp型
層(n型層)と光活性層の間や光活性層とn型層(p型
層)の間に実質的にi型の非単結晶Si層を挿入しても
よい。このときの挿入層の厚さは0.5〜50nm程度
とする。
【0096】次に、第2の透明導電膜14を形成する。
透明導電膜材料としては、金属酸化物材料としてのSn
2、ITO、ZnOなどを用いることができる。製膜
方法としては、CVD法、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、およびゾルゲル法など公知の
技術を用いることができる。なお、該第2の透明導電膜
14は、特に高効率化を求めない場合は省略することが
できる。
【0097】最後に、取り出し電極1および取り出し電
極2となる金属膜15aおよび金属膜15bを形成す
る。金属材料としては、導電特性および光反射特性に優
れるAl、Agなどを用いるのが望ましい。製膜方法と
しては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、スクリーン印刷法などの公知の技術を使用でき
る。電極パターンについては、マスキング法、リフトオ
フ法などを用いて所望のパターンに形成することができ
る。このとき膜厚は、0.1μm程度以上とする。な
お、金属膜15aと第2の透明導電膜14、あるいは金
属膜15bと第1の透明導電膜12との間の接着強度が
弱い場合は、Tiなどの酸化しやすい金属薄膜を厚さ1
〜10nm程度で上記2つの膜の間に介在させるように
するとよい。
【0098】なお、変換効率をさらに向上させる目的で
光閉じ込め構造を導入する場合は、特願2002−78
196号に述べたような構造を採用することができる。
すなわち、第1の透明導電膜と半導体多層膜との界面の
凹凸の最大高さRmaxが、前記第2の透明導電膜と金
属膜との界面の凹凸の最大高さRmaxよりも小さいこ
とを特徴とする構造としたり(このとき、第1の透明導
電膜と半導体多層膜との界面の凹凸の最大高さRmax
は0.08μm以下であることが望ましく、また、第2
の透明導電膜と金属膜との界面の凹凸の最大高さRma
xは0.05μm以上であることが望ましい)、また、
半導体多層膜と第2の透明導電膜との界面の凹凸の最大
高さRmaxが、前記第1の透明導電膜と半導体多層膜
との界面の凹凸の最大高さRmaxよりも大きく、か
つ、前記第2の透明導電膜と金属膜との界面の凹凸の最
大高さRmaxよりも小さいことを特徴とする構造とし
たり、さらには、透光性基板と第1の透明導電膜との界
面が凹凸構造を有していることを特徴とする構造とする
ことによって、効果的な光閉じ込め構造を形成すること
ができるので、光電流密度が増大し、より高い変換効率
を実現できる。
【0099】以上、本発明によれば、高品質なSi薄膜
を、高速かつ大面積に、しかも高い生産性をもって製膜
することができるので、高効率かつ低コストな薄膜Si
太陽電池を製造することができる。
【0100】
【発明の効果】請求項1のCat−PECVD法によれ
ば、分子式にSiおよび/またはCを含むガスを含んだ
原料系ガスと、ガス導入経路に配設された熱触媒体によ
って加熱される分子式にSiとCを含まないガスからな
る非Si非C系ガスとが、それぞれ分離された状態で、
製膜空間に設置された中空構造を有したアンテナ電極の
中空部を通って該アンテナ電極に設けられた複数のガス
噴出口から前記製膜空間に噴出され、該製膜空間に噴出
されて混合したガスは、高周波電源に接続された前記ア
ンテナ電極によって生成されたプラズマによって分解・
活性化されて、前記製膜空間において前記アンテナ電極
に対向して配置された基体に膜が堆積されるものであ
り、アンテナ電極は複数個並列配置されてアレイ状アン
テナ電極ユニットを成しているとともに、そのアレイ面
が重力方向と平行になるように縦型配置されているの
で、Si系膜やC系膜の高速・高品質製膜を、大面積に
わたって均一膜厚かつ均質膜質で実現することができ
る。しかも、例えば基体ガラス基板などを用いる場合
は、ガラス基板の搬送を縦型で行えるのでガラス基板の
撓みの問題も生ずることなく取り扱いが非常に容易とな
る。さらに、この場合、アレイ状アンテナ電極ユニット
そのものの撓みの問題も生じない。
【0101】請求項2のCat−PECVD法によれ
ば、アレイ状アンテナ電極ユニット両面での同時製膜が
可能となり装置の生産性を倍増することができる。
【0102】請求項3のCat−PECVD法によれ
ば、製膜中の基体製膜面温度を制御することができ高品
質製膜がより実現しやすくなる。
【0103】請求項4のCat−PECVD法によれ
ば、複数のアレイ状アンテナ電極ユニットによる同時製
膜が可能となり、前記したアレイ状アンテナ電極ユニッ
トひとつでの両面同時製膜を考え合わせると、例えばア
