JP2003338713A - 電力増幅装置およびこれを用いた無線通信装置 - Google Patents
電力増幅装置およびこれを用いた無線通信装置Info
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Abstract
入する構成を採った場合は、低周波チョークインダクタ
として非常に大きなインダクタンスのコイルが必要にな
る。 【解決手段】 多段高周波増幅器13の入力側から高周
波信号の一部を検波器15で取り出し、その取り出した
信号を包絡線信号に変換することで、低周波2次歪成分
を効率良く取り出す。そして、この低周波2次歪成分を
低周波増幅器16で増幅し、移相器17で位相調整した
後、多段高周波増幅器13の最終段のゲート或いはベー
スバイアスに注入する。その結果、低周波2次歪成分は
トランジスタの非線形性によって3次歪に変換され、元
々多段高周波増幅器13で発生していた3次歪成分と相
殺される。
Description
びこれを用いた無線通信装置に関し、特に歪補償機能を
持つ電力増幅装置およびこれを用いた無線通信装置に関
する。
ss)等の線形変調方式を採用した携帯電話機に代表され
る無線通信装置では、低歪かつ高効率な電力増幅装置が
必要とされる。この種の電力増幅装置としては、歪補償
機能を持つ電力増幅装置が知られている。その構成の一
例を図13に示す。この従来例に係る電力増幅装置は、
増幅用FET101、入力整合回路102、フィードフ
ォワード路103、低周波チョークインダクタ104お
よび出力整合回路105からなり、フィードフォワード
を用いた線形化によって3次歪を抑圧するというもので
ある。
通りである。先ず、2つの正弦波信号もしくは変調波信
号が入力整合回路102を介して入力されることで、増
幅用FET101は大信号動作している。つまり、基本
波以外に高次の高調波を発生している状態である。増幅
用FET101で発生している2次歪波のうち、低周波
に存在する成分は、フィードフォワード路103のRF
チョークインダクタ111およびキャパシタ112を通
った後、負荷抵抗113で電圧信号に変換される。その
低周波成分が低周波アンプ114によって増幅される。
号は、キャパシタ116およびチョークインダクタ11
7を通った後、増幅用FET101のドレインに再注入
される。この再注入された低周波信号の一部は、増幅用
FET101の非線形性によって新たに3次歪へと変換
される。そして、増幅用FET101のドレインにおい
て、元々存在していた3次歪と新たに発生した3次歪と
が相殺され、結果的に3次歪成分が減少する。
は、次のように数式によって解析的に説明される。
多項式表示する。 { EMBED Equation.3 , } ……(1) ここで、電力増幅器に入力する2つの正弦波信号の角周
波数をω1およびω2とすると、電力増幅器出力で発生
している2次歪成分の角周波数は、ω2−ω1である。
この成分を何らかの方法で再び電力増幅器に再注入す
る。上記従来例では、増幅用FEE101のドレイン側
から再注入している。
但し、Hは振幅の係数、φは移相量である。
ての項を表すと煩雑になるため、2次係数による項のみ
を表すと次のようになる。
2および2ω2−ω1の角周波数成分を持っているため
3次歪成分(IM3)である。これらの項が元々電力増
幅器で発生していた3次歪成分と打ち消し合うようにす
れば3次歪成分の低減が可能である。
来例に係る電力増幅装置は、1段のトランジスタによっ
て構成されている。しかしながら、通常の携帯電話端末
などで用いられる電力増幅器では、十分な電力利得を得
るために2段若しくは3段のトランジスタを使用するこ
とが多い。また、最も大きな問題点は、低周波信号を増
幅用FET101のドレインに再注入する構成を採って
いるため、低周波チョークインダクタ104として非常
に大きなインダクタンスのコイルが必要となることであ
る。この低周波チョークインダクタ104は、再注入さ
れる低周波成分と直流電源を分離する、即ち低周波成分
の電源側への通過を阻止するために必要である。低周波
チョークインダクタ104として、場合によっては数μ
Hのインダクタンス値が必要である。これでは小型・低
コストの理念とは反する。
号公報に記載された線形増幅器がある。この線形増幅器
においても、低周波2次歪成分を取り出し、それを再注
入することによって3次歪の低減を図るという基本概念
は同じである。しかし、先述した従来例と異なり、低周
波2次歪成分を出力部から取り出して入力部にフィード
