JP2003332792A - 電子回路部品装着ヘッド - Google Patents

電子回路部品装着ヘッド

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JP2003332792A
JP2003332792A JP2002138468A JP2002138468A JP2003332792A JP 2003332792 A JP2003332792 A JP 2003332792A JP 2002138468 A JP2002138468 A JP 2002138468A JP 2002138468 A JP2002138468 A JP 2002138468A JP 2003332792 A JP2003332792 A JP 2003332792A
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circuit component
contact load
reaction force
mounting head
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JP2002138468A
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Takeyoshi Isogai
武義 磯貝
Kimihiko Yasuda
公彦 安田
Noriaki Iwaki
範明 岩城
Yuji Katsumi
裕司 勝見
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Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子回路部品の装着対象材への実際の接触荷
重と目標接触荷重との一致と、作業者による実接触荷重
の把握との少なくとも一方の要求を満たす電子回路部品
装着ヘッドを提供する。 【解決手段】 ノズルホルダと吸着ノズルとの間に設け
た荷重センサの検出信号に基づいて、電子回路部品をプ
リント配線板に1つ装着する毎に実接触荷重を演算し、
実接触荷重と目標接触荷重との差の絶対値が第一設定値
より小さければ、実接触荷重は適正であり、実接触荷
重,それが属する段階等を表示画面に表示する(S1,
S2)。接触荷重差が第一設定値以上、第二設定値より
小さければ、接触荷重の外れの発生を警報ブザーの鳴動
により報知し(S3,S4)、第二設定値以上であれば
装着システムの作動を停止する(S5)。表示画面の表
示により作業者に実接触荷重等がわかり、ノズルホルダ
の目標位置の変更により目標接触荷重を得るようにする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路部品装着
ヘッドに関するものであり、特に、吸着ノズルを保持す
るノズルホルダが受ける反力の処理に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子回路部品は、プリント配線板等の装
着対象材に装着されて電子回路を構成する部品であり、
装着時には適切な接触荷重で装着対象材に接触させられ
ることが望ましい。そのため、電子回路部品装着ヘッド
は、例えば、特開平8−279697号公報に開示され
ているように、(a)装着ヘッド本体と、(b)その装着ヘッ
ド本体により軸線方向に移動可能に保持されており、吸
着ノズルを保持するノズルホルダと、(c)そのノズルホ
ルダの装着ヘッド本体に対する相対位置を検出するホル
ダ位置検出装置と、(d)そのホルダ位置検出装置の検出
結果に基づいて、ノズルホルダを装着ヘッド本体に対し
て、予め設定されている目標位置まで下降させ、その目
標位置から上昇させるホルダ昇降装置とを含むように構
成される。ノズルホルダの目標位置は電子回路部品が適
切な接触荷重で装着対象材に装着される位置に設定さ
れ、その目標位置へノズルホルダが下降させられるので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかしながら、上記公報に記載の電子回路部品装着
ヘッドにおいては、電子回路部品が装着対象材に予め設
定された適切な荷重で装着されるとは限らない。例え
ば、プリント配線板に電子回路部品を装着する場合、プ
リント配線板の電子回路部品が装着される装着面の上下
方向の位置誤差,ノズルホルダの下降位置誤差や劣化,
電子回路部品の厚さ誤差等により、電子回路部品がプリ
ント配線板に接触させられる際のノズルホルダの下降位
置が予定された下降位置とは異なったり、ノズルホルダ
の目標位置が設定された位置とは異なって、実際の接触
荷重が目標値とは異なる大きさになることがあるのであ
り、電子回路部品を実際に適切な接触荷重でプリント配
線板に装着するようにしたいという要求が従来よりあ
る。また、電子回路部品がプリント配線板に装着される
とき、電子回路部品のプリント配線板への実際の接触荷
重を作業者が知りたいとういう要求もある。これらの要
求は、吸着ノズルが電子回路部品を吸着する際にも同様
に生ずる。
【0004】本発明は、以上の事情を背景とし、上記2
つの要求の少なくとも1つを解決することを課題として
なされたものであり、本発明によって、下記各態様の電
子回路部品装着ヘッドが得られる。各態様は請求項と同
様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他
の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくま
でも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に
記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項
に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。
また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、そ
れら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわ
けではない。一部の事項のみを選択して採用することも
可能なのである。
【0005】なお、以下の各項において、 (1)項が請求
項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (5)項が請求項3
に、 (6)項が請求項4に、 (7)項が請求項5にそれぞれ
相当する。
【0006】(1)装着ヘッド本体と、その装着ヘッド
本体により自身の軸線に平行な方向である軸方向に移動
可能に保持されており、吸着ノズルを保持するノズルホ
ルダと、そのノズルホルダの前記装着ヘッド本体に対す
る前記軸方向の相対位置を検出するホルダ位置検出装置
と、そのホルダ位置検出装置の検出結果に基づいて、前
記ノズルホルダを前記装着ヘッド本体に対して、前記軸
方向に、予め設定されている目標位置まで前進させ、そ
の目標位置から後退させるホルダ進退装置と、そのホル
ダ進退装置による前記ノズルホルダの前進時にそのノズ
ルホルダが受ける反力を検出する反力検出装置と、その
反力検出装置により検出された反力に関連する反力関連
情報を表示する表示装置とを含む電子回路部品装着ヘッ
ド。表示装置による表示の態様は様々であり、例えば、
文字,数字等のキャラクタにより行ってもよく、図形に
より行ってもよい。反力関連情報は、反力に関連する情
報であればよく、例えば、反力自体、反力の良否、反力
が属する段階、ノズルホルダの実際の前進端位置が反力
関連情報とされる。反力は、電子回路部品の装着対象材
への接触荷重あるいは吸着ノズルの電子回路部品への接
触荷重と方向は逆であるが、大きさは同じであり、反力
が得られれば、接触荷重が得られる。ノズルホルダは、
装着ヘッド本体により、直接保持されてもよく、ホルダ
保持部材等を介して間接的に保持されてもよい。前者の
場合、ノズルホルダは装着ヘッド本体により軸方向に移
動可能に保持される。さらに、ノズルホルダが自身の軸
線のまわりに回転させられるのであれば、装着ヘッド本
体により軸線まわりに回転可能にも保持され、回転装置
により回転させられる。ノズルホルダが装着ヘッド本体
により、ホルダ保持部材等を介して間接的に保持される
場合、例えば、ホルダ保持部材が装着ヘッド本体により
ノズルホルダの進退方向であって軸方向に相対移動可能
に保持され、ノズルホルダがホルダ保持部材に相対移動
不能に保持されたり、ホルダ保持部材が装着ヘッド本体
により相対移動不能に保持され、ノズルホルダがホルダ
保持部材により軸方向に相対移動可能に保持されたりす
る。ノズルホルダが軸方向に移動させられるのみなら
ず、自身の軸線まわりに回転させられる場合には、ホル
ダ保持部材が進退させられるのであれば、ノズルホルダ
がホルダ保持部材に対して回転させられ、ノズルホルダ
が進退させられるのであれば、ホルダ保持部材が装着ヘ
ッド本体に対して回転させられることによりノズルホル
ダが回転させられることが望ましい。ノズルホルダは、
例えば、(A)吸着ノズルを、ノズルホルダの進退方向に
おいて相対移動可能に保持するとともに、付勢手段によ
り前進方向に付勢するものとされたり、(B)吸着ノズル
を、ノズルホルダの進退方向において相対移動不能に保
持するものとされたりする。吸着ノズルは、ノズルホル
ダに保持される本体部と、電子回路部品を吸着する吸着
部とを含み、(A)の場合、本体部がノズルホルダに、ノ
ズルホルダの進退方向に相対移動可能に保持されるとと
もに、付勢手段により前進方向に付勢される。吸着部は
本体部によりノズルホルダの進退方向に相対移動不能に
保持されてもよく、吸着部を本体部に、ノズルホルダの
進退方向に相対移動可能に保持させ、付勢手段により前
進方向に付勢するようにしてもよい。(B)の場合、本体
部がノズルホルダに、ノズルホルダの進退方向に相対移
動不能に保持される。吸着部は、本体部に、ノズルホル
ダの進退方向に相対移動可能に保持されるとともに、付
勢手段により前進方向に付勢されることが望ましいが、
不可欠ではなく、本体部に相対移動不能に保持されても
よい。例えば、電子回路部品を装着対象材に装着するの
であれば、 (A)の場合、例えば、ノズルホルダが目標位
置に到達する前に電子回路部品を装着対象材に接触さ
せ、その後、付勢手段により、ノズルホルダが目標位置
まで移動することを許容させ、電子回路部品が装着対象
材に確実に装着されるとともに、付勢手段の付勢力に応
じた荷重で装着対象材に装着されるようにすることがで
きる。この場合、例えば、付勢手段の付勢力を変更する
ことにより、電子回路部品の装着対象材への接触荷重を
変更することができる。付勢手段の付勢力は、例えば、
ノズルホルダの目標位置の設定に応じて変えられる。電
子回路部品を装着対象材に装着するにあたり、 (B)の場
合、吸着部が本体部に対してノズルホルダの進退方向に
相対移動可能に保持される場合は、(A)の場合と同様で
ある。吸着部が本体部に相対移動不能に保持される場
合、吸着ノズル側には弾性変形能がないため、装着対象
