JP2003346665A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
層の輝度の向上とパネル駆動中の輝度低下を図ることを
目的とする。 【解決手段】 一方の主面に複数の電極を配列して形成
した前面パネルと、この前面パネルに間に隔壁により仕
切られた放電空間が形成されるように対向配置しかつ中
心波長が147nmの真空紫外線により励起されて赤
色、緑色、青色の各色の可視光を発光する背面蛍光体層
111R、111G、111Bを備えた背面パネルとを
有し、かつ前記前面パネルの電極が設けられた主面側
に、中心波長が147nmの真空紫外線により励起され
て250nm〜370nmの紫外線を発光する前面蛍光
体層108を設けた。
Description
の画像表示に用いられるプラズマディスプレイ装置に関
する。
表示に用いられているカラー表示デバイスにおいて、プ
ラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)を用
いたプラズマディスプレイ装置は、大型で薄型軽量を実
現することのできるカラー表示デバイスとして注目され
ている。
原色(赤、緑、青)を加法混色することにより、フルカ
ラー表示を行っている。このフルカラー表示を行うため
に、プラズマディスプレイ装置には3原色である赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する蛍光体層
が備えられ、この蛍光体層を構成する蛍光体粒子はPD
Pの放電セル内で発生する中心波長147nmの真空紫
外線により励起され、各色の可視光を発光している。
斜視図である。図5に示すように、PDPは、前面パネ
ルを構成する前面ガラス基板1と背面パネルを構成する
背面ガラス基板2とが隔壁3を介して平行に対向するよ
うに配置されている。
向する主面上には、複数本の表示電極4aおよび表示ス
キャン電極4b(本図においては各2本のみ表示してい
る。)がストライプ状に交互に平行に配列して形成され
ている。そして、この各電極4a、4bは、鉛ガラスな
どからなる誘電体層5により被覆され、さらに誘電体層
5上にはMgOによる保護膜6が形成され、これにより
前面パネルが構成されている。
1と対向する主面上には、ストライプ状のアドレス電極
7(本図においては4本のみ図示している。)と、その
表面を覆うように鉛ガラスなどからなる誘電体層8とが
形成され、さらにアドレス電極7に隣接するように隔壁
3が形成されている。また、隣り合う隔壁3の凹部に
は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体層
9R、9G、9Bが形成され、これにより背面パネルが
構成されている。
面ガラス基板2の間の放電空間10において、各電極4
a、4bとアドレス電極7との交差部分に単位発光領域
となるセルが形成されている。なお、放電空間10に
は、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)を主体と
する不活性ガスが封入されている。
電空間10の該当するセルにおいて、表示電極4aと表
示スキャン電極4bの間で放電させ、その時に発生する
中心波長147nmの真空紫外線が各色蛍光体層9R、
9G、9Bを励起することにより生成される赤色、緑
色、青色の三原色の可視光を加法混色することによって
フルカラー表示できるようになっている。
体は、白表示した際の色バランスが合うように設けられ
おり、蛍光体層9R、9G、9Bは初期の輝度がそれぞ
れの蛍光体の特性により異なるので、PDPの初期の状
態における色温度の低下を防止するために、例えば、輝
度の低い青色のセルピッチを他の色よりも大きく設定し
たり、駆動時の信号処理によって最も輝度の低い蛍光体
にあわせて他の蛍光体の維持放電回数を抑えて使用した
りしている。
来のPDPにおいては、以下に示すような輝度、効率に
対する課題がある。
スから発生する紫外光は、真空紫外線と言われその中心
波長は主に147nmである。従来用いられてきたPD
P用蛍光体層の第一の課題は、147nmの真空紫外光
のエネルギーを受けて、400nm〜600nmの可視
光に変換することによるエネルギー変換効率の低さにあ
る。
光は、放電空間全域に球面波として発光しているため、
蛍光体が塗布されていない前面板側では真空紫外光が、
全く利用されていないことである。すなわち、前面ガラ
