JP2003346943A - 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ - Google Patents

異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ

Info

Publication number
JP2003346943A
JP2003346943A JP2002153724A JP2002153724A JP2003346943A JP 2003346943 A JP2003346943 A JP 2003346943A JP 2002153724 A JP2002153724 A JP 2002153724A JP 2002153724 A JP2002153724 A JP 2002153724A JP 2003346943 A JP2003346943 A JP 2003346943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anisotropic conductive
conductive adhesive
epoxy resin
adhesive
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002153724A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yoshida
一義 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2002153724A priority Critical patent/JP2003346943A/ja
Publication of JP2003346943A publication Critical patent/JP2003346943A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低温、短時間での圧着が可能な性能を保持しな
がら、常温での保管を可能にし、その取扱いを容易にす
る異方導電接着剤及びヒートシールコネクタを提供す
る。 【解決手段】エポキシ樹脂を内包するマイクロカプセル
と、オキセタン化合物と、導電粒子とを含有する、更に
はこれを膜化する高分子化合物を含有してフィルムとし
ても使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCDやPDPと
それらの駆動回路を搭載した回路基板との間の電気的接
続に利用される、異方導電接着剤及びこれを用いたヒー
トシールコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より異方導電接着剤はLCDやPDPなど
の表示体とPCB、FPCとの接続、あるいはPCB、FPC間の接
続などに用いられている。この異方導電接着剤は絶縁性
接着剤中に導電粒子を分散させたもので、上記のような
被接続基板間に挟持させ、熱と圧力をかける、いわゆる
熱圧着することで接着と電気的接続を同時に行なうもの
である。近年の電子機器の高機能、高精密化に伴い、表
示体の接続ピッチが非常に小さくなっており、このため
接続の信頼性に対する要求が非常に高くなってきてい
る。したがって、異方導電性接着剤に使用される絶縁性
接着剤は熱可塑性のものではなく、耐熱性、接着強度に
優れる熱硬化性のものが最も良く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】異方導電接着剤に求め
られる性能としては前述のように接着力、耐熱性等の信
頼性に優れていることはもちろんの事、熱圧着時の時間
を短縮して工程能力を向上するために短時間で硬化する
こと、できるだけ低温で圧着できること、取扱いが煩雑
でない事等が必要になる。従来からエポキシ樹脂はガラ
ス、ポリイミド、ガラエポ等の基板に対する接着力が強
く、耐熱性に優れる事から異方導電接着剤に良く使用さ
れていたが、短時間で硬化したり、低温で硬化する熱硬
化性樹脂は常温での可使時間が短く、これを避けるため
に従来から硬化剤をマイクロカプセル化して可使時間を
延長した潜在性硬化剤を含有する異方導電接着剤が使用
されているが、これもまた冷凍や冷蔵保管が必須とな
り、更に1ヶ月から数ヶ月といった短い期間しか保管が
できないなど、その管理や取扱いが煩雑なものであっ
た。更に、硬化剤のマイクロカプセルはその製法上、壁
材の耐溶剤性が弱く、特にケトン系、アルコール系等の
極性溶媒で、容易に破壊されてしまうことから、異方導
電接着剤の調整に多くの規制が課せられていた。これ
は、硬化剤は短時間で硬化させるためになるべく速硬化
性のものを選択せざるを得ず、例えばアミン系、イミダ
ゾール系の硬化剤を選択するが、従来の界面反応法によ
るマイクロカプセル化では耐溶剤性、耐熱性に優れるカ
プセル壁が形成できないことによる。特に市販の潜在性
硬化剤は熱潜在性のものであり、このため、異方導電接
着剤を膜状に成形する際には硬化が開始しないよう低温
(50℃〜80℃程度)で乾燥しなければならず、従って使用
できる溶剤は低沸点溶剤に限定され、部分印刷が可能な