バックする構成を採っている。
どの繰り返しが続く波形の場合には効果が得られるが、
デジタル変調波のようにランダムな信号を入力した場
合、フィードバック路の伝達時間遅延によって所望の3
次歪低減の効果を得ることができない。特に、近年のW
(Wide-band)−CDMA変調波のようにチップレートの
速い信号、つまり包絡線変動の速い信号では、フィード
バック方式では歪相殺が時間的に間に合わず困難である
と考えられる。
であり、その目的とするところは、フィードフォワード
方式の利点を活かしつつ、低歪かつ高効率で、しかも小
型かつ低コストにて実現可能な電力増幅装置およびこれ
を用いた無線通信装置を提供することにある。
置は、複数段のトランジスタを含む多段高周波増幅手段
と、この多段高周波増幅手段の入力側から高周波信号の
一部を取り出し、その取り出した信号を包絡線信号に変
換する検波器を含み、当該検波器から出力される低周波
信号を多段高周波増幅手段の最終段のゲート或いはベー
スバイアスに注入するフィードフォワード手段とを備え
た構成となっている。
は、高周波信号の一部を取り出し、その取り出した信号
を包絡線信号に変換することで、低周波の2次歪成分を
効率良く取り出す。この取り出された低周波2次歪成分
は、フィードフォワード手段によって多段高周波増幅器
の最終段トランジスタのゲート/ベースバイアスに注入
される。この2次歪成分の最終段トランジスタのゲート
/ベースバイアスへの注入により、2次歪成分がトラン
ジスタの非線形性によって3次歪に変換され、元々多段
高周波増幅器で発生していた3次歪と相殺される。ま
た、バイアス回路において低周波2次歪成分の電源側へ
の通過がバイアス抵抗によって阻止されるため、大きな
インダクタンス素子を用いる必要がなくなる。
て図面を参照して詳細に説明する。
施形態に係る電力増幅装置の構成例を示すブロック図で
ある。図1において、回路入力端子11と回路出力端子
12との間には、増幅用トランジスタが多段接続されて
なる多段高周波増幅器13が接続されている。多段高周
波増幅器13の入力端には、RF結合器14を介して検
波器15、低周波増幅器16および移相器17が順に縦
続接続されている。ただし、低周波増幅器16および移
相器17は必須の構成要素ではなく、必要に応じていず
れか一方だけを設けるようにすることも可能である。移
相器17の出力信号は、多段高周波増幅器13の最終段
トランジスタのゲート(または、ベース)のバイアス回
路に注入される。以上により、フィードフォワード手段
が形成されている。
増幅装置の回路動作について説明する。
A等の高周波変調信号が、回路入力端子11から入力さ
れる。ここでは、その詳細については省略するが、CD
MA等の線形変調信号は、GMSK(Gaussian(-filtere
d) Minimum Sift Keying)等の定包絡線変調信号と異な
り、振幅方向にも情報を含むために包絡線レベルが変動
している。
まま多段高周波増幅器13に入力される。また、高周波
変調信号の一部はRF結合器14により取り出され、検
波器15に入力される。検波器15に入った信号はダイ
オードなどの非直線性を利用したデバイスにより、変調
波の包絡線信号に変換される。検波器15の内部では変
調波の2倍波以上の高調波も発生しているが、検波器1
5の出力部のローパス特性によって直流周波数付近の低
周波信号のみ出力される。この低周波信号は変調波の2
次歪成分のうち、直流付近に存在する信号に相当する。
周波2次歪信号)は、低周波増幅器16に入力され、こ
こでしかるべき電圧増幅を受けて出力される。低周波増
幅器16の出力信号はさらに移相器17に入力され、こ
こで決められた位相の調整を受けた後、多段高周波増幅
器13の最終段のゲートバイアス回路に注入される。な
お、ここでは、低周波増幅器16がFETによって構成
される場合を前提としているが、バイポーラトランジス
タによって構成される場合は、移相器17の出力信号は
多段高周波増幅器13の最終段のベースバイアス回路に
注入される。
タバイアスから注入する場合と比較して、ゲート/ベー
スバイアスから注入する場合は、バイアス回路に大きな
電流が流れないので抵抗を直列に挿入することができ
る。低周波信号はその抵抗を負荷とすることで、最終段
のゲート/ベース電位が変動する。ドレイン/コレクタバ
イアスから注入する場合は抵抗を挿入すると大きな電力
損失となってしまうため不可能である。そのために低周
波信号の負荷として大きなインダクタンス値のインダク
タが必要となる。
