JP2003335537A - 光ファイバ母材の製造方法およびこれを用いた光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法およびこれを用いた光ファイバの製造方法

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JP2003335537A
JP2003335537A JP2002148317A JP2002148317A JP2003335537A JP 2003335537 A JP2003335537 A JP 2003335537A JP 2002148317 A JP2002148317 A JP 2002148317A JP 2002148317 A JP2002148317 A JP 2002148317A JP 2003335537 A JP2003335537 A JP 2003335537A
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rod
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optical fiber
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glass
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Yoshio Yokoyama
佳生 横山
Yoshiteru Nakaura
美輝 中浦
Kanta Yagi
幹太 八木
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01225Means for changing or stabilising the shape, e.g. diameter, of tubes or rods in general, e.g. collapsing
    • C03B37/0126Means for supporting, rotating, translating the rod, tube or preform
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダミーロッド中に含有されている異物に
起因する線引開始時の断線を防止する。 【解決手段】 線引に先立ち、コアロッド10の下端側
のダミーロッド17との界面近傍を1550℃でアニー
ルし、ダミーロッドに含有される異物とその周囲の酸化
シリコンとで混合相を形成するようにし、異物を低融点
化したことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信等で使用
される光ファイバを製造するための光ファイバ母材の製
造方法およびこれを用いた光ファイバの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、光通信等に使用される光ファ
イバを作成するための光ファイバ母材の製造方法として
は、棒状の出発部材の表面にコアとなる屈折率の高いガ
ラス微粒子を堆積し、その上にクラッド層を堆積するO
VD法(Outer Vapor phase Deposition:外付け法)
や、軸方向にコア、クラッドとなるガラス微粒子を堆積
するVAD法(Vapor phase Axial Deposition:気相軸
付法)等の気相合成法が知られている。
【0003】このような気相合成法においては、バーナ
により酸水素火炎を生じさせてその中にガラスの原料ガ
スを送り込み、加水分解反応によってガラス微粒子堆積
体(すす体)を生成し、これを回転するコアロッドに堆
積させる。このガラス微粒子の堆積によって形成された
プリフォームの成長に応じてコアロッドを引き上げるこ
とにより、光ファイバの原料となる円柱状のガラス微粒
子堆積体を合成する。そして、このガラス微粒子堆積体
を加熱することにより透明ガラス化処理を行う。
【0004】ところで、ガラス微粒子堆積体を形成する
際、端部は、バーナの停止時点近傍ではガスの供給量や
温度が不安定になりやすく、組成にばらつきが生じ易い
上、外径を制御しにくい。このため端部は非有効領域と
して、コアロッドごと廃棄しなければならないことにな
る。そこで、コアロッドの周囲にクラッドを形成するた
めのすす付けを行う際には、コスト低減のため、両端部
の非有効領域となる部分にはコスト低減のためダミーロ
ッドと呼ばれる純度の低い母材を接続し、その周りにも
クラッド(ジャケット)層を合成することにより、コア
ロッドの端部まで有効に利用できるようにするという方
法がとられることが多い。すなわち、通常はコアロッド
10の両端にダミーロッド11、17を融着したものを
出発ロッドとして用いている。
【0005】一般に、光ファイバ母材製造装置は、その
一例を図1に示すように、箱状の反応容器20内に、コ