スクリーン印刷法等の高沸点溶剤を必要とする製造法は
用いることができなかった。この発明は、上記問題に鑑
みてなされたもので、特に低温、短時間での圧着が可能
な性能を保持しながら、常温での保管を可能にし、その
取扱いを容易にする異方導電接着剤及びヒートシールコ
ネクタを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を鑑
みて鋭意研究を重ね達成された異方導電接着剤及びヒー
トシールコネクタに関するものであり、これは、エポキ
シ樹脂を内包するマイクロカプセルと、オキセタン化合
物と、導電粒子とを含有することを特徴とし、更にはこ
れを膜化する高分子化合物を含有してフィルムとしても
使用できる事を特徴とし、また、前記マイクロカプセル
や硬化剤、オキセタン化合物、光又は熱開始剤、導電粒
子の構成、カプセルの破壊強度、配合量等にも特徴を有
するものである。すなわち、本発明者は上記したような
課題を解決する方法について種々検討した結果、オキセ
タン化合物はエポキシ樹脂が存在しない環境では反応性
が遅く、保存安定性に優れており、反面、エポキシ樹脂
存在化ではその反応は急激に進行して圧着時間を短縮で
きることを見出し、エポキシ樹脂を内包するマイクロカ
プセルを異方導電接着剤に分散してオキセタン化合物と
隔離し、その内包量、粒径、強度等を調整することによ
り、熱圧着時まで非常に安定な保存性を有し、且つ熱圧
着時には低温、短時間で硬化する異方導電接着剤が得ら
れる事を見出し、マイクロカプセル、オキセタン化合
物、開始剤、導電粒子等の構成材料の種類、強度、厚
み、溶剤耐性などについて研究を進め、本発明を完成さ
せた。
【0005】4員環のオキセタン環は3員環のエポキシ環
より歪エネルギーが小さく、反応を開始しづらい。オキ
セタン化合物と開始剤だけでは温度を上げてもほとんど
反応は進行せず、熱硬化性樹脂としては実用的に使用で
きないものである。ところが、塩基性(求核性)はエポキ
シ環より大きく、いったん反応が開始してしまえば、急
激に反応は進行する。すなわち、エポキシ環を開始剤に
よって開環させると、そのエポキシ環から生成する炭素
カチオン部にオキセタン環が容易に攻撃し、オキセタン
環の反応が開始し、いったん開始すればオキセタン環が
優先的に反応を進行することになる。また、エーテル基
への反応性が少なく、エポキシ樹脂のようにエーテル基
への停止反応を伴わないため、高分子化しやすく、出来
上がった硬化樹脂は柔軟で接着性、耐衝撃性に優れる樹
脂となる。本発明はオキセタン化合物のこの性質を利用
したもので、オキセタン環の反応の開始を補助するエポ
キシ樹脂をカプセル化して、保存時には反応を進行させ
ず、反応させたいときにカプセルを破壊してエポキシ樹
脂を取りだし、急激に反応を進行させるものである。ま
た、カチオン重合反応やアニオン重合反応は暗反応性を
併せ持ち、光を用いて硬化させる場合にも影部の反応の
進行が可能である。
【0006】本発明を構成するエポキシ樹脂を内包する
マイクロカプセルとしては、例えば液状または固形のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を公知のカプ
セル化法によってカプセルにしたものが用いられる。す
なわち、界面重合法、in-situ重合法等の化学的方法
や、コアセルベーション法、液中乾燥法等の物理化学的
方法、メカノフュージョン、メカノケミカル等の機械的
方法、その他、スプレードライ法、高速気流中衝撃法等
によりカプセル化されたエポキシ樹脂マイクロカプセル
とされる。
【0007】このマイクロカプセルのエポキシ樹脂内包
率としては30wt%以上である事が望ましく、30wt%未満
であると異方導電接着剤としたときに接着に関与しない
カプセルの壁材の割合が多くなって接着性に欠けてく
る。また、これは99wt%以下であることが必要で、99wt
%より大きいとカプセルの壁材の強度が弱く、異方導電
接着剤の調整時に破壊したり、保存安定性の悪いカプセ
ルになる可能性が大きい。ここで内包率とはエポキシ樹
脂を内包するマイクロカプセルを乳鉢ですりつぶし、こ
れを秤量し、MEKなどのエポキシ樹脂の良溶媒で洗浄
後、乾燥して残ったカプセル壁の重量から求められる。 {1−(カプセル壁)/(エポキシ樹脂+カプセル壁)}×1
00 (wt%) 更に、マイクロカプセルの壁の厚み(T)は下記の式の範
囲である事が望ましく、 0.001*φ≦T≦0.3*φ (φ:エポキシ樹脂を内包するマイクロカプセルの粒径) これは、0.001*φ未満であるとカプセルの壁材の強度
が弱く、異方導電接着剤の調整時に破壊したり、保存安
定性の悪いカプセルになり、0.3*φより大きいと異方
導電接着剤としたときに接着に関与しないカプセルの壁
材の割合が多くなって接着性に欠けてくるとともに、壁
材の強度が強くなりすぎて熱圧着時に破壊されずに硬化
が進行しないといった不具合を引き起こす可能性があ
る。したがって、配合するエポキシ樹脂マイクロカプセ
ルの80%以上がこの範囲の壁厚にあることが望ましい。
【0008】壁材の強度としては、前記と同様の理由か
らマイクロカプセルの平均破壊強度で1MPa〜50MPaが好
ましい。ここで、平均破壊強度とは微小圧縮試験機(島