レイ状アンテナ電極ユニットが2組平行配置されれば4
面同時製膜が可能となり、さらに3組平行配置されれば
6面同時製膜、4組平行配置されれば8面同時製膜・・
・というようにアレイ状アンテナ電極ユニットの平行配
置数を増やしていけば製膜装置としての生産性を一挙に
数倍以上にまで高めることができる。
【0104】また、請求項5〜13の膜、および請求項
14〜16の薄膜デバイスによれば、大面積にわたって
膜厚・膜質の均一性が高く、高性能で且つ迅速に製造が
可能なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
装置例を模式的に説明する断面図である。
【図2】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
装置例(製膜室内壁面にヒータを設置した例)を模式的
に説明する断面図である。
【図3】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
アンテナ電極配置例を模式的に説明する図であり、基体
の製膜面をみた断面図である。
【図4】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
アンテナ電極配置例を模式的に説明する図であり、アン
テナ電極の中心軸方向からみた断面図である。
【図5】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
熱触媒体内蔵アンテナ電極例を模式的に説明する図であ
り、アンテナ電極の中心軸方向を縦とした場合の縦断面
図である。
【図6】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
熱触媒体内蔵アンテナ電極例を模式的に説明する斜視図
である。
【図7】本発明に係るCat−PECVD法を実現する
熱触媒体内蔵アンテナ電極例(熱触媒体2本を内蔵)を
模式的に説明する断面図である。
【図8】本発明に係る膜処理システムを模式的に説明す
る構成図である。
【図9】従来のPECVD装置例を模式的に説明する断
面図である。
【図10】従来のCat−CVD装置例を模式的に説明
する断面図である。
【図11】Cat−PECVD装置例を模式的に説明す
る断面図である。
【図12】本発明に係る薄膜デバイス例を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
101:原料系ガス導入口 102:非Si非C系ガス導入口 103:熱触媒体 104:熱触媒体加熱用電源 105:プラズマ 106a:熱触媒体内蔵アンテナ電極 106b:熱触媒体非内蔵アンテナ電極 107:高周波電源 107a:高周波電源 107b:高周波電源 108a:位相変換器 108b:電力分配器 108c:位相変換器 108d:電力分配器 109:基体 109a:基体 109b:基体 110:基体加熱ヒーター 111a:熱触媒体内蔵アンテナ電極ガス噴出口 111b:熱触媒体非内蔵アンテナ電極ガス噴出口 112:絶縁部材 113:チャンバー 114a:中空部(非Si非C系ガス経路) 114b:中空部(原料系ガス経路) 115:内壁面ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/04 W Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 BA09 BA29 BA30 BB04 CA06 CA07 FA01 FA17 KA49 LA16 5F045 AA08 AB04 AC01 AC11 BB02 BB08 BB09 CA13 CA15 CA16 EF01 EF03 EF08 EH02 EH04 EH05 5F051 AA05 AA16 CA02 CA03 CA04 CA15 DA04 DA15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子式にSiおよび/またはCを含むガ
    スを含んだ原料系ガスと、ガス導入経路に配設された熱
    触媒体によって加熱される分子式にSiとCを含まない
    ガスからなる非Si非C系ガスとが、それぞれ分離され
    た状態で、製膜空間に設置された中空構造を有したアン
    テナ電極の中空部を通って該アンテナ電極に設けられた
    複数のガス噴出口から前記製膜空間に噴出され、該製膜
    空間に噴出されて混合したガスは、高周波電源に接続さ
    れた前記アンテナ電極によって生成されたプラズマによ
    って分解・活性化されて、前記製膜空間において前記ア
    ンテナ電極に対向して配置された基体に膜が堆積される