ス基板側にあるMgOが、到達した真空紫外光を吸収し
てしまい、ほとんど反射しないため無駄になっているこ
とである。
輝度、効率が悪いと言われている(例えば、映像情報学
会誌 53巻.No18. 1067 1999年)。
ので、蛍光体の輝度と効率の向上を図ることを目的とす
るものである。
に本発明は、前面パネルの電極が設けられた主面側に、
中心波長が147nmの真空紫外線により励起されて2
50nm〜370nmの紫外線を発光する前面蛍光体層
を設けたものであり、蛍光体の輝度と効率の向上を図る
ことができる。
載の発明は、一方の主面に複数の電極を配列して形成し
た前面パネルと、この前面パネルに間に隔壁により仕切
られた放電空間が形成されるように対向配置しかつ中心
波長が147nmの真空紫外線により励起されて赤色、
緑色、青色の各色の可視光を発光する背面蛍光体層を備
えた背面パネルとを有し、かつ前記前面パネルの電極が
設けられた主面側に、中心波長が147nmの真空紫外
線により励起されて250nm〜370nmの紫外線を
発光する前面蛍光体層を設けたことを特徴とする。
面に複数の電極を配列して形成した前面パネルと、この
前面パネルに間に隔壁により仕切られた放電空間が形成
されるように対向配置しかつ中心波長が147nmの真
空紫外線により励起されて赤色、緑色、青色の各色の可
視光を発光する背面蛍光体層を備えた背面パネルとを有
し、かつ前記背面パネルに、励起波長250nm〜37
0nmの紫外線によって、可視光を発光する蛍光体層を
設けたことを特徴とする。
1において、前面蛍光体層は、Ca 3(PO4)2:T
l、SrB4O7F:Eu、BaMg2Si2O7:Pb、
Sr2P2O7:Eu、BaZnMgSi2O7:Pb、B
aSi2O5:Pb、(Ca、Zn)3(PO4)2:T
l、YPO4:Ce、YF3:(Gd、Pr)蛍光体のう
ちのいずれか一種以上で表される化合物で構成したこと
を特徴とする。
または2において、背面蛍光体層の赤色蛍光体がYVO
4:Eu、Y2O3:Eu、(Y、Gd)BO3:Euのう
ちのいずれか一種で、緑色蛍光体がZn2SiO4:M
n、Y2SiO5:Ce、Tbのうちのいずれか一種で、
青色蛍光体がBaMgAl10O17:Eu、MeMgSi
2O6:Eu(ただしMeは、Ca、Sr、Baのうちの
いずれか一種以上)、MeMgSi2O8:Eu(ただ
し、MeはCa、Sr、Baのうちのいずれか一種以
上)のうちのいずれか一種で表される化合物で構成した
ことを特徴とする。
または2において、前面蛍光体層の可視光透過率は、背
面蛍光体層の可視光透過率よりも大きいことを特徴とす
る。
1または2において、蛍光体粒子の粒径が4.0μm以
下であり、かつ前面蛍光体層の厚みが10μm以下であ
ることを特徴とする。
から発生する147nmを主体とする真空紫外光の励起
によって250nm〜370nmの紫外光を発光する蛍
光体を少なくとも前面パネル側に設けることを特徴とす
る。
Oが放電空間に面しており、Ne−Xeガスの放電によ
って前面パネル側に発した147nmの真空紫外光はM
gOがすべて吸収し、背面パネル方向にはほとんど反射
しなかった。
空紫外光によって励起され250nm〜370nmのよ
り長波長の紫外光を発光する蛍光体を前面パネルに設け
た場合、変換された長波長の紫外光は背面パネル方向に
放射される。すなわち見かけ上、従来前面パネルで吸収
されていた真空紫外光が、250nm〜370nmの紫
外光となって、背面パネル側の蛍光体を励起し、可視光
を発光することになり、パネルの輝度が向上する。特
に、BaMgAl10O17:EuやZnSi2O4:Mn、
Y2O3:Euのような、250nm〜350nmに高い
励起帯を持つ蛍光体を背面パネル板側に設けたパネルに
ついては、輝度がより向上する。
青色の発光が見えるため、前面パネル側の蛍光体塗布領
域が背面パネル側の青色上のみであれば問題がないが、
全面を塗布した場合背面パネル側の赤色、緑色部分が青
色と混色を起こし、好ましくない。
147nmの真空紫外光を400nm〜650nmの可
視光に変換していたのに対して、本発明は147nmの
真空紫外光の前面パネル板側方向に放射されたものを一
度250nm〜370nmの紫外光に変換して、MgO
上での吸収ロスをなくして400nm〜650nmの可
視光に変換するため、エネルギー変換効率も向上する。
マディスプレイ装置について図1〜図4の図面を用いて
説明する。
り除いた概略平面図であり、図2は、PDPの画像表示
