JP2003332033A - 電磁誘導加熱用器具の温度制御方法 - Google Patents

電磁誘導加熱用器具の温度制御方法

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JP2003332033A
JP2003332033A JP2002140819A JP2002140819A JP2003332033A JP 2003332033 A JP2003332033 A JP 2003332033A JP 2002140819 A JP2002140819 A JP 2002140819A JP 2002140819 A JP2002140819 A JP 2002140819A JP 2003332033 A JP2003332033 A JP 2003332033A
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electromagnetic induction
magnetic
induction heating
temperature
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JP2002140819A
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Daizou Itou
台蔵 伊藤
Tetsuo Matsunaga
哲夫 松永
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Fuji Electric Co Ltd
Itoh Kouki Corp
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Fuji Electric Co Ltd
Itoh Kouki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整磁合金材のキューリー点で決まる制御温度
を広範囲にかつ正確に調節でき、同時に電磁誘導加熱器
の破損を防止できる調理用の鍋、プレート等の電磁誘導
加熱用器具の温度制御方法を提供する。 【解決手段】 本方法によると、基材111及び整磁合
金材112のクラッド材11の電磁誘導加熱コイル2に
対向する面側に磁性又は非磁性の金属材12を設け、こ
の金属材12の材質、厚さ、面積等を適宜変更すること
によって、整磁合金材112のキューリー点により決ま
る制御温度を広範囲にかつ正確に調節することができ
る。好ましくは、金属材12を整磁合金材112に固定
するビス、ボルト等の固定手段3を備え、この固定手段
3によって、金属材12の発熱を基材111側へ伝達し
得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱用器
具の温度制御方法に関し、更に詳しくは、整磁合金材の
キューリー点で決まる制御温度を広範囲にかつ正確に調
節でき、同時に整磁合金材のキューリー点付近での電磁
誘導加熱器の出力電流をゆっくりした変化にして電磁誘
導加熱器の破損を防止できる電磁誘導加熱用器具の温度
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、電磁誘導加熱器に、調理用
等の鍋、釜、プレート等(電磁誘導加熱用器具として例
示する。)を載せて、その鍋、釜、プレート等の内部
に、高周波誘導加熱コイルがつくる高周波磁界によって
誘導渦電流を発生させ、この誘導渦電流によってジュー
ル損を発生させて自己発熱させるものが知られている。
即ち、上記作用を利用できるように電磁誘導加熱による
調理用等の鍋、釜、プレート等が製作されている。上記
鍋、釜、プレート等の材質は一般的に鉄やステンレスで
あるが、いずれの場合でも、電磁誘導加熱器の加熱力を
手動で調節したり、鍋、釜、プレート等の被加熱体側に
取付けた温度センサにより検出した温度を見て電磁誘導
加熱器の複雑な温度制御回路により加熱力を調整したり
して鍋、釜、プレート等の温度を制御している。従っ
て、鍋、釜、プレート等の制御温度は、電磁誘導加熱器
の持つ制御特性に左右されやすい。又、整磁合金を利用