    Cat−PECVD法であって、前記アンテナ電極は複
    数個並列配置されてアレイ状アンテナ電極ユニットを成
    しているとともに、そのアレイ面が重力方向と平行にな
    るように縦型配置されていることを特徴とするCat−
    PECVD法。
  2. 【請求項2】 前記基体はアレイ状アンテナ電極ユニッ
    トの両側に配置されることを特徴とする請求項1に記載
    のCat−PECVD法。
  3. 【請求項3】 前記基体のアレイ状アンテナ電極ユニッ
    トに対面する面とは反対側の面には基体加熱ヒーターが
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載のCa
    t−PECVD法。
  4. 【請求項4】 前記アレイ状アンテナ電極ユニットは、
    1製膜室に複数個存在し、且つ各ユニットはそれぞれの
    アレイ面が平行になるように配置されており、それぞれ
    のアレイ状アンテナ電極ユニットによる両面同時製膜が
    行える装置構成となっていることを特徴とする請求項1
    に記載のCat−PECVD法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のCat
    −PECVD法によって形成されたことを特徴とする
    膜。
  6. 【請求項6】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式に
    Siを含んだガスは含まれるが分子式にCを含んだガス
    は含まれず、前記非Si非C系ガスにはH2が含まれる
    ことによって形成されたSi系膜であることを特徴とす
    る請求項5に記載の膜。
  7. 【請求項7】 前記Si系膜は水素化アモルファスSi
    膜であり、該膜中の水素濃度は15atomic%以下である
    ことを特徴とする請求項6に記載の膜。
  8. 【請求項8】 前記Si系膜は結晶質Si膜であり、該
    膜中の水素濃度は10atomic%以下であることを特徴と
    する請求項6に記載の膜。
  9. 【請求項9】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式に
    Siを含むガスと分子式にCを含むガスが含まれ、前記
    非Si非C系ガスにはH2が含まれることによって形成
    されたSi−C系膜であることを特徴とする請求項5に
    記載の膜。
  10. 【請求項10】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式
    にSiを含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガスには
    2が含まれ、原料系ガスあるいは非Si・非C系ガス
    の少なくともいずれかに分子式にNを含むガスが含まれ
    ることによって形成されたSi−N系膜であることを特
    徴とする請求項5に記載の膜。
  11. 【請求項11】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式
    にSiを含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガスには
    分子式にOを含むガスが含まれることによって形成され
    たSi−O系膜であることを特徴とする請求項5に記載
    の膜。
  12. 【請求項12】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式
    にSiを含むガスとGeを含むガスが含まれ、前記非S
    i非C系ガスにはH2が含まれることによって形成され
    たSi−Ge系膜であることを特徴とする請求項5に記
    載の膜。
  13. 【請求項13】 前記膜は、前記原料系ガスには分子式
    にCを含むガスが含まれ、前記非Si非C系ガスにはH
    2が含まれることによって形成されたC系膜であること
    を特徴とする請求項5に記載の膜。
  14. 【請求項14】 請求項5に記載の膜を備えたことを特
    徴とする薄膜デバイス。
  15. 【請求項15】 前記薄膜デバイスが、光電変換装置、
    光受容体装置、表示用装置であることを特徴とする請求
    項14に記載の薄膜デバイス。
  16. 【請求項16】 請求項1における基体は、平板状、円
    筒状、あるいはフィルム状であることを特徴とする請求
    項14に記載の薄膜デバイス。
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