材の弾性変形能を利用して、ノズルホルダが目標位置ま
で前進させられたとき、ちょうどよい適切な接触荷重が
得られるようにされる。装着対象材の弾性変形能により
許容される範囲内において接触荷重を変更可能であり、
例えば、ノズルホルダの目標位置の変更により接触荷重
が変えられる。いずれの場合にもノズルホルダが目標位
置まで前進させられ、電子回路部品が装着対象材に装着
された状態では、装着対象材から電子回路部品を介して
ノズルホルダに加えられる反力が反力検出装置により検
出され、反力関連情報が表示装置に表示される。反力関
連情報が表示装置に表示されれば、例えば、作業者に電
子回路部品が装着対象材に装着される際の実際の接触荷
重の大きさ等がわかり、便利である。また、その表示に
基づいて、例えば、実際の接触荷重の大きさ,その良
否,過不足の量等に応じて、ノズルホルダの目標位置の
変更等による反力の増減や当該電子回路部品装着ヘッド
の保守,点検等、適宜の処理を作業者が行うことによ
り、電子回路部品が実際に適正な接触荷重で装着対象材
に装着されるようにすることができる。吸着ノズルが電
子回路部品を吸着する場合も同様である。
【0007】(2)前記表示装置が、前記反力関連情報
として前記反力自体を表示する反力表示部を含む (1)項
に記載の電子回路部品装着ヘッド。
【0008】(3)前記表示装置が、前記反力検出装置
により検出された反力が、予め設定された反力範囲内の
値であるか否かを表示する反力良否表示部を含む (2)項
に記載の電子回路部品装着ヘッド。
【0009】(4)前記表示装置が、前記反力検出装置
により検出された反力が、予め設定されている複数段階
のいずれの段階に属するかを表示する段階表示部を含む
(2)項または (3)項に記載の電子回路部品装着ヘッド。
本項によれば、例えば、反力が属する段階により、反力
が適正であるか否かに加えて、適正あるいは不適正であ
る場合の程度等が作業者に容易にわかる。
【0010】(5)前記反力検出装置により検出された
反力と予め定められている目標反力とが第一設定状態以
上相違する場合に作動する警報ブザーと警報ランプとの
少なくとも一方を備えた警報装置を含む (1)項ないし
(4)項のいずれかに記載の電子回路部品装着ヘッド。第
一設定状態には、例えば、設定値や設定比率がある。本
項の電子回路部品装着ヘッドによれば、反力と目標反力
とが第一設定状態以上相違している場合には、その事態
の発生を、警報装置の警報により作業者が迅速に知るこ
とができる。警報装置の作動時期ないし作動時における
電子回路部品装着ヘッドの状況は、例えば、第一設定状
態の設定に応じて異なり、第一設定状態がどのように設
定されているかを作業者が把握しているのであれば、警
報の意味がわかり、それに応じた処理を行うことができ
る。警報ブザーは、例えば、その鳴動の態様を複数種類
に異ならせ、それに応じて電子回路部品装着ヘッドに生
じている事態の内容を作業者に報知させるように構成す
ることができる。警報ランプであれば、例えば、点灯と
点滅との使い分け、あるいはランプの色の使い分けによ
り、電子回路部品装着ヘッドに生じている事態の内容を
作業者に報知させるようにすることができる。 (6)前記反力検出装置により検出された反力と予め定
められている目標反力とが第二設定状態以上相違する場
合に当該部品装着ヘッドの作動を停止させる自動停止部
を含む (1)項ないし (5)項のいずれかに記載の電子回路
部品装着ヘッド。第二設定状態には、例えば、設定値や
設定比率がある。(5)項および(6)項の各特徴の両方を備
えた電子回路部品装着ヘッドにおいては、第一設定状態
と第二設定状態とは異なる状態に設定され、例えば、警
報装置による警報の後に当該部品装着ヘッドの作動が停
止させられるようにされる。検出された反力と目標反力
とが第二設定状態以上相違する場合は、例えば、そのま
ま電子回路部品の装着を続ければ、何らかの支障が生ず
る大きさの相違が生じた場合であり、部品装着ヘッドの
作動が自動停止させられることにより、電子回路部品や
吸着ノズルが損傷したり、あるいはノズルホルダの前進
量が不足して吸着ミスや装着ミスが生じて、不良なプリ
ント回路板が製造される等の事態の発生が自動的に回避
されたりする。
【0011】(7)当該装着ヘッドにより電子回路部品
が回路基板に装着される際における前記反力検出装置の
検出値を、回路基板および装着位置と対応付けて記憶す
る反力記憶装置を含む (1)項ないし (6)項のいずれかに
記載の電子回路部品装着ヘッド。回路基板には、例え
ば、未だ全く電子回路部品が装着されていないプリント
配線板、プリント配線の一部に電子回路部品が装着され
たプリント配線板、両面の一方に電子回路部品が装着さ
れるとともに、既に半田付け接合が行われているプリン
ト回路板、少数の電子回路部品が装着される小形の回路
板等がある。本項によれば、例えば、電子回路部品の回
路基材への装着後、いずれの回路基材のいずれの装着位
置に、どのくらいの大きさの反力がノズルホルダに作用
した状態で電子回路部品が装着されたかがわかる。それ
により、例えば、後日、トレーサビリティを行う場合、
すなわち回路基材への電子回路部品の装着状態をたどる
場合に、ある回路基材のある装着位置における電子回路
部品装着時の実際の反力等が容易に得られ、データの要
求に対して的確に対応できる。
【0012】(8)前記反力記憶装置の記憶に基づい
て、当該装着ヘッドのメンテナンス要否を決定するメン
テナンス要否決定部を含む (7)項に記載の電子回路部品
装着ヘッド。 (9)前記メンテナンス要否決定部が、前記反力記憶装
置のデータを統計処理する反力統計処理部を含む (8)項
に記載の電子回路部品装着ヘッド。統計処理は、例え
ば、反力検出装置により検出された複数の反力の平均値
を求めたり、標準偏差を求める等、種々の態様で行われ
る。統計処理を行えば、例えば、反力の傾向が得られ、
反力の発生状況が正確に取得される。 (10)少なくとも前記統計処理部の処理結果に基づい
て、前記ノズルホルダの前記装着ヘッド本体に対する目
標位置を、前記ノズルホルダへの反力が目標値となるは
ずの位置に変更する目標位置変更部を含む (1)項ないし
(9)項のいずれかに記載の電子回路部品装着ヘッド。目
標位置の変更は、例えば、統計処理部の処理結果のみに
基づいて行われたり、統計処理部の処理結果に加えて、
例えば、荷重センサが反力検出装置を構成するのであれ
ば、荷重センサの0点位置のずれに基づいて行われたり
する。目標位置変更部は、例えば、目標位置が、作業者
による指示、例えば、目標位置の変更および変更量の指
示に基づいて変更されるように構成されたり、少なくと
も統計処理部の処理結果に基づいて自動で変更されるよ
うに構成されたりする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1には、本発明の実施形態
である電子回路部品装着ヘッドを備えた電子回路部品装
着システムが図示されている。この装着システムの基本
的な構成は特許第2824378号公報に記載の電子回
路部品装着システムと同じであり、簡単に説明する。
【0014】図1において10は電子回路部品装着シス
テムのベッドである。ベッド10上には、装着対象材と
しての回路基板の一種であるプリント配線板12をX軸
方向(図1においては左右方向)に搬送する配線板コン
ベヤ14,プリント配線板保持装置16,装着装置18
および部品供給装置20,22等が設けられている。
【0015】本実施形態においてプリント配線板12
は、配線板コンベヤ14により水平な姿勢で搬送され、
図示を省略する停止装置によって予め定められた停止位
置において停止させられるとともに、ベッド10の停止
位置に対応する部分に設けられたプリント配線板保持装
置16により、表面が水平な姿勢で保持される。プリン
ト配線板12の電子回路部品が装着される装着面であっ
て表面ないし上面には、基準マーク24および基板ID
表示子としての配線板IDマーク26が設けられてい
る。配線板IDマーク26は、本実施形態においては二
次元バーコードとされ、プリント配線板12の種類を規
定するデータ,プリント配線板12を特定するデータ、
例えば番号等のデータが記憶されている。
【0016】部品供給装置20,22は、X軸方向と水
平面内において直交するY軸方向に互いに隔たって、配
線板コンベヤ14の両側に位置を固定して設けられてい
る。部品供給装置20は、フィーダ28により電子回路
部品を供給するフィーダ型部品供給装置とされ、部品供
給装置22は、トレイ29により電子回路部品を供給す
るトレイ型部品供給装置とされている。トレイ29は、
トレイ収容箱に収容され、複数のトレイ収容箱が上下に
積載されるとともに、そのうちの1つが部品供給位置に
位置決めされ、その位置決めされたトレイ収容箱に収容
されたトレイ29が電子回路部品を供給する。
【0017】装着装置18を説明する。装着装置18
は、電子回路部品装着ヘッド(以後、装着ヘッドと略称
する。)を構成するノズルホルダ30がホルダ移動装置
としてのXYロボット32により、互いに直交するX軸
方向とY軸方向との少なくとも一方の成分を有する方向
に移動させられ、ノズルホルダ30により保持された吸
着ノズル34が電子回路部品36を搬送し、プリント配
線板12の装着面に装着するものとされている。
【0018】そのため、XYロボット32は、図1に示
すように、X軸スライド40,X軸スライド移動装置4
2,Y軸スライド44,Y軸スライド移動装置46を備
えている。X軸スライド移動装置42は、X軸スライド
移動用モータ48,ボールねじ50およびナット(図示
省略)を備え、X軸スライド40をX軸方向に移動させ
る。Y軸スライド44およびY軸スライド移動装置46
は、X軸スライド40上に設けられている。Y軸スライ
ド移動装置46は、Y軸スライド移動用モータ56,ボ
ールねじ58およびナット60(図2参照)を備え、Y
軸スライド44をY軸方向に移動させる。前記ノズルホ
ルダ30はY軸スライド44上に設けられており、プリ
ント配線板12の表面に平行な水平面内の任意の位置へ
移動させられる。
【0019】ノズルホルダ30は、Y軸スライド44上
に昇降可能にかつ垂直軸線まわりに回転可能に設けられ
ており、ホルダ進退装置としてのホルダ昇降装置70に
より昇降させられ、ホルダ回転装置72により回転させ
られる。ノズルホルダ30,吸着ノズル34,ホルダ昇
降装置70およびホルダ回転装置72は、本実施形態に
おいては、特開平8−279697号公報に記載のノズ
ルホルダ等と同様に構成されており、簡単に説明する。
【0020】ホルダ昇降装置70は、図2および図3に
示すように、ノズル保持部材としての昇降部材74およ
び昇降部材駆動装置76を含む。昇降部材駆動装置76
は、駆動源たる電動モータの一種であるZ軸モータ78
(図7参照),ボールねじ80およびナット82を含
み、ボールねじ80がZ軸モータ78によって回転させ
られることにより、昇降部材74がガイドレール84お
よびガイドブロック86を含む案内装置88により案内
されて昇降させられ、昇降部材74に保持されたノズル
ホルダ30がY軸スライド44に対して昇降させられ
る。
【0021】ノズルホルダ30は、図3に示すように、
