JP2003347105A - 有機質正特性サーミスタ - Google Patents

有機質正特性サーミスタ

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JP2003347105A
JP2003347105A JP2002150220A JP2002150220A JP2003347105A JP 2003347105 A JP2003347105 A JP 2003347105A JP 2002150220 A JP2002150220 A JP 2002150220A JP 2002150220 A JP2002150220 A JP 2002150220A JP 2003347105 A JP2003347105 A JP 2003347105A
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Yukie Yoshinari
由紀江 吉成
Norihiko Shigeta
徳彦 繁田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性粒子として金属粒子を用いることによ
り、室温抵抗を低くし、かつ、抵抗値の変化率を十分に
大きくした有機質正特性サーミスタにおいて、高温、高
湿等の悪条件下での保存による特性劣化を抑える。 【解決手段】 高分子有機化合物を含むマトリックスと
金属粒子とが含有されるサーミスタ素体を有する有機質
正特性サーミスタであって、前記金属粒子の表面に、導
電性をもつ非金属粒子からなる非金属粉末が付着してい
る有機質正特性サーミスタ。非金属粒子としては、たと
えばカーボンブラックが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度センサーや過
電流保護素子として用いられ、温度上昇とともに抵抗値
が増大するPTC(positive temperature coefficient
of resistivity)特性を有する有機質正特性サーミス
タに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性の高分子からなるマトリックス中
に導電性粒子を分散させた有機質正特性サーミスタはこ
の分野では公知であり、米国特許第3,243,753
号明細書および同第3,351,882号明細書等に開
示されている。抵抗値の増大は、結晶性高分子が融解に
伴って膨張することにより、連なった導電性粒子からな
る導電経路が切断されるためと考えられている。
【0003】有機質正特性サーミスタは、過電流・過熱
保護素子、自己制御型発熱体、温度センサー等に利用す
ることができる。これらに要求される特性としては、非
動作時の抵抗値(室温抵抗値)が十分低いこと、室温抵
抗値と動作時の抵抗値との比(抵抗変化率)が十分大き
いこと、繰り返し動作による抵抗値の変化が小さいこと
が挙げられる。
【0004】有機質正特性サーミスタの導電性粒子とし
ては、カーボンブラックや黒鉛などの炭素系粒子が用い
られることが多い。しかし、炭素系粒子を用いて非動作
時の抵抗値を低くしようとすると、マトリックス中に大
量の炭素系粒子を分散させなければならない。そのた
め、抵抗値の変化率を十分に大きくすることが困難とな
るので、過電流・過熱保護素子としての十分な特性が得
られないという問題がある。
【0005】ただし、この問題は、炭素系粒子よりも比
抵抗の小さい金属粒子を用いることで解決できる。たと
えば本発明者らは、スパイク状の突起をもつ金属粒子を
用いることで低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが両立
できることを、特開平10−214705号公報および
特開平11−168005号公報で提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属粒子を用
いた有機質正特性サーミスタは、高温、高湿等の悪条件
下での保存により室温抵抗が上昇してしまうなど、高い
信頼性が得られにくいことが本発明者らの研究により判
明した。この特性劣化の原因としては、保存中に金属粒
子の表面が酸化して導電率が低下すること、保存中に金
属粒子の凝集が進み、一部の導電パスが切断されるこ
と、などが考えられる。
【0007】本発明の目的は、導電性粒子として金属粒
子を用いることにより、室温抵抗を低くし、かつ、抵抗
値の変化率を十分に大きくした有機質正特性サーミスタ
において、高温、高湿等の悪条件下での保存による特性
劣化を抑えることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記(1)〜
(4)の本発明により達成される。 (1) 高分子有機化合物を含むマトリックスと金属粒
子とが含有されるサーミスタ素体を有する有機質正特性
サーミスタであって、前記金属粒子の表面に、導電性を
もつ非金属粒子からなる非金属粉末が付着している有機
質正特性サーミスタ。 (2) 前記非金属粉末が、金属粒子全体に対し0.1
〜10質量%含有されている上記(1)の有機質正特性
サーミスタ。 (3) 前記非金属粉末がカーボンブラックである上記
(1)または(2)の有機質正特性サーミスタ。 (4) 前記金属粒子がスパイク状の突起を有する上記
(1)〜(3)のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
【0009】
【作用および効果】本発明の有機質正特性サーミスタ
は、有機材料からなるマトリックス中に導電性粒子とし
て金属粒子が分散したサーミスタ素体を有する。
【0010】本発明では、サーミスタ素体中に、導電性
をもつ非金属粒子からなる非金属粉末を、金属粒子の表
面を覆うように存在させる。金属粒子表面を非金属粉末
で被覆することにより、金属粒子表面の酸化を防ぐこと
ができるため、保存時の特性劣化、特に高温・高湿条件
下での保存による特性劣化を抑えることができる。しか
も、この非金属粉末は導電性をもつため、金属粒子を用
いることによる効果、すなわち低い室温抵抗および大き
な抵抗変化率、が損なわれることはない。したがって本
発明では、室温抵抗が低く、抵抗変化率が大きく、しか
も信頼性の高い有機質正特性サーミスタが実現する。
【0011】ところで、金属粒子の粒径が小さければ、
サーミスタ素体中において金属粒子同士の接触点が多く
なる。そのため、金属粒子の粒径を小さくすれば、サー
ミスタ素体中の金属粒子充填量を増やさなくても室温抵
