JP2003335716A - ジトリメチロールプロパンの製造方法 - Google Patents
ジトリメチロールプロパンの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ジトリメチロールプロパンを選択率良く、効率
的に合成する新規の製造方法を提供する。 【解決手段】トリメチロールプロパンと炭酸エステル類
を反応させる際に、塩基性触媒存在下で反応を開始し、
次いで酸性条件下に移行することを特徴とするジトリメ
チロールプロパンの製造方法。
的に合成する新規の製造方法を提供する。 【解決手段】トリメチロールプロパンと炭酸エステル類
を反応させる際に、塩基性触媒存在下で反応を開始し、
次いで酸性条件下に移行することを特徴とするジトリメ
チロールプロパンの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジトリメチロール
プロパン(以下di-TMPと略す)の新規な合成法に関する
ものである。di-TMPはポリアクリレート、ポリエーテル
ポリオール、ポリウレタン、アルキット樹脂、合成潤滑
油等の原料として有用である。
プロパン(以下di-TMPと略す)の新規な合成法に関する
ものである。di-TMPはポリアクリレート、ポリエーテル
ポリオール、ポリウレタン、アルキット樹脂、合成潤滑
油等の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】di-TMPがトリメチロールプロパン(以下
TMPと略す)製造の副生物として生成することは公知で
ある。例えば、米国特許第3,097,245号で参照される。T
MPの工業的製造は塩基性触媒下n-ブチルアルデヒドとホ
ルムアルデヒドとのアルドール縮合及び交叉カニッツア
ロ反応によって合成される。di-TMPはこのTMP生成反応
過程において生成される。このアルドール縮合-交叉カ
ニッツアロ反応後、TMPを常法で分離回収する。例え
ば、濃縮後又は、濃縮せずに反応生成液を溶媒、例え
ば、イソブタノール、酢酸ブチル、酢酸エチル、アミル
アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ヘキシルアルコール、イソプロピルケトン、イソ
ブチルアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、シクロヘキサ
ノール等々の一種又は混合溶媒を用いて抽出する。この
方法で実質的に蟻酸ソーダを含まないTMP抽出液が得ら
れる。こうして得た粗TMPを高真空下の蒸留で精製す
る。一般的にdi-TMPは上記の高真空後の釜残、即ち、こ
の蒸留釜残から晶析によって回収されている。蒸留釜残
中には通常TMP1-10%、di-TMP20-50%、残りの有機物は環
状、又は、直線上のホルマール類である。英国特許第1,
291,335号では蒸留釜残を有機溶媒、又は、水に溶解し
た後に結晶化させてdi-TMPを得ると記載している。しか
し、この方法では高純度のdi-TMPを得るには繰り返しの
再結晶工程を必要とし、工業的見地からも不利である。
蒸留釜残からの回収方法の最大の問題点はTMP装置の生
産量に大きく影響を受けることである。Di-TMPはTMP合
成の際の副生成物であるため、その生産量はTMP装置の
生産量に比例する。また、副生するdi-TMPはTMP生産量
の10分の1程度であり、大量生産には向いていない方法
である。
TMPと略す)製造の副生物として生成することは公知で
ある。例えば、米国特許第3,097,245号で参照される。T
MPの工業的製造は塩基性触媒下n-ブチルアルデヒドとホ
ルムアルデヒドとのアルドール縮合及び交叉カニッツア
ロ反応によって合成される。di-TMPはこのTMP生成反応
過程において生成される。このアルドール縮合-交叉カ
ニッツアロ反応後、TMPを常法で分離回収する。例え
ば、濃縮後又は、濃縮せずに反応生成液を溶媒、例え
ば、イソブタノール、酢酸ブチル、酢酸エチル、アミル
アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ヘキシルアルコール、イソプロピルケトン、イソ
ブチルアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、シクロヘキサ
ノール等々の一種又は混合溶媒を用いて抽出する。この
方法で実質的に蟻酸ソーダを含まないTMP抽出液が得ら
れる。こうして得た粗TMPを高真空下の蒸留で精製す
る。一般的にdi-TMPは上記の高真空後の釜残、即ち、こ
の蒸留釜残から晶析によって回収されている。蒸留釜残
中には通常TMP1-10%、di-TMP20-50%、残りの有機物は環
状、又は、直線上のホルマール類である。英国特許第1,
291,335号では蒸留釜残を有機溶媒、又は、水に溶解し
た後に結晶化させてdi-TMPを得ると記載している。しか
し、この方法では高純度のdi-TMPを得るには繰り返しの
再結晶工程を必要とし、工業的見地からも不利である。