本実施形態においては、複数の部材により構成されてお
り、回転体90および支持軸92を含む。ノズルホルダ
30は回転体90において昇降部材74により、自身の
垂直な軸線のまわりに回転可能かつ自身の軸線に平行な
方向である軸方向に相対移動不能に保持されており、昇
降部材74を介してY軸スライド44により軸方向に移
動可能にかつ自身の軸線のまわりに回転可能に保持され
ている。前記ホルダ回転装置72は、駆動源たる電動モ
ータとしてのθ軸モータ100(図7参照),被駆動歯
車102および駆動歯車(図示省略)等を含み、ノズル
ホルダ30を自身の軸線であって、垂直な回転軸線のま
わりに回転させる。
【0022】支持軸92は、回転体90に軸方向の相対
移動も相対回転も不能に固定されている。支持軸92内
には、図3に示すように、軸線に沿って貫通した通路1
10等が形成されており、回転体90内に形成された半
径方向通路112,回転継手114,ホース116,電
磁方向切換弁118(図7参照)を介して図示しない負
圧源,正圧源および大気に選択的に連通させられる。回
転継手114は、円環状通路120,半径方向通路12
2,円環状通路124,126および半径方向通路13
0を含み、回転体90の回転位置の如何を問わず通路1
10に負圧が供給される状態に保つ。通路110への負
圧,正圧および大気圧の供給,遮断は、電磁方向切換弁
118の切換えにより行われる。
【0023】前記支持軸92の回転体90からの突出部
はスプライン軸部138とされ、アダプタ140を介し
て前記吸着ノズル34を保持している。アダプタ140
内にはボールスプライン144が設けられ、スプライン
軸部138とスプライン嵌合されている。アダプタ14
0はスプライン軸部138に軸方向に相対移動可能かつ
相対回転不能に嵌合されているのである。なお、図3に
おいてボールスプライン144は概念的に示されてお
り、実際には、アダプタ140はボールスプラインのボ
ールを保持するために複数の部材に分割されている。
【0024】スプライン軸部138のアダプタ140と
回転体90との間の部分には、図3に示すように、第一
圧縮コイルスプリング150(以下、第一スプリング1
50と称する)が嵌装され、スプライン軸部138の下
端部に固定のばね受け152とアダプタ140との間の
部分には、第二圧縮コイルスプリング154(以下、第
二スプリング154と称する)が嵌装されている。第二
スプリング154は、一端が後述する荷重センサに気密
に係止され、他端がばね受け152に気密に係止された
ゴム製の蛇腹156の外側に収容されている。
【0025】第二スプリング154および蛇腹156に
は、第一スプリング150の付勢力,アダプタ140お
よび吸着ノズル34の重量が加えられる。支持軸92の
ばね受け152の外周部に、円筒状のストッパ158が
支持軸92の軸線に平行に、かつ上方へ突出する向きに
設けられている。そのため、アダプタ140がストッパ
158に当接することにより、第一スプリング150の
付勢による吸着ノズル34の下方への移動限度が規定さ
れる。アダプタ140がストッパ158に当接した状態
で、第一スプリング150の弾性力と、アダプタ140
および吸着ノズル34の各自重との和である第一付勢力
が、第二スプリング154および蛇腹156の弾性力の
和である第二付勢力より僅かに大きくなるようにされて
おり、この両付勢力の差に相当する押付力によりアダプ
タ140がストッパ158に押し付けられる。この押付
力は、電子回路部品36の吸着時における吸着ノズル3
4の電子回路部品36への適正な接触荷重および装着時
における電子回路部品36のプリント配線板12への適
正な接触荷重のいずれよりも小さい。このように吸着ノ
ズル34の第一スプリング150の付勢方向における移
動限度を規定すれば、移動時等に吸着ノズル34が振動
することが良好に抑制される。また、この状態で、第一
スプリング150,第二スプリング154および蛇腹1
56がいずれも密着しないように、これらの荷重特性が
定められている。
【0026】吸着ノズル34は、有底円筒状の吸着管保
持体160と吸着管162とを有し、板ばね166を含
む係合装置により、アダプタ140に相対回転不能かつ
軸方向に相対移動不能であって、着脱可能に保持されて
いる。吸着管162が吸着部を構成し、吸着管保持体1
60が本体部を構成し、吸着ノズル34においては、本
体部と吸着部とが相対移動不能に一体的に設けられてお
り、吸着ノズル34は、アダプタ140を介してノズル
ホルダ30に、ノズルホルダ30の進退方向であって軸
方向に相対移動可能にかつ軸線まわりに相対回転不能に
保持されている。図3において符号170,172はバ
ックプレートであり、光を吸収するようにされている。
【0027】吸着ノズル34がアダプタ140に取り付
けられることにより、吸着管保持体160とアダプタ1
40との間に負圧室176が形成され、支持軸92の通
路110からの負圧の供給により吸着管162が電子部
品36を吸着する。なお、負圧室176内にはシール装
置180が設けられて吸着管保持体160とアダプタ1
40との間の気密を保持しており、また、前記蛇腹15
6によってアダプタ140とスプライン軸部138との
間の気密が保持されている。特に、蛇腹156は、スプ
ライン軸部138に対するアダプタ140の軽快な移動
を妨げることなく、ボールスプライン144内に空気と
共に埃等が吸入されることを防止する機能を果たす。
【0028】前記第一,第二スプリング150,154
の各荷重は、荷重センサ190,192により検出され
る。荷重センサ190は、本実施形態においては、図3
に示すように、第一スプリング150とアダプタ140
との間に設けられており、荷重センサ192は、第二ス
プリング154および蛇腹156とアダプタ140との
間に設けられている。これら荷重センサ190,192
の構成はほぼ同じであり、荷重センサ190を主として
説明する。
【0029】荷重センサ190は、図4および図5に示
すように、複数、本実施形態においては3つの歪ゲージ
194を含んで構成されている。これら歪ゲージ194
は、円板状の弾性板196の下面に等角度間隔に貼ら
れ、弾性板196は、それぞれ円板状を成す荷重板19
8と荷重板200とによって両側から挟まれている。
【0030】荷重板198と荷重板200とにはそれぞ
れ、複数、本実施形態においては3つずつの突部20
2,204が等角度間隔に設けられている。荷重板20
0は突部204において弾性板196に、ちょうど歪ゲ
ージ194が貼り付けられた部分に接着され、荷重板1
98は突部202において弾性板196に、荷重板20
0の突部204とは60度位相をずらした位置において
接着されている。
【0031】荷重板198,弾性板196および荷重板
200にはそれぞれ、嵌合穴208,210,212が
同心に設けられ、支持軸92に嵌合されている。荷重板
198の嵌合穴208は精度良く設けられ、荷重センサ
190の支持軸92に対する中心位置精度が出されてい
る。弾性板196,荷重板200の各嵌合穴210,2
12はそれぞれ、支持軸92に僅かに隙間を有して嵌合
される大きさとされている。図4および図5において符
号214はカバーであり、荷重板198に設けられ、弾
性板196および荷重板198,200等を覆ってい
る。
【0032】荷重センサ192は、図6に示すように、
荷重センサ190とほぼ同様に構成されており、同じ作
用を為す構成要素には同じ符号を付して対応関係を示
し、説明を省略する。前記蛇腹156の一端は、荷重板
200に気密に係止され、荷重センサ192は、シール
部材216により覆われている。シール部材216は柔
らかく、気密性を有する素材、例えば軟質合成樹脂から
成り、スプライン軸部138とアダプタ140との間の
気密を保持している。
【0033】荷重センサ190の検出信号を伝達する信
号線は、図示は省略するが、回転体90内を通って配設
され、スリップリング(図示省略)により昇降部材74
側へ信号が送られる。荷重センサ192の検出信号を伝
達する信号線はアダプタ140内を通って配設され、そ
の後、荷重センサ190と同様に、回転体90内を通っ
て配設され、スリップリングにより信号が送られる。荷
重センサ190,192の各3枚ずつの歪ゲージ194
はそれぞれ、ブリッジ回路(図示省略)を構成してお
り、歪ゲージ194の歪がブリッジ回路により電気信号
に変換されるとともに、信号処理回路(図示省略)を経
て、後述する制御装置に供給される。
【0034】Y軸スライド44にはまた、図1に示すよ
うに、プリント配線板12に設けられた基準マーク24
を撮像する基準マーク撮像システム220が設けられて
いる。また、X軸スライド40には、ちょうどX軸スラ
イド40を移動させる2つのボールねじ50にそれぞれ
対応する位置であって、部品供給装置20,22と配線
板コンベヤ14との間の位置にそれぞれ、部品撮像シス
テム230が移動不能に設けられている。
【0035】本電子部品装着システムは、図7に示す制
御装置250により制御される。制御装置250は、コ
ンピュータ252を主体とするものであり、コンピュー
タ252は、PU(プロセッシングユニット)254,
ROM256,RAM258,入・出力ポート260が
バスライン262により接続されたものである。
【0036】入・出力ポート260には、エンコーダ2
72,荷重センサ190,192等の検出器,前記基準
マーク撮像システム220の基準マークカメラ266,
前記部品撮像システム222の部品カメラ268により
撮像された画像のデータを解析する画像処理コンピュー
タ270等の各種コンピュータ,入力装置276等が接
続されている。入力装置276は、例えば、キーボード
やポインティングデバイスの一種であるマウスを含んで
構成される。
【0037】入・出力ポート260には、駆動回路28
0を介してX軸スライド移動用モータ48等の各種アク
チュエータが接続されている。X軸スライド移動用モー
タ48等、駆動源たる各種モータは、本実施形態では、
回転モータの一種である電動モータであって、回転角度
の精度の高い制御が可能なサーボモータとされている。
サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
これらモータ48等の各回転角度は、回転角度ないし回
転量検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出
結果に基づいてモータ48等が制御される。図7には、
Z軸モータ78について設けられたエンコーダ272を
代表的に図示する。このエンコーダ272は、本実施形
態においては、アブソリュートエンコーダとされてい
る。エンコーダ272の検出値に基づいて昇降部材7
4、ひいてはノズルホルダ30のY軸スライド44に対
する軸方向の相対位置が得られ、下降位置が得られる。
本実施形態においては、エンコーダ272およびコンピ
ュータ252のエンコーダ272の検出信号を処理して
ノズルホルダ30の位置を検出する部分がホルダ位置検
出装置を構成している。
【0038】入・出力ポート260にはまた、駆動回路
280を介して警報ブザー290が接続され、制御回路