抗値を低くでき、また、サーミスタ動作後に降温したと
きに金属粒子同士が近接する確率が高くなるので、抵抗
値が元に戻りやすいという利点もある。しかし、金属粒
子は粒径が小さいほど凝集しやすく、また、マトリック
スとなる有機材料への濡れ性が悪くなり、その結果、マ
トリックス中に均一に分散させることが困難となる。し
たがって、微細な金属粒子を用いると、室温抵抗にばら
つきが生じやすく、特性の揃ったサーミスタを量産する
ことが困難となる。これに対し、表面を上記非金属粉末
で被覆した金属粒子は、凝集しにくく、かつ、有機材料
への濡れ性が良好であるため、本発明では微細な金属粒
子を使用して、特性の揃ったサーミスタの量産が可能と
なる。
【0012】また、有機質正特性サーミスタに繰り返し
熱衝撃を与えた場合、マトリックスの膨張と収縮とが繰
り返し生じるため、マトリックスと金属粒子との界面が
不安定となり、サーミスタ特性の劣化、特に室温抵抗の
増大を招く。これに対し、非金属粉末で被覆することに
より金属粒子の濡れ性を向上させれば、熱衝撃の繰り返
しによる室温抵抗増大を抑えることができる。
【0013】また、本発明により、サーミスタ素体の製
造が容易となる。金属粒子、特にスパイク状の突起を有
する金属粒子からなる金属粉末は、嵩密度が低いので嵩
高い。室温抵抗を低くするためにはサーミスタ素体中に
おける金属粒子の充填密度を高くする必要があるが、嵩
高い金属粉末とマトリックス材料とを混練することは困
難である。これに対し、非金属粉末で被覆した金属粒子
からなる粉末は、非金属粉末で被覆しない金属粒子から
なる粉末よりも嵩密度が高くなる。具体的には、スパイ
ク状の突起をもつ金属粒子からなる金属粉末(商品名I
NCO Type 210(インコ社製))は嵩密度が
約0.8g/cm3であるが、非金属粉末で被覆することに
より嵩密度が1.909g/cm3まで増大する。そのた
め、金属粒子を非金属粉末で被覆すれば、濡れ性向上と
嵩密度増大とによってマトリックス材料との混練が容易
となり、また、均一性の高い混練物が得られるので、室
温抵抗が低く、そのばらつきが小さいサーミスタを、容
易に製造することが可能となる。
【0014】以上のように本発明によれば、十分に低い
室温抵抗値が得られ、動作時の抵抗変化率が十分に大き
く、特性ばらつきが小さく、サーミスタ特性の経時安定
性に優れた有機質正特性サーミスタが実現する。本発明
の有機質正特性サーミスタは、室温での比抵抗が10-4
〜10-2Ω・cm程度と低く、動作時における抵抗の立ち
上がりが急峻であり、非動作時と動作時とで抵抗値が6
桁以上変化する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の有機質正特性サーミスタ
の構成例を図1に示す。このサーミスタは、サーミスタ
素体2と、これを挟んで設けられた一対の電極3、3と
を有する。図示例はサーミスタの断面形状の一例を示し
たものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
変形が可能である。また、サーミスタの平面形状も特に
限定されず、要求される特性や仕様に応じ、円形、四角
形、その他最適な形状から適宜選択すればよい。
【0016】本発明においてサーミスタ素体2は、有機
高分子化合物を含むマトリックス中に、金属粒子が分散
した構成をもつ。金属粒子の表面には、導電性をもつ非
金属粒子からなる非金属粉末が付着している。
【0017】以下、本発明のサーミスタ各部の構成およ
び製造方法について説明する。
【0018】金属粒子 サーミスタ素体中に分散させる金属粒子としては、銅、
アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、
銀、亜鉛、コバルト等が用いられるが、中でもニッケ
ル、銅が好ましい。
【0019】金属粒子の形状は、球状、フレーク状、棒
状等のいずれであってもよいが、表面にスパイク状の突
起を有する形状が特に好ましい。スパイク状の突起を有
する金属粒子では、その表面形状によりトンネル電流が
流れやすくなるため、突起のない球状の金属粒子よりも
室温抵抗を低減できると考えられる。また、スパイク状
の突起をもつ金属粒子は球状粒子に比べ、マトリックス
中において隣接粒子間の距離が大きくなるため、抵抗変
化率を大きくすることができる。
【0020】スパイク状の突起を有する金属粒子は、1
個、1個がスパイク状の鋭利な突起を複数もつ一次粒子
から構成される。この突起は、円錐状であって、粒径の
1/3〜1/50の高さをもち、粒子1個あたりの突起
の数は、10〜500個であることが好ましい。このよ
うな金属粒子は、1個、1個が個別に存在する粉体であ
ってもよいが、一次粒子が10〜1000個程度鎖状に
連なって二次粒子を構成していることが好ましい。ただ
し、鎖状の二次粒子と一次粒子との混在物であってもよ
い。
【0021】一次粒子からなる前者の例としては、スパ
イク状の突起をもつ球状のニッケルパウダがあり、商品
名INCO Type 123ニッケルパウダ(インコ
社製)として市販されており、その平均粒径は3〜7μ
m程度、嵩密度は1.8〜2.7g/cm3程度、比表面積
は0.34〜0.44m2/g程度である。
【0022】二次粒子を主体とする後者の例としては、
フィラメント状ニッケルパウダがあり、商品名INCO
Type 210、255、270、287ニッケル
パウダ(インコ社製)として市販されており、このうち
INCO Type 210,255が好ましい。そし
て、その一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.1μm
以上、より好ましくは0.2μm以上4.0μm以下程度
である。これらのうち、一次粒子の平均粒径は0.5μ
m以上3.0μm以下が最も好ましく、これに平均粒径
0.1μm以上0.4μm未満のものを50質量%以下混
合してもよい。また、嵩密度は0.3〜1.0g/cm3
程度、比表面積は0.4〜2.5m2/g程度である。前
述したように、本発明は金属粒子の平均粒径が小さい場
合に特に有効であり、上記フィラメント状ニッケルパウ
ダの場合では、一次平均粒径が0.1〜3μmである場
合に特に有効である。
【0023】なお、上記した平均粒径は、フィッシャー
・サブシーブ法で測定した値である。
【0024】このような金属粒子については、特開平5
−47503号公報、米国特許第5378407号明細
書に記載されている。
【0025】サーミスタ素体中における金属粒子の含有