アロッド10がダミーロッド11を介してシード棒12
に取付けられており、このシード棒12は、コアロッド
10が鉛直方向に保持されるように、支持台14に取付
けられた取付け冶具13によって、支持されている。そ
して、この反応容器20内において、バーナ15から原
料ガスを供給しつつ加熱し、シード棒12の引き上げを
行うことにより、ガラス微粒子堆積体16が形成される
ようになっている。
【0006】反応容器20の内部には、長手方向の軸周
りに回転自在のガラスロッドからなるダミーロッド11
に融着されたコアロッド10が上下方向に設けられてお
り、コアロッド10下端側のダミーロッド17の下端部
は反応容器20の内部に位置し、バーナー15によって
コアロッド10のまわりにガラス微粒子堆積体16が形
成される。なお、反応容器20には、上部から下方へ向
かって空気を流してダウンフロー流を供給するためのダ
ウンフロー流供給手段(図示せず)が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダミーロッ
ドは天然鉱石の石英を原材料とする場合が多く、その中
には不純物粒子が若干含まれている。光ファイバ母材を
線引する際には歩留まりを向上させるため、ダミーロッ
ドを含む母材のテーパ部分で線引条件の調整がなされる
が、その際、ダミーロッドにクラックが入り、線引の際
に断線が生じるという問題があった。
【0008】通常の線引方法では、線引開始に際して、
光ファイバ母材の一端を溶融させながら引っ張り、製造
ラインにかけてコーティングまで連続的に形成してい
る。
【0009】この場合、一旦断線が生じて線引を中断す
るということは、低速での線引を必要とする口出し作業
から、線引速度の安定化にいたるまでの工程を再度、や
り直す必要があり、さらなる時間と材料を要することに
なり、生産性を低下させる大きな問題となっている。
【0010】また、線引条件の調整が遅れるためにコア
ロッドを含む部分が一部製品として使用できなくなるな
どの弊害があった。
【0011】この断線の原因を調査した結果、ダミーロ
ッド部分の断面に異物が存在している場合に多く断線が
生じていることが判明した。この異物の不純物微粒子を
分析した結果、これらは酸化イットリウム(Y
)、酸化アルミニウム(Al)などの高融
点化合物であることが判明した。これら異物がダミーロ
ッド内に存在すると、線引時に周囲が軟化した場合にも
この異物が固体としてそのまま存在するため、その異物
と周囲のダミーロッド材料との熱膨張係数の差に起因し
て周りに応力が集中し、ファイバ破断が生じ易くなると
いう問題があった。
【0012】ところで、従来、コアとダミーロッドとの
外径差を2mm以下に抑え、ダミーロッドを1470℃
程度で火炎研磨することでファイバ母材のクラック発生
を防止するという方法が提案されている(特開平11-
71125号)。
【0013】また、大型プリフォームを延伸し、異物の
混入した箇所を切断除去し、線引工程に供給する方法も
提案されている(特開平10-81135号)。さらに
また、母材を電気炉などでアニールし、母材中の残留応
力を低減し、線引開始時の母材先端のクラックを防止す
る方法も提案されている(特開2000-290033
号)。
【0014】しかしながら、いずれの方法によっても、
ダミーロッド内部に含まれる異物については何ら対策が
なされておらず、ダミーロッドに含有される異物に応力
集中が生じ、ダミーロッドあるいは、ダミーロッドとコ
アロッドとの接合部分にまで到達するような亀裂が入
り、線引時に断線が生じるという問題があった。このよ
うに従来の方法では、依然として線引開始時のダミーロ
ッド含有部分での断線の問題があった。
【0015】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、線引開始時の母材先端のクラックを防止し、連続し
て安定な線引を行うことのできる光ファイバ母材の製造
方法および光ファイバの製造方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の方法で
は、コアロッドの両端にダミーロッドを接続して出発ロ
ッドを形成し、その周りにガラス微粒子を堆積して、ガ
ラス多孔質複合母材を形成する工程と、このガラス多孔
質複合母材を透明化する工程とを含む光ファイバ母材の
製造方法において、前記ガラス多孔質複合母材の一端を
把持し他端側のダミーロッドから線引を行うに先立ち、
前記ダミーロッドに含有されている高融点不純物粒子か
らなる異物が周りの酸化シリコンと共融化して、線引温
度で軟化するように、前記他端側のダミーロッドと前記
コアロッドとの界面近傍を、前記異物と酸化シリコンと
の共融点以上に、加熱する低融点化処理工程を含むこと
を特徴とする。
【0017】かかる構成によれば、ファイバの断線を大
幅に低下させることができた。これは、酸化イットリウ