294を介して表示画面296が接続されている。警報
ブザー290は、コンピュータ252の警報ブザー29
0の鳴動を制御する部分と共に警報装置を構成してい
る。
【0039】RAM258には、図8に概略的に示すよ
うに、接触荷重メモリ,目標位置メモリ,プログラムメ
モリ等がワーキングメモリと共に設けられ、種々のプロ
グラムおよびデータ等が記憶されている。プログラムメ
モリには、図示を省略するメインルーチン,図9等に示
す接触荷重良否判定ルーチン等のルーチン,プリント配
線板12に電子回路部品36を装着するためのプログラ
ム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶される。
これらプログラムやデータは外部記憶装置から読み込ま
れてもよく、本電子回路部品装着システムを含む複数の
対回路基板作業システムを複数台制御するホストコンピ
ュータから供給されてもよい。
【0040】目標位置メモリには、部品供給装置20,
22からの電子回路部品36の受取り時に昇降部材74
およびノズルホルダ30が下降させられ、Y軸スライド
44に対して軸方向に前進させられる際の目標位置およ
び部品装着時に昇降部材74およびノズルホルダ30が
下降させられ、軸方向に前進させられる際の目標位置が
予め設定されて記憶されている。この目標位置は、装着
ヘッドの設計上の値に基づいて設定するようにしてもよ
く、特開平8−279697号公報に記載されているよ
うに、昇降部材74(ノズルホルダ30)の下降位置と
電子回路部品36の接触荷重との関係を予め取得し、そ
れに基づいて設定するようにしてもよい。
【0041】本実施形態においては、プリント配線板1
2への電子回路部品36の装着開始に先立って、昇降部
材74(ノズルホルダ30)の下降位置と電子回路部品
36の接触荷重との関係が調べられ、その取得された関
係および目標接触荷重等に基づいて、吸着ノズル34が
部品供給装置20,22から電子回路部品36を取り出
す際のノズルホルダ30の目標位置および吸着ノズル3
4が電子回路部品36をプリント配線板12に装着する
際のノズルホルダ30の目標位置がそれぞれ決定され
る。目標接触荷重は、吸着ノズル34が電子回路部品3
6に接触させられる際および電子回路部品36がプリン
ト配線板12に接触させられる際にそれぞれ目標とされ
る接触荷重であり、適正接触荷重である。
【0042】ノズルホルダ30の下降位置と電子回路部
品36の接触荷重との関係は、本実施形態においては、
特開平8−279697号公報に記載の電子回路部品装
着ヘッドと同様に取得され、吸着ノズル34に電子回路
部品36を保持させ、接触荷重検出位置に設けられたロ
ードセル(図示省略)に接触させることにより検出され
る。ノズルホルダ30は電子回路部品36がロードセル
に接触させられた状態から更に下降させられ、エンコー
ダ272からの出力信号に基づく昇降部材74(ノズル
ホルダ30)の位置(原点位置からの下降距離)の演算
と、ロードセルからの出力信号に基づく接触荷重の演算
とが繰り返し行われ、ノズルホルダ30の下降位置と接
触荷重との関係が取得され、記憶される。電子回路部品
36のロードセルへの接触後のノズルホルダ30の下降
は、吸着ノズル34と回転体90とが第一スプリング1
50を圧縮して相対移動することにより許容され、第一
スプリング150の弾性力が増大する一方、第二スプリ
ング154および蛇腹156の弾性力が減少し、これら
弾性力の増,減量の絶対値の和に、アダプタ140がス
トッパ158に当接した状態における第一付勢力と第二
付勢力との差を加えた力が、第一付勢力と第二付勢力と
の大きさの差となり、その大きさの差に等しい接触荷重
がロードセルにより検出される。上記弾性力の増,減量
は、吸着ノズル34の回転体90に対する相対移動距
離、すなわち、ノズルホルダ30の下降距離と比例し、
接触荷重は下降距離に比例して直線的に増大する。
【0043】このように接触荷重とノズルホルダ30の
位置との関係(接触荷重と、吸着ノズル34の回転体9
0に対する相対移動量との関係と考えることもでき
る)、すなわち第一スプリング150,第二スプリング
154および蛇腹156のばね特性がわかれば、吸着ノ
ズル34を適正な接触荷重で電子回路部品36に接触さ
せ得るノズルホルダ30の下降の目標位置および電子回
路部品36を適正な接触荷重でプリント配線板12に接
触させ得るノズルホルダ30の下降の目標位置を決定す
ることができる。本実施形態においては、使用が予定さ
れている全部の種類の吸着ノズル34の各々について、
予めノズルホルダ30の下降位置と接触荷重との関係が
取得され、記憶されている。複数種類の吸着ノズル34
の1つについてノズルホルダ30の下降位置と接触荷重
との関係がロードセルを用いて取得され、その他の吸着
ノズル34については演算により、ノズルホルダ30の
下降位置と接触荷重との関係が取得される。
【0044】電子回路部品吸着時のノズルホルダ30の
目標位置は、例えば、吸着ノズル34毎の接触荷重とノ
ズルホルダ30の下降位置との関係,ロードセルとフィ
ーダ28の部品供給部に位置する電子回路部品36の上
面との上下方向の距離および目標接触荷重に基づいて、
吸着ノズル34の種類毎に決定され、吸着ノズル34の
種類と対応付けて目標位置メモリに記憶されている。本
実施形態においては、部品受取り時における吸着ノズル
34の目標接触荷重は、吸着ノズル34の種類および電
子回路部品36の種類が異なっても同じ大きさに設定さ
れている。この目標接触荷重は、電子回路部品36の種
類に応じて異ならせてもよい。
【0045】本実施形態においては、フィーダ型部品供
給装置20のフィーダ28の部品供給部に位置する電子
回路部品36の上面の高さ(上下方向の位置)は、複数
のフィーダ28の各々において同じにされている。トレ
イ型部品供給装置22においては、同じトレイ29に保
持された複数の電子回路部品36の上面の各高さは同じ
にされるとともに、上下方向に積載された複数のトレイ
収容箱のうちの1つが電子回路部品36を供給する部品
供給位置は、本実施形態においては、部品供給位置に位
置決めされたトレイ収容箱のトレイ29により供給され
る電子回路部品36の上面の高さが、フィーダ28の部
品供給部に位置決めされた電子回路部品36の上面の高
さと同じ高さになる位置に設定されている。フィーダ2
8の部品供給部に位置決めされた電子回路部品36の上
面の高さとは異なる高さに、電子回路部品36の上面が
位置する位置にトレイ29の部品供給位置を設定しても
よい。
【0046】本電子回路部品装着システムにおいてプリ
ント配線板12は、プリント配線板12の種類が異な
り、厚さが異なっても、装着面の高さが同じになるよう
にプリント配線板保持装置16により保持され、ノズル
ホルダ30の目標位置は、電子回路部品36の種類に応
じた位置に設定される。装着される電子回路部品36の
種類によって、吸着ノズル34の種類が変えられること
があるが、吸着ノズル34の種類が変わっても、吸着管
162の長さは同じであって、ノズルホルダ30が上昇
端位置に位置する状態における吸着管162の先端面な
いし吸着面の上下方向の位置は、吸着ノズル34の種類
を問わず、同じであるとする。また、電子回路部品36
の種類に応じて、電子回路部品36を吸着する吸着ノズ
ル34の種類は1種類に決まっていることとする。さら
に、電子回路部品36の種類毎に目標接触荷重が設定さ
れている。
【0047】そして、吸着ノズル34の種類毎の昇降部
材74の下降位置と接触荷重との関係,プリント配線板
12の装着面と前記ロードセルとの間の上下方向の距
離,電子回路部品36の種類(形状,寸法等)および目
標接触荷重に基づいて、電子回路部品36の種類毎にノ
ズルホルダ30ないし昇降部材74の下降の目標位置が
決定され、電子回路部品36の種類と対応付けて目標位
置メモリに記憶されている。
【0048】電子回路部品装着システムにおいてプリン
ト配線板12への電子回路部品36の装着時には、配線
板コンベヤ14によりプリント配線板12が搬入され、
停止装置により予め設定された停止位置に停止させられ
るとともに、配線板保持装置16により保持される。そ
の状態で基準マーク撮像システム220がXYロボット
32により移動させられ、基準マークカメラ266がプ
リント配線板12に設けられた基準マーク24および配
線板IDマーク26を撮像する。基準マーク24の像デ
ータが画像処理されてプリント配線板12の位置が取得
され、複数の装着位置の各位置誤差(水平位置誤差)が
検出される。また、配線板IDマーク26の像データが
画像処理されて、現に電子回路部品36が装着されるプ
リント配線板12に付された番号等が取得される。
【0049】そして、吸着ノズル34が部品供給装置2
0,22へ移動させられて電子回路部品36を受け取
り、プリント配線板12へ移動させられて装着する。プ
リント配線板12が、例えば、部品供給装置20から電
子回路部品36を受け取るとすれば、ノズルホルダ30
がXYロボット32によりフィーダ28の部品供給部へ
移動させられて電子回路部品36を受け取る。受取り時
には、昇降部材74が下降させられ、ノズルホルダ30
が下降させられる。
【0050】この際、昇降部材74は当初大きい速度で
下降させられるが、吸着ノズル34が電子回路部品36
に接近した後は滑らかに減速され、電子回路部品36の
接触時に吸着ノズル34の慣性により接触荷重が増大す
ることが回避される。そして、ノズルホルダ30が目標
位置へ到達する前に吸着ノズル34の吸着管162が電
子回路部品36に当接し、その後、更にノズルホルダ3
0が目標位置まで下降させられる。エンコーダ272の
検出信号に基づいてZ軸モータ78が制御され、ノズル
ホルダ30はY軸スライド44に対して、吸着ノズル3
4の種類に応じて予め設定されている目標位置まで速度
制御されつつ下降させられる。
【0051】吸着ノズル34の電子回路部品36への接
触後のノズルホルダ30の下降は、吸着ノズル34と回
転体90とが第一スプリング150を圧縮して相対移動
することにより許容される。吸着ノズル34が電子回路
部品36に接触するまでは、装着ヘッドにおいて、スト
ッパ158がアダプタ140に当接しており、ストッパ
158が受けている分の荷重はあるが、その荷重は小さ
く、吸着ノズル34およびアダプタ140は、自重が極
めて小さい状態となっている。しかも、吸着ノズル34
はアダプタ140を介してボールスプライン144にお
いて支持軸92にスプライン嵌合され、摩擦抵抗がきわ
めて小さくされており、吸着ノズル34は電子回路部品
36に、第一スプリング150の弾性力とアダプタ14
0および吸着ノズル34の自重とから成る第一付勢力か
ら、第二スプリング154および蛇腹156の弾性力と
からなる第二付勢力を差し引いた付勢力差に等しい大き
さの接触荷重であって、吸着ノズル34およびアダプタ
140の自重の和より小さい接触荷重で電子回路部品3
6に接触させられ、電子回路部品36を確実に負圧によ
り吸着する。
【0052】電子回路部品36の吸着後、プリント配線
板12の装着位置へ移動するまでの間に、吸着ノズル3
4に保持された電子回路部品36の撮像が部品撮像シス