量は、25〜50体積%であることが好ましい。金属粒
子の含有量が少なくなると、非動作時の室温抵抗を十分
低くすることが困難となる。一方、金属粒子の含有量が
多くなると、動作時の抵抗変化率を大きくすることが困
難となり、また、マトリックス中に金属粒子を均一に分
散させることが困難になって安定した特性が得られにく
くなる。
【0026】非金属粒子 金属粒子表面を被覆するように存在する非金属粉末は、
導電性の非金属粒子から構成される。
【0027】導電性の非金属粒子としてはカーボンブラ
ックが好ましく、特にチャネルブラックおよび/または
ファーネスブラックが好ましい。これらのカーボンブラ
ックは、市販品を用いることができる。市販品として
は、たとえば、三菱化学株式会社製の商品名#305
0、#3150、#3250、#3750、#395
0、MA100、MA7、#1000、#2400B、
#30、MA77、MA8、#650、MA11、#5
0、#52、#45、#2200B、MA600等、東
海カーボン株式会社製のシースト9H、シースト7H、
シースト6、シースト3H、シースト300、シースト
FMが挙げられる。
【0028】非金属粒子の平均粒径は、前記した作用効
果を実現できるように適宜決定すればよいが、具体的に
は2〜50nm、特に2〜35nmであることが好ましい。
平均粒径が小さすぎると、取り扱いが困難となる。一
方、平均粒径が大きすぎると、後述する方法により金属
粒子表面に非金属粒子を付着させることが困難となる結
果、前記した本発明の作用効果が実現しにくくなる。
【0029】非金属粒子の含有量は、前記金属粒子から
なる金属粉末に対し0.1〜10質量%、特に0.1〜
5質量%であることが好ましい。非金属粒子の含有量が
少なすぎると、本発明の作用効果が実現しにくくなる。
一方、含有量が多すぎると、金属粒子表面に付着しない
非金属粒子が多くなる。すなわち、サーミスタ素体中に
独立して存在する非金属粒子が多くなる。そのため、金
属粒子を用いることの優位性が損なわれる。すなわち、
室温抵抗値を低くでき、また、限流動作時の抵抗変化率
を大きくできる、という特性が損なわれる。
【0030】非金属粉末は、金属粒子表面の少なくとも
一部、好ましくは全部を被覆していることが好ましい。
金属粒子表面における非金属粉末からなる被覆層の厚さ
は、好ましくは0.1〜100nmの範囲内、より好まし
くは1〜50nmの範囲内であることが望ましい。
【0031】非金属粉末により金属粒子表面を被覆する
方法は特に限定されず、前記した作用効果が実現できる
方法であればよいが、好ましくは、金属粒子表面に形成
した接着層により非金属粒子を固着させる方法が好まし
い。このような方法としては、特開平11−24281
2号公報に記載された方法が利用できる。具体的には、
まず、アルコキシシラン溶液と金属粒子とを十分に混合
し、次いで、非金属粒子を添加して十分に混合した後、
乾燥させることにより、オルガノシラン化合物からなる
被膜を有し、この被膜に非金属粒子が固着している金属
粒子が得られる。
【0032】この方法において用いるアルコキシシラン
としては、たとえばメチルトリエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシランが好ましい。
【0033】高分子有機化合物(マトリックス) マトリックスは高分子有機化合物からなるか、またはこ
れを主成分として含有する。この高分子有機化合物は、
熱硬化性高分子であってもよいが、熱可塑性高分子であ
ることが好ましい。
【0034】マトリックスに使用可能な熱可塑性高分子
としては、ポリオレフィン(たとえばポリエチレン)、
オレフィン系コポリマー(たとえばエチレン−酢酸ビニ
ルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー)、ハ
ロゲン系ポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリア
クリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリアセタ
ール、熱可塑性変性セルロース、ポリスルホン類、熱可
塑性ポリエステル(PET等)、ポリエチルアクリレー
ト、ポリメチルメタアクリレート等が挙げられる。
【0035】具体的には、高密度ポリエチレン[たとえ
ば、商品名ハイゼックス2100JP(三井石油化学
製)、商品名Marlex6003(フィリップス社
製)、商品名HY540(日本ポリケム製)]、低密度
ポリエチレン[たとえば、商品名LC500(日本ポリ
ケム製)、商品名DYNH−1(ユニオンカーバイド社
製)]、中密度ポリエチレン[たとえば、商品名260
4M(ガルフ社製)]、エチレン−エチルアクリレート
コポリマー[たとえば、商品名DPD6169(ユニオ
ンカーバイド社製)]、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ー[たとえば、商品名LV241(日本ポリケム
製)]、エチレン−アクリル酸コポリマー[たとえば、
商品名EAA455(ダウケミカル社製)]、アイオノ
マー[たとえば、商品名ハイミラン1555(三井・デ
ュポンポリケミカル社製)]、ポリフッ化ビニリデン
[たとえば、商品名Kynar461(エルフ・アトケ
ム社製)]、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー[たとえば、
商品名KynarADS(エルフ・アトケム社製)]な
どが挙げられる。
【0036】これらの中でも、ポリオレフィンが好まし
く、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとして
は、高密度、直鎖状低密度および低密度の各グレードを
用いることができるが、中でも高密度ポリエチレンおよ
び直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0037】熱可塑性高分子は、メタロセン触媒、すな
わち有機金属化合物のメタロセンを主成分にした触媒を
用いて合成された結晶性高分子であることが好ましい。
この結晶性高分子を用いることにより、昇温時と降温時
においてヒステリシスの小さい温度特性を得ることがで
きる。
【0038】本発明でいうメタロセン触媒とは、サンド
イッチ化合物の一種で、ビス(シクロペンタジエニル)
金属錯体系の触媒をいう。このようなメタロセン系触媒