領域について一部を断面で示す斜視図である。なお、図
1においては表示電極群、表示スキャン電極群、アドレ
ス電極群の本数などについては分かり易くするため一部
省略して図示している。
ガラス基板101(図示せず)と、背面ガラス基板10
2と、N本の表示電極103と、N本の表示スキャン電
極104(N本目を示す場合はその数字を付す)と、M
本のアドレス電極107群(M本目を示す場合はその数
字を付す)と、斜線で示す気密シール層121とからな
り、各電極103、104、107による3電極構造の
電極マトリックスを有しており、表示電極103及び表
示スキャン電極104とアドレス電極107との交点に
セルが形成されている。123は画像表示領域である。
前面ガラス基板101の1主面上にITOと銀からなる
表示電極103および表示スキャン電極104、鉛ガラ
スなどからなる誘電体ガラス層105、MgOからなる
保護層106および前面蛍光体層108が配設された前
面パネルと、背面ガラス基板102の1主面上に銀から
なるアドレス電極107、可視光反射層109、隔壁1
10、及び蛍光体層111R、111G、111Bが配
設された背面パネルとが張り合わされ、前面パネルと背
面パネルとの間に形成される放電空間122内に放電ガ
スが封入された構成である。
とする真空紫外光によって励起され250nm〜370
nmの紫外光を発光する蛍光体粒子が結着した層であっ
て、蛍光体層111R、111G、111Bと対応する
保護層106表面上に形成されている。
ンを含む誘電体ガラスからなる層であって、アドレス電
極107を被覆するように形成されており、各背面側の
蛍光体層111R、111G、111Bで発生する可視
光を反射する機能と、誘電体としての機能を併せ持つ。
上においてアドレス電極107と平行に形成されてい
る。この隔壁110と隔壁110の間の凹部および隔壁
110の側壁に、各蛍光体層111R、111G、11
1Bが順に形成されている。
11Bは、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色
(B)を発光する蛍光体粒子が結着した層であり、蛍光
体層111R、111G、111Bのアドレス電極10
7上における積層方向の厚みは、各蛍光体粒子の平均粒
径のおよそ8〜20倍程度が望ましい。すなわち、背面
蛍光体層に一定の紫外線を照射した時の輝度(発光効
率)を確保するために、背面蛍光体層は、放電空間にお
いて発生した紫外線を透過させることなく吸収するため
に蛍光体粒子が最低でも8層、好ましくは10層程度積
層された厚みを保持することが望ましく、それ以上の厚
みとなれば背面蛍光体層の発光効率はほとんど飽和して
しまうとともに、20層程度積層された厚みを超えると
放電空間122の大きさを十分に確保できなくなるから
である。
ネルとが張り合わされるとともにそのパネル周囲が気密
シール層121により封着され、その間に形成される放
電空間122内に放電ガス(例えば、ヘリウムやネオン
とキセノンの混合ガス)が封入された構成となってお
り、図3に示すPDP駆動装置に接続することによりプ
ラズマディスプレイ装置が構成されている。
ように、PDP100に表示ドライバ回路153、表示
スキャンドライバ回路154、アドレスドライバ回路1
55を有しており、コントローラ152の制御に従い点
灯させようとするセルにおいて表示スキャン電極104
とアドレス電極107に電圧を印加することによりその
間でアドレス放電を行い、その後表示電極103、表示
スキャン電極104間にパルス電圧を印加して維持放電
を行う。この維持放電により、当該セルにおいて紫外線
が発生し、この紫外線により励起された蛍光体層が発光
することでセルが点灯するもので、各色セルの点灯、非
点灯の組み合わせによって画像が表示される。
さらに詳細に説明する。
みた部分拡大断面図である。同図に示すように、147
nmの真空紫外光を250〜370nmの紫外光に変換
する前面蛍光体層108は、蛍光体層111R、111
G、111Bに対向して配置されている。この前面蛍光
体層108を形成する蛍光体粒子は、球状であることが
好ましい。球状であれば、球状でない粒子を使用する場
合と比べて背面パネル側からの発光を前面パネルが通し
やすくなり、輝度が向上する。この前面蛍光体層108
に用いる蛍光粒子については後述する。
により、蛍光体層111R、111G、111Bが発す
る可視光が前面ガラス基板101を透過しにくくなり、