蒸留釜残からの回収方法の最大の問題点はTMP装置の生
産量に大きく影響を受けることである。Di-TMPはTMP合
成の際の副生成物であるため、その生産量はTMP装置の
生産量に比例する。また、副生するdi-TMPはTMP生産量
の10分の1程度であり、大量生産には向いていない方法
である。
【0003】従って、合成法によってdi-TMPを得ること
の検討がされているが、例えば、特開平8-157401や、特
開平9-268150のように塩基存在下でTMPとホルムアルデ
ヒドとアルデヒド類を反応させるものがある。しかし、
これらの方法は精製工程が非常に長くなるため工業的見
地から不利である。一方TMPの2量化によって直接合成す
る方法も報告されている。例えば、米国特許第3673226
号公報には、キシレン、トルエン等の溶媒中で、TMPを
酸で脱水縮合させてdi-TMPを得る方法が記載されてい
る。また、特表平6-501470号公報には、酸でTMPまた
は、エステルで保護したTMPを脱水縮合させてdi-TMPを
得る方法が記載されている。しかし、TMPを縮合させる
場合、3量体以上のオリゴマー成分が多く副生するた
め、反応率を非常に低くしなければならない。また、エ
ステルで保護したTMPを使用する場合は、エステル化
や、脱保護反応を行う必要があるため製造工程が複雑と
なる。さらに、これらの方法ではいずれも激しく着色す
るという問題もある。
の検討がされているが、例えば、特開平8-157401や、特
開平9-268150のように塩基存在下でTMPとホルムアルデ
ヒドとアルデヒド類を反応させるものがある。しかし、
これらの方法は精製工程が非常に長くなるため工業的見
地から不利である。一方TMPの2量化によって直接合成す
る方法も報告されている。例えば、米国特許第3673226
号公報には、キシレン、トルエン等の溶媒中で、TMPを
酸で脱水縮合させてdi-TMPを得る方法が記載されてい
る。また、特表平6-501470号公報には、酸でTMPまた
は、エステルで保護したTMPを脱水縮合させてdi-TMPを
得る方法が記載されている。しかし、TMPを縮合させる
場合、3量体以上のオリゴマー成分が多く副生するた
め、反応率を非常に低くしなければならない。また、エ
ステルで保護したTMPを使用する場合は、エステル化
や、脱保護反応を行う必要があるため製造工程が複雑と
なる。さらに、これらの方法ではいずれも激しく着色す
るという問題もある。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、di-T
MPを選択率良く、効率的に合成する新規の製造方法を提
供することである。
MPを選択率良く、効率的に合成する新規の製造方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き問題点を有するdi-TMPの合成法について検討を行った
結果、TMP中に塩基性触媒と炭酸エステル類を添加して
エステル交換反応を行い、ついで脱炭酸反応をしたの
ち、酸性条件下に変えて反応を行うことによりdi-TMPが
選択率良く得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、トリメチロールプロパンと炭酸エステル
類を反応させる際に、塩基性触媒存在下で反応を開始
し、次いで酸性条件下に移行することを特徴とするジト
リメチロールプロパンの製造方法に関するものである。
き問題点を有するdi-TMPの合成法について検討を行った
結果、TMP中に塩基性触媒と炭酸エステル類を添加して
エステル交換反応を行い、ついで脱炭酸反応をしたの
ち、酸性条件下に変えて反応を行うことによりdi-TMPが
選択率良く得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、トリメチロールプロパンと炭酸エステル
類を反応させる際に、塩基性触媒存在下で反応を開始
し、次いで酸性条件下に移行することを特徴とするジト
リメチロールプロパンの製造方法に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】原料となるトリメチロールプロパ
ン(TMP)は、例えば、塩基性触媒下n-ブチルアルデヒ
ドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合及び交叉カニ
ッツアロ反応によって合成される。TMPは一般的な工業
グレードのものをそのまま使用でき、再度精製する必要
はない。もう一方の原料である炭酸エステル類は、例え
ば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピ
ル、炭酸ジブチル、炭酸エチレンなどが例示できる。こ
れらは一般的な工業グレードのものをそのまま使用で
き、再度精製する必要はない。
ン(TMP)は、例えば、塩基性触媒下n-ブチルアルデヒ
ドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合及び交叉カニ