津製作所:MCTM‐500)等を用いた場合の塑性変形点或い
は破壊点での強度の平均を示す。このマイクロカプセル
の壁材は、異方導電接着剤の配合に溶剤を使用すること
があることから、一般的な溶剤に対する耐性が強い方が
好ましく、たとえばメチルエチルケトン、トルエン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、シクロヘキサノン、
酢酸カルビトール、石油スピリット等の汎用溶剤に溶解
したり、膨潤したりしない事が望まれる。更に、これを
ヒートシールコネクタの接着部に直接スクリーン印刷に
より設ける場合には沸点の高い溶剤を乾燥させる必要が
ある為、耐熱性が必要なこともあり、前記壁材も耐熱性
を持つことが好ましく、この場合にはできれば100〜200
℃程度の耐熱性を持つものが望ましい。
【0009】次に、オキセタン化合物としてはオキセタ
ン環を有する化合物であれば特に限定するものではな
く、例えば、一般式(1)、(3)に示されるような化合物が
挙げられる。
【化式1】
【化式2】
【0010】これらのうち、好ましいものは3−エチル
−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フ
ェノキシメチルオキセタン、キシリレンジオキセタン、
3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、ビス
(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル、フェノ
ールノボラックオキセタン等が挙げられ、特に3−エチ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−
フェノキシメチルオキセタン、フェノールノボラックオ
キセタンは、接着性に優れていて望ましい。
【0011】このオキセタン化合物を硬化する開始剤
(エポキシ環を開環させる開始剤)としては、カチオン重
合開始剤やアニオン重合開始剤が良く用いられる。特に
潜在性カチオン開始剤は市販品も多く、配合後の保存安
定性も良いため、好ましく用いられる。潜在性カチオン
開始剤としては第4級アンモニウム塩、ホスホニウム
塩、スルホニウム塩などがあり、これらは、光もしくは
熱により活性化する。市販品では例えば、サイラキュア
ーUVI6990(UCC製)、サイラキュアーUVI6974(UCC製)、ア
デカオプトマーSP150(旭電化製)、アデカオプトマーSP1
52(旭電化製)、アデカオプトマーSP170(旭電化製)、ア
デカオプトマーSP172(旭電化製)、PHOTOINITIATOR2074
(ローディア製)、イルガキュア261(チバスペシャリテ
ィーケミカル製)、CI1370(日本曹達製)、CI2064(日本曹
達製)、サンエードSI60L(三新化学製)、サンエードSI80
L(三新化学製)、サンエードSI100L(三新化学製)等が挙
げられる。また、酸やアルカリに極端に弱い電極が存在
するところに使用する場合(カチオン開始剤やアニオン
開始剤が使用できない場合)には、錯イオン体の開始剤
であるパーキット(オーテックス製)などを使用すること
ができる。
【0012】次に、異方導電接着剤に分散される導電粒
子としては、公知のもので良く、例えば、金、銀、ニッ
ケル、銅、パラジウム、ステンレス、真鍮、半田等の金
属粒子、タングステンカーバイト、シリカカーバイト等
のセラミック粒子、カーボン粒子、または表面を金属被
覆したプラスチック粒子、或いはこれらの組み合わせ等
が挙げられる。
【0013】前記したエポキシ樹脂のマイクロカプセル
は異方導電接着剤の圧着時に圧力によって破壊されるこ
とが望ましく、したがって、導電粒子の平均粒径rより
もマイクロカプセルの平均粒径Rが大きいことが好まし
い。表面を金属被覆したプラスチック粒子や金、銀、半
田等の柔らかい粒子は異方導電接着剤の圧着時に潰れて
変形し、圧着前後の圧着方向の粒径が変化することがあ
るが、この場合は、この導電粒子の圧縮率(D=圧着後粒
径/圧着前粒径)を考慮して圧縮後の導電粒子の平均粒
径(r*D)よりもマイクロカプセルの平均粒径Rが大きけ
れば良いことになる。
【0014】また、異方導電接着剤を膜として製膜する
ために成膜性を有する高分子化合物を用いても良く、こ
の高分子化合物としては特に限定するものではないが、
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−イソブ
チルアクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルエーテル、
ポリビニルブチラール、ポリウレタン、スチレン−ブチ
レン−スチレン(SBS)共重合体、カルボキシル変性
SBS共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(S
IS)共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン(SEBS)共重合体、マレイン酸変性SBES共
重合体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム(C