わせるために通常は大きな非線形状態で動作を行ってい
る。よって、最終段ゲート/ベースバイアス回路に入力
された低周波信号は、先述の(3)式で説明した理論に
したがい、トランジスタの非線形性によって3次歪に変
換される。そして、この変換された3次歪が元々多段高
周波増幅器13で発生していた3次歪成分と相殺される
ことにより、出力における3次歪成分が低減されること
になる。
て、隣接チャネル漏洩電力比(ACPR)がある。AC
PR仕様を決める支配的な歪要素は3次歪成分である。
したがって、3次歪を低減することができればACPR
についても低減することができる。これによって、電力
増幅器をより大きな非線形状態で使用することができる
ため、電力増幅器の高効率化を達成することができる。
施形態の変形例に係る電力増幅装置の具体例を示す回路
図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して
示している。
移相器17の回路部分については省略している。また、
回路入力端子11と多段高周波増幅器13との間には入
力整合回路18が、多段高周波増幅器13と回路出力端
子12との間には出力整合回路19がそれぞれ接続され
ている。
3が2段構成の場合を例に挙げて示し、また多段高周波
増幅器13を構成するトランジスタとしてFETを用い
ている。すなわち、多段高周波増幅器13は、初段FE
T131および終段FET132を有し、初段FET1
31のドレインと終段FET132のゲートとの間が段
間整合回路133を介して結合された構成となってい
る。初段FET131のゲートは、抵抗R11を介して
初段ゲート電位に接続されている。初段FET131の
ドレインは、RFチョークインダクタL11を介して電
源Vccに接続されている。
34は、終段ゲート電位と終段FET132のゲートと
の間に直列に接続されたバイアス抵抗R12およびRF
チョークインダクタL12と、終段FET132のゲー
トと移相器17(図1参照)の出力端との間に直列に接
続されたRFチョークインダクタL13およびDCカッ
トキャパシタC11とを有する構成となっている。終段
FET132のドレインは、チョークインダクタL14
を介して電源Vccに接続されるとともに、キャパシタ
C12および出力整合回路19を介して回路出力端子1
2に接続されている。
RFチョークインダクタL12は、高周波信号の電源側
への通過を阻止して低周波信号および直流信号を電源側
へ通過させる作用をなす。また、DCカットキャパシタ
C11は、移相器17から供給される低周波信号を終段
FET132側へ通過させ、直流信号の通過を阻止する
作用をなす。このDCカットキャパシタC11の容量値
としては、比較的大きな値(〜数μF)が必要となる
が、近年のデバイスの発達により、小型かつ低コストな
素子を入手することは容易である。
2次歪信号の電源側への通過を阻止するチョークインダ
クタ(図13の低周波チョークインダクタ104)とし
て、大きなインダクタンス(例えば、数μH〜10μ
H)のものを用いる場合にはそうはいかず、電力増幅装
置の大型化、高コスト化を招くことになってしまう。こ
れに対して、本具体例に係る電力増幅装置では、チョー
クインダクタL14としては、数nH〜10nH程度の
もので良いため、小型化、低コスト化に大きく寄与でき
る。
3を用いている。検波器15では、非線形素子としてダ
イオードを利用している。非線形素子として、ダイオー
ドに代えてFETやバイポーラトランジスタを使用して
も同様の効果を得ることができる。ダイオードDのアノ
ードは、RF結合用キャパシタC13を介して入力整合
回路18の出力端に接続されている。ダイオードDのア
ノードとグランドとの間には抵抗R13が接続されてい
る。ダイオードDのカソードとグランドとの間には、キ
ャパシタC14および抵抗R14が並列に接続されてい
る。
幅装置において、低周波の2次歪成分を検波器15で効
率良く取り出して多段高周波増幅器13の最終段トラン
ジスタのゲート/ベースのバイアス回路に再注入する構
成を採ることにより、多段高周波増幅器13が線形化、
即ち注入された2次歪成分がトランジスタの非線形性に
よって3次歪に変換され、この変換された3次歪が元々
多段高周波増幅器13で発生していた3次歪と相殺され
るため、され、隣接チャネル漏洩電力を低減することが
できる。
器13の段間、具体的には終段のゲート/ベースのバイ
アス回路に再注入することで、次のような作用効果が得
られる。すなわち、FETのゲート回路はドレインに比