ッツアロ反応によって合成される。TMPは一般的な工業
グレードのものをそのまま使用でき、再度精製する必要
はない。もう一方の原料である炭酸エステル類は、例え
ば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピ
ル、炭酸ジブチル、炭酸エチレンなどが例示できる。こ
れらは一般的な工業グレードのものをそのまま使用で
き、再度精製する必要はない。
【0006】本発明の方法で用いられる炭酸エステル類
とTMPの使用量には特に制限はないが、炭酸エステル類1
モルに対してTMPが2〜30モル、好ましくは5〜10モルで
ある。この範囲よりも少ないとdi-TMPの生成量が少な
く、かつ、副生するTMPオリゴマーが増加する。一方、
この範囲より多いと未反応のTMPの回収量が多くなり、
経済的に不利となる。
とTMPの使用量には特に制限はないが、炭酸エステル類1
モルに対してTMPが2〜30モル、好ましくは5〜10モルで
ある。この範囲よりも少ないとdi-TMPの生成量が少な
く、かつ、副生するTMPオリゴマーが増加する。一方、
この範囲より多いと未反応のTMPの回収量が多くなり、
経済的に不利となる。
【0007】炭酸エステル類とTMPを反応させる際に酸
性、または無触媒でも反応は進行するが、塩基性触媒存
在下で反応を開始し、次いで酸性条件に移行して反応を
行うことにより効率良くdi-TMPを製造することができ
る。
性、または無触媒でも反応は進行するが、塩基性触媒存
在下で反応を開始し、次いで酸性条件に移行して反応を
行うことにより効率良くdi-TMPを製造することができ
る。
【0008】本発明で用いる塩基性触媒の例としては、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アル
コキサイド、炭酸塩、カルボン酸塩などが用いられる。
たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、リチウムメトキサイ
ド、リチウムエトキサイド、リチウムイソプロポキサイ
ド、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、ナトリウムイソプロポキサイド、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムなどである。
これらは単一または複数を混合して使用することができ
る。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アル
コキサイド、炭酸塩、カルボン酸塩などが用いられる。
たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、リチウムメトキサイ
ド、リチウムエトキサイド、リチウムイソプロポキサイ
ド、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、ナトリウムイソプロポキサイド、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムなどである。
これらは単一または複数を混合して使用することができ
る。
【0009】使用する塩基性触媒の量としては特に制限
はないが、通常TMPに対して、100ppm〜10%、好ましく
は1000ppm〜5000ppmである。これよりも少ないと反応速
度が極めて遅くなり、多いと反応液が着色することがあ
る。触媒は固体のまま、または水溶液として使用しても
特に問題はない。
はないが、通常TMPに対して、100ppm〜10%、好ましく
は1000ppm〜5000ppmである。これよりも少ないと反応速
度が極めて遅くなり、多いと反応液が着色することがあ
る。触媒は固体のまま、または水溶液として使用しても
特に問題はない。
【0010】塩基性触媒下での反応条件としては、はじ
めに炭酸エステルを還流させながら、遊離したアルコー
ルを常に抜き出す。この時の反応温度は通常50〜200℃
であり、反応時間は通常0.5〜24時間、好ましくは1〜10
時間である。こうすることにより、遊離アルコールを完
全に除去することができる。遊離したアルコールを完全
に除去した後、反応液を100〜250℃に、好ましくは150
〜200℃に保つ。この時の反応時間は通常0.5〜48時間、
好ましくは1〜10時間である。こうすることにより、エ
ステル交換によって得られたTMPカーボネート化合物を
完全に消失できる。
めに炭酸エステルを還流させながら、遊離したアルコー
ルを常に抜き出す。この時の反応温度は通常50〜200℃
であり、反応時間は通常0.5〜24時間、好ましくは1〜10
時間である。こうすることにより、遊離アルコールを完
全に除去することができる。遊離したアルコールを完全
に除去した後、反応液を100〜250℃に、好ましくは150
〜200℃に保つ。この時の反応時間は通常0.5〜48時間、
好ましくは1〜10時間である。こうすることにより、エ
ステル交換によって得られたTMPカーボネート化合物を
完全に消失できる。