R)、カルボキシル変性CR、スチレン−ブタジエンゴ
ム、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル変性N
BR、アミン変性NBR、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、フェノール樹脂、シリコーンゴム、アクリルゴムな
どから選ばれる1種または2種以上の組み合わせにより得
られるものがあげられる。
【0015】上記した異方導電接着剤接着剤には、粘着
付与剤としてのロジン、ロジン誘導体、テルペン樹脂、
テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、アルキル
フェノール樹脂、キシレン樹脂などの1種または2種以
上、反応性助剤、架橋剤としてのポリオール、イソシア
ネート類、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウトロピン類、アミ
ン類、酸無水物、過酸化物、金属酸化物、トリフルオロ
酢酸クロム塩などの有機金属塩、チタン、ジルコニア、
アルミニウムなどのアルコキシド、ジブチル錫ジオキサ
イドなどの有機金属化合物、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、ベンジルなどの光開始剤、アミン類、燐化合
物、塩素化合物などの増感剤などを添加することは任意
であり、これにはまた、硬化剤、加硫剤、劣化防止剤、
耐熱添加剤、熱伝導向上剤、軟化剤、着色剤、各種カッ
プリング剤、金属不活性剤などを適宜添加してもよい。
【0016】本発明の異方導電接着剤は、前記した絶縁
性接着剤中に前記した導電粒子を常法にしたがって分散
混合することによって得られるが、この配合量は前記絶
縁性接着剤100容量部に対して0.01〜100容量
部、好ましくは1〜10容量部の範囲であり、この配合量
が0.01容量部未満であると導通不良を起こしやす
く、逆に100容量部を超えると絶縁不良を起こしやすく
なる。
【0017】なお、この異方導電接着剤は接着、粘着成
分が常温で固形、或いは高粘度液体の場合には、これを
エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、エーテル
系、アルコール系、炭化水素系の溶剤、例えば酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸
エチルカルビトール、ジイソアミルエーテル、シクロヘ
キサノール、石油スピリット、トルエンなどの溶剤に溶
解して溶液とし、これを適宜の印刷法、コート法によっ
て接続すべき電極上の所望の位置に塗布したり、セパレ
ーター上に形成した後、所望の寸法にカットし、これを
接続電極上に転写して用いたり、或いは接着、粘着成分
が液状である場合には、接続作業時にこれを接続電極上
に塗布して用いることも出来る。
【0018】この異方導電接着剤は、一般に2つの対向
する電子、電気回路基板上の電極群間に介在させ、一方
の電子、電気回路基板の上方から1〜6MPa程度の圧力で
加圧してエポキシ樹脂マイクロカプセルを破壊するとと
もに、110〜200℃程度に加熱するかもしくはUV光などの
光を照射して開始剤を活性化させ、2つの回路基板を異
方導電接着剤で固定し、対向する電極群を導電粒子を介
して電気的に接続する。この回路基板としては、表示パ
ネルなどのガラス、LSIチップなどの金属、金属酸化
物、あるいはポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂などを
ベースとしたフレキシブルプリント回路(FPC)などが使
用される。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 (実施例1) 1) 絶縁性接着剤溶液の製作 分子量30000の飽和共重合ポリエステル樹脂(ユニチカ
製、エリーテルUE-3410)100重量部、カチオン重合開始
剤(三新化学製、サンエードSI80L)5重量部、3−エチル
−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成製、OXA)75
重量部、エポキシ当量184〜194の液状エポキシ樹脂を内
包した内包率70%、平均粒径42μm、平均壁厚(T)1.1μ
m、平均破壊強度11.6MPaのマイクロカプセル50重量部
に、シクロヘキサノン:ソルベッソ150=3:7溶剤300重
量部を加えて絶縁性接着剤溶液を製作した。 2) 異方導電接着剤の製作 上記1)で製作した絶縁性接着剤溶液の固形分100容量部
に導電粒子として表面をAuメッキしたニッケル粒子(平
均粒径6μm)を10容量部加えて異方導電接着剤を製作し
た。 3) ヒートシールコネクタの製作 厚さ25μmのポリイミドフィルムよりなる可撓性基材の
上に、厚さ35μmの銅箔により形成された0.15mmピッチ
の導電ラインを持つFPCの接続端子部に上記で製作した
異方導電接着剤を溶媒を除去した後の厚みが20μmとな
るようにスクリーン印刷で塗布して異方導電接着剤層を
形成し、残る部位に絶縁レジストを設け、これを所望の