テム222により行われ、撮像結果に基づいて電子回路
部品36の水平面内において互いに直交するX軸,Y軸
両方向における位置誤差(水平位置誤差)および軸線ま
わりの位置誤差(回転位置誤差)が算出される。水平位
置誤差は、吸着ノズル34のX軸方向およびY軸方向の
停止位置を修正することによって修正され、回転位置誤
差はノズルホルダ30がホルダ回転装置72によって回
転させられることにより修正される。電子回路部品36
の水平位置誤差の修正と併せて、プリント配線板12の
装着位置の水平位置誤差および吸着ノズル34の回転に
より生ずる電子回路部品36の中心位置ずれが修正され
る。
【0053】吸着ノズル34はプリント配線板12の装
着位置上へ移動させられた後、下降させられ、電子回路
部品36をプリント配線板12に装着する。この際に
も、電子回路部品36がプリント配線板12に接触する
以前に昇降部材74が減速され、吸着ノズル34の慣性
力による接触荷重の増大が回避される。昇降部材74な
いしノズルホルダ30は予め定められた目標位置へ下降
させられ、電子回路部品36は適正な接触荷重でプリン
ト配線板12に接触させられる。電子回路部品36のプ
リント配線板12への装着時にも、エンコーダ272の
検出信号に基づいてZ軸モータ78が制御され、ノズル
ホルダ30が電子回路部品36の種類に応じた設定され
ている目標位置へ速度制御されつつ下降させられる。
【0054】電子回路部品36のプリント配線板12へ
の装着時にも、第二スプリング154および蛇腹156
の付勢により、電子回路部品36がプリント配線板12
に接触するまでの間、吸着ノズル34およびアダプタ1
40の自重は極めて小さくされており、電子回路部品3
6は、吸着ノズル34およびアダプタ140の各自重の
和より小さい接触荷重でプリント配線板12に装着され
る。電子回路部品36はノズルホルダ30が目標位置へ
下降する前にプリント配線板12に接触し、その後のノ
ズルホルダ30の下降は第一スプリング150の圧縮に
より許容されるが、電子回路部品36は、第一付勢力か
ら第二付勢力を差し引いた付勢力差に等しく、小さい大
きさの接触荷重でプリント配線板12に接触させられる
のである。電子回路部品36のプリント配線板12への
装着後、ノズルホルダ30は上昇させられ、目標位置か
ら後退させられる。吸着ノズル34は、負圧の供給が遮
断され、正圧が供給された後、大気に連通させられて電
子回路部品36を解放し、電子回路部品36から離間さ
せられる。
【0055】このように電子回路部品36がプリント配
線板12に装着されるとき、第一,第二スプリング15
0,154の各荷重が荷重センサ190,192により
検出され、電子回路部品36のプリント配線板12への
実際の接触荷重(以後、実接触荷重と称する)が検出さ
れる。ノズルホルダ30が下降させられ、電子回路部品
36がプリント配線板12に接触させられた後、ノズル
ホルダ30が更に下降させられるとき、第一スプリング
150が圧縮され、荷重センサ190において弾性板1
96が荷重板198により押されて歪ゲージ194の歪
が増大する。一方、第二スプリング154および蛇腹1
56は、電子回路部品36のプリント配線板12への接
触後のノズルホルダ30の下降につれて伸長し、荷重セ
ンサ192において弾性板196に加えられる力が減少
し、歪ゲージ194の歪が減少する。
【0056】これら荷重センサ190,192の各出力
信号に基づいて、コンピュータ252において電子回路
部品36のプリント配線板12への接触荷重が演算され
る。吸着ノズル34,アダプタ140の各重さは設計
上、わかっており、これらと、荷重センサ190の検出
信号に基づいて得られる第一スプリング150の弾性力
とに基づいて第一付勢力が求められ、荷重センサ192
の検出信号に基づいて得られる第二スプリング154お
よび蛇腹156の弾性力により第二付勢力が得られ、第
一付勢力から第二付勢力を引くことにより実接触荷重が
求められる。ここでは、電子回路部品36の自重は無視
することとするが、電子回路部品36の自重にも基づい
て実接触荷重を求めるようにしてもよい。荷重センサ1
90,192の各検出信号に基づいて実接触荷重が算出
されて、コンピュータ252に入力されるようにしても
よい。
【0057】接触荷重の演算は、ノズルホルダ30が下
降を開始してから目標位置に到達するまでの間、微小時
間毎に繰り返し行われてもよく、電子回路部品36がプ
リント配線板12に接触した後に微小時間毎に繰り返し
行われてもよく、ノズルホルダ30が目標位置に到達し
たときに行ってもよい。電子回路部品36のプリント配
線板12への接触は、例えば、ノズルホルダ30の下降
位置からわかる。
【0058】電子回路部品36のプリント配線板12へ
の装着時にノズルホルダ30がプリント配線板12から
受ける反力と、電子回路部品36のプリント配線板12
への接触荷重とは、方向が逆であるが、大きさは同じで
あり、接触荷重を求めることにより、ノズルホルダ30
の下降時にそのノズルホルダ30が受ける反力が検出さ
れる。本実施形態においては、荷重センサ190,19
2およびコンピュータ252の荷重センサ190,19
2の各検出信号等に基づいて実接触荷重を算出する部分
が反力検出装置たる接触荷重検出装置を構成している。
【0059】ノズルホルダ30が目標位置に到達した状
態で得られる接触荷重が実接触荷重であり、コンピュー
タ252においては、取得された実接触荷重を、プリン
ト配線板12を特定するデータ、例えば番号と対応付け
るとともに、電子回路部品36の装着位置と対応付け
て、RAM252の接触荷重メモリに記憶する。プリン
ト配線板12を特定するデータは、配線板IDマーク2
6の撮像に基づいて得られ、装着位置は、装着プログラ
ムから得られる。
【0060】電子回路部品36が1つ、プリント配線板
12に装着される毎に図9および図10にそれぞれフロ
ーチャートで示す接触荷重良否判定ルーチンおよびメン
テナンス要否判定ルーチンが実行される。
【0061】接触荷重良否判定ルーチンを説明する。ノ
ズルホルダ30は予め設定された目標位置へ下降させら
れ、電子回路部品36は目標とする適正な荷重でプリン
ト配線板12に接触させられるはずであるが、目標接触
荷重から外れた荷重で接触させられることもある。例え
ば、電子回路部品36の厚さ誤差,プリント配線板12
の高さ方向の位置決め誤差,スプリング150,154
の固有値のばらつき,劣化,吸着ノズル34の劣化等に
より、電子回路部品36の接触荷重が目標接触荷重から
外れることがあるのである。そのため、接触荷重良否判
定ルーチンが行われ、実接触荷重の良否の判定等が行わ
れる。
【0062】接触荷重良否判定ルーチンのステップ1
(以下、S1と略記する。他のステップについても同
じ。)においては、実接触荷重と目標接触荷重との差の
絶対値が第一設定値以上であるか否かの判定が行われ
る。第一設定値は、第一設定状態の一種である。この差
の絶対値が第一設定値より小さいのであれば、電子回路
部品36は適正な荷重でプリント配線板12に装着され
たとしてよく、S1の判定結果がNOになってS2が実
行され、接触荷重が適正な大きさであり、良であること
が表示画面296に表示される。実接触荷重ないし反力
が、予め設定された接触荷重範囲内ないし反力範囲内の
値であることが表示されるのである。
【0063】また、実接触荷重が予め設定されている複
数段階のいずれの段階に属するかが表示装置296に表
示される。本実施形態においては、部品装着時の目標接
触荷重が電子回路部品36の種類に応じて異ならされて
いるため、実接触荷重そのものではなく、実接触荷重か
ら目標接触荷重を引いた値(接触荷重差)が、予め設定
された段階のいずれに属するかが表示される。本実施形
態においては、接触荷重差の程度を表す段階が複数段
階、例えば、10段階に設定され、第四段階ないし第六
段階が実接触荷重が適正範囲内にある段階とされ、第一
段階ないし第三段階が実接触荷重が適正範囲を超えて不
足している段階とされ、第七段階ないし第十段階が実接
触荷重が適正範囲を超えて過大である段階とされてい
る。第一段階ないし第三段階においては、段階数が小さ
いほど接触荷重差が大きく、実接触荷重の目標接触荷重
に対する外れが大きく、第七段階ないし第十段階におい
ては、段階数が大きいほど接触荷重差が大きく、実接触
荷重の目標接触荷重に対する外れが大きい。
【0064】第四段階ないし第六段階は、例えば、前記
第一設定値に正負の符号を付すことにより得られる範囲
を3つに等分することにより得られる段階とされ、第一
段階ないし第三段階は、例えば、第一設定値に負の符号
を付した値と、後述する第二設定値に負の符号を付した
値との間の範囲を3つに等分することにより得られる段
階とされる。第七段階ないし第十段階は、例えば、第一
設定値に正の符号を付した値と、第二設定値に正の符号
を付した値との間の範囲を4つに等分することにより得
られる段階とされる。
【0065】S2においては、接触荷重差が第四段階な
いし第六段階のいずれに属するかが求められ、表示され
る。それにより、作業者に、実接触荷重が設定された荷
重の範囲内であることがわかるとともに、良の程度がわ
かる。S2においてはまた、取得された実接触荷重が表
示画面296に表示される。実接触荷重は、例えば、プ
リント配線板12の種類,番号,電子回路部品36の種
類および装着位置と共に表示画面296に表示される。
実接触荷重のみが表示されるようにしてもよい。
【0066】それに対し、接触荷重差の絶対値が第一設
定値以上であれば、S1の判定結果がYESになってS
3が実行され、接触荷重差の絶対値が第二設定値以上で
あるか否かが判定される。第二設定値は第一設定値より
大きい値であって、例えば、接触荷重差の絶対値が第二
設定値を超える事態は、通常、生ずるはずがなく、1回
でも超えれば、装着作業を直ちに停止してその事態の発
生の原因を求め、異常原因を除去することが必要な大き
さに設定されている。
【0067】接触荷重差の絶対値が第一設定値以上であ
るが、第二設定値より小さい場合には、S3の判定結果
がNOになってS4が実行され、警報ブザー290が鳴
動させられ、実接触荷重が、大きくではないが、適正範
囲から外れていることが報知される。警報ブザー290
の鳴動により、適正範囲から外れた接触荷重でプリント
配線板12に装着された電子回路部品36があることが
作業者に報知されるのである。S4においてはまた、表
示画面296に、接触荷重が適正(良)でないこと、実
接触荷重,実接触荷重が属する段階およびプリント配線
板12の種類,番号,電子回路部品36の種類,装着位
置等が表示される。実接触荷重と目標接触荷重との差を
正負の符号を付して表示してもよい。
【0068】それに対し、接触荷重差の絶対値が第二設
定値以上であれば、S3の判定結果がYESになってS
5が実行され、電子回路部品装着システムの作動が停止
させられる。また、S4におけると同様に、表示画面2
96に、実接触荷重等が表示される。作業者は、電子回
路部品装着システムの作動停止に基づいて、電子回路部
品36が適正な接触荷重でプリント配線板12に装着さ
れるように処理を行う。この処理は、例えば、次に説明