は、通常、たとえばシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を少なくとも1個有する周期律表第4、5、6族
の遷移金属化合物からなるメタロセン触媒成分(a)、
有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および微
粒子状担体(c)と、必要に応じて添加される有機アル
ミニウム化合物触媒成分(d)およびイオン化イオン性
化合物触媒成分(e)とから構成される。
【0039】メタロセン触媒成分(a)としては、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個
有する周期律表第4、5、6族の遷移金属化合物が好ま
しく、具体的には、たとえば下記の一般式[I]で示さ
れる遷移金属化合物が好ましい。
【0040】ML1x・・・[I] 式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、好
ましくは周期律表第4族から選ばれる遷移金属原子であ
り、具体的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムで
ある。中でも、ジルコニウムおよびチタンが好ましい。
【0041】L1は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち、少なくとも1個の配位子L1
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。
遷移金属原子Mに配位するシクロペンタジエニル骨格を
有する配位子L1としては、具体的には、シクロペンタ
ジエニル基等のアルキル置換シクロペンタジエニル基、
あるいはインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基
は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換さ
れていてもよい。
【0042】上記一般式[I]で表わされる化合物がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン
基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニル
シリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレ
ン基などを介して結合されていてもよい。
【0043】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)としては、アルミノオキサンが好ましく用いられ
る。具体的には、式−Al(R)O−[ただし、Rはア
ルキル基である]で表わされる繰り返し単位が通常3〜
50程度のメチルアルミノオキサン、エチルアルミノオ
キサン、メチルエチルアルミノオキサン等が用いられ
る。また、鎖状の化合物の他、環状の化合物も用いるこ
とができる。
【0044】オレフィン重合用触媒の調製で用いられる
微粒子状担体(c)は、無機あるいは有機の化合物であ
って、粒径が通常10〜300μm程度であり、好まし
くは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の固体で
ある。
【0045】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2
TiO2等を例示することができる。オレフィン重合用
触媒の調製において必要に応じて用いられる有機アルミ
ニウム化合物触媒成分(d)としては、具体的には、ト
リメチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニ
ウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド等の
アルキルアルミニウムセスキハライドなどを例示するこ
とができる。
【0046】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、たとえば米国特許第5,321,106号明細
書に記載されたトリフェニルボロン、MgCl2、Al2
3、SiO2−Al23等のルイス酸;トリフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート等のイオン性化合物;ドデカボラン、ビスn-ブチル
アンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート等のカルボラ
ン化合物が挙げられる。
【0047】上記メタロセン触媒を用いて熱可塑性高分
子を製造するには、この触媒の存在下において、気相ま
たは液相(スラリー状もしくは溶液状)で原材料を重合
させる。
【0048】メタロセン触媒を用いて製造した熱可塑性
高分子としては、エチレン系ポリマー(エチレンの単独
重合体、エチレンと炭素数3〜20程度のα−オレフィ
ンまたは環状オレフィンとの共重合体、プロピレンの単
独重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
等)やスチレン系ポリマーが挙げられる。これらのなか
ではエチレン系ポリマーが好ましく、特に、エチレンと
α−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)が好ましい。
【0049】この直鎖状低密度ポリエチレンは、好まし
くはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと
を共重合させることにより得られる。このα-オレフィ
ンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセンなどが挙げられる。これらの
中では、炭素原子数4〜10のα-オレフィン、特に炭
素原子数4〜8のα-オレフィンが好ましい。上記のよ
うなα-オレフィンは、単独で、または2種以上組合わ
せて用いることができる。
【0050】本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチ
レンは、エチレンから導かれる構成単位が50質量%以
上100質量%未満、好ましくは75〜99質量%、さ
らに好ましくは80〜95質量%、特に好ましくは85
〜95質量%の量で存在し、炭素原子数3〜20のα-
オレフィンから導かれる構成単位が50質量%以下、好
ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質