寸法に切断してヒートシールコネクタを得た。
【0020】(実施例2) 1) 絶縁性接着剤溶液の製作 NBR30重量部、エポキシ当量1000〜1200の固形ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂100重量部、3−エチル−3−フ
ェノキシメチルオキセタン(東亞合成製、POX)80重量
部、カチオン重合開始剤(旭電化製、アデカオプトマーS
P150)5重量部、エポキシ当量184〜194の液状エポキシ樹
脂を内包した内包率70%、平均粒径40μm、平均壁厚(T)
1.2μm、平均破壊強度13.4MPaのマイクロカプセル50重
量部に、シクロヘキサノン300重量部を加えて絶縁性接
着剤溶液を製作した。 2) 異方導電接着剤の製作 上記1)で製作した絶縁性接着剤溶液の固形分100容量部
に導電粒子として表面をNi-Auメッキしたスチレン樹脂
粒子(平均粒径5μm)を10容量部加えて異方導電接着剤を
製作した。 4) ヒートシールコネクタの製作 厚さ25μmのポリイミドフィルムよりなる可撓性基材の
上に、厚さ35μmの銅箔により形成された0.15mmピッチ
の導電ラインを持つFPCの接続端子部に上記で製作した
異方導電接着剤を溶媒を除去した後の厚みが20μmとな
るようにスクリーン印刷で塗布して異方導電接着剤層を
形成し、残る部位に絶縁レジストを設け、これを所望の
寸法に切断してヒートシールコネクタを得た。
【0021】(比較例1) 1) 絶縁性接着剤溶液の製作 分子量30000の飽和共重合ポリエステル樹脂(ユニチカ
製、エリーテルUE-3410)100重量部、エポキシ当量184〜
194の液状エポキシ樹脂120重量部に、MEK:トルエン=
3:7溶剤300重量部を加えて絶縁性接着剤溶液を製作し
た。 2) 異方導電接着剤の製作 上記1)で製作した絶縁性接着剤溶液の固形分100容量部
に導電粒子として表面をAuメッキしたニッケル粒子(平
均粒径6μm)を10容量部加えて異方導電接着剤を製作し
た。 3) 異方導電接着膜の製作 上記で製作した異方導電接着剤に変性アミン系硬化剤(J
ER製、エポメートRX221)30重量部を加え、直後に溶媒を
除去した後の厚みが20μmとなるようにコンマコーター
で塗布して異方導電接着剤膜を形成し、これを所望の寸
法に切断して異方導電接着膜を得た。なお、この異方導
電接着剤のポットライフは5分程度しかなく、塗布の途
中で粘度が増加して塗布が不可能となった。
【0022】(比較例2) 1) 絶縁性接着剤溶液の製作 分子量30000の飽和共重合ポリエステル樹脂(ユニチカ
製、エリーテルUE-3410)100重量部、エポキシ当量184〜
194の液状エポキシ樹脂120重量部に、MEK:トルエン=
3:7溶剤300重量部を加えて絶縁性接着剤溶液を製作し
た。 2) 異方導電接着剤の製作 上記1)で製作した絶縁性接着剤溶液の固形分100容量部
に導電粒子として表面をAuメッキしたニッケル粒子(平
均粒径6μm)を10容量部加えて異方導電接着剤を製作し
た。 3) 異方導電接着膜の製作 上記で製作した異方導電接着剤に潜在性硬化剤(味の素
製、PN-23)30重量部を加え、直後に溶媒を除去した後の
厚みが20μmとなるようにコンマコーターで塗布して異
方導電接着剤膜を形成し、これを所望の寸法に切断して
異方導電接着膜を得た。なお、この異方導電接着剤のポ
ットライフは30分程度しかなく、塗布の途中で粘度が増
加して塗布が不可能となったが、かろうじて形成した膜
を用いて後の保存試験を行った。
【0023】[保存試験]上記で作成した実施例1、実
施例2、比較例2の異方導電接着膜、ヒートシールコネク
タを40℃の恒温槽に1ヶ月、3ヶ月保存し、それぞれ面積
抵抗率50Ω/□の透明導電酸化膜基板(ITO)とプリ
ント配線基板(PCB)の間に下記の条件で熱又は光圧着
し、ITOからの平均剥離強度を測定した。更に信頼性試
験(85℃85%RH1000時間)前後の平均抵抗値の変化(1000
時間後−初期)を測定した。なお、異方導電接着剤は、
厚さ25μmのポリイミドフィルムよりなる可撓性基材の
上に、厚さ35μmの銅箔により形成された0.15mmピッチ
の導電ラインを持つFPCの接続端子部に仮圧着し、その
他の部位に絶縁レジストを設けてヒートシールコネクタ
と同様の形状にして試験に用いた。また、熱圧着した後
の導電粒子の平均粒径は実施例1が6μm、実施例2が3μ
m、比較例2が6μmであった。
【0024】[結果] 圧着条件 実施例1:180℃3MPa7sec 実施例2:積算光量1500mJ/cm23MPa5sec 比較例2:180℃3MPa40sec(7secでは硬化が未完全)
【表1】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の異方導電接着剤、ヒートシール
コネクタによれば、単独では反応性に乏しいオキセタン
化合物にエポキシ樹脂のマイクロカプセルを混在させる
ことで、圧着時にカプセルが破壊してエポキシ樹脂とオ
キセタン化合物が混合することにより爆発的な反応を生
じて短時間で圧着が完了できるにもかかわらず、従来に
は不可能であった長期の保存が可能になる。さらに、従