する電子回路部品装着システムのメンテナンスと同様に
行われ、処理後、システムの作動を再開させる。
【0069】図10に示すメンテナンス要否判定ルーチ
ンを説明する。このルーチンのS11においては、統計
処理が行われる。統計処理は、接触荷重メモリに記憶さ
れた実接触荷重に基づいて行われる。本実施形態におい
ては、部品装着時の目標接触荷重が電子回路部品36の
種類に応じて異ならされており、例えば、電子回路部品
36の種類毎に統計処理が行われる。この際、電子回路
部品36の種類毎にそれぞれ、各装着数が設定数を超え
た場合に統計処理が行われる。
【0070】そして、電子回路部品36の種類毎の多数
の実接触荷重のうち、目標接触荷重が最大である側の値
と最小である側の値とをそれぞれ設定数ずつ除外した実
接触荷重について、それらの平均値が求められ、目標接
触荷重と比較される。実接触荷重の平均値と目標接触荷
重との差が設定範囲から外れた電子回路部品36があ
り、その差が設定範囲から外れる電子回路部品36の種
類が設定数以上あれば、メンテナンスが必要であるとさ
れる。設定数は、1でもよく、複数でもよい。
【0071】そして、S12においてメンテナンスが必
要であるか否かの判定が行われ、メンテナンスが不要で
あれば、S12の判定結果はNOになってルーチンの実
行は終了する。なお、S11において統計処理されるデ
ータの数が決まっており、例えば、複数種類の電子回路
部品36の各々について装着数が設定数を超えた場合に
は、古いデータが消去され、新しいデータが記憶され、
統計処理されるようにされる。
【0072】それに対し、メンテナンスの必要があれ
ば、S12の判定結果がYESになってS13が実行さ
れ、メンテナンスが必要であることが表示画面296に
表示され、作業者に報知される。表示画面296への表
示と共に警報ブザー290を鳴動させてもよい。この
際、前記接触荷重良否判定ルーチンのS4とは異なる態
様であって、メンテナンスの必要が生じたことを報知し
得る態様で警報ブザー290を鳴動させる。あるいは報
知装置の一種である音声報知器を設け、音声によりメン
テナンスの必要が生じたことを報知するようにしてもよ
い。この際、報知装置は警報装置として機能することと
なる。
【0073】前記接触荷重良否判定ルーチンにおいて、
実接触荷重と目標接触荷重との差の絶対値が適正範囲内
の大きさであるか否かを判定するための第一設定値は、
本実施形態においては比較的小さい値に設定され、それ
により得られる荷重の適正範囲ないし目標範囲は、メン
テナンス要否判定ルーチンのS11の統計処理におい
て、メンテナンスが必要であるか否かを判定するための
設定範囲より狭くされている。そのため、通常は、S1
2においてメンテナンスが必要であると判定される前に
警報ブザー290が鳴動させられ、それにより、接触荷
重が適正範囲から外れていることが作業者に報知される
とともに、メンテナンスの実行が近いことが予告される
こととなる。第一設定値を、メンテナンスが必要である
か否かを判定するための設定範囲より広い設定範囲が得
られる値に設定し、警報ブザー290が鳴動させられる
ほど、実接触荷重の目標接触荷重に対する外れが大きく
なる前にメンテナンスが実行されるようにしてもよい。
【0074】メンテナンスが必要であることが表示さ
れ、報知されたならば、作業者はメンテナンスを行う。
電子回路部品36が適正な範囲から外れた接触荷重で装
着されたとされる原因として、例えば、前述のように、
第一,第二スプリング150,154の劣化等の他、荷
重センサ190,192の異常等が考えられる。
【0075】そのため、まず、荷重センサ190,19
2が異常であるか否かを検査する。例えば、プリント配
線板保持装置16の構成部材の上面に荷重検出装置の一
種であるロードセルを設け、昇降部材74をロードセル
上において予め定められた位置まで下降させる。この
際、吸着ノズル34は電子回路部品36を保持していて
もいなくてもよい。昇降部材74の下降位置は、吸着ノ
ズル34とノズルホルダ30とに軸方向の相対移動が生
ずる位置に設定されており、吸着ノズル34がロードセ
ルに接触した状態から更にノズルホルダ30が下降させ
られ、ノズルホルダ30が設定された下降位置へ到達し
たときにロードセルにより検出される接触荷重と、荷重
センサ190,192の各検出信号に基づいて得られる
接触荷重とが比較される。ロードセルに異常はなく、荷
重を正確に検出するものとする。そして、両者の値が一
致していれば、荷重センサ190,192に異常はない
とされる。
【0076】両者の値が一致しておらず、その差が設定
範囲を超えていれば、荷重センサ190,192が異常
であることがわかる。この場合には、例えば、較正が行
われ、コンピュータ252において荷重センサ190,
192の各検出値等に基づいて実接触荷重が演算される
際に、荷重センサ190,192の出力値のずれが修正
されるようにされる。較正は例えば、ロードセルにより
検出される接触荷重と、荷重センサ190,192の検
出信号に基づいて得られる接触荷重との差に基づいて自
動で行われるようにしてもよく、あるいは上記差等を作
業者が入力装置276を用いて入力することに基づいて
行われるようにしてもよい。このように較正を行って再
度、検査を行ってもなお、荷重センサ190,192の
検出信号に基づいて得られる接触荷重と、ロードセルに
より検出される接触荷重とが一致しない場合には、例え
ば、荷重センサ190,192に劣化等が生じていると
考えられ、例えば、荷重センサ190,192を交換す
る。
【0077】荷重センサ190,192が異常でなけれ
ば、実接触荷重の目標接触荷重に対する外れの原因は、
他にあると考えられる。統計処理の結果は、表示装置2
96に表示されるようにされ、作業者は、統計処理の結
果に基づいて原因を求める。例えば、複数種類の電子回
路部品36のうち、特定の電子回路部品36についての
み接触荷重の外れが生じていれば、例えば、電子回路部
品36の厚さ誤差が原因であると考えられる。この場
合、実接触荷重の平均値と目標接触荷重との差に基づい
て、その差がなくなり、目標接触荷重が得られるよう
に、電子回路部品36について設定された目標位置が変
更されればよい。例えば、作業者が実接触荷重の平均値
と目標接触荷重との差を求め、接触荷重の増減量を求め
て入力するとともに、ノズルホルダ30の目標位置の変
更を指示する。あるいは作業者が、実接触荷重の平均値
と目標接触荷重との差に基づいて目標位置の変更量およ
び方向を求めて入力するようにしてもよい。
【0078】また、例えば、実接触荷重の平均値と目標
接触荷重との差の設定範囲を超える外れが、複数種類の
電子回路部品36のうち、電子回路部品36を装着する
吸着ノズル34を共通とする電子回路部品36について
生じているのであれば、その吸着ノズル34に原因があ
ると考えられる。そのため、吸着ノズル34を調べ、例
えば、吸着管162の先端面の摩耗等が生じていて、更
なる使用は適切でなければ、吸着ノズル34を新しい吸
着ノズル34に交換する。吸着ノズル34をまだ使用し
得るのであれば、その吸着ノズル34により装着される
電子回路部品36について、ノズルホルダ30の目標位
置が変更されるようにする。なお、吸着ノズル34は寸
法精度良く作られており、種類が同じであれば、その種
類の吸着ノズル34について取得されたノズルホルダ3
0の下降位置と接触荷重との関係を使用し得ることとす
る。
【0079】実接触荷重の平均値と目標接触荷重との差
の設定範囲を超える外れが、電子回路部品36の種類お
よび吸着ノズル34の種類に関係なく生じているのであ
れば、それらに共通の原因があると考えられる。例え
ば、第一,第二スプリング150,152の劣化,昇降
部材74の昇降制御誤差,プリント配線板12の上下方
向の位置決め誤差等が原因として考えられる。この際、
例えば、作業者はコンピュータ12に、統計処理された
全部の種類の電子回路部品36の実接触荷重の平均値と
目標接触荷重との関係を求めさせる。例えば、両者の関
係を規定する直線である回帰直線が最小二乗法等により
求められ、表示画面296に表示される。そして、その
結果に基づいて、作業者は、電子回路部品36の種類毎
に、目標接触荷重を得るのに必要な接触荷重の増減量を
求め、入力装置276により入力するとともに、ノズル
ホルダ30の目標位置の変更を指示する。あるいは作業
者が、接触荷重の増減量に基づいて目標位置の変更量お
よび方向を求めて入力するようにしてもよい。
【0080】ノズルホルダ30の目標位置の変更が指示
されれば、図11に示す目標位置変更ルーチンのS21
の判定結果がYESになってS22が実行され、目標位
置が、実接触荷重が目標接触荷重となるはずの位置に変
更される。コンピュータ252は、ノズルホルダ30の
目標位置と接触荷重との関係を設定するデータを吸着ノ
ズル34の種類毎に有しており、そのデータおよび接触
荷重の増減量に基づいて、電子回路部品36の種類毎に
ノズルホルダ30の目標位置を変更する。この際、初期
ないし前回に設定された目標位置は残しておいて、新し
い目標位置であって、実際に装着時に用いられる実目標
位置を設定してもよく、初期目標位置ないし前回目標位
置に代えて実目標位置を設定してもよい。
【0081】目標位置が特定の電子回路部品36につい
て変更される場合でも、全部の電子回路部品36につい
て変更される場合でも、S22においては、吸着ノズル
34の種類に応じたノズルホルダ30の下降位置と接触
荷重との関係,接触荷重の増減量および現在の目標位置
に基づいて、目標位置の変更が行われる。
【0082】作業者が接触荷重の増減量に基づいてノズ
ルホルダ30の目標位置の変更量および方向を求めて入
力し、それに従ってコンピュータ252において目標位
置が変更されるようにしてもよい。
【0083】このようにノズルホルダ30の目標位置の
変更により、第一,第二スプリング150,154の劣
化,プリント配線板12の上下方向の位置決め誤差等の
原因による接触荷重の異常が解消される。
【0084】このようにメンテナンスが行われてもな
お、実接触荷重と目標接触荷重との差の絶対値が大き
く、第一設定値以上となり、更に第二設定値以上になる
事態が発生すれば、電子回路部品装着システムが作動を
停止させられる。そして、作業者はメンテナンス時と同
様に、接触荷重の異常原因を求め、修正する。
【0085】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、昇降部材74,昇降部材駆動装置76お
よび制御装置250の昇降部材駆動装置76を制御する
部分がホルダ昇降装置70を構成している。また、制御
装置250のS2,S4およびS5を実行する部分が反
力表示部,反力良否表示部および段階表示部を構成し、
表示画面296,制御装置250の表示画面296を制
御する部分と共に表示装置を構成している。表示装置
は、主として、電子回路部品装着システムにおいて必要
とされる種々の表示を行うための装置であって、本実施
形態においては電子回路部品装着ヘッドの表示装置を兼
ねている。表示装置は、静止して位置を固定して設けら
れているのに対し、ノズルホルダ30等、電子回路部品