PDPの輝度が低下する恐れがある。そのため、前面蛍
光体層108の可視光透過率は、背面蛍光体層111
R、111G、111Bの可視光透過率よりも大きくす
ることが望ましい。この可視光透過率は、前面蛍光体層
108の膜厚や空隙率を変更することや、蛍光体自身の
バルクの可視光透過率を上げること、または膜厚を薄く
することによって達成でき、後述するような蛍光体を用
いることが好ましい。
の製造方法を図1および図2を参照しながら説明する。
すると、前面パネルは、前面ガラス基板101上に、ま
ず、各n本の表示電極103および表示スキャン電極1
04(図2においては各2本のみ表示している)を交互
かつ平行にストライプ状に形成した後、その上に誘電体
ガラス層105で被覆し、さらにその表面に保護層10
6を形成することによって作製される。
04は、ITO(透明電極)と銀からなる電極であっ
て、フォトリソグラフィ法によってパターンを形成した
後、焼成することによって電極が形成される。
鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷で塗
布した後、所定温度、所定時間(例えば、560℃で2
0分)焼成することによって、所定の層の厚み(25μ
m)となるように形成する。上記鉛系あるいは、亜鉛系
のガラスとしては、例えば、鉛系ではPbO(70wt
%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt
%)、およびAl2O3(5wt%)のガラス、亜鉛系で
はZnO(37wt%)、B2O3(34wt%)、Si
O2(15wt%)、Al2O3(6wt%)、K2O(6
wt%)、MnO2(2wt%)のガラスと有機バイン
ダー(α―ターピネオールに10%のエチルセルロース
を溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有
機バインダーとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであ
り、エチルセルロース以外の樹脂としてアクリル樹脂、
有機溶媒としてブチルカービトールなども使用すること
ができる。さらにこうした有機バインダーに分散剤(例
えば、グリセルトリオレート)を混入させても良い。
O)からなるものであり、例えばスパッタリング法やC
VD(化学蒸着法)によって所定の厚み(0.5μm)
となるように形成される。
7nm)を紫外光(250〜370nm)に変換する蛍
光体粒子と有機バインダーとからなるペースト状の蛍光
体インキをスクリーン印刷法等によりMgO上に塗布
し、必要に応じてパターニングし、これを400℃〜5
90℃の温度で焼成して有機バインダーを焼失させるこ
とによって、蛍光体粒子が結着して形成される。また、
フォトリソグラフィー法を用いてパターニングして形成
することもできる。
すると、背面パネルは、まず背面ガラス基板102上
に、電極用の感光性銀ペーストを印刷し、フォトリソグ
ラフィー法によってパターニング後、焼成することによ
ってm本のアドレス電極107が配列された状態に形成
される。その上に鉛系あるいは亜鉛系のガラス材料を含
むペーストをスクリーン印刷法で塗布して可視光反射層
109を形成し、この上にフォトリソグラフィー法やサ
ンドブラスト法によって隔壁110を形成する。この隔
壁110により、放電空間122は、X軸方向にセル
(単位発光領域)毎に区画される。
の溝に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光
体粒子と有機バインダーとからなるペースト状の蛍光体
インキを塗布する。次にこれを400〜590℃の温度
で焼成して有機バインダーを焼失させることによって、
各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層111R、111
G、111Bが形成される。この各蛍光体粒子として
は、上記前面蛍光体層と同様の理由により、水熱合成法
等による球状の蛍光体粒子が好ましい。
面パネルは、前面パネルの各電極と背面パネルのアドレ
ス電極とが直交するように重ね合わされるとともに、パ
ネル周縁に封着用ガラスを介挿させ、これを例えば45
0℃程度で10〜20分間焼成して気密シール層121
を形成するとともに、内部を高真空(例えば、1.1×
10-4Pa)に排気した後、放電ガス(例えば、He−
Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封
入することによってPDP100が作製される。
布される蛍光体インキについて説明すると、この蛍光体
インキは、各蛍光体粒子、バインダ、溶媒とが混合さ
れ、100〜30000センチポアズ(0.1Pa.s
〜30Pa.s)となるように調合されたものであり、
必要に応じて、界面活性剤、分散剤(0.1〜5wt
%)等を添加しても良い。
しては、可視光に対する透過率が優れ、しかもNe−X
e、He−Xe等の混合ガスの放電によって発生する1
47nmを中心とする真空紫外光によって励起されて、
250nm〜370nmの紫外光を発生する蛍光体が用
いられる。このような蛍光体としては、Ca3(PO4)
2:Tl、SrB4O7F:Eu、BaMg2Si2O7:P
b、Sr2P2O7:Eu、BaZnMgSi2O7:P
b、BaSi2O5:Pb、(Ca、Zn)3(P
O4)2:Tl、YPO4:Ce、YF3:(Gd、P
r)、SrB4O7:Euの蛍光体のうちのいずれか一種
以上で表される化合物で構成される。
れている固相反応法(蛍光体を構成する各元素の酸化
物、炭酸化物、硝酸化物あるいは弗化物を混合し空気中
あるいは窒素、アルゴン、中で焼成する方法)が良い
が、液体噴霧法、ゾルゲル法あるいは水熱合成法を用い
て球状化した粒子を用いればさらに良好である。
面パネル側にある蛍光体からの可視光がより多く前面パ
ネルを通過するため、好ましいが、薄すぎると前面パネ
ル側にある蛍光体からの紫外光(250nm〜370n
m)の発光強度が低下して好ましくない。したがって前
面板側の好ましい膜厚は、1μm〜20μmである。
147nmの真空紫外線および250nm〜370nm
の紫外線により強く発光する蛍光体であることが好まし
い。このような蛍光体のうち、赤色蛍光体としては、
(Y、Gd)1-xBO3:Eux、Y2-xO3:Euxあるい
はYxVO4:Euxで表される化合物が用いられる。こ
れらは、その母体材料を構成するY元素の一部がEuに
置換された化合物である。ここで、Y元素に対するEu
元素の置換量Xは、0.05≦X≦0.2の範囲となる
ことが好ましい。
ex、TbxまたはZn2-xSiO4:Mnxで表される化
合物が用いられる。Y2xSiO5:Cex、Tbxは、そ
の母体材料を構成するY元素の一部がCe、Tbに置換
された化合物であり、Zn2-xSiO4:Mnxは、その
母体材料を構成するZn元素の一部がMnに置換された
化合物である。ここで、Y、元素及びZn元素に対する
Ce、TbおよびMnの置換量Xは、0.01≦X≦
0.2の範囲となることが好ましい。
O17:Eux、Ba1-x-ySryMgAl10O17:Eux、
MexMgSi2O8:Eux、(ただし、Meは、Ca、
Sr、Baのうちのいずれか一種以上)あるいはMex
MgSi2O6:Eux(ただし、Meは、Ca、Sr、
Baのうちのいずれか一種以上)で表される化合物が用
いられる。これらの化合物は、その母体材料を構成する
Ca、Ba元素の一部がSrあるいはEuに置換された
化合物である。ここでCa、Ba元素に対するSr元
素、Eu元素の置換量Y、Xはそれぞれ0.1≦Y≦
0.5、0.03≦X≦0.25の範囲となることが好
ましい。
背面パネル側に使用される各蛍光体は、波長250nm
〜370nmの紫外線に対して励起効率が高いため特に
好ましい。
られる焼成を行う方法(固相法)により得られるものを
用いても良いが、水熱合成法や溶液噴霧法等により得ら
れる球状の蛍光体粒子を用いれば、さらに各色の輝度を
上げることができる。
は、エチルセルロースやアクリル樹脂(インキの0.1
〜10wt%を混合)を用いることができ、溶媒として
は、α―ターピネオール、ブチルカービトールを用いる
ことができる。なおバインダとして、PMMAやPVA
などの高分子を、溶媒として、ジエチレングリコール、
メチルエーテルなどの有機溶媒や水を用いることもでき
る。
面パネルの各蛍光体粒子にはそれぞれ、赤色が(Y、G
d)BO3:Eu、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、緑色
がZn2SiO4:Mn、Y2SiO5:Ce、Tb、青色
がBaMgAl10O17:Eu、MeMgSi2O8:E
u、MeMgSi2O6:Euを用い、膜厚は30μmと
した。前面パネル側の蛍光体層として、Ca3(PO4)
2:Tl(No.1)、SrB4O7F:Eu(No.