した温度制御方法にあっては、合金の温度特性で決まる
単一の温度制御しか出来ない。更に合金の温度が上昇し
キューリー点に近くなると透磁率(μ)が急激に変化する
ことで電磁誘導加熱器の出力電流が急増しようとし、場
合によっては電磁誘導加熱器を破損する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上より本発明は、整
磁合金材のキューリー点で決まる制御温度を広範囲にか
つ正確に調節でき、同時に整磁合金材のキューリー点付
近での電磁誘導加熱器の出力電流をゆっくりした変化に
して電磁誘導加熱器の破損を防止できる電磁誘導加熱用
器具の温度制御方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以下に示
す電磁誘導加熱原理より、整磁合金材のキューリー点で
決まる制御温度を調節できることを知見し、本発明を完
成するに至った。即ち、電磁誘導加熱器の誘導加熱コイ
ルから発生した磁束が鍋、釜、プレート等のコイル対向
面側に透過して渦電流を流し、鍋、釜、プレート等の固
有抵抗との間でジュール損を発生させ発熱する様子は次
の計算式による。 Pe=K・√(ρ・μ・f)・(N・I) ここで、Pe:鍋、釜、プレート等の発熱量、ρ:鍋、
釜、プレート等の固有抵抗、μ:被加熱面の透磁率、
f:電磁誘導加熱器の発信周波数、N:加熱コイルの巻
き数、I:電磁誘導加熱器の出力電流である。上式にお
いて透磁率(μ)の変化により鍋、釜、プレート等の発熱
量を変えられることがわかる。鍋、釜、プレート等とし
て整磁合金材を使用し、整磁合金材のキューリー点の調
整で温度設定することが出来る。今回、更に細かい温度
制御をするために整磁合金材の外側に磁性又は非磁性の
金属材を貼り合わせその材質、厚さ、面積等を調整する
ことにした。その結果、整磁合金材の見かけ上の透磁率
(μ)を変えることができ制御温度を上下に広範囲に変え
ることが可能になった。
【0005】上記整磁合金材は、常温からある温度(任
意に調整できる)まで一定の磁束密度を持っているが、
それ以上の温度の上昇とともに磁束密度が直線的に減少
する磁気変態点を持った合金で昔から磁気回路の温度補
償用として積算電力計、電圧計、電流計、スピードメー
ター等に使われている。この整磁合金の温度依存性磁気
変態特性を鍋、釜、プレート等に使って自己温度調節機
能として生かす為には、電磁誘導加熱中の鍋、釜、プレ
ート等の全体が所望の温度になった時、加熱コイルから
見た鍋、釜、プレート等の全体の比透磁率(μ)が一斉に
1にならなければならない。その為には、鍋、釜、プレ
ート等を構成する基材として、アルミニウムや銅等のよ
うな熱伝達率が大きく比透磁率(μ)が1(非磁性)の材料
を使用する必要がある。上記基材と整磁合金材とを一体
化することで整磁合金材自体が本来持っている特性の温
度によって透磁率(μ)が変化することをそのまま温度調
節機能に生かすことが出来、これを使った鍋、釜、プレ
ート等自身に温度調整能力を持たせることが出来る。今
回、更にこの整磁合金材の外側に磁性又は非磁性の金属
材を貼り合わせその材質、厚さ、面積等を調整すること
によって整磁合金材の見かけ上の透磁率(μ)を変えるこ
とができた。上記見かけ上の透磁率(μ)の値の変化は、
磁性又は非磁性の金属材が本来もっている不変の透磁率
(μ)の値と、温度によって急激に変化する整磁合金の透
磁率(μ)の値とが合成されることで温度上昇に対し透磁
率(μ)が滑らかに変化する。これによりL=k(μ・A/
l)・N2で決まる電磁誘導加熱器から見た出力側の加熱
コイルのインダクタンス(L)の変化が滑らかになり出
力電流が滑らかに変化することで電磁誘導加熱器を破損
から保護することが出来る。ここで上式の各記号は下記
とする。L:電磁誘導加熱器の出力端子側からみた加熱
コイルのインダクタンス、K:長岡係数その他の係数、
μ:被加熱体の透磁率、A:被加熱体の磁路面積、l:
被加熱体の磁路長さ、N:加熱コイルの巻き数。
【0006】本発明の電磁誘導加熱用器具の温度制御方
法は、基材の電磁誘導加熱コイルに対向する面側に、温
度により透磁率が変化する整磁合金材を設け、電磁誘導