量%、特に好ましくは5〜15質量%の量で存在するこ
とが望ましい。また、この直鎖状低密度ポリエチレンの
密度は、好ましくは0.900〜0.940g/cm3、よ
り好ましくは0.910〜0.930g/cm3である。ま
た、この直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレー
ト(MFR;ASTMD1238,190℃、荷重2.16kg)は、好ま
しくは0.05〜20g/10分、より好ましくは0.1
〜10g/10分である。この直鎖状低密度ポリエチレン
の分子量分布は、狭いことが好ましく、分子量分布の尺
度であるMw/Mnは6以下、さらに好ましくは4以下で
ある。Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量であ
り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(G
PC)法で測定される。また、この直鎖状低密度ポリエ
チレンの長鎖分岐数は、主鎖の炭素数に対して、5/1
000炭素数以下、さらに1/1000炭素数以下が好
ましい。長鎖分岐数は、13C−NMR法で測定される。
【0051】低分子有機化合物(マトリックス) マトリックス中には、低分子有機化合物が含有されてい
てもよい。通常の有機質正特性サーミスタは、昇温によ
り高分子有機マトリックスが膨張すると素子が動作(抵
抗値が上昇)する。結晶性高分子では、分子量や結晶化
度を変更することによって、またコモノマーとの共重合
によって、その融点を変化させることができ、これによ
り動作温度を変化させることができるが、その際、結晶
状態の変化を伴うため、十分なPTC特性が得られない
ことがある。このことは、動作温度を100℃以下に設
定する場合に特に顕著になる傾向がある。これに対し、
高分子有機化合物と、これとは融点の異なる低分子有機
化合物とを併用すれば、PTC特性に悪影響を与えずに
動作温度を簡単に制御できる。
【0052】また、低分子有機化合物は一般に高分子有
機化合物に比べ結晶化度が高いため、低分子有機化合物
を含有させれば、昇温により抵抗値が増大する際の立ち
上がりが急峻になる。
【0053】さらに、高分子有機化合物は過冷却状態を
とりやすいため、降温時において抵抗値が復帰する温度
が昇温時の動作温度より低くなるというヒステリシスを
示すが、低分子有機化合物を用いることでこのヒステリ
シスを抑えることができる。
【0054】本発明に用いる低分子有機化合物は、分子
量が2000程度まで、好ましくは1000程度まで、
さらに好ましくは200〜800の結晶性物質であれば
特に制限はないが、常温(25℃程度の温度)で固体で
あるものが好ましい。
【0055】動作温度が好ましくは200℃以下、より
好ましくは100℃以下の有機質正特性サーミスタを得
ることを目的とする場合、低分子有機化合物の融点は、
好ましくは40〜200℃、より好ましくは40〜10
0℃である。
【0056】低分子有機化合物としては、ワックスまた
は油脂が好ましく、特に、石油系ワックスが好ましい。
ワックスとしては、たとえば、パラフィンワックスやマ
イクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、植物
系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスのような
天然ワックスが挙げられ、油脂としては、たとえば、脂
肪または固体脂と称されるものが挙げられる。ワックス
や油脂の成分は、炭化水素(具体的には、炭素数22以
上のアルカン系の直鎖炭化水素等)、脂肪酸(具体的に
は、炭素数12以上のアルカン系の直鎖炭化水素の脂肪
酸等)、脂肪酸エステル(具体的には、炭素数20以上
の飽和脂肪酸とメチルアルコール等の低級アルコールと
から得られる飽和脂肪酸のメチルエステル等)、脂肪酸
アミド(具体的には、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ドなどの不飽和脂肪酸アミド等)、脂肪族アミン(具体
的には、炭素数16以上の脂肪族第1アミン)、高級ア
ルコール(具体的には、炭素数16以上のn−アルキル
アルコール)、塩化パラフィンなどである。これらの低
分子有機化合物は、市販されており、市販品をそのまま
用いることができる。
【0057】低分子有機化合物としては、融点mpが4
0〜200℃、さらに好ましくは40〜100℃である
ものを用いることが好ましい。このようなものとして
は、パラフィンワックス(たとえば、テトラコサンC24
50;mp49〜52℃、ヘキサトリアコンタンC36
74;mp73℃、商品名HNP−10(日本精蝋社
製);mp75℃、HNP−3(日本精蝋社製);mp
66℃など)、マイクロクリスタリンワックス(たとえ
ば、商品名Hi−Mic−1080(日本精蝋社製);
mp83℃、Hi−Mic−1045(日本精蝋社
製);mp70℃、Hi−Mic2045(日本精蝋社
製);mp64℃、Hi−Mic3090(日本精蝋社
製);mp89℃、セラッタ104(日本石油精製社
製);mp96℃、155マイクロワックス(日本石油
精製社製);mp70℃など)、脂肪酸(たとえば、ベ
ヘン酸(日本精化製);mp81℃、ステアリン酸(日
本精化製);mp72℃、パルミチン酸(日本精化
製);mp64℃など)、脂肪酸エステル(たとえば、
アラキン酸メチルエステル(東京化成製);mp48℃
など)、脂肪酸アミド(たとえば、オレイン酸アミド
(日本精化製);mp76℃)などがある。また、ポリ
エチレンワックス(たとえば商品名三井ハイワックス1
10(三井石油化学工業社製);mp100℃)、ステ
アリン酸アミド(mp109℃)、ベヘン酸アミド(m
p111℃)、N−N’−エチレンビスラウリン酸アミ
ド(mp157℃)、N−N’−ジオレイルアジピン酸
アミド(mp119℃)、N−N’−ヘキサメチレンビ
ス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド(mp140
℃)などもある。また、パラフィンワックスに樹脂類を
配合した配合ワックスや、この配合ワックスにマイクロ
クリスタリンワックスを混合したものであって融点を4
0〜200℃にしたものも好ましく用いることができ
る。
【0058】低分子有機化合物は、単独で、もしくは併
用して用いることができる。低分子有機化合物は、各成
分の分散を良好にするために、組み合わされる有機高分