2)、BaMg2Si2O7:Pb(No.3)、(C
a、Zn)3(PO4)2:Tl(No.4)、BaZn
MgSi2O7:Pb(No.5)、BaSi2O5:Pb
(No.6)、SrB4O7:Eu(No.7)、YPO
4:Ce(No.8)、YF3:Gd、Pr(No.9)
をそれぞれ設けたものをそれぞれの厚みで作製した。
し、隔壁110の高さを0.1mm、隔壁110と隔壁
110の間隔、すなわちセルピッチを0.36mmに設
定した。放電ガスの組成としては、キセノンガス(5
%)とネオン(95%)の混合ガスを使用し、封入圧力
は66500Paとした。
記サンプルNo.1〜9と同様にしてパネルを作製した
(No.10)。これらのサンプルの作製条件を表1に
示す。
輝度は、各色の輝度利用率が100%となるように白表
示を行い測定した。そして、これらのPDPの輝度(全
白表示時の輝度)と5000時間連続的に白表示させた
後の輝度とその変化率を測定した。この実験結果を表1
に示している。
る前面パネル側に147nmの真空紫外線を250nm
〜350nmに変換する蛍光体を設けたNo1〜9のサ
ンプルは、輝度が高く、5000時間連続駆動後におい
ても輝度の低下や色温度の低下が少ない。一方、前面パ
ネル側に蛍光体を設けないサンプルNo10は、輝度が
低くその劣化も大きい。
mの真空紫外線により励起されて250nm〜370n
mの紫外線を発する蛍光体層を形成することにより、P
DPの輝度向上を図ることができ、あわせてパネル駆動
による輝度劣化も低減できる。
ィスプレイ装置は、147nmの真空紫外線により励起
されて250nm〜370nmの紫外線を発する蛍光体
が配設された前面パネルと、電極及び真空紫外線と紫外
線によって赤色、青色、緑色の各色に発光する蛍光体と
が配設された背面パネルとの間に、ガス媒体が封入され
た放電空間を形成したもので、前面パネル側に147n
mの真空紫外線により励起されて250nm〜370n
mの紫外線を発する蛍光体層を形成することにより、P
DPの輝度向上とパネル駆動による輝度劣化の低減を図
ることができる。
レイパネルの前面ガラス基板を除いた平面図
示す斜視図
ブロック図
大した断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 一方の主面に複数の電極を配列して形成
した前面パネルと、この前面パネルに間に隔壁により仕
切られた放電空間が形成されるように対向配置しかつ中
心波長が147nmの真空紫外線により励起されて赤
色、緑色、青色の各色の可視光を発光する背面蛍光体層
を備えた背面パネルとを有し、かつ前記前面パネルの電
極が設けられた主面側に、中心波長が147nmの真空
紫外線により励起されて250nm〜370nmの紫外
線を発光する前面蛍光体層を設けたことを特徴とするプ
ラズマディスプレイ装置。 - 【請求項2】 一方の主面に複数の電極を配列して形成
した前面パネルと、この前面パネルに間に隔壁により仕
切られた放電空間が形成されるように対向配置しかつ中
心波長が147nmの真空紫外線により励起されて赤
色、緑色、青色の各色の可視光を発光する背面蛍光体層
を備えた背面パネルとを有し、かつ前記背面パネルに、
励起波長250nm〜370nmの紫外線によって、可
視光を発光する蛍光体層を設けたことを特徴とするプラ
ズマディスプレイ装置。 - 【請求項3】 前面蛍光体層は、Ca3(PO4)2:T
l、SrB4O7F:Eu、BaMg2Si2O7:Pb、
Sr2P2O7:Eu、BaZnMgSi2O7:Pb、B
aSi2O5:Pb、(Ca、Zn)3(PO4)2:T
l、YPO4:Ce、YF3:(Gd、Pr)、SrB4
O7:Euの蛍光体のうちのいずれか一種以上で表され
る化合物で構成したことを特徴とする請求項1に記載の
プラズマディスプレイ装置。 - 【請求項4】 背面蛍光体層の赤色蛍光体が(Y、G
d)1-xBO3:Eux、Y2-xO3:EuxあるいはYxV
O4:Euxのうちのいずれか一種で表される化合物、緑
色蛍光体がY2xSiO5:Cex、TbxまたはZn2-xS
iO4:Mnxのうちのいずれか一種で表される化合物、
青色蛍光体がBa1-xMgAl10O17:Eux、Ba
1-x-ySryMgAl10O17:Eux、MexMgSi
2O8:Eux、(ただし、Meは、Ca、Sr、Baの
うちのいずれか一種以上)あるいはMexMgSi
2O6:Eux(ただし、Meは、Ca、Sr、Baのう
ちのいずれか一種以上)のうちのいずれか一種で表され
る化合物で構成したことを特徴とする請求項1または2
に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 【請求項5】 前面蛍光体層の可視光透過率は、背面蛍
光体層の可視光透過率よりも大きいことを特徴とする請
求項1または2に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 【請求項6】 蛍光体粒子の粒径が4.0μm以下であ
り、かつ前面蛍光体層の厚みが10μm以下であること
を特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディス
プレイ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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- 2002-05-27 JP JP2002151932A patent/JP2003346665A/ja active Pending
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