加熱時に、前記整磁合金材のキューリー点により決まる
制御温度を超えないように自己温度調節する電磁誘導加
熱用器具の温度制御方法において、前記整磁合金材の前
記電磁誘導加熱コイルに対向する面側に磁性又は非磁性
の金属材を設け、該金属材及び前記整磁合金材の各透磁
率の合成によって前記制御温度を調節することを特徴と
する。また、前記整磁合金材の金属成分の配合割合及び
/又は熱処理温度の設定値を変えることによって前記制
御温度を調節することができる。また、前記金属材が前
記電磁誘導加熱コイルからの磁束を吸収又は遮断するこ
とによって前記制御温度を調節することができる。ま
た、前記金属材の厚さ及び/又は面積の設定値を変える
ことによって前記制御温度を調節することができる。さ
らに、前記金属材を前記整磁合金材に固定する固定手段
を備え、該固定手段によって前記金属材の発熱を前記基
材に伝達することができる。
【0007】他の本発明の電磁誘導加熱用器具の温度制
御方法は、基材の電磁誘導加熱コイルに対向する面側
に、温度により透磁率が変化する整磁合金材を積層して
なるクラッド材を備え、電磁誘導加熱時に、前記整磁合
金材のキューリー点により決まる制御温度を超えないよ
うに自己温度調節する電磁誘導加熱用器具の温度制御方
法において、前記整磁合金材の前記電磁誘導加熱コイル
に対向する面側に設けられる磁性又は非磁性の金属材
と、該金属材を該整磁合金材に固定する固定手段とを備
え、前記金属材によって前記電磁誘導加熱コイルからの
磁束が吸収又は遮断されることと共に、前記金属材及び
前記整磁合金材の各透磁率が合成されることによって前
記制御温度を調節する一方、前記固定手段によって、前
記金属材の発熱が前記クラッド材の前記基材へ伝達され
ることを特徴とする。
【0008】上記「電磁誘導加熱用器具」としては、そ
の用途、形状、大きさ等は特に問わない。その用途とし
て、例えば、調理用器具、消毒・殺菌用器具、工業品の
製造用器具等を挙げることができる。上記調理用器具と
しては、鍋、釜、フライパン、プレート等を挙げること
ができる。その形状としては、例えば、鍋形状、皿形
状、平板形状等を挙げることができる。また、上記「基
材」としては、その材質、形状、大きさ等は特に問わな
い。その材質としては、例えば、アルミニウム、銅、セ
ラミック等を挙げることができる。上記基材は、通常、
熱伝達性に優れた非磁性材である。また、上記「整磁合
金材」としては、温度により透磁率(μ)が変化するも
のである限り、その材質、形状、大きさ等は特に問わな
い。その材質としては、例えば、Ni-Fe合金、Ni-
Cr-Fe合金、Ni-Cr-Co-Fe合金等を挙げるこ
とができる。また、上記「金属材」としては、整磁合金
材の電磁誘導加熱コイルに対向する面側に設けられる磁
性金属又は非磁性金属である限り、その材質、形状、大
きさ等は特に問わない。その材質としては、例えば、鉄
やマルテンサイト系又はフェライト系のステンレス材等
の磁性金属を挙げることができ、また、例えば、銅やア
ルミニウム材等の非磁性金属を挙げることができる。そ
の形状としては、例えば、リング形状、平板形状、ブロ
ック形状等を挙げることができる。また、上記「固定手
段」としては、金属材を整磁合金材に固定できる限り、
その構造、材質、個数等は特に問わない。その構造とし
ては、例えば、ビス、ボルト、スタッド、リベット等を
挙げることができる。また、上記固定手段は、例えば、
熱伝達性と共に導電性に優れていることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明の電磁誘導加熱用器具の温度制御
方法によると、金属材及び整磁合金材の各透磁率が合成
されるので、整磁合金材のキューリー点により決まる制
御温度を広範囲にかつ正確に調節することができる。ま
た、合成された透磁率の変化が緩やかとなり、電磁誘導
加熱器の出力電流もゆっくり変化するため電流制御が容
易となって電磁誘導加熱器の破損を防止することができ
る。また、前記整磁合金材の金属成分の配合割合及び/
又は熱処理温度の設定値を変える場合は、この整磁合金
材の透磁率が変更されるので、制御温度をより広範囲に
かつ正確に調節することができる。また、前記金属材に