子化合物の極性を考慮して適宜選択すればよい。
【0059】マトリックス中における低分子有機化合物
の質量は、高分子有機化合物の質量の0.05〜4倍、
特に0.1〜2.5倍であることが好ましい。マトリッ
クス中における低分子有機化合物の含有量が少なくなる
と、抵抗変化率を十分に大きくすることが困難となる。
一方、低分子有機化合物の含有量が多くなると、低分子
有機化合物が溶融する際にサーミスタ素体が大きく変形
するほか、金属粒子との混合が困難になってくる。
【0060】高分子有機化合物と低分子有機化合物とを
含有するサーミスタ素体では、示差走査熱量測定(DS
C)において、高分子有機化合物の融点付近と低分子有
機化合物の融点付近とに吸熱ピークが見られる。この結
果から、高分子有機化合物と低分子有機化合物とは、独
立に分散して存在する海島構造をしていると考えられ
る。
【0061】その他 サーミスタ素体中には、非金属粉末で被覆された金属粒
子およびマトリックス以外に、必要に応じて他の物質が
含有されていてもよい。
【0062】たとえば、良熱導電性添加物として、特開
昭57−12061号公報に記載されている窒化ケイ
素、シリカ、アルミナ、粘土(雲母、タルク等)、特公
平7−77161号公報に記載されているシリコン、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、ベリリア、セレン、特開平5−
217711号公報に記載されている無機窒化物、酸化
マグネシウム等を添加してもよい。
【0063】耐久性向上のために、特開平5−2261
12号公報に記載されている酸化チタン、酸化鉄、酸化
亜鉛、シリカ、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化クロ
ム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウ
ム、酸化鉛、特開平6−68963号公報に記載されて
いる高比誘電率の無機固体、具体的には、チタン酸バリ
ウム、チタン酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム等を
添加してもよい。
【0064】耐電圧改善のために、特開平4−7438
3号公報に記載されている炭化ホウ素等を添加してもよ
い。
【0065】強度改善のために、特開平5−74603
号公報に記載されている水和チタン酸アルカリ、特開平
8−17563号公報に記載されている酸化チタン、酸
化鉄、酸化亜鉛、シリカ等を添加してもよい。
【0066】結晶核剤として、特公昭59−10553
号公報に記載されているハロゲン化アルカリ、メラミン
樹脂、特開平6−76511号公報に記載されている安
息香酸、ジベンジリデンソルビトール、安息香酸金属
塩、特開平7−6864号公報に記載されているタル
ク、ゼオライト、ジベンジリデンソルビトール、特開平
7−263127号公報に記載されているソルビトール
誘導体(ゲル化剤)、アスファルト、さらには、リン酸
ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を添加し
てもよい。
【0067】アーク調節制御剤としては、特公平4−2
8744号公報に記載されているアルミナ、マグネシア
水和物、特開昭61−250058号公報に記載されて
いる金属水和物、炭化ケイ素等を添加してもよい。
【0068】金属害防止剤として、特開平7−6864
号公報に記載されているイルガノックスMD1024
(チバガイギー製)等を添加してもよい。
【0069】また、難燃剤として、特開昭61−239
581号公報に記載されている三酸化二アンチモン、水
酸化アルミニウム、特開平5−74603号公報に記載
されている水酸化マグネシウム、さらには、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン
を含有する有機化合物(重合体を含む)、リン酸アンモ
ニウム等のリン系化合物等を添加してもよい。
【0070】これら以外にも、硫化亜鉛、塩基性炭酸マ
グネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸マグネシウム、アルミノシリケート粘土(雲母、タ
ルク、カオリナイト、モンモリロナイト等)、ガラス
粉、ガラスフレーク、ガラス繊維、硫酸カルシウム等を
添加してもよい。
【0071】これらの添加剤は、マトリックス材料と金
属粒子との合計質量の25質量%以下であることが好ま
しい。
【0072】製造方法 次に、本発明の有機質正特性サーミスタを製造する方法
の一例を説明する。
【0073】まず、前述した方法により、金属粒子表面
を非金属粉末で被覆する。次いで、金属粒子とマトリッ
クス材料とを混練して、金属粒子を分散する。混練は既
知の方法によればよく、マトリックスとなる有機高分子
化合物の融点以上の温度、好ましくは5〜40℃高い温
度において5〜90分程度混練すればよい。また、低分
子有機化合物を併用する場合、あらかじめ高分子有機化
合物と低分子有機化合物とを溶融混合、または溶媒中で
溶解し混合しておいてもよい。混練には、各種撹拌機、
分散機、ミル、塗料用ロール機等が用いられる。混練中
に気泡が混入した場合は真空脱泡を行う。混練物の粘度
調整のために、芳香族炭化水素、ケトン類、アルコール
類等の各種溶媒を用いてもよい。高分子有機化合物およ
び低分子有機化合物の熱劣化を防止するために、フェノ
ール類、有機イオウ類、フォスファイト類などの酸化防
止剤を混入してもよい。
【0074】得られた混練物に対し、必要に応じて架橋
処理を施してもよい。具体的には、有機過酸化物を用い
る化学架橋、放射線照射による架橋、シラン系カップリ
ング剤をグラフト化させ水の存在下でシラノール基の縮
合反応を用いるシラン架橋法を用いることができる。な
お、電子線等の放射線の照射による架橋は、電極形成後
に行ってもよい。
【0075】次に、混練物をプレス成形してシート状成
形体を作製し、このシート状成形体の両面に電極を形成
する。電極は、Ni、Cu等からなる金属板の熱圧着
や、導電性ペーストの塗布により形成することができ
る。次いで、電極を形成したシート状成形体を所望の形
状に打ち抜いて、サーミスタ素子とする。
【0076】
【実施例】実施例1 高分子有機化合物として、メタロセン触媒を用いて気相
法合成された直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学株式
会社製、商品名エボリューsp2520、MFR:1.