ム、酸化アルミニウムなどの異物が加熱によってダミー
ロッド内で、周りに存在する酸化シリコンと反応して混
合相を形成し、軟化点が低下する結果、線引温度でこの
混合相が酸化シリコンよりも先に軟化し、応力集中がな
くなり、線引工程におけるファイバ破断が生じなくなる
ものと考えられる。従って、線引工程において断線がな
くなるため、線引を中断することなく連続して安定した
線引を行うことが可能となり、生産性が大幅に向上す
る。
【0018】また望ましくは、この低融点化処理工程
で、他端側のダミーロッドとコアロッドとの界面近傍
を、1100℃以上で所定時間加熱することにより、ダ
ミーロッド中に異物が存在していたとしても、周りの酸
化シリコンと混合相からなる共晶を形成し、軟化点が低
下するため、線引温度で十分に軟化するようになり、線
引時には異物が固体として残留しない。従って、応力集
中がなくなり、断線を防止することができる。
【0019】望ましくは、この低融点化処理工程を透明
化処理工程後に、実行するようにすれば、外径変動を生
じ特性劣化の原因となるようなことなく、より信頼性の
高い線引を行うことが可能となる。透明化処理中にこの
混合相形成のための熱処理(低融点化処理)を行おうと
すると、透明化のための熱量よりも供給熱量を大きくし
なければならない。このためヒータ加熱を行う場合、線
引開始端側のダミーロッド近傍で透明化処理のヒータ速
度を低下する必要がある。このように途中で速度を変更
したところで収縮し、引っ張りを生じてまうため、外径
変動を生じ、コア/クラッドの比率が変動し、特性劣化を
生じてしまうという問題がある。従って、透明化処理後
にヒータで低融点化処理を行うようにすれば特性劣化な
しに信頼性の高いファイバ母材を形成することが可能と
なる。
【0020】また望ましくは、この低融点化処理工程
は、透明化処理工程と同時に実行されるようにすれば、
処理時間の短縮を図ることが可能となる。透明化処理工
程と同時に実行することができるのは、均熱炉を用いる
ときであり、透明化処理のための時間をわずかに短縮
し、温度を下げて低融点化処理温度で所定時間加熱する
ことによって実行可能である。また、均熱炉でダミーロ
ッド側端部のみ低融点化処理温度に所定時間維持するよ
うにしてもよい。ここで透明化処理工程と同時とは、透
明化処理温度から室温に戻すことなく直接低融点化処理
を行う場合、および透明化処理温度に昇温する前あるい
は途中で、室温を経ることなく低融点化処理を行う場合
を含むものとする。この場合は実際には透明化処理後、
炉の温度を直接低融点化処理温度まで下げ、所定時間維
持することになる。また透明化処理中に炉の温度を低融
点化処理温度(例えば1200℃から1300℃)まで
下げ、所定時間維持したのち、透明化処理温度(例えば
1600℃)に戻して、透明化処理を続行する。さらに
は、透明化処理温度に到達する前に、低融点化処理温度
で所定時間維持し、この後透明化処理温度に昇温して、
透明化処理を続行する。
【0021】また本発明の方法では、コアロッドの両端
にダミーロッドを接続して出発ロッドを形成し、その周
りにガラス微粒子を堆積して、ガラス多孔質複合母材を
形成する工程と、このガラス多孔質複合母材を透明化す
る工程と、透明化された前記ガラス多孔質複合母材の一
端側のダミーロッドを把持し、その他端側のダミーロッ
ドから、加熱溶融して線引し、ガラスファイバを連続的
に形成する線引工程とを含む光ファイバの製造方法にお
いて、前記ガラス多孔質複合母材の一端を把持し他端側
のダミーロッドから線引を行うに先立ち、前記ダミーロ
ッドに含有されている高融点不純物粒子からなる異物が
周りの酸化シリコンと共融化して、線引温度で軟化する
ように、前記異物と酸化シリコンとの共融点以上に、加
熱処理する低融点化処理工程を含むことを特徴とする。
かかる方法によっても、線引工程において断線がなくな
るため、線引を中断することなく連続して安定した線引
を行うことが可能となる。
【0022】また本発明の方法では、ガラス微粒子の堆
積に先立ち、前記ダミーロッドに含有されている高融点
不純物粒子からなる異物が周りの酸化シリコンと共融化
して、線引温度で軟化するように、前記線引開始端側の
ダミーロッドと前記コアロッドとの界面近傍を、前記異
物と酸化シリコンとの共融点以上に、加熱する低融点化
処理工程を含むことを特徴とする。
【0023】この場合、ガラス微粒子堆積前に、ダミー
ロッドとコアロッドのみの状態で、低融点化処理を行っ
ているため、熱容量が小さいため熱効率がよく、より少
ない熱量で、酸化イットリウム、酸化アルミニウムなど
の異物が、ダミーロッド内で、周りに存在する酸化シリ
コンと反応して混合相を形成し、軟化点が低下すること
になる。この結果、線引温度でこの混合相が酸化シリコ
ンよりも先に軟化し、応力集中がなくなり、線引工程に
おけるファイバ破断を防止し、連続して生産性よく光フ
ァイバを製造することが可能となる。