よって前記電磁誘導加熱コイルからの磁束が吸収又は遮
断される場合は、制御温度をより広範囲にかつ正確に調
節することができる。また、前記金属材の厚さ及び/又
は面積の設定値を変える場合は、制御温度をより広範囲
にかつ正確に調節することができる。さらに、前記金属
材を整磁合金材に固定する固定手段を備える場合は、固
定手段によって金属材の発熱が基材に伝達されるので、
金属材が異常温度となることを防止することができる。
【0010】他の本発明の電磁誘導加熱用器具の温度制
御方法によると、金属材によって電磁誘導加熱コイルか
らの磁束が吸収又は遮断されると共に、金属材及び整磁
合金材の各透磁率が合成されるので、整磁合金材のキュ
ーリー点により決まる制御温度を広範囲にかつ正確に調
節することができる。また、合成された透磁率の変化が
緩やかとなり、電磁誘導加熱器の出力電流もゆっくり変
化するため電流制御が容易となって電磁誘導加熱器の破
損からの保護を簡易なものとすることができる。さら
に、固定手段によって金属材の発熱が基材に伝達される
ので、金属材が異常温度になることを防止することがで
きる等の利点を有している。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明を実
施例により具体的に説明する。尚、本実施例では、電磁
誘導加熱用器具として調理用の鍋を例示する。上記調理
用の鍋1は、図1、2に示すように、基材111及び整
磁合金材112からなるクラッド材11と、このクラッ
ド材11の電磁誘導加熱コイル2に対向する面側に設け
られる金属材12とから構成される。上記基材111
は、例えば、アルミニウムや銅等の熱伝達性に優れた非
磁性金属から鍋形状に形成されている。この基材111
には電磁誘導加熱コイル2に対向する面側に上記整磁合
金材112が積層されている。この整磁合金材112
は、例えば、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム
(Cr)、コバルト(Co)等の金属成分を適宜配合割
合で合金化して円盤状に形成され、周知のように温度に
よって透磁率μが変化するようになっている。ここで、
上記整磁合金材112は、その金属成分の種類、配合割
合及び熱処理温度等を適宜調整することによって、その
キューリー点が調節されることとなる。
【0012】また、上記金属材12は、鉄やステンレス
等の磁性金属又は銅やアルミニウム等の非磁性金属より
リング形状に形成され、整磁合金材112の底面側の所
定面域を閉塞するようになっている。また、この金属材
12は、複数(図中8個)のビス、ボルト、スタッド、
リベット等の固定手段3を介してクラッド材11に固定
されている。これら固定手段3は、例えば、導電性及び
熱伝達性に優れた鉄やステンレス等から形成されてい
る。また、各固定手段3は、図3に示すように、上記金
属材12及び整磁合金材112を貫通し、その先端部が
基材111側まで到達する長さ寸法に設定されている。
【0013】次に、図4に示すように、上記金属材12
を貼り付けない場合では、調理用の鍋1全体の見かけ上
の透磁率は、整磁合金材112の透磁率であり、図中実
線で示すような特性カーブとなる。この見かけ上の透磁
率における整磁合金材112の温度調節点はA点の1点
のみとなる。これに対して、上記金属材12として磁性
金属材を貼り付けた場合では、この金属材12によって
電磁誘導加熱コイル2からの磁束が吸収されると共に、
この金属材12の透磁率と整磁合金材112の透磁率と
が合成されるので、金属材12の材質、厚さ、面積等を
変えることによって、調理用の鍋1全体の見かけ上の透
磁率(合成された透磁率)は、図中点線や一点鎖線で示
すような特性カーブを示し、温度調節点がA点より高い
温度であるB点、C点、D点等に調整可能となる。ま
た、図5に示すように、上記金属材12として非磁性金
属材を貼り付けた場合では、この金属材12によって電
磁誘導加熱コイル2からの磁束が遮断されると共に、こ
の金属材12の透磁率と整磁合金材112の透磁率とが
合成されるので、やはり金属材12の材質、厚さ、面積
等を変えることによって、調理用の鍋1全体の見かけ上