べてインピーダンスが非常に高く、通常、図2の具体例
から明らかなように、バイアス抵抗R12を介してゲー
ト電位を与えている。したがって、低周波2次歪成分の
電源側への通過がバイアス抵抗R12によって阻止され
るため、従来技術で述べたような大きなインダクタンス
素子を用いる必要がなく、その結果電力増幅装置の小型
化および低コスト化を図ることができる。
ードフォワード構成となっているため、例えばW−CD
MA変調波のように高速に包絡線変動する変調波を増幅
する場合にも、3次歪低減の効果を得ることができる。
これは、W−CDMAや次世代の高速変調方式にも対応
できることを示している。さらに、従来の通常の電力増
幅装置に対して線形化のために付加する構成要素は検波
器15、低周波増幅器16および移相器17などであ
り、IC技術を用いれば全て小型に実現できるものであ
る。そのため、本実施形態に係る電力増幅装置の構成は
モジュール化に向いており、モジュール化することによ
りオールインワンの線形化電力増幅装置が実現可能とな
る。
器13が2段構成の場合を例に挙げて説明したが、3段
以上の構成の多段高周波増幅器13に対しても、その段
間に低周波2次歪成分を再注入することで同様の作用効
果を得ることができる。ただし、最終段のトランジスタ
は電力変換効率を高めるために非線形の動作をし、そこ
で歪が発生することから、最終段のトランジスタのゲー
ト/ベースバイアス回路に再注入することで、歪補償効
果をより高めることができる。
N−CDMA変調波信号を入力させた場合における出力
電力&ACPR(隣接チャネル漏洩電力比)に対する入
力電力を示す特性図である。変調波の中心周波数は90
0MHzである。
F周波数から±900MHzオフセットした周波数での
電力と自チャンネルとの電力比を示す。LFFF(図
中、実線)は本発明による歪補償を行った場合の特性
を、NoFF(図中、点線)は本発明による歪補償を行
わない場合の特性をそれぞれ示している。LFFF(Low
Filter Feed Forward)の特性から明らかなように、本
発明による歪補償を行うことにより、ほとんどの入力電
力レベルにおいてACPRが減少していることがわか
る。
を行った場合の効果を示す周波数スペクトラム図であ
る。図4において、一点鎖線(A)は入力信号のスペク
トラムを、点線(B)は本発明による歪補償を行わず
(LFFF無し)に通常の多段電力増幅器によって出力
されたスペクトラムを、実線(C)は本発明による歪補
償を行った場合(LFFF有り)のスペクトラムをそれ
ぞれ示している。隣接チャネルが存在する付近の周波数
において、実線(C)の方が点線(B)よりも上回って
おり、これは本発明の歪補償による効果である。
効率(PAE)−入力電力の特性図である。図3におい
て、電力増幅装置に与えられたACPRの仕様が−50
dBcだとすると、本発明による歪補償を行わないとき
は−4dBm程度の入力電力までしか入力させることが
できない。これに対して、本発明による歪補償を行うこ
とにより、−0.5dBmの入力電力まで増加させるこ
とができている。これにより、図5の特性図を見ると、
約10%程度の変換効率(PAE)の増加が得られてい
ることがわかる。
7の具体的な構成例について説明する。
示す回路図である。本例に係る低周波増幅器16は、入
力信号Vinを非反転入力とするオペアンプOP11
と、このオペアンプOP11の反転(−)入力端と出力
端との間に接続された可変抵抗VR11と、オペアンプ
OP11の出力端に一端が接続された抵抗R21とを有
する非反転増幅器構成となっている。
路図である。本例に係る移相器17は、オペアンプOP
12と、各一端が共通に接続されて回路入力端となり、
各他端がオペアンプOP12の反転入力端および非反転
入力端にそれぞれ接続された可変抵抗VR12および抵
抗R22と、オペアンプOP12の非反転入力端とグラ
ンドとの間に接続されたキャパシタC22と、オペアン
プOP12の反転入力端と出力端との間に接続された抵
抗R23とを有する一次オールパスフィルタ構成となっ
ている。
VR12の抵抗値をR、キャパシタC22の容量値をC
とすると、各角周波数ωでの移相量Δθは、 Δθ=tan-1{−2ωCR/(1−ω2 C2 R2 )} で表される。
1実施形態の第1変形例に係る電力増幅装置の構成例を
示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一
符号を付して示している。