来から高温がかけられないために不可能であったスクリ
ーン印刷法での印刷も可能であり、異方導電接着剤が仮
圧着不用でヒートシールコネクタとして製造できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電接着剤の一例を示す縦断面図
である。
【図2】本発明の異方導電接着剤の一使用例を示す圧着
前の縦断面図である。
【図3】本発明の異方導電接着剤の一使用例を示す圧着
後の縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・異方導電接着剤 2・・・導電粒子 3・・・エポキシ樹脂マイクロカプセル 4・・・オキセタン化合物 5・・・開始剤 6・・・FPC基板 7・・・LCD基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/20 H01B 1/20 D 1/22 1/22 D 1/24 1/24 D Fターム(参考) 4J040 DA051 DC071 DE021 DF041 DM011 EB031 EC061 EC071 ED001 EE031 EG001 EK031 HA026 HA066 HA076 HC01 HD18 HD21 KA02 KA11 KA12 KA13 KA32 LA09 NA19 NA20 5G301 DA02 DA03 DA05 DA06 DA07 DA10 DA11 DA18 DA21 DA29 DA42 DA57

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂を内包するマイクロカプセル
    と、オキセタン化合物と、導電粒子とを含有することを
    特徴とする異方導電接着剤。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂を内包するマイクロカプセル
    と、オキセタン化合物と、光又は熱開始剤と、導電粒子
    と、成膜性を有する高分子化合物とを含有することを特
    徴とする異方導電接着剤。
  3. 【請求項3】可撓性基材の少なくとも一面に導電ライン
    を備え、この導電ラインの少なくとも接続部に前記請求
    項1〜2のいずれかに記載の異方導電接着剤を有するこ
    とを特徴とするヒートシールコネクタ。
JP2002153724A 2002-05-28 2002-05-28 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ Pending JP2003346943A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153724A JP2003346943A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153724A JP2003346943A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003346943A true JP2003346943A (ja) 2003-12-05

Family

ID=29770696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002153724A Pending JP2003346943A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003346943A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325312A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法
JP2009099531A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Nok Corp 燃料電池における部品接合構造
JP2012171980A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hitachi Chemical Co Ltd 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及びその製造方法、並びに半導体装置
WO2017145801A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 デクセリアルズ株式会社 異方性導電フィルム
JP2017152354A (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 デクセリアルズ株式会社 異方性導電フィルム
JP2021024890A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 株式会社デンソー 硬化性組成物、接着構造体及び封止構造体