【0011】次に酸性条件下に移行する。反応液を10〜
200℃、好ましくは50〜150℃まで冷却した後、酸を添加
する。添加時の温度が低いと反応液の粘性が高いために
反応効率が悪くなり、温度が高いと着色や副反応が起こ
るため好ましくない。この際に用いられる酸は、リン
酸、硫酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸などの
有機酸などである。これらはそのまま、または水などに
溶解したものを用いても良い。使用する酸の量としては
先に使用した塩基触媒と等モル以上用いれば良い。好ま
しくは塩基触媒と等モル量に加えてTMPに対して、100pp
m〜10%、好ましくは1000ppm〜5000ppm使用する。酸性
条件下での反応は、反応液中のdi-TMPよりも低分子量の
成分がTMPのみになるまで行う。反応温度は、10〜200
℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。反応時間は、
通常0.1〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
200℃、好ましくは50〜150℃まで冷却した後、酸を添加
する。添加時の温度が低いと反応液の粘性が高いために
反応効率が悪くなり、温度が高いと着色や副反応が起こ
るため好ましくない。この際に用いられる酸は、リン
酸、硫酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸などの
有機酸などである。これらはそのまま、または水などに
溶解したものを用いても良い。使用する酸の量としては
先に使用した塩基触媒と等モル以上用いれば良い。好ま
しくは塩基触媒と等モル量に加えてTMPに対して、100pp
m〜10%、好ましくは1000ppm〜5000ppm使用する。酸性
条件下での反応は、反応液中のdi-TMPよりも低分子量の
成分がTMPのみになるまで行う。反応温度は、10〜200
℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。反応時間は、
通常0.1〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
【0012】得られた反応液からのdi-TMPの回収、精製
方法は得に制限はない。通常、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどの塩基で中和後、再結晶あるいは蒸留
にて精製する。中和に必要な塩基の量は触媒として使用
した酸に対して理論当量用いる。中和の際に使用する塩
基はそのまま、または水溶液にして用いてもよい。通
常、di-TMPの回収を蒸留で行う際には、まず減圧下で蒸
留を行い、未反応のTMPを分離する。圧力は1333Pa〜1P
a、好ましくは666Pa〜13Paの範囲である。TMPを分離し
た後、di-TMPを回収するために減圧下で蒸留を行う。通
常1333Pa〜1Pa、好ましくは133Pa〜5Paの条件で行う。
留出成分は190〜192℃/133Paである。この蒸留は理論段
数3段程度の蒸留塔を用いれば良いが、必要であればよ
り理論段数を持った蒸留塔を用いても良い。また、ここ
で分離されたTMPは、本発明の原料として再利用でき
る。
方法は得に制限はない。通常、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどの塩基で中和後、再結晶あるいは蒸留
にて精製する。中和に必要な塩基の量は触媒として使用
した酸に対して理論当量用いる。中和の際に使用する塩
基はそのまま、または水溶液にして用いてもよい。通
常、di-TMPの回収を蒸留で行う際には、まず減圧下で蒸
留を行い、未反応のTMPを分離する。圧力は1333Pa〜1P
a、好ましくは666Pa〜13Paの範囲である。TMPを分離し
た後、di-TMPを回収するために減圧下で蒸留を行う。通
常1333Pa〜1Pa、好ましくは133Pa〜5Paの条件で行う。
留出成分は190〜192℃/133Paである。この蒸留は理論段
数3段程度の蒸留塔を用いれば良いが、必要であればよ
り理論段数を持った蒸留塔を用いても良い。また、ここ
で分離されたTMPは、本発明の原料として再利用でき
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。
【0014】実施例1
磁気攪拌子、温度計、3段相当の蒸留塔を備えた1000ml
3つ口フラスコにTMP400.7g(2.99mol)と炭酸ジメチ
ル36.4g(0.4mol)、触媒として炭酸ナトリウム0.5g(5
mmol)を入れ、反応器をマントルヒーターで加熱し、80
℃にした。しばらくするとメタノールが留出して来るの
でこれを系外に除去し、徐々に温度を上昇させていった
(190℃に達するまで5時間)。190℃に達した時点で190
℃に保ちながら4時間反応を継続した。反応液を100℃ま
で冷却し、50%硫酸2.4gを添加した。100℃のまま30分