の透磁率(合成された透磁率)は、図中点線や一点鎖線
で示すような特性カーブを示し、温度調節点がA点より
低い温度であるb点、c点、d点等に調整可能となる。
従って、本実施例に係る調理用の鍋1によると、従来の
ように、整磁合金材の本来持つ特性で決まる単一の調節
温度に限定されることなく、整磁合金材のキューリー点
により決まる制御温度をある温度幅でもって調整するこ
とができる。その結果、被加熱体側に設けた温度センサ
の温度検出精度や電磁誘導加熱器が持っている制御特性
に左右されないで、どんな電磁誘導加熱器を使用しても
常に狙い通りの制御温度とすることができる。
【0014】また、図6に示すように、金属材12を貼
り付けない場合では、調理用の鍋1全体の見かけ上の透
磁率は、整磁合金材112の透磁率であり、図中実線で
示すように急峻に変化して、電磁誘導加熱器の出力側加
熱コイルのインダクタンスが変化し加熱コイル電流(図
中点線で示す。)も過渡的に変化する。これに対して、
金属材12を貼り付けた場合では、この金属材12の透
磁率と整磁合金材112の透磁率とが合成されるので、
調理用の鍋1の見かけ上の透磁率(合成された透磁率)
は、図中一点鎖線で示すように滑らかに変化し加熱コイ
ル電流も滑らかにゆっくりと変化する。従って、本実施
例に係る調理用の鍋1によると、上記調節温度をある幅
でもって調整できると共に、整磁合金材のキューリー点
付近で急激に変化しようとする電磁誘導加熱器の出力電
流をゆっくりした変化にして加熱器が破損することを防
止できる。
【0015】次に、図7に示すように、上記金属材12
として磁性金属材を貼り付けた場合、この金属材12が
発熱されることとなるが、その際、金属材12の熱は各
固定手段3を介して基材111側まで伝達されるように
なっている(図中矢印参照)。従って、本実施例に係る
調理用の鍋1によると、金属材12が異常温度とならな
いように制御することができる。
【0016】補足として、図8(a)(b)に示すよう
に、非磁性金属帯、整磁合金帯及び異金属部を積層して
なる場合、A・B間のインピーダンスは、Z=(Zo×
Zs)/(Zo+Zs)になる。本発明に係る電磁誘導
調理器具は、上述のように金属材12を貼り付けたこと
によりA・B間のインピーダンスが変化し、これが加熱
インバータからみた加熱コイル側のインピーダンス変化
として現れる。その変化モードは、上記インピーダンス
Zの値に追従し透磁率で決まるインダクタンスLに追従
する。即ち、透磁率μの変化カーブとインピーダンスZ
の変化カーブとは等価な関係にあると言える(図4、5
参照)。
【0017】尚、本発明においては、前記具体的な実施
例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即
ち、本実施例では、電磁誘導加熱用器具として調理用の
鍋1を例示したが、これに限定されず、例えば、図9、
10に示すように、電磁誘導加熱用器具として調理用プ
レート5を例示することができる。この調理用プレート
5は、上述の調理用の鍋1と略同様にして、基材511
及び整磁合金材512からなる矩形平板状のクラッド材
51と、このクラッド材51の電磁誘導加熱コイル2に
対向する面側に貼り付けた金属材52とから構成され
る。また、上記クラッド材51には複数の固定手段3を
介して1つ又は複数の金属材52{図10(a)(b)参
照}が貼り付けられている。このような調理用プレート
5であっても、上述の調理用鍋1と略同様の効果が得ら
れることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁誘導加熱用器具としての調理
用鍋の縦断面図である。
【図2】調理用鍋の底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】整磁合金材の外側に磁性金属材を設けた場合の
透磁率の特性カーブを説明するためのグラフである。
【図5】整磁合金材の外側に非磁性金属材を設けた場合
の透磁率の特性カーブを説明するためのグラフである。
【図6】透磁率が急峻に変化する場合の加熱器の出力電
流の特性カーブ及び透磁率が滑らかに変化した場合の加
熱器の出力電流の特性カーブを説明するためのグラフで