7g/10min、融点:121℃)を、低分子有機化合物
としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商
品名Poly Wax655、融点99℃)を、金属粉末として
フィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、商品名
Type210ニッケルパウダ、平均粒径0.5〜1.0μ
m、嵩密度約0.8g/cm3、比表面積1.5〜2.5m2/
g)を、非金属粉末としてカーボンブラック(三菱化学
株式会社製、商品名MA100、平均粒径約22nm)
を、それぞれ用意した。
【0077】まず、前記した特開平11−242812
号公報に記載された方法に準じ、アルコキシシラン溶液
と金属粒子とを十分に混合し、次いで、非金属粉末を添
加して十分に混合した後、乾燥させることにより、金属
粒子表面を非金属粉末で被覆した。非金属粉末の量は、
金属粉末の2質量%とした。図2に、非金属粉末で被覆
した金属粒子の透過型電子顕微鏡写真を示す。図2にお
いて、高濃度の領域が金属粒子であり、高濃度の領域を
被覆する低濃度の領域がカーボンブラックからなる非金
属被覆層である。非金属被覆層の厚さは、10〜20nm
であった。
【0078】次に、高分子有機化合物57体積%と、低
分子有機化合物8体積%と、非金属粉末で被覆した金属
粉末35体積%とを、ミル中で150℃で30分間混練
した。
【0079】次いで、混練物を150℃の熱プレスによ
り厚さ0.7mmのシート状に成形した後、シート状成形
体の両面を厚さ約30μmのNi箔電極で挟んで、15
0℃の熱プレス機で圧着することにより、全厚を0.4
mmとした。次いで、電子線を照射して架橋を行なった
後、平面形状が3.6mm×9.0mmとなるように打ち抜
き、有機質正特性サーミスタ素子とした。
【0080】この素子を恒温槽内で室温から120℃ま
で加熱した後、冷却し、この加熱・冷却過程において所
定の温度で4端子法により抵抗値を測定して、温度−抵
抗曲線を得た。なお、昇温・降温速度は2℃/minとし
た。
【0081】この測定において、初期室温抵抗は1.0
×10-3Ω(比抵抗8.1×10-3Ωcm)であり、90
℃付近で抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は10桁程度
であり、低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られる
ことが確認された。また、室温まで冷却された後の抵抗
値は2.0×10-3Ω(比抵抗1.6×10-2Ωcm)で
あり、加熱前の室温抵抗値との差が小さく、抵抗値の復
帰性が良好であることが確認された。また、初期室温抵
抗値のばらつきを調べたところ、10個の素子中8個が
1.0×10-3Ω、2個が1.5×10-3Ωであり、ば
らつきが小さいことが確認された。
【0082】この素子について、60℃95%RH条件
下で保存する高温・高湿保存試験を行った。その結果、
1000時間保存後の室温抵抗値は1.0×10-3Ωで
あり、高温・高湿保存による特性劣化は認められなかっ
た。また、保存1000時間後における初期室温抵抗値
のばらつきを調べたところ、10個の素子中9個が1.
0×10-3Ω、1個が1.5×10-3Ωであり、高温・
高湿保存によるばらつき増大はほとんど認められなかっ
た。
【0083】この素子について、−40℃で30分間保
持後に85℃で30分間保持する熱衝撃サイクルを20
0サイクル繰り返す熱衝撃試験を行った後、初期室温抵
抗値を測定したところ、8.0×10-2Ωであり、熱衝
撃試験による特性劣化が小さいことが確認された。
【0084】比較例1 非金属粉末で被覆しない金属粒子からなる金属粉末を用
いたほかは実施例1と同様にして、サーミスタ素子を作
製した。この素子について、実施例1と同様にして特性
を測定した。
【0085】その結果、初期室温抵抗は1.5×10-3
Ω(比抵抗1.2×10-2Ωcm)であり、90℃付近で
抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は10桁程度であり、
低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られることが確
認された。
【0086】一方、初期室温抵抗値のばらつきについて
は、10個の素子中4個は1.5×10-3Ωであった
が、1個が5.0×10-3Ω、3個が7.0×10
-3Ω、2個が1.5×10-2Ωであり、実施例1の素子
に比べばらつきが大きいことが確認された。
【0087】また、60℃95%RH条件下で1000
時間保存後の室温抵抗値は2.0×10-2Ωであり、高
温・高湿保存による特性劣化が大きいことが確認され
た。また、保存1000時間後における初期室温抵抗値
のばらつきについては、10個の素子中5個が2.0×
10-2Ω、2個が3.0×10-2Ω、3個が1.5×1
-2Ωであり、高温・高湿保存によるばらつき増大が大
きいことが確認された。
【0088】また、熱衝撃試験後の初期室温抵抗値は3
0Ωであり、熱衝撃試験により室温抵抗が著しく増大し
てしまった。
【0089】実施例2 非金属粉末の量を金属粉末の0.5質量%とし、配合比
を、高分子有機化合物49体積%、低分子有機化合物6
体積%、非金属粉末で被覆した金属粉末45体積%とし
たほかは実施例1と同様にして、サーミスタ素子を作製
した。このサーミスタ素子は、実施例1の素子に比べ、
金属粉末の含有量が多く、また、金属粉末量に対する非
金属粉末量が少ない。この素子について、実施例1と同
様にして特性を測定した。
【0090】その結果、初期室温抵抗は7.0×10-3
Ω(比抵抗5.7×10-2Ωcm)であり、90℃付近で
抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は11桁程度であり、
低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られることが確
認された。また、初期室温抵抗値のばらつきについて
は、10個の素子中9個が7.0×10-3Ω、1個が
8.0×10-3Ωであり、ばらつきが小さいことが確認
された。
【0091】また、60℃95%RH条件下で1000
時間保存後の室温抵抗値は7.0×10-3Ωであり、高
温・高湿保存による特性劣化は認められなかった。ま
た、保存1000時間後における初期室温抵抗値のばら
つきについては、10個の素子中8個が7.0×10-3
Ω、2個が6.0×10-3Ωであり、高温・高湿保存に
よるばらつき増大はほとんど認められなかった。
【0092】また、熱衝撃試験後の初期室温抵抗値は
6.0×10-3Ωであり、熱衝撃試験による特性劣化が
ないことが確認された。
【0093】この実施例において室温抵抗値のばらつき
が小さいことから、本発明では、金属粉末量を多くして
もマトリックス中に非金属粒子を均一に分散できること