【0024】反面、前述のガラス微粒子堆積後の低融点
化処理に比べて、若干断線防止効果が低い。これは、ガ
ラス微粒子堆積工程の開始前雰囲気中における汚染によ
る異物については効果を奏功し得ないためと考えられ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ファイバ母
材の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0026】この方法では、コアロッド10の両端にダ
ミーロッド11,17を接続して出発ロッドを形成し、
その周りにガラス微粒子を堆積して、ガラス微粒子堆積
体16を形成し、これを透明化し、焼結した後、線引に
先立ち、ダミーロッドに含有されている高融点不純物粒
子からなる異物が周りの酸化シリコンと共融化して線引
温度で軟化するように、線引開始端側のダミーロッド1
7とコアロッド10との界面近傍を、1550℃程度、
移動速度3mm/分程度でヒータ41内を前記異物と酸
化シリコンとの共融点以上に、加熱する低融点化処理工
程を含むことを特徴とする(図3)。
【0027】すなわち、図1に示すように、VAD法を
用いたガラス微粒子堆積装置を用いて、ダミーロッド1
1、17に融着されたコアロッド10のまわりにガラス
微粒子を堆積しガラス微粒子堆積体16を形成する。こ
れにより、コアロッド10とガラス微粒子堆積体とで構
成されたガラス多孔質複合母材が形成される。この装置
では、反応容器20の内部には、長手方向の軸周りに回
転自在のガラスロッドからなるダミーロッド11に融着
されたコアロッド10が上下方向に設けられており、コ
アロッド10下端側のダミーロッド17の下端部は反応
容器20の内部に位置し、バーナー15によってコアロ
ッド10のまわりにガラス微粒子堆積体16が形成され
る。なお、反応容器20には、上部から下方へ向かって
空気を流してダウンフロー流を供給するためのダウンフ
ロー流供給手段(図示せず)が設けられている。14は
シード棒12を支持するための冶具13を固定する支持
台である。
【0028】このようにしてガラス微粒子堆積体16を
形成した後、図2に示すような脱水焼結炉30内に、ガ
ラス微粒子堆積体16が収納されるように、シード棒1
2の先端を取付け、シード棒12を下降させることによ
り、ガラス微粒子堆積体を所望の速度でヒータ31内を
通過させることにより、脱水および焼結を行うように構
成されている。
【0029】この装置は、所定の位置にヒータ31を備
えた脱水焼結炉30と、この脱水焼結炉30内をガラス
微粒子堆積体16が所望の速度で通過するように、支持
台34に取付け冶具33を介してシード棒12が取付け
られるようになっている。
【0030】そして低融点化処理装置は、図3に示すよ
うに、加熱炉40内に、ガラス微粒子焼結体16gが収
納されるように、シード棒12の先端を取付け、シード
棒12を下降させることにより、ガラス微粒子焼結積体
16gを所望の速度でヒータ41内を通過させることに
より、低融点化処理を行うように構成されている。この
装置でも、所定の位置にヒータ41を備えた加熱炉40
と、この加熱炉40内をガラス微粒子焼結体16gが所
望の速度で通過するように、支持台44に、取付け冶具
43を介してシード棒12が取付けられるようになって
いる。
【0031】(実施例1)次にこの図1乃至図3に示し
た装置を用いた、ファイバ母材の製造工程について説明
する。この例では、線引に先立ち、コアロッド10の下
端側のダミーロッド17との界面近傍を1550℃でア
ニールし、低融点化したことを特徴とするものである。
【0032】まず、図1に示したような装置を用いて、
コアロッド10の両端にダミーロッド11、17の融着
された出発ロッドの周りにガラス微粒子堆積体16から
なるジャケット層を形成し、ガラス多孔質複合母材を形
成した。ここでは、シード棒を回転しながら上部に引き
上げ、下方の端部は先端部の触れ回りを防止するため、シ
ード棒12と同軸位置に設置された冶具13により回転
自在に固定し、コアロッドの引き上げと共に上方に追従
移動させた。
【0033】ついで、図2に示した脱水焼結炉において
ガラス多孔質複合母材のガラス微粒子堆積体16を脱水
・焼結し、ガラス微粒子焼結積体16gを形成した。こ
のときの脱水・焼結条件は表1に示すとおりであった。
【0034】
【表1】
【0035】この後、コアロッド10の下端側のダミー
ロッド17との界面近傍にヒータ41の上端がくるよう
にして、図3の低融点化処理装置に装着し、ヒータ温度
を焼結温度よりも100℃低い1550℃とし、母材の
速度を焼結時の半分にして低温トラバースを行い、ファ
イバ母材を形成した。
【0036】このようにして形成したファイバ母材を用
いて延伸処理後、ダミーロッド11側を上方に支持し、
他端側の低融点化熱処理を行った側のダミーロッド17
側から線引を開始し、ファイバ化を行った。