ある。
【図7】金属材が発熱する際、その熱が基材側へ伝達さ
れる状態を説明するための説明図である。
【図8】本発明に係る電磁誘導加熱用器具のインピーダ
ンス変化を説明するための説明図であり、(a)は器具
の要部断面図を示し、(b)はA・B間のインピーダン
ス変化を示す模式図である。
【図9】本発明に係る電磁誘導加熱用器具としての調理
用プレートの斜視図である。
【図10】調理用プレートの底面図であり、(a)は1
つの金属材を設けた形態を示し、(b)は2つの金属材
を設けた形態を示す。
【符号の説明】
1:調理用の鍋、11:クラッド材、111:基材、1
12:整磁合金材、12:金属材、2:電磁誘導加熱用
コイル、3:固定手段、5:調理用のプレート、51:
クラッド材、511:基材、512:整磁合金材、5
2:金属材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 哲夫 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AA08 AB04 AC10 AC34 AD04 AD25 AD34 BD02 CD06 CD43 CD44 4B055 AA09 AA12 AA13 BA13 BA14 BA67 CA03 CA71 CB02 CB16 CC04 CC24 CC25 CD02 DB14 FB01 FC06 GC16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の電磁誘導加熱コイルに対向する面
    側に、温度により透磁率が変化する整磁合金材を設け、
    電磁誘導加熱時に、前記整磁合金材のキューリー点によ
    り決まる制御温度を超えないように自己温度調節する電
    磁誘導加熱用器具の温度制御方法において、 前記整磁合金材の前記電磁誘導加熱コイルに対向する面
    側に磁性又は非磁性の金属材を設け、該金属材及び前記
    整磁合金材の各透磁率の合成によって前記制御温度を調
    節することを特徴とする電磁誘導加熱用器具の温度制御
    方法。
  2. 【請求項2】 前記整磁合金材の金属成分の配合割合及
    び/又は熱処理温度の設定値を変えることによって前記
    制御温度を調節する請求項1記載の電磁誘導加熱用器具
    の温度制御方法。
  3. 【請求項3】 前記金属材が前記電磁誘導加熱コイルか
    らの磁束を吸収又は遮断することによって前記制御温度
    を調節する請求項1又は2記載の電磁誘導加熱用器具の
    温度制御方法。
  4. 【請求項4】 前記金属材の厚さ及び/又は面積の設定
    値を変えることによって前記制御温度を調節する請求項
    1乃至3のいずれか一項に記載の電磁誘導加熱用器具の
    温度制御方法。
  5. 【請求項5】 前記金属材を前記整磁合金材に固定する
    固定手段を備え、該固定手段によって前記金属材の発熱
    を前記基材に伝達する請求項1乃至4のいずれか一項に
    記載の電磁誘導加熱用器具の温度制御方法。
  6. 【請求項6】 基材の電磁誘導加熱コイルに対向する面
    側に、温度により透磁率が変化する整磁合金材を積層し
    てなるクラッド材を備え、電磁誘導加熱時に、前記整磁
    合金材のキューリー点により決まる制御温度を超えない
    ように自己温度調節する電磁誘導加熱用器具の温度制御
    方法において、 前記整磁合金材の前記電磁誘導加熱コイルに対向する面
    側に設けられる磁性又は非磁性の金属材と、該金属材を
    該整磁合金材に固定する固定手段とを備え、前記金属材
    によって前記電磁誘導加熱コイルからの磁束が吸収又は
    遮断されることと共に、前記金属材及び前記整磁合金材
    の各透磁率が合成されることによって前記制御温度を調
    節する一方、前記固定手段によって、前記金属材の発熱
    が前記クラッド材の前記基材へ伝達されることを特徴と
    する電磁誘導加熱用器具の温度制御方法。
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