間攪拌した後、130℃まで加熱し、1時間反応を行った。
その後8.0gの10% 炭酸ナトリウム水溶液を用いて中和
し、真空蒸留を行った。190℃、1mmHgの成分を回収し、
GC分析を行ったところ純度98%のdi-TMPであった。単離
収量63.5g、単離収率67%(反応終了時、消費TMPモル基
準di-TMP選択率79%)。
3つ口フラスコにTMP400.7g(2.99mol)と炭酸ジメチ
ル36.4g(0.4mol)、触媒として炭酸ナトリウム0.5g(5
mmol)を入れ、反応器をマントルヒーターで加熱し、80
℃にした。しばらくするとメタノールが留出して来るの
でこれを系外に除去し、徐々に温度を上昇させていった
(190℃に達するまで5時間)。190℃に達した時点で190
℃に保ちながら4時間反応を継続した。反応液を100℃ま
で冷却し、50%硫酸2.4gを添加した。100℃のまま30分
間攪拌した後、130℃まで加熱し、1時間反応を行った。
その後8.0gの10% 炭酸ナトリウム水溶液を用いて中和
し、真空蒸留を行った。190℃、1mmHgの成分を回収し、
GC分析を行ったところ純度98%のdi-TMPであった。単離
収量63.5g、単離収率67%(反応終了時、消費TMPモル基
準di-TMP選択率79%)。
【0015】実施例2
磁気攪拌子、温度計、3段相当の蒸留塔を備えた500ml
3つ口フラスコにTMP 250.0g(1.87mol)と炭酸ジメチル
33.9g(0.38mol)、触媒として炭酸ナトリウム0.5g(5m
mol)を入れ、反応器をマントルヒーターで加熱し、80
℃にした。しばらくするとメタノールが留出して来るの
でこれを系外に除去し、徐々に温度を上昇させていった
(190℃に達するまで5時間)。反応温度が190℃に達し
た時点で190℃に保ちながら4時間反応を継続した。反応
液を100℃まで冷却し、50%硫酸1.6gを添加した。100℃
のまま30分間攪拌した後、130℃まで加熱し、1時間反応
を行った。その後4.0gの10% 炭酸ナトリウム水溶液を用
いて中和し、真空蒸留を行った。190℃、1mmHgの成分を
回収し、GC分析を行ったところ純度98%のdi-TMPであっ
た。単離収量42.9g、単離収率62%(反応終了時、消費T
MPモル基準di-TMP選択率72%)。
3つ口フラスコにTMP 250.0g(1.87mol)と炭酸ジメチル
33.9g(0.38mol)、触媒として炭酸ナトリウム0.5g(5m
mol)を入れ、反応器をマントルヒーターで加熱し、80
℃にした。しばらくするとメタノールが留出して来るの
でこれを系外に除去し、徐々に温度を上昇させていった
(190℃に達するまで5時間)。反応温度が190℃に達し
た時点で190℃に保ちながら4時間反応を継続した。反応
液を100℃まで冷却し、50%硫酸1.6gを添加した。100℃
のまま30分間攪拌した後、130℃まで加熱し、1時間反応
を行った。その後4.0gの10% 炭酸ナトリウム水溶液を用
いて中和し、真空蒸留を行った。190℃、1mmHgの成分を
回収し、GC分析を行ったところ純度98%のdi-TMPであっ
た。単離収量42.9g、単離収率62%(反応終了時、消費T
MPモル基準di-TMP選択率72%)。
【0016】比較例1
米国特許第3673226号公報に記載の方法により反応を行
った。TMP268g(2.0mol)とトルエン150gを、磁気攪拌
子、温度計、加熱用マントルヒーター、Dean-Stark水分
離器を備えたフラスコに入れた。P-トルエンスルホン酸
2gを加えた後、攪拌しながら200℃に加熱し、それによ
って一部のトルエンを留去した。混合物は水18gが分離
器により分離されるまでこの温度で還流した。混合物を
100℃まで冷却し、1N炭酸ナトリウムにて中和した。水
およびトルエンを100℃、15mmHgで留去した。これによ
ってdi-TMP 34.1g、tri-TMP 7.1g、未反応TMP 110.5gを
含む242.5gの黄褐色の粘性を有するオイルが得られた。
di-TMPの選択率を計算したところ23.2%となった(生成
di-TMP mol/ 理論di-TMP mol×100)。
った。TMP268g(2.0mol)とトルエン150gを、磁気攪拌
子、温度計、加熱用マントルヒーター、Dean-Stark水分
離器を備えたフラスコに入れた。P-トルエンスルホン酸
2gを加えた後、攪拌しながら200℃に加熱し、それによ
って一部のトルエンを留去した。混合物は水18gが分離
器により分離されるまでこの温度で還流した。混合物を
100℃まで冷却し、1N炭酸ナトリウムにて中和した。水
およびトルエンを100℃、15mmHgで留去した。これによ
ってdi-TMP 34.1g、tri-TMP 7.1g、未反応TMP 110.5gを
含む242.5gの黄褐色の粘性を有するオイルが得られた。
di-TMPの選択率を計算したところ23.2%となった(生成
di-TMP mol/ 理論di-TMP mol×100)。
【0017】比較例2
特表平6-501470号公報に記載の方法により反応を行っ