15と低周波増幅器16との間に、ハンドパスフィルタ
(もしくは、ローパスフィルタ)20を配置した構成を
採っている。かかる構成の電力増幅装置の基本的な動作
は図1の場合と同じである。ただし、本変形例に係る電
力増幅装置では、検波器15から出力される低周波信号
に含まれる高調波成分をハンドパスフィルタ(もしく
は、ローパスフィルタ)20で積極的に落とし、低周波
2次歪成分のみを取り出すようにしている。
取り出す検波器15の後段にハンドパスフィルタ(もし
くは、ローパスフィルタ)20を配置し、低周波信号に
含まれる高調波成分を積極的に落として低周波2次歪成
分のみを取り出すようにすることで、低周波2次歪成分
のみが多段高周波増幅器13の最終段のゲート/ベース
バイアス回路に再注入され、3次歪の相殺効果が高まる
ことになるため、歪補償の効果をより高めることができ
る。
1実施形態の第2変形例に係る電力増幅装置の構成例を
示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一
符号を付して示している。
波信号の2次歪成分を検出する検波器15をRF段に配
置していたのに対して、本変形例においては、検波器1
5をIF段(中間周波数段)に配置し、この検波器15
に対して結合器14Aを介してIF信号の一部を与える
構成を採っている。
力端子12との間には、周波数変換器21、バンドパス
フィルタ(BPF)22、ドライバー増幅器23および
多段高周波増幅器13が縦続接続されている。周波数変
換器21は、IF信号に対して局部発振器24から与え
られる局部発振信号を混合することでRF信号に変換す
る。
信系としてIF段が存在するような送信機に対して適用
することができる。そして、入力信号が周波数変換器2
1、バンドパスフィルタ22、ドライバー増幅器23な
どを通過する間の遅延時間により、検波器15、低周波
増幅器16、移相器17などを通過する際の低周波信号
の遅延時間が相殺されるため、遅延時間ずれによる線形
化特性の劣化を防ぐことができる。
は、低周波増幅器16の後段に移相器17を配置すると
したが、元々発生していた3次歪と新たに発生させた3
次歪とを相殺させる際、必ずしも移相器17で低周波2
次歪成分の位相調整を行う必要がない場合がある。その
場合には、移相器17を省略しても同様の作用効果を得
ることができる。
線形そして利用して高周波信号の包絡線(2次歪を含
む)を検波するが、ダイオードはアナログ素子であるた
めにプロセスのばらつきや温度変化による特性変動は避
けることができない。検波器15の出力電圧がそれらの
変動要因によって影響を受けると、増幅器の線形化特性
が劣化してしまう。この点に鑑みなされたのが、以下に
説明する本発明の第2実施形態に係る電力増幅装置であ
る。
実施形態に係る電力増幅装置の構成例を示すブロック図
である。第2実施形態に係る電力増幅装置では、無線端
末などの送信系において、中間周波数を使わずにベース
バンド信号から直接RF信号に変換する構成を採ってい
る。
31は、I信号およびQ信号をそれぞれD/Aコンバー
タ311,312にてアナログ信号に変換して出力する
とともに、包絡線計算手段、例えば2乗検波回路313
に入力して包絡線を計算し、この包絡線について低周波
増幅器314で振幅を調整し、移相器315で位相を調
整した後、D/Aコンバータ316にてアナログ信号に
変換して低周波アナログ信号として出力する。
化されて出力されたI信号およびQ信号は、ローパスフ
ィルタ(LPF)32,33を通過して直交変調器34
に入力され、当該直交変調器34によって高周波信号へ
と変換された後、ドライバー増幅器35を介して多段高
周波増幅器36に入力される。
力される低周波アナログ信号は、第1実施形態における
低周波2次歪信号と等価であり、ローパスフィルタ37
を通過した後、多段高周波増幅器36の段間、好ましく
は終段トランジスタのゲート/ベースのバイアス回路に
入力される。多段高周波増幅器36を例えばFETを用
いて構成した場合には、バイアス回路の構成は、例えば
図2の終段バイアス回路134の構成と同じになる。
31において包絡線を計算することにより、検波回路と
してダイオード等のアナログ素子を使用しなくて済むの
で、素子ばらつきによる特性劣化を免れることができ
る。同様に、低周波増幅器314および移相器315と
してアナログ回路を使用しなくて済むため、それらにつ
いても素子ばらつきによる特性劣化を免れることができ
る。
同様に、包絡線計算手段としての2乗検波回路313の