WO2022075370A1 (ja) * 2020-10-07 2022-04-14 昭和電工マテリアルズ株式会社 回路接続用接着剤フィルム、回路接続用材料、並びに回路接続構造体及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325312A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法
JP2009099531A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Nok Corp 燃料電池における部品接合構造
JP2012171980A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hitachi Chemical Co Ltd 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及びその製造方法、並びに半導体装置
WO2017145801A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 デクセリアルズ株式会社 異方性導電フィルム
JP2017152354A (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 デクセリアルズ株式会社 異方性導電フィルム
CN108602970A (zh) * 2016-02-22 2018-09-28 迪睿合株式会社 各向异性导电膜
JP2021009844A (ja) * 2016-02-22 2021-01-28 デクセリアルズ株式会社 異方性導電フィルム
US10964440B2 (en) 2016-02-22 2021-03-30 Dexerials Corporation Anisotropic conductive film
JP2021024890A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 株式会社デンソー 硬化性組成物、接着構造体及び封止構造体
JP7415359B2 (ja) 2019-07-31 2024-01-17 株式会社デンソー 硬化性組成物、接着構造体及び封止構造体
WO2022075370A1 (ja) * 2020-10-07 2022-04-14 昭和電工マテリアルズ株式会社 回路接続用接着剤フィルム、回路接続用材料、並びに回路接続構造体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI388645B (zh) An anisotropic conductive film and a connecting structure
KR100875411B1 (ko) 저온 경화형 접착제 및 이것을 이용한 이방 도전성 접착필름
JP5010990B2 (ja) 接続方法
JP2002212537A (ja) 接着剤及び電気装置
JP4148685B2 (ja) 潜在性硬化剤、潜在性硬化剤の製造方法及び接着剤
JP3565797B2 (ja) 潜在性硬化剤、潜在性硬化剤の製造方法及び接着剤
JP2006199778A (ja) 接着剤組成物、回路接続用接着剤及びこれを用いた回路接続方法、接続体
JP6259177B2 (ja) 異方性導電フィルムの接着方法
JP2002363255A (ja) 潜在性硬化剤、潜在性硬化剤の製造方法及び接着剤
JP2003346943A (ja) 異方導電接着剤およびヒートシールコネクタ
JP2004155957A (ja) 異方導電性接着剤及びフィルム
JP2000129218A (ja) シート状接着剤組成物およびそれを用いた電子部品装置ならびにそのリペアー方法
JP2010077317A (ja) 接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法
JP2000100872A (ja) 電子部品装置およびそのリペアー方法
JP2010024384A (ja) 異方導電性組成物
JPH07173448A (ja) 異方導電フィルム
JP3727155B2 (ja) 導電性エポキシ樹脂組成物、異方性導電接着フィルムおよび導体間の電気的接続方法
JP2001164210A (ja) 異方導電フィルム及びそれを用いた電子機器
JP2004164910A (ja) 異方導電性接着剤
JP4056772B2 (ja) ヒートシールコネクタの製造方法
JP2007018760A (ja) ガラス基板接続用異方導電フィルム
JPH09165435A (ja) 異方導電フィルム
JP2000086981A (ja) シート状接着剤組成物およびその製法
JP2003249287A (ja) 異方導電性接着剤、ヒートシールコネクター及び接続構造
JP2009161684A (ja) 回路接続用接着剤組成物、この接着剤組成物用いた回路部材の接続構造及び回路部材の接続方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080903

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080910

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090210