【0037】この結果、15本中、断線は0であった。
このように、低融点化処理を行うことにより、異物によ
るクラックに起因する断線は皆無となり、生産性よく線
引を行うことができた。
【0038】(比較例)比較のために、ダミーロッド1
7側を加熱する低融点化処理工程を実施することなく、
焼結後そのままのファイバ母材を用い、他は実施例1と
同様にして、延伸処理し、ダミーロッド11側を上方に
支持し、他端側の低融点化熱処理を行った側のダミーロ
ッド1から線引を開始し、ファイバ化を行った。
【0039】この結果、線速上昇中に15本中断線は1
2本であった。断線したファイバの断面を顕微鏡により
観察した結果、断面中に異物と考えられる微粒子が存在
しその部分を起点としてクラックが広がった痕跡がある
ことがわかった。
【0040】(実施例2)次に、前記実施例1で行った
ダミーロッドの低融点化処理条件を表2のように、変化
させ、断線の発生の有無を測定した。この結果図6に示
すように、線速上昇時断線発生率は、ダミーロッドの加
熱量に密接な関係があることがわかった。
【0041】
【表2】 また、加熱温度を1000℃から1400℃に変化さ
せ、線速上昇時断線発生率を測定した結果を、表2に示
す。この表から明らかなように1000℃以下では加熱
量を変化しても断線発生率は下がらないことがわかっ
た。
【0042】そして加熱量500℃・分/mm以上であ
れば、断線発生量を半分にすることができた。さらには
加熱量1000℃・分/mm以上とするのが望ましい。
【0043】また1100℃以上では加熱量の増大と共
に断線発生率は大幅に低減することがわかった。
【0044】(実施例3)次に、前記実施例1および実
施例2では、ガラス微粒子堆積体を形成し焼結後、線引
に先立ち低融点化熱処理を行う例について説明したが、
この例では、ガラス微粒子堆積体の形成に先立ち、線引
開始側のダミーロッド17とコアロッド10との界面近
傍を低融点化熱処理するようにしたことを特徴とする。
【0045】すなわち、図4に示すような装置を用いバ
ーナを移動させながらダミーロッド17とコアロッド1
0との界面近傍を加熱する。ここではバーナーに供給す
る水素および酸素の流量を調整し、表面温度1500
℃、バーナートラバース速度5mm/分とし往復トラバ
ースを行った。この装置は、図4に示すように、両端に
ダミーロッド11,17が融着されたコアロッド10
を、治具3によって支持台4にとりつけ、所望の速度で
バーナ3を通過させることにより、ダミーロッド17と
コアロッドとの界面近傍に対して低融点化処理を行うよ
うに構成されている。
【0046】この加熱処理により、ダミーロッドに含有
されている高融点不純物粒子からなる異物が周りの酸化
シリコンと混合相を形成し、共融化して、線引温度で軟
化するようになる。
【0047】従って、このようにダミーロッド17との
界面に低融点化熱処理のなされたコアロッド10を出発
ロッドとして、図1に示したようなガラス微粒子堆積装
置を用いて、この出発ロッドの周りにガラス微粒子堆積
体16からなるジャケット層を形成し、ガラス多孔質複
合母材を形成した。
【0048】ついで、前記第1の実施例と同様に、図2
に示した脱水焼結炉においてガラス多孔質複合母材のガ
ラス微粒子堆積体16を脱水・焼結し、ガラス微粒子焼
結積体16gを形成し、ファイバ母材とした。
【0049】このようにして形成したファイバ母材を用
いて延伸処理後、ダミーロッド11側を上方に支持し、
他端側の低融点化熱処理を行った側のダミーロッド17
側から線引を開始し、ファイバ化を行った。
【0050】この結果、15本中、断線は1本であっ
た。線引工程での断線は皆無となった。この場合、ガラ
ス微粒子堆積前に、ダミーロッドとコアロッドのみの状
態で、低融点化処理を行っているため、熱容量が小さい
ため熱効率がよく、より少ない熱量で、酸化イットリウ
ム、酸化アルミニウムなどの異物が、ダミーロッド内
で、周りに存在する酸化シリコンと反応して混合相を形
成し、軟化点が低下することになる。この結果、線引温
度でこの混合相が酸化シリコンよりも先に軟化し、応力
集中がなくなり、線引工程におけるファイバ破断を防止
し、連続して生産性よく光ファイバを製造することが可
能となる。
【0051】反面、前述のガラス微粒子堆積後の低融点
化処理に比べて、若干断線防止効果が低い。これは、ガ
ラス微粒子堆積工程の開始前雰囲気中における汚染に起
因する異物については効果を奏功し得ないためと考えら
れる。
【0052】なお、前記第1の実施の形態では、VAD法に
よるすす付けを用いた場合について説明したが、第2の
実施の形態として図5に示すように、取り付け治具53
に支持されたシード棒12を反応容器50内で往復移動
することによりバーナ55によって多層のすす付けがな
されるようにしてもよい。
【0053】この場合も、コアロッド10とダミーロッ
ド17との界面の低融点化熱処理は前記実施例1乃至3