後段にデジタルBPFまたはLPFを配置することで、
低周波信号に含まれる高調波成分を積極的に落として低
周波2次歪成分のみを取り出すことができる。これによ
り、低周波2次歪成分のみが多段高周波増幅器36の最
終段のゲート/ベースバイアス回路に再注入されること
になるため、歪補償の効果をより高めることができる。
置において、高周波信号はそのまま多段高周波増幅器1
3へと入力するのに対して、検波器15で発生した低周
波信号は低周波増幅器16および移相器17、第1変形
例に場合にはBPF(又は、LPF)20を通過するた
めに通過時間が長くなる。通過時間が信号変調波のチッ
プレートに対して十分に無視できる場合は問題ないが、
無視できない場合は電力増幅装置の線形化特性が劣化す
ることになる。この点に鑑みなされたのが、以下に説明
する本発明の第3実施形態に係る電力増幅装置である。
実施形態に係る電力増幅装置の構成例を示すブロック図
であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示
している。
入力端子11と多段高周波増幅器13との間に、SAW
(Surface Acoustic Wave;表面弾性波)フィルタなどの遅
延素子31を配置した構成を採っている。これにより、
高周波信号は、遅延素子31を通過して多段高周波増幅
器13に入力することになる。
波増幅器13との間に遅延素子31を配置することによ
り、低周波増幅器16および移相器17、場合によって
はBPF(又は、LPF)20を通過する低周波信号の
遅延時間と、遅延素子31を通過する高周波信号の遅延
時間との差が小さくなるため、遅延時間ずれによる線形
化特性の劣化を防ぐことができる。つまり、チップレー
トの速い変調信号においても、本発明に係る線形化方式
を適用することができるようになる。
態のいずれかに係る電力増幅装置は、無線通信装置、例
えばCDMA方式携帯電話機におけるRFフロントエン
ド部のパワーアンプを構成するのに用いられる。図12
は、CDMA方式携帯電話機におけるRFフロントエン
ド部の構成の一例を示すブロック図である。
た受信波は、送信/受信に共用される帯域振分けフィル
タ72を通過し、AGCアンプ73で信号レベルが一定
にされた後ミキサ74に供給される。ミキサ74では、
局部発振器75からの局部発振周波数と混合されること
によって中間周波(IF)に変換された後、後段のベー
スバンドIC(図示せず)に供給される。
Cから供給されるIF信号がミキサ76に供給され、こ
こで局部発振器77からの局部発振周波数と混合されて
RF信号に変換される。そして、このRF信号は、高周
波電力増幅器78で増幅された後帯域振分けフィルタ7
2を経てアンテナ71に供給され、このアンテナ71か
ら電波として送信される。
フロントエンド部において、送信側の高周波電力増幅器
78として、先述した第1〜第3実施形態のいずれかに
係る電力増幅装置が用いられる。
ロントエンド部において、送信側の高周波電力増幅器7
8として、第1〜第3実施形態のいずれかに係る電力増
幅装置を用いることにより、これら電力増幅装置は大き
なインダクタンス素子を用いる必要がなく、小型化およ
び低コスト化が可能であるため、無線通信装置そのもの
の小型化および低コスト化に大きく寄与でき、特に携帯
電話機などの携帯型無線通信装置に適用した場合にその
効果が大である。
帯電話機に適用した場合を例にとって説明したが、本発
明はこの適用例に限定されるものではなく、無線通信装
置全般に適用することが可能である。
歪補償機能を持つ電力増幅装置において、低周波の2次
歪成分を検波器で効率良く取り出して多段高周波増幅器
の最終段トランジスタのゲート/ベースのバイアス回路
に再注入する構成を採ることにより、この注入された2
次歪成分がトランジスタの非線形性によって3次歪に変
換され、この変換された3次歪が元々多段高周波増幅器
で発生していた3次歪と相殺されるため、隣接チャネル
漏洩電力を低減することができる。
器の最終段のゲート/ベースのバイアス回路に再注入す
ることで、低周波2次歪成分の電源側への通過がバイア
ス抵抗によって阻止され、インダクタンス素子を用いる
必要がないため、電力増幅装置の小型化および低コスト
化を図ることができる。また、フィードバック構成では
なく、フィードフォワード構成となっているため、例え
ばW−CDMA変調波のように高速に包絡線変動する変
調波を増幅する場合にも、3次歪低減の効果を得ること
ができる。
成例を示すブロック図である。
体例を示す回路図である。