た。TMP1210g(9.0mol)と硫酸0.62gを、加熱用マント
ルヒーター、磁気攪拌子、還流冷却器を備えたフラスコ
に入れた。この装置を6mmHgの圧力に調整した。混合物
を160〜165℃の温度に加熱した。4時間後、89.1gのdi-T
MPが反応溶液中に生成されていた。同時にこの溶液中に
は7.1gのtri-TMPが存在した。反応溶液中に残ったTMPは
1042gであった。di-TMPの選択率を計算したところ56.9
%となった(生成di-TMP mol/ 理論di-TMP mol×10
0)。
た。TMP1210g(9.0mol)と硫酸0.62gを、加熱用マント
ルヒーター、磁気攪拌子、還流冷却器を備えたフラスコ
に入れた。この装置を6mmHgの圧力に調整した。混合物
を160〜165℃の温度に加熱した。4時間後、89.1gのdi-T
MPが反応溶液中に生成されていた。同時にこの溶液中に
は7.1gのtri-TMPが存在した。反応溶液中に残ったTMPは
1042gであった。di-TMPの選択率を計算したところ56.9
%となった(生成di-TMP mol/ 理論di-TMP mol×10
0)。
【0018】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば、di-TMPを選択率良く、効率的に製造する
ことができる。
発明によれば、di-TMPを選択率良く、効率的に製造する
ことができる。
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(72)発明者 渡辺 将史
岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三
菱瓦斯化学株式会社水島工場内
(72)発明者 雨宮 淳一
岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三
菱瓦斯化学株式会社水島工場内
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 BA02 BA03 BA06
BA29 BA32 BC31 BE03 BE04
4H039 CA61 CD10 CD30
Claims (2)
- 【請求項1】トリメチロールプロパンと炭酸エステル類
を反応させる際に、塩基性触媒存在下で反応を開始し、
次いで酸性条件下に移行することを特徴とするジトリメ
チロールプロパンの製造方法。 - 【請求項2】炭酸エステル類1モルに対してトリメチロ
ールプロパンが2〜30モルの範囲で反応させる請求項1
に記載のジトリメチロールプロパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138682A JP2003335716A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | ジトリメチロールプロパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138682A JP2003335716A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | ジトリメチロールプロパンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003335716A true JP2003335716A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29700059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002138682A Pending JP2003335716A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | ジトリメチロールプロパンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003335716A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9108911B1 (en) * | 2014-03-26 | 2015-08-18 | Oxea Bishop Llc | Process for the manufacture of di-TMP |
-
2002
- 2002-05-14 JP JP2002138682A patent/JP2003335716A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9108911B1 (en) * | 2014-03-26 | 2015-08-18 | Oxea Bishop Llc | Process for the manufacture of di-TMP |
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