と同様になされることにより、同様の効果を奏功し得、
生産性の向上をはかることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光ファ
イバ母材の製造方法によれば、線引開始時の異物の存在
による断線を低減することができ、生産性の大幅な向上
をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバ母材の製造方法を実
行するための製造装置を示す図である。
【図2】本発明にかかる光ファイバ母材の製造方法を実
行するための製造装置を示す図である。
【図3】本発明にかかる光ファイバ母材の製造方法を実
行するための製造装置を示す図である。
【図4】本発明にかかる光ファイバ母材の製造方法を実
行するための製造装置を示す図である。
【図5】本発明にかかる光ファイバ母材の製造方法を実
行するための製造装置を示す図である。
【図6】ダミーロッドの加熱量と線速上昇時断線の発生
率の関係を示す図である。
【符号の説明】
10 反応容器 11 ダミーロッド 12 シード棒 14 支持台 15 バーナ 16 ガラス微粒子堆積体 16g ガラス微粒子焼結体 17 ダミーロッド 20 反応容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 幹太 栃木県宇都宮市清原工業団地18番5号 清 原住電株式会社内 Fターム(参考) 4G021 BA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアロッドの両端にダミーロッドを接続
    して出発ロッドを形成し、その周りにガラス微粒子を堆
    積して、ガラス多孔質複合母材を形成する工程と、 このガラス多孔質複合母材を透明化する工程とを含む光
    ファイバ母材の製造方法において、 前記ガラス多孔質複合母材の一端を把持し他端側のダミ
    ーロッドから線引を行うに先立ち、前記ダミーロッドに
    含有されている高融点不純物粒子からなる異物が周りの
    酸化シリコンと共融化して、線引温度で軟化するよう
    に、前記他端側のダミーロッドと前記コアロッドとの界
    面近傍を、前記異物と酸化シリコンとの共融点以上に、
    加熱する低融点化処理工程を含むことを特徴とする光フ
    ァイバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記低融点化処理工程は、前記他端側の
    ダミーロッドと前記コアロッドとの界面近傍を、110
    0℃以上で所定時間加熱する工程であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記低融点化処理工程は、前記透明化処
    理工程後、実行されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記低融点化処理工程は、前記透明化処
    理工程と同時に実行されることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 コアロッドの両端にダミーロッドを接続
    して出発ロッドを形成し、その周りにガラス微粒子を堆
    積して、ガラス多孔質複合母材を形成する工程と、 このガラス多孔質複合母材を透明化する工程と、 透明化された前記ガラス多孔質複合母材の一端側のダミ
    ーロッドを把持し、その他端側のダミーロッドから加熱
    溶融して線引し、ガラスファイバを連続的に形成する線
    引工程とを含む光ファイバの製造方法において、 前記ガラス多孔質複合母材の一端を把持し他端側のダミ
    ーロッドから線引を行うに先立ち、前記ダミーロッドに
    含有されている高融点不純物粒子からなる異物が周りの
    酸化シリコンと共融化して、線引温度で軟化するよう
    に、前記異物と酸化シリコンとの共融点以上に、加熱処
    理する低融点化処理工程を含むことを特徴とする光ファ
    イバの製造方法。
  6. 【請求項6】 コアロッドの両端にダミーロッドを接続
    して出発ロッドを形成し、その周りにガラス微粒子を堆
    積して、ガラス多孔質複合母材を形成する工程と、 このガラス多孔質複合母材を透明化する工程とを含む光
    ファイバ母材の製造方法において、 前記ガラス微粒子の堆積に先立ち、前記ダミーロッドに
    含有されている高融点不純物粒子からなる異物が周りの
    酸化シリコンと共融化して、線引温度で軟化するよう
    に、前記線引開始端側のダミーロッドと前記コアロッド
    との界面近傍を、前記異物と酸化シリコンとの共融点以
    上に、加熱する低融点化処理工程を含むことを特徴とす
    る光ファイバ母材の製造方法。
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