装着ヘッドの主要部はY軸スライド44に設けられてお
り、本実施形態においては、装着ヘッド本体の一部がY
軸スライド44と一体的に設けられるとともに、電子回
路部品装着システムの制御装置250や表示装置が設け
られた部分も装着ヘッド本体を構成している。Y軸スラ
イド44が装着ヘッド本体の一部を構成していると考え
ることもできる。さらに、制御装置250のS5を実行
する部分が自動停止部を構成し、S11を実行する部分
がメンテナンス要否決定部を構成する反力統計処理部を
構成し、S13を実行する部分がメンテナンス要報知部
を構成し、S22を実行する部分が目標位置変更部を構
成している。
【0086】電子回路部品を付勢するスプリングの荷重
は、スプリングの軸線上において検出してもよい。ま
た、2つのスプリングの各弾性力を吸着ノズルに互いに
逆向きに作用させて、スプリングの弾性力および吸着ノ
ズルの自重を軽減し、あるいは増大させることは不可欠
ではなく、1つのスプリングによって吸着ノズルをノズ
ルホルダから離れる向きに付勢するのみでもよい。それ
らの実施形態を図12に基づいて説明する。
【0087】本実施形態においても、上記実施形態のX
Yロボット32と同様に構成されたXYロボットのY軸
スライド(図示省略)に、昇降部材350が昇降可能に
設けられており、昇降部材駆動装置352により昇降さ
せられる。昇降部材駆動装置352は、パルスモータに
より構成された駆動源としてのZ軸モータ354,ボー
ルねじ356およびナット358を含み、ボールねじ3
56がZ軸モータ3554によって回転させられること
により昇降部材350が昇降させられる。
【0088】昇降部材350内には、ノズルホルダ36
6が軸方向に相対移動不能かつ相対回転可能に保持され
ている。これら昇降部材350およびノズルホルダ36
6はいずれも、実際には複数の部材が組み付けられて成
る。ノズルホルダ366内には、アダプタ370が軸方
向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合され、吸着ノ
ズル382を着脱可能に保持している。ノズルホルダ3
66は、θ軸モータ374を駆動源とするホルダ回転装
置376により垂直軸線まわりに回転させられ、アダプ
タ370および吸着ノズル382が回転させられる。吸
着ノズル382は、吸着管保持体384と吸着管386
とを有する。
【0089】吸着ノズル382は、アダプタ370内に
設けられた軸方向通路390,半径方向通路392,回
転継手394,ホース396等により、図示を省略する
負圧源,正圧源および大気に接続されており、図示を省
略する電磁方向切換弁の切換えにより、負圧源,正圧源
および大気に選択的に連通させられる。回転継手394
は、円環状通路398,400,402,404および
半径方向通路406,408,410を含み、ノズルホ
ルダ366,アダプタ370および吸着ノズル382が
回転させられても、吸着ノズル382と負圧源との連通
が保たれるようにされている。
【0090】アダプタ370とノズルホルダ366との
間には付勢手段の一種である弾性部材たる圧縮コイルス
プリング(以後、スプリングと略称する)420が配設
されており、吸着ノズル382はアダプタ370を介し
てスプリング420により下向きに付勢されている。こ
のスプリング420とノズル保持体380との間には、
荷重部材422および荷重センサの一種であるロードセ
ル424が直列に設けられており、スプリング420が
吸着ノズル382に加える荷重が検出されるようにされ
ている。スプリング420の付勢による吸着ノズル38
2の移動限度は、アダプタ370の大径部426がノズ
ルホルダ366の肩面428に当接することにより規定
される。
【0091】本電子回路部品装着システムも、図示は省
略するが、前記実施形態の電子回路部品装着システムと
同様にコンピュータを主体とする制御装置により制御さ
れる。ロードセル424の検出信号はコンピュータに供
給される。
【0092】電子回路部品の吸着時には、ノズルホルダ
366が部品供給装置へ移動させられるとともに下降さ
せられ、吸着ノズル382が負圧により電子回路部品4
30を吸着する。吸着後、吸着ノズル382はXYロボ
ットによりプリント配線板432へ移動させられて電子
回路部品430をプリント配線板432に装着する。
【0093】この際、電子回路部品430がプリント配
線板432に当接するまでは、昇降部材350,ノズル
ホルダ366,アダプタ370および吸着ノズル382
は一体的に下降させられる。部品吸着時にも部品装着時
にも、前記実施形態と同様に、ノズルホルダ366の下
降速度制御が行われる。昇降部材350ないしノズルホ
ルダ366は、電子回路部品430がプリント配線板4
32に接触させられた後も更に小距離下降させられる。
ノズルホルダ366は目標位置まで下降させられるので
あり、昇降部材350およびノズルホルダ366がアダ
プタ370に対して下降させられる。この下降は、スプ
リング420が圧縮されることにより許容されるととも
に、電子回路部品430のプリント配線板432への接
触荷重が増大する。スプリング420の圧縮によりロー
ドセル424の歪が増大し、スプリング420が電子回
路部品430に加える荷重が電気信号に変換されて出力
され、スプリング420の弾性力とアダプタ370およ
び吸着ノズル382の各自重とに基づいて電子回路部品
430のプリント配線板432への接触荷重が取得され
る。説明は省略するが、本実施形態においても、前記実
施形態と同様に、接触荷重の良否判定,メンテナンスの
要否判定等が行われ、取得された接触荷重等の表示画面
への表示等が行われる。本実施形態においては、ロード
セル424および制御装置のロードセル424の検出信
号に基づいて接触荷重を演算する部分が反力検出装置を
構成している。
【0094】本発明は、例えば、特開2001−473
85公報に開示されているように、電子回路部品の接触
荷重が、シリンダの圧力室の圧力を制御することにより
変更される電子回路部品装着ヘッドにも適用することが
できる。この電子回路部品装着ヘッドを図13および図
14に基づいて簡単に説明する。
【0095】本実施形態の電子回路部品装着ヘッドのノ
ズルホルダ500は、図示を省略するXYロボットによ
り水平なXY座標面内の任意の位置に移動させられると
ともに、ホルダ昇降装置(図示省略)により昇降させら
れる。ノズルホルダ500は、ホルダ本体501とシリ
ンダ502とを備えている。シリンダ502のシリンダ
ハウジング510内に摺動可能に嵌合されたピストン5
12にはピストンロッド514が突設されるとともに、
吸着ノズル516が固定的に保持されており、負圧供給
装置518により供給される負圧により電子回路部品5
20を吸着する。
【0096】ピストン512およびピストンロッド51
4は、シリンダハウジング510により気体軸受を介し
て支持されている。ピストン512およびピストンロッ
ド514とシリンダハウジング510との間の各嵌合隙
間に、軸受用気体供給装置522から一定の圧力に制御
された加圧気体が供給され、ピストン512およびピス
トンロッド514がシリンダハウジング510により非
接触で軸方向に摺動可能に支持されているのである。
【0097】シリンダハウジング510内には圧力室5
30,532が設けられるとともに、図14に示す圧力
制御装置534が接続されている。圧力制御装置534
は、加圧気体源536からの加圧された気体である加圧
気体の圧力を、設定された一定の圧力に減圧する圧力レ
ギュレータ538,圧力室530,532に接続される
圧力制御弁540,542および制御装置544を備え
ている。制御装置544はコンピュータを主体とするも
のであり、圧力室530,532の各圧力は圧力センサ
546,548により検出されてコンピュータに供給さ
れる。制御装置544にはまた、表示画面549および
入力装置551が接続されている。なお、図14におい
て符号550は圧力レギュレータであり、加圧気体源5
36の圧力が制御されて、前記ピストン512およびピ
ストンロッド514とシリンダハウジング510との間
に供給される。
【0098】本実施形態においては、圧力制御弁54
0,542として、リリーフ弁付き比例電磁減圧弁が使
用されており、制御装置544は、吸着ノズル516に
保持されてプリント配線板に装着される複数種類の電子
回路部品520の各接触荷重が、電子回路部品520の
各々について設定されて記憶装置に記憶されている目標
接触荷重と等しくなるように、圧力室530,532の
圧力を制御する。電子回路部品520の接触荷重Fは、
F=(P1−P2)×S+Wで表される。ただし、P1
は圧力室530の圧力、P2は圧力室532の圧力、S
はピストン512の横断面積、Wはピストン512,吸
着ノズル516および電子回路部品520の重量であ
る。電子回路部品520の重量は無視されるようにして
もよい。そして、目標接触荷重から、目標接触荷重を得
るための圧力室530,532の各圧力が決定され、圧
力センサ546,548の検出値が決定した圧力に等し
くなるように、圧力制御弁540,542への供給電流
が制御される。
【0099】電子回路部品520のプリント配線板への
装着時には、ノズルホルダ500が部品供給装置へ移動
させられ、吸着ノズル516が電子回路部品520を吸
着した後、プリント配線板へ移動させられて装着する。
この際、ノズルホルダ500は昇降装置により、速度制
御されつつ予め設定された目標位置へ下降させられる。
ノズルホルダ500は電子回路部品520がプリント配
線板に接触した後も更に下降させられる。ノズルホルダ
500の下降開始時には、ピストン512は、その大形
の頭部552がシリンダハウジング510の肩面554
に当接しているが、電子回路部品520のプリント配線
板への接触後、ピストン512およびピストンロッド5
14がシリンダハウジング510に対して相対移動する
とき、頭部552が肩面554から離れる。そして、圧
力室530,532の容積が変化するが、圧力制御弁5
40,542の作用により、圧力室530,532の各
圧力は、電子回路部品520を予め設定された目標接触
荷重でプリント配線板に装着する高さに保たれる。した
がって、ノズルホルダ500の下降位置は、精密に調整
する必要はない。ノズルホルダ500の下降位置は、具
体的には、頭部552が肩面554から離れ、かつ、シ
リンダボアの上側の端面に当接しない状態になる位置で
あれば、どこに設定されても構わないのである。
【0100】このように電子回路部品520がプリント
配線板に装着されるとき、圧力センサ546,548に
より検出される圧力室530,532の各圧力に基づい
て電子回路部品520の実際の接触荷重が演算され、前
記各実施形態と同様に、接触荷重良否判定ルーチン等が
実行され、実接触荷重等の表示画面549への表示等が
行われる。そして、作業者は、メンテナンスが必要であ
ることが報知されれば、実接触荷重が目標接触荷重から
外れる原因を探し、修正する。
【0101】本電子回路部品装着ヘッドにおいては、実
接触荷重が目標接触荷重から設定範囲を超えて外れる原
因として、例えば、圧力制御弁540,542への供給