がわかる。
【0094】実施例3 非金属粉末の量を金属粉末の1.0質量%とし、配合比
を、高分子有機化合物49体積%、低分子有機化合物6
体積%、非金属粉末で被覆した金属粉末45体積%とし
たほかは実施例1と同様にして、サーミスタ素子を作製
した。このサーミスタ素子は、実施例1の素子に比べ、
金属粉末の含有量が多く、また、金属粉末量に対する非
金属粉末量が少ない。この素子について、実施例1と同
様にして特性を測定した。
【0095】その結果、初期室温抵抗は8.0×10-3
Ω(比抵抗6.5×10-2Ωcm)であり、90℃付近で
抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は11桁程度であり、
低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られることが確
認された。また、初期室温抵抗値のばらつきについて
は、10個の素子中8個が8.0×10-3Ω、2個が
9.0×10-3Ωであり、ばらつきが小さいことが確認
された。
【0096】また、60℃95%RH条件下で1000
時間保存後の室温抵抗値は9.0×10-3Ωであり、高
温・高湿保存による特性劣化はほとんど認められなかっ
た。また、保存1000時間後における初期室温抵抗値
のばらつきについては、10個の素子中8個が9.0×
10-3Ω、2個が1.0×10-2Ωであり、高温・高湿
保存によるばらつき増大はほとんど認められなかった。
【0097】また、熱衝撃試験後の初期室温抵抗値は
7.0×10-3Ωであり、熱衝撃試験による特性劣化が
ないことが確認された。
【0098】この実施例において室温抵抗値のばらつき
が小さいことから、本発明では、金属粉末量を多くして
もマトリックス中に非金属粒子を均一に分散できること
がわかる。
【0099】比較例2 非金属粉末で被覆しない金属粒子からなる金属粉末を用
いたほかは実施例2および実施例3と同様にして、サー
ミスタ素子を作製しようと試みた。しかし、この場合、
金属粉末の配合比が45体積%と高く、しかも、金属粒
子が非金属粉末で被覆されていないため、マトリックス
材料に対する金属粉末の嵩高さ、および、マトリックス
材料と金属粒子との濡れ性の低さに起因して、マトリッ
クス材料中に金属粒子を均一に分散させることが不可能
となり、サーミスタ素子を作製できなかった。
【0100】実施例4 非金属粉末の量を金属粉末の0.5質量%とし、配合比
を、高分子有機化合物65体積%、非金属粉末で被覆し
た金属粉末35体積%としたほかは実施例1と同様にし
て、サーミスタ素子を作製した。このサーミスタ素子
は、実施例1の素子に比べ、金属粉末量に対する非金属
粉末量が少なく、また、低分子有機化合物を含有しな
い。この素子について、実施例1と同様にして特性を測
定した。
【0101】その結果、初期室温抵抗は6.0×10-3
Ω(比抵抗4.9×10-2Ωcm)であり、100℃付近
で抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は10桁程度であ
り、低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られること
が確認された。また、初期室温抵抗値のばらつきについ
ては、10個の素子中8個が6.0×10-3Ω、2個が
7.0×10-3Ωであり、ばらつきが小さいことが確認
された。
【0102】また、60℃95%RH条件下で1000
時間保存後の室温抵抗値は7.0×10-3Ωであり、高
温・高湿保存による特性劣化はほとんど認められなかっ
た。また、保存1000時間後における初期室温抵抗値
のばらつきについては、10個の素子中8個が7.0×
10-3Ω、2個が9.0×10-3Ωであり、高温・高湿
保存によるばらつき増大はほとんど認められなかった。
【0103】また、熱衝撃試験後の初期室温抵抗値は
8.0×10-3Ωであり、熱衝撃試験による特性劣化が
ほとんどないことが確認された。
【0104】以上の結果から、本発明は、マトリックス
として低分子有機化合物を用いない場合でも有効である
ことがわかる。
【0105】比較例3 非金属粉末で被覆しない金属粒子からなる金属粉末を用
いたほかは実施例4と同様にして、サーミスタ素子を作
製した。この素子について、実施例1と同様にして特性
を測定した。
【0106】その結果、初期室温抵抗は1.5×10-3
Ω(比抵抗1.2×10-2Ωcm)であり、100℃付近
で抵抗が急激に増加し、抵抗変化率は10桁程度であ
り、低い室温抵抗と大きい抵抗変化率とが得られること
が確認された。
【0107】一方、初期室温抵抗値のばらつきについて
は、10個の素子中3個が1.0×10-3Ω、2個が
3.0×10-3Ω、4個が5.0×10-3Ω、1個が
1.0×10-2Ωであり、実施例4の素子に比べばらつ
きが大きいことが確認された。
【0108】また、60℃95%RH条件下で1000
時間保存後の室温抵抗値は2.5×10-2Ωであり、高
温・高湿保存による特性劣化が大きいことが確認され
た。また、保存1000時間後における初期室温抵抗値
のばらつきについては、10個の素子中5個が2.5×
10-2Ω、1個が3.0×10-2Ω、3個が1.5×1
-2Ω、1個が1.0×10-2Ωであり、高温・高湿保
存によるばらつき増大が大きいことが確認された。
【0109】また、熱衝撃試験後の初期室温抵抗値は
2.5×10-1Ωであり、熱衝撃試験により室温抵抗が
著しく増大してしまった。
【0110】以上の実施例および比較例から、本発明の
効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機質正特性サーミスタの構成例を示
す断面図である。
【図2】粒子構造を示す図面代用写真であって、カーボ
ンブラックで被覆したニッケル粒子の透過型電子顕微鏡
写真である。
【符号の説明】
2 サーミスタ素体 3 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子有機化合物を含むマトリックスと
    金属粒子とが含有されるサーミスタ素体を有する有機質
    正特性サーミスタであって、 前記金属粒子の表面に、導電性をもつ非金属粒子からな
    る非金属粉末が付着している有機質正特性サーミスタ。
  2. 【請求項2】 前記非金属粉末が、金属粒子全体に対し
    0.1〜10質量%含有されている請求項1の有機質正
    特性サーミスタ。
  3. 【請求項3】 前記非金属粉末がカーボンブラックであ
    る請求項1または2の有機質正特性サーミスタ。
  4. 【請求項4】 前記金属粒子がスパイク状の突起を有す
    る請求項1〜3のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
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