A変調波信号を入力させた場合における出力電力&AC
PRに対する入力電力を示す特性図である。
周波数スペクトラム図である。
力の特性図である。
る。
の構成例を示すブロック図である。
の構成例を示すブロック図である。
構成例を示すブロック図である。
構成例を示すブロック図である。
トエンド部の構成の一例を示すブロック図である。
す回路図である。
器、15,313…検波器、16,314…低周波増幅
器、17,315…移相器、20…フィルタ(LPF/
BPF)、21…周波数変換器、23…ドライバー増幅
器、31…遅延素子
Claims (12)
- 【請求項1】 複数段のトランジスタを含む高周波増幅
手段と、 前記高周波増幅手段の入力側から高周波信号の一部を取
り出し、その取り出した信号を包絡線信号に変換する検
波器を含み、当該検波器から出力される低周波信号を前
記高周波増幅手段の最終段のゲート或いはベースバイア
スに注入するフィードフォワード手段とを備えたことを
特徴とする電力増幅装置。 - 【請求項2】 前記フィードフォワード手段は、前記検
波器から出力される低周波信号を増幅する低周波増幅器
を含むことを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。 - 【請求項3】 前記フィードフォワード手段は、前記検
波器から出力される低周波信号の位相を調整する移相器
を含むことを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。 - 【請求項4】 前記フィードフォワード手段は、前記検
波器から出力される低周波信号に含まれる高調波成分を
遮断するフィルタを含むことを特徴とする請求項1記載
の電力増幅装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の電力増幅装置においてさ
らに、 前記検波器と前記高周波増幅手段との間に遅延素子を有
することを特徴とする電力増幅装置。 - 【請求項6】 前記検波器は、送信機の中間周波数段に
配置されていることを特徴とする請求項1記載の電力増
幅装置。 - 【請求項7】 複数段のトランジスタを含む高周波増幅
手段と、 デジタルベースバンド部において2つの色差信号からデ
ジタル包絡線信号を計算する包絡線計算手段と、 前記包絡線計算手段から出力されるデジタル包絡線信号
をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、 前記D/Aコンバータから出力されるアナログ包絡線信
号を前記高周波増幅手段の最終段のゲート或いはベース
バイアスに注入する手段とを備えたことを特徴とする電
力増幅装置。 - 【請求項8】 前記デジタルベースバンド部は、前記包
絡線計算手段から出力されるデジタル包絡線信号を増幅
する低周波増幅器を有することを特徴とする請求項7記
載の電力増幅装置。 - 【請求項9】 前記デジタルベースバンド部は、前記包
絡線計算手段から出力されるデジタル包絡線信号の位相
を調整する移相器を有することを特徴とする請求項7記
載の電力増幅装置。 - 【請求項10】 前記デジタルベースバンド部は、前記
包絡線計算手段から出力されるデジタル包絡線信号に含
まれる高調波成分を遮断するフィルタを有することを特
徴とする請求項7記載の電力増幅装置。 - 【請求項11】 送信系のフロントエンドを構成する電
力増幅器として、 複数段のトランジスタを含む高周波増幅手段と、前記高
周波増幅手段の入力側から高周波信号の一部を取り出
し、その取り出した信号を包絡線信号に変換する検波器
を含み、当該検波器から出力される低周波信号を前記高
周波増幅手段の最終段のゲート或いはベースバイアスに
注入するフィードフォワード手段とを備えた電力増幅装
置を用いたことを特徴とする無線通信装置。 - 【請求項12】 送信系のフロントエンドを構成する電
力増幅器として、 複数段のトランジスタを含む高周波増幅手段と、デジタ
ルベースバンド部において2つの色差信号からデジタル
包絡線信号を計算する包絡線計算手段と、前記包絡線計
算手段から出力されるデジタル包絡線信号をアナログ信
号に変換するD/Aコンバータと、前記D/Aコンバー
タから出力されるアナログ包絡線信号を前記高周波増幅
手段の最終段のゲート或いはベースバイアスに注入する
バイアス回路とを備えた電力増幅装置を用いたことを特
徴とする無線通信装置。
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