電流量の指令値の誤り,圧力制御弁540,542の劣
化,異常等が考えられる。そして、作業者は原因を求め
たならば、例えば、表示画面549の表示に基づいて、
実接触荷重の目標接触荷重に対する外れ量を入力装置5
51を用いてコンピュータに入力する。その入力に基づ
いてコンピュータにおいては、例えば、圧力制御弁54
0への供給電流の増減値が演算され、目標接触荷重が得
られるように圧力室530の圧力が変更される。圧力制
御弁540の供給電流の増減値を作業者が求めて入力し
てもよい。本実施形態においては、圧力センサ546,
548および制御装置544の圧力センサ546,54
8の検出信号に基づいて実接触荷重を演算する部分が反
力検出装置を構成している。
【0102】なお、部品受取り時における吸着ノズルの
電子回路部品への接触荷重は、電子回路部品の種類に応
じて異ならせてもよく、部品装着時における電子回路部
品の回路基板への接触荷重は、電子回路部品の種類が異
なっても同じにしてもよい。
【0103】また、部品受取り時に吸着ノズルの電子回
路部品への接触荷重を検出し、良否の判定,メンテナン
スの要否判定等が行われ、必要であれば、ノズルホルダ
の目標位置の変更等により、接触荷重が修正されるよう
にしてもよい。部品装着時と同様に、接触荷重の検出に
基づいて、表示画面に実接触荷重の表示,良否の判定結
果,接触荷重が属する段階等が表示されるようにしても
よい。
【0104】さらに、接触荷重等は、適正範囲から外れ
た場合のみに表示画面に表示されるようにしてもよい。
【0105】また、統計処理に基づくノズルホルダの目
標位置の変更等、実接触荷重を目標接触荷重と一致させ
るための処理は、自動で行われるようにしてもよい。統
計処理の結果、実接触荷重が適正範囲から外れている電
子回路部品があれば、自己診断を行って外れの原因を求
め、その外れに応じて目標位置の変更等が自動的に行わ
れるようにするのである。
【0106】さらに、接触荷重が属する段階を表示する
場合、段階数は、例えば、3段階としてもよく、5段階
としてもよい。
【0107】さらに、電子回路部品装着システム10の
電子回路部品装着ヘッドにおいて、第一スプリング15
0の付勢による吸着ノズル34の移動限度がストッパ1
58により規定されるようにされていたが、不可欠では
なく、ストッパ158は省略してもよい。この場合、ノ
ズルホルダ30が上昇位置に位置する状態では、吸着ノ
ズル34は、第一付勢力と第二付勢力とが釣り合う位置
に位置し、電子回路部品36がプリント配線板12に装
着されるとき、その接触荷重は0から増大する。
【0108】また、電子回路部品装着システム10の電
子回路部品層装着ヘッドにおいて、第二スプリング15
4を省略してもよい。この場合、吸着ノズル34の第一
スプリング150の付勢による移動限度を規定するスト
ッパが設けられる。
【0109】さらに、上記各実施形態においては、警報
装置は警報ブザーを含む装置とされていたが、警報ブザ
ーおよび警報ランプの両方を含む装置としてもよく、警
報ランプのみを含む装置としてもよい。
【0110】また、ノズルホルダの目標位置と接触荷重
との関係を設定するデータは、電子回路部品装着ヘッド
の設計データに基づいて設定するようにしてもよい。
【0111】さらに、上記各実施形態においては、反力
表示,反力良否表示,段階表示,警報装置による警報,
部品装着ヘッドの自動停止,メンテナンス要否決定およ
び統計処理に基づく目標位置変更が行われるようにされ
ていたが、それらのうちの少なくとも1つが行われるの
みでもよい。
【0112】さらに、本発明は、回転体と、回転体を回
転させる回転体回転装置とを含み、回転体の回転によ
り、回転体に保持された複数のノズルホルダがそれぞれ
保持する吸着ノズルが順次、複数の停止位置へ移動させ
られ、部品受取位置において電子回路部品を受け取り、
部品装着位置において回路基板に電子回路部品を装着す
る電子回路部品装着システムの電子回路部品装着ヘッド
にも適用することができる。この装着ヘッドにおいてホ
ルダ進退装置は、部品受取位置および部品装着位置に設
けられ、ホルダ進退装置によるノズルホルダの前進時に
ノズルホルダが受ける反力が反力検出装置によって検出
され、反力関連情報が表示装置に表示されるようにされ
る。本発明はまた、共通の旋回軸線のまわりに互いに独
立に回動可能な複数の回動部材と、それら回動部材に、
それぞれ上記旋回軸線のまわりを一周するとともに、そ
の一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時
間差を有する回動運動を付与する回動運動付与装置とを
含み、複数の回動部材にそれぞれ設けられたノズルホル
ダが保持する吸着ノズルに電子回路部品の受取りおよび
装着を行わせる電子回路部品装着システムの電子回路部
品装着ヘッドにも適用することができる。回転体および
回転体回転装置、あるいは回動部材および回動運動付与
装置は更に、移動装置により、回路基板の装着面に平行
な平面内において移動させられてもよい。
【0113】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品装着ヘッ
ドを備えた電子回路部品装着システムを概略的に示す平
面図である。
【図2】上記電子回路部品装着ヘッドのうち、Y軸スラ
イドに設けられた部分を示す正面図である。
【図3】上記電子回路部品装着ヘッドのうち、Y軸スラ
イドに設けられた部分を示す正面図(一部断面)であ
る。
【図4】上記電子回路部品装着ヘッドにおいて吸着ノズ
ルを付勢する第一スプリングの荷重を検出する荷重セン
サを示す正面図(一部断面)である。
【図5】上記荷重センサを荷重板および弾性板を除いて
示す平面図である。
【図6】上記吸着ノズルを付勢する第二スプリングの荷
重を検出する荷重センサを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図7】上記電子回路部品装着システムを制御する制御
装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図
である。
【図8】上記制御装置の主体を成すコンピュータのRA
Mの構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】上記コンピュータのRAMに記憶された接触荷
重良否判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】上記コンピュータのRAMに記憶されたメン
テナンス要否判定ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図11】上記コンピュータのRAMに記憶された目標
位置変更ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施形態である電子回路部品装
着ヘッドの要部を示す正面図(一部断面)である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態である電子回路
部品装着ヘッドの要部を示す正面断面図である。
【図14】図13に示す電子回路部品装着ヘッドの圧力
制御装置および軸受用気体供給装置の部分を示す回路図
である。
【符号の説明】
30:ノズルホルダ 34:吸着ノズル 36:電
子回路部品 44:Y軸スライド 70:ホルダ昇
降装置 190,192:荷重センサ 250:制
御装置 272:エンコーダ 290:警報ブザー
296:表示画面 366:ノズルホルダ 3
82:吸着ノズル 424:ロードセル 430:
電子回路部品 432:プリント配線板 500:
ノズルホルダ 534:圧力制御装置540,54
2:圧力制御弁 544:制御装置 546,54
8:圧力センサ 549:表示画面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩城 範明 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内 (72)発明者 勝見 裕司 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内 Fターム(参考) 5E313 AA02 AA03 AA11 CC03 EE02 EE03 EE05 EE24 EE33 EE34 EE37 EE38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装着ヘッド本体と、 その装着ヘッド本体により自身の軸線に平行な方向であ
    る軸方向に移動可能に保持されており、吸着ノズルを保
    持するノズルホルダと、 そのノズルホルダの前記装着ヘッド本体に対する前記軸
    方向の相対位置を検出するホルダ位置検出装置と、 そのホルダ位置検出装置の検出結果に基づいて、前記ノ
    ズルホルダを前記装着ヘッド本体に対して、前記軸方向
    に、予め設定されている目標位置まで前進させ、その目
    標位置から後退させるホルダ進退装置と、 そのホルダ進退装置による前記ノズルホルダの前進時に
    そのノズルホルダが受ける反力を検出する反力検出装置
    と、 その反力検出装置により検出された反力に関連する反力
    関連情報を表示する表示装置とを含むことを特徴とする
    電子回路部品装着ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記表示装置が、前記反力関連情報とし
    て前記反力自体を表示する反力表示部を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の電子回路部品装着ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記反力検出装置により検出された反力
    と予め定められている目標反力とが第一設定状態以上相
    違する場合に作動する警報ブザーと警報ランプとの少な
    くとも一方を備えた警報装置を含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載の電子回路部品装着ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記反力検出装置により検出された反力
    と予め定められている目標反力とが第二設定状態以上相
    違する場合に当該部品装着ヘッドの作動を停止させる自
    動停止部を含むことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の電子回路部品装着ヘッド。
  5. 【請求項5】 当該装着ヘッドにより電子回路部品が回
    路基板に装着される際における前記反力検出装置の検出
    値を、回路基板および装着位置と対応付けて記憶する反
    力記憶装置を含むことを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の電子回路部品装着